JP3683858B2 - A種膜材を用いた膜屋根およびa種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法 - Google Patents

A種膜材を用いた膜屋根およびa種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、A種膜材を用いた膜屋根およびA種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、PTFE樹脂(四ふっ化エチレン樹脂)とガラス繊維の複合膜にFEP樹脂などふっ素樹脂をコーティングした所謂A種膜材を用いた膜屋根では、所定の張力でA種膜材を張り渡すことによって構成されている。
そして、A種膜材の接合では、樹脂の熱可塑性を利用し、金属製の平板でかつ平滑な矩形熱盤を押し当てるホットメルト接合が用いられている。
この熱盤を押し当てるホットメルト接合としては、膜材の上下何れかに定盤を設置する接合方法および片押しによる接合方法が知られている。
【0003】
先ず、膜材の上下何れかに定盤を設置する接合方法は、被着体である二枚の膜材の上下何れかに定盤を設置し、金属製の平板でかつ平滑な矩形熱盤を押し当て溶着させる方法である。
この接合方法は、熱盤と定盤間に被着体である膜材を挟み込むことができ、膜材同士を接触させかつ適切な圧力を確保することができることから、ホットメルト接合においては、理想的な接合方法である。
【0004】
次に、片押しによる接合方法は、膜材の上下何れかに定盤を設置する接合方法をコスト、作業性から省略し、膜パネルに導入された張力を反力とし、下部定盤の無い状況で片面から熱盤を押し当て二枚の膜材を接合する方法である。
この接合方法は、張力の導入された膜パネルに矩形の熱盤を片押しすると、膜材の押し当てられた範囲の中央部が凸状に変形し、接合する間詰め膜材との間に隙間を生じ、熱盤接触部の外周部のみが接合されてしまう。
【0005】
この接合方法でも簡便な止水性能は確保されるが、多雪地域における滑雪等、接合端部に大きな外力が加わる場合は、経年により剥離を生じることから、充分な接合とは言えない。
ここで、A種膜材の溶着接合用接着剤としては、一般的に厚さ125μm〜190μm程度のFEP樹脂フィルム(100%FEP樹脂の熱押出し成形加工品)が用いられている。
【0006】
また、FEP樹脂フィルムを用いるのは、A種膜材の樹脂分を構成するPTFE樹脂表面処理材として用いられているFEP樹脂との相溶性を確保するためである。また、FEP樹脂フィルムの厚みは、溶着時にFEP樹脂フィルムがメルトフローし被着体であるA種膜材表面の凹凸を埋めるに十分な量を確保するように決められる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図7および図8に示すように、A種膜材1,1同士の溶着接合部2における膜材端部小口3は、材料加工時のレーザによる裁断を行ったままの状態となっているため、A種膜材1の表層にあるPTFE樹脂層4とFEP樹脂による樹脂コーティング層5がなくなり、かつガラス繊維6が露頭しており、親水性に起因する凍結融解抵抗性の低下など材料劣化を生じ易くなる。すなわち、A種膜材1,1同士の溶着接合部2における膜材端部小口3は、撥水性、耐久性に劣る部分である。
【0008】
また、図8に示すように、A種膜材1,1同士の溶着接合部2における膜材端部小口3には、A種膜材1の厚さ分(0.6〜0.8mm)の段差7が生じる。この接合状態でも、接合強度および簡便な止水性能は確保される。
しかし、多雪地域における端部の凍結とそれに続く滑雪などにより、A種膜材1,1同士の溶着接合部2における膜材端部小口3に大きな外力が加わる場合には、経年により段差7から溶着接合部2の剥離や接合膜材端部の材料劣化を生じ、充分な接合とはなり得ていない。
【0009】
本発明は、斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、A種膜材同士の溶着接合部における膜材端部小口の撥水性、耐久性を向上させることが可能なA種膜材を用いた膜屋根およびA種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、所定の張力でA種膜材を張り渡して成るA種膜材に別のA種膜材を溶着接合して成る膜屋根において、前記両A種膜材の溶着接合部位は、FEP樹脂(四ふっ化エチレン・六ふっ化プロピレン共重合樹脂)フィルムまたはFEP樹脂ディスバージョンにFEP樹脂粉末を添加分散させたゲル状物質から成る接着剤によって現場において溶着され、前記溶着接合部位の膜材端部小口から前記別のA種膜材に亘る段差部は、前記溶着した接着剤をテーパ状に整形して平滑化されていることを特徴とする。
【0011】
請求項2に係る発明は、所定の張力で張り渡したA種膜材に別のA種膜材を現場において溶着接合するに際し、前記両A種膜材の溶着接合部位および前記溶着接合部位の膜材端部小口から前記別のA種膜材に亘る段差部にFEP樹脂フィルムまたはFEP樹脂ディスバージョンにFEP樹脂粉末を添加分散させたゲル状物質から成る接着剤を配し、前記溶着接合部位および前記段差部を加熱して前記両A種膜材同士を溶着接合するとともに前記段差部に前記接着剤を溶着し、前記段差部に溶着した接着剤を再度加熱してテーパ状に整形することを特徴とする。
【0012】
請求項3に係る発明は、所定の張力で張り渡したA種膜材に別のA種膜材を溶着接合した膜屋根の膜材端部小口から前記別のA種膜材に亘る段差部に、FEP樹脂フィルムまたはFEP樹脂ディスバージョンにFEP樹脂粉末を添加分散させたゲル状物質から成る接着剤を現場において配し、前記接着剤を加熱して前記膜材端部小口に溶着し、前記溶着した接着剤を再度加熱して前記段差部をテーパ状に整形することを特徴とする。
【0013】
請求項に係る発明は、請求項または請求項記載のA種膜を用いた屋根部材の膜材端部処理方法において、前記接着剤の加熱は熱盤により行い、前記段差部をテーパ状に整形する加工は前記熱盤を40°〜80°傾けることにより行うことを特徴とする
【0014】
(作用)
A種膜材を用いた屋根部材は、工場溶着接合加工と併せて、張力がかかった本体膜に間詰めの膜材(フラップ膜材)などを現場で溶着接合施工する場合が多い。また、経年の劣化に対する補修は現場溶着となることは言うまでもない。
従来の溶着接合での膜材端部は前述したように、溶着接合部で少なくとも膜材厚分の段差が生じる。このため、多雪地域においては膜材表面部での凍着、滑雪などにより接合端部に大きな外力が加わることになり、膜材端部に起因する剥離を生じ、結果として経年での漏水を誘起することになる。また、膜材端部ではガラス繊維が露頭しており、親水性に起因する凍結融解抵抗性の低下など材料劣化を生じ易くなる。
【0015】
この改善策として、膜材同士を熱溶着接合する際に、膜材の熱溶着と同時にあるいは別々にFEP樹脂(四ふつ化エチレン・六ふつ化プロピレン共重合樹脂)のフイルムやFEP樹脂のゲルを用いて膜材端部(段差および小口の未コーティング部)を平滑化処理する方法(平滑化処理により平滑化と併せて小口のコーティング処理も可能)が、溶着接合部の耐久性向上に効果があることを各種の実験的検討を通して検証するに至った。
【0016】
本発明者らは、多雪地域での膜屋根上に堆積し滑落する雪氷が、溶着接合部に及ぼす影響に関する研究過程の中で、前述に示した従来の膜材接合状態では、雪氷塊が凍着し滑落した際に、膜材端部に起因する溶着接合部の剥離が発生および進行し、膜材の損傷を促進することを実験的に確認した。
具体的には、膜材接合端部の耐久性向上策として、接合膜材端部処理としての平滑化処理として、FEP樹脂フイルムやFEP樹脂のゲルを接合媒体として用い、接合媒体のメルトフローにより接合部端部の段差部を1〜15mmの範囲、望ましくは2〜8mmの範囲でテーパ状に埋め、端部に剥離力等がかかりにくい形状にコーティングする工法を発案するに至った。
【0017】
膜材端部の処理長さとして1mm以下の場合は、顕著な段差処理効果が期待し得ず、15mm以上の場合は15mm以下と同等の効果しか期待し得ず冗長となるためである。
また、段差部をテーパ状に整形する加工は、熱盤を傾けることによって行われる。その際、作業性および出来上がったテーパの形状から熱盤の傾きを40°〜80°にすることが望ましいことが確認できた。
【0018】
膜材端部平滑化処理をおこなった試験体を用いた凍着、滑雪実験において、接合部膜材端部の平滑化処理が、その耐久性に極めて有効であることが検証された。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1および図2は、本発明の一実施形態に係る膜屋根10およびA種膜を用いた屋根部材の膜材端部処理方法を示す。
本実施形態に係る膜屋根10は、常法に従って鋼製フレームに所定の張力(例えば、300kgf/cm)を掛けてA種膜11を張り渡して張力導入膜パネル12が形成されている。この際、各張力導入膜パネル12は、端部をボルトナットなどにより締結されて定着される。
【0020】
そして、溶着接合部13には、例えば、雨仕舞いのための間詰めの膜材(フラップ膜材)14が現場で片押しによる溶着接合により固着されている。この溶着接合に際し、A種膜材11と間詰めの膜材14との間にFEP樹脂(四ふっ化エチレン・六ふっ化プロピレン共重合樹脂)フィルムから成る接着剤15を配しておく。
さらに、溶着接合部13における膜材端部小口13Aには、現場でFEP樹脂フィルムから成る接着剤15(またはFEP樹脂のゲルから成る接着剤16)を被覆して、その接着剤15(または16)を片押しによる溶着接合により固着し、その後に、さらに溶着した接着剤15(または16)をテーパ状に整形して段差部17を平滑化する処理を施している。
【0021】
従って、溶着接合部13における膜材端部小口13Aは、段差部17が溶着した接着剤15(または16)を整形したテーパ18となり、段差がなくなる。
そのため、多雪地域での膜屋根10上に堆積し滑落する雪氷塊が凍着し滑落する際に、溶着接合部13にぶつかろうとしても、テーパ18がそれを遮り、従来のように膜材が剥離するとか、露頭するガラス繊維から浸水するなどの不具合が起こらなくなった。
【0022】
図3は、本発明の別の実施形態に係る膜屋根20およびA種膜を用いた屋根部材の膜材端部処理方法を示す。
本実施形態は、A種膜材21,22同士の溶着と膜材端部23の平滑化を同時に行う場合に適用した例である。
本実施形態では、接着剤(溶着媒体)として厚み125μm〜190μmのFEP樹脂フイルム24を使用している。
【0023】
また、熱融着治具25は、重さ約9kg、熱盤面4cmw×30cmLとした。熱融着治具25の熱盤先端部形状は凸版とし、380℃、90秒間の溶着条件下で間詰めの膜材(フラップ膜材)22を溶着するように設定した。
先ず、FEP樹脂フイルム24をA種膜材21,22間および膜材端部23から3mm出した状態に仮止めする。
【0024】
次に、熱溶着治具25を用いてA種膜材21,22同士の溶着接合と同時に膜材端部23の所定長さ(3mm)についても加熱を行う。その際、熱溶着治具25は膜材端部23の所定長さ(3mm)出して設置する。これにより挿入したFEP樹脂フィルム24はメルトフローしてA種膜材21,22表面の既FEP樹脂コーティング層と溶融一体化し、膜材端部23の小口26をコーティングする。
【0025】
次に、接合部膜材端部23の平滑化のため、通常溶着加熱時間90秒後に熱溶着治具25をA種膜材21,22に対して70°程度の角度になるよう傾けて5秒間加熱し、熱溶着治具25の自重による加圧により膜材端部23をテーパ状に整形するとともにA種膜材21,22とFEP樹脂フイルム24の熱溶着接合をおこなう。整形完了後、すばやく熱溶着治具25をはずし形状が変化しないように冷却すると、膜材端部23に段差のない滑らかな面となった。
【0026】
これにより、従来の融着接合部にある膜材重ね合わせによる材料厚さ(0.6〜0.8mm)分の段差小口に剥離力が掛からない接合部ができる。
図4は、本発明の別の実施形態に係る膜屋根30およびA種膜を用いた屋根部材の膜材端部処理方法を示す。
本実施形態は、A種膜材31,32同士の溶着と膜材端部33の平滑化を同時に行う場合に適用した例である。
【0027】
本実施形態では、接着剤(溶着媒体)としてFEP樹脂のゲル34を使用している。
先ず、FEP樹脂のゲル34をA種膜材31,32間および膜材端部33から約5mm出た部分まで塗布する。
次いで、熱溶着治具35を用いてA種膜材31,32の溶着接合と同時に膜材端部33の所定長さについても加熱を行う。その際、熱溶着治具35は膜材端部33の所定長さ(約3mm程度)出して設置する。これにより塗布したFEP樹脂のゲル34はメルトフローしてA種膜材31,32表面の既FEP樹脂コーティング層と溶融一体化し、膜材端部33の小口36をコーティングする。
【0028】
次に、接合部膜材端部33の平滑化のため、通常溶着加熱時間90秒後に熱溶着治具35を膜面に対して70°程度の角度になるよう傾けて5秒間加熱し、熱溶着治具35の自重による加圧により膜材端部33をテーパ状に整形するとともにA種膜材31,32とFEP樹脂のゲル34の熱溶着接合をおこなう。
ここで、FEP樹脂ゲル34の成分含有量は、下記の表1に示すとおりである。
【0029】
【表1】
Figure 0003683858
また、その材料特性をもつ接着剤の粘度および全固形分量(ゲル中のFEP樹脂の質量の割合に相当する。)を下記に示す。
粘度は、4000〜5000(mPa・s)である。
測定試験法は、JIS K 7117(液状の樹脂の回転粘度計による粘度試験法 S法)に準ずる。
【0030】
全固形分量(不揮発分量)は、60.0〜70.0(重量%)である。
測定試験法は、JIS K 6833(接着剤の一般試験法6.4不揮発分 )に準ずる。
なお、一般のFEP樹脂ディスパージョンの粘度は、10〜20mPa・sであり、サラサラしており、屋根勾配を模擬した実験では流れ出してしまい、接合できなかった。
【0031】
また、低濃度ディスパージョンで、樹脂を所定量接合面に塗布するには、繰り返し塗る方法も考えられるが、塗った面が濡れたままでは塗り重ねができないし、水分が飛ぶまで待つと微粉末化して飛散し、やはり塗り重ねができなかった。
本実施形態に用いるFEP樹脂のゲル34は、一般的なFEP樹脂ディスパージョンと比べ、樹脂分が高濃度で界面活性剤が低濃度となっている。
【0032】
また、以下の理由▲1▼〜▲3▼により成分配合が決められている。
▲1▼屋根勾配60〜70°の急勾配面での作業において流れ出さず、下記▲3▼の適用塗布ができる粘度であること。
▲2▼熱によりメルトフローさせ一体化する際、界面活性剤が熱変成して茶褐色にならず美観、意匠性を損なわない界面活性剤濃度であること。
【0033】
▲3▼塗布作業において、A種膜材の凹凸を埋めるに十分な樹脂量を確保する全固形分量であること。
本実施形態に用いるFEP樹脂のゲル34は、接合するA種膜材(母材)表面のコーティング材と同等のふっ素樹脂であるから、加熱後に除冷すると、互いの分子の絡み合いにより、A種膜材のふっ素樹脂と一体化しており、剥離試験を行っても、接合部では破壊せず、ガラス繊維から母材のコーティング(PTFE樹脂)が剥がれる破壊性状となる。
【0034】
それは、A種膜材自体が複合材料で、ガラス繊維とコーティング(PTFE樹脂)の付着強度の方が、熱により一体化された溶着接合部分より強度的に劣るからである。
ちなみに、屋根に用いるA種膜材でホットメルト接合して剥離試験したところ、(劣化させていない初期状態の)剥離強度としては、ガラス繊維とコーティングふっ素樹脂の付着強度の弱いものでも、2kgf/cm程度である。
【0035】
図5は、本発明の別の実施形態に係る膜屋根40およびA種膜を用いた屋根部材の膜材端部処理方法を示す。
本実施形態は、A種膜材41,42を既に溶着した場合の既溶着膜材端部43の平滑化処理を施した例を示す。
先ず、FEP樹脂のゲル44を膜材端部43から約5mm出た部分まで塗布する。
【0036】
次いで、熱溶着治具45を用いて膜材の溶着接合と同時に膜材端部43の所定長さについても加熱を行う。その際、熱溶着治具45は膜材端部43の所定長さ(約3mm程度)出して設置する。これにより塗布したFEP樹脂のゲル44はメルトフローしてA種膜材41,42表面の既FEP樹脂コーティング層と溶融一体化し、膜材端部43の小口46をコーティングする。
【0037】
次に、接合部膜材端部43の平滑化のため、通常溶着加熱時間90秒後に熱溶着治具45を膜面に対して70°程度の角度になるよう傾けて5秒間加熱し、熱溶着治具45の自重による加圧により膜材端部43をテーパ状に整形するとともにA種膜材41,42とFEP樹脂のゲル34の熱溶着接合をおこなう。
図9は、凍着および滑雪を模擬した実験において把握された、接合部端部の捲れの大きさと氷塊の付着力との関係例を示す。
【0038】
膜材端部が5mm氷塊に食い込んだ状態に凍着した場合、その凍着力は40N/cm程度の付着力となる。通常、間詰めの膜材の融着接合強度は20N/cm程度であるので、溶着接合端部に捲れなど不良部があった場合、氷塊の付着力が接合部の剥離強度より大きくなり、雪氷の自重、落下の外力よってフラップ膜材を引き剥がすことが把握される。このことからも接合端部小口に剥離力の掛かる始発点を皆無にできる本発明に係る膜材端部の平滑化処理方法は、融着接合部の耐久性向上に大きな効果があることが理解される。
【0039】
【発明の効果】
本発明では、溶着接合部の膜材端部を平滑化処理するので、多雪地域での膜屋根上に堆積し滑落する雪氷が溶着接合部に及ぼす剥離故障を確実に防止することができる。すなわち、屋根上に堆積し凍結、滑落する雪氷に起因する接合部剥離や膜材端小口部の基布を傷める挙動を皆無にできる。また、A種膜材による建築の恒久的な屋根部材などの膜接合に関する要素技術として品質確保に多いに貢献することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る膜屋根10を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るA種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法を示す説明図である。
【図3】本発明の別の実施形態に係る膜屋根20およびA種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法を示す説明図である。
【図4】本発明の別の実施形態に係る膜屋根30およびA種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法を示す説明図である。
【図5】本発明の別の実施形態に係る膜屋根40およびA種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法を示す説明図である。
【図6】凍着および滑雪を模擬した実験において把握された、接合部端部の捲れの大きさと氷塊の付着力との関係例を示す図である。
【図7】裁断加工後のA種膜材の状態を示す断面図である。
【図8】従来のA種膜材を用いた屋根部材の膜材端部を示す断面図である。
【符号の説明】
10、20、30、40 膜屋根
11、21、22、31、32、41、42 A種膜
12 張力導入膜パネル
13 溶着接合部
13A 膜材端部小口
14 間詰めの膜材(フラップ膜材)
15、16 接着剤
17 段差部
18 テーパ
23、33、43 膜材端部
24 FEP樹脂フイルム
25 熱融着治具
26、36 小口
34、44 FEP樹脂のゲル
35、45 熱溶着治具

Claims (4)

  1. 所定の張力でA種膜材を張り渡して成るA種膜材に別のA種膜材を溶着接合して成る膜屋根において、
    前記両A種膜材の溶着接合部位は、FEP樹脂(四ふっ化エチレン・六ふっ化プロピレン共重合樹脂)フィルムまたはFEP樹脂ディスバージョンにFEP樹脂粉末を添加分散させたゲル状物質から成る接着剤によって現場において溶着され、
    前記溶着接合部位の膜材端部小口から前記別のA種膜材に亘る段差部は、前記溶着した接着剤をテーパ状に整形して平滑化されている
    ことを特徴とするA種膜材を用いた膜屋根。
  2. 所定の張力で張り渡したA種膜材に別のA種膜材を現場において溶着接合するに際し、前記両A種膜材の溶着接合部位および前記溶着接合部位の膜材端部小口から前記別のA種膜材に亘る段差部にFEP樹脂フィルムまたはFEP樹脂ディスバージョンにFEP樹脂粉末を添加分散させたゲル状物質から成る接着剤を配し、前記溶着接合部位および前記段差部を加熱して前記両A種膜材同士を溶着接合するとともに前記段差部に前記接着剤を溶着し、前記段差部に溶着した接着剤を再度加熱してテーパ状に整形することを特徴とするA種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法。
  3. 所定の張力で張り渡したA種膜材に別のA種膜材を溶着接合した膜屋根の膜材端部小口から前記別のA種膜材に亘る段差部に、FEP樹脂フィルムまたはFEP樹脂ディスバージョンにFEP樹脂粉末を添加分散させたゲル状物質から成る接着剤を現場において配し、前記接着剤を加熱して前記膜材端部小口に溶着し、前記溶着した接着剤を再度加熱して前記段差部をテーパ状に整形することを特徴とするA種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法。
  4. 請求項2または請求項3記載のA種膜を用いた屋根部材の膜材端部処理方法において、前記接着剤の加熱は熱盤により行い、前記段差部をテーパ状に整形する加工は前記熱盤を40°〜80°傾けることにより行うことを
    特徴とするA種膜材を用いた屋根部材の膜材端部処理方法。
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