JP3681184B2 - Seawater-based wet flue gas desulfurization method and apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は湿式排煙脱硫処理方法およびそのための装置に関する。より詳しくは本発明は燃焼排ガス中の硫黄酸化物を同時酸化吸収方式で湿式排煙脱硫処理するに当たり、カルシウム系化合物含有吸収液の水分として海水を使用し、かつ該吸収液のMg 濃度を 10000mg/L またはそれ以下およびpHを4.5 未満に保持することによる湿式排煙脱硫処理方法、およびそのための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
湿式排煙脱硫処理方法はボイラー、各種加熱炉、焼却炉等からの排ガス中に含まれる有害な硫黄酸化物主として亜硫酸ガスを、カルシウム系化合物を吸収剤とする吸収液中に吸収および酸化し、石膏として固定、無害化除去できるのみならず、生成する石膏も産業上利用できるので世界的に高い評価を得ている。
【0003】
特に、カルシウム系化合物含有吸収液中に酸素含有ガスを導入しながら硫黄酸化物の吸収除去と酸化を同時に実施するいわゆる同時酸化吸収方式が開発されてからは、それまで酸化塔を分離して設置していた方式と比較してスケーリングの問題が解消され、また排水のCOD源となるジチオン酸イオン(S 2 O 6 --)および N-S化合物の生成も抑制できるためその処理のための装置が不要もしくは小型化し、また高い脱硫率とカルシウム系化合物利用率が達成できるようになった(例えば特公昭55−37295号公報、同60−4726号公報参照)。
【0004】
ところで、湿式排煙脱硫方法では排ガスの冷却時にかなりの量の水分がガスに随伴して蒸発し去るため水分の損失が大きく、また排水量も多い。従って湿式排煙脱硫系内にかなりの補給水を必要とし、これまで工業用水などの良質の水資源を大量に消費してきた。その上最近では1発電所当たりの発電規模の大型化に伴う排ガス量の増大等により、必要とされる補給水量もさらに増大してきており、例えば100 万KWの火力発電所で見ると、蒸発水補給用水分として毎時90トン以上、そしてそれ以外の例えば排水、機械的シール水、仕上げ洗浄等に毎時20トン以上と、少なくとも合計 110トン以上を必要とする。
【0005】
このような大量の用水の安定的確保は年々難しくなってきており、そのため排ガスの冷却時に損失した水分を排ガスから回収するとか、排水量の低減または無排水化を図るとかが課題となっていた。
工業用水量節減の1方法として、より低質の水、すなわち海水を利用し、脱塵用水分または脱硫用スラリー水分に海水を使用する方法はすでに提案されている(特開昭57−68121号公報)。但しこの方法は同時酸化吸収方式ではなく酸化塔を分離して設置する方式であるため、亜硫酸の酸化速度、酸化率にほとんど無関係に脱硫することができるが、前記したスケーリングその他の酸化塔別置方式の有する種々の不都合を有するのみならず海水によりその欠点がさらに拡大する。
【0006】
その他特公昭51−43836号公報(特開昭49−117393号公報)では排煙中の亜硫酸ガスを吸収するための吸収液として、海水淡水化後の濃縮された海水に種晶を添加して使用する方法、および特開昭59−109225号公報には海水にカルシウム化合物を添加して得たMg(OH)2 を吸収剤とする方法が開示されているが、これらの場合にはSO4 --と吸収液中および海水中のカルシウム化合物が反応することにより石膏が生成し、スケーリングトラブルの原因となる。さらには、海水淡水化装置が排煙を処理する装置の近傍に設置されていなければ有効な方法とならない。
【0007】
さらに、Mg(OH)2 を吸収剤とする方法では現実問題として吸収液のpHをアルカリ領域となす必要があり、従って過剰のCa(OH)2 を海水に添加し、同時にpHを9以上、好ましくは11以上にする必要があってスケーリングトラブルがさらに増大するものと考えられる。また脱硫後の吸収液の処理が煩雑である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
酸素含有ガス例えば空気を導入しながら硫黄酸化物の吸収除去と酸化を同時に実施するいわゆる同時酸化吸収方式による脱硫方法では、前記した種々の利点を有するが、吸収液中の亜硫酸の酸化が不十分になると脱硫性能が低下して脱硫率の低下、脱硫の不安定化を来し、同時酸化吸収方式の持つ工業的利点が得られなくなる欠点があることが分かった。
【0009】
特に、湿式排煙脱硫処理においては前記したとおりかなりの量の水分がガスに随伴して蒸発し去るため、補給水として海水を用いた場合、海水が次第に濃縮され、それに伴い海水中に含有される塩類濃度例えばNaイオン、Clイオン等の濃度が高まる。吸収液中の塩類濃度がある限界を超えると亜硫酸の酸化が不十分となり、脱硫性能が低下して問題となった。
【0010】
本発明は、補給水として海水を使用し、しかも前記した同時酸化吸収方式の有する利点を保持したまま効率的に脱硫できる海水利用型湿式排煙脱硫方法およびそのための装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
ここで、補給水として海水を使用した場合でも、吸収液のpHを4.5 未満に保持すれば酸化性能の低下を防止でき、安定した脱硫性能を維持できることを見出した。
また海水が濃縮されるにつれて海水中のMg濃度が上昇するが、このMgイオンが脱硫性能に促進効果を及ぼして脱硫率が向上することも見出した。その効果はMg濃度を10000 mg/Lまたはそれ以下に保持した場合に得られることも見出した。
【0012】
すなわち本発明は、硫黄酸化物を含有する燃焼排ガスを、酸素含有ガス導入の下にカルシウム系化合物含有吸収液と気液接触させることにより前記燃焼排ガスから硫黄酸化物を吸収除去すると同時に酸化して石膏として固定化する工程を包含する湿式排煙脱硫方法において、前記カルシウム系化合物含有吸収液の形成に海水を使用し、かつ該吸収液のpHを4.5 未満、好ましくはpHを4.3 またはそれ以下、特にpH4.0 またはそれ以下に保持する、海水利用型湿式排煙脱硫方法に関する。
【0013】
特に本発明は、海水を使用した前記カルシウム系化合物含有吸収液のMg濃度が10000mg/L またはそれ以下である海水利用型湿式排煙脱硫方法に関し、さらには前記カルシウム系化合物含有吸収液のMg濃度が10000mg/L またはそれ以下となるまでMgの酸化物、水酸化物、硫酸塩または炭酸塩の1種またはそれ以上を添加したものである海水利用型湿式排煙脱硫方法にも関する。
【0014】
さらに本発明は、海水を使用して形成し、Mg 濃度が 10000mg/L またはそれ以下およびpHが4.5 未満に保持されたカルシウム系化合物含有吸収液を収納する吸収塔に、燃焼排ガスを導入するための導入管、空気導入管、石膏を含有するスラリーを排出するための排出管、およびガス排出管を設けた、海水利用型湿式排煙脱硫装置にも関する。
本発明の方法および装置は、前記燃焼排ガスが石炭の燃焼排ガスである場合に特に好適であり、また前記気液接触がガスバブリング方式(例えば特公昭55−37295号公報、特公昭60−4726号公報参照)で実施される海水利用型湿式排煙脱硫方法に特に好適である。
【0015】
前記カルシウム系化合物含有吸収液との気液接触に先立ち、前記燃焼排ガスの冷却および除塵をはかる場合は、該冷却および除塵のための液として同じく海水を使用することもできる。
また本発明の方法および装置においては、前記石膏として固定化された硫黄酸化物を含有する吸収液中では、有害な硫黄酸化物がすでに無害な石膏となっているので、そのまま放流することもできる。
【0016】
吸収液の形成に海水を使用した場合は、吸収液のpHが4.5 を超えると、海水の濃縮率の高まりに伴い、亜硫酸の酸化が急激に不十分かつ不安定となり、脱硫率の低下かつ不安定化につながることが判明した。また、同じくカルシウム化合物吸収剤の利用率も低下する。なぜpHが4.5 を超えると亜硫酸の酸化が不十分となるかは、海水中に含有されるFe, Ni, Mn等の酸化触媒としての効果がpH4.5 以上では発現しないためである。従ってこの効果が強く発現するpH4.5 未満に吸収液を保持することにより、充分な酸化性能が得られ、脱硫性能も維持される。
【0017】
また、このような条件下では海水の濃縮率の上昇に伴い、脱硫率が徐々に上昇することが分かった。その理由はMg濃度の上昇によるものであることが判明した。しかし、そのMg濃度の上昇に伴いはじめは脱硫率が上昇するが、Mg濃度が10000mg/L 付近を境として脱硫率が低下する。
その理由として考えられるのは、一つには海水中の塩類濃度が高まると、カルシウム吸収剤の吸収液中への拡散や生成する炭酸ガスの飛散が阻害され、かつ酸素、亜硫酸ガスの溶解度が低下し、脱硫率が低下するものと考えられる。もう一つには、Mgの場合、Mg濃度がある高さとなるまではMg濃度の増加により対応する陰イオンとしての硫酸イオン(SO4 --)が増加し、下記化1に示すイオン解離平衡によりpH緩衝作用が発現するため、特に低pHにおいては脱硫に促進効果を及ぼすと考えられる。
【0018】
【化1】
これは吸収液中に充分な硫酸イオン濃度が維持できる同時酸化吸収方式においてのみ発現する効果であり、さらには解離がおこる低pHにおいて発現する効果である。これまでの、酸化塔別置方式におけるMgの脱硫促進効果は亜硫酸イオンと重亜硫酸イオンとの間のpH緩衝作用であって、本発明におけるいわゆる同時酸化吸収方式の場合における促進効果とは相違する。
【0019】
しかしそれも限度を超えるとやはり吸収液中に存在する塩類濃度がカルシウム吸収剤の吸収液中への拡散や生成する炭酸ガスの飛散を阻害し、かつ酸素、亜硫酸ガスの溶解度が低下し、脱硫率が低下するものと考えられ、その限界がMg濃度 10000(mg/L) であると見られる。Mg濃度が10000mg/L を超えても脱硫率を低下させないためには、多量の空気を導入して酸化速度を高め、同時に接触を良くするため激しい攪拌を必要とするので、Mg濃度は10000mg/L またはそれ以下に止めておくのが好ましい。
【0020】
従って吸収液中のMg濃度が10000mg/L 、またはそれ以下程度となるまではMg化合物、例えばMgの酸化物、水酸化物、硫酸塩または炭酸塩の1種またはそれ以上を添加すれば脱硫率を高めることができる。但しMgの塩化物は前記したとおりClイオンを増加させ、さらに硫酸イオン濃度が増加しないためpH緩衝作用が発現しにくいことから、好ましくない。
【0021】
HFやAl成分などの混入量が比較的多い石炭燃焼排ガスを湿式排煙脱硫処理する場合はカルシウム系化合物の溶解活性の低下が起こりやすく、炭酸カルシウム含有スラリーを投入してもpHが上昇せず、脱硫率の低下を招来する傾向があることは知られている。このようないわゆるカルシウム系化合物の溶解活性の低下は、pHが低い場合、例えばpH4.5 未満、では起こり難いことは判明しており(例えば出願人の特願平5−351790号)そしてClイオンが共存すると溶解活性の低下が促進されることも知られている(例えば特開平3−245820号公報参照)。
【0022】
従って石炭燃焼排ガスを脱硫処理する場合は特に海水の濃縮率が高まると海水中のCl濃度が高まって、炭酸カルシウムの利用率が低下するものと見られる。このような事態が発生するのを回避するには、pH4.5 未満、好ましくはpH4.3 またはそれ以下、特にpH4.0 またはそれ以下で脱硫処理すれば亜硫酸の酸化の維持とカルシウム系化合物の溶解活性の低下阻止の二重の意味で有効である。
【0023】
またガスバブリング方式を採用すれば低pHにおいても高い脱硫率を得られるのみでなく、海水中の塩類濃度が高まった際にも特に排ガスの気液接触部において効率的な酸化吸収を図れるので気液接触をガスバブリング方式で行うのが効果的である。
冷却工程と吸収工程を分離して2塔で処理(いわゆるスート分離方式)する同時酸化吸収方式の場合を例にとって本発明の海水利用型湿式排煙脱硫方法および装置の一例を模式的に示せば図1のとおりである。
【0024】
図1において、電気集塵機等の予備処理を経た燃焼排ガスは、冷却および除塵のための冷却塔1を経由するかまたはスート混合方式の場合はそのまま吸収塔2に送られる。吸収塔2で、スラリー調製タンク4から供給された、海水や固液分離後の濾液を使用して形成されたカルシウム系化合物吸収剤スラリーを含有する吸収液と気液接触し、硫黄酸化物が吸収除去され、同時に酸化を受け、排ガス中の硫黄酸化物が石膏として固定される。吸収塔2を出た排ガスはミストエリミネーター5でミスト除去され、熱交換等ののち大気中に放出される。吸収塔2への補給水としては海水が用いられ、吸収塔2のpHは4.5 未満に保持される。吸収塔2を出た石膏含有吸収液スラリーはそのまま石膏を分離することなく放流される場合もあるし、または固液分離装置3で石膏を分離除去し、固液分離後の濾液の一部分は冷却塔1や吸収塔2に還流され、一部分はスラリー調製タンク4に送られてカルシウム系化合物のスラリー化に使用され、残る一部分は排水するか、もしくは必要に応じて無害化処理後放流される。また石膏含有吸収液スラリーは場合によりスラリー濃縮のためシックナーやサイクロンのようなスラリー濃縮装置(図示せず)で予備処理したのち固液分離装置3に送ることもできる。
【0025】
冷却工程と吸収工程を分離し、予め冷却塔1(除塵塔とも言う)で燃焼排ガスの冷却および除塵をはかる場合は、冷却および除塵のための液として海水を補給使用できる。冷却塔1から出る液分は排ガス中のフライアッシュ等のダストを含有するため固液分離装置6でそれらを分離除去後、濾液は一部排水されるかもしくは必要に応じて無害化処理後放流され、残りは冷却塔に循環使用できる。
【0026】
冷却塔としては任意のものが使用でき、スプレー式が好ましい。また固液分離装置3および6はフィルタープレス式、遠心分離式、沈降池式等、任意のものを適宜選択使用できる。
石膏を固液分離する場合は石膏の洗浄工程を設けてもよい。例えば固液分離装置に洗浄機能をもたせ、脱水と洗浄を適宜組合わせればよい。脱水前に石膏スラリーに工業用水を加える場合は液中の塩類濃度を低下させる効果がある。あるいは前記したシックナーやサイクロンのようなスラリー濃縮装置で予備処理する際に洗浄操作を組み合わせることもできる。
【0027】
本発明方法では石膏に付着して脱硫系外へ排出される水分含有率、および排水量を調節することにより、補給される海水の導入量を調節できるので、それにより海水の濃縮率を調節することができる。
本発明においてはカルシウム系化合物吸収液の形成に使用する水分を海水とし、またカルシウム系化合物のスラリー化にも固液分離後の濾液のみならず海水をも使用できる。
【0028】
吸収剤として使用されるカルシウム系化合物としては、炭酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等をあげることができるが、安価にかつ大量に入手できる点で炭酸カルシウムの使用が好ましい。
本発明によれば、機械用シール水、エリミネーター洗浄水、石膏洗浄水等に必要ならば海水以外の良質水、例えば工業用水を使用する以外は補給水を海水で代替でき、通常、100 万KW発電所の場合で湿式排煙脱硫処理に必要とされる補給水約100 トン/hr以上のうちのおよそ80%またはそれ以上を海水で代用でき、水資源を大幅に節減できる。これら海水以外の良質水は、スラリー調製タンクや吸収塔等に循環使用されるので、結果的には海水の過度の濃縮を抑制する効果をもたらすことができる。
【0029】
【実施例】
以下の実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
ガスバブリング方式によるスート混合式脱硫装置(千代田サラブレッドCT−121)を用い、pH4.3 、pH4.5 およびpH5.0 での吸収液の海水濃縮率と吸収液中の亜硫酸(SO 3 --) 濃度(ppm) との関係を調べた。亜硫酸の酸化が不十分になると亜硫酸からの石膏の形成が低下するため吸収液中に溶存する亜硫酸(SO 3 --) 濃度が増大してくる。
【0030】
試験に使用された排ガス組成および反応条件はつぎのとおりであった。
排ガス組成:
ガス量 :400 NL/h
入口SO 2濃度 :1000ppm-Dry
pH :4
使用した海水(当初):
塩素濃度 :20000mg/L
Mg濃度 : 1000mg/L
カルシウム系化合物:325 メッシュ95%パス、純度98.5%の炭酸カルシウム
温度 :50℃
得られた結果を図2に示す。図2中、IはSO 3 --濃度の揺れ幅を示す。
【0031】
図2から明らかなとおり、pH4.3 では吸収液の海水濃縮率(倍)の変動と関わりなく一定した亜硫酸(SO 3 --) 濃度が保持されており、pH4.5 でもなんとか許容できる範囲にあるが、pH5.0 では亜硫酸(SO 3 --) 濃度が急上昇する上、揺れ幅も大きく、吸収液中の亜硫酸の酸化が不十分かつ不安定となることが示された。
【0032】
従って補給水として海水を使用する場合はpH4.5 未満で脱硫処理すべきであると考えられる。
実施例2
実施例1におけると同様の実験条件の下、同様のガスバブリング方式によるスート混合式脱硫装置(千代田サラブレッドCT−121)を用い、pH4.3 、4.5 および5.0 での吸収液の海水濃縮率と脱硫率(%) との関係を調べた。得られた結果を図3に示す。
【0033】
図3中、Iは脱硫率の揺れ幅を示す。図3から明らかなとおり、pH4.3 、4.5 および5.0 と上昇するに従い脱硫率の揺れ幅が大きくなり、脱硫率が不安定となる結果が示された。
比較実験として、吸収液の形成に工業用水を用いて濃縮率と脱硫率(%) との関係を調べた結果を図4に示す。
【0034】
図4中、pH5.0 においては酸化剤を投入し、強制酸化して得られたデータである。図4から分かるとおり、吸収液の形成に工業用水を用いた場合はいずれのpHにおいても脱硫率が安定している。
図3および図4から、海水を使用する場合はpH4.5 を超えると脱硫率が不安定となることが分かる。
実施例3
実施例1におけると同様の実験条件の下、同様のガスバブリング方式によるスート混合式脱硫装置(千代田サラブレッドCT−121)を用い、pH4.0 、pH4.3 、pH4.5 およびpH5.0 での吸収液の海水濃縮率と、理論量に対する炭酸カルシウム吸収剤の過剰率(モル比)との関係を調べた。炭酸カルシウム吸収剤の過剰率が高いことは、その利用率が低下して過剰の炭酸カルシウムが必要となった事態を意味する。
【0035】
得られた結果を図5に示す。
図5に示されるとおり、pH4.3 以下では炭酸カルシウム吸収剤の過剰率はほぼ理論値どおりの1.01倍程度で一定しており、pH4.5 でも海水の濃縮率が3倍程度まではなお1.03倍前後で比較的安定した範囲にあるが、pH5.0 では炭酸カルシウム吸収剤の過剰率が急上昇し、炭酸カルシウム吸収剤の利用率が低下したことが示された。
【0036】
従って炭酸カルシウム吸収剤の利用率の低下を避けるには、pH4.5 未満、好ましくはpH4.3 またはそれ以下で脱硫処理すべきであることが分かる。
実施例4
実施例1におけると同様の実験条件の下、同様のガスバブリング方式によるスート混合式脱硫装置(千代田サラブレッドCT−121)を用い、吸収液中のMg濃度(mg/L) の変化と脱硫率(%) との関係を調べた。
【0037】
得られた結果を図6に示す。
図6から明らかなとおり、吸収液中のMg濃度 10000(mg/L) で脱硫率(%) が最高の約98.6%となり、その前後では脱硫率が低下した。従って前記の理由により、吸収液中のMg濃度は 10000(mg/L) またはそれ以下として脱硫するのが好ましい。
実施例5
スプレー塔(直径50mm×高さ1200mm)を用いるスート分離式脱硫装置を用いる以外は実施例1におけると同様の実験条件の下、空気導入による同時酸化吸収方式で、pH4.3 、pH4.5 およびpH5.0 での吸収液の海水濃縮率(倍)と脱硫率(%) との関係を調べた。実施例1および2におけると同様の傾向を示す結果が得られた。
実施例6
ガスバブリング方式によるスート混合式脱硫装置(千代田サラブレッドCT−121)を用い、カルシウム化合物含有吸収液の形成に海水を使用し、吸収液のpHを4.3 に維持し、吸収液中にMg(OH)2 スラリーをMg濃度で5000(mg/L) となるよう添加し、同時にMg濃度が全体で 10000(mg/L) を超えないよう監視し、下記組成の排ガスを脱硫処理した。
排ガス組成:
石炭燃焼排ガス:400 NL/h
入口SO 2濃度 :1000ppm-Dry
ダスト :115 mg/m3 N
pH :4
使用した海水(当初):
塩素濃度 :20000mg/L
Mg濃度 : 1000mg/L
カルシウム系化合物:325 メッシュ95%パス、純度98.5%の炭酸カルシウム
温度 :50℃
排水 :あり
安定して約95%の脱硫率で操業できた。海水は約4.0 倍まで濃縮されたが、それ以後はほぼそのままの値で一定していた。
【0038】
【発明の効果】
本発明では、カルシウム系化合物含有吸収液の形成に使用する水分を海水とすることにより、湿式排煙脱硫処理で要する補給水のおよそ80%を海水で代替使用できるため水資源の節約を図ることが出来る。その上、従来どおりの高い脱硫率を保持しつつ効率的に脱硫処理できるので、工業的に非常に価値の高い方法と言える。
【図面の簡単な説明】
【図1】スート分離方式におけるガスバブリング吸収塔使用の脱硫処理の概略を示すフローシートである。
【図2】吸収液の海水濃縮率と吸収液中の亜硫酸(SO 3 --) 濃度(ppm) との関係を示すグラフである。
【図3】吸収液の海水濃縮率と脱硫率との関係を示すグラフである。
【図4】吸収液の形成に工業用水を使用した場合の吸収液の濃縮率と、脱硫率との関係を示すグラフである。
【図5】吸収液の海水濃縮率と、理論量に対する炭酸カルシウム吸収剤の過剰率(モル比)との関係を示すグラフである。
【図6】吸収液中のMg濃度(mg/L) と脱硫率(%) との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 冷却塔 2 吸収塔
3、6 固液分離装置 4 スラリー調製タンク
5 ミストエリミネーター I 揺れ幅[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a wet flue gas desulfurization treatment method and an apparatus therefor. More specifically, the present invention uses seawater as the moisture of the calcium-based compound-containing absorption liquid when the sulfur oxide in the combustion exhaust gas is subjected to wet flue gas desulfurization treatment by the simultaneous oxidation absorption method, and the Mg concentration of the absorption liquid is 10,000 mg. The present invention relates to a wet flue gas desulfurization treatment method by maintaining / L or lower and pH below 4.5, and an apparatus therefor.
[0002]
[Prior art]
The wet flue gas desulfurization treatment method absorbs and oxidizes harmful sulfur oxides, mainly sulfurous acid gas contained in the exhaust gas from boilers, various heating furnaces, incinerators, etc., in an absorbent containing a calcium compound as an absorbent, Not only can it be fixed and detoxified as gypsum, but the gypsum that is produced can also be used industrially, so it is highly evaluated worldwide.
[0003]
In particular, after the development of the so-called simultaneous oxidative absorption system that simultaneously absorbs and removes sulfur oxides while introducing oxygen-containing gas into the calcium-based compound-containing absorbent, the oxidation tower has been separated and installed until then. and addresses the scaling issues compared to have manner, also the waste water COD source become dithionate ion (S 2 O 6 -) and the generation of NS compound also unnecessary device for the processing can be suppressed Alternatively, the size has been reduced, and a high desulfurization rate and a calcium compound utilization rate can be achieved (for example, see Japanese Patent Publication Nos. 55-37295 and 60-4726).
[0004]
By the way, in the wet flue gas desulfurization method, a considerable amount of water evaporates along with the gas when the exhaust gas is cooled, so that the loss of water is large and the amount of drainage is also large. Therefore, a considerable amount of makeup water is required in the wet flue gas desulfurization system, and high-quality water resources such as industrial water have been consumed so far. In addition, recently, the amount of supplemental water required has increased further due to the increase in the amount of exhaust gas associated with the increase in the scale of power generation per power plant. For example, in the 1 million KW thermal power plant, It requires at least 110 tons in total, such as 90 tons or more for replenishment moisture, and 20 tons or more for drainage, mechanical seal water, finish cleaning, etc.
[0005]
Such stable securing of a large amount of irrigation water has become difficult year by year, and therefore, it has been a challenge to recover moisture lost during cooling of the exhaust gas from the exhaust gas, to reduce the amount of drainage or to eliminate drainage.
As a method for reducing the amount of water for industrial use, a method of using lower quality water, that is, seawater, and using seawater as moisture for dedusting or slurry for desulfurization has already been proposed (Japanese Patent Laid-Open No. 57-68121). ). However, since this method is not a simultaneous oxidation absorption method but a method in which an oxidation tower is separated and installed, desulfurization can be performed almost independently of the oxidation rate and oxidation rate of sulfurous acid. Not only has the system have various disadvantages, but the disadvantages are further magnified by seawater.
[0006]
In addition, in Japanese Patent Publication No. 51-43836 (Japanese Patent Laid-Open No. 49-117393), seed crystals are added to the concentrated seawater after desalination as an absorbing liquid for absorbing the sulfurous acid gas in the flue gas. Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-109225 discloses a method of using Mg (OH) 2 obtained by adding a calcium compound to seawater as an absorbent. In these cases, SO 4 is used. - a calcium compound absorbent solution and seawater gypsum is produced by reacting, causing scaling problems. Furthermore, it is not an effective method unless the seawater desalination apparatus is installed in the vicinity of the apparatus for treating flue gas.
[0007]
Moreover, Mg (OH) In the method of two absorbent must make the pH of the absorbing liquid with the alkaline range as a practical matter, therefore the excess of Ca (OH) 2 was added to the seawater at the same time pH of 9 or more, Preferably, it is necessary to make it 11 or more, and it is considered that scaling trouble further increases. Moreover, the treatment of the absorbent after desulfurization is complicated.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The desulfurization method based on the so-called simultaneous oxidation absorption method that simultaneously performs the absorption removal and oxidation of sulfur oxide while introducing oxygen-containing gas such as air has the above-mentioned various advantages, but the oxidation of sulfurous acid in the absorption liquid is insufficient. As a result, it has been found that the desulfurization performance is lowered, the desulfurization rate is lowered, and desulfurization is destabilized, and the industrial advantage of the simultaneous oxidation absorption method cannot be obtained.
[0009]
In particular, in the wet flue gas desulfurization treatment, as described above, a considerable amount of water evaporates with the gas, so when seawater is used as make-up water, the seawater is gradually concentrated and accordingly contained in the seawater. The concentration of salts such as Na ions and Cl ions increases. When the salt concentration in the absorbing solution exceeded a certain limit, the oxidation of sulfurous acid became insufficient, and the desulfurization performance was lowered, causing a problem.
[0010]
It is an object of the present invention to provide a seawater-based wet flue gas desulfurization method and apparatus therefor that use seawater as make-up water and that can efficiently desulfurize while maintaining the advantages of the simultaneous oxidation absorption method described above. To do.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
Here, it has been found that even when seawater is used as make-up water, a decrease in oxidation performance can be prevented and stable desulfurization performance can be maintained if the pH of the absorbing solution is kept below 4.5.
It was also found that Mg concentration in seawater increases as seawater is concentrated, but this Mg ion has an effect of promoting desulfurization performance and the desulfurization rate is improved. It was also found that the effect can be obtained when the Mg concentration is maintained at 10000 mg / L or less.
[0012]
That is, the present invention oxidizes combustion exhaust gas containing sulfur oxides simultaneously with absorption and removal of sulfur oxides from the combustion exhaust gas by bringing the combustion exhaust gas containing sulfur oxides into gas-liquid contact with the calcium compound-containing absorption liquid under the introduction of oxygen-containing gas. In the wet flue gas desulfurization method including the step of fixing as gypsum, seawater is used to form the calcium-based compound-containing absorbent, and the pH of the absorbent is less than 4.5, preferably the pH is 4.3 or less, In particular, the present invention relates to a seawater-based wet flue gas desulfurization method that maintains pH 4.0 or lower.
[0013]
In particular, the present invention relates to a seawater-based wet flue gas desulfurization method in which the Mg concentration of the calcium compound-containing absorbent using seawater is 10000 mg / L or less, and further, the Mg concentration of the calcium compound-containing absorbent The invention also relates to a seawater-based wet flue gas desulfurization process in which one or more of Mg oxides, hydroxides, sulfates or carbonates are added until the amount reaches 10000 mg / L or less.
[0014]
Furthermore, the present invention is to introduce combustion exhaust gas into an absorption tower containing a calcium-based compound-containing absorbent formed by using seawater and having a Mg concentration of 10,000 mg / L or less and a pH of less than 4.5. The present invention also relates to a seawater-based wet-type flue gas desulfurization apparatus provided with an inlet pipe, an air inlet pipe, a discharge pipe for discharging a slurry containing gypsum, and a gas discharge pipe.
The method and apparatus of the present invention are particularly suitable when the flue gas is coal flue gas, and the gas-liquid contact is a gas bubbling method (for example, Japanese Patent Publication No. 55-37295, Japanese Patent Publication No. 60-4726). It is particularly suitable for the seawater-based wet flue gas desulfurization method carried out in the publication.
[0015]
Prior to gas-liquid contact with the calcium-based compound-containing absorbent, when the combustion exhaust gas is cooled and removed, seawater can also be used as the cooling and removal solution.
Further, in the method and apparatus of the present invention, harmful sulfur oxide is already harmless gypsum in the absorbent containing sulfur oxide fixed as gypsum, and can be discharged as it is. .
[0016]
When seawater is used to form the absorption liquid, if the pH of the absorption liquid exceeds 4.5, sulfurous acid oxidation suddenly becomes insufficient and unstable with an increase in the concentration ratio of seawater, and the desulfurization rate decreases and does not increase. It turns out that it leads to stabilization. Moreover, the utilization factor of a calcium compound absorbent similarly falls. The reason why oxidation of sulfurous acid becomes insufficient when the pH exceeds 4.5 is because the effect as an oxidation catalyst for Fe, Ni, Mn, etc. contained in seawater does not appear at pH 4.5 or more. Therefore, by maintaining the absorbing solution below pH 4.5 where this effect is strongly expressed, sufficient oxidation performance is obtained and desulfurization performance is also maintained.
[0017]
It was also found that under such conditions, the desulfurization rate gradually increased as the concentration rate of seawater increased. The reason was found to be due to the increase in Mg concentration. However, the desulfurization rate first increases with the increase in Mg concentration, but the desulfurization rate decreases at the Mg concentration around 10000 mg / L.
One possible reason for this is that when the salt concentration in seawater increases, the diffusion of the calcium absorbent into the absorption liquid and the scattering of the generated carbon dioxide gas are inhibited, and the solubility of oxygen and sulfurous acid gas increases. It is considered that the desulfurization rate decreases. The other, in the case of Mg, until the height is Mg concentration sulfate ion as an anion corresponding the increase in the Mg concentration (SO 4 -) increases, the ion dissociation equilibrium Represented by
[0018]
[Chemical 1]
This is an effect that is manifested only in the simultaneous oxidative absorption method in which a sufficient sulfate ion concentration can be maintained in the absorbing solution, and further, an effect that is manifested at a low pH where dissociation occurs. The conventional desulfurization promoting effect of Mg in the separate oxidation tower system is a pH buffering action between sulfite ions and bisulfite ions, which is different from the promotion effect in the case of the so-called simultaneous oxidation absorption system in the present invention. .
[0019]
However, if it exceeds the limit, the concentration of salts present in the absorbent will also inhibit the diffusion of the calcium absorbent into the absorbent and the scattering of the generated carbon dioxide gas, and the solubility of oxygen and sulfurous acid gas will decrease, desulfurization. The rate is considered to decrease, and the limit is considered to be an Mg concentration of 10,000 (mg / L). In order not to lower the desulfurization rate even if the Mg concentration exceeds 10,000 mg / L, a large amount of air is introduced to increase the oxidation rate, and at the same time, vigorous stirring is required to improve contact, so the Mg concentration is 10000 mg / L It is preferred to keep it at L or below.
[0020]
Therefore, desulfurization rate can be achieved by adding one or more Mg compounds such as Mg oxides, hydroxides, sulfates or carbonates until the Mg concentration in the absorbing solution reaches 10000 mg / L or less. Can be increased. However, Mg chloride is not preferable because it increases Cl ions as described above, and further, since the sulfate ion concentration does not increase, the pH buffering action is hardly exhibited.
[0021]
When wet flue gas desulfurization treatment is performed on coal combustion exhaust gas with a relatively large amount of HF and Al components, the calcium compound dissolution activity tends to decrease, and the pH does not increase even when calcium carbonate-containing slurry is added. It is known that there is a tendency to reduce the desulfurization rate. It has been found that such a decrease in solubilizing activity of the so-called calcium-based compound hardly occurs when the pH is low, for example, below pH 4.5 (for example, the applicant's Japanese Patent Application No. 5-351790) and Cl ions. It is also known that the decrease in dissolution activity is promoted when coexisting with each other (see, for example, JP-A-3-245820).
[0022]
Therefore, when desulfurizing coal combustion exhaust gas, especially when the concentration rate of seawater is increased, the Cl concentration in the seawater is increased, and the utilization rate of calcium carbonate is expected to decrease. To avoid this situation, desulfurization treatment at pH below 4.5, preferably at pH 4.3 or lower, especially pH 4.0 or lower, maintains the oxidation of sulfurous acid and the calcium compounds. This is effective in the dual sense of preventing decrease in dissolution activity.
[0023]
If a gas bubbling method is adopted, not only a high desulfurization rate can be obtained even at a low pH, but also when the salt concentration in seawater increases, efficient oxidation absorption can be achieved especially at the gas-liquid contact part of exhaust gas. It is effective to perform the liquid contact by a gas bubbling method.
An example of the seawater-based wet flue gas desulfurization method and apparatus of the present invention will be schematically shown by taking as an example the case of the simultaneous oxidation absorption method in which the cooling step and the absorption step are separated and processed in two towers (so-called soot separation method). As shown in FIG.
[0024]
In FIG. 1, the combustion exhaust gas that has undergone preliminary processing such as an electrostatic precipitator passes through the
[0025]
When the cooling process and the absorption process are separated and the combustion exhaust gas is cooled and removed in advance by the cooling tower 1 (also referred to as a dust removal tower), seawater can be replenished and used as a liquid for cooling and dust removal. Since the liquid from the
[0026]
Any cooling tower can be used, and a spray type is preferred. The solid-
When gypsum is solid-liquid separated, a gypsum washing step may be provided. For example, the solid-liquid separator may have a washing function, and dehydration and washing may be combined as appropriate. When industrial water is added to the gypsum slurry before dehydration, it has the effect of reducing the salt concentration in the liquid. Alternatively, the washing operation can be combined when pre-processing with a slurry concentrator such as thickener or cyclone.
[0027]
In the method of the present invention, the amount of seawater to be replenished can be adjusted by adjusting the moisture content discharged to the outside of the desulfurization system by adhering to gypsum and the amount of drainage, so that the concentration rate of seawater can be adjusted accordingly. Can do.
In the present invention, the water used for forming the calcium-based compound absorption liquid is seawater, and not only the filtrate after solid-liquid separation but also seawater can be used for slurrying the calcium-based compound.
[0028]
Examples of the calcium-based compound used as the absorbent include calcium carbonate, calcium hydroxide, and calcium oxide, but calcium carbonate is preferred because it can be obtained in a large amount at a low cost.
According to the present invention, if necessary for mechanical seal water, eliminator wash water, gypsum wash water, etc., high-quality water other than seawater, such as industrial water, can be used to replace makeup water with seawater, usually 1 million KW. Approximately 80% or more of the supplementary water required for wet flue gas desulfurization in the case of power plants can be replaced with seawater, and water resources can be saved significantly. These high-quality waters other than seawater are circulated and used in slurry preparation tanks, absorption towers and the like, and as a result, an effect of suppressing excessive concentration of seawater can be brought about.
[0029]
【Example】
The following examples illustrate the invention in more detail.
Example 1
Using gas bubbling method soot mixing desulfurization apparatus according to (Chiyoda thoroughbred CT-121), pH4.3, sulfite in the absorbing liquid with seawater concentration rate of the absorption liquid at pH4.5 and pH 5.0 (SO 3 -) The relationship with the concentration (ppm) was investigated. Oxidation of sulfite sulfite formation of gypsum from sulfite becomes insufficient dissolved in the absorption liquid to lower (SO 3 -) concentration comes increased.
[0030]
The exhaust gas composition and reaction conditions used in the test were as follows.
Exhaust gas composition:
Gas volume: 400 NL / h
Inlet SO 2 concentration: 1000ppm-Dry
pH: 4
Seawater used (initial):
Chlorine concentration: 20000mg / L
Mg concentration: 1000mg / L
Calcium compound: 325 mesh 95% pass, purity 98.5% calcium carbonate temperature: 50 ℃
The obtained results are shown in FIG. In Figure 2, I is SO 3 - shows the swing width of the density.
[0031]
As apparent from FIG. 2, constant sulfite regardless the variations in seawater concentration rate of pH4.3 in the absorbent solution (times) (SO 3 -) concentration is held, the acceptable range somehow even pH4.5 there, but in pH5.0 sulfite (SO 3 -) on the concentration rises rapidly, shaking width increases, the oxidation of sulfite in the absorbing liquid was shown to be insufficient and unstable.
[0032]
Therefore, when seawater is used as make-up water, it should be desulfurized at pH less than 4.5.
Example 2
Under the same experimental conditions as in Example 1, the soot mixing type desulfurization apparatus (Chiyoda Thoroughbred CT-121) by the same gas bubbling method was used, and the seawater concentration rate and desulfurization of the absorption liquid at pH 4.3, 4.5 and 5.0 The relationship with the rate (%) was examined. The obtained results are shown in FIG.
[0033]
In FIG. 3, I indicates the fluctuation width of the desulfurization rate. As is apparent from FIG. 3, the fluctuation width of the desulfurization rate increased as the pH increased to 4.3, 4.5 and 5.0, and the desulfurization rate became unstable.
As a comparative experiment, the results of examining the relationship between the concentration rate and the desulfurization rate (%) using industrial water for the formation of the absorbing solution are shown in FIG.
[0034]
In FIG. 4, pH 5.0 is data obtained by adding an oxidizing agent and performing forced oxidation. As can be seen from FIG. 4, when industrial water is used to form the absorbing solution, the desulfurization rate is stable at any pH.
3 and 4 that when using seawater, the desulfurization rate becomes unstable when the pH exceeds 4.5.
Example 3
Under the same experimental conditions as in Example 1, a soot mixing type desulfurization apparatus (Chiyoda Thoroughbred CT-121) by the same gas bubbling method was used, and at pH 4.0, pH 4.3, pH 4.5 and pH 5.0. The relationship between the concentration rate of seawater in the absorbent and the excess ratio (molar ratio) of the calcium carbonate absorbent to the theoretical amount was investigated. A high excess rate of the calcium carbonate absorbent means a situation where the utilization rate is reduced and an excess of calcium carbonate is required.
[0035]
The obtained results are shown in FIG.
As shown in Fig. 5, at pH 4.3 and below, the excess rate of calcium carbonate absorbent is almost 1.01 times the theoretical value, and even at pH 4.5, the seawater concentration rate is still about 1.03 until the concentration rate is about 3 times. Although it was in a relatively stable range around doubling, it was shown that at pH 5.0, the excess of calcium carbonate absorbent increased rapidly and the utilization of calcium carbonate absorbent decreased.
[0036]
Therefore, it can be seen that in order to avoid a decrease in the utilization rate of the calcium carbonate absorbent, the desulfurization treatment should be carried out at a pH lower than 4.5, preferably at a pH of 4.3 or lower.
Example 4
Under the same experimental conditions as in Example 1, using the same gas bubbling soot mixing type desulfurization apparatus (Chiyoda Thoroughbred CT-121), the change in Mg concentration (mg / L) in the absorption liquid and the desulfurization rate ( %).
[0037]
The obtained result is shown in FIG.
As is clear from FIG. 6, the desulfurization rate (%) reached a maximum of about 98.6% at an Mg concentration of 10000 (mg / L) in the absorbent, and the desulfurization rate decreased before and after that. Therefore, for the reasons described above, it is preferable to desulfurize the Mg concentration in the absorbing solution at 10000 (mg / L) or less.
Example 5
Under the same experimental conditions as in Example 1 except that a soot separation type desulfurization apparatus using a spray tower (diameter 50 mm × height 1200 mm) is used, pH 4.3, pH 4.5 and The relationship between the concentration of seawater in the absorption solution at pH 5.0 (times) and the desulfurization rate (%) was investigated. Results showing the same tendency as in Examples 1 and 2 were obtained.
Example 6
Using soot mixing type desulfurization equipment (Chiyoda Thoroughbred CT-121) by gas bubbling method, seawater is used to form a calcium compound-containing absorbent, the pH of the absorbent is maintained at 4.3, and Mg (OH) is contained in the absorbent. Two slurries were added so that the Mg concentration would be 5000 (mg / L), and at the same time, the Mg concentration was monitored so as not to exceed 10,000 (mg / L), and the exhaust gas having the following composition was desulfurized.
Exhaust gas composition:
Coal combustion exhaust gas: 400 NL / h
Inlet SO 2 concentration: 1000ppm-Dry
Dust: 115 mg / m 3 N
pH: 4
Seawater used (initial):
Chlorine concentration: 20000mg / L
Mg concentration: 1000mg / L
Calcium compound: 325 mesh 95% pass, purity 98.5% calcium carbonate temperature: 50 ℃
Drainage: There was a stable desulfurization rate of about 95%. The seawater was concentrated to about 4.0 times, but after that it remained almost unchanged.
[0038]
【The invention's effect】
In the present invention, by using seawater as the water used to form the calcium compound-containing absorbent, approximately 80% of the makeup water required for wet flue gas desulfurization treatment can be used instead of seawater, thereby saving water resources. I can do it. In addition, since the desulfurization treatment can be carried out efficiently while maintaining a high desulfurization rate as before, it can be said that this is an industrially very valuable method.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flow sheet showing an outline of a desulfurization process using a gas bubbling absorption tower in a soot separation system.
[Figure 2] sulfite absorbent solution and seawater concentration rate of the absorption liquid (SO 3 -) is a graph showing the relationship between the concentration (ppm).
FIG. 3 is a graph showing the relationship between the concentration rate of seawater in the absorbent and the desulfurization rate.
FIG. 4 is a graph showing the relationship between the concentration rate of the absorbing solution and the desulfurization rate when industrial water is used to form the absorbing solution.
FIG. 5 is a graph showing the relationship between the concentration rate of seawater in the absorption liquid and the excess ratio (molar ratio) of the calcium carbonate absorbent relative to the theoretical amount.
FIG. 6 is a graph showing the relationship between the Mg concentration (mg / L) in the absorbing solution and the desulfurization rate (%).
[Explanation of symbols]
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