JP3680712B2 - エネルギー使用機器適正運用装置、及びエネルギー使用機器適正運用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の顧客のもとに設置されるエネルギー使用機器それぞれのエネルギー消費量の低減を図るエネルギー使用機器適正運用装置、及びエネルギー使用機器適正運用方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
省エネルギーの観点から、エネルギー使用量の少ない家庭用機器や産業用機器の開発が行われている。この中から、エネルギー使用量を大幅に削減できる機器(以下、省エネルギー機器という。)も生まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来においては、省エネルギー機器の開発・製造・販売が行われてはいるが、販売後の省エネルギー機器の運用管理は顧客に任されている。例えば、給湯器や空調機といった消費エネルギー量の多い機器が各家庭に販売された後には、その使い方(運用)は顧客に委ねられている。このため、その省エネルギー機器にとって、必ずしも最適な省エネルギー運用とはなっていない。
【0004】
また、従来においても、省エネルギー機器の導入前や導入後に、省エネルギー運用のコンサルティングが行われることがある。しかしながら、コンサルティングが行われた場合であっても、顧客が省エネルギー運用を適切に実施することは難しく、顧客の有する情報だけでは最適な運用が事実上不可能であるケースも存在する。例えば、機器の置かれた環境などは適切な省エネルギー運用に生かすべき事項であるが、一般の顧客にそれを強いることは難しい。
【0005】
本発明の課題は、複数の顧客のもとに設置されるエネルギー使用機器が消費するエネルギー量を低減して、グローバルな省エネルギー化を促進することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係るエネルギー使用機器適正運用装置は、複数の顧客のもとに設置されるエネルギー使用機器それぞれのエネルギー消費量の低減を図る装置であって、接続部と、記憶部と、機器制御部とを備えている。接続部は、ネットワークを介して各エネルギー使用機器に接続する。記憶部は、各顧客の情報および各エネルギー使用機器の使用実績に関する情報を記憶する。なお、ここで、顧客の情報としては、顧客のライフスタイル、顧客の人員構成(例えば、家庭の家族構成)、顧客を構成する人員の性別や年令などが挙げられる。顧客の情報によってエネルギー使用機器の使用時間や使用時間帯などが左右されることに鑑み、ここでは、顧客の情報を記憶部に記憶させ、これを機器制御部が行うエネルギー使用機器の最適制御に利用させるようにしている。機器制御部は、記憶部におけるエネルギー使用機器の使用実績に関する情報の蓄積が少ないエネルギー使用機器の導入初期には各顧客に関する情報に基づいて、エネルギー使用機器の使用実績に関する情報が記憶部に蓄積されてくると、蓄積されたエネルギー使用機器の使用実績に関する情報に基づいて 、接続部及びネットワークを介してエネルギー使用機器を遠隔制御する。
【0007】
本請求項のエネルギー使用機器適正運用装置は、例えば、エネルギー使用機器の製造者や販売者、エネルギー供給者、省エネルギー化を推進する団体などが使うことが想定される。このエネルギー使用機器適正運用装置を使えば、複数の顧客のもとに設置されたエネルギー使用機器それぞれに対して最適な遠隔制御を行うことが可能となり、各顧客が独自にエネルギー使用機器の運用を行う場合に較べて省エネルギー効果が向上する。そして、複数の顧客のもとにある各エネルギー使用機器を集中管理して遠隔制御するようにしたため、全体としての省エネルギー効果が大きく、環境保護や二酸化炭素の削減にも貢献する。
【0008】
なお、機器制御部は、エネルギー使用機器を直接遠隔制御してもよいし、エネルギー使用機器に制御情報を送って間接的にエネルギー使用機器を遠隔制御してもよい。
請求項2に係るエネルギー使用機器適正運用装置は、請求項1に記載の装置であって、機器制御部は、接続部及びネットワークを介してエネルギー使用機器を直接的に、あるいは接続部及びネットワークを介してエネルギー使用機器に制御情報を送り間接的に、エネルギー使用機器を遠隔制御する。
【0009】
請求項3に係るエネルギー使用機器適正運用装置は、請求項1または2に記載の装置であって、記憶部には、各エネルギー使用機器の設置環境に関する情報が記憶される。そして、機器制御部は、各エネルギー使用機器の設置環境に関する情報を加味してエネルギー使用機器を遠隔制御する。
ここで記憶部に記憶させる各エネルギー使用機器の設置環境に関する情報としては、時間帯毎の外気温変化、季節、天候、地域、湿度などが挙げられる。このような設置環境に関する情報を有しているため、エネルギー使用機器適正運用装置は、より適切なエネルギー使用機器の遠隔制御を行うことができる。
【0010】
例えば、エネルギー使用機器が給湯器の場合に、エネルギー使用機器周辺の温度や湿度の情報を一定時間毎に収集させておき、天候や季節の情報と合わせて、どの時間帯に沸き上げを行うのが最適であるかを推定して、省エネルギー制御に役立てることが考えられる。この省エネルギー制御は、エネルギー使用機器適正運用装置側で直接行ってもよいし、エネルギー使用機器側がエネルギー使用機器適正運用装置から各種情報や最適制御内容をダウンロードして自身で制御を行うようにしてもよい。
【0011】
請求項4に係るエネルギー使用機器適正運用装置は、請求項1から3のいずれかに記載の装置であって、記憶部には、エネルギー使用機器にエネルギーを供給するエネルギー供給者のエネルギー供給状態に関する情報が記憶される。そして、機器制御部は、エネルギー供給者のエネルギー供給状態に関する情報を加味してエネルギー使用機器を遠隔制御する。
【0012】
ここで記憶部に記憶させるエネルギー供給者のエネルギー供給状態に関する情報としては、エネルギーの時間帯別価格設定、エネルギー総消費量のピーク時の情報などが挙げられる。このようなエネルギー供給状態に関する情報を有しているため、エネルギー使用機器適正運用装置は、より適切なエネルギー使用機器の遠隔制御を行うことができる。
【0013】
例えば、できるだけエネルギーの価格設定が安い時間帯の間にエネルギー使用機器を作動させておく制御を行ったり、エネルギー総消費量のピーク時を外してエネルギー使用機器を作動させたりすることが考えられる。
請求項5に係るエネルギー使用機器適正運用装置は、請求項1から4のいずれかに記載の装置であって、エネルギー使用機器は、タンクを有する給湯器である。また、記憶部には、各エネルギー使用機器のタンク容量の情報及び時間帯別の使用湯量の推定値の情報の少なくとも一方が記憶される。そして、機器制御部は、各エネルギー使用機器のタンク容量の情報及び時間帯別の使用湯量の推定値の情報の少なくとも一方を加味してエネルギー使用機器を遠隔制御する。
【0014】
ここでは、エネルギー使用機器が給湯器であり、給湯器のタンク容量や時間帯別の使用湯量の推定情報が記憶部に記憶されるため、機器制御部は、エネルギー消費が抑えられるタイミングで機器を作動させてタンクに湯を貯留したり、時間帯別の推定使用湯量に応じて予め沸き上げを行っておいたりすることが可能となる。
【0015】
請求項6に係るエネルギー使用機器適正運用方法は、複数の顧客のもとに設置されるエネルギー使用機器それぞれのエネルギー消費量の低減を図る方法であって、次の3つのステップを備えている。
ネットワークを介して各エネルギー使用機器を管理コンピュータに接続する第1ステップ。
【0016】
各顧客の情報および各エネルギー使用機器の使用実績に関する情報を管理コンピュータの記憶部に記憶させる第2ステップ。
記憶部におけるエネルギー使用機器の使用実績に関する情報の蓄積が少ないエネルギー使用機器の導入初期には各顧客に関する情報に基づいて、エネルギー使用機器の使用実績に関する情報が記憶部に蓄積されてくると、蓄積されたエネルギー使用機器の使用実績に関する情報に基づいて、管理コンピュータを用い、ネットワークを介してエネルギー使用機器を遠隔制御する第3ステップ。
【0017】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
<A:本実施形態のシステムの概要>
本発明の一実施形態に係る方法を利用したシステムの概要を、図1及び図2に示す。
【0018】
このシステムは、管理センター2を設け、エネルギー供給者である電力会社4aから電気エネルギーの供給を受けて各種機器を使用する多数の家庭(顧客)3aに対して、省エネルギー効果の高い電気式給湯器14の導入を行わせ、且つ各給湯器14を最適に制御することで省エネルギー効果をさらに高めることを目的としたシステムである。システムの中核となる管理センター2の運営を行う事業者としては、ここでは給湯器14の供給・設置やメンテナンスなどを行う能力のある機器メーカーを想定しているが、エネルギー供給者である電力会社、金融会社、ファイナンス会社なども管理センター2を運営する主体となり得る。
【0019】
このシステムでは、以下のような各処理が行われる。
(A−1:給湯器導入処理)
まず、本システムでは、初期費用を取らずに各家庭3aに給湯器14を導入する。ここでは、従来の給湯器の使用に対して支払っているガス代(あるいは電気代)と同等、あるいはそれよりも低い定額料金を毎月支払うことで省エネルギー効果の高い新しい給湯器14を導入することができる旨を顧客である各家庭3aに宣伝して、多数の家庭3aに給湯器14を導入させる。定額料金の決定については、後に詳述する。
【0020】
(A−2:給湯器接続処理)
各家庭3aに導入した給湯器14には、管理センター2の管理コンピュータ12と通信可能になるように、送信部14d及び受信部14eを備えさせておく(図2参照)。また、給湯器14に対しては、給湯器14が消費する電気エネルギー量を把握することができるように、その他の機器51用の電力メーターM1とは別に、給湯器14専用の電力メーターM2を設置する。
【0021】
(A−3:金銭処理)
そして、管理センター2は、家庭3aから定額料金を毎月徴収するとともに、電力会社4aに対して電力メーターM2に基づく電気代を支払う。
(A−4:データ収集及び給湯器最適運用処理)
また、管理センター2は、各家庭3aの給湯器14等から集められた各種データを管理コンピュータ12により情報管理して、給湯器14毎に最適と思われる遠隔制御を行う。この遠隔制御は、給湯器14を管理コンピュータ12で直接リモートコントロールする方法で行ってもよいし、集めたデータを基に管理コンピュータ12で作成した最適制御プログラムを給湯器14に随時ダウンロードさせる方法で行ってもよい。本実施形態の記載では、後者の方法で遠隔制御を行っている。
【0022】
<B:定額料金の決定>
多数の家庭3aに給湯器14を導入させるためには、リーズナブルな定額料金設定が必要となる。
この定額料金の内訳は、図3に示すように、家庭3aが給湯器14を使用することにより発生する使用エネルギー費、機器導入に関する機器費用や設置費用などの返済費の割賦分(機器導入代返済分)、定期点検や故障時の修理費などに充てられるサービス・メンテナンス料、管理センター2を運営する事業者の利益であるベンダー利益、及びその他の費用となる。上記内訳のうち、使用エネルギー費は毎月の給湯器14の各家庭3aでの使用状態により変動するものであり、機器導入代返済分、サービス・メンテナンス料、及びベンダー利益は概ね固定分として確定できるものである。したがって、使用エネルギー費の変動に伴い、その他の費用の部分も毎月変動することになる。その他の費用は、例えば管理センター2側で1年間蓄積され、ユーザである家庭3aに利益還元されたり、給湯器14の新たな省エネルギー運用の開発に投資されたりする。なお、給湯器14専用の電力メーターM2の設置費用については、機器導入代返済分に含ませてもよいし、管理センター2側で負担することにしてもよい。
【0023】
上記のように、定額料金には変動する使用エネルギー費が含まれる。この使用エネルギー費は、家庭3aを構成する人数や季節での差異、使用状況などによって家庭3a毎に大きく異なる。そこで、管理センター2は、以下に示す2つの定額料金決定方法を併用する。
(B−1:従来機器の昨年度実績からの推定による料金決定)
システムの運用開始当初は、過去の運営実績の蓄積もないため、主として顧客である家庭3aの昨年度の従来の給湯器によるエネルギー費を基にして料金を決定する方法を用いる。
【0024】
図4に本決定方法の一例を示す。ここでは、従来からのガス式の給湯器に代えて、電気式の省エネルギー機器である給湯器14を導入するケースを示している。まず、昨年度のエネルギーコスト(給湯器に関するガス使用料金)を計算し、その月平均に相当する金額と同等、あるいは低い金額を定額料金として設定する。ガス使用料金については、基本料金を除き、全ガス使用料金の8割が給湯に要したものであると推定する(2割は厨房に要したと仮定)。次に、従来のガス式給湯器及び導入する電気式給湯器14の機器効率を用いて、昨年度のガス消費量から予想される使用電力量を熱量換算し、電気料金を推定する。そして、その電気料金を定額料金から引いたもので機器導入代返済分、サービス・メンテナンス料、及びベンダー利益が出るように、契約年数などを決定する。
【0025】
(B−2:ライフスタイルの統計データによる料金決定)
システムの運用開始後は、図5に示すように、既に顧客となっている各家庭3a及びそのもとにある給湯器14から運用情報を収集することが行われる。各家庭3aにはユーザIDを付与し、使用エネルギー量や家族構成などの情報をユーザID別に管理コンピュータ12で集約する。これらの情報は、管理コンピュータ12において、統計処理が為される。これにより、ライフスタイル毎のエネルギー使用量の統計値が算出される。
【0026】
このような統計データを基にして、新規顧客に対する定額料金の設定を行うことができる。例えば、新規顧客が大人2人・子供3人の5人家族の家庭ならば8000円、大阪在住の3人家族ならば7000円など、定額料金を定めることができる。
なお、使用エネルギー量や家族構成などの情報は、後述するように通信ネットワーク9を介して給湯器14から管理コンピュータ12に送られる(図6参照)。図6に示す運用状況入力部14cによる家族構成等のデータ入力は、給湯器14に付属する設置コントローラを利用してもよいし、各家庭3aに対して個人ホームページをインターネット上に開設した上で入力を行うようにしてもよい。
【0027】
<C:管理コンピュータの構成>
管理コンピュータ12は、各家庭3aのもとに導入・設置された給湯器14の電気エネルギー消費量の低減を実現することを主目的として設けられるもので、図2に示すように、通信部21と、情報管理部22と、機器制御部23とを備えている。また、管理コンピュータ12には、上記のような方法で定額料金の決定を行う定額決定部24や、電力メーターM2の検針値を基に実際に給湯器14の使用によって発生した電気代を演算する実エネルギー費用演算部25が備えられている。
【0028】
(C−1:通信部)
通信部21は、受信部21a及び送信部21bから成る。受信部21aは、インターネット等の通信ネットワーク9を介して給湯器14側から送られてくる各種情報を受けて、情報管理部22や実エネルギー費用演算部25に情報を提供する。送信部21bは、各給湯器14を最適に運用するために機器制御部23によって作成された制御プログラムを、通信ネットワーク9を介して各給湯器14に配布する。各給湯器14は、この制御プログラムをダウンロードして、個々の使用状況に応じた最適な制御により運転を行う。
【0029】
(C−2:情報管理部)
情報管理部22は、各給湯器14等からの各種情報をデータベース22aに記憶して、情報管理及び統計処理を行う。ここで管理する情報には、各家庭3aに設定されるユーザID、機器及び工事の費用である初期費用、各月毎や総計の使用エネルギー量、メンテナンスやサービスの費用、ユーザメリット金額、電気やガスの基本料金などがある。
【0030】
(C−3:機器制御部)
機器制御部23は、情報管理部22が持つ情報に基づいて、各家庭3aの給湯器14毎に最適な制御プログラム(制御パターン)を作成する。この制御プログラムは、送信部21bから給湯器14に配布される。制御プログラムの作成及び配布は、基になる所定情報の変更があったとき、及び所定期間毎に行われる。
【0031】
<D:給湯器の特性及び構成>
給湯器14は、電気エネルギーを使う省エネルギー機器として開発され、従来の給湯器に較べエネルギー消費量がかなり小さな機器である。したがって、給湯器14は、長期的な視野に立てばエネルギー消費量(電気代)の削減効果によって導入者に利益をもたらすものであることは明らかである。しかし、導入する家庭3aから見れば、電気代の削減効果が不確定であり、原則として初期コストも必要であることから、簡単に導入を決めることが難しいものである。
【0032】
これに鑑み、本システムでは、上記のように、初期コストの一括支払いの必要がなく削減効果の保証を間接的に管理センター2の運営者側が負担する定額料金支払いという方法を採り、各家庭3aが給湯器14の導入を決めやすいようにしている。
これに加え、給湯器14の省エネルギー効果を確認し、さらなる省エネルギーを達成するために、給湯器14は以下のような構成とされている。
【0033】
給湯器14は、貯留タンクを備えた家庭用給湯器であり、図2に示すように、給湯に関するコントロールを行うコントローラ14a、エネルギーデータ収集部14b、運用状況入力部14c、送信部14d、受信部14eなどから構成されている。
コントローラ14aは、管理コンピュータ12の機器制御部23から送られてきた制御プログラムによって、沸き上げやタンクへの湯の貯留といった給湯を制御する。
【0034】
エネルギーデータ収集部14bは、所定時間毎のエネルギー消費量、使用時間、使用時間帯、使用能力設定、時間帯毎の外気温変化、湿度といったデータを収集し、送信部14dから管理コンピュータ12へとデータを送る(図6参照)。このデータの送信は、1日に数回行われる。
運用状況入力部14cは、給湯器14を各家庭3aに設置する段階で、家庭3aの家族構成や地域情報などを入力するために設けられている。ここで入力された情報も、管理コンピュータ12のデータベース22aに記憶される。なお、入力された情報に変更があった場合には、随時入力が行われる。入力は、上述のように、設置コントローラを利用してもよいし、インターネット上に開設した各家庭3aの個人ホームページを利用してもよい
<E:管理コンピュータの情報管理部が持つ情報の利用>
情報管理部22のデータベース22aには、給湯器14の設置環境に関する情報、電力会社4aの電気エネルギー供給状態に関する情報、タンク容量の情報、時間帯別の推定使用湯量の情報、各家庭3aに関する情報などが記憶される。
【0035】
(E−1:設置環境に関する情報の利用について)
給湯器14の設置環境に関する情報としては、時間帯毎の外気温変化、季節、天候、地域、湿度などが挙げられる。このような給湯器14の設置環境に関する情報を考慮して、機器制御部23は、各給湯器14に最適であると思われる制御プログラムを作成する。
【0036】
例えば、給湯器14周辺の温度や湿度の情報と、天候や季節の情報とを合わせて、どの時間帯に沸き上げを行うのが最適であるかを推定して、省エネルギーを達成する制御プログラムを作成する。
なお、このような給湯器14の設置環境に関する情報は、図6に示すように給湯器14のエネルギーデータ収集部14bや運用状況入力部14cから送られてくるほか、図7に示すような外部機関60からも取り込まれる。天候といった気象情報は、専門の外部機関60から通信ネットワーク9を介して入手することになる。
【0037】
(E−2:エネルギー供給状態に関する情報の利用について)
また、電力会社4aの電気エネルギー供給状態に関する情報としては、時間帯別の電気代の設定、電気エネルギー総消費量のピーク時の情報などが挙げられる。このような情報を利用すれば、できるだけ電気代の設定が安い時間帯の間に給湯させておく制御プログラムとしたり、電気エネルギー総消費量のピーク時を外して給湯させる制御プログラムとしたりすることができる。この情報についても、図7のように外部機関60から入手することができる。
【0038】
(E−3:タンク容量及び時間帯別の推定使用湯量の情報の利用について)
タンク容量の情報は給湯器14の仕様から入手することができ、時間帯別の推定使用湯量の情報は、エネルギーデータ収集部14bから情報管理部22に送られてくるエネルギー消費量や使用時間といったデータを情報処理することによって得ることができる。
【0039】
給湯器14は、エネルギー消費が抑えられるタイミングで沸き上げを行いタンクに湯を貯留したり、時間帯別の推定使用湯量に応じて予め沸き上げを行ったりすることができる。これを最適に行わせるため、タンク容量の情報や時間帯別の推定使用湯量の情報に基づいて、機器制御部23が給湯器14毎に制御プログラムを作成する。
【0040】
(E−4:各家庭に関する情報)
顧客である各家庭3aに関する情報としては、各家庭3aのライフスタイル、家庭3aの人員構成、各人の性別や年令などが挙げられる。これらの情報によって給湯器14の使用時間や使用時間帯などが左右されることに鑑み、機器制御部23は、特にデータの蓄積の少ない機器導入初期における制御プログラムの作成において各家庭3aに関する情報を利用する。
【0041】
また、これらの情報は、上記のように、新規顧客3bに対する定額料金の決定において利用される。
(E−5:情報管理部が持つ情報を利用した制御プログラム作成の一例)
以下に、上記の情報の幾つかを利用した機器制御部23による制御プログラムの作成手順の一例を示す。
【0042】
まず、参考にするデータとして、過去1週間分の日付、1時間毎の外気温度、給湯時刻、使用湯量、給湯温度を用いることにして、現在の日付及び季節と1週間分の外気温変化から、次の日の天候を晴・曇・雨の3パターンに分けて予測する。そして、該当する天候パターンと外気温条件から、どの時間帯に沸き上げを行うのが最適であるかを推定する。
【0043】
この推定においては、給湯器14のヒートポンプ式室外機などの能力が高くなる外気温条件を求める。また、推定される使用湯量に対して追い炊きや湯切れが極力発生しないように、沸き上げ時間帯を修正する。さらに、深夜電力など単価の安い電力を利用できる時間帯がある場合には、その修正も行う。
また、追い炊きや湯切れが発生した場合、その発生回数をカウントしておく。そして、それが一定値を超えれば機器能力不足と判断し、顧客である家庭3aに契約コースの切り替えを奨める。
【0044】
<F:情報管理部による情報の蓄積>
情報管理部22は、各給湯器14から送られてくる各種情報を、データベース22a内にある給湯器14別のデータ群に蓄積していく。この蓄積されていくデータ群は、さらに効果の高い省エネルギー制御の開発に利用されたり、過去の実績データに基づいた給湯器14別の更なる最適制御プログラムの作成に役立てられたりする。
【0045】
これにより、図8に示すように、同じような使用状態であっても、給湯器14を導入した1年目での使用エネルギー量に比して、2年目以降の使用エネルギー費が削減されることが期待できる。
<G:本実施形態のシステムの特徴>
(G−1)
本システムでは、管理センター2が、各家庭3aへの給湯器14の設置、給湯器14が消費する電気エネルギー量を検出する電力メータM2の設置、定額料金の設定、家庭3aからの定額料金の徴収、及び電力会社4aへの給湯器14による電気代の支払いを全て行う。そして、顧客である家庭3aには、給湯器14に関して、機器導入費用及び毎月の使用エネルギー費を含めた形での定額料金の支払いだけを行わせ、管理センター2側で給湯器14による省エネルギー効果であるエネルギー費削減の未達成時のリスクを背負うことにしている。このため、給湯器14を導入する家庭3aが増え、グローバルな視点での省エネルギーが促進されて、環境保護や二酸化炭素の削減にも貢献することになる。
【0046】
(G−2)
本システムでは、省エネルギー機器である給湯器14の制御を、家庭3aだけに任せずに、管理コンピュータ12から制御プログラムを随時送って遠隔制御するようにしたため、給湯器14の導入による省エネルギー効果に加えて、適切な給湯器14の運用による省エネルギー効果が生まれる。したがって、エネルギー費(電気代)がより低く抑えられる。これにより、定額料金の設定をより低く抑えることが可能となり、より多くの顧客(家庭3a)が省エネルギー機器である給湯器14の導入に踏み切ることが想定される。
【0047】
なお、図4に示すように、長期的なエネルギー費の削減効果を基にして、現在の顧客(家庭3a)の毎月のエネルギー費よりも定額料金を低く抑えているため、各家庭3aは負担の増加なしに省エネルギー機器である給湯器14の導入を行うことができる。
(G−3)
本システムでは、図3に示すように給湯器14のメンテナンス料なども定額料金に含ませているため、顧客である家庭3aから見れば、給湯器14の信頼性や故障時の修理費用などについての心配をそれほどすることなく、省エネルギー機器である給湯器14の導入に踏み切ることができる。
【0048】
(G−4)
本システムでは、多数の家庭3aのもとに設置される給湯器14それぞれに対して、管理センター2の管理コンピュータ12が豊富な知識と情報量を生かして、最適な遠隔制御を行っている。具体的には、各給湯器14個別の使用状況等のデータや種々のその他のデータを考慮した上で、最適と思われる制御プログラムを作成して給湯器14側に配信している。したがって、各家庭3aが独自に給湯器14の運用を行う場合に較べて、格段に省エネルギー効果が向上することが期待できる。そして、多数の家庭3aのもとにある給湯器14を集中的に管理して省エネルギーを目的とした遠隔制御を管理センター2側で行っているため、全体としての省エネルギー効果のスケールが大きく、環境保護や二酸化炭素の削減にも貢献すると期待される。
【0049】
(G−5)
本システムでは、各給湯器14から送られてくる各種情報を、データベース22a内にある給湯器14別のデータ群に蓄積していく。そして、この蓄積されていくデータ群は、さらに効果の高い省エネルギー制御の開発に利用されたり、過去の実績データに基づいた給湯器14別の更なる最適制御プログラムの作成に役立てられたりする。特に、データが蓄積されてくると、各家庭3aに合った最適な給湯器14の運転方法が確立されてくるため、省エネルギー効果がさらに高まるようになる。
【0050】
これにより、図8に示すように、同じような使用状態であっても、給湯器14を導入した1年目での使用エネルギー量に比して、2年目以降の使用エネルギー費を低く抑えることができる。
なお、図8では2年目の使用エネルギー費が1年目の使用エネルギー費よりも小さくなっているが、これは、上記データの蓄積による制御の最適化の効果によるものだけとは限らず、最初の定額料金設定における実状とのズレや給湯器14導入後の家庭3aの省エネルギー努力が寄与している場合もある。このような要因を考慮して、1年経過時において余った利益を家庭3aに還元したり、2年目以降における定額料金の再設定を行ったりすることが望ましい。このようにすることで、各家庭3aにおいて給湯器14の使用を抑えて独自に省エネルギーに貢献した場合に、顧客がペイバックを受けることができるようになる。これにより、各家庭3aが省エネルギー意識を持って給湯器14を使用することが期待できるようになり、グローバルな視点での省エネルギーがより促進されるようになる。
【0051】
(G−6)
また、各給湯器14から送られてくる各種情報をデータベース22aに蓄積して管理センター2側で監視することにより、給湯器14の故障診断やメンテナンス時期の特定も可能となる。例えば、異常情報の吸い上げ、現在の情報と初期の情報との比較から給湯器14の劣化の確認もできるようになる。このような不具合を特定して給湯器14の修繕・取替等を行うことで、間接的に省エネルギーが図られることになる。
【0052】
(G−7)
本システムでは、各家庭3aや給湯器14の状態をデータとして収集し、これらのデータを基に家庭3a毎に定額料金を設定している。このため、定額料金の設定が合理的となり、管理センター2を運営する事業者に対する顧客(各家庭3a)の信頼度が向上し、より多くの家庭3aに省エネルギー機器である給湯器14を導入してもらうことができるようになる。
【0053】
(G−8)
本システムでは、管理コンピュータ12の情報管理部22が、各家庭3aでの給湯器14の使用実績に関するデータに加え、各家庭3aに関するデータを収集する。また、地域、家庭3aの人員構成、各人の性別や年令などの家庭3aに関する情報と給湯器14の使用実績に関する情報とを結びつけて統計処理を行うことによって、ライフスタイル毎のエネルギー使用量の統計値を算出して、この統計データを基に新規顧客3bに対する定額料金の設定を行っている。このように、新規の顧客3bに対して実績に裏付けされた適切な定額料金の設定をすることができるため、新規顧客に省エネルギー機器である給湯器14を導入させることが容易となる。
【0054】
[第2実施形態]
上記第1実施形態においては給湯器14の導入によるメリットを直接各家庭3aに知らせることは行われていないが、1年毎の余剰利益のペイバックの目安として、あるいは省エネルギー意識の向上を図るために、各家庭3aに毎月メリット通知を行うようにしてもよい。
【0055】
図9に、その一例を示す。ここでは、従来のガス使用の給湯器を電気式の給湯器14に変更した場合のメリット計算の流れを示している。管理センター2の管理コンピュータ12内にメリット計算実行部26を設け、ここにあるメリット計算エンジンを利用して事業者利益やユーザメリットを計算している。
メリット計算の流れとしては、電気使用時間の入力、ガス代金への変換、電気代・機器返済費・サービス費などの控除、事業者利益とユーザメリットの算出となる。電気使用時間の入力では、電力会社の料金体系の情報を用いて、例えば夜間と昼間とに分けて入力を行う。ガス代金への変換では、適当な変換方式を組み込んだメリット計算エンジンを利用する。
【0056】
そして、算出されたユーザメリットは、毎月各家庭3aに通知する。この通知方法としては、給湯器14のコントローラ14aの表示部によって行ってもよいし、インターネット上の各家庭3aの個人ホームページによって行ってもよいし、郵送や電子メールなどの手段を用いて行ってもよい。
[第3実施形態]
上記第1実施形態では、管理センター2側で各家庭3aへの給湯器14の初期導入費用などを負担しているが、初期投資額が大きくなり管理センター2を運営する事業者で負担することが難しい場合には、図10に示すようにファイナンス会社5に機器導入時の費用を支払ってもらい、リース費を管理センター2からファイナンス会社5に毎月支払っていく方法を採ることも可能である。
【0057】
[第4実施形態]
上記第1実施形態では、給湯器14専用の電力メーターM2と、その他の機器51に対する電力メーターM1とが各家庭3aに設置される(図1参照)。この構成に代えて、図11に示すように、給湯器14を含めた家庭3a内の機器全体に対する電力メーターM0と、給湯器14専用の電力メーターM2とを各家庭3aに設置する構成を採ることもできる。
【0058】
この場合には、管理センター2が電力メーターM2の検針値を収集して、その検針値を電力供給者(電力会社)4aに報告する。そして、電力供給者4aから管理センター2へは、電力メーターM2に基づく電気料金を請求してもらい、電力供給者4aから家庭3aへは、電力メーターM0に基づく料金から電力メーターM2に基づく料金を差し引いた額を請求してもらうようにする。
【0059】
[第5実施形態]
上記第1実施形態では、管理センター2が各家庭3aから定額料金を徴収しているが、各家庭3aの支払い先を一本化するために、電力会社4aが定額料金設定や料金徴収の主体となるシステムも考えられる。
図12に、そのシステムの概要を示す。ここでは、電力会社4aが、給湯器14の使用エネルギー費を含めた家庭3aでの全電気代を定額で徴収する。この定額料金には、給湯器14の導入費用やメンテナンス費用などが含まれている。そして、電力会社4aは、機器メーカーなどが運営する管理センター102に給湯器14の提供やメンテナンスを依頼し、また給湯器14の最適運用を行わせる。
【0060】
この場合にも、家庭3aから見て給湯器14を導入しやすく、管理センター102において各家庭3aの給湯器14が最適制御されるため、省エネルギーが達成される。
[第6実施形態]
上記第1実施形態では、管理センター2が各家庭3aから定額料金を徴収しているが、各家庭3aの支払い先を一本化するために、電力会社4aに料金徴収を代行させるシステムも考えられる。
【0061】
図13に、そのシステムの概要を示す。ここでは、各家庭3aは、電力会社4aへの通常の電力料金の毎月の支払い時に、給湯器14の使用分を含めた電力料金、給湯器14の導入費用の返済割賦費、メンテナンス費用などを支払う。すなわち、各家庭3aは電力会社4aだけから請求を受け、電力料金プラスαを支払う。電力会社4aは、各家庭3aから代行徴収した給湯器14の導入費用の返済割賦費やメンテナンス費用などを、代行手数料(代行料金)と引き換えに管理センター202へと送金する。
【0062】
管理センター202では、各家庭3aの給湯器14等の情報を収集して、各給湯器14を最適に制御する作業等を行い、省エネルギー化を促進する。
なお、ここでは電力会社4aに料金の代行徴収を行わせているが、ガス会社や水道会社といった他の公共料金の徴収を行う会社に代行してもらってもよい。その場合でも、各家庭3aは、料金支払い先を増加させることなく省エネルギー機器である給湯器14の導入を行うことができる。
【0063】
[第7実施形態]
上記第1実施形態では、電力会社4aから各家庭3aにある給湯器14の使用分の電気代の請求を受け、管理センター2が給湯器14のエネルギー使用料を電力会社4aに支払うシステムとなっている(図1参照)。これに代えて、図14に示すように、電気代は各家庭3aから電力会社4aに直接支払ってもらい、機器導入費用の返済費やサービス・メンテナンス料を各家庭3aから管理センター302に分割して支払ってもらうシステムとすることも可能である。
【0064】
ここでは、給湯器14を初期費用なしで家庭3aに設置し、機器導入費用やメンテナンス費用を割賦にして毎月の定額料金として管理センター302に支払わせる。この支払いは家庭3aにとって新たな負担となるが、これは、従来の給湯器から給湯器14に替えたことによるエネルギー費用の削減量を家庭3aに示すことで、家庭3aのメリットを明確にすればよい。
【0065】
具体的には、従来のガス式の給湯器を使用し続けていたと仮定した場合のガス代金を機器効率等から換算し、実際の給湯器14の電気代との差額を計算する。その差額から毎月の定額料金を差し引いた分がユーザメリットとなる。これをユーザ(家庭3a)に示すことで、ユーザは給湯器14を導入したメリットを確認することができる。
【0066】
また、ここでも、各給湯器14から管理センター302へと運用情報が送信され、管理センター302側で各給湯器14に最適な遠隔制御が為される。
[第8実施形態]
上記第1実施形態では、従来のガス式の給湯器を電気式の給湯器14に替える例を示しているが、本発明は、従来の給湯器が電気式であってもよく、給湯器14が省エネルギー型のガス式給湯器であってもよい。すなわち、エネルギー供給者が電力会社ではなくガス会社であるシステムも想定される。
【0067】
また、上記第1実施形態では、省エネルギー機器として家庭用給湯器を例に挙げて説明しているが、本発明は、その他の省エネルギー機器の導入を促進するシステムにも適用可能である。例えば、省エネルギー機器として、燃料電池システムやコジェネシステムなども挙げられる。顧客のもとに導入した燃料電池システムやコジェネシステムを遠隔にて監視制御し、ガス使用量の低減を図ることにも本発明が適用され得る。
【0068】
[第9実施形態]
上記第6実施形態では、各家庭3aの支払い先を一本化するために電力会社4aに料金徴収を代行させているが、逆に、管理センター202側が、家庭3a内で使用される複数の機器(給湯器14を含む)全ての電力料金を、電力会社4aに代わって代行徴収することもできる。例えば、以下のような2つのシステムが考えられる。
【0069】
(1)
各家庭3aは、給湯器14の使用分を含めた全機器に対する電力料金、給湯器14の導入費用の返済割賦費、メンテナンス費用などを、定額料金として管理センター202に支払う。すなわち、各家庭3aは管理センター202だけから請求を受け、定額料金を支払う。そして、管理センター202は、電気料金分を、電力会社4aへと送金する。
【0070】
なお、ここでいう電力会社4aは、電力の販売を主とする会社に限らず、電力を供給する事業を行う者であればよい。
(2)
各家庭3aは、給湯器14の導入費用の返済割賦費、メンテナンス費用などを、定額料金として管理センター202に支払うとともに、給湯器14の使用分を含めた全機器に対する電力料金を管理センター202に支払う。すなわち、各家庭3aは管理センター202だけから請求を受け、定額料金と電気料金とを支払う。そして、管理センター202は、代行徴収した電気料金を、電力会社4aへと送金する。
【0071】
[第10実施形態]
上記第1実施形態では、設定する定額料金の中に機器導入代返済分(図3参照)を含ませ、給湯器14の機器導入に関する費用を割賦で返済させる方式を採っている。ただし、顧客である家庭3aから見たときには、定額料金の支払いによって給湯費用がまかなわれるというだけで、機器導入費用の割賦返済を意識することがないようなシステムとなっている。すなわち、このシステムにおいては、顧客は、リーズナブルな定額料金を支払うだけで従来通りの給湯を得ることができるというメリットは意識するが、その定額料金中に給湯器14の機器導入費用が含まれているか否かについては殆ど意識しない。
【0072】
このように、第1実施形態では、機器導入に関する費用や点検・修理費などを管理センター2側で負担することから、給湯器14を管理センター2側で所有して、顧客である家庭3aにはリーズナブルな定額料金での給湯サービスを提供するという形態が前提となっている。
これに対し、以下のように、顧客である家庭3aに給湯器14の購入を意識させ、機器導入費用の返済期間を家庭3a側で決めることができるシステムとすることも考えられる。
【0073】
本実施形態では、機器導入費用の返済を行う期間(以下、機器返済期間という。)を家庭3aに決めさせ、機器返済期間中の定額料金を高めに設定し、それ以降の定額料金を安くする。すなわち、機器返済期間中の定額料金にだけ機器導入代返済分(図3参照)を含ませる。これにより、顧客は、機器返済期間中に給湯器14の導入費用を払い終わって給湯器14の所有を獲得し、それ以降は安価な定額料金で遠隔省エネルギー制御のサービスやメンテナンスを受けることができるようになる。
【0074】
また、この実施形態において家庭3aが管理センター2との契約を解除する際には、給湯器14自体を家庭3aから撤収したり、機器導入費用の残金を支払ってもらって家庭3aに給湯器14を引き渡したりすることが考えられる。
【0075】
【発明の効果】
本発明では、複数の顧客のもとに設置されたエネルギー使用機器それぞれに対して最適な遠隔制御を行うことが可能となり、各顧客が独自にエネルギー使用機器の運用を行う場合に較べて省エネルギー効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る方法を利用したシステムの概略図。
【図2】 システムの一部ブロック構成図。
【図3】 定額料金の内訳を示す図。
【図4】 昨年のエネルギーコストと定額料金との比較図。
【図5】 定額値決定の一方法を示す図。
【図6】 給湯器から管理センターへの情報送信の状態を示す図。
【図7】 外部機関による情報の取り込みを示す図。
【図8】 導入後各年の必要費用を示す図。
【図9】 第2実施形態のメリット計算の一例を示す図。
【図10】 第3実施形態のシステムの概略図。
【図11】 第4実施形態のシステムの概略図。
【図12】 第5実施形態のシステムの概略図。
【図13】 第6実施形態のシステムの概略図。
【図14】 第7実施形態のシステムの概略図。
【符号の説明】
2 管理センター
3a 家庭(顧客)
4a 電力会社(エネルギー供給者)
9 通信ネットワーク(ネットワーク)
12 管理コンピュータ
14 給湯器(エネルギー使用機器)
21 通信部(接続部)
22 情報管理部(記憶部)
23 機器制御部
Claims (6)
- 複数の顧客(3a)のもとに設置されるエネルギー使用機器(14)それぞれのエネルギー消費量の低減を図るエネルギー使用機器適正運用装置であって、
ネットワーク(9)を介して前記各エネルギー使用機器(14)に接続する接続部(21)と、
前記各顧客(3a)の情報および前記各エネルギー使用機器(14)の使用実績に関する情報を記憶する記憶部(22)と、
前記記憶部における前記エネルギー使用機器(14)の使用実績に関する情報の蓄積が少ない前記エネルギー使用機器(14)の導入初期には前記各顧客(3a)に関する情報に基づいて、前記エネルギー使用機器(14)の使用実績に関する情報が前記記憶部に蓄積されてくると、蓄積された前記エネルギー使用機器(14)の使用実績に関する情報に基づいて、前記接続部(21)及び前記ネットワーク(9)を介して前記エネルギー使用機器(14)を遠隔制御する機器制御部(23)と、
を備えたエネルギー使用機器適正運用装置。 - 前記機器制御部(23)は、前記接続部(21)及び前記ネットワーク(9)を介して前記エネルギー使用機器(14)を直接的に遠隔制御する、あるいは前記接続部(21)及び前記ネットワーク(9)を介して前記エネルギー使用機器(14)に制御情報を送り間接的に前記エネルギー使用機器(14)を遠隔制御する、請求項1に記載のエネルギー使用機器適正運用装置。
- 前記記憶部(22)には、前記各エネルギー使用機器(14)の設置環境に関する情報が記憶され、
前記機器制御部(23)は、前記各エネルギー使用機器(14)の設置環境に関する情報を加味して前記エネルギー使用機器(14)を遠隔制御する、
請求項1または2に記載のエネルギー使用機器適正運用装置。 - 前記記憶部(22)には、前記エネルギー使用機器(14)にエネルギーを供給するエネルギー供給者(4a)のエネルギー供給状態に関する情報が記憶され、
前記機器制御部(23)は、エネルギー供給者(4a)のエネルギー供給状態に関する情報を加味して前記エネルギー使用機器(14)を遠隔制御する、
請求項1から3のいずれかに記載のエネルギー使用機器適正運用装置。 - 前記エネルギー使用機器(14)は、タンクを有する給湯器であり、
前記記憶部(22)には、前記各エネルギー使用機器(14)のタンク容量の情報及び時間帯別の使用湯量の推定値の情報の少なくとも一方が記憶され、
前記機器制御部(23)は、前記各エネルギー使用機器(14)のタンク容量の情報及び時間帯別の使用湯量の推定値の情報の少なくとも一方を加味して前記エネルギー使用機器(14)を遠隔制御する、
請求項1から4のいずれかに記載のエネルギー使用機器適正運用装置。 - 複数の顧客(3a)のもとに設置されるエネルギー使用機器(14)それぞれのエネルギー消費量の低減を図るエネルギー使用機器適正運用方法であって、
ネットワーク(9)を介して前記各エネルギー使用機器(14)を管理コンピュータ(12)に接続し、
前記各顧客(3a)の情報および前記各エネルギー使用機器(14)の使用実績に関す る情報を前記管理コンピュータ(12)の記憶部(22)に記憶させ、
前記記憶部における前記エネルギー使用機器(14)の使用実績に関する情報の蓄積が少ない前記エネルギー使用機器(14)の導入初期には前記各顧客(3a)に関する情報に基づいて、前記エネルギー使用機器(14)の使用実績に関する情報が前記記憶部に蓄積されてくると、蓄積された前記エネルギー使用機器(14)の使用実績に関する情報に基づいて、前記管理コンピュータ(12)を用い、前記ネットワーク(9)を介して前記エネルギー使用機器(14)を遠隔制御する、
エネルギー使用機器適正運用方法。
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