JP3678655B2 - Method for reinforcing stencil sheet and stencil sheet making apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、孔版印刷の孔版原紙に関し、詳しくは孔版原紙の補強に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
感熱孔版原紙を用い、この原紙のフィルム面に所望の文字、図形などを熱穿孔して版を作製し孔版印刷を行う方法が知られている。この方法は静電複写(PPC)と比較して多数枚印刷時の印刷コストが安く、また高速印刷が可能であるなどの利点を有している。
【0003】
従来、感熱孔版原紙の製版方法としては、例えば鉛筆等の炭素を含有する筆記具で文字等が手書きされた原稿や電子写真方式でコピーされたトナー画像原稿と感熱孔版原紙とを重ね合わせ、フラッシュランプ、赤外線ランプ等の光で原稿の文字部や画像部を発熱させ、接触している感熱孔版原紙の熱可塑性フィルムを溶融穿孔する方法、文字等の画像を電気信号に変換した画像情報に従ってこの画像を再現するようにドット状の熱を発生するサーマルヘッドを用い、このサーマルヘッドを感熱孔版原紙に接触させて孔版原紙の熱可塑性樹脂フィルムを溶融穿孔する方法が知られている。特に、後者のサーマルヘッドによるデジタル製版法は、ワープロやグラフィックソフトなどで作製した文書データや画像データを直接紙に印刷できるという簡便さを有するため急速に普及している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
感熱孔版原紙は、一般に、ポリエステルフィルム、塩化ビニリデンフィルム、ポリプロピレンフィルムなどの熱可塑性樹脂フィルムと、天然繊維や合成繊維製の薄葉紙、不織物、スクリーン紗等からなる多孔性支持体とを、直接あるいは接着剤を介して貼り合わせたものであり、上記デジタル製版法では高速製版の要請が強いため、用いる感熱孔版原紙のフィルムの熱溶融穿孔性を向上させる必要性から、フィルムの厚さを薄くしたり、低融点、高熱収縮率あるいは低結晶性の材料からなるフィルムを用いることが試みられている。
【0005】
しかし、一般にそのような高感度フィルムは物理的強度が低いため、連続的に多枚数の印刷を行うと原紙が伸びてしまったり、原紙の穿孔部分や原紙の印刷用紙の端面に相当する部分に切れが生じたり、あるいは原紙にしわが入るなどの問題を生じやすい。
【0006】
このような問題を解決するため、原紙そのものを厚くする方法等によって物理的強度を高めることが行われているが、これでは高速製版、鮮明画像の要求に対応することができない。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、穿孔性等の高速製版や鮮明画像の要求を満足させながら、耐久性を飛躍的に向上させることが可能な孔版原紙、およびそのような孔版原紙を製造するための孔版原紙の補強方法、さらにそのような孔版原紙の製版装置を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の孔版原紙の補強方法は、樹脂フィルムと多孔性支持体とを積層してなる孔版原紙の前記多孔性支持体中に反応硬化性樹脂を含浸させるとともに、前記樹脂フィルムに対して穿孔製版をし、製版によって形成された樹脂フィルムの穿孔から前記孔版原紙の穿孔部分の反応硬化性樹脂を印刷動作による印刷インキの置換によって選択的に除去し、製版済み孔版原紙の非穿孔部分に残っている反応硬化性樹脂を硬化させることを特徴とするものである。
【0009】
反応硬化性樹脂を含浸させるとともに、前記樹脂フィルムに対して穿孔製版をしとは、多孔性支持体中に反応硬化性樹脂を含浸させた後に穿孔製版する場合、反応硬化性樹脂の含浸を穿孔製版と同時に行う場合、多孔性支持体中に反応硬化性樹脂を含浸させる前に穿孔製版を行う場合のいずれであってもよいことを意味する。
【0010】
孔版原紙の穿孔部分とは、樹脂フィルムの穿孔およびその穿孔の上に積層されている多孔性支持体を意味する。孔版原紙の非穿孔部分とは、樹脂フィルムの非穿孔上に積層されている多孔性支持体を意味する。
【0011】
前記反応硬化性樹脂は紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。前記反応硬化性樹脂の粘度および降伏値は、前記印刷インキの粘度および降伏値と同等以下に調整されていることが好ましい。
【0012】
本発明の孔版原紙の製版装置は、樹脂フィルムと多孔性支持体とを積層してなる孔版原紙の前記多孔性支持体中に反応硬化性樹脂を含浸する塗工手段と、前記樹脂フィルムに対して穿孔製版を行う製版手段と、製版によって形成された樹脂フィルムの穿孔から前記孔版原紙の穿孔部分の反応硬化性樹脂を印刷動作による印刷インキの置換によって選択的に除去する除去手段と、前記製版済み孔版原紙の非穿孔部分に残っている反応硬化性樹脂を硬化させる硬化手段とを有することを特徴とするものである。
【0013】
前記反応硬化性樹脂は紫外線硬化性樹脂であることが好ましい。前記反応硬化性樹脂の粘度および降伏値は、前記印刷インキの粘度および降伏値と同等以下に調整されていることが好ましい。
【0014】
【発明の効果】
本発明の孔版原紙の補強方法は、樹脂フィルムと多孔性支持体とを積層してなる孔版原紙の多孔性支持体中に反応硬化性樹脂を含浸させるとともに、樹脂フィルムに対して穿孔製版をし、製版によって形成された樹脂フィルムの穿孔から孔版原紙の穿孔部分の反応硬化性樹脂を印刷動作による印刷インキの置換によって選択的に除去し、製版済み孔版原紙の非穿孔部分に残っている反応硬化性樹脂を硬化させて補強されるため、樹脂フィルムの非穿孔上の多孔性支持体に含浸された反応硬化性樹脂が硬化されている状態となる。このため、樹脂フィルムの穿孔性は良好でありながら、孔版原紙の非穿孔部分は、反応硬化性樹脂の硬化によって補強されるので、高速穿孔、鮮明画像を満足しながら、高い耐久性を有する孔版原紙とすることができる。
【0015】
すなわち、従来は、孔版原紙の耐久性を向上させるために樹脂フィルムを厚くしたり、樹脂フィルムそのものに強度の強いものを用いたり、あるいは多孔性支持体を厚くしたりという方法がとられていたために、孔版原紙の耐久性は向上しても、高速穿孔、鮮明画像を実現することは困難であった。
【0016】
しかし、本発明の孔版原紙の補強方法および孔版原紙の製版装置によれば、樹脂フィルムや多孔性支持体そのものは、高速穿孔、鮮明画像を実現できるような薄いものを用いても、製版ののちに多孔性支持体に含浸されている反応硬化性樹脂を硬化させることによって孔版原紙の強度をあげることができるため、高速穿孔、鮮明画像でありながら、耐久性に優れた孔版原紙を提供することができるものである。
【0017】
なお、反応硬化性樹脂として紫外線硬化性樹脂を用いると、反応が早いため、樹脂フィルムを傷めることが少なく、また経済的負担が軽減される。さらに、感熱製版において、熱硬化型樹脂を用いる場合には、製版した後でなければ反応硬化性樹脂を塗工することができないが、紫外線硬化性樹脂の場合には製版前であっても、製版と同時であっても何ら問題がないため、装置の塗工場所が制約を受けることがない。
【0018】
また、孔版原紙の製版装置において、孔版原紙穿孔部分の反応硬化性樹脂の除去を、孔版印刷装置の印刷動作を利用する印刷インキの置換によって行うので、除去手段として新たな装置を追加しなくても、従来の孔版印刷装置の印刷ドラムを利用することができるので、設備投資の経済的負担を軽減することができる。
【0019】
この場合、反応硬化性樹脂の粘度および降伏値を、印刷に用いる印刷インキの粘度および降伏値と同等以下に調整することにより、反応硬化性樹脂と印刷インキの置換をより円滑に行うことが可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
なお、本発明の孔版原紙の製版装置は孔版原紙の製版のみを行うものであってもよいが、従来より利用されている孔版印刷装置は、孔版原紙の製版手段と印刷手段とが一つの装置に組み入れられているものが主流であり、また、このような孔版印刷装置を用いれば、孔版原紙穿孔部分の反応硬化性樹脂の除去を、孔版印刷装置の印刷動作を利用して行うことができるため、以下、ここでは本発明の孔版原紙の製版装置と印刷装置とが一体となっている孔版印刷装置について説明する。
【0021】
図1は本発明の一つの実施の形態を示す孔版印刷装置の概略模式図、図2は塗工部の別の配置を示す孔版印刷装置の一部概略模式図、図3は塗工部のさらに別の配置を示す孔版印刷装置の一部概略模式図である。
【0022】
本発明の孔版印刷装置10は、孔版原紙の多孔性支持体中に反応硬化性樹脂を含浸する塗工手段1と、樹脂フィルムに対して穿孔製版を行う製版手段2と、製版によって形成された樹脂フィルムの穿孔から孔版原紙の穿孔部分の反応硬化性樹脂を選択的に除去する除去手段3と、製版済み孔版原紙の非穿孔部分に残っている反応硬化性樹脂を硬化させる硬化手段4とを有し、さらに印刷用紙供給手段5と、印刷済用紙収納手段6とからなるものである。
【0023】
塗工手段1は、反応硬化性樹脂15を貯蔵するタンク11と、反応硬化性樹脂15をロールコータに浸漬するための容器12と、タンク11から容器12に反応硬化性樹脂15を移すポンプ13と、孔版原紙に反応硬化性樹脂15を含浸するロールコータ14とから構成される。なお、ここでは、孔版原紙に反応硬化性樹脂を含浸させる手段としてロールコータを用いているが、孔版原紙に反応硬化性樹脂を含浸できるものであれば、グラビアコータ、ブレードコータ、バーコータなどの各種コータを用いることができ、またコータを用いることなく、孔版原紙を直接樹脂プールに浸漬する方法や、樹脂を孔版原紙にスプレーやインクジェット等を用いて吹き付ける方法によって含浸させてもよい。
【0024】
また、図1に示す塗工手段1は製版が行われるよりも前の位置に設けられているが、孔版原紙が着版されるまでであれば、図2に示すように製版と同時に塗工できるように製版手段2の下部に設けてもよいし、また、図3に示すように製版後、着版までの搬送工程中に設けてもよい。
【0025】
次に、孔版印刷装置10の動作について説明する。ホルダーにセットされたロール状の孔版原紙100は 送りローラによって塗工手段1へと送られる。塗工手段1では、ロールコータ14によって反応硬化性樹脂15が孔版原紙100 に含浸される。塗工手段1のロールコータと孔版原紙の拡大図を図4に示す。孔版原紙100 が矢印で示される搬送方向に移動すると、ロールコータ14に含浸された反応硬化性樹脂15が孔版原紙100 に移り、孔版原紙100 に含浸した余分な反応硬化性樹脂15はスクレーパ16によってかき取られる。
【0026】
一方、印刷原稿を印刷装置の読取手段(図示せず)にセットすると、原稿の図形や文字に対応した濃淡を読取センサーがデジタル信号として読み取り、その信号は製版手段2のサーマルヘッド21に送られる。反応硬化性樹脂15が含浸された孔版原紙100 が送りローラによって製版手段2に送られ、サーマルヘッド21の加熱によって穿孔製版される。なお、ここでは製版手段が感熱穿孔であるサーマルヘッドについて説明しているが、熱源としてフラッシュや赤外線を用いた感熱孔版であってもよいし、ヤスリ板、針、パンチ等の機械的穿孔であってもよい。
【0027】
製版された孔版原紙100は 送り方向の先端部が印刷ドラム31のクランプ32によって把持され、印刷ドラム31に巻き付けられる。印刷ドラム31の内側からインキ103が 押し出され、印刷ドラム31に巻き付けられた孔版原紙100 の穿孔を経て、印刷用紙供給手段5から供給された印刷用紙に転写される。このとき、インキ103 とともに穿孔から反応硬化性樹脂も転写され、これによって穿孔部から反応硬化性樹脂が除去される。インキ103 の印刷用紙への転写を確認後、孔版原紙100 が巻き付けられた印刷ドラム31に向けて、硬化手段4の硬化部41から外部エネルギーを照射して、孔版原紙100 の非穿孔部に残った反応硬化性樹脂を硬化させて孔版原紙100 の補強を完了する。硬化した後は、印刷ドラム31の回転に同調して供給される印刷用紙に連続的に印刷を行うことができる。
【0028】
図5は孔版印刷装置の印刷動作を利用し、孔版原紙の穿孔部分の反応硬化性樹脂を選択的に除去し、孔版原紙の非穿孔部分の反応硬化性樹脂を硬化させて孔版原紙100 を補強する様子を段階を追って示す模式図である。
【0029】
孔版原紙の穿孔部分の反応硬化性樹脂を選択的に除去する除去手段では、図5(a)に示すように、製版された孔版原紙100の上に印刷ドラムから押し出されたインキ103がのり、孔版原紙100の下には印刷用紙51が印刷用紙供給手段から供給された状態となっている。
【0030】
孔版原紙100は、製版によって穿孔されたフィルム101と反応硬化性樹脂が含浸している多孔性支持体102 とからなっており、印刷ドラムの回転を繰り返すとインキ103は徐々に押し出されて多孔性支持体102 を通過し、さらにフィルム101の穿孔104を通過して印刷用紙51に転写される。このとき、穿孔104のちょうど上の多孔性支持体102の穿孔部分Bに含浸されている反応硬化性樹脂は、インキ103が浸潤してくると、次第に押し出されてインキ103 とともに印刷用紙51に転写される(図5(b))。この転写はまず多孔性支持体102の穿孔部分Bに含浸している反応硬化性樹脂から起こり、印刷用紙51にインキ103 が転写される状態になると、多孔性支持体102の穿孔部分Bに含浸している反応硬化性樹脂は完全にインキ103に置換されている。従って、印刷用紙51にインキ103 が転写されたことにより、多孔性支持体102 の穿孔部分Bに含浸されている反応硬化性樹脂が完全に除去されたことがわかる。なお、図5では、反応硬化性樹脂の硬化をわかりやすくするために、非穿孔部分Aのインキ103の浸潤記載は省略してある。
【0031】
反応硬化性樹脂が多孔性支持体102 の穿孔部分Bから完全に除去されたこと、すなわち印刷用紙51にインキが転写されたことを確認したら、フィルム101 の非穿孔部105のちょうど上の多孔性支持体102の非穿孔部分Aに含浸している反応硬化性樹脂を硬化部41の外部エネルギーを照射することによって硬化させる(図5(c))。
【0032】
硬化部41から照射される外部エネルギーは、反応硬化性樹脂に何を選択したかによって異なり、例えば、熱硬化性樹脂や赤外線硬化樹脂、熱可塑性樹脂、パラフィン類を選択した場合には、輻射熱、赤外線のような熱源を外部エネルギーとして用いる。光硬化性樹脂を選択した場合には、可視光や紫外線等の光を外部エネルギーとして用いる。さらに、反応硬化性樹脂として高周波数の電波、各種電子線、放射線などによって硬化するものを選択した場合には、これらを外部エネルギーとして用いてもよい。また、ここでは硬化手段が孔版印刷装置の中に組み込まれている態様で説明しているが、硬化部にハンディタイプのものを利用できるのであれば孔版印刷装置に組み込まれている必要はない。
【0033】
硬化部41から外部エネルギーが照射されると、多孔性支持体102 の非穿孔部分Aに含浸している反応硬化性樹脂は硬化される。一方、多孔性支持体102 の穿孔部分Bでは反応硬化性樹脂は完全に除去されているため硬化は起こらない(図5(d))。これによって、孔版原紙100が反応硬化性樹脂によって補強される。
【0034】
次に本発明に用いることができる孔版原紙および反応硬化性樹脂について説明する。
孔版原紙のフィルムは、従来一般的に用いられているフィルムを用いることができるが、硬化部から発せられる外部エネルギーを透過しながら、フィルム自体は変化しないものである必要があり、例えば、熱可塑性樹脂フィルムなどを用いることができる。
【0035】
熱可塑性樹脂フィルムとしては、サーマルヘッドなどで感熱孔版できるものであれば特に限定されるものではなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレート、ポリスルフォンサルファイド、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリ酢酸ビニル、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などが用いられる。これらの樹脂成分は単独もしくは混合して、または共重合体の熱可塑性樹脂フィルムとして用いてもよい。なお、熱可塑性樹脂フィルムは白色を帯びていてもよい。
【0036】
また、熱可塑性樹脂フィルムには、必要に応じて、難燃剤、熱安定性、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、脂肪酸エステル、ワックスなどの有機滑剤あるいはポリシロキサン等の消泡剤を含有させることができる。
【0037】
上記熱可塑性樹脂フィルムの厚さは、好ましくは0.5〜50μm、さらには 1〜20μmの範囲であることが好ましい。フィルムの厚さが 0.5μm未満では取扱性及び強度が劣り、また 50μmを越えると穿孔する際に大量の熱エネルギーが必要となり経済的でない。
【0038】
多孔性支持体はインキが通過する多孔質の支持体であれば特に限定されるものではなく、薄葉紙、抄造紙、不織物、織物、スクリーン紗、連続気孔体いわゆるスポンジシートなどがあげられる。薄葉紙、抄造紙の構成繊維としては、マニラ麻、コウゾ、ミツマタ、パルプ等の天然繊維、またはポリエステル、ビニロン、ナイロンなどの合成繊維があげられ、これらを単独でまた2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。不織物、織物、スクリーン紗の場合も、上記繊維を適宜選択して使用することができる。連続気孔体としては天然ゴム、合成ゴム系のスポンジゴム、ポリウレタンフォームやポリスチレンフォーム、ポリエチレンフォームといった合成樹脂発泡体があげられる。
【0039】
多孔性支持体は、インキとの親和性を付与するために、必要に応じて構成する繊維の表面に酸、アルカリ等の化学処理、コロナ放電、低温プラズマ処理などを施してもよい。
【0040】
これらの多孔性支持体の坪量は 1〜20g/m2 の範囲が好ましく、より好ましくは5〜15g/m2 の範囲である。1g/m2 未満では原紙としての強度が弱くなり、20g/m2 を越えると印刷時のインキの通過性が悪くなることがある。また、多孔性支持体の厚さは5〜100μmの範囲が好ましく、より好ましくは10〜50μmの範囲である。厚さが5μm未満では原紙としての強度が弱くなり、100μmを越えると印刷時のインキの通過性が悪くなることがある。
【0041】
感熱孔版原紙は、上記の熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを積層一体化することにより得られる。熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体の積層は、フィルムの穿孔感度を低下させない条件で接着剤を用いて接着する方法、接着剤を用いないで熱接着する方法のいずれによっても行うことができる。
【0042】
接着剤としては、酢酸ビニル系、アクリル系、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体系、ポリエステル系、ウレタン系等を用いることができ、また、紫外線硬化型接着剤として、ポリエステル系アクリレート、ウレタン系アクリレート、エポキシ系アクリレート等と光重合開始剤との混合物を使用することができる。
【0043】
熱接着は、通常、熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを加熱しつつ直接貼り合わせる熱圧着により行われる。熱圧着の方法は特に限定されるものではないが、加熱ロールによる熱圧着がプロセス性の観点から好ましい。接着温度は通常、80〜170℃ の範囲が好ましく、100〜150℃の範囲がより好ましい。
【0044】
なお、印刷物の画像鮮明性の点からは、接着剤を用いることなく熱接着により熱可塑性樹脂フィルムと多孔性支持体とを直接固着することが好ましい。
【0045】
孔版印刷用原紙のフィルム面には、サーマルヘッドによる穿孔時のスティック防止のため、一般に離型剤が塗布されているが、本発明の孔版原紙においても離型剤を塗布することが好ましい。離型剤としては、シリコーンオイル、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、界面活性剤等の従来より公知のものを用いることができる。また、離型剤中には帯電防止剤、耐熱剤、酸化防止剤、有機粒子、無機粒子、顔料など各種添加剤を混合してもよい。
【0046】
本発明の反応硬化性樹脂は、硬化した後に、印刷時の衝撃に耐える柔軟性、伸びを生まない高い弾性と引っ張り強度を有するものであることが好ましく、このような性質を有する反応硬化性樹脂であれば特に限定されるものではなく、例えば、紫外線硬化性樹脂、赤外線硬化樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、パラフィン類、高周波の電波、各種電子線等によって硬化する樹脂などを用いることができる。さらに反応硬化性樹脂以外に、光開始剤、粘度調整剤、重合開始剤を適宜含むものであってもよい。
【0047】
但し、製版が感熱穿孔による場合において、塗工手段が製版の行われるよりも前の位置に設けられている場合(図1の場合)や、製版と同時に塗工する場合(図2の場合)には、製版時に熱がかかるため反応硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いることはできない。
【0048】
より好ましくは反応硬化性樹脂は、紫外線硬化型樹脂のオリゴマーまたはモノマー、光開始剤、粘度調整剤、重合開始剤などから構成されるものであることが望ましい。このような反応硬化性樹脂は、紫外線硬化性インキから色剤を除去した構成に近いため、印刷装置に用いる際の弊害も少なく、色剤の紫外線吸収による硬化阻害などの問題も起こらない。また、製版が感熱製版の場合においても、塗工手段や製版手段を設けた位置に関係なく使用することができる。
【0049】
紫外線硬化型樹脂としては、例えば、ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系、ポリオール系の(メタ)アクリル酸変性された樹脂の各種オリゴマー、モノマーなどを用いることが好ましい。
【0050】
オリゴマーとしては、例えばエポキシアクリレート、エポキシ油化アクリレート、ウレタンアクリレート、不飽和ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ビニルアクリレートなどを好ましく用いることができ、モノマーとしては、ジシクロペンテニルエチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、フェノール・エチレンオキサイド変性アクリレートなどの単官能アクリレートや、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの多官能アクリレートを好ましく用いることができる。
【0051】
光開始剤としては、一般に市販されているものを使用することが可能であり、例えば、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー907、イルガキュアー369(以上、チバガイギー社製)、あるいはカヤキュアー DETX、カヤキュアーITX(以上、日本化薬社製)、ソルバスロンBIPE、ソルバスロンBIBE(以上、黒金化成製)、ルシリンTPO(BASF製)、ベンゾフェノン、アセトフェノン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテルなどを単独で、あるいは2種類以上を適宜混合して用いることができる。さらに増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどの脂肪族アミンを兼用して用いてもよい。光開始剤は一般に、紫外線硬化性樹脂のみ(添加剤を含まない)の全量に対して1〜20重量%添加することが好ましい。
【0052】
反応硬化性樹脂の除去手段として、孔版印刷装置の印刷動作を利用する場合には、印刷インキと容易に置換されるように、印刷インキと同等、好ましくは低い粘度や降伏値に調整されることが望ましく、粘度や降伏値調整のための粘度調整剤を用いることが好ましい。
【0053】
粘度調整剤としては、有機ベントナイト、有機ヘクトライト、各種ワックス、炭酸カルシウム、シリカ、スターチ類、金属石けん、石英、ガラス、ポリテトラフルオロエチレン(商品名テフロン)等の粉体を好ましく用いることができ、必要に応じて市販のゲル化剤を併用してもよい。粘度調整剤は、反応硬化性樹脂のみ(添加剤を含まない)の全量に対して30重量%以下とすることが好ましい。
【0054】
貯蔵時の反応硬化性樹脂のゲル化を防止するため、重合禁止剤を用いることが好ましく、重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ニトロソ化合物などを好ましく用いることができる。
【0055】
さらに、必要により公知の光開始助剤、光安定剤、界面活性剤、酸化防止剤、防腐剤、防かび剤、シリコーンオイル、消泡剤などの各種添加剤を含有させてもよい。
【0056】
反応硬化性樹脂の調整は、反応硬化性樹脂などの成分を攪拌、混合し、その後3本ロールなどの混連機で混連することによる。調整済みの反応硬化性樹脂は、紫外線、日光などを遮蔽できる容器に入れて保存する。
以下に実施例を示す。
【0057】
【実施例】
(実施例1)
エポキシアクリレートオリゴマー(ハリマ化成(株)製)9重量%、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA:東亞合成(株)製)38.2重量%、フェノール・エチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成(株)製)38.2重量%、光開始剤としてイルガキュアー369(チバガイギー社製)3.5重量%、粘度調整剤としてベントン38(RHEOX社製)10重量%、分散剤としてソルスパースS24000GR(ゼネカ社製)1重量%、重合禁止剤としてハイドロキノン0.1重量% を攪拌機で攪拌、混合し、その後3本ロールの混連機で混連し、反応硬化性樹脂を調整した。
【0058】
孔版印刷装置(リソグラフSR7400:理想科学工業株式会社)の製版手段に反応硬化性樹脂を含浸するためのロールコータを設置し、給紙手段にハンディUV照射装置(ORC社:ハンディUV-500)を設置した。
【0059】
ホルダーにロール状の孔版原紙(理想科学工業株式会社製)をセットし、送りローラによって製版塗工手段に搬送し、感熱製版と同時に反応硬化性樹脂を含浸させた。製版は格子柄のものを原稿として用いた。この孔版原紙を予めインキ(HDインキ(黒))が供給されている印刷ドラムに巻き付け、印刷用紙(A3サイズ:理想科学工業株式会社)を供給しながら印刷動作を行った。印刷済み用紙が10枚目のところで、転移された無色の反応硬化性樹脂が黒い画像に変わり、孔版原紙の穿孔部の反応硬化性樹脂が完全に除去された。
【0060】
UV照射装置から印刷ドラムに紫外線を照射しながら、印刷ドラムを 20rpmで3回転させて、孔版原紙の補強を完了した。UVを止めてそのまま3000枚の印刷を通常通り行った。
【0061】
(実施例2)
反応硬化性樹脂を表1に示す配合とした以外は実施例1と全く同様にして印刷を行った。
【0062】
(実施例3)
反応硬化性樹脂を表1に示す配合とした以外は実施例1と全く同様にして印刷を行った。
【0063】
【表1】
(実施例4)
実施例1において、印刷用紙としてはがきを用いた以外は実施例1と全く同様にして印刷を行った。
【0064】
(比較例1)
実施例1において、反応硬化性樹脂によって孔版原紙を処理しなかった以外は実施例1と全く同様にして印刷を行った。
【0065】
(比較例2)
実施例4において、反応硬化性樹脂によって孔版原紙を処理しなかった以外は実施例4と全く同様にして印刷を行った。
【0066】
(印刷伸びの評価)
実施例1〜3および比較例1の印刷物における天地方向の任意の2点間の距離を測定し、印刷1000枚目、印刷3000枚目の印刷1枚目に対する変化率を求め、次の基準で評価を行った。
【0067】
◎:極めて良好(変化率0.1%未満)
○:良好(変化率0.1%以上0.4%未満)
△:実用上使えるレベル(変化率0.4%以上0.8%未満)
×:実用上使用不可レベル(変化率0.8%以上)
【0068】
(印刷しわの評価)
実施例1〜4、比較例1,2において、3000枚印刷後に、印刷ドラムの原紙の様子を目視判定し、次の基準で評価した。
【0069】
○:しわの発生なし
△:微妙なしわの発生は認められるが実用上使えるレベル
×:しわの発生があり画像鮮明度が悪く、実用上使用不可レベル
結果を表2に示す。
【0070】
【表2】
表2から明らかなように、従来の処理をしなかった孔版原紙(比較例1)は、3000枚の連続印刷により大きな伸びやしわの発生が認められ、また、はがきのように端面に大きな圧がかかるような印刷用紙においては、500枚 の連続印刷ではがきの端面に相当する孔版原紙部分に切れが認められた。
【0071】
一方、本発明の処理を行った孔版原紙(実施例1〜3)は伸びに強く、しわの発生も全く認められなかった。また、はがき印刷では、3000枚の連続印刷を行ってもはがきの端面に相当する孔版原紙には切れが発生せず、従来の処理をしなかった孔版原紙に比べて飛躍的に耐久性が向上した。さらに、印刷画像は印刷用紙にかかわらず極めて鮮明であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一つの実施の形態を示す孔版印刷装置の概略模式図
【図2】 塗工手段の別の配置を示す孔版印刷装置の一部概略模式図
【図3】 塗工手段のさらに別の配置を示す孔版印刷装置の一部概略模式図
【図4】 塗工手段のロールコータと孔版原紙の拡大図
【図5】 孔版原紙の補強を段階を追って示す模式図
【符号の説明】
1 塗工手段
2 製版手段
3 除去手段
4 硬化手段
15 反応硬化性樹脂
100 孔版原紙
101 フィルム
102 多孔性支持体
103 インキ
104 穿孔
105 非穿孔部
A 非穿孔部分
B 穿孔部分[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a stencil sheet for stencil printing, and more particularly to reinforcement of a stencil sheet.
[0002]
[Prior art]
A method is known in which a heat-sensitive stencil sheet is used, and a plate is produced by thermally perforating desired characters and figures on the film surface of the stencil sheet to perform stencil printing. This method has advantages such as low printing cost when printing a large number of sheets and high-speed printing as compared with electrostatic copying (PPC).
[0003]
Conventionally, as a method for making a heat-sensitive stencil sheet, for example, a manuscript in which characters and the like are handwritten with a writing instrument containing carbon such as a pencil, a toner image original copied by an electrophotographic method, and a heat-sensitive stencil sheet are superimposed, and a flash lamp This method is used in accordance with image information obtained by converting the character image or the like into an electric signal by heating the thermoplastic film of the heat-sensitive stencil sheet that is in contact with the original character portion or image portion with heat from an infrared lamp or the like. In order to reproduce the above, there is known a method of using a thermal head that generates dot-like heat and melt-perforating the thermoplastic resin film of the stencil sheet by bringing the thermal head into contact with the heat-sensitive stencil sheet. In particular, the latter method of digital plate making using a thermal head is rapidly spreading because it has the convenience of being able to directly print document data and image data produced by a word processor or graphic software on paper.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In general, a heat-sensitive stencil sheet is made of a thermoplastic film such as a polyester film, a vinylidene chloride film, or a polypropylene film, and a porous support made of a thin paper made of natural fibers or synthetic fibers, a nonwoven fabric, a screen wrinkle, or the like directly or Since the above-mentioned digital plate making method has a strong demand for high-speed plate making, the thickness of the film is reduced because it is necessary to improve the heat-melt punchability of the heat-sensitive stencil sheet to be used. Attempts have been made to use a film made of a material having a low melting point, a high heat shrinkage rate, or a low crystallinity.
[0005]
However, in general, such high-sensitivity films have low physical strength, so if you print a large number of sheets continuously, the base paper will stretch, or the base paper will be perforated or the part corresponding to the end face of the base print paper. Problems such as cutting and wrinkling of the base paper are likely to occur.
[0006]
In order to solve such problems, the physical strength is increased by a method of increasing the thickness of the base paper itself, but this cannot meet the demand for high-speed plate making and clear images.
[0007]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and a stencil sheet capable of dramatically improving durability while satisfying requirements for high-speed plate making such as punchability and a clear image, and such a stencil sheet. It is an object of the present invention to provide a method for reinforcing a stencil sheet for producing a stencil sheet and a stencil sheet making apparatus.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The method for reinforcing a stencil sheet of the present invention includes impregnating a reactive curable resin into the porous support of a stencil sheet formed by laminating a resin film and a porous support, and perforating plate making to the resin film. The reaction curable resin in the perforated portion of the stencil sheet is selectively removed from the perforated portion of the stencil sheet formed by the plate making by replacing the printing ink by a printing operation, and remains in the non-perforated portion of the pre-made stencil sheet. The reaction curable resin is cured.
[0009]
Impregnation with the reaction curable resin and perforating plate making of the resin film means that the impregnation of the reaction curable resin is perforated when perforating plate making after impregnating the reaction curable resin in the porous support. When it is carried out at the same time as the plate making, it means that any of the cases in which perforation plate making is carried out before impregnating the porous support with the reaction curable resin may be used.
[0010]
The perforated portion of the stencil paper means a perforated resin film and a porous support laminated on the perforated. The non-perforated portion of the stencil sheet means a porous support laminated on the non-perforated portion of the resin film.
[0011]
The reaction curable resin is preferably an ultraviolet curable resin. It is preferable that the viscosity and yield value of the reaction curable resin are adjusted to be equal to or less than the viscosity and yield value of the printing ink.
[0012]
The stencil sheet making apparatus of the present invention comprises a coating means for impregnating a reactive curable resin in the porous support of a stencil sheet obtained by laminating a resin film and a porous support, and the resin film. Plate making means for perforating plate making, removing means for selectively removing the reaction curable resin in the perforated portion of the stencil base paper from the perforation of the resin film formed by plate making by replacing printing ink by printing operation, and the plate making And a curing means for curing the reaction curable resin remaining in the non-perforated portion of the stencil sheet.
[0013]
The reaction curable resin is preferably an ultraviolet curable resin. It is preferable that the viscosity and yield value of the reaction curable resin are adjusted to be equal to or less than the viscosity and yield value of the printing ink.
[0014]
【The invention's effect】
The method for reinforcing a stencil sheet of the present invention includes impregnating a reactive curable resin into a porous support of a stencil sheet obtained by laminating a resin film and a porous support, and perforating the resin film. The reactive curable resin in the perforated portion of the stencil sheet is selectively removed by replacing the printing ink by printing operation from the perforation of the resin film formed by the plate making, and the reaction hardening remaining in the non-perforated portion of the pre-made stencil paper Since the curable resin is cured and reinforced, the reaction curable resin impregnated in the porous support on the non-perforated resin film is cured. For this reason, the non-perforated portion of the stencil sheet is reinforced by the curing of the reaction curable resin while the perforation property of the resin film is good, so that the stencil has high durability while satisfying high-speed perforation and a clear image. It can be a base paper.
[0015]
That is, conventionally, in order to improve the durability of the stencil sheet, a method of increasing the thickness of the resin film, using a strong resin film, or increasing the thickness of the porous support has been employed. In addition, even if the durability of the stencil sheet is improved, it has been difficult to realize high-speed perforation and a clear image.
[0016]
However, according to the stencil sheet reinforcing method and stencil sheet making apparatus of the present invention, the resin film and the porous support itself can be used after the stencil, even if a thin film that can realize high-speed perforation and a clear image is used. Since the strength of the stencil sheet can be increased by curing the reaction curable resin impregnated in the porous support, it is possible to provide a stencil sheet excellent in durability while being high-speed perforated and a clear image It is something that can be done.
[0017]
When an ultraviolet curable resin is used as the reactive curable resin, the reaction is fast, so that the resin film is hardly damaged and the economic burden is reduced. Furthermore, in thermosensitive plate making, when using a thermosetting resin, it is not possible to apply a reactive curable resin until after plate making, but in the case of an ultraviolet curable resin, even before plate making, Since there is no problem even at the same time as the plate making, the coating place of the apparatus is not restricted.
[0018]
Further, in the stencil sheet making apparatus, the reaction curable resin is removed from the perforated portion of the stencil sheet by replacing the printing ink using the printing operation of the stencil printing apparatus, so that a new apparatus must be added as a removing means. However, since the printing drum of the conventional stencil printing apparatus can be used, the economic burden of capital investment can be reduced.
[0019]
In this case, the reaction curable resin and the printing ink can be replaced more smoothly by adjusting the viscosity and the yield value of the reactive curable resin to be equal to or less than the viscosity and the yield value of the printing ink used for printing. It becomes.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
Although the stencil sheet making apparatus of the present invention may perform only the stencil sheet making, the conventionally used stencil printing apparatus has only one stencil sheet making means and printing means. Is incorporated into the mainstream, and if such a stencil printing apparatus is used, the reaction curable resin in the perforated portion of the stencil sheet can be removed using the printing operation of the stencil printing apparatus. Therefore, hereinafter, the stencil printing apparatus in which the stencil sheet making apparatus of the present invention and the printing apparatus are integrated will be described.
[0021]
FIG. 1 is a schematic diagram of a stencil printing apparatus showing one embodiment of the present invention, FIG. 2 is a partial schematic diagram of a stencil printing apparatus showing another arrangement of the coating part, and FIG. It is a partial schematic diagram of a stencil printing apparatus showing yet another arrangement.
[0022]
The
[0023]
The coating means 1 includes a
[0024]
Further, the coating means 1 shown in FIG. 1 is provided at a position before the plate making, but as long as the stencil sheet is set, the coating means 1 is applied simultaneously with the plate making as shown in FIG. As shown in FIG. 3, it may be provided at the lower part of the plate making means 2 or may be provided during the transporting process from plate making to plate making as shown in FIG.
[0025]
Next, the operation of the
[0026]
On the other hand, when a printed document is set on a reading means (not shown) of the printing apparatus, the reading sensor reads the shading corresponding to the figure or character of the document as a digital signal, and the signal is sent to the
[0027]
The
[0028]
FIG. 5 uses the printing operation of the stencil printing apparatus to selectively remove the reactive curable resin in the perforated portion of the stencil paper and harden the reactive curable resin in the non-perforated portion of the stencil paper to reinforce the
[0029]
In the removing means for selectively removing the reaction curable resin in the perforated portion of the stencil sheet, as shown in FIG. 5 (a), the
[0030]
The
[0031]
When it is confirmed that the reaction curable resin has been completely removed from the perforated portion B of the
[0032]
The external energy irradiated from the curing
[0033]
When external energy is irradiated from the curing
[0034]
Next, the stencil paper and reaction curable resin that can be used in the present invention will be described.
As the stencil sheet, a film generally used in the past can be used, but the film itself needs to be unchanged while transmitting external energy emitted from the cured portion, for example, thermoplasticity. A resin film or the like can be used.
[0035]
The thermoplastic resin film is not particularly limited as long as it can be heat-sensitive stenciled with a thermal head or the like. For example, polyethylene, polypropylene, polyvinyl chloride, polyvinylidene chloride, polyethylene terephthalate, polybutylene terephthalate, polynaphthalene terephthalate, Polysulfone sulfide, polystyrene, polyurethane, polycarbonate, polyvinyl acetate, acrylic resin, silicone resin and the like are used. These resin components may be used alone or in combination, or used as a copolymer thermoplastic resin film. The thermoplastic resin film may be white.
[0036]
In addition, for thermoplastic resin films, if necessary, flame retardants, thermal stability, antioxidants, ultraviolet absorbers, antistatic agents, pigments, dyes, fatty acid esters, organic lubricants such as waxes, polysiloxanes, etc. An antifoaming agent can be contained.
[0037]
The thickness of the thermoplastic resin film is preferably in the range of 0.5 to 50 μm, more preferably 1 to 20 μm. If the film thickness is less than 0.5 μm, the handleability and strength are inferior, and if it exceeds 50 μm, a large amount of heat energy is required for drilling, which is not economical.
[0038]
The porous support is not particularly limited as long as it is a porous support through which ink passes, and examples thereof include thin paper, paper-making paper, non-woven fabric, woven fabric, screen wrinkles, and continuous pores, so-called sponge sheets. The constituent fibers of thin paper and papermaking paper include natural fibers such as manila hemp, mulberry, mitsumata and pulp, or synthetic fibers such as polyester, vinylon and nylon, and these may be used alone or in combination of two or more. Can do. In the case of non-woven fabrics, woven fabrics, and screen wrinkles, the above fibers can be appropriately selected and used. Examples of the continuous pores include synthetic resin foams such as natural rubber, synthetic rubber-based sponge rubber, polyurethane foam, polystyrene foam, and polyethylene foam.
[0039]
The porous support may be subjected to chemical treatment such as acid or alkali, corona discharge, low-temperature plasma treatment, etc., on the surface of the fiber to be constituted as necessary in order to impart affinity with ink.
[0040]
These porous supports have a basis weight of 1-20g / m 2 Is preferable, more preferably 5 to 15 g / m 2 Range. 1g / m 2 If it is less than 20 g / m 2 Exceeding this may result in poor ink passage during printing. Further, the thickness of the porous support is preferably in the range of 5 to 100 μm, more preferably in the range of 10 to 50 μm. When the thickness is less than 5 μm, the strength as a base paper is weakened, and when it exceeds 100 μm, the ink permeability during printing may be deteriorated.
[0041]
The heat-sensitive stencil sheet can be obtained by laminating and integrating the thermoplastic resin film and the porous support. Lamination of the thermoplastic resin film and the porous support can be performed by either a method of adhering using an adhesive under conditions that do not reduce the perforation sensitivity of the film or a method of heat adhering without using an adhesive.
[0042]
As the adhesive, vinyl acetate-based, acrylic-based, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer system, polyester-based, urethane-based, etc. can be used. Also, as the ultraviolet curable adhesive, polyester-based acrylate, urethane-based acrylate, A mixture of an epoxy acrylate or the like and a photopolymerization initiator can be used.
[0043]
The thermal bonding is usually performed by thermocompression bonding in which the thermoplastic resin film and the porous support are directly bonded together while heating. The method of thermocompression bonding is not particularly limited, but thermocompression bonding with a heating roll is preferable from the viewpoint of processability. The adhesion temperature is usually preferably in the range of 80 to 170 ° C, more preferably in the range of 100 to 150 ° C.
[0044]
From the viewpoint of image clarity of the printed matter, it is preferable to directly fix the thermoplastic resin film and the porous support by thermal bonding without using an adhesive.
[0045]
A release agent is generally applied to the film surface of the stencil printing paper to prevent sticking during perforation by a thermal head. However, it is preferable to apply a release agent also to the stencil paper of the present invention. As the release agent, conventionally known ones such as silicone oil, silicone resin, fluorine resin, and surfactant can be used. Moreover, you may mix various additives, such as an antistatic agent, a heat resistant agent, antioxidant, an organic particle, an inorganic particle, and a pigment, in a mold release agent.
[0046]
The reaction curable resin of the present invention is preferably one that has a flexibility to withstand an impact during printing after curing, a high elasticity that does not cause elongation, and a tensile strength, and has such properties. If it is, it will not specifically limit, For example, the resin etc. which harden | cure with an ultraviolet curable resin, an infrared curable resin, a thermosetting resin, a thermoplastic resin, paraffins, a high frequency electric wave, various electron beams, etc. are used. Can do. Further, in addition to the reaction curable resin, a photoinitiator, a viscosity modifier, and a polymerization initiator may be appropriately included.
[0047]
However, when the plate making is by thermal perforation, the coating means is provided at a position before the plate making (in the case of FIG. 1), or the coating is performed simultaneously with the plate making (in the case of FIG. 2). However, since heat is applied during plate making, a thermosetting resin cannot be used as a reactive curable resin.
[0048]
More preferably, the reaction curable resin is composed of an ultraviolet curable resin oligomer or monomer, a photoinitiator, a viscosity modifier, a polymerization initiator, and the like. Since such a reaction curable resin is close to the configuration in which the colorant is removed from the ultraviolet curable ink, there are few adverse effects when used in a printing apparatus, and problems such as curing inhibition due to the ultraviolet absorption of the colorant do not occur. Further, even when the plate making is thermal plate making, it can be used regardless of the position where the coating means and the plate making means are provided.
[0049]
As the ultraviolet curable resin, it is preferable to use, for example, various oligomers and monomers of urethane-based, epoxy-based, polyester-based, and polyol-based (meth) acrylic acid-modified resins.
[0050]
As the oligomer, for example, epoxy acrylate, epoxy oil acrylate, urethane acrylate, unsaturated polyester, polyester acrylate, polyether acrylate, vinyl acrylate and the like can be preferably used, and monomers include dicyclopentenyl ethyl acrylate, isobornyl Monofunctional acrylates such as acrylate, phenol / ethylene oxide modified acrylate, tripropylene glycol diacrylate, 1,6-hexanediol diacrylate, bisphenol A diglycidyl ether diacrylate, tetraethylene glycol diacrylate, trimethylolpropane triacrylate, Pentaerythritol triacrylate, pentaerythritol tetraacrylate, dipentaene A polyfunctional acrylate such as lithitol hexaacrylate can be preferably used.
[0051]
As the photoinitiator, commercially available products can be used. For example, Irgacure 651, Irgacure 184, Darocur 1173, Irgacure 907, Irgacure 369 (above, manufactured by Ciba Geigy), or Kayacure DETX, Kayacure ITX (manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.), Sorvathrone BIPE, Sorbastron BIBE (manufactured by Kurokin Kasei), Lucyrin TPO (manufactured by BASF), benzophenone, acetophenone, 4,4'-bisdiethylaminobenzophenone, benzyl , Benzoin, benzoin ethyl ether, etc. can be used alone or in admixture of two or more. Further, as a sensitizer, an aliphatic amine such as n-butylamine, triethylamine, ethyl p-dimethylaminobenzoate may be used in combination. In general, the photoinitiator is preferably added in an amount of 1 to 20% by weight based on the total amount of the ultraviolet curable resin alone (without additives).
[0052]
When using the printing operation of a stencil printing machine as a means for removing reactive curable resin, the viscosity should be adjusted to the same or preferably lower viscosity or yield value as printing ink so that it can be easily replaced with printing ink. It is desirable to use a viscosity modifier for adjusting viscosity and yield value.
[0053]
As a viscosity modifier, powders such as organic bentonite, organic hectorite, various waxes, calcium carbonate, silica, starch, metal soap, quartz, glass, polytetrafluoroethylene (trade name Teflon) can be preferably used. If necessary, a commercially available gelling agent may be used in combination. The viscosity modifier is preferably 30% by weight or less based on the total amount of the reaction curable resin alone (excluding additives).
[0054]
In order to prevent gelation of the reaction curable resin during storage, a polymerization inhibitor is preferably used, and hydroquinone, a nitroso compound, or the like can be preferably used as the polymerization inhibitor.
[0055]
Furthermore, you may contain various additives, such as a well-known photoinitiator, a light stabilizer, surfactant, antioxidant, antiseptic | preservative, antifungal agent, silicone oil, an antifoamer, as needed.
[0056]
The reaction curable resin is adjusted by stirring and mixing components such as the reaction curable resin and then mixing them with a kneading machine such as a three-roll machine. The prepared reaction curable resin is stored in a container that can shield ultraviolet rays, sunlight, and the like.
Examples are shown below.
[0057]
【Example】
(Example 1)
Epoxy acrylate oligomer (manufactured by Harima Chemicals Co., Ltd.) 9% by weight, dipentaerythritol hexaacrylate (DPHA: manufactured by Toagosei Co., Ltd.) 38.2% by weight, phenol / ethylene oxide modified acrylate (manufactured by Toagosei Co., Ltd.) 38.2% by weight %, Irgacure 369 (manufactured by Ciba Geigy) as photoinitiator, 3.5% by weight as viscosity modifier, 10% by weight of Benton 38 (manufactured by RHEOX), 1% by weight as Solsperse S24000GR (manufactured by Geneca), polymerization inhibitor As a mixture, 0.1% by weight of hydroquinone was stirred and mixed with a stirrer, and then mixed with a three-roll mixer to prepare a reaction curable resin.
[0058]
A roll coater for impregnating reactive curable resin is installed in the plate making means of the stencil printing machine (Rithograph SR7400: Riso Kagaku Kogyo Co., Ltd.), and the handy UV irradiation device (ORC: Handy UV-500) is used as the paper feeding means. installed.
[0059]
A roll-shaped stencil sheet (manufactured by Riso Kagaku Kogyo Co., Ltd.) was set in the holder, conveyed to a plate-making coating means by a feed roller, and impregnated with a reactive curable resin at the same time as thermal plate-making. For the plate making, a lattice pattern was used as a manuscript. This stencil sheet was wound around a printing drum to which ink (HD ink (black)) was supplied in advance, and a printing operation was performed while supplying printing paper (A3 size: Riso Kagaku Kogyo Co., Ltd.). At the 10th printed sheet, the transferred colorless reaction curable resin turned into a black image, and the reaction curable resin in the perforated portion of the stencil sheet was completely removed.
[0060]
While irradiating the printing drum with ultraviolet rays from the UV irradiation device, the printing drum was rotated three times at 20 rpm to complete the reinforcement of the stencil sheet. The UV printing was stopped and 3000 sheets were printed as usual.
[0061]
(Example 2)
Printing was performed in the same manner as in Example 1 except that the reaction curable resin was formulated as shown in Table 1.
[0062]
(Example 3)
Printing was performed in the same manner as in Example 1 except that the reaction curable resin was formulated as shown in Table 1.
[0063]
[Table 1]
(Example 4)
In Example 1, printing was performed in exactly the same manner as in Example 1 except that a postcard was used as the printing paper.
[0064]
(Comparative Example 1)
In Example 1, printing was performed in exactly the same manner as in Example 1 except that the stencil sheet was not treated with a reactive curable resin.
[0065]
(Comparative Example 2)
In Example 4, printing was performed in exactly the same manner as in Example 4 except that the stencil paper was not treated with a reactive curable resin.
[0066]
(Evaluation of printing elongation)
The distance between any two points in the vertical direction in the printed materials of Examples 1 to 3 and Comparative Example 1 is measured, and the rate of change with respect to the first print of the 1000th print and the 3000th print is obtained. Evaluation was performed.
[0067]
A: Very good (change rate less than 0.1%)
○: Good (change rate 0.1% or more and less than 0.4%)
Δ: Practical level (change rate: 0.4% or more and less than 0.8%)
×: Unusable for practical use (change rate 0.8% or more)
[0068]
(Evaluation of printing wrinkles)
In Examples 1 to 4 and Comparative Examples 1 and 2, after printing 3000 sheets, the state of the base paper of the printing drum was visually determined and evaluated according to the following criteria.
[0069]
○: No wrinkle
Δ: Slight wrinkles are observed but practically usable
×: Wrinkles occurred, image clarity was poor, and practically unusable level
The results are shown in Table 2.
[0070]
[Table 2]
As is apparent from Table 2, the stencil sheet (Comparative Example 1) that had not been subjected to the conventional treatment was found to generate large stretches and wrinkles due to continuous printing of 3000 sheets, and a large pressure on the end face such as a postcard. In such a printing paper, cutting of the stencil paper corresponding to the end face of the postcard was recognized in the continuous printing of 500 sheets.
[0071]
On the other hand, the stencil sheets (Examples 1 to 3) subjected to the treatment of the present invention were strong in elongation and no wrinkles were observed. In postcard printing, the stencil paper corresponding to the end face of the postcard does not break even after 3000 sheets of continuous printing, and the durability is dramatically improved compared to the stencil paper that was not processed in the past. did. Furthermore, the printed image was very clear regardless of the printing paper.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram of a stencil printing apparatus showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partial schematic diagram of a stencil printing apparatus showing another arrangement of coating means.
FIG. 3 is a partial schematic diagram of a stencil printing apparatus showing still another arrangement of coating means.
[Fig. 4] Enlarged view of roll coater and stencil sheet of coating means
FIG. 5 is a schematic diagram showing reinforcement of a stencil sheet step by step.
[Explanation of symbols]
1 Coating method
2 Plate making means
3 removal means
4 Curing means
15 Reaction curable resin
100 stencil paper
101 films
102 Porous support
103 ink
104 drilling
105 Non-perforated part
A Non-perforated part
B Perforated part
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