JP3674984B2 - ポリエステル製容器及びその製造方法 - Google Patents

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    • B29C2949/0862Crystallinity

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、エチレン−2,6−ナフタレート単位を主体とするポリエステル容器及びその製造方法に関するもので、より詳細には、容器の外観特性を向上させると共に、容器の目付をも低減させたポリエチレン−2,6−ナフタレート容器及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレン−2,6−ナフタレートは、ガスバリーアー性に優れ、耐熱性、透明性、強度にも優れた素材として、包装の分野においても着目されている。
【0003】
ポリエチレン−2,6−ナフタレートから、中空容器を製造することについても既に提案があり、特開昭52−45466号公報には、極限粘度0.4以上の芳香族ポリエステルを素材とする中空容器において、該素材はポリエチレン−2,6−ナフタレートであって、しかも該容器の胴部及び/または底部は、式
N=n・λ/d ・・・ (2)
ただし、式中
n:偏光顕微鏡で観察される複屈折による干渉縞の数、
λ:nの測定に使用された光源の波長、
d:測定に供せられた試料の厚み、
で定義されるN値が0.01以上であることを特徴とする中空容器が記載されている。
【0004】
また、特開平2−233341号公報には、ポリエチレンナフタレート樹脂からなり、ボトル胴部の中央部周上の複数箇所におけるX線干渉強度分布曲線において、少なくとも80%以上の確率でβ角度0゜±20’及びβ角度90゜±20’の両方の範囲において極大値が認めれることを特徴とするポリエチレンナフタレート樹脂製延伸ボトルが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ポリエチレン−2,6−ナフタレート製のボトルは、ポリエチレンテレフタレート製のボトルに比して、ガスバリアー性及び耐熱性の点では優れているが、未だ均一成形性(延伸性)の点で問題があり、肩部の中央或いは首部寄りの部分に、大きく波打った厚肉部と薄肉部との境界(段差部)が形成され、ボトルの外観特性を損なうという問題がある。
【0006】
更に、上記の波打ち段差部が形成されると、この段差部よりも下方の薄肉部では、ポリエチレン−2,6−ナフタレートの白化が生じ、ボトルの外観特性をますます不良にすることが認められる。
【0007】
従って、本発明の目的は、ポリエチレン−2,6−ナフタレートから成る従来の延伸成形容器における上記の欠点が解消され、外観特性の顕著に向上した容器及びその製造方法を提供するにある。
【0008】
本発明の他の目的は、ネッキング、即ち延伸開始点が首部下で周方向に一定の位置に制御され、波打ちの発生や白化が有効に防止されて外観特性が顕著に向上すると共に、容器の目付も有効に低減させることが可能なポリエチレン−2,6−ナフタレート製容器及びその製造方法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、エチレン−2,6−ナフタレートを主体とするポリエステルを二軸延伸ブローして成形して成る容器において、前記ポリエステルはジエチレングリコール成分の含有量は1.0重量%以下で且つ固有粘度(IV)が0.60以上のポリエチレン−2,6−ナフタレートであり、前記容器は容器首部下の急激な段差部を介して薄肉化されており、その段差部を水平面に投影したとき、その外接円半径(rMax)と内接円半径(rMin)とが下記式(1)
【数2】
Figure 0003674984
を満足する範囲にあり、且つ容器胴部が1.0%以下のヘイズ(Haze)の値を有し、口部が非晶であることを特徴とするポリエステル製容器が提供される。
【0010】
本発明によればまた、ジエチレングリコール成分含有率が1.0重量%以下、且つ固有粘度が0.60以上のポリエチレン−2,6−ナフタレートから成る口部が非晶のプリフォームを160乃至175℃の延伸温度に加熱し、このプリフォームを周方向延伸速度350%/sec以上として面積倍率4乃至20倍となるように二軸延伸ブロー成形することを特徴とするポリエステル製容器の製造方法が提供される。
【0011】
【作用】
本発明者らは、ポリエチレン−2,6−ナフタレートから延伸ブロー成形により容器を製造する際、ネッキングの生じる位置を周方向に一定とし、前述した波打ちを防止するのに、成形条件と共に、ポリエチレン−2,6−ナフタレートのジエチレングリコール(DEG)成分の含有量と固有粘度(IV)とが重要であることを見いだした。
【0012】
即ち、上記波打ちを防止して、外観特性を向上させるためには、二軸延伸ブロー成形による容器は容器首部下の急激な段差部を介して薄肉化されていることが必要であり、しかもその段差部を水平面に投影したとき、段差部(外側の輪郭)の外接円半径(rMax )と内接円半径(rMin )との関係(以下単に周方向均斉度と呼ぶ)が上記式(1)の極めて厳密な範囲を満足することが必要であることがわかった。また、ポリエチレン−2,6−ナフタレートは透明性に優れているため、その白化の程度は極めて小さい場合にも外観特性に重大な影響をもたらすものであり、容器の胴部のヘイズ(Haze)値は1.0%以下でなければならないことがわかった。
【0013】
本発明では、この課題を達成するために、ポリエチレン−2,6−ナフタレートとして、ジエチレングリコール成分の含有量が1.0重量%以下でしかも固有粘度(IV)が0.60以上のものを選択すべきことを見いだした。
【0014】
ポリエチレン−2,6−ナフタレートの重合は、エチレングリコール成分と2,6−ナフタレンジカルボン酸成分との重縮合により製造されるが、この重縮合系では、ビスヒドロキシエチル−2,6−ナフタレートのように、エチレングリコール成分の過剰な状態が存在するため、エチレングリコール成分同士が縮合して、ジエチレングリコール成分が、程度の差はあれ、必ず生成する。
【0015】
後述する例を参照されたい。先ず、用いるポリエチレン−2,6−ナフタレートの固有粘度(IV)が0.60を下回ると(比較例1)、段差部の周方向均斉度が0.999を下回るようになり、胴部のヘイズ(Haze)も1.0%を大きく上回るようになる。更に、酸素ガスに対するバリアー性や強度も未だ不十分のものである。
【0016】
また、固有粘度(IV)が0.60以上であっても、ポリエチレン−2,6−ナフタレート中におけるジエチレングリコール成分の含有量が1.0重量%を越えると(比較例2)、段差部の周方向均斉度が0.999を下回るようになり、胴部のヘイズ(Haze)も1.0%を上回るようになる。
【0017】
これに対して、本発明に従い、ジエチレングリコール成分の含有量が1.0重量%以上でしかも固有粘度(IV)が0.60以上のポリエチレン−2,6−ナフタレートを使用すると(実施例1)、段差部の周方向均斉度0.999以上を達成し、胴部のヘイズ(Haze)値を1.0%以下に抑制することが可能となる。
【0018】
本発明において、上記の固有粘度(IV)及びジエチレングリコール成分含有量を有するポリエチレン−2,6−ナフタレートを使用することにより、段差部の周方向均斉度0.999が達成され、胴部のヘイズ(Haze)値が1.0%に抑制できるのは、比較的低い温度で高速及び高倍率延伸が可能となり、これにより延伸開始点(ネッキング位置)が容器首部下に固定されると共に、延伸されたポリエステルの熱結晶化(ラメラ化)が抑制されるためと思われる。
【0019】
一般に、ポリエステルの二軸延伸ブロー成形において、高延伸倍率での延伸を可能とするためには、ポリエステルの温度を高めるのが有効であると考えられていたが、ポリエチレン−2,6−ナフタレートの場合、延伸温度を高くすると、前述した肩部における段差部の波打ち現象が著しくなると共に、段差部下方や胴部のラメラ化や蛍光化が著しくなり、ヘイズ(Haze)値が高くなる。
【0020】
本発明の方法においては、プリフォームの延伸ブロー成形を160乃至175℃の比較的低い加熱温度で行うと共に、このプリフォームを周方向延伸速度を350%/sec以上の高速として、二軸延伸ブロー成形を行う。これにより、段差部の波打ち現象が防止されると共に、ヘイズ(Haze)値の低下が抑制され、更に面積倍率4乃至20倍の高倍率延伸が可能となる。
【0021】
即ち、プリフォームの加熱温度を低く抑えることにより、ポリエチレン−2,6−ナフタレートの白化が抑制されると共に、高速延伸により延伸開始点が容器首部下に有効に固定され、しかも高速延伸による内部摩擦発熱により、高倍率延伸が可能となるものである。
【0022】
本発明によれば、高延伸倍率により容器を薄肉化できるため、容器全体の目付を低減することが可能である。従来の容器に比して重量を90乃至70%に低減できるので、容器製造のための素材コストを抑えるという利点がある。また、高速延伸が可能となるため、二軸延伸ブロー成形装置内の占有時間が短く、装置コストの点でも有利である。
【0023】
【発明の好適態様】
本発明の二軸延伸ブロー成形容器の一例を示す図1(側面図)において、この二軸延伸ポリエステル容器1は、未延伸のノズル部(首部)2、円錐台状の肩部3、筒状の胴部4及び閉ざされた底部5から成っている。この胴部4には、図示していないが、それ自体公知の減圧変形吸収用のパネル−リブ構造や補強用のリブ構造が形成されていてもよい。また、底部5には、自立安定性を与えるためのそれ自体公知の上向きのドーム構造やペタロイド型谷−足構造が形成されていてもよい。
【0024】
本発明の容器は、エチレン−2,6−ナフタレート単位を主体とするポリエステルから形成される。即ち、エステル反復単位の大部分、一般に80モル%以上、特に90モル%以上をエチレン−2,6−ナフタレート単位が占めるものであり、後に述べる方法で求めた固有粘度(IV)が0.55以上、特に0.60乃至0.80の範囲にあるものであり、ジエチレングリコール成分(DEG)の含有量が1.0重量%以下、特に0.8重量%以下のものである。
【0025】
このエチレン−2,6−ナフタレート系ポリエステルは、ガラス転移点(Tg)が108乃至120℃、特に110乃至118℃で、融点(Tm)が250乃至295℃、特に260乃至280℃にあることが好適である。ホモポリエチレン−2,6−ナフタレートが耐熱性の点で好適であるが、エチレン−2,6−ナフタレート単位以外のエステル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用し得
る。
【0026】
2,6−ナフタレンジカルボン酸以外の二塩基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族ジカルボン酸;コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、ドデカンジオン酸等の脂肪族ジカルボン酸;の1種又は2種以上の組合せが挙げられ、エチレングリコール以外のジオール成分としては、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上が挙げられる。
【0027】
これらのポリエステルは、単独でも或いはその本質を損なわない範囲で小量のナイロン類、ポリカーボネート或いはポリアリレート等の他の樹脂とのブレンド物の形でも使用し得る。
【0028】
この容器の首部近傍の断面を拡大して示す図2において、容器首部下には器壁が急激に薄肉化された段差部6が存在する。この段差部6の外縁を水平面に投影して示す図3において、この投影段差部7に外接円と内接円とを描き、外接円の半径をrMax 及び内接円の半径をrMin とすると、その相乗平均/相加平均の比で表される段差部の周方向均斉度は、本発明では、0.999乃至1.000の範囲となっている。
【0029】
また、胴部4のヘイズ(Haze)は、1.0%以下、特に0.9%以下に抑制されていて、ポリエステルのラメラ化やポリエチレン−2,6−ナフタレートに特有の蛍光も減少し、透明性及び外観特性に優れている。
【0030】
本発明の二軸延伸ブロー成形容器は、面積延伸倍率が4乃至20倍になるように二軸延伸されているが、これに関連して、下記式(3)
Δn=nS −nT ・・・(3)
式中、nS は面方向の屈折率であり、nT は厚み方向の屈折率である、
で定義される複屈折率(Δn)が、0.8以上、特に0.1乃至0.2の範囲にある。
【0031】
本発明の容器は、ジエチレングリコール成分含有率が1.0重量%以下、且つ固有粘度が0.60以上のポリエチレン−2,6−ナフタレートのプリフォームを160乃至175℃の延伸温度に加熱し、このプリフォームを周方向延伸速度350%/sec以上として面積倍率4乃至20倍となるように二軸延伸ブロー成形することにより製造される。
【0032】
本発明に用いる有底プリフォームの一例を示す図4において、このプリフォーム10は、容器の首部に対応する首部11、試験管状の胴部12及び底部13を有している。このプリフォームの首部下の部分14の肉厚は、成形後の容器において、首部下の厚肉部の肉厚d0 が胴部の最大厚みd1 の2乃至5倍の厚みを有するように設定することが、容器首部下の急激な段差部を介して薄肉化する上で好適である(図5)。
【0033】
延伸ブロー成形に使用する有底プリフォームは、それ自体公知の任意の手法、例えば射出成形法、パイプ押出成形法等で製造される。前者の方法では、溶融ポリエステルを射出し、最終容器に対応する口頸部を備えた有底プリフォームを非晶質の状態で製造する。
【0034】
射出成形に際して、前記ポリエステルを冷却された射出型中に溶融射出する。射出機としては、射出プランジャーまたはスクリューを備えたそれ自体公知のものが使用され、ノズル、スプルー、ゲートを通して前記ポリエステルを射出型中に射出する。これにより、ポリエステルは射出型キャビティ内に流入し、固化されて延伸ブロー成形用の非晶質状態のプリフォームとなる。射出型としては、容器の首形状に対応するキャビティを有するものが使用されるが、ワンゲート型或いはマルチゲート型の射出型を用いるのがよい。射出温度は280乃至310℃、圧力は500乃至650kg/cm2 程度が好ましい。
【0035】
プリフォームからの延伸ブロー成形には、一旦過冷却状態のプリフォームを製造し、このプリフォームを延伸温度に加熱して延伸成形を行う方法(コールドパリソン法)や、成形されるプリフォームに与えられた熱、即ち余熱を利用して、予備成形に続いて延伸成形を行う方法(ホットパリソン法)等が採用される。前者の方法が好適である。
【0036】
延伸のための加熱温度は、160乃至175℃の範囲にあることが重要である。上記の範囲内でも、用いるエチレン−2,6−ナフタレート系ポリエステルのガラス転移点以上の温度とするのがよい。即ち、上記温度範囲よりも低いときには円滑な延伸成形操作を行うことが困難となって、ミクロボイド等の発生が著しくなり(比較例3参照)、一方上記範囲よりも高い場合には段差部の波打ちと胴部の白化が生じるようになる(比較例4参照)。この意味で、延伸のための加熱温度は極めて厳密である。
【0037】
ボトル等への二軸延伸ブロー成形に際し、延伸温度にあるプリフォーム乃至パリソンをブロー成形金型内で軸方向に引っ張り延伸すると共に、流体吹き込みにより周方向に膨張延伸する。延伸倍率は、面積延伸倍率(容器外表面積/プリフォーム外表面積基準)を4乃至20倍、特に8乃至16倍とすべきであり、比較的低い温度で上記の高延伸を可能にするために、周方向の延伸速度を350%/secとするのがよい。尚、高圧気体の吹き込みによるブローに先立って、圧力の低い流体によってプリブローを行う場合には、このプリブローによる延伸後のものを基準として、延伸速度を定めるものとする。
【0038】
高速延伸を可能にするために、用いる加圧流体の圧力は可及的に高いことが好ましく、最終容器の容量やプリフォームの厚みによっても相違するが、一般に用いる気体の初期圧力は、30kg/cm2 以上、特に35乃至60kg/cm2 の範囲内にあることが好ましい。プリフォーム内に印加される圧力は成形の途中で一様である必要はなく、初期に高い圧力が印加されるものであればよい。ブロー成形時に初期と終期においてこのように延伸速度が異なる状態は、プリフォームの膨張にともなう圧力低下と、分子配向に伴う応力増加とを利用して達成ことができる。本発明において、加圧用流体としては、未加熱の空気或いは不活性気体でも、或いは加熱された空気或いは不活性気体でも使用し得るが、未加熱の普通の空気を使用し得ることが本発明の顕著な利点である。というのは、本発明の延伸ブロー成形条件では、高速延伸による分子内発熱があり、プリフォーム自身も高温であるため、流体吹き込みによるプリフォームの温度低下は無視し得るからである。
【0039】
【実施例】
次に本発明を次の例で更に説明する。
【0040】
1)試料
固有粘度(IV)が0.6以上且つ、ジエチレングリコール(DEG)含有量が1重量%以下のポリエチレン−2,6−ナフタレートを用いた。また、比較のためジエチレングリコール含有量が1.0重量%以上で且つ、固有粘度が0.40及び0.66である2種類の樹脂も用いた。
これらの樹脂を次の2)に示す成形前に160℃、5時間の乾燥処理を行った。
【0041】
2)成形
株式会社新潟鐵工所製NN75JS Hipershot 7000 型射出成形機を用い300℃にて射出成形し、胴部12の最大厚み5mm、首部下の部分14の肉厚2.5mm,外径25mm、長さ130mmの図4に示す形状のプリフォームを得た。その後、上記プリフォームの内外面を赤外線ヒーターにて所定の温度に再加熱後、二軸延伸ブローし、周方向延伸速度350%/sec及び面積延伸倍率12倍で、内容積1.5lの自立型炭酸飲料用ボトルを得た。
【0042】
3)評価
3−1)固有粘度
重量比1:1のフェノール・1,1,2,2−テトラクロロエタン混合溶媒20mlに試料200mgを加え170℃温度下20分間攪拌することで溶解した。その後、30℃恒温水槽を用いウベローデ型粘度計にて溶液粘度を測定後、固有粘度に換算した。用いた換算式を以下に示した。
Figure 0003674984
【数3】
Figure 0003674984
【0043】
3−2)DEG含有量測定法
試料2g精秤し、これに内部標準(0.02g、1,6−ヘキサンジオール)を含むヒドラジン10mlを加え、150℃、40分間加熱する。得られた分解液を遠心分離後、液相サンプルをガスクロマトグラフィーを用いジエチレングリコール含有量を定量した。ガスクロマトグラフィーの充填剤はグスクロパック55を用いた。
【0044】
3−3)ガスバリヤー(酸素透過率)
モコン社製酸素透過試験機OX−TRAN2/20を用いて20℃、RH80%、latmにおいて最終成形物側面の平板部を用い酸素透過量を測定した。その後、平均肉厚で換算し酸素透過係数(cc・mm/m2 ・day・atm)を求めた。
【0045】
3−4)強度
成形容器側面平面部より正立方向に長形となるよう80mm×10mmの形状に切り出し、ORIENTEC社製UCT5T型テンシロンを用い、引っ張り速度30mm/min、チャック間距離40mmにて引っ張り応力の測定を行った。得られた引っ張り応力測定結果より弾性率を求めた。
【0046】
3−5)ヘイズ
成形容器側面平面部の切り出し切片を試料とし、スガ試験機株式会社製S&MColour Computer Model/SM14を用い測定した。
【0047】
3−6)成形品ネック部の外観評価
本成形品はブロー時、延伸倍率が不均一な部位においてネックを生じる特徴がある。延伸成形時に生じる首下ネック部の状態を次式を用いて評価した。
式中rMIN 及びrMAX はプリフォーム円柱形状を軸とし、その中心より測定したネック部の短径と長径を示している。
【数4】
Figure 0003674984
【0048】
3−7)ブローによる周方向延伸速度測定
金型内面のボトル胴、中央部付近に温度センサーを振り付け、ブロー開始時より温度上昇が起こり始めるまでの時間を測定した。この時間をΔt、プリフォームの平均半径をr、ボトルの中心線から温度センサー装着装置までの間をRとすると、円周方向延伸速度は次式で表される。
【数5】
Figure 0003674984
【0049】
3−8)複屈折率
Nikon社製偏光顕微鏡OPTIPHOTO2−POLで、試料を厚さ5μmに切りだし、バビネ型コンベンセーターを用いて測定した。
【0050】
実施例1
固有粘度(IV)0.67、DEG0.6重量%以下のポリエチレンナフタレートを新潟鉄工所製射出成形機NN75JS Hiper shot7000 を用い、目付44gのプリフォームを成形後、165℃に再加熱し、PETボトル成形用金型を用い二軸延伸ブローを行ない、口径28φ、内容積1.5lの自立型炭酸飲料ボトルを作成した。同型を用い成形したPETボトルと比較した場合、本実施例にて作成したボトルはPETと同形状且つ同様の透明性を有していた。さらに強度、ガスバリヤー性、ヘイズの各評価結果は既存のポリエチレンテレフタレート製ボトルよりも良好な値を示しボトルとしての実用性が認められた。また、本実施例のボトルの胴部のサンプルを用いて複屈折率を求めたところ0.14だった。
【0051】
比較例1
比較のためDEG含有量が1.2重量%以上で且つ固有粘度IVが0.4のポリエチレンナフタレート樹脂を用い、上記成形と同条件で成形試験を行った。結果を表1に示す。DEG含有量が1.2重量%で且つIVが0.4の成形試験では、ボトル形状は得られたものの、白化を生じていた。そのヘイズ値は6.5を示し、更に、肩部において著しい延伸ムラを生じており、実用性はなかった。また、この肉厚ムラ分布を示す値として、3−6式を用い0.9982の数値を得た。
【0052】
他実験からもIV値の低いポリエチレンナフタレート材料を延伸した場合必ず白化する事を確認した。一般に、低分子量物ほど成形時に結晶核を生成しやすく白化する現象が知られている。同様に、本ポリエチレンナフタレート樹脂においても成形品の白化現象を低分子量による微結晶形成由来と判断した。
【0053】
比較例2
DEG含有量が1.1重量%で且つIV値が0.66の樹脂を用いた成形試験においてもボトル形状物は得られたものの白化しており、そのヘイズ値は1.5であった。また、口部下の肩部において顕著な肉厚ムラを生じた。よって、IV値が0.6以上の樹脂においても、DEG含有量が1.0重量%以上含有した場合、白化現象と肉厚ムラを生じることを確認した。これは、含有DEG量が増加するに従い、内部可塑化を生じ、低IV樹脂同様、微結晶の形成が生じた為と判断した。
【0054】
以上の結果から、実用性を有するボトルを得る為には、IV値のみならずDEG含有量も規定する必要がある。
尚、上記肉厚ムラを3−6)記載の式で数値化した結果、実施例は0.9994であり肉厚分布が均等であったのに対し、比較例1及び比較例2は肉厚分布のムラが大きく、3−6)式より、それぞれ0.9982及び0.9988の値を得た。この事から、肉厚ムラの分布を示す数値が0.999以上の場合は均一延伸を示し、数値が0.999より低い場合、不均一な延伸状態であると規定した。
【0055】
【表1】
Figure 0003674984
【0056】
実施例2
固有粘度(IV)0.67、DEG0.6重量%のポリエチレンナフタレートを新潟鉄工所製射出成形機を用い、目付44gのプリフォームを成形した。その後、150℃,165℃,180℃の各温度に再加熱し、実施例と同じPETボトル成形金型を用い二軸延伸ブローを行なった(表2参照)。最終的に口径28φ、内容積1.5lの自立型炭酸ボトルを得た。
【0057】
ブロー時の再加熱温度が165℃の場合、現行ポリエチレンナフタレートと同様な透明性のあるボトルが得られた。しかし、再加熱温度を150℃の低温及び180℃の高温にした場合、それぞれ成形ボトルは白化現象を示し、そのヘイズ値はそれぞれ5.8及び3.2の値を示した。また3−6)記載の式より求めた値はそれぞれ、0.9993と0.9986を示した。
【0058】
低温での延伸成形時に生じた白化は過延伸によるマイクロボイドの形成に由来したものであり、高温延伸成形時に生じた白化及び肉厚ムラは成形温度の上昇に伴い、分子運動が促進され、結果、微結晶の形成と延伸肉厚ムラを生じたものと判断した。
【0059】
以上の結果から、ポリエチレンナフタレート樹脂を二軸延伸ブロー成形する場合、樹脂のIV値が0.6以上で且つ、DEG量が1重量%以下である樹脂を用い、且つ、延伸成形温度も最適化する必要があった。
【0060】
【表2】
Figure 0003674984
【0061】
また、各種容積の異なる金型を用い面積倍率が異なる成形品を作成した。倍率以外の条件は実施例と同じ条件とした。結果、面積倍率が4倍未満のサンプルでは均一に延伸されず、ボトル全体に顕著な肉厚ムラを生じ実用性はなかった。
一方、面積倍率が20倍以上になる金型を用いブロー成形を行ったところ過延伸になり、ボトル全体に白化現象が生じた。
【0062】
以上の結果からポリエチレンナフタレート樹脂を二軸延伸ブロー成形する場合、面積倍率が4倍以上20倍以下の倍率で成形する必要があった。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、ジエチレングリコール成分の含有量及び固有粘度(IV)が特定の範囲にあるポリエチレン−2,6−ナフタレートを特定の条件で二軸延伸ブロー成形することにより、ネッキング、即ち延伸開始点が首部下で周方向に一定の位置に制御され、波打ちの発生や白化が有効に防止されて外観特性が顕著に向上した容器を提供できると共に、容器の目付も有効に低減させることが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二軸延伸ブロー成形容器の一例を示す側面図である。
【図2】図1の容器の首部近傍の断面を拡大して示す断面図である。
【図3】段差部の外縁を水平面に投影して示す投影図である。
【図4】本発明に用いる有底プリフォームの一例を示す側面図である。
【図5】本発明の二軸延伸ブロー成形容器の上部拡大図である。
【符号の説明】
1 二軸延伸ポリエステル容器
2 未延伸のノズル部(首部)
3 円錐台状の肩部
4 筒状の胴部
5 閉ざされた底部
6 段差部
7 投影段差部
10 有底プリフォーム
11 首部
12 胴部
13 底部
14 首部下の部分

Claims (2)

  1. エチレン−2,6−ナフタレートを主体とするポリエステルを二軸延伸ブロー成形して成る容器において、前記ポリエステルはジエチレングリコール成分の含有量は1.0重量%以下で且つ固有粘度(IV)が0.60以上のポリエチレン−2,6−ナフタレートであり、前記容器は容器首部下の急激な段差部を介して薄肉化されており、その段差部を水平面に投影したとき、その外接円半径(rMax )と内接円半径(rMin
    )とが下記式(1)
    Figure 0003674984
    を満足する範囲にあり、且つ容器胴部が1.0%以下のヘイズ(Haze)の値を有し、口部が非晶であることを特徴とするポリエステル製容器。
  2. ジエチレングリコール成分含有率が1.0重量%以下、且つ固有粘度が0.60以上のポリエチレン−2,6−ナフタレートから成る口部が非晶であるプリフォームを160乃至175℃の延伸温度に加熱し、このプリフォームを周方向延伸速度350%/sec以上として面積倍率4乃至20倍となるように二軸延伸ブロー成形することを特徴とするポリエステル製容器の製造方法。
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