JP3674727B2 - 注型人造大理石浴槽の製造装置 - Google Patents

注型人造大理石浴槽の製造装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノンゲルコートの注型人造大理石浴槽を製造するための製造装置に関し、特に、光沢性及び平滑性に優れた製品面を得ることができるとともに、成形材料の漏れが防止できるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
成形型面にゲルコートを施すことなく、合成樹脂(たとえばビニルエステル樹脂)に充填材(フィラー)を添加した成形材料を用い、製品面側が光沢性及び平滑性に優れたノンゲルコートの注型人造大理石浴槽を製造するためには、美麗に磨かれた下型(雄型)の型表面を浴槽製品に写し取る必要があり、そのために、従来より、この種の注型人造大理石浴槽の製造装置においては、図6(a)に示すように下型(雄型)1がエアバッグ7により上型(雌型)2側に押し上げられて成形材料の硬化収縮に追随できるように構成されている。
すなわち、同図に示す製造装置はベース3上に成形型4を有し、この成形型4は上型2と下型1から構成され、上型2と下型1により注型人造大理石浴槽の成形用のキャビティ5を形成している。
上型2はクランプ6でベース3に拘束する一方、下型1は上型2側へ移動できて上下動可能となるように、下型1の下面とベース3との間に押上げ手段としてのエアバッグ7が配設されており、さらに、上型2と下型1との間の周囲にはキャビティ5を囲むように、伸縮可能なゴム等からなる樹脂漏れ防止用のガスケット8が介挿されている。
【0003】
そして、この製造装置では、キャビティ5に成形材料としての樹脂組成物が充填された後、その硬化収縮時に、エアバッグ7にエアーが供給される。このようなエアー供給がなされると、エアーバッグ7が膨らみ、これにより下型1がガスケット8を押圧変形させながら押し上げられて成形材料の硬化収縮に追随する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術で述べたような製造装置にあっては、下型1が上下動可能な形式いわゆる固定でないムービング型であり、キャビティ5への成形材料の加圧注入時に、その注入圧力により成形材料が上型2と下型1の隙間から漏れて成形型4の外部に流れ出てしまうという不都合があり、さりとて、この不都合を解消するために下型を押し上げるためのエアバッグ7の押し上げ圧力を大きくすると、後工程で樹脂の硬化収縮に追随して下型を上型側に押し上げるという重要な作業ができにくなって光沢性及び平滑性に優れた製品面を得ることができないという不都合があった。
【0005】
発明者らはこのような不都合の原因について種々検討したところ、従来の製造装置においては、成形材料の加圧注入時に、下型1のエアバッグ7による押し上げによってガスケット8をある程度押し潰すことによって成形材料が漏れないようにしてはいるものの、ガスケット8が下型1に設置されていると、後工程での成形材料の反応硬化進行時に、肉厚の薄いバリ部9部分の成形材料が本体製品部分10(キャビティ5内の成形材料)よりも先に硬化を完了してしまい、もはや下型1はこの硬化したバリ部9に阻まれて上型2に接近できない、つまり本体製品部分10の硬化収縮に対する下型1の追随が不可能になること、また、成形材料の加圧注入時における下型を押し上げるためのエアバッグの圧力が大きいと、この時点でガスケット8を押し潰し過ぎて後工程で下型の成形材料の硬化収縮に追随する押し上げ作業ができないことを知見した。
【0006】
本発明は上述の知見に基づいてなされたもので、その目的とするところは、ノンゲルコートの注型人造大理石浴槽を製造するに際し、成形材料の漏れ防止が図れるとともに、光沢性及び平滑性に優れた製品面を得るに好適な注型人造大理石浴槽の製造装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、固定の上型及びこれに対し上下動可能な下型により注型人造大理石浴槽の成形用キャビティを形成してなる成形型と、上記上下両型間に介在された伸縮可能なガスケットとを具備し、上記キャビティに充填された成形材料の硬化収縮時に上記下型を上型側に押し上げて上記成形材料の硬化収縮に追随させるようにしてなる注型人造大理石浴槽の製造装置において、上記下型の上型側への押し上げの圧力を、少なくとも、上記キャビティへの成形材料の加圧注入時に適用する一次圧と、この一次圧よりも高い圧力で上記キャビティに注入された成形材料の硬化収縮時に適用する二次圧との二段階に可変する押上げ手段が設けられ、上記キャビティと連通する注入口と、この注入口を密閉するための注入口密閉手段を有し、上記注入口密閉手段が、上記注入口をキャビティに連通させるための注入路の途中をL字状に形成してなるL字部と、上記L字部の内側角部底面に上下動可能に配設され、且つ脱気口の密閉と同時に発生するバック圧により上昇可能な重さからなる軽量球体と、上記軽量球体より上方の注入路の内壁に設けられるとともに、注入口から軽量球体に向かって径の広がりを有し、軽量球体がL字部の内側角部底面に位置するときは当該軽量球体との間に隙間通路を形成する一方、軽量球体の上昇時には当該隙間通路を狭くして閉鎖することが可能なテーパ部とからなることを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、軽量球体がピンポン玉であることを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、上型に、キャビティにおける鉛直方向の末端と対向可能なガスケット装着溝を設け、このガスケット装着溝に、伸縮可能なガスケットを装着してなることを特徴とする
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、キャビティと連通する脱気口と、この脱気口を密閉するための脱気口密閉手段を有し、上記脱気口密閉手段が、上記脱気口に装着された軟質のチューブと、上記チューブを挟持するためのチューブバンドとからなることを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、キャビティに成形材料を加圧注入するときの注入圧が1〜2kg/cmであることを特徴とする。
【0012】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、一次圧が0.5〜1.5kg/cmであり、二次圧が2〜4kg/cmであることを特徴とする。
【0014】
本発明において、下型の上型側への押し上げの圧力としての一次圧は、成形材料の硬化収縮に追随した下型の押し上げを行うときに押圧変形するガスケットの収縮変形量を予め見込んで当該収縮変形を可能とする範囲内の圧力とし、二次圧は、キャビティに注入された成形材料の硬化収縮に追随した下型の押し上げを行うに必要な圧力とされる。
【0015】
本発明では、キャビティへの成形材料の加圧注入時に、一次圧により下型が押し上げられ、これによりガスケットがある程度収縮変形して、このガスケットによる下型と上型の隙間の密閉がより一層完全なものとなり、さらに、一次圧よりも高い圧力の二次圧により成形材料の硬化収縮に追随する押し上げ作業が可能となる。
【0016】
特に、請求項記載の発明では、キャビティの末端より横方向の上型と下型の間に従来のようなバリ部は形成されず、そのようなバリ部を上型と下型の間で挟み込むという事態を回避することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による注型人造大理石浴槽の製造装置の実施形態について図1乃至図5を基に詳細に説明する。
【0018】
なお、図1に示す注型人造大理石浴槽の製造装置の基本的な構成、たとえば成形型4、エアバッグ7およびガスケット8を有し、成形型4のキャビティ5に成形材料が充填された後、その成形材料の硬化収縮時に押上げ手段としてのエアバッグ7にエアが供給されると、下型1がガスケット8を収縮変形させながら押し上げられて樹脂の硬化収縮に追随する、いわゆるノンゲル注型法を採用したものである点は従来と同様である。
【0019】
同図に示す製造装置はキャビティ5に連通する注入口11を有し、注入口11からキャビティ5に成形材料を注入すると、製品としての厚さが約10mmの注型人造大理石浴槽を製造することが可能である。
【0020】
キャビティ5に成形材料を注入する際は、キャビティ5内の隅々まで成形材料を早く且つ不足なく十分に充填するために、成形材料の加圧注入を行うものとする。
【0021】
この加圧注入時に注入圧力が大きすぎると、注入口11の反対側に位置するキャビティ5の立壁部5aに成形材料の充填不足が生じる。一方、そのような注入圧力が小さすぎると、成形材料の注入完了までに時間がかかりすぎる。よって、成形材料の注入圧は以上の点を考慮した圧力とする必要がある。ノンゲル注型法採用の本製造装置では、注入口11の口径(内径)が38mm(1.5インチ)の場合、成形材料の注入圧力は1〜2kg/cm2とするのが好適であることが確認された。また、このときの成形材料の温度は、低いと樹脂の流れが悪く、高いと樹脂の硬化が始まるので、これらの不具合を防止できる温度とする必要があり、後述の表1に示す配合の樹脂組成物では40±5℃が最適であることが確認された。
【0022】
エアバッグ7は、キャビティ5に注入された樹脂組成物の硬化収縮時のみならず、キャビティ5への樹脂組成物の加圧注入時にも下型1を上型2側に押し上げるように構成されている。
【0023】
図6(b)に示すような注型成形法を採用した従来装置では、注入口11からキャビティ5に成形材料としての樹脂組成物を加圧注入するときは、その樹脂組成物が漏れないように下型1にガスケット8を設置し、且つ上型2と下型1をクランプ6で締め付けておき、脱気口12は開放のままでよい。また、注入口11も特に密閉する必要はなく、樹脂組成物のある程度のゲル化が進めば注入口11から注入バルブを外して注入口11を開放している。
【0024】
一方、ノンゲル注型法採用の本製造装置では、下型1が固定でないムービング型であることから、キャビティ5への樹脂組成物の加圧注入時に、その注入圧力で樹脂組成物が上型2と下型1の隙間Gから漏れ出すという問題がある。
【0025】
このような問題を解決するため、本製造装置にあっては、キャビティ5に注入された成形材料の硬化収縮時のみならず、キャビティ5への成形材料の加圧注入時にもエアバッグ7で下型1を上型2側に押し上げるものとし、この押し上げによりガスケット8をある程度収縮変形させて、ガスケット8による当該隙間Gの密閉をより一層完全なものとし、当該隙間Gから成形材料が漏れるのを防止する。
【0026】
このように、エアバッグ7はキャビティ5への成形材料の加圧注入時、及びキャビティ5に注入された成形材料の硬化収縮時に、下型1を上型2側に押し上げるための押上げ手段として構成されている。
【0027】
ところで、成形材料の加圧注入時におけるエアバッグ7の圧力が大きすぎると、ガスケット8が必要以上に収縮変形してしまい、後工程(キャビティ5内の成形材料の硬化収縮時)においてガスケット8が殆ど収縮変形できず、成形材料の硬化収縮に下型1を追随させるという重要な作業ができなくなってしまう。
【0028】
そこで、このような事態を防止するため、エアバック7による押し上げの圧力は、少なくとも成形材料の注入時を一次圧、成形材料の硬化収縮時を二次圧とし、一次圧は成形材料の硬化収縮に追随した下型1の押し上げを行うときに収縮変形するガスケット8の収縮変形量を予め見込んで、当該収縮変形を可能とする範囲内の圧力とする。一方、二次圧は、成形材料の硬化収縮に追随した下型1の押し上げを行うために必要な圧力とする。
【0029】
なお、この製造装置によると、一次圧は0.5〜1.5kg/cm2が好適であることが分かり、二次圧を2〜4kg/cm2とした結果、下型1が成形材料の硬化収縮によく追随し、美麗な光沢と十分な平滑性のある浴槽表面を得ることができた。
【0030】
図1に示すように、上型2と下型1との間にはガスケット8が介挿されているが、このガスケット8の配置は従来と異なり、図2に示すように上型2のガスケット装着溝13に装着されている。
【0031】
すなわち、上型2には下型1との対向面にガスケット装着溝13が形成されており、このガスケット装着溝13はキャビティ5における鉛直方向の末端5b(本体製品部10の縁部の折曲げ端)と対向可能な位置に設けられている。そして、このガスケット装着溝13にガスケット8が配設されている。
このようにガスケット8を配置すると、キャビティ末端5bより横方向の上型2と下型1の間にバリ部(図6(a)の符号9参照)が形成されず、そのようなバリ部を上型2と下型1の間で挟むという事態を回避することができる。よって、キャビティ5内の成形材料の硬化収縮時に、下型1をエアバッグ7で十分に押し上げることが可能となり、硬化収縮に対する下型1の追随を正確に行うことができ、光沢性及び平滑性に優れた製品面が得られる。
なお、図1に示した注入口11部分の上型2には、上記のようにガスケット装着溝13をキャビティ5における鉛直方向に設けることができないが、後述する図4中及び図5中に二点鎖線で示すように注入口11を除いて、ガスケット装着溝13がキャビティにおける鉛直方向に設けられている。
【0032】
また、図6(b)に示すような注型成形法を採用した従来装置では、成形型4内への成形材料の加圧注入が完了すると、成形型4の加熱を通じて成形型内部の成形材料を硬化させるが、ノンゲル注型法採用の本製造装置にあっては、エアバッグ7で下型1を押し上げてキャビティ5内の成形材料の硬化収縮に追随させるものであるため、キャビティ5に連通する脱気口12と注入口11のいずれか一方が密閉されていないときは、そこから成形材料が成形型4の外部に押し出されてしまうという事態を招き、注型成形が失敗となる。従って、脱気口12と注入口11は成形材料の充填が完了したとき、速やかに、できるだけ早く密閉すべきである。
【0033】
このような観点から、本製造装置においては、図1に示すように脱気口12の出口部品12aに、脱気口密閉手段として軟質のビニル製チューブ14が装着されており、チューブ14は図3に示すようにチューブバンド15により挟持される。すなわち、当該チューブ14をチューブバンド15で挟持すれば、脱気口12を密閉することができ、このように、脱気口12の密閉はチューブバンド15でチューブ14を挟持するだけの非常にシンプルで容易な作業である。なお、チューブ14は1回ごとの使い捨てとしたが、使い捨てとしない方法を採用してもよい。
【0034】
また、注入口11についても、上記のような観点から、脱気口12と略同時の密閉が要求され、この要求に応じるべく、注入口11には図1に示すように注入口密閉手段16が設けられている。注入口密閉手段16は、図4に示すようにL字部17、軽量球体18およびテーパ部19から構成されている。
L字部17は注入口11をキャビティ5内に連通させるための注入路11aの途中をL字状に形成して構成されている。
【0035】
軽量球体18はL字部17の内側角部底面17aに上下動可能に配設されているとともに、脱気口12の密閉と同時に発生するバック圧により上昇可能な重さを有する。このような軽量球体18としては市販のピンポン球が用いられている。なお、公認のピンポン球には直径38mmの従来からあるものと、これより大きいサイズの新しいものとがあり、今回は従来からある直径38mmのピンポン球を用いるものとし、このピンポン球は1回ごとの使い捨てとしたが、使い捨てとしない方法を採用してもよい。
【0036】
テーパ部19は軽量球体18より上方の注入路11aの内壁に設けられるとともに、注入口11から軽量球体18に向かって径の広がりを有し、また、テーパ部19は、軽量球体18がL字部17の内側角部底面17aに位置するときは当該軽量球体18との間に隙間通路20を形成し、一方、軽量球体18の上昇時には当該隙間通路20を狭くして閉鎖する(図5参照)。
【0037】
このような構造と非常に軽く丈夫で品質にばらつきのない市販のピンポン球を軽量球体18として採用したことにより、キャビティ5への成形材料の注入完了と同時に注入口11の密閉に成功した。
すなわち、キャビティ5への成形材料の注入時は、成形材料が注入口11から隙間通路20(テーパ部19と軽量球体18の間)を経てキャビティ5に加圧注入される。この加圧注入が完了して脱気口12が密閉されると、これと同時にバック圧が発生し、それに押されて軽量球体18が上昇する。このように上昇した軽量球体18は図5に示すようにテーパ部19の内壁に嵌合して注入口11を密閉するものとなる。
【0038】
なお、エアバック7による押し上げの圧力については、一次圧と二次圧の二段階よりさらに細かく分けることもできる。
【0039】
今回の開発・試作で最も好適であった成形材料としての樹脂組成物の配合は表1に示す通りであり、表2には樹脂組成物の硬化条件を示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003674727
【0041】
【表2】
Figure 0003674727
【0042】
【発明の効果】
本発明による注型人造大理石浴槽の製造装置にあっては、下型の上型側への押し上げの圧力を、少なくとも、キャビティへの成形材料の加圧注入時に適用する一次圧と、この一次圧よりも高い圧力で上記キャビティに注入された成形材料の硬化収縮時に適用する二次圧との二段階に可変する押上げ手段を設けており、従って、キャビティへの成形材料の加圧注入時にはガスケットを押し潰し過ぎない程度の一次圧としたエアバッグで下型を上型側に押し上げるため、下型の押し上げによりガスケットがある程度収縮変形してこのガスケットによる下型と上型の隙間の密閉がより一層完全なものとなってキャビティへの成形材料の加圧注入時に成形材料が漏れるのを防止できるとともに、成形材料の硬化収縮時にはこの一次圧よりも高い圧力の二次圧で下型を押し上げるため、下型が成形材料の硬化収縮に良く追随して押し上げられて、美麗な光沢と十分な平滑性を有する表面の浴槽が得られる。
【0043】
特に、請求項記載の発明によると、上型に、キャビティにおける鉛直方向の末端と対向可能なガスケット装着溝を設け、このガスケット装着溝にガスケットを配設したものであるため、キャビティの末端より横方向の上型と下型の間に従来のようなバリ部は形成されず、そのようなバリ部を上型と下型の間で挟むという事態を回避することができて、キャビティ内の成形材料の硬化収縮時に下型をエアバッグで十分に押し上げることが可能となって硬化収縮に対する下型の追随をより確実に行うことができ、光沢性及び平滑性に優れた製品面を得るにも好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による製造装置の一実施形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すA部周辺の拡大断面図である。
【図3】図1に示すB部周辺の説明図である。
【図4】図1に示すC部周辺の拡大断面図(注入口開口時)である。
【図5】図1に示すC部周辺の拡大断面図(注入口密閉時)である。
【図6】(a)は従来におけるノンゲルコート注型装置の断面図、(b)は従来における一般的な注型法による注型装置の断面図である。
【符号の説明】
1…下型 2…上型
3…ベース 4…成形型
5…キャビティ 6…クランプ
7…エアバッグ(押上げ手段) 8…ガスケット
9…バリ部 10…本体製品部分
11…注入口 11a…注入路
12…脱気口 12a…出口部品
13…ガスケット装着溝 14…チューブ
15…チューブバンド 16…注入口密閉手段
17…L字部 18…軽量球体(ピンポン球)
19…テーパ部 20…隙間通路

Claims (6)

  1. 固定の上型及びこれに対し上下動可能な下型により注型人造大理石浴槽の成形用キャビティを形成してなる成形型と、上記上下両型間に介在された伸縮可能なガスケットとを具備し、上記キャビティに充填された成形材料の硬化収縮時に上記下型を上型側に押し上げて上記成形材料の硬化収縮に追随させるようにしてなる注型人造大理石浴槽の製造装置において、上記下型の上型側への押し上げの圧力を、少なくとも、上記キャビティへの成形材料の加圧注入時に適用する一次圧と、この一次圧よりも高い圧力で上記キャビティに注入された成形材料の硬化収縮時に適用する二次圧との二段階に可変する押上げ手段が設けられ、上記キャビティと連通する注入口と、この注入口を密閉するための注入口密閉手段を有し、上記注入口密閉手段が、上記注入口をキャビティに連通させるための注入路の途中をL字状に形成してなるL字部と、上記L字部の内側角部底面に上下動可能に配設され、且つ脱気口の密閉と同時に発生するバック圧により上昇可能な重さからなる軽量球体と、上記軽量球体より上方の注入路の内壁に設けられるとともに、注入口から軽量球体に向かって径の広がりを有し、軽量球体がL字部の内側角部底面に位置するときは当該軽量球体との間に隙間通路を形成する一方、軽量球体の上昇時には当該隙間通路を狭くして閉鎖することが可能なテーパ部とからなることを特徴とする注型人造大理石浴槽の製造装置。
  2. 軽量球体がピンポン玉であることを特徴とする請求項1記載の注型人造大理石浴槽の製造装置。
  3. 上型に、キャビティにおける鉛直方向の末端と対向可能なガスケット装着溝を設け、このガスケット装着溝に、伸縮可能なガスケットを装着してなることを特徴とする請求項1記載の注型人造大理石浴槽の製造装置。
  4. キャビティと連通する脱気口と、この脱気口を密閉するための脱気口密閉手段を有し、上記脱気口密閉手段が、上記脱気口に装着された軟質のチューブと、上記チューブを挟持するためのチューブバンドとからなることを特徴とする請求項1記載の注型人造大理石浴槽の製造装置。
  5. キャビティに成形材料を加圧注入するときの注入圧が1〜2kg/cmであることを特徴とする請求項1記載の注型人造大理石浴槽の製造装置。
  6. 一次圧が0.5〜1.5kg/cmであり、二次圧が2〜4kg/cmであることを特徴とする請求項1記載の注型人造大理石浴槽の製造装置。
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