JP3673474B2 - 写真に使用する画像変形装置 - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は1999年7月13日に出願されいまだ係属中である米国特許出願連続番号第09/352,286号を基礎とする一部継続出願であり、当該出願は1999年2月17日に出願されいまだ係属中である米国特許出願連続番号第09/251,678号の一部継続出願であり、当該出願は1998年11月6日に出願されいまだ係属中である米国特許出願連続番号第09/187,772号の一部継続出願であり、当該出願は1997年5月9日に出願されたPCT/US97/08605号の一部継続出願であり、当該出願は、1995年9月12日に出願され1997年7月15日に米国特許第5,649,259号として発行された米国特許出願連続番号第08/526,990号の一部継続出願である。本願はさらに、1999年9月21日に出願された仮出願連続番号第60/155,172号からの主題を含む。
【0002】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的には写真カメラ及び写真システムの改善に関し、より詳細には、画像に特殊効果を導入するシステム及び装置に関する。
【0003】
【関連技術の記載】
写真の分野において、特殊効果を創造する技術は、写真についての関心の増大及びより興味深い視覚的幻影を求める要望に伴ない、以前から非常に活発であり、現在もなお成長している。例えば、フィルムへの露光に先立ち又はその過程において画像を変更するための装置が発達してきた。典型的には、これらの装置はカメラのレンズの端部に取りつけられ、光がフィルムに到達する前に直接干渉する。入射光に適用される変更又は効果は、一般的なカラーフィルター変化から、「現実の」画像を記録するフィルムの同一のフレームへの「サブイメージ」の挿入まで様々である。例えば、入射光の一部分の前に不透明な、予め形作られたマット(matte)を置くと、フィルムの対応する形の部分がブロックされる。これにより、フィルムに露光されない部分が形成され、これが後に他の画像で「フィルイン」され、一つの所望の幻影又は効果が作られる。同様に拡散マットは、「スチール写真」に用いられ、露光されるフィルムのフレームに、徐々に過小露光された縁を形成し、飾り縁をつくる。
【0004】
慣用的な装置は、日付及び他のアルファベット-数字情報等の文字の像をフィルムのフレーム上の画像の一部に挿入するのに用いられてきた。典型的には、Leschbrandtに対して発行された米国特許明細書第1,504,959号等に開示される装置等のこれらの装置は、例えばカメラ内のフィルム面に位置された不透明な文字を有する半透明のプレート(又はリボン)を備えている。この文字のプレートはフィルムの表面に隣接してその前に整列される。外部光源からの光又はカメラ内の光源から発生した光が、プレートの選択された文字をフィルムの一部に重ねるのに用いられる。
【0005】
Uedaらに対し発行された米国特許第3,916,423号は画像へのフィルム露光中に、情報(文字、線又はデザイン)をフィルムの表面に転写する装置を開示する。不透明なマスクを有する透明なプレートが、フィルムのフレームの前に隣接してフィルムカートリッジに取りつけられる。露光中、像からの光の一部が、光がフィルムに達し露光させる前に、透明プレート上に位置決めされた不透明なマスクによりブロックされる。これによりフィルム(ネガの)に、不透明なマスクの特定の形状に対応した過小露光された領域ができる。このネガがポジプリントを露光するのに用いられたとき、特定の不透明なマスクの形状が暗い露出過度領域の形で、最終的なプリントにポジティブに転写される。
【0006】
これらの従来技術の特殊効果装置の限界の一つは、それらは全て、光がフィルムに達する前に入射光の一部をブロックすることに依存することである。不透明なマスクを利用するこれらの従来技術の方法を用いて多くの効果が創造されるが、多くの他の効果は、より微妙な拡散方法を要求する。
【0007】
しばしば、特定の背景における特定の主題の写真が撮られる場合、背景内の照明の条件及び照明の分布及び主題の反射特性が、ネガフィルムに、フィルムの「正常」露光領域にくらべて、露出過度又は露出不足となった領域をもたらす。慣用のカメラは通常、フィルムを露光する前にカメラに入る平均の光強度を測定するために用いられる、少なくとも一の露出計を内蔵している。露出計は、電気的信号を生成し、それはコンピュータにより翻訳され、レンズの絞り、シャッターのスピード、又は両方を制御するのに用いられ、光の平均強度が画面全体にわたり補償され、その通りフィルムにより記録される。日本のニコン(登録商標)により製造されたN-90、N-90s及びF5カメラ等のいくつかのより進歩したカメラでは、いくつかの別々の露出計が用いられ、それぞれが光の強度をフレームの特定のゾーン又は領域内で測定する。例えば背景の空からの光の強度を測定するのに上の領域が用いられる。フレームに入った背景の異なる領域における異なる光の強度を測定するためにいくつかの露出計を使用することにより、より正確な光強度の読みが得られるが、カメラは、フレームに入った背景の特定の領域からフィルムの対応する領域に達する光の量を、フィルムの他の領域に達する光の量に影響を与えずに制御することができない。換言すれば、ネガ全体の濃度はレンズの絞り又はシャッターの操作速度を補正することにより訂正できるが、この露出の補正はフィルムの記録領域全体(即ちフレーム)にわたり均一な効果を有する。例えば、絞りを絞ってフィルムに達する光の量を減少させ主題又は背景の「明るい」点を補償する場合、主題又は背景の他の「中性」即ち正常な領域は暗くなりすぎてしまう。シャッタースピードを遅くして画像のより暗い領域を「強く焼き付ける」と、正常な領域は許容できない程度に過度露出され、「色褪せ(washed out)」して見える。
【0008】
残念ながら、慣用のカメラは単にカメラに入る特定の像からの受光の総量の平均を測定するため、多くの写真が記録された画像の一部が露出過度(暗くなる)か露出不足(色褪せ)されたものとなってしまう。
【0009】
この比較的一般的な露光の害を、そうならなければ良い写真となるものが駄目なものとなってしまうことから防ぐための試みにおいて、本格的な写真家は、何枚かの同一の像の写真(即ち画像のブラケット)を撮り、それからそれぞれのショットの間の画像の露出を変化させ(典型的には約1/3EV)、それぞれの画像が僅かに異なる露出となるようにすることを通常の習慣としており、それから写真家は記録された画像で最も正確に受光を平均しているものをあとで選択することができる。ニコンにより製造された上記N-90は、M-26データバックアクセサリーを伴ない、ブラケット作製の特徴を提供する。それにより、カメラは選択された数の写真を自動的に撮り、ショット間で予め定められた度合いで露出を変化させる。
【0010】
写真のブラケット作製において、いくつかの問題がある。沢山のフィルムを僅かに異なる像のために露光するのみならず、露出制御のできるカメラは比較的高価なもののみであり、露出の自動ブラケット作製はさらに高価である。また、露出のブラケット作製は選択対象のいくつかの写真を提供するものの、カメラの露出測定器は総受光を計算することしかできず、画像フレームの一部の露光を部分的に補正することができないため、全てのブラケット写真が変化した度合いの露出過度及び露出不足を呈する。即ち、像に露出過度領域がある場合、ブラケット作製はその特定の領域の露出を補正することができず、フィルムに記録された画像全体の総露出を変化させることによってそれを隠すに過ぎない。
【0011】
フィルムのフレームの他の領域の露光に影響せずに、フィルムのフレームの特定の領域の露光を制御する、他の試みがなされている。様々な不透明度の領域を含む、特別の区分された、即ちゾーンフィルターを、特定のハイライト化された領域を補償するため、曇った空等の、特定の背景内に一致させることができる。これらのフィルターは像のディテールと一致することはほとんどないので、フィルターにより規定される特定の領域が背景の領域と一致する場合のみ有用である。
【0012】
ネガが一旦現像されると、露出不足又は露出過度の領域は、「おおい焼き(dodging)」又は「焼き(burning)」として知られる、よく知られた技術を用いて、写真プリントの作製の過程において補償することができる。これらの技術においては、ネガからプリントを作るとき、濃度マスク(不透明及び半透明シート材料から作られる)を露光路内(印画紙上)に置く。このマスクは、画像の引き伸ばし(又はプリント作製)の過程において、印画紙に投射される光の部分から、ネガの露出過度の領域を選択的に保護するのに用いられる。しかしながら、これらの技術は高価なカスタムプリント作製において用いられるものであり、より安価な自動化プリント作製においては用いられない。これらの技術は、一つのプリントが作られるごとに適切な位置に濃度マスクを置くことの固有の不正確さ、及びプリントごとにマスクを調整する時間が非常にかかることから、繰返し均一に行うことが困難である。さらに、これらの露光補償技術の結果は、プリントが露光現像されるまで分からない。もし結果が不満足なものであれば、さらなる試みを、トライアンドエラーの方法で、満足なプリントが得られるまで行わなければならない。
粗粒子(grain)効果
写真の技術は常に創造的な入力のために開かれているが、概して、写真の良い画像品質は、いくつかの一貫した特徴を含む傾向にある。これらのなかにはシャープさ(sharpness)、トーンの深さ(tonal depth)、及び粒状性(graininess)があり、これらは幾分相関している。慣用のフィルムを用い(且つ像がフィルム上に焦点を結んで記録されたと仮定して)た場合、シャープさは、フィルムのISOスピードに直接相関する傾向にあり、25ISOのようにフィルムのISOスピードが低いほど、粒状性はより細かく画像はよりシャープになる(即ち、乳剤の粒子がより細かいため、画像は、より高い解像度でフィルムに記録される)。1600ISO等の高速フィルムは、高い粒子特性で画像を記録する傾向を有し、その結果「ソフト」なディテールが出た幾分ぼやけた画像をもたらす。
【0013】
写真において「粒子」という用語は、処理された全ての写真材料に幾分かは現れる、粒状のテクスチャーを述べるために用いられる。白黒写真では、粒子は、写真の暗い領域を構成する黒い金属銀の微小な粒であり、カラー写真では、金属銀は処理過程において化学的に除かれるが、非常に細かい染料の点々(blotches)がフィルム上に残り、「粒子」の外観を保持する。
【0014】
フィルムの乳剤粒子は、テレビ装置の画素解像度と似たものと考えることができる。テレビスクリーンの解像度が高いほど、より「粒子」は細かく、よりシャープな画像がスクリーンに現れる。同様に、解像度(またはインチ当たりの画素の数)が低くなれば(そしてそれにより寸法が増せば)、それぞれの画素(つまり粒子)がより目立つであろうし、それにより、画像の見ためのシャープさは低下するだろう。それぞれの粒子(又はテレビ装置における画素)はグレースケールの単一の代表的なトーンの明度を表わすものであり、粒子が細かいほど、画像のある領域にわたっての「サンプリング」レートはより高く、トーンの深さ又はトーンの推移(画像における白領域から黒領域への推移)がより正確にフィルムに記録される。
【0015】
乳剤粒子はフィルムの記録された解像度を低下させることにより画像を「ぼんやり(dull)」とさせる傾向にあるため、このフィルム特性は、一般的に不所望なものであると考えられ、多くの研究開発が、透明のすなわちネガの段階において又は最終的なプリントの段階において、処理された写真からこの粒子の効果を除去する(又は少なくとも最小化する)ことに向けられてきた。ネガにおいて粒状性が高いと、画像のトーンの深さは悪影響を受けるため、粒状性はまた一般的に、写真家にとっても不所望なものである。ネガ又は写真における粗い(すなわち粒状性の高い)粒子は、画像をデジタル化し、それによりそれぞれの「粒子」(又は画素)又は場合によってはそれぞれの粒子のクラスター(フィルムの乳剤内の粒子の群)が(特定の画像の領域における)何段階かの明度のグレーを含むトーンのグラデーションを有する現実の画像を、フィルムにおいて単一のグレーの明度で表わす傾向がある。このように画像のトーン情報がデジタル化されると、トーンの深さが少なく現実味のない、ぼんやりとした、ぎざぎざ(choppy)の、コントラストの高い記録画像が生じる傾向がある。
【0016】
上に述べたとおり、フィルムの粒状性は一般的にフィルムスピードの因子であるが、通常は画像の細かい粒子表現をもたらす低スピードフィルム(100ISO)を、フィルムの処理において「押す(pushed)」と、フィルムがあたかも400ISOフィルム等のより高いスピードのフィルムのように現像されうる。このような例において、乳剤粒子は、通常より粗く現れうる。同様に、高スピードフィルムを処理において「引く(pulled)」と、それにより低スピードフィルムであるかのように処理されうる。そのようにした場合、粒子の寸法と粒子の効果を変更することができる。
【0017】
乳剤の粒子は典型的には画像の低品質と関連するが、上に述べたとおり、それを、それ以外の方法で得ることが難しい、主題の神秘的な雰囲気及び/又は柔らかさを出すために、当該技術において知られる慣用のソフトフィルター等を使用して、有益に用いることができる。たとえば、通常のネガの画像を印画紙上に拡大する(又は少なくとも転写する)引き伸ばし処理の過程において、粒子効果を導入することが知られている。当業者により知られる通り、ネガはネガキャリア内に位置決めされ保持される。ネガキャリアは続いて引き伸ばし機に位置決めされ、保持されたネガを光が通り露光された画像が印画紙のシート上に投影される。引き伸ばし処理において粒子様の効果を出すために、ネガキャリア内のネガに隣接して位置するガラスプレートにジャガイモでんぷんを塗布することができる。ジャガイモでんぷんの層は、数百万の透明なジャガイモでんぷんの粒子様構造を含む「確率論的スクリーン」をつくる。この手順は、1906年6月5日にAugusteとLouis Lumiereに対して発行された米国特許明細書第822,532号に記載されており、この処理は現在ニューヨーク州ニューヨークのLTI Labsにより用いられている。この処理は、ネガの画像の露光と同時に印画紙上に粒子様構造をつくるが、得られる粒子は効果的に制御しうるものではなく、行われる引き伸ばしのサイズに応じてサイズとテクスチャーとが変化し、プリントが大きいほど、粒子が大きくなる。また、ジャガイモでんぷんを用い印画紙に粒子様特性を導入するこの処理は、カスタム写真作業と考えられるものであり、本来実施するのが高価であり、選択されたプロの写真ラボによってのみ行われるものである。
【0018】
出願人は、トーン深さやシャープさなどの写真の他の特性に影響することなく、制御された態様で、画像へ粒子効果を選択的に導入することの価値を認識している。
焦点制御
過去の世紀において、スチールタイプのフィルムのカメラの発明より、写真技術は、多くの異なるタイプのカメラを導入してきたが、これらは通常用いられるフィルムのフォーマットにより識別される。今日、3つの主なタイプのスチールタイプフィルムのカメラ、つまり35mmカメラ(ポイントアンドシュートタイプカメラ、使い捨てカメラ、一眼レフカメラ及び距離計タイプカメラ)、ミディアム・フォーマットカメラ(二眼レンズを含む)、及びラージフォーマットカメラ(フィールドタイプ及びビュータイプを含む)が商業的に入手可能である。これらのカメラは少なくとも以下の6つの基本的な焦点決めのシステムのうちのひとつを用いている:(1)固定焦点、(2)「ゾーン焦点」、(3)距離計、(4)二眼レフすりガラス、(5)一眼レフ、及び(6)自動焦点。
【0019】
慣用の使い捨てタイプカメラ等の固定焦点カメラには、レンズの焦点を制御する手段はない。レンズの焦点は工場において、所定の距離(通常約10フィート)において許容される焦点となるようにあらかじめ固定される。このタイプのカメラは本質的にレンズを有するピンホールカメラである。
【0020】
「ゾーン焦点」カメラを用いるカメラ操作者は、カメラと主題との距離を見積もり(又は実際に測定し)、この情報を、主題がカメラのフィルム平面において焦点を結んで再現されるようレンズの焦点を制御するのに用いなければならない。
【0021】
距離計焦点システムは、カメラのビューファインダー内に2つの画像をつくる機械光学的装置を用いる。焦点装置は、距離測定機(すなわち距離計)として効果的に機能し、操作者が主題とカメラとの距離を決定するのを助ける。操作において、操作者がレンズの焦点コントロールを調節するにつれ、ビューファインダーの2つの画像が相対的に移動する。両方の画像が重なりビューファインダー内でひとつの画像として見えたときに、主題に焦点が合っている。
【0022】
二眼レフカメラは、同期焦点コントロールを含みそれにより両方のレンズが同時に動く2つの同一のレンズを用いる。ひとつのレンズが操作者用の焦点板に像の焦点を結ぶと、他のレンズが本質的にフィルム平面に同一の画像の焦点を結ぶ。画像が焦点板上に焦点を結ぶように操作者が第一のレンズを調整すると、第二のレンズも正しく調整され、画像がフィルム平面にも焦点を結ぶ。
【0023】
一眼レフ焦点システム(すなわちSLR)は、今日のカメラで用いられるもっともポピュラーな焦点システムのひとつである。このタイプの焦点システムでは、操作者が、フィルムに記録される実際の画像を見ることができるようになっている。枢転可能な鏡が入射画像光の路内に置かれ、レンズからの画像の光を焦点板に導くのに用いられ、それをアイピースを通じて操作者が見ることができる。SLRカメラのシャッターリリースボタンが押されると、枢転ミラーが直ちに枢転し、画像の光の入路から離れ、画像の光がフィルムゲート及びフィルムに続くようにする。このタイプの焦点システムは、操作者が、「サンプリング」即ちフィルムが露光される前に特定のレンズの焦点調整を試すことを可能にする。
【0024】
さらに、自動的に焦点を合わせるカメラは、特定のレンズ組立体の焦点を直接制御する電池で動くモーター駆動ユニット、及びソナー、赤外線又は位相差等の少なくとも一つの電子的距離センサーを含む。ソナー及び赤外線センサーは、本質的に、主題とカメラとの距離を決定し、それに従い、モーターにレンズの焦点を制御させる。位相差システムは、入ってくる画像の光の隣接する線の差を測定し、同様にこの情報をレンズの焦点の制御に用いる。
【0025】
動フィルムカメラ即ち映画カメラは、典型的にはゾーン焦点システムを用いる。ここで、カメラの操作者(又は補助者)は、特定の撮影においてレンズの焦点を積極的に制御する。主題がカメラに向かって前進(又はカメラから後退)した場合、カメラの操作者は、撮影中にレンズの「焦点を締め(rack focus)」、動く主題をレンズのフィールドの深さ内に維持し、フィルム上で焦点を合わせなければならない。どのように特定のレンズの焦点が調整されるかに関わらず、今日用いられる多くの動フィルムカメラは、カメラマンがレンズを通して画像を見ることができるようにしている(即ち、SLRの様式)。
【0026】
多くの上記の焦点システムは、それらが、レンズ瞳孔(即ち中心軸)のあたりを中心として、視野にわたり均一に、画像に焦点を合わせるよう設計されている点で限定される。さらに、レンズの焦点は、そのレンズのフィールドの深さに依存する。そして、フィールドの深さはレンズの絞り、焦点距離、及びカメラと主題との距離に影響される。例えば、望遠レンズ(長い焦点距離を有する)は、フィールドの深さ(即ち焦点の深さ)が短いものとなり、その結果視野内の物体の一部のみにシャープに焦点が合うことになる。対照的に、広角レンズ(比較的短い焦点距離を有する)のフィールドの深さは無限大に近く、その結果視野内の全ての物体(前景及び背景)にシャープに焦点が合う。このため、特定のショットにおいて監督が、画像の一部、例えば前景の俳優のみをソフト化又は焦点をぼかす一方中景の主題に焦点を合わせることによりムード又は幻想的なものを出したいと希望した場合、監督は所望の選択的に焦点をぼかした影響を得るため、中〜長焦点距離を有するレンズ(例えば望遠)しか使えないことになる。不幸にも、焦点距離の長いレンズは、典型的には10〜20フィートの最少焦点距離を要する。この所望の選択的に焦点をぼかした影響を得るため、ここで監督は撮影対象から少なくとも10フィートのところにカメラを位置させなければならない。この最少焦点距離の要求は、撮られる特定のシーンによっては、簡単には満たされない。例えば、シーンは、「映画用の特別なセット」を建設するかソフトフォーカス技術を用いなけえれば最少焦点距離要求が達成され得ない、エレベーター又は潜水艦内、又は他のスペースの限られた環境に位置しうる。
【0027】
特定のシーンで選択的に焦点をぼかすか領域を選択的にソフトにする、スチール及び動画写真の両方において共通の効果技術は、ティッシュペーパー、石油ゼリー又は曇りガラスプレート等の半透明の媒体の使用を含む。この技術は、半透明の媒体を、カメラレンズに直接塗布する(又は前に位置させる)ことを含む。半透明媒体は、カメラに入る画像の光の選択された部分又は領域を効果的に拡散させ、それにより得られた記録画像がソフト化され、選択されたディテールが希釈化される。この焦点をぼかす技術はソフトで焦点をぼかした領域を画像フレーム内に作る上で幾分効果的であるが、この技術は、撮影に先立ち実質的なセットアップの時間を要し、撮影後に実質的なクリーンアップの時間を要する。また、この技術は、焦点をぼかす画像領域の選択の正確さを制御するのが困難であり、さらに再撮影が必要なときの再現が困難である。
【0028】
写真家が画像フレームの選択された領域の焦点をぼかすか又はソフト化するのに利用可能なもう一つの技術は、レンズをカメラ本体に枢動可能に連結する「シフトアンドチルト」機構を含む。このシフトアンドチルト機構は、レンズをカメラの中心光学軸に対し、枢動的及び横方向にシフトさせるようにする。これにより画像フレームの選択された領域を、制御下で歪ませることができる(レンズの「シフト」とは、それをビューファインダーの画像と平行にスライドさせる一方レンズの光学軸をフィルム平面に対し直角に維持することをいう)。レンズを上又は下に(又は左又は右に)チルトさせることにより、写真家は光学軸とフィルム平面との間の角度を変更することができる。これにより、写真家が、焦点平面を変形し、得られる写真に様々な効果を与えることができる。そのような効果の一つは、写真家が、主題の特定の部分だけに焦点を合わせるようにする能力である。シフトアンドチルト機構は、多くのラージフォーマットカメラにおいて用いられ、動画カメラでの使用に(アタッチメントとして)利用可能である。限定された数の専用のレンズを用いない限り、この機構は使用が難しく、不所望なひずみの影響を受けやすく、監督の創造性と制御を非常に限定する。また、シフトアンドチルト機構により提供される領域的な焦点制御は、画像フレームの一の周辺領域に限られ、中心領域などの、複数の内部に位置した領域では行えない。
【0029】
他の芸術と同様、写真はコミュニケーションの様式である。伝統的に、写真家はカメラを使って銀乳剤のフィルム上に画像を記録している。得られる記録画像は、写真家の、現実世界の解釈−ある種の、現実とイマジネーションの混合物−を示すものである。今日の、コンピューターにより補助されるデジタルイメージングの進歩は、画素操作ツール及び特殊効果を提供する強力な新しい芸術媒体を導入しており、「デジタル・アーチスト」又はコンピューターグラフィックアーチストが、入力された写真イメージに様々な効果を導入すること、又は完全に彼又は彼女のイマジネーションから、フォトリアルなイメージを創造することを可能にしている。写真、絵画、及び他の平面芸術作品はいまや、アナログの現実世界からデジタル化されたコンピューター世界に、適切なスキャナを用いて芸術作品を単にスキャンしコンピューターに入れることにより簡単に変換することができる。変換の工程において、画像は、画素と呼ばれる画の要素からなる矩形のグリッド又は配列に分割される。各画素は、定義上、全体にわたり単一の濃淡のない色である。
【0030】
一旦デジタルフォーマットに保存されると、入力された画像の各画素の色値(RGB成分1-255)はいずれの異なった値にも変更することができ、コンピューターグラフィックアーチストのイマジネーションに従いデジタル化された画像を効果的に変換することができる。得られる操作された画像はデジタルアートと呼ばれる。
【0031】
今日、商業的に入手可能なデジタルイメージングソフトウェアプログラムがいくつか知られている。これらのプログラムの一つは、カリフォルニア州マウンテン・ビューのアドビ・システムズ(登録商標)により入手可能なフォトショップ(登録商標)である。フォトショップ(登録商標)は、デジタル化された画像を操作し変換するよう特別に設計されており、ぼかし(blurring)、拡散(diffusing)、エンボス(embossing)、突き出し(extruding)、フラグメント化(fragmenting)、レンズフレア(lens-flaring)、点描化(pointillizing)、ソラリゼーション化(solarizing)、チルト化(tilting)、結晶化(crystalizing)、彫面化(faceting)、波紋化(rippling)、せん断化(shearing)、球面化(spherizing)、並びにモザイクパターン、渦巻き効果、波効果及びジグザグ化の導入を含む様々な特殊効果「フィルター」を提供する。残念なことに、そのように多くの画像効果を提供することの欠点は、フォトショップ(登録商標)プログラムが非常に複雑になり、訓練された当業者でなければ、誰にとっても使用が困難であることである。標準的なフォトショップ(登録商標)プログラムに加え、アドビ・システムズを含む多くの会社が、拡大、ひび割れ及び水滴効果等のさらなる特殊効果を提供するための、メインのフォトショップ(登録商標)プログラムと組み合わせて使用することができるプラグイン及び他の補充的なソフトウェアを提供している。
【0032】
フォトショップ(登録商標)プログラムの使用において、グラフィックアーチストは通常、絵の画像をダウンロード又はさもなくば入力することから始める。それはおそらく、絵をコンピューターのハードドライブ、メモリーディスク、インターネットから、デジタルカメラから直接ダウンロードするか、又は写真又は他の平面芸術作品を電子スキャナーを用いてスキャンニングすることにより行われる。一旦例えば写真がデジタル化されコンピューターのハードドライブにロードされると、写真を作る画素は、個々に又は選択されたグループで操作し変更することができる。グラフィックアーチストはマウス選択器及びフォトショップ(登録商標)の「投げ縄(lasso)」機能を用い、手動で写真の特定の造作、例えば女性の帽子等をトレースすることができる。フォトショップ(登録商標)はまた、共通の色の明度を有する画素(即ち、ある範囲の色の要素の色値を有する画素)を自動的に位置決めするための「マジックワンド」又は「ワンディング」と呼ばれる特徴を提供する。正確さのレベル(即ちどのくらい色の共通性の幅を狭くするか)はグラフィックアーチスト又はプログラムユーザーによって制御することができる。
【0033】
「帽子」などの画像の対象が一旦選択されると、フォトショップ(登録商標)プログラムの投げ縄又はマジックワンドの特徴のいずれかを用い、この例においては帽子を構成する選択された画素を、所望の態様に変更し、一様な色の変更又はモザイクパターン若しくはテクスチャーの導入等の様々な効果を導入することができる。その結果「帽子」の画素は、残りの写真画像の画素、即ち選択された「帽子」領域の外側に位置する画素に影響することなく変更される。一旦帽子に対する変更が完成したら、グラフィックアーチストは続いて写真イメージの他の要素又は特徴を選択し、その画素の群を同様の態様で変更し、デジタル化された芸術作品を完成させることができる。
【0034】
残念なことに、フォトショップ(登録商標)を用いる場合、グラフィックアーチストは手動で「投げ縄」の特徴又は「マジックワンド」の特徴のいずれかを用い、画像内の各対象を選択しなければならず、それから各選択領域について手動で適切なテクスチャーを選択しなければならない。この選択の手順は時間がかかるものであり、根気のいる作業である。なぜならば一般的に、いずれの写真も、異なる「領域」として考えられる多くの要素を含みうるからである。効果をかける工程において、テクスチャー又は効果を適用するに先立ち、マウスを用いてこれらの要素のそれぞれを別々に選択する必要がある。しばしば、一の写真の異なる要素が複雑な形状であり、特定の領域を正確に選択するためにはトレースの熟練した技術が必要になる。
【0035】
プロのグラフィックアーチストは写真の選択領域を変更するためにフォトショップ(登録商標)を用いるのに多くの困難を要しない。しかしながら、ユーザーの技術力に関わらず、時間がかかる領域選択の工程は避けることができない。
【0036】
フォトショップ(登録商標)等のデジタルイメージングソフトウェアの複雑さ及びコストに部分的により、平均的な写真家は、この写真をグラフィカルに操作する新しい芸術媒体を経験するのを思いとどまっている。デジタルイメージングソフトウェアは非常に高価であり、ユーザーがプログラムの特徴を快適に利用できるようになるまでには、集中的な練習を要する。
【0037】
したがって、デジタルイメージングソフトウェアプログラムにおいて、入力された写真画像に対し複雑な画素操作を自動的に実行することの需要がある。また、写真イメージを、描かれたものに見えるよう−写真から絵画を効果的に創造することができるよう、素早く容易に変形できる単純なプログラムの需要もある。
【0038】
【発明の要旨】
本発明によれば、前及び後を有する本体と、
前記本体の前記後に隣接して位置するフィルム面と、
前記フィルム面の前に所定距離離れて位置し、第一の被写界深度を有する中間焦平面と、
前記中間焦平面に位置し像からの光を受容するのに適合した受像スクリーンと、
前記中間焦平面の前に位置する第一のレンズであって、像からの光を前記受像スクリーン上に合焦するのに適合する第一のレンズと、
前記受像スクリーンを選択的に変形させて、前記受像スクリーンの選択された焦点ぼかし部分を前記中間焦平面から外して前記第一被写界深度外に配置し、該受像スクリーンの焦点ぼかし部分が、前記像から受けた光の焦点をぼかし、選択的に焦点をぼかした画像を作り出すようにする、受像スクリーンを選択的に変形させる手段と、
前記中間焦平面と前記フィルム面との間に位置する第二のレンズであって、前記選択的に焦点をぼかした画像を前記フィルム面に合焦するのに適合する第二のレンズとを備えるカメラが提供される。
【0040】
本発明の別の実施態様では、変形装置連結体組立体がカメラ本体と慣用のレンズとの間に配置され、これは第一のレンズ組立体、平面マイクロレンズレット (planar micro-lenslet) 配列を用いた第二のリレーレンズ、第二の ( 中間の ) 焦平面、及び変形装置を受容するための変形装置受容スロットを含み、それにより第二の焦平面において画像に効果を与える。
【0041】
【好ましい実施態様の詳細な説明】
本明細書に開示する装置の態様には、カメラ内のフィルム面に載置した透明プレートを含む。この透明プレートは、半透明の拡散パターンを有し、主題から反射された入射光線を拡散させて、フィルムを露光する前に制御下で効果的に配置し直す。ここで提案する拡散パターンでは、光線を変化させて、種々のタイプの絵画に見られる特徴を作り出すことができる。
【0042】
本明細書に開示する関連する装置の態様では、透明プレートは特定の光変形パターンを含み、光学的に生成された粗粒子効果を、フィルム上に記録される画像に効果的に導入する。以下の工程を含む、透明プレート上に「粒子」パターンを作る方法もまた開示される:粒子又は砂ブラスティング装置において用いる特定サイズの研磨粒子を選択する工程;圧縮空気及び選択された研磨粒子を用いてきれいな (clear) 透明プレートをサンドブラスティングして透明プレートを研磨粒子でエッチング又は研磨する工程、及び透明プレートを洗浄して過剰の粒子を除く工程。
【0043】
本明細書に開示する別の態様では、この半透明拡散パターンを有する透明プレートを、フィルムカートリッジに載置する。
【0044】
本明細書に開示する別の態様では、所定長さのプラスチックフィルム(パターンストリップ)を同様の長さの写真フィルム(フィルムストリップ)に隣接して配置する。適切な半透明の拡散パターンを、パターンストリップの一方の表面にその全長に渡って設ける。カメラのフィルムゲートにおいてフィルムの各フレームの前にそれぞれマスクが配置されるように、二つのストリップは従来の35mmキャニスターに巻き取ってあり、必要に応じて(カメラ内で)同時に引き出される。
【0045】
本明細書に開示する別の態様では、半透明拡散パターンを有する透明プレートを、カメラのメインレンズとカメラ本体との間に配置する。この配置では、特定のパターンの模様をフィルム面にあるフィルムに露光すべき画像とくっきりと合焦させるために、補正レンズが必要である。
【0046】
本明細書に開示する別の態様では、カメラのフィルムの前にLCDを載置し、像の光がフィルムを露光する前に、画像の特定領域を補償するために使用する。LCD組立体は好ましくは自立式で、自己出力型で、カメラ本体とレンズとの間でカメラに取り付け可能である。
【0047】
本明細書に開示する別の態様では、それぞれ異なる半透明拡散パターンを有する多数の透明部材を、カメラのフィルムゲートから離隔した収容位置と、フィルムとカメラレンズとの間のフィルムゲート内に一つ以上の透明部材が配置されるフィルムゲート位置との間で、滑動的に移動させることができる。
【0048】
本明細書に開示するさらに別の態様では、一眼レフタイプの使い捨てカメラが、カメラレンズと接眼レンズとの間に配置された枢動反射鏡を有し、この反射鏡は、像からの入射光を接眼レンズに向ける第一位置と、入射光をフィルムに向ける第二位置とに回転可能である。回転可能な反射鏡は、光変形装置として機能させることもでき、別の変形装置と容 易に交換可能である。
【0049】
本明細書に開示する別の態様では、上記変形装置連結体がチルト可能な第一のレンズ組立体及びチルト可能な変形装置を含み、これは写真家によって制御され、入射する像の光に付加的効果を与える。
【0050】
本明細書に開示するさらに別の態様では、第二の焦平面に位置する透明画像スクリーンを用いる合焦システムが設けられる。この画像スクリーンは、カメラに入る像の光を受容し、光を第一の焦平面 ( 即ちフィルム面 ) にリレーする。本発明によれば、画像スクリーンは選択的に物理的に歪められ、それにより選択された画像スクリーンの領域が第二の焦平面のフィールドの深さの先に延長される。この制御された画像面の歪みは、捕捉された画像の領域に対応する領域の焦点のぼけをもたらす。捕捉された焦点のぼけた画像は続いて第一の焦平面に運ばれる。
【0051】
本明細書に開示するさらに別の態様は、既存の絵 (drawing) 、パターン、スケッチ又は絵画 (painting) を創造するのに用いられる芸術的様式を所定の度合いに複製するテクスチャーを有する変形装置を作製する方法である。この方法は、特定の芸術作品 ( 絵、パターン、スケッチ又は絵画 ) をレーザーを用いてスキャンしてコンピューターに入れ、情報を電子的メモリにデジタル的に保存し、一筆の長さ、幅、形状及び重さ ( 又は力 ) を含む芸術家の様式の所定の特徴をデジタル的に抽出し、様式の情報をデジタル的に操作し、その情報を彫刻盤を制御するのに用いて、変形装置における一般的なテクスチャーとして芸術家の様式を再現し、後にこれをカメラにおいて用いるものである。
【0052】
本明細書に開示するさらに別の態様によれば、デジタル化された画像に「絵画」効果を適用する方法は、入力されたデジタル化画像から、色値が画像中の各画素に割り当てられたビットマップを作製する工程を含む。この方法ではビットマップ中の各画素の色値を比較し、「作業領域」を規定する「画素共通性」を決定する。この方法では続いてテクスチャーのデータベースから所定のテクスチャーを作業領域に適用する。ユーザーにより選択された特定の芸術家又は絵画様式によって特定のテクスチャーが選択される。この方法によって変更された画像 ( 適用されたテクスチャーを有する画像 ) を表示した後、ユーザーは変更された画像を保存するか、又はもとの画像を「再描画」するかを決定することができる。この方法では、作業領域を規定するのに用いられた所定のパラメーター又はデフォルトの設定及び/又は適用されるテクスチャーの型及び強度を自動的に変更することにより、画像を「再描画」することができる。
【0053】
本明細書に開示する他の方法は、作業領域が規定された直後に各作業領域を測定する追加の工程が行われる点以外は、上記方法と同様である。各作業領域の面積 (area) が決定された後、この方法ではそれらの測定された面積に応じて、各作業領域に所定のテクスチャーを適用する。前のものと同様に、変更された画像が表示され選択的に印刷され、ユーザーは、入力として特定の芸術家又は絵画の時代を選択する機会を得る。
【0054】
本明細書に開示する第三の方法は、入力されたデジタル化画像から、画像中の各画素に色値が割り当てられたビットマップを作製する工程を含む。この方法ではビットマップ中の各画素の色値を比較し、「作業領域」を規定する「画素共通性」を決定する。この方法では続いてそれぞれの規定された作業領域を強調させ、変更された画像 ( 強調された作業領域を有する画像 ) をユーザーに表示する。ユーザーは、画像の特定の部分 ( 画像の前景など ) を構成する一つ以上の作業領域の選択を入力することができる。ユーザーはまた、選択された芸術家又は絵画の時代を入力することもできる。この方法では続いてテクスチャーのデータベースから所定のテクスチャーを各作業領域に適用する。ユーザーにより選択された特定の芸術家又は絵画様式及び選択された前景作業領域によって特定のテクスチャ ーが選択される。この方法によって変更された画像 ( 適用されたテクスチャーを有する画像 ) を表示した後、変更された画像を適切なメモリに保存し、印刷することができる。
【0055】
本明細書に開示する第四の方法は、入力されたデジタル化された画像から、画像中の各画素に色値が割り当てられたビットマップを作製する工程を含む。この方法ではさらにビットマップ中の各画素の色値を比較し、「作業領域」を規定する「画素共通性」を決定する。この方法では続いて、ビットマップを、各作業領域の縁から所定の距離で位置した「縁領域」規定するのに用いる。ユーザーが選択された芸術家又は絵画の時代を入力した後、この方法では続いてテクスチャーのデータベースから所定のテクスチャーを各作業領域に適用する。選択された特定のテクスチャーはユーザーにより選択された特定の芸術家又は絵画様式及び選択された背景作業領域に依存する。この方法では続いて、各作業領域の縁の方向及び位置に従い、各縁領域に描画筆遣いテクスチャーを適用する。この方法が変更された画像 ( 適用されたテクスチャーを有する画像 ) を表示した後、画像を適切なメモリに保存し、印刷することができる。
【0056】
図1には、カメラ本体12、カメラ本体12の前面に取付けたレンズ組立体14、及びフィルムゲート18(図2c参照)の所で断面図で示されるフィルムフレーム16を有するカメラ10(一眼レフ等)を示す。本発明の第一実施態様による光学変形装置20は、フィルムゲート18内のフィルム16の前に配置されている。カメラ10のフィルムゲート18及びシャッター機構19の特定構造は慣用のものであるので、詳細には示さない。この実施態様において、シャッター機構19は、レンズ14、変形装置20、そして当然ながらフィルム16のフレームの前(つまりより近い位置)にある。
【0057】
以下により詳細に示す変形装置20は、フィルム16とカメラ10のシャッターとの間で、フィルムゲート18内に嵌合する大きさ及び形状である。カメラのドア(図示せず)(フィルムを出し入れするのに使用する)の内表面に通常載置される慣用のバネ付勢式フィルム圧板21は、フィルムゲート18間で変形装置20の裏面に隣接して平らに軽くフィルムを押圧する。
【0058】
図2a〜図2cを参照すると、本発明の一実施態様による変形装置20は、透明プレート22と拡散パターン24とを備えている。透明プレート22は、好ましくは二つの(薄い)縁部区域28を規定する隆起した(つまり厚い)中央区域26を有するように形成する。縁部区域28は、フィルムゲート18に隣接するカメラ部分と接触するように設計されており、図2cに断面図で示すように、中央区域がカメラ10のフィルムゲート18内に配置された状態で、変形装置20全体をカメラ内で保持する。
【0059】
拡散パターン24は、半透明マスクとして機能して、入射光がフィルムに到達して露光する前に、これを拡散させ、歪ませる。拡散パターン24は、好ましくは光がフィルムに到達するのを妨げない(つまりパターンは不透明ではない)。変形装置20の透明プレート22は、好ましくは光学品質のプラスチック製であるが、光学品質のガラスも使用可能である。拡散パターン24は、好ましくは透明プレート22の裏面30(カメラ10に装着した場合にフィルム16に面する)に形成する。
【0060】
拡散パターン24を形成する好ましい方法は、プラスチック製透明プレート22の裏面に特定のパターン(その陰画又は反転)をエンボス加工する方法である。まず硬質材料のスタンプ面に、反転パターンを機械加工する。次いでプラスチック製透明プレート22を軟化させ(蒸気、電気フィラメント、又は他の間接加熱等、炎の出ない熱によって行なう)、スタンプ面に押し付けて、パターンをプラスチックプレート22の裏面に転写し、拡散パターン24を形成する。入射光線が変形装置20を通過して拡散パターン24の一部に当たると、光がフィルムに到達して露光する前に、特定の光線が、遮られることなくある程度ランダムに散乱つまり拡散する。
【0061】
拡散パターン24は、制御下で入射光を効率的に歪ませ、よって画像をも効率的に歪ませる。透明プレート22及びパターン24が共にフィルム面(焦平面とも呼ばれる)に配置されており、ソフトフォーカス(シャープでなく)となっているため、画像は目に見える特定の歪みパターン24に従って歪む。パターン24は、事実上焦点にあるものの、マスクではなく(不透明ではない)、入射光がフィルムに到達して露光する直前にこれを僅かに拡散させる光ディフューザーであるので、ある程度ソフト(シャープな合焦ではなく)に見える。このように光を制御して拡散させることにより、露光された画像に以下に説明するように所望の特殊効果を与えることができる。
【0062】
変形装置20は、物理的に可能な限りフィルム表面に近接して配置することが好ましい。変形装置20が、図2a〜図2cに示し上記で説明したように、カメラに対して静止しているタイプのものである場合には、フィルムを進める際に引っかき傷ができてしまわないように、変形装置はフィルムと接触しないことが好ましい。
【0063】
変形装置20を、フィルムゲート18内にカメラの焦平面に隣接して配置するに際して、いくつかの実施態様がある。それを図3〜図14を参照して以下に説明する。
【0064】
図3及び図4を参照すると、本発明の光学変形装置32が、慣用のフィルムカセット34(代表的にはフィルムタイプ120と呼ばれている)の構造内に組込まれている。カセット34は、フィルム供給部36、フィルム巻取り部38、及びフィルム供給部36とフィルム巻取り部38とを連結する連結部40を備える。連結部40は、一体的に設けたフィルムゲート42を有し、このフィルムゲート42は、カセット34を受け入れるように適合されているカメラ(図示せず)のフィルムゲートと整合する。この実施態様では、変形装置32は、フィルムゲート42を横切ってフィルム16に隣接して配置されるように、連結部40をなす構造内に配置する(カセット34の製造時に)ことが好ましい。
【0065】
変形装置32は、上述の図1及び図2a〜図2cの実施態様のように、特定の拡散パターン24を備えている。変形装置32は、フィルムゲート42を通る全ての光が変形装置をも通過し、フィルム16に到達して露光する前に僅かに拡散されるように配置されている。
【0066】
図5及び図6には、本発明の別の実施態様による変形装置50を示す。この実施態様では、変形装置50は、半透明プラスチック製の薄いストリップ(写真フィルムに使用されている基材と同様のもの)の形態である。ストリップ状変形装置50は、慣用のロール状フィルム16(35mmタイプ)の内面52(乳剤側)に固定されている。フィルム16及び取付けられたストリップ状変形装置50は、通常のスプール54によって標準的なフィルムキャニスター(図示せず)内に一緒に巻き取られる。ストリップ状変形装置50は、熱接着又は適当な接着剤によって、端部若しくはフレーム間(図示せず)等の、選択された点56においてのみ取り付けられていることが好ましい。
【0067】
フィルム16は、35mmフォーマットで示されているが、120,220、4×5、110、及びポラロイド(商標)タイプのフィルム/ペーパー等、いかなるフィルムフォーマットのものも使用することができる。この後者のフォーマットの場合には、変形装置50をフィルム/ペーパーの各シートごとに取り付け若しくは横切って配置し、特定の画像を露光及び現像した後に取り外す。
【0068】
図6は、図5のフィルム16を装填した慣用の一眼レフカメラ10(図1に示したカメラ10と同様のもの)を(断面図で)示す。ストリップ状変形装置50は、フィルム16の前(レンズ14により近い方)且つフィルムゲート18を横切って配置された状態で示されている。
【0069】
図7及び図8は、本発明の別の実施態様による光学変形装置60を示す。この光学変形装置は、図2a〜図2cに示し上記で説明したものと同様のものである。但しこの実施態様では、変形装置60は、フィルムゲート18と同じサイズである、つまり変形装置60には縁部28がない。変形装置60は、例えば適切な接着剤を用いて、フィルムゲート18内に永久的に取付けてある。変形装置60は、精密嵌合又は適当なうね及び/又は戻り止めを用いて、フィルムゲート18内の所定位置にスナップ嵌合してもよい。この実施態様に示す変形装置60は、特に使い捨て型のカメラにおいて有用である。
【0070】
図9〜図12には、本発明によるさらに別の光学変形装置70を示す。変形装置70は、カートリッジ72の枠組み構造体内に載置されている。カートリッジ72は、カメラ76に設けたスロット74に挿入するように適合された薄いプレートである。カメラ76は、特別にスロット74を設けたものとするか、若しくはスロット74を有する取り替え可能なカメラ背部(図示せず)を用意してもよい。どちらの場合も、カートリッジ72は、変形装置70(カートリッジ72内に載置されている)が図11及び図12に示すようにフィルムゲート18とフィルム16との間の位置に合うように、スロット74によって位置決めされる。種々のカートリッジ72(それぞれ異なる変形装置70を備える)のうちの一つをスロット74へ挿入することができる。各カートリッジ72は、スロット74に挿入しても手が届くハンドルを有することが好ましい。スロット74及び/又は挿入可能なカートリッジ72は、余計な光がスロットの開口部からカメラ内に入ってフィルムを露光してしまうのを防ぐための、適当な光バリアを備えている。
【0071】
図13〜図15には、本発明の別の実施態様を示す。この実施態様では、カメラ本体12とレンズ組立体14との間に変形装置カプラー80を配置している。変形装置カプラー80は、レンズ組立体14をカメラ本体12へ連結し、入射光をレンズ組立体14からカメラ10のフィルムゲート18へ通過させる。変形装置カプラー80は、イメージ面82と、第一レンズ組立体84と、第二レンズ組立体86と、変形装置受入れスロット88と、フィルター受入れスロット90とを備えている。
【0072】
この実施態様では、数種の異なる変形装置20が、それぞれプレート92に載置されている。選択された数枚のプレート92を、図14に示すように、プレートホルダー94に載置する。プレートホルダー94は、変形装置受け入れスロット88に隣接して変形装置カプラー80に載置できるように適合されている。プレートホルダー94は、保持している数枚のプレート92のうち選択された1枚のプレートを、変形装置受け入れスロット88と整合させることができるように、変形装置カプラー80に対してスライド可能に載置される。選択されたプレート92は、変形装置受け入れスロット88と一直線上に並ぶと、変形装置カプラー80内へと移動することができ、選択された変形装置20が、レンズ組立体14からの入射光通路と整合する。選択されたプレート92は、図14及び図15では挿入された位置で示されている。慣用のフィルター等、他の光変形装置をフィルター受入れスロット90に挿入してもよい。
【0073】
レンズ組立体14に光が入射すると、レンズ組立体14の内部レンズ及び第一レンズ組立体84が、主題からの反射光をカプラー80のイメージ面82上に合焦する(画像は逆さになっている)。逆さになっている画像は、イメージ面82にある選択された変形装置20によって変形される。ここから、第二レンズ組立体86が、カメラ10のフィルムゲート18に位置するフィルム面上に、画像を再合焦する(そして画像をもとの向きに戻す)。
【0074】
本発明の重要な特徴は、上述の各実施態様に示されているように、フィルム面に対する焦平面の配置に関わらず、像の光路に変形装置20をどのように導入するとしても、カメラ10の焦平面にできる限り近接して配置するということである。上述の実施態様(図13〜図15)で説明したように、通常焦平面は一つで、フィルム面の所にあるが、フィルム面から主題へ所定距離向かった地点に一つと、フィルム面18にもう一つ、二つの有効焦平面を作り出すことも可能である。
【0075】
本発明の別の実施態様によれば、図13のカメラは、カプラー80内に配置されたプリズム(図示せず)又は適切なスプリッティングミラー(図示せず)、及びCCD式画像センサー(図示せず)を備える。この配置により、レンズ14に入る像の光が、フィルム面にある乳化剤フィルム及びCCD画像センサーに同時に投影される。適切な電子機器によってCCD画像センサーを支援、協働して、像から受理した光を適切な電子メモリーに記憶しておき、後にコンピューターへダウンロードして表示したりさらに処理したすることができるようにすることもできる。この配置と共に使用するこのような画像センサー及び支援回路としては、慣用のデジタルカメラにおいて使用するものと同様ものを使用することができる。像からの光は、変形装置20を通過する前若しくは後に分割することができる。
【0076】
図16〜図18には、本発明の別の実施態様による光学変形装置組立体102を備えるカメラ100を示す。この実施例のカメラ100は、比較的廉価な部品を使用して製造され、フィルムを予め内蔵した使い捨て型のものを意図している。この実施態様のカメラ100は、言うまでもなく、使い捨てではないタイプとすることもできる。
【0077】
カメラ100は、前面106とレンズ絞り108とを有するカメラ本体104を含む。市販の慣用の使い捨てカメラ(つまり本発明の変形装置組立体を備えていないもの)は、絞り108内に載置されたレンズ(図示せず)を備えている。慣用のレンズ(図示せず)は、カメラの前にある主題を、フィルム面(カメラの後部にある)にあるフィルムフレーム上に合焦する。使い捨てカメラ100の製造時に、出願人は、慣用のレンズ(図示せず)を光学変形装置組立体102と差し替えることを考えた。
【0078】
図18に断面図で示すように、光学変形装置組立体102は、フィルム面から最も遠くにある第一外側レンズ110と、カメラ100の前面106に隣接して配置される第二内側レンズ112とを備える。光学変形装置114は、内側レンズと外側レンズ(112,110)の間の、カメラ100のフィルム面に平行な面内に可動式に配置される。外側レンズ110は、カメラの前にある主題が反射した光を、中間焦平面115上に合焦する。内側レンズ112は、中間焦平面115にある画像を、フィルム面上に合焦する。主題からの光に加えた歪みがシャープなピントで(つまり変形装置を通過する光の拡散が合焦した通りに)フィルム上に記録されるように、光学変形装置114を中間焦平面に近接して配置することが望ましい。
【0079】
図17に示すように、光学変形装置114は、アーム116に載置されている。アーム116は、光学変形装置組立体102のハウジング118に枢動可能に連結されている。カメラ100のユーザーはアーム116の一部に触れてこれを動かすことができ、入射光が直接フィルムへ通過し、(レンズ以外のものによっては)歪められない収容位置(図17に点線で示す)と、光学変形装置114が光の通路中に位置している干渉位置(図17に実線で示す)との間で、光学変形装置114を移動させる。
【0080】
図19〜図20には、光学変形装置114をディスク120の縁に沿って載置した、使い捨てカメラに応用した本発明の好ましい実施態様を示す。ディスク120は、中央枢動点122でカメラ100の本体に枢動可能に取り付けられている。ディスク120は数個の周縁開口124を有しており、それぞれの開口には異なる効果が得られる数種の異なる光学変形装置114の一つが設けられている。ディスク120は、レンズ絞り108の前に開口124のいずれか一つが配置されるように、載置される。カメラ100の操作者は、適切な光学変形装置114がレンズ絞り108と一直線上に並ぶまでディスク120を回転させることによって、特定の効果を選択することができる。レバー126を設けて、ディスク120の回転を助けても良い。また、例えばカメラ本体の表面に設けた印を指す表示器(図示せず)を設けて、どの効果を使用しているのかを表示してもよい。
【0081】
図21〜図22には、光学変形装置114を細長いパネル128上に載置した、本発明の別の実施態様を示す。パネル128は、細長い窓を規定する二つの平行な内側縁部130を有する。数枚のスライドプレート132が、二つの縁部130の間に滑動可能に配置されている。各プレート132を、収容位置と、レンズ絞り108の前に配置した使用可能位置との間で、選択的に移動させることができるように、パネル128は、カメラ100の前面に載置されている。各プレート132は開口134を有し、この開口内に数種の異なる光学変形装置114のうち一つが配置される。各プレート132は、好ましくは手の届くハンドル136を備えており、カメラの操作者はこれを掴んで必要に応じてプレート132をレンズ絞り108に対して移動させることができる。
【0082】
例示として、変形していない写真(二つの花の写真)の描示を図23に示す。本発明の一つの目的は、主題の像(つまり主題から反射され、カメラに入る光)を変形して、絵画のように見える視覚的特徴を与えることにある。ある特定の光学変形装置114では、像を変形して、図24に示すように印象派風の体裁とする。ここでは、ディテール全てが歪められているが、画像は実質的にピントが合っている。別の光学変形装置114では、元の花の画像に「ひび割れ」効果(古い油彩画の特徴)を与え、得られたプリントは図25に示すようになる。
【0083】
言うまでもなく、本発明の変形装置を使用すれば、光学変形装置又は効果として、様々な絵画的特徴を与えることができる。
【0084】
図19及び図20に示し上記に説明したものと同様な、別の実施態様を図26〜図28に示す。この実施態様は、変形装置ハウジング200、変形装置ターレット202、及び第一レンズハウジング204を備える。変形装置ハウジング200は、使い捨てカメラ206の面と一体的に形成することが好ましいが、別個に形成して、使用するいかなるカメラ206の面にもカメラアタッチメントとして取付けられるように適合することもできる。変形装置ハウジング200は、前壁208と、カメラ206の第一レンズ絞り212と整合している開口210とを備える。前壁20の後方には第二レンズ管214が配置され、好ましくは中間焦平面216にある像をフィルム上に再合焦するように設計された適切なレンズ(図示せず)を備える。中間焦平面216は、好ましくは前壁208の直前、変形装置ターレット202の位置に配置される。
【0085】
図27に示すように、変形装置ターレット202は、枢動ピン218で、変形装置ハウジング200の一部に枢動可能に連結されている。変形装置ターレット202は、枢動ピン218を中心として回転可能である。
【0086】
第一レンズハウジング204は、枢動ピン218によって、若しくはカメラ206と一体的に形成する(又は他の方法で連結する)ことによって、好ましくはカメラ206及び変形装置ハウジング200に対して固定する。第一レンズハウジング204は、第一レンズ220を支持している。第一レンズ220は、カメラの前の像から反射された入射光を、中間焦平面216上に合焦するように設計されている。第一レンズ220は、第一レンズ管222内に載置してもよい。
【0087】
変形装置ターレット202は、図28に示すように、少なくとも二つの開口224を有する。開口224の一方に、例えば光学変形装置226を設けても良い。図28に示す他方の開口(又は複数の開口)は、空けたままにしておくか、透明エレメント227又はつや消しの表面を有する半透明エレメントを設けるか、若しくは他の光学変形装置を設けてもよい。「ひび割れ」、印象派風、又は他の絵画的な効果を生むような数種の異なる変形装置を備える変形装置ターレットの他の変更例も考えられる。
【0088】
図28に示すように、変形装置ターレット202は、使用している変形装置のタイプ(又は使用していないこと)を示す印228又は他の表示をさらに備えていることが好ましい。操作者が印228を見て、変形装置が配置されているとすればどの変形装置が入射光の通路に配置されていてフィルムに効果を与えるのかを知ることができるように、変形装置ターレット202上に印刷された印と整合する表示器開口230を第一レンズハウジング204にさらに設けても良い。
【0089】
ターレット202の周囲にさらにゴム製Oリング232を設けて、操作者がターレットを回す時にしっかりとグリップできるように、高い摩擦が確実に得られるようにする。Oリングは図27に示されている。図27のゴム製Oリング232の代わりに、他のグリップ可能な周面としては、ザラザラした縁部(図示せず)や図28に示す鋸刃状切り欠き234が挙げられる。
【0090】
操作の際、操作者は、表示器開口230を通して印228を見ながら、所望の変形装置の効果が表示されるまで、変形装置ターレット202を回す。表示器開口230を通して適当な変形効果が表示されると、変形装置が第一レンズ220の前に配置され、従ってフィルムに効果を与える。
【0091】
図29a〜図29cには、本発明の別の実施態様によるカメラ300を示す。このカメラ300は、本体302と、レンズ組立体304と、接眼レンズ306と、フィルムゲート308と、第一枢動点311を中心として枢動可能な第一枢動載置変形装置310と、第二枢動点313を中心として枢動可能な第二枢動載置変形装置312とを備える。わかりやすくするために、この実施態様では二つの変形装置310、312のみを示す。カメラのタイプや各変形装置を移動させる機構によっては、この実施態様に四つ以上の変形装置を設けることもできる。
【0092】
各変形装置は、シャッター(図示せず)が開いている時に、レンズ組立体304を通してカメラ300に入る入射光を遮ることなく、フィルムゲート308内に配置されたフィルム(図示せず)に到達させる収容位置の間で枢動する。図29aは、変形装置310、312のどちらも収容位置にある状態を示している。この場合、カメラ300は、変形されていない画像をフィルムに記録するという点で、慣用のカメラと同様に機能する。
【0093】
図29bは、第一変形装置310が収容位置に保持され、第二変形装置312がフィルムゲート308内又はこれに直近接して(且つシャッター及びフィルムの前に)配置されている状態を示している。この配置では、レンズ組立体304を通ってカメラ300に入る像の光は、フィルムに到達する前に、透明(又は半透明)変形装置312を通過しなければならない。従って像からの光は、本発明で先に説明したように、第二変形装置312によって変更される。
【0094】
図29cは、第二変形装置312が収容位置へ戻って再配置され、第一変形装置310がフィルムゲート308内又はこれに直近接して(且つシャッター及びフィルムの前に)配置されている状態を示している。この配置では、レンズ組立体304を通ってカメラ300に入る像の光は、フィルムに到達する前に、変形装置310を通らなければならない(シャッターが開いている場合)。
【0095】
各変形装置310、312は、好ましくはバネによって図29aに示す収容位置へ付勢されていて、図29b及び図29cに示すフィルムゲート位置へは機械的に枢動させるものとする。一方又は両方の変形装置を、収容位置とフィルムゲート位置との間で枢動させるには、当業者に既知のいかなる適切な機構を使用してもよい。
【0096】
操作において、カメラ300の操作者は、フィルムに記録する主題を選定し、次いでその像を調節するかどうか、例えば絵画のような外観とするかどうか、またどのタイプの変形装置(既にカメラ300に搭載されている)を使用すべきかを選択する。変形装置を使用しない場合には、カメラ300は慣用の態様で操作するが、変形装置310、312を収容位置からフィルムゲート位置へと展開しようとする場合には、カメラ300に設けた適当な作動器を作動させて、変形装置310,312の一方(若しくは両方)を、収容位置からバネ付勢の作用に抗してフィルムゲート位置まで、機械的又は電気機械的に枢動させることができる。各写真を撮った後に、展開した変形装置を収容位置へ自動的に戻すために、適切な電子技術及びソフトウエアを使用してもよい。
【0097】
図30a〜図32bには、本体402、フィルムゲート404、フィルム406、第一変形装置408、第二変形装置410、レール412、及びシャッター414を備えた、本発明の別の実施態様によるカメラ400を示す。
【0098】
この実施態様は、図29a〜図29cに示し上記で説明した実施態様と同様であるが、先の実施態様では変形装置を枢動可能に載置していたのに対し、この実施態様の変形装置は、本体402に滑動可能に載置しているという点が異なる。この実施態様では、各変形装置408、410は、フィルムゲート404を挟んで両側に配置され且つフィルムゲート404から離隔した本体402内の位置まで延びているレール412に対して、滑動可能に載置されている。操作において、変形装置408、410のいずれか(若しくは両方)は、図30bに示す収容位置と、図31b及び図32bに示すフィルムゲート位置との間で、滑動可能に移動させることができる。変形装置408、410は、適切な機構によってレール412に沿って移動させることができる。このような機構は、オンボードプロセッサー(図示せず)によって、若しくはカメラ400の使用者が直接操作するレバー操作によって手動で制御可能な内蔵電動モーターを使用して駆動可能である。
【0099】
図30a及び図30bは、変形装置408、410の両方が収容位置にある状態を示しており、どちらの変形装置も、カメラ400に入ってくる像の光がフィルム406に到達する前に変更を行なわない。図31a及び図31bは、入射光がフィルム406に到達する前に第一変形装置408によって変更を加えるように、第一変形装置408がフィルムゲート位置に配置され、第二変形装置410が収容位置に残っている状態を示している。同様に、図32a及び図32bは、入射光がフィルム406に到達する前に、第二変形装置410のみによって効果を与えるように、第二変形装置410がフィルムゲート位置に配置され、第一変形装置408が収容位置にある状態を示している。
【0100】
この実施態様では、カメラ400の操作者が、行なおうとする変形のタイプによって、カメラ400のシャッターを開放する前に、第一変形装置408又は第二変形装置410のいずれか特定の変形装置を選択することができる(この場合は図30a〜図32bに示している)。例えば、この出願で先に説明したように、第一変形装置408は、像の光を印象派風の特徴を持たせるように変形することができ、第二変形装置208は、像の光をひび割れた特徴を持たせるように変形することができるので、カメラ400の操作者はこれらの変形のいずれか、どちらの変形もしない状態(正常な画像)、若しくは両方の変形装置を用いて第三の別の変形を行なうことを選択することができる。この実施態様では、変形装置408、410をいくつ設けてもよい。わかりやすくするために、変形装置を二つだけ図示し、説明している。
【0101】
慣用の一眼レフ(SLR)カメラを操作する場合、カメラの操作者が、レンズを通して見ている画像そのままを見ることができるように、像からの入射光は、レンズ組立体中を通り、枢動反射鏡及びプリズム(又は第二固定反射鏡)によって接眼レンズに向けて反射される。レンズは代表的には、像に合焦する手段と、カメラに入る光量を制御するための絞りとを備える。カメラのトリガーボタンを押すと、シャッターカーテンが露出し、レンズからの光がシャッターの直向こう側の点で(シャッターの裏にあるフィルム上に)収束するように、枢動反射鏡が枢動する。次いでシャッターが選択されたシャッタースピードで開放し、収束した光に対してフィルムを所定時間だけ露出する。
【0102】
図33a〜図33cには、レンズ組立体502、固定反射鏡504、枢動反射鏡506、ビューイングスクリーン508、接眼レンズ510、フィルムカセット512、及びフィルムゲート514を備える、本発明の別の実施態様による使い捨て一眼レフ(SLR)カメラ500の概略図を示す。フィルムカセット512及びフィルムゲート514は、好ましくは図33a〜図33cに示すように、カメラ500の前側且つレンズ組立体502の上方に、ビューイングスクリーン508及び接眼レンズ510と対向して配置されている。
【0103】
本発明のこの実施態様の目的は、SLRカメラの利点と、使い捨てカメラの単純性及び低コストとを組合せたカメラを提供することである。
【0104】
レンズ組立体502は、好ましくは慣用の使い捨てカメラで使用しているタイプのレンズ/シャッターと同様の内蔵単速シャッターを備えている。枢動反射鏡506は、カメラ500内に枢動可能に載置されており、ビュー位置(図33aに示す)と露光位置(図33cに示す)との間で角度を変えることができる。枢動反射鏡506がビュー位置にある場合、主題からの画像光は、レンズ組立体502(及びシャッター(図示せず))を通してカメラ500に入り、固定反射鏡504及び枢動反射鏡506によってビューイングスクリーン508上に投影される。ビューイングスクリーン508上に投影された画像は、慣用の態様で接眼レンズ510を通して見ることができる。枢動反射鏡506がビュー位置にある場合には、フィルムは画像光で露光されない。
【0105】
枢動反射鏡506が露光位置にある場合には、レンズ組立体502及びシャッター(図示せず)を通過する同じ画像光は、固定反射鏡504及び枢動反射鏡506によってフィルムゲート514及びフィルム512に向けて反射される。枢動反射鏡506が露光位置にある場合には、画像光は見えない。
【0106】
レンズ組立体502内に配置されているシャッターは、枢動反射鏡506がビュー位置(図33a)又は露光位置(図33c)にある場合にしか開放せず、枢動反射鏡506が図33bに示すように二つの位置の間で移動しているときには開放しない。
【0107】
操作では、まずカメラのシャッターを偏向させて開放すると、操作者がレンズを通して主題の像を見る(慣用のより高価な一眼レフカメラと同様)ことができるように、枢動反射鏡506はビュー位置をとる。操作者がフィルム上に特定の像を記録しようとする場合には、ボタン(図示せず)をリリースして、シャッターを閉じることによって像からの光がカメラ500に入るのをブロックすると同時に、枢動反射鏡506をビュー位置から図33cに示す露光位置へと回転させる。枢動反射鏡506が露出位置をとると、シャッターが自動的に開き、再度閉まり(好ましくは設定されたシャッタースピードで)、フィルムゲート514内に配置されているフィルムフレームに像を露光する。シャッターが再度閉まった後、枢動反射鏡506はビュー位置に戻り、再度シャッターが開いて、次の画像が見えるように、操作者に像の光を見せる。
【0108】
レンズ組立体502は、ビューイングスクリーン508、若しくはフィルムゲート内に配置されているフィルム上のいずれかに、像の光を合焦する。従って、像の光が固定反射鏡504から枢動反射鏡506を通ってビューイングスクリーン508まで移動する距離は、固定反射鏡504から枢動反射鏡506を通ってフィルムゲート514までの距離と同じである。
【0109】
モーター(図示せず)を用いて、若しくは枢動反射鏡506を操作し、フィルムカセット512の全てのフィルムを露光するのに十分な回転エネルギーを有する予め巻いた主バネを用いて、枢動反射鏡506を回転させることができる。シャッターを枢動反射鏡506と連動して操作するために、当業者に既知のいかなる適切な機構を用いても良い。
【0110】
本発明の関連実施態様においては、本発明で先に説明したように、像の光が、フィルム上に記録される前に、変形、歪め、又はその他の方法で変更されるように、枢動反射鏡506の両面又は片面に光変形装置を設けてもよい。枢動反射鏡506に二つ以上の機能面を持たせてもよく、いくつかの異なるタイプの変形装置を組込んで選択するようにしてもよい。
【0111】
図34には、本体602、レンズ組立体604、絞り606、枢動反射鏡―プリズム組立体608、接眼レンズ610、シャッター612、及びフィルム614を備える、本発明の別の実施態様による一眼レフ(SLR)カメラ600を概略的に示す。本発明によれば、カメラ600は、多分割露出計616、基準液晶ディスプレー中性フィルター(LCD−ND)フィルター620、及び補正LCD−NDフィルター622を備えている。
【0112】
本発明を説明するために、当業者には理解できるであろうが、枢動反射鏡−プリズム組立体608が、レンズ604を通してカメラ600に入射する光線(「像の光」として)を、それぞれ像の光の全てを受ける三つの独立した通路に効率的に分割するものとする。第一通路は基準LCD−NDフィルター620を通して接眼レンズ610に向けられ、第二通路は多分割露出計616へ向けられ、第三通路は補正LCD―NDフィルター622及びシャッター612を通してフィルム614に向けられている。
【0113】
多分割露出計616は、荷電結合素子(CCD)が光学的情報を電気信号に変換して光学的像をビデオテープに記録するのと同様な態様で、受けた光学的像の光を電気信号に変換(デジタル化)する。多分割露出計616は、好ましくはCCDタイプのセンサーである。
【0114】
像の光が電気信号データに変換されたなら、この情報をプロセッサー618で読む。受信情報には、多分割露出計616によって測定された像の光の各画素の輝度(明るさ)が含まれている。アドビ社のAdobe Illustrator and Photo Workshop等のイラストレータープログラムで使用しているのと同様な慣用の境界認識技術を用いて、プロセッサー618は、多分割露出計616からの情報を用いて、コントラストレベルの似た(又は所定輝度レベルを超える)多分割露出計の画素を分類分けし、背景像(単数又は複数)を表している画素との対比として、前景の主題(単数又は複数)を表している画素群を認識する。
【0115】
相対的輝度(又はコントラスト)に従って画素群を形成した後、プロセッサー618は、その情報を基準液晶ディスプレー中性フィルター(LCD−NDフィルター)620及び補正液晶ディスプレー中性フィルター622に同時に送る。LCD−NDフィルター620及び622は、好ましくは高解像度クリアプレートLCDであり、光弁(各画素用)として機能する。基準LCD−NDフィルター620は、後述するように、物理的に接眼レンズ610の前に配置される。補正LCD―NDフィルター622は、後述するように、物理的にシャッター612の前に配置される。
【0116】
プロセッサー618は、選択した群内の各画素の集団的輝度を選択的に制御して、例えば前景の主題を表している画素群全体を効率的に不透明としたり、均等に半透明としたりすることにより、像の光の特定領域(像の「明るい」領域に対応する)がフィルム614に到達するのをブロック(少なくとも露光時間の一部の間)するのに使用可能な「マスク」を形成することができる。
【0117】
コントローラー624は、プロセッサー618に電気的に接続されており、前景の主題又は背景の像のいずれかの輝度を制御するのに使用する。これは単に、LCD−NDフィルター620、622に供給する電圧を制御することによって行なうことができる。LCD−NDフィルター620、622に供給する電圧を変化させると、LCD−ND620、622の選択された各画素の不透明度を変えることができる。プロセッサー618はデジタル化された像データを使用して、LCD−NDフィルター620、622両方の画素を選択する。枢動反射鏡/プリズム組立体608によって接眼レンズ610に向けられた像の光が、基準LCD−NDフィルター620を必ず通過するように、基準LCD−NDフィルター620は接眼レンズ610の前に配置される。LCD−NDフィルター620の選択された画素は、プロセッサー618に送られたデジタル化像データに従って、接眼レンズ610に向けられた像の光を選択的にマスクする。操作者は、接眼レンズ610を通して、像の選択された「明るい」領域が、基準LCD−NDフィルター620の暗化(選択された)画素の重畳マスクでカバーされた状態の像を見ることができる。
【0118】
同時に、プロセッサー618は、枢動反射鏡/プリズム組立体608によってシャッター612へと同時に向けられた像の光が、必ずLCD−NDフィルター622を通るように、補正LCD−NDフィルター622を同様の態様で制御する。同様に、フィルム614露光中の所定時間(シャッター612が開放している間)、フィルム614の選択領域を保護するために、プロセッサー618は、補正LCD−NDフィルター622の選択領域を選択的に暗くする。
【0119】
当業者に理解されるように、プロセッサー618はさらに、操作者が制御する特定の絞り及びシャッタースピードの設定に従って、シャッター612及び絞り606の操作も制御して、像の光のマスクされていない領域に対する適切な露出時間も制御する。
【0120】
プロセッサーはさらに、露光中に画素又は画素群の相対的不透明性をも制御及び変更することができる。これは、露光時間(シャッターは開放)中に、像の「明るい」領域全体を通して、若しくは単にコントラストの異なる二つの領域(前景である人の隣にある明るい空)の境界線に沿って、暗化された画素又は画素群を素早く連続的にシフトさせることによって行なう。このように露光中に制御下でシフトさせることによって、慣用のプリントプロセスで用いられるおおい焼き工程を真似ている。マスクを移動させることにより、マスキング効果を和らげて、より現実的な露出補正を行なうことができる。
【0121】
図35には、フィルム614に像を記録するカメラ600を示す。ここに示した像は、明るく一部曇った空を背景として、黒い帽子をかぶった女性が前景に配置されているものである。上述のようにカメラ600に入った像は(図34参照)、多分割露出計616、基準LCD−NDフィルター620、及びLCD−NDフィルター622へと同時に送られる。多分割露出計616は、受けた像の光をデジタル化し、画素の輝度情報をプロセッサー618へ送る。プロセッサー618はこれを受けて、像を所定レベルを超える輝度を有する画素の群へと分類分けする。例えば、女性と帽子を表している画素は、明るい背景の空と比べると暗いと判断されるので、同じ群に入り、図35に示すように、基準LCD−NDフィルター620及び補正LCD−NDフィルター622の両方に、透明部分として、電子的に表示される。これによりプロセッサー618は、露出パラメーターを考慮する際に明るい空は考慮しなくてもよいものとして、女性及び帽子の比較的暗い像をフィルム614上に露光する。通常は暗い主題から「読み取る」ことにより、露光の結果、女性/帽子の主題は正しく露光されるが、背景の空は非常に色褪せてしまうものである。像の明るい空部分は、一つのゾーンつまり領域として括られ、空と女性/帽子の主題との間の相対的コントラストに従って、所定の不透明度まで暗くされる。像の明るい空部分を表す暗化された画素は、明るい空部分のマスクそのものが接眼レンズ610の前且つフィルム614の前に同時に表示されるように、LCD−NDフィルター620,622の両方に正確に位置付けされる。最終的な結果として、正しく露光された女性/帽子の主題と、正しく露光された明るい空である背景とが、フィルム614の一つのフレーム上に記録される。
【0122】
図35に示されるように、コントローラー624を使用して、像の明るいゾーン(領域)、及び暗いゾーン(領域)の両方の不透明性又は透明性のレベルを変えることができる。例えば、明るい空の露出を変えて、異なる露出、よって相対的に異なるコントラストとすることができる(慣用の写真技術で用いるブラケティング技術と同様)。
【0123】
図35には、元の像の両方の群(女性/帽子の主題及び明るい空の背景)の、コントローラー624によって制御したコントラストの異なる5つの補正像サンプルも示されている。操作において、カメラ600の操作者は、像の明るい領域を接眼レンズ610を通して見ながら、コントローラー624を使用して、リアルタイムで暗くすることができる。同様に、コントローラー624を用いて、像のより明るい領域を選択的に暗くすることもできる。補正された像が正しいように(又は望み通りであるように)見えたら、上述のように(図34参照)像(選択的補正を行なったもの)をフィルム614に記録してもよい。
【0124】
図36では、本発明の別の実施態様に従って、二つ以上の変形装置を使用して、像の光がカメラ700のフィルムを感光する前に歪め又は変更している。第一変形装置702は、好ましくはフィルムに対して静止しており、第一平面内に配置されている。第二変形装置704は、好ましくは第一平面に隣接し且つ平行な第二平面内で選択的に移動可能である。各変形装置702、704は、テクスチャーを与えたり、模様を付けたり、ザラザラにしたり、その他歪められた表面を有している(どちらの面でもよく、また変形装置に歪み発生エレメントを内設してもよい)。第二変形装置704が第一変形装置702に対して移動すると、主題からの像の光は、予測不可能と言える態様で連続的に歪められ、像の光がフィルムに記録される前に、風変わりでユニークな種々の効果が像の光に与えられる。この可変歪み効果は、二層のスクリーンを通して像を見た場合に得られる歪み効果と類似するところがある。この例では、一方のスクリーンを僅かに移動させると(開口の大きさによる)、像が違って見える。
【0125】
図37には、第一(静止)変形装置702、第二(可動)変形装置704、レンズ組立体706、接眼レンズ708、フィルムゲート710、及びフィルム712を備える、図36に示した本発明の実施態様によるカメラ700の側面断面図を示す。光は、レンズ組立体706を通してカメラ700に入ると(図37中に矢印で示す)、フィルムゲート710内に配置されているフィルム712を感光する前に、第二変形装置704及び第一変形装置702(及び図示していないがシャッター)を通らなければならない。第二変形装置704は、フィルム712及び第一変形装置702に対して制御下で移動(この場合は上下に)できるように、カメラ700に載置されている。第二変形装置704には、アーム716によってボタン714が取付けられている。第二変形装置704とカメラ700との間には、ボタン714を静止位置へ付勢するように、バネ718が取り付けられている。
【0126】
操作に際して操作者は、接眼レンズ708を通して見える特定の主題を選択したら、ボタン714を様々な程度で押圧して、像ごとに異なる程度の歪みを与えることができる。
【0127】
図38には、図36及び図37に示し上記で説明した実施態様に関連し、メインレンズ750、第一変形装置752、第二変形装置754、第三変形装置756、リレーレンズ758、及びフィルム760(又はデジタル入力装置、スキャナー、デジタイザー等)を備える実施態様を示す。この配置では、どんな組合せの変形装置752、754、756も、選択された程度だけ横に移動(それぞれフィルム760に平行な平面内で)することができる。メインレンズは主題からの像の光を変形装置752、754、756に合焦する。像の光は三つ全ての変形装置によって変形されると、リレーレンズ758によってフィルム760上に再合焦される。リレーレンズ758は、本発明の先の実施態様で説明したように、変形装置をフィルム760に隣接して配置できない場合にのみ必要である。
【0128】
図39a、図39b、及び図39cは、それぞれ第一変形装置752、第二変形装置754、及び第三変形装置756の例である。
【0129】
図36及び図37に示す実施態様に関連する変更例では、操作者が正常な状態でカメラ700を持ち操作している時に、第二変形装置704が第二平面内でランダムに自由に移動できるように、第二変形装置704を、バネ等の弾性エレメントを用いて、第一変形装置に隣接し且つ平行な第二平面においてカメラに載置することも含む。
【0130】
さらに、変形装置702、704の一方(又は両方)をフィルム712に対して非平行な向きで載置してもよい。第二又は第一平面のいずれかでの移動が好ましいが、変形装置702、704の一方(又は両方)をフィルム712に対してどの平面へ移動又は歪めてもよく、様々に歪めた像を創生することができる。
【0131】
変形装置702、704は、プラスチックやガラス等の硬質又は半硬質の透明材料の平坦なシートで作成することが好ましいが、さらに像の歪め方を変えるために、適当な射出成形工程によって作成して、湾曲又は撓曲した形状としたり、三次元的な表面のテクスチャー(例えば表面レリーフ)を与えたりすることもできる。また、変形装置702、704の一方(又は両方)を、カメラ700にロールとして装填する、ランダムに又は少なくとも長手方向に歪み方が異なる可撓性透明フィルム(図示せず)で作成してもよい。フィルムタイプの変形装置(図示せず)では、フィルムゲート714を越えて選択的に移動(例えば慣用のフィルムの巻き上げのように巻き上げる)させて、フィルムのまだ感光していないフレームの前に異なる歪み模様やテクスチャーを設けることもできる。
【0132】
先の実施態様で上述したように、出願人は、像を芸術的に歪め変更して記録するように、フィルムの前のフィルム面に変形装置を配置することによってカメラに入射する光を調節することができ、よって使用する変形装置次第で、風変わりで美的に楽しませてくれる像の表現を生み出すことができる(例えば主題が印象派風絵画様に見えるように像を変更することができる)ことを見出した。変形装置702、704のいずれかをフィルム714に対して選択的に移動することによって、フィルムに到達する変更後の光の鮮鋭度を制御することができ、それにより一つの変形装置を使って一つの像に様々な効果を与えることができる。
【0133】
出願人はさらに、光の変更の鮮鋭度は、レンズ組立体706のメインフォーカスを変えることによっても制御可能であることを見出した。これを行なうには、固定変形装置702をフィルムゲート712に隣接して又はゲート内に配置した状態で、操作者はまず主題にピントを合わせ、次いでレンズ及び/又はカメラに設けた印で表示される(又は適切な電子的装置を使って同様に表示される)所定範囲内で、ピントを制御された度合いだけゆっくりと変える(どちらかの方向に)。レンズ組立体706の主題に合わせたピントを変えることによって、カメラに入射する主題を表す像の光を和らげ、主題を規定しているコントラストの境界線の鮮鋭度及びディテールを低下させ、柔らかい像を得る。この「柔らかい」光を変形装置702によって変形して、フィルムに記録することができる。ピントの変化の度合いが、変形装置による変形の度合い及び特性を決定する。
【0134】
別の手段として、若しくはピントの調節と組合せて、レンズの絞りを変えて調節の変化を制御することもできる。
【0135】
図40及び図41に、本体802及びレンズ組立体804を備える本発明の別の実施態様によるカメラ800を示す。本発明に従って、レンズ組立体804に入射する像の光がまずレンズアタッチメント806を通過するように、レンズ組立体804の開放端にレンズアタッチメント806を取付ける。レンズアタッチメント806は、少なくとも一枚のレンズ810(図には二枚示している)を支持する略円筒形のハウジング808を備える。レンズ810は、静止位置に保持されるように、マウント812によってハウジング808に弾性的に載置されているが、図41に矢印で示すように、ハウジング808の外表面に沿ってマウント812に内向きの力をかけることによって、手動でハウジング808内である程度ランダムに動かすことができる。
【0136】
操作に際し、操作者が、カメラ800の接眼レンズ、レンズ組立体804、及びレンズアタッチメント806を通して特定の像(例えば赤ん坊)を見て、マウントを捩ると(ハウジング808の外表面から触れることができる)、マウント812の捩り方及び捩る力に従って、レンズ810が静止位置から動く。操作者がマウント812を捩るに従って、アミューズメントパークにある歪める鏡と変わらない態様で、見ている主題の像が歪む。
【0137】
マウント812は、好ましくは環状で、シリコン等の適当な半硬質〜可撓性ゴム製であり、図40及び図41に示すように、ハウジング808の一部をなす。
【0138】
図42a〜図42cは、ハウジング808内のレンズ810を変位させることによって主題(赤ん坊)がどのように歪められるかを示す例である。レンズ810は、マウント812にかけた力を取り除くともとの静止位置に戻ることが好ましく、またレンズ810がハウジング808内で静止位置にある時には像の光を歪めない(拡大以外)ことが好ましい。
【0139】
別の態様として、図41を参照すると、レンズ810は、マウント812と共に中間スペース814を規定する別のレンズ811に隣接して配置されている。レンズ811又はレンズ810(若しくは両方)は、半硬質プラスチック(近視矯正用の慣用のコンタクトレンズを製造するのに使用するプラスチック等)で作成する。不活性ガス等の流体又は透明な液体を中間スペース814に入れる。この流体は、マウント812(好ましくは可撓性ゴム)によって中間スペース814内に封入される。
【0140】
この実施態様の操作に際し、操作者の手でマウント812を捩る(又は他の方法で変形させる)と、中間スペース814内の流体がレンズ811及びレンズ810に向かって押し付けられる。この力によって一方(又は両方)のレンズが徐々に変形(外側へ膨らむ)し、後にレンズアタッチメント806に入る像の光を変形させる。
【0141】
レンズアタッチメント806は、レンズ組立体804に取り付けるアタッチメントとして提供することが好ましいが、レンズ組立体804と一体的に設けることもできる。
【0142】
上述してきた実施態様は、「スチル」タイプのカメラに入射する像の光を、フィルムを感光する前に変化させることに関連していたが、出願人は、この像の光の変形を他の記録媒体に使用することも考えている。例えば、ネガ(若しくは透明画)を作成した後、プリントを現像する時に、ネガを引伸ばし装置に装着する。ネガに記録された像を光源によって印画紙又は大型のCCD(ビデオ録画又はスキャン用)上に投影する。本発明の別の特徴によれば、ネガに隣接して、又は印画紙に隣接して、若しくは途中の位置のいずれかに変形装置を配置して、光が印画紙を感光する(又は電子メモリーにダウンロードされる)前に、上述の態様で投影された像の光を変形することもできる。変形装置は、引伸ばし装置に設けたスロット内に配置してもよいし、ネガ担持器内にあるネガの上に単に重ねてもよい。さらに、上述したように、変形装置は像の光を、電子スキャナーによって「記録」され、コンピューターにダウンロードされる前に歪めるのに使用することもできる。記録した像を電子的に歪めることができるコンピューターソフトウェアプログラムはあるが、この工程には非常に時間がかかる。予め変形した像をコンピューターにダウンロードすることによって、時間を節約し、コンピュータープログラムでは容易に得ることができない効果を与えることができる。
【0143】
図36、図37、図38に戻って、上述したように、変形装置はフィルムの露光中(つまりシャッター開放中)に移動させる。図37に示す実施態様では、変形装置704は、バネによってカメラ700に取り付けられ、カメラの操作者が露光をしている間、シャッターを開放する直前に機械的に付勢(つまり移動)される。同様に、図36の実施態様では、少なくとも一つの変形装置704を、隣接する変形装置702に対して選択的に移動させる(図36に矢印で示すように)ことを示す。最後に、図38に示す配置では、それぞれ他の装置に対して選択的に移動させることができる三つの別個の変形装置752,754,756を示す。変形装置(単数又は複数)を移動させることにより、記録した像をさらに変更することができ、単に露光中に所定量だけ変形装置を移動させることによって、一つの変形装置で入射光にいくつかの効果を与えることができる。
【0144】
先の実施態様で示したこれらの変形装置の動かし方にかかわらず、変形装置の移動は、各変形装置の面内(つまりX軸とY軸に沿って且つZ軸には沿わない)で生じる。図43に、変形装置820を含む本発明の別の実施態様を示す。この変形装置は、入射光の通路中に配置され(像の光がカメラに入る)、X軸、Y軸、及びZ軸に沿って選択的に移動できるように、振動発生装置822に連結される。このZ軸は入射光に対して略平行であり、X軸及びY軸は略フィルム(又は変形装置)面を規定している。露光中にX軸、Y軸、及びZ軸の成分を変えて(各軸は特定の振動速度つまり周波数、及び特定の振幅を含む)制御下で移動(例えば往復振動)させることにより、単に変形装置の移動タイプ及び移動の大きさを変えることによって、一つの変形装置820で多くの異なる効果を画像に与えることができる。
【0145】
振動発生装置822としては、電磁式振動発生装置等の電気機械的装置、若しくは圧電性結晶を使用することができる。使用する振動発生装置の特定のタイプ、その取り付けの特定の配置、及び変形装置820と接続するための関連する連結方法は、当業者には理解できるように、使用方法及び変形装置のタイプ、並びに使用するカメラによって変更することができる。
【0146】
この実施態様において、画像の露光中に、その画像について第一の効果つまり変形を得るために、画像をフィルムに記録する際に一つの変形装置820を静止状態で保持してもよい。若しくは、X軸に沿ってのみ特定の振幅及び速度で(つまりX軸100%、Y軸0%、Z軸0%)変形装置820を移動させて、画像に第二の効果を与えることもできる。またX軸に沿ってのみ移動の振幅又は速度(つまり周波数)を変更して、入射光の通路に配置した同じ変形装置を使ってさらに多くの効果を得ることができる。別の例では、変形装置820がX軸(特定の振幅及び速度で)、Y軸(第二の振幅及び速度で)、さらにはZ軸(第三の振幅及び速度で)に沿って移動するように、振動発生装置822を手動操作することもできる。各軸に沿った各速度及び各振幅は、独立して変更可能であり、一つの変形装置で得られる多くの効果を発生することができる。
【0147】
本発明のさらに別の実施態様では、既知の画家による特定の絵画をレーザースキャナーでスキャンし、スキャンしたデータをコンピューターに送る。画像分析の当業者には理解されるように、スキャンした各絵画の筆遣いの成分をスキャンしたデータから取り出し、特定の画家の特徴である特定の筆遣いのパターンつまりスタイルを確立する。例えば、特定の印象派時期のモネの絵画をスキャンして、その時期のモネのスタイルが、特徴的な短く最後が僅かに上向きにカーブしている筆遣いであることを調べる。次いで、撮影者が、記録した画像が例えばモネの絵画に見えるように画像を変形することができるように、この「特徴」データを使用して、写真でモネ等の特定の画家のスタイルを真似るつまり模写する変形装置を製造する。この実施態様において、変形装置は、先の実施態様において説明したように、静止状態でも、移動させてもよい。移動させる場合には、一つの変形装置を使って特定の画家の「筆遣い」を模写するために予め設定した態様で、動きを慎重に制御することができる。上記のモネの例では、露光中に入射光を僅かにカーブした上向き方向でフィルムに「塗る」ことができるように、変形装置をX軸及びY軸に沿って移動する。得られた例えば睡蓮の写真は、モネ自身が描いたように見える。撮影者は、他の画家のスタイルにも簡単に「ダイヤルイン」することができ、それによって変形装置の動きをそれに合わせて変え、記録された画像に対して得られる効果を変更することができる。
【0148】
振動発生装置822は、フィルムスピード、特定のシャッタースピード、及び絞り設定、フラッシュを使用するか否か、レンズのタイプ及び焦点距離等のカメラ及びフィルムの特定のパラメーター及び設定に応じて制御できることが好ましい。最近製造されたほとんどのカメラは、オンボードコンピューター内蔵であり、このコンピューターは上記に挙げたパラメーターの大半を受信して、撮影する各写真ごとに正しい露出を決定する。出願人は、当業者には理解されるように、振動発生装置822を規定されたソフトウェアに従ってオンボードコンピューターで制御することを意図している。ソフトウェアは、上述のとおり、使用者が希望する変形装置のタイプに従って、変形装置の特定の動きを制御する。他の露出パラメーターによっては、変形装置の動きによって異なる効果を生むことがある。例えば、シャッター速度が比較的遅い場合には、「塗り」が大きく、変形装置の動きによる画像の変更が「ソフト」であり、シャッター速度が速い場合には、同じ変形装置の似たような動きによる画像の変更がよりシャープになる。
【0149】
図44及び図45には、本発明の別の実施態様によるカメラ830を示す。このカメラ830は図13〜図15に示す上記の実施態様に類似するものである。カメラ830は、本体832、慣用のレンズ834、及び変形装置カプラー836を備える。変形装置カプラー836は、慣用のレンズ834を本体832に連結し、入射光Lを慣用のレンズ834から本体832内のフィルム840へと通過させる。変形装置カプラー836は、画面842、画面842と慣用レンズ834との間に配置された(慣用レンズ834のレンズを含んでもよい)第一レンズ組立体844、画面842とフィルム840との間に配置された第二レンズ組立体846、及び少なくとも一つの変形装置受け入れスロット848を備える。図13〜図15の実施態様について説明したように、主題からの入射光は、慣用レンズ834及び第一レンズ組立体844によって画面842上に合焦される。像を運ぶ入射光Lが、画面842で合焦する時に変形されるように、変形装置受け入れスロット848は、好ましくは画面842に(又はこれに隣接して)配置される。画面842は、つや消しのイメージスクリーン(図示せず)を含んでいてもよい。像からの光は、一端変形されると第二レンズ組立体846によってフィルム840上に再合焦する。本発明のこの実施態様によれば、第二レンズ組立体846は、好ましくはリレーレンズとして機能する連結された一対の一体型マイクロレンズモジュール(MLMs)を使って作成する。
【0150】
図44に示すように、MLMsは通常光学エポキシ又は光学樹脂からなる屈折マイクロレンズの列である。リレーレンズとして、第一マイクロレンズモジュール852は、その光学特性及び所望の光学補正に従って互いに平行に隣接して載置された同様の第二モジュール853に連結されている。各モジュール852,853は、マイクロレンズ854の列を含み、画面842における像からの光がフィルム840で合焦するように、互いに所定距離離隔して配置されている。第一(前方)マイクロレンズモジュール852の各マイクロレンズは、画面842上の像からの光の一部のみを、隣接する(後方)マイクロレンズモジュール853の対応するマイクロレンズ854へ向けて屈折させるように機能し、このモジュール853の対応するマイクロレンズ854は屈折された像の光を補正して、フィルム840上に像の光を再合焦する。
【0151】
このような一体型マイクロレンズモジュールを一般のリレーレンズとして使用することは、当業者には知られている。これらのマイクロレンズモジュールは、マサチューセッツ州ケンブリッジのAdaptive Optics Associates, Inc.から市販されている。第二レンズ組立体846のリレーレンズとして、慣用のレンズの代わりにマイクロレンズモジュールを使用することの利点としては、変形カプラー836の重量及び長さを削減できるということが挙げられる。さらに、各マイクロレンズモジュール852はマイクロレンズ854の列からなるので、第一マイクロレンズモジュール852のマイクロレンズを第二モジュール853に対して変位させることにより、画面842上の画像にさらに効果を与えることができる。これは、好ましくは一方の例えばマイクロレンズモジュール853を変形装置カプラー836内に固定し、他方のマイクロレンズモジュール852(この実施態様では)を変形装置カプラー836内で角度方向に選択的に変位させることができる回転フレーム856に載置することにより行なうことができ、画面842上の像からの光に別の効果を生じさせることができる。
【0152】
図45は、本発明のこの実施態様による変形装置カプラー836の背面図であり、図45に示すように、変形装置受け入れスロット848は、角度方向に選択的に変位させる(レンズの長手軸を中心として回転させる)ことができ、それにより挿入した変形装置858の主題に対する相対的な向きを変えることができる。図45及び図45aに示すように、使用者の希望通りに変形装置受け入れスロット848を変形装置カプラー836に対して選択的に回転させ、ロックするために、アクチュエーター860を使用する。本発明の別の実施態様では、変形装置カプラー836内に二つ以上の変形装置受け入れスロット848を設ける場合には、各スロット848は、互いに且つ変形装置カプラー836に対して、同様な態様で選択的に回転可能とすることができる。
【0153】
本発明のこの実施態様に従って、図46a〜図46eに各変形装置858を示す。各変形装置858は、好ましくは必要に応じて変形装置受け入れスロット848内に嵌合する大きさ及び形のフレーム862内に載置される。追加の変形装置受け入れスロット848を設けて、一連の変形装置858を収容することもできる。図46aは、フレーム862内に回転可能に載置された中性濃度標準フィルターを示し、このフィルターは、変形装置受け入れスロット848中に挿入した後も使用者が触ることのできるコントロールアクチュエーター864を備えている。アクチュエーター864は、入射する像の光に対してフィルターを選択的に回転させる。
【0154】
図46bは、本発明のこの実施態様に従って、フレーム864内に載置した中性濃度階調度フィルターを示す。
【0155】
図46cは、像からの光に光学的に「タイル様」効果を与える変形装置858を示す。
【0156】
図46dは、先に説明した実施態様(図34、図35a、図35b及び対応する説明参照)と同様の態様で、像の選択した部分の露出を像の他の部分とは別に補正するLCD−NDとして機能する変形装置858を示す。このようなLCD−ND変形装置858は、カメラ830とLCD−ND変形装置858とが電気的に通信できるように適合された適当な電気接続(図示せず)を含む。
【0157】
図46e及び図47a〜図47cは、フレーム864内に載置した透明又は半透明のプレート866と、フレーム864の頂部に載置した枢動プリズム868とを備えるプリズム式変形装置858を示す。プリズム868は、周囲の光870を受けて、変形装置カプラー836内でプレート866に対して選択的に投影することにより、画面842上にある像に和らげる「フォッグ」効果を生じさせるように適合されている。
【0158】
他の変形効果としては、フィルム乳化剤粒子と同様の粒子を像に与える、像に表面質感を与える、慣用のカラーフィルターを与える、偏光フィルターを与える、及び慣用の特殊効果を与えることが挙げられる。
【0159】
本発明の別の実施態様により、図48及び図49a〜図49eに交換可能な変形装置カートリッジ872を示す。このカートリッジ872は、カートリッジフレーム874、第一マウント878に連結した第一振動発生装置876、第二マウント882に連結した第二振動発生装置880、及び第三マウント886に連結した第三振動発生装置884を備える。振動発生装置876,880、及び884は、それぞれ好ましくはフレーム874にある触れることのできる制御つまみ888によって独立制御可能であり、変形装置872をスロット848に挿入した時、変形装置カプラー836と電気的に通信ができるようにする電源片890から給電される。種々の変形装置892が提供され、それぞれ変形装置フレーム894に載置される。変形装置フレーム894はそれぞれマウント895を含み、このマウントは、第一、第二、及び第三マウント878,882,886で変形装置カートリッジ872に載置されるような大きさ及び形状となっている。フレーム894に載置された所望の変形装置892を変形装置カートリッジ872のマウントに取り付けたら、カートリッジ872を変形装置カプラー836のスロット848(図44参照)内に挿入し、この位置で電源片890は、変形装置カプラー836内に配置された対応形状のコネクター(図示せず)と電気的に係合する。変形装置カプラー836に挿入したら、使用者は三つの振動発生装置876、880、及び884を選択的に制御し、ユニークな振動運動を載置した変形装置892に与えることができる。先の実施態様において説明したように、このような動きによって、変形装置カプラー836の画面842上の像に多くの新たな効果を与えることができる。
【0160】
三つの振動発生装置876、880、及び884が好ましいが、二つ又は1つの発生装置を使用することもできる。いくつの振動発生装置を使用するかにかかわらず、変形装置892への振動は、撮影者がつまみ888を使って、若しくはカメラ830内部回路によって制御することができる。この場合撮影者は、カメラで所望の効果(例えば印象絵画風)を選択し、必要な動きを(露光中に)カメラにコントロールさせ、所望の効果を得ることができる。本発明に従って、図49b〜図49eに示す異なるタイプの変形装置892を、交換可能な変形装置カートリッジ872と共に使用することもできる。これらの変形装置は、色々な方向に動かした場合に多くの異なる効果を示す種々の光変形特性を有している。
【0161】
図50a〜図50fには、本発明の別の実施態様による変形装置カプラー900を示す。このカプラー900は、第一(前方)レンズ組立体902、中間焦平面906、変形装置908、及びリレーレンズ組立体910を備える。上記に説明した先の実施態様と同様に、図50a〜図50bを参照すると、第一レンズ組立体902は、入射する像の光を、図50aに示すように変形装置908を通して、若しくは図50bに示すようにこれを通さずに、中間焦平面つまりイメージスクリーン904上に、そしてリレーレンズ組立体910を使ってフィルム上に、合焦させる。
【0162】
本発明のこの実施態様では、第一レンズ組立体902は、図50c及び図50dに示すように、レンズ組立体全体を変形装置カプラー900の長手軸に対して選択的に枢動させることができるように、変形装置カプラー900内に枢動可能に載置される。また変形装置908も、図50c〜図50fに示すように、変形装置カプラーに挿入された選択された変形装置を変形装置カプラー900の長手軸に対して選択的に枢動させることができるように、変形装置カプラー900内に枢動可能に載置される。第一レンズ組立体902又は変形装置908、若しくはその両方のこのような枢動により、像全体に影響を与えることなく、像の選択した部分(例えば上部又は側部)を変形することができる。一例として、変形装置を使用して、被写体の顔の半分だけをソフトにし、残りの半分をシャープにして、ドラマチックなポートレートを生み出すことができる。変形装置及び第一レンズ組立体の両方を枢動可能とすることにより、撮影者にさらに多くの効果を提供することができる。
【0163】
本発明の別の特徴により、図51及び図52に露出した(つまり背面カバーを開放若しくはその他の方法で取り外した状態)カメラ1000の背面部分を示し、ここにはフィルムゲート1002、シャッター1004、及び互いに平行でフィルムゲート1002の両側に配置されたフィルムエッジガイド1006が現されている。また、シャッター1004から好ましい所定距離にフィルムストリップ1010を支持する平滑なレール様構造体であるフィルム表面ガイド1008も示されている。フィルム1010がロール(図示せず)から、フィルムゲート1002及びシャッター1004を横切って、回収スプール(これも図示しないが、当業者には理解できる)まで進む際、フィルム1010は、フィルム1010の各長手方向縁部が各エッジガイド1006に接触する(若しくは略隣接してスライドする)ように、エッジガイド1006間をスライドする。フィルム1010はまた、当業者が理解するように、各フィルム表面ガイド1008を横切ってスライドする。
【0164】
本発明のこの実施態様において、変形装置1012は、フィルムゲート1002に隣接してフィルム表面ガイド1008の間でぴったり嵌るような大きさ及び形状となっている。変形装置1012は、中央変形窓1014、支持端部1016、及び対向ハンドル/支持端部1018を含む。変形装置1012は、好ましくはポリカーボネートプラスチック等の半硬質プラスチック、好ましくは光学グレードの半硬質プラスチックで作成する。また変形装置1012は、変形窓1014がフィルムゲート1002内の位置に「スナップ嵌合」するように、特定の構成及び型式のカメラ内に嵌合するよう特別に形付けられている。フィルムゲート1002は、対向支持端部1016及びハンドル/支持端部1018によってその位置に支持され、端部1018は、図51に示すように、フィルムゲート1002に隣接している棚部1020に載置されている。
【0165】
カメラ1000内へ変形装置1012を挿入するには、まずカメラの背面カバー(図示せず)を開ける。カメラにフィルムロールを装填する前に、まず支持端部1006が一つの棚領域1020(好ましくはロールに最も近い方)に接触した状態で、選択した変形装置1012をフィルム表面ガイド1008の間にフィルムゲート1002を横切って注意深く配置する。次いで変形窓1014をフィルムゲート1002内に配置し、ハンドル/支持端部1018を対向棚領域1020上に載置した状態で、所定位置にスナップ嵌合する(フィルムゲート1002側面との軽い摩擦係合により)。
【0166】
変形装置1012は、フィルムゲート1002内に設置すると、棚領域1020から所定距離だけフィルム1010に向かって突出する。本発明によれば、この所定距離は、変形装置1012をカメラ1000内に設置した時に、フィルム表面ガイド1008よりも突出(フィルム1010に向かって)せず、よってフィルム表面ガイド1008を横切るフィルム1010の動きを邪魔しないように、好ましくは各フィルム表面ガイド1008が棚領域1020から突出している距離と等しいか若しくはこれよりも短い。
【0167】
図2bに示し、先の実施態様について説明したように、変形窓1014は、好ましくは厚く(但し裏面は支持部1016及びハンドル/支持部1018と同一表面上にある)、変形装置1012の変形窓1014の一部は、シャッター1004の操作を妨げることなく、フィルムゲート1002内へシャッター1004に向かって前方に突出することができる。
【0168】
変形装置1012をフィルムゲート1002から外すには、使用者はハンドル/支持端部1018を棚領域1020から持ち上げ、変形装置1012とフィルムゲート1002との間の軽い摩擦係合に打ち勝って、変形装置をフィルムゲート1002内の嵌合位置からてこ式に持ち上げる。
【0169】
上述したように、変形の質感つまりパターンは、変形装置1012の変形窓1014に組み込まれ、カメラのレンズからフィルムへ通過する像の光に直接作用する。多くの異なる変形の質感を変形装置に適用して、多くの異なる変わった効果を生じさせることができるが、本発明のこの実施態様では、記録された像の「粒子が粗く」見えるように、変形装置1012に質感を導入することについて述べる。
【0170】
上述したように、乳化剤粒子は通常画像品質の低さにつながるが、これを利用することにより、例えば当業界で知られている慣用のソフトフィルター技術を用いて、主題のある種の神秘性及び/又は柔らかさを出す、という他では得難い利点を生むことができる。図53は、超微粒子、微粒子、中粒子、中/粗粒子、及び粗粒子を生じる一連の粗粒子効果を生じる五つの変形装置1012を示し、この一連の効果を図53の各変形装置1012の右側の拡大図に示す。
【0171】
図53に示す粒子効果付与変形装置1012は、変形窓1014に、好ましくは特定の粒度の酸化アルミニウム研磨粉をサンドブラスト装置で吹き付けることによって得ることができる。このような研磨粉は公知であり、例えばニュージャージー州のAJM, Company of East Brunswick社が市販している。研磨粉の粒度は、所望の粒子効果によって異なり、粗い粒度の粉を使えば粗い粒子効果が得られる。出願人は、粒度が1μm〜100μmの場合には、変形装置1012が、上記で説明し図53に示す超微粒子から粗粒子の間の粒子効果範囲に対応する粒子効果を、フィルムに記録される像の光に与えることを実験により見出した。
【0172】
変形装置1012に与えられる粒子効果は、基本的に例えば研磨剤によって均等にプラスチック製変形装置1012を穿孔した質感である。この質感は、サンディングやタンブリング等の他の研磨工程、化学的エッチング、フォトエッチング、コロナ放電適用、つや消し技術、及びレーザーエッチング技術等の他の公知の方法によっても得ることができる。また変形装置1012は、種々の適切なプラスチックから製造することができ、変形窓1014としてガラス挿入物を備えていてもよい。ガラスを使用する場合には、当業界で公知の化学的エッチング工程(フッ化水素酸使用)によって所望の粒子効果の質感が得られる。使用する材料にかかわらず、かき傷が付くのを防ぐために、慣用の硬化コーティング又は保護コーティングを設けてもよい。
【0173】
さらに、研磨剤の吹き付けによって変形装置1012に粒子効果の質感を生じさせるに際して、多数の研磨剤流を互いに且つ変形装置表面に対して種々の方向に使用して、異なる態様で穿孔した(角度を付けた)質感を与え、様々な粒子効果を生じさせることができる。また変形装置1012は、例えば一端が粗く他端に向かうにつれ徐々に微細になっていくグラデーション粒子効果の質感を呈するように作製することもできる。
【0174】
変形装置1012の粒子効果の質感に関わらず、写真を撮る際にこのような変形装置1012を使用すると、得られる加工写真は粒子が粗く見えるので、例えばトーンの深さや鮮鋭度等フィルムの他の特性に影響を与えることなく、また特別な処理を必要とせずに、撮影者は主題を神秘的に見せることができる。本発明によれば、撮影者は、像をフィルムに記録する(ネガ又は透明な段階で)際に「フェイク」つまり模造の粒子(光学的粒子)を導入することができるので、引伸ばし等の複製作業において、フィルムのどの画像についても一定の粒子効果が得られる。
【0175】
光学的粒子を組み込むことによって、フィルムの現像に影響が及ぶことはなく、また乳化型の粒子とは異なり、記録した画像のトーンの深さや鮮鋭度にも悪影響を与えることはない。
【0176】
先の実施態様で説明したように、本実施態様では慣用の35ミリ一眼レフタイプのカメラについて説明してきたが、本発明はカメラ(35ミリ、中型及び大型、デジタル、及びビデオ)、電子スキャナー、引伸機、及びコピー機等、どのような形式の光学機器にも容易に応用可能である。また粒子効果による質感は、先の実施態様で説明したどの変形装置にも同様に応用することができる。
【0177】
本発明のさらに別の実施態様により、図54及び図55を参照すると、カメラ本体1102(映画、スチル、又はデジタル、若しくは他のいかなる形式のカメラ)とカメラの「撮影用」レンズ1104との間に焦点ぼかし用カプラー1100が嵌合されている。焦点ぼかし用カプラー1100は、略円筒形で、二つの端部を有する。機械的結合機構(図示せず)が各端部に設けられ、焦点ぼかし用カプラー1100をカメラ本体1102に機械的に固定し、レンズ1004を焦点ぼかし用カプラー1100に機械的に固定するように適合されている。焦点ぼかし用カプラー1100は、図55(図55には映画用カメラ本体を示す)に示すように、レンズ1104を通してカメラ本体1102に入射する光が焦点ぼかし用カプラー1100をも通過するように、レンズ1104とカメラ本体1102との間(カメラの形式に関わらず)に配置されている。
【0178】
先に説明した実施態様(図13)と同様に、焦点ぼかし用カプラー1100は、第二レンズ組立体1106(図13の第二レンズ組立体86と同様)と、中間焦平面1108(略図13の実施態様のスロット90の位置に配置されている)とを備える。受像スクリーン1110は、中間焦平面1108上に配置され、投写スクリーンとして機能するように適合されている。このスクリーン1110に、主題から入射した光を例えば撮影用レンズ1104によって合焦させることができる。受像スクリーン1110は、好ましくは透明で可撓性の光学グレードのプラスチック、例えばPETやポリエステル(当業者には理解できるように、いかなる適切な可撓性の光学グレードのプラスチックをも使用することができる)の薄いシートからなり、好ましくは反射防止コーティング又は非常に微細な粒状の質感を有する(マット)表面等の微細な「捕獲」層(図示せず)を含む。この「捕獲」層は入射する主題からの光を捉え、その結果、入射した像の光がその画像を受像スクリーン1110上に投射する。受像スクリーン1110は、像の光が画像を焦点鏡のマット表面上に投影し、投影された画像を撮影者が接眼レンズを通して見ることができるようにする一眼レフカメラの焦点鏡と同様の態様で機能する。しかしながら、捕獲層が、入射光が受像スクリーン1110の表面に画像を投写するのにちょうど十分なだけ、入射光をわずかに拡散させることが好ましく、且つ入射光の大半がブロック又は反射されてしまってフィルム面に再合焦できないほど半透明ではないことが好ましい。
【0179】
本発明によれば、受像スクリーン1110は可撓性で、好ましくは縁部を半硬質フレーム(図示せず)に担持されている。この半硬質フレームは、撮影者がフレームを選択的に撓曲させる(歪ませる)ことができるような態様で、カプラー1100の本体に可撓的に載置される。このように制御下でフレームを撓曲させることにより、受像スクリーン1110を物理的に3D(x軸、y軸、及びz軸)で歪ませることができる。このためフレームに支持された受像スクリーン1110は、変形可能な軌道(図示せず)に沿って載置することができ、この軌道は、例えば機械的又は電気機械的アクチュエーターを用いて、フレーム周囲の選択した点において変形可能である。このようなアクチュエーターとしては、ねじ部品を使用することができ、フレーム周囲に配置し、締めることによりひずみ力を発生する。さらに適切なアクチュエーターとしては、当業者には理解されるように、ソレノイドやリニアモーターを使用することができる。またフレームに支持される受像スクリーン1110は、バイメタル材料から製造する(またはこれを含む)ことができ、電気駆動される複数の発熱要素(フレームに沿った限定領域を加熱することができるもの)を備えていてもよい。フレームを変形させるには、発熱要素を選択的に作動させ(スイッチをオンにする)、熱の影響によってバイバイメタル製のフレームを撓曲させる。撮影者が受像スクリーン1110のぼかし領域の配置を画像フレーム内の特定の主題に対してしっかり制御することができるように、受像スクリーン1110は、好ましくは焦点ぼかし用カプラー1100の長手軸を中心として回転可能である。また、受像スクリーン1110(つまり支持フレーム)全体が、受像スクリーン1110に与えられた歪みとは関係なく、焦点ぼかし用カプラー1100の長手軸に沿って直線的に移動可能であることが好ましい。
【0180】
フレーム変形アクチュエーターの形式に関わらず、本発明のこの実施例における重要な特徴は、撮影者が、受像スクリーン1110の輪郭を制御することができ、よって以下に説明するように画像フレーム全体において領域ごとに焦点を制御することができるようにするということである。
【0181】
慣用のカメラ(例えば一眼レフ)では、レンズは、「主題被写界深度」内にある像をレンズの裏に位置する「画像被写界深度」へと(レンズの「画像被写界深度」はレンズとカメラとの間にあり、「主題被写界深度」は主題に隣接してレンズの前にある)光学的に転写する。慣用のカメラは、レンズの画像被写界深度内にあるフィルムゲート中に記録フィルムを配置するように設計されている。この慣用の配置により、レンズの主題被写界深度内にあるいかなる主題も、レンズによって、レンズの画像被写界深度内にあるカメラのフィルムに、シャープなフォーカスで記録される。
【0182】
本発明によれば、焦点ぼかし用カプラー1100をカメラ本体1102に取り付け、レンズ1104を焦点ぼかし用カプラー1100に取り付けると、受像スクリーン1110は、レンズ1102の画像被写界深度1111内(焦点ぼかし用カプラー1100の内慣用のカメラでは通常フィルムゲートが配置される位置)に配置されることになる。この配置により、レンズの主題被写界深度内にある主題からの像の光は、受像スクリーン1110上に光学的に転写(つまり合焦)される。次いで受像スクリーン1110表面に位置する転写された画像は、焦点ぼかし用カプラー1100の第二レンズ組立体1106によって、フィルム面に位置するカメラのフィルム1112(図54参照)に光学的に転写され、再合焦する。
【0183】
本発明の焦点ぼかし用カプラー1100の操作において、撮影者はまず、カメラ1102(例えば一眼レフ)の接眼レンズを通して、図54に示す女性のモデル等の主題を見て、女性が主題被写界深度内に現われ、よって合焦した状態となるように、主題にピントを合わせる。受像スクリーン1110全体が焦点ぼかし用カプラー1100内のレンズの画像被写界深度1111内にある限りは、主題被写界深度内(女性)に位置する主題全体が、フィルム1112上にシャープなピントで現われる。撮影者は、画像フレーム全体に渡って女性がシャープなピントで見えている状態で、普通に女性の写真を撮るか、若しくは上述のように制御した態様で、図54に示すように受像スクリーンの一部が画像被写界深度1111内から盛り上がるように受像スクリーン1110を歪めることによって、画像フレームの選択領域をぼかすかどうかを決める。この場合、図54に示すように、歪んだ受像スクリーン1110の画像被写界深度1111内に残った部分に位置する画像のみが、フィルム面にあるフィルム1112上にシャープに(又は許容範囲で)記録される。
【0184】
図54に示す実施例では、女性の顔の像の光(点線1114で示す)はまず受像スクリーン1110上に投写されるが、このスクリーン部分(女性の顔を示している部分)は、レンズの画像被写界深度1111内にあるため、女性の顔(円1113で示す)はフィルム1112上にピントが合った状態で現われる。女性の胸部の像の光(図54に点線1118で示す)は、まず受像スクリーン1110の一部に投写されるが、このスクリーン部分(女性の胸部を示している部分)は、図54に示すように画像被写界深度1111から僅かに外れているため、女性の胸部(円1116で示す)は、わずかにピントがずれている。同様に、女性の頭部のすぐ左側の領域(図54に円1120で示す)からの像の光(図54に点線1122で示す)は、まず受像スクリーン1110の一部に投写されるが、このスクリーン部分は、図54に示すように画像被写界深度1111から非常に外れているため、この領域は、フィルム上に非常にピントがずれた状態で記録されている。
【0185】
図56には、本発明の別の実施態様(図34及び図35a〜図35bに示した先の実施態様と同様)を示す。この実施態様は、カメラ本体1200、慣用の「撮影用」レンズ1202、及び露出補正用カプラー1204を備える。図34及び関連記載、並びに図56を参照して、露出補正用カプラー1204は、組み込み式の露出補正装置であり、LCD1222(図34の実施態様におけるLDC622と同様)、CCDパネル1216(図34の実施態様のCCD616と同様)、フィルターコントローラー1224(図34の実施態様のフィルターコントロール624と機能的に同様のもの)、及びプロセッサー1218(図34の実施態様のプロセッサー618と機能的に同様のもの)を備える。先に説明し図34に示したLCDの実施態様は、二つのLCDパネルを含み、LCD622はフィルムを露光し、補正された画像を記録するのに使用され、LCD620は、画像補正の前、最中、及び後に、カメラの操作者が容易に画像を見ることができるように、LCD622の像を繰り返す。本発明の図56に示すこの実施態様によれば、カメラの操作者は、フィルムを露光するのに使用されるのと同じ画像(LCD622が表示する画像)を光学的に見ているので、一眼レフカメラには一つのLDC(LCD1222)のみが必要となっている。
【0186】
先に説明した実施態様において、上記に説明したLCD620、LCD622、CCD616、LDCフィルターコントロール624、プリズム608、及びプロセッサー618は、図34に示すように主にカメラ本体602内に配置されている。出願人は、図56に示すように慣用のカメラ本体及び慣用のレンズに迅速且つ簡単に取り付けることができる組み込み式LCD露出補正装置を提供することが必要であることに着目した。この場合、LCD620とLCD622とは、組み合わせて一つのLCDエレメントとしてもよく、その場合にはプリズム608は必要ではないこともある。
【0187】
提案したLCD露出補正用カプラー1204を使用すれば、撮影者は、特殊なカメラを購入する必要なく、LCD露出補正装置の利点を享受することができる。
【0188】
この実施態様の目的は、図34に示し上記で説明したものと同様であり、且つ組み込み式で、どのような慣用のカメラにも慣用のレンズと同じくらい容易に取り付けることができる、コンパクトな画像補正システム提供することにある。この目的のために、本発明のこの実施態様は、さらに反射エレメント1230を含む。この反射エレメント1230は、好ましくは固定ガラス板(この場合反射エレメントは部分的にのみ画像を反射する)であるが、以下に説明するように枢動ミラーとすることもできる。撮影用レンズ1202は、入射光が補正用カプラー1204内に配置された中間焦平面上に合焦するように、補正用カプラー1204に取り付けられる。
【0189】
反射エレメント1230が固定ガラス板の場合には、このガラス板を好ましくは軸方向の視野方向(図56に点線1232で示す)に対して45度に固定する。この配置とすることにより、入射する像の光の一部がガラス板反射エレメント1230によって反射され(ガラスの内部部分反射特性による)、CCD1216によって受光される。同じ像の光の別の一部は、ガラス板反射エレメント1230を通過して、LCD1222に受光される。LCD1222は、受光した像がシャープなピントとなるように、中間焦平面1206上に配置されている。撮影用レンズ1202から入って来るいかなる像の光も(若しくはそのように調節された光)、CCD1216上又は中間焦平面1206(及びLCD1222)上に合焦するように、ガラス板反射エレメント1230とCCD1216との距離は、ガラス板反射エレメント1230と中間焦平面(及びLCD1222)との距離と同じになっている。
【0190】
補正用カプラー1204はさらに、LCD1222上の(及び後にLCD1222によって補正される)像を、シャッターを開放した場合にはフィルム1210上に、若しくはカメラの形式に応じて、別の合焦スクリーン(図示せず)上に再合焦する第二レンズ1208を備え、再合焦された像は、撮影者が画像をみることができるようにカメラの接眼レンズ1212によってさらに合焦される。
【0191】
像の光のうち、45度で反射され、CCD1216に受光された部分は、先に説明した実施態様と同様に、画素ごとに電子的に処理され、画像の暗い又は明るい選択領域が適切な補正又は他の処理を受けるように、LCDフィルター1224によって電子的に操作される。像の光のうち、反射エレメント1230をまっすぐ通過した残りの部分が、LCD1222の選択的に暗くされた画素によって補正されるように、画素の補正はLCD1222で電子的に行なわれる。補正された画像の光は、上述したように、撮影者が見るか、若しくはフィルム1210を露光するのに使用する。
【0192】
別の態様として、反射エレメント1230は、枢動可能に載置されたミラーであってもよく、この場合には、補正システムの操作は、入射してきた像の光全てを45度でCCD1216へ反射する工程を含む。受光された像の光は、緩衝記憶装置に保存され、画像の領域が電子的な補正又は他の調節を受けるように、上述したように撮影者によって電子的に操作される。画像を一旦記憶装置(瞬間的に)に保存すると、枢動ミラー反射エレメント1230は、像の光全てが中間焦平面1206で合焦するように、軸方向の視野方向1232から離れるように枢動する。また、画像は、LCD1222上に電子的画素補正を行なう前、最中、及び後に撮影者が見るか、若しくはフィルム1210を露光するのに用いる。
【0193】
上述の補正用カプラー1204は、好ましくは、図47a〜図47c、図49a〜図49e、及び図53に示したような特殊効果変形装置を、中間焦平面1206において、入射光の通路に導入することができるようなスロット(図示せず)をさらに含む。スロットに挿入したいかなる変形装置も、中間焦平面1206上に配置されるので、変形装置及びその効果(例えばその表面の質感的詳細)は画像とピントが合って見える。
【0194】
本発明の別の実施態様によれば、カメラの入射光の通路に好ましくは三つのLCDディスプレーを導入することができる。各LCDは、各画素が透明から不透明で着色されたパネルまでグラデーションのかかった色を発する画素の列を含む。各LCDの各画素の色の透明性及び強度は、画素の列のどの位置にでも画像に特定の色を導入することができるように、電子的に制御される。LCD色補正ディスプレーは、各ディスプレーがそれぞれ三原色のうちの一つを含み、各ディスプレーの画素が混合色効果を生み出すように操作され、より広範囲に渡る着色効果を得ることができるように、三つ用いることが好ましい。この配置は、カラー写真で使用されるカラー画像に領域的又は選択的なカラーフィルター効果を与えるのに有用である。例えば、画像全体に赤をかけることなく、バラの赤い色を電子的に強調することができる。
【0195】
先の実施態様において説明したように、本実施態様を、主に慣用の35ミリ一眼レフカメラ及び映画用カメラについて説明してきたが、本発明は、カメラ(35ミリ、中型及び大型、デジタル、及びビデオ)、電子スキャナー、引伸機、コピー機等のいかなる形式の光学装置にも容易に応用することができる。また、先に説明したどの変形装置も、受像スクリーン1110に隣接して、若しくは受像スクリーン1110の代わりに、焦点ぼかし用カプラー1100に組み込んでもよい。
【0196】
本発明のさらに別の実施態様によって、像の光に特殊効果を付与するためにカメラに使用する変形装置の作製方法を開示する。この方法によれば、現存の描画、パターン、スケッチ、又は絵画を創造するのに画家が用いた芸術的スタイルをある程度まで複製又は模写する質感を有する変形装置を作製することができる。絵画の美的スタイルは、絵画全体を通して用いた種々の筆遣いの、例えば大きさ、長さ、幅、遍減度、及び形状、並びに一筆描くのに要した見かけ上の力(一筆の深さつまり重さ)によって決めることができる。この工程は、レーザースキャナー等の適切なスキャン技術を用いて、主題である絵画をコンピューターにデジタル的にスキャンすることを含む。主題である絵画のスキャンしたグラフィック情報は、電子メモリーに記録され、デジタル的に操作して、主題絵画全体に用いられた筆遣いの特徴を抽出する。包括的なパターンつまり質感を、コンピューター内に電子的に作成し、作成したパターンつまり質感が特定の画家の筆遣いに似るように、操作工程には、筆遣いの詳細の平均化を含んでいてもよい。この工程は、彫刻盤(若しくは他の適切な装置)を制御して、作成した質感つまりパターンを、プラスチック又はガラス等の透明変形装置材料の表面に彫刻する(若しくは他の方法で転写する)のに、操作した情報を使用することを含む。得られた変形装置は、像の光が特定の画家の一般的なスタイルに見えるように、変形装置の質感に従って、像の光のどの通過部分も変形する。
【0197】
撮影者は、特定の主題の像の光を変形する(つまり主題の写真を撮影中)のに、例えば得られる主題の写真が、画家であるモネが主題を描いたように見えるように、画家のモネを真似た質感を有する変形装置を使用することができる。
【0198】
図57を参照すると、本発明の実施に使用することのできるコンピューターシステム1310が示されている。コンピューターシステム1310では、スチル写真を使用するように示しているが、本発明はスチル写真に限定されるものではなく、当業者には理解されるように、コンピューター内にデジタル化することができる動画、透かし絵、描画、絵画、又は他のいかなる形式の像(以下、有体像1311と呼ぶ)に使用することもできる。コンピューターシステム1310は、マイクロプロセッサー系ユニット1320と、スクリーン1322を有するディスプレー1321を備える。マイクロプロセッサー系ユニット1320は、種々の処理機能を行う命令としてのソフトウェアプログラムを受けて処理するように適合されている。ソフトウェアプログラムは、代表的にはマイクロプロセッサー式ユニット1320の適切なディスクリーダーつまりドライブ1325に直接挿入する磁気記録媒体(フロッピー(登録商標)ディスク又はディスケット)1323から受けて、マイクロプロセッサー系ユニット1320に指示するか、若しくはソフトウェアをROMメモリー(例えば内蔵ハードドライブ)、又はマイクロプロセッサー系ユニット1320の内部若しくはこれに接続したRAMメモリーに予めプログラムしておいてもよい。
【0199】
スキャナー1324は、スキャナー上のいかなる有体像1311(図57のジョギングをする人の写真は、本発明を説明する上で、このような有体像1311を代表するものである)をもデジタル化するために、マイクロプロセッサー系ユニット1320に電気接続されている。上述したように、スキャナー1324は、写真、描画、絵画等、様々な形式の平面的画像媒体を受け入れることができる。透かし画(例えばスライド)及びネガを入力するのには、透かし画用スキャナー1327を使用することができる。スキャナー1324、1327のどちらも、有体像1311(ジョギングしている人の写真等)をデジタル化画像1326(図57のモニター1321のスクリーン1322上に表示されているもの)に変換するのに、当業者に知られている慣用の態様で操作することができる。
【0200】
以下にさらに説明するように、有体像1311を一旦スキャンすると、デジタル画像1326を示すデジタル画像データは、マイクロプロセッサー系ユニット1320に電子的に送られ、電子的に操作される。当業者には理解されるように、デジタル化画像1326は複数の画素を含み、各画素は、カラー写真等のカラーの有体像1311については、特定の色値(真又は擬のいずれか)を有し、白黒の有体像1311については、強度及びグレースケール値を有している。
【0201】
有体像1311は、スキャナー1324を使ってデジタル画像1326とすることができるが、別の方法として、例えばジョギングしている人等の主題の、例えば写真を撮る際にデジタルカメラ1328を使用する等の場合のように、直接デジタルフォーマットで「読む」こともできる。主題の画像情報は、カメラ1328内で直接デジタル画素フォーマットに変換され、代表的には持ち運びのできるメモリーカード1329(又はディスケットタイプのメモリーカード1323の場合もある)に記録される。例えばジョギングをしている人のデジタル化された画像データは、上述したように慣用の手段によってコンピューター1320にダウンロードされ、コンピューター1320のマイクロプロセッサーがデジタル画像データに直接且つすぐにアクセスすることができるようにする。
【0202】
さらに、デジタル画像1326は、フロッピーディスク1323、メモリーカード1329、CD−ROMリーダー1323で読むことのできる適切なCD−ROM記憶ディスク1330、又はコンピューターの内蔵ハードドライブ(図示せず)等のメモリーソースから直接デジタル画像データをダウンロードすることによって提供することもできる。デジタル画像1326はまた、スタイラス1336を使ってリアルタイムで手描きされた動き及び圧力の情報を、デジタル画像1326を示すデジタルデータに変換する市販のデジタイザーパッド(書字板)を使って作成することもできる。デジタル画像1326はさらに、慣用のマウス1338、キーボード1344、又はタッチスクリーン機能を有するスクリーン1322を備えるモニター1321等のモニターを使って、作成することもできる。デジタル画像1326は、上述したように適切な入力用周辺機器を単独又は組み合わせて使用して、若しくはさらにアドビ社のPhotoShop(商標)、Illustrator(商標)、FreeHand(商標)、AutoDeskの提供するAutoCad、及びPaint(商標)等の適切な描画ソフトウェアと組み合わせて使用して、作成することもできる。
【0203】
本発明のデジタル画像化方法を組み込んだソフトウェアプログラムは、他のソフトウェアプログラムとは独立してデジタル画像データを取り込み、変形することができる。但し本発明の方法は、他の種々の画像化ソフトウェアプログラム中に組み込んだり、これと協働して操作することもできる。さらに、以下により詳細に説明するように、本発明のデジタル画像化ソフトウェアプログラムは、マイクロプロセッサー系ユニット1320のローカルハードドライブメモリー(又は他のポータブルメモリー媒体)に組み込んだり、インターネット1342上で使用したり、若しくは本発明の一実施態様では、スキャナー1324又はデジタルカメラ1328内にあるメモリーソース内に組み込むこともできる。
【0204】
図57に示すように、ディスプレー1321は、本発明のソフトウェアに関するユーザー関連情報を表示するために、マイクロプロセッサー系ユニット1320に電気接続されている。キーボード1344、マウス1338、デジタイザー書字板1334、及びタッチ感応スクリーン1322もマイクロプロセッサー系ユニット1320に電気接続されており、ユーザーがオペレーティングソフトウェアに情報や指示又は命令を入力できるようになっている。良く知られているように、キーボード1344、マウス1338、デジタイザー書字板1334、及びタッチ感応スクリーン1322は、単独又は組み合わせて使用して、ディスプレースクリーン1322上のカーソル(又はセレクター)1346の相対的位置を制御するため、若しくはデジタル化画像内の一群の画素の選択や、プルダウンメニューからのオプションボックスの選択等、カーソル1346の下にあるアイテムを選択したり、コマンドを打ち込んだりするために使用することができる。
【0205】
デジタル画像1326がどのように作成されたかに関わらず、上述したように、デジタル画像1326を構成するデジタルデータは、本発明のコンピューターソフトウェアプログラムによってデジタルデータを迅速に且つ容易に操作することができるように、好ましくはコンピューターのハードドライブ又はコンピューターのランダムアクセスメモリー(RAM)に入力される。本発明のソフトウェアプログラムは、現行のソフトウェアプログラムで一般的に行われているように、デジタル画像1326を一旦ローカルコンピューターのメモリー(RAM又はハードドライブ等)にダウンロードしたら、マウス1338及びカーソル1346のみによって操作することができるようにすることが好ましい。
【0206】
表示制御装置又はビデオカード(図示せず)は、ディスプレースクリーン1322が入力されたデジタル画像1326を表示することができるように、特定のソフトウェアプログラムの描画コマンド、若しくはマウス1338、デジタイザー1334、又はキーボード1344、及びドライブディスプレー1321によって運ばれる指示を処理するために使用されるハードウェアの回路板である。操作において、表示制御装置は、どの画素が描かれているのか、その位置、及びその色値を決定する。ビデオカードが「ビットマップ」と呼ばれる二次元の列に新しい画素値を記録した時に、画素が「描かれて」いるということになる。この「フロントエンド」画素ビットマップが完成すると、ビデオコントローラーのビデオ「リアエンド」操作がビットマップ画素値を設定された色に処理し、ディスプレー1321を駆動するのに必要なビデオ信号を発生する。それによりユーザーはディスプレースクリーン1322上で「正しく描かれた」デジタル画像1326を見ることができる。ビットマップ値は、ディスプレースクリーン1322が「更新」される度に「読まれ」る。これは代表的なブラウン管(CRT)の場合には、一秒間に約60〜80回行われる。当業者には理解されるように、デジタル画像1326の各画素の色値は、代表的には赤、緑、青(RGB)成分の値を用いて各画素の色の「特徴」を決定するRGBカラースペースを用いて表される。これら三色のそれぞれについて一般には256段階があり、そこから選択することにより各画素について色の特徴を決定する。RGB色情報は、ビットマップ(「真の色システム」)中に直接記録することができる。「擬の色システム」においては、ビットマップ情報は色値番号のみを含むので、各画素の実際の色を表示する前に、記憶されている色見本表を使って、各色値が示す実際のRGB色成分を翻訳しなければならない。
【0207】
本発明の重要な特徴は、入力された有体写真画像のデジタル画像を画像の絵画版にデジタル的に変換する、つまり写真として撮影されただけでなく、描かれたように見えるように元の画像を変化させるための方法を提供することにある。本発明の方法は、本発明の方法を行わなければ単なる写真であるものを、美術の古典的作品(つまり絵画)に変えるものである。そのため、本発明の方法は、既知の画家(又は絵画の時代)のスタイルを真似ることによりその画家の絵画の特徴をデジタル画像に組み込む、予め設定された画素変更基準を含む。本発明の方法によれば、例えば、テーブルの上においた二つの洋なしの静物画の写真のデジタル画像1326の画素を変化させて、得られたデジタル画像が画家のヴァン・ゴッホによって描かれたように見えるようにすることができる。本発明の方法を使えば、以下に説明するように、ユーザーは、自分の入力したデジタル画像1326を元の有体(非デジタル)画像1311の絵画版とするに際して、どの画家(ヴァン・ゴッホ、モネ、ターナー、又はマグリット等でさえ)又はどの絵画の時代(印象派、リアリズム、キュービズム等)に似せたいのかを予め選択することができる。本発明を使えば、ユーザーは、木になっているリンゴを取ろうとしている少女の単なる写真を、モネ自身がモネの印象派的筆遣いでその少女を描いたような実際に描いたようなデジタル画像に、迅速且つ容易に変換することができる。
【0208】
本発明の方法を実行するソフトウェアプログラムの使用を簡素化すると、本発明の方法は、好ましくはモネ等の画家の特定の一つのタイプにデフォルトし、その後ユーザーは所望によりリストにある他の画家又は絵画の時代に選択的に変更することができる。一旦デジタル画像1326をマイクロプロセッサー系ユニット1320にダウンロードすれば、そのデジタル画像1326はディスプレースクリーン1322の一部に表示され、この方法では、ビットマップを「読む」ことにより、ディスプレースクリーン1322の一部に表示されている特定のデジタル画像1326を構成する各画素のアドレスにある各画素の「色の特徴」(つまり色値)を認識する。
【0209】
図58及び図59を参照すると、本発明の方法の説明用例として、ジョギングしている人のデジタル化された画像が示されている。図58はデジタル画像1326を示しているが、これは有体像1311(上述のとおり)のデジタル表示であっても、主題(デジタルカメラ1328を使用した場合等)のデジタル表示であってもよい。図3は、変更後の質感を強調したデジタル画像1350である。この例のデジタル画像1326は、中景にある二本の木1354の前の前景でジョギングしている女性1352と、背景にある別の二本の低い木を含み、最後に最も前景には低いシダの茂み1358がある。女性1352の肌(つまり女性の顔1360と手1362)は白く、髪1364はブロンドである。この女性は濃紺の上着1366を着て、薄い青色のジョギングパンツ1368をはいている。
【0210】
本発明によれば、デジタル画像1326をコンピューター1310に入力後、本発明によるソフトウェアプログラムがデジタル画像1326と共に「ロード」されたビットマップを「読み」、共通の色の特徴つまり色値を持つ画素を自動的に探して隔離する。共通画素は、例えば30段階までの赤、緑、及び青等のデフォルトRGB色値範囲内にある色成分値を有する一群の画素を含む。本発明の方法と共に用いる、ビットマップを読んで共通の色値を持つ画素の位置を特定する方法は、PhotoShop(商標)の「マジック・ワンド」機能と同様のものとすることができる。
【0211】
図58及び図59に示す例では、デジタル画像1326(図58)のビットマップから、画像中の濃紺の上着1366を構成する画素全てが、共通の色特徴(各色成分である赤、緑、青中の全てのRGB値が30色段階以内にある)を有している、つまり濃紺の上着の全ての画素が、同様の青色の色調(予め設定された色範囲内で、但し色範囲は変更可能)を有していることがわかる。「上着」の画素は、デジタル画像の一つの「作業領域」を規定することになる。
【0212】
同様に、女性の薄い青のジョギングパンツを構成する画素は、共通の色特徴を有するものとして読まれ、よってデジタル画像の別の作業領域を構成する。女性の顔1360及び手1362は、画素の共通性(例えば肌のトーン)により第三の作業領域を構成し、中景の木1354、背景の木1356、及び前景のシダの茂み1358は全て、本発明の方法では、デジタル画像1326の追加的で別個の「作業領域」として処理される。
【0213】
図58に示す例示的画像において全ての作業領域が規定されたら、本発明の方法では、所定の基準を用いて所定の質感を各作業領域に適用する。これは、下記に説明するように、選択した画家、作業領域の大きさ、各作業領域の色、及び特定の作業領域が前景画像として規定されているか等によって異なる。とにかく、実際の絵画では、絵の具を塗る特定の筆遣いが、絵画のスタイル、絵の具のタイプ(水彩、油彩等)、大きさ、形状、及び絵画中における種々の客体及び主題の重要性、並びに画家がその絵画に与えようとしている所望の雰囲気等によって異なるのと同様に、各作業領域に対して異なる質感が適用されることが多い。図58及び図59の例に戻って、本発明の方法によって、規定された各作業領域に異なる質感を適用すると、図58の画像は絵画に似て来る。これを図59に示す。図59に示すように、中景の木1354は、女性1352とは異なる質感であり、前景のシダの茂み1358の質感は背景の木1356とは異なる。各作業領域に適用する質感を変えることにより、変更された画像には深みが出て、絵画様効果にリアルな感じを出す助けとなる。
【0214】
出願人はまた、画素の情報を分析して、どの作業領域に「焦点が合っている」のかを決定し、所定のデジタル化画像の「深度」を決定することを意図している。この情報は、現実の対象物が現実世界の背景に配置されているように、各作業領域が他の作業領域に対してどのように存在しているのかを決定するのに使用することができる。この作業領域の深度情報は、各作業領域に対する筆遣い技術を決定するのに使用することができる。
【0215】
本発明の実施態様の一つによれば、特定のデジタル画像の異なる作業領域が一旦決定されると、電子的テクスチャーを各作業領域に自動的に導入し、好ましくは異なるタイプのテクスチャーを又は少なくとも異なる強度の同一のテクスチャーを各作業領域に導入する。テクスチャーが絵画の筆遣いを表わす場合、本発明の方法では各画素の色値を、ユーザーにより選択された特定の芸術家に応じて(又はデフォルトの芸術家のセッティングを用いて)、各作業領域内で変化させ、その特定の作業領域内で適用された筆遣いをまねる。デフォルトのセッティング及び芸術家を選択するための芸術家の筆遣いの情報がこの方法により提供され、ローカルメモリ(例えばハードドライブ)内に形成された適切なデータベース内にローカルに保存されるか、又は別の場所にあるデータベースからインターネットを介して必要な時にダウンロード等の方法でアクセスされる。
【0216】
図60を参照し、本発明のこの実施態様によれば、ユーザーはまず画像をコンピューターに入力する。工程2100において、コンピューターは慣用の態様で入力された画像のビットマップをつくり各画素に色値を割り当てる。工程2102において、本方法は、所定の画素の色範囲(各RGB色成分の色値30以内等)を用いて、上記の通りに新たにつくったビットマップを「読み」、画素共通性を決定し、画像の異なる「作業領域」をつくる。画素の色範囲は、適切なアクセス可能なデータベース2104に保存することができる。工程2106において、所定のテクスチャーをテクスチャーのデータベース2108にしたがって各作業領域に適用する。ユーザーは、2110において、入力された画像に対しどの型の芸術家又は絵画様式を適用したいかを入力することができる。工程2112において、本方法は変更された画像(各作業領域に適用されたテクスチャーを有する画像)を表示する。(表示された変更画像を見ている)ユーザーが決定工程2114として画像に対する効果を気に入ったら、本方法で変更された画像を工程2116において適切なメモリに保存することができ、これを後で工程2118で印刷することができる。ユーザーが表示された変更画像を気に入らなかった場合は、本方法で自動的に(所定の量又はランダムな量で、又はユーザーにより提供された値で)画素共通性を決定するためめのデフォルトのセッティングのパラメーターを工程2120で変更することができ、その後本方法は工程2102へ戻り、新たな画素共通性パラメーター(各RGB色成分について色値の範囲40等)を用いて新たな作業領域を再び決定する。図60の方法は、ユーザーが、気に入った変更画像を見るまで続く。
【0217】
上記の通り、作業領域は、ビットマップ全体に渡り所定のレベルの解像度で(例えば各RGB色成分について色値の範囲40)、画素共通性を決定することにより規定することができる。一つの作業領域を他から区別するのを補助するため、他の方法を用いることもできる。
【0218】
フラクタルの分野において、現実世界の多くの物体は、解像度の様々なレベルにおいて存在する、固有のパターン又はテクスチャーの繰り返しを有する(例えば、木の枝はその木の葉の葉脈に似たパターンを有する)ことがよく知られている。出願人は、樹木、草、岩、海の波、雲及び丘等の現実世界の様々な物体のテクスチャーの特徴のデータベースを確立するのにこの情報を用い、さらに様々な芸術家又は絵画の時代について、様々な物体に関連した筆遣い情報を付加することを意図する。
【0219】
デジタル化された画像の画素を分析すると、ビットマップの値に「隠された」パターン又はテクスチャー(例えば5つおきの画素が緑の成分のレベル30である等)を識別することができる。パターンのテクスチャーの共通性がデジタル化された画像内に見出されたら、この情報を、画像の作業領域を規定するのに用いることができる。例えば、木の隣に立つ少女を示す画像を分析した場合、画素レベルの解像度で識別されうるパターン又はテクスチャーを、少女の顔を構成する画素の群を木を構成する群から分離するのを補助するのに用いることができる。なぜならば、「顔」の画素は、「木」の画素とは異なるテクスチャーの特徴すなわち「指紋」を有するであろうからである。
【0220】
出願人は、デジタル化された画像内に明らかにされたいずれかの認識されたパターン又はテクスチャーを、上記のパターンのデータベースとさらに比較することができる。適合するものがあれば、その特定の物体とそれに関連する筆遣い情報を使って、電子画像を変更することができる。例えば、木は、その元のテクスチャーにより認識されうる(木が「合焦」しているか否かにかかわらずそのテクスチャーはなお現れうる)。木のパターンは既にデータベースにおいて木と理解されているので、木に関連する筆遣い情報を、所望の芸術家(例えばモネ)と組み合わせて用い、デジタル化された画像をより正確に変更することができる。その結果、変更された画像の最終的な木は、モネにより描かれたように見える。
【0221】
本発明の他の実施態様によれば、本発明の方法は、各作業領域の相対的な面積(平面サイズ)を自動的に決定し、それに従い異なるテクスチャー又は効果を適用する。例えば画家は一般的に、ディテールを達成するために、絵画のより小さな要素を描く際、より小さく薄い筆遣いを用いる。このために、本発明は、(作業領域内の選択された画素の色値を変更することにより)小さな筆遣いを示す第一の「細かい」電子テクスチャーを小さい測定面積を有する作業領域に自動的に適用する。同様に、(これもまた選択された画素の色値を変更することにより)より幅広く長く厚い筆遣いを示す、より「ラフ」な電子テクスチャーを、より大きな作業領域に電子的に適用する。
【0222】
図61を参照すると、ユーザーが変更する画像を入力した後、本発明のこの実施態様による方法では、工程2200において、入力された画像のビットマップを作り各画素に色値を割り当てる。工程2202において、本方法はビットマップ内の色値を比較し、画素共通性を決定し、それにより作業領域をつくる。工程2204において、本方法は慣用の画素計数技術を用いて各作業領域の面積を測定する。工程2206において、本方法は、各作業領域に、その測定面積及び選択された芸術家(入力2207においてユーザーにより選択されたもの)に応じて、データベース2208に保存されたテクスチャーから、テクスチャーを適用する。工程2210において、本方法は、変更された画像(即ち適用されたテクスチャーを有する画像)を表示する。工程2212において、本方法は変更された画像情報を適切なメモリーロケーションに保存し、それは工程2214において後に印刷される。
【0223】
本発明のさらに他の実施態様によれば、一旦全ての作業領域が決定されたら(又はそれぞれが決定されるごとに)、本発明の方法は、いずれかの適切な技術を用いて、各作業領域を強調する。一つの「強調」技術は、所定の太さの線で各作業領域にアウトラインをつけ、重なった画素を、対照的な色値で一時的に変更することにより規定し、それによりそれらが特定の作業領域及び隣接する領域に対し容易に見れるようにすることを含む(例えば、青が赤の領域の隣に位置する場合、プログラムは緑又は黒色等の、両方の領域と対照を成す境界線の色を選択する)。または、境界線を、境界線に沿って時間経過に伴ない変化又は動いて見える複数の色で設け、ユーザーが、デジタル画像の各作業領域を規定する境界線を見るのを補助することができる。本発明の実施態様によれば、本発明の方法は、ユーザーが、作業領域が規定された後であるが様々なテクスチャーが適用される前に、デジタル画像1326をプレビューできるようにする。そのようにする際、ユーザーはカーソル1346及びマウス1338を用い、「画像の前景主題を表わす作業領域を「クリック」して下さい」等の、プログラムにより問われた質問に応答して、特定の強調された作業領域を選択することができる。図58により示される実施例において、ユーザーは、女性、彼女の顔1360、髪1364、手1362、ジャケット1366及びパンツ1368を表わす作業領域を選択するであろう。一旦本発明の方法が特定のデジタル画像(隣接する作業領域が主題を表わす)の「深さ」の情報を学習したら、本方法はもう一回異なるテクスチャーを各作業領域に自動的に適用することができるが、ここでは「共通の深さ」を有する作業領域即ちデジタル画像の共通の主題を表わす作業領域に共通のテクスチャーを適用することができる。この選択的な共通テクスチャーの適用は、オリジナルのデジタル画像1326の写実的な絵画効果を創造するのを補助する。
【0224】
図62を参照すると、ユーザーが変更するための画像を入力した後、この実施態様による方法は、工程2300において、入力された画像のビットマップを作り各画素に色値を割り当てる。工程2302において、本方法はビットマップ内の色値を比較し、画素共通性を決定し、それにより作業領域をつくる。工程2304において、本方法は各作業領域を、好ましくは全て同時に強調する。工程2306において、本方法は強調した各作業領域を表示し、それによりユーザーが入力2308において前景作業領域を選択できるようにする。工程2310において、本方法は、(ユーザーによって入力2312において選択された)選択芸術家及び選択された前景作業領域にしたがって各作業領域に、データベース2314に保存されたテクスチャーからテクスチャーを適用する。工程2316において、本方法は変更された画像(つまりテクスチャーを適用した画像)を再表示する。工程2318において、本方法は、変更された画像情報を適切なメモリーロケーションに保存し、それは工程2320において後に印刷される。
【0225】
図63に示す通り、そして本発明のさらにほかの実施態様によれば、各作業領域1371の縁又は境界線1370が(ビットマップにおいて)知られているので、(所定の範囲で)境界線に隣接する全ての画素は、縁領域1372として再規定される。さらに芸術家の現実の筆遣いをデジタル画像1326で模倣するため、縁領域1372内に位置する画素は、特定の境界線の方向(又は形)及びユーザーにより選択されたアーチストのタイプに従い、ビットマップ(即ちデジタル画像)に適用される「方向性筆遣い」を表わすよう変更される。例えば、芸術家としてレンブラントが選択された場合、この実施態様による本発明の方法では、縁領域1372内に、一般的に隣接境界線1370の方向又は経路に従う、方向性の筆遣いを表わす電子的テクスチャーが導入され、なめらかで、よく規定された「写実的な」、二つの作業領域(異なる色の明度を有する二つの隣接する領域)間の推移をつくる。対照的に、他の例として、芸術家としてモネが選択された場合、縁領域内に適用されるテクスチャーは、境界線1370に対し角度を有する方向性筆遣いを表わし、場合によっては筆遣いが実際に一の縁領域1372から隣接する作業領域の他の縁領域1372にオーバーラップし、希釈された、柔らかい、「印象派風」の、第一の色明度の作業領域から隣接する異なる色明度のものの一つへの推移をつくるだろう。
【0226】
図64を参照すると、ユーザーが変更するための画像を入力した後、この実施態様による方法は、工程2400において、入力された画像のビットマップを作り、それにより各画素に色値を割り当てる。工程2402において、本方法はビットマップ内の色値を比較し、画素共通性を決定し、それにより作業領域をつくる。工程2404において、本方法はビットマップを縁領域1372を規定するのに用いる。縁領域1372は、特定の作業領域の対応する境界線1370の形状に従い、作業領域の測定面積(又は多分選択された芸術家又は絵画様式)等の様々なパラメーターに従い変化する所定の太さを有する。工程2406において、本発明の方法は(入力2408においてユーザーによって選択された通りの)選択芸術家及び選択された前景作業領域に従い、データベース2410に保存されたテクスチャーから、各作業領域にテクスチャーを適用する。工程2412において、本方法は、特定の作業領域の境界線1370の特定の方向及び位置に従い、所定の絵画筆遣いを各縁1370領域に適用する。各絵画筆遣いのタイプ、サイズ、形状、「重さ」及び方向に関しての、及びそのような各絵画筆遣いを縁領域内で縁領域のサイズ及び形状及び境界線1370の方向にしたがって及び選択された芸術家にしたがってどのように適用するかについての絵画筆遣い情報は、絵画筆遣いのデータベース2414において提供される。工程2416において、本方法は画像全体にわたっての縁領域及び作業領域の両方のテクスチャーのバリエーションを示す変更されたデジタル画像を表示する。変更された画像は、工程2418において適切なメモリに保存することができ、工程2420において、紙(又は他のいずれかの実体的な媒体)上に印刷することができる。
【0227】
本発明の方法は、選択された絵画時代又は特定の芸術家、測定された各作業領域の面積、及びユーザーによって手動でグループ化された作業領域にしたがって所定のテクスチャーを各作業領域及び縁領域に適用する。本方法によりデジタル画像に適用される好ましい電子筆遣いテクスチャーは、好ましくは、形状、サイズ、深さ又は「重さ」(パレットナイフ様効果の幻影を与えるため「絵の具」の厚みを模倣するための、各筆遣いへの電子的影つけ効果の導入)、始まり及び終わりの幅、境界情報又はその他に対する(より垂直又はより水平)筆の方向、現実世界の筆の異なるタイプにより作られる筆遣い例えば「扇」タイプの筆又はまっすぐな固い筆又は細かく形作られた筆を用いてつくられた筆遣い又はスポンジ塗布器を用いた洗い効果、が変化する。さらに、作業領域の間の境界線を検出し、白い色に変更し、隣接する色又は領域でにじむ(wash-through)ことを防ぐための水彩画家の絵画技術を模倣することができ、各作業領域内の画素を水彩画を表現する態様で変更することができる。又は、隣接作業領域間の、全て又は選択された境界線にわたり制御された態様で電子的に「にじむ」効果を導入することができ、現実世界の水彩芸術家により一般的に用いられる「色にじみ(color-wash)」又は「ブリーディング」効果を表現することができる。
【0228】
本発明のさらに別の実施態様によれば、ユーザーが特定のデジタル画像をコンピューターにロードした後、本発明の方法は自動的に全ての作業領域を検出し、プリセットされたデフォルトの要件に従い上の実施態様において述べた通りに各作業領域に所定のテクスチャーを適用し、変更された画像をユーザーのレビューのために表示する。図65及び66を参照すると、この実施態様による方法では、ディスプレイスクリーン1322上に、ユーザーインタラクションウインドウ1380が電子的に表示される。ウインドウ1380は好ましくは第一のレビューパネル1382、第二のレビューパネル1384及び「再描画」とラベルされた少なくとも一つの制御ボタン1386(マウス1338及びカーソル1346を用いて選択されうる)を含み、「前」とラベルされたもう一つのボタン1388及び「選択」とラベルされた第三のボタン1390を含むことができる。この実施態様の操作において、オリジナルのデジタル画像1392はまず第一のレビューパネル1382に表示され、本方法は自動的に、上に述べた通りに所定のテクスチャーを適用し、それにより第一の変更された画像(即ち第一の「絵画」)1394をつくる。図65に示されるとおり、第一の絵画1394は第一のレビューパネル1382に表示され、オリジナルの画像1392は自動的に隣接する第二の表示レビューパネル1384に送られる。
【0229】
ユーザーが第一のレビューパネル1382に(第二のレビューパネル1384に示された「前」のオリジナルの画像1392と容易に対比できるものとして)示された第一の絵画1394を気に入った場合、ユーザーは慣用の態様でマウス1338及びカーソル1346を用いて「選択」ボタン1390を選択することができ、その時点で本方法は変更された「第一の絵画」1394を保存する。しかしながら、ユーザーが第一の絵画の試みを気に入らなかった場合は、「再描画」ボタン1386を選択することができ、その時点で、本発明の方法は適用されるテクスチャーのレベル又は強度、用いられるテクスチャーのタイプ、縁領域及び縁筆遣いの使用、特定の芸術家、特定の使用筆遣い、絵画時代又はタイプ、又は作業領域又は縁領域のいずれかを規定するのに用いられる要件等の所定の要件を変更し、オリジナル画像1392又は第一の絵画1394を再変更することができる(好ましくはオリジナルの画像が「再描画」される)。
【0230】
一旦(オリジナル画像1392の)第二の絵画1396が完成したら、本方法は、第二の画像1396を第一のレビューパネル1382内に表示し、その時点で第一の絵画1394は自動的に第二のレビューパネルに送られ、オリジナル画像1392は好ましくは一時的にメモリに保存され視野から除かれる。ユーザーはここで、スクリーン上に示される第一及び第二の絵画を単に対比することができる。ユーザーは、「選択」ボタン1390を押して、第一のレビューパネルに示された第二の絵画1396を保存することができ、又は「再描画」ボタン1386を押して、一つ以上の変更パラメーターを上に述べた通り再び変更することにより、本発明の方法による変更処理を繰り返して、第三の絵画(図示せず)をつくることができる。この第三の絵画は、第一のレビューパネル1382に示され、第二の絵画1396は第二のレビューパネル1384へ移動し、第一の絵画は一時RAM保存(視野外)に移される。最後に、ユーザーは「前」ボタン1388を選択することにより、第一の絵画1394をオリジナル画像1392とともに見るために「戻る」ことができる。これにより、本発明の方法はオリジナル画像1392をRAMメモリから呼び出し、第二の絵画1396をRAMメモリに移しスクリーンから消す。
【0231】
図65及び66に図示される本発明の方法の利点は、ユーザーが、素早く容易に、オリジナルの画像を進行的に変更させる態様で、特定のバージョンを気に入るまで変更させることができることである。この方法では単純に様々なパラメーターの所定のシーケンスに従って、それぞれが前のものと異なって見える絵画様の画像を提供することができる。ユーザーは、複雑なデジタルイメージングプログラムを習得する必要及び写真から「絵画」をつくるための各々の及び全ての効果を手動で適用する必要がない。ユーザーは単にボタンを押すだけで所望の絵画効果を得ることができる。本発明では、ユーザーの要求に応じて、同一のデジタル画像を連続的に「再描画」することができ、ユーザーがデジタル画像の変数の所望の「組み合わせ」を見出すまで各回において一つ以上のパラメーター又は要件をブラケッティングの態様で変更することができる。
【0232】
本発明の方法を用いて一旦特定のデジタル画像1326が成功裡に変更されると、ユーザーは、変更されたデジタル画像データを慣用のプリンター1398(図57参照)に送り、変更されたデジタル画像を実体的な媒体に印刷するか、コンピューターのハードドライブ、光学CD、磁気保存ディスク等慣用の適切なメモリ位置に送るか、インターネットを介して直接ウェブサイトに送るか、又はe-メール(インターネットを介して送る電子メール1342)に包含させる(又は添付する)ことができる。
【0233】
また、ユーザーは、変更されたデジタル画像データを、インターネットを介し予め確立された位置へ送ることができ、そこで電子的「絵画」をキャンバス、紙、若しくは衣類等の実体的な媒体に印刷することができ、又はインターネット上のウェブサイトにおいて変更された画像(「絵画」)を単に表示することができる。
【0234】
本発明の方法を含むソフトウェアプログラムはまた、リモートプログラムサイトに配置して、ローカルサイトのユーザーにより、インターネットを用いて制御された態様でアクセスすることもできる。このような例において、ユーザーは実体的な画像をデジタル画像にデジタル化し、デジタル画像をプログラムサイトに送信することができる。リモートプログラムサイトに位置するソフトウェアプログラムは、ユーザーによる指示に従ってデジタル画像を変更し、変更されたデジタル画像をインターネットを介しユーザーのローカルサイトに返送し及び/又は変更されたデジタル画像を上記の通り実体的な媒体に印刷することができる。
【0235】
上記の方法は、単独又は組み合わせて操作することができる。プログラマーは、適切なコンピュータにより読むことができる、本発明の方法を含んだ、指示の集合(プログラム)をつくることができ、それによりこの方法をコンピューターにより行うことができる。コンピュータとコミュニケートするためには、「C」、「C++」COBAL及びAPL、又はプログラマーにより理解しうる他の適切ないずれのコンピューター言語をも用いることができる。
電子効果の規定
上記の本発明の方法は全て、デジタル画像を、特定の芸術家又は絵画時代により描かれたように見えるよう変更することを意図する。上記方法は、選択された芸術家の実際の絵画又は選択された時代の絵画から導かれた筆遣い情報を用いることができる。実際の絵画は、例えば、レーザースキャナを用いてスキャンし、コンピュータが、絵画を作るのに用いた画家の筆遣いを「読む」ようにすることができる。スキャンされた主題絵画のグラフィックな情報は電子メモリに保存され、デジタル的に操作され、主題絵画にわたり用いられた、絵画の筆遣いの詳細が抽出される。操作工程は、筆遣いの詳細を平均化し、一般的なパターン又はテクスチャーをコンピュータ内で電子的に生成することを含むことができ、そこで生成したパターン又はテクスチャーは、一般的に特定の芸術家の絵画の筆遣いを模倣する。多くの絵画が「読まれ」たのち、各画家の絵画様式のパターンが確立される。得られた筆遣いパターンは、様々なテクスチャーが上記の通り電子的にデジタル画像に適用されるので、ガイドとして用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の第一実施態様による一眼レフカメラ(SLR)の断面図であり、フィルムストリップと、光学変形プレートと、フィルム面と、レンズ組立体と、入射光線とを示している。
【図2】 図2aは、本発明の別の実施態様による光学変形装置の平面図である。図2bは、図2aの光学変形装置の側面図である。図2cは、カメラのフィルムゲートの断面側面図であり、図2bの光学変形装置がフィルムゲート内に配置されている状態を示している。
【図3】 図3は、本発明の別の実施態様による光学変形プレートを用いたフィルムカセットの一部断面正面図である。
【図4】 図4は、図3のフィルムカセットの一部断面頂面図である。
【図5】 図5は、本発明の別の実施態様による、フィルムストリップ、光学変形ストリップ、及びフィルムボビンの部分前面図である。
【図6】 図6は、図5のフィルムストリップ、光学変形ストリップ、及びフィルムボビンを操作Iに配したカメラの断面側面図である。
【図7】 図7は、図6のカメラの背面図である。
【図8】 図8は、図7の8−8線に沿った部分側面断面図であり、カメラのフィルム面にあるフィルムストリップ及び光学変形ストリップの詳細を示している。
【図9】 図9は、本発明の別の実施態様による光学変形カートリッジを非操作位置で示すカメラの断面背面図である。
【図10】 図10は、図9のカメラの断面背面図であり、光学変形カートリッジがフィルムゲート前の操作位置にある状態を示している。
【図11】 図11は、図10の11−11線に沿った部分頂面断面図であり、カメラのフィルム面にあるフィルムストリップ及び光学変形カートリッジの詳細を示している。
【図12】 図12は、図11の12−12線に沿った部分側面断面図であり、フィルムストリップガイド及び光学変形カートリッジ(挿入後)の詳細を示している。
【図13】 図13は、本発明の別の実施態様によって、カメラ本体とレンズ組立体(どちらも仮想線で示す)との間に連結された変形装置ホルダーの断面側面図である。
【図14】 図14は、図13の変形装置ホルダーの一部断面側面図である。
【図15】 図15は、図14の変形装置ホルダーの部分断面図である。
【図16】 図16は、本発明のさらに別の実施態様による光学変形装置組立体を示す、使い捨てカメラの頂面図である。
【図17】 図17は、図16の17−17線に沿った、図16のカメラ及び光学変形装置組立体の部分断面頂面図である。
【図18】 図18は、図16の光学変形装置組立体の部分断面頂面図であり、図17の18−18線に沿った光学変形装置組立体の詳細を示している。
【図19】 図19は、本発明のさらに別の実施態様による光学変形装置の部分断面前面図である。
【図20】 図20は、図19の20−20線に沿った、図19の光学変形装置の部分断面図である。
【図21】 図21は、本発明のさらに別の実施態様による、光学変形装置ホルダーの断面図である。
【図22】 図22は、図21の22−22線に沿った、図21の光学変形装置ホルダーの部分断面図である。
【図23】 図23は、二つの花の写真の説明的図面である。
【図24】 図24は、本発明による光学変形装置の一つによって像の光を拡散させた、二つの花の写真の説明的図面である。
【図25】 図25は、本発明による別の光学変形装置によって像の光を拡散させた、二つの花の写真の説明的図面である。
【図26】 図26は、本発明の別の実施態様による光学変形装置ターレット組立体の前面図である。
【図27】 図27は、図26の変形装置の27−27線に沿った断面側面図である。
【図28】 図28は、図27の28−28線に沿った変形装置ディスクの一部断面前面図である。
【図29】 図29aは、本発明の別の実施態様によるカメラの断面図であり、フィルムゲートと、収容位置にある二つの枢動変形装置とを示している。図29bは、図29aのカメラの断面図であり、第一変形装置が収容位置にあり、第二変形装置がフィルムゲート内に配置されている状態を示している。図29cは、図29aのカメラの断面側面図であり、本発明による第一変形装置がフィルムゲート内にあり、第二変形装置が収容位置に配置されている状態を示している。
【図30】 図30aは、本発明の別の実施態様によるカメラの一部断面背面図であり、フィルムゲート、フィルム、レール、並びにフィルムゲートから離隔した収容位置に配置された第一及び第二変形装置を示している。図30bは、図30aのカメラのフィルムゲート領域を概略的に示す頂面図であり、第一及び第二変形装置がフィルムゲートから離隔した収容位置に配置されている状態を示している。
【図31】 図31aは、図30aのカメラの一部断面背面図であり、第一変形装置がフィルムゲート内に配置されている状態を示す。図31bは、図31aのカメラのフィルムゲート領域を概略的に示す頂面図であり、第一変形装置がフィルムゲート内に配置され、第二変形装置が収容位置にある状態を示している。
【図32】 図32aは、図30aのカメラの一部断面背面図であり、第二変形装置がフィルムゲート内に配置されている状態を示している。図32bは、図32aのカメラのフィルムゲート領域を概略的に示す頂面図であり、本発明に従って、第二変形装置装置がフィルムゲート内に配置され、第一変形装置が収容位置にある状態を示している。
【図33】 図33は、本発明の別の実施態様による使い捨て一眼レフカメラの概略図であり、枢動反射鏡がビュー位置に配置されている状態を示している。図33bは、図33aのカメラの概略図であり、本発明に従って、枢動反射鏡がビュー位置から露光位置へ再配置される状態を示している。図33cは、図33aのカメラの概略図であり、本発明に従って、枢動反射鏡が露光位置に配置されている状態を示している。
【図34】 図34は、本発明の別の実施態様によるカメラの概略図である。
【図35】 図35a及び図35bは、カメラ内の種々のエレメントが見ているサンプルイメージを含む、図34のカメラの概略図である。
【図36】 図36は、本発明の別の実施態様による変形装置組立体の概略図である。
【図37】 図37は、図36の変形装置組立体をカメラ内に配置した、本発明の別の実施態様によるカメラの断面側面図である。
【図38】 図38は、三つの異なる変形装置を含む、本発明の別の実施態様による変形装置組立体の概略図である。
【図39】 図39a〜図39cは、本発明による、図38の各変形装置に配置された各歪みパターンの例である。
【図40】 図40は、レンズアタッチメントを含む、本発明のさらに別の実施態様によるカメラの側面図である。
【図41】 図41は、本発明による図40のレンズアタッチメントの断面図である。
【図42】 図42a〜図42cは、図40〜図41のレンズアタッチメントを使用した歪み画像の例である。
【図43】 図43は、本発明の別の実施態様により、X軸、Y軸、及びZ軸に沿って配置された変形装置と振動発生装置の斜視図である。
【図44】 図44は、本発明の別の実施態様による変形装置カプラーを含むカメラの断面側面図であり、リレーレンズ組立体の詳細を示す。
【図45】 図45は、本発明による図44の変形装置結合器の背面図を示す。図45aは、本発明による図44の変形装置結合器内に配置された変形装置の回転運動を許容するアクチュエーターの平面図である。
【図46】 図46a〜図46eは、本発明による変形装置の例を示す前面図である。
【図47】 図47aは、本発明の別の実施態様によるプリズム式変形装置の前面図である。図47b〜図47cは、図47aのプリズム式変形装置の操作の詳細を示す側面図である。
【図48】 図48は、本発明の別の実施態様による可動変形装置カートリッジの前面図であり、振動発生装置と挿入した変形装置とを示す。
【図49】 図49aは、本発明による可動変形装置カートリッジを空の状態(変形装置が挿入されていない状態)で示す前面図である。図49b〜図49eは、本発明による変形装置の例を示す前面図である。
【図50】 図50a〜図50fは、本発明の別の実施態様による変形装置カプラーの説明的側面図であり、偏向可能第一レンズと変更可能変更装置とを示す。
【図51】 図51は、カメラの背面図であり、縁部レール、フィルムスライド、フィルムゲート、及びシャッターを含むフィルム移動組立体の詳細を示す。
【図52】 図52は、図51と同様の図であるが、本発明の別の実施態様により、カメラのフィルムゲート内に配置した変形装置を含む。
【図53】 図53は、本発明による一連の変形装置の平面図であり、様々な粗粒子効果、並びに粗粒子効果の質感の詳細を示す対応する引伸ばし画像を示す。
【図54】 図54は、本発明の別の実施態様によるカメラレンズ及び焦点ぼかし用カプラーの側面図であり、フィルムに記録されたぼかし画像(現像後のポジ画像として示す)の例を示す。
【図55】 図55は、本発明による映画用カメラ、レンズ、及び間に配置したぼかし用カプラーを示す側面図である。
【図56】 図56は、本発明の他の実施態様による、本体、レンズ、及びLCD露出補正モジュールを備えるカメラの平面図である。
【図57】 図57は、コンピューターデータ入力用周辺機器、メモリー装置、出力用周辺機器、および種々の具体的画像フォーマットを含む、本発明の実施に使用可能な代表的コンピューターシステムを示す。
【図58】 図58は、説明として用いる、ジョギングをしている女性が前景に、樹木や植物が中景、前景、及び背景にあるデジタル原画像である。
【図59】 図59は、説明として用いる、図58に変更を加えたデジタル画像であり、画像のそれぞれの作業領域に適用した質感を示す。
【図60】 図60は、本発明の方法によるデジタル画像処理の例を示すフローチャートである。
【図61】 図61は、本発明の第二の方法によるデジタル画像処理の例を示すフローチャートである。
【図62】 図62は、本発明の第三の方法によるデジタル画像処理の例を示すフローチャートである。
【図63】 図63は、女性の頭部及び上半身のデジタル画像であり、本発明による「作業領域」と「縁領域」の例を示す。
【図64】 図64は、本発明の第四の方法によるデジタル画像処理の例を示すフローチャートである。
【図65】 図65は、本発明のデジタル画像処理を行なっているコンピューターの画面を示す例であり、使用者の操作によって、デジタル原画像が第一変更画像と比較され、次いで第二変更画像と置きかえられる。

Claims (1)

  1. 前及び後を有する本体と、
    前記本体の前記後に隣接して位置するフィルム面と、
    前記フィルム面の前に所定距離離れて位置し、第一の被写界深度を有する中間焦平面と、
    前記中間焦平面に位置し像からの光を受容するのに適合した受像スクリーンと、
    前記中間焦平面の前に位置する第一のレンズであって、像からの光を前記受像スクリーン上に合焦するのに適合する第一のレンズと、
    前記受像スクリーンを選択的に変形させて、前記受像スクリーンの選択された焦点ぼかし部分を前記中間焦平面から外して前記第一被写界深度外に配置し、該受像スクリーンの焦点ぼかし部分が、前記像から受けた光の焦点をぼかし、選択的に焦点をぼかした画像を作り出すようにする、受像スクリーンを選択的に変形させる手段と、
    前記中間焦平面と前記フィルム面との間に位置する第二のレンズであって、前記選択的に焦点をぼかした画像を前記フィルム面に合焦するのに適合する第二のレンズとを備えるカメラ。
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