JP3672873B2 - 極低温冷却装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、極低温冷却装置に係り、特に、冷凍機にジュール・トムソン(JT)回路を付加して、冷凍能力を増大させたり、冷凍温度を低下させた冷凍機に用いるのに好適な、冷凍機を安定に運転することが可能な極低温冷却方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常使われる冷凍機、例えばギフォードマクマホン(GM)冷凍機、パルスチューブ冷凍機、スターリング冷凍機等は、2段で構成されており、GM冷凍機20について図示した図1に示す如く、運転すると1段目(1段ステージと称する)21の温度は、例えば77K(使用する機種や負荷の大きさにより決まり、45〜90Kとなるようにする)、2段目(2段ステージと称する)22の温度は、例えば10K以下まで冷却することができる。特に、2段ステージ22の温度は、用途に合わせ、GM冷凍機内部のディスプレーサに入れる蓄冷材を変えることにより、2.5K程度まで冷却することができるようになっている。通常、超伝導マグネットの冷却等の場合、4K以下まで冷却する。
【0003】
図において、10は、超伝導マグネット等の被冷却物、12は、断熱のための真空容器、18は、GM冷凍機の圧縮機である。
【0004】
しかしながら、GM冷凍機単体では、通常2.5K以下に冷却することはできない。又、この時の冷凍能力は0になる。通常、超伝導マグネット等の冷却に良く使用されるGM冷凍機20の場合は、1段ステージ21で3〜50W(温度が77Kの時)、2段ステージ22で0.1〜1.5W(温度が4.2Kの時)の冷凍能力があり、用途により、適当な容量の機種を選定する。
【0005】
しかしながら、更に低い温度までの冷却や、10K以下(特に5K以下)で、より大きい冷凍能力が必要な場合には、GM冷凍機20だけでは対応できないため、図1に示した如く、GM冷凍機20を一次の冷却装置として用い、これに、いわゆるJT回路30を付加して冷凍機を構成している(特開平10−73333、特開平11−108476参照)。
【0006】
前記JT回路30は、3つの冷却器31、32、33と、3つの熱交換器34、35、36と、JTバルブ38で構成されており、これらは断熱のため、真空容器12内に入れられている。ここで、JTという名前は、ヘリウムガスを断熱自由膨張させ、ジュール・トムソン効果による冷却を利用することから、そう呼ばれている。JT回路を付加したGM冷凍機で低圧圧力が0.1MPa、高圧圧力が1MPaの温度(T)−エントロピー(S)線図の例を図2に示す。
【0007】
このJT回路30を付加した冷凍機の場合、圧縮機40から出た高圧(1〜2MP)のヘリウムガスは、第1熱交換器34に入り、戻って来る低温のヘリウムガスと熱交換して、90K程度まで冷却される。次に、GM冷凍機20の1段ステージ21に設けられた1段冷却器31で75K程度まで冷却される。この1段冷却器31は、主に第1熱交換器34(効率が高い程良いが、100%にすることはできない)で生ずる損失を補う。次に、第2熱交換器35に入り、戻って来る低温のヘリウムガスと熱交換して、15K程度まで冷却される。この、GM冷凍機20の2段ステージ22に設けられた2段冷却器32で10K程度まで冷却される。次に、第3熱交換器36に入り、戻って来る低温のヘリウムガスと熱交換して、約6Kまで冷却される。
【0008】
ヘリウムガスは、約30Kに逆転温度があり、この温度以下では膨張することにより、温度が低下する領域(温度と圧力で決まる)がある。従って、6K程度まで冷却されている高圧のヘリウムガスを、断熱自由膨張で大気圧(約0.1MPaで温度は4.2Kになる)まで膨張すると、一部液体になる。どの程度の量が液化するかは、膨張前の温度と圧力及び膨張後の圧力で決まる。
【0009】
膨張後にヘリウムが液化している場合は、その液体ヘリウムの蒸気圧(膨張後の圧力と同じ)で決まる温度(平衡温度と称する)になる。
【0010】
ヘリウムガスの膨張は、膨張弁であるJTバルブ38を通して行われる。この膨張は断熱自由膨張であるため、膨張弁は単なる絞り弁(通常は小さなニードルバルブを使用する)となっている。膨張後のヘリウムは、負荷冷却器33により被冷却物10を冷やし(熱を受け取り)、液が蒸発して、第3熱交換器36、第2熱交換器35、第1熱交換器34の順に戻って行き、室温に戻り、再び圧縮機40で圧縮される。
【0011】
このようなJT回路30を付加することにより、JTガス回路30のガスを圧縮するための動力は必要となるが、低温(5K以下)での冷却能力は、GM冷凍機単体の場合の約10倍程度まで増大させることができる。例えば、4.2Kで1Wの冷却能力があるGM冷凍機を、JT回路の一次冷却装置に使った場合、4.2Kで約10Wの冷凍能力のある冷凍機を作ることができる。
【0012】
又、ヘリウムガスの膨張後の温度は、膨張後の圧力で決まる(膨張後、液が生成される領域にある場合)ため、この圧力を下げることにより、1.8K程度まで、下げることが可能になる。なお、温度を下げれば、その分、冷凍能力も小さくなる。
【0013】
このように、JT回路30は、機構的には単純である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、JTバルブの温度は、6K若しくはそれ以下であるため、膨張前のヘリウムガスは超臨界状態にあり、極僅かな温度変化で、密度や粘性が大きく変化する。従って、JTバルブは、少しの温度変化で物性値が大きく変わるヘリウムガスを、設定した最適な流量になるよう調節する必要がある。このため、JTバルブに小さなニードルバルブを使用していても、非常に微妙な調整が必要となる。
【0015】
通常、JTバルブ38のニードル38Nの駆動には、図3に示す如く、マイクロメータのヘッド38Hを使い、ニードルの動きをμmの単位で調節している。それでも、冷却負荷の変化、冷凍機の運転環境の温度変化等で、JTバルブの温度が微妙に変わり、最適に設定していた流量が、大きくずれてしまって、冷凍機が最適な運転状態から大きく外れてしたまうことが多く発生する。
【0016】
このような場合、再度調整(冷凍機が安定するのを待って調整するため、長い時間がかかる)しなければならない。これらを改善するために、JTバルブを電気又はエアーで駆動する方法も考えられるが、バルブそのものは同じであるため、ニードル自体の動きが小さいことは変わらず、ニードルの非常に小さなストロークを正確に動かさなければならないため、駆動装置が大掛かりに、又、高価な物になってしまうという問題点を有していた。
【0017】
又、従来のJTバルブ38は、高圧側の流量を調整できるように、バルブの駆動部(電動や空気圧駆動のアクチュエータ、人力による調整の場合は前記マイクロメータヘッド38H)を、真空容器12外に出すように設置している。従って、JTバルブは、真空のシールと侵入熱の防止に、特に注意を払って設計する必要がある。このため、構造が複雑になり、寸法も大きくなって、他の部材の配置等にも影響し、冷凍機の寸法を大きく複雑にして、製作費が高価な物になっていた。更に、JTバルブのステム38S部分の寸法が、侵入熱を少なくするために50cm〜1m程度と長いので、温度変化の影響を受け易く、流量が不安定になり易くなっていた。
【0018】
なお、特開平5−60409には、JTバルブの代わりに冷媒の圧力を下げる固定抵抗体を介装すると共に、真空容器外の高圧配管に、冷媒の圧力を調節する圧力調整弁を介装して、JTバルブを廃止することが提案されているが、低温部で圧力調整ができないため、動作が不安定になるだけでなく、特に低流量では、JTバルブの機能が得られないという問題点を有していた。
【0019】
本発明は、前記従来の問題点を解消するべくなされたもので、JT回路に流れる冷媒の流量を安定化することができ、従って、冷凍機を安定に運転できるようにすると共に、JTバルブを小さくコンパクトにし、冷凍機の構造を簡略化し、安く製作することが可能となるようにすることを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
JTバルブは、本来、膨張弁としての機能と、流量調節弁としての機能を持っており、この二つの機能は、JTバルブとして考えた時、一つの弁で実現する必要はない。特に、低温部に置く弁は膨張弁としての機能があれば良く、流量調節弁として働く必要はない。そこで、膨張機能だけを持った弁を用意すれば、JTバルブとして扱うことができる。
【0023】
本発明は、このような点に着目してなされたもので、冷媒を一次冷却するための冷凍機と、該冷凍機で一次冷却された冷媒を断熱自由膨張させ、ジュール・トムソン効果により更に冷却して極低温を得るためのジュール・トムソン回路とを備えた極低温冷却装置において、冷媒を膨張させるための、低温部に配設された膨張弁と、冷媒の流量を調整するための、室温部に配設された流量調整手段とを備え、前記膨張弁の駆動部を、真空容器内に配設することにより、前記課題を解決したものである。
【0024】
又、前記膨張弁を、入側の圧力を設定値に保つ一次圧調整弁として、構成を簡略化したものである。
【0026】
本発明は、更に、前記膨張弁の駆動部を、所定の低温に冷却するようにして、JT回路に必要なガス量を大幅に減少させ、冷凍装置、特にJT回路のバッファタンクを小さくする(場合によっては無くす)ことができるようにして、冷凍装置全体をコンパクトにし、安く製作することができるようにしたものである。
【0027】
又、前記膨張弁の駆動部を、熱アンカーを介して、冷凍機の冷却部材に接続して、構成を簡略化したものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0029】
先ず比較例について説明する。この比較例は、図1に示した如く、膨張弁としての機能と、流量調節弁としての機能を合わせ持つ従来のJTバルブ38を、図4に示す如く、膨張弁としての機能のみを持つ膨張弁(JTバルブとも称する)50と、流量調整機能を持つバルブ(流量調整弁)52に分け、低温(約6K)に置く必要のある膨張弁50を従来通り第3熱交換器36の後に置き、一方、流量調整弁52は、室温の冷凍機入口配管54に置くようにしたものである。
【0030】
他の点については、図1に示した従来例と同様であるので、説明は省略する。
【0031】
前記膨張弁50としては、例えば図5に示すような、入口側の圧力(一次圧と称する)を、ある設定した圧力に保つように働く一次圧調整弁を用いることができる。この一次圧調整弁50は、入口圧力が上昇すると、ばね50Cに抗してベローズ50Bが伸びてニードル50Nの先端を上げ、バルブを開いて、入口圧力を下げる。逆に、入口圧力が下がると、ばね50Cの作用でベローズ50bが縮んでニードル50Nの先端を下げ、バルブを絞って、入口圧力が低下するのを防ぐ。
【0032】
図において、50Aは、ばね50Cを介して圧力を調整するための圧力調整ねじ、50Sは、侵入熱を少なくするために、従来例と同じく長くされたステムである。
【0033】
このように、一次圧調整弁50は、流れる流量に関係なく、入口圧力を一定に保つ。入口圧力の検出とアクチュエータとしての機能は、上部に設けられたべローズ50B又はダイヤフラムで行う。調整圧力の設定は、ベローズ50B又はダイヤフラムを抑えるばね50Cの力を、圧力調整ねじ50Aで調整して行う。
【0034】
以下、一次圧調整弁50の動作を詳細に説明する。
【0035】
ガス入口は、バルブステム50Sにより、上部にあるベローズ50Bの内部と連通している。ベローズ50Bの上部蓋50Uには長いニードル50Nが取り付けられている。ベローズ50Bの上には、ばね50Cが設けられ、ベローズ50Bを押している。
【0036】
今、入口に、ある圧力のガスを供給した時、ベローズ50Bの内部は供給圧力となる。ベローズ50Bの有効面積をA、ベローズ50Bの内と外の差圧をPとすると、ベローズ50Bに発生する力Fは、
F=A×P
となる。供給圧力が高く、この力Fが、ベローズ50Bを押しているばね50Cの力より大きいときは、ベローズ50Bは伸びてニードル50Nが持ち上げられる。これにより、ニードルバルブが開いて、供給ガスを出口から逃す。逆に、供給圧力が低い時には、ニードルバルブは閉じている。このようにして、このバルブは、入口圧力を一定に保つ。
【0037】
前記のように、JTバルブ50はJT回路30の高圧側圧力を一定に保つ働きをするため、これより少し高い(0.05〜0.1MPa)圧力のガス源(圧縮機)40から冷凍機へガスを流してやると、JTバルブ50は高圧側の圧力を一定に保つように動作するため、流量調整弁が無いと、流量は、熱交換器や配管の圧力損失で制限されるまで、どんどん大きくなる。
【0038】
これでは冷凍機として正常に働かないので、ガス源と冷凍機入口の間に、流量を調整するバルブ52を入れ、これで冷凍機の運転に最適なガス流量を流してやれば、冷凍機を安定に運転することができる。
【0039】
前記流量調整弁52は、室温にあるので、流量を調整できれば、どのような形式でも構わず、普遍に市販されているバルブを用いることができる。
【0040】
前記流量調整弁52の例を図6に示す。図において、52Nはニードル、52Aは、該ニードル52Nを上下させて、流量を調整するためのねじ、520は0リングである。
【0041】
この流量調整弁52は、室温に置いているので、低温に置いたバルブに比べ、遥かに安定に決まった流量を流すことができる。又、より安定させたい時でも、低温の自動調整弁よりも安価に製作することができる。逆に、厳密に調整する必要がない場合には、オリフィスを用いて固定化することも可能である。
【0042】
このようにして、低温に置くJTバルブを、膨張弁の機能を持った一次圧調整弁50とすることによって、従来のJTバルブが必要とした微妙な調整が不要になる。又、流量調整は、室温に置いた流量調整弁52を調節すれば良く、低温での調整バルブに比べ、格段に良い安定性が得られる。又、バルブ以外にオリフィスを用いることも可能である。
【0043】
更に、冷凍機が冷えていてもいなくても、冷凍機を運転する時最初に流量調整をしておけば、後は安定に設定された流量で流れる。更に安定させるには、流量計で流量を測定して、一定の流量に調整するようフィードバック制御を行うことも、比較的簡単な回路で可能である。
【0044】
これにより、JT回路を負荷した冷凍機を非常に安定に運転することが可能になる。
【0045】
次に、比較例を改良した本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0046】
普通、冷凍機の高圧圧力は、冷凍機の効率を上げるため、MPaの圧力としている。冷凍機の運転中は、この圧力はあまり変える必要はなく、普通、圧縮機の運転の都合上、一定に保っている。このため、比較例のように、JTバルブに一次圧調整弁の機能を持たせると、この設定圧力を変える必要はない。従って、JTバルブの駆動部を、真空容器外に出す必要はない。特に、バルブの駆動部は低温にすることができる場合は、バルブの長いステム部は不要となる。
【0047】
そこで、本実施形態では、図7に示す如く、JTバルブ60が低温でも動作できるように、駆動部に金属(ステンレス、銅合金、ニッケル等)製のベローズ60B又はダイヤフラムを使用し、溶接又はろう付けで組み立て、ステム部60Sを極く短くしている。図において、60Nはニードル、60Cはばね、60Aは圧力調整ねじであり、これらは全て真空容器12内の低温部に配設される。
【0048】
本実施形態では、バルブステム60Sが短いため、ベローズ60B又はダイヤフラム部も、低温(JT弁が動作する数Kの温度)まで冷却されるが、金属製で溶接やろう付けにより組み立てられているため、動作に支障をきたすことはない。又、バルブのステム60Sは短い(又は無い)が、ベローズ60B又はダイヤフラム部との温度差が小さい(又は同一温度となる)ため、JTバルブ60に起因する侵入熱は無視することができる。
【0049】
このように、第実施形態によれば、JTバルブが小さくコンパクトになり、配置も自由になるので、冷凍機の構造は簡略化され、安く製作することが可能となる。
【0050】
次に、本発明の第実施形態について説明する。
【0051】
実施形態によれば、JTバルブの駆動部も冷却してコンパクトにすることが可能となり、冷凍機内部の配置も簡略化できる。しかしながら、第実施形態では、JTバルブの駆動部もバルブ本体と同じ温度まで冷却されるため、駆動部内部には超臨界のガスが充満する。温度が臨界点付近で高圧のガスであるため、密度は液体の状態とあまり変わらない。ヘリウムの場合、標準状態では、液体の約600倍の体積となるので、JTバルブの駆動部の体積が大きいと、その分、室温に、これに見合うだけのガスタンクを設ける必要がある。例えば、JTバルブの駆動部に0.1リットルの体積があるとすると、この600倍(60リットル)のガスを保持しなければならない。このため、第実施形態のように、JTバルブ全体を低温(8〜4K)まで冷却すると、JTバルブの駆動部の体積に見合ったガスタンクを室温部に設けなければならなくなる。
【0052】
実施形態は、この点を解決するべくなされたもので、図8に示す如く、JTバルブ70の駆動部(金属製のベローズ70B又はダイヤフラム)とバルブ本体の間に適当な長さ(使用する冷凍機の能力により決めるが、通常10〜20cm程度)のステム部70Sを設け、駆動部の温度が数十K(30〜70K)になるようにする。
【0053】
駆動部の温度を数十Kに保つため、例えばGM冷凍機20の1段ステージ21(通常60K程度で運転されることが多い)から、駆動部へ、例えば銅線又は銅板等で作った熱アンカー72を取り付ける。
【0054】
他の点については、第実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0055】
本実施形態によれば、例えば駆動部の体積が0.1リットルで、圧力がMPa、温度が60Kの場合、駆動部に必要なガス量約5リットルとなる。このように、駆動部の温度を数十Kに上げることによって、必要とするガス量を大幅に減少させることができる。従って、冷凍装置、特にJT回路のバッファタンクを小さく(場合によっては無くす)ことができ、冷凍装置全体もコンパクトになり、安く製作することが可能となる。
【0056】
本実施形態においては、熱アンカー72を、GM冷凍機20の1段ステージ21に取付けているので、構成が簡略である。なお、熱アンカーの取付け先は、これに限定されない。
【0057】
前記実施形態においては、いずれも、冷凍機としてGM冷凍機が用いられていたが、冷凍機の種類はこれに限定されず、パルスチューブ冷凍機やスターリング冷凍機であっても良い。又、冷媒もヘリウムに限定されず、適用対象も超伝導マグネットの冷却器に限定されず、ヘリウム液化機や水素液化機にも同様に適用することができる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、JT回路に流れる冷媒の流量を安定させることができ、冷凍機を非常に安定に運転することが可能となる。
【0059】
又、JTバルブの駆動部も冷却するようにした場合には、コンパクトにすることができ、冷凍機の横の配置も簡略化できる。
【0060】
更に、駆動部の温度をバルブ本体の温度よりも上げることにより、必要とするガス量を大幅に減少することができ、冷凍装置、特にJT回路のバッファタンクを小さく(場合によって無くす)して、冷凍機全体をコンパクトにし、安く製作することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 JT回路が付加された従来の冷凍機の構成を示すフロー図
【図2】 同じく従来の冷凍機の作用を示すTS線図
【図3】 従来の冷凍機で用いられているJTバルブの例を示す断面図
【図4】 比較例の構成を示すフロー図
【図5】 比較例で用いられているJTバルブの例を示す断面図
【図6】 同じく流量調整弁の例を示す断面図
【図7】 本発明の第実施形態で用いられているJTバルブの構成を示す断面図
【図8】 同じく本発明の第実施形態で用いられているJTバルブの構成及び配置を示す断面図
【符号の説明】
10…被冷却物
12…真空容器
20…GM冷凍機
21…1段ステージ
22…2段ステージ
18、40…圧縮機
30…JT回路
31、32、33…冷却器
34、35、36…熱交換器
44…駆動部
50、60、70…膨張弁(一次圧調整弁、JTバルブ)
50B、60B、70B…ベローズ
50C、60C、70C…はね
50N、60N、70N…ニードル
52…流量調整弁
72…熱アンカー

Claims (4)

  1. 冷媒を一次冷却するための冷凍機と、
    該冷凍機で一次冷却された冷媒を断熱自由膨張させ、ジュール・トムソン効果により更に冷却して極低温を得るためのジュール・トムソン回路とを備えた極低温冷却装置において、
    冷媒を膨張させるための、低温部に配設された膨張弁と、
    冷媒の流量を調整するための、室温部に配設された流量調整手段とを備え
    前記膨張弁の駆動部が、真空容器内に配設されていることを特徴とする極低温冷却装置。
  2. 前記膨張弁が、入側の圧力を設定値に保つ一次圧調整弁であることを特徴とする請求項に記載の極低温冷却装置。
  3. 前記膨張弁の駆動部が、所定の低温に冷却されていることを特徴とする請求項に記載の極低温冷却装置。
  4. 前記膨張弁の駆動部が、熱アンカーを介して、冷凍機の冷却部材に接続されていることを特徴とする請求項に記載の極低温冷却装置。
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