JP3670410B2 - 変圧器巻線の口出線折曲げ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、平角線を巻線導体として用いて変圧器巻線を巻回する際に、変圧器巻線の巻始め側口出線及び巻終り側口出線をそれぞれ形成するために、巻線導体の巻始め側端末部及び巻終り側端末部を折曲げる変圧器巻線の口出線折曲げ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
変圧器巻線を巻回する巻線機は、巻線導体供給ラインに沿って供給された巻線導体を巻線の巻回軸方向にトラバースさせるトラバース機構と、巻枠を回転させる巻枠駆動機構とを備えていて、巻線導体を巻回軸方向にトラバースさせつつ巻枠を回転させることにより巻線を巻回するようになっている。
【0003】
また変圧器巻線においては、該巻線の端末部を外部の端子に接続するために、巻線の巻始め及び巻終りからそれぞれ口出線を導出する。柱上変圧器などに用いられる変圧器巻線においては、巻線導体として平角線を用いることが多いが、平角線を用いる場合には、該平角線の巻始め側端末部及び巻終り側端末部を平角線の幅方向に折り曲げることにより、巻始め側口出線及び巻終り側口出線を構成している。
【0004】
図7は平角線を巻線導体として用いた変圧器巻線1の外観の一例を示したもので、この例では、巻線導体の巻始め側の端末部及び巻終り側の端末部をそれぞれ平角線の幅方向に90度折り曲げることにより、巻線の巻回軸方向の一端側から突出した巻始め側口出線1a及び巻終り側口出線1bを構成している。
【0005】
上記の口出線1a,1bを形成するためには、平角線をその幅方向に曲げる必要があるが、平角線を幅方向に曲げるためには非常に大きな力を必要とするため、曲げ作業を人力により行なおうとすると、非常に大きな曲げ加工具を必要とし、その取り扱いが面倒である。
【0006】
そこで本出願人は、先に、実開平4−77224号において、巻線導体の折曲げ作業を自動的に行なうことができるようにした口出線折曲げ装置を提案した。先に提案された折曲げ装置においては、巻線導体の供給ラインの途中に平角線からなる巻線導体をガイドするガイド機構を配置するとともに、該ガイド機構の巻線導体送出側及び巻線導体供給側にそれぞれ巻始め側口出線を形成するための折曲げ機構及び巻終り側口出線を形成するための折曲げ機構を配置している。この口出線折曲げ装置を用いる場合には、巻線の巻回作業を開始する前に、巻線導体の巻始め側の端末部をガイド機構から巻線導体送出側に所定長さ突出させた状態にして、該巻始め側端末部を巻線導体送出側に配置した折曲げ機構により折曲げることにより巻始め側口出線を形成し、この口出線を巻枠の外周に固定して巻線の巻回作業を開始する。巻線の最終ターンの巻回を行う前の段階で、ガイド機構から巻線導体供給側に巻線導体の巻終り側端末部を所定長さ突出させた状態で巻枠の回転を停止させ、巻線導体供給側に配置された折曲げ機構により巻線導体を折曲げて巻終り側口出線を形成する。その後、巻枠を回転させて最終ターンの巻回を行う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
先に提案された口出線折曲げ装置によれば、平角線からなる巻線導体の巻始め側端末部及び巻終り側端末部の折曲げ作業を機械力により容易に行うことができるため省力化を図ることができ、口出線の形成を容易にすることができる。
【0008】
ところで、柱上変圧器などの配電用変圧器において、負荷電流が流れる二次側に用いる巻線を構成する場合には、電流容量を大きくするために、2本の平角線を重ね合わせて巻線を巻回することが多い。このように2本の平角線を用いる場合にも、先に提案した口出線折曲げ装置を用いることができるが、先に提案した折曲げ装置においては、巻線導体をガイドするガイド機構の巻線導体供給側に1つの折曲げ機構しか設けられていなかったため、2本の平角線を用いる場合には、以下に示す理由で、巻終り側の端末部の折曲げを行う際に、2本の平角線の折曲げ位置を調整するために手作業を加える必要があった。
【0009】
平角線からなる2本の巻線導体を重ね合わせて巻回した変圧器巻線の各ターンにおいて、内側に位置する巻線導体の1ターンの外径をr、巻線導体の厚みをtとすると、各ターンにおいて内側に位置する巻線導体の1ターンの周長は2πr、外側に位置する巻線導体の1ターンの周長は2π(r+t)である。そのため、この種の巻線では、巻線の各ターンにおいて、内側に位置する巻線導体と外側に位置する巻線導体との間に周長差2πtが生じる。
【0010】
従って、先に提案された口出線折り曲げ装置を用いて、巻終り側口出線を形成する際に、ガイド機構の巻線導体供給側に配置された1つの折曲げ機構により、2本の平角線を同じ位置で一括して折り曲げたとすると、変圧器巻線内で内側及び外側の平角線の間に生じる周長差により、変圧器巻線の外周上で、巻終り側口出線を構成する2本の平角線の端末部の位置にずれΔd(=2πt)が生じることになる。図8はその様子を示したもので、同図において100は巻線内で内側に位置する平角線、101は巻線内で外側に位置する平角線である。
【0011】
このように2本の平角線を重ねて巻線を巻回した場合には、平角線の板厚により各ターンの周長に差が生じるため、巻終り側口出線を形成する際に2本の平角線の折曲げ位置を調整することなく両平角線を同じ位置で一括して折り曲げたとすると、図示のように、変圧器巻線1の最終ターンの外周上で、巻終り側口出線1bを構成する平角線100及び101の巻終り側端末部100b及び101bの間に位置ずれΔdが生じてしまう。このような位置ずれが生じないようにするためには、2本の平角線の巻終り側の端末部を折り曲げる際に、巻線内で生じる周長差に相当する長さだけ平角線100及び101の巻終り側端末部の折曲げ位置をずらすための調整作業を行う必要がある。
【0012】
図9はその調整作業を行っている状態を示したもので、同図において2は2本の平角線100及び101を拘束しつつガイドするガイド機構、3はガイド機構2の巻線導体供給側に設けられた折曲げ機構の折曲げローラである。巻終り側口出線を形成する際には、平角線100及び101をガイド機構2により拘束した状態で、折曲げローラ3を図示しない機構により図の紙面の裏側から表側に向う方向に駆動して、ガイド機構2から巻線導体供給側に所定の長さLだけ突出した状態にある平角線の巻終り側端末部100b及び101bを図の紙面の手前側に押して90度折り曲げる。
【0013】
図9に示した例では、ガイド機構2から巻線導体供給側に平角線100及び101の巻終り側端末部100b及び101bを所定の長さLだけ突出させる際に、巻線内で外側に位置することになる平角線101を手で持ち上げて、該平角線101の折曲げ位置を周長差Δdだけずらす作業を行っている。
【0014】
このように、先に提案した口出線折曲げ装置では、2本の平角線を用いて巻線を巻回する場合に、両平角線の巻終り側端末部の折曲げを行うのに先立って、折曲げ位置を調整するための手作業を必要としたため、工数が多くなって作業能率が低下するという問題があった。特に、平角線の板厚が厚い場合には、平角線を持ち上げて折曲げ位置を調整する作業に力を要するため、折曲げ位置の微妙な調整作業に手間がかかり、作業能率が悪くなるのを避けられなかった。
【0015】
また巻線内で外側に位置することになる平角線を手で持ち上げて、その折曲げ位置を調整するようにした場合には、折り曲げ位置の精度を出すことが困難であるため、折り曲げられた巻線導体の巻終り側端末部の位置が正確に揃わないことがあった。
【0016】
本発明の目的は、2本の平角線を巻線導体として用いて、両巻線導体を重ねて変圧器巻線を巻回する場合に、両巻線導体の巻終り側の端末部の折曲げ作業を、面倒な折曲げ位置の調整作業を行なうことなく、容易に行わせることができるようにした変圧器巻線の口出線折曲装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、平角線からなる第1及び第2の巻線導体を巻線導体供給ラインの巻線導体供給側から巻線導体送出側に供給して両巻線導体を重ね合せた状態で巻枠に巻回することにより変圧器巻線を形成する巻線機の、巻線導体供給ラインの途中に配置されて、変圧器巻線の巻始め側口出線及び巻終り側口出線をそれぞれ形成する第1及び第2の巻線導体の巻始め側端末部及び巻終り側端末部をそれぞれの巻線導体の幅方向に所定の角度折り曲げる口出線折曲げ装置に係わるものである。
【0018】
本発明に係わる折曲げ装置は、上記第1及び第2の巻線導体をそれぞれの厚み方向に並べた状態で巻線導体供給ラインに沿って巻枠側に案内するガイド機構と、該ガイド機構から巻線導体供給ラインの巻線導体送出側に突出させた第1及び第2の巻線導体の巻始め側端末部を同じ側に折り曲げる巻始め側折曲げ機構と、ガイド機構から巻線導体供給側に突出させた第1の巻線導体の巻終り側端末部を折り曲げる第1の巻終り側折曲げ機構と、ガイド機構から巻線導体供給側に突出させた第2の巻線導体の巻終り側端末部を第1の巻線導体の巻終り側端末と同じ側に折り曲げる第2の巻終り側折曲げ機構とを備えたことを特徴とする。
【0019】
上記のように、第1及び第2の巻線導体に対してそれぞれ第1及び第2の巻終り側折曲げ機構を設けると、第1及び第2の巻線導体の巻終り側端末部をそれぞれ個別に折り曲げることができるため、第1及び第2の巻線導体の巻終り側端末部を折り曲げるタイミングをずらすことにより、巻線内で生じる周長の差を吸収するための折曲げ位置の調整を容易に行わせることができる。従って、第1及び第2の巻線導体の巻終り側端末部の折曲げを行う際に手作業による折曲げ位置の調整を行う必要がなく、作業能率を向上させることができる。
【0020】
上記のガイド機構は、例えば、巻線導体供給側及び巻線導体送出側にそれぞれの一端及び他端が開口した第1のガイド溝及び第2のガイド溝をそれぞれ上面及び下面に有して、第1及び第2の巻線導体をそれぞれ第1のガイド溝内及び第2のガイド溝内にスライド自在に嵌合させた状態で巻線導体供給ラインに沿って案内するガイド部材と、該ガイド部材に上方から当接して第1のガイド溝内に嵌合された第1の巻線導体を該第1のガイド溝内に拘束する拘束位置とガイド部材から離間して該ガイド部材との間に第1の巻線導体の折り曲げられた巻終り側端末部を通過させるための隙間を形成した状態になる退避位置との間を変位し得るように設けられた第1の可動板と、ガイド部材に下方から当接して第2のガイド溝内に嵌合された第2の巻線導体を該第2のガイド溝内に拘束する拘束位置とガイド部材から離間して該ガイド部材との間に第2の巻線導体の折り曲げられた巻終り側端末部を通過させるための隙間を形成した状態になる退避位置との間を変位し得るように設けられた第2の可動板と、少なくとも第1及び第2の巻線導体の折曲げを行う際に第1及び第2の可動板をそれぞれ拘束位置に位置させ、第1及び第2の巻線導体の巻終り側端末部の折曲げが完了したときに第1及び第2の可動板を拘束位置から退避位置に変位させる第1及び第2の可動板駆動機構とにより構成することができる。
【0021】
この場合、巻始め側折曲げ機構は、第1及び第2のガイド溝の他端から巻線導体送出側に突出させた第1及び第2の巻線導体の巻始め側端末部を該第1及び第2のガイド溝の他端側のコーナ部に沿って同時に折曲げるように構成する。
【0022】
また第1の巻終り側折曲げ機構は、第1のガイド溝の一端から巻線導体供給側に突出させた第1の巻線導体の巻終り側端末部を第1のガイド溝の一端側のコーナ部に沿って折り曲げるように構成する。
【0023】
更に第2の巻終り側折曲げ機構は、第2のガイド溝の一端から巻線導体供給側に突出させた第2の巻線導体の巻終り側端末部を第2のガイド溝の一端側のコーナ部に沿って折り曲げるように構成する。
【0024】
この場合、第1及び第2の巻線導体の巻終り側端末部を折り曲げる際に、第1及び第2の巻線導体のうち、変圧器巻線内で内側に位置する方の巻線導体の巻終り側端末部を折り曲げた後、該巻線内で第1及び第2の巻線導体の間に生じる周長差に相当する長さだけ第1及び第2の巻線導体を巻枠側に送ってから変圧器巻線内で外側に位置する方の巻線導体の巻終り側端末部を折り曲げるように、第1及び第2の巻終り側折曲げ機構を制御するようにすれば、巻線導体の周長差を吸収するための折り曲げ位置の調整を自動的に行わせることができる。
【0025】
上記ガイド部材は、第1のガイド溝内及び第2のガイド溝内にそれぞれ嵌合されて案内される第1及び第2の巻線導体相互間の間隔を巻線導体供給ラインの巻線導体供給側から送出側に向って次第に小さくして両巻線導体を互いに接近または重合した状態に収束させるように、第1のガイド溝の底部と第2のガイド溝の底部との間の間隔が両ガイド溝の一端側から他端側に向うに従って次第に小さくなるように形成されているのが好ましい。
【0026】
またガイド部材の第1及び第2のガイド溝のそれぞれの一端側及び他端側のコーナ部には、曲げアールをつけておくのが好ましい。
【0027】
通常巻線機は、変圧器巻線の巻回軸方向にトラバースする移動台を備えている。この場合、移動台に固定された折曲げ装置支持フレームを設けて、該支持フレームに、ガイド部材と、第1及び第2の可動板と、第1及び第2の可動板駆動機構と、巻始め側折り曲げ機構と、第1及び第2の巻終り側折り曲げ機構とを支持するのが好ましい。またガイド部材は折曲げ装置支持フレームに着脱可能に取り付けるのが好ましい。ガイド部材を折曲げ装置支持フレームに着脱可能に取り付けるようにしておけば、巻線の巻回に使用する平角線の厚み寸法や幅寸法に応じてガイド部材を交換できるため、厚み寸法及び幅寸法が異なる種々の平角線を用いる場合に、ガイド部材を交換するだけで容易に対処することができる。
【0028】
上記巻始め側折曲げ機構は、例えば、第1の可動板または第2の可動板に後端部が回動自在に支持されてガイド部材から巻線導体送出側に突出した第1及び第2の巻線導体の板面と平行な平面上で旋回し得るように設けられた巻始め側折曲げレバーと、該折曲げレバーの先端部に取り付けられて該折曲げレバーの旋回に伴ってガイド部材から巻線導体送出側に突出した第1及び第2の巻線導体から離れた状態にある後退位置から両巻線導体の幅方向の端面に当接して該巻線導体を第1及び第2のガイド溝の他端側のコーナ部に沿って折り曲げる折曲げ作動領域を経て折曲げ完了位置まで移動するように設けられた巻始め側折曲げローラと、巻始め側折曲げローラを後退位置から折曲げ完了位置に、また折曲げ完了位置から後退位置に移動させるように巻始め側折曲げレバーを旋回させる巻始め側折曲げレバー駆動機構とにより構成できる。
【0029】
上記第1の巻終り側折曲げ装置は、例えば、第1の可動板に後端部が回動自在に支持されてガイド部材から巻線導体供給側に突出した第1の巻線導体の板面と平行な平面上で旋回し得るように設けられた第1の巻終り側折曲げレバーと、該第1の巻終り側折曲げレバーの先端部に取り付けられて該第1の巻終り側折曲げレバーの旋回に伴ってガイド部材から巻線導体供給側に突出した第1の巻線導体から離れた状態にある後退位置から該第1の巻線導体の幅方向の端面に当接して該巻線導体を第1のガイド溝の一端側のコーナ部に沿って折り曲げる折曲げ作動領域を経て折曲げ完了位置まで移動するように設けられた第1の巻終り側折曲げローラと、第1の巻終り側折曲げローラを後退位置から折曲げ完了位置に、また折曲げ完了位置から後退位置に移動させるように第1の巻終り側折曲げレバーを旋回させる第1の巻終り側折曲げレバー駆動機構とにより構成できる。
【0030】
また第2の巻終り側折曲げ機構は、第2の可動板に後端部が回動自在に支持されてガイド部材から巻線導体供給側に突出した第2の巻線導体の板面と平行な平面上で旋回し得るように設けられた第2の巻終り側折曲げレバーと、該第2の巻終り側折曲げレバーの先端部に取り付けられて該第2の巻終り側折曲げレバーの旋回に伴って前記ガイド部材から巻線導体供給側に突出した第2の巻線導体から離れた状態にある後退位置から該第2の巻線導体の幅方向の端面に当接して該巻線導体を第2のガイド溝の一端側のコーナ部に沿って折り曲げる折曲げ作動領域を経て折曲げ完了位置まで移動させられるように設けられた第2の巻終り側折曲げローラと、第2の巻終り側折曲げローラを後退位置から折曲げ完了位置に、また折曲げ完了位置から後退位置に移動させるように第2の巻終り側折曲げレバーを旋回させる第2の巻終り側折曲げレバー駆動機構とにより構成できる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下図1ないし図6を参照して、本発明の実施形態の一例を説明する。図1は本発明に係わる口出線折曲げ装置を取り付けた巻線機の要部の構成を概略的に示した構成図、図2は同折曲げ装置の要部の上面図、図3及び図4はそれぞれ同折曲げ装置の要部の正面図及び側面図、図5は本発明に係わる口出線折曲げ装置の要部の斜視図である。また図6は同折曲げ装置で用いるガイド部材の斜視図である。
【0032】
図1において、C1 及びC2 は上下に並べた状態で送給される第1及び第2の巻線導体、10は図示しない駆動機構により回転駆動される回転軸11に取り付けられた巻枠、12はガイドレール等を備えた図示しない支持機構により回転軸11の軸線方向(巻枠に巻かれる巻線の巻回軸方向)に往復移動自在に支持された移動台である。移動台12の上部にはナット13が固定され、該ナット13にボールネジ14が螺合されている。ボールネジ14は移動台12の移動方向と平行な方向に伸びるように設けられていて、図示しない駆動機構により、巻枠11の回転に同期して回転させられる。ボールネジ14の回転によりナット13が回転軸11の軸線方向に往復移動させられ、該ナット13の移動に伴って移動台12が巻枠10の巻回軸方向に移動(トラバース)させられる。
【0033】
移動台12の下部には、巻線導体供給装置15と、ガイドブロック16とが取り付けられている。巻線導体供給装置15は、第1の巻線導体C1 を送給ローラ15a1と加圧ローラ15a2との間に挟んで送給する第1の送給機構15aと、第1の巻線導体C1 の下方に配置される第2の巻線導体C2 を送給ローラ15b1と加圧ローラ15b2との間に挟んで送給する第2の送給機構15bと、第1及び第2の送給機構15a及び15bによりそれぞれ送給される第1の巻線導体C1 及び第2の巻線導体C2 を切断する第1及び第2のシヤー15c及び15dと、第1及び第2の送給機構15a及び15bと第1及び第2のシヤー15c及び15dとの間にそれぞれ配置された第1及び第2の導体ガイド15e及び15fとを備えている。
【0034】
第1の巻線導体C1 及び第2の巻線導体C2 は平角線からなっていて、これらの巻線導体は図示しないリールから巻き戻されて巻線導体供給装置15に供給される。第1の巻線導体C1 は、第1の送給機構15aと第1の導体ガイド15eと第1のシヤー15cの上刃及び下刃の間とを通して、その板面を水平方向に向けた状態でガイドブロック16側に送給される。また第2の巻線導体C2 は、第2の送給機構15bと第1の導体ガイド15fと第1のシヤー15dの上刃及び下刃の間とを通して、その板面を水平方向に向けた状態で、かつ第1の巻線導体と整合した状態で(幅方向の位置を合わせた状態で)ガイドブロック16側に送給される。
【0035】
ガイドブロック16はその内部に案内通路を有していて、巻線導体供給装置15から供給される第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 を案内通路内に受け入れて、両巻線導体を徐々に接近させながら巻枠10側に案内する。
【0036】
図1に示した例では、移動台12の下方に、第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 を巻線導体供給装置15からガイドブロック16を通して巻枠10に向けて案内する巻線導体供給ラインが構成されている。この巻線導体供給ラインの途中に、ガイドブロック16と巻枠10との間に位置させた状態で本発明に係わる口出線折曲げ装置17が配置され、該折曲げ装置は、ガイドブロック16及び巻線導体供給機構15とともに移動台12の下部に固定されている。ガイドブロック16から出た巻線導体C1 及びC2 は口出線折曲げ装置17内に導入され、巻枠10の外周に巻線導体を巻回して変圧器巻線を形成する過程では、第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 が折曲げ装置17内に設けられたガイド機構を通して巻枠10側に送給される。後述するように、口出線折曲げ装置17内のガイド機構は、ガイドブロック16から受け入れた第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 を更に接近させて、両巻線導体を互いに接近または重合した状態に収束させるように構成され、両巻線導体C1 及びC2 が互いに接近または重合した状態で複合巻線導体Cとして巻枠10に供給されるようになっている。
【0037】
移動台12の巻枠10側の端部寄りの下部にはアーム18が回動自在に支持され、該アームの先端に、複合巻線導体Cを巻枠10側に押し付けるための加圧ローラ19が取り付けられている。移動台12の先端には加圧シリンダ20が取り付けられていて、該加圧シリンダのピストンロッドがアーム18に連結され、加圧シリンダ20により加圧ローラ19が巻枠10側に付勢されるようになっている。
【0038】
移動台12の先端寄りの下部にはまたレバー21が回動自在に支持され、該レバー21の先端には、複合巻線導体Cを巻枠10に向けて案内するガイドローラ22が取り付けられている。レバー21は移動台12に対して回動自在に支持されたシリンダ23のピストンロッドに連結され、該シリンダ23によりレバー21が回動させられて、ガイドローラ22が図示のように複合巻線導体Cに接して該巻線導体Cを巻枠10に案内する作用位置と、複合巻線導体Cから上方に退避した状態になる退避位置との間を変位させられるようになっている。図1に示した各部により巻線機の主要部が構成されている。
【0039】
本発明に係わる口出線折曲げ装置17は、図3及び図4に示すように、矩形状の天板31を備え、該天板31はその板面を水平方向に向けた状態で移動台12の下部に固定されている。垂直方向に伸びる固定ロッド32,32が天板31の長手方向に並べた状態で設けられ、これらのロッドの上端に設けられたネジ部32a,32aが天板31の幅方向の中央部に設けられた孔に嵌装されている。天板31を貫通して上方に突出したロッド32,32の上端のネジ部にナット33,33が螺合され、これらのナットによりロッド32,32が天板31に締結されている。天板31の下方には、板面を水平方向に向けた状態で、かつ長手方向をロッド32,32の並設方向に向けた状態で矩形状の中板34が配置されている。ロッド32,32はそれぞれの下端にもネジ部32b,32bを有していて、これらのネジ部32b,32bは、中板34の上面側に設けられたネジ孔に螺合されている。
【0040】
中板34の下面側には、上記ロッド32,32とそれぞれ中心軸線を共有するロッド35,35が設けられ、これらのロッド35,35の上端に設けられたネジ部35a,35aが中板34の下面側に設けられたネジ孔に螺合されている。また中板34の下方に、板面を水平方向に向けた底板36が配置され、ロッド35,35の下端にそれぞれ設けられたネジ部35b,35bが底板36に設けられた孔に嵌装されている。底板36を貫通して該底板36の下面から下方に突出したネジ部35b,35bにナット37,37が螺合され、これらのナットにより底板36がロッド35,35に締結されている。
【0041】
上記天板31と該天板にロッド32を介して連結された中板34と該中板34にロッド35を介して連結された底板36とにより、折曲げ装置支持フレームが構成されている。このフレームは、中板34の長手方向の一端34A1を巻線導体供給ライン側に向け、該中板34の幅方向の一端34B1及び他端34B2をそれぞれ巻線導体供給ラインの巻線導体供給側及び送出側に向けた状態で配置されている。
【0042】
中板34の上下にはそれぞれ板面を水平方向に向けた第1の可動板38及び第2の可動板39が配置されている。第1の可動板38は、ロッド32,32にそれぞれ相応する位置に孔38a,38aを有していて、これらの孔がそれぞれロッド32,32にスライド自在に嵌合されている。同様に、第2の可動板39はロッド35,35にそれぞれ相応する位置に孔39a,39aを有していて、これらの孔がロッド35,35にスライド自在に嵌合されている。
【0043】
天板31にはまた、ロッド32,32の並設方向に対して直角な方向に並べて配置された1対のガイド棒40,40の上端が固定され、底板36には、ガイド棒40,40とそれぞれ中心軸線を共有するように設けられた1対のガイド棒41,41の下端が固定されている。ガイド棒40,40の下端にはそれぞれ小径部40a,40aが設けられていて、これらの小径部はそれぞれ第1の可動板38に設けられた孔38b,38bにスライド自在に嵌合されている。またガイド棒41,41の上端にそれぞれ小径部41a,41aが設けられていて、これらの小径部がそれぞれ第2の可動板39に設けられた孔39b,39bにスライド自在に嵌合されている。
【0044】
天板31には、ガイド棒40,40の間に位置させた状態で、第1の流体圧シリンダ42が固定され、該シリンダ42のピストンロッド42aの下端が第1の可動板38に固定されている。第1の可動板38は、シリンダ42により駆動されて、ガイド棒40の小径部40aと該小径部40aよりも上方の大径の部分との間に形成された段部40bに当接した状態になる退避位置と、中板34の上面に当接した状態になる拘束位置との間を変位させられる。
【0045】
また底板36には、ガイド棒41,41の間に位置させた状態で、第2の流体圧シリンダ43が固定され、該シリンダ43のピストンロッド43aの上端が第2の可動板39に固定されている。第2の可動板39は、シリンダ43により駆動されて、ガイド棒41の小径部41aと該小径部41aよりも下方の大径部分との間に形成された段部41bに当接した状態になる退避位置と、中板34に当接した状態になる拘束位置との間を変位させられる。
【0046】
第1及び第2の可動板38及び39はそれぞれの一端が中板34の長手方向の一端34A1より水平方向に突出するように設けられていて、可動板38及び39の中板34の一端より突出した部分がそれぞれ巻線導体拘束部38A及び39Aとなっている。
【0047】
第1及び第2の可動板38及び39の巻線導体拘束部38A及び39Aの間には、図6に示すようなガイド部材50が配置される。このガイド部材50は、直方体状の取付け部50aと、該取付け部50aの一側面の上下方向の中間部から水平方向に突出したガイド板部50bとからなっていて、取付け部50aの長手方向を巻線導体供給ラインに沿う方向に向けた状態で中板34に取り付けられる。ガイド板部50bはくさび形の断面形状を有していて、巻線導体の供給側から送出側に向って厚みが次第に薄くなるように形成され、該ガイド板部50bの上面及び下面にそれぞれ第1のガイド溝50c及び第2のガイド溝50dが形成されている。第1のガイド溝50c及び第2のガイド溝50dはそれぞれの一端50c1及び50d1(図3参照)が巻線導体供給ラインの供給側に開口し、それぞれの他端50c2及び50d2が巻線導体供給ラインの送出側に開口するように設けられている。ガイド溝50c及び50dは、巻線導体C1 及びC2 をそれぞれ構成する平角線の幅寸法よりも僅かに大きい幅寸法と、該平角線の厚みよりも僅かに大きい深さとを有するように形成されていて、ガイドブロック16側から供給される第1の巻線導体C1 及び第2の巻線導体C2 をそれぞれ第1及び第2のガイド溝の一端50c1及び50d1側から無理なく受入れて他端50c2及び50d2から送り出すことができるように、かつ第1及び第2の巻線導体がそれぞれ第1及び第2のガイド溝内に嵌合した状態で両巻線導体C1 及びC2 と溝50c及び50dの内面との間に大きな隙間が生じることがないようになっている。
【0048】
図示の例では、第1のガイド溝50c及び第2のガイド溝50dの底部相互間の間隔が巻線導体供給側から送出側に向って次第に小さくなって、巻線導体送出側の端部で両ガイド溝の底部がほぼ一致する(底部間の間隔がほぼ零になる)ようになっていて、第1のガイド溝内及び第2のガイド溝内にそれぞれ嵌合されて案内される第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 相互間の間隔が巻線導体供給ラインの巻線導体供給側から送出側に向うに従って次第に小さくなって、両巻線導体が互いに重合した状態に収束させられるようになっている。
【0049】
なお、ガイド部材50の巻線導体送出側の端部(出口)では、第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 に1つの曲げローラを当接させて、両巻線導体を同時に折り曲げることができる程度に、両巻線導体が十分に接近した状態にあればよく、両巻線導体は必ずしも完全に重合した状態にある必要はない。従って、第1及び第2のガイド溝50c及び50dの底部の巻線導体送出側の端部は必ずしも一致させる必要はなく、第1及び第2ガイド溝50c及び50dの巻線導体送出側の端部が僅かな間隔をもって配置されるようにガイド部材を構成してもよい。
【0050】
ガイド部材50の第1のガイド溝50cの一端側及び他端側にはそれぞれ曲げアールがつけられたコーナ部Rc1及びRc2が設けられ、第2のガイド溝50dの一端側及び他端側にはそれぞれコーナ部Rc1及びRc2と曲率が等しい曲げアールがつけられたコーナ部Rd1及びRd2が設けられている。
【0051】
中板34の長手方向の一端34A1寄りの部分には、巻線導体供給ラインに沿って伸びる断面矩形状の第1の溝部34a1と、中板34の一端34A1の端面に開口した第2の溝部34a2とからなる案内溝34aが設けられている。第1の溝部34a1は、ガイド部材50の取付け部50aを嵌合させることができるように形成され、第2の溝部34a2は、ガイド部材50のガイド板部50bを嵌合させるべく巻線導体の供給側から送出側に向って次第に幅が狭くなるようにテーパがつけられた形状に形成されている。案内溝34aは中板34の巻線導体供給ラインの巻線導体供給側の端面34B1と巻線導体送出側の端面34B2とにそれぞれの一端及び他端が開口するように設けられていて、ガイド部材50の取付け部50a及びガイド板部50bの取付け部50a側の端部がそれぞれ第1の溝部34a1及び第2の溝部34a2にスライド可能な状態で嵌合されて、ガイド部材50が中板34に着脱可能に取り付けられるようになっている。従って、巻線の巻回に用いる平角線の種々の厚み寸法及び幅寸法に適合する複数のガイド部材50を用意しておいて、巻線を構成する平角線の寸法に適合したガイド部材50を中板に取り付けて使用することができ、ガイド部材50を交換するだけで、種々寸法が異なる平角線を用いた巻線の口出線の折曲げを行うことができる。
【0052】
第1及び第2の可動板38及び39は、それぞれ巻線導体拘束部38A及び39Aの相対する面に固定された第1及び第2の拘束板38a及び第2の拘束板39aを備えている。これらの拘束板38a及び39aの相対する面38a1及び39a1は、ガイド部材50のガイド部50bの上面及び下面にそれぞれ沿うようにテーパがつけられたテーパ面となっていて、第1及び第2の可動板38及び39がそれぞれ中板34の上面及び下面に当接する拘束位置にあるときに拘束板38a及び39aのテーパ面38a1及び39a1がそれぞれガイド部材50のガイド板部50bの上面及び下面に当接して、ガイド板部50bに大きな圧力を加えることなく、第1のガイド溝50c及び第2のガイド溝50dを塞いで、第1及び第2のガイド溝50c及び50d内の巻線導体C1 及びC2 をそれぞれのガイド溝内にスライド自在な状態で拘束するようになっている。
【0053】
第1のガイド溝50c及び第2のガイド溝50d内を通してガイドされる第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 の表面を保護するため、第1及び第2の拘束板38a及び39aは、テフロン(商品名)等の滑りがよい合成樹脂により形成されている。
【0054】
上記の例では、第1の流体圧シリンダ42及び第2の流体圧シリンダ43によりそれぞれ、第1及び第2の巻線導体の折曲げを行う際に第1及び第2の可動板38及び39を拘束位置に位置させ、第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 の巻終り側端末部の折曲げが完了したときに第1及び第2の可動板38及び39を拘束位置から退避位置に変位させる第1及び第2の可動板駆動機構が構成されている。
【0055】
またガイド部材50と第1及び第2の可動板38及び39とにより、第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 をそれぞれの厚み方向に並べた状態で巻線導体供給ラインに沿って巻枠10側に案内するガイド機構が構成されている。
【0056】
第2の可動板39の下面の巻線導体送出側に寄った位置には、巻始め側折曲げレバー60の後端部がピン61を介して回動自在に支持されている。この折曲げレバー60は、ガイド部材50から巻線導体送出側に突出した第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 の板面と平行な平面上で旋回し得るように設けられている。折曲げレバー60の先端部には垂直方向に延びるピン62が固定され、該ピン62の上端に巻始め側折曲げローラ63が取り付けられている。この折曲げローラ63は、ガイド部材50から巻線導体送出側(巻枠側)に突出した巻線導体C1 及びC2 の幅方向の端面に同時に当接し得るように設けられている。またピン62の上端には巻線導体C1 及びC2 の巻始め側の端末部を支える支持板64が取り付けられている。
【0057】
第2の可動板39の下面にはまた、図2に示したようにシリンダ取付け板65が固定されていて、該取付け板65に流体圧シリンダ66が取り付けられている。流体圧シリンダ66のピストンロッド67の先端には結合部材68が取り付けられ、該結合部材68に設けられた孔が折曲げレバー60の先端に取り付けられたピン62に嵌合されている。折曲げレバー60は、シリンダ66のピストンロッド67の変位に伴って、ガイド部材50から巻線導体送出側に突出した第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 の板面と平行な平面上で旋回する。折曲げローラ63は、この折曲げレバー60の旋回に伴って、ガイド部材から突出した巻線導体C1 及びC2 から離れた状態になる後退位置から両巻線導体の幅方向の端面に当接して両巻線導体を第1及び第2のガイド溝の他端側のコーナ部Rc2及びRd2に沿って折り曲げる折曲げ作動領域を経て折曲げ完了位置まで、支持板64とともに移動する。図示の例では、シリンダ66のピストンロッド67が後退しているときに折曲げローラ63が後退位置にあり、ピストンロッド67が伸長したときに折曲げローラ63が折曲げ完了位置に向けて変位するようになっている。この例では、流体圧シリンダ66により、巻始め側折曲げローラを後退位置から折曲げ完了位置に、また折曲げ完了位置から後退位置に移動させるように巻始め側折曲げレバーを旋回させる巻始め側折曲げレバー駆動機構が構成されている。
【0058】
また第1の可動板38の上面の巻線導体供給側に寄った位置にはガイド部材50の第1のガイド溝50cにつけられたテーパ角とほぼ同じ角度で傾斜した傾斜面38B(図3参照)が形成されていて、該傾斜面38Bに第1の巻終り側曲げレバー70の後端部がピン71を介して回動自在に支持されている。折曲げレバー70は、ガイド部材50の第1のガイド溝50cと同じ角度で傾斜した状態で設けられていて、ガイド部材50から巻線導体供給側に突出した第1の巻線導体C1 の板面と平行な平面上で旋回するようになっている。折曲げレバー70の先端部には該レバーの長手方向に対して直角な方向に沿って斜め下側に延びるピン72が固定され、該ピン72の下端に第1の巻終り側折曲げローラ73が取り付けられている。この折曲げローラ73は、ガイド部材50から巻線導体供給側(ガイドブロック側)に斜めに突出した第1の巻線導体C1 の幅方向の端面に当接し得るように設けられている。またピン72の下端には巻線導体C1 の巻終り側の端末部を支える支持板74が取り付けられている。
【0059】
第1の可動板38の上面にはまた、シリンダ取付け板75(図2参照)が固定され、該取付け板75に流体圧シリンダ76が取り付けられている。流体圧シリンダ76のピストンロッド77の先端には結合部材78が取り付けられ、該結合部材78に設けられた孔が折曲げレバー70の先端に取り付けられたピン72に嵌合されている。折曲げレバー70は、シリンダ76のピストンロッド77の変位に伴って、ガイド部材50から巻線導体送出側に斜めに突出した第1の巻線導体C1 の板面と平行な平面上で旋回する。折曲げローラ73は、この折曲げレバー70の旋回に伴って、ガイド部材から突出した巻線導体C1 から離れた状態にある後退位置から巻線導体C1 の幅方向の端面に当接して該巻線導体を第1のガイド溝50cの一端側のコーナ部Rc1(図6参照)に沿って折り曲げる折曲げ作動領域を経て折曲げ完了位置まで、支持板74とともに移動する。図示の例では、シリンダ76のピストンロッド77が後退しているときに第1の巻終り側折曲げローラ73が後退位置にあり、ピストンロッド77が伸長したときに折曲げローラ73が折曲げ完了位置に向けて変位する。流体圧シリンダ76により、第1の巻終り側折曲げローラ73を後退位置から折曲げ完了位置に、また折曲げ完了位置から後退位置に移動させるように第1の巻終り側折曲げレバー70を旋回させる第1の巻終り側折曲げレバー駆動機構が構成されている。
【0060】
更に、第2の可動板39の下面の巻線導体供給側に寄った位置にガイド部材50の第2のガイド溝50dにつけられたテーパ角とほぼ同じ角度で傾斜した傾斜面39B(図3参照)が形成されていて、該傾斜面39Bに第2の巻終り側曲げレバー80の後端部がピン81を介して回動自在に支持されている。折曲げレバー80は、ガイド部材50の第2のガイド溝50dと同じ角度で傾斜した状態で設けられていて、ガイド部材50から巻線導体供給側に突出した第2の巻線導体C2 の板面と平行な平面上で旋回する。折曲げレバー80の先端部には該レバーの長手方向に対して直角な方向に沿って斜め上側に延びるピン82が固定され、該ピン82の上端に第2の巻終り側折曲げローラ83が取り付けられている。第2の巻終り側折曲げローラ83は、ガイド部材50から巻線導体供給側に斜めに突出した第2の巻線導体C2 の幅方向の端面に当接し得るように設けられている。またピン82の下端には巻線導体C2 の巻終り側の端末部を支える支持板84が取り付けられている。
【0061】
第2の可動板39にはまた、図示しないシリンダ取付け板を介して流体圧シリンダ86(図3参照)が取り付けられている。流体圧シリンダ86のピストンロッドの先端に取り付けられた結合部材88に設けられた孔が折曲げレバー80の先端に取り付けられたピン82に嵌合されている。折曲げレバー80は、シリンダ86により駆動されて、ガイド部材50から巻線導体送出側に斜めに突出した第2の巻線導体C2 の板面と平行な平面上で旋回する。折曲げローラ83は、この折曲げレバー80の旋回に伴って、ガイド部材から突出した巻線導体C2 から離れた状態にある後退位置から巻線導体C2 の幅方向の端面に当接して該巻線導体を第2のガイド溝50dの一端側のコーナ部Rd1に沿って折り曲げる折曲げ作動領域を経て折曲げ完了位置まで支持板84とともに移動する。本実施形態では、シリンダ86のピストンロッドが後退しているときに第2の巻終り側折曲げローラ83が後退位置にあり、該ピストンロッドが伸長したときに折曲げローラ83が折曲げ完了位置に向けて変位する。流体圧シリンダ86により、第2の巻終り側折曲げローラ83を後退位置から折曲げ完了位置に、また折曲げ完了位置から後退位置に移動させるように第2の巻終り側折曲げレバー80を旋回させる第2の巻終り側折曲げレバー駆動機構が構成されている。
【0062】
図1に示した巻線機により変圧器巻線を巻回する際には、最初口出線折曲げ装置17のシリンダ66,76及び86のピストンロッドを後退させて巻始め側折曲げローラ63、第1の巻終り側折曲げローラ73及び第2の巻終り側折曲げローラ83を退避位置に位置させておく。またシリンダ42及び43を駆動して第1及び第2の可動板38及び39をガイド部材50に当接させておく。この状態で巻線導体供給機構15とガイドブロック16とを通して送給した巻線導体C1 及びC2 をそれぞれ口出線折曲げ装置17のガイド部材50の第1及び第2のガイド溝50c及び50dと第1及び第2の可動板38及び39とにより構成された通路内に導入する。ガイド部材50の巻線導体送出側(巻枠側)の端部から巻線導体C1 及びC2 の巻始め側の端末部を巻始め側口出線の長さに相当する長さだけ突出させたところで巻線導体C1 及びC2 の送給を停止させる。次いでシリンダ66を駆動してそのピストンロッド67を伸長させることにより、巻始め側折曲げレバー60を旋回させ、巻始め側折曲げローラ63をガイド部材50の巻線導体送出側の端部から重合した状態で突出した第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 (複合巻線導体C)の幅方向の端部に当接させる。そのまま折曲げレバー60を更に旋回させて、折曲げローラ63を折曲げ完了位置まで移動させ、巻線導体C1 及びC2 の巻始め側端末部を、支持板64により支えつつガイド部材50の曲げアールRc2及びRd2に沿って90度折り曲げて巻始め側口出線を形成する。巻線導体C1 及びC2 の巻始め側端末部を折曲げた後、シリンダ66のピストンロッド67を後退させて巻始め側折曲げローラを退避位置に退避させる。次いで巻始め側口出線を巻枠10の外周の所定の位置に導いて、該口出線を巻枠10に固定する。
【0063】
巻始め側口出線を巻枠に固定した後、巻枠10を回転させるとともに、該巻枠の回転に同期させてボールネジ14を回転させて移動台12を巻枠の回転軸11の軸線方向に移動させ、ガイドローラ22を経由した複合巻線導体Cを巻線の巻回軸方向に移動させつつ加圧ローラ19と巻枠10との間に供給して、巻枠10の外周に変圧器巻線を巻回していく。
【0064】
変圧器巻線をその最終ターンに近い所定のターンの箇所まで巻回したところで巻枠10の回転を停止させてシヤー15dにより変圧器巻線内で内側に位置することになる第2の巻線導体C2 を切断する。次いで巻枠を僅かに回転させて変圧器巻線の最終ターンで巻線導体C2 と巻線導体C1 との間に生じる周長差Δdに相当する長さだけ巻線導体C1 及びC2 を巻枠側に送り、再び巻線導体C1 及びC2 の送給を停止させる。この状態でシヤー15cにより巻線内で外側に位置することになる第1の巻線導体C1 を切断する。
【0065】
その後巻枠10をゆっくりと回転させて、巻線導体C1 及びC2 を巻線導体供給ラインの巻線導体送出側に送り、口出線折曲げ装置17のガイド部材50の巻線導体供給側の端部から突出した第2の巻線導体C2 の巻終り側端末部の長さが巻終り側口出線として適当な長さになったところで巻枠10を停止させる。次いでシリンダ86を駆動してそのピストンロッドを伸長させることにより第2の巻終り側折曲げレバー80を旋回させて第2の巻終り側折り曲げローラ83を巻線導体C2 に当接させ、そのまま折曲げレバー80を更に旋回させて折曲げローラ83及び支持板84を折曲げ完了位置まで移動させる。これにより変圧器巻線内で内側に位置することになる第2の巻線導体C2 の巻終り側端末部を支持板84により支えつつ90度折り曲げ、この折曲げが完了した後にシリンダ86のピストンロッドを後退させる。
【0066】
次にシリンダ43のピストンロッドを後退させることにより第2の可動板39をガイド部材50から離反させて退避位置に移動させ、第2の可動板39とガイド部材50との間に折曲げた巻線導体C2 の巻終り側端末部を通過させ得る隙間を形成する。その後、巻枠10を僅かに回転させて変圧器巻線内で内側の巻線導体と外側の巻線導体との間に生じる周長差Δdに相当する長さだけ巻線導体C1 及びC2 を巻枠側に送ってガイド部材50の巻線導体供給側の端部から第1の巻線導体C1 の巻終り側端末部を突出させる。次いでシリンダ76を駆動して第1の巻終り側折曲げレバー70を旋回させることにより、第1の巻終り側折曲げローラ73を巻線導体C1 の幅方向の端部に当接させた状態で折り曲げ完了位置まで移動させて第1の巻線導体C1 を、支持板74により支えつつガイド部材50の第1のガイド溝の端部の曲げアールRc1に沿って90度折り曲げる。この折り曲げが完了した後シリンダ76のピストンロッド77を後退させて折り曲げローラ73を後退位置に移動させる。その後シリンダ42のピストンロッド42aを後退させて第1の可動板38をガイド部材50から離反させ、第1の可動板38とガイド部材50との間に折り曲げられた第1の巻線導体C1 の巻終り側端末部を通過させるための隙間を形成する。この状態で巻枠10を回転させて最終ターンまでの巻回を完了し、巻終り側口出線を巻線の外周に固定して変圧器巻線を完成する。
【0067】
上記の一連の動作は、口出線を巻線の外周に固定する作業を除き、容易に自動化することができる。一連の動作を自動的に行わせるには、巻枠の回転数(巻線のターン数)を検出する回転数センサ、巻線導体供給装置15内の送給ローラの回転数等から巻枠側に送られた巻線導体C1 及びC2 の送給長さを検出するセンサ、各折曲げローラの位置を検出するリミットスイッチ等の位置センサ、第1及び第2の可動板38及び39の位置を検出する位置センサ等の各種のセンサを設けて、これらのセンサから得られる検出信号に基づいて、各部を所定の順序で動作させるようにシーケンス制御すればよい。このシーケンス制御において、第1及び第2の巻線導体C1 及びC2 の巻終り側端末部を折り曲げる際には、第1及び第2の巻線導体の内、変圧器巻線内で内側に位置する方の巻線導体の巻終り側端末部を折り曲げた後、該巻線内で第1及び第2の巻線導体の間に生じる周長差に相当する長さだけ第1及び第2の巻線導体を巻枠側に送ってから変圧器巻線内で外側に位置する方の巻線導体の巻終り側端末部を折り曲げるように、第1及び第2の巻終り側折曲げ機構を制御する。このように制御すれば、巻線導体の周長差を吸収するための折り曲げ位置の調整を自動的に行わせることができる。
【0068】
なお本発明は一連の動作を自動的に行わせる場合に限定されるものではなく、一部の動作を手動操作により行わせることを何等妨げない。例えば、上記の例において、第2の巻線導体C2 の巻終り側の端末部を折曲げた後、第1の巻線導体C1 の巻終り側の端末部の折曲げ位置を決定するために該巻線導体C1 を巻枠側に僅かに送る動作を、巻線導体C1 の送給状態を目視しつつ巻枠を駆動する電動機の回転速度を手動操作により調節する方法によって行なわせるようにしてもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、第1及び第2の巻線導体に対してそれぞれ第1及び第2の巻終り側折曲げ機構を設けて、第1及び第2の巻線導体の巻終り側端末部をそれぞれ個別に折り曲げることができるようにしたため、第1及び第2の巻線導体の巻終り側端末部を折り曲げるタイミングをずらすことにより、巻線内で生じる周長差を吸収するための折曲げ位置の調整を容易に行わせることができる。従って、第1及び第2の巻線導体の巻終り側端末部の折曲げを行う際に手作業による折曲げ位置の調整を行う必要がなく、作業能率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる口出線折曲げ装置を取り付けた巻線機の要部の構成を概略的に示した構成図である。
【図2】本発明に係わる口出線折曲げ装置の要部の上面図である。
【図3】同折曲げ装置の要部の正面図である。
【図4】同口出線折曲げ装置の要部の側面図である。
【図5】本発明に係わる口出線折曲げ装置の要部の斜視図である。
【図6】同口出線折曲げ装置で用いるガイド部材の斜視図である。
【図7】平角線を巻線導体として用いた変圧器巻線の外観の一例を示した斜視図である。
【図8】2本の平角線を用いて巻回した変圧器巻線において2本の平角線の巻終り側の端末部を一括して折曲げた場合に巻終り側口出線の部分で線がずれることを示した斜視図である。
【図9】従来の口出線折曲げ装置を用いて巻線導体の巻終り側の端末部を折曲げる際の折曲げ位置の調整方法を示した説明図である。
【符号の説明】
C1 第1の巻線導体
C2 第2の巻線導体
17 口出線折曲げ装置
31 天板
32,35 ロッド
34 中板
36 底板
38 第1の可動板
39 第2の可動板
40,41 シリンダ
50 ガイド部材
50c 第1のガイド溝
50d 第2のガイド溝
60 巻始め側折曲げレバー
63 巻始め側折曲げローラ
66 巻始め側折曲げレバー駆動機構を構成するシリンダ
70 第1の巻終り側折曲げレバー
73 第1の巻終り側折曲げローラ
76 第1の巻終り側折曲げレバー駆動機構を構成するシリンダ
80 第2の巻終り側折曲げレバー
83 第2の巻終り側折曲げローラ
86 第2の巻終り側折曲げレバー駆動機構を構成するシリンダ
Claims (8)
- 平角線からなる第1及び第2の巻線導体を巻線導体供給ラインの巻線導体供給側から巻線導体送出側に供給して両巻線導体を重ね合せた状態で巻枠に巻回することにより変圧器巻線を形成する巻線機の前記巻線導体供給ラインの途中に配置されて、前記変圧器巻線の巻始め側口出線及び巻終り側口出線をそれぞれ形成する第1及び第2の巻線導体の巻始め側端末部及び巻終り側端末部をそれぞれの巻線導体の幅方向に所定の角度折り曲げる口出線折曲げ装置において、
前記第1及び第2の巻線導体をそれぞれの厚み方向に並べた状態で前記巻線導体供給ラインに沿って前記巻枠側に案内するガイド機構と、
前記ガイド機構から前記巻線導体供給ラインの巻線導体送出側に突出させた第1及び第2の巻線導体の巻始め側端末部を同じ側に折り曲げる巻始め側折曲げ機構と、
前記ガイド機構から巻線導体供給側に突出させた第1の巻線導体の巻終り側端末部を折り曲げる第1の巻終り側折曲げ機構と、
前記ガイド機構から巻線導体供給側に突出させた第2の巻線導体の巻終り側端末部を前記第1の巻線導体の巻終り側端末と同じ側に折り曲げる第2の巻終り側折曲げ機構とを具備したことを特徴とする変圧器巻線の口出線折曲げ装置。 - 平角線からなる第1及び第2の巻線導体を巻線導体供給ラインの巻線導体供給側から巻線導体送出側に供給して両巻線導体を重ね合せた状態で巻枠に巻回することにより変圧器巻線を形成する巻線機の前記巻線導体供給ラインの途中に配置されて、前記変圧器巻線の巻始め側口出線及び巻終り側口出線をそれぞれ形成する第1及び第2の巻線導体の巻始め側端末部及び巻終り側端末部をそれぞれの巻線導体の幅方向に所定の角度折り曲げる口出線折曲げ装置において、
前記巻線導体供給側及び巻線導体送出側にそれぞれの一端及び他端が開口した第1のガイド溝及び第2のガイド溝をそれぞれ上面及び下面に有して、前記第1及び第2の巻線導体をそれぞれ第1のガイド溝内及び第2のガイド溝内にスライド自在に嵌合させて前記巻線導体供給ラインに沿って案内するガイド部材と、
前記ガイド部材に上方から当接して前記第1のガイド溝内に嵌合された第1の巻線導体を該第1のガイド溝内に拘束する拘束位置と前記ガイド部材から離間して該ガイド部材との間に第1の巻線導体の折り曲げられた巻終り側端末部を通過させるための隙間を形成した状態になる退避位置との間を変位し得るように設けられた第1の可動板と、
前記ガイド部材に下方から当接して前記第2のガイド溝内に嵌合された第2の巻線導体を該第2のガイド溝内に拘束する拘束位置とガイド部材から離間して該ガイド部材との間に第2の巻線導体の折り曲げられた巻終り側端末部を通過させるための隙間を形成した状態になる退避位置との間を変位し得るように設けられた第2の可動板と、
少なくとも前記第1及び第2の巻線導体の折曲げを行う際には前記第1及び第2の可動板をそれぞれ拘束位置に位置させ、前記第1及び第2の巻線導体の巻終り側端末部の折曲げが完了したときに前記第1及び第2の可動板を拘束位置から退避位置に変位させる第1及び第2の可動板駆動機構と、
前記第1及び第2のガイド溝の他端から前記巻線導体送出側に突出させた第1及び第2の巻線導体の巻始め側端末部を該第1及び第2のガイド溝の他端側のコーナ部に沿って同時に折曲げる巻始め側折曲げ機構と、
前記第1のガイド溝の一端から巻線導体供給側に突出させた第1の巻線導体の巻終り側端末部を前記第1のガイド溝の一端側のコーナ部に沿って折り曲げる第1の巻終り側折曲げ機構と、
前記第2のガイド溝の一端から巻線導体供給側に突出させた第2の巻線導体の巻終り側端末部を前記第2のガイド溝の一端側のコーナ部に沿って折り曲げる第2の巻終り側折曲げ機構とを具備したことを特徴とする変圧器巻線の口出線折曲げ装置。 - 前記ガイド部材は、第1のガイド溝内及び第2のガイド溝内にそれぞれ嵌合されて案内される第1及び第2の巻線導体相互間の間隔を巻線導体供給ラインの巻線導体供給側から送出側に向って次第に小さくして両巻線導体を互いに接近または重合した状態に収束させるように、第1のガイド溝の底部と第2のガイド溝の底部との間の間隔が両ガイド溝の一端側から他端側に向うに従って次第に小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の変圧器巻線の口出線折曲げ装置。
- 前記ガイド部材の第1及び第2のガイド溝のそれぞれの一端側の及び他端側のコーナ部には曲げアールがつけられていることを特徴とする請求項2または3に記載の変圧器巻線の口出線折曲げ装置。
- 前記巻線機は、変圧器巻線の巻回軸方向にトラバースする移動台を備えていて、該移動台に固定された折曲げ装置支持フレームに、前記ガイド部材と、第1及び第2の可動板と、第1及び第2の可動板駆動機構と、巻始め側折り曲げ機構と、第1及び第2の巻終り側折り曲げ機構とが支持され、
前記ガイド部材は前記折曲げ装置支持フレームに着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2,3または4のいずれかに記載の変圧器巻線の口出線折曲げ装置。 - 前記巻始め側折曲げ機構は、前記第1の可動板または第2の可動板に後端部が回動自在に支持されて前記ガイド部材から巻線導体送出側に突出した第1及び第2の巻線導体の板面と平行な平面上で旋回し得るように設けられた巻始め側折曲げレバーと、該折曲げレバーの先端部に取り付けられて該折曲げレバーの旋回に伴って前記ガイド部材から巻線導体送出側に突出した第1及び第2の巻線導体から離れた状態にある後退位置から両巻線導体の幅方向の端面に当接して該巻線導体を第1及び第2のガイド溝の他端側のコーナ部に沿って折り曲げる折曲げ作動領域を経て折曲げ完了位置まで移動するように設けられた巻始め側折曲げローラと、前記巻始め側折曲げローラを後退位置から折曲げ完了位置に、また折曲げ完了位置から後退位置に移動させるように前記巻始め側折曲げレバーを旋回させる巻始め側折曲げレバー駆動機構とを備えていることを特徴とする請求項2,3,4または5のいずれかに記載の変圧器巻線の口出線折曲げ装置。
- 前記第1の巻終り側折曲げ機構は、前記第1の可動板に後端部が回動自在に支持されて前記ガイド部材から巻線導体供給側に突出した第1の巻線導体の板面と平行な平面上で旋回し得るように設けられた第1の巻終り側折曲げレバーと、該第1の巻終り側折曲げレバーの先端部に取り付けられて該第1の巻終り側折曲げレバーの旋回に伴って前記ガイド部材から巻線導体供給側に突出した第1の巻線導体から離れた状態にある後退位置から該第1の巻線導体の幅方向の端面に当接して該巻線導体を第1のガイド溝の一端側のコーナ部に沿って折り曲げる折曲げ作動領域を経て折曲げ完了位置まで移動するように設けられた第1の巻終り側折曲げローラと、前記第1の巻終り側折曲げローラを後退位置から折曲げ完了位置に、また折曲げ完了位置から後退位置に移動させるように前記第1の巻終り側折曲げレバーを旋回させる第1の巻終り側折曲げレバー駆動機構とを備えていることを特徴とする請求項2,3,4,5または6のいずれかに記載の変圧器巻線の口出線折曲げ装置。
- 前記第2の巻終り側折曲げ機構は、前記第2の可動板に後端部が回動自在に支持されて前記ガイド部材から巻線導体供給側に突出した第2の巻線導体の板面と平行な平面上で旋回し得るように設けられた第2の巻終り側折曲げレバーと、該第2の巻終り側折曲げレバーの先端部に取り付けられて該第2の巻終り側折曲げレバーの旋回に伴って前記ガイド部材から巻線導体供給側に突出した第2の巻線導体から離れた状態にある後退位置から該第2の巻線導体の幅方向の端面に当接して該巻線導体を第2のガイド溝の一端側のコーナ部に沿って折り曲げる折曲げ作動領域を経て折曲げ完了位置まで移動するように設けられた第2の巻終り側折曲げローラと、前記第2の巻終り側折曲げローラを後退位置から折曲げ完了位置に、また折曲げ完了位置から後退位置に移動させるように前記第2の巻終り側折曲げレバーを旋回させる第2の巻終り側折曲げレバー駆動機構とを備えていることを特徴とする請求項2,3,4,5,6または7のいずれかに記載の変圧器巻線の口出線折曲げ装置。
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