JP3670319B2 - バイナリー発電システム - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明はバイナリー発電システムに関するもので、より詳しくは、スクリュータービンを原動機として用いるバイナリー発電システムにおいて、潤滑油と媒体とを分離することのできるバルブを設置し、システムの停止時にはこれらのバルブを閉じ、システムの起動時に自動的に開けるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
スクリュー圧縮機のようなスクリュー型の流体機械を膨張機として使用したバイナリー発電システムは知られている(特開昭60−56104号公報、特開昭60−144594号公報)。
【0003】
特開昭60−56104号公報には、図4に示すように、スクリュー型ガス流体機械の膨張機を原動機として、工場廃熱を利用して構成した発電システムが示されており、熱交換器(S1)には一方に工場から排出される高温流体を通すパイプ(1)が設けられ、他方からポンプ(P1)を介して送給される液状の作動媒体を加熱して気化させ、高温・高圧ガスに変える蒸発器(2)が設置されている。熱交換器(S1)にはさらに、ポンプ(P2)を介して送給される潤滑油を高温に加熱するためのパイプ(3)が設けられる。
【0004】
パイプ(1)を通過した高温流体の熱エネルギーは、熱交換器(S1)によって作動媒体の気化および加熱・昇圧ならびに潤滑油の加熱のために用い尽くされて低温流体となり熱交換器(S1)より排出される。
【0005】
熱交換器(S1)内で気化し高温・高圧になった作動媒体ガスは、スクリュー膨張機(4)の吸入口(5)側に導かれる。作用室内で膨張してスクリュー・ロータを回転させた高温・高圧の作動媒体ガスは低温・低圧になって膨張機の吐出口(6)側から排出されて分離タンク(7)内に送り込まれ、ここで作動媒体ガスと潤滑油とが分離して、作動媒体ガスは熱交換器(S2)内に設置した凝縮器(8)を通って液化し、その後ポンプ(P1)の吸入側から吸い込まれて加圧流体となり、熱交換器(S1)の蒸発器(2)内に送給される。
【0006】
高温・高圧の作動媒体ガスによって駆動された膨張機(4)のスクリュー・ロータは、発電機(9)を回して電気を起こす。
【0007】
熱交換器(S2)内には別に低温熱源流体を導入して、作動媒体ガスの通る凝縮器(8)を冷却し、これを凝縮、液化させている。
【0008】
他方、熱交換器(S1)内に設けられた潤滑油加熱パイプ(3)内を流れて高温に加熱された潤滑油を膨張機内に供給し、摺動面の潤滑およびシール作用等に用いる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のスクリュータービンを用いたバイナリー発電システムでは、スクリュータービンの潤滑、作動媒体の加熱に用いる潤滑油は、システムの簡素化を狙って、作動媒体と完全に溶解できる潤滑油を用いている。
【0010】
したがって、停止時等、潤滑油の温度が低下すれば、作動媒体は任意の割合で潤滑油に溶け込む(図2参照)。なお、図2は、縦軸に圧力(kg/cm2)、横軸に作動媒体(R-123)の濃度(wt%)をとって異なる温度における作動媒体の溶解度を示したものである。
【0011】
停止後、再起動する場合には、この媒体を潤滑油より分離しなくては、起動時、潤滑油の粘度低下を起こし(図3参照)、スクリュータービン発電システムの起動時間が長くなってしまう。なお、図3は、縦軸に動粘度(mm2/S)、横軸に作動媒体(R-123)の濃度(wt%)をとって異なる温度における作動媒体と油の混合粘度を示したものである。
【0012】
そこで、この発明の目的は、スクリュータービン発電システムの起動時間を短くすることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明では、潤滑油と媒体の接する配管に自動バルブを設置して、停止時、このバルブを自動で閉じ、媒体が潤滑油に溶け込まないようにし、起動時には自動バルブを開くことで媒体の分離時間を無くして起動時間を早めるようにしたものである。
【0014】
すなわち、この発明のバイナリー発電システムは、蒸発器、スクリュータービン、油セパレータ、凝縮器および媒体ポンプを直列に接続して閉じた作動媒体ループを構成させ、前記スクリュータービンに発電機を連結し、前記スクリュータービンに供給される作動媒体蒸気に加熱した油を噴射するようにしたものにおいて、スクリュータービンの上流側と油セパレータの下流側にバルブを設け、システムの停止時には前記バルブを閉じ、システムの始動時に前記バルブを開けるようにしたことを特徴とする。
【0015】
【作用】
スクリュータービンの上流側と油セパレータの下流側のバルブを閉じることにより、これらのバルブで塞き止められた作動媒体ループ部分には新たな作動媒体蒸気が流入しなくなり、油セパレータ内の潤滑油に溶け込み得る作動媒体蒸気が最小限に押さえられる。このように、低圧、低温のシステム停止時であっても、油に溶け込む動媒体蒸気の量が制限される結果、潤滑油の粘度低下も最小限に押さえられる。
【0016】
したがって、従来のように、システムの停止中に作動媒体蒸気が溶け込むことにより粘度低下を起こしていた潤滑油を、加熱して作動媒体蒸気を分離させ粘度を高めるといった操作を省略することができる。これにより、システムの起動時間が短縮される。
【0017】
【実施例】
以下、図1に従ってこの発明の実施例を説明する。
【0018】
バイナリー発電システムは、作動媒体の蒸発器(2)、スクリュータービン(4)、油セパレータ(6)、凝縮器(8)および作動媒体ポンプ(10)を直列に接続して閉じた作動媒体ループを構成し、スクリュータービン(4)の出力軸を発電機(12)と連結してある。
【0019】
蒸発器(2)では、液相の作動媒体が熱源流体から熱を受け取って蒸発し、発生した作動媒体の蒸気はスクリュータービン(4)に供給される。スクリュータービン(4)に供給された高温・高圧の作動媒体蒸気はスクリュータービン(4)の作用室内を進むにつれて膨張しスクリュータービン(4)を駆動する。これにより、スクリュータービン(4)と連結された発電機(12)が駆動されて発電を行なう。
【0020】
スクリュータービン(4)の作用室には、スクリュータービン(4)の潤滑ならびに作用室のシール等のために潤滑油が供給される。すなわち、油加熱器(14)で、図示例の場合は蒸発器(2)と同じ熱源流体により、作動媒体蒸気と同程度の温度まで加熱された潤滑油がスクリュータービン(4)の吸入口付近から噴射される。
【0021】
スクリュータービン(4)からの排気は油セパレータ(6)に入いる。この油セパレータ(6)において作動媒体蒸気と潤滑油とが分離され、作動媒体蒸気は凝縮器(8)へ送られ、作動媒体蒸気から分離された潤滑油は油ポンプ(16)で再び油加熱器(14)に戻される。
【0022】
凝縮器(8)では冷却水(クーラント)により作動媒体蒸気が冷却されて凝縮し、凝縮液は作動媒体ポンプ(10)で再び蒸発器(2)に戻される。
【0023】
実施例では、蒸発器(2)からスクリュータービン(4)に至る管路、油セパレータ(6)から凝縮器(8)へ至る管路、および、油セパレータ(6)から油ポンプ(16)へ至る管路に、それぞれ自動バルブ(V1、V2、V3)が設置されている。これらの自動バルブ(V1、V2、V3)は制御装置(図示せず)に接続されており、自動的に開閉を制御される。すなわち、システムの停止時には、これらのバルブ(V1、V2、V3)を閉じて作動流体蒸気が潤滑油に溶け込まないようにし、起動時にこれらのバルブ(V1、V2、V3)を自動的に開くのである。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のバイナリー発電システムは、蒸発器、スクリュータービン、油セパレータ、凝縮器および媒体ポンプを直列に接続して閉じた作動媒体ループを構成させ、前記スクリュータービンに発電機を連結し、前記スクリュータービンに供給される作動媒体蒸気に加熱した油を噴射するようにしたものにおいて、スクリュータービンの上流側と油セパレータの下流側にバルブを設け、システムの停止時には前記バルブを閉じ、システムの始動時に前記バルブを開けるようにしたものであるから、スクリュータービンの上流側と油セパレータの下流側のバルブを閉じることにより、これらのバルブで塞き止められた作動媒体ループ部分には新たな作動媒体蒸気が流入しなくなり、油セパレータ内の潤滑油に溶け込み得る作動媒体蒸気が最小限に押さえられる。このように、低圧、低温のシステム停止時であっても、油に溶け込む動媒体蒸気の量が制限される結果、潤滑油の粘度低下も最小限に押さえられる。したがって、従来のように、システムの停止中に作動媒体蒸気が溶け込むことにより粘度低下を起こしていた潤滑油を、加熱して作動媒体蒸気を分離させ粘度を高めるといった操作を省略することができる。これにより、システムの起動時間が短縮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例を示すフローシート。
【図2】作動媒体の溶解度を示すグラフ。
【図3】作動媒体と油の混合粘度を示すグラフ。
【図4】従来の技術を示すフローシート。
【符号の説明】
2 蒸発器
4 スクリュータービン
6 油セパレータ
8 凝縮器
10 作動媒体ポンプ
12 発電機
14 油加熱器
16 油ポンプ
V1、V2、V3 自動バルブ
Claims (1)
- 蒸発器、スクリュータービン、油セパレータ、凝縮器および媒体ポンプを直列に接続して閉じた作動媒体ループを構成させ、前記スクリュータービンに発電機を連結し、前記スクリュータービンに供給される作動媒体蒸気に加熱した油を噴射するようにしたバイナリー発電システムにおいて、スクリュータービンの上流側と油セパレータの下流側にバルブを設け、システムの停止時には前記バルブを閉じ、システムの始動時に前記バルブを開けるようにしたことを特徴とするバイナリー発電システム。
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JP23613294A JP3670319B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | バイナリー発電システム |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23613294A JP3670319B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | バイナリー発電システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH08100610A JPH08100610A (ja) | 1996-04-16 |
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Family Applications (1)
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JP23613294A Expired - Fee Related JP3670319B2 (ja) | 1994-09-30 | 1994-09-30 | バイナリー発電システム |
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- 1994-09-30 JP JP23613294A patent/JP3670319B2/ja not_active Expired - Fee Related
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