JP3666685B2 - ガラス成型用金型 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、一度のプレス成型で同一品種の製品部分を複数もしくは異品種の製品部分を同時にプレス成型できる金型に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、オリフィスから流出させた溶融ガラスをシャーによって切断し、ゴブとして下型に供給するダイレクトドロップ方式で非球面レンズをプレス成型するとき、シャーによって切断されたゴブをすべて用いて非球面レンズをプレス成型すると非球面レンズにシャーマークが残るかたちで製品が生産されてしまう。このように生産された非球面レンズでは、シャーマークのところで光が屈折してしまい所望とする投射光を発せられない不具合を生ずる。したがって、下型に供給されるゴブのシャーマークの部分を製品面に使用せずに非球面レンズを製造していた。
【0003】
この製造に使用されたボトム金型101は、図11に示すように下型102と製品部金型103により形成されていた。下型102には、内面底部の中央の一部に後述する製品部金型103用の円形状の穴104が形成されていた。製品部金型103は前記穴104に嵌合するように円柱状に形成され、上面には非球面形状の凹部105を形成した。
【0004】
以上で説明したボトム金型101を用いてのプレス成型品の製造を説明する。なお、以下に説明する非球面レンズは、電球などの光源からの光の入射面が平面であり、光の出射面が非球面形状となっている。
【0005】
ボトム金型101は、ターンテーブル上の周辺付近に等間隔に設置してある。上記不具合を解消するためにボトム金型101へのゴブの供給は、ゴブのシャーマークが横向きになるようにゴブを形成する時にゴブ上部を押し、ゴブを横倒しにした状態でシャーマークが凹部105にかからないように行う。このボトム金型101に供給されたゴブは、下型102の内面に嵌合し製品部金型103に対応する部分が少なくとも平面であるプランジャーにより押圧されプレス成型される。その後バキュームによりボトム金型101からプレス成型品が排出される。排出されたプレス成型品はアニール後製品部の非球面レンズ部分を切抜き、残りのシャーマークを含む非製品部はカレットとなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記した従来技術で生産能率を向上させるためには、プレス成型のインデックスをアップさせなければならない。このインデックスアップを行うためには、ボトム金型へのゴブの供給からボトム金型からのプレス成型品の排出までの間の様々な工程の能力を考慮しなければならなく、大幅なインデックスアップが図れず、生産能率の向上はごく僅かであった。
【0007】
また、ゴブのシャーマークを製品部分に形成しないように、非製品部分を予めボトム金型に形成していることにより、プレス成型品の製品化率が悪かった。
【0008】
したがって、本発明は1個の下型で同一品種を一度に複数形成することもしくは異品種を同時に形成することにより、生産能率および製品化率の向上を図ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は課題を解決するために、請求項1に対応する発明は、製品部と非製品部とを同時にプレス成型するときに使用されるガラス成型用金型において、フランジに囲まれた上面に一連の開口を有し、かつ底部に複数の孔が形成された外金型と、任意の前記孔に嵌合する凸部が形成され、前記上面と同一平面もしくは前記上面よりも僅かに下方に位置する水平面を形成しこの水平面に少なくとも一つの製品形成部を有する内金型とからなり、この内金型を一つ以上前記外金型に嵌め込んだ際、内金型と外金型との前記上面側接合部が隙間なく密着固定される嵌合構造を備え、プレス成型により複数の製品部が形成できるようにしたものである。
【0011】
請求項2に対応する発明は、製品部と非製品部とを同時にプレス成型するときに使用されるガラス成型用金型において、フランジに囲まれた上面に複数の開口を有する外金型と、この外金型の開口に組み込まれ、前記上面と同一平面もしくは前記上面よりも僅かに下方に位置する水平面を形成しこの水平面に少なくとも一つの製品形成部を有する内金型とからなり、この内金型を一つ以上前記外金型に嵌め込んだ際、内金型と外金型との前記上面側接合部が隙間なく密着固定される嵌合構造を備え、プレス成型により複数の製品部が形成できるようにしたものである。
【0012】
請求項3に対応する発明は、請求項1または請求項2に対応する発明のガラス成型用金型で、前記内金型の水平面外周に傾斜を設けたものである。
【0014】
請求項4に対応する発明は、請求項2に対応する発明のガラス成型用金型で、前記外金型に設けられた前記内金型を嵌合支持する開口の形状を前記外金型の上面から前記外金型の最下部へ向かうまでの所定の位置で前記開口の断面積が小さくなる段を設けたものである。
【0015】
請求項5に対応する発明は、請求項2に対応する発明のガラス成型用金型で、前記外金型に設けられた前記内金型を嵌合支持する開口の形状を前記外金型の上面から前記外金型の最下部へ向かうにしたがい前記開口の断面積が小さくなるテーパ状としたものである。
【0016】
請求項6に対応する発明は、請求項1または請求項2または請求項3に対応する発明のガラス成型用金型で、前記内金型の製品形成部の肉厚をほぼ一定にしたものである。
【0017】
【作用】
(請求項1に対応する発明)
内金型と外金型との開口側接合部を隙間なく密着固定するように内金型を外金型に組込むことにより、外金型の上面に供給されたゴブがプランジャーにより押圧されても内金型と外金型との接合部にはみ出さない。
【0018】
外金型の上面にフランジを形成したことにより、内金型の製品形成部の容積を超えるゴブを供給することができるので、ゴブのシャーマークを製品形成部に掛からないように供給できる。さらに、プランジャーにより押圧しても溶融ガラスが外金型からはみ出さない。
【0019】
外金型に内金型を嵌め込めるようにしたことにより、外金型に嵌め込む内金型の製品形成部の形状もしくは大きさを変更して嵌め込むことができる。また、ガラス成型用金型の修理が内金型・外金型ごとに行うことができる。
【0020】
外金型には複数の内金型を組込むことおよび内金型に製品形成部を複数設けることも可能となるので、一度のプレス成型でプレス成型品に複数の製品部を形成することが可能となる。
【0021】
外金型の上面に一連の開口を設け、かつ、この開口の底部に複数の孔を設け、この開口に埋設する内金型に前記孔と嵌合する凸部を有するようにしたことにより、内金型は開口に嵌め込むだけで開口内部での位置が固定され、かつ、プランジャーによる押圧に対しても内金型の位置がずれない。
【0022】
外金型の上面に一連の開口を設けたことにより、この開口に嵌め込む内金型を開口の範囲内で自在に分割することができる。さらに、分割して嵌め込む内金型の形状の比率を変更することもできる。したがって、開口に複数の内金型を嵌め込むことが可能となり、複数の製品部を含むプレス成型品をプレス成型することができる。なおかつ、製品形成部と製品形成部との間の非製品部を共用できるので、プレス成型品の非製品部の割合を減らすこともできる。
【0023】
(請求項2に対応する発明)外金型の上面に内金型を嵌合支持する開口を複数設けたことにより、それぞれの開口に製品形成部を形成した内金型を嵌め込むことができる。したがって、複数の製品部を含むプレス成型品をプレス成型することができる。さらに、製品形成部と製品形成部との間の非製品部を共用できるので、プレス成型品の非製品部の割合を減らすこともできる。
【0024】
外金型に形成した開口が内金型を嵌合支持するようにしたことにより、外金型に内金型を嵌め込むだけで外金型内での内金型の位置が固定される。
【0025】
(請求項3に対応する発明)請求項1または請求項2に対応する発明の作用の他に、内金型の水平面外周に傾斜を設けたことにより、プレス成型されたプレス品の非製品部分に肉厚差を生じさせることができる。
【0027】
(請求項4および請求項5に対応する発明)請求項2に対応する発明の作用の他に、開口に形成した内金型を支持する形状を段もしくはテーパ状としたことにより、開口内での内金型の位置が固定され、特にプランジャーによる押圧に対して有効となる。
【0028】
(請求項6に対応する発明)以上に示した作用の他に、内金型の製品形成部の肉厚をほぼ一定にしたことにより、一回のプレス成型から次のプレス成型までの前記製品形成部の表面の温度低下をほぼ一様に保つことができる。
【0029】
【実施例】
本発明の実施例について図1ないし図10を参照して説明する。なお、以下に説明する実施例の非球面レンズは、電球などの光源からの光の入射面が平面であり、光の出射面が非球面形状となっている。したがって、異品種の非球面レンズを含むプレス成型品をプレス成型するとしても非球面レンズの入射面が平面であるので、この入射面側を形成するプランジャーはどの品種においても共用して使用することができるものである。
【0030】
(実施例1)
図1および図2は、本発明の一実施例を表す非球面レンズ用ボトム金型の正面から見た一部断面図および平面図である。1はボトム金型であり、外金型2と内金型3から構成されている。
【0031】
外金型2は、上から見ると外形および外金型2の上面10が長方形となっている。外金型2の上面10には、上面10の短辺の中心軸に中心を持つ円形状の内金型3用の開口孔4を等間隔に三箇所設けた。この内金型3用の開口孔4は、3つとも同じ大きさのものであり、下型2の下方へ向かう途中に開口孔4の断面積を小さくした段11を一箇所設けている。これら三箇所の開口孔4は旋盤加工もしくはNCフライスによって形成されている。ここで、この開口孔4を旋盤加工で形成するときの形成方法について説明する。まず、外金型2を外金型2の上面10に形成する一つ目の開口孔4の中心に旋盤のセンターがくるように、外金型2外側四辺のそれぞれに固定爪をあてがい挟持することにより固定する。次に、外金型2の上面10に孔5を所定深さまで旋盤のバイドで切削し、最後にこの孔5よりも縮径した孔6を外金型2が貫通するまで切削する。残りの2つの開口孔4についても同じ方法で切削する。また、外金型2の摩耗しやすい上面外縁に形成したフランジには、耐摩耗性に優れたコバルト合金を一様に盛り付けている。
【0032】
内金型3は正面から見ると図3のような外形となっており、この内金型3の外形は、外金型2の上面10に設けられた開口孔4に嵌合するように形成してあり、製品形成部7は非球面形状に形成されており、この表面には全域にわたりコバルト合金が肉盛され、その肉盛厚が一様となるように切削されている。外金型2に設けられた前記開口孔4の断面積が大きい孔5に嵌合する内金型3の形状は、内金型3の上面の製品形成部7と非製品部との間に水平面16を僅かに残した状態で上面に上面外周を低くする一律の傾斜17が形成され、また、前記孔5の下方周辺に隙間8が空くように内金型3を逆円錐台状に切削してある。隙間8は、内金型3の製品形成部7の肉厚をほぼ同じとしたためにできたものである。こうすることによって、プレス成型品をプレス成型後再びプレス成型するときに内金型3の製品形成部7の表面の温度低下を一様にし、プレス成型品の離型性を向上させることができる。内金型3の最下部には内金型3の製品形成部7方向へ延びるネジ溝9が切ってある。
【0033】
この内金型3を下型2に嵌め込んだときには、図1に示すように内金型3の上面の水平面16と外金型2の上面10とが同一平面もしくは内金型3の上面の水平面16が僅かに外金型2の上面10より下方に位置するようになり、内金型3の下面と外金型2の下面とが同一平面もしくは内金型3の下面が外金型2の下面より突出しないようになる。外金型2に嵌め込んだ内金型3の固定は、内金型3のネジ溝9に外金型2の下面側からワッシャー13を介してボルト12をねじ込むことによって行っている。このとき開口孔4の段11と段11に当接する内金型3の一部とは密着状態となる。
【0034】
ここで、内金型3の上面の水平面16と外金型2の上面10とが同一平面もしくは内金型3の上面の水平面16が僅かに外金型2の上面10より下方に位置するようにしたことにより、プランジャーによるガラスの流動がスムーズに起こる。したがって、所望とするプレス成型品を成型することができる。また、内金型3の下面と外金型2の下面とが同一平面もしくは内金型3の下面が外金型2の下面より突出しないようにしたことにより、ボルト12による内金型3の固定がしっかりと行える。
【0035】
以上で説明したボトム金型1をターンテーブル上に設置してプレス成型品を製造する過程を説明する。
【0036】
ボトム金型1はターンテーブル上に8つ設置されており、その設置方向は外金型2の短辺の中心軸がターンテーブルの中心を通過するように、設置位置はターンテーブルの外周近傍に等間隔になるようにする。ゴブ供給位置のボトム金型1には、オリフィスからクレイプランジャーにより押し出された長円形のゴブをシャーによる切断と同時にゴブ上部を押しゴブが横倒しになった状態で内金型3の製品形成部7を覆うように供給され、このボトム金型1がターンテーブルによりポジション移動しプレス位置に到達する。この到達直後に、プランジャーによりゴブを押圧させプレス成型品を成型する。その後プレスポジションから3ポジション後の排出ポジションにプレス成型品が到達したとき、バキュームパッドによりプレス成型品を吸着しボトム金型1から排出する。排出されたプレス成型品はアニール後製品部および非製品部とに分けられ、製品部は研磨および歪み除去などを行い製品となり、非製品部はカレットとして扱われる。
【0037】
実施例1では、プレス成型に用いるボトム金型1を外金型2と内金型3とに分け嵌め込み方式としたことにより、内金型3の摩耗したものだけを外金型2から取り出し、内金型3の製品形成部7の摩耗部分を容易に修理できる。また、外金型2に製品形成部7を形成した内金型3を複数組込んだことにより、一度のプレスで複数の製品部が形成できるので生産能率の向上と共に、カレット発生の割合を減少させることができるので製品化率の向上をも図ることができる。さらに、開口孔4に段11を設け内金型3をこの段11と密着するような形状にしたことにより、プレス成型時のプレス圧に対して内金型3の位置がずれることなくプレス成型品を成型することができる。したがって、プレス成型時に所望とするプレス成型品を得ることができる。
【0038】
(実施例2)
この実施例は、図4に示すように外金型2に形成した開口孔4の形状をテーパ状とし、内金型3の外形もこの開口孔4に嵌合するように変更した実施例である。
【0039】
この実施例の開口孔4は、実施例1の開口孔4と同じ円筒形のものであるが、図4に示すように開口孔4が外金型2の上面から外金型2の最下部へ向かうにしたがい開口孔4の断面積が小さくなるテーパ状となっている。開口孔4をテーパ状としこの開口孔4に嵌め込む内金型3の外形をこの開口孔4に嵌合する形状としたことにより、実施例1と同様にプレス成型時のプレス圧に対して内金型3の位置がずれることなくプレス成型品を成型することができる。
【0040】
(実施例3)
この実施例は、図5に示すように一度のプレス成型で大きさの異なる非球面レンズを得るときの実施例である。
【0041】
この実施例3で用いられる内金型3は、上記実施例1の内金型3と外形は全く一緒であり、ただ、内金型3の製品形成部7の容積または形状が異なっているものを外金型2に嵌め込んだものである。したがって、外金型2と内金型3との結合は、上記実施例1と同様に外金型2の上方から内金型3を挿入して内金型3のネジ溝9に下型2の下面側からワッシャー13を介しボルト12をねじ込むことにより内金型3を固定している。
【0042】
ゆえに、外金型2に嵌め込む内金型3を変更するだけで大きさの異なる非球面レンズを一度のプレス成型で得ることができる。
【0043】
実施例3では、上記実施例1の効果以外に製品形成部7の容積または形状の異なる内金型3を組込んでプレス成型することによって、異品種のプレス成型品を同時にプレス成型することができる。
【0044】
(実施例4)
この実施例は、図6に示すように一つの内金型3に二以上の製品形成部7を形成した実施例である。
【0045】
この実施例4で用いられる内金型3も上記実施例1の内金型3と外形は全く一緒であり、ただ、内金型3の上面に製品形成部7である非球面部分を二以上設けたものである。
【0046】
実施例4では、上記実施例1の効果以外に内金型に二以上の製品形成部7である非球面部分を設けたことにより、更に生産能率の向上を図ることができる。
【0047】
(実施例5)
この実施例は上記実施例1の外金型2に穿設した孔5の形状を変更し、内金型3の形状も変更したものである。
【0048】
この実施例5の外金型2は、外金型2の上面10の全体に長方形状の開口窪み部14を形成したものであり、この長方形状の開口窪み部の底部15に上記実施例1と同じ大きさで同じ位置に3つの円形の孔6を形成したものである。この外金型2の開口窪み部14および孔6の形成は、まず開口窪み部14をNCフライスにより長方形状に切削し、次にこの開口窪み部の底部15に上記実施例1と同様な方法で旋盤により円形の孔6を下型2が貫通するまで切削する。残りの2つの孔6も同様に旋盤により切削する。
【0049】
この外金型2には、一個ないし三個の内金型3を嵌め込むことができる。以下にその説明を記載する。
【0050】
▲1▼一個の内金型3を外金型2に嵌め込むとき
この場合の内金型3の形状は、外金型2の開口窪み部14とこの開口窪み部の底部15の中心付近に穿設された孔6と嵌合するものとする。しかし、内金型3の開口窪み部14に対応する形状は、製品形成部7の肉厚が一様となるように切削された形となっている。なお、内金型3の上面には、実施例1と同様に上面外周が低くなる一律の傾斜17が設けてある。この内金型3を外金型2に嵌め込んだときには、外金型2に穿設された残りの二つの孔6は使用されていない。これは内金型3を容易に製造するため、および内金型3を外金型2に固定するのに、ボルト12で一箇所を締付ければ十分に固定できるためである。
【0051】
▲2▼二個の内金型3を外金型2に嵌め込むとき
この場合は外金型2の開口窪み部14を二つの内金型3で嵌合するように内金型3を嵌め込むものである。図7および図8に示したものは、2つの同じ大きさの内金型3を嵌め込むときの平面図および正面から見た断面図である。この内金型3は、孔6と嵌合する部分が円柱形をしており、開口窪み部14に対応する部分は製品形成部7の肉厚が一様となるように切削された形となっている。なお、内金型3の上面には、実施例1と同様に上面外周が低くなる一律の傾斜17が設けてある。孔6と嵌合する円柱形の部分の下面にはネジ溝9が設けてある。また、内金型3の孔6と嵌合する部分は、開口窪み部の底部15の端の孔6に対応する位置にしか設けなかった。これは内金型3を容易に製造できるようにするためである。なお、以上の説明では外金型の開口窪み部14を同じ大きさに二分割した内金型3を組込んだが、二分割の比率を変更して嵌め込むこともできる。
【0052】
▲3▼三個の内金型3を外金型2に嵌め込むとき
この場合は外金型2の開口窪み部14を3つの内金型3で嵌合するように内金型3を嵌め込むものである。図9および図10に示したものは、三つの同じ大きさの内金型3を嵌め込むときの平面図および断面正面図である。三つの内金型3を外金型2に嵌め込むときの内金型3の形状も二つの内金型3を嵌め込むときと同様に、孔6と嵌合する部分が円柱形をしており、開口窪み部14に対応する部分は製品形成部7の肉厚が一様となるように切削された形となっている。なお、内金型3の上面には、実施例1と同様に上面外周が低くなる一律の傾斜17が設けてある。孔6と嵌合する円柱形の部分の下面にはネジ溝9が設けてある。なお、以上の説明では外金型の開口窪み部14を同じ大きさに三分割した内金型3を嵌め込んだが、三分割の比率を変更して嵌め込むこともできる。
【0053】
実施例5では、上記実施例1の効果以外に外金型2に内金型3用の長方形状の開口窪み部14を形成することにより、内金型3の大きさを自由に変更することができるので、様々な形状および大きさのプレス成型品を成型することができる。
【0054】
以上の実施例1ないし実施例5はボトム金型1へのゴブ供給をダイレクトドロップ方式で説明したが、シャーマークが製品形成部7にかからず、すべての製品形成部7を覆うようにゴブを供給できれば、ゴブシュートを用いてゴブを供給する方法やガラス種を巻き取って供給する方法であっても同様に使用することができる。
【0055】
以上の実施例で内金型3の下型2へのボルト12による固定は、下面側からに限定されることなく外金型2の側面から行っても良い。
【0056】
また、以上の実施例では非球面レンズのような光学部品を形成するため、プレス成型品を製品部および非製品部とに分けた。しかし、プレス成型品を製品部および非製品部とに分割しないような、盲人者用の道路や階段に埋め込まれている点字ブロックなどの成型にも使用することができる。
【0057】
【発明の効果】
請求項1に対応する発明によれば以下の効果を生ずる。内金型と外金型との開口側接合部が隙間なく密着固定するように内金型を外金型に嵌め込むことにより、内金型と外金型との間に溶融ガラスがはみ出さないので、ガラス成形用金型を組込み式にしても所望とするプレス成型品を得ることができる。
【0058】
内金型の製品形成部にゴブをゴブのシャーマークが掛からないように供給できるので、ゴブのシャーマークがプレス成型品の製品部に残存しない。
【0059】
外金型に嵌め込む内金型の製品形成部の形状もしくは大きさを変更することにより、同じプレス装置を用いて形状もしくは大きさの異なる製品部を含むプレス成型品を得ることができる。
【0060】
内金型を外金型に嵌め込みできるようにしたことにより、ガラス成型用金型の修理が内金型・外金型ごとに行うことができるので、修理が簡単になる。
【0061】
外金型には複数の内金型を嵌め込むことおよび内金型に製品形成部を複数設けることも可能となることにより、一度のプレス成型でプレス成型品に複数の製品部を形成することが可能となるので、製品部分の生産能率の向上を図ることができる。また、製品形成部と製品形成部との間の非製品部を共用することができるので、プレス成型品の製品化率の向上も図ることができる。
【0062】
外金型に設けた一連の開口と開口底部に孔を設け、この開口に埋設する内金型に前記孔と嵌合する凸部を有するようにしたことにより、内金型は一連の開口に組込むだけで開口内部での位置が固定され、かつ、プランジャーによる押圧に対しても内金型の位置がずれない。
【0063】
外金型に一連の開口を設けたことにより、内金型を等分もしくは比率を替えて分割して開口に組込むことが可能となり、複数の製品形成部を含むプレス成型品を成型することができるので、生産能率が向上する。
【0064】
請求項2に対応する発明によれば以下の効果を生ずる。外金型に形成した複数の開口それぞれに内金型を組込んだことにより、複数の製品形成部を含むプレス成型品をプレス成型できるので、生産能率が向上する。また、製品形成部と製品形成部との間の非製品部を共用することにより、プレス成型品の非製品部の割合を減らすことができるので、プレス成型品の製品化率の向上も図ることができる。
【0065】
外金型に形成した開口が内金型を嵌合支持するようにしたことにより、開口に内金型を組込むだけで開口内での内金型の位置が固定される。
【0066】
請求項3に対応する発明によれば、内金型の水平面外周に傾斜を設けたことにより、プレス成型されたプレス品の非製品部分に肉厚差を生じさせることができるので、製品部と非製品部との境をはっきりさせることができる。したがって、プレス成型品から製品部を切り出しやすくなる。
【0068】
請求項4および請求項5に対応する発明によれば、開口に形成した内金型を支持する形状を段もしくはテーパ状としたことにより、更に開口内での内金型の位置が固定され、特にプランジャーによる押圧に対して有効となる。
【0069】
請求項6に対応する発明によれば、内金型の製品形成部の肉厚をほぼ一定にしたことにより、一回のプレス成型から次のプレス成型までの間で前記製品形成部の表面の温度低下をほぼ一様に保つことができるので、内金型とプレス成型品との離型性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のボトム金型の正面から見た一部断面図である。
【図2】本発明の一実施例のボトム金型の平面説明図である。
【図3】本発明の一実施例の製品部金型の正面から見た断面図である。
【図4】本発明の他の実施例のボトム金型の正面から見た一部断面図である。
【図5】本発明の他の実施例のボトム金型の平面図である。
【図6】本発明の他の実施例の製品部金型例の平面図である。
【図7】本発明の他の実施例のボトム金型の平面概念図である。
【図8】本発明の図7に示した他の実施例のボトム金型の正面から見た断面図である。
【図9】本発明の他の実施例のボトム金型の平面概念図である。
【図10】本発明の図9に示した他の実施例のボトム金型の正面から見た断面図である。
【図11】従来の下型の断面概念図である。
【符号の説明】
1…ボトム金型(ガラス成形用金型) 2…外金型 3…内金型 4…開口孔(開口) 5,6…孔 7…製品主要部 8…隙間 9…ネジ溝 10…上面
11…段 12…ボルト 13…ワッシャー 14…開口窪み部(開口) 15…開口窪み部の底部 16…水平面 17…傾斜 101…ボトム金型 102…下型 103…製品部金型 104…穴 105…凹部
Claims (6)
- 製品部と非製品部とを同時にプレス成型するときに使用されるガラス成型用金型において、フランジに囲まれた上面に一連の開口を有し、かつ底部に複数の孔が形成された外金型と、任意の前記孔に嵌合する凸部が形成され、前記上面と同一平面もしくは前記上面よりも僅かに下方に位置する水平面を形成しこの水平面に少なくとも一つの製品形成部を有する内金型とからなり、この内金型を一つ以上前記外金型に嵌め込んだ際、内金型と外金型との前記上面側接合部が隙間なく密着固定される嵌合構造を備え、プレス成型により複数の製品部が形成できることを特徴とするガラス成型用金型。
- 製品部と非製品部とを同時にプレス成型するときに使用されるガラス成型用金型において、フランジに囲まれた上面に複数の開口を有する外金型と、この外金型の開口に組み込まれ、前記上面と同一平面もしくは前記上面よりも僅かに下方に位置する水平面を形成しこの水平面に少なくとも一つの製品形成部を有する内金型とからなり、この内金型を一つ以上前記外金型に嵌め込んだ際、内金型と外金型との前記上面側接合部が隙間なく密着固定される嵌合構造を備え、プレス成型により複数の製品部が形成できることを特徴とするガラス成型用金型。
- 前記内金型の水平面外周に傾斜を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のガラス成型用金型。
- 前記外金型に設けられた前記内金型を嵌合支持する開口の形状を前記外金型の上面から前記外金型の最下部へ向かうまでの所定の位置で前記開口の断面積が小さくなる段を設けたことを特徴とする請求項2記載のガラス成型用金型。
- 前記外金型に設けられた前記内金型を嵌合支持する開口の形状を前記外金型の上面から前記外金型の最下部へ向かうにしたがい前記開口の断面積が小さくなるテーパ状としたことを特徴とする請求項2記載のガラス成型用金型。
- 前記内金型の製品形成部の肉厚をほぼ一定にした請求項1または請求項2または請求項3記載のガラス成型用金型。
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