JP3666614B2 - Radial tire repair method and repair tool - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ラジアルタイヤ(チューブタイプとチューブレスタイプの何れも含む。)のサイド部分、トレッド面、及び、ショルダー面が損傷した場合の補修方法及びその補修具に関する。
【0002】
【従来の技術】
ラジアルタイヤは、カーカスの一部を構成するタイヤコードがタイヤ中心に対して放射状に埋設されているため、サイド部分などが損傷してタイヤコードがそこで切断されると、その部分の強度が極端に低下する。そのような状態でいくら損傷部分を塞いでも強度が不足しているから空気圧で補修部分が膨らんでしまう。そのため従来は、ラジアルタイヤの内面に大きな布を貼ってタイヤコードの欠損を補強してから損傷部分を塞ぐようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようにラジアルタイヤの内面に布を貼る作業は、先ずタイヤを車体から外し、次にリムを外す必要があるため時間が掛かり、尚且つ、熟練した高度な技術が要求される。従って、補修するにも高いコストと時間が掛かり、それが安易な買い換えを助長する要因になっていた。近年、廃タイヤの処理が大きな社会問題になっているが、その一因にラジアルタイヤの補修技術の遅れがある。
【0004】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、その目的は、ラジアルタイヤの補修が簡単且つ確実に行える補修方法及びその補修具を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、ラジアルタイヤの損傷部分を刳り貫いて貫通孔を形成する工程と、先細りで後側が前記貫通孔より大きい形状の錐形又は錐台形に形成すると共に後側に周縁を囲うスカート部と連結部材とを形成してなる栓部材を、前記貫通孔からラジアルタイヤ内に強制挿入する工程と、貫通孔の外側に配したロック部材を前記栓部材の連結部材に係合させると共に該ロック部材を貫通孔回りの肉部に固着し、尚且つ、栓部材のスカート部を貫通孔回りの肉部内面に密着させる工程と、からなるラジアルタイヤの補修方法を提供する。
【0006】
また、望ましくは、前記貫通孔の外側外周にラジアルタイヤ内のタイヤコードを傷つけない深さの円形凹部を形成し、該円形凹部内にロック部材を入れるようにするのがよい。
【0007】
また、先細りの錐形又は錐台形の本体部と該本体部の後側に突設した連結部材と本体部の後側周縁に形成したスカート部とからなる栓部材と、前記栓部材の連結部材に係合する係合部を設けたロック部材と、を有し、ラジアルタイヤの損傷部分を刳り貫いて作った貫通孔の内面に栓部材のスカート部を密着させると共に貫通孔の外側にロック部材を配置し、栓部材の連結部材とロック部材の係合部とを係合させると共にロック部材を貫通孔回りの肉部に固着するようにしたラジアルタイヤの補修具を提供する。
【0008】
栓部材を貫通孔から強制挿入すると共に、連結部材を持って該栓部材がラジアルタイヤ内に落ち込まないようにする。そして、連結部材にロック部材を係合させて栓部材とロック部材を結合させ、さらにロック部材を貫通孔回りの肉部外面に貼り付けなどの手段で固着すれば、栓部材のスカート部が貫通孔回りの肉部内面に密着してエア漏れを防止すると共にロック部材がタイヤコードの欠損を補うからラジアルタイヤ内を布で補強する必要がない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施形態1〜3を図1〜図13を参照しつつ説明する。
【0010】
【実施形態1】
図1〜図7は実施形態1を示すもので、図1は補修具を示す半断面にした分離斜視図、図2はロック部材の正面図、図3〜図7は補修工程を示す要部の断面図である。
【0011】
ラジアルタイヤ(以下単にタイヤという)Wの補修具1Aは、タイヤWの損傷部分Pを内側から塞ぐ栓部材2と、同損傷部分Pを外側から塞ぐロック部材3の組み合わせである。前記栓部材2は、ゴム製の本体部2aと合成樹脂製の連結部材2bとからなる。この栓部材2の本体部2aは、先細りの円錐形で後側にすり鉢状の凹み4を設け、さらに、後端周縁に浅いスカート部5を形成してなる。一方、栓部材2の連結部材2bは、断面台形形状の頭部6と、四角い係合孔7,7…を多数並設したベルト部8の一体構造である。該連結部材2bは、台形の頭部6を前記本体部2a内に埋設することによってそれと一体になっており、本体部2aの後側に長く突出している。
【0012】
ロック部材3はゴム製であって、前記栓部材2の本体部2aの後端外径とほぼ同径の円形基板3aと、該円形基板3aの正面中央に位置し円柱の先端が円錐形である突起3bとからなる。ロック部材3には、中心を貫通するように角形のベルト孔3cが形成されており、該ベルト孔3cの途中にワンウェイストッパー3dがインサートされている。このワンウェイストッパー3dは、鋸歯状の係合部9,9を入口と出口の二箇所に突設したもので、前記栓部材2の連結部材2bの係合孔7に係合して一旦入った連結部材2bの後退を阻止する機能がある。また、ロック部材3の円形基板3aの前面側には、図2の二点鎖線で囲った領域Sに、短い針10aを多数インサートしてなる剣山状の係着部10がある。なお、好ましくは、図2に示したように、円形基板3aの中心を通る水平ライン上に対して係着部10を設けない方がよい。そうすることにより、円形基板3aが撓り易くなってタイヤWの動きに追随し易くなる。また、円形基板3aには図6に二点鎖線で示したように、ピアノ線や繊維などの補強コード11を多数並設して強度の向上を図るようにしてもよい。
【0013】
次に、上記補修具1Aを使ったタイヤWの補修方法について説明する。先ず、図3のようにタイヤWの損傷部分Pを円形に刳り貫いて貫通孔12を形成する。そしてさらに、該貫通孔12の外側外周にタイヤW内にあるタイヤコード13を傷つけない深さの円形凹部14を形成する。
【0014】
次に、栓部材2の本体部2a外表面と後側周縁のスカート部5に接着剤を塗布した後、連結部材2bを手で持ちながら図4のように本体部2aを貫通孔12に強制挿入する。このとき、本体部2a自体の弾性とタイヤWの弾性に加え接着剤が潤滑油として機能するため、本体部2aは比較的スムーズに貫通孔12を通り抜けてタイヤW内に入り、それと同時に広がって元の形状に戻る。そして、本体部2aが貫通孔12を通り抜けるとき、外表面に塗った接着剤が貫通孔12との接触で貫通孔12側に殆ど付着し、さらに、その接着剤の一部が本体部2aの後側周縁のスカート部5に載る。この状態で連結部材2bをタイヤWの外側に向け引っ張ると、図5のように、本体部2aのスカート部5がタイヤWの内面に密着し、貫通孔12を内側から完全に塞ぐ。
【0015】
次に、ロック部材3の突起3bと円形基板3aの係着部10(円形基板3aの中心を通る水平ラインを除く表面)上に接着剤を塗布し、図5二点鎖線のように、ベルト孔3cに栓部材2の連結部材2b(ベルト部8)を通す。そして、連結部材2bの端を持ち、ロック部材3を貫通孔12側にスライドさせ、突起3bを栓部材2の凹み4に嵌合させる。このとき、連結部材2bのベルト部8はロック部材3のワンウェイストッパー3dの係合部9,9及びその周辺を強制的に変形させながら前進する。栓部材2の凹み4にロック部材3の突起3bが嵌合した状態で、もう一段強く連結部材2bを引張り、図6のように、栓部材2とロック部材3で貫通孔12回りの肉部15を挟む。それと同時に円形基板3aの係着部10が前記肉部15に突き刺さる。ロック部材3は、ワンウェイストッパー3dの係合部9,9と連結部材2bの係合孔7の係合により後退が阻止されるから、栓部材2との結合が緩まない。
【0016】
最後に、図7のように、連結部材2bの突出部分を切断し、必要に応じて化粧用のキャップシール16を接着して円形凹部14を塞ぐ。そして、栓部材2とロック部材3に塗布した接着剤が固化すれば、栓部材2のスカート部5が貫通孔12回りの肉部15内面に密着してエア漏れを防止すると共にロック部材3がタイヤコード13の欠損を補う。
【0017】
なお、前記したキャップシール16は、全体がゴム製であって、図7に示したように、円形の蓋板16a周縁にスカート部5と同機能の吸盤環16bと、該吸盤環16bに穿設した水抜き又は空気抜き用の透孔(図示せず)が形成されており、中心を通る水平ライン上を除く部分に接着剤を塗布してタイヤWに接着する。この非接着部分は伸縮自在になるため走行時に発生するタイヤWの変形がそこで吸収され、従って、キャップシール16はいつまでも剥がれない。該キャップシール16はタイヤWと同色でよいが、表面に好みに応じて適当な絵や模様を施すようにするのが良い。そうすることにより、タイヤWを修理した箇所が逆にファッション的なアクセントになり、修理したタイヤWを使用することに対する若年層の抵抗感が殆ど無くなる。もちろん、キャップシール16は、タイヤWのトレッド面以外のどこにでも装飾シールとして単独で利用することも可能である。
【0018】
以上、本発明を実施形態1について説明したが、もちろん本発明は上記実施形態1に限定されるものではない。例えば、実施形態1では栓部材2やロック部材3の殆どの部分をゴムで形成したが、合成樹脂や金属で形成するようにしてもよい。また、連結部材2bはベルト状のものに限定されるものではなく、例えばボルトのごとく、軸に雄ネジを切った形態にすることも可能である。その場合、ロック部材3の係合部をナットのごとく雌ネジになし、両者を螺合させた後、連結部材2bに適当な緩み止め加工を施すようにする。
【0019】
また、連結部材2bを実施形態1のような合成樹脂のベルト構造にした場合、必要に応じて内部にピアノ線や繊維をインサートして補強するようにしてもよい。さらにまた、係着部10はロック部材3と肉部15の結合をより強固にする目的で形成したものであり、針10aをインサートしなくとも、円形基板3aの前面に凸条を多数形成して肉部15との結合を良くするか、或いは、貫通孔12の周縁に凸条を立設すると共に該凸条に嵌まり合う溝を円形基板3aに形成して両者を結合するようにしてもよい。また、実施形態1及び後述する実施形態2では、貫通孔12に円形凹部14を形成するようにしたが、このような段付き孔構造に代え、外から内に向けて小径になるテーパ孔構造にしてもよい。この場合、ロック部材3が該テーパ孔に嵌まる。このようなテーパ孔は既存の工具で簡単に加工することができるため、より実施化が容易である。さらにまた、栓部材2に塗布する接着剤としてグリスタイプで非硬化型のものを使用してもよい。そうすることによりタイヤWの変形に栓部材2が追随しやすくなって気密保持性能が高まる。
【0020】
【実施形態2】
図8,図9は実施形態2のタイヤWの補修具1Bを示すものであって、図8は補修具を半断面にして示す分離斜視図、図9は補修具1Bの使用状態を示す要部の断面図である。なお、図8,図9において図1〜図7と同じ符号を付した部分は補修具1Aと同一である。
【0021】
実施形態2の補修具1Bは、栓部材2の本体部2a内にΩ状の掛け金具2cが補強用の強化プラスチック板2dと一体に埋設されており、該掛け金具2cのアーチ形部分に複数の連結部材2b,2b…が放射状に連結されている。また、本体部2aの先端には弾力溝2eが形成されていて、走行時或いはパンク時におけるタイヤWの変形に追随して曲がり易くなっている。また、タイヤWに追随して本体部2aが曲がる場合は、掛け金具2cのアーチ形部分もバネ作用で柔軟に対応する。なお、図示しないが栓部材2の本体部2a内には、傘の骨のような状態でピアノ線をインサートしておくのがよい。そうすることによって、本体部2aが貫通孔12を通過する際に変形しやすく、また、連結部材2b,2b…で本体部2aの中央裏面を引っ張った場合の剛性が高まる。
【0022】
一方、ロック部材3は、円形基板3aの内部に合成樹脂製の半月板3e,3eと輪状のピアノ線3f,3fを二組インサートしたものである。半月板3e,3eは二個一組であって、円形基板3a内の上下に間隔を離して埋設され、該半月板3e,3e同士が前記ピアノ線3f,3fで繋がっている。また、円形基板3aに連結部材2bが通る角形のベルト孔3cが形成されており、前記半月板3e,3eにワンウェイストッパー3dが形成されている。
【0023】
而して、実施形態2の補修具1Bは、前記補修具1Aと同様に、先ず栓部材2aに接着剤を塗って貫通孔12に通し、次いでロック部材3に連結部材2bを通して半月板3e,3eに対応する部分のみを貫通孔12回りの肉部15外面に接着する。こうしてタイヤWに装着した補修具1Bは、栓部材2aのスカート部5が貫通孔12回りの肉部15内面に密着してエア漏れを防止し、且つ、ロック部材3がタイヤコード13の欠損を補う。また、ロック部材3は半月板3e,3eの間に隙間があってその部分が柔軟に曲がるため、タイヤWの動きに追随し得る。なお、半月板3e,3eの間は、ピアノ線3f,3fによって引張り方向の力に対抗することができる。
【0024】
【実施形態3】
図10〜図13は実施形態3のタイヤWの補修具1Cを示すものであって、図10は補修具を半断面にして示す分離斜視図、図11は補修具の使用状態を示す断面図、図12(a)〜(c)は補修工程を示す要部の断面図、図13は嵌め合い構造を示す要部断面図である。なお、図10〜図13において図1〜図9と同じ符号を付した部分は補修具1A,1Bと同一である。
【0025】
実施形態3の補修具1Cはロック部材3をクランプ方式にした点に特徴がある。図10に示したようにロック部材3は、内部材30と外部材31及び受部材32の三部材を組み合わせたものである。受部材32は、合成樹脂又は金属製であって、楔形状の本体部前面に貫通孔12の縁をくわえ込む凹溝32aを有すると共に本体部の上下両面に前記内部材30と外部材31に係合する係合溝32bを有する。また、受部材32の本体部には後述する内部材30のネジ軸30bを挿通するための通孔32cが穿設されている。
【0026】
一方、内部材30と外部材31は金属製であって、平面視半月形態で二個一対のクランプ体30a,30a,31a,31aと、ペアをなすクランプ体30a,30a(31a,31a)同士を繋ぐ補強コード11,11…とからなる。補強コード11は、タイヤコード13に対して平行なる方向に張設した直線状のものと、クランプ体30a,31aのコード溝33に嵌め込んだ円形リング状のものがある。クランプ体30a,30a,31a,31aには後縁に前記受部材32の係合溝32bに係合するリブ34が突設されている。クランプ体30a…の係着部10(タイヤWの肉部15と接する部分)には鋸歯形態の凸条が多数形成されている。もちろん、この係着部10には実施形態1で説明したように短い針10aを多数突設してもよい。
【0027】
そして内部材30のクランプ体30a,30aには、外部材31側に向けて複数本のネジ軸30bが固定的に植設され、また、ネジ軸30bの間に前記ベルト孔3cが複数個穿設されている。さらに内部材30のクランプ体30aには、金属のエッジから栓部材2やタイヤWを保護する目的で弾性カバー体30cが一体に固着されている。この弾性カバー体30cによりタイヤWの激しい動きに起因する肉部15(特にクランプ体30aの端に対応する部分)の疲労を緩和することができる。また、この弾性カバー体30cは、栓部材2と内部材30の結合を良好にする機能をも果たす。
【0028】
一方、外部材31のクランプ体31aには、前記内部材30のネジ軸30bを通すためのネジ孔31bと、ベルト孔3cが複数個穿設されている。また、クランプ体31aの縁には、内部材30のそれと同じ目的で弾性カバー体31cが固着されている。
【0029】
実施形態3で使用する栓部材2は、外観が円錐台形でタイヤWの中心に向く側に窪み20があり、さらに該窪み20に前記弾力溝2eが形成してある。この窪み20はタイヤWの空気圧を受け易くし、以て本体部2aをタイヤWに密着させる機能を果たす。また、栓部材2には合成樹脂製の連結部材2bがインサートされており、ベルト部8,8…が複数本上向きに突出している。なお、言うまでもなく、このベルト部8,8…は等間隔であるのが望ましい。そうすることによって栓部材2を均等な力でタイヤWの内面に密着させることができるからである。
【0030】
その他、図10中符号50は補強コード11を通すために受部材32及び栓部材2に刻設した通し溝である。また、符号54は連結部材2b用のベルト孔3cを内部材30の円形リング状の補強コード11に設ける補助部材である。
【0031】
而して、補修具1Cは、図12(a)のようにタイヤWの損傷部分Pに貫通孔12と円形凹部14を形成し、図10矢示Yの方向に栓部材2を丸めて貫通孔12に強制挿入し、次ぎに図12(b)のように内部材30を貫通孔12から入れる。内部材30は二個のクランプ体30a,30aが補強コード11で接続されている構造であって補強コード11の部分で自由に曲がるため貫通孔12の通過は容易である。次ぎに、受部材32を貫通孔12の縁に嵌め、内部材30のネジ軸30bを受部材32の通孔32cに通す。そして、図12(c)のように受部材32の上に外部材31を載せ、内部材30のネジ軸30bを外部材31のネジ孔31bに通し、ナット51で締め付ける。この締め付けにより、内部材30と外部材31が受部材32に当接し、両部材30,31のリブ34が受部材32の係合溝32bに嵌まる。そしてさらにナット51を締め付けると前記リブ34が支点となり、クランプ体30a…の係着部10が肉部15に食い込む。
【0032】
なお、図11中拡大図Zで示したように、全クランプ体30a…には受部材32の凹溝32a側に向けて返し片52が形成してある。この返し片52と凹溝32aの組合せには次のような意義がある。すなわち、前記ナット51の締め付けで肉部15が圧縮されると、その反動で受部材32の凹溝32aと返し片52の間で肉部15の縁が膨張する。従って、クランプ体30a…の返し片52に肉部15が食い込む状態になるから固定がより強固となる。また、貫通孔12の縁の水密性も飛躍的に向上するから、タイヤWの損傷部分からタイヤコード13の糸孔内に水が入らない。よって、そのような水の侵入に起因する破裂事故、所謂セパレーション事故の防止に優れた効果を発揮する。
【0033】
次ぎに、栓部材2の前記弾性カバー体30cと嵌まり合う凹みの部分にグリスタイプで非硬化型の接着剤を注入した後、連結部材2bを内部材30、受部材32、外部材31及び補助部材54の各ベルト孔3cに通して栓部材2をタイヤWの内面に向けて引き上げる。そうすると、前記接着剤が凹みから溢れてスカート部5の部分にまで広がり、栓部材2がタイヤWの内面に密着して気密性が保たれる。なお、栓部材2とロック部材3は、内部材30の弾性カバー体30cと栓部材2との接合部分に図13に示したような鋸歯状の嵌め合い構造を採用することによりさらに強固に結合できる。
【0034】
そして最後にネジ軸30bと連結部材2bのベルト部8の余分な部分を切除し、円形凹部14に吸盤環16b付きのキャップシール16を装着する。キャップシール16と外部材31の接合部分(図11符号S,T参照)には、図13に示したような嵌め合い構造が採用されている。なお、キャップシール16の蓋板16aには栓部材2の弾力溝2eに対応するウェーブ53が形成されていて、タイヤWの変形に追随し易くしてある。また、キャップシール16は実施形態1とは異なり、全周に接着剤を塗布してタイヤWに接着するようにしてある。そのようにしても、タイヤWが変形することにより屈曲部分の接着剤は自然に剥離する。また、タイヤWのトレッド面やショルダー面に使用するキャップシール16は、外部材31の図11中符号Sの部分に雄ネジを形成して該雄ネジに螺合させるようになし、さらにトレッド面やショルダー面から突出する部分を切除して該トレッド面などと面一にするのがよい。
【0035】
ところで、損傷部分がトレッド面である場合とサイド部分である場合とでは、貫通孔12回りの肉部15の厚みが異なる。しかし、上記実施形態3の補修具1Cは、受部材32を交換するだけで肉部15の厚みの相違に対応することができる。従って、内部材30や外部材31などが共通部品としてそのまま使用可能であり、コスト抑制策として有効である。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、栓部材のスカート部が貫通孔回りの肉部内面に密着してエア漏れを防止すると共にロック部材がタイヤコードの欠損を補うからラジアルタイヤ内を布で補強する必要がない。従って、タイヤの内面に布を貼ってタイヤコードの欠損を補強する、という作業が完全に不要になるため、従来技術のような、先ずタイヤを車体から外し、次にリムを外す、というような面倒な作業が一切不要で、タイヤを車体に付けたまま補修することができ、また、特殊な技能も必要ないためアルバイトの従業員でも迅速、且つ、確実にタイヤを補修することが可能になる効果がある。ひいては、補修のための時間とコストが飛躍的に改善されるから、タイヤの安易な買い換え傾向が是正されて廃タイヤの発生量が減少することになり、廃タイヤの処理問題にも貢献する。
【0037】
また、貫通孔の外側外周にタイヤ内のタイヤコードを傷つけない深さの円形凹部を形成しておくことにより、ロック部材がタイヤのサイド部と面一になって邪魔にならず、外見上も目立たなくなる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 補修具を示す半断面にした分離斜視図である。
【図2】 ロック部材の正面図である。
【図3】 補修工程を示す要部の断面図である。
【図4】 補修工程を示す要部の断面図である。
【図5】 補修工程を示す要部の断面図である。
【図6】 補修工程を示す要部の断面図である。
【図7】 補修工程を示す要部の断面図である。
【図8】 実施形態2の補修具を半断面にして示す分離斜視図である。
【図9】 実施形態2の補修具の使用状態を示す要部の断面図である。
【図10】 実施形態3の補修具を半断面にして示す分離斜視図である。
【図11】 実施形態3の補修具の使用状態を示す要部の断面図である。
【図12】 (a)〜(c)は実施形態3の補修工程を示す要部の断面図である。
【図13】 嵌め合い構造を示す要部断面図である。
【符号の説明】
W …ラジアルタイヤ
P …損傷部分
1A,1B,1C…補修具
2 …栓部材
2a…本体部
2b…連結部材
3 …ロック部材
5 …スカート部
9 …係合部
12…貫通孔
13…タイヤコード
14…円形凹部
15…肉部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a repair method and a repair tool when a side portion, a tread surface, and a shoulder surface of a radial tire (including both a tube type and a tubeless type) are damaged.
[0002]
[Prior art]
In radial tires, the tire cords that make up part of the carcass are buried radially with respect to the center of the tire, so if the side cords are damaged and the tire cords are cut there, the strength of those parts becomes extremely high. descend. Even if the damaged part is closed in such a state, the strength is insufficient, so that the repaired part is expanded by air pressure. For this reason, conventionally, a large cloth is pasted on the inner surface of the radial tire to reinforce the loss of the tire cord, and then the damaged portion is closed.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the work of applying the cloth to the inner surface of the radial tire takes time because it is necessary to first remove the tire from the vehicle body and then to remove the rim, and a highly skilled technique is required. Therefore, high cost and time are required for repairing, and this is a factor that facilitates easy replacement. In recent years, disposal of waste tires has become a major social problem, one of which is the delay in repairing radial tires.
[0004]
The present invention has been made in view of the above, and an object of the present invention is to provide a repair method and a repair tool that can easily and reliably repair a radial tire.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention includes a step of forming a through-hole through a damaged portion of a radial tire, and a tapered side and a rear side formed in a cone shape or a frustum shape larger than the through-hole. A step of forcibly inserting a plug member formed of a skirt portion and a connecting member surrounding the periphery into the radial tire from the through hole, and a locking member arranged outside the through hole as the connecting member of the plug member And a method of repairing a radial tire comprising: engaging and locking the lock member to a meat portion around a through-hole, and closely contacting a skirt portion of a plug member to an inner surface of the meat portion around the through-hole. .
[0006]
Desirably, a circular recess having a depth that does not damage the tire cord in the radial tire is formed on the outer periphery of the through hole, and a lock member is inserted into the circular recess.
[0007]
Further, a plug member comprising a tapered cone-shaped or frustum-shaped main body portion, a connecting member projecting on the rear side of the main body portion, and a skirt portion formed on the rear periphery of the main body portion, and a connecting member for the plug member And a locking member provided with an engaging portion that engages with the inner surface of the through hole formed by piercing the damaged portion of the radial tire, and the skirt portion of the plug member is closely attached to the inner surface of the through hole A radial tire repair tool is provided in which the connecting member of the plug member and the engaging portion of the lock member are engaged with each other and the lock member is fixed to the meat portion around the through hole.
[0008]
The plug member is forcibly inserted from the through hole and the connecting member is held so that the plug member does not fall into the radial tire. Then, if the locking member is engaged with the connecting member to connect the plug member and the locking member, and the lock member is fixed to the outer surface of the meat portion around the through hole by means such as sticking, the skirt portion of the plug member penetrates. There is no need to reinforce the inside of the radial tire with a cloth since the lock member compensates for the loss of the tire cord by tightly adhering to the inner surface of the meat part around the hole.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments 1 to 3 of the present invention will be described below with reference to FIGS.
[0010]
Embodiment 1
1 to 7 show the first embodiment. FIG. 1 is an exploded perspective view showing a repair tool in a half cross section, FIG. 2 is a front view of a lock member, and FIGS. 3 to 7 are main parts showing a repair process. FIG.
[0011]
A
[0012]
The
[0013]
Next, a method for repairing the tire W using the
[0014]
Next, after applying an adhesive to the outer surface of the
[0015]
Next, an adhesive is applied onto the
[0016]
Finally, as shown in FIG. 7, the protruding portion of the connecting
[0017]
The
[0018]
As mentioned above, although this invention was demonstrated about Embodiment 1, of course, this invention is not limited to the said Embodiment 1. FIG. For example, in the first embodiment, most of the
[0019]
Further, when the connecting
[0020]
8 and 9 show the
[0021]
In the
[0022]
On the other hand, the
[0023]
Thus, the
[0024]
10 to 13 show a repair tool 1C for a tire W according to
[0025]
The repair tool 1C of the third embodiment is characterized in that the
[0026]
On the other hand, the
[0027]
A plurality of
[0028]
On the other hand, the
[0029]
The
[0030]
In addition, a
[0031]
Thus, the repair tool 1C has a through
[0032]
In addition, as shown in the enlarged view Z in FIG. 11, the
[0033]
Next, after injecting a grease-type non-curing adhesive into the concave portion of the
[0034]
Finally, excess portions of the
[0035]
By the way, the thickness of the
[0036]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the skirt portion of the plug member is in close contact with the inner surface of the meat portion around the through hole to prevent air leakage, and the lock member compensates for the loss of the tire cord. There is no need to do. Therefore, the work of sticking a cloth on the inner surface of the tire to reinforce the loss of the tire cord is completely unnecessary. As in the prior art, first, the tire is first removed from the vehicle body, and then the rim is removed. No troublesome work is required, the tires can be repaired while attached to the car body, and no special skills are required, so part-time employees can repair tires quickly and reliably. effective. As a result, the time and cost for repair are drastically improved, so that the easy replacement tendency of tires is corrected and the generation amount of waste tires is reduced, which contributes to the disposal problem of waste tires.
[0037]
In addition, by forming a circular recess with a depth that does not damage the tire cord in the tire on the outer periphery of the through hole, the lock member is flush with the side of the tire and does not interfere with the appearance. There is an effect that makes it less noticeable.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an exploded perspective view showing a repair tool in a half cross section.
FIG. 2 is a front view of a lock member.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a main part showing a repair process.
FIG. 4 is a cross-sectional view of a main part showing a repair process.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a main part showing a repair process.
FIG. 6 is a cross-sectional view of a main part showing a repair process.
FIG. 7 is a cross-sectional view of a main part showing a repair process.
FIG. 8 is an exploded perspective view showing the repair tool of
FIG. 9 is a cross-sectional view of a main part showing a use state of the repair tool of the second embodiment.
FIG. 10 is an exploded perspective view showing the repair tool of
FIG. 11 is a cross-sectional view of a main part showing a use state of the repair tool of
FIGS. 12A to 12C are cross-sectional views of main parts showing a repair process according to the third embodiment.
FIG. 13 is a cross-sectional view of a main part showing a fitting structure.
[Explanation of symbols]
W ... Radial tire P ...
Claims (3)
先細りで後側が前記貫通孔より大きい形状の錐形又は錐台形に形成すると共に後側に周縁を囲うスカート部と連結部材とを形成してなる栓部材を、前記貫通孔からラジアルタイヤ内に強制挿入する工程と、
貫通孔の外側に配したロック部材を前記栓部材の連結部材に係合させると共に該ロック部材を貫通孔回りの肉部に固着し、尚且つ、栓部材のスカート部を貫通孔回りの肉部内面に密着させる工程と、
からなることを特徴とするラジアルタイヤの補修方法。Forming a through hole through a damaged portion of the radial tire;
A plug member, which is tapered and has a rear side larger than the through hole in the shape of a cone or a frustum, and a rear side skirt portion and a connecting member is forced into the radial tire from the through hole. Inserting, and
A lock member disposed outside the through hole is engaged with the connecting member of the plug member, and the lock member is fixed to the meat portion around the through hole, and the skirt portion of the plug member is fixed to the meat portion around the through hole. A process of adhering to the inner surface;
A radial tire repairing method comprising:
前記栓部材の連結部材に係合する係合部を設けたロック部材と、を有し、
ラジアルタイヤの損傷部分を刳り貫いて作った貫通孔の内面に栓部材のスカート部を密着させると共に貫通孔の外側にロック部材を配置し、栓部材の連結部材とロック部材の係合部とを係合させると共にロック部材を貫通孔回りの肉部に固着するようにしたことを特徴とするラジアルタイヤの補修具。A plug member comprising a tapered cone-shaped or frustum-shaped main body, a connecting member projecting on the rear side of the main body, and a skirt formed on the rear edge of the main body;
A locking member provided with an engaging portion that engages with the connecting member of the plug member,
The skirt portion of the plug member is brought into close contact with the inner surface of the through hole made by piercing the damaged portion of the radial tire, and the lock member is disposed outside the through hole, and the connecting member of the plug member and the engaging portion of the lock member are arranged. A repair tool for a radial tire, wherein the lock member is engaged and fixed to a meat portion around a through hole.
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