JP3663812B2 - 冷凍食品の製造方法及び冷凍食品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍食品の製造方法及び冷凍食品に関し、詳しくは、容器に入れて凍結させた状態で流通販売され、最終的に容器から取り出して食する冷凍食品の製造方法及び冷凍食品に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
ムースケーキ、プリン等のように、食品を容器(型)に流し入れて冷やし固めて、その容器ごと販売する冷凍食品がある。このような商品は、使用者が内容物の食品を容器から取り出して皿等に盛り直すことが多い。このとき、製品が凍結されたままの状態で容器から取り出す方法と、製品を解凍してから取り出す方法とがある。製品が凍結したままの状態で容器から取り出す方法は、内容物と容器とを剥離させるための手作業を必要とし、かつ、手が汚れるなどの不都合がある。
【0003】
解凍した後に容器から取り出す場合には、内容物と容器とが容易に剥離せず、無理に行うと製品が壊れたりする。これは、解凍によりムースケーキ等の内容物の食品に粘弾性が生じて容器に密着し、空気の入り込む隙間が容易にできないためである。したがって、内容物を容器から取り出すためには、容器と食品との間に空気が入り易くなるようにする必要がある。そのためには、容器を切断したり、穴をあけたり、スプーンを側面に差し込んだりするなどの作業を行っている。容器から食品を取り出すために、容器底部に簡単な操作で孔を形成できるようにしたものも知られているが、この容器は、小さなプリンには有効であるが、ムースには適用が困難であり、大型食品にも適用が困難である。また、容器自体のコストも問題になる。
【0004】
そこで本発明は、容器に詰めて冷凍状態で流通販売される冷凍食品を使用するとき、食品を傷付けること無く、かつ、容易に容器から取り出すことができる冷凍食品の製造方法及び冷凍食品を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の冷凍食品の製造方法は、容器に食品を充填して凍結させた後、容器ごと販売される冷凍食品の製造方法において、前記容器の一面の内面に該内面に対して剥離可能なシートをあらかじめ装填してから前記食品を充填し、該食品を凍結させた後、前記一面をその外面から支持して該一面に対向する側から力を加えて、凍結した食品を前記容器内面から剥離することを特徴としている。また、この方法において、前記容器は、柔軟性を有する合成樹脂であること、前記シートは、凍結状態で柔軟性があり、かつ、容器に付着しない材質であること、前記容器から剥離した凍結食品を、該容器から取り出して、前記容器と同一形状の容器内に再装填すること、前記凍結した食品の剥離は、前記容器に蓋をして包装密閉してから行うこと等を挙げることができる。
【0006】
本発明の冷凍食品は、上述のような方法で得られたものであり、さらに、前記冷凍食品は、プリン、ムース、ゼリーのいずれかを含むことが好適である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の対象となる食品は、例えば、ムース,プリン,ゼリー等のように容器内に充填された状態で販売されるものであって、食するときには、容器から取り出して皿等に盛り直すことが多い食品である。このような食品の冷凍処理は、あらかじめ調製された食品を容器内に流し入れて充填し、これを、例えば冷気雰囲気中において食品を凍結させることにより行われる。この状態では、凍結した食品と容器とは固着している。
【0008】
また、本発明の冷凍食品は、一度食品と容器とを剥離させた後、再度冷凍して流通経路に乗せ、消費の段階で容器ごと解凍してから取り出して使用する形態や、食品と容器とを剥離させた後、容器ごと冷蔵保存して使用する形態や、容器から剥離した食品をそのまま解凍して使用する形態等がある。
【0009】
本発明は、上述のように、凍結した食品と容器とを剥離することを特徴とするものであり、両者を剥離する方法としては任意の方法を採用することができるが、いわゆる型抜き法を採用することが好ましい。図1及び図2は、この型抜き法の概念図であって、図1は型抜き前、図2は型抜き後の状態をそれぞれ示している。
【0010】
冷凍食品1は、合成樹脂等により形成された柔軟性を有する容器2の底面に、容器内面に対して剥離可能なシート3をあらかじめ装填してから食品4を充填し、冷気雰囲気中で食品4を凍結させた後、容器2の開口を蓋5により密封したものである。凍結処理後は、前述のように、凍結した食品4と容器2の内面とは固着した状態になっている。
【0011】
この固着状態の食品4と容器2との剥離は、まず、図1に示すように、支持台6に設けた容器底面より小さな突起部7の上に容器底面中央部を載せた状態で、該容器底面に対向する容器2の開口側から支持台6の方向に力Fを加える。これにより、容器底面の突起部7に接触している部分が支点となり、容器上面が力点として働くので、容器2に歪みが生じて変形する。一方、容器2内の食品4は、凍結しているから変形しないので、図2に示すようにして容器2の内面と凍結した食品4とが剥離し、その間に間隙ができる。
【0012】
この状態で容器上方からの力を取り去ると、容器2は元の形状に復帰するが、前記間隙は残留するので、食品4は、凍結したままでも容易に容器2から取り出すことができる状態になる。また、食品4を解凍しても、前記間隙に空気が残り、食品4と容器2とが密着することが少ないから、外から空気が入り込む隙間ができ易く、食品4を傷付けることなく容器2から容易に取り出すことができる。したがって、このような型抜きを施したものは、凍結した食品4を容器2から取り出して別の流通用の容器に移し替えてもよいが、型抜き後、容器2に充填したままの状態で流通経路に乗せることができるので、容器コストが上昇することもない。
【0013】
また、前記シート3は、食品4と容器2との剥離をより確実に行うために必要に応じて用いるものであって、このシート3を用いない場合、上述の型抜き法において、食品4の種類,容器2の材質,凍結温度、支点の面積,力点に加える力の条件によっては、支点の面となる容器底面の食品が容器内面から剥離しない場合があり得る。しかし、上記のようにシート3を使用することにより、支点となる容器内面に食品が付着することがなくなるので、食品4と容器2とを容易に剥離することができる。このシート3は、食品を取り出して解凍すると容易に取り除くことができる。このシート3の材質は、凍結状態で柔軟性があり、かつ、容器に付着しない材質であることが好ましく、OPP(二軸延伸ポリプロピレン)や可食フィルム(例えばプルランシート等)等が好適に使用できる。また、シート3の大きさは任意であり、容器2の底面の全部を覆うようにしてもよい。
【0014】
前記支点及び力点は、容器2の材質や大きさなどの条件によって適当に設定することができるが、支点は、支点となる面の中央部で、点ではなく面で形成し、孔あきや極度の凹みを生じることがなく、かつ、押す力が効率よく利用できる適度な大きさとする。例えば、支点を形成する突起部7の上面の面積が小さ過ぎると、容器底面が凹んだり、孔が開いたりするおそれがあり、面積が大き過ぎると、食品4と容器2とを隔離させるために力点に大きな力を加えなければならなくなるとともに、容器底面と食品4とが剥離し難くなる不都合が生じる。
【0015】
また、突起部7の上面の面積は、シート3よりも小さな面積とすることが好ましい。一方、前記力点は、前記支点に対して容器2を変形させることができるような力を容器2に加えられればよく、通常は、前記支点が中央部にあるのに対して容器2の縁に設定される。この力点は、容器2を安定した状態で支点方向に押し付けることができるように、2点以上の複数箇所に均一に力が加わるようにすればよく、容器2の一面全体を平面的に押圧するようにしてもよい。
【0016】
前記型抜きにより食品4と容器2とを剥離する際には、容器2が低温で、容器自体がもともと有する柔軟性を失っている場合は、凍結した食品4が実質的に解凍しない範囲で容器2を僅かに加温し、型抜き時の変形に耐え得る柔軟性を回復させておくことが好ましい。例えば、容器自体の温度が低過ぎる場合は、型抜きにおいて食品4と容器2との剥離に大きな力を必要とし、歪みによって容器2が破損することもあり得る。したがって、型抜きに先立って、容器2は柔軟性を持つが、食品4は解凍しない程度の条件で、容器2を短い時間加温するとよい。こうすると、容器2と食品4との剥離が容易になり、容器2が破損することがなくなる。この容器2の加温は、温水に浸漬したり、温水を噴霧したり、温風を吹き付けたりするなどの方法で行うことができる。加温する媒体の温度は特に限定されないが、温水では20〜60℃、温風では40〜80℃が好適である。
【0017】
上記型抜き法は、円柱,角柱,円錐台,角錐台等、あらゆる形状の容器に適用することができ、容器の形状に応じて容器側面に支点や力点を設けることできる。また、前記支点と力点とは、容器を変形させる方向に相対的に移動すればよいものであるから、支点と力点のいずれが移動するようにしてもよく、容器を平面上に倒立させて容器底面の適当な部分を支点として押圧するようにしてもよい。また、容器に対して支点や力点を移動させて上記剥離操作を複数回行うようにしてもよい。
【0018】
上述の型抜き法によれば、容器2をほとんど破損させることなく、凍結した食品4と容器2とを剥離することができ、しかも、凍結処理後の冷凍食品1を支持台6の突起部7の上に載せ、上方から力を加えるだけでよいため、簡単な構成の装置で実施することができるという利点もある。さらに、上記型抜きによる剥離は、蓋5をしないで行うこともできるが、いずれの場合でも食品4を容器2から出さずに作業できるので衛生的である。
【0019】
但し、凍結した食品4と容器2との剥離は、上記型抜き法に限らず、他の様々な方法で行うことができる。例えば、食品を容器に入れて冷凍したのち、容器の一部又は全部を切断して食品を剥離することもできる。この場合の容器は、冷凍するためだけに使用されるものであるが、安価な容器であれば実用性は十分にある。また、食品の一部又は全部の形状を変化させて剥離することもできる。これらの場合において、冷凍食品を製品として流通に乗せるため、流通用の新たな容器に移し替えるときには、新たな容器は、冷凍時に使用した容器と同一の形状にするか、違和感のない容器にすることが望ましい。
【0020】
また、一度容器と食品とを剥離した冷凍食品は、再度冷凍して冷凍状態の商品として流通させることができる。この場合も、流通の過程において、剥離の効果は長期間保持されており、最終的に消費者が冷凍食品を解凍して使用するときでも、食品を容易に容器から取り出すことができる。さらに、一度容器から剥離した食品は、冷蔵しても再度容器と固着することは無いから、上述のように容器と食品とを剥離させた冷凍食品は、冷蔵保存して使用することができる。
【0021】
【実施例】
実施例1
食品としてムースケーキを使用した。ムースケーキの原料は、乳製品,糖類,油脂,ゼラチン等の一般的なものとした。容器は、ポリエチレン製の円錐台形のものとし、これに合う蓋を用意した。容器の上側開口部の直径は190mm、底面部の直径は170mm、高さは50mmであり、側面には波状の凹凸模様がある。また、シートとしてOPP製で、直径105mmのものを用意した。
【0022】
シートを容器の内部底面に敷いた。このときシートを予めアルコールや水で濡らしておくとシートの位置がずれなくてよい。この容器に900mlのムースケーキ生地を流し入れ、冷却して固めた。−40℃の温度で50分間冷却すると、食品温度が−20℃程度になった。この状態で蓋をして密閉した。これを、40℃の水槽に数秒間浸漬して容器に柔軟性を持たせた。
【0023】
型抜きは、支点として直径75mm,高さ20mmの円盤を容器の下に置き、200mm角のステンレス製板で容器の開口縁全体を押すようにした。連続的かつ自動的に作業が行えるように、容器はコンベアーで移動させ、センサーにより、容器が所定の位置に来たとき停止させ、前記ステンレス板で容器上面を所定の力で所定の長さ押すように設定した。
【0024】
型抜きに要した時間は、容器1個につき約12秒であった。20個試験したうち、側面の波模様がやや欠けたものが1個、冷凍食品の極く一部が溶けたものが1個、冷凍食品に僅かなひび割れが生じたものが1個あったが、それらの冷凍食品は商品価値が低下するほどではなかった。残りの17個は完全に良好であり、容器にも破損や変形は生じなかった。型抜きの後は、容器を逆さにするだけで簡単に中身のムースケーキを取り出すことができ、かつ、ムースケーキは綺麗であった。
【0025】
実施例1の方法と比較するため、40℃の水槽に浸漬して柔軟性を持たせた容器(中身の食品はまだ冷凍状態にある)を、従来法である手作業で中身のムースケーキを取り出した。蓋を外して容器を逆さにしただけではのムースケーキを取り出すことはできなかった。そこで、容器を手で押したり広げたりしてムースケーキと容器の間に隙間を作り取り出した。20個試験したうち、波模様がはなはだしく欠けたものが10個、冷凍食品のかなりの部分が溶けたものが3個、冷凍食品にかなりのひび割れを生じたものが2個あった。さらに、容器が破損したものが2個あった。良品は僅かに3個に過ぎなかった。この20個の取出し試験を行うために38分間かかった。この結果を対比すると表1の通りとなる。ただし、上にも記したように、例えば、同じ波模様の欠損といっても、実施例1の方法と従来法ではその程度が著しく異なることに留意すべきである。
【0026】
【0027】
さらに、上記ムースケーキを使用し、一度型抜きして食品と容器とを剥離した後、ムースケーキを同じ容器に入れたまま、再度−18℃で冷凍し、1週間,1ケ月,3ケ月及び6ケ月保存した(各20個)。その後解凍し、各々容器から取り出して皿に盛った。型抜きしてあるムースケーキは、容器を逆さにして多少手で変形させるだけで、20個全てが、波状模様等が欠けることなく、綺麗に取り出すことができた。
【0028】
また、一度型抜きした後、4℃の解凍状態で2日間冷蔵保存した。その後、容器からムースケーキを取り出したが、容器を逆さまにして多少変形させるだけで、20個全てについて波状模様等が欠けることなく、綺麗に取り出すことができた。
【0029】
これに対し、型抜きしていない冷凍ムースケーキは、解凍後に容器を逆さにしただけでは容器とケーキとは外れなかった。20個全てについて、スプーン等の器具を用いて空気を入れたり、容器を切断したりして中身を取り出さなければならなかった。取り出したケーキは、波状模様が欠けているものが4個、ケーキ全体の形が破損しているものが16個もあった。
【0030】
以上の試験結果を表2に示す。一度型抜き処理をして容器とムースケーキとを剥離したものは、極めて容易にかつ綺麗に容器から取り出すことができることがわかる。
【0031】
【0032】
参考例1
食品としてプリンを使用した。プリンの原料は、乳製品,卵,糖類,油脂,ゲル化剤等の一般的なものとした。ポリエチレン製の円錐台形の容器(上部の直径は80mm,底面部の直径は60mm,高さは50mm)に140mlのプリン生地をそれぞれ流し入れた。冷却機で−40℃の温度で20分間冷却すると、食品温度が−20℃になり凍結した。40℃の水槽に数秒間浸漬して容器に柔軟性を持たせた後、はさみを用いて容器上部に切れ目を入れ、切れ目を手で引っ張って容器を引き裂き、容器とプリンとを剥離して凍結したプリンを取出した。この凍結したプリンを、別に用意した透明ポリスチレン製の容器に移し、容器上部をポリエチレンとナイロンの複合フィルムでシールして蓋にした。この透明ポリスチレン製容器は、冷凍食品を流通するときに使用されることを想定しており、形状は、凍結に用いた上記ポリエチレン製容器と同一とした。
【0033】
上記新たな容器に移したプリンを再度冷凍し、1週間,1ケ月,3ヶ月及び6ケ月保存した(各20個)。その後解凍し、各々容器から出して皿に盛った。上記処置により一度冷凍用の容器と食品とを剥離させたプリンは、容器を逆さにして多少手で変形させるだけで、20個全てが、端(角)が欠ける等なく、綺麗に取り出すことができた。
【0034】
また、一度剥離したものを、4℃の解凍状態で2日間冷蔵保存した後、容器から取り出した。このときも、容器を逆さまにして多少変形させるだけで、20個全てを綺麗に取り出すことができた。
【0035】
それに対し、剥離操作を行わなかった冷凍プリンは、解凍して容器を逆さにしただけではプリンを取り出すことができず、20個全てについて、スプーン等の器具を用いて空気を入れたり、容器を切断したりして中身のプリンを取り出さなければならなかった。取り出したプリンは、端が欠けているものが6個、全体の形が破損しているものが14個もあった。
【0036】
以上の試験結果を表3に示す。参考例1のように、最初の冷凍時の容器から別の容器に移し替えた場合にも、長期にわたって剥離の効果が続き、参考例1による冷凍プリンは、解凍した後、極めて容易にかつ綺麗に容器から取り出すことができることがわかる。
【0037】
【0038】
参考例2
食品としてゼリーを使用した。ゼリーの原料は、糖類,ゲル化剤,香料等の一般的なものとした。ステンレス薄板製の円錐台形の容器(板厚は0.5mm、上部の直径は210mm、底部面の直径は190mm、高さは45mm)を用意した。この容器は、型抜き処理において歪みを生じ、手で押しても容器が容易に変形する程度に薄い板厚である。この容器に1100mlのゼリー生地を流し入れた。これを冷却機により−40℃で15分間冷却すると、食品温度は−20℃の凍結状態になった。これを、40℃の水槽に数秒間浸漬して容器に柔軟性を持たせた。
【0039】
これに型抜き処理を施した。型抜きは、支点として直径30mm,高さ10mmの円盤を容器の下に置き、230mm角のステンレス製板で、容器の開口縁全体を押すようにした。連続的かつ自動的に作業が行えるように、容器はコンベアーで移動させ、センサーにより、容器が所定の位置に来たとき停止し、前記ステンレス板で容器上面を所定の力で所定の長さ押すように設定した。
【0040】
上記型抜きに要した時間は、容器1個につき約12秒であった。20個試験したうち、少し解けたものが1個、僅かなひび割れが生じたものが1個あったが、これらは、商品価値が低下するほどではなかった。残りの18個は完全に良好であった。容器にも破損や変形は生じなかった。
【0041】
参考例2と比較するため、40℃の水槽に浸漬した後、型抜きを行わずに手作業で中身のゼリーを取り出した。その結果、容器を逆さにしただけではゼリーを取り出すことはできなかった。そこで、容器を手で押したり広げたりしてゼリーと容器との間に隙間を作って取り出した。20個試験したうち、ゼリーの端が欠けたものが8個、ゼリーのかなりの部分が解けたものが2個、ゼリーにかなりのひび割れが生じたものが6個あり、良品は僅かに4個に過ぎなかった。20個の試験に21分間かかった。この結果を対比すると表4の通りとなる。ただし、上にも記したように、例えば、ゼリーの端が欠けたといっても、参考例2の方法と従来法ではその程度は著しく異なる。
【0042】
【0043】
上記型抜き処理でステンレス容器からゼリーを取り外した後、別に用意したポリスチレン製の容器に移し替え、容器上部をポリエチレンとナイロンの複合フィルムでシールして蓋をした。このポリスチレン製容器は、流通経路に乗せることを想定したものであって、形状はステンレス製容器と同一である。これを−18℃で再度冷凍し、1週間,1ケ月,3ケ月及び6ケ月保存した(各20個)。その後解凍し、各々容器から出して皿に盛った。型抜き処理を施したゼリーは、容器を逆さにして多少手で変形させるだけで、20個全てを綺麗に取り出すことができた。
【0044】
また、一度型抜きしたものを、4℃の解凍状態で2日間冷蔵保存した後、容器から取り出した。このときも、容器を逆さまにして多少変形させるだけで、20個全てを綺麗に取り出すことができた。
【0045】
これに対し、型抜きしていない冷凍ゼリーは、解凍後に容器を逆さにして多少変形させるだけでは取り出すことができなかった。そこで、20個全てについて、スプーン等の器具を用いて空気を入れたりして取り出さなければならなかった。取り出したゼリーは、端が欠けているものが4個、全体の形が破損しているものが8個もあった。良品は8個であった。
【0046】
以上の試験結果を表5に示す。参考例2のように一度型抜きして別の容器に移し替えたゼリーは、解凍した後、極めて容易にかつ綺麗に容器から取り出すことができることがわかる。
【0047】
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、冷凍状態において中身の食品と容器とを剥離しておくことにより、食品を傷付けること無く容器から容易に取り出すことができる。また、このような冷凍食品を衛生的かつ工業的に製造することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 型抜き前の状態を示す概念図である。
【図2】 型抜き後の状態を示す概念図である。
【符号の説明】
1…冷凍食品、2…容器、3…シート、4…食品、5…蓋
Claims (7)
- 容器に食品を充填して凍結させた後、容器ごと販売される冷凍食品の製造方法において、前記容器の一面の内面に該内面に対して剥離可能なシートをあらかじめ装填してから前記食品を充填し、該食品を凍結させた後、前記一面をその外面から支持して該一面に対向する側から力を加えて、凍結した食品を前記容器内面から剥離することを特徴とする冷凍食品の製造方法。
- 前記容器は、柔軟性を有する合成樹脂であることを特徴とする請求項1記載の冷凍食品の製造方法。
- 前記シートは、凍結状態で柔軟性があり、かつ、容器に付着しない材質であることを特徴とする請求項1又は2記載の冷凍食品の製造方法。
- 前記容器から剥離した凍結食品を、該容器から取り出して、前記容器と同一形状の容器内に再装填することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1記載の冷凍食品の製造方法。
- 前記凍結した食品の剥離は、前記容器に蓋をして包装密閉してから行うことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の冷凍食品の製造方法。
- 請求項1乃至5のいずれか1項記載の製造方法で製造された容器入り冷凍食品。
- 前記冷凍食品は、プリン、ムース、ゼリーのいずれかを含むことを特徴とする請求項6記載の容器入り冷凍食品。
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