JP3661512B2 - 脳波信号処理装置及び方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脳波信号からノイズ成分を除去するための装置及び方法に関し、特に作業時や活動時などの開眼時の脳波測定の際に必ず生じる瞬目によるノイズ成分を除去するための装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平11-137530号公報に開示された「特徴脳電磁波検出装置」では、脈波、眼球運動、瞬目などが原因で生じた特徴波が混在した脳電磁波をウェーブレット解析し、分解された脳電磁波データと生体情報時系列データを比較することで、脳電磁波信号に含まれる前記特徴波の成分を判定している。この装置は、脳波判読者、医者など、脳波を判読する者の負担軽減を目指すものであり、脈波や眼球運動、瞬目などを検出するための検出手段を脳波計以外に設け、この検出手段の検出信号に基づいて特徴波を判定している。例えば、瞬目の場合、瞼の周囲に検出電極を装着するなどして瞬目動作を検出し、この検出結果から、瞬目動作に起因すると考えられる脳波成分(特徴波)を判定していた。このように、目的とする特徴波に対応する生体現象(眼球運動や瞬目など)を別途検出し、この検出結果を利用して脳波分析を行うことで、脳波のオリジナルデータからの特徴波の検出精度が上がり、脳波判読者及び医師の負荷を軽減できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、脳波測定を受ける人に対して脳波測定のために多数の電極を装着させているのにかかわらず、特徴波検出のためにさらなる装置を装着する必要があり、測定を受ける人への負担が大きくなる。特に瞬目によるノイズ成分の検出のために眼の周りに電極などをつけることは、脳波測定を受ける人にとって大きな負担になる。
【0004】
また、瞬目に起因する脳波成分は、一般に脳波分析の際のノイズとなるので、従来は上記従来装置などの手法を利用して瞬目時の脳波を判別して削除したり、あるいは判読者側で無視したりして分析を行っていた。ところが、作業時や活動時などのように目を開いているときの脳波には、瞬目によるノイズ成分が少なくとも5秒に1度程度の割合で混在することが知られており、このように頻繁に混在する瞬目ノイズ成分を削除したり、無視したりすることは、判読者にとって大きな負担であった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、脳波判読の負荷と脳波測定を受ける人への負荷の双方を軽減するための装置及び方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、ウェーブレット解析によって脳波の時系列データを分解して、注目する生体現象によるノイズ成分のデータと脳波のデータに分離する。そして分解された脳波データを再構成するときに、ノイズ成分のデータを除去することで、ノイズが除かれた脳波を再構成する。
【0007】
瞬目ノイズを除去する態様では、マザーウェーブレットにスプライン4関数を用い、生の脳波時系列データf0をレベル(−4)までウェーブレット分解することで瞬目ノイズ成分f4を脳波時系列データから分離し、さらに分離した瞬目ノイズ成分を除いて再構成することにより、瞬目ノイズが除去された状態の脳波時系列データを再現することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本実施形態では、脳波計で検出された脳波の時系列データから瞬目によるノイズ成分を自動的に除去する装置を提案する。この装置では、脳波計で取得した生の脳波時系列データをウェーブレット分解し、この分解結果から瞬目ノイズ成分に対応する信号成分を除き、残りの成分を再合成することにより、瞬目ノイズ成分が除去された脳波信号を再構成する。
【0009】
このような装置を構築するため、発明者らは以下のような実験を行って、瞬目ノイズ成分を抽出できる分解レベルを特定した。
【0010】
この実験では、瞬目ノイズの特徴を調べるために、頭部に電極をつけて脳波を測ると同時に、眼の周りにも電極をつけて瞬目信号を検出した。そして、瞬目動作をしたときの脳波時系列データと瞬目信号時系列データとを照らし合わせ、脳波時系列データが瞬目動作によってどのように変化するかを調べた。このときに被験者に瞬目動作をさまざまな時間間隔で行ってもらうことで、いろいろなタイプの瞬目動作によって変化する脳波時系列データを記録した。この実験から瞬目ノイズの特徴をとらえた。
【0011】
この実験で瞬目ノイズが混在しているとわかった脳波時系列データに対して対してウェーブレット変換を行った。ウェーブレット変換自体は周知の技術であり、例えば、「数理科学ウェーブレットビギナーズガイド」、榊原進著 東京電機大学出版局、1995年などに詳しい。以下、この実験において用いたウェーブレット変換処理の数学的基礎事項を簡単に説明する。
【0012】
時刻tで計測された脳波時系列データをf(t)とすると、波形f(t)に対するウェーブレット変換の展開係数は、
【数1】
となる。ここで、Ψは、マザーウェーブレット(Mother Wavelet)関数と呼ばれる。マザーウエーブレット関数には、ハール(Haar)、ドーベシィ(Daubechies)、メキシカンハット(MexicanHat)等様々なものが知られている。本実施形態では、周波数分解能が高いといわれるスプライン4(Spline4)関数をマザーウェーブレット関数に用いてウェーブレット変換を行った。また、式(1)において、aはマザーウェーブレット関数の時間軸方向に伸縮するパラメータであり、周波数成分の情報に対応する。またbは、マザーウェーブレット関数を時間軸方向に平行移動する情報を表している。この変換を離散的にサンプリングされたデータに適用できるように、パラメータa,bを、
【数2】
と定義する。すると式(1)は、
【数3】
と書け、この逆変換は、
【数4】
と表せる。次に式(4)は、
【数5】
を使って、脳波時系列データf(t)を原データf0(t)と見ることで
【数6】
と書ける。ここで、
【数7】
としたとき、これはjは分解レベルを表していて、jの値が小さいほどサンプリング間隔が大きくなることに対応し、低周波成分を検出できるようになる。式(7)から明らかなように、fj(t)は次のように分解できる。
【0013】
【数8】
これがウエーブレット分解であり、この式(8)の右辺第2項がウェーブレット展開係数、すなわち高周波成分を表し、右辺第1項が元の信号(左辺)から高周波成分を取り除いて得た低周波成分を表す。この分解操作により得られた低周波成分fj-1に再び同じ式(8)を適用し、これを繰り返すことにより分解を進めていく。
【0014】
発明者らは、瞬目動作によるノイズが入っていることを確認している脳波時系列データを多数用意し、これらに対してマザーウェーブレットにスプライン4関数を用いて上記のウェーブレット分解操作を施し、各分解レベルでの低周波成分fjと高周波成分gjの信号を調べた。その結果、レベル(−4)まで分解することにより、ほとんどのケースで瞬目動作によるノイズ成分を抽出できることを発見した。
【0015】
すなわち、
【数9】
と分解することで、f-4に瞬目動作によるノイズ成分をとらえることができることが実験により確認できた。したがって、このf-4成分を除いた残りのg-1 、g-2、g-3 、g-4により、瞬目ノイズ成分が除去された脳波信号を再構成することが可能になる。
【0016】
図1に、実験に用いたオリジナルの脳波信号f0の波形を示す。この波形は、符号1に示す範囲に、瞬目動作によるノイズ成分が重畳されている。図2は、図1に示した信号f0を分解して得た、レベル(−1)の低周波成分f-1、高周波成分g-1の波形を示し、図3はf-1を分解して得たレベル(−2)の低周波成分f-2、高周波成分g-2の波形を示す。同様に図4はレベル(−3)の、図5はレベル(−4)の、各成分(すなわちf-3、g-3、f-4、g-4)の波形を示す。そして、図6に、これら各分解レベルの信号成分のうち、瞬目ノイズ成分に相当するレベル(−4)の低周波成分f-4を除いた残りのg-1 、g-2 、g-3 、g-4を用いて再構成(逆変換)した脳波信号波形を示す。図6の再構成データでは、図1のオリジナル波形に見られたような瞬目ノイズによるうねりの成分が除去されていることが分かる。
【0017】
このようにして、瞬目ノイズが混在した多数の脳波時系列データに対して、マザーウェーブレット関数にスプライン4関数を用いレベル(−4)までウェーブレット分解し、そのレベル(−4)の低周波成分f-4を除いて脳波信号を再構成した。この結果、それら用意した多数の生の脳波時系列データに対し、瞬目ノイズ成分が除去された状態の脳波を再現できることが確認された。
【0018】
本実施形態の装置及び方法では、この実験結果に基づき、眼の周りに瞬目動作検出のための装置を装着せず、専ら脳波計で得られた生の脳波時系列データのみから、瞬目ノイズが除去された脳波時系列データを再構成する。図7にこのための装置構成の一例を示す。
【0019】
図7に示す装置は、脳波計10、ノイズ成分除去部20、記憶部30及び表示部40から構成される。脳波計10は従来からある一般的な脳波計である。ノイズ成分除去部20は、脳波計10で得られた生の脳波信号を受け取り、そこから瞬目ノイズ成分を除去する。記憶部30は、脳波信号データを記憶するメモリであり、表示部40は脳波信号の視覚的表示を行う装置である。
【0020】
図8は、この装置のノイズ成分除去部20の処理手順を示すフローチャートである。以下、図7及び図8を参照して、本実施形態の装置の構成及び動作について説明する。
【0021】
脳波計10の電極は、例えば、前頭極にFp1、Fp2、前頭にF3、Fz、F4、下前頭にF7、F8、中心頭にC3、Cz、C4、頭頂にP3、Pz、P4、後頭にO1、O2、側頭にT3、T4後側頭にT5、T6、耳朶にA1、A2を、それぞれ装着する。この方法は国際脳波学会で標準方式として推奨している10/20法である。ただし、この電極装着法はあくまで一例であり、本実施形態の手法は脳波電極装着法には基本的に依存しない。例えば将来新たな方式が出現してきたらその方式で電極を装着しても良い。この脳波計で検出された生の脳波信号は、瞬目動作によるノイズ成分を含んでいる可能性がある。この生の脳波信号は、増幅及びA/D変換されて時系列データとなり、ノイズ成分除去部20のウェーブレット分解部22に入力される(図8のS100)。
【0022】
ウェーブレット分解部22は、入力された脳波時系列データに対してスプライン4関数を用いてウェーブレット変換を施し(S102)、レベル(−4)までウェーブレット分解する(S104)。この分解結果は脳波再構成部24に送られる。脳波再構成部24では、受け取ったウェーブレット分解結果の信号群からレベル(−4)の低周波成分f-4を除き、残りのg-1 、g-2 、g-3 、g-4を合成することにより、脳波信号を再構成する(S106)。この結果、瞬目ノイズ成分が除去された脳波信号データが完成する(S108)。
【0023】
再構成された脳波信号データは記憶部30に保持され、表示部40に例えばグラフ表示される。
【0024】
上記ノイズ成分除去部20の処理は、脳波計の各電極の検出信号ごとに行う。瞬目ノイズが現れるのは、一般には頭部に装着した電極のうちの一部の電極の信号のみなので、ノイズ成分除去部20による瞬目ノイズ除去はそのような電極の信号のみに限定してもよい。
【0025】
表示部40では、例えば各電極の検出信号を並べて表示することができる。ノイズ成分除去部20による瞬目ノイズ除去処理にはある程度の時間を要するので、瞬目ノイズ除去の適用を一部の電極のみに限定した場合は、表示部40に表示する際、ノイズ除去処理に要する時間の分だけ、ノイズ除去処理を施していない電極の信号を遅延させ、各電極に対応する検出信号の時相を整合させる。測定を受ける人によっては頭部全体に瞬目ノイズがのってしまう人がいるので、このときには、全電極から記録した時系列データに対して瞬目ノイズ除去処理を行えば良い。また、各電極の検出信号波形をひとつひとつ単独に表示することもできる。
【0026】
本実施形態における瞬目ノイズ成分の除去処理は、脳波計10により時々刻々検出される脳波信号に対してリアルタイムで適用することもできるし、過去に脳波計10で計測し記憶装置に記憶した脳波時系列データを取り出して、それに対して適用することもできる。なお、リアルタイム処理の場合、瞬目ノイズ除去処理に長い時間を要すると、表示部40に表示される波形のリアルタイム性が損なわれてしまうおそれがあるが、現在のパーソナルコンピュータでも高速なものを用いれば、実用上問題ない程度の時間で瞬目ノイズ除去が行える。
【0027】
なお、ノイズ成分除去部20は、例えばパーソナルコンピュータなどのコンピュータシステムをプラットフォームとして、ソフトウエア的に実装することができる。この場合、図8等に示した処理手順を記述したプログラムをコンピュータシステムに実行させればよい。このプログラムは、CD−ROM等の可搬記録媒体の形でベンダから提供することができる。ユーザはこの記録媒体上のプログラムを自分のコンピュータシステムにインストールすることにより、ノイズ成分除去部20を構成することができる。
【0028】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、これはあくまで一例に過ぎず、様々な変形例が本発明の範囲内に含まれる。
【0029】
例えば、上記の例では、ウェーブレット分解のマザーウェーブレットにスプライン4関数を用いたが、他のマザーウェーブレット関数を用いることも可能である。スプライン4関数を用いた場合はレベル(−4)までの分解で瞬目ノイズを除去できたが、他の関数を用いた場合は、それに応じて分解レベルのレベル数を決める必要がある。実験等によりどの分解レベルまで分解すればよいかを求められ、これに応じてノイズ成分除去部20のウェーブレット分解のレベル数の設定を変えればよい。
【0030】
また、上記の例では瞬目動作によるノイズ成分の除去を例にとって説明したが、本発明の手法はこれ以外の他の生体現象に起因するノイズ成分の除去にも適用可能である。この場合、対象とする生体現象によって、適切なマザーウェーブレット関数、分解レベル数を定める必要がある。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、脳波計の検出データのみからノイズ除去が行えるので、ノイズ原因となる生体現象を検出するための装置を脳波測定装置に加えて装着する必要がない。したがって、被験者の負荷を軽減できる。また、本発明によれば、生の脳波時系列データから、注目する生体現象よるノイズ成分を除去した脳波信号を自動的に再構成するので、医師や脳波判読者は、ノイズ成分によって波形の乱されていないデータを表示装置から観察できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 瞬目ノイズを含んだオリジナルの脳波データの波形を示す図である。
【図2】 オリジナルデータをウェーブレット分解して得たレベル(−1)の低周波成分f-1、高周波成分g-1の波形を示す図である。
【図3】 レベル(−2)の分解結果の波形を示す図である。
【図4】 レベル(−3)の分解結果の波形を示す図である。
【図5】 レベル(−4)の分解結果の波形を示す図である。
【図6】 瞬目ノイズ成分を除いて再構成した脳波波形を示す図である。
【図7】 実施形態の装置構成を示す図である。
【図8】 ノイズ成分除去部の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 脳波計、20 ノイズ成分除去部、22 ウェーブレット分解部、24脳波再構成部、30 記憶部、40 表示部。
【発明の属する技術分野】
本発明は、脳波信号からノイズ成分を除去するための装置及び方法に関し、特に作業時や活動時などの開眼時の脳波測定の際に必ず生じる瞬目によるノイズ成分を除去するための装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
特開平11-137530号公報に開示された「特徴脳電磁波検出装置」では、脈波、眼球運動、瞬目などが原因で生じた特徴波が混在した脳電磁波をウェーブレット解析し、分解された脳電磁波データと生体情報時系列データを比較することで、脳電磁波信号に含まれる前記特徴波の成分を判定している。この装置は、脳波判読者、医者など、脳波を判読する者の負担軽減を目指すものであり、脈波や眼球運動、瞬目などを検出するための検出手段を脳波計以外に設け、この検出手段の検出信号に基づいて特徴波を判定している。例えば、瞬目の場合、瞼の周囲に検出電極を装着するなどして瞬目動作を検出し、この検出結果から、瞬目動作に起因すると考えられる脳波成分(特徴波)を判定していた。このように、目的とする特徴波に対応する生体現象(眼球運動や瞬目など)を別途検出し、この検出結果を利用して脳波分析を行うことで、脳波のオリジナルデータからの特徴波の検出精度が上がり、脳波判読者及び医師の負荷を軽減できる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術は、脳波測定を受ける人に対して脳波測定のために多数の電極を装着させているのにかかわらず、特徴波検出のためにさらなる装置を装着する必要があり、測定を受ける人への負担が大きくなる。特に瞬目によるノイズ成分の検出のために眼の周りに電極などをつけることは、脳波測定を受ける人にとって大きな負担になる。
【0004】
また、瞬目に起因する脳波成分は、一般に脳波分析の際のノイズとなるので、従来は上記従来装置などの手法を利用して瞬目時の脳波を判別して削除したり、あるいは判読者側で無視したりして分析を行っていた。ところが、作業時や活動時などのように目を開いているときの脳波には、瞬目によるノイズ成分が少なくとも5秒に1度程度の割合で混在することが知られており、このように頻繁に混在する瞬目ノイズ成分を削除したり、無視したりすることは、判読者にとって大きな負担であった。
【0005】
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、脳波判読の負荷と脳波測定を受ける人への負荷の双方を軽減するための装置及び方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明では、ウェーブレット解析によって脳波の時系列データを分解して、注目する生体現象によるノイズ成分のデータと脳波のデータに分離する。そして分解された脳波データを再構成するときに、ノイズ成分のデータを除去することで、ノイズが除かれた脳波を再構成する。
【0007】
瞬目ノイズを除去する態様では、マザーウェーブレットにスプライン4関数を用い、生の脳波時系列データf0をレベル(−4)までウェーブレット分解することで瞬目ノイズ成分f4を脳波時系列データから分離し、さらに分離した瞬目ノイズ成分を除いて再構成することにより、瞬目ノイズが除去された状態の脳波時系列データを再現することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本実施形態では、脳波計で検出された脳波の時系列データから瞬目によるノイズ成分を自動的に除去する装置を提案する。この装置では、脳波計で取得した生の脳波時系列データをウェーブレット分解し、この分解結果から瞬目ノイズ成分に対応する信号成分を除き、残りの成分を再合成することにより、瞬目ノイズ成分が除去された脳波信号を再構成する。
【0009】
このような装置を構築するため、発明者らは以下のような実験を行って、瞬目ノイズ成分を抽出できる分解レベルを特定した。
【0010】
この実験では、瞬目ノイズの特徴を調べるために、頭部に電極をつけて脳波を測ると同時に、眼の周りにも電極をつけて瞬目信号を検出した。そして、瞬目動作をしたときの脳波時系列データと瞬目信号時系列データとを照らし合わせ、脳波時系列データが瞬目動作によってどのように変化するかを調べた。このときに被験者に瞬目動作をさまざまな時間間隔で行ってもらうことで、いろいろなタイプの瞬目動作によって変化する脳波時系列データを記録した。この実験から瞬目ノイズの特徴をとらえた。
【0011】
この実験で瞬目ノイズが混在しているとわかった脳波時系列データに対して対してウェーブレット変換を行った。ウェーブレット変換自体は周知の技術であり、例えば、「数理科学ウェーブレットビギナーズガイド」、榊原進著 東京電機大学出版局、1995年などに詳しい。以下、この実験において用いたウェーブレット変換処理の数学的基礎事項を簡単に説明する。
【0012】
時刻tで計測された脳波時系列データをf(t)とすると、波形f(t)に対するウェーブレット変換の展開係数は、
【数1】
となる。ここで、Ψは、マザーウェーブレット(Mother Wavelet)関数と呼ばれる。マザーウエーブレット関数には、ハール(Haar)、ドーベシィ(Daubechies)、メキシカンハット(MexicanHat)等様々なものが知られている。本実施形態では、周波数分解能が高いといわれるスプライン4(Spline4)関数をマザーウェーブレット関数に用いてウェーブレット変換を行った。また、式(1)において、aはマザーウェーブレット関数の時間軸方向に伸縮するパラメータであり、周波数成分の情報に対応する。またbは、マザーウェーブレット関数を時間軸方向に平行移動する情報を表している。この変換を離散的にサンプリングされたデータに適用できるように、パラメータa,bを、
【数2】
と定義する。すると式(1)は、
【数3】
と書け、この逆変換は、
【数4】
と表せる。次に式(4)は、
【数5】
を使って、脳波時系列データf(t)を原データf0(t)と見ることで
【数6】
と書ける。ここで、
【数7】
としたとき、これはjは分解レベルを表していて、jの値が小さいほどサンプリング間隔が大きくなることに対応し、低周波成分を検出できるようになる。式(7)から明らかなように、fj(t)は次のように分解できる。
【0013】
【数8】
これがウエーブレット分解であり、この式(8)の右辺第2項がウェーブレット展開係数、すなわち高周波成分を表し、右辺第1項が元の信号(左辺)から高周波成分を取り除いて得た低周波成分を表す。この分解操作により得られた低周波成分fj-1に再び同じ式(8)を適用し、これを繰り返すことにより分解を進めていく。
【0014】
発明者らは、瞬目動作によるノイズが入っていることを確認している脳波時系列データを多数用意し、これらに対してマザーウェーブレットにスプライン4関数を用いて上記のウェーブレット分解操作を施し、各分解レベルでの低周波成分fjと高周波成分gjの信号を調べた。その結果、レベル(−4)まで分解することにより、ほとんどのケースで瞬目動作によるノイズ成分を抽出できることを発見した。
【0015】
すなわち、
【数9】
と分解することで、f-4に瞬目動作によるノイズ成分をとらえることができることが実験により確認できた。したがって、このf-4成分を除いた残りのg-1 、g-2、g-3 、g-4により、瞬目ノイズ成分が除去された脳波信号を再構成することが可能になる。
【0016】
図1に、実験に用いたオリジナルの脳波信号f0の波形を示す。この波形は、符号1に示す範囲に、瞬目動作によるノイズ成分が重畳されている。図2は、図1に示した信号f0を分解して得た、レベル(−1)の低周波成分f-1、高周波成分g-1の波形を示し、図3はf-1を分解して得たレベル(−2)の低周波成分f-2、高周波成分g-2の波形を示す。同様に図4はレベル(−3)の、図5はレベル(−4)の、各成分(すなわちf-3、g-3、f-4、g-4)の波形を示す。そして、図6に、これら各分解レベルの信号成分のうち、瞬目ノイズ成分に相当するレベル(−4)の低周波成分f-4を除いた残りのg-1 、g-2 、g-3 、g-4を用いて再構成(逆変換)した脳波信号波形を示す。図6の再構成データでは、図1のオリジナル波形に見られたような瞬目ノイズによるうねりの成分が除去されていることが分かる。
【0017】
このようにして、瞬目ノイズが混在した多数の脳波時系列データに対して、マザーウェーブレット関数にスプライン4関数を用いレベル(−4)までウェーブレット分解し、そのレベル(−4)の低周波成分f-4を除いて脳波信号を再構成した。この結果、それら用意した多数の生の脳波時系列データに対し、瞬目ノイズ成分が除去された状態の脳波を再現できることが確認された。
【0018】
本実施形態の装置及び方法では、この実験結果に基づき、眼の周りに瞬目動作検出のための装置を装着せず、専ら脳波計で得られた生の脳波時系列データのみから、瞬目ノイズが除去された脳波時系列データを再構成する。図7にこのための装置構成の一例を示す。
【0019】
図7に示す装置は、脳波計10、ノイズ成分除去部20、記憶部30及び表示部40から構成される。脳波計10は従来からある一般的な脳波計である。ノイズ成分除去部20は、脳波計10で得られた生の脳波信号を受け取り、そこから瞬目ノイズ成分を除去する。記憶部30は、脳波信号データを記憶するメモリであり、表示部40は脳波信号の視覚的表示を行う装置である。
【0020】
図8は、この装置のノイズ成分除去部20の処理手順を示すフローチャートである。以下、図7及び図8を参照して、本実施形態の装置の構成及び動作について説明する。
【0021】
脳波計10の電極は、例えば、前頭極にFp1、Fp2、前頭にF3、Fz、F4、下前頭にF7、F8、中心頭にC3、Cz、C4、頭頂にP3、Pz、P4、後頭にO1、O2、側頭にT3、T4後側頭にT5、T6、耳朶にA1、A2を、それぞれ装着する。この方法は国際脳波学会で標準方式として推奨している10/20法である。ただし、この電極装着法はあくまで一例であり、本実施形態の手法は脳波電極装着法には基本的に依存しない。例えば将来新たな方式が出現してきたらその方式で電極を装着しても良い。この脳波計で検出された生の脳波信号は、瞬目動作によるノイズ成分を含んでいる可能性がある。この生の脳波信号は、増幅及びA/D変換されて時系列データとなり、ノイズ成分除去部20のウェーブレット分解部22に入力される(図8のS100)。
【0022】
ウェーブレット分解部22は、入力された脳波時系列データに対してスプライン4関数を用いてウェーブレット変換を施し(S102)、レベル(−4)までウェーブレット分解する(S104)。この分解結果は脳波再構成部24に送られる。脳波再構成部24では、受け取ったウェーブレット分解結果の信号群からレベル(−4)の低周波成分f-4を除き、残りのg-1 、g-2 、g-3 、g-4を合成することにより、脳波信号を再構成する(S106)。この結果、瞬目ノイズ成分が除去された脳波信号データが完成する(S108)。
【0023】
再構成された脳波信号データは記憶部30に保持され、表示部40に例えばグラフ表示される。
【0024】
上記ノイズ成分除去部20の処理は、脳波計の各電極の検出信号ごとに行う。瞬目ノイズが現れるのは、一般には頭部に装着した電極のうちの一部の電極の信号のみなので、ノイズ成分除去部20による瞬目ノイズ除去はそのような電極の信号のみに限定してもよい。
【0025】
表示部40では、例えば各電極の検出信号を並べて表示することができる。ノイズ成分除去部20による瞬目ノイズ除去処理にはある程度の時間を要するので、瞬目ノイズ除去の適用を一部の電極のみに限定した場合は、表示部40に表示する際、ノイズ除去処理に要する時間の分だけ、ノイズ除去処理を施していない電極の信号を遅延させ、各電極に対応する検出信号の時相を整合させる。測定を受ける人によっては頭部全体に瞬目ノイズがのってしまう人がいるので、このときには、全電極から記録した時系列データに対して瞬目ノイズ除去処理を行えば良い。また、各電極の検出信号波形をひとつひとつ単独に表示することもできる。
【0026】
本実施形態における瞬目ノイズ成分の除去処理は、脳波計10により時々刻々検出される脳波信号に対してリアルタイムで適用することもできるし、過去に脳波計10で計測し記憶装置に記憶した脳波時系列データを取り出して、それに対して適用することもできる。なお、リアルタイム処理の場合、瞬目ノイズ除去処理に長い時間を要すると、表示部40に表示される波形のリアルタイム性が損なわれてしまうおそれがあるが、現在のパーソナルコンピュータでも高速なものを用いれば、実用上問題ない程度の時間で瞬目ノイズ除去が行える。
【0027】
なお、ノイズ成分除去部20は、例えばパーソナルコンピュータなどのコンピュータシステムをプラットフォームとして、ソフトウエア的に実装することができる。この場合、図8等に示した処理手順を記述したプログラムをコンピュータシステムに実行させればよい。このプログラムは、CD−ROM等の可搬記録媒体の形でベンダから提供することができる。ユーザはこの記録媒体上のプログラムを自分のコンピュータシステムにインストールすることにより、ノイズ成分除去部20を構成することができる。
【0028】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、これはあくまで一例に過ぎず、様々な変形例が本発明の範囲内に含まれる。
【0029】
例えば、上記の例では、ウェーブレット分解のマザーウェーブレットにスプライン4関数を用いたが、他のマザーウェーブレット関数を用いることも可能である。スプライン4関数を用いた場合はレベル(−4)までの分解で瞬目ノイズを除去できたが、他の関数を用いた場合は、それに応じて分解レベルのレベル数を決める必要がある。実験等によりどの分解レベルまで分解すればよいかを求められ、これに応じてノイズ成分除去部20のウェーブレット分解のレベル数の設定を変えればよい。
【0030】
また、上記の例では瞬目動作によるノイズ成分の除去を例にとって説明したが、本発明の手法はこれ以外の他の生体現象に起因するノイズ成分の除去にも適用可能である。この場合、対象とする生体現象によって、適切なマザーウェーブレット関数、分解レベル数を定める必要がある。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、脳波計の検出データのみからノイズ除去が行えるので、ノイズ原因となる生体現象を検出するための装置を脳波測定装置に加えて装着する必要がない。したがって、被験者の負荷を軽減できる。また、本発明によれば、生の脳波時系列データから、注目する生体現象よるノイズ成分を除去した脳波信号を自動的に再構成するので、医師や脳波判読者は、ノイズ成分によって波形の乱されていないデータを表示装置から観察できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 瞬目ノイズを含んだオリジナルの脳波データの波形を示す図である。
【図2】 オリジナルデータをウェーブレット分解して得たレベル(−1)の低周波成分f-1、高周波成分g-1の波形を示す図である。
【図3】 レベル(−2)の分解結果の波形を示す図である。
【図4】 レベル(−3)の分解結果の波形を示す図である。
【図5】 レベル(−4)の分解結果の波形を示す図である。
【図6】 瞬目ノイズ成分を除いて再構成した脳波波形を示す図である。
【図7】 実施形態の装置構成を示す図である。
【図8】 ノイズ成分除去部の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 脳波計、20 ノイズ成分除去部、22 ウェーブレット分解部、24脳波再構成部、30 記憶部、40 表示部。
Claims (4)
- 脳波検出装置で検出した脳波の時系列データを解析して、所定の生体現象に起因するノイズ成分を除去した脳波信号を再構成する装置であって、
前記脳波の時系列データを所定の分解レベルまでウェーブレット分解する分解手段と、
前記分解手段で求めた前記所定分解レベルの分解結果における低周波成分を除いて前記所定分解レベルまでの各高周波成分を合成することにより、前記所定の生体現象によるノイズ成分を除去した脳波信号を再構成する再構成手段と、
を有する脳波信号処理装置。 - 前記所定の生体現象は瞬目動作であり、前記分解手段は、マザーウェーブレットとしてスプライン4関数を用い、前記所定分解レベルとしてレベル(−4)までウェーブレット分解を行うことを特徴とする請求項1記載の脳波信号処理装置。
- 前記再構成手段で再構成した脳波信号を表示する表示手段を更に有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の脳波信号処理装置。
- 脳波検出装置から取得した脳波の時系列データを所定の分解レベルまでウェーブレット分解するステップと、
前記所定分解レベルの分解結果における低周波成分を除いて前記所定分解レベルまでの各高周波成分を合成することにより、瞬目動作によるノイズ成分を除去した脳波信号を再構成するステップと、
を含む脳波信号処理方法。
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