JP3660398B2 - 2次電池の充電方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、補助動力付き自転車のような電動車両などの電源として用いて好適な2次電池の充電方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、補助動力付き自転車に搭載される2次電池は、家庭用電源により充電を行うようになっており、そのような2次電池としては、NiCd電池が知られている。NiCd電池における充電は、高温で行うと、2次電池のサイクル寿命に悪影響を及ぼすことが種々の実験で確認されている。その一方、たとえば10℃以下の低温で急速充電を行う場合でも、充電効率が極端に低下するために充電不足になりやすく、しかもNiCd電池内部の電解液がガスとなって寿命が極端に低下してしまう。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記のような低温であっても、ある温度、たとえば0℃以上であれば、充電電流値を下げた充電を行うことは可能である。そして、10℃以上でなければ充電を行うことができないと制限すると、冬季や寒冷地で2次電池を使用する場合には、暖かい屋内などに2次電池または2次電池が搭載された補助動力付き自転車などを移動させて、2次電池の温度の上昇を待った後でなければ、充電することができないことになる。したがって、温度の上昇を待つ分だけ、時間が無駄になるという問題がある。
【0004】
また、充電開始当初は、低温のために2次電池を充電電流値を下げて充電せざるをえない場合であっても、充電開始後に2次電池の温度が上昇すれば、充電電流値を上げて急速充電することができる状態になる。このような場合に、電流値の低い充電を継続するのは効率的でない。
【0005】
本発明は、前記の事情を考慮してなされたものであり、電池温度に対応して適切な処理を行うことにより、2次電池の寿命を損なうことなく、かつ充電時間を短縮することができる2次電池の充電方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の2次電池の充電方法にあっては、2次電池に充電手段から電流を供給する2次電池の充電方法において、2次電池の温度を計測する過程と、前記2次電池の温度に対応した充電モードを選択する過程と、選択された充電モードにより前記2次電池に電流を供給する過程とを繰り返し、
A:2次電池の電圧がピーク値をとった後、所定電圧降下したとき、
B:2次電池の温度が第1の所定温度を越えたとき、
のいずれか一つの条件が満たされたときに、充電を終了するようにし、
前記2次電池の温度が、現在進行中の充電モードと異なる充電モードを選択するのに適切な値となったときでも、
C:2次電池の充電を開始して第1の所定時間経過しており、2次電池の電圧がピーク値をとった後、
D:2次電池の温度が前記第1の所定温度より低い第2の所定温度を越えた後、
E:現在進行中の充電モードを選択してから第2の所定時間を経過する前、
のいずれかの場合には、現在進行中の充電モードを継続することを特徴としている。
【0008】
【作用】
請求項1に記載の2次電池の充電方法によれば、まず、2次電池の温度を計測し、2次電池の温度に対応した充電モードを選択して、その充電モードにより2次電池に電流を供給する。そして、さらに2次電池の温度を計測し、そのときの2次電池の温度に対応した充電モードを選択して、2次電池に電流を供給する。これにより、一旦充電を開始した後であっても、2次電池の温度が変化して、それまで継続していた充電モードが不適切になったときに、充電モードを切換えることが可能である。したがって、電池の温度低下時には充電電流値を下げ、2次電池の寿命を損なうことを防止し、温度上昇時には充電電流値を上げ、充電時間を短縮することができる。
【0009】
また、請求項1に記載の2次電池の充電方法によれば、A:2次電池の電圧がピーク値をとった後、所定電圧降下したとき、B:2次電池の温度が第1の所定温度を越えたとき、のいずれか一つの条件が満たされたときに、充電を終了するようにしている。ここで、2次電池の電圧がピーク値をとった後、充電電流値を変動させると、電池電圧の変動を招き、条件Aの降下電圧の判断を誤る可能性がある。また、充電開始または他の充電モードに移行後、しばらくの間は、電池電圧が低下し、条件Aの判断を誤る可能性がある。さらに、2次電池の温度上昇時期に充電電流値を変動させたのでは、電池温度の変動を招き、条件Bの判断を誤る可能性がある。そこで、2次電池の温度が、現在進行中の充電モードと異なる充電モードを選択するのに適切な値となったときでも、C:2次電池の充電を開始して第1の所定時間経過しており、2次電池の電圧がピーク値をとった後、D:2次電池の温度が前記第1の所定温度より低い第2の所定温度を越えた後、E:現在進行中の充電モードを選択してから第2の所定時間を経過する前、のいずれかの場合には、現在進行中の充電モードを継続する。これにより、充電完了を適切に判断することができ、過不足のない充電が可能である。
【0010】
【実施例】
A.実施例の構成
以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。図1は実施例に係る2次電池の充電方法を実施するための充電器Aと2次電池Bの接続を示すブロック図である。まず、2次電池Bの構成について説明すると、図中符号2は、NiCd電池である複数の単電池(セル)である。単電池2は、互いに直列に接続されて、一つの電池ケース(図示せず)内に配置されている。単電池2の両方の電極は、コネクタの接点4a,4bに接続されている。また、電池ケースの内部には、サーミスタなどの温度センサ6が配置されており、温度センサ6はいずれかの単電池2に接触させられ、その温度を検出するようになっている。温度センサ6は、コネクタの接点8a,8bに接続されている。
【0011】
次に、充電器Aの構成について説明する。図中符号10は、家庭用電源に接続されるソケットを示す。ソケット10は、整流回路11に接続されており、家庭用電源からの交流電流が整流回路11によって直流電流に変換される。整流回路11には、制御回路12が接続されており、整流回路11から直流電流が制御回路12に供給される。
【0012】
制御回路12にはFETが内蔵されており、供給された直流電流を2つの周期的電流に変換する。一方の周期的電流はトランス部13の1次コイルへ供給され、電圧を調整されて整流回路14に供給される。そして、整流回路14により直流に変換された電流は、トランジスタ15を介して2次電池Bへ供給される。この場合において、もう1つの制御回路16がトランジスタ15のベースに制御信号を出力することにより、2次電池Bに供給する電流値を制御する。
【0013】
次に、制御回路12で変換された他方の周期的電流は、トランス部13の他方の1次コイルへ供給され、電圧を調整されて整流回路19に供給される。整流回路19で直流に変換された電流は制御回路16の駆動用電源として供される。
【0014】
さて、充電電流の電流値は、電流検出部18によって検出され、電流検出部18は、検出した電流値に対応した電圧を制御回路16に出力する。また、2次電池Bの電圧は、電圧検出部17によって検出され、電圧検出部17は、検出した電圧に対応した電圧を制御回路16に出力する。さらに、制御回路16には、前記のコネクタの接点8a,8bを介して、温度センサ6からの温度信号が入力されるようになっている。
【0015】
そして、制御回路16は、電流検出部18からの電流信号に基づいてトランジスタ15のベースに制御信号を出力し、これにより、2次電池Bに供給する電流をフィードバック制御して後述する定電流充電を行う。また、制御回路16は、電圧検出部17から入力される電圧信号に基づき、充電モードの終了等の種々の制御を行う。
【0016】
また、制御回路16は、絶縁回路20を通じて、制御回路12の導通・遮断を行うようになっている。これによって、整流回路14,19の出力電圧を制御している。
【0017】
B.実施例の動作
次に、前記の構成による2次電池の充電方法について図2ないし図6のフローチャートを参照して説明する。
B−1.充電適否の判定
まず、コネクタを介して2次電池Bを充電器Aに接続し、ソケット10を家庭用交流電源に接続して、充電作業を開始する(図2)。そして、単電池2が接続されているか否かを電圧検出部17の電圧信号に基づき判定する(ステップS1)。そして、単電池2が接続されていれば、ステップ2へ進み、温度センサ6で検出されている温度信号を判定し、単電池2の温度が、充電可能な0℃ないし40℃の範囲でなければ、適正な温度になるまで待機する。
【0018】
B−2.普通充電モード
ステップ2で単電池2の温度が前記の範囲であれば、ステップ3へ進んで、10℃以下か否かを判定する。単電池2の温度が10℃以下の場合には、ステップ3の判定結果はYESとなり、ステップ4へ進んで普通充電モードを開始する。普通充電モードでは、単電池2の定格電流値の0.3倍の値の一定の充電電流を単電池2に与える。本実施例では、単電池2の定格電流値は5Aであり、普通充電モードでの充電電流値は1.5Aである。この普通充電モードは、冬季や寒冷地における10℃以下での電池の寿命を低下させない充電に適している。
【0019】
一方、単電池2の温度が10℃よりも高い場合には、後述する急速充電モードを開始する(図4)。急速充電モードでは、単電池2の定格電流値と等しい一定の充電電流を単電池2に与える。本実施例では、急速充電モードでの充電電流値は5Aである。このように、本実施例では、普通充電モードと急速充電モードの二種類の充電モードを準備しておき、充電開始時の単電池2の温度に応じて、いずれかの適切な充電モードを選択するようになっている。
【0020】
さて、図2の普通充電モードでは、充電を開始すると同時に、制御回路16において、普通充電用のタイマー値Tnの積算を開始する(ステップS4)。そして、ステップS5で示すように、タイマー値Tnが所定のタイマー終了値Tneに到達すると、単電池2の充電が完了したとみなして充電を終了する。また、タイマー値Tnがタイマー終了値Tneに到達しなくても、ステップS6で示すように、単電池2の温度が0℃未満になったときには、充電に不適当であるので、充電を強制的に終了する。
【0021】
そして、タイマー値Tnがタイマー終了値Tneに到達せず、また単電池2の温度が0℃以上である場合、単電池2の温度が13℃以上にならず、かつ45℃を越えない限り、普通充電モードを継続する(ステップS7〜S8)。また、ステップS8において、単電池2の温度が45℃を越えたと判断したならば、普通充電が完了したとみなして、普通充電モードを終了し、ステップS10に移行する。これについて、図7を参照して説明すると、一定電流でNiCd電池を充電する場合、電池の放電量・周囲温度に関係なく、充電完了直前に電池温度がゆるやかに上昇する傾向がある。この温度上昇特性は、充電完了の検出に有効である。一般に、NiCd電池の高温での充電は、充電効率が悪く寿命にも影響するために、本実施例では、単電池2の温度が45℃で普通充電が完了したとみなす。このように、本実施例では、電池温度を加味して普通充電を終了させることにより、単電池2へのダメージが生じないようにしている。
【0022】
また、単電池2の温度が45℃以下で、普通充電を継続した場合には、降下電圧の検出の有無を判定する(ステップS9)。この降下電圧について、図7を参照して説明すると、一定電流でNiCd電池を充電する場合、電池電圧が充電の進行に伴って上昇し、充電完了直前にピーク値をとり、この後わずかに降下する特性を示す。図7では、この降下電圧を−ΔVとして示す。この電圧降下特性は、充電完了の検出に有効である。そこで、ステップS9において、降下電圧を検出したときには、充電完了とみなして、普通充電モードを終了し、ステップS10に移行する。
【0023】
一方、単電池2の温度が13℃を越えず、45℃を越えず、かつ降下電圧も検出されない場合には、普通充電モードを継続すべきと判断し(ステップS9)、ステップS5に戻り、前記のステップS5〜S9の過程を繰り返す。
【0024】
B−3.追い充電モード
さて、ステップS10では、普通充電モードよりも低い電流値、たとえば単電池2の定格電流値の0.1倍の値の一定の充電電流を単電池2に与える。本実施例では、ここで与えるべき充電電流値は0.5Aである。以下、この充電を「追い充電」と称する。すなわち、普通充電モードで、温度が45℃を越えた時点、あるいは(−ΔV)の降下電圧を検出した時点では、単電池2がすべてフル充電状態になっているとは限らない。しかし、この後、普通充電を続行すると、過充電となり単電池2を損傷するおそれがある。そこで、本実施例では、低い電流値で仕上げの充電を行うことにより、過不足のない充電を行うようにしている。
【0025】
追い充電モードでは、追い充電を開始すると同時に、制御回路16において、普通充電用のタイマー値Tcの積算を開始する(ステップS10)。そして、単電池2の温度が0℃ないし45℃の範囲からはずれない限り(ステップS11)、タイマー値Tcがタイマー終了値Tceに到達するまで、追い充電を継続する。そして、タイマー値Tcがタイマー終了値Tceに到達したなら、単電池2がフル充電あるいはそれに近い状態になったとみなして充電を終了する。
【0026】
また、ステップS11において、単電池2の温度が0℃ないし45℃の適正温度からはずれたなら、適正温度待ち処理R1に移行する。図3を参照し、この適正温度待ち処理R1について説明する。まず、単電池2の温度が適正温度からはずれたなら、ステップS13に示すように、追い充電電流を停止する。この場合でも、タイマー値Tcの積算は継続する。そして、単電池2が適正温度になるまで待機し、適正温度になったなら、追い充電を再開し(ステップS14〜S16)、ステップS11に戻る。なお、この間も、タイマー値Tcの積算は継続しておく(ステップS16)。
【0027】
また、適正温度待ち処理R1において、単電池2の温度が適正にならないまま、タイマー値Tcがタイマー終了値Tceに到達した場合(ステップS14およびステップS15)には、強制的に充電を終了させる。これは、普通充電がすでに完了し、たとえ一時的でも追い充電が行われているので、単電池2がフル充電状態でないとしても、それに近い状態になったとみなされ、また、単電池2が適正温度になるまで、それ以上待機するのは、効率的でないからである。
【0028】
B−4.急速充電モード
一方、前記のステップS3において、単電池2の温度が、10℃を越えていると判定したなら、図4に示す急速充電モードを開始する(ステップS17)。急速充電モードでは、単電池2の定格電流値と等しい一定の充電電流、本実施例では5Aの充電電流を単電池2に与える。この急速充電モードは、10℃を越えた状態での短時間での充電に適している。
【0029】
さて、急速充電モードでは、充電を開始すると同時に、制御回路16において、急速充電用のタイマー値Tqの積算を開始する(ステップS17)。そして、ステップS18で示すように、タイマー値Tqが所定のタイマー終了値Tqeに到達すると、単電池2の充電が完了したとみなして充電を終了する。また、タイマー値Tqがタイマー終了値Tqeに到達しなくても、ステップS19で示すように、単電池2の温度が0℃未満になったときには、充電に不適当であるので、充電を強制的に終了する。
【0030】
そして、タイマー値Tqがタイマー終了値Tqeに到達せず、また単電池2の温度が0℃以上である場合、単電池2の温度が10℃以上であって、かつ45℃を越えない限り、急速充電モードを継続する(ステップS20〜S21)。また、ステップS21において、単電池2の温度が45℃を越えたと判断したならば、急速充電が完了したとみなして、急速充電モードを終了し、ステップS10に進む。つまり前記と同様の追い充電モードに移行する。
【0031】
また、単電池2の温度が45℃以下で、急速充電を継続した場合には、普通充電モードのステップS9と同様に、降下電圧−ΔVの検出の有無を判定する(ステップS22)。そして、ステップS22において、降下電圧を検出したときには、充電完了とみなして、急速充電モードを終了し、ステップS10に進み、追い充電モードに移行する。このように、急速充電モードの終了後も、過不足のない充電を行うために、追い充電モードに移行して、低い電流値で仕上げの充電を行う。
【0032】
一方、単電池2の温度が10℃以下にならず、45℃を越えず、かつ降下電圧も検出されない場合には、急速充電モードを継続すべきと判断し(ステップS22)、ステップS17に戻り、前記のステップS17〜S22の過程を繰り返す。
【0033】
B−5.普通充電モードから急速充電モードへの移行
以上のように、本実施例では、充電開始時の単電池2の温度に応じて、普通充電モードと急速充電モードのいずれかの充電モードを選択するようになっている(ステップS3)。さらに、本実施例では、一旦、一方の充電モードを開始すた後も、単電池2の温度に応じて、より適切な充電モードに移行するようになっている。以下、これについて説明する。
【0034】
まず、普通充電モードを選択した後であっても、単電池2の温度がある程度上昇してしまえば、急速充電することが可能になり、充電電流値の低い普通充電を継続するのは効率的でない。そこで、ステップS7(図2)において、電池温度が13℃を越えた場合、ステップS23に移行する。そして、ここで次に述べる三つの判定条件に該当するか否か判断する。
▲1▼ 充電を開始して所定時間(本実施例では、10分)が経過しており、単電池2の電圧が充電末期の電圧降下時期に到達した後であること。つまり図7に示すピーク値をとった後であること。
▲2▼ 単電池2が充電末期の温度上昇時期に到達した後であること。つまり、所定温度(本実施例では、40℃)を越えた後であること。
▲3▼ 普通充電の開始または移行後、所定時間(本実施例では、10分)以上経過していないこと。つまり、タイマー値Tnが所定値未満を示していること。
【0035】
ここで、条件▲1▼を設けているのは、電圧降下時期に達していれば、まもなく、普通充電モードを終了するので、急速充電モードに移行するまでもないからである。また、電圧降下時期に充電電流値を変動させたのでは、電池電圧の変動を招き、ステップS9(あるいは急速充電モードに移行したと仮定した場合のステップS22)における降下電圧−ΔVの検出を誤る可能性があるからである。
【0036】
また、条件▲2▼を設けているのは、温度上昇時期に達していれば、まもなく、普通充電モードを終了するので、急速充電モードに移行するまでもなく、かつ温度上昇時期に充電電流値を変動させたのでは、電池温度の変動を招き、ステップS8(あるいは急速充電モードに移行したと仮定した場合のステップS21)における電池温度の判断を誤る可能性があるからである。
さらに、条件▲3▼を設けているのは、普通充電開始または移行後、しばらくの間は、電圧が低下し、条件▲1▼の判断を誤る可能性があるためである。
【0037】
そして、ステップS23において、前記の三つの条件のいずれかに該当すれば、ステップS8に進んで、普通充電モードを継続する。他方、前記の三つの条件のいずれにも該当しなければ、急速充電モード移行処理R2に進む。
【0038】
このようにして本実施例では、単電池2の温度が13℃を越え、急速充電モードに移行するのに適切なときであっても、急速充電モードに移行したとしたなら、その後の充電完了の判断が困難になる場合には、普通充電モードを継続するようにしている。これにより、充電完了を適切に判断することができ、過不足のない充電が可能である。
【0039】
図5を参照し、急速充電モード移行処理R2について説明する。ここでは、まず式1により、現在までの総充電量Ctを算出する(ステップS24)。
Ct=0.3C×Tn + 1C×Tq (式1)
ここで、Cは単電池2の定格電流値を示す。したがって、前記の説明から明らかなように0.3Cは、普通充電モードでの充電電流値(本実施例では1.5A)を示し、1Cは、急速充電モードでの充電電流値(本実施例では5A)を示す。また、Tnは前記のように普通充電モードで積算したタイマー値を、Tqは急速充電モードで積算したタイマー値を示す。なお、式1の第2項は、すでに急速充電モードから普通充電モードに移行している場合にのみ加算する。
【0040】
次に、式2により、残りの必要充電量Crを算出する(ステップS25)。
Cr=Cl−Ct (式2)
ここで、Clは、最終的に必要とされる充電量であり、あらかじめ分かっている値である。
【0041】
さらに、式3により、急速充電モードでのタイマー終了値Tqeを算出する(ステップS26)。
Tqe=Cr/1C (式3)
そして、この後行う急速充電モードでのタイマー終了値Tqeを式3で算出した値にセットし(ステップS27)、図4に示す急速充電モードに移行する。なお、この移行時には、急速充電モードのタイマー値Tqの積算を開始する。
【0042】
以上のようにして、あらたに図4に示す急速充電モードを開始する。このように、本実施例では、普通充電モードを選択した後であっても、単電池2の温度が13℃を越え、さらに所定の条件▲1▼ないし▲3▼のいずれにも該当しない場合には、急速充電モードに移行することによって、充電時間の短縮が図られている。
【0043】
B−6.急速充電モードから普通充電モードへの移行
一方、急速充電モードを選択した後であっても、周囲の温度によっては、単電池2の温度が低下して、急速充電するのが不適当になる場合がある。すなわち、単電池2の温度がある程度(たとえば10℃)未満になると、充電効率が極端に低下するために、充電不足になりやすく、しかもNiCd電池内部の電解液がガスとなって寿命が極端に低下してしまう。そこで、ステップS20(図4)において、電池温度が10℃未満になった場合、ステップS28に移行する。そして、ここで前記と同様、次の三つの判定条件に該当するか否か判断する。
▲1▼ 充電を開始して所定時間(本実施例では、10分)が経過しており、単電池2の電圧が充電末期の電圧降下時期に到達した後であること。つまり図7に示すピーク値をとった後であること。
▲2▼ 単電池2が充電末期の温度上昇時期に到達した後であること。つまり、所定温度(本実施例では、40℃)を越えた後であること。
▲3▼ 急速充電の開始または移行後、所定時間(本実施例では、10分)以上経過していないこと。つまり、タイマー値Tnが所定値未満を示していること。
これらの三つの判定条件を設けているのは、前記と同様の理由によるものである。
【0044】
そして、ステップS28において、前記の三つの条件のいずれかに該当すれば、ステップS21に進んで、急速充電モードを継続する。他方、前記の三つの条件のいずれにも該当しなければ、普通充電モード移行処理R3に進む。
【0045】
このようにして、単電池2の温度が10℃未満となり、普通充電モードに移行するのに適切なときであっても、普通充電モードに移行したとしたなら、その後の充電完了の判断が困難になる場合には、急速充電モードを継続するようにしている。これにより、充電完了を適切に判断することができ、過不足のない充電が可能である。
【0046】
図6を参照し、普通充電モード移行処理R3について説明する。ここでは、まず前記と同様に式1により、現在までの総充電量Ctを算出する(ステップS29)。
Ct=0.3C×Tn + 1C×Tq (式1)
なお、式1の第1項は、すでに普通充電モードから急速充電モードに移行している場合にのみ加算する。
次に、式2により、残りの必要充電量Crを算出する(ステップS30)。
Cr=Cl−Ct (式2)
【0047】
さらに、式4により、普通充電モードでのタイマー終了値Tneを算出する(ステップS31)。
Tne=Cr/0.3C (式4)
そして、この後行う普通充電モードでのタイマー終了値Tneを式4で算出した値にセットし(ステップS32)、図4に示す普通充電モードに移行する。なお、この移行時には、普通充電モードのタイマー値Tnの積算を開始する。
【0048】
以上のようにして、あらたに図2に示す普通充電モードを開始する。このように、本実施例では、急速充電モードを選択した後であっても、単電池2の温度が10℃未満になり、さらに所定の条件▲1▼ないし▲3▼のいずれにも該当しない場合には、普通充電モードに移行することによって、単電池2の寿命の低下防止が図られている。
【0049】
なお、普通充電モードから急速充電モードに移行する際に、電池温度が13℃を越えたことを条件とする(図2のステップS7)のに対して、急速充電モードから普通充電モードに移行する際に、電池温度が10℃未満になったことを条件とする(図4のステップS20)のは、他の充電モードに移行すべき状態が継続したときにだけ、他の充電モードに移行するようにして、電池温度の瞬間的な変動によって、他の充電モードに移行してしまうことを防止するためである。
【0050】
C.変更例
本発明は前記実施例に限定されるものではなく、以下のような種々の変更が可能である。
▲1▼普通充電モード、急速充電モードおよび追い充電モードの電流値および各種温度設定は前記実施例の数値に限らず任意に設定することができる。
▲2▼前記実施例では、普通充電モードと急速充電モードの二種類の充電モードが準備されているが、さらに多くの充電モードを準備しておき、充電開始時および充電経過後、単電池2の温度に応じて最も適切な充電モードを選択するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にあっては、一旦充電を開始した後であっても、2次電池の温度が変化して、それまで継続していた充電モードが不適切になったときに、充電モードを切換えることが可能である。したがって、電池の温度低下時には充電電流値を下げ、2次電池の寿命を損なうことを防止し、温度上昇時には充電電流値を上げ、充電時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る2次電池の充電方法を実施するための充電器Aと2次電池Bの接続を示すブロック図である。
【図2】同実施例の動作を示すフローチャートである。
【図3】同実施例の動作を示すフローチャートである。
【図4】同実施例の動作を示すフローチャートである。
【図5】同実施例の動作を示すフローチャートである。
【図6】同実施例の動作を示すフローチャートである。
【図7】一般的な定電流充電での電池電圧と電池温度の時間的変動を示すグラフである。
【符号の説明】
A 充電器、
B 2次電池、
2 単電池、
4a,4b コネクタの接点、
6 温度センサ、
8a,8b コネクタの接点、
10 ソケット、
11 整流回路、
12 制御回路、
13 トランス部、
14 整流回路、
15 FET、
16 制御回路、
17 電圧検出部、
18 電流検出部、
19 整流回路、
20 絶縁回路
Claims (1)
- 2次電池に充電手段から電流を供給する2次電池の充電方法において、
2次電池の温度を計測する過程と、
前記2次電池の温度に対応した充電モードを選択する過程と、
選択された充電モードにより前記2次電池に電流を供給する過程と
を繰り返し、
A:2次電池の電圧がピーク値をとった後、所定電圧降下したとき、
B:2次電池の温度が第1の所定温度を越えたとき、
のいずれか一つの条件が満たされたときに、充電を終了するようにし、
前記2次電池の温度が、現在進行中の充電モードと異なる充電モードを選択するのに適切な値となったときでも、
C:2次電池の充電を開始して第1の所定時間経過しており、2次電池の電圧がピーク値をとった後、
D:2次電池の温度が前記第1の所定温度より低い第2の所定温度を越えた後、
E:現在進行中の充電モードを選択してから第2の所定時間を経過する前、
のいずれかの場合には、現在進行中の充電モードを継続することを特徴とする2次電池の充電方法。
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