JP3659162B2 - 車両用電子機器への給電構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のシートベルト上に位置する、車載電話用マイクその他の電子機器への給電構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、様々な電子機器が車両のシートベルトに搭載されるようになってきている。例えば、実用新案登録3030824号公報にて、ハンズフリー通話を実現させるための車載電話用のマイクを運転者用シートベルトに取り付けて、シートベルトが運転者に装着された状態において、マイクを運転者の胸元近傍に位置させるようにした構造が提案されている。
【0003】
これによれば、マイクは運転者の口元近傍に位置するため、通話時の音声の入力を容易にできる。また、シートベルトにマイクを取り付けるため、マイクを運転の邪魔にならない配置にできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記実用新案登録3030824号公報ではマイクに電気を供給する具体的手段が記載されていないが、このようにシートベルトに取り付けられて乗員の胸元近傍に配置された電子機器への給電構造としては、一般に、シートベルト表面に沿ってワイヤーハーネスを配線し、車両のバッテリーからワイヤーハーネスを介して電子機器に電気を供給することが考えられる。
【0005】
しかし、シートベルト表面にワイヤーハーネスを配線すると、リトラクタで巻き取る等によりシートベルトを車両の格納部に格納させる際に、ワイヤーハーネスが絡まる恐れがある。また、ワイヤーハーネスはシートベルトとともに格納部から何回も出し入れされることになるため、ワイヤーハーネスが破損する恐れがある。
【0006】
本発明は、上記点に鑑み、ワイヤーハーネスをシートベルトに沿って配線することなく、シートベルト上に位置する電子機器への給電を可能にすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、車両の格納部(16)に格納可能なシートベルト(20)上に位置する電子機器(30)と、電子機器(30)に設けられ、充電されて蓄電可能な蓄電手段(39)と、車両側に配置され、蓄電手段(39)に電気を供給する給電手段(40)とを備え、シートベルト(20)が格納部(16)に格納された格納状態では、蓄電手段(39)は給電手段(40)から充電されるようになっており、シートベルト(20)が車両の乗員に装着された装着状態では、蓄電手段(39)により電子機器(30)に電気を供給することを特徴とする。
【0008】
これにより、シートベルト装着状態においては、電子機器(30)に設けられた蓄電手段(39)から電子機器(30)は給電されるため、ワイヤーハーネスをシートベルトに沿って配線する必要がなくなる。
【0009】
一方、シートベルト格納状態の際に、蓄電手段(39)は車両側に配置された給電手段(40)から電気を供給されるので、蓄電手段(39)はワイヤーハーネスを介することなく直接的に給電手段(40)から充電されるようにすることを容易にできる。
【0010】
よって、ワイヤーハーネスをシートベルト(20)に沿って配線することなく、シートベルト(20)上に位置する電子機器(30)への給電を可能にできる。
【0011】
また、請求項1に記載の発明では、シートベルト(20)は車両側に配置された巻取装置(21)により巻き取られて格納部(16)に格納されるようになっており、装着状態では、電子機器(30)は乗員の胸元近傍に位置し、装着状態から格納状態になる際には、電子機器(30)は、巻き取られるシートベルト(20)により、蓄電手段(39)と給電手段(40)とが近接する位置に移動されることを特徴とする。
【0012】
これにより、巻取装置(21)の巻き取り力により、シートベルト(20)を巻き取るとともに、電子機器(30)を蓄電手段(39)と給電手段(40)とが近接する位置に移動させることができる。よって、シートベルト(20)を格納させれば、蓄電手段(39)と給電手段(40)とが近接する位置に電子機器(30)が自動的に移動するので、蓄電手段(39)への充電作業を容易にできる。しかも、既存の巻取装置(21)を利用して電子機器(30)を移動させるので、電子機器(30)専用の移動手段を必要とせず、コストアップを抑制できる。
【0013】
また、請求項2に記載の発明では、蓄電手段(39)は一対の電極を構成する蓄電側端子(39d)を有し、給電手段(40)は蓄電側端子(39d)に対応した一対の電極を構成する給電側端子(45)を有し、蓄電手段(39)および給電手段(40)のうち少なくとも一方には磁石(44)が備えられ、格納状態において、蓄電側端子(39d)と給電側端子(45)とが磁石(44)の吸引力により接触して、蓄電手段(39)が充電されるようになっていることを特徴とする。
【0014】
これにより、蓄電側端子(39d)と給電側端子(45)とが磁石(44)の吸引力により接触するので、蓄電手段(39)への充電を確実にできる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明では、給電手段(40)は、車両の電源(50)により磁束線が発生する一次側コイル(43)を有し、蓄電手段(39)は、磁束線の変化により起電力が発生する二次側コイル(39a)を有し、この起電力により充電されることを特徴とする。
【0016】
これにより、蓄電手段(39)は給電手段(40)と非接触で充電されるようにできるので、請求項2に記載の給電構造のように端子の接触により充電する場合に比べて、接触不良による充電不良を抑制できる。
【0017】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
本実施形態は、車両のシートベルトに取り付けられ、車載電話のハンズフリー装置(電子機器)への給電構造に、本発明を適用したものであり、図1は車両10の運転者(乗員)がシートベルト20を装着した装着状態を示す斜視図である。
【0019】
このシートベルト20は、一般にELR(Emergency Locking Retractor)と呼ばれる緊急ロック式リトラクタ(巻取装置)21を有する三点支持式シートベルトである。ELR21は、車両10のセンターピラー11内に配置されており、シートベルト20のベルト部22の上端はELR21に接続され、ベルト部22の下端は車両10に固定されている。そして、ベルト部22はセンターピラー11に固定されたショルダーアンカー12に挿通されて支持されている。
【0020】
また、ベルト部22にはタングプレート23がスライド移動可能に取り付けられており、車両10側に固定されたバックル13にタングプレート23を差し込んで接続することにより、ベルト部22を上下両端およびバックル13の三点で固定して、運転者を運転座席14に拘束させるようになっている(以下、この状態を装着状態と呼ぶ)。一方、タングプレート23をバックル13から取り外すと、ベルト部22はELR21に巻き取られて、センターピラー11下方部分の化粧板15内側の格納部16に格納される(以下、この状態を格納状態と呼ぶ)。
【0021】
図2は電子機器30の構成を示す構成図であり、電子機器30は、車両に搭載された図示しない電話装置をハンズフリーで使用するためのハンズフリー装置である。電子機器30は、のケーシング31内に、マイク(送話部)32、スピーカ(受話部)33、音声入出力部34、操作スイッチ35、操作部36、制御部37、無線通信部38、充電部(蓄電手段)39を内蔵して構成されている。
【0022】
ケーシング31にはベルト部22が挿通される開口部31aが形成されており、これにより、電子機器30はベルト部22に摺動自在に取り付けられている。
【0023】
マイク32は、運転者の音声を送話音声信号に変換し音声入出力部34に出力し、スピーカ33は、音声入出力部34からの受話音声信号に基づいて、通話相手からの受話音声を出力するものである。また、操作スイッチ35はケーシング31の表面に配置されてハンズフリー通話の開始、終了等の操作を運転者が操作するためのスイッチであり、この操作に基づいて、操作部36から制御部37に操作信号が出力される。
【0024】
音声入出力部34は、制御部37により制御されて、無線通信部38からの復調信号を受話音声信号に変換してスピーカ33から出力させる一方、マイク32からの送話音声信号を送信信号に変換し、無線通信部38に出力する。また、無線通信部38は、アンテナ38aを介して受信した受信信号を復調信号に変換して制御部37を介して音声入出力部34に出力する一方、音声入出力部34からの送信信号を変調して変調信号をアンテナ38aを介して送信する。
【0025】
充電部39は、制御部37を介してマイク32、スピーカ33、無線通信部38等に、後述の充電機器(給電手段)40により充電された電気を供給する。この充電機器40は、図1の点線に示すように、センターピラー11の内側に固定配置されており、シートベルト20が格納状態である場合に限り、電子機器20の充電部39に電気を供給して充電するようになっている。
【0026】
図3はシートベルト20の格納状態において、充電部39が充電機器40により充電されている状態を示す模式図であり、充電機器40はケーシング41内に、制御回路42、一次側コイル43、磁石44を内蔵して構成されている。また、電子機器20の充電部39は、二次側コイル39a、充電回路39b、二次電池39cから構成されている。
【0027】
制御回路42は、車両のバッテリー50からの直流電気をスイッチング作用により任意の周波数の交流電気に変換する。そして、一次側コイル43には制御回路からの交流電気が流され、これにより、一次側コイル43は磁束線を生じさせる。そして、二次側コイル39aには、一次側コイル43から生じた磁束線の変化により、交流電気が生じる。この交流電気は充電回路39bの整流回路により直流電気に変換され、この直流電気により、二次電池39cは充電されるようになっている。従って、二次電池39cは電子機器30と充電器40とが電磁誘導により非接触の状態で充電される。
【0028】
なお、電子機器30のうち充電機器40の磁石44と対応する位置には、磁性体プレート30aが備えられており、磁石44と磁性体プレート30aとの吸引力により、電子機器30の二次側コイル39aと充電機器40の一次側コイル43とを近接させて充電可能な状態になるようにしており、これにより、電子機器30に内蔵された二次電池39cが充電機器40から確実に充電されるようになっている。
【0029】
図4(a)はシートベルト20の装着状態における電子機器30の位置を示す模式図であり、図4(b)は格納状態における電子機器30の位置を示す模式図であり、図4および図1に示すように、電子機器30は、シートベルト20のベルト部22うちタングプレート23のリトラクタ21側の部分に摺動自在に取り付けられている。
【0030】
また、電子機器30には位置決めベルト60の一端が結合されており、位置決めベルト60の他端はセンターピラー11内部に配置されたベルト収納手段70に結合されている。そして、収納手段70により位置決めベルト60がセンターピラー11内部に出し入れされるようになっている。
【0031】
また、位置決めベルト60にはストッパー61が固定されており、ストッパー61が所定位置(本実施形態ではセンターピラー11の一部分)で係止されることにより、位置決めベルト60が引き出される長さが制限されるようになっている。そして、図4(a)に示すストッパー61の係止状態では、電子機器30が運転者の胸元近傍に位置するように設定されている。
【0032】
なお、本実施形態におけるベルト収納手段は、バネその他の弾性部材70であり、弾性部材70の一端はセンターピラー11内にて固定されており、他端は位置決めベルト60に結合されている。
【0033】
ところで、電子機器30がベルト部22上を摺動する際に、ケーシング31とベルト部22との間には摩擦力が殆ど生じないように、電子機器30はベルト部22に取り付けられている。すなわち、電子機器30は、位置決めベルト60に結合されていなければ、自重F1により下方に摺動しながら滑り落ちてしまう状態でベルト部22に取り付けられている。
【0034】
そして、シートベルト20の装着状態における弾性部材70の弾性力F2は自重F1より小さくなる(F2<F1)ように設定されている。また、リトラクタ21による巻き取り力をF3とすると、弾性力F2に巻き取り力F3を加算した力の大きさが自重F1よりも大きくなる(F1<F2+F3)ように、弾性力F2は設定されている。
【0035】
次に、以上の構成による作動を説明すると、シートベルト20の格納状態から装着状態になる際には、電子機器30は運転者の胸元近傍に位置するように自動的に移動する。すなわち、弾性部材70の弾性力F2は自重F1より小さくなるように設定されているため、電子機器30は自重により下方に滑り落ちて、位置決めベルト60がセンターピラー11内から引き出され、ストッパー61がセンターピラー11に係止される。これにより、電子機器30は位置決めベルト60により運転者の胸元近傍に位置するように保持される。
【0036】
一方、装着状態から格納状態になる際には、電子機器30は充電部39が充電機器40から充電可能な位置に自動的に移動する。すなわち、シートベルト20のベルト部22がリトラクタ21により巻き取られるとともに、タングプレート23がベルト部22とともに上方に移動される。そして、タングプレート23は電子機器30に当接し、電子機器30はタングプレート23により押されて上方に移動される。
【0037】
そして、ベルト部22が所定量だけ巻き取られて、格納状態になった際には、電子機器30の磁性体プレート30aと充電機器40の磁石44とが近接するようになっている。そして、この磁石44の吸引力により、二次側コイル39aと一次側コイル43とが引き寄せられて、両コイル39a、43は近接した状態に保持されて充電可能状態となるる。
【0038】
そして、両コイル39a、43が近接した充電可能状態になると、前述のように、充電機器40から電子機器30に内蔵された二次電池39cに電気が供給されて充電される。
【0039】
また、装着状態から格納状態になる際には、リトラクタ21による巻き取り力F3に弾性力F2を加算した力の大きさが自重F1よりも大きくなるように設定されているため、位置決めベルト60は収納手段70によりセンターピラー11内部に自動的に収納される。
【0040】
次に本実施形態の特徴を述べる。
【0041】
以上の説明のように、シートベルト装着状態においては、電子機器30に内蔵された二次電池39cから電子機器30のマイク32、スピーカ33、無線通信部38等に電気が供給されるため、ワイヤーハーネスをシートベルトに沿って配線する必要がなくなる。
【0042】
一方、シートベルト格納状態の際に、充電部39の二次電池39cは車両側に配置された充電機器40から電気を供給されるので、充電部39はワイヤーハーネスを介することなく直接的に充電機器40から充電されるようにすることを容易にできる。
【0043】
また、リトラクタ21の巻き取り力により、シートベルト20のベルト部22を巻き取るとともに、電子機器30を充電部39の二次側コイル39aと充電機器40の一次側コイル43とが近接する位置に移動させて充電可能状態にすることができる。よって、シートベルト20を格納させれば、二次側コイル39aと一次側コイル43とが近接する位置に電子機器30が自動的に移動して充電可能状態になるので、充電部39の二次電池39cへの充電作業を容易にできる。しかも、既存のリトラクタ21を利用して電子機器30を移動させるので、電子機器30専用の移動手段を必要とせず、コストアップを抑制できる。
【0044】
また、二次電池39cは電子機器30と充電器40とが電磁誘導により非接触の状態で充電されるので、充電用の電極端子の接触により充電する場合に比べて、接触不良による充電不良を抑制できる。
【0045】
また、シートベルト20の格納状態から装着状態になる際には、電子機器30は自重により下方に滑り落ちて、位置決めベルト60により運転者の胸元近傍に位置するように保持されるので、運転者がシートベルト20装着する動作をするだけで、電子機器を運転者の胸元近傍に自動的に位置させることができる。
【0046】
また、装着状態から格納状態になる際には、位置決めベルト60は収納手段70によりセンターピラー11内部に自動的に収納されるので、リトラクタ21により巻き取られるベルト部22に、位置決めベルト60が絡まることを防止できる。そして、格納状態において、位置決めベルト60が乗員の乗降等の邪魔にならないようにできる。
【0047】
(第2実施形態)
第1実施形態では、位置決めベルト60をセンターピラー11内部に収納させるベルト収納手段70として、シートベルト20の格納状態において弾性力F2を生じさせる弾性部材が用いられているが、本実施形態では、図5(a)、(b)に示すように、ベルト収納手段70として錘が用いられており、この錘70の重さは弾性力F2と同じ力が生じるような重さに設定されている。
【0048】
(第3実施形態)
第1、第2実施形態では、二次電池39cは、二次側コイル39aおよび一次側コイル43による電磁誘導により、電子機器30と充電器40とが非接触の状態で充電されるが、これに対し本実施形態では、図5(a)、(b)に示すように、二次側コイル39aおよび一次側コイル43を廃止して、充電部39に、一対の電極を構成する蓄電側端子39dを備え、充電器40に、蓄電側端子39dに対応した一対の電極を構成する給電側端子45を備え、格納状態において、蓄電側端子39dと給電側端子45とが磁石44の吸引力により接触して、充電部39の二次電池39cが充電されるようになっている。
【0049】
これによれば、蓄電側端子39dと給電側端子45とが磁石44の吸引力により接触するので、二次電池39cへの充電を確実にできる。
【0050】
(第4実施形態)
第1〜第3実施形態では、車載電話のハンズフリー装置への給電構造として本発明を適用させているが、電子機器30としてはハンズフリー装置に限られることなく、シートベルト20のベルト22上のうち乗員の胸元近傍に位置する電子機器であれば本発明を適用できる。例えば、運転者の眠気、疲労等を検出し、また、乗員の健康に以上が発生したか否かをセンシングするための心拍数計測装置、血圧計測装置にも本発明を適用でき、この場合には、乗員の意識がない場合でも病院や警察等の緊急連絡先に車両位置を特定した緊急通報を行うことができる。なお、図2の2点鎖線に示すように電子機器30の制御部37に心拍モニタ41、血圧モニタ40を接続して、マイク32やスピーカ33と一体にするようにしてもよい。
【0051】
また、車両の事故発生時や、車両乗員が緊急用のボタンを押した時に、病院や警察等の緊急連絡先に車両位置を特定した緊急通報を行う緊急通報装置をシートベルト20のベルト22上に位置させるようにした場合にも本発明の給電構造を適用できる。同様に、乗員が受ける衝撃を計測する衝撃計測装置、乗員の酒気を計測する酒気計測装置等にも本発明を適用できる。
【0052】
(他の実施形態)
第1〜第4実施形態では、充電部39は二次電池39cを備え、この二次電池39cに充電させるようにしているが、二次電池39cに限られることなく、例えば、互いに向かい合う2枚の電極板間に蓄電させる周知のキャパシター等を用いて蓄電するようにしてもよいことは勿論である。
【0053】
また、第1〜第4実施形態では、リトラクタ21の巻き取り力により、シートベルト20のベルト部22を巻き取るとともに、電子機器30を充電部39の二次側コイル39aと充電機器40の一次側コイル43とが近接する位置に移動させるようにしているが、二次側コイル39aと一次側コイル43とが近接しなくても、電子機器30が充電機器40に近ずくように自動で移動するようになっていれば、移動後、乗員が人力により二次側コイル39aを一次側コイル43に近接させるようにすればよい。この場合には、自動移動終了後、二次側コイル39aを一次側コイル43に近接させることを乗員に促すアナウンスをするようにして好適である。
【0054】
また、シートベルト格納状態の際に、リトラクタ21の巻き取り力により電子機器30が自動で移動するようになっていなくても、人力で二次側コイル39aを一次側コイル43に近接させるようにすれば本発明を適用でき、シートベルト20に沿って配線されるワイヤーハーネスを廃止できる。
【0055】
また、第1〜第4実施形態では、二次電池39cを電子機器30に内蔵させているが、二次電池39cを電子機器30のケーシング31の外方に配置してもよい。この場合には、シートベルト20のベルト部22上のうち電子機器30の近傍に二次電池39cを取り付けて、二次電池39cが電子機器30とともに移動するようにすればよい。
【0056】
また、上記第1〜第4実施形態では、ELRのシートベルト20に本発明の給電構造を適用させているが、格納部16に格納されるシートベルト20であれば、ELRのシートベルト20に限られることはない。また、運転席のシートベルト20に限らず、助手席のシートベルト等、他のシートベルトであっても、格納部16に格納されるシートベルト20であれば本発明を適用できる。
【0057】
また、上記第1〜第4実施形態では、シートベルト装着状態において、電子機器30を乗員の胸元近傍に位置させるために位置決めベルト60および収納手段70を構成しているが、このような構成に限らず、例えば、実用新案登録3030824号公報にて提案されているような位置決めベルトの構造であっても本発明を適用できることは勿論である。
【0058】
また、位置決めベルト60を廃止して、電子機器30にクリップ等の機械的な結合手段を備え、この結合手段によりシートベルト20のベルト部22に取り付けるようにしてもよい。例えば、ベルト部22のうち乗員の胸元近傍の位置に磁気テープを貼り付けておき、結合手段は、前記磁気テープの磁気を検知し次第、ベルト部22に結合するようになっており、充電が開始され次第、ベルト部22への結合を解除するようになっていれば、シートベルト装着状態においては所定位置で結合手段が機能し、格納時においては結合手段の機能が解除されるようにすることを自動化できる。なお、手動で電子機器30を動かすようにしてもよい。
【0059】
また、第1〜第4実施形態では、装着状態から格納状態になる際には、電子機器30はタングプレート23により押されて上方に移動されるようになっているが、シートベルト20のベルト部22のうち電子機器30に対してリトラクタ21の反対側部分に、ベルト部22の面から突出する突出部を固定配置するようにして、装着状態から格納状態になる際には、突出部に押されて電子機器30が移動するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示しており、運転者がシートベルトを装着した装着状態を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る電子機器の構成を示す構成図である。
【図3】第1実施形態に係る充電部が充電機器により充電されている状態を示す模式図である。
【図4】第1実施形態に係る電子機器の位置を示しており、(a)はシートベルトの装着状態における模式図であり、(b)は格納状態における模式図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る電子機器への給電構造を示しており、(a)はシートベルトの装着状態における模式図であり、(b)は格納状態における模式図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る電子機器への給電構造を示しており、(a)はシートベルトの装着状態における電子機器の位置を示す模式図であり、(b)は格納状態における電子機器の位置を示す模式図である。
【符号の説明】
16…格納部、20…シートベルト、21…リトラクタ、30…電子機器、
39…充電部、39a…二次側コイル、39d…電子機器側端子、
40…充電機器、43…一次側コイル、44…磁石、
45…充電機器側端子。
Claims (3)
- 車両の格納部(16)に格納可能なシートベルト(20)上に位置する電子機器(30)と、
前記電子機器(30)に設けられ、充電されて蓄電可能な蓄電手段(39)と、
車両側に配置され、前記蓄電手段(39)に電気を供給する給電手段(40)とを備え、
前記シートベルト(20)が前記格納部(16)に格納された格納状態では、前記蓄電手段(39)は前記給電手段(40)から充電されるようになっており、
前記シートベルト(20)が前記車両の乗員に装着された装着状態では、前記蓄電手段(39)により前記電子機器(30)に電気を供給する車両用電子機器への給電構造であって、
前記シートベルト(20)は車両側に配置された巻取装置(21)により巻き取られて、前記格納部(16)に格納されるようになっており、
前記装着状態では、前記電子機器(30)は前記乗員の胸元近傍に位置し、
前記装着状態から前記格納状態になる際には、前記電子機器(30)は、巻き取られる前記シートベルト(20)により、前記蓄電手段(39)と前記給電手段(40)とが近接する位置に移動されることを特徴とする車両用電子機器への給電構造。 - 前記蓄電手段(39)は、一対の電極を構成する蓄電側端子(39d)を有し、
前記給電手段(40)は、前記蓄電側端子(39d)に対応した一対の電極を構成する給電側端子(45)を有し、
前記蓄電手段(39)および前記給電手段(40)のうち少なくとも一方には磁石(44)が備えられ、
前記格納状態において、前記蓄電側端子(39d)と前記給電側端子(45)とが前記磁石(44)の吸引力により接触して、前記蓄電手段(39)が充電されるようになっていることを特徴とする請求項1に記載の車両用電子機器への給電構造。 - 前記給電手段(40)は、車両の電源(50)により磁束線が発生する一次側コイル(43)を有し、
前記蓄電手段(39)は、前記磁束線の変化により起電力が発生する二次側コイル(39a)を有し、この起電力により充電されることを特徴とする請求項1に記載の車両用電子機器への給電構造。
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