JP3658048B2 - Semiconductor laser element - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、通信、レーザプリンタ、レーザ医療、レーザ加工等で好適に用いられ、高効率で高出力の動作が可能な半導体レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体レーザ素子の高出力化を目的として、活性層の両側に禁制帯幅が大きく厚みの薄いキャリアブロック層を設けることによって、キャリアブロック層の外側に形成されるクラッド層の禁制帯幅の自由度を大きくした半導体レーザ素子が提案されている。このような構造において、キャリアブロック層は注入キャリアを活性層内へ効率的に閉じ込める機能を有するとともに、キャリアブロック層が薄く形成されているため、活性層で発生した光がキャリアブロック層を通過して外側のクラッド層へ容易に漏れ出すことができる。そのため半導体レーザ素子の出射端面においてレーザ光の局所集中によって起こる瞬時光学損傷を防止し、端面破壊レベルを高くすることが可能になり、高出力動作を実現できる。
【0003】
図5(a)はこうした半導体レーザ素子の一例を示す断面図であり、図5(b)は各層に対応した禁制帯幅の分布図、図5(c)は各層に対応した屈折率の分布図である。図5に示す構造は、周知の分離閉じ込めヘテロ構造(SCH、Separate Confinement Heterostructure)に対して、完全分離閉じ込め構造(Perfect SCH)と称する(国際公開WO93/16513)。
【0004】
図5(a)においてn−GaAsから成る半導体基板(不図示)の上に、順次、第2n型クラッド層(n−AlGaAs)1、第1n型クラッド層(n−AlGaAs)2、n型キャリアブロック層(n−AlGaAs)3、活性層(GaAs/AlGaAsの多重量子井戸層)4、p型キャリアブロック層(p−AlGaAs)5、第1p型クラッド層(p−AlGaAs)6、第2p型クラッド層(p−AlGaAs)7が形成される。
【0005】
図5(b)に示すように、各キャリアブロック層3、5の禁制帯幅は、活性層4および各クラッド層1、2、6、7の何れよりも大きくなるように形成されているため、注入されたキャリアが効率良く活性層4に閉じ込められる。そのためレーザ発振に寄与するキャリア数が増加して、発振効率が向上する。
【0006】
またキャリアブロック層および活性層が十分に薄く、導波モードへの影響が無視できるとき、実効的な屈折率分布は図5(c)に示すように、第1n型クラッド層2から第1p型クラッド層6までの各層が高屈折率部で、第2n型クラッド層1および第2p型クラッド層7が低屈折率部となるスラブ導波路構造が形成されているため、活性層4で発生した光は高屈折率部内に広がって伝搬する。そのため導波モードのピーク強度が減少して出射端面での光学損傷が発生し難くなり、高出力化が可能となる。
【0007】
この他に正孔バリア層を設けたMQW(多重量子井戸)−DCH(Decoupled Confinement Heterostructure )構造のInGaAsP/InP半導体レーザ素子が報告されている。(IEEE journal of quantum electronics,vol.29,No.6,JUNE.1993、p1596-1600)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
半導体レーザ素子において高効率化および高出力化を図る場合、注入キャリアを活性層へ効率的に閉じ込めるとともに、フリーキャリア吸収による内部損失の低減が重要である。
【0009】
図6(a)は分離閉じ込め構造(SCH)の半導体レーザ素子の禁制帯図であり、図6(b)は完全分離閉じ込め構造(PSCH)の半導体レーザ素子の禁制帯図である。ここでは、活性層が1つの量子井戸層と該層を挟む2つのバリア層で構成されている例を示す。
【0010】
図6(a)の分離閉じ込め構造では、禁制帯幅が大きく、かつ充分に厚く形成されたクラッド層が、注入キャリアを活性層内に閉じ込めている。活性層内のキャリアは熱励起によってクラッド層へオーバーフローしようとするが、クラッド層が厚いため、一定の確率で活性層内へ逆拡散する。そのため、活性層へのキャリア閉じ込めの効率がよい。しかしながら、導波モードが活性層内に集中するため、高出力動作に伴って端面破壊が発生し易くなる。
【0011】
図6(b)の完全分離閉じ込め構造では、注入キャリアは活性層に近接し、禁制帯幅が各層の中で最も大きいキャリアブロック層によって活性層に閉じ込められる。このキャリアブロック層は、クラッド層への光の洩れ出しを容易にするため通常、0.01〜0.03μm程度に極めて薄く形成される。こうして導波モードが広がって、端面破壊レベルが向上するため高出力動作が可能になる。
【0012】
図6(b)に示すように、キャリアブロック層を越えてオーバーフローしたキャリアは、キャリアブロック層よりも低い禁制帯幅を有する第1クラッド層に分布する。この場合、いったんオーバーフローしたキャリアは、キャリアブロック層の高いポテンシャル障壁によって活性層内への逆拡散が阻止される。そのためこうした構造では活性層へのキャリア閉じ込めの効率が低下し易くなる。したがって、キャリアのオーバーフロー自体を抑制することが必要になる。
【0013】
その対策として、キャリアブロック層の禁制帯幅を大きくし、キャリアブロック機能を強化している。
【0014】
しかしながら、キャリアブロック層に用いる材料の禁制帯幅に限界がある。特にAlGaAs等のIII−V族化合物半導体においては、バンド端が間接端化するため禁制帯幅の広い材料を用いても伝導帯のバンドオフセットは増加しない。このような場合キャリアブロック層へのドーピング濃度を高く形成することによってポテンシャル障壁の高さを維持することになるが、過度なドーピングがフリーキャリア吸収をもたらし、内部損失の増大を招いてしまう。
【0015】
本発明の目的は、活性層へのキャリア閉じ込めを確実にすること、特に問題となる電子のオーバーフラッドを阻止することによって高効率で高出力な半導体レーザ素子を提供することである。
【0016】
また本発明の目的は、高出力化の障害となる出射端面での光学損傷を抑えて、高出力化を一層容易にする半導体レーザ素子を提供することである。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明は、活性層の両側にn型およびp型クラッド層をそれぞれ設け、
前記活性層に前記クラッド層よりも近接して前記活性層および前記クラッド層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有するn型およびp型キャリアブロック層を設け、
前記n型およびp型クラッド層は、それぞれ活性層に近い順に第1クラッド層と第2クラッド層を含み、
πを円周率、第1クラッド層の屈折率をN1、第2クラッド層の屈折率をN2、第2クラッド層間の実効厚みをd1、半導体レーザの発振波長をλとし、規格化周波数Vを
V=(π・d1/λ)・(N1 2 −N2 2 ) 0.5
と定義したとき
V>π/3
であって、
前記活性層は、量子井戸層、および該量子井戸層の両側にそれぞれ設けられ、前記量子井戸層の禁制帯幅よりも大きい禁制帯幅を持つバリア層からなる単一または多重の量子井戸構造を有し、
該バリア層は、炭素またはマグネシウムでドープされていることを特徴とする半導体レーザ素子である。
また本発明は、前記バリア層のドーピング濃度は1×1017〜1×1019cm-3の範囲であることを特徴とする。
ここで、第1クラッド層の屈折率が一定の場合は最大屈折率N1はその一定値をとるが、第1クラッド層の中で屈折率が分布を持つ場合はその最大値を意味する。また実効厚みd1は、前記両第2クラッド層間の任意の位置(x)における屈折率をNw(x)とし、第2n型クラッド層の活性層に近い界面の位置をx1および第2p型クラッド層の活性層に近い界面の位置をx2とすると、下記の(数1)で表わせる。
【0018】
【数1】
【0019】
また本発明は、量子井戸層、およびバリア層は、III−V族化合物半導体で形成されていることを特徴とする。
また本発明は、量子井戸層、およびバリア層は、AlGaAs系化合物半導体で形成されていることを特徴とする。
【0020】
【作用】
本発明に従えば、量子井戸構造を持つ活性層のp型ドーピングバリア層15,19(以下、バリア層とのみ称することがある)が炭素またはマグネシウムでドープされて、いわゆる変調ドーピングが施されている。
【0021】
図1は、変調ドーピングされた多重量子井戸構造の禁制帯図である。ここでは2つの量子井戸層の間、およびその両側に合計3つのバリア層が形成されている。バリア層を炭素またはマグネシウムでドーピングすることによって、バリア層の正孔の数が増加して、禁制帯幅の小さい量子井戸層に移動し局在することになる。このため量子井戸内の正孔濃度が高くなる。
【0022】
図2は、注入キャリア密度に対する光利得を示すグラフである。横軸の注入キャリア密度は、素子の層厚方向に流れる単位面積1cm2 当りのキャリア数であり、縦軸は半導体レーザ素子の光利得を示す。グラフの各曲線は、バリア層のドーピング濃度による変化を示し、曲線L1はバリア層がノンドープ、曲線L2はバリア層のドーピング濃度が5×1017cm-3、曲線L3は1×1018cm-3、曲線L4は1.5×1018cm-3、曲線L5は2×1018cm-3である。
【0023】
グラフを見ると、注入キャリア密度の増加に応じて光利得も増加するとともに、バリア層のドーピング濃度が高いほど光利得が増加することが判る。なお、過度のドーピングは格子定数の不一致をもたらすため、ドーピング濃度の上限は1×1019cm-3が好ましく、結局1×1017〜1×1019cm-3の範囲内のドーピングが好ましい。
【0024】
図3は、電流密度に対する光利得を示すグラフである。横軸の電流密度は、素子の層厚方向に流れる単位面積1cm2 当りの電流であり、縦軸は半導体レーザ素子の光利得を示す。グラフの各曲線は、バリア層のドーピング濃度による変化を示し、曲線L6はノンドープ、曲線L7は1×1018cm-3である。
【0025】
グラフを見ると、電流密度の増加に応じて光利得も増加するとともに、バリア層のドーピング濃度が高いほど光利得が増加することが判る。
【0026】
このように量子井戸内の正孔濃度を高くすることにより、レーザ発振時(利得一定時)における活性層内の電子の擬フェルミレベルを従来より下げることが可能になる。これにより問題となる活性層内電子のキャリアブロック層を超えてのオーバーフローを抑制でき、活性層内へのキャリア閉じ込めの効率が向上する。
【0027】
特に、活性層を構成する量子井戸層およびバリア層がAlGaAs系化合物半導体で形成される場合、正孔と電子の有効質量比が約7と大きいために、レーザ発振時における電子の擬フェルミレベルが高くなり過ぎるという現象を回避しつつキャリアオーバーフローを抑制できる。そのため発光再結合に寄与しない無効電流が格段に減少し、発振閾値の温度依存性(特性温度)が向上する。
【0028】
また、ドーパントとして使用する炭素またはマグネシウムは、拡散性の小さい元素であるため、製造プロセス中での拡散が抑制され、狭い領域において高濃度ドーピングが可能になる。したがって、量子井戸層はノンドープで、バリア層のみにドープするという変調ドーピングを容易に実現できる。さらに、拡散による量子井戸構造の無秩序化や発光スペクトルの拡がりによって発生する発振閾値の上昇を回避できる。
【0029】
ちなみに、GaAs内での各元素の拡散定数は、ある条件下で炭素Cが1×10-15cm2/sec(900℃)(文献1)、マグネシウムMgが1.4×10-13cm2/sec(900℃)(文献2)という報告例がある。(文献1:Journal Vacuum Science Technology A. Vol8,No3,May/Jun 1990 p2980、文献2:Journal Appl. Phys.59(4),15(1986)1156)。したがって炭素がより好ましい。なお拡散長は、拡散定数の平方根に比例する。
【0030】
また、n型およびp型クラッド層を活性層に近い順に第1クラッド層と第2クラッド層という複数層のクラッド層で構成し、さらに第2クラッド層にはさまれる活性層、キャリアブロック層、第1クラッド層からなる光導波路の規格化周波数Vをπ/3より大きく形成することによって半導体レーザ素子の出射端面の活性領域におけるレーザ光の局所集中をさけ、端面破壊レベルをより高くすることが可能になるため、前述のような効果を有効且つ十分に発揮させることができる。またマルチモード化しないためには、規格化周波数Vは2π以下であることが好ましい。
【0031】
また、量子井戸層およびバリア層は、III−V族化合物半導体、好ましくはAlGaAs系化合物半導体で形成されていることによって、炭素またはマグネシウムの拡散性がより低く保たれるため、バリア層のドーピング濃度を高く形成できる。
【0032】
【実施例】
図4(a)は本発明の一実施例の構成を示す断面図であり、図4(b)は活性層10の拡大断面図である。
【0033】
この半導体レーザ素子において、半導体基板(n−GaAs)26の上に順次、第2n型クラッド層(n−Al0.48Ga0.52As、ドナー濃度:1×1018cm-3、厚み:0.7μm)11、第1n型クラッド層(n−Al0.30Ga0.70As、ドナー濃度:3×1017cm-3、厚み:0.4μm)12、n型キャリアブロック層(n−Al0.60Ga0.40As、ドナー濃度:1×1018cm-3、厚み:0.014μm)13、活性層(SQW:単一量子井戸)10、p型キャリアブロック層(p−Al0.50Ga0.50As、アクセプター濃度:1×1018cm-3、厚み:0.021μm)21、第1p型クラッド層(p−Al0.30Ga0.70As、アクセプター濃度:3×1017cm-3、厚み:0.4μm)22、第2p型クラッド層(p−Al0.48Ga0.52As、アクセプター濃度:1×1018cm-3、厚み:0.7μm)23、電流狭窄層(n−GaAs、ドナー濃度:1×1018cm-3、厚み:0.3μm)24、p型コンタクト層(p−GaAs、アクセプター濃度:3×1017cm-3〜3×1019cm-3、厚み:2μm)25が、MOCVD(有機金属気相成長法)で形成されている。ここでドナーはSeをドープ、アクセプターはP型コンタクト層以外はCをドープしたものである。P型コンタクト層はZnをドープしている。
【0034】
p型コンタクト層2の上面および半導体基板26の下面には、オーミック電極21、22がそれぞれ形成される。また、レーザ光は紙面垂直方向に沿って進行し、光共振器を構成する両端面の間で発振する。
【0035】
図4(b)に示すように、活性層10は単一量子井戸を有し、下から順次、無ドーピングバリア層(Al0.30Ga0.70As、厚み:0.038μm)14、p型ドーピングバリア層(p−Al0.30Ga0.70As、炭素ドープ、アクセプター濃度:1×1018cm-3、厚み:0.010μm)15、無ドーピングバリア層(Al0.30Ga0.70As、厚み:0.002μm)16、量子井戸層(GaAs、ドーピング無し、厚み:0.004μm)17、無ドーピングバリア層(Al0.30Ga0.70As、厚み:0.002μm)18、p型ドーピングバリア層(p−Al0.30Ga0.70As、炭素ドープ、アクセプター濃度:1×1018cm-3、厚み:0.010μm)19、無ドーピングバリア層(Al0.30Ga0.70As、厚み:0.038μm)20がそれぞれ形成されている。
【0036】
注目すべき点は、単一量子井戸構造を持つ活性層10において、幾つかのバリア層が炭素でドープされている点である。炭素ドーピングによって形成された正孔は、量子井戸層内に局在して光利得の増加に資する。その結果、擬フェルミレベルが低下して、キャリアブロック層のポテンシャル障壁が相対的に高くなって、キャリア閉じ込めの効率が向上する。また、半導体レーザ素子の特性温度も向上する。
【0037】
比較例として、p型ドーピングバリア層15、19の代わりに無ドーピングバリア層を置換して形成した半導体レーザを作成した。実施例および比較例ともに、キャビティー長:1500μm、電流注入ストライプ幅:50μm、光学コーティング無しという共通条件で比較したところ、発振閾値の温度依存性を示す特性温度に関して、比較例は110K、実施例は140Kと計測され、実施例のものが約30%向上することが確認された。
【0038】
なお以上の実施例において、p型ドーピングバリア層15、19のドーパントとして炭素を用いた例を示したが、同様に拡散性の低いマグネシウムなどを使用することも可能である。
【0039】
また、活性層10は単一量子井戸構造のものを示したが、量子井戸層の数が2つ以上の多重量子井戸構造(MQW)であっても構わない。
【0040】
また、半導体レーザ素子の材料としてAlGaAs系半導体を用いる例を示したが、炭素やマグネシウムがp型ドーパントとして機能する材料であれば本発明を適用することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上詳説したように本発明によれば、量子井戸構造を持つ活性層のp型ドーピングバリア層15,19を炭素またはマグネシウムでドープすることによって、量子井戸内の正孔濃度が高くなる。そのため、活性層内の電子の擬フェルミレベルが低くなって、電子が活性層からオーバーフローする確率が小さくなる。したがって、活性層内へのキャリア閉じ込めの効率が向上して、レーザ発振効率や特性温度が向上する。
【0042】
こうして完全分離閉じ込め構造の半導体レーザ素子において、高効率化および高出力化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変調ドーピングされた多重量子井戸構造の禁制帯図である。
【図2】注入キャリア密度に対する光利得を示すグラフである。
【図3】電流密度に対する光利得を示すグラフである。
【図4】図4(a)は本発明の一実施例の構成を示す断面図であり、図4(b)は活性層10の拡大断面図である。
【図5】図5(a)は従来の半導体レーザ素子の一例を示す断面図であり、図5(b)は各層に対応した禁制帯幅の分布図、図5(c)は各層に対応した屈折率の分布図である。
【図6】図6(a)は分離閉じ込め構造(SCH)の半導体レーザ素子の禁制帯図であり、図6(b)は完全分離閉じ込め構造(PSCH)の半導体レーザ素子の禁制帯図である。
【符号の説明】
10 活性層
11 第2n型クラッド層
12 第1n型クラッド層
13 n型キャリアブロック層
14、16、18、20 無ドーピングバリア層
15、19 p型ドーピングバリア層
17 量子井戸層
21 p型キャリアブロック層
22 第1p型クラッド層
23 第2p型クラッド層
24 電流狭窄層
25 p型コンタクト層
26 半導体基板
27、28 オーミック電極[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a semiconductor laser element that is suitably used in communications, laser printers, laser medical treatment, laser processing, and the like and that can operate with high efficiency and high output.
[0002]
[Prior art]
For the purpose of increasing the output of the semiconductor laser device, by providing a thin carrier block layer with a large forbidden band width on both sides of the active layer, the degree of freedom of the forbidden band width of the cladding layer formed outside the carrier block layer There has been proposed a semiconductor laser device having a large height. In such a structure, the carrier block layer has a function of efficiently confining injected carriers in the active layer, and the carrier block layer is formed thin, so that light generated in the active layer passes through the carrier block layer. And can easily leak into the outer cladding layer. Therefore, it is possible to prevent instantaneous optical damage caused by local concentration of laser light at the emission end face of the semiconductor laser element, to increase the end face destruction level, and to realize high output operation.
[0003]
FIG. 5A is a cross-sectional view showing an example of such a semiconductor laser device, FIG. 5B is a distribution diagram of the forbidden band width corresponding to each layer, and FIG. 5C is a refractive index distribution corresponding to each layer. FIG. The structure shown in FIG. 5 is referred to as a perfect separated confinement structure (Perfect SCH) in contrast to the well-known separate confinement heterostructure (SCH) (International Publication WO 93/16513).
[0004]
In FIG. 5A, a second n-type cladding layer (n-AlGaAs) 1, a first n-type cladding layer (n-AlGaAs) 2 and an n-type carrier are sequentially formed on a semiconductor substrate (not shown) made of n-GaAs. Block layer (n-AlGaAs) 3, active layer (GaAs / AlGaAs multiple quantum well layer) 4, p-type carrier block layer (p-AlGaAs) 5, first p-type cladding layer (p-AlGaAs) 6, second p-type A clad layer (p-AlGaAs) 7 is formed.
[0005]
As shown in FIG. 5B, the forbidden band widths of the carrier block layers 3 and 5 are formed to be larger than any of the
[0006]
Further, when the carrier block layer and the active layer are sufficiently thin and the influence on the waveguide mode can be ignored, the effective refractive index distribution is changed from the first n-
[0007]
In addition, an InGaAsP / InP semiconductor laser device having a MQW (Multiple Quantum Well) -DCH (Decoupled Confinement Heterostructure) structure provided with a hole barrier layer has been reported. (IEEE journal of quantum electronics, vol.29, No.6, JUNE.1993, p1596-1600)
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In order to increase the efficiency and output of a semiconductor laser device, it is important to efficiently confine injected carriers in the active layer and to reduce internal loss due to free carrier absorption.
[0009]
FIG. 6A is a forbidden band diagram of a semiconductor laser element having a separate confinement structure (SCH), and FIG. 6B is a forbidden band diagram of a semiconductor laser element having a complete separation and confinement structure (PSCH). Here, an example is shown in which the active layer is composed of one quantum well layer and two barrier layers sandwiching the layer.
[0010]
In the separated confinement structure shown in FIG. 6A, a clad layer having a large forbidden band width and sufficiently thick confines injected carriers in the active layer. Carriers in the active layer try to overflow into the cladding layer due to thermal excitation, but because the cladding layer is thick, the carriers diffuse back into the active layer with a certain probability. Therefore, the efficiency of carrier confinement in the active layer is good. However, since the waveguide mode is concentrated in the active layer, end face breakage is likely to occur with high output operation.
[0011]
In the completely separated confinement structure in FIG. 6B, the injected carriers are close to the active layer and are confined in the active layer by the carrier block layer having the largest forbidden band width among the layers. This carrier block layer is usually formed extremely thin to about 0.01 to 0.03 μm in order to facilitate light leakage to the cladding layer. In this way, the waveguide mode spreads and the end face breakdown level is improved, so that high output operation is possible.
[0012]
As shown in FIG. 6B, the carriers overflowing beyond the carrier block layer are distributed in the first cladding layer having a forbidden band width lower than that of the carrier block layer. In this case, once the carrier overflows, back diffusion into the active layer is prevented by the high potential barrier of the carrier block layer. Therefore, in such a structure, the efficiency of carrier confinement in the active layer is likely to decrease. Therefore, it is necessary to suppress the carrier overflow itself.
[0013]
As a countermeasure, the forbidden bandwidth of the carrier block layer is increased to strengthen the carrier block function.
[0014]
However, there is a limit to the forbidden bandwidth of the material used for the carrier block layer. In particular, in III-V group compound semiconductors such as AlGaAs, the band edge of the band is indirect, so even if a material having a wide forbidden band is used, the band offset of the conduction band does not increase. In such a case, the height of the potential barrier is maintained by forming a high doping concentration in the carrier block layer. However, excessive doping causes free carrier absorption and increases internal loss.
[0015]
An object of the present invention is to provide a semiconductor laser device with high efficiency and high output by ensuring carrier confinement in an active layer, and in particular, preventing a problem of electron flooding.
[0016]
It is another object of the present invention to provide a semiconductor laser device that makes it easier to increase the output by suppressing optical damage on the emission end face that is an obstacle to increasing the output.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides n-type and p-type cladding layers on both sides of the active layer,
An n-type and p-type carrier block layer having a forbidden band width equal to or larger than the forbidden band width of the active layer and the clad layer is provided in the active layer closer to the clad layer,
Each of the n-type and p-type cladding layers includes a first cladding layer and a second cladding layer in order from the closest to the active layer,
π is the circumference, N1 is the refractive index of the first cladding layer, N2 is the refractive index of the second cladding layer, d1 is the effective thickness of the second cladding layer, λ is the oscillation wavelength of the semiconductor laser, and the normalized frequency V is
V = (π · d1 / λ) · (N1 2 -N2 2 ) 0.5
When defined as
V> π / 3
Because
The active layer has a single or multiple quantum well structure including a quantum well layer and a barrier layer provided on both sides of the quantum well layer and having a forbidden band width larger than the forbidden band width of the quantum well layer. Have
The barrier layer is a semiconductor laser element doped with carbon or magnesium.
The present invention is characterized in that the doping concentration before Kiba rear layer is in the range of 1 × 10 17 ~1 × 10 19 cm -3.
Here, when the refractive index of the first cladding layer is constant, the maximum refractive index N1 takes a constant value, but when the refractive index has a distribution in the first cladding layer, it means the maximum value. The effective thickness d1 is that the refractive index at an arbitrary position (x) between the second clad layers is Nw (x), and the position of the interface near the active layer of the second n-type clad layer is x1 and the second p-type clad layer. When the position of the interface close to the active layer is x2, it can be expressed by the following (Equation 1).
[0018]
[Expression 1]
[0019]
The present invention, the quantum well layer, our good beauty barriers layer is characterized by being formed of a group III-V compound semiconductor.
The present invention, the quantum well layer, and barriers layers is characterized in that it is formed of AlGaAs-based compound semiconductor.
[0020]
[Action]
According to the present invention, the p-type doping barrier layers 15 and 19 (hereinafter sometimes referred to as barrier layers only) of the active layer having a quantum well structure are doped with carbon or magnesium, and so-called modulation doping is performed. Yes.
[0021]
FIG. 1 is a forbidden band diagram of a modulation-doped multiple quantum well structure. Here, a total of three barrier layers are formed between the two quantum well layers and on both sides thereof. By doping the barrier layer with carbon or magnesium, the number of holes in the barrier layer increases, and moves to the quantum well layer with a small forbidden bandwidth and localizes. This increases the hole concentration in the quantum well.
[0022]
FIG. 2 is a graph showing optical gain with respect to injected carrier density. The injected carrier density on the horizontal axis represents the number of carriers per 1 cm 2 of unit area flowing in the layer thickness direction of the device, and the vertical axis represents the optical gain of the semiconductor laser device. Each curve in the graph shows a change depending on the doping concentration of the barrier layer, the curve L1 is non-doped in the barrier layer, the curve L2 is 5 × 10 17 cm −3 in the barrier layer, and the curve L3 is 1 × 10 18 cm −. 3. Curve L4 is 1.5 × 10 18 cm −3 and curve L5 is 2 × 10 18 cm −3 .
[0023]
As can be seen from the graph, the optical gain increases as the injected carrier density increases, and the optical gain increases as the doping concentration of the barrier layer increases. In addition, since excessive doping causes mismatch of lattice constants, the upper limit of the doping concentration is preferably 1 × 10 19 cm −3 , and eventually doping within the range of 1 × 10 17 to 1 × 10 19 cm −3 is preferable.
[0024]
FIG. 3 is a graph showing optical gain with respect to current density. The current density on the horizontal axis is the current per
[0025]
As can be seen from the graph, the optical gain increases as the current density increases, and the optical gain increases as the doping concentration of the barrier layer increases.
[0026]
Thus, by increasing the hole concentration in the quantum well, it becomes possible to lower the quasi-Fermi level of electrons in the active layer during laser oscillation (when the gain is constant). As a result, it is possible to suppress overflow of the electrons in the active layer beyond the carrier block layer, which is a problem, and the efficiency of carrier confinement in the active layer is improved.
[0027]
In particular, when the quantum well layer and the barrier layer constituting the active layer are formed of an AlGaAs compound semiconductor, since the effective mass ratio of holes to electrons is as large as about 7, the quasi-Fermi level of electrons during laser oscillation is high. Carrier overflow can be suppressed while avoiding the phenomenon of becoming too high. Therefore, the reactive current that does not contribute to the light emission recombination is significantly reduced, and the temperature dependency (characteristic temperature) of the oscillation threshold is improved.
[0028]
Further, since carbon or magnesium used as a dopant is an element having a low diffusibility, diffusion during the manufacturing process is suppressed, and high-concentration doping is possible in a narrow region. Therefore, it is possible to easily realize modulation doping in which the quantum well layer is non-doped and only the barrier layer is doped. Furthermore, it is possible to avoid an increase in the oscillation threshold that occurs due to disordering of the quantum well structure due to diffusion and broadening of the emission spectrum.
[0029]
By the way, the diffusion constant of each element in GaAs is that carbon C is 1 × 10 −15 cm 2 / sec (900 ° C.) (Reference 1) and magnesium Mg is 1.4 × 10 −13 cm 2 under certain conditions. / Sec (900 ° C.) (Reference 2). (Reference 1: Journal Vacuum Science Technology A. Vol8, No3, May / Jun 1990 p2980, Reference 2: Journal Appl. Phys. 59 (4), 15 (1986) 1156). Therefore, carbon is more preferable. The diffusion length is proportional to the square root of the diffusion constant.
[0030]
The n-type and p-type clad layers are composed of a plurality of clad layers of a first clad layer and a second clad layer in order from the active layer, and further, an active layer sandwiched between the second clad layer, a carrier block layer, By forming the normalized frequency V of the optical waveguide made of the first cladding layer larger than π / 3, it is possible to avoid local concentration of the laser light in the active region of the emission end face of the semiconductor laser element, and to increase the end face breakdown level. Therefore, the effects as described above can be effectively and sufficiently exhibited. In order to avoid the multimode, the normalized frequency V is preferably 2π or less.
[0031]
Further, since the quantum well layer and the barrier layer are formed of a III-V group compound semiconductor, preferably an AlGaAs compound semiconductor, the diffusibility of carbon or magnesium is kept lower, so that the doping concentration of the barrier layer Can be formed high.
[0032]
【Example】
4A is a cross-sectional view showing a configuration of an embodiment of the present invention, and FIG. 4B is an enlarged cross-sectional view of the
[0033]
In this semiconductor laser device, a second n-type cladding layer (n-Al 0.48 Ga 0.52 As, donor concentration: 1 × 10 18 cm −3 , thickness: 0.7 μm) is sequentially formed on a semiconductor substrate (n-GaAs) 26. 11. First n-type cladding layer (n-Al 0.30 Ga 0.70 As, donor concentration: 3 × 10 17 cm −3 , thickness: 0.4 μm) 12, n-type carrier block layer (n-Al 0.60 Ga 0.40 As, donor) Concentration: 1 × 10 18 cm −3 , thickness: 0.014 μm) 13, active layer (SQW: single quantum well) 10, p-type carrier block layer (p-Al 0.50 Ga 0.50 As, acceptor concentration: 1 × 10 18 cm −3 , thickness: 0.021 μm) 21, first p-type cladding layer (p-Al 0.30 Ga 0.70 As, acceptor concentration: 3 × 10 17 cm −3 , thickness: 0.4 μm) 22, second p-type cladding Layer (p-Al 0.4) 8 Ga 0.52 As, acceptor concentration: 1 × 10 18 cm −3 , thickness: 0.7 μm) 23, current confinement layer (n-GaAs, donor concentration: 1 × 10 18 cm −3 , thickness: 0.3 μm) 24 A p-type contact layer (p-GaAs, acceptor concentration: 3 × 10 17 cm −3 to 3 × 10 19 cm −3 , thickness: 2 μm) 25 is formed by MOCVD (metal organic chemical vapor deposition). . Here, the donor is doped with Se, and the acceptor is doped with C except for the P-type contact layer. The P-type contact layer is doped with Zn.
[0034]
[0035]
As shown in FIG. 4B, the
[0036]
It should be noted that in the
[0037]
As a comparative example, a semiconductor laser formed by replacing an undoped barrier layer in place of the p-type doping barrier layers 15 and 19 was prepared. In both the example and the comparative example, the cavity length is 1500 μm, the current injection stripe width is 50 μm, and comparison is made under the common conditions that there is no optical coating. Was measured to be 140K, and it was confirmed that the example improved about 30%.
[0038]
In the above embodiment, an example in which carbon is used as the dopant of the p-type doping barrier layers 15 and 19 has been described. However, magnesium having a low diffusibility can also be used.
[0039]
Further, although the
[0040]
Further, although an example in which an AlGaAs semiconductor is used as the material of the semiconductor laser element has been shown, the present invention can be applied as long as carbon or magnesium functions as a p-type dopant.
[0041]
【The invention's effect】
As described in detail above, according to the present invention, by doping the p-type doping barrier layers 15 and 19 of the active layer having a quantum well structure with carbon or magnesium, the hole concentration in the quantum well is increased. Therefore, the pseudo-Fermi level of electrons in the active layer is lowered, and the probability that electrons overflow from the active layer is reduced. Therefore, the efficiency of carrier confinement in the active layer is improved, and the laser oscillation efficiency and the characteristic temperature are improved.
[0042]
In this way, high efficiency and high output can be achieved in the semiconductor laser device having a completely separated confinement structure.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a forbidden band diagram of a modulation-doped multiple quantum well structure.
FIG. 2 is a graph showing optical gain with respect to injected carrier density.
FIG. 3 is a graph showing optical gain with respect to current density.
4A is a cross-sectional view showing a configuration of an embodiment of the present invention, and FIG. 4B is an enlarged cross-sectional view of an
5A is a cross-sectional view showing an example of a conventional semiconductor laser device, FIG. 5B is a distribution diagram of a forbidden band width corresponding to each layer, and FIG. 5C corresponds to each layer. FIG.
6A is a forbidden band diagram of a semiconductor laser device having a separate confinement structure (SCH), and FIG. 6B is a forbidden band diagram of a semiconductor laser device having a completely separated confinement structure (PSCH). .
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (4)
前記活性層に前記クラッド層よりも近接して前記活性層および前記クラッド層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有するn型およびp型キャリアブロック層を設け、
前記n型およびp型クラッド層は、それぞれ活性層に近い順に第1クラッド層と第2クラッド層を含み、
πを円周率、第1クラッド層の屈折率をN1、第2クラッド層の屈折率をN2、第2クラッド層間の実効厚みをd1、半導体レーザの発振波長をλとし、規格化周波数Vを
V=(π・d1/λ)・(N1 2 −N2 2 ) 0.5
と定義したとき
V>π/3
であって、
前記活性層は、量子井戸層、および該量子井戸層の両側にそれぞれ設けられ、前記量子井戸層の禁制帯幅よりも大きい禁制帯幅を持つバリア層からなる単一または多重の量子井戸構造を有し、
該バリア層は、炭素またはマグネシウムでドープされていることを特徴とする半導体レーザ素子。 N-type and p-type cladding layers are provided on both sides of the active layer,
An n-type and p-type carrier block layer having a forbidden band width equal to or larger than the forbidden band width of the active layer and the clad layer is provided in the active layer closer to the clad layer,
Each of the n-type and p-type cladding layers includes a first cladding layer and a second cladding layer in order from the closest to the active layer,
π is the circumference, N1 is the refractive index of the first cladding layer, N2 is the refractive index of the second cladding layer, d1 is the effective thickness of the second cladding layer, λ is the oscillation wavelength of the semiconductor laser, and the normalized frequency V is
V = (π · d1 / λ) · (N1 2 -N2 2 ) 0.5
When defined as
V> π / 3
Because
The active layer has a single or multiple quantum well structure including a quantum well layer and a barrier layer provided on both sides of the quantum well layer and having a forbidden band width larger than the forbidden band width of the quantum well layer. Have
The semiconductor laser device , wherein the barrier layer is doped with carbon or magnesium.
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