JP3655695B2 - 擬似餌およびそれを用いた漁法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、擬似餌およびそれを用いた漁法に係り、特に、鰹の一本釣り漁に好適な擬似餌およびそれを用いた漁法に関する。
【0002】
なお、本明細書における海は海水、淡水を共に含むものである。
【0003】
【従来の技術】
近年、漁業における餌である冷凍生餌、活餌等の生餌が不足し、その入手が非常に困難となっている。そして、ここ数年の鰯の不漁等による餌となる小魚の捕獲量の減少は、前述した問題に拍車をかけ、養殖漁業においては、魚肉タンパクに代わる植物タンパク等の代替品が検討されている程である。
【0004】
このような現状において、どうしても活餌を用いざるを得ない釣漁業においては、新鮮な活餌を大量に確保しなければその存続自体が危ぶまれる程深刻な問題となっている。
【0005】
前記釣漁業の中でも、特に、鰹の一本釣漁においてこのような問題が顕在化している。鰹の一本釣漁用の餌となる小魚は、日本近海ばかりでなく、例えば、南太平洋ソロモン諸島付近の漁場において旋網により捕獲することができるが、このような鰹の一本釣漁用の餌となる小魚の大量捕獲は、現地の人々の反発を招き、国際問題に発展しかねないのが実状である。そこで、このような問題点に対処するために、従来から各種の擬似餌が提案されている。
【0006】
これらの従来例としては、特開昭51−118695号公報、特開昭52−69788号公報、特開昭52−75586号公報等がある。
【0007】
前記特開昭51−118695号公報に記載されている擬似餌は、水と反応する発泡剤入り容器を内添させて自力推進力を得るようにしたものであり、前記特開昭52−69788号公報に記載されている擬似餌は、動力装置を装備して自力推進力を得るようにたものであり、前記特開昭52−75586号公報に記載されている擬似餌は、吸水により収縮、膨潤の程度の異なる2種の合成樹脂を貼着し、2種の合成樹脂の変形により自力推進力を得るようにしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した公報に記載されたいずれの擬似餌においても、漁場において、漁船の船体の適宜な位置に配設された所望のポンプ、例えば、魚移送ポンプの吐出側のホースの先端を海中の所望の水深、例えば、水深5〜10m程度まで沈降させた後、前記ポンプを稼働させて海水とともに擬似餌をホースの先端から海中の所望の位置に放出さるようにされており、擬似餌を海中の所定位置から海面に向かって浮上させるためには、漁船に専用の投入装置を設ける必要があるとともに、船体から離れた位置への擬似餌の投入が困難であるという問題点があった。
【0009】
また、漁船に専用の投入装置を設けると、漁船が水深の浅い場所を航行する際に投入装置がじゃまになるという問題点があった。
【0010】
さらにまた、前述した公報に記載されたいずれの擬似餌においても、魚を集魚させる動作を得るために、構造が複雑で、かつ、経済的負担が大きいという問題点があった。
【0011】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、海への投入が容易で、かつ、海中の所定位置から海面に向かって浮上させることのできる擬似餌およびそれを用いた漁法を提供することを目的とし、更に、簡単な構成で経済的負担の少ない擬似餌およびそれを用いた漁法を提供することをも目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の擬似餌の特徴は、海面に向かって浮上可能な本体部と、この本体部を海に没するための沈降部と、前記本体部および沈降部の海への投入時から所定時間経過後に少なくとも前記本体部を浮上可能状態とさせる時限手段とを有する点にある。
【0013】
また、特許請求の範囲の請求項2に記載の本発明の擬似餌を用いた漁法の特徴は、請求項1に記載の擬似餌を海に向かって投入する点にある。
【0014】
そして、本発明の擬似餌を用いた漁法にしたがえば、簡単な動作で本発明の擬似餌を海面の所定位置に投入することができる。そして、時限手段は、海への投入時から所定時間経過すると海に没した擬似餌の少なくとも本体部を海中の所定位置から海面に向かって浮上させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態により説明する。
【0016】
まず、本発明に係る擬似餌の実施の形態について説明する。
【0017】
図1は本発明に係る擬似餌の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態の擬似餌1aは、海面に向かって浮上可能な略円柱形状に形成された本体部2を有している。この本体部2の軸方向の図1において右方に示す右端には、本体部2の長手方向に対して傾斜した傾斜面3が形成されている。この傾斜面3は、本体部2が海中から海面に向かって浮上する際に、本体部2に略直進的な運動を付与させるためのものである。そして、本体部2の外周面には、本体部2を海に没するための沈降部4としてのスティクシュガー状に形成された砂袋4aがその長手方向を本体部の軸方向と平行にして配置されている。さらに、本体部2および砂袋4aの長手方向の略中央部位には、時限手段5としての水溶性フィルムによって形成されたテープバンド5aが掛け回されている。すなわち、テープバンド5aによって本体部2と砂袋4aとが一体化されている。
【0019】
前記本体部2としては、海水より比重の小さい素材によって所望の浮力を得るように形成されたもの、本体部2の内部に空所(図示せず)を形成して所望の浮力を得るように形成されたもの、前記空所内に適宜な浮力増強手段として空気あるいは油等を封入することにより浮力を大きくし海面への浮上速度を増加させたもの、本体部2に所望の合成樹脂、ゴム様弾性体(天然ゴム、合成ゴム、エラストマ等)等からなる各種の中空体(図示せず)およびこの中空体内に前記浮力増強手段を封入してなる浮力体(図示せず)を表面に固着したり内部に埋設したものなどを例示することができる。
【0020】
そして、本体部2の形状としては、擬似餌1aが海面に浮上するときの遊泳動作、例えば、ジグザグ、フラフラ、クルクル、一気、斜めスライド等の設計コンセプトに適合させてイカ形状、円筒に鰭を付加した形状、円盤形状、湾曲した平板形状、平板を捻った形状、螺旋形状などの各種の形状から選択すればよい。
【0021】
さらに、本体部2の形状および本体部2内に形成する空所の形状、大きさ、数、位置等も、擬似餌1aが海面に浮上するときの遊泳動作に適合させて設定すればよい。
【0022】
また、前記本体部2の表面の少なくとも一部に図示しない趨魚手段としてのアルミ箔等からなる適宜な光反射部材を固着してもよい。この趨魚手段としては、適宜な光蛍光部材等を用いてもよく、魚の視覚を刺激して集魚させるものであればよい。なお、擬似餌1aに趨魚手段を設けることにより、魚の視覚を刺激して集魚させることができるので、この種の趨魚手段に反応する魚、例えば、鰹等の集魚能力を確実に向上させることができる。
【0023】
なお、前記本体部2の素材としては各種のものを選択することができるが、海の環境汚染を考慮し、分解性合成樹脂あるいは食材等の海を汚染しない素材を用いることが望ましい。
【0024】
前記沈降部4としての砂袋4aは、水溶性フィルムにより形成した袋6の内部に重りとしての所定量の砂(図示せず)を詰めたものである。この重りとしては、砂の他に海を汚染しない素材、例えば、貝殻末、石等から選択すればよい。また、袋6の内部に詰める重りの量(重さ)は、必要とする擬似餌1の沈降速度に応じて決定すればよい。なお、水溶性フィルムとしては、後述する時限手段5としてのテープバンド5aの素材と同一のものを用いるとよい。
【0025】
前記時限手段5としてのテープバンド5aは、例えばNOVON(ワーナーランバード社(米国)製商品名)等の水溶性フィルムによって形成されており、水溶性フィルムの厚さによって溶解するまでの時間を調節することができるようになっている。すなわち、時限手段5としてのテープバンド5aは、擬似餌1aを海に没した際に、所定時間経過した後に少なくとも本体部2を浮上可能状態とすることができるようになっている。
【0026】
つぎに、前述した構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0027】
本実施例の擬似餌1aは、海面に向かって浮上可能な本体部2とこの本体部2を海中に没するための沈降部4としての砂袋4aとを時限手段5としての水溶性フィルムにより形成されたテープバンド5aをもって一体化することにより構成されている。
【0028】
したがって、本実施例の擬似餌1aの沈降部4としての砂袋4aは、浮上可能とされた本体部2を海に没することができる。そして、時限手段5としてのテープバンド5aは、擬似餌1aを海に没した際に、所定時間経過した後に溶解して本体部2と沈降部4とを分離させて、少なくとも本体部2を浮上可能状態とすることができる。さらに、本実施例の擬似餌1aの構造は、極めて簡単な構造とすることができので、簡単に大量生産することができ、擬似餌1aを安価な価格で消費者に提供することができるとともに、消費者の需要に対する適切な供給能力を確実に保持することができる。
【0029】
図2は本発明に係る擬似餌の第2の実施の形態を示すものである。
【0030】
図2に示すように、本実施の形態の擬似餌1bは、本体部2とこの本体部2と略同一形状に形成した沈降部4としての砂袋4bとを時限手段5としての接着剤層5bを介して接合し、全体として略円柱状に形成したものである。そして、時限手段5としての接着剤層5bは、例えば澱粉糊によって形成された水溶性の接着剤により形成されており、接着剤層5bの厚さあるいは澱粉糊の澱粉の含有量等によって溶解するまでの時間を調節することができるようになっている。その他の構成は前述した第1の実施の形態の擬似餌1aと同様とされている。
【0031】
このような構成の本実施の形態の擬似餌1bによれば、前述した第1の実施の形態の擬似餌1aと同様の効果を奏することができるとともに、部品点数を低減することができる。
【0032】
図3は本発明に係る擬似餌の第3の実施の形態を示すものである。
【0033】
図3に示すように、本実施の形態の擬似餌1cは、本体部2の外周面に沈降部4としての多数の粒状の重り4cを時限手段5としての図示しない接着剤により接着したものである。
【0034】
そして、時限手段5としての接着剤は、前述した第2の実施の形態の時限手段5と同様に、例えば澱粉糊によって形成されている。その他の構成は前述した第1の実施の形態の擬似餌1aと同様とされている。
【0035】
このような構成の本実施の形態の擬似餌1cによれば、前述した第1の実施の形態の擬似餌1bと同様の効果を奏することができるとともに、部品点数の低減および製造工程をより簡単にすることができる。
【0036】
図4は本発明に係る擬似餌の第4の実施の形態を示すものである。
【0037】
図4に示すように、本実施の形態の擬似餌1dは、本体部2の外周を沈降部4としての2体の幅の狭い砂袋4dで簀巻きにするとともに、2体の砂袋4dの合わせ目に時限手段5としての水溶性フィルム5dを配設し、この水溶性フィルム5dの両端を粘着テープ7により各砂袋4dに固着したものである。その他の構成は前述した第1の実施の形態の擬似餌1aと同様とされている。
【0038】
なお、砂袋4dの数としては、2体に限定されるものではなく、1体あるいは3体以上の複数としてもよい。さらに、砂袋4dの合わせ目の間隔を大きくする構成であってもよい。
【0039】
このような構成の本実施の形態の擬似餌1dによれば、前述した第1の実施の形態の擬似餌1aと同様の効果を奏することができる。
【0040】
図5は本発明に係る擬似餌の第5の実施の形態を示すものである。
【0041】
図5に示すように、本実施の形態の擬似餌1eは、本体部2を伸縮自在な素材により形成するとともに、本体部2の内部に、海中に沈降した本体部2から沈降部4が分離した場合にガス体となって本体部2を略風船の如く膨らます膨張部材(図示せず)を配設したものである。その他の構成は前述した第4の実施の形態の擬似餌1dと同様とされている。
【0042】
このような構成の本実施の形態の擬似餌1eによれば、前述した第4の実施の形態の擬似餌1dと同様の効果を奏することができるとともに、擬似餌1eを海中に沈降させた際に、海面に向かう本体部2の浮上速度をより増加させることができる。
【0043】
図6は本発明に係る擬似餌の第6の実施の形態を示すものである。
【0044】
図6に示すように、本実施の形態の擬似餌1fは、本体部2が中空の円筒形状の筒状体2aにより形成されている。そして、筒状体2aの図6に左方に示す左端には、単なる盲蓋8が固着されており、筒状体2aの図6に右方に示す右端には、水溶性フィルム5d以外の更なる時限手段5としての水溶性フィルムにより形成された可溶性蓋9が取着されている。また、筒状体2aの内部には、水と反応する発泡剤10が配設されており、筒状体2aの発泡剤10の配設位置と可溶性蓋9の配設位置との間には、小径の絞り部11が形成されている。その他の構成は前述した第4の実施の形態の擬似餌1dと同様とされている。
【0045】
このような構成の本実施の形態の擬似餌1fによれば、前述した第4の実施の形態の擬似餌1dと同様の効果を奏することができるとともに、擬似餌1fを海中に沈降させた際に、可溶性蓋9が溶解すると発泡剤10が海水と反応してエアーを発生し、このエアーの一部は図6に左方に示す左端に溜まって海面に向かう本体部2の浮上速度をより増加させ、他のエアーは絞り部11を介して図6に右方に示す右端から泡となって海中へ放出されて本体部2を自力推進させることができる。
【0046】
なお、可溶性蓋9の厚さを時限手段5としての水溶性フィルム5dの厚さより若干厚くすることなどにより、擬似餌1fを海中に沈降させた際に、本体部2からの砂袋4dの分離を先にし、その後、発泡剤10の海水との反応を開始させる構成としたものが好ましく、可溶性蓋9の厚さを時限手段5としての水溶性フィルム5dの厚さと略等しくし本体部2からの沈降部4としての砂袋4dの分離と発泡剤10の海水との反応の開始とを同時に行うことができる構成が最も好ましい。
【0047】
図7は本発明に係る擬似餌の第7の実施の形態を示すものである。
【0048】
図7に示すように、本実施の形態の擬似餌1gは、本体部2を伸縮自在でかつ水より比重の重い素材により形成するとともに、本体部2の内部に、海中に沈降した本体部2が水圧により収縮した際につぶれてガス体となって本体部2を略風船の如く膨らます膨張部材(図示せず)を配設したものである。
【0049】
すなわち、本実施の形態の擬似餌1gは、本体部2が沈降部4および時限手段5を兼ねており、海中に沈降する本体部2が水圧に感応して収縮し、所定の水深に達すると本体部2の内部に配設された膨張部材つぶれてガスを発生し、本体部2を浮上可能とするように構成したものである。
【0050】
このような構成の本実施の形態の擬似餌1gによれば、個別に形成した別体の沈降部4を用いずに、前述した第5の実施の形態の擬似餌1eとほぼ同様の効果を奏することができる。
【0051】
図8は本発明に係る擬似餌の第8の実施の形態を示すものである。
【0052】
図8に示すように、本実施の形態の擬似餌1hは、本体部2が伸縮自在でかつ水より比重の重い素材により形成されている。その他の構成は、前述した第6の実施の形態の擬似餌1fと同様とされている。つまり、本実施の形態の擬似餌1hは、本体部2が沈降部4を兼ねている。
【0053】
このような構成の本実施の形態の擬似餌1hによれば、個別に形成した別体の沈降部4を用いずに、擬似餌1hを海中に沈降させた際に、時限手段5としての可溶性蓋9が溶解すると発泡剤10が海水と反応してエアーを発生し、このエアーの一部は図8に左方に示す左端に溜まって本体部2を海面に向かって勢いよく浮上させ、他のエアーは絞り部11を介して図8に右方に示す右端から泡となって海中へ放出されて本体部2を自力推進させることができる。
【0054】
すなわち、個別に形成した別体の沈降部4を用いずに、前述した第6の実施の形態の擬似餌1fとほぼ同様の効果を奏することができる。
【0055】
なお、別体の沈降部4を本体部2に内封(内臓)させて、第7または第8の実施の形態と同様にして、両者2,4を一緒に沈降、浮上させるようにしてもよい。
【0056】
図9は本発明に係る擬似餌の第9の実施の形態を示すものである。
【0057】
図9に示すように、本実施の形態の擬似餌1iは、例えば、12本程度の複数の本体部2を1束とし、この1束とした本体部2の外周を沈降部4としての2体の砂袋4iで簀巻きにするとともに、2体の砂袋4gの合わせ目に時限手段5としての水溶性フィルム5iを配設し、この水溶性フィルム5iの両端を粘着テープ7により各砂袋4iに固着したものである。その他の構成は前述した第4の実施の形態の擬似餌1dと同様とされている。
【0058】
このような構成の本実施の形態の擬似餌によれば、前述した第4の実施の形態の擬似餌1dと同様の効果を奏することができるとともに、複数の本体部2が同時に浮上する様子が、鰹などの捕獲対象魚に対して鰯などの小魚の群と思わせる刺激的効果を付与することができる。
【0059】
図10は本発明に係る擬似餌の第10の実施の形態を示すものである。
【0060】
図10に示すように、本実施の形態の擬似餌1jは、時限手段5としての水溶性フィルムにより製せられた密閉袋5jの内部に、例えば12本程度の複数の本体部2および沈降部4としての粒状の重り(砂)4jとを一緒に詰めたものである。
【0061】
このような構成の本実施の形態の擬似餌1jによれば、前述した第9の実施の形態の擬似餌1iと同様の効果を奏することができる。
【0062】
つぎに、本発明に係る擬似餌を用いた漁法の実施の形態の一例について説明する。
【0063】
本実施の形態の擬似餌を用いた漁法は、漁場において、漁船から人手によって擬似餌1(符号1は前記各実施の形態の擬似餌1a,1b,1c,1d,1e,1f,1g,1h,1i,1jを総称する)を所定の海面に投入(投餌)することにより行われる。
【0064】
つぎに、前述した構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0065】
本実施の形態の擬似餌を用いた漁法によれば、擬似餌1を鰯などの生餌と同様に作業者の判断で海面の任意の狙った地点へ人手をもって投入することができる。つまり、従来の生餌と同様に、漁船から離れた位置への投入が可能である。そして、海面の所定位置に投入された擬似餌1は、沈降部4を有しているので海底に向かって沈降する。そして、海底に向かって沈降する擬似餌1が海底に達する前に、前記各実施の形態における時限手段5は、所定時間経過すると海中の所定位置で溶解することにより少なくとも本体部2を海面に向かって浮上させる。さらに、海面に向かって浮上する本体部2は、所望の遊泳動作を行いつつ海面に向かって浮上する。
【0066】
すなわち、前述した本実施の形態の擬似餌1を本実施例の擬似餌を用いた漁法にしたがって用いることにより、所望の水深から動力を用いること無く擬似餌1に遊泳動作を行わせて海面に向かって浮上させることができる。
【0067】
また、時限手段5が少なくとも本体部2を海面に向かって浮上を開始させる位置は、擬似餌1全体の沈降速度と時限手段5による経過時間とのバランスを調整することにより制御することができる。この時限手段5による経過時間の制御を具体的に説明すると、時限手段5として水溶性フィルムまたは水溶性の接着剤を用いた場合には、時限手段5としての水溶性フィルムまたは水溶性の接着剤による接着剤層の厚さなどにより制御することができ、図7に示す本体部2が沈降部4および時限手段5を兼ねた擬似餌1gの場合には、本体部2の厚さ、比重などにより制御することができる。
【0068】
さらに、海中の所定位置に放出された擬似餌1は、海面に近づくほど水圧の影響が少なくなり、その浮上遊泳動作は加速され、鰹等の魚の集魚能力を確実に向上させることができる。
【0069】
さらにまた、複数の本体部2を束にした図9および図10に示す擬似餌1i,1jを用いることにより、複数の本体部2を同時に海面に向かって浮上させることができるので、鰹などの捕獲対象魚に対して鰯などの小魚の群と思わせる刺激効果を大きくすることができる。
【0070】
したがって、本実施の形態の擬似餌を用いた漁法を、例えば、鰹漁に用いると、前記擬似餌1の遊泳動作を、鰹の視覚を刺激しつつ逃避行動を行う鰯等の小魚の遊泳動作に近似させることができ、鰹に摂餌刺激を与え、鰹の魚群を海面におびき寄せ、摂餌に対するパニック状態を確実に作り出すことができる。なお、鰹は一旦摂餌パニックに陥ると、警戒心がなくなるので、この後は、従来漁法にしたがって、シャワーリング、一本釣上げが可能となる。
【0071】
なお、本実施の形態の擬似餌を用いた漁法に用いる擬似餌1は、前述した各種の擬似餌1を単種で用いたり、種々のものを所望の割合でブレンドして用いたり、生餌と混合して用いたりすることができる。
【0072】
また、本発明は、前記各実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0073】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の擬似餌およびそれを用いた漁法によれば、擬似餌を海に投入するという簡単な動作をもって擬似餌を海中の所定位置から海面に向かって浮上させることができ、しかも擬似餌の構造を簡単にすることができるので、擬似餌の生産性を確実に向上させるとともに、擬似餌の遊泳動作を活餌の遊泳動作に極めて近似させ、魚の集魚能力を確実に向上させることができるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る擬似餌の第1の実施の形態を示す斜視図
【図2】 本発明に係る擬似餌の第2の実施の形態を示す図1と同様の図
【図3】 本発明に係る擬似餌の第3の実施の形態を示す図1と同様の図
【図4】 本発明に係る擬似餌の第4の実施の形態を示す図1と同様の図
【図5】 本発明に係る擬似餌の第5の実施の形態を示す図1と同様の図
【図6】 本発明に係る擬似餌の第6の実施の形態を示す図1と同様の図
【図7】 本発明に係る擬似餌の第7の実施の形態を示す図1と同様の図
【図8】 本発明に係る擬似餌の第8の実施の形態を示す図1と同様の図
【図9】 本発明に係る擬似餌の第9の実施の形態を示す図1と同様の図
【図10】 本発明に係る擬似餌の第10の実施の形態を示す図1と同様の図
【符号の説明】
1 擬似餌
2 本体部
4 沈降部
5 時限手段

Claims (2)

  1. 海面に向かって浮上可能な本体部と、この本体部を海に没するための沈降部と、前記本体部および沈降部の海への投入時から所定時間経過後に少なくとも前記本体部を浮上可能状態とさせる時限手段とを有することを特徴とする擬似餌。
  2. 請求項1に記載の擬似餌を海に投入することを特徴とする擬似餌を用いた漁法。
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