JP3653638B2

JP3653638B2 - Raw material iron oxide powder for soft ferrite production and method for producing soft ferrite

Info

Publication number: JP3653638B2
Application number: JP21954293A
Authority: JP
Inventors: 田禎公清; 村由紀子中; 英明小日置
Original assignee: JFE Chemical Corp
Current assignee: JFE Chemical Corp
Priority date: 1993-09-03
Filing date: 1993-09-03
Publication date: 2005-06-02
Anticipated expiration: 2020-06-02
Also published as: JPH0774016A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、ソフトフェライト製造用原料酸化鉄粉およびソフトフェライトの製造方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
ソフトフェライトは高周波軟磁性材料として広く利用されている。その製造方法としては、Ｆｅ、Ｍｎ、Ｚｎなどの酸化物粉末を機械的に混合し、熱処理（仮焼とも言う）した後、粉砕と同時に微量添加物を混合し、成形の後、焼成する方法が一般的である。主原料である酸化物粉末としては、７０ｗｔ％程度のＦｅ₂Ｏ₃、１５〜３０ｗｔ％程度のＭｎ₃Ｏ₄および１５ｗｔ％以下程度のＺｎＯが最も一般的に使用されている。
【０００３】
一方その原料酸化物は何れも高純度のものが要求される。原料酸化鉄としては、精製した高純度の塩化鉄溶液を噴霧加熱して製造されるのが一般的であり、その粉体特性などは周知の通りである（例えば特開昭６２−５９５３２号）。特に、０．０８〜０．１５μｍのＢＥＴ法による１次粒径を持つ酸化鉄が原料として使用され（仮焼することなしに成形焼成され）る場合もある（特開昭６２−２１９９０３号）が、必ずしも優れた磁気特性が得られてはいない。また、ソフトフェライト用として、ヘマタイト法と呼ばれる方法で得られる空気透過法による平均粒径０．５〜１．２μｍの酸化鉄も既知である（特開昭５９−２１５２７号）。
【０００４】
しかし、従来、ソフトフェライトの磁気特性を向上させるために、酸化鉄を、高純度化する以外に、いかに改良すべきか十分に検討されていなかった。そのため、得られるソフトフェライトの磁気特性も必ずしも満足のいくものではなかった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
以上の実情に鑑みて、本発明は、原料酸化鉄の改良によって高水準の磁気特性をもつソフトフェライトの製法およびその原料酸化鉄粉を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、塩化鉄水溶液の噴霧焙焼で得た酸化鉄粉末であって、空気透過法による平均粒径が０．１〜０．４μｍで、ＢＥＴ法による平均粒径が０．０１〜０．０７５μｍであるソフトフェライト製造用原料酸化鉄粉を提供するものである。
ここで、酸化鉄粉は、鉄濃度８０〜３２０ｇ／ｌの塩化鉄水溶液を５〜５０μｍの平均径をもつ液滴として噴霧し、焙焼して得たものが好適である。
【０００７】
また、本発明は、Ｆｅ、Ｍｎ、Ｚｎなどの酸化物粉を粉砕混合して主原料混合酸化物粉を得、仮焼後、粉砕と同時に微量添加物を混合し、成形後焼成するソフトフェライトの製造方法において、上記酸化鉄粉を原料酸化鉄粉として用いるソフトフェライトの製造方法を提供する。
【０００８】
【作用】
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
Ｆｅ塩化物水溶液を噴霧加熱することで得られる本発明のソフトフェライト用の原料酸化鉄粉は、前記本発明の目的を達成するために、空気透過法による平均粒径が０．１〜０．４μｍであり、かつＢＥＴ法による平均粒径が０．０１〜０．０７５μｍであることが必要である。
【０００９】
優れた磁気特性を達成するためには、最終焼成コアの結晶内のマトリックスは、均一な化学組成をもつことが必要である。本発明者らは、微細な粉末を利用することが、最終的に均一な結晶内のマトリックスを得る手段として有望であり、それによって磁気特性向上が可能だという予想のもと、詳細な実験を行った。その結果、空気透過法による平均粒径（粉末の２次粒径を反映する）およびＢＥＴ法による平均粒径（粉末の１次粒径を反映する）は同様に磁気特性を支配する要因であり、これらは重要であることを知った。すなわち、原料酸化物が小さいほど、他の酸化物との混合工程の終了段階において高い均質性が達成され、その結果として、仮焼、焼成の後に均質で高磁気特性のソフトフェライトが得られる。
【００１０】
また、混合工程では、酸化鉄は２次粒径で示される凝集として振る舞う傾向が強く、２次粒径の方が１次粒径よりも支配的である。しかし、１次粒径および２次粒径が重要な因子である。すなわち、１次粒径および２次粒径が特定の各範囲内にあるとき特別な効果が発揮されることが明らかになった。
【００１１】
空気透過法による平均粒径が０．４μｍを超えるか、ＢＥＴ法による平均粒径が０．０７５μｍを超えると磁気特性が劣化する。したがって、空気透過法による平均粒径は０．４μｍ以下であり、かつＢＥＴ法による平均粒径は０．０７５μｍ以下であることが必要である。
【００１２】
一方、平均粒径を微細化することによる磁気特性改善の効果は、ある一定値以下では飽和する傾向にある。ところが、平均粒径が小さいほど、焼成時に結晶粒の異常成長が発生しやすく、また、粉末が嵩高くなり、ハンドリングが著しく困難となる。空気透過法による平均粒径が０．１μｍを下回るか、ＢＥＴ法による平均粒径が０．０１μｍを下回ると、磁気特性向上の効果が飽和すると同時に焼成時に異常結晶成長が起こりやすくなる。したがって、空気透過法による平均粒径は０．１μｍ以上であり、ＢＥＴ法による平均粒径が０．０１μｍ以上であることが必要である。
【００１３】
以上、本発明の原料酸化鉄粉の形態について説明したが、その製造方法は、以下の通りである。
原料溶液としては、Ｆｅ塩化物水溶液を用意する。特に、原料溶液としては、製鉄所で多量に発生する鋼板の酸洗いの廃液を高純度化したものが経済的に好ましく使用できる。
【００１４】
原料溶液は、加熱雰囲気の中に噴霧する。噴霧することで、熱効率よく酸化鉄粉末が得られる。加熱雰囲気は、酸素含有雰囲気であればよいが、加熱を経済的に行うために、炭化水素などを含有する燃料を燃焼させて製造した酸素を含有する高温ガスを利用するのが好ましい。加熱は、塩化物を効率的に酸化鉄にするために、３００〜１０００℃で行うのが好ましい。
【００１５】
上述した本発明のソフトフェライト製造用酸化鉄粉は塩化鉄水溶液の噴霧焙焼により製造するのが好ましいのであるが、そのときの噴霧焙焼条件は塩化鉄水溶液の鉄濃度が８０〜３２０ｇ／ｌ、噴霧液滴の平均径が５〜５０μｍであるのが好ましい。鉄濃度が８０ｇ／ｌ未満では、生産効率が低すぎるので経済的に問題である。一方、３２０ｇ／ｌを超えると、塩化鉄が溶液中に析出する危険が高まると同時に、液粘性が上がりすぎ安定噴霧が困難となるためである。また、噴霧液滴径が５μｍ未満では、得られる酸化鉄粉が微細になりすぎ、本発明に使用する酸化鉄が得られない。一方、液滴径が５０μｍを超えると、得られる酸化鉄が粗大になりすぎ、本発明に使用する酸化鉄が得られなくなるためである。
【００１６】
次に、本発明の原料酸化鉄粉を使用したソフトフェライトの好ましい製造方法について説明する。
本発明の原料酸化鉄粉は、最終的に所望するソフトフェライトの組成となるように、Ｍｎ、Ｚｎ、Ｎｉ、Ｍｇ、Ｃｕなどの金属酸化物と粉砕混合する。通常、７０ｗｔ％の酸化鉄と１５〜３０ｗｔ％のＭｎ、Ｎｉ、Ｍｇ、Ｃｕ酸化物および１５ｗｔ％以下のＺｎＯよりなる。この混合は、機械的に行うものであり、通常、乾式あるいは湿式のボールミルやアトライターなどが好ましく使用できる。
【００１７】
これらの粉砕混合を終えた混合酸化物は、空気、窒素、あるいはそれらの混合ガス、又は、炭化水素燃料の燃焼排ガスなどの雰囲気中、最高７００〜１１００℃で加熱することで仮焼する。仮焼には、ロータリーキルンなどが好ましく使用できる。
【００１８】
仮焼した混合酸化物は、粉砕と同時に微量添加物を混合し、さらに、成形の後焼成する。
この混合時、磁気特性向上のために、ＳｉＯ₂、ＣａＯ、ＴｉＯ₂およびＮｂ₂Ｏ₅などの酸化物粉末を微量添加する。これら、微量添加物の添加量は、周知の通り、各々、０．３ｗｔ％以下、０．５ｗｔ％以下、０．５ｗｔ％以下および０．７ｗｔ％以下程度であり、所望する磁気特性によって添加量は異なる。その他、Ｖ、Ｂｉ、Ｉｎ、Ｔａ、Ｚｒ、Ｍｏ、Ｎａ、Ｓｎ、Ｃｒ、Ｃｏ、Ａｌ、Ｍｇの酸化物が使用される。こうして得られた混合粉砕粉は、通常、０．３〜２μｍ程度の平均粒径をもつ。
【００１９】
混合粉砕粉末には、通常、０．１〜１ｗｔ％程度のＰＶＡに代表される成形助剤や０．０１〜１ｗｔ％程度のステアリン酸亜鉛に代表される潤滑剤を混合し、−３０ｍｅｓｈ程度に造粒を行い、成形原料とする。
【００２０】
成形原料は、通常、０．１〜２ｔ／ｃｍ²程度の圧力で所望の形状に金型成形する。
成形体は、通常、大気または窒素、あるいはそれらの混合ガス中で、最高１２００〜１３５０℃程度で保持して焼成する。
【００２１】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
（実施例）
塩化鉄を水道水に溶解し、塩化鉄水溶液を用意した。
この溶液を１リットル／ｈの供給速度で、８００℃に保持した噴霧焙焼炉に噴霧した。噴霧ノズルとしては、霧吹きと同一原理（空気を噴射することで、溶液を液滴化する）の２流体ノズルを使用した。噴霧液口径は１．５ｍｍのものを使用した。溶液濃度および噴霧ガス圧力を制御することで表１に示す液滴径となるようにした。得られた酸化鉄粉を空気分級により微調整して、最終的に平均粒径の異なる数種の酸化鉄粉を製造した。噴霧焙焼条件および酸化鉄粉の平均粒径を表１に整理した。
【００２２】
次に、酸化鉄粉に、ソフトフェライト用に通常使用されるＭｎおよびＺｎ酸化物粉末を添加し、焼成後の組成が、ＺｎＯ、ＭｎＯ、ＴｉＯ₂およびＦｅ₂Ｏ₃に換算して、各々、８．４ｗｔ％、２１．２ｗｔ％、０．０７５ｗｔ％および残部となるように配合した。この配合品に、酸化鉄粉末に対して３倍の重量の水を加え、アトライタ中、２２０ｒｐｍの回転数で７０分処理し、脱水、乾燥後、大気中、９００℃で３時間保持して、仮焼粉を準備した。仮焼粉には、焼成後に含まれるＣａＯ、ＳｉＯ₂およびＮｂ₂Ｏ₅換算でＣａ、ＳｉおよびＮｂ源を各々６５０、２５および２２０ｐｐｍ添加し、粉末に対して３倍の重量の水を加え、アトライタ中、２００ｒｐｍの回転数で４５分処理して、本発明および比較例の原料粉末を準備した。
【００２３】
本発明および比較例の原料粉末１００ｇに対し、４ｗｔ％のＰＶＡ水溶液を１０ｇ添加し、４２ｍｅｓｈの篩を通過させることで造粒粉を作製した。造粒粉を、１．２ｔ／ｃｍ²の圧力で、外径３６、内径２４、高さ８ｍｍのトロイダルリング試験片に成形した。成形体は、管型焼成炉を使用して、窒素、空気の混合ガス中、最高１３１０℃で２４０分保持することで焼成を完了した。得られた焼成コアについて、鉄損（１００ｋＨｚ、０．２Ｔ）を１００℃で測定した。表１に特性を整理した。
【００２４】
【表１】

【００２５】
表１から明らかなように、酸化鉄粉の空気透過法による平均粒径が０．４μｍを超える従来のコア（比較例１）やＢＥＴ法による平均粒径が０．８μｍを超える従来のコア（比較例２）に比較して、空気透過法による平均粒径が０．１〜０．４μｍで、ＢＥＴ法による平均粒径が０．０１〜０．０７５μｍの酸化鉄粉を使用した本発明のコア（本発明例１〜６）によって、非常に優れた磁気特性（鉄損）が得られる。これは、酸化鉄粉が微細なため、混合工程において酸化物原料を均一に混合することができ、最終焼結コアの結晶粒内のマトリックスを均一にすることができたためである。一方、平均粒径が０．１μｍを下回る場合は、焼成時に結晶粒の異常成長が発生し、その結果として、磁気特性が著しく劣化した。
以上のように、本発明の酸化物の１次および２次の平均粒径を特定することによって初めて優れた磁気特性が得られる。
【００２６】
一方、本発明の酸化鉄を製造するためには、噴霧する液滴の平均粒径を制御することが不可欠である。平均液滴径が５０μｍを超える場合（比較例１、２）は、ＢＥＴ法および／または空気透過法による平均粒径を本発明の上限値以下にすることができず、平均液滴径が５μｍを下回る場合（比較例３）は、ＢＥＴ法および／または空気透過法による平均粒径を本発明の下限値以上にすることができず、本発明のように、平均液滴径を５〜５０μｍの範囲内にすることで、初めてＢＥＴ法および／または空気透過法による平均粒径を本発明の範囲内にすることができる。液滴径を変化させることは、実施例に使用した霧吹き型（２流体）ノズルの場合、噴霧エア圧力を調整することで可能であり、実施例に使用した噴霧液口径１．５ｍｍのノズルの場合、１．５〜７．０ｋｇ／ｃｍ²の範囲が適切であった。
【００２７】
さらに、溶液Ｆｅ濃度は最終製品酸化鉄の平均粒径に多少影響し、濃度が高いほど大粒径の酸化物が、濃度が低いほど小粒径の酸化物が得られる。ただし、溶液Ｆｅ濃度が８０ｇ／ｌを下回る場合（比較例３）は、酸化物の平均粒径を本発明の範囲にするのが困難なばかりでなく、生産性を低下させるので好ましくない。一方、溶液Ｆｅ濃度が３２０ｇ／ｌを上回る場合（比較例１）は、酸化物の平均粒径を本発明の範囲にするのが困難なばかりでなく、塩化鉄の溶解限度に近づくため、場合によっては塩化鉄が析出し噴霧ノズルを閉塞させるなどの操業上の問題が生じる。したがって、溶液の鉄濃度は８０〜３２０ｇ／ｌの範囲が好ましい。
【００２８】
【発明の効果】
Ｆｅ塩化物水溶液を噴霧加熱することで得られる空気透過法による平均粒径が０．１〜０．４μｍであり、かつＢＥＴ法による平均粒径が０．０１〜０．０７５μｍである本発明のソフトフェライトの原料酸化鉄によって、従来にない高水準の磁気特性のソフトフェライトが得られる。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a raw material iron oxide powder for producing soft ferrite and a method for producing soft ferrite.
[0002]
[Prior art]
Soft ferrite is widely used as a high-frequency soft magnetic material. The manufacturing method is a method in which oxide powders such as Fe, Mn, and Zn are mechanically mixed, heat-treated (also referred to as calcination), then mixed with a trace amount of additives at the same time as pulverized, and then fired after molding. Is common. As the oxide powder as the main material, Fe ₂ O _{3 of} about 70 wt%, Mn ₃ O _{4 of} about 15 to ₃₀ wt% and ZnO of about 15 wt% or less are most commonly used.
[0003]
On the other hand, the raw material oxide is required to have high purity. The raw iron oxide is generally manufactured by spray heating a purified high-purity iron chloride solution, and its powder characteristics are well known (for example, JP-A-62-59532). . In particular, iron oxide having a primary particle size by the BET method of 0.08 to 0.15 μm may be used as a raw material (molded and fired without calcining) (Japanese Patent Laid-Open No. 62-219903). However, excellent magnetic properties are not always obtained. For soft ferrite, iron oxide having an average particle size of 0.5 to 1.2 μm by an air permeation method obtained by a method called a hematite method is also known (Japanese Patent Laid-Open No. 59-21527).
[0004]
However, in the past, in order to improve the magnetic properties of soft ferrite, it has not been sufficiently studied how to improve the iron oxide other than high purity. For this reason, the magnetic properties of the obtained soft ferrite were not always satisfactory.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above circumstances, an object of the present invention is to provide a method for producing soft ferrite having a high level of magnetic properties by improving raw iron oxide and the raw iron oxide powder.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
That is, the present invention is an iron oxide powder obtained by spray roasting of an aqueous iron chloride solution, having an average particle size of 0.1 to 0.4 μm by the air permeation method and an average particle size of 0.01 by the BET method. The raw material iron oxide powder for soft ferrite manufacture which is -0.075 micrometer is provided.
Here, the iron oxide powder is preferably obtained by spraying and roasting an iron chloride aqueous solution having an iron concentration of 80 to 320 g / l as droplets having an average diameter of 5 to 50 μm.
[0007]
In addition, the present invention provides a soft ferrite in which oxide powders such as Fe, Mn, and Zn are pulverized and mixed to obtain a main raw material mixed oxide powder, calcined, mixed with a trace amount of additives simultaneously with pulverization, and fired after molding In this manufacturing method, the manufacturing method of the soft ferrite which uses the said iron oxide powder as raw material iron oxide powder is provided.
[0008]
[Action]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
In order to achieve the object of the present invention, the raw iron oxide powder for soft ferrite of the present invention obtained by spray heating an Fe chloride aqueous solution has an average particle size of 0.1 to 0. It is necessary that the average particle size is 4 μm and the average particle size by the BET method is 0.01 to 0.075 μm.
[0009]
In order to achieve excellent magnetic properties, the matrix within the crystals of the final fired core must have a uniform chemical composition. The inventors have conducted detailed experiments with the expectation that the use of fine powders is promising as a means to finally obtain a matrix in a uniform crystal, thereby improving magnetic properties. went. As a result, the average particle size by the air permeation method (reflecting the secondary particle size of the powder) and the average particle size by the BET method (reflecting the primary particle size of the powder) are also factors that govern the magnetic properties. Knew that these are important. That is, the smaller the raw material oxide, the higher the homogeneity is achieved at the end of the mixing step with other oxides. As a result, a soft ferrite having a homogeneous and high magnetic property is obtained after calcination and firing.
[0010]
Further, in the mixing step, iron oxide tends to behave as an agglomeration indicated by the secondary particle size, and the secondary particle size is more dominant than the primary particle size. However, the primary particle size and the secondary particle size are important factors. That is, it has been clarified that a special effect is exhibited when the primary particle size and the secondary particle size are in specific ranges.
[0011]
When the average particle size by the air permeation method exceeds 0.4 μm or the average particle size by the BET method exceeds 0.075 μm, the magnetic properties deteriorate. Therefore, it is necessary that the average particle diameter by the air permeation method is 0.4 μm or less and the average particle diameter by the BET method is 0.075 μm or less.
[0012]
On the other hand, the effect of improving magnetic characteristics by reducing the average particle size tends to saturate below a certain value. However, the smaller the average particle size, the easier the abnormal growth of crystal grains occurs during firing, and the powder becomes bulky and handling becomes extremely difficult. If the average particle size by the air permeation method is less than 0.1 μm or the average particle size by the BET method is less than 0.01 μm, the effect of improving the magnetic properties is saturated and abnormal crystal growth is likely to occur during firing. Therefore, it is necessary that the average particle diameter by the air permeation method is 0.1 μm or more, and the average particle diameter by the BET method is 0.01 μm or more.
[0013]
As mentioned above, although the form of the raw material iron oxide powder of this invention was demonstrated, the manufacturing method is as follows.
An Fe chloride aqueous solution is prepared as a raw material solution. In particular, as the raw material solution, a highly purified waste solution for pickling steel sheets generated in large quantities at steelworks can be preferably used economically.
[0014]
The raw material solution is sprayed in a heated atmosphere. By spraying, iron oxide powder can be obtained with high thermal efficiency. The heating atmosphere may be an oxygen-containing atmosphere, but in order to perform heating economically, it is preferable to use a high-temperature gas containing oxygen produced by burning a fuel containing hydrocarbon or the like. Heating is preferably performed at 300 to 1000 ° C. in order to efficiently convert the chloride into iron oxide.
[0015]
The above-described iron oxide powder for producing soft ferrite of the present invention is preferably produced by spray roasting of an aqueous iron chloride solution. The spray roasting conditions at that time are such that the iron concentration of the aqueous iron chloride solution is 80 to 320 g / l. The average diameter of the spray droplets is preferably 5 to 50 μm. If the iron concentration is less than 80 g / l, the production efficiency is too low, which is economically problematic. On the other hand, if it exceeds 320 g / l, there is an increased risk that iron chloride will precipitate in the solution, and at the same time, the liquid viscosity will increase so that stable spraying becomes difficult. On the other hand, when the spray droplet diameter is less than 5 μm, the obtained iron oxide powder becomes too fine, and the iron oxide used in the present invention cannot be obtained. On the other hand, when the droplet diameter exceeds 50 μm, the obtained iron oxide becomes too coarse, and the iron oxide used in the present invention cannot be obtained.
[0016]
Next, a preferred method for producing soft ferrite using the raw iron oxide powder of the present invention will be described.
The raw iron oxide powder of the present invention is pulverized and mixed with a metal oxide such as Mn, Zn, Ni, Mg, or Cu so as to finally have a desired soft ferrite composition. Usually, it consists of 70 wt% iron oxide and 15-30 wt% Mn, Ni, Mg, Cu oxide and 15 wt% or less ZnO. This mixing is performed mechanically, and usually a dry or wet ball mill or attritor can be preferably used.
[0017]
The mixed oxide that has been pulverized and mixed is calcined by heating at a maximum of 700 to 1100 ° C. in an atmosphere of air, nitrogen, a mixed gas thereof, or combustion exhaust gas of hydrocarbon fuel. A rotary kiln or the like can be preferably used for calcination.
[0018]
The calcined mixed oxide is mixed with a trace amount of additive simultaneously with pulverization, and further fired after molding.
At the time of mixing, a small amount of oxide powder such as SiO ₂ , CaO, TiO ₂ and Nb ₂ O ₅ is added to improve the magnetic characteristics. As is well known, the addition amount of these trace additives is about 0.3 wt% or less, 0.5 wt% or less, 0.5 wt% or less, and 0.7 wt% or less, respectively, depending on the desired magnetic characteristics. Is different. In addition, oxides of V, Bi, In, Ta, Zr, Mo, Na, Sn, Cr, Co, Al, and Mg are used. The mixed and pulverized powder thus obtained usually has an average particle size of about 0.3 to 2 μm.
[0019]
Usually, the mixed pulverized powder is mixed with a molding aid typified by about 0.1 to 1 wt% of PVA and a lubricant represented by about 0.01 to 1 wt% of zinc stearate, and is about -30 mesh. Granulate into molding raw materials.
[0020]
The molding raw material is usually molded into a desired shape by a pressure of about 0.1 to ² t / cm ² .
The molded body is usually fired in the atmosphere or nitrogen or a mixed gas thereof at a maximum of about 1200 to 1350 ° C.
[0021]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described based on examples.
(Example)
Iron chloride was dissolved in tap water to prepare an aqueous iron chloride solution.
This solution was sprayed in a spray roasting furnace maintained at 800 ° C. at a feed rate of 1 liter / h. As the spray nozzle, a two-fluid nozzle having the same principle as spraying (spraying the solution by jetting air) was used. A spray liquid having a diameter of 1.5 mm was used. By controlling the solution concentration and the spray gas pressure, the droplet diameters shown in Table 1 were obtained. The obtained iron oxide powder was finely adjusted by air classification to finally produce several types of iron oxide powders having different average particle diameters. Table 1 shows the spray roasting conditions and the average particle diameter of the iron oxide powder.
[0022]
Next, Mn and Zn oxide powders commonly used for soft ferrite are added to the iron oxide powder, and the composition after firing is converted into ZnO, MnO, TiO ₂ and Fe ₂ O ₃ , respectively. It compounded so that it might become 8.4 wt%, 21.2 wt%, 0.075 wt%, and the remainder. To this blended product, water three times the weight of iron oxide powder was added, treated in an attritor for 70 minutes at a rotational speed of 220 rpm, dehydrated, dried, and held in the atmosphere at 900 ° C. for 3 hours. A calcined powder was prepared. To the calcined powder, 650, 25 and 220 ppm of Ca, Si and Nb sources are added in terms of CaO, SiO ₂ and Nb ₂ O ₅ contained after firing, respectively, and 3 times the weight of water is added to the powder. The raw material powder of this invention and the comparative example was prepared for 45 minutes by the rotation speed of 200 rpm in an attritor.
[0023]
10 g of 4 wt% PVA aqueous solution was added to 100 g of the raw material powder of the present invention and the comparative example, and granulated powder was prepared by passing through a 42 mesh sieve. The granulated powder was molded into a toroidal ring test piece having an outer diameter of 36, an inner diameter of 24, and a height of 8 mm at a pressure of 1.2 t / cm ² . The molded body was fired by holding it at a maximum of 1310 ° C. for 240 minutes in a mixed gas of nitrogen and air using a tube firing furnace. About the obtained baked core, the iron loss (100 kHz, 0.2T) was measured at 100 degreeC. Table 1 summarizes the characteristics.
[0024]
[Table 1]

[0025]
As is apparent from Table 1, a conventional core (Comparative Example 1) in which the average particle diameter by the air permeation method of iron oxide powder exceeds 0.4 μm or a conventional core in which the average particle diameter by the BET method exceeds 0.8 μm ( Compared to Comparative Example 2), the iron oxide powder having an average particle diameter of 0.1 to 0.4 μm by the air permeation method and an average particle diameter of 0.01 to 0.075 μm by the BET method is used. With the core (Invention Examples 1 to 6), very excellent magnetic properties (iron loss) can be obtained. This is because the oxide raw material can be uniformly mixed in the mixing process because the iron oxide powder is fine, and the matrix in the crystal grains of the final sintered core can be made uniform. On the other hand, when the average particle size was less than 0.1 μm, abnormal growth of crystal grains occurred during firing, and as a result, the magnetic properties were significantly deteriorated.
As described above, excellent magnetic characteristics can be obtained only by specifying the primary and secondary average particle diameters of the oxide of the present invention.
[0026]
On the other hand, in order to produce the iron oxide of the present invention, it is essential to control the average particle diameter of the droplets to be sprayed. When the average droplet diameter exceeds 50 μm (Comparative Examples 1 and 2), the average particle diameter by the BET method and / or the air permeation method cannot be made lower than the upper limit of the present invention, and the average droplet diameter is 5 μm. (Comparative Example 3), the average particle size by the BET method and / or the air permeation method cannot be made to be equal to or greater than the lower limit of the present invention, and the average droplet diameter is 5 to 50 μm as in the present invention. For the first time, the average particle diameter by the BET method and / or the air permeation method can be made within the range of the present invention. In the case of the atomizing type (two fluid) nozzle used in the example, the droplet diameter can be changed by adjusting the atomizing air pressure. The nozzle diameter of the nozzle used in the example is 1.5 mm. In this case, a range of 1.5 to 7.0 kg / cm ² was appropriate.
[0027]
Furthermore, the concentration of the solution Fe has some influence on the average particle size of the final product iron oxide. The higher the concentration, the larger the particle size oxide, and the lower the concentration, the smaller the particle size oxide. However, when the solution Fe concentration is less than 80 g / l (Comparative Example 3), it is not only difficult to make the average particle diameter of the oxide within the range of the present invention, but also the productivity is lowered, which is not preferable. On the other hand, when the solution Fe concentration exceeds 320 g / l (Comparative Example 1), the average particle size of the oxide is not only difficult to be within the range of the present invention, but also approaches the solubility limit of iron chloride. Depending on the operation, iron chloride may precipitate, causing operational problems such as blocking the spray nozzle. Therefore, the iron concentration of the solution is preferably in the range of 80 to 320 g / l.
[0028]
【The invention's effect】
The average particle diameter by the air permeation method obtained by spray heating the Fe chloride aqueous solution is 0.1 to 0.4 μm, and the average particle diameter by the BET method is 0.01 to 0.075 μm. Soft ferrite, which is a raw material for soft ferrite, can provide soft ferrite with a high level of magnetic properties that has never been seen before.

Claims

An iron oxide powder obtained by spray roasting of an aqueous iron chloride solution having an average particle size of 0.1 to 0.4 μm by the air permeation method and an average particle size of 0.01 to 0.075 μm by the BET method Raw material iron oxide powder for soft ferrite production.

The iron oxide powder according to claim 1 is obtained by spraying and roasting an iron chloride aqueous solution having an iron concentration of 80 to 320 g / l as droplets having an average diameter of 5 to 50 μm. Raw material iron oxide powder for soft ferrite production.

In the method for producing soft ferrite, which is obtained by pulverizing and mixing oxide powders such as Fe, Mn, and Zn to obtain main raw material mixed oxide powder, calcining, mixing a trace amount of additives simultaneously with pulverization, and firing after molding. Item 3. A method for producing soft ferrite, comprising using the iron oxide powder according to item 1 or 2 as a raw iron oxide powder.