JP3652386B2 - Vegetation and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、法面などの緑化に用いられる植生体と、その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、分解性繊維のウェブあるいはシートに、種子、肥料等の植生材を水溶性糊材で一体的に接着し、ウェブあるいはシートを上にして法面等の緑化地盤に敷設する植生体が知られている。また、この植生体は、分解性繊維のウェブあるいはシートの上に植生材を散布し、その上から水溶性糊剤を散布し、乾燥して作られていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、水溶性糊材は接着力が弱いので、乾燥中に、また運搬及び施工の最中に、植生材が分解性繊維のウェブあるいはシートから剥離するという問題があった。
【0004】
また、糊剤を乾燥するには大型の乾燥炉を必要とするので、エネルギーを大量消費し、乾燥中に植生体が焼損する危険があり、高温に長時間曝された種子が枯死したり肥料が変成したりするという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は、水溶性糊剤を用いることの上記問題点を解消するためになされたもので、請求項1の発明に係る植生体は、分解性繊維のウェブあるいはシートの上に配置された植生材を、水崩壊性又は分解性のホットメルト接着剤をスプレーして形成された、細長い繊維が絡み合った状態の綿菓子状の被覆層で保持したものである。
【0006】
請求項2の発明に係る植生体は、下面に被覆材を有する分解性繊維のウェブあるいはシートの上に植生材を配置し、この植生材を水崩壊性又は分解性のホットメルト接着剤をスプレーして形成された、細長い繊維が絡み合った状態の綿菓子状の被覆層で保持したものである。
【0007】
請求項3の発明は請求項1に係る植生体の製造方法で、分解性繊維のウェブあるいはシートの上に植生材を散布し、この植生材の上から水崩壊性又は分解性のホットメルト接着剤をスプレーして細長い繊維が絡み合った状態の綿菓子状被覆層を形成するものである。
【0008】
請求項4の発明は請求項2に係る植生体の製造方法で、被覆材の上に分解性繊維のウェブあるいはシートを固定し、該ウェブあるいはシートの上に植生材を散布し、この植生材の上から水崩壊性又は分解性のホットメルト接着剤を綿菓子状にスプレーするものである。
【0009】
上記植生体の製造方法では、植生材の散布時から、水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤をスプレーするまでの間、下方から空気を吸引するのが望ましい。また、水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤のスプレー後に、無機質微小粉末を添付してもよい。
【0010】
【作用】
上記植生体とその製造方法では、水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤を細長い繊維が絡み合った綿菓子状態にスプレーすることにより、分解性繊維のウェブあるいはシートに植生材を固定している。また、綿菓子状に薄くスプレーされたホットメルト接着剤は極めて短時間で固まる。したがって、ウェブやシートの上にランダムに散布された植生材が確実に保持される。また、乾燥の必要がないので、種子が枯死したり肥料が変成したりすることがない。さらに、ホットメルト接着剤としては、分解性又は水崩壊性のものを使用しているので、植生体を地盤に敷くと雨水等の影響によって簡単に分解又は崩壊し、植物の発芽を阻害することもない。
【0011】
また、植生材の散布時から、水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤をスプレーするまでの間、ウェブあるいはシートの下から空気を吸引すると、スプレーされたホットメルト接着剤による植生材の固定が瞬時かつ確実に行える。さらに、水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤のスプレー後に無機質微小粉末を添付すると、ホットメルト接着剤の粘着性が無くなり、製造された植生体をすぐにロール状に巻回しても、ホットメルト接着剤がシートや被覆材の表面に付着することがない。
【0012】
【実施例】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。図1は本発明に係る植生体1の部分断面図で、この植生体1において、最上部の被覆材2は、公知の合成樹脂ネット、わらむしろ、天然繊維の網などである。被覆材2の下には、レーヨン、麻、木綿、ウール、絹など微生物に分解される繊維からなるウェブ3、又は紙、パルプにピートモスあるいはバークを混抄した薄層シート、不織布など分解性繊維のシート3’が配置されている。ここで、ウェブ3とは、カード機によって、繊維塊を櫛けずり、繊維にある程度方向性を持たせた薄綿状のものをいう。上記ウェブ3あるいはシート3’は、レーヨンに、分解速度が遅く、湿潤時の見かけ体積変化の小さい未脱脂木綿を混合するというように、微生物に分解される繊維同士を混合して形成してもよい。
【0013】
ウェブ3又はシート3’の下面には、少なくとも種子4、肥料5を含む植生材6が、水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤からなる被覆層7によって被覆し固定されている。上記植生材6には、植生体1を敷設する現場の条件に応じて適宜、有機質あるいは無機質の土壌改良材や、高吸水性樹脂など保水材を加えてもよい。水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤としては、ゼラチン、水溶性のPVAなどを含み、水によって形状が崩れるもの、あるいはポリカプロラクトン、でんぷんなどを原料とする微生物によって分解されるものが好ましい。また、被覆層7は、細長い繊維が絡み合った状態の綿菓子状の薄い層である。従って、植生体1が現場に施工され、降雨によってホットメルト接着剤が崩壊するか、もしくは現場土壌の微生物によってホットメルト接着剤が分解され、種子4は、支障なく発芽生育することができる。
【0014】
水崩壊性あるいは分解性ホットメルト接着剤には、例えばクレー、タルク、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、カオリン、セピオライト、酸化チタンなど粒子が細かく粒度分布が適当なものから選ばれた無機質微小粉末8を添付するのが好ましい。この際、アルカリ性のものを用いれば、酸性土壌のpH矯正となり、好都合である。
【0015】
図2は、ウェブ3を用いた植生体1の製造装置を示し、カード機9はローラーカード、ランダムカードなど公知のカード機で、このカード機9によってシート状に成形された分解性繊維のウェブ3はベルトコンベア10によって運ばれる。一方、被覆材2はロール11から送り出され、糊材ロール12に片面に糊が塗布された後、この糊が塗布された面を上にして搬送される。また、被覆材2の上にはウェブ3が重ね合わされ、非粘着性加圧ロール13により両者が接着される。なお、被覆材2と分解性繊維のウェブ3との接着は、糊材ロール12、非粘着性加圧ロール13を用いた方法に限らず、ヒートシール、ホットメルトで行ってもよい。
【0016】
種子4、肥料5、又は必要に応じて土壌改良材を含む植生材6は、ホッパー14から分解性繊維のウェブ3に散布され、ガン15からスプレーされる水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤16によって固定される。スプレーされたホットメルト接着剤16は、細長い繊維が絡み合った状態の綿菓子状の薄い層を形成している。したがって、その後コールド・エア・スプレー17により冷却されるとすぐに固まる。
【0017】
上記植生材6の散布時から、水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤16による固定後まで、被覆材2側から吸引機18で空気を吸引することにより、植生材6は散乱することなく分解性繊維のウェブ3に密着する。また、空気の流れができるのでスプレーされたホットメルト接着剤16は冷却され固化し、瞬時の固定が可能になる。
【0018】
分解性ホットメルト7による固定後、無機質微小粉末8がホットメルト接着剤16からなる被覆層7上に添付される。添付方法は、ホッパー19からの重力落下以外でも、空気による圧送吹付など粉体力学的に適当なものであれば良い。この無機質微小粉末8は粘着性を持たないので、製造直後に植生体1をロールに巻き取っても、植生体1同士がくっつくことはない。なお、図示するように、吸引機18の吸引領域を、無機質微小粉末8の添付後まで含めておくと、無機質微小粉末8の飛散を防止しつつ、これを確実に被覆層7に添付することができる。なお、工場の換気などで風が影響する場合には、図2,3のように防風カバー20を周囲に設置する。
【0019】
図3は、ウェブ3に代えて分解性繊維のシート3′を用いる場合の製造装置を示し、シート3’はロール21から送り出される点と、ベルトコンベア10が不要な点で相違する。その他の構成は同一であり、同一部分には同一の符号を付して、構成及び植生体の製造工程の説明は省略する。
【0020】
【発明の効果】
以上の説明のように、本発明にかかる植生体及びその製造方法では、水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤を綿菓子状にスプレーした被覆層で、分解性繊維のウェブあるいはシートに植生材を固定している。したがって、植生体から植生材が簡単に剥離することがない。また、スプレーされたホットメルト接着剤は短時間で固化するので、大型の乾燥機等を備えた乾燥工程が不要となり、種子の枯死や肥料の変成が防止される。さらに、ホットメルト接着剤は雨水等によって簡単に崩壊又は分解するので、種子が素早く土壌に接触して発根すると共に、植物の発芽及び生育が良好に行われる。そして、水溶性糊材を用いて種子等の植生材を固定するものでは、これらの植生材に高吸水性樹脂を用いることはできなかったが、スプレーされたホットメルト接着剤は即座に固化するので、植生体に上記高吸水性樹脂を含めることも可能となる。
【0021】
また、水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤による固定後まで、シート側から空気を吸引すると、瞬時の固定が容易になる。さらに、水崩壊性あるいは分解性のホットメルト接着剤による固定後に無機質微小粉末を添付すると、ホットメルトの粘着性が残らず、製造された植生体をすぐに巻き取っても互いにくっつくことがないので、展開したときの破損が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 植生体の部分拡大断面図である。
【図2】 ウェブを用いた植生体の製造方法の概略図である。
【図3】 シートを用いた植生体の製造方法の概略図である。
【符号の説明】
1…植生体、2…被覆材、3…分解性繊維のウェブ、3′…分解性繊維のシート、4…種子、5…肥料、6…植生材、7…水崩壊性あるいは分解性ホットメルト、8…無機質微小粉末、9…カード機、10…ベルトコンベア、12…糊材ロール、13…非粘着性加圧ロール、14…ホッパー、15…ガン、17…コールド・エア・スプレー、18…吸引機、19…ホッパー、20…防風カバー。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a vegetation used for planting a slope or the like, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, a vegetation body in which vegetation materials such as seeds and fertilizers are integrally bonded to a degradable fiber web or sheet with a water-soluble glue and laid on a greening ground such as a slope with the web or sheet facing up. Are known. Moreover, this vegetation was made by spraying a vegetation material on a web or sheet of degradable fiber, spraying a water-soluble paste on the vegetation material, and drying it.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the water-soluble paste material has a weak adhesive force, there is a problem that the vegetation material is peeled off from the web or sheet of the degradable fiber during drying and during transportation and construction.
[0004]
In addition, a large drying furnace is required to dry the paste, which consumes a large amount of energy, and there is a risk of burning the vegetation during drying. Seeds that have been exposed to high temperatures for a long time may die or be fertilizer. There was a problem of metamorphosis.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
Accordingly, the present invention has been made to solve the above-described problems of using a water-soluble paste, and the vegetation according to the invention of claim 1 is disposed on a web or sheet of degradable fibers. The vegetation material is held by a cotton candy-like coating layer formed by spraying a water-disintegrating or degradable hot melt adhesive and in which elongated fibers are intertwined .
[0006]
In the vegetation according to the invention of
[0007]
Invention of
[0008]
The invention of
[0009]
In the vegetation manufacturing method, it is desirable to suck air from below from the time of spreading the vegetation material until spraying the water-disintegrating or decomposable hot melt adhesive. Further, an inorganic fine powder may be attached after spraying a water-disintegrating or decomposable hot melt adhesive.
[0010]
[Action]
In the above vegetation and its manufacturing method, the vegetation material is fixed to the web or sheet of degradable fibers by spraying a water-disintegrating or degradable hot melt adhesive into a cotton candy in which elongated fibers are intertwined . . Moreover, the hot melt adhesive sprayed thinly in the form of cotton candy hardens in a very short time. Therefore, the vegetation material sprayed at random on the web or the sheet is securely held. In addition, since there is no need for drying, seeds do not die or fertilizer is not denatured. Furthermore, as hot melt adhesives, those that are degradable or water-disintegrating are used, so when the vegetation is laid on the ground, it can be easily decomposed or disintegrated under the influence of rainwater, etc., and inhibit the germination of plants. Nor.
[0011]
In addition, when air is sucked from under the web or sheet from when the vegetation material is sprayed to when the water-disintegrating or decomposable hot-melt adhesive is sprayed, the vegetation material is fixed by the sprayed hot-melt adhesive. Can be done instantly and reliably. Furthermore, if an inorganic fine powder is attached after spraying a water-disintegratable or degradable hot melt adhesive, the hot melt adhesive will lose its tackiness, and even if the manufactured vegetation is immediately wound into a roll, The melt adhesive does not adhere to the surface of the sheet or the covering material.
[0012]
【Example】
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings. FIG. 1 is a partial cross-sectional view of a vegetation body 1 according to the present invention. In this vegetation body 1, the uppermost covering
[0013]
A
[0014]
Attached to the water-disintegrating or degradable hot melt adhesive is an inorganic
[0015]
FIG. 2 shows an apparatus for manufacturing a vegetation 1 using a
[0016]
[0017]
From when the
[0018]
After fixing with the degradable
[0019]
FIG. 3 shows a manufacturing apparatus in which a
[0020]
【The invention's effect】
As described above, in the vegetation according to the present invention and the method for producing the vegetation, a vegetation is formed on a web or sheet of degradable fibers with a coating layer sprayed in the form of cotton candy with a water-disintegrating or degradable hot melt adhesive. The material is fixed. Therefore, the vegetation material does not easily peel from the vegetation. Moreover, since the sprayed hot-melt adhesive is solidified in a short time, a drying process equipped with a large dryer or the like is not necessary, and seed death and fertilizer alteration are prevented. Furthermore, since the hot melt adhesive is easily disintegrated or decomposed by rainwater or the like, the seeds quickly come into contact with the soil to root and the plants germinate and grow well. And in the thing which fixes vegetation materials, such as seeds, using water-soluble glue material, superabsorbent resin could not be used for these vegetation materials, but the sprayed hot melt adhesive solidifies immediately. Therefore, it is possible to include the superabsorbent resin in the vegetation.
[0021]
Further, if air is sucked from the sheet side until after fixing with a water-disintegrating or decomposable hot melt adhesive, instantaneous fixing becomes easy. In addition, if an inorganic fine powder is attached after fixing with a water-disintegratable or degradable hot melt adhesive, the hot melt will not remain sticky and will not stick to each other even if the manufactured vegetation is immediately wound up. , Damage when deployed is prevented.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially enlarged sectional view of a vegetation body.
FIG. 2 is a schematic view of a method for producing a vegetation using a web.
FIG. 3 is a schematic view of a method for producing a vegetation using a sheet.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Vegetation, 2 ... Coating | covering material, 3 ... Degradable fiber web, 3 '... Degradable fiber sheet, 4 ... Seed, 5 ... Fertilizer, 6 ... Vegetation material, 7 ... Water disintegration or decomposable
Claims (6)
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