JP3652204B2 - 侵入監視装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、監視ゾーンをカメラで撮影して侵入発生を監視する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
重要な建物、施設等には、それらへの人の侵入を防止するため、これらの建物、施設等の周囲に監視ゾーンを設定し、各監視ゾーンに人の侵入を検知する侵入センサを配置し、侵入センサが動作すると、その監視ゾーンをITVカメラで撮影して、人の侵入を確認するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の侵入監視装置では、侵入センサが侵入発生を検知すると、その監視ゾーンをITVカメラで撮影するようにしているが、侵入発生の検知から1秒以内にITVカメラの映像を見ないと、侵入者の映像は見えない。そのため、監視ゾーンの数と同数のITVカメラを設置して、侵入発生に即応して映像が見られるようにしているが、高価となるのは避けられない。
【0004】
しかし、複数の監視ゾーンに対して、1台のITVカメラを設置した場合は、侵入発生時ITVカメラのパン、チルト及びズームの量を制御して、ITVカメラを侵入発生した監視ゾーンの方へ駆動しているため、動作遅れが生じて、侵入者の映像が見られないという問題点がある。
【0005】
この発明は上記問題点を解消するためになされたもので、少ないITVカメラによって動作遅れなく監視ゾーンを撮影できるようにした侵入監視装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の第1発明に係る侵入監視装置は、過去の侵入発生状態を時期に対応して記録し、その記録から侵入発生の可能性の高い監視ゾーンを判定し、その方向にカメラをプリセットするようにしたものである。
【0007】
また、第2発明に係る侵入監視装置は、第1発明のものにおいて、過去の侵入発生状態を真の侵入発生と、誤報による侵入発生に区分して記録するようにしたものである。
【0008】
また、第3発明に係る侵入監視装置は、第2発明のものにおいて、記録された過去の侵入発生状態の内真の侵入が発生した監視ゾーンを、誤報による侵入が発生した監視ゾーンよりも優先してカメラをプリセットするようにしたものである。
【0009】
また、第4発明に係る侵入監視装置は、第1発明のものにおいて、記録された過去の侵入センサ動作時の環境状態と類似の環境状態のときに、過去の侵入センサ動作時の監視ゾーンの方向にカメラをプリセットするようにしたものである。
【0010】
また、第5発明に係る侵入監視装置は、監視ゾーンのそれぞれに複数の侵入センサを設け、複数の侵入センサがすべて動作すると、その監視ゾーンの侵入発生を検出し、複数の侵入センサのいずれかが動作すると、これに対応する監視ゾーンの方向にカメラをプリセットするようにしたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図5はこの発明の第1〜第3及び第5発明の一実施の形態を示す図で、図1は侵入センサの配置図で、(A)は建物側からの正面図、(B)は(A)の左側面図、図2は侵入監視ゾーンの平面図、図3はブロック線図、図4及び図5は動作フローチャートであり、図中同一符号は同一部分を示す。
【0012】
図1及び図2において、1は建物で、建物1から距離を隔てて包囲する位置に、侵入監視ゾーンZn(Z1〜Z16)が設定されている。2は建物1に設置され監視ゾーンZnを監視するITVカメラ(監視ゾーンZnの数よりも少ない数設置されているが、ここでは1台だけを図示した。)である。3は監視ゾーンZnを区画するフェンスで、その上部にテンション式侵入センサTnが設けられている。テンション式侵入センサTn(T1〜T16)は線材を張設して構成され、物体がこれに接触して変位すると侵入信号tn(t1〜t16)を発生する。
【0013】
また、フェンス3と建物1の間には、光ビーム式侵入センサIn(I1〜I16)が設けられている。光ビーム式侵入センサInは水平方向に光ビーム4を発生し、物体がこれを横切ると侵入信号in(i1〜i16)を発生する。
【0014】
図3において、11は制御装置で、CPU11A、ROM11B、RAM11C、キーボード11D、万年時計11E、入力インタフェース11F及び出力インタフェース11Gを有している。入力インタフェース11Fには光ビーム式侵入センサI1〜I16から出力される侵入信号i1〜i16が入力される。また、出力インタフェース11GからITVプリセット指令信号p1〜p16が出力される。また、入力インタフェース11Fには映像禁止ボタン12及び警報器リセットボタン13による信号が入力される。
【0015】
14はITVプリセット指令信号p1〜p16が入力され、監視ゾーンZ1〜Z16に対してあらかじめITVカメラ2のパン、チルト及びズーム(以下PTZという)の量をプリセットするPTZ制御器、15は出力インタフェース11Gから映像出力許可信号11Gaが出力されると、ITVカメラ2の映像信号2aを出力するゲート回路、16はモニタテレビ、17はビデオテープレコーダ、18は出力インタフェース11Gから侵入発生信号11Gbが出力されると動作するブザー等の警報器である。
【0016】
次に、この実施の形態の動作を図4及び図5を参照して説明する。
A テンション式侵入センサTn及び光ビーム式侵入センサInが動作したとき。
ステップS1でテンション式侵入センサTnが侵入信号tnを発生したかを判断する。侵入信号tnを発生した場合はステップS2でITVプリセット指令信号pnを所定時間出力してPTZ制御器14により、ITVカメラ2のPTZを制御して、ITVカメラ2を侵入信号tnが示す監視ゾーンZnの方向へ向ける。
【0017】
ステップS3で所定時間以内に、光ビーム式侵入センサInが侵入信号inを発生した(光ビーム4を横切った)かを判断する。侵入信号inを発生した場合は、ステップS4で侵入発生信号11Gbを出力する。そして、ステップS5で警報器18を鳴動させる。ステップS6で警報器リセットボタン13が押されるのを待ち、警報器リセットボタン13が押されると、ステップS7で侵入発生信号11Gbの出力を停止し、ステップS8で警報器18の鳴動を停止する。
【0018】
また、ステップS3で光ビーム式侵入センサInが侵入信号inを発生したと判断すると、ステップS9へ進み映像許可信号11Gaを出力するため、ゲート回路15はITVカメラ2の映像信号2aを出力する。これで、ステップS10でITVカメラ2の映像をモニタテレビ16に映し、ビデオテープレコーダ17に録画する。ステップS11で管理人等はモニタテレビ16の映像により、侵入者の有無を確認する。そして、ステップS12で侵入者がいるかを判断する。
【0019】
そして、管理人等が実際に侵入者がいることを確認すると、侵入者に対応した処置を取るとともに、ステップS13で真の侵入発生が発生したことをキーボード11Dから入力し、ステップS14で制御装置11はその侵入が発生した「年月日時分」「監視ゾーン番号」及び「真の侵入」をRAM11Cに記録して、ステップS17へ進む。
侵入者がいないことを確認すると、ステップS12からステップS15へ進み、誤報であったことをキーボード11Dから入力し、ステップS16でその誤報が発生した「年月日時分」「監視ゾーン番号」及び「誤報」をRAM11Cに記録して、ステップS17へ進む。
【0020】
ステップS17で映像禁止ボタン12を押し、ステップS18で映像出力許可信号11Gaの出力信号の出力を停止する。これで、ゲート回路15はITVカメラ2の映像信号2aの出力を阻止するため、モニタテレビ16の映像は消去され、ビデオテープレコーダ17は停止する。
【0021】
B テンション式侵入センサTn又は光ビーム式侵入センサInが動作しないとき。
ステップS1でテンション式侵入センサTnが侵入信号tnを発生していないと判断すると、ステップS21へ進み過去の侵入発生状態を判断する。すなわち、RAM11Cの記録を検索し、本日に対応する1年前の日の1か月前から1か月後の範囲(2か月間)で、真の侵入発生があったかを判断する。その期間に真の侵入発生があれば、ステップS22でその監視ゾーンZnに対応するITVプリセット指令信号pnを所定時間出力する。これで、ITVカメラ2は監視ゾーンZnの方向にプリセットされる。
【0022】
ステップS21で真の侵入発生がないと判断すると、ステップS23へ進んで、RAM11Cの記録を検索して、上記の期間に誤りの侵入発生があったかを判断する。誤りの侵入発生がなければ処理は終了する。誤りの侵入発生があれば、ステップS24でその監視ゾーンZnに対応するITVプリセット指令信号pnを所定時間出力して、ITVカメラ2を監視ゾーンZnの方向にプリセットする。
【0023】
また、ステップS3で光ビーム式侵入センサInが侵入信号inを発生していないと判断すると、ステップS25で一定時間(数日間〜数か月間)経過するのを待ち、一定時間が経過したらステップS21へ進み、既述のように過去の侵入状態を検索して、ITVカメラ2をプリセットする。
ここで、ステップS1,S3,S4は侵入発生検出手段を、ステップS13〜S16は侵入記憶手段を、ステップS2,S21〜S24はカメラプリセット手段を構成している。
【0024】
このようにして、テンション式侵入センサTnが動作しないときは、1年前に侵入センサTnが動作していれば、真の侵入発生を誤の侵入発生よりも優先してその方向にITVカメラ2をプリセットする。侵入センサTnが動作すると、ITVカメラ2をその方向にプリセットし、その後光ビーム式侵入センサInが動作すれば侵入発生信号11Gbを発生する。侵入センサInが動作しなくても、所定時間その位置にプリセットしておくようにしたため、ITVカメラ2の数が少ない場合でも、動作遅れなく監視ゾーンZnを撮影することが可能となる。
【0025】
実施の形態2.
この発明の第4発明の一実施の形態であり、実施の形態1では1年前の侵入センサ動作状態から、侵入発生の可能性の高い監視ゾーンZnを判定したが、これを1年前の侵入センサ動作時の環境状態と類似の環境状態のときの侵入センサ動作状態から判定するようにしたものである。
【0026】
また、上記過去の類似環境は、強風の日、大雨の日、高温の日、日の出、日没等類似であれば利用できる。これは、侵入センサTn,Inは誤報を発生することが多く、その原因が周囲環境に基づくものが多いからである。
【0027】
その他の実施の形態
(1) 侵入センサTn,Inを用いるものとしたが、1種類でも同様に構成可能である。
(2) 侵入センサTn,Inのいずれかが動作したら、侵入発生信号11Gbを発生するようにしてもよい。
(3) ITVカメラ2の台数が2台以上になったときは、それぞれの担当監視ゾーンを設定してもよく、また担当監視ゾーンを重複させてもよい。
(4) 屋内に対しても同様に実施可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したとおりこの発明の第1発明では、過去の侵入発生状態を時期に対応して記録し、その記録から侵入発生の可能性の高い監視ゾーンを判定し、その方向にカメラをプリセットするようにしたので、カメラの数が少ない場合でも、動作遅れなく監視ゾーンを撮影することができる。
【0029】
また、第2発明では、過去の侵入発生状態を真の侵入発生と、誤報による侵入発生に区分して記録するようにし、第3発明では、記録された過去の侵入発生状態の内真の侵入が発生した監視ゾーンを、誤報による侵入が発生した監視ゾーンよりも優先してカメラをプリセットさせるようにしたので、侵入発生の真と誤が容易に検索でき、真の侵入発生に対して速やかに対応することができる。
【0030】
また、第4発明では、記録された過去の侵入センサ動作時の環境状態と類似の環境状態のときに、過去の侵入センサ動作時の監視ゾーンの方向にカメラをプリセットするようにしたので、侵入発生の可能性の高い環境状態のときを選んで監視することができる。
【0031】
また、第5発明では、監視センサのそれぞれに設けられた複数の侵入センサがすべて動作すると、その監視ゾーンの侵入発生を検出し、複数の侵入センサのいずれかが動作すると、これに対応する監視ゾーンの方向にカメラをプリセットするようにしたので、次に侵入センサが動作したとき、動作遅れなく監視ゾーンを撮影することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す侵入センサの配置図で、(A)は建物側からの正面図、(B)は(A)の左側面図。
【図2】 この発明の実施の形態1を示す侵入監視ゾーンの平面図。
【図3】 この発明の実施の形態1を示すブロック線図。
【図4】 この発明の実施の形態1を示す動作フローチャート。
【図5】 図4の続きを示す動作フローチャート。
【符号の説明】
1 建物、2 ITVカメラ、4 光ビーム、11 制御装置、14 PTZ制御器、16 モニタテレビ、17 ビデオテープレコーダ、18 警報器、In光ビーム式侵入センサ、i1〜i16 侵入信号、Tn テンション式侵入センサ、t1〜t16 侵入信号、Zn(Z1〜Z16) 監視ゾーン、S1,S3,S4 侵入発生検出手段、S13〜S16 侵入記憶手段、S2,S21〜S24 カメラプリセット手段。

Claims (5)

  1. 複数の監視ゾーンを有し、この監視ゾーンの数よりも少ない数のカメラで上記監視ゾーンを監視する装置において、過去の侵入発生状態が時期に対応して記録された侵入記憶手段と、上記記録された過去の同時期の侵入発生状態から侵入発生の可能性の高い上記監視ゾーンを判定し、その方向に上記カメラをプリセットするカメラプリセット手段を備えたことを特徴とする侵入監視装置。
  2. 侵入記憶手段は、過去の侵入発生状態を真の侵入発生と、誤報による侵入発生に区分して記録するものとしたことを特徴とする請求項1記載の侵入監視装置。
  3. カメラプリセット手段は、記録された過去の侵入発生状態の内真の侵入が発生した監視ゾーンを、誤報による侵入が発生した監視ゾーンよりも優先してカメラをプリセットするものとしたことを特徴とする請求項2記載の侵入監視装置。
  4. 監視ゾーンのそれぞれに侵入センサを設け、カメラプリセット手段は、記録された過去の上記侵入センサ動作時の環境状態と類似の環境状態のときに、上記過去の上記侵入センサ動作時の監視ゾーンの方向にカメラをプリセットするものとしたことを特徴とする請求項1記載の侵入監視装置。
  5. 複数の監視ゾーンを有し、この監視ゾーンの数よりも少ない数のカメラで上記監視ゾーンを監視する装置において、上記監視ゾーンのそれぞれに複数の侵入センサを設け、上記複数の侵入センサがすべて動作するとその監視ゾーンの侵入発生を検出する侵入発生検出手段と、上記複数の侵入センサのいずれかが動作すると、これに対応する上記監視ゾーンの方向に上記カメラをプリセットするカメラプリセット手段を備えたことを特徴とする侵入監視装置。
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