JP3652137B2 - Organic vapor separator and organic vapor separation method using the same - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機溶剤、より詳細には、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素類や芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、アルコール類、カルボン酸エステル類等の揮発性有機化合物の蒸気を含有する混合気体から有機化合物の蒸気のみを効率良く分離して除去、又は回収するのに有用な有機蒸気分離装置並びにそれを用いた有機蒸気分離方法に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
近年、電子部品や金属部品等の洗浄分野や印刷分野、塗装分野、あるいは油槽所やタンカー等の石油精製プラント関連分野では、取り扱われる各種有機溶剤の使用量が大幅に増加してきており、それに伴って大気中に放出される有機溶剤の蒸気量も年々増加の一途を辿っている。
【０００３】
しかし、かかる有機溶剤の蒸気、例えば、洗浄用に広範に使用されてきたトリクロロエタン等はオゾン層破壊や地球温暖化、光化学スモッグ等の原因物質であり、これらが有機蒸気として大気中に排出されることは地球規模での環境破壊につながっており、前記有機溶剤の蒸気を含有する混合気体中からかかる有機蒸気を回収して大気中に放出しないことが環境保全の見地から要求されている。
【０００４】
従来より、このような各種分野における有機蒸気を含有する混合気体中から該有機蒸気を回収する方法としては、吸着法や吸収法、あるいは膜分離法等が既に知られている。
【０００５】
しかしながら前記吸着法は、一般的には１００〜２００００ｐｐｍ程度の濃度の有機蒸気を含有する混合気体を活性炭等の吸着剤に接触させて吸着させた後、スチームにて有機蒸気を回収することから、大型の設備を必要とすると共に、前記吸着剤に有機蒸気を吸着させた後、該有機蒸気を吸着剤から脱着させる操作を繰り返し行う必要がある上、該吸着剤からの有機蒸気の脱着に大量のエネルギーを要するため、経済的に極めて不利であるという問題があった。
【０００６】
更に、このように活性炭への吸脱着を利用する方法では、高濃度の有機蒸気を含有する混合気体中から該有機蒸気を回収するには、該有機蒸気の濃度が高いことから十分に分離除去することができず不適当である。
【０００７】
又、他の方法として前記吸収法は、有機蒸気を液状の有機溶剤に接触させて該有機溶剤に吸収させて回収するもので、この方法は、比較的高濃度の有機蒸気を含む混合気体から該有機蒸気を濃縮分離するために利用されてはいるが、この方法も設備及び運転の経費が高く、経済的には決して有利な方法ではない。
【０００８】
従って、前記吸着法や吸収法に比べて有機蒸気の分離操作が簡便で装置が小型であると共に、省エネルギープロセスと成り得る等の優れた特徴を有する膜分離法が有望視されており、該膜分離法としてシリコーン樹脂が架橋されて形成された架橋シリコーン膜を、前記有機蒸気を含有する混合気体から該有機蒸気を分離するための気体分離膜として用いること等が知られている（特開平５−６８８６０号公報、特開平７−１５５５７１号公報参照）。
【０００９】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記架橋シリコーン膜を気体分離膜とした膜分離法では、該架橋シリコーン膜における前記混合気体中の有機蒸気の透過は溶解拡散機構によるものであり、該有機蒸気は膜に溶け込む必要があることから、有機蒸気の膜透過速度が非常に小さく、その結果、有機蒸気の分離回収効率が低く、とりわけフルオロ炭化水素蒸気に対しては分離性が極めて低く、有機蒸気を十分に除去回収できないという課題があった。
【００１０】
しかも、前記洗浄用に使用された混合気体中には、分離すべき有機蒸気の他に酸性あるいは塩基性の腐食性ガスが含有される場合があり、該腐食性ガスの存在及び混合気体の温度が高い場合の熱膨張差等により多孔質支持体に形成された膜が剥離してしまい、長時間の連続使用に耐えないという課題があった。
【００１１】
【発明の目的】
本発明は前記課題に鑑み成されたもので、その目的は、有機溶剤、より詳細には、飽和又は不飽和の脂肪族炭化水素類や芳香族炭化水素類、ハロゲン化炭化水素類、ケトン類、アルコール類、カルボン酸エステル類等の各種揮発性有機化合物の蒸気を含有する混合気体から有機化合物の蒸気のみを経済的に、選択的かつ効率的に分離して除去、又は回収するのに好適な有機蒸気分離機能を有する有機蒸気分離装置並びにそれを用いた有機蒸気分離方法を提供することにある。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題に対して鋭意研究を重ねた結果、有機溶剤の蒸気と分離フィルタとの強い親和性が、かかる有機蒸気の透過に大きく関与することを見出し、高い有機蒸気透過特性を有する有機溶剤の蒸気分離フィルタを具備した有機蒸気分離装置を実現すべく、前記有機溶剤の蒸気分離フィルタと有機蒸気の透過性能、および分離性能との関係について種々検討し、本発明に至った。
【００１３】
即ち、本発明の有機蒸気分離装置は、多孔質支持体に一般式が
【００１４】
【化１】
で表されるフッ素系シリコンアルコキシドを用いて形成したフッ素とシリコンとの複合膜から成るセラミック層を被着形成した複合部材を、有機溶剤の蒸気分離フィルタとしたことを特徴とするものである。
【００１６】
又、本発明の有機蒸気分離装置は、前記多孔質支持体とセラミック層との間に、該多孔質支持体の平均細孔径より小さく、かつ前記セラミック層の平均細孔径より大きい平均細孔径を有する中間層を介在させたものであること、前記中間層は、γ―アルミナ（Ａｌ2 Ｏ3 ）より成るものであること、更に、多孔質支持体は、管状体であることが、有機蒸気分離特性上、より望ましいものである。
【００１７】
一方、本発明の有機蒸気分離方法は、多孔質支持体に一般式が
【００１８】
【化１】
で表されるフッ素系シリコンアルコキシドを用いて形成したフッ素とシリコンとの複合膜から成るセラミック層を被着形成した複合部材から成る有機溶剤の蒸気分離フィルタを具備した有機蒸気分離装置に有機溶剤の蒸気を含む混合気体を供給し、該蒸気分離フィルタに混合気体を接触させると共に、該混合気体を接触させた側の有機溶剤の蒸気分離フィルタの面と反対側の面との間に減圧する等により差圧を生ぜしめて前記混合気体中から有機溶剤の蒸気のみを選択的に前記蒸気分離フィルタを透過させて該有機溶剤の蒸気を分離することを特徴とするものである。
【００２０】
特に、本発明の有機蒸気分離方法に用いる有機蒸気分離装置を構成する有機溶剤の蒸気分離フィルタは、該蒸気分離フィルタを形成する多孔質支持体とセラミック層との間に、該多孔質支持体の平均細孔径より小さく、かつ前記セラミック層の平均細孔径より大きい平均細孔径を有する中間層を介在させたものが望ましく、前記中間層は、γ―アルミナ（Ａｌ2 Ｏ3 ）より成るものであること、更に、前記多孔質支持体は、管状体であることがより望ましいものである。
【００２１】
【作用】
本発明の有機蒸気分離装置並びにそれを用いた有機蒸気分離方法は、有機蒸気分離装置を構成する有機溶剤の蒸気分離フィルタが、多孔質支持体に一般式として
【００２２】
【化１】
で表されるフッ素系シリコンアルコキシドを用いて形成した前記有機蒸気と強い親和性を示すフッ素とシリコンとの複合膜から成るセラミック層を被着形成したことから、該複合膜を透過する有機蒸気の表面拡散を促進し、高い有機蒸気分離特性が発現して、混合気体に含有された有機溶剤の蒸気のみが選択的に透過することになる。
【００２４】
従って、有機溶剤の蒸気を含む混合気体を有機蒸気分離装置に供給し、該有機蒸気分離装置を構成する有機溶剤の蒸気分離フィルタを隔てて反対側を減圧する等により差圧を設けると、前記混合気体中の有機溶剤の蒸気のみが透過するため、高濃度の有機蒸気を含有する混合気体であっても選択的かつ効率的に有機蒸気を分離することができる。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の有機蒸気分離装置並びにそれを用いた有機蒸気分離方法について詳述する。
【００２６】
本発明の有機蒸気分離装置は、該有機蒸気分離装置を構成する有機溶剤の蒸気分離フィルタが多孔質支持体に被着形成した、一般式が
【００２７】
【化１】
で表されるフッ素系シリコンアルコキシドを用いて形成した前記有機蒸気と強い親和性を示すフッ素とシリコンとの複合膜から成るセラミック層とで構成されるものである。
【００２９】
本発明における有機蒸気とは、一般には炭化水素類、アルコール類、ケトン類、ハロゲン化炭化水素類、カルボン酸エステル類等の蒸気を指し、具体的には、例えば、メタン、エタン、プロパン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、イソブタン、イソペンタン、イソオクタン等に代表される飽和脂肪族炭化水素類や、アセトン、メチルエチルケトン類に代表されるケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン等に代表される芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等に代表されるアルコール類、四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、トリクロロエタン、フロン１１、フロン１１３、フロン１２３、フロン２２５等に代表されるハロゲン化炭化水素、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、アクリル酸ブチル等に代表されるカルボン酸エステル類等の揮発に伴う蒸気を言う。
【００３０】
とりわけ本発明の有機蒸気分離装置並びにそれを用いた有機蒸気分離方法においては、芳香族炭化水素類、あるいはハロゲン化炭化水素類の蒸気を分離して除去、又は回収するのに有効である。
【００３１】
又、本発明における有機溶剤の蒸気を含有する混合気体とは、前記有機溶剤が揮発した有機蒸気と共に、その他の任意の蒸気又は気体、即ち、常温常圧下で液体又は気体であり、前記混合気体中に気体として含有される、例えば、水や窒素、酸素、塩酸、アンモニア等の蒸気又は気体を１種あるいは２種以上、含有する混合物を指し、特に、一般的に約２〜５０容量％の有機蒸気を含有する混合気体から該有機蒸気を分離除去又は回収するのに有効である。
【００３２】
次に、本発明の多孔質支持体は、素材としてはα−アルミナや安定化ジルコニア、分相ガラス等が適用可能であり、かかる多孔質支持体は、気体透過の圧力損失を可能な限り低くするためには２０％以上の気孔率を、又、有機溶剤の蒸気分離フィルタを組み立てる際に破損したり、操作中に多孔質支持体構成粒子の脱粒が起こらないよう支持体の強度を確保するためには、４０％以下の気孔率を有するものであることが望ましい。
【００３３】
又、本発明の多孔質支持体の形状形態は、特に限定されるものではなく、平板状や中空状の構造体、管状体等のいずれでも良いが、有機蒸気分離効率や前記蒸気分離フィルターとしての取り扱い易さからは管状体が望ましく、その上、かかる管状体は押し出し成形法等により、比較的、簡単に作製できるというメリットもある。
【００３４】
更に、前記多孔質支持体を管状体で構成する場合には、管状体を数十本から数百本束ねて集合体に組み立てた時に膜面積が十分大きくなるようにするため、該管状体の外径は可能な限り小さい方が良いが、強度との兼ね合いからは２〜５ｍｍが好適である。
【００３５】
又、本発明におけるフッ素系シリコンアルコキシドとして適用可能なものは、一般式が
【００３６】
【化１】
で表されるものであり、例えば、ＣＦ3 Ｃ2 Ｈ4 Ｓｉ（ＯＣＨ3 ）3 やＣ6 Ｆ13Ｃ2 Ｈ4 Ｓｉ（ＯＣ2 Ｈ5 ）3 、Ｃ8 Ｆ17Ｃ2 Ｈ4 Ｓｉ（ＯＣ2 Ｈ5 ）3 等が挙げられ、特に、有機溶剤の蒸気との親和性という点からはＣ6 Ｆ13Ｃ2 Ｈ4 Ｓｉ（ＯＣ2 Ｈ5 ）3 が好適である。
【００３８】
一方、本発明のフッ素とシリコンとの複合膜から成るセラミック層とは、その平均細孔径が前記多孔質支持体よりも小さいもので、該多孔質支持体と反応せず、多孔質支持体の表面を層状に被覆することができ、平滑な表面を形成するものであれば良い。
【００３９】
他方、前記多孔質支持体とセラミック層との間に介在させる中間層は、その平均細孔径が前記多孔質支持体よりも小さく、かつセラミック層の平均細孔径より大きい平均細孔径を有するもので、前記多孔質支持体及びセラミック層と反応せず、多孔質支持体の表面を層状に覆い平滑な表面を形成するものであれば、その材質は問わない。
【００４０】
即ち、前記中間層を介在させずに直接、多孔質支持体に前記セラミック層を形成した場合に比べて、かかる中間層を介在させた場合には細孔がより緻密になり、細孔径の分布が小さくなることから、有機蒸気分離特性上、より好ましくなる。
【００４１】
かかる中間層としては、例えば、多孔質支持体としてα−アルミナを選んだ場合、中間層としてはγ−アルミナが好適であり、かかるγ−アルミナから成る中間層はベーマイトゾルをコーティングした後、４００〜９００℃の温度で熱処理することにより容易に形成できるものである。
【００４２】
かくして得られた有機溶剤の蒸気分離フィルタは、例えば、５０本束ねてケース内に熱硬化性樹脂で固定し、特に、前記蒸気分離フィルタのセラミック層側に有機溶剤の蒸気を含有した混合気体を流しながら、該蒸気分離フィルタの反対側の面を減圧することにより、前記混合気体から有機蒸気の分離を効果的に行うことができるものである。
【００４３】
次に、本発明の有機蒸気分離方法は、多孔質支持体に一般式が
【００４４】
【化１】
で表されるフッ素系シリコンアルコキシドを用いて形成したフッ素とシリコンとの複合膜から成るセラミック層を被着形成した複合部材から成る有機溶剤の蒸気分離フィルタを具備した有機蒸気分離装置に有機溶剤の蒸気を含む混合気体を供給し、該蒸気分離フィルタに混合気体を接触させると共に、該混合気体を接触させた側の前記蒸気分離フィルタの面と反対側の面との間に減圧する等により差圧を生ぜしめて前記混合気体中から有機溶剤の蒸気のみを選択的に前記蒸気分離フィルタを透過させて該有機溶剤の蒸気を分離することを特徴とするものである。
【００４６】
従って、本発明の有機蒸気分離方法では、前記蒸気分離フィルタの一方の面に有機溶剤の蒸気を含有した混合気体を接触させ、他方の面を減圧したり、又は有機蒸気以外の気体を流したり、更には有機蒸気を含有していない混合気体を流したり、あるいは有機蒸気の吸着剤を充填したりする各種方法を併用することができる。
【００４７】
又、本発明の有機蒸気分離方法に用いる前記有機溶剤の蒸気分離フィルタは、平板状や中空状の構造体、管状体等を成す形状で、セラミック層がそれらの表面に形成されておれば、それが内側や外側、あるいは多層構造であっても何ら問題なく有機蒸気の分離を行うことができる。
【００４８】
更に、前記管状の有機溶剤の蒸気分離フィルタの内側を減圧するだけでなく、該蒸気分離フィルタの外側から加圧し、内側と外側に差圧を付与することができれば何ら問題なく有機蒸気の分離が可能である。
【００４９】
本発明において、前記差圧とは有機溶剤の蒸気を含有する混合気体供給側の圧力を透過側の圧力より高くすることであり、この時の前記混合気体供給側の圧力をＰ1 とし、透過側の圧力をＰ2 としてＰ1 ／Ｐ2 を圧力比とすると、透過側で得られる濃縮された有機蒸気の濃度は、この圧力比が高いほど濃縮されることになり、要求される濃縮濃度によって圧力比を設定することが好ましく、通常、該圧力比は５〜２００の範囲で適当に設定することが望ましい。
【００５０】
かかる圧力差を設ける方法としては、前記混合気体供給側を加圧し、透過側を常圧にする方法や、前記混合気体供給側を常圧にし、透過側を減圧にする方法等があるが、その圧力比に応じてエネルギーの最も小さくなる条件を選ぶのが好ましい。
【００５１】
又、本発明における有機溶剤の蒸気分離フィルタは、従来の架橋シリコーン膜に比べて高い強度を有し、耐熱性や耐腐食性に優れているが故に、種々の条件下での有機蒸気の除去が可能となり、例えば、高温排気ガスからの有機蒸気除去は勿論のこと、高圧のガスにも適用することが可能であるので、各種条件下で十分なガス透過率を得ることができる。
【００５２】
又、高濃度の酸や塩基性気体、あるいは種々の有機溶剤の蒸気を含有する混合気体からの有機蒸気の分離に対しても、特性劣化することなく安定して用いることができ、選択的かつ効率的に有機蒸気の分離ができる。
【００５３】
【実施例】
以下、本発明の有機蒸気分離装置並びにそれを用いた有機蒸気分離方法を以下のようにして評価した。
【００５４】
（実施例１）
先ず、（トリデカフルオロ−１、１、２、２−テトラヒドロオクチル）トリエトキシシラン（Ｃ6 Ｆ13Ｃ2 Ｈ4 Ｓｉ（ＯＣ2 Ｈ5 ）3 ）５．１ｇ（０．０１モル）に、塩化水素（ＨＣｌ）０．００７モルを含む水０．１４ｇ（０．０１モル）とエタノール（Ｃ2 Ｈ5 ＯＨ）３６．９ｇ（０．１モル）の混合物を滴下して加水分解し、ゾルを作製した。
【００５５】
次に、得られたゾルを外径が３ｍｍ、厚さが０．４ｍｍ、長さが２５０ｍｍで気孔率が３９％であるα−アルミナ（Ａｌ2 Ｏ3 ）多孔質管の内側に充填して３０秒間保持した後、５ｍｍ／秒の速度で排出し、室温で１時間乾燥した後、２００℃で焼成する一連の作業工程を１５回繰り返し、フッ素とシリコンとの複合膜から成るセラミック層に被覆した有機溶剤の蒸気分離フィルタを作製した。
【００５６】
かくして得られた有機溶剤の蒸気分離フィルタを５０本用意し、その両端をポリウレタン樹脂で束ねて図１に示すような評価用の有機蒸気分離装置１のケース２内に装着すると共に、有機溶剤の蒸気分離フィルタ３を樹脂封止部４、５でポリウレタン樹脂を用いて封止し、評価試験装置を作製した。
【００５７】
尚、前記有機溶剤の蒸気分離フィルタ３の有効長さは２２０ｍｍで、その集合体の有効膜面積は０．１０ｍ2 であった。
【００５８】
評価は、前記有機蒸気分離装置１の混合気体導入口６よりキシレン濃度が１０％、塩酸蒸気が０．５％、残部が空気から成る混合気体を１リットル／ｍｉｎの流速で流し、有機溶剤の蒸気分離フィルタ３の外側に通じる吸引口７を真空ポンプで１００ｔｏｒｒに減圧した。
【００５９】
この時、混合気体排出口８より排出された混合気体のキシレン量を測定したところ、キシレンの濃度は０．５％であり、１００時間連続運転しても特性及び有機蒸気分離フィルタの外観に変化は認められなかった。
【００６０】
（実施例２）
実施例１のα−アルミナ（Ａｌ2 Ｏ3 ）多孔質管の内側に、ベーマイトゾルを被覆した後、制御する細孔径により適宜、４００〜９００℃の温度範囲で熱処理して厚さが２μｍのγ−アルミナ（Ａｌ2 Ｏ3 ）から成る中間層を被覆した多孔質支持体を作製した。
【００６１】
次いで、実施例１と同一のゾルを用いて、同様な方法で２回繰り返して前記中間層に被覆する以外は、実施例１と同一条件で有機溶剤の蒸気分離フィルタを作製した。
【００６２】
その後、実施例１と同様にして評価試験装置を組立て、実施例１と同一条件にて評価したところ、混合気体排出口８より排出された混合気体のキシレンの濃度は０．２％であり、１００時間連続運転しても特性及び有機蒸気分離フィルタの外観に変化は認められないことを確認した。
【００６３】
（比較例）
一方、直径２インチ、長さ１ｍの架橋シリコーン膜をスパイラル状に配設した分離フィルタを用いて、実施例１と同様の評価試験装置を作製した。
【００６４】
尚、前記架橋シリコーン膜をスパイラル状に配設した分離フィルタの膜面積は３．５ｍ2 であった。
【００６５】
実施例１と同様にしてキシレン濃度が１０％、塩酸ガスが０．５％、残部が空気から成る混合気体を１リットル／ｍｉｎの流速で流し、分離フィルタの外側に通じる吸引口を真空ポンプで１００ｔｏｒｒに減圧した。
【００６６】
この時、混合気体排出口より排出された混合気体のキシレン量を測定したところ１１％であり、５０時間連続運転したところ、膜の剥離が認められた。
【００６７】
【発明の効果】
叙述の如く、本発明の有機蒸気分離装置並びにそれを用いた有機蒸気分離方法は、有機蒸気分離装置を構成する有機溶剤の蒸気分離フィルタとして、多孔質支持体に有機蒸気と親和性の高いフッ素系シリコンアルコキシドを用いて被着形成したフッ素とシリコンの複合膜から成るセラッミク層を被覆して構成し、有機溶剤の蒸気を含有した混合気体を前記蒸気分離フィルタの一方の面に接触させ、他方の面と差圧を設けて有機蒸気のみを選択的に前記蒸気分離フィルタを透過させ、混合気体中から有機蒸気を分離することから、各種有機溶剤の蒸気を含有した混合気体から、有機蒸気のみを高いガス透過率を維持したまま選択的に、かつ効率的に分離して除去、あるいは回収することができる有機蒸気分離装置並びにそれを用いた有機蒸気分離方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の有機溶剤の蒸気分離フィルタを組み込んだ評価用の有機蒸気分離装置の概要を示す断面図である。
【符号の説明】
１ 有機蒸気分離装置
２ ケース
３ 有機溶剤の蒸気分離フィルタ
４、５ 樹脂封止部
６ 混合気体導入口
７ 吸引口
８ 混合気体排出口[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to organic solvents, and more particularly, volatile organic compounds such as saturated or unsaturated aliphatic hydrocarbons and aromatic hydrocarbons, halogenated hydrocarbons, ketones, alcohols and carboxylic acid esters. The present invention relates to an organic vapor separation apparatus useful for efficiently separating and removing or recovering only an organic compound vapor from a mixed gas containing a compound vapor, and an organic vapor separation method using the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the use of various organic solvents has increased significantly in the fields of cleaning, printing, painting, and oil refining plants such as oil tanks and tankers for electronic and metal parts. The amount of organic solvent vapor released into the atmosphere has been increasing year by year.
[0003]
However, vapors of such organic solvents, such as trichloroethane that has been widely used for cleaning, are causative substances such as ozone layer destruction, global warming, and photochemical smog, and these are discharged into the atmosphere as organic vapors. This has led to environmental destruction on a global scale, and it is required from the viewpoint of environmental conservation that such organic vapor is not recovered and released into the atmosphere from the mixed gas containing the vapor of the organic solvent.
[0004]
Conventionally, an adsorption method, an absorption method, a membrane separation method, or the like is already known as a method for recovering the organic vapor from the mixed gas containing the organic vapor in various fields.
[0005]
However, since the adsorption method generally involves adsorbing a mixed gas containing an organic vapor having a concentration of about 100 to 20000 ppm in contact with an adsorbent such as activated carbon, and then collecting the organic vapor with steam, In addition to requiring a large facility, it is necessary to repeat the operation of desorbing the organic vapor from the adsorbent after adsorbing the organic vapor to the adsorbent, and a large amount of desorption of the organic vapor from the adsorbent. This requires a large amount of energy and is extremely disadvantageous economically.
[0006]
Further, in the method using adsorption / desorption on activated carbon as described above, in order to recover the organic vapor from a mixed gas containing a high concentration of organic vapor, the organic vapor is sufficiently separated and removed. It cannot be done and is inappropriate.
[0007]
As another method, the absorption method is a method in which an organic vapor is brought into contact with a liquid organic solvent and absorbed by the organic solvent, and the organic solvent is recovered. This method is based on a mixed gas containing a relatively high concentration of organic vapor. Although used to concentrate and separate the organic vapor, this method also has high equipment and operation costs and is not economically advantageous.
[0008]
Therefore, compared with the adsorption method and the absorption method, a separation method of organic vapor is simple, the apparatus is small, and a membrane separation method having excellent features such as an energy saving process is promising. As a separation method, it is known to use a crosslinked silicone membrane formed by crosslinking a silicone resin as a gas separation membrane for separating the organic vapor from the mixed gas containing the organic vapor (Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 5). -68860 and JP-A-7-155571).
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the membrane separation method using the crosslinked silicone membrane as a gas separation membrane, permeation of the organic vapor in the mixed gas through the crosslinked silicone membrane is due to a dissolution and diffusion mechanism, and the organic vapor needs to be dissolved in the membrane. Therefore, the membrane permeation rate of the organic vapor is very low, and as a result, the separation and recovery efficiency of the organic vapor is low. In particular, the separation property for the fluorohydrocarbon vapor is extremely low, and the organic vapor cannot be sufficiently removed and recovered. There was a problem.
[0010]
In addition, the mixed gas used for the cleaning may contain an acidic or basic corrosive gas in addition to the organic vapor to be separated, and the presence of the corrosive gas and the temperature of the mixed gas. However, there is a problem that the film formed on the porous support is peeled off due to a difference in thermal expansion when it is high and cannot withstand continuous use for a long time.
[0011]
OBJECT OF THE INVENTION
The present invention has been made in view of the above problems, and its purpose is an organic solvent, more specifically, saturated or unsaturated aliphatic hydrocarbons, aromatic hydrocarbons, halogenated hydrocarbons, ketones. Suitable for economically, selectively and efficiently separating or recovering only organic compound vapors from gas mixtures containing various volatile organic compound vapors such as alcohols and carboxylic acid esters An organic vapor separation apparatus having an organic vapor separation function and an organic vapor separation method using the same.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive research on the above problems, the present inventor has found that the strong affinity between the vapor of the organic solvent and the separation filter is greatly involved in the permeation of the organic vapor, and has high organic vapor transmission characteristics. In order to realize an organic vapor separation apparatus equipped with the organic solvent vapor separation filter, various studies were made on the relationship between the organic solvent vapor separation filter, the organic vapor transmission performance, and the separation performance, and the present invention was achieved.
[0013]
That is, the organic vapor separation device of the present invention has a general formula of
[Chemical 1]
A composite member formed by adhering and forming a ceramic layer made of a composite film of fluorine and silicon formed using a fluorine-based silicon alkoxide represented by the following formula is an organic solvent vapor separation filter.
[0016]
The organic vapor separation device of the present invention has an average pore diameter between the porous support and the ceramic layer that is smaller than the average pore diameter of the porous support and larger than the average pore diameter of the ceramic layer. The organic layer is composed of an intermediate layer having an intermediate layer, the intermediate layer is made of γ-alumina (Al 2 O 3 ), and the porous support is a tubular body. It is more desirable in terms of separation characteristics.
[0017]
On the other hand, the organic vapor separation method of the present invention has a general formula of
[Chemical 1]
An organic vapor separator having an organic solvent vapor separation filter composed of a composite member formed by depositing a ceramic layer composed of a composite film of fluorine and silicon formed using a fluorine-based silicon alkoxide represented by Supplying a mixed gas containing steam, bringing the mixed gas into contact with the vapor separation filter, reducing the pressure between the surface of the vapor separation filter of the organic solvent on the side in contact with the mixed gas and the surface on the opposite side, etc. Thus, only the vapor of the organic solvent is selectively permeated through the vapor separation filter from the mixed gas by separating the vapor of the organic solvent.
[0020]
In particular, the organic solvent vapor separation filter that constitutes the organic vapor separation apparatus used in the organic vapor separation method of the present invention comprises the porous support between the porous support and the ceramic layer forming the vapor separation filter. It is desirable to interpose an intermediate layer having an average pore diameter smaller than the average pore diameter of the ceramic layer and larger than the average pore diameter of the ceramic layer, and the intermediate layer is made of γ-alumina (Al 2 O 3 ). More preferably, the porous support is a tubular body.
[0021]
[Action]
In the organic vapor separation apparatus and the organic vapor separation method using the organic vapor separation apparatus of the present invention, the organic solvent vapor separation filter constituting the organic vapor separation apparatus has a general formula as a porous support.
[Chemical 1]
A ceramic layer made of a composite film of fluorine and silicon having a strong affinity with the organic vapor formed using the fluorine-based silicon alkoxide represented by Surface diffusion is promoted, high organic vapor separation characteristics are exhibited, and only the vapor of the organic solvent contained in the mixed gas is selectively transmitted.
[0024]
Therefore, when a mixed gas containing an organic solvent vapor is supplied to the organic vapor separator, and the pressure difference is provided by reducing the pressure on the opposite side across the organic solvent vapor separation filter constituting the organic vapor separator, Since only the vapor of the organic solvent in the mixed gas permeates, the organic vapor can be selectively and efficiently separated even in a mixed gas containing a high concentration of organic vapor.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the organic vapor separation apparatus of the present invention and the organic vapor separation method using the same will be described in detail.
[0026]
The organic vapor separator according to the present invention has a general formula in which an organic solvent vapor separation filter constituting the organic vapor separator is formed on a porous support.
[Chemical 1]
It is comprised with the ceramic layer which consists of a composite film | membrane of the fluorine and silicon | silicone which shows strong affinity with the said organic vapor | steam formed using the fluorine-type silicon alkoxide represented by these.
[0029]
The organic vapor in the present invention generally refers to a vapor of hydrocarbons, alcohols, ketones, halogenated hydrocarbons, carboxylic acid esters, etc., specifically, for example, methane, ethane, propane, pentane, etc. , Saturated aliphatic hydrocarbons represented by hexane, heptane, octane, isobutane, isopentane, isooctane, etc., ketones represented by acetone, methyl ethyl ketone, aromatic hydrocarbons represented by benzene, toluene, xylene, etc. , Alcohols typified by methanol, ethanol, propyl alcohol, isopropyl alcohol, etc., halogenated typified by carbon tetrachloride, chloroform, methylene chloride, trichloroethylene, trichloroethane, chlorofluorocarbon 11, chlorofluorocarbon 113, chlorofluorocarbon 123, chlorofluorocarbon 225, etc. Hydrocarbon, acetic acid Chill, ethyl acetate, butyl acetate, steam accompanying the volatilization of such carboxylic acid esters typified by butyl acrylate say.
[0030]
In particular, the organic vapor separation apparatus of the present invention and the organic vapor separation method using the same are effective for separating and removing or recovering aromatic hydrocarbons or halogenated hydrocarbons.
[0031]
In addition, the mixed gas containing the vapor of the organic solvent in the present invention refers to any vapor or gas other than the organic vapor from which the organic solvent is volatilized, that is, a liquid or a gas at normal temperature and pressure, and the mixed gas. This refers to a mixture containing one or more vapors or gases such as water, nitrogen, oxygen, hydrochloric acid, ammonia, etc., and generally contains about 2 to 50% by volume. It is effective to separate or remove the organic vapor from the mixed gas containing the organic vapor.
[0032]
Next, as the material of the porous support of the present invention, α-alumina, stabilized zirconia, phase-separated glass, etc. can be applied, and such a porous support has the lowest possible pressure loss of gas permeation. In order to achieve this, a porosity of 20% or more is ensured, and the strength of the support is ensured so that the organic solvent vapor separation filter is not damaged or the particles of the porous support constituent particles are not shattered during the operation. For this purpose, it is desirable to have a porosity of 40% or less.
[0033]
Further, the shape and form of the porous support of the present invention is not particularly limited, and may be any of a flat plate, a hollow structure, a tubular body, etc. As the organic vapor separation efficiency and the vapor separation filter, From the viewpoint of ease of handling, a tubular body is desirable. In addition, such a tubular body has an advantage that it can be relatively easily produced by an extrusion method or the like.
[0034]
Further, in the case where the porous support is constituted by a tubular body, in order to make the membrane area sufficiently large when the tubular body is assembled into an assembly by bundling several hundred to several hundreds of the tubular body, The outer diameter is preferably as small as possible, but is preferably 2 to 5 mm in view of strength.
[0035]
Further, those applicable as the fluorine-based silicon alkoxide in the present invention are represented by the general formula:
[Chemical 1]
For example, CF 3 C 2 H 4 Si (OCH 3 ) 3 , C 6 F 13 C 2 H 4 Si (OC 2 H 5 ) 3 , C 8 F 17 C 2 H 4 Si ( OC 2 H 5 ) 3 and the like, and C 6 F 13 C 2 H 4 Si (OC 2 H 5 ) 3 is particularly preferable from the viewpoint of affinity with the vapor of the organic solvent.
[0038]
On the other hand, the ceramic layer composed of the composite film of fluorine and silicon according to the present invention has an average pore diameter smaller than that of the porous support, and does not react with the porous support. Any material can be used as long as the surface can be coated in layers and a smooth surface can be formed.
[0039]
On the other hand, the intermediate layer interposed between the porous support and the ceramic layer has an average pore diameter smaller than that of the porous support and larger than that of the ceramic layer. Any material can be used as long as it does not react with the porous support and the ceramic layer and covers the surface of the porous support in a layered manner to form a smooth surface.
[0040]
That is, compared to the case where the ceramic layer is directly formed on the porous support without the intermediate layer, the pores become denser when the intermediate layer is interposed, and the pore size distribution Becomes smaller in view of organic vapor separation characteristics.
[0041]
As such an intermediate layer, for example, when α-alumina is selected as the porous support, γ-alumina is suitable as the intermediate layer. The intermediate layer made of γ-alumina is coated with boehmite sol, and then 400 It can be easily formed by heat treatment at a temperature of ˜900 ° C.
[0042]
The organic solvent vapor separation filter thus obtained is bundled, for example, with 50 bundles and fixed in a case with a thermosetting resin. In particular, a mixed gas containing organic solvent vapor is placed on the ceramic layer side of the vapor separation filter. While flowing, the pressure on the opposite side of the vapor separation filter is reduced to effectively separate the organic vapor from the mixed gas.
[0043]
Next, the organic vapor separation method of the present invention has the general formula:
[Chemical 1]
An organic vapor separator having an organic solvent vapor separation filter composed of a composite member formed by depositing a ceramic layer composed of a composite film of fluorine and silicon formed using a fluorine-based silicon alkoxide represented by Supplying a mixed gas containing steam, bringing the mixed gas into contact with the vapor separation filter, and reducing the pressure between the surface of the vapor separation filter on the side in contact with the mixed gas and the opposite surface, etc. A pressure is generated, and only the vapor of the organic solvent is selectively transmitted through the vapor separation filter from the mixed gas to separate the vapor of the organic solvent.
[0046]
Therefore, in the organic vapor separation method of the present invention, a mixed gas containing an organic solvent vapor is brought into contact with one surface of the vapor separation filter, and the other surface is depressurized, or a gas other than organic vapor is allowed to flow. Furthermore, various methods of flowing a mixed gas containing no organic vapor or filling an organic vapor adsorbent can be used in combination.
[0047]
Further, the organic solvent vapor separation filter used in the organic vapor separation method of the present invention has a flat or hollow structure, a tubular body or the like, and a ceramic layer is formed on the surface thereof. The organic vapor can be separated without any problems even if it is inside, outside or in a multilayer structure.
[0048]
Furthermore, not only can the inside of the tubular organic solvent vapor separation filter be depressurized, but pressure can be applied from the outside of the vapor separation filter to provide a differential pressure between the inside and the outside, so that the organic vapor can be separated without any problem. Is possible.
[0049]
In the present invention, the differential pressure is to make the pressure on the mixed gas supply side containing the vapor of the organic solvent higher than the pressure on the permeate side, and the pressure on the mixed gas supply side at this time is P 1 Assuming that the pressure on the side is P 2 and P 1 / P 2 is the pressure ratio, the concentration of the concentrated organic vapor obtained on the permeate side will be concentrated as the pressure ratio increases, and the required concentration It is preferable to set the pressure ratio according to the above, and it is usually desirable to set the pressure ratio appropriately in the range of 5 to 200.
[0050]
As a method of providing such a pressure difference, there are a method of pressurizing the mixed gas supply side and setting the permeate side to normal pressure, a method of setting the mixed gas supply side to normal pressure, and a pressure reducing the permeate side, It is preferable to select a condition for minimizing energy according to the pressure ratio.
[0051]
In addition, the organic solvent vapor separation filter of the present invention has higher strength than conventional crosslinked silicone membranes, and is excellent in heat resistance and corrosion resistance. Therefore, it can remove organic vapor under various conditions. For example, it can be applied to high-pressure gas as well as organic vapor removal from high-temperature exhaust gas, so that sufficient gas permeability can be obtained under various conditions.
[0052]
In addition, it can be used stably without degrading characteristics for separation of organic vapors from gas mixtures containing high concentrations of acids and basic gases, or vapors of various organic solvents. Organic vapor can be separated efficiently.
[0053]
【Example】
Hereinafter, the organic vapor separation apparatus of the present invention and the organic vapor separation method using the same were evaluated as follows.
[0054]
(Example 1)
First, 5.1 g (0.01 mol) of (tridecafluoro-1,1,2,2-tetrahydrooctyl) triethoxysilane (C 6 F 13 C 2 H 4 Si (OC 2 H 5 ) 3 ) Hydrolysis by adding dropwise a mixture of 0.14 g (0.01 mol) of water containing 0.007 mol of hydrogen chloride (HCl) and 36.9 g (0.1 mol) of ethanol (C 2 H 5 OH) Was made.
[0055]
Next, the obtained sol was filled inside an α-alumina (Al 2 O 3 ) porous tube having an outer diameter of 3 mm, a thickness of 0.4 mm, a length of 250 mm, and a porosity of 39%. After holding for 30 seconds, discharging at a rate of 5 mm / second, drying at room temperature for 1 hour, and then repeating a series of working steps of baking at 200 ° C. 15 times, covering a ceramic layer composed of a composite film of fluorine and silicon An organic solvent vapor separation filter was prepared.
[0056]
50 organic solvent vapor separation filters thus obtained were prepared, and both ends thereof were bundled with polyurethane resin and mounted in the case 2 of the organic vapor separation apparatus 1 for evaluation as shown in FIG. The vapor separation filter 3 was sealed with polyurethane resin at the resin sealing portions 4 and 5 to produce an evaluation test apparatus.
[0057]
The effective length of the organic solvent vapor separation filter 3 was 220 mm, and the effective membrane area of the aggregate was 0.10 m 2 .
[0058]
In the evaluation, a mixed gas composed of 10% of xylene, 0.5% of hydrochloric acid vapor, and the balance of air was flowed from the mixed gas inlet 6 of the organic vapor separator 1 at a flow rate of 1 liter / min. The suction port 7 leading to the outside of the vapor separation filter 3 was decompressed to 100 torr with a vacuum pump.
[0059]
At this time, when the amount of xylene in the mixed gas discharged from the mixed gas discharge port 8 was measured, the concentration of xylene was 0.5%, and the characteristics and appearance of the organic vapor separation filter changed even after 100 hours of continuous operation. Was not recognized.
[0060]
(Example 2)
After coating the boehmite sol on the inside of the α-alumina (Al 2 O 3 ) porous tube of Example 1, heat treatment is performed at a temperature range of 400 to 900 ° C. depending on the controlled pore diameter, and the thickness is 2 μm. the γ- alumina (Al 2 O 3) a porous support with an intermediate layer coating of was prepared.
[0061]
Next, a vapor separation filter of an organic solvent was produced under the same conditions as in Example 1 except that the same sol as in Example 1 was used and the intermediate layer was coated twice in the same manner.
[0062]
Thereafter, the evaluation test apparatus was assembled in the same manner as in Example 1 and evaluated under the same conditions as in Example 1. As a result, the concentration of xylene in the mixed gas discharged from the mixed gas discharge port 8 was 0.2%. It was confirmed that there was no change in characteristics and appearance of the organic vapor separation filter even after 100 hours of continuous operation.
[0063]
(Comparative example)
On the other hand, an evaluation test apparatus similar to that of Example 1 was produced using a separation filter in which a crosslinked silicone film having a diameter of 2 inches and a length of 1 m was disposed in a spiral shape.
[0064]
The membrane area of the separation filter in which the crosslinked silicone membrane was disposed in a spiral shape was 3.5 m 2 .
[0065]
In the same manner as in Example 1, a mixed gas consisting of 10% xylene, 0.5% hydrochloric acid gas, and the balance air was flowed at a flow rate of 1 liter / min, and the suction port leading to the outside of the separation filter was vacuum pumped. The pressure was reduced to 100 torr.
[0066]
At this time, when the amount of xylene of the mixed gas discharged from the mixed gas discharge port was measured, it was 11%, and when it was continuously operated for 50 hours, peeling of the film was observed.
[0067]
【The invention's effect】
As described above, the organic vapor separation device of the present invention and the organic vapor separation method using the organic vapor separation device include fluorine having a high affinity for organic vapor as a porous support as a vapor separation filter of an organic solvent constituting the organic vapor separation device. A ceramic layer composed of a composite film of fluorine and silicon deposited using a silicon alkoxide is coated, and a mixed gas containing an organic solvent vapor is brought into contact with one surface of the vapor separation filter. Since the organic vapor is separated from the mixed gas by selectively allowing only the organic vapor to pass through the vapor separation filter by providing a differential pressure with the surface of the mixture, only the organic vapor is obtained from the mixed gas containing various organic solvent vapors. Organic vapor separation device that can selectively and efficiently separate and remove or recover while maintaining high gas permeability, and organic vapor component using the same The method can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an outline of an evaluation organic vapor separation apparatus incorporating an organic solvent vapor separation filter of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Organic Vapor Separator 2 Case 3 Organic Solvent Vapor Separation Filter 4, 5 Resin Seal 6 Mixed Gas Inlet 7 Suction Port 8 Mixed Gas Discharge Port
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