JP3650707B2

JP3650707B2 - 選択した軸受けを備える寛骨臼カップ組立体、寛骨臼カップ組立体用の殻部材及び寛骨臼カップ組立体の移植方法

Info

Publication number: JP3650707B2
Application number: JP13798699A
Authority: JP
Inventors: マイケル・ビー・シェルドン; ニコラス・エヌ・ジー・ドン
Original assignee: ハウメディカ・オステオニクス・コーポレイション
Priority date: 1998-05-22
Filing date: 1999-05-19
Publication date: 2005-05-25
Anticipated expiration: 2019-05-19
Also published as: DE69905970T2; EP0958797B1; CA2270861C; US6475243B1; EP1195149A2; AU2695799A; EP0958797A1; JPH11347055A; DE69905970D1; EP1195149B1; CA2270861A1; EP1195149A3

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は概ね人工移植部に関し、具体的には、股関節の大腿骨頭を受け入れるために、寛骨臼に人工軸受け部材を固定する寛骨臼カップ組立体とその移植方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
人工移植による天然の股関節の部材の置換は広く行われていると共にその頻度はますます増大している。こうした移植を実行するときには様々な条件が発生するので、移植の場所で発生した条件により決定されるように、様々な軸受け材料を最適な位置と方向性に配置させなければならなくなる。軸受けの特定の材料ならびに軸受け部材のサイズ、位置および方向性の選択は処置をする外科医により決定される。通常、こうした選択は特定の患者の必要性を手術前の評価に基づいて実行される。しかし、しばしば、移植部が実際に準備されるまでに選択できなかったり、移植場所の条件が移植処置中でないと評価できない場合がある。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、手術の前の評価および特定の移植場所での条件の評価またはその一方により判定される特定の患者の必要性に外科医が適合でき、実際にそのように実行できるように手術中の選択ならびに手術前の選択の範囲を広げるのが有益である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明により、外科医は、一層容易かつ低価格で特定の移植場所に移植される寛骨臼カップ組立体の軸受け部材の最適な材料、位置および方向性を手術の前または手術中に選択できるようになる。したがって、本発明はいくつかの目的と利点を達成する。これらの利点および目的のいくつかは以下のように要約される。
【０００５】
共通の寛骨臼殻を利用して、寛骨臼カップ組立体の軸受け部材における軸受け材料の広範な選択を可能にすること、特定の寛骨臼殻をもつ組立体に対して選択された軸受け部材の軸受け表面の大きさ、位置および方向の選択を可能にすること、
軸受け材料ならびに軸受けサイズ、位置および方向の範囲を拡大し、手術の前または手術中に選択されるようにこうした選択を実際に利用可能にすること、
特定の移植部の様々な条件に基づく要件を満たしながら様々な患者の必要性に便宜をはかる際の外科医の自由裁量を広くして、天然の股関節の置換の精度を高めコストを下げること、
広範囲のオプションから手術前の選択及び手術後の選択の可能性を外科医に提供すること、
一層容易かつ安価で複雑で特殊な器具なしで共通の寛骨臼殻内に選択材料による軸受け部材を固定可能にすること、
適切な軸受け材料からなる軸受け部材をもち正確に寸法付け、位置付けおよび方向付けされ、製造および使用が安価で、長期間にわたって信頼性のある寛骨臼カップ組立体を提供すること
である。
【０００６】
上記の目的および利点ならびに他の目的および利点は以下に述べる本発明により達成される。本発明は、内部に窩洞をもつ外部殻部材と、この窩洞内に固定される内部軸受け部材とを備える寛骨臼カップ組立体として要約できる。前記内部軸受け部材は、寛骨臼カップ組立体が選択された内部軸受け部材の特性に対応する特性を選択的に与えられるように特性が異なる複数の軸受け部材から選択され、寛骨臼カップ組立体は、寛骨臼殻の窩洞内に入る金属製の固定部材と、軸受け部材上の外部受容要素とを含み、前記外部受容要素と内部受容要素は、両者が契合すると、内部軸受け部材が固定部材に固定されるように軸受け部材の特性に適合しており、さらに、殻部材の窩洞内の内部固定要素を含み、この内部固定要素は、外部固定要素と内部固定要素が選択的に契合すると固定部材が殻部材内に選択的に固定されるように固定部材の外部固定要素とほぼ相補的になっている。
【０００７】
さらに、本発明は、内部に固定される内部軸受け部材を備えた寛骨臼カップ組立体に使用される殻部材を含み、前記内部軸受け部材は、寛骨臼カップ組立体が選択された内部軸受け部材の特性に対応する特性を選択的に備えるように特性の異なる複数の軸受け部材から選択され、前記殻部材は、内部窩洞と、この窩洞内の第１固定要素とを含み、前記第１固定要素は前記複数の内部軸受け部材の少なくとも１つの固定特性に適合しており、さらに、前記殻部材の窩洞内の第２固定要素を含み、前記第２固定要素は前記複数の内部軸受け部材の少なくとも他の１つの固定特性に適合しており、前記内部軸受け部材の前者および後者はそれぞれ殻部材内に固定可能に選択されて、寛骨臼カップ組立体が完成する。
【０００８】
さらに、本発明は、内部窩洞をもつ外部殻部材と前記窩洞内に固定される内部軸受け部材とをもち、前記内部軸受け部材は選択された内部軸受け部材の特性に適合する特性を選択的に備えるように特性が異なる複数の軸受け部材から選択されている寛骨臼カップ組立体を移植する方法の改良を提供する。この改良型方法は、寛骨臼殻の窩洞内に選択的に受け入れられる金属製固定部材を備える工程を含み、前記固定部材はそれぞれ外部固定要素と内部受容要素とをもち、さらに、各軸受け部材上の外部受容要素を前記複数の軸受け部材のそれぞれに備える工程を含み、前記外部受容要素と内部受容要素は各軸受け部材の特性の特性に適合しており、さらに各金属製固定部材の前記内部受容要素が各軸受け部材の外部受容要素に契合すると各軸受け部材を対応する固定部材に固定する工程を含み、殻部材の窩洞内の内部固定要素に対応する固定部材を固定することで殻部材の窩洞内に選択された軸受け部材を固定する工程を含み、外部固定要素が内部固定要素と選択的に契合すると、対応する固定要素が殻部材内に選択的に固定されるように前記内部固定要素は対応する固定要素の外部固定要素と相補的になる。
【０００９】
さらに、本発明は、内部窩洞をもつ外部殻部材と窩洞内に固定される内部軸受け部材をもつ寛骨臼カップ組立体を移植し、この寛骨臼カップ組立体が選択された内部軸受け部材の特性に対応する特性を選択的に備えられるように前記内部軸受け部材が特性の異なる複数の軸受け部材から選択される移植方法の改良方法を提供する。この改良方法は、殻部材の窩洞内に第１固定要素を備える工程を含み、第１固定要素は複数の内部軸受け部材の少なくとも１つの固定特性に適合しており、さらに、殻部材の窩洞内に第２固定要素を備える工程とを含み、第２固定要素は複数の内部軸受け部材の少なくとも他の軸受け部材の固定特性に適合し、さらに内部軸受け部材の前者または後者の軸受け部材を選択し、選択された内部軸受け部材を対応する第１または第２固定要素と契合して殻部材内に選択した内部軸受け部材を固定する工程を含み、寛骨臼カップ組立体を完成させる。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図面、特に図１ないし図３を参照すると、本発明に応じて構成された寛骨臼カップ組立体が全体的に２０で例示されている。寛骨臼カップ組立体２０は金属製殻部材２２の形態の殻要素と、本例ではプラスチック製軸受け部材２４の形をとる軸受け挿入部とを備えている。殻部材２２は外表面２６を備え、この外表面２６は、殻部材２２が周知の方式で適切に準備された寛骨臼内に適切に配置され固定できるような輪郭をもつ。複数のネジ穴２８が殻部材２２に備えられており、これは補足固定手段が望まれる場合に、固定ネジ（図示せず）を受け入れるためのものである。内部窩洞３０は、下端部３４の下方開口部３２から上端３６の近くまで殻部材２２内に延在している。縁部３８が下端部３４に配置されている。
【００１１】
軸受け部材２４は全体的に半球状の外被部４０をもち、この外被部４０は殻部材２２の窩洞３０とほぼ相補的に形成され、基部４２から頂部４４の近くまで延在している。基底フランジ４６は、軸受け部材２４の基部４２の外周に周方向に添って延在し、軸受け部材２４の基部４２に横方向軸受け面４８を備えている。軸受けソケット５０は軸受け部材２４内に上方に延在し、相補大腿骨頭（図示せず）用の球状軸受け面５２を備えている。
【００１２】
寛骨臼カップ組立体２０は、複数の段階で移植される。すなわち、殻部材２２と軸受け部材２４は手術中に組立てることになっており、手術前の評価または移植の場所で発生する条件の評価に基づいて軸受けソケット５０の適切な寸法、位置付けおよび方向付けが可能になる。このために、種々の軸受け部材２４が利用可能になり、種々の軸受け部材２４は、配置され固定される殻部材２２に対して様々な位置と方向に配置される対応する軸受けソケット５０を備えており、これらの軸受けソケット５０の任意のものは殻部材２２内の位置に手術中に適切に固定可能で、軸受け面５２は、患者の必要性を満たすように適切に配置され方向付けられる。
【００１３】
選択された軸受け部材２４は、殻部材２２の下端部３４と軸受け部材２４の基部４２に隣接して備えられた固定機構６０によって、殻部材２２内の位置に適切に固定されている。図４ないし図６、ならびに図１ないし図３を参照すると、固定機構６０は、殻部材２２の窩洞３０内であって下端部３４と隣接（近傍）する位置に第１固定要素を備えている。この第１固定要素は環状凹部６２の形状に形成され、殻部材２２の横方向かつ外方向に延在している。環状リップ６４の形の補完型固定要素は、軸受け部材２４の基部４２に隣接（近傍）して、軸受け部材２４から横方向かつ外方向に延在している。プラスチック製の軸受け部材２４の好ましい材料は、こうした軸受け部材に接続されて通常使用されている超高分子重量ポリエチレンであり、こうした材料の固定特性には、軸受け部材２４を殻部材２２に挿入し、軸受け部材２４を殻部材２２に配置すると、図６に示すように、環状リップ６４が環状凹部６２内に配置されて殻部材２２内に軸受け部材２４が確実に固定されるような弾力特性も含まれている。
【００１４】
固定殻部材２２に対する軸受けソケット５０の位置と方向は、上述したように、軸受け部材２４内の軸受けソケット５０の位置および方向を様々に試みることで選択される。したがって、図１に示すように、軸受けソケット５０は、他のオフセット軸受けソケット５０Ａにより透視線で例示されているように、軸受け部材２４の中心軸Ｃから様々な選択可能な軸受け部材２４に応じた可変量分、オフセットされ、移植部の軸受けソケット５０の適切な位置が選択される。同様に、軸受けソケット５０の適切な方向付けは、図１の他の方向に向けられている軸受けソケット５０Ｂにより透視線で例示されているように、他の角度の方向を備えることで利用可能になる。適切な位置に配置されると、選択された軸受け部材２４は、すべての種々の軸受け部材２４に備えられている固定機構６０に共通の凹部６２とリップ６４の形の相補型固定要素を契合させることで殻部材２２内に固定される。加えて、ひとたび選択された軸受け部材２４が殻部材２２内に適切に配置されれば、殻部材２２の縁部３８から半径方向かつ内方向に延在する突起部７０が軸受け部材２４のフランジに隣接する軸受け部材２４の対抗部分７２に契合することによって、殻部材２２に対して軸Ｃに関する軸受け部材２４の回転が妨げられる。
【００１５】
外科医が、患者の手術の前の評価に基づいたり、または移植処置の最中に特定の患者の必要性に基づいて、判断する場合には、手術の前の評価または特定の移植場所の条件の評価により判定されたように、軸受け部材２４の材料の特性以外の特性をもつ軸受け材料がより適切で、寛骨臼カップ組立体２０により外科医は特定の患者の必要性に一層ふさわしい特性を示す軸受け部材を選択することができる。したがって、図７ないし図１０に示してあるように、他の軸受け部材８０はセラミック材料から構成され、頂部８４まで延在する全体的にドーム状の外方部分８２を備えている。軸受けソケット８６は軸受け部材８０内に上方に延在し、相補型大腿骨頭（図示せず）用の球状軸受け面８８を備えている。
【００１６】
機構上の構成要素を固定するのに利用できる最も効率的で、便利がよく、機構面で単純で容易に使用可能な固定機構の１つは、プラスチック製軸受け部材２４の材料のような柔軟な材料から構成されている構成要素がない場合には、契合可能なテーパー状の表面である。テーパー状の表面のテーパー角度は固着される特定の材料の固着特性に依存している。しかし、セラミック製の軸受け部材８０の固着特性は、軸受け部材８０の固定がほぼ円筒形の固定表面により最もよく実行されるようになっている。したがって、軸受け部材８０は全体的に円筒状の固定面９０の形をした外部受容要素を備えている。この表面９０は、軸受け部材８０の基部９２とドーム状外被部８２との間で、軸受け部材８０の中心軸Ｃにほぼ並行に延在する。寛骨臼内の殻部材２２の配置の後で殻部材２２内に軸受け部材８０を手術中に単純に固定できるように、固定機構６０は適切な契合式テーパー状面を備えている。したがって、固定機構６０は、下端部１０３に隣接した環状リング部分１０２と、リング部分１０２と上端部１０５との間で延在するドーム状部分１０４とを備えたスリーブ１００の形に示されている金属製固定部材を備えている。ドーム状部分１０４は殻部材２２の内方窩洞３０の対抗部分にほぼ相補的である。リング部分１０２は、外部座面１０６の形をした外方固定要素と、全体的に円筒形の内方固定面１０８の形をした内部受容要素とを備えている。内部固定面１０８の構成と外部固定面９０の構成は軸受け部材８０の材料の特定の特性に対応しているので、外部固定面９０を内部固定面１０８に契合させると、締りばめにより軸受け部材８０がスリーブ１００に固定される。
【００１７】
固定機構６０はさらに、殻部材２２の窩洞３０内であって下端部３４と隣接する位置に第２固定要素を備えている。この第２固定要素は、殻部材２２に配置された内部座面１１０の形に形成されている。内部座面１１０は外部座面１０６と相補的であり、座面１０６と１１０は、図１０に示すように、契合する。座面１０６と１１０は、角度Ａにより図示されているように、テーパー状の構成をしており、その構成のテーパーと殻部材２２はスリーブ１００の材料の固定特性に対応し、座面１０６と１１０の契合に応じたテーパー状の座面１０６と１１０の固定によりスリーブ１００は殻部材２２内に固定される。好ましい実施例では、殻部材２２とスリーブ１００は市販の純粋チタンから構成され、角度Ａは約６度である。
なお、殻部材２２の座面１１０は、殻部材２２の下方開口部３２側に位置する下側境界部１１１と、殻部材２２の上端３６側に位置する上側境界部１１２とを有し、第１固定要素は内部固定面のテーパー形状の前記上側境界部と下側境界部との間に配設されている。
【００１８】
今度は図１１ないし図１３を参照すると、外科医が寛骨臼カップ組立体２０の軸受け材料として他の材料を利用することを望んでいる場合でも、その材料から構成された他の代替軸受け部材は殻部材２２内に固定可能である。したがって、代替軸受け部材１２０は、例えば、コバルトクロム合金などの他の金属から構成される。軸受け部材１２０は頂部１２４まで延在する全体的にドーム状の外被部分１２２を備えている。軸受けソケット１２６は軸受け部材１２０内に上方に延在し、相補型大腿骨頭（図示せず）のための球状軸受け面１２８を備えている。軸受け部材１２０は外方固定面１３０の形をした外方受容要素を備えている。ここで再び、固定機構６０は、環状リング部分１４２とドーム状部分１４４を有するスリーブ１４０の形の金属製固定部材を備えている。ドーム状部分１４４は殻部材２２の内方窩洞３０の対抗部分とほぼ相補型であり、リング部分１４２は外部座面１４６の形の外部固定要素と内部固定面１４８の形の内部受容要素を備えている。
【００１９】
内部固定面１４８の構成と外部固定面１３０の構成は軸受け部材１２０の材料の特定の固定特性に対応しているので、外部固定面１３０と内部固定面１４８を契合させると、軸受け部材１２０はスリーブ１４０の軸受け部材１２０上への契合および着座に応じてスリーブ１４０に固定される。固定面１３０と１４８は軸受け部材１２０とスリーブ１４０の間を堅牢に契合させる角度Ｂで先細化（テーパー化）している。スリーブ１４０は、座面１４６と１１０の間に生ずる締め付けにより殻部材２２内に固定される。好ましい実施例では、スリーブ１４０と殻部材２２はどちらも市販の純粋チタンから構成され、座面１４６と１１０は角度Ａでテーパー化しており、スリーブ１００に関して上述したように、スリーブ１４０と殻部材２２の材料の固定特性に対応している。この方式で、殻部材２２は、軸受け部材２４，８０および１２０などの様々な材料から構成されている複数の軸受け部材の選択された任意の軸受け部材を受け入れることができ、手術前または手術中に容易に、正確に、さらに外科医の労力が最小化され、その上複雑な特殊機器を必要とすることなく選択された軸受け部材を固定できる。
【００２０】
今度は図１４を参照すると、本発明に応じて構成されたスリーブの形の金属製固定部材を用いて、軸受け部材が内部に固定されている殻部材に対して軸受け部材の軸受け面の特定の位置を選択するのが望ましい場合のために、スリーブの内部受容要素と外部固定要素の相対位置がスリーブ毎に異なっている代替スリーブが備えられている。したがって、代替スリーブ１５０では、内部受容要素は、長手方向に延在する中心軸１５４をもつ内部固定面１５２を備え、外部固定要素は縦方向の中心軸１５８を有する外部座面１５６を備えており、中心軸１５４は、１５９で示されているように、中心軸１５８から横方向にオフセットされている。軸受け部材の軸受け面の望ましい位置は特定のオフセット１５９をもつスリーブ１５０を選択することで達成される。
【００２１】
軸受け部材の軸受け面の望ましい方向は、その方向をもつスリーブを選択することで達成される。図１５に示してあるように、代替スリーブ１６０は、長手方向に延在する中心軸１６４をもつ内部固定面１６２を備え、外部固定要素は縦方向の中心軸１６８を有する外部座面１６６を備えており、中心軸１６４は中心軸１６８と鋭角１６９を形成し、角度１６９の大きさを選択した結果、面１６２と１６６の相対的な方向の付随的選択がなされることになる。軸受け部材の軸受け面の望ましい方向は、特定の角度１６９をもつスリーブ１６０を選択することで得られる。
【００２２】
当然のことながら、スリーブ１５０と１６０に関連して説明された選択位置ならびに選択方向は例示に過ぎない。位置と方向付けならびに他の位置および方向の様々な組み合せは、金属製の固定部材の構成を修正して特定の軸受け部材の軸受け面の望ましい位置付けと方向に適合させることにより利用可能である。
【００２３】
寛骨臼カップ組立体２０により、外科医には組立体２０の軸受け部材の特性の手術前または手術中の選択に対する広範な選択肢が単純な方法かつ低価格で提供されることを理解すべきである。こうした特性には材料、サイズ、位置付け、および方向が含まれる。したがって、本発明は上記に要約された目的と利点を達成する。すなわち、
寛骨臼カップ組立体の軸受け部材に広範な軸受け材料の選択を可能にすること、特定の寛骨臼殻をもつ組立体に対して選択された軸受け部材の軸受け表面の大きさ、位置および方向の選択を可能にすること、
軸受け材料ならびに軸受けサイズ、位置および方向の範囲を拡大し、手術の前または手術中に選択されるようにこうした選択を実際に利用可能にすること、
特定の移植部の様々な条件に基づく要件を満たしながら様々な患者の必要性に便宜をはかる際の外科医の自由裁量を広くして、天然の股関節の置換の精度を高めコストを下げること、
一層容易かつ安価で複雑で特殊な器具なしで共通の寛骨臼殻内に選択材料による軸受け部材を固定可能にすること、
適切な軸受け材料からなる軸受け部材をもち正確に寸法付け、位置付けおよび方向付けされ、製造および使用が安価で、長期間にわたって信頼性のある寛骨臼カップ組立体を提供すること
である。
【００２４】
当然のことながら、本発明の好ましい実施例についての上記の説明は例に過ぎない。設計、構成および処理手順上の多様な細部は、請求の範囲に詳述されているように、本発明の精神と範囲から逸脱しないかぎり修正可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明により構成された寛骨臼カップ組立体の部分断面拡大立面図である。
【図２】寛骨臼カップ組立体の殻要素の頂部平面図である。
【図３】寛骨臼カップ組立体の軸受け挿入要素の頂部平面図である。
【図４】図１に例示された殻要素の一部の拡大断面図である。
【図５】図１に例示された軸受け部材挿入要素の一部の拡大断面図である。
【図６】寛骨臼カップ組立体を組み立てた状態の図４と図５に示す部分の拡大断面図である。
【図７】他の構成要素を利用して示された寛骨臼カップ組立体の部分的に断面化された拡大立面図である。
【図８】寛骨臼カップ組立体の固定要素の頂部平面図である。
【図９】図７に示すような固定要素の一部の拡大断面図である。
【図１０】構成要素が組立てられた状態で図７に示された寛骨臼カップ組立体の一部の拡大横断面図である。
【図１１】寛骨臼カップ組立体の他の固定要素および軸受け挿入要素の部分的に断面化された拡大立面図である。
【図１２】図１１の固定要素の一部の拡大断面図である。
【図１３】構成要素が組立てられた状態で、図１１に示された他の構成要素を利用する寛骨臼カップ組立体の複数部分の拡大断面図である。
【図１４】他の固定要素の立面横断面図である。
【図１５】他の固定要素の立面横断面図である。
【符号の説明】
２０寛骨臼カップ組立体
２２殻部材
２４軸受け部材
３０内方窩洞
３８縁部

Claims

寛骨臼カップ組立体に使用され、前記寛骨臼カップ組立体は内部軸受け部材を備え、この内部軸受け部材を内部に固定するための殻部材であって、
内部窩洞と、
前記殻部材の前記窩洞内に設けられ、前記複数の内部軸受け部材の少なくとも１つの固定特性に適合するようになっている第１固定要素と、
前記殻部材の前記窩洞内に設けられ、前記複数の内部軸受け部材の少なくとも他の内部軸受け部材の前記固定特性に適合するようになっている第２固定要素と、
を備え、
前記内部軸受け部材は特性が異なる複数の軸受け部材から選択され、この１つまたは複数の前記内部軸受け部材は、前記寛骨臼カップ組立体を完成させるために、内部にそれぞれ固定されるよう選択可能になっており、前記寛骨臼カップ組立体には前記選択された内部軸受け部材の特性に対応する特性が選択的に与えられるようになっていることを特徴とする、寛骨臼カップ組立体用の殻部材。
前記殻部材は下方端と上方端を備え、前記窩洞は前記殻部材の前記下方端から前記上方端に延在し、前記第１固定要素および第２固定要素は前記殻部材の前記下方端の近傍に配置されている、請求項１に記載の寛骨臼カップ組立体の殻部材。
前記軸受け部材は該軸受け部材から突出するリップを備え、前記第１固定要素は前記軸受け部材の前記リップを受け入れる凹部を備えている、請求項２に記載の寛骨臼カップ組立体用の殻部材。
前記軸受け部材は外部固定面を備え、前記第２固定要素は内部固定面を備え、前記外部固定面と前記内部固定面は、相補型テーパー状に構成されて、前記相補型テーパー状構成の着座契合に応じて組合わされている、請求項２に記載の寛骨臼カップ組立体用の殻部材。
前記軸受け部材は該軸受け部材から突出するリップおよび外部固定面を備え、
前記第１固定要素は前記軸受け部材の前記リップを受け入れる凹部を備え、
前記第２固定要素は内部固定面を備えており、
前記外部固定面と前記内部固定面は、相補型テーパー状に構成されて、前記相補型テーパー状構成の着座契合に応じて組合わされている、請求項２に記載の寛骨臼カップ組立体用の殻部材。
前記内部固定面の前記テーパー形状は、殻部材の上方端側に位置する上側境界部と、殻部材の下方端側に位置する下側境界部とを有し、前記第１固定要素は前記内部固定面の前記テーパー形状の前記上側境界部と下側境界部との間に配設されている、請求項５に記載の寛骨臼カップ組立体用の殻部材。