JP3650302B2 - Red color material composition and method for producing the same - Google Patents

Red color material composition and method for producing the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、赤色色材組成物およびその製造方法に関するものであり、詳細には、高価な原料や危険な有機溶媒を用いずとも、安価かつ安全な方法により製造することができ、インキ、プラスチック・紙用フィラー、トナー、インクジェットプリンター用インク、偽造防止用インキ・トナー、一般塗料、自動車用粉体顔料・塗料、静電塗装用塗料、化粧品、頭髪装飾用、顔料組成物、工芸品・陶芸品など美術品用顔料組成物および塗料、多色性塗料用顔料組成物、繊維着色用(坦持)顔料組成物、玩具用塗料、化粧紙・化粧板用塗料及びフィラー、プラスチックおよび金属用塗料及びフィラー、ディスプレイ用顔料組成物、表示媒体用、磁気記録媒体用塗料、触媒塗料および耐熱塗料用顔料組成物等多種の目的に用いられる赤色色材組成物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真や印刷の技術分野において、取り扱う画像のカラー化が一般的となり、カラー化に関する技術について様々な検討が行われている。
特に電子写真におけるトナーや印刷における印刷インクなどはその代表的なものである。
この様なトナーや印刷インキ等を総称して、色材組成物ということもある。
カラー画像を得るためには、上記の色材組成物の中でも、特に赤色のものが重要となることがある。赤色は、光の3原色の一つであり、また人に対して心理的に暖かさ、活力、情熱、また注意を与える重要な色素である。このような赤色系の色調を有し、かつ特定の機能を有する色材組成物を得ることは産業上大いに意義のあることである。
例えば、電子写真方式によるトナー自身が磁性を備える1成分系現像法では、従来のモノクロでの複写、プリントにおいては、黒い磁性トナーが使われている。また、印刷の分野においても、印刷画像に磁気識別機能を持たせるため磁性粉を含有させ黒い磁性インクとすることがある。
しかし、カラー画像の複写、プリントにおいては、黒色以外に赤色または鮮やかな原色に着色し、かつ磁気特性を保持した磁性トナー、磁性インクとする必要がある。この1成分系カラー磁性トナーやカラー磁性インクにより鮮明なカラー画像を得るには、磁性トナー、インクなどの色材組成物自身を鮮やかな色に着色する必要があるが、その中に含まれる磁性体粒子は一般に黒色であるため、その色材組成物中に直接、顔料、染料を添加したり、該磁性体粒子の表面に直接着色層を設けても全体としては暗い色調の色材組成物となる問題がある。
【0003】
これに対して、本発明者らは、先に基体粒子上に金属膜を形成し、その膜の反射効果により、粉体を白色化する方法(特開平3−271376号公報、特開平3−274278号公報)、金属アルコキシド溶液中に基体粒子を分散し、金属アルコキシドを加水分解することにより、基体粒子の表面に均一な0.01〜20μmの厚みの金属酸化物膜を生成させる方法(特開平6−228604号公報)、表面に金属酸化物からなる薄膜と、金属からなる薄膜とを交互に複数層設けて機能性粉体とすること(特開平7−90310号公報)、金属酸化物膜で多層被覆してなる粉体を熱処理して、より緻密で安定した金属酸化物多層膜を有する粉体を製造すること(国際公開WO96/28269号公報)を提案している。
【0004】
特に、上記に挙げた金属酸化物膜や金属膜を複数層設けた粉体は、各層の膜厚を調整することにより特別の機能を付与することができるものであって、例えば基体粒子の表面に、屈折率の異なる被覆膜を入射光の4分の1波長に相当する厚さずつ設けるようにすると、入射光を全て反射する粉体が得られる。これを磁性体を基体粒子とするものに適用すると、光を反射して白色のトナー用粉体を製造することができ、更にこの粉体の表面の前記光干渉性多層膜を構成する各単位被覆層が特定の同一波長の干渉反射ピークを有するように、膜厚を設定すると、染料や顔料を用いずとも、単色の粉体にすることができることを示唆している。
上記特開平6−228604号公報、特開平7−90310号公報、国際公開WO96/28269号公報に記載の方法では、膜数や膜厚を多くするほど反射率が上がることにより明度が上がり、膜の特性は顕著になる。しかし膜数や膜厚が多くなるほど、基体粒子の特性は減少する。例えば、基体粒子として、磁性粉を用いた場合は、膜数や膜厚が多くなるほど、磁気特性が劣ってくる。換言すれば、上記の方法で得られる着色粉体は、基体粒子が有する特性を生かすためには膜数、膜厚を少なくする必要があるが、膜数、膜厚を少なくすると所望の着色が得られなくなる恐れもあった。
【0005】
本発明者らは、上記の技術を基に、目的とする特定の色調を有する着色色材組成物を得る技術、詳細には鮮やかな赤色系の色を呈する膜被膜粉体の色を発色させるための条件範囲を確立することを試みた。
本発明者らは、このような観点から検討を行った結果、基体粒子の表面に屈折率の大きい被膜と小さい被膜とが隣合って積層する複数の被覆膜と、該被膜層の外側に顔料および染料が分散された接着樹脂層とを有し、600〜800nmの間にピークを有する反射スペクトルを示す様に該基体粒子及び被覆膜の条件を設定することにより、赤色系の色調を有し、かつ1成分系現像方式でも複合した機能を果たし得るカラートナーが得られることを見い出した(特開平11−24319号公報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開平11−24319号公報に記載の赤色系トナーは、その基体粒子の表面に有する被膜層が金属アルコキシドの加水分解反応によって製膜されたものであった。金属アルコキシドの加水分解反応による製膜方法は、溶媒として、引火性の高い有機系のものを使用し、原料として、高価な金属アルコキシドを使用しなければならない。引火性の高い有機溶媒を用いるためには、製造施設を防爆設備としたり、温度、湿度の管理が厳しく、それを用いて製造した製品の価格も総合的に当然高価なものとなる。
また、上記特開平11−24319号公報に記載の赤色系トナーは、十分な明度を有しておらず、暗い色調のものであった。
【0007】
従って、本発明の目的は、上記従来技術の欠点を克服し、金属アルコキシドの加水分解による方法を用いずに、高価な金属アルコキシドや引火性の高い有機溶媒を使用することなく、製造施設も防爆設備を必要とせず、温度、湿度の管理も容易であり、総合的に製品の価格も安価に得られる機能性の高い、赤色粉体を含有する赤色色材組成物およびその製造方法を提供することにある。
また本発明のさらなる目的は、明度が高く安定な色調のトナー、インキ、塗料として用いることができ、しかも基体粒子の特性(例えば、磁気特性)を高レベルに保持した赤色色材組成物、詳細には、基体粒子の特性を生かすための、比較的少ない膜数、膜厚であっても、十分な明度が得られる被覆膜を有する赤色粉体を基材とする赤色色材組成物およびその製造方法を提供しようとするものである。
更に本発明の他の目的は、1成分系現像方式でも優れた複合した機能を果たし得る赤色磁性トナーや、優れた磁気特性を発揮することができ、かつ耐候性の優れた赤色磁性印刷用インキ、赤色塗料等に適用できる赤色色材組成物およびその効率的製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる現状に鑑み、鋭意研究の結果、多層膜被覆粉体を製造する際、基体粒子の表面に有する被覆膜の少なくとも1層が水系溶媒中での金属塩の反応により形成し、膜の組合せ、それぞれの膜の厚さ、また、それらを制御する方法および反応条件(pH、分散条件等)を改良し、更に膜設計において、極大値の波長の範囲を、特定の範囲に限定した。更に加えて被覆膜の少なくとも1層が、結晶化微粒子からなる空隙を有する被覆膜とすることにより、散乱反射による明度向上を計ることにより、鮮やかな赤色系の粉体が得られ、上記目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
【0009】
すなわち、本発明の赤色色材組成物およびその製造方法は、下記の通りである。
(1)基体粒子の表面に水系溶媒中での金属塩の反応により反応溶液中で固相微粒子を形成させ、該形成された固相微粒子を取り込ませることにより形成され、空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成された被覆膜を少なくとも1層有し600〜800nmの間にピークを有する反射スペクトルを示す赤色粉体を含有する赤色色材組成物。
(2)前記赤色粉体の水系溶媒中での金属塩の反応により形成された前記被覆膜が、下記式の条件を満たすものであることを特徴とする前記(1)記載の赤色色材組成物。
Nd=mλ/4
〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す)
n:膜を構成する物質の屈折率
d:膜厚
m:自然数
λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長(但し、λは600〜800nm)
κ:減衰係数〕
(3)前記赤色粉体の基体粒子の表面に有する被覆膜が多層膜であることを特徴とする前記(1)記載の赤色色材組成物。
(4)前記赤色粉体の多層膜の各膜が、全て水系溶媒中での金属塩の反応により形成されたものであることを特徴とする前記(3)記載の赤色色材組成物。
(5)前記赤色粉体の多層膜の各膜が、全て下記式の条件を満たすものであることを特徴とする前記(3)記載の赤色色材組成物。
Nd=mλ/4
〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す)
n:膜を構成する物質の屈折率
d:膜厚
m:自然数
λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長(但し、λは600〜800nm)
κ:減衰係数〕
【0010】
(6)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成された前記被覆膜が、該結晶化微粒子表面と空隙との間で生じる光の散乱反射により明度を付与することができるものであることを特徴とする前記(1)記載の赤色色材組成物。
(7)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成された前記被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐことができる超微粒子で構成された緻密な被覆膜を有することを特徴とする前記(1)記載の赤色色材組成物。
(8)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成された前記被覆膜が高屈折率膜であることを特徴とする前記(1)記載の赤色色材組成物。
(9)前記緻密膜がシリカ膜であることを特徴とする前記(7)記載の赤色色材組成物。
【0011】
(10)固相微粒子を該被覆膜中に取込ませた後に焼成することによって形成されたものであることを特徴とする前記(1)記載の赤色色材組成物。
(11)前記反応溶液が水溶液であることを特徴とする前記(1)記載の赤色色材組成物。
(12)前記焼成を行う前に、前記固相微粒子を取込ませた被覆膜上を、該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ緻密な膜を構成することができる超微粒子で被覆したことを特徴とする前記(10)記載の赤色色材組成物。
(13)前記赤色粉体が、少なくとも結着用樹脂を含む分散媒中に分散されていることを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の赤色色材組成物。
(14)前記赤色粉体上に接着樹脂層を有することを特徴とする前記(1)〜(13)のいずれかに記載の赤色色材組成物。
(15)前記接着樹脂層が体質顔料を含有することを特徴とする前記(14)記載の赤色色材組成物。
【0012】
(16)赤色粉体を含有する赤色色材組成物の製造方法において、該赤色粉体が600〜800nmの間にピークを有する反射スペクトルを示す様に、基体粒子の表面に水系溶媒中での金属塩の反応により反応溶液中で固相微粒子を形成させ、該形成された固相微粒子を取り込ませることにより構成され、空隙を有する結晶化微粒子の集合体として少なくとも1層の被覆膜を形成することを特徴とする赤色色材組成物の製造方法。
(17)水系溶媒中での金属塩の反応により形成する前記被覆膜を、下記式の条件を満たすように形成することを特徴とする前記(16)記載の赤色色材組成物の製造方法。
Nd=mλ/4
〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す)
n:膜を構成する物質の屈折率
d:膜厚
m:自然数
λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長(但し、λは600〜800nm)
κ:減衰係数〕
(18)基体粒子の表面に形成する前記被覆膜を多層膜とすることを特徴とする前記(16)記載の赤色色材組成物の製造方法。
(19)前記多層膜の各膜を、全て水系溶媒中での金属塩の反応により形成することを特徴とする前記(18)記載の赤色色材組成物の製造方法。
(20)前記多層膜の各膜を、全て下記式の条件を満たすように形成することを特徴とする前記(18)記載の赤色色材組成物の製造方法。
Nd=mλ/4
〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す)
n:膜を構成する物質の屈折率
d:膜厚
m:自然数
λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長(但し、λは600〜800nm)
κ:減衰係数〕
【0013】
(21)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成する前記被覆膜を、該結晶化微粒子表面と空隙との間で生じる光の散乱反射により明度を付与できるように形成することを特徴とする前記(16)記載の赤色色材組成物の製造方法。
(22)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成する前記被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐことができる超微粒子で緻密な膜を形成することを特徴とする前記(16)記載の赤色色材組成物の製造方法。
(23)空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成する前記被覆膜を高屈折率膜とすることを特徴とする前記(16)記載の赤色色材組成物の製造方法。
(24)前記緻密膜をシリカ膜とすることを特徴とする前記(22)記載の赤色色材組成物の製造方法。
(25)固相微粒子を該被覆膜中に取込ませた後に焼成することによって形成することを特徴とする前記(16)記載の赤色色材組成物の製造方法。
【0014】
(26)前記反応溶液を水溶液とすることを特徴とする前記(25)記載の赤色色材組成物の製造方法。
(27)前記焼成を行う前に、前記固相微粒子を取込ませた被覆膜上を、該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ緻密な膜を構成することができる超微粒子で被覆することを特徴とする前記(25)記載の赤色色材組成物の製造方法。
(28)前記赤色粉体が、少なくとも結着用樹脂を含む分散媒中に分散することを特徴とする前記(16)〜(27)のいずれかに記載の赤色色材組成物の製造方法。
(29)前記赤色粉体上に接着樹脂層を設けることを特徴とする前記(16)〜(28)のいずれかに記載の赤色色材組成物の製造方法。
(30)前記接着樹脂層が体質顔料を含有させることを特徴とする前記(29)記載の赤色色材組成物の製造方法。
【0015】
本発明の赤色色材組成物中の赤色粉体は製膜反応の際に、以下の操作および作用により、被膜にならない固相の析出が抑えられ、基体粒子の表面に均一な厚さの被膜を、所望の厚さで形成することができると推測する。▲1▼反応溶媒として、緩衡溶液を用い、ある一定のpHとすることにより、酸またはアルカリの影響が和らげられ、基体表面の侵食が防止される;▲2▼超音波分散により、基体粒子、特にマグネタイト粉等の磁性体の分散性を良くするばかりでなく、皮膜成分の拡散性を良くし、更に、皮膜同志の付着を防止し、被覆製膜された磁性体粒子の分散性をも良好にする;▲3▼適当な反応の速さで被膜成分を析出させ、被膜にならない固相の析出を抑制する。
上記の総合的作用により、膜被覆粉体の表面の電荷を一定に維持することができ、電気2重層の働きにより、膜被覆粉体の凝集がなく、分散粒子が得られる。電気2重層の働きを生かすためにpHは、基体の物質と製膜反応により液中で形成される金属化合物の種類の組み合わせにより異なり、また、両者の等電点を避けることが好ましい。
また、基体粒子の表面に有する被覆膜の少なくとも1層を、結晶化微粒子と該結晶化微粒子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体からなる膜(以下、単に結晶化微粒子構成膜ともいう)とすることにより、結晶化微粒子表面と空隙との屈折率差を大きくして、光の散乱反射を起こし、反射効果を高め、優れた明度を有する赤色色調の機能性粉体を提供することが可能となった。
【0016】
本発明は上記の作用機構により、水溶性原料を用いるにも係わらず、基体として磁性体を用いた場合でも膜被覆粉体同志が凝集したり固着することがなく、好ましい膜厚制御ができる膜被覆粉体を容易に製造することを可能とすることが
できた。また、基体粒子の特性(例えば、磁気特性)を高レベルに保持した機能性粉体を提供することが可能となった。
更に、水を溶媒として用いることにより、アルコキシド法に比べ安価な製造コストで製膜できるという効果が得られる。
【0017】
上記のようにして得られた本発明の赤色色材組成物は、顔料、粉末冶金、窯業原料、電子工業などの原料となる赤色系複合原料粉体として有用なものであり、カラーインキ用顔料およびプラスチック・紙用フィラーに用いられている従来の顔料にとって代わる優れた性能を保持し、長期保存においても安定な色調のものとすることができる。
耐熱性を利用して陶器、磁器、ガラス器、工芸品、美術品、装飾品等の着色用顔料組成物として絵付け、意匠、装飾に使用できる。
さらに多色性や反射あるいは透過色を利用して意匠性に富んだ装飾品、陶器、磁器、ガラス器、絵画などの工芸品・美術品用、書籍、自動車・自転車などの塗料赤色多機能性インキ、トナー、塗料、化粧品ができる。
また、触媒作用を持つ酸化チタン膜等によって、耐候性にすぐれ大気・水などの環境浄化性のある塗料ができる。
すなわちこれら基体の特性と膜の特性を兼ね備えた赤色多機能性インキ、トナーおよび塗料等に適用できる。
特に前記機能が磁気、電場、色、粒子形状、蛍光発光、蓄光発光、特定紫外線域反射吸収並びに特定赤外線反射吸収の機能のいずれか2種以上を組み合わせることにより偽造防止用顔料組成物として印刷インキ、トナーとして支持媒体上に所望の画像を形成し、目視による判別、機器による判別対象物とすることが可能である。
【0018】
以下、本発明の結晶化微粒子構成膜について、図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
図1は、基体粒子1の表面に結晶化微粒子構成膜2を有する本発明の赤色色材組成物の一例の断面図であり、図2は、図1の赤色色材組成物が有する結晶化微粒子構成膜2の断面拡大図である。
図1および図2に示す様に、上記結晶化微粒子構成膜2は結晶化微粒子3の間に空隙を有することにより、前記結晶化微粒子3の表面と空隙との屈折率差を大きくし、光の散乱反射を起こさせ、これにより明度の高い粉体とすることができる。上記の散乱反射が強いほど、粉体の明度が増す。
膜2の中に含まれる結晶化微粒子3は、屈折率が高い方が好ましく、また、粒径が揃っていない方が好ましい。
明度の調整は、上記膜内の結晶化微粒子の量および粒子径により調整することができる。
但し、粒子径によっては、散乱と干渉が同時に起こり、その干渉によって赤色以外の色相を呈することがあるので、その設計には注意を要する。
特に、得られた膜被覆粉体がオパールの様に単色スペクトル色の強い場合には、膜中の結晶化粒子径がある大きさ(光の波長の4分の1から1波長程度)で均一になって該結晶化微粒子による干渉が発生している考えられる。
【0019】
この場合、膜内の結晶化微粒子の粒子径は、1〜500nmが好ましく、より好ましくは1〜200nmであり、さらに好ましくは1〜100nmの範囲である。粒子径が1nm未満では、構成膜は、光を透過するため下地の基体粒子の色がそのまま出ることがある。逆に500nmより大きい場合には複数の粒子の反射光により前記干渉着色が起こったり、膜が脆くなって、剥離しやすく好ましくない。
また膜内の結晶化微粒子は、他の微粒子や膜と接触していても、粒界など形状で区別できるものである。
【0020】
一方、上記結晶化微粒子構成膜の1層の、好ましい厚さ範囲は、基体となる粒子の大きさによって異なる。基体粒子が0.1μm〜1μmでは0.05μm〜0.5μm、基体粒子が1μm〜10μmでは0.05μm〜2μm、基体粒子が10μm以上では0.05μm〜3μmであることが好ましい。
また、上記結晶化微粒子構成膜の総膜厚の好ましい厚さ範囲も、基体となる粒子の大きさによって異なる。基体粒子が0.1μm〜1μmでは0.1μm〜3μm、基体粒子が1μm〜10μmでは0.1μm〜5μm、基体粒子が10μm以上では0.1μm〜10μmであることが好ましい。
【0021】
更に本発明の赤色色材組成物は、含有されている赤色粉体が、図2に示されるように、空隙を有する結晶化微粒子3で構成された膜2の表面に、該表面の空隙を塞ぐことができる超微粒子4で構成された緻密な被覆膜(以下単に、緻密膜ともいう)を有することが好ましい。
例えば、前述のような結晶化微粒子構成膜を最外層として有する赤色粉体をトナーあるいは塗料等の顔料粉体として用いた場合、トナーの樹脂または塗料のビヒクルがその空隙に入り込み、結晶化微粒子3の表面と空隙との間の屈折率差を小さくして光の散乱反射を弱くし、その結果、明度も低下させる。
前述の緻密膜は上記のような明度の低下を防止するために好適である。
【0022】
なお、特開平4−269804号公報には、表面に無機顔料粒子の被覆層を有する着色粉体が記載されているが、この着色粉体は顔料粒子間の空隙が、表面処理剤と樹脂の混合物によって充填されたものであり、本発明の赤色色材組成物のように、散乱反射が発生するものではなく、顔料粒子そのものの色によって所望の色に着色されるものである。またこの特開平4−269804号公報に記載の着色粉体は、基体粒子表面に顔料粒子が十分に固定されていないことがある。その場合には、基体に付着していた顔料粒子が溶媒と樹脂の混合液中で分離するため、塗料等に適用できないこともある。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の赤色色材組成物について詳細に説明する。
本発明の赤色色材組成物は、基体粒子の表面上に前述の結晶化微粒子構成膜のみならず、光を透過し得る他の構成からなる膜をさらに有する多層膜被覆粉体を含有するものである。
該低屈折率の光透過性の被覆膜として、金属塩等の反応により、金属水酸化物膜あるいは金属酸化物膜等を複数層とする場合において、前記被覆膜(基体粒子を被覆し、光干渉に関与する膜の層)の各層の厚さを調整することにより特別の機能を与えることができる。例えば、基体粒子の表面に、屈折率の異なる交互被覆膜を、次の式(1)を満たすように、被膜を形成する物質の屈折率nと600〜800nmの間にある可視光の波長の4分の1の整数m倍に相当する厚さdを有する交互膜を適当な厚さと膜数設けると、600〜800nmの間にある波長λの光(フレネルの干渉反射を利用したもの)が反射または吸収される。
nd=mλ/4 (1)
【0024】
この作用を利用して、基体粒子の表面に目標とする600〜800nmの間の波長に対し、式(1)を満たすような膜の厚みと屈折率を有する被膜を製膜し、さらにその上に屈折率の異なる膜を被覆することを1度あるいはそれ以上交互に繰り返すことにより600〜800nmの間に反射ピークを有する膜が形成される。このとき製膜する物質の順序は次のように決める。まず核となる基体の屈折率が高いときには第1層目が屈折率の低い膜、逆の関係の場合には第1層目が屈折率の高い膜とすることが好ましい。
【0025】
膜厚は、膜屈折率と膜厚の積である光学膜厚の変化を分光光度計などで反射波形として測定、制御するが、反射波形が最終的に必要な波形になるように各層の膜厚を設計する。例えば、多層膜を構成する各単位被膜の反射波形のピーク位置を600〜800nmの範囲に精密に合わせると、染料や顔料を用いずとも赤色系の単色の着色粉体とすることができる。
【0026】
ただし、実際の基体の場合、基体の粒径、形状、膜物質および基体粒子物質の相互の界面での位相ずれ及び屈折率の波長依存性によるピークシフトなどを考慮して設計する必要がある。例えば、基体粒子の形状が平行平板状である場合には、粒子平面に形成される平行膜によるフレネル干渉は上記式(1)のnを次の式(2)のNに置き換えた条件で設計する。特に、基体の形状が平行平板状である場合でも金属膜が含まれる場合には、式(2)の金属の屈折率Nに減衰係数κが含まれる。なお、透明酸化物(誘電体)の場合にはκは非常に小さく無視できる。
N=n+iκ(iは複素数を表す) (2)
この減衰係数κが大きいと、膜物質および基体物質の相互の界面での位相ずれが大きくなり、さらに多層膜のすべての層に位相ずれによる干渉最適膜厚に影響を及ぼす。
【0027】
これにより幾何学的な膜厚だけを合わせてもピーク位置がずれるため、特に赤色系に着色する際に色が淡くなる。これを防ぐためには、すべての膜に対する位相ずれの影響を加味し、コンピュータシミュレーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるように設計する。
さらに、基体表面にある酸化物層のための位相ずれや、屈折率の波長依存性によるピークシフトがある。これらを補正するためには、分光光度計などで、反射ピークが最終目的膜数で目標波長である600〜800nmの範囲になるよう最適の条件を見出すことが必要である。
【0028】
球状粉体などの曲面に形成された膜の干渉は平板と同様に起こり、基本的にはフレネルの干渉原理に従う。したがって、着色方法も赤色系に設計することができる。ただし曲面の場合には、粉体に入射し反射された光が複雑に干渉を起こす。これらの干渉波形は膜数が少ない場合には平板とほぼ同じである。しかし、総数が増えると多層膜内部での干渉がより複雑になる。多層膜の場合もフレネル干渉に基づいて、反射分光曲線をコンピューターシミュレーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるよう設計することができる。特に基体粒子表面への被膜形成の場合、基体粒子表面とすべての膜に対する位相ずれの影響を加味し、コンピュータシミュレーションであらかじめ膜厚の組合せが最適になるよう設計する。さらに、基体粒子表面にある酸化物層のためのピークシフトや屈折率の波長依存性によるピークシフトも加味する。実際のサンプル製造では設計した分光曲線を参考にし、実際の膜においてこれらを補正するために、分光光度計などで反射ピークが最終目的膜数で600〜800nmの範囲の目標波長になるよう膜厚を変えながら最適の条件を見出さねばならない。
【0029】
不定形状の粉末に着色する場合も多層膜による干渉が起こり、球状粉体の干渉多層膜の条件を参考にし基本的な膜設計を行う。上記の多層膜を構成する各単位被膜のピーク位置は各層の膜厚により調整することができ、膜厚は基体粒子の表面に金属酸化物等の固相成分を形成させる被覆形成条件中、原料組成、固相析出速度および基体量などを制御することにより、精度良く膜厚を制御でき、均一な厚さの被膜を形成することができ、所望の赤色系に着色することができる。
以上のように、反射ピークや吸収ボトムが最終目的膜数で600〜800nmの範囲の目標波長になるよう膜形成溶液などの製膜条件を変えながら最適の条件を見出すことにより、赤色系の粉体を得ることができる。また、多層膜を構成する物質の組合せおよび各単位被膜の膜厚を制御することにより多層膜干渉による発色を調整することができる。これにより、染料や顔料を用いなくても粉体を所望の赤色系に鮮やかに着色することができる。
【0030】
以下に、本発明の赤色色材組成物およびその製造方法についてを詳細に説明する。
本発明の赤色色材組成物およびその製造方法において、その金属酸化物膜等を形成させる対照となる基体粒子は、特に限定されず、金属を含む無機物でも、有機物でもよく磁性体、誘電体、導電体および絶縁体等でもよい。
基体が金属の場合、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム等、どのような金属でもよいが、その磁性を利用するものにおいては、鉄等磁性を帯びるものが好ましい。これらの金属は合金でも良く、前記の磁性を有するものであるときには、強磁性合金を使用することが好ましい。
また、その粉体の基体が金属化合物の場合には、その代表的なものとして前記した金属の酸化物が挙げられるが、例えば、鉄、ニッケル、クロム、チタン、アルミニウム、ケイ素等の外、カルシウム、マグネシウム、バリウム等の酸化物、あるいはこれらの複合酸化物でも良い。さらに、金属酸化物以外の金属化合物としては、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、金属フッ化物、金属炭酸塩、金属燐酸塩などを挙げることができる。
【0031】
さらに、基体粒子として、金属以外では、半金属、非金属の化合物、特に酸化物、炭化物、窒化物であり、シリカ、ガラスビーズ等を使用することができる。その他の無機物としてはシラスバルーン(中空ケイ酸粒子)などの無機中空粒子、微小炭素中空球(クレカスフェアー)、電融アルミナバブル、アエロジル、ホワイトカーボン、シリカ微小中空球、炭酸カルシウム微小中空球、炭酸カルシウム、パーライト、タルク、ベントナイト、合成雲母、白雲母、など雲母類、カオリン等を用いることができる。
【0032】
有機物としては、樹脂粒子が好ましい。樹脂粒子の具体例としては、セルロースパウダー、酢酸セルロースパウダー、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、プロピレン及びこれらの誘導体の重合または共重合により得られる球状または破砕の粒子などが挙げられる。特に好ましい樹脂粒子はアクリル酸またはメタアクリル酸エステルの重合により得られる球状のアクリル樹脂粒子である。
但し、樹脂粒子を基体とする場合、乾燥における加熱温度は樹脂の融点以下でなければならない。
【0033】
基体の形状としては、球体、亜球状態、正多面体等の等方体、直方体、回転楕円体、菱面体、板状体、針状体(円柱、角柱)などの多面体、さらに粉砕物のような全く不定形な粉体も使用可能である。
これらの基体は、粒径については特に限定するものでないが、0.01μm〜数mmの範囲のものが好ましい。
また、基体粒子の比重としては、0.1〜10.5の範囲のものが用いられるが、得られた粉体を液体等に分散させて使用する場合には、流動性、浮遊性の面から0.1〜5.5が好ましく、より好ましくは0.1〜2.8、更に、好ましくは0.5〜1.8の範囲である。得られた粉体を液体等に分散させて使用する場合、基体の比重が0.1未満では液体中の浮力が大きすぎ、膜を多層あるいは非常に厚くする必要があり、不経済である。一方、10.5を超えると、浮遊させるための膜が厚くなり、同様に不経済である。
【0034】
本発明においては、前記のように、上記粉体基体粒子を屈折率が互いに異なる複数の被膜層を用い、各被膜層の屈折率および層厚を適宜選択して被覆することにより、その干渉色により赤色に着色しかつ可視光域以外にも特異的な干渉反射ピークを発現する粉体とすることができる。
前記したように、基体粒子の表面上に金属塩の反応により金属水酸化物膜あるいは金属酸化物膜を析出させるが、固相析出反応の溶媒として、緩衡溶液を用い、ある一定のpHで適当な速さで析出させる。
【0035】
本発明において、金属塩として使用される金属は、鉄、ニッケル、クロム、チタン、亜鉛、アルミニウム、カドミウム、ジルコニウム、ケイ素、錫、鉛、リチウム、インジウム、ネオジウム、ビスマス、セリウム、アンチモン等の他、カルシウム、マグネシウム、バリウム等が挙げられる。また、これら金属の塩としては、硫酸、硝酸、塩酸、シュウ酸、炭酸やカルボン酸の塩が挙げられる。さらにまた、前記金属のキレート錯体も含まれる。本発明において使用される金属塩の種類は、その基体の表面に付与しようとする性質や製造に際して適用する手段に応じてそれに適するものが選択される。
本発明の粉体は基本的に無色透明の膜を形成し、屈折率の異なる膜を積層させて着色するため、前記のような金属とその塩が挙げられているが、干渉による着色だけでは反射及び吸収スペクトルの波形が所望の色にならない場合は、次のような金属コバルト、イットリウム、硫黄、ユーロピウム、ディスプロシウム、アンチモン、サマリウム、銅、銀、金、白金、ロジウム、イリジウム、タングステン、鉄、マンガン等の金属の硫酸、硝酸、塩酸、シュウ酸、炭酸、カルボン酸の塩類が挙げられる。さらに前記金属のキレート錯体も含まれる。これらの金属の膜中の含有率は10ppm〜15%、好ましくは10ppm〜15%、さらに望ましくは50ppm〜5 %である。
これらの金属の含有率が小さいときには、着色が不十分となり、多すぎると着色が強すぎて暗い色となり本発明の目標である明るい色の粉体が得られないという不都合が生じる。
【0036】
これらの金属塩による金属酸化物等の膜は、複数層形成してもよく、またそれらの金属酸化物等の膜の上に、必要により金属アルコキシドの加水分解による金属酸化物等、また他の製膜方法による膜を形成することもできる。
このようにして、基体粒子の上に多層の膜を形成することができ、しかもその際、各層の厚さが所定の厚さをもつように形成条件を設定することにより、目的とする特性を得ることができるようにすることができ、また簡単な操作でかつ安価な原料である金属塩を用いて金属酸化物等の膜を多層に形成することができる。特に、高価な金属アルコキシドを原料とすることなく、多重層膜被覆粉体とすることができる点は重要な利点である。
【0037】
本発明の赤色粉体を含有する赤色色材組成物を製造する方法では、多層被覆膜を連続した工程として製作しても良く、また、各被覆膜を1層ずつ製作、あるいは単層製作と複層連続製作を組み合わせるなど種々の方法で製作することができる。
本発明に係わる赤色色材組成物の粒径は、特に限定されず、目的に応じて適宜調整することができるが、通常は0.1μm〜数mm、好ましくは0.1μm〜200μmの範囲である。
【0038】
本発明において、その1回に形成させる金属酸化物膜の膜の厚さとしては、5nm〜10μmの範囲とすることが可能であり、従来の形成法より厚くすることができる。
複数回に分けて形成する金属酸化物膜の合計の厚さとしては、前記したカラー磁性粉体の場合、その干渉による反射率が良い金属酸化物膜を形成するためには、10nm〜20μmの範囲が好ましい、さらに好ましくは20nm〜5μmの範囲とすることである。粒径が制限されるなど特に薄い膜厚で可視光を干渉反射させるためには0.02〜2.0μmの範囲とすることが好ましい。
【0039】
本発明の赤色色材組成物は上記のように、その製造方法における製膜反応の際に、特に水系溶媒中で製膜反応させる場合、製膜反応溶媒としてpH一定条件の水系溶媒を用い、同時に膜被覆反応を超音波分散条件下で、基体の表面への被膜形成反応により形成される。
本願発明では製膜反応を一定にするために、水系溶媒に緩衝剤を添加し緩衝溶液とするかあるいはあらかじめ用意された緩衝溶液が用いられる。また製膜反応の際には緩衝溶液以外の膜原料を添加し製膜する。製膜原料添加により製膜を行う際に、pHが大きく変動する場合には、これを防ぐため、緩衝溶液を追加することが望ましい。
本発明で言うところのpH一定とは、pHが所定のpHの±2以内、好ましくは±1以内、より好ましくは±0.5以内を言う。
【0040】
緩衡溶液は種々の系が用いられ、特に限定されないが、まず基体粒子が十分に分散できることが重要であり、同時に基体の表面に析出した金属水酸化物あるいは金属酸化物の膜被覆粉体も電気2重層の働きで分散でき、かつ上記の緩やかな滴下反応により緻密な被膜が製膜できる条件を満足するように選択する必要がある。
従って、本発明の膜被覆粉体の製造法は従来の金属塩溶液の反応による中和や等電点による析出、または加熱により分解して析出させる方法とは異なるものである。
【0041】
次に、超音波分散条件としては、種々の超音波発振装置が使用でき、例えば、超音波洗浄機の水槽を利用することができ、特に限定されない。しかし本発明の超音波分散の条件としては、発振装置の大きさ、反応容器の形状および大きさ、反応溶液の量、体積、基体粒子の量等によって変化してくるので、それぞれの場合において、適切な条件を選択すればよい。
本発明に使用される緩衡溶液としては、析出させる固相成分に依存し、特に限定されないが、Tris系、ホウ酸系、グリシン系、コハク酸系、乳酸系、酢酸系、酒石酸系、塩酸系等が挙げられる。
【0042】
次に一例として、特に水系溶媒中で製膜反応させる場合、高屈折率の金属酸化物と低屈折率の金属酸化物の交互多層膜を形成する方法について具体的に説明する。まず、酸化チタンあるいは酸化ジルコニウムなどの被膜を形成する場合、酢酸/酢酸ナトリウム系等の緩衡溶液中に基体粒子を浸漬し超音波発振により分散し、チタンあるいはジルコニウムなどの金属塩である硫酸チタン、硫酸ジルコニウム等を原料とし、これら金属塩の水溶液を反応系に緩やかに滴下し、生成する金属水酸化物あるいは金属酸化物を基体粒子のまわりに析出させることにより行うことができる。この滴下反応の間、pHは上記緩衡溶液のpH(5.4)に保持される。
反応終了後、この粉体を固液分離し、洗浄・乾燥後、熱処理を施す。乾燥手段としては真空乾燥、自然乾燥のいずれでもよい。また、不活性雰囲気中で噴霧乾燥機などの装置を用いることも可能である。
なお、この被覆される膜が酸化チタンである場合には、酸化チタンの形成は下記の反応式で示される。
Ti(SO42+2H2O→TiO2+4H2(SO42
硫酸チタニルのTiO2含有量は5g/リットル〜180g/リットルが好ましく、より好ましくは10g/リットル〜160g/リットルである。5g/リットル未満では製膜に時間がかかりすぎ、また粉体処理量が減り、不経済であり、180g/リットルを超えて高くなると希釈液が添加中に加水分解を起こし製膜成分にならず、共に不適である。
【0043】
続いて、二酸化ケイ素あるいは酸化アルミニウムなどの被膜を形成する場合、KCl/H3BO3系等にNaOHを加えた緩衡溶液中に上記のチタニアコート粒子を浸漬し分散し、ケイ素あるいはアルミニウムなどの金属塩であるケイ酸ナトリウム、塩化アルミニウム等を原料とし、これら金属塩の水溶液を反応系に緩やかに滴下し、生成する金属水酸化物あるいは金属酸化物を基体粒子のまわりに析出させることにより行うことができる。この滴下反応の間、pHは上記緩衡溶液のpH(9.0)に保持される。
反応終了後、この粉体を固液分離し、洗浄・乾燥後、熱処理を施す。この操作により、基体粒子の表面に屈折率の異なる2層の、金属酸化物膜を形成する操作を繰り返すことにより、多層の金属酸化物膜をその表面上に有する粉体が得られる。
なお、この被覆される膜が二酸化ケイ素である場合には、二酸化ケイ素の形成は下記の反応式で示される。
Na2SiX2X+1+H2O→XSiO2+2Na++2OH-
【0044】
次に、本発明の赤色色材組成物が含有する赤色粉体が有する結晶化微粒子構成膜は、光を散乱反射し、明度を高めることができるものであれば、どのような物質からなるものでも構わないが、高屈折率を有する物質からなるものが好ましい。
高屈折率を有する物質としては、特に限定されないが、酸化チタン(チタニア)、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化セリウム、酸化アンチモン、酸化インジウム等の酸化物を用いることができ、屈折率が高く、汎用である酸化チタン(チタニア)が最も好ましい。
【0045】
上記のような結晶化微粒子構成膜を製膜する方法としては、製膜反応液相中での固相析出による方法等が用いられる。
具体的には、本発明者らが先に提案した特開平6−228604号公報、特開平7−90310号公報、国際公開WO96/28269号公報に記載されている有機溶媒中での金属アルコキシドの加水分解による固相析出法(金属アルコキシド法)や、特願平9−298717号に添付の明細書に記載の水溶液中での金属塩からの反応による固相析出法(水系法)等が挙げられる。
この場合、製膜反応液中で、基体粒子の表面に析出物の膜が成長する速度(線成長速度)よりも、反応液中で固相微粒子が析出する速度が速くなるように、反応溶液濃度、添加触媒量、基体粒子分散量を調整する。
上記のようにして、製膜反応液中に析出した固相微粒子を、基体粒子表面に付着させ、固相微粒子で構成された被覆膜を形成する。
【0046】
なお、この時点で膜にとりこまれた固相微粒子は非晶質であり、該固相微粒子間の空隙も未形成であり、光の散乱反射が生じず、また膜の機械的強度も非常に低いものである。そのため、この固相微粒子で構成された被覆膜を焼成する。この焼成により前記非晶質の固相微粒子は結晶化し、該結晶化微粒子間には空隙も形成され、前述の光を散乱反射する結晶化微粒子構成膜となる。
【0047】
該結晶化微粒子構成膜を形成するためには、前述の金属アルコキシド法よりも、水系法の方が線成長速度と固相析出速度の関係を好適なものとするのに簡易であるため好ましい。
また金属アルコキシド法は原料として高価な金属アルコキシドや、反応溶媒として比較的高価で危険性のある有機溶媒を必要とする。このため、製造装置または設備等も防爆仕様にしなければならず、更に、コストパーフォマンスが悪くなる。この点からも金属アルコキシド法に比べ水系法が好ましい。
また、核粒子が金属や酸化物などでも水に対して、不安定な物質の場合には、金属アルコキシド法で第1層目を形成し安定化することにより、第二層目以降を水系法で被覆する併用法が好ましい。
【0048】
なお、前記焼成は前記固相微粒子で構成された被覆膜を形成した後に行ってもよいが、更に該被覆膜の上に、その被覆膜が結晶化微粒子構成膜となった場合その表面の空隙を塞ぐための緻密膜を形成することができる超微粒子で被覆した後に行うことが、得られる赤色粉体の膜強度の点から望ましい。
焼成は300〜1200℃で行うことが好ましい。
【0049】
本発明の赤色色材組成物において、含有される赤色粉体の上記の結晶化微粒子構成膜は2層以上であってもよい。その場合、2層の結晶化微粒子構成膜の間には、低屈折率の光透過性の被覆膜が存在することが好ましい。該低屈折率の光透過性の被覆膜としては特に限定されないが、金属化合物、有機物等からなるものが挙げられる。
【0050】
前記金属化合物としては、金属酸化物や金属硫化物、金属セレン化物、金属テルル化物、金属フッ化物を挙げることができる。より具体的には、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化カドミウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化珪素、酸化アンチモン、酸化ネオジウム、酸化ランタン、酸化ビスマス、酸化セリウム、酸化錫、酸化マグネシウム、酸化リチウム、酸化鉛、硫化カドミウム、硫化亜鉛、硫化アンチモン、セレン化カドミウム、テルル化カドミウム、フッ化カルシウム、フッ化ナトリウム、フッ化アルミニウム3ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム等を好適に使用できる。
【0051】
以下に、前記金属化合物膜の製膜方法について説明する。
製膜方法としては、PVD法、CVD法あるいはスプレードライ法等の気相蒸着法により、基体粒子の表面に直接、蒸着する方法が可能である。
しかしながら、本発明者らが先に提案した前記特開平6−228604号公報、特開平7−90310号公報あるいは国際公開WO96/28269号公報に記載されている金属アルコキシド法や、特願平9−298717号明細書に記載の水系法が好ましい。
この場合、前述の結晶化微粒子構成膜の製膜と異なり、線成長速度は固相析出速度よりも高くして、非晶質の均一膜が形成されるように反応条件を調整する。
【0052】
前記有機物としては、特に限定されるものではないが、好ましくは樹脂である。樹脂の具体例としては、セルロース、酢酸セルロース、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、プロピレン及びこれらの誘導体の重合体または共重合体などが挙げられる。
(1)有機物膜(樹脂膜)を形成する場合、
a.液相中、基体粒子を分散させて乳化重合させることにより、その粒子の上に樹脂膜を形成させる方法(液相中での重合法)や、b.気相中での製膜法(CVD)(PVD)等が採られる。
【0053】
本発明の赤色色材組成物に含有される赤色粉体として、基体粒子上に多層膜を有するものを製造する場合の例を以下に示す。
例えば、前記の基体粒子が高屈折率の物質からなるものであれば、その上に低屈折率の光透過性膜を設け、さらにその上に高屈折率の粒子構成膜、またさらに、その上に低屈折率の光透過性膜と、順次交互に設ける。また、基体粒子が低屈折率のものならば、その上に高屈折率の粒子構成膜、さらにその上に低屈折率の光透過性膜、またさらにその上に、高屈折率の粒子構成膜と、順次設ける。
【0054】
次に、本発明において製膜に使用する具体的原料、特に金属塩について説明する。
高屈折率の膜を製膜するのに使用する原料としては、酸化チタン膜用には、チタンのハロゲン化物、硫酸塩等、酸化ジルコニウム膜用には、ジルコニウムのハロゲン化物、硫酸塩、カルボン酸塩、シュウ酸塩、キレート錯体等、酸化セリウム膜用には、セリウムのハロゲン化物、硫酸塩、カルボン酸塩、シュウ酸塩等、酸化ビスマス膜用には、ビスマスのハロゲン化物、硝酸塩、カルボン酸塩等、酸化インジウム膜用には、インジウムのハロゲン化物、硫酸塩等が好ましい。
また、低屈折率の膜を製膜するのに使用する原料としては、酸化ケイ素膜用には、ケイ酸ソーダ、水ガラス、ケイ素のハロゲン化物、アルキルシリケート等の有機ケイ素化合物とその重合体等、酸化アルミニウム膜用には、アルミニウムのハロゲン化物、硫酸塩、キレート錯体等、酸化マグネシウム膜用には、マグネシウムの硫酸塩、ハロゲン化物等が好ましい。
また、例えば酸化チタン膜の場合には、塩化チタンに硫酸チタンを混合すると、より低温で屈折率の高いルチル型の酸化チタン膜になる等の効果がある。
【0055】
また、被覆の際の反応温度は各金属塩の種類に適した温度に管理して被覆することにより、より完全な酸化物膜を製作することができる。
水系溶媒中での基体の表面への被膜形成反応(固相析出反応)が遅すぎる場合には、反応系を加熱して固相析出反応を促進することもできる。但し、加熱の熱処理が過剰であると、該反応速度が速すぎて、過飽和な固相が膜にならず、水溶液中に析出し、ゲルあるいは微粒子を形成し、膜厚制御が困難になる。
【0056】
被覆膜は製作後、蒸留水を加えながら傾斜洗浄を繰り返して、電解質を除去した後、乾燥・焼成等の熱処理を施し、固相中に含まれた水を除去して、完全に酸化物膜とすることが好ましい。また、製膜後の粉体を回転式チューブ炉などで熱処理することにより、固着を防ぐことができ、分散された粒子を得ることができる。
水酸化物膜あるいは酸化物膜を形成し、それを熱処理するには、各層を被覆する毎に熱処理しても良く、また、目的の多層膜を完成後最後に熱処理しても良い。
熱処理条件は反応系により異なるが、上記の熱処理温度としては200〜1300℃であり、好ましくは400〜1100℃である。200℃以下では塩類や水分が残ってしまう事あり、1300℃を超えて高くなると、膜と基体が反応し別の物質となることがあり、共に不適である。熱処理時間としては0.1〜100時間であり、好ましくは0.5〜50時間である。
【0057】
次に本発明に係る赤色色材組成物を調製する場合の(1)赤色インキあるいは塗料様組成物(流体)および(2)赤色トナー、赤色乾式インキ様組成物(粉体)のそれぞれについて説明する。
(1)本発明において赤色インキあるいは塗料様組成物(流体)の媒質(ビヒクル)としては、カラー印刷用、カラー磁気印刷用、カラー磁気塗料用に用いられる、従来公知のワニスを用いることができ、例えば液状ポリマー、有機溶媒に溶解したポリマーやモノマーなどを粉体の種類やインキの適用方法、用途に応じて適宜に選択して使用することができる。
【0058】
上記液状ポリマーとしては、ポリペンタジエン、ポリブタジエン等のジエン類、ポリエチレングリコール類、ポリアミド類、ポリプロピレン類、ワックス類あるいはこれらの共重合体編成体等を挙げることができる。
有機溶媒に溶解するポリマーとしては、オレフィン系ポリマー類、オリゴエステルアクリレート等のアクリル系樹脂類、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリイソシアネート類、アミノ樹脂類、キシレン樹脂類、ケトン樹脂類、ジエン系樹脂類、ロジン変性フェノール樹脂、ジエン系ゴム類、クロロプレン樹脂類、ワックス類あるいはこれらの変性体や共重合体などを挙げることができる。
有機溶媒に溶解するモノマーとしては、スチレン、エチレン、ブタジエン、プロピレンなどを挙げることができる。
有機溶媒としては、エタノール、イソプロパノール、ノルマルプロパノール等のアルコール類、アセトン等のケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ケロシン、ベンジン炭化水素類、エステル類、エーテル類あるいはこれらの変性体や共重合体などを挙げることができる。
【0059】
(2)赤色トナー、赤色乾式インキ、赤色乾式塗料様組成物(粉体)は、上記赤色色材多層膜被覆粉体を、樹脂とあるいは必要に応じて調色材とを、スクリュー型押出機、ロールミル、ニーダなどで直接混練し、ハンマミル、カッターミルで粗粉砕したあと、ジェットミルなどで微粉砕し、エルボージェットなどで必要な粒度に分級することにより粉体状赤色色材組成物を得ることができる。また、乳化重合法や懸濁重合法などの重合法を用いて、赤色色材多層膜被覆粉体を粉体状赤色色材組成物とすることもできる。
さらに、赤色多層膜被覆粉体と樹脂、調色剤などの添加剤および溶剤をコロイドミルや3本ロールで液状化しインキ塗料などの液状赤色色材組成物とすることもできる。
明度を上げるための調色材としては、赤色顔料(展色材)である、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化珪素、酸化アンチモン、酸化鉛等あるいはこれらの複合酸化物類、また炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の炭酸塩、あるいは硫酸バリウム、硫酸カルシウムのような硫酸塩類、硫酸亜鉛のような硫化物あるいは前記酸化物や炭酸塩および硫酸塩を焼結した複合酸化物、複合含水酸化物類が挙げられる。
彩度、色相を調整するため、特にフルカラー用混色で色再現性を向上するために、調色剤としては、カドミウムレッド、マーキュリー レッドなどの硫化物類顔料などの赤色系無機顔料、
パーマネントレッド、パラレッドなどのアゾ系、ブリリアントファストレッド、ファストスカーレッド等のファスト顔料などのオイルレッド、オイルピンク等のオイル系染料、メタノールレッド、メタノールピンク等のアルコール染料、エオシンレーキ、ローダミンレーキ等のレーキ染料、Cinquasis Red等のキナクリドン系染顔料、などの赤色系有機染料あるいは赤色系有機顔料が挙げられる。しかし本発明の調色剤はこれらのみに限定されるものではない。
さらに、微妙な色調制御においては青色、黄色、赤紫色などの顔料や染料を用いて調色することが必要な場合は、これらの顔料を添加することにより最適の赤色とすることが好ましい。
この粉体状赤色色材組成物の場合、(a)上記粉砕法で製造する場合の樹脂としては、特に限定されるものではないが、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリエステル、メラミン樹脂、ポリウレタン、酢酸ビニル樹脂、ケイ素樹脂、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、スチレン、エチレン、ブタジエン、プロピレン及びこれらの誘導体の重合体または共重合体などが挙げられる。
(b)重合法の場合、エステル、ウレタン、酢酸ビニル、有機ケイ素、アクリル酸、メタアクリル酸、スチレン、エチレン、ブタジエン、プロピレン等のうち1種あるいは複数の混合物から重合を開始させ、重合体あるいはこれらの共重合体などが形成される。
【0060】
本発明の赤色色材組成物は上記のように、(1)赤色インキあるいは塗料様組成物(流体)および(2)赤色トナー、赤色乾式インキ様組成物(粉体)の形をとる。
また、流体状の場合には、赤色インキ、塗料等であり、前記調色材、乾燥の遅い樹脂には固化促進剤、粘度を上げるために増粘剤、粘性を下げるための流動化剤、粒子同志の分散のために分散剤などの成分を含ませることができる。
一方、粉体の場合には、(a)粉砕法で粉体を製造する場合には、前記調色材、乾燥の遅い樹脂には固化促進剤、混練の際の粘性を下げるためには流動化剤、粒子同志の分散のためには分散剤、紙等への定着のための電荷調整剤、ワックスなどの成分を含ませることができる。
(b)重合法を用いる場合には、前記調色材、重合開始剤、重合促進剤、粘度を上げるためには増粘剤、粒子同志の分散のためには分散剤、紙等への定着のための電荷調整剤、ワックスなどの成分を含ませることができる。
本発明の赤色色材組成物中の多層膜被覆粉体は、単一の粉体ないしは分光特性の異なる複数の粉体の組み合せにより、湿式および乾式カラー印刷や湿式および乾式カラー磁気印刷に適用できるほか、3原色の粉体を用いて、可視光、非可視光(紫外域および赤外域)、蛍光発色および磁気、さらに電気(電場の変化)の6種の組合せの識別機能を持ち、印刷物の偽造防止用カラー磁性インキなどセキュリティ機能を必要とする他の用途に適用することができる。
【0061】
前記本発明の赤色色材組成物を赤色インキあるいは塗料様組成物または赤色トナー、赤色乾式インキ様組成物、赤色乾式塗料組成物として、基材に印刷、溶融転写または被塗装体に塗布する場合、赤色色材組成物中の赤色色材多層膜被覆粉体と樹脂の含有量の関係は、体積比で1:0.5〜1:15である。媒質の含有量が少な過ぎると塗布した膜が被塗装体に固着しない。また、多過ぎると顔料の色が薄くなりすぎ良いインキまたは塗料といえない。 また、赤色インキあるいは塗料組成物中の赤色色材および樹脂を合わせた量と溶剤の量との関係は、体積比で1:0.5〜1:10であり、溶剤の量が少な過ぎると塗料の粘度が高く、均一に塗布できない。また、溶剤の量が多過ぎると塗膜の乾燥に時間を要し塗布作業の能率が極端に低下する。
【0062】
また、基材に印刷、溶融転写または被塗装体に塗料を塗布した際の塗膜の色の濃度は、被塗装体の単位面積当たりに載った顔料の量によって決まる。塗料が乾燥した後の被塗装体上の本発明の赤色色材多層膜被覆粉体の量は、均一に塗布した場合の面積密度で1平方メートルあたり0.1〜300gであり、好ましくは0.1〜100gであれば良好な塗装色が得られる。面積密度が前記の値より小さければ被塗装体の地の色が現れ、前記の値より大きくても塗装色の色濃度は変わらないので不経済である。すなわち、ある厚さ以上に顔料を被塗装体上に載せても、塗膜の下側の顔料にまでは光りが届かない。かかる厚さ以上に塗膜を厚くすることは、塗料の隠蔽力を越えた厚さであるので塗装の効果がなく不経済である。ただし、塗膜の磨耗を考慮し、塗膜の厚さが摩り減るため厚塗りする場合はこの限りではない。
【0063】
【実施例】
以下に本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、勿論本発明の範囲は、これらによって限定されるものではない。
〔実施例1〕(磁性体を用いた赤色色材組成物1、水系2層被覆)
(第1層シリカ膜の製膜)
(1)緩衡液の調整
1リットルの水に対し、0.4Mの塩化カリウム試薬と0.4Mのほう酸を溶解し、緩衡溶液1とした。
1リットルの水に対し、0.4Mの水酸化ナトリウムを溶解し、緩衡溶液2とした。
250mlの上記緩衡溶液1と115mlの上記緩衡溶液2とを混合均一化し、緩衡溶液3とした。
(2)ケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス溶液)
ケイ酸ナトリウム試薬を純水で希釈し、SiO2含有量が10wt%になるように濃度調整した。
【0064】
(3)シリカ製膜
基体粒子として15gのマグネタイト粉末(平均粒径2.3μm)を、あらかじめ準備しておいた177mlの緩衡溶液3(pH:約9.0)と純水124mlの混合液に入れ分散液とした。この分散液を入れた容器を、水を張った超音波洗浄機((株)井内盛栄堂製、US−6型)の水槽に入れ、28kHZ、200Wの超音波浴槽中で超音波をかけながら、さらに、マグネタイト粉を緩衡溶液3中で撹拌しながら分散させた。これに、同じくあらかじめ用意しておいた99mlのケイ酸ナトリウム水溶液を40ml/分で添加し、徐々に反応分解させ、表面にシリカ膜を析出させた。
ケイ酸ナトリウム水溶液添加終了後、さらに、2時間反応させ、未反応原料をすべて反応させた。製膜反応終了後、シリカ製膜粉を含むスラリーを十分な水でデカンテーションを繰り返し、洗浄した。
洗浄後、シリカ製膜粉をバットに入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥機で空気中で150℃、8時間乾燥し、シリカ被覆マグネタイト粉A1を得た。
【0065】
(第2層チタニア膜の製膜)
(1)緩衡液の調整
1リットルの脱イオン水に対し、0.3Mの酢酸、0.9Mの酢酸ナトリウムを溶解し、緩衡溶液4とした。
(2)硫酸チタン水溶液
濃度がTiO2で100g/リットルとなるように硫酸チタンを水に添加し、希釈調整し、硫酸チタン水溶液とした。
【0066】
(3)チタニア製膜
4gの上記粉体A1に対し、484mlの緩衡溶液4(pH:約8.4)を用意し、その緩衡溶液4中に粉体A1を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波分散しながら、超音波浴槽中で十分に分散した。その後、液の温度を50〜55℃に保ちながら、あらかじめ用意しておいた硫酸チタン水溶液57mlを1.9ml/分で滴下し、液中で固相微粒子を析出させ液を薄く白濁させた。その後、粉体A1 表面に該固相微粒子を固定させるため、滴下速度を1.5ml/分に下げ、未反応分を徐々に析出させた。すると、液中に析出していた固相微粒子が基体粒子表面に固定され、またさらに、基体粒子表面に固定された固相微粒子よりも粒径が小さい超微粒子により、その表面が覆われた。
【0067】
(4)洗浄乾燥
製膜反応終了後、純水でデカンテーションを繰り返し、未反応分と過剩硫酸および反応により形成された硫酸を除き、固液分離を行い、真空乾燥機で乾燥後、乾燥粉を得た。
得られた乾燥粉を、回転式チューブ炉で、650℃で30分加熱処理(焼成)を行い、表面が平滑なシリカ/チタニア被覆マグネタイト粉A2を得た。
この2層膜被覆粉体A2は黄帯赤色であり、その1kOeでの磁化は31.4emu/gであった。この2層膜被覆粉体A2の最大反射ピークは728nmで、明るい赤色となった。
【0068】
上記被覆膜の被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長、そのピーク波長での反射率、被覆膜の屈折率および膜厚の値を下記の方法で測定した。
1)分光反射曲線は、日本分光製、積分球付分光光度計で粉体試料をガラスホルダーに詰め、その反射光を測定した。測定方法はJISZ8723(1988)により、測定した。
2)屈折率と膜厚は、異なる条件で作製した、膜厚の試料の分光反射曲線測定結果を、干渉の式に基づく機器計算の曲線とのフィッティングにより求め評価した。
【0069】
(5)多層膜被覆粉体の表面疎水化処理
得られたシリカ/チタニアコート粉体A210gを、シリコンエトキシド0.2gを溶解したエタノール溶液200ml中に分散し、容器をオイルバスで加熱して液の温度を55℃に保持した。これにアンモニア水(29%濃度)3gを添加し、3時間撹拌後、濾過し、真空乾燥機で100℃で2時間乾燥し、疎水化処理された赤色多層膜被覆粉体A3を得た。
【0070】
(6)接着樹脂層
(ポリスチレン複合粉体、トナー化)
スチレンモノマー100gにあらかじめ前記の表面処理方法で親油化した赤色色系多層被覆粉体A3100gを分散するまで高速攪拌機で攪拌し、均一化した。
このスチレンモノマーと粒子の混合物を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留水500gに溶解した溶液を70℃に温度を保持し、高速攪拌しながら投入し、十分に乳化粒子を微粒子化するまで攪拌した。
これに10%過硫酸アンモニウム水溶液10gを添加し、4時間攪拌して反応させた。
反応終了後、蒸留水2リットルで希釈し、傾斜洗浄で上液を捨て沈澱物を集める。沈澱物をろ紙上で乾燥し、赤色のポリスチレン被覆粉体Aを得た。得られた赤色の粉Aは球状で、また磁場1kOeでの磁化は15.0emu/gであった。
上記第1〜2層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表1に示す。
【0071】
【表1】

Figure 0003650302
【0072】
〔実施例2〕(磁性体を用いた赤色色材組成物2、水系3層被覆)
(第1層シリカ膜の製膜)
(1)シリカ製膜
基体粒子として、15gの球状マグネタイト粉末(平均粒径2.3μm)を、あらかじめ準備しておいた261mlの前記緩衡溶液3(pH:約9.0)に入れ分散液とした。この分散液を入れた容器を、水を張った超音波洗浄機((株)井内盛栄堂製、US−6型)の水槽に入れ、26kHZ、600Wの超音波浴槽中で超音波をかけながら、さらに、マグネタイト粉を含む緩衡溶液3中で撹拌しながら分散させた。これに、同じくあらかじめ用意しておいた139mlのケイ酸ナトリウム水溶液を40ml/分で添加し、徐々に反応分解させ、表面にシリカ膜を析出させた。
【0073】
ケイ酸ナトリウム水溶液添加終了後、さらに2時間反応させ、未反応原料をすべて反応させた。製膜反応終了後、シリカ製膜粉を含むスラリーを十分な水でデカンテーションを繰り返し、洗浄した。洗浄後、シリカ製膜粉をバットに入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥機で空気中で150℃、8時間乾燥した後、窒素雰囲気中で500℃で30分熱処理(焼成)して、シリカ被覆マグネタイト粉B1を得た。
【0074】
(第2層チタニア膜の製膜)
実施例1と同様に、緩衡溶液4および硫酸チタン水溶液を調製、準備した。
5.5gの上記粉体B1に対し、1313mlの緩衡溶液4(pH:約8.4)を用意し、その緩衡溶液4中に粉体B1を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波分散しながら、超音波浴槽中で十分に分散した。その後、液の温度を50〜55℃に保ちながら、あらかじめ用意しておいた硫酸チタン水溶液を1.8ml/分の一定速度で徐々に滴下した。
滴下初期時には、液中に固相微粒子が析出したが、基体粒子表面に固定され、またさらに、基体粒子表面に固定された固相微粒子よりも粒径の小さい超微粒子によりその表面が覆われた、シリカ/チタニア被覆マグネタイト粉B2を得た。 この2層膜被覆粉体B2は淡赤色であり、最大反射ピークは722nmであり、実施例1で得られた粉体A1と同様であった。
この粉体B2の表面は僅かに凹凸があり、部分的にチタニア粒子の凸部もみられた。
【0075】
(第3層シリカ膜の製膜、シリカ薄膜により前記チタニア膜表面を閉じ込めた場合)
実施例1と同様に、緩衡溶液1、2およびケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス溶液)の調製を行った。
上記粉体シリカ/チタニア被覆マグネタイト粉B215gにシリカ膜の製膜を行った。緩衝溶液量は上記第1層被覆と同様であったが、ケイ酸ナトリウム水溶液の滴下速度は同じにして滴下量を261mlとして製膜を行い、未反応物がなくなるまで、2時間反応させ、前記と同様に洗浄し、洗浄後、回転式チューブ炉で、窒素雰囲気中で500℃で30分加熱処理(焼成)を行い、シリカ/チタニア被覆マグネタイト粉B3を得た。
【0076】
得られた粉体B3は、表面が平滑なシリカ膜2層の間に、チタニア微粒子が結晶化し、光散乱が大きい淡赤色の粉体となった。B3の表面は、凹凸がなくなり、ほぼ平滑で、また穴や割れ、くぼみ等はなかった。
透過電子顕微鏡での観察において、シリカ層2層の間に、チタニア微粒子の結晶化が認められ、粒子間に空隙が存在していたため、粒子と空隙の間で散乱反射が大きくなったものと考えられる。
この3層膜被覆粉体B3の最大反射ピークは723nmであった。
【0077】
(接着樹脂層、ポリスチレン複合粉体)
スチレンモノマー100gにあらかじめ前記の表面処理方法で親油化した赤色色材多層被覆粉体B、100gと同じく親油化した酸化チタン10gを分散するまで高速攪拌機で攪拌し、均一化した。
このスチレンモノマーと粒子の混合物を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留水500gに溶解した溶液を70℃に温度を保持し、高速攪拌しながら投入し、十分に乳化粒子を微粒子化するまで攪拌した。
これに10%過硫酸アンモニウム水溶液10gを添加し、4時間攪拌して反応させた。
反応終了後、蒸留水2リットルで希釈し、傾斜洗浄で上液を捨て沈澱物を集める。沈澱物をろ紙上で乾燥し、赤色のポリスチレン被覆粉体Bを得た。
得られた赤色色材組成物Bの粉体は球状で、磁場1kOeでの磁化は15emu/gであった。
上記第1〜3層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表2に示す。
【0078】
【表2】
Figure 0003650302
【0079】
〔実施例3〕(磁性体を用いた赤色色材組成物3、散乱粒子を表面に付着した場合、水系4層被覆)
(第1層シリカ膜の製膜)
基体粒子として、40gのマグネタイト粉(平均粒径0.7μm)を、実施例1と同様に、あらかじめ準備しておいた3126gの緩衡溶液3(pH:約9.0)と純水260mlの混合液に入れ分散液とし、28kHZ、600Wの超音波浴槽中で超音波をかけながら、さらに、マグネタイト粉を含む緩衡溶液3中で撹拌しながら分散させた。これに、同じくあらかじめ用意しておいた1302mlのケイ酸ナトリウム水溶液を2.67ml/分で徐々に添加し、表面にシリカ膜を析出させた。
ケイ酸ナトリウム水溶液添加終了後、さらに2時間反応させ、未反応原料をすべて反応させた。
製膜反応終了後、シリカ製膜粉を含むスラリーを十分な水でデカンテーションを繰り返し、洗浄した。
洗浄後、シリカ製膜粉をバットに入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥機で空気中で150℃、8時間乾燥し、シリカ被覆マグネタイト粉C1を得た。
【0080】
(第2層チタニア膜の製膜)
40gの上記粉体C1に対し、5210gの緩衡溶液4と純水5210mlを用意し、その混合液中にC1を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波分散しながら、超音波浴槽中で十分に分散した。その後、液の温度を50〜55℃に保ちながら、あらかじめ用意しておいた、2110mlの硫酸チタニル水溶液(TiO2、15w%)を1.25ml/分の一定速度で徐々に滴下し、液を僅かに白濁させながら滴下を終了させた。
滴下終了後、さらに3時間反応を行い、未反応分を徐々に析出させ、その粒子を膜の中に取り込んだ。
製膜反応終了後、十分な純水でデカンテーションを繰り返し、未反応分と過剰硫酸および反応により形成された硫酸を除き、固液分離を行い、真空乾燥機で乾燥後、乾燥粉を得た。
得られた乾燥粉を、回転式チューブ炉で、650℃で30分加熱処理(焼成)を行い、シリカ/チタニア被覆マグネタイト粉C2を得た。
この2層膜被覆粉体C2は帯黄赤色であり、最大反射ピークは607nmであった。
【0081】
(第3層シリカ膜の製膜)
40gのシリカ/チタニア被覆マグネタイト粉C2に対し、1層目と同様に、あらかじめ準備しておいた3751gの緩衡溶液3(pH:約9.0)と純水313mlを入れ、28kHZ、600Wの超音波浴槽中で超音波をかけながら、さらに、マグネタイト粉を含む緩衡溶液3中で撹拌しながら分散させた。これに、同じくあらかじめ用意しておいた1563mlのケイ酸ナトリウム水溶液を2.67ml/分で徐々に添加し、表面にシリカ膜を析出させた。
ケイ酸ナトリウム水溶液添加終了後、さらに2時間反応させ、未反応原料をすべて反応させた。
製膜反応終了後、シリカ製膜粉を含むスラリーを十分な水でデカンテーションを繰り返し、洗浄した。
洗浄後、シリカ製膜粉をバットに入れ、沈降分離し、上液を捨てた後、乾燥機で空気中で150℃、8時間乾燥し、シリカ被覆マグネタイト粉C3を得た。
【0082】
(第4層チタニア膜の製膜)
40gの上記粉体C3に対し、3751mlの緩衡溶液4と313mlの純水を用意し、その混合液中に粉体C3を、上記シリカ製膜時と同様に、超音波分散しながら、超音波浴槽中で十分に分散した。その後、液の温度を50〜55℃に保ちながら、あらかじめ用意しておいた、1563mlの硫酸チタニル水溶液(TiO2、15w%)を1.25ml/分の一定速度で徐々に滴下し、固相微粒子を析出させ液を僅かに白濁させながら滴下を終了させた。
滴下終了後、さらに3時間反応を行い、未反応分を徐々に固相微粒子として析出させ、その微粒子を膜の中に取り込んだ。
製膜反応終了後、十分な純水でデカンテーションを繰り返し、未反応分と過剰硫酸および反応により形成された硫酸を除き、固液分離を行い、真空乾燥機で乾燥後、乾燥粉を得た。
【0083】
得られた乾燥粉を、回転式チューブ炉で、650℃で30分加熱処理(焼成)を行い、シリカ/チタニア被覆マグネタイト粉C4を得た。
この4層膜被覆粉体C4 は淡赤色であり、最大反射ピークは718nmであった。
【0084】
(赤色インキ組成物の調製)
このようにして得られたシリカ/チタニア被覆マグネタイト粉C4、30gを、あらかじめエタノール80gにアクリルポリマー(テクノビット、Kulzer社製)2.5gを溶解した溶液中に分散した後、酸化チタン(シリコン疎水処理品:展色材)20gおよびヒドロキシプロピルセルロース3.2gを加えた混合液を、ジルコニアボールミルで8時間分散処理を行い、赤色色材組成物の塗料分散液CLを得た。
【0085】
(塗布および分光特性)
上記蛍光顔料組成物の分散液CLを、ブレードコーターでアート紙に塗布した。赤色色材組成物の塗布量(乾燥後)は60g/m2とした。
乾燥後、得られた塗布紙Cの色は最大反射ピーク波長718nmで、反射率67%の明るい赤色となった。また、この塗布祇Cの1m2当たりの1kOeでの磁化は720emu/cm2であった。
上記第1〜4層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表3に示す。
【0086】
【表3】
Figure 0003650302
【0087】
〔実施例4〕(磁性体を用いた赤色色材組成物4、金属アルコキシドの加水分解による3層被覆)
(第1層シリカ膜の製膜)
20gのBASF製カーボニル鉄粉(平均粒径1.8μm,10kOeでの磁化は203emu/g)を、あらかじめ158.6gのエタノールに22.8gのシリコンエトキシドを溶解した溶液中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた22.8gのアンモニア水(29%)および30.4gの脱イオン水の混合溶液を添加した。添加後、5時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥した。乾燥後、回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気中で800℃で30分熱処理(焼成)を施し、冷却し、シリカコート鉄粉D1を得た。
【0088】
(第2層チタニア膜の製膜)
セパラブルフラスコ中で、20gの上記シリカコート粉体D1を、あらかじめ198.3gのエタノールに17.9gのチタンイソプロポキシドを加えた液中に分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた30.4gの純水を47.9gのエタノールに混合した溶液を1時間かけて、滴下した。滴下後、5時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥し,シリカ/チタニアコート鉄粉D2を得た。
乾燥後のチタニア層を透過電子顕微鏡を用いて層内の粒子状態を観察したところ、1〜10nmの酸化チタン固相微粒子がみられたが、膜の内部には粒子間の空隙はなく均一に充填されていた。
この酸化チタン膜の平均膜厚は93nmであり、750nmに分光反射曲線のピーク波長を有し、淡赤色であった。
【0089】
(第3層シリカ膜の製膜)
20gのシリカ/チタニアコート鉄粉D2を、あらかじめ156.8gのエタノールに3.0gのシリコンエトキシドを溶解した溶液中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた3.0gのアンモニア水(29%)および 4.0gの脱イオン水の混合溶液を添加した。添加後、1時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥した。乾燥後、更に窒素雰囲気中で500℃で30分熱処理(焼成)を施し、冷却し、シリカ/チタニアコート鉄粉D3を得た。
熱処理後のチタニア層を透過電子顕微鏡を用いて層内の粒子状態を観察したところ、10〜150nmの酸化チタン結晶化微粒子がみられ、それぞれの粒子間には10〜50nm程度の空隙が認められた。
しかし、シリカ層は緻密であり、粒子はなく、また平滑であった。さらに、チタニアとの界面には、空隙が存在していた。
【0090】
この粉体D3の最大反射ピーク波長は770nmで、磁場1kOeでの磁化は129emu/gであり、淡い赤色となった。
この実施例4から、熱処理(焼成)の有無によりチタニア粒子の結晶粒子化と、粒子化に伴う粒子間およびシリカ膜との間の空隙が見られ、これらの粒子化にともなう散乱反射効果により、赤色化が達成されたと考えられる。
また、この実施例4の赤色色材粉体は最終被覆層に緻密な膜を形成することが特徴の一つである。これまでの最終層のように高屈折率膜という限定でなく、干渉、散乱に影響のない緻密な膜で空隙を被覆する。従来技術では、得られた粉体をトナーや塗料等の顔料として用いる際に、空隙に樹脂やビヒクルが入り込み、干渉あるいは散乱粒子との屈折率の差が小さくなり、フレネル反射率が低下することがあった。しかし、最終層を干渉、散乱に影響のない緻密な膜として、粒子構成膜の空隙を被覆することにより、上記散乱反射の低下を防ぐことができる。
【0091】
(接着樹脂層、ポリスチレン複合粉体)
スチレンモノマー100gに赤色色材多層被覆粉体(シリカ/チタニアコート鉄粉D3)100gと前記親油化した酸化チタン10gを分散するまで高速攪拌機で攪拌し、均一化した。
このスチレンモノマーと粒子の混合物を、n−ドデシル硫酸ナトリウムを蒸留水500gに溶解した溶液を70℃に温度を保持し、高速攪拌しながら投入し、十分に乳化粒子を微粒子化するまで攪拌した。
これに10%過硫酸アンモニウム水溶液10gを添加し、4時間攪拌して反応させた。
反応終了後、蒸留水2リットルで希釈し、傾斜洗浄で上液を捨て沈澱物を集める。沈澱物をろ紙上で乾燥し、赤色のポリスチレン被覆粉体Dを得た。
得られた赤色色材組成物Dの粉体は球状で、磁場1kOeでの磁化は18.5emu/gであり、磁場10kOeでの磁化は61.5emu/gであった。
上記第1〜3層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表4に示す。
【0092】
【表4】
Figure 0003650302
【0093】
〔実施例5〕(磁性体を用いた赤色色材組成物5、金属アルコキシドの加水分解による5層被覆)
(第1層シリカ膜の製膜)
20gのBASF製カーボニル鉄粉(平均粒径1.8μm,10kOeでの磁化は203emu/g)を、あらかじめ158.6gのエタノールに16.1gのシリコンエトキシドを溶解した溶液中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた16.1gのアンモニア水(29%)および16.1gの脱イオン水の混合溶液を添加した。添加後、5時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥した。乾燥後、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気中で600℃で30分熱処理(焼成)を施し、冷却し、シリカコート鉄粉E1を得た。
【0094】
(第2層チタニア膜の製膜)
セパラブルフラスコ中で、20gの上記シリカコート粉体E1を、あらかじめ198.3gのエタノールに17.9gのチタンイソプロポキシドを加えた液中に分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた31.0gの純水を47.9gのエタノールに混合した溶液を1時間かけて、滴下した。滴下後、3時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で100℃、8時間乾燥し、シリカ/チタニアコート鉄粉E2を得た。
この酸化チタン膜の平均膜厚は96nmであり、760nmに分光反射曲線のピーク波長を有し、帯黄赤色であった。
【0095】
(第3層シリカ膜の製膜)
20gのシリカ/チタニアコート鉄粉E2を、あらかじめ158.6gのエタノールに29.7gのシリコンエトキシドを溶解した溶液中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた29.7gのアンモニア水(29%)および39.6gの脱イオン水の混合溶液を添加した。添加後、5時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥した。乾燥後、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気中で500℃で30分熱処理(焼成)を施し、冷却し、シリカ/チタニアコート鉄粉E3を得た。
【0096】
(第4層チタニア膜の製膜)
セパラブルフラスコ中で、20gの上記シリカコート粉体E3を、あらかじめ198.3gのエタノールに23.2gのチタンイソプロポキシドを加えた液中に分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた39.6gの純水を60.0gのエタノールに混合した溶液を1時間かけて、滴下した。滴下後、4時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で100℃、8時間乾燥し、シリカ/チタニアコート鉄粉E4を得た。
【0097】
(第5層シリカ膜の製膜)
20gのシリカ/チタニアコート鉄粉E4を、あらかじめ158.6gのエタノールに2.5gのシリコンエトキシドを溶解した溶液中で分散した後、攪拌しながら、あらかじめ用意しておいた2.5gのアンモニア水(29%)および3.0gの脱イオン水の混合溶液を添加した。添加後、5時間、常温で反応させた。反応後、十分なエタノールで希釈洗浄し、濾過し、真空乾燥機で110℃、3時間乾燥した。乾燥後、さらに回転式チューブ炉を用いて、窒素雰囲気中で600℃で30分熱処理(熱処理)を施し、冷却し、シリカ/チタニアコート鉄粉E5を得た。
この鉄粉E5は760nmに分光反射曲線のピーク波長を有し、淡赤色であった。磁場10kOeでの磁化は82emu/gであった。
【0098】
(赤色インキ組成物の調製)
このようにして得られたシリカ/チタニアコート鉄粉E5、30gを、あらかじめエタノール80gにアクリルポリマー(テクノビット、Kulzer社製)2.5gを溶解した溶液中に分散した後、酸化チタン(シリコン疎水処理品:展色材)20gおよびヒドロキシプロピルセルロース3.2gを加えた混合液を、ジルコニアボールミルで8時間分散処理を行い、赤色色材組成物の塗料分散液ELを得た。
【0099】
(塗布および分光特性)
上記蛍光顔料組成物の分散液ELを、ブレードコーターでアート紙に塗布した。赤色色材組成物の塗布量(乾燥後)は60g/m2とした。
乾燥後、得られた塗布紙Eの色はピーク波長で755nmであり、明るい赤色となった。
また、この塗布祇Eの磁場1kOeでの磁化は1480emu/m2であり、磁場10kOeでの磁化は4920emu/m2であった。
上記第1〜5層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表5に示す。
【0100】
【表5】
Figure 0003650302
【0101】
〔実施例6〕(乾式被膜磁性体を用いた赤色色材組成物6、水系3層被覆)
(第1層チタニア膜の製膜)
平均粒径1.8ミクロンの鉄粉1kgと平均粒径0.2ミクロンの酸化チタン粒子1.5kgをホソカワミクロン製メカノフュージョン装置を用いて5分間、3回乾式混 合粉砕し、膜が形成されたのを確認し、明度が向上した酸化チタン被覆鉄粉をF1を得た。
【0102】
(第2層シリカ膜の製膜)
予め用意した実施例1と同様の緩衝溶液3,214mlに対し、同じく予め用意した純水、181mlを混合し、F1、10gを添加し十分に混合した後、SiO2の混合率10wt%の水ガラス溶液 145mlを撹拌しながら徐々に3時間かけて滴下撹拌した後、1時間反応を継続させた。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、シリカ/チタニア膜被覆鉄粉F2を得た。
【0103】
(第3層チタニア膜の製膜)
さらにシリカ/チタニア膜被覆鉄粉F2、4gに対し、緩衝液4,484 mlを加え十分に分散させた後、硫酸チタニルのTiO215%水溶液、38 mlを4時間かけて滴下し、滴下後、1時間反応させ、未反応原料を無くした。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥機で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、シリカ/チタニア膜 被覆鉄粉F3を得た。
この粉体のピークは728nmで反射率は44%であり、濃い赤色であった。またこの粉体の磁場1kOeの磁化は31.4emu/gで、10kOeの磁化は984emu/gであった。
【0104】
(トナー化)
スチレンモノマー100gキシレン30mlに0.3gのオイルレッドを溶解した液を混合した後、予め得られたF3粉を親油化したもの100gと、酸化チタン10gを加え均一に混合した。
次に、このスチレンモノマーと粒子の混合物を、ドデシル硫酸ナトリウム3gを溶解した水溶液に投入した後、ホモジナイザーで10,000rpmで撹拌し、さらに、5,000rpmで撹拌しながら70℃に温度を保持した後、10%過硫酸アンモニウム水溶液10gを添加し、3.5時間反応させた。
その後、固形分を濾過し、温水で3回繰り返し洗浄を行い、赤色のポリスチレン被覆粉体FPを得た。この粉体の1kOeでの磁場磁化は18.64emu/gであり、10kOeでの磁化は46.74emu/gとなった。
上記第1〜3層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表6に示す。
【0105】
【表6】
Figure 0003650302
【0106】
〔実施例7〕(板磁性体を用いた青色色材組成物7、金属アルコキシド加水分解および水系による3層被覆)(インキ)
(第1層シリカ膜の製膜)
平均粒径2.8ミクロンの板状Ba系フェライト10gに対し、エタノール79.5gを加え十 分に分散した後、シリコンエトキシド11.4gを添加し混合し、さらに、水11.2g、アンモニア水15.2gを添加して、常温で撹拌しながら、3時間反応させた。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、シリカ膜被覆Ba系フェライト粒子G1を得た。
【0107】
(第2層チタン膜被覆着色)
シリカ膜被覆Ba系フェライト粒子G1、10gをエタノール159gに十分分散した後チタンイソプロポキシド8.9gを添加し、十分に混合した後、さらに予め用意しておいた水15.2g、エタノール30gの混合溶液を滴下し5時間反応させた。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で650℃で30分熱処理し、シリカ/チタニア膜被覆Ba系フェライト粒子G2を得た。
この粉体のピークは780nmで反射率は42%であり、濃い赤色であった。またこの粉体の10kOeの磁化は13.6emu/gであり、残留磁化は8.6emu/gであった。
【0108】
(第3層散乱膜被覆)
予め用意したG2粉10gに対し、同じく予め用意した緩衝溶液4を875 ml混合し、これに平均粒径0.2ミクロンの酸化チタン(ルチル型)粉体粒子5gを添加し十分に混合した後、10wt%の水ガラス溶液274ml撹拌しながら1時間撹拌した。デカンテーションを20回繰り返し十分に洗浄したあと、乾燥機で120℃で8時間乾燥した。乾燥後の粉体を回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、シリカ膜/チタニア散乱膜被覆Ba系フェライト粒子G3を得た。
この粉体のピークは780nmで反射率は67%、淡い青色であった。
またこの粉体の10kOeの磁化は10.0emu/gであり、残留磁化は6.6emu/gであった。
上記第1〜3層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表7に示す。
【0109】
【表7】
Figure 0003650302
【0110】
(インキ化)
上記G3粉30gに対し、あらかじめアクリル樹脂1.5gとヒドロキシプロピルセルロース2.3gを、エタノール溶液80gに分散し、撹拌しながらアルコールを蒸発させ粘度を上昇させた液体GLを得た。
このGLを理想科学製小形印刷機PG10で、熱転写用プラスチック製フィルムに縞模様を形成した。
【0111】
(塗布物)
乾燥後磁気ヘッドを具備した検出装置で、このフィルム上を走査したところ、本磁気粉体Gの印刷された部分では磁気反応が検出されたが、空白部分では磁気反応は出なかった。また塗布物は上方から見ると赤色であったが、角度30度の斜めから見た場合は、黄色に見え多色性がみられた。
【0112】
〔実施例8〕(板状鉱物を用いた赤色色材組成物8、金属アルコキシド加水分解による3層被覆)(塗膜)
(第1層被覆着色)
平均粒径12ミクロンの板状白雲母粉20gをエタノール160gに十分分散した後チタンイソプロポキシドを9g添加し、十分に混合した後、さらに予め用意しておいた水15.5g、エタノール30gの混合溶液を滴下し5時間反応させた。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、チタニア膜被覆板状白雲母粉H1を得た。
この粉体のピークは785nmで反射率は42%であり、濃い赤色であった。
【0113】
(第2層被覆)
チタニア被覆板状白雲母粉H1、20gをエタノール80gに十分に分散した後、シリコンエトキシド15.1gを添加し混合し、さらに、水19.9g、アンモニア水15.1gを添加して、常温で撹拌しながら、3時間反応させた。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、シリカ/チタニア被覆板状白雲母粉H2を得た。
【0114】
(第3層着色膜被覆)
シリカ/チタニア被覆板状白雲母粉H2、20gをエタノール160gに十分分散した後チタンイソプロポキシド15.1gを添加し、十分に混合した後、さらに予め用意しておいた水15.1g、エタノール30gの混合溶液を滴下し5時間反応させた。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、シリカ/チタニア膜被覆板状白雲母粉H3を得た。
この粉体のピークは785nmで反射率は65%、淡い赤色であった。
上記第1〜3層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表8に示す。
【0115】
【表8】
Figure 0003650302
【0116】
(塗布)
上記粉H3、15gを撹拌、分散しながらアクリル樹脂2.2gを溶解したエタノール溶液(エタノール50g)を入れ溶解した。
溶媒の一部が分散し粘度が上昇したところで、分散液を平板ガラス板に伸ばしさらにゴムローラーに均一に付着させた後、A4版の熱転写用フィルムに、粘性流体HLを塗布し1日放置し乾燥した。
得られた粉体塗布フィルムは垂直に見ると淡赤色の帯がみられ、さらに、板を太陽に向け傾けて見る角度変えると、太陽を背にした場合(ほぼ垂直光)では淡い赤色であったが、太陽と板の角度(入射角)が板から40度になるように見た場合その色は黄色を帯び、多色性が認められた。
この性質は多色性表示媒体、化粧品や装飾品あるいはフリップフロップ法に用いることができる。
【0117】
〔実施例9〕(板状導電体を用いた赤色色材組成物9、金属アルコキシド加水分解による3層被覆)(塗料)
(第1層被覆着色)
平均粒径12ミクロンの板状アルミニウム粉18gをエタノール160gに十分分散した後チタンイソプロポキシド9.0gを添加し、十分に混合した後、さらに予め用意しておいた水15.5g、エタノール160gの混合溶液を滴下し5時間反応させた。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、チタニア膜被覆板状アルミニウム粉I1を得た。
この粉体のピークは780nmで反射率は42%であり、濃い赤色であった。
【0118】
(第2層被覆)
チタニア被覆板状アルミニウム粉I1、18gをエタノール15.1gに十分に分散した後、シリコンエトキシド8.1gを添加し混合し、さらに、水19.9g、アンモニア水15.1gを添加して、常温で撹拌しながら、3時間反応させた。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、シリカ/チタニア被覆板状アルミニウム粉I2を得た。
【0119】
(第3層着色膜被覆)
シリカ/チタニア被覆板状アルミニウム粉I2、18gをエタノール160gに十分分散した後チタンイソプロポキシド11.8gを添加し、十分に混合した後、さらに予め用意しておいた水20.1g、エタノール160gの混合溶液を滴下し 5時間反応させた。反応後デカンテーションにより固液分離し、粉体を真空乾燥後で8時間乾燥後、回転式チューブ炉を用い、窒素雰囲気で500℃で30分熱処理し、チタニア/シリカ膜被覆板状アルミニウム粉I3を得た。
この粉体のピークは785nmで反射率は68%、淡い赤色であった。
上記第1〜3層の各屈折率、膜厚、被覆粉体の分光反射曲線のピーク波長およびそのピーク波長での反射率を表9に示す。
【0120】
【表9】
Figure 0003650302
【0121】
(塗布)
長辺80mm,単辺57mm,厚さ1.5mm白色塩化ビニル板に両面粘着テープを幅3mm、長さ57mmの帯状にしたものを7本用意し、板状の単辺に平行に中心に1枚貼った後、中心の帯状テープから3mm間隔で平行に貼り付けた。その後、I3をこのテープが貼られた板に均一になるよう降りかけた。さらにこの白色塩化ビニル板を水平においた一辺10cm、厚さ1cmの鉄板の上に置き、さらに同じ板を上に置き2枚で挟みこみ、板の中心に1kgの分銅を載せ1時間放置した。
1時間後、板を取り去り、さらに付着しなかった粉を筆で払い落とした。
得られた板は垂直に見ると淡赤色の帯がみられ、実施例8と同様に多色性が認められた。
【0122】
(物性)
ホイートストンブリッジと電源および電流計を具備したサーチコイルを、この板の単辺に垂直に走査した結果、塗布部分では電流計に変化があったが、無い部分では変化が見られなかった。電場による検出も可能である。
この性質は多色性表示媒体、化粧品や装飾品あるいはフリップフロップ法に用いることができる。
【0123】
表1〜9から明らかなように、本発明の各実施例の赤色色材組成物は、それぞれ満足すべき結果を得た。また、チタニア粒子の結晶粒子化による空隙を有するチタニア被覆層は1層(第2層)よりも2層(第2層および第4層)に有することにより、高度の赤色化が達成された。
【0124】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の赤色色材組成物は、含有される赤色粉体の製造における製膜反応の際に、水を溶媒として用いることにより、アルコキシド法に比べ安価な製造コストで製膜できるという効果が得られる。
また、基体粒子の表面に有する被覆膜の少なくとも1層を、結晶化微粒子と該結晶化微粒子相互間に空隙を有する結晶化微粒子の集合体とからなる膜(以下、単に結晶化微粒子構成膜ともいう)とすることにより、結晶化粒子表面と空隙との屈折率差を大きくして、光の散乱反射を起こし、反射効果を高め、優れた明度を有する赤色色調の機能性粉体を含有する赤色色材組成物を提供することが可能となった。
【0125】
上記のようにして得られた本発明の赤色色材組成物は、含有される赤色粉体の基体として磁性体を活用すると、基体粒子の特性(例えば、磁気特性)を高レベルに保持した機能性粉体、例えば、1成分系現像方式でも優れた複合した機能を果たし得る赤色磁性トナーや、優れた磁気特性を発揮することができる。また、多色性や反射あるいは透過色を利用して意匠性に富んだ装飾品、陶器、磁器、ガラス器、絵画などの工芸品・美術品用、書籍、自動車・自転車などの塗料赤色多機能性インキ、トナー、塗料、化粧品ができ、さらに触媒作用を持つ酸化チタン膜等により耐候性にすぐれ大気・水などの環境浄化性のある塗料ができ、かつ基体の特性と膜の特性を兼ね備えた赤色多機能性インキ、トナーおよび塗料等に適用できる。特に前記機能が磁気、電場、色、粒子形状、蛍光発光、蓄光発光、特定紫外線域反射吸収並びに特定赤外線反射吸収の機能のいずれか2種以上を組み合わせることにより偽造防止用顔料組成物として印刷インキ、トナーとして支持媒体上に所望の画像を形成し、目視による判別、機器による判別することができる赤色色材組成物およびその効率的製造方法を提供することが可能となった。
これらの優れた機能を有すると共に、含有される赤色粉体の基体として導電体または誘電体を活用すると、電場、の外部要因により反応することにより移動力、回転、運動、発熱などの付加的な作用を発する機能を保持した赤色色材組成物およびその効率的製造方法を提供することが可能であり、産業界に寄与するところ大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤色色材組成物に含有される赤色粉体の一例の断面図である。
【図2】図1の赤色色材組成物に含有される赤色粉体が有する結晶化微粒子構成膜2の断面拡大図である。
【符号の説明】
1 基体粒子
2 結晶化微粒子構成膜
3 結晶化微粒子
4 超微粒子[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a red color material composition and a method for producing the same, and more specifically, it can be produced by an inexpensive and safe method without using an expensive raw material or a dangerous organic solvent.・ Paper filler, toner, ink for ink jet printer, anti-counterfeit ink / toner, general paint, automotive powder pigment / paint, electrostatic paint, cosmetics, hair decoration, pigment composition, crafts / ceramics Pigment compositions and paints for fine arts, etc., pigment compositions for polychromatic paints, pigment compositions for fiber coloring (supported), paints for toys, paints and fillers for decorative paper / decorative boards, paints for plastics and metals And red color material compositions used for various purposes such as fillers, pigment compositions for displays, paints for display media, paints for magnetic recording media, pigment compositions for catalyst paints and heat-resistant paints, etc. A method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
In recent years, colorization of images to be handled has become common in the technical fields of electrophotography and printing, and various studies have been conducted on techniques relating to colorization.
In particular, toner in electrophotography and printing ink in printing are typical examples.
Such toner, printing ink, and the like may be collectively referred to as a color material composition.
In order to obtain a color image, among the above-described color material compositions, particularly red ones may be important. Red is one of the three primary colors of light and is an important pigment that gives people psychological warmth, vitality, passion and attention. Obtaining a color material composition having such a red color tone and a specific function is highly significant in industry.
For example, in a one-component development method in which the toner itself by electrophotography has magnetism, black magnetic toner is used in conventional monochrome copying and printing. Also in the field of printing, in order to give a printed image a magnetic identification function, a magnetic powder may be included to obtain a black magnetic ink.
However, in copying and printing a color image, it is necessary to use a magnetic toner or a magnetic ink that is colored in red or a bright primary color other than black and retains magnetic characteristics. In order to obtain a clear color image with this one-component color magnetic toner or color magnetic ink, it is necessary to color the color material composition itself such as magnetic toner or ink in vivid colors. Since the body particles are generally black, even if a pigment or dye is added directly to the color material composition or a colored layer is provided directly on the surface of the magnetic material particles, the color material composition has a dark tone as a whole. There is a problem.
[0003]
On the other hand, the present inventors previously formed a metal film on the substrate particles, and whitened the powder by the reflection effect of the film (Japanese Patent Laid-Open Nos. 3-271376 and 3). 274278), a method of producing a uniform metal oxide film having a thickness of 0.01 to 20 μm on the surface of the substrate particles by dispersing the substrate particles in a metal alkoxide solution and hydrolyzing the metal alkoxide (special feature). Kaihei 6-228604), providing a functional powder by alternately providing a plurality of thin films made of metal oxide and thin films made of metal on the surface (Japanese Patent Laid-Open No. 7-90310), metal oxide It has been proposed to produce a powder having a denser and more stable metal oxide multilayer film by heat-treating the powder formed by multilayer coating with the film (International Publication WO96 / 28269).
[0004]
In particular, the metal oxide film or the powder provided with a plurality of layers of the metal film mentioned above can be given a special function by adjusting the film thickness of each layer, for example, the surface of the base particle In addition, when coating films having different refractive indexes are provided in thicknesses corresponding to a quarter wavelength of incident light, powder that reflects all incident light can be obtained. When this is applied to a magnetic substance as a base particle, a white toner powder can be produced by reflecting light, and each unit constituting the light-interfering multilayer film on the surface of the powder. If the film thickness is set so that the coating layer has a specific interference reflection peak of the same wavelength, it is suggested that a monochromatic powder can be obtained without using a dye or a pigment.
In the methods described in JP-A-6-228604, JP-A-7-90310, and International Publication WO96 / 28269, the lightness increases as the number of films and the film thickness increase, so that the reflectance increases. The characteristic becomes remarkable. However, as the number of films and film thickness increase, the characteristics of the substrate particles decrease. For example, when magnetic powder is used as the base particles, the magnetic properties become inferior as the number of films and the film thickness increase. In other words, the colored powder obtained by the above method needs to reduce the number of films and the film thickness in order to take advantage of the characteristics of the base particles. There was also a fear that it could not be obtained.
[0005]
Based on the above technique, the present inventors develop a technique for obtaining a coloring material composition having a specific target color tone, and in particular, develop a color of a film coating powder exhibiting a bright red color. Tried to establish a range of conditions for.
As a result of studying from such a viewpoint, the present inventors have found that a plurality of coating films in which a film having a large refractive index and a film having a small refractive index are laminated next to each other on the surface of the base particle are formed on the outside of the film layer. By setting the conditions of the substrate particles and the coating film so as to show a reflection spectrum having a peak between 600 and 800 nm, the color tone of the red system is changed. It has been found that a color toner can be obtained which has a composite function even with a one-component development system (Japanese Patent Laid-Open No. 11-24319).
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the red toner described in JP-A-11-24319 is one in which the coating layer on the surface of the base particles is formed by a hydrolysis reaction of a metal alkoxide. In the method for forming a film by hydrolysis of metal alkoxide, an organic material having high flammability must be used as a solvent, and expensive metal alkoxide must be used as a raw material. In order to use a highly flammable organic solvent, the production facility is made an explosion-proof facility, and the temperature and humidity are strictly controlled, and the price of the product manufactured using it is naturally expensive.
Further, the red toner described in JP-A-11-24319 does not have sufficient lightness and has a dark color tone.
[0007]
Therefore, the object of the present invention is to overcome the above-mentioned drawbacks of the prior art, without using a method based on hydrolysis of metal alkoxides, without using expensive metal alkoxides or highly flammable organic solvents, and to prevent explosions in manufacturing facilities. Provided is a highly functional red color material composition containing a red powder and a method for producing the same, which does not require equipment, can be easily controlled in temperature and humidity, and can be obtained at a low price overall. There is.
A further object of the present invention is a red color material composition which can be used as a toner, ink or paint having a high lightness and a stable color tone, and which retains the properties (for example, magnetic properties) of the substrate particles at a high level. In order to take advantage of the characteristics of the base particles, a red color material composition based on a red powder having a coating film capable of obtaining sufficient brightness even with a relatively small number of films and film thickness, and The manufacturing method is intended to be provided.
Still another object of the present invention is a red magnetic toner that can perform an excellent combined function even in a one-component development system, and a red magnetic printing ink that can exhibit excellent magnetic properties and has excellent weather resistance. Another object of the present invention is to provide a red color material composition that can be applied to a red paint and the like and an efficient production method thereof.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In view of the present situation, the present inventors have conducted intensive studies, and as a result, when producing a multilayer coating powder, at least one layer of the coating film on the surface of the substrate particles is caused by a reaction of a metal salt in an aqueous solvent. Forming and combining the films, the thickness of each film, the method of controlling them and the reaction conditions (pH, dispersion conditions, etc.) Limited to range. In addition, at least one layer of the coating film is a coating film having voids made of crystallized fine particles, thereby improving brightness by scattering reflection, thereby obtaining a bright red powder. The inventors have found that the object can be achieved and have reached the present invention.
[0009]
  That is, the red color material composition of the present invention and the production method thereof are as follows.
(1) By the reaction of metal salt in the aqueous solvent on the surface of the substrate particlesIt was formed by forming solid phase microparticles in the reaction solution and incorporating the formed solid phase microparticles, and was configured as an aggregate of crystallized microparticles having voidsA red color material composition comprising a red powder having a reflection spectrum having at least one coating film and having a peak between 600 and 800 nm.
(2) The coating film formed by the reaction of the metal salt in the aqueous solvent of the red powder satisfies the following formula:(1)The red color material composition as described.
  Nd = mλ / 4
[Where N = n + iκ (i represents a complex number)
n: Refractive index of the material constituting the film
d: Film thickness
m: natural number
λ: wavelength of the peak of the reflection spectrum of the powder (where λ is 600 to 800 nm)
(κ: damping coefficient)
(3) The red color material composition as described in (1) above, wherein the coating film on the surface of the base particles of the red powder is a multilayer film.
(4) The red color material composition as described in (3) above, wherein each film of the red powder multilayer film is formed by reaction of a metal salt in an aqueous solvent.
(5) The red color material composition as described in (3) above, wherein each film of the red powder multilayer film satisfies the following formula.
  Nd = mλ / 4
[Where N = n + iκ (i represents a complex number)
n: Refractive index of the material constituting the film
d: Film thickness
m: natural number
λ: wavelength of the peak of the reflection spectrum of the powder (where λ is 600 to 800 nm)
(κ: damping coefficient)
[0010]
(6)The coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids is capable of imparting lightness by scattering and reflecting light generated between the surface of the crystallized fine particles and the voids. The red color material composition according to (1) above.
(7)The above-mentioned coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids has a dense coating film composed of ultrafine particles capable of closing the voids on the surface ( 1) The red color material composition as described.
(8)The red color material composition as described in (1) above, wherein the coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids is a high refractive index film.
(9)The red color material composition as described in (7) above, wherein the dense film is a silica film.
[0011]
(10) The red color material composition as described in (1) above, which is formed by firing solid phase fine particles in the coating film and then firing.
(11)The red color material composition as described in (1) above, wherein the reaction solution is an aqueous solution.
(12)Before the firing, the coating film into which the solid phase fine particles have been incorporated is coated with ultrafine particles that can form a dense film that closes the voids on the surface of the coating film. The red color material composition according to (10).
(13)The red color material composition according to any one of (1) to (12), wherein the red powder is dispersed in a dispersion medium containing at least a binding resin.
(14)The red color material composition according to any one of (1) to (13), wherein an adhesive resin layer is provided on the red powder.
(15)The red color material composition as described in (14) above, wherein the adhesive resin layer contains an extender pigment.
[0012]
(16) In the method for producing a red color material composition containing red powder, the surface of the base particle in an aqueous solvent is used so that the red powder exhibits a reflection spectrum having a peak between 600 and 800 nm. Formed by forming solid phase microparticles in the reaction solution by reaction of metal salt and incorporating the formed solid phase microparticles, forming at least one coating film as an aggregate of crystallized microparticles having voids A method for producing a red color material composition.
(17) The method for producing a red color material composition as described in (16) above, wherein the coating film formed by the reaction of a metal salt in an aqueous solvent is formed so as to satisfy the following formula: .
  Nd = mλ / 4
[Where N = n + iκ (i represents a complex number)
n: Refractive index of the material constituting the film
d: Film thickness
m: natural number
λ: wavelength of the peak of the reflection spectrum of the powder (where λ is 600 to 800 nm)
(κ: damping coefficient)
(18) The method for producing a red color material composition as described in (16) above, wherein the coating film formed on the surface of the substrate particles is a multilayer film.
(19)The method for producing a red color material composition as described in (18) above, wherein each film of the multilayer film is formed by reaction of a metal salt in an aqueous solvent.
(20)The method for producing a red color material composition according to (18), wherein all the films of the multilayer film are formed so as to satisfy the condition of the following formula.
  Nd = mλ / 4
[Where N = n + iκ (i represents a complex number)
n: Refractive index of the material constituting the film
d: Film thickness
m: natural number
λ: wavelength of the peak of the reflection spectrum of the powder (where λ is 600 to 800 nm)
(κ: damping coefficient)
[0013]
(21) The coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids is formed so that brightness can be imparted by light scattering and reflection generated between the surface of the crystallized fine particles and the voids. The manufacturing method of the red color material composition as described in said (16).
(22) The above-mentioned (16), characterized in that a dense film is formed on the surface of the coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids, with ultrafine particles capable of closing the voids on the surface. The manufacturing method of the red color material composition of description.
(23) The method for producing a red color material composition as described in (16) above, wherein the coating film constituting the aggregate of crystallized fine particles having voids is a high refractive index film.
(24)The method for producing a red color material composition according to (22), wherein the dense film is a silica film.
(25)The method for producing a red color material composition as described in (16) above, wherein the solid phase fine particles are formed by firing after being taken into the coating film.
[0014]
(26) The method for producing a red color material composition according to (25), wherein the reaction solution is an aqueous solution.
(27) Before performing the firing, the coating film into which the solid phase fine particles have been incorporated is coated with ultrafine particles capable of forming a dense film that closes the voids on the surface of the coating film. The method for producing a red color material composition as described in (25) above.
(28) The method for producing a red color material composition according to any one of (16) to (27), wherein the red powder is dispersed in a dispersion medium containing at least a binding resin.
(29) The method for producing a red color material composition according to any one of (16) to (28), wherein an adhesive resin layer is provided on the red powder.
(30) The method for producing a red color material composition as described in (29) above, wherein the adhesive resin layer contains an extender pigment.
[0015]
The red powder in the red color material composition of the present invention is a film having a uniform thickness on the surface of the substrate particles, by suppressing the precipitation of a solid phase that does not become a film by the following operations and actions during the film-forming reaction. Is estimated to be formed with a desired thickness. (1) By using a buffer solution as a reaction solvent and adjusting to a certain pH, the influence of acid or alkali is mitigated, and erosion of the substrate surface is prevented; and (2) substrate particles are obtained by ultrasonic dispersion. In particular, it not only improves the dispersibility of magnetic materials such as magnetite powder, but also improves the diffusibility of the coating components, and further prevents the adhesion of the coatings, and the dispersibility of the coated magnetic particles. (3) The coating components are deposited at an appropriate reaction rate, and the solid phase that does not become a coating is prevented from being deposited.
Due to the above comprehensive action, the charge on the surface of the film-coated powder can be kept constant, and the action of the electric double layer prevents the film-coated powder from agglomerating and obtains dispersed particles. In order to make use of the function of the electric double layer, the pH differs depending on the combination of the substance of the substrate and the kind of metal compound formed in the liquid by the film-forming reaction, and it is preferable to avoid the isoelectric point of both.
Further, at least one layer of the coating film on the surface of the base particle is formed of a film made of an aggregate of crystallized fine particles and crystallized fine particles having voids between the crystallized fine particles (hereinafter, simply referred to as a crystallized fine particle constituting film). By increasing the refractive index difference between the surface of the crystallized fine particles and the voids, the light scattering effect is increased, the reflection effect is enhanced, and a functional powder of red tone having excellent brightness is provided. It became possible.
[0016]
According to the present invention, the film having a film thickness that allows preferable film thickness control without aggregation or adhesion of film-coated powders even when a magnetic material is used as a substrate, even though a water-soluble raw material is used. Making it possible to easily produce coated powders
did it. In addition, it is possible to provide a functional powder that maintains the characteristics (for example, magnetic characteristics) of the base particles at a high level.
Furthermore, by using water as a solvent, it is possible to obtain an effect that a film can be formed at a lower production cost than the alkoxide method.
[0017]
The red color material composition of the present invention obtained as described above is useful as a red composite powder used as a raw material for pigments, powder metallurgy, ceramic raw materials, electronics industry, etc. In addition, it can maintain excellent performance in place of conventional pigments used in plastic and paper fillers, and can have a stable color tone even in long-term storage.
Utilizing heat resistance, it can be used for painting, design and decoration as a pigment composition for coloring ceramics, porcelain, glassware, crafts, arts and decorations.
Furthermore, it is used for decorations, ceramics, porcelain, glassware, arts and crafts such as paintings, books, cars, bicycles, etc. Ink, toner, paint, cosmetics are available.
In addition, a titanium oxide film or the like having a catalytic action can provide a paint having excellent weather resistance and environmental purification properties such as air and water.
That is, the present invention can be applied to red multifunctional inks, toners, paints, and the like that have the characteristics of these substrates and the characteristics of films.
In particular, printing inks as anti-counterfeiting pigment compositions by combining two or more of the above functions with the functions of magnetism, electric field, color, particle shape, fluorescence emission, phosphorescent emission, specific ultraviolet ray reflection absorption and specific infrared reflection absorption Further, it is possible to form a desired image on the support medium as the toner and to make a visual discrimination or a discrimination target by the device.
[0018]
Hereinafter, the crystallized fine particle constituting film of the present invention will be described in more detail with reference to the drawings.
FIG. 1 is a cross-sectional view of an example of a red color material composition of the present invention having a crystallized fine particle constituting film 2 on the surface of a substrate particle 1, and FIG. 2 is a crystallization of the red color material composition of FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view of a fine particle constituting film 2. FIG.
As shown in FIGS. 1 and 2, the crystallized fine particle constituting film 2 has voids between the crystallized fine particles 3, thereby increasing the difference in refractive index between the surface of the crystallized fine particles 3 and the voids. Thus, it is possible to obtain a powder having high brightness. The stronger the above-mentioned scattering reflection, the higher the brightness of the powder.
The crystallized fine particles 3 contained in the film 2 preferably have a high refractive index, and preferably have a uniform particle size.
The brightness can be adjusted by the amount and particle diameter of crystallized fine particles in the film.
However, depending on the particle size, scattering and interference may occur simultaneously, and the interference may exhibit a hue other than red, so care must be taken in its design.
In particular, when the obtained film-coated powder has a strong monochromatic spectral color like opal, the crystallized particle diameter in the film is uniform with a certain size (about one-quarter to one wavelength of the wavelength of light). Thus, it is considered that interference due to the crystallized fine particles occurs.
[0019]
In this case, the particle diameter of the crystallized fine particles in the film is preferably 1 to 500 nm, more preferably 1 to 200 nm, and still more preferably 1 to 100 nm. If the particle diameter is less than 1 nm, the constituent film may transmit light, and the color of the underlying substrate particles may appear as it is. On the other hand, when the thickness is larger than 500 nm, the interference coloring occurs due to the reflected light of a plurality of particles, or the film becomes brittle, so that it is not preferable because it is easily peeled off.
The crystallized fine particles in the film can be distinguished by shapes such as grain boundaries even if they are in contact with other fine particles or the film.
[0020]
On the other hand, the preferred thickness range of one layer of the crystallized fine particle constituting film varies depending on the size of the particles serving as the substrate. When the substrate particles are 0.1 μm to 1 μm, it is preferably 0.05 μm to 0.5 μm, when the substrate particles are 1 μm to 10 μm, 0.05 μm to 2 μm, and when the substrate particles are 10 μm or more, it is preferably 0.05 μm to 3 μm.
Further, the preferable thickness range of the total film thickness of the crystallized fine particle constituting film also varies depending on the size of the particles serving as the substrate. It is preferable that the base particles are 0.1 μm to 3 μm when the base particles are 0.1 μm to 1 μm, 0.1 μm to 5 μm when the base particles are 1 μm to 10 μm, and 0.1 μm to 10 μm when the base particles are 10 μm or more.
[0021]
Further, in the red color material composition of the present invention, as shown in FIG. 2, the contained red powder has voids on the surface of the film 2 composed of crystallized fine particles 3 having voids. It is preferable to have a dense coating film (hereinafter also simply referred to as a dense film) composed of ultrafine particles 4 that can be closed.
For example, when a red powder having the crystallized fine particle constituent film as the outermost layer as described above is used as a pigment powder such as toner or paint, the toner resin or the paint vehicle enters the voids and the crystallized fine particles 3 The difference in refractive index between the surface and the air gap is reduced to weaken the light scattering reflection, and as a result, the brightness is also lowered.
The above-described dense film is suitable for preventing the above-described decrease in brightness.
[0022]
In JP-A-4-269804, a colored powder having a coating layer of inorganic pigment particles on the surface is described. In this colored powder, voids between the pigment particles are formed between the surface treatment agent and the resin. It is filled with a mixture and does not generate scattering reflection like the red color material composition of the present invention, but is colored to a desired color by the color of the pigment particles themselves. In the colored powder described in JP-A-4-269804, pigment particles may not be sufficiently fixed on the surface of the substrate particles. In that case, since the pigment particles adhering to the substrate are separated in a mixed solution of a solvent and a resin, the pigment particles may not be applied to a paint or the like.
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the red color material composition of the present invention will be described in detail.
The red color material composition of the present invention contains a multilayer coated powder having not only the above-mentioned crystallized fine particle constituting film but also a film having another constitution capable of transmitting light on the surface of the base particle. It is.
As the low refractive index light-transmitting coating film, in the case where a metal hydroxide film or a metal oxide film is formed in a plurality of layers by a reaction of a metal salt or the like, the coating film (the base particle is coated) is used. A special function can be given by adjusting the thickness of each layer of the film layers involved in optical interference. For example, an alternating coating film having a different refractive index is formed on the surface of the base particle so that the refractive index n of the substance forming the coating is between 600 and 800 nm so as to satisfy the following formula (1). When a suitable thickness and number of alternating films having a thickness d corresponding to an integer m times one-fourth of the wavelength are provided, light having a wavelength λ between 600 and 800 nm (using Fresnel interference reflection) Is reflected or absorbed.
nd = mλ / 4 (1)
[0024]
Using this action, a film having a film thickness and a refractive index satisfying the formula (1) is formed on the surface of the base particle for a target wavelength of 600 to 800 nm, and further, The film having a reflection peak between 600 nm and 800 nm is formed by alternately coating the film having different refractive index once or more. At this time, the order of substances to be formed is determined as follows. First, when the refractive index of the substrate serving as the nucleus is high, the first layer is preferably a film having a low refractive index, and in the opposite case, the first layer is preferably a film having a high refractive index.
[0025]
The film thickness is measured and controlled as a reflected waveform using a spectrophotometer, etc., as the change in the optical film thickness, which is the product of the film refractive index and the film thickness. Design the thickness. For example, when the peak position of the reflection waveform of each unit film constituting the multilayer film is precisely matched to the range of 600 to 800 nm, a red-colored monochromatic colored powder can be obtained without using a dye or a pigment.
[0026]
However, in the case of an actual substrate, it is necessary to design in consideration of the particle size and shape of the substrate, the phase shift at the interface between the film material and the substrate particle material, and the peak shift due to the wavelength dependence of the refractive index. For example, when the shape of the base particle is a parallel plate, Fresnel interference due to the parallel film formed on the particle plane is designed under the condition that n in the above formula (1) is replaced with N in the following formula (2). To do. In particular, even when the substrate is in the shape of a parallel plate, when a metal film is included, the metal refractive index N in equation (2) includes an attenuation coefficient κ. In the case of a transparent oxide (dielectric), κ is very small and can be ignored.
N = n + iκ (i represents a complex number) (2)
When the attenuation coefficient κ is large, the phase shift at the interface between the film material and the substrate material becomes large, and all the layers of the multilayer film affect the optimum interference film thickness due to the phase shift.
[0027]
As a result, even if only the geometric film thickness is combined, the peak position is shifted, so that the color becomes light particularly when coloring in red. In order to prevent this, the influence of the phase shift on all the films is taken into consideration, and the combination of film thicknesses is designed in advance by computer simulation so as to be optimized.
Furthermore, there is a phase shift due to the oxide layer on the substrate surface and a peak shift due to the wavelength dependence of the refractive index. In order to correct these, it is necessary to find an optimum condition with a spectrophotometer or the like so that the reflection peak is in the range of 600 to 800 nm which is the target wavelength in terms of the final target film number.
[0028]
Interference of a film formed on a curved surface such as a spherical powder occurs in the same manner as a flat plate, and basically follows the Fresnel interference principle. Therefore, the coloring method can also be designed to be red. However, in the case of a curved surface, the light incident on and reflected by the powder causes complicated interference. These interference waveforms are almost the same as the flat plate when the number of films is small. However, as the total number increases, the interference inside the multilayer film becomes more complicated. In the case of a multilayer film, the reflection spectroscopic curve can be designed in advance by computer simulation so as to optimize the combination of film thicknesses based on Fresnel interference. In particular, in the case of forming a film on the surface of the substrate particles, the influence of the phase shift on the surface of the substrate particles and all the films is taken into account, and the design is made so as to optimize the combination of film thicknesses in advance by computer simulation. Furthermore, the peak shift for the oxide layer on the surface of the substrate particles and the peak shift due to the wavelength dependence of the refractive index are taken into account. In actual sample manufacturing, in order to correct these in the actual film with reference to the designed spectral curve, the film thickness is adjusted so that the reflection peak reaches the target wavelength in the range of 600 to 800 nm in terms of the final target film number with a spectrophotometer or the like. The optimal conditions must be found while changing
[0029]
Interference with the multilayer film also occurs when the powder of irregular shape is colored, and the basic film design is performed with reference to the condition of the interference multilayer film of spherical powder. The peak position of each unit film constituting the multilayer film can be adjusted by the film thickness of each layer, and the film thickness is the raw material in the coating forming conditions for forming a solid phase component such as a metal oxide on the surface of the base particle. By controlling the composition, the solid-phase deposition rate, the amount of the substrate, etc., the film thickness can be controlled with high accuracy, a film having a uniform thickness can be formed, and a desired red color can be colored.
As described above, by finding the optimum conditions while changing the film forming conditions such as the film forming solution so that the reflection peak and the absorption bottom are the target wavelengths in the range of 600 to 800 nm in the final target film number, You can get a body. Further, the color development due to multilayer film interference can be adjusted by controlling the combination of substances constituting the multilayer film and the thickness of each unit film. Thereby, the powder can be vividly colored in a desired red color without using a dye or a pigment.
[0030]
Below, the red color material composition of this invention and its manufacturing method are demonstrated in detail.
In the red color material composition of the present invention and the method for producing the same, the base particles serving as a reference for forming the metal oxide film or the like are not particularly limited, and may be an inorganic substance or an organic substance containing a metal, a magnetic substance, a dielectric substance, Conductors and insulators may be used.
When the substrate is a metal, any metal such as iron, nickel, chromium, titanium, and aluminum may be used. However, in the case of utilizing the magnetism, a material having magnetism such as iron is preferable. These metals may be alloys, and when they have the above magnetism, it is preferable to use a ferromagnetic alloy.
In addition, when the powder substrate is a metal compound, typical examples thereof include the above-mentioned metal oxides, such as iron, nickel, chromium, titanium, aluminum, silicon, etc., calcium Further, oxides such as magnesium and barium, or composite oxides thereof may be used. Furthermore, examples of metal compounds other than metal oxides include metal nitrides, metal carbides, metal sulfides, metal fluorides, metal carbonates, and metal phosphates.
[0031]
Further, as the base particles, other than metals, they are semi-metallic and non-metallic compounds, particularly oxides, carbides and nitrides, and silica, glass beads and the like can be used. Other inorganic substances include inorganic hollow particles such as shirasu balloon (hollow silicic acid particles), fine carbon hollow spheres (clecas spheres), fused alumina bubbles, aerosil, white carbon, silica fine hollow spheres, calcium carbonate fine hollow spheres, Mica such as calcium carbonate, pearlite, talc, bentonite, synthetic mica and muscovite, kaolin and the like can be used.
[0032]
As the organic substance, resin particles are preferable. Specific examples of the resin particles include cellulose powder, cellulose acetate powder, polyamide, epoxy resin, polyester, melamine resin, polyurethane, vinyl acetate resin, silicon resin, acrylic ester, methacrylic ester, styrene, ethylene, propylene, and these. And spherical or crushed particles obtained by polymerization or copolymerization. Particularly preferred resin particles are spherical acrylic resin particles obtained by polymerization of acrylic acid or methacrylic acid ester.
However, when the resin particles are used as a substrate, the heating temperature in drying must be equal to or lower than the melting point of the resin.
[0033]
As the shape of the substrate, isotropic bodies such as spheres, subspheres, regular polyhedrons, rectangular parallelepipeds, spheroids, rhombohedrons, plate-like bodies, needle-like bodies (columns, prisms), and pulverized materials A completely amorphous powder can also be used.
These substrates are not particularly limited in terms of particle size, but those in the range of 0.01 μm to several mm are preferable.
In addition, the specific gravity of the base particles is in the range of 0.1 to 10.5. When the obtained powder is used by dispersing it in a liquid or the like, the surface of fluidity and floatability is used. To 0.1 to 5.5, more preferably 0.1 to 2.8, and still more preferably 0.5 to 1.8. When the obtained powder is used dispersed in a liquid or the like, if the specific gravity of the substrate is less than 0.1, the buoyancy in the liquid is too large, and the film needs to be multilayered or very thick, which is uneconomical. On the other hand, if it exceeds 10.5, the film for floating becomes thick, which is similarly uneconomical.
[0034]
In the present invention, as described above, the powder base particles are covered with a plurality of coating layers having different refractive indexes, and the interference color is selected by appropriately selecting the refractive index and the layer thickness of each coating layer. By this, it is possible to obtain a powder that is colored red and expresses a specific interference reflection peak other than the visible light region.
As described above, a metal hydroxide film or a metal oxide film is deposited on the surface of the base particle by the reaction of a metal salt, but a buffer solution is used as a solvent for the solid phase deposition reaction, and at a certain pH. Precipitate at an appropriate rate.
[0035]
In the present invention, the metal used as the metal salt is iron, nickel, chromium, titanium, zinc, aluminum, cadmium, zirconium, silicon, tin, lead, lithium, indium, neodymium, bismuth, cerium, antimony, etc. Calcium, magnesium, barium etc. are mentioned. Examples of these metal salts include sulfuric acid, nitric acid, hydrochloric acid, oxalic acid, carbonic acid and carboxylic acid salts. Furthermore, chelate complexes of the above metals are also included. The type of metal salt used in the present invention is selected according to the properties to be imparted to the surface of the substrate and the means applied during production.
Since the powder of the present invention basically forms a colorless and transparent film and is colored by laminating films having different refractive indexes, the above-mentioned metals and salts thereof are mentioned. If the reflection and absorption spectrum waveforms are not the desired color, the following metals cobalt, yttrium, sulfur, europium, dysprosium, antimony, samarium, copper, silver, gold, platinum, rhodium, iridium, tungsten, Examples include salts of sulfuric acid, nitric acid, hydrochloric acid, oxalic acid, carbonic acid, and carboxylic acid of metals such as iron and manganese. Furthermore, the chelate complex of the said metal is also contained. The content of these metals in the film is 10 ppm to 15%, preferably 10 ppm to 15%, and more desirably 50 ppm to 5%.
When the content of these metals is small, the coloring becomes insufficient, and when it is too much, the coloring becomes too strong and the color becomes dark, resulting in inconvenience that the light-colored powder that is the target of the present invention cannot be obtained.
[0036]
A plurality of layers of these metal salt films such as metal oxides may be formed. If necessary, a metal oxide obtained by hydrolysis of a metal alkoxide or the like may be formed on the metal oxide film. A film formed by a film forming method can also be formed.
In this way, a multilayer film can be formed on the substrate particles, and at that time, by setting the formation conditions so that the thickness of each layer has a predetermined thickness, the desired characteristics can be obtained. In addition, it is possible to form a multi-layered film of a metal oxide or the like using a metal salt which is a simple material and is an inexpensive raw material. In particular, it is an important advantage that a multilayer film-coated powder can be obtained without using an expensive metal alkoxide as a raw material.
[0037]
In the method for producing the red color material composition containing the red powder of the present invention, the multilayer coating film may be produced as a continuous process, or each coating film is produced one by one, or a single layer. It can be produced by various methods such as combining production and multi-layer continuous production.
The particle size of the red color material composition according to the present invention is not particularly limited and can be appropriately adjusted according to the purpose, but is usually in the range of 0.1 μm to several mm, preferably 0.1 μm to 200 μm. is there.
[0038]
In the present invention, the thickness of the metal oxide film formed at one time can be in the range of 5 nm to 10 μm, and can be made thicker than the conventional forming method.
As the total thickness of the metal oxide film formed in a plurality of times, in the case of the above-described color magnetic powder, in order to form a metal oxide film having a good reflectivity due to the interference, it is 10 nm to 20 μm. The range is preferable, and more preferably 20 nm to 5 μm. In order to interference-reflect visible light with a particularly thin film thickness such as a limited particle size, it is preferably in the range of 0.02 to 2.0 μm.
[0039]
As described above, the red color material composition of the present invention uses an aqueous solvent having a constant pH as the film-forming reaction solvent, particularly when the film-forming reaction is performed in an aqueous solvent during the film-forming reaction in the production method. At the same time, a film coating reaction is formed by a film forming reaction on the surface of the substrate under ultrasonic dispersion conditions.
In the present invention, in order to make the film forming reaction constant, a buffering agent is added to an aqueous solvent to form a buffer solution, or a buffer solution prepared in advance is used. In the film forming reaction, film materials other than the buffer solution are added to form a film. When film formation is performed by adding a film forming raw material, if the pH fluctuates greatly, it is desirable to add a buffer solution to prevent this.
In the present invention, the constant pH means that the pH is within ± 2 of the predetermined pH, preferably within ± 1, and more preferably within ± 0.5.
[0040]
Various buffering solutions are used and are not particularly limited. First, it is important that the base particles are sufficiently dispersible. At the same time, metal hydroxide or metal oxide film-coated powder deposited on the surface of the base is also used. It is necessary to select so as to satisfy the conditions that can be dispersed by the action of the electric double layer and that a dense film can be formed by the slow dropping reaction.
Therefore, the production method of the film-coated powder of the present invention is different from the conventional method of neutralization by reaction of metal salt solution, precipitation by isoelectric point, or decomposition and precipitation by heating.
[0041]
Next, as an ultrasonic dispersion condition, various ultrasonic oscillators can be used. For example, a water tank of an ultrasonic cleaning machine can be used, and is not particularly limited. However, the ultrasonic dispersion conditions of the present invention vary depending on the size of the oscillation device, the shape and size of the reaction vessel, the amount of reaction solution, the volume, the amount of substrate particles, etc. Appropriate conditions may be selected.
The buffer solution used in the present invention depends on the solid phase component to be precipitated, and is not particularly limited. However, Tris, boric acid, glycine, succinic acid, lactic acid, acetic acid, tartaric acid, hydrochloric acid And the like.
[0042]
Next, as an example, a method of forming an alternating multilayer film of a metal oxide having a high refractive index and a metal oxide having a low refractive index will be specifically described, particularly when a film forming reaction is performed in an aqueous solvent. First, when forming a film such as titanium oxide or zirconium oxide, the base particles are immersed in a buffer solution such as acetic acid / sodium acetate and dispersed by ultrasonic oscillation, and titanium sulfate which is a metal salt such as titanium or zirconium. Alternatively, zirconium sulfate or the like can be used as a raw material, and an aqueous solution of these metal salts can be slowly dropped into the reaction system, and the resulting metal hydroxide or metal oxide can be precipitated around the base particles. During this dropping reaction, the pH is maintained at the pH of the buffer solution (5.4).
After completion of the reaction, this powder is separated into solid and liquid, washed and dried, and then subjected to heat treatment. The drying means may be either vacuum drying or natural drying. It is also possible to use a device such as a spray dryer in an inert atmosphere.
When the film to be coated is titanium oxide, the formation of titanium oxide is represented by the following reaction formula.
Ti (SOFour)2+ 2H2O → TiO2+ 4H2(SOFour)2
Titanyl sulfate TiO2The content is preferably 5 g / liter to 180 g / liter, more preferably 10 g / liter to 160 g / liter. If it is less than 5 g / liter, it takes too much time to form a film, and the amount of powder processing is reduced, which is uneconomical. If it exceeds 180 g / liter, the diluted solution undergoes hydrolysis during the addition and does not become a film-forming component. Both are unsuitable.
[0043]
Subsequently, when a film such as silicon dioxide or aluminum oxide is formed, KCl / HThreeBOThreeThe above titania-coated particles are immersed and dispersed in a buffer solution in which NaOH is added to the system, etc., and a metal salt such as silicon or aluminum such as sodium silicate or aluminum chloride is used as a raw material, and an aqueous solution of these metal salts is reacted. It can be carried out by dripping gently into the system and precipitating the produced metal hydroxide or metal oxide around the base particles. During this dropping reaction, the pH is maintained at the pH of the buffer solution (9.0).
After completion of the reaction, this powder is separated into solid and liquid, washed and dried, and then subjected to heat treatment. By this operation, by repeating the operation of forming two layers of metal oxide films having different refractive indexes on the surface of the base particles, a powder having a multilayer metal oxide film on the surface can be obtained.
When the film to be coated is silicon dioxide, the formation of silicon dioxide is represented by the following reaction formula.
Na2SiXO2X + 1+ H2O → XSiO2+ 2Na++ 2OH-
[0044]
Next, the crystallized fine particle constituting film included in the red powder contained in the red color material composition of the present invention is composed of any substance as long as it can scatter and reflect light and increase the brightness. However, it is preferable to use a material having a high refractive index.
The substance having a high refractive index is not particularly limited, but oxides such as titanium oxide (titania), zirconium oxide, bismuth oxide, cerium oxide, antimony oxide, and indium oxide can be used. Most preferred is titanium oxide (titania).
[0045]
As a method for forming the crystallized fine particle constituting film as described above, a method by solid phase precipitation in a film forming reaction liquid phase or the like is used.
Specifically, the metal alkoxide in an organic solvent described in JP-A-6-228604, JP-A-7-90310 and International Publication WO96 / 28269 previously proposed by the present inventors. Examples include a solid-phase precipitation method by hydrolysis (metal alkoxide method) and a solid-phase precipitation method (aqueous method) by reaction from a metal salt in an aqueous solution described in the specification attached to Japanese Patent Application No. 9-298717. It is done.
In this case, in the film-forming reaction solution, the reaction solution is set so that the solid-phase fine particles precipitate in the reaction solution at a higher rate than the rate at which the precipitate film grows on the surface of the substrate particles (line growth rate). The concentration, the added catalyst amount, and the base particle dispersion amount are adjusted.
As described above, the solid phase fine particles precipitated in the film-forming reaction solution are attached to the surface of the substrate particles, thereby forming a coating film composed of the solid phase fine particles.
[0046]
At this point, the solid phase fine particles incorporated into the film are amorphous, the voids between the solid phase fine particles are not formed, light scattering and reflection do not occur, and the mechanical strength of the film is very high. It is low. Therefore, the coating film composed of the solid phase fine particles is fired. By this firing, the amorphous solid phase fine particles are crystallized, and voids are also formed between the crystallized fine particles, so that the above-mentioned crystallized fine particle constituting film that scatters and reflects light is obtained.
[0047]
In order to form the crystallized fine particle constituting film, the aqueous method is preferable to the above-described metal alkoxide method because it is simpler to make the relationship between the line growth rate and the solid phase precipitation rate more suitable.
Further, the metal alkoxide method requires expensive metal alkoxide as a raw material and a relatively expensive and dangerous organic solvent as a reaction solvent. For this reason, the manufacturing apparatus or equipment must also be explosion-proof, and the cost performance is worsened. From this point, the aqueous method is preferable to the metal alkoxide method.
In addition, when the core particle is a substance that is unstable with respect to water even if it is a metal or an oxide, the first layer is formed and stabilized by the metal alkoxide method, so that the second and subsequent layers are treated by an aqueous method. The combined method of coating with is preferred.
[0048]
The firing may be performed after the coating film composed of the solid phase fine particles is formed. However, when the coating film becomes a crystallized fine particle constituting film on the coating film, the firing may be performed. It is desirable from the viewpoint of the film strength of the resulting red powder to be performed after coating with ultrafine particles capable of forming a dense film for closing the voids on the surface.
Firing is preferably performed at 300 to 1200 ° C.
[0049]
In the red color material composition of the present invention, the crystallized fine particle constituting film of the red powder contained may be two or more layers. In that case, a light-transmitting coating film having a low refractive index is preferably present between the two crystallized fine particle constituting films. The low refractive index light-transmitting coating film is not particularly limited, and examples thereof include those made of a metal compound, an organic substance, and the like.
[0050]
Examples of the metal compound include metal oxides, metal sulfides, metal selenides, metal tellurides, and metal fluorides. More specifically, zinc oxide, aluminum oxide, cadmium oxide, titanium oxide, zirconium oxide, tantalum oxide, silicon oxide, antimony oxide, neodymium oxide, lanthanum oxide, bismuth oxide, cerium oxide, tin oxide, magnesium oxide, lithium oxide Lead oxide, cadmium sulfide, zinc sulfide, antimony sulfide, cadmium selenide, cadmium telluride, calcium fluoride, sodium fluoride, trisodium aluminum fluoride, lithium fluoride, magnesium fluoride, and the like can be suitably used.
[0051]
A method for forming the metal compound film will be described below.
As a film forming method, a method of directly depositing on the surface of the base particles by a vapor deposition method such as a PVD method, a CVD method or a spray drying method is possible.
However, the metal alkoxide method described in the above-mentioned JP-A-6-228604, JP-A-7-90310 or International Publication WO96 / 28269 proposed by the present inventors, or Japanese Patent Application No. 9- The aqueous method described in the specification of 298717 is preferable.
In this case, unlike the above-mentioned film formation of the crystallized fine particle constituent film, the linear growth rate is made higher than the solid phase deposition rate, and the reaction conditions are adjusted so that an amorphous uniform film is formed.
[0052]
Although it does not specifically limit as said organic substance, Preferably it is resin. Specific examples of the resin include cellulose, cellulose acetate, polyamide, epoxy resin, polyester, melamine resin, polyurethane, vinyl acetate resin, silicon resin, acrylic ester, methacrylic ester, styrene, ethylene, propylene, and derivatives thereof. Examples thereof include a polymer or a copolymer.
(1) When forming an organic film (resin film),
a. A method of dispersing a base particle in a liquid phase and emulsion polymerization to form a resin film on the particle (polymerization method in a liquid phase); b. A film forming method (CVD) (PVD) in the gas phase is employed.
[0053]
An example of producing a powder having a multilayer film on a base particle as the red powder contained in the red color material composition of the present invention is shown below.
For example, if the base particles are made of a material having a high refractive index, a light-transmitting film having a low refractive index is provided thereon, and further a particle constituting film having a high refractive index is provided thereon. Are alternately provided with a light-transmitting film having a low refractive index. Further, if the substrate particles have a low refractive index, a high refractive index particle constituting film thereon, a low refractive index light-transmitting film thereon, and a high refractive index particle constituting film thereon And provide sequentially.
[0054]
Next, specific raw materials used for film formation in the present invention, particularly metal salts will be described.
The raw materials used to form a film having a high refractive index include titanium halides and sulfates for titanium oxide films, and zirconium halides, sulfates and carboxylic acids for zirconium oxide films. Salts, oxalates, chelate complexes, etc., for cerium oxide films, cerium halides, sulfates, carboxylates, oxalates, etc., for bismuth oxide films, bismuth halides, nitrates, carboxylic acids For indium oxide films such as salts, indium halides, sulfates and the like are preferable.
In addition, as a raw material used to form a film having a low refractive index, for silicon oxide films, organic silicon compounds such as sodium silicate, water glass, silicon halide, alkyl silicate, and polymers thereof are used. For aluminum oxide films, aluminum halides, sulfates, chelate complexes, etc. are preferred, and for magnesium oxide films, magnesium sulfates, halides, etc. are preferred.
Further, for example, in the case of a titanium oxide film, mixing titanium sulfate with titanium chloride has an effect of becoming a rutile type titanium oxide film having a higher refractive index at a lower temperature.
[0055]
Further, a more complete oxide film can be produced by controlling the reaction temperature at the time of coating to a temperature suitable for the type of each metal salt.
When the film formation reaction (solid phase deposition reaction) on the surface of the substrate in the aqueous solvent is too slow, the solid phase deposition reaction can be promoted by heating the reaction system. However, if the heat treatment for heating is excessive, the reaction rate is too high, and the supersaturated solid phase does not become a film, but precipitates in an aqueous solution, forms gels or fine particles, and the film thickness control becomes difficult.
[0056]
After the production of the coating film, repeated washing with tilted water while adding distilled water to remove the electrolyte, followed by heat treatment such as drying and baking, removing the water contained in the solid phase to completely remove the oxide. A film is preferred. Further, by heat-treating the powder after film formation in a rotary tube furnace or the like, sticking can be prevented and dispersed particles can be obtained.
In order to form a hydroxide film or an oxide film and heat-treat it, it may be heat-treated every time each layer is coated, or may be finally heat-treated after the target multilayer film is completed.
The heat treatment conditions vary depending on the reaction system, but the heat treatment temperature is 200 to 1300 ° C, preferably 400 to 1100 ° C. Below 200 ° C., salts and moisture may remain. When the temperature exceeds 1300 ° C., the film and the substrate may react with each other to form different substances, both of which are unsuitable. The heat treatment time is 0.1 to 100 hours, preferably 0.5 to 50 hours.
[0057]
Next, in the case of preparing the red color material composition according to the present invention, (1) red ink or paint-like composition (fluid) and (2) red toner and red dry ink-like composition (powder) will be described. To do.
(1) In the present invention, a conventionally known varnish used for color printing, color magnetic printing, and color magnetic coating can be used as the medium (vehicle) of the red ink or paint-like composition (fluid). For example, a liquid polymer, a polymer or a monomer dissolved in an organic solvent can be appropriately selected and used according to the kind of powder, the ink application method, and the use.
[0058]
Examples of the liquid polymer include dienes such as polypentadiene and polybutadiene, polyethylene glycols, polyamides, polypropylenes, waxes, and copolymer knitted bodies thereof.
Polymers that are soluble in organic solvents include olefin polymers, acrylic resins such as oligoester acrylates, polyesters, polyamides, polyisocyanates, amino resins, xylene resins, ketone resins, and diene resins. Rosin-modified phenolic resins, diene rubbers, chloroprene resins, waxes, modified products and copolymers thereof, and the like.
Examples of the monomer that can be dissolved in the organic solvent include styrene, ethylene, butadiene, and propylene.
Examples of organic solvents include alcohols such as ethanol, isopropanol, and normal propanol, ketones such as acetone, benzene, toluene, xylene, kerosene, benzine hydrocarbons, esters, ethers, and modified products and copolymers thereof. Can be mentioned.
[0059]
(2) Red toner, red dry ink, red dry paint-like composition (powder) is a screw-type extruder comprising the above-mentioned red color material multilayer film coated powder, a resin and, if necessary, a toning material. , Knead directly with a roll mill, kneader, etc., coarsely pulverize with a hammer mill, cutter mill, etc., then finely pulverize with a jet mill, etc. be able to. The red color material multilayer film-coated powder can also be made into a powdery red color material composition by using a polymerization method such as an emulsion polymerization method or a suspension polymerization method.
Further, the red multilayer coating powder, resin, additives such as toning agents, and solvents can be liquefied with a colloid mill or three rolls to form a liquid red color material composition such as ink paint.
As the toning material for increasing the brightness, it is a red pigment (color developing material), for example, titanium oxide, zinc oxide, tin oxide, silicon oxide, antimony oxide, lead oxide or the like, or complex oxides thereof, Carbonates such as calcium carbonate, magnesium carbonate, barium carbonate, sulfates such as barium sulfate and calcium sulfate, sulfides such as zinc sulfate, or composite oxides obtained by sintering the oxides, carbonates and sulfates, A composite hydrous oxide is mentioned.
In order to adjust saturation and hue, especially to improve color reproducibility with full color mixing, as a toning agent, red inorganic pigments such as sulfide pigments such as cadmium red and mercury red,
Permanent red, para red and other azo series, brilliant fast red, fast scarred and other fast pigments such as oil red, oil pink and other oil dyes, methanol red, methanol pink and other alcohol dyes, eosin lake, rhodamine lake, etc. Red organic dyes or red organic pigments such as lake dyes, quinacridone dyes and pigments such as Cinquasis Red, and the like. However, the toning agent of the present invention is not limited to these.
Furthermore, when it is necessary to perform color adjustment using pigments or dyes such as blue, yellow, and reddish purple in delicate color tone control, it is preferable to add these pigments to obtain an optimal red color.
In the case of this powdery red color material composition, (a) the resin for production by the above pulverization method is not particularly limited, but polyamide, epoxy resin, polyester, melamine resin, polyurethane, vinyl acetate Examples thereof include resins, silicon resins, acrylic esters, methacrylic esters, styrene, ethylene, butadiene, propylene, and polymers or copolymers of these derivatives.
(B) In the case of a polymerization method, polymerization is started from one or a mixture of esters, urethane, vinyl acetate, organic silicon, acrylic acid, methacrylic acid, styrene, ethylene, butadiene, propylene, etc. These copolymers are formed.
[0060]
As described above, the red color material composition of the present invention takes the form of (1) red ink or paint-like composition (fluid) and (2) red toner, red dry ink-like composition (powder).
In the case of fluid, it is red ink, paint, etc., the toning material, a slow-drying resin, a solidification accelerator, a thickener to increase the viscosity, a fluidizing agent to decrease the viscosity, Components such as a dispersing agent can be included for dispersing the particles.
On the other hand, in the case of powder, (a) when powder is produced by a pulverization method, the toning material, a slow-drying resin, a solidification accelerator, and a fluid to reduce the viscosity during kneading. In order to disperse the agent and the particles, a component such as a dispersant, a charge adjusting agent for fixing on paper or the like, and a wax can be included.
(B) When a polymerization method is used, the toning material, the polymerization initiator, the polymerization accelerator, a thickener for increasing the viscosity, and a dispersing agent for fixing particles, fixing to paper, etc. Ingredients such as a charge control agent and wax may be included.
The multilayer coating powder in the red color material composition of the present invention can be applied to wet and dry color printing and wet and dry color magnetic printing by combining a single powder or a plurality of powders having different spectral characteristics. In addition, using three primary color powders, it has a discrimination function of 6 combinations of visible light, invisible light (ultraviolet and infrared), fluorescent color and magnetism, and electricity (electric field change). It can be applied to other uses that require a security function such as color magnetic ink for preventing counterfeiting.
[0061]
When the red color material composition of the present invention is applied as a red ink, a paint-like composition or a red toner, a red dry ink-like composition, or a red dry paint composition, printed on a substrate, melt-transferred or applied to a substrate The relationship between the content of the red color material multilayer coating powder and the resin in the red color material composition is 1: 0.5 to 1:15 in volume ratio. When the content of the medium is too small, the applied film does not adhere to the object to be coated. On the other hand, if the amount is too large, the color of the pigment becomes too thin to be a good ink or paint. Further, the relationship between the amount of the red ink or the resin combined with the red color material and the resin in the coating composition and the amount of the solvent is 1: 0.5 to 1:10 in volume ratio, and the amount of the solvent is too small. The viscosity of the paint is high and it cannot be applied uniformly. Moreover, when there is too much quantity of a solvent, time will be required for drying of a coating film, and the efficiency of an application | coating operation will fall extremely.
[0062]
In addition, the color density of the coating film when printing, melt transfer, or coating on the substrate is determined by the amount of pigment placed per unit area of the substrate. The amount of the red color material multilayer coating powder of the present invention on the object to be coated after the paint is dried is 0.1 to 300 g per square meter in area density when uniformly coated, and preferably is 0.00. If it is 1-100g, a favorable coating color will be obtained. If the area density is smaller than the above value, the ground color of the object to be coated appears, and if it is larger than the above value, the color density of the painted color does not change, which is uneconomical. That is, even if the pigment is placed on the object to be coated more than a certain thickness, the light does not reach the pigment below the coating film. Making the coating film thicker than this thickness is uneconomical because it has a coating thickness that is beyond the hiding power of the coating material, and has no coating effect. However, in consideration of wear of the coating film, the thickness of the coating film is worn down.
[0063]
【Example】
The present invention will be described more specifically with reference to the following examples. However, the scope of the present invention is not limited to these examples.
[Example 1] (Red color material composition 1 using magnetic material, aqueous two-layer coating)
(Formation of first layer silica film)
(1) Adjustment of buffer solution
A buffer solution 1 was prepared by dissolving 0.4 M potassium chloride reagent and 0.4 M boric acid in 1 liter of water.
0.4 M sodium hydroxide was dissolved in 1 liter of water to obtain a buffer solution 2.
250 ml of the buffer solution 1 and 115 ml of the buffer solution 2 were mixed and homogenized to obtain a buffer solution 3.
(2) Sodium silicate aqueous solution (water glass solution)
Dilute sodium silicate reagent with pure water,2The concentration was adjusted so that the content was 10 wt%.
[0064]
(3) Silica film
As a base particle, 15 g of magnetite powder (average particle size 2.3 μm) was added to a previously prepared mixture of 177 ml of buffer solution 3 (pH: about 9.0) and 124 ml of pure water to prepare a dispersion. . The container containing this dispersion was placed in a water tank of an ultrasonic cleaning machine (US-6 type, manufactured by Iuchi Seieido Co., Ltd.) filled with water, and 28 kH.ZWhile applying ultrasonic waves in a 200 W ultrasonic bath, the magnetite powder was further dispersed in the buffer solution 3 with stirring. To this, 99 ml of an aqueous sodium silicate solution prepared in advance was added at a rate of 40 ml / min, and the mixture was gradually reacted and decomposed to deposit a silica film on the surface.
After the addition of the aqueous sodium silicate solution, the reaction was further continued for 2 hours to react all unreacted raw materials. After completion of the film forming reaction, the slurry containing the silica film powder was repeatedly decanted with sufficient water and washed.
After washing, the silica film powder is put in a vat, separated and separated, the upper liquid is discarded, and then dried in air at 150 ° C. for 8 hours in a drier to obtain silica-coated magnetite powder A1Got.
[0065]
(Formation of second-layer titania film)
(1) Adjustment of buffer solution
0.3 M acetic acid and 0.9 M sodium acetate were dissolved in 1 liter of deionized water to obtain a buffer solution 4.
(2) Titanium sulfate aqueous solution
Concentration is TiO2Was added to water to adjust the dilution to 100 g / liter, and the dilution was adjusted to obtain an aqueous titanium sulfate solution.
[0066]
(3) Titania film formation
4 g of the above powder A1On the other hand, 484 ml of buffer solution 4 (pH: about 8.4) was prepared, and powder A was put in buffer solution 4.1Was sufficiently dispersed in an ultrasonic bath while being ultrasonically dispersed in the same manner as in the silica film formation. Thereafter, 57 ml of a previously prepared titanium sulfate aqueous solution was dropped at 1.9 ml / min while maintaining the temperature of the liquid at 50 to 55 ° C., and solid phase fine particles were precipitated in the liquid to make the liquid thin and cloudy. Then powder A1In order to fix the solid phase fine particles on the surface, the dropping rate was lowered to 1.5 ml / min, and the unreacted component was gradually deposited. Then, the solid phase fine particles precipitated in the liquid were fixed to the surface of the base particle, and the surface was covered with ultrafine particles having a particle diameter smaller than that of the solid phase fine particle fixed to the surface of the base particle.
[0067]
(4) Washing and drying
After completion of the film-forming reaction, decantation was repeated with pure water to remove unreacted components, persulfuric acid and sulfuric acid formed by the reaction, followed by solid-liquid separation, and drying with a vacuum dryer to obtain a dry powder.
The obtained dry powder is heat-treated (fired) at 650 ° C. for 30 minutes in a rotary tube furnace, and the silica / titania-coated magnetite powder A having a smooth surface is obtained.2Got.
This two-layer film-coated powder A2Was yellowish red, and its magnetization at 1 kOe was 31.4 emu / g. This two-layer film-coated powder A2The maximum reflection peak of was 728 nm and became bright red.
[0068]
The peak wavelength of the spectral reflection curve of the coating powder of the coating film, the reflectance at the peak wavelength, the refractive index and the film thickness of the coating film were measured by the following methods.
1) The spectral reflection curve was measured by measuring the reflected light of a powder sample packed in a glass holder using a spectrophotometer with an integrating sphere manufactured by JASCO. The measuring method was measured according to JISZ8723 (1988).
2) The refractive index and the film thickness were evaluated by obtaining the spectral reflection curve measurement results of the film thickness samples prepared under different conditions by fitting with the instrument calculation curve based on the interference equation.
[0069]
(5) Surface hydrophobization treatment of multilayer coating powder
Obtained silica / titania coated powder A210 g was dispersed in 200 ml of an ethanol solution in which 0.2 g of silicon ethoxide was dissolved, and the container was heated in an oil bath to keep the temperature of the liquid at 55 ° C. 3 g of ammonia water (29% concentration) was added thereto, stirred for 3 hours, filtered, dried in a vacuum dryer at 100 ° C. for 2 hours, and hydrophobized red multilayer coating powder AThreeGot.
[0070]
(6) Adhesive resin layer
(Polystyrene composite powder, toner)
Red-colored multilayer coating powder A, which has been made oleophilic to 100 g of styrene monomer in advance by the aforementioned surface treatment methodThreeThe mixture was stirred and homogenized with a high-speed stirrer until 100 g was dispersed.
A solution of this styrene monomer and particles dissolved in 500 g of distilled water of sodium n-dodecyl sulfate was added at 70 ° C. while stirring at high speed, and stirred until the emulsified particles were sufficiently finely divided.
10 g of 10% ammonium persulfate aqueous solution was added thereto, and the mixture was reacted for 4 hours with stirring.
After completion of the reaction, dilute with 2 liters of distilled water, discard the top solution by decantation and collect the precipitate. The precipitate was dried on a filter paper to obtain red polystyrene-coated powder A. The obtained red powder A was spherical, and the magnetization at a magnetic field of 1 kOe was 15.0 emu / g.
Table 1 shows the refractive index and film thickness of the first and second layers, the peak wavelength of the spectral reflection curve of the coating powder, and the reflectance at the peak wavelength.
[0071]
[Table 1]
Figure 0003650302
[0072]
[Example 2] (Red color material composition 2 using magnetic material, aqueous three-layer coating)
(Formation of first layer silica film)
(1) Silica film
As base particles, 15 g of spherical magnetite powder (average particle size 2.3 μm) was placed in 261 ml of the buffer solution 3 (pH: about 9.0) prepared in advance to prepare a dispersion. The container containing this dispersion was placed in a water tank of a water-filled ultrasonic cleaning machine (US-6 type, manufactured by Iuchi Seieido Co., Ltd.), and 26 kHZFurther, while applying ultrasonic waves in a 600 W ultrasonic bath, the mixture was further dispersed with stirring in the buffer solution 3 containing magnetite powder. To this, 139 ml of an aqueous sodium silicate solution prepared in advance was added at a rate of 40 ml / min, and the mixture was gradually reacted and decomposed to deposit a silica film on the surface.
[0073]
After the addition of the aqueous sodium silicate solution, the reaction was further continued for 2 hours to react all unreacted raw materials. After completion of the film forming reaction, the slurry containing the silica film powder was repeatedly decanted with sufficient water and washed. After washing, the silica film powder is placed in a vat, separated and separated, and the upper solution is discarded. After drying in a dryer at 150 ° C. for 8 hours in air, heat treatment (firing is performed at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere. And silica-coated magnetite powder B1Got.
[0074]
(Formation of second-layer titania film)
In the same manner as in Example 1, a buffer solution 4 and an aqueous titanium sulfate solution were prepared and prepared.
5.5 g of powder B1In contrast, 1313 ml of the buffer solution 4 (pH: about 8.4) was prepared, and the powder B was put in the buffer solution 4.1Was sufficiently dispersed in an ultrasonic bath while ultrasonically dispersing in the same manner as in the silica film formation. Thereafter, a previously prepared titanium sulfate aqueous solution was gradually added dropwise at a constant rate of 1.8 ml / min while maintaining the temperature of the solution at 50 to 55 ° C.
At the beginning of the dropping, solid phase fine particles were precipitated in the liquid, but were fixed on the surface of the base particle, and the surface was covered with ultrafine particles having a particle diameter smaller than that of the solid phase fine particle fixed on the surface of the base particle. , Silica / titania coated magnetite powder B2Got. This two-layer film-coated powder B2Is light red, the maximum reflection peak is 722 nm, and the powder A obtained in Example 11It was the same.
This powder B2The surface of the film was slightly uneven, and the protrusions of titania particles were partially observed.
[0075]
(Third layer silica film formation, when the titania film surface is confined by a silica thin film)
In the same manner as in Example 1, buffer solutions 1 and 2 and an aqueous sodium silicate solution (water glass solution) were prepared.
Powder silica / titania-coated magnetite powder B2A silica film was formed on 15 g. The amount of the buffer solution was the same as that of the first layer coating, but the dropping rate of the sodium silicate aqueous solution was the same, and the dropping amount was set to 261 ml, and the film was reacted for 2 hours until there was no unreacted substance. After washing, heat treatment (baking) is performed at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere in a rotary tube furnace, and silica / titania-coated magnetite powder BThreeGot.
[0076]
Obtained powder BThreeBecame a light red powder with large light scattering, with titania fine particles crystallizing between two layers of silica film having a smooth surface. BThreeThe surface of the film was free of irregularities, was almost smooth, and had no holes, cracks, or dents.
In observation with a transmission electron microscope, crystallization of titania fine particles was observed between the two silica layers, and voids were present between the particles. It is done.
This three-layer film-coated powder BThreeThe maximum reflection peak of was 723 nm.
[0077]
(Adhesive resin layer, polystyrene composite powder)
Red color material multi-layer coating powder B, which has been made oleophilic to 100 g of styrene monomer in advance by the aforementioned surface treatment method3As with 100 g, 10 g of oleophilic titanium oxide was stirred with a high-speed stirrer until it was dispersed and homogenized.
A solution of this styrene monomer and particles dissolved in 500 g of distilled water of sodium n-dodecyl sulfate was added at 70 ° C. while stirring at high speed, and stirred until the emulsified particles were sufficiently finely divided.
10 g of 10% ammonium persulfate aqueous solution was added thereto, and the mixture was reacted for 4 hours with stirring.
After completion of the reaction, dilute with 2 liters of distilled water, discard the top solution by decantation and collect the precipitate. The precipitate was dried on filter paper to obtain red polystyrene-coated powder B.
The obtained powder of red color material composition B was spherical and had a magnetization of 15 emu / g at a magnetic field of 1 kOe.
Table 2 shows the refractive indexes and film thicknesses of the first to third layers, the peak wavelength of the spectral reflection curve of the coating powder, and the reflectance at the peak wavelength.
[0078]
[Table 2]
Figure 0003650302
[0079]
[Example 3] (Red color material composition 3 using a magnetic material, in the case where scattering particles are attached to the surface, an aqueous four-layer coating)
(Formation of first layer silica film)
As base particles, 40 g of magnetite powder (average particle size 0.7 μm) was prepared in the same manner as in Example 1 with 3126 g of the buffer solution 3 (pH: about 9.0) prepared in advance and 260 ml of pure water. 28kH in a mixed solution to make a dispersionZFurther, while applying ultrasonic waves in a 600 W ultrasonic bath, the mixture was further dispersed with stirring in the buffer solution 3 containing magnetite powder. To this, 1302 ml of an aqueous sodium silicate solution prepared in advance was gradually added at 2.67 ml / min to deposit a silica film on the surface.
After the addition of the aqueous sodium silicate solution, the reaction was further continued for 2 hours to react all unreacted raw materials.
After completion of the film forming reaction, the slurry containing the silica film powder was repeatedly decanted with sufficient water and washed.
After washing, the silica membrane powder is put into a vat, separated and separated, and the upper liquid is discarded.1Got.
[0080]
(Formation of second-layer titania film)
40 g of the above powder C1In contrast, 5210 g of the buffer solution 4 and 5210 ml of pure water were prepared, and C1Was sufficiently dispersed in an ultrasonic bath while being ultrasonically dispersed in the same manner as in the silica film formation. Thereafter, while maintaining the temperature of the liquid at 50 to 55 ° C., 2110 ml of a titanyl sulfate aqueous solution (TiO 2) prepared in advance.215 w%) was gradually added dropwise at a constant rate of 1.25 ml / min, and the addition was terminated while the solution was slightly clouded.
After completion of the dropwise addition, the reaction was further continued for 3 hours, the unreacted portion was gradually precipitated, and the particles were taken into the film.
After completion of the film-forming reaction, decantation was repeated with sufficient pure water, the unreacted component, excess sulfuric acid and sulfuric acid formed by the reaction were removed, solid-liquid separation was performed, and dried powder was obtained after drying with a vacuum dryer. .
The obtained dry powder is heat-treated (fired) at 650 ° C. for 30 minutes in a rotary tube furnace, and silica / titania-coated magnetite powder C2Got.
This two-layer coating powder C2Was yellowish red, and the maximum reflection peak was 607 nm.
[0081]
(Formation of third layer silica film)
40 g of silica / titania coated magnetite powder C2On the other hand, as in the first layer, 3751 g of buffer solution 3 (pH: about 9.0) prepared in advance and 313 ml of pure water were added and 28 kH was added.ZFurther, while applying ultrasonic waves in a 600 W ultrasonic bath, the mixture was further dispersed with stirring in the buffer solution 3 containing magnetite powder. To this, 1563 ml of an aqueous sodium silicate solution prepared in advance was gradually added at 2.67 ml / min to deposit a silica film on the surface.
After the addition of the aqueous sodium silicate solution, the reaction was further continued for 2 hours to react all unreacted raw materials.
After completion of the film forming reaction, the slurry containing the silica film powder was repeatedly decanted with sufficient water and washed.
After washing, the silica membrane powder is put into a vat, separated and separated, and the upper liquid is discarded.ThreeGot.
[0082]
(Fourth layer titania film formation)
40 g of the above powder CThreeIn contrast, 3751 ml of buffer solution 4 and 313 ml of pure water are prepared, and powder C is added to the mixture.ThreeWas sufficiently dispersed in an ultrasonic bath while being ultrasonically dispersed in the same manner as in the silica film formation. Thereafter, 1563 ml of a titanyl sulfate aqueous solution (TiO 2) prepared in advance while keeping the temperature of the solution at 50 to 55 ° C.2, 15 w%) was gradually added dropwise at a constant rate of 1.25 ml / min, and solid-phase fine particles were precipitated, and the addition was terminated while the liquid was slightly clouded.
After completion of dropping, the reaction was further continued for 3 hours, and the unreacted portion was gradually precipitated as solid phase fine particles, and the fine particles were taken into the film.
After completion of the film-forming reaction, decantation was repeated with sufficient pure water, the unreacted component, excess sulfuric acid and sulfuric acid formed by the reaction were removed, solid-liquid separation was performed, and dried powder was obtained after drying with a vacuum dryer. .
[0083]
The obtained dry powder is heat-treated (fired) at 650 ° C. for 30 minutes in a rotary tube furnace, and silica / titania-coated magnetite powder CFourGot.
This 4-layer coating powder CFourWas light red and the maximum reflection peak was 718 nm.
[0084]
(Preparation of red ink composition)
The silica / titania-coated magnetite powder C thus obtainedFour, 30 g is dispersed in a solution in which 2.5 g of an acrylic polymer (Technobit, manufactured by Kulzer) is dissolved in 80 g of ethanol in advance, and then 20 g of titanium oxide (silicone hydrophobized product: color developing material) and hydroxypropylcellulose. The mixed liquid added with 2 g was subjected to a dispersion treatment for 8 hours with a zirconia ball mill to obtain a paint dispersion liquid CL of a red color material composition.
[0085]
(Coating and spectral properties)
Dispersion liquid CL of the fluorescent pigment composition was applied to art paper with a blade coater. The coating amount (after drying) of the red color material composition is 60 g / m2It was.
After drying, the color of the obtained coated paper C was bright red with a maximum reflection peak wavelength of 718 nm and a reflectance of 67%. In addition, 1m of this coating basket C2Magnetization at 1 kOe per hit is 720 emu / cm2Met.
Table 3 shows the refractive index and film thickness of the first to fourth layers, the peak wavelength of the spectral reflection curve of the coating powder, and the reflectance at the peak wavelength.
[0086]
[Table 3]
Figure 0003650302
[0087]
[Example 4] (Red color material composition 4 using magnetic material, three-layer coating by hydrolysis of metal alkoxide)
(Formation of first layer silica film)
20 g of BASF carbonyl iron powder (average particle size 1.8 μm, magnetization at 10 kOe is 203 emu / g) was dispersed in a solution of 22.8 g of silicon ethoxide dissolved in 158.6 g of ethanol in advance. While stirring, a previously prepared mixed solution of 22.8 g ammonia water (29%) and 30.4 g deionized water was added. After the addition, the reaction was allowed to proceed at room temperature for 5 hours. After the reaction, it was diluted and washed with sufficient ethanol, filtered, and dried in a vacuum dryer at 110 ° C. for 3 hours. After drying, heat treatment (baking) is performed at 800 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace, cooled, and silica-coated iron powder D1Got.
[0088]
(Formation of second-layer titania film)
In a separable flask, 20 g of the above silica-coated powder D1Was dispersed in a solution in which 17.9 g of titanium isopropoxide was added in advance to 198.3 g of ethanol, and then 30.4 g of pure water prepared in advance was added to 47.9 g of ethanol while stirring. The mixed solution was added dropwise over 1 hour. After dropping, the reaction was allowed to proceed at room temperature for 5 hours. After the reaction, it is diluted and washed with sufficient ethanol, filtered, dried in a vacuum dryer at 110 ° C for 3 hours, and silica / titania coated iron powder D2Got.
When the titania layer after drying was observed for the particle state in the layer using a transmission electron microscope, titanium oxide solid phase fine particles of 1 to 10 nm were observed, but there were no voids between the particles uniformly inside the film. It was filled.
This titanium oxide film had an average film thickness of 93 nm, a peak wavelength of a spectral reflection curve at 750 nm, and was light red.
[0089]
(Formation of third layer silica film)
20g of silica / titania coated iron powder D2Was dispersed in a solution in which 3.0 g of silicon ethoxide was dissolved in 156.8 g of ethanol in advance, and then 3.0 g of ammonia water (29%) and 4.0 g prepared in advance while stirring. A mixed solution of deionized water was added. After the addition, the reaction was allowed to proceed at room temperature for 1 hour. After the reaction, it was diluted and washed with sufficient ethanol, filtered, and dried in a vacuum dryer at 110 ° C. for 3 hours. After drying, heat treatment (baking) is further performed at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere, cooling, and silica / titania coated iron powder DThreeGot.
When the state of particles in the titania layer after the heat treatment was observed using a transmission electron microscope, titanium oxide crystallized fine particles of 10 to 150 nm were observed, and voids of about 10 to 50 nm were observed between the particles. It was.
However, the silica layer was dense, free of particles and smooth. Furthermore, voids existed at the interface with titania.
[0090]
This powder DThreeThe maximum reflection peak wavelength was 770 nm, the magnetization at a magnetic field of 1 kOe was 129 emu / g, and the color was pale red.
From this Example 4, from the presence or absence of heat treatment (firing), titania particles crystallized, and voids between the particles and the silica film accompanying the particle formation are seen, due to the scattering reflection effect accompanying these particle formation, It seems that redness was achieved.
In addition, the red color material powder of Example 4 is characterized in that a dense film is formed on the final coating layer. The gap is covered with a dense film that does not affect interference and scattering, and is not limited to the high refractive index film as in the final layer so far. In the prior art, when the obtained powder is used as a pigment for toner, paint, etc., resin or vehicle enters the gap, and the difference in refractive index from interference or scattering particles decreases, resulting in a decrease in Fresnel reflectance. was there. However, by covering the voids of the particle-constituting film with the final layer being a dense film that does not affect interference and scattering, it is possible to prevent the above-mentioned scattering reflection from being lowered.
[0091]
(Adhesive resin layer, polystyrene composite powder)
100 g of styrene monomer and red color material multilayer coating powder (silica / titania coated iron powder DThree) 100 g and 10 g of the oleophilic titanium oxide were dispersed with a high-speed stirrer until they were dispersed.
A solution of this styrene monomer and particles dissolved in 500 g of distilled water of sodium n-dodecyl sulfate was added at 70 ° C. while stirring at high speed, and stirred until the emulsified particles were sufficiently finely divided.
10 g of 10% ammonium persulfate aqueous solution was added thereto, and the mixture was reacted for 4 hours with stirring.
After completion of the reaction, dilute with 2 liters of distilled water, discard the top solution by decantation and collect the precipitate. The precipitate was dried on filter paper to obtain red polystyrene-coated powder D.
The obtained powder of red color material composition D was spherical, the magnetization at a magnetic field of 1 kOe was 18.5 emu / g, and the magnetization at a magnetic field of 10 kOe was 61.5 emu / g.
Table 4 shows each refractive index, film thickness, peak wavelength of the spectral reflection curve of the coating powder, and reflectance at the peak wavelength.
[0092]
[Table 4]
Figure 0003650302
[0093]
[Example 5] (Red color material composition 5 using magnetic material, 5-layer coating by hydrolysis of metal alkoxide)
(Formation of first layer silica film)
20 g of BASF carbonyl iron powder (average particle size 1.8 μm, magnetization at 10 kOe is 203 emu / g) was dispersed in a solution of 16.1 g of silicon ethoxide dissolved in 158.6 g of ethanol in advance. While stirring, a previously prepared mixed solution of 16.1 g of ammonia water (29%) and 16.1 g of deionized water was added. After the addition, the reaction was allowed to proceed at room temperature for 5 hours. After the reaction, it was diluted and washed with sufficient ethanol, filtered, and dried in a vacuum dryer at 110 ° C. for 3 hours. After drying, using a rotary tube furnace, heat treatment (baking) is performed at 600 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere, cooling, and silica-coated iron powder E1Got.
[0094]
(Formation of second-layer titania film)
In a separable flask, 20 g of the above silica-coated powder E1Was dispersed in a solution obtained by adding 17.9 g of titanium isopropoxide to 198.3 g of ethanol in advance, and then 31.0 g of pure water prepared in advance was added to 47.9 g of ethanol while stirring. The mixed solution was added dropwise over 1 hour. After dropping, the reaction was allowed to proceed at room temperature for 3 hours. After the reaction, it is diluted and washed with sufficient ethanol, filtered, dried in a vacuum dryer at 100 ° C. for 8 hours, and silica / titania coated iron powder E2Got.
This titanium oxide film had an average film thickness of 96 nm, a peak wavelength of a spectral reflection curve at 760 nm, and was yellowish red.
[0095]
(Formation of third layer silica film)
20g of silica / titania coated iron powder E2Was dispersed in a solution in which 29.7 g of silicon ethoxide was dissolved in 158.6 g of ethanol in advance, and then 29.7 g of aqueous ammonia (29%) and 39.6 g prepared in advance while stirring. A mixed solution of deionized water was added. After the addition, the reaction was allowed to proceed at room temperature for 5 hours. After the reaction, it was diluted and washed with sufficient ethanol, filtered, and dried in a vacuum dryer at 110 ° C. for 3 hours. After drying, using a rotary tube furnace, heat treatment (baking) is performed at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere, cooling, and silica / titania coated iron powder EThreeGot.
[0096]
(Fourth layer titania film formation)
In a separable flask, 20 g of the above silica-coated powder EThreeWas dispersed in a solution obtained by adding 23.2 g of titanium isopropoxide to 198.3 g of ethanol in advance, and then 39.6 g of pure water prepared in advance was added to 60.0 g of ethanol while stirring. The mixed solution was added dropwise over 1 hour. After dropping, the reaction was performed at room temperature for 4 hours. After the reaction, it is diluted and washed with sufficient ethanol, filtered, dried in a vacuum dryer at 100 ° C. for 8 hours, and silica / titania coated iron powder EFourGot.
[0097]
(Fabrication of the fifth layer silica film)
20g of silica / titania coated iron powder EFourWas dispersed in a solution prepared by dissolving 2.5 g of silicon ethoxide in 158.6 g of ethanol in advance, and then 2.5 g of ammonia water (29%) and 3.0 g prepared in advance while stirring. A mixed solution of deionized water was added. After the addition, the reaction was allowed to proceed at room temperature for 5 hours. After the reaction, it was diluted and washed with sufficient ethanol, filtered, and dried in a vacuum dryer at 110 ° C. for 3 hours. After drying, using a rotary tube furnace, heat treatment (heat treatment) at 600 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere, cooling, silica / titania coated iron powder EFiveGot.
This iron powder EFiveHad a peak wavelength of the spectral reflection curve at 760 nm and was light red. The magnetization at a magnetic field of 10 kOe was 82 emu / g.
[0098]
(Preparation of red ink composition)
Silica / titania coated iron powder E thus obtainedFive, 30 g is dispersed in a solution in which 2.5 g of an acrylic polymer (Technobit, manufactured by Kulzer) is dissolved in 80 g of ethanol in advance, and then 20 g of titanium oxide (silicone hydrophobized product: color developing material) and hydroxypropylcellulose. The mixed liquid added with 2 g was subjected to a dispersion treatment for 8 hours with a zirconia ball mill to obtain a coating dispersion EL of a red color material composition.
[0099]
(Coating and spectral properties)
The dispersion EL of the fluorescent pigment composition was applied to art paper with a blade coater. The coating amount (after drying) of the red color material composition is 60 g / m2It was.
After drying, the color of the resulting coated paper E was 755 nm at the peak wavelength and became bright red.
Further, the magnetization of the coating rod E with a magnetic field of 1 kOe is 1480 emu / m.2The magnetization at a magnetic field of 10 kOe is 4920 emu / m2Met.
Table 5 shows the refractive indexes and film thicknesses of the first to fifth layers, the peak wavelength of the spectral reflection curve of the coating powder, and the reflectance at the peak wavelength.
[0100]
[Table 5]
Figure 0003650302
[0101]
[Example 6] (Red color material composition 6 using dry film magnetic substance, aqueous three-layer coating)
(Film formation of the first layer titania film)
1 kg of iron powder with an average particle size of 1.8 microns and 1.5 kg of titanium oxide particles with an average particle size of 0.2 microns are dry mixed and pulverized three times for 5 minutes using a Hosokawa Micron mechano-fusion device to form a film. The titanium oxide-coated iron powder with improved brightness1Got.
[0102]
(Formation of second layer silica film)
Into the same buffer solution 3,214 ml as in Example 1 prepared in advance, 181 ml of pure water prepared in advance was mixed, and F1After adding 10 g and mixing well, SiO2145 ml of a water glass solution having a mixing ratio of 10 wt% was gradually added dropwise with stirring over 3 hours, and the reaction was continued for 1 hour. After the reaction, solid-liquid separation is performed by decantation, and the powder is vacuum-dried and then dried for 8 hours, followed by heat treatment at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace, and the silica / titania film-coated iron powder F2Got.
[0103]
(Third layer titania film formation)
Furthermore, silica / titania film coated iron powder F2After adding 4484 ml of buffer solution to 4 g and sufficiently dispersing, titanyl sulfate TiO 22A 15% aqueous solution, 38 ml, was added dropwise over 4 hours, and after the addition, the mixture was reacted for 1 hour to remove unreacted materials. After the reaction, solid-liquid separation is performed by decantation, and the powder is dried in a vacuum dryer for 8 hours, and then heat-treated at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace to produce a silica / titania film coated iron powder FThreeGot.
This powder had a peak of 728 nm, a reflectance of 44%, and a deep red color. Further, the magnetization of this powder with a magnetic field of 1 kOe was 31.4 emu / g, and the magnetization of 10 kOe was 984 emu / g.
[0104]
(Toner)
After mixing a solution of 0.3 g of oil red in 30 ml of xylene with 100 g of styrene monomer, F obtained in advanceThree100 g of the lipophilic powder and 10 g of titanium oxide were added and mixed uniformly.
Next, this mixture of styrene monomer and particles was put into an aqueous solution in which 3 g of sodium dodecyl sulfate was dissolved, and then stirred at 10,000 rpm with a homogenizer, and further maintained at 70 ° C. while stirring at 5,000 rpm. Thereafter, 10 g of a 10% ammonium persulfate aqueous solution was added and reacted for 3.5 hours.
Then, solid content was filtered, and it wash | cleaned repeatedly 3 times with warm water, and obtained the red polystyrene coating powder FP. The magnetic field magnetization of this powder at 1 kOe was 18.64 emu / g, and the magnetization at 10 kOe was 46.74 emu / g.
Table 6 shows the refractive index and film thickness of the first to third layers, the peak wavelength of the spectral reflection curve of the coating powder, and the reflectance at the peak wavelength.
[0105]
[Table 6]
Figure 0003650302
[0106]
[Example 7] (Blue color material composition 7 using plate magnetic material, metal alkoxide hydrolysis and water-based three-layer coating) (ink)
(Formation of first layer silica film)
To 10 g of plate-like Ba ferrite having an average particle diameter of 2.8 microns, 79.5 g of ethanol is added and dispersed sufficiently, and then 11.4 g of silicon ethoxide is added and mixed. Further, 11.2 g of water, ammonia 15.2 g of water was added and reacted for 3 hours while stirring at room temperature. After the reaction, solid-liquid separation is performed by decantation, and the powder is vacuum-dried and then dried for 8 hours, followed by heat treatment at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace.1Got.
[0107]
(Second layer titanium film coating coloring)
Silica film coated Ba ferrite particles G1After 10 g was sufficiently dispersed in 159 g of ethanol, 8.9 g of titanium isopropoxide was added and mixed well, and then a prepared mixed solution of 15.2 g of water and 30 g of ethanol was added dropwise to react for 5 hours. I let you. After the reaction, solid-liquid separation is performed by decantation, and the powder is vacuum-dried and then dried for 8 hours, followed by heat treatment at 650 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace, and the silica / titania film coated Ba ferrite particles G2Got.
This powder had a peak of 780 nm, a reflectance of 42%, and a deep red color. The 10 kOe magnetization of this powder was 13.6 emu / g, and the residual magnetization was 8.6 emu / g.
[0108]
(3rd layer scattering film coating)
G prepared in advance2Similarly, 875 ml of buffer solution 4 prepared in advance was mixed with 10 g of powder, and 5 g of titanium oxide (rutile type) powder particles having an average particle size of 0.2 microns were added and mixed well. The mixture was stirred for 1 hour while stirring 274 ml of water glass solution. The decantation was repeated 20 times and sufficiently washed, and then dried at 120 ° C. for 8 hours with a dryer. The dried powder is heat-treated at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace, and the silica-based / titania scattering film-coated Ba-based ferrite particles GThreeGot.
This powder had a peak of 780 nm, a reflectance of 67%, and a light blue color.
The 10 kOe magnetization of this powder was 10.0 emu / g, and the remanent magnetization was 6.6 emu / g.
Table 7 shows the refractive index, film thickness, peak wavelength of the spectral reflection curve of the coating powder, and reflectivity at the peak wavelength of the first to third layers.
[0109]
[Table 7]
Figure 0003650302
[0110]
(Ink)
G aboveThreeTo 30 g of powder, 1.5 g of acrylic resin and 2.3 g of hydroxypropyl cellulose were dispersed in 80 g of an ethanol solution in advance, and liquid GL was obtained in which the viscosity was increased by evaporating alcohol while stirring.
The GL was striped on a plastic film for thermal transfer using a small-sized printing machine PG10 manufactured by RISO.
[0111]
(Applied material)
When this film was scanned with a detector equipped with a magnetic head after drying, the magnetic powder G3A magnetic reaction was detected in the printed part, but no magnetic reaction occurred in the blank part. The coating was red when viewed from above, but when viewed from an oblique angle of 30 degrees, it looked yellow and showed multicolor.
[0112]
[Example 8] (Red color material composition 8 using plate mineral, three-layer coating by metal alkoxide hydrolysis) (Coating)
(First layer coating coloring)
After fully dispersing 20 g of plate-like muscovite powder having an average particle size of 12 microns in 160 g of ethanol, 9 g of titanium isopropoxide was added and mixed well, and then 15.5 g of water prepared in advance and 30 g of ethanol were added. The mixed solution was dropped and reacted for 5 hours. After the reaction, solid-liquid separation is performed by decantation, and the powder is air dried and then dried for 8 hours, and then heat-treated at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace.1Got.
The powder had a peak of 785 nm, a reflectance of 42%, and a deep red color.
[0113]
(Second layer coating)
Titania coated platy muscovite powder H1After fully dispersing 20 g in 80 g of ethanol, 15.1 g of silicon ethoxide is added and mixed, and then 19.9 g of water and 15.1 g of aqueous ammonia are added and reacted for 3 hours while stirring at room temperature. I let you. After the reaction, solid-liquid separation is performed by decantation, and the powder is vacuum-dried and then dried for 8 hours, followed by heat treatment at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace, and silica / titania-coated plate-like muscovite powder H2Got.
[0114]
(3rd layer colored film coating)
Silica / titania-coated platy muscovite powder H2, 20 g was sufficiently dispersed in 160 g of ethanol, and then 15.1 g of titanium isopropoxide was added and mixed well. Then, a prepared mixed solution of 15.1 g of water and 30 g of ethanol was added dropwise for 5 hours. I let you. After the reaction, solid-liquid separation is performed by decantation, and the powder is vacuum-dried and then dried for 8 hours, followed by heat treatment at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace, and the silica / titania film-coated plate-like muscovite powder HThreeGot.
The powder had a peak of 785 nm, a reflectance of 65%, and a pale red color.
Table 8 shows the refractive index, film thickness, peak wavelength of the spectral reflection curve of the coating powder, and the reflectance at the peak wavelength of the first to third layers.
[0115]
[Table 8]
Figure 0003650302
[0116]
(Application)
Above powder HThreeWhile stirring and dispersing 15 g, an ethanol solution (ethanol 50 g) in which 2.2 g of acrylic resin was dissolved was added and dissolved.
When a part of the solvent is dispersed and the viscosity is increased, the dispersion is spread on a flat glass plate and uniformly adhered to a rubber roller, and then the viscous fluid HL is applied to the A4 plate thermal transfer film and left for one day. Dried.
The obtained powder coated film has a pale red band when viewed vertically, and when the angle of viewing is changed by tilting the plate toward the sun, the color is pale red when the sun is on the back (almost vertical light). However, when the angle between the sun and the plate (incident angle) was 40 degrees from the plate, the color was yellow and pleochroism was observed.
This property can be used for polychromatic display media, cosmetics and decorations, or flip-flop methods.
[0117]
[Example 9] (Red color material composition 9 using plate-like conductor, three-layer coating by metal alkoxide hydrolysis) (Paint)
(First layer coating coloring)
After 18 g of plate-like aluminum powder having an average particle size of 12 microns is sufficiently dispersed in 160 g of ethanol, 9.0 g of titanium isopropoxide is added and mixed well, and further 15.5 g of water and 160 g of ethanol prepared in advance. The mixed solution was added dropwise and reacted for 5 hours. After the reaction, solid-liquid separation was performed by decantation, and the powder was vacuum-dried and then dried for 8 hours, and then heat-treated at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace.1Got.
This powder had a peak of 780 nm, a reflectance of 42%, and a deep red color.
[0118]
(Second layer coating)
Titania coated plate-like aluminum powder I1, 18 g was sufficiently dispersed in 15.1 g of ethanol, 8.1 g of silicon ethoxide was added and mixed, and further, 19.9 g of water and 15.1 g of aqueous ammonia were added, and the mixture was stirred at room temperature. Reacted for hours. After the reaction, solid-liquid separation was performed by decantation, and the powder was vacuum dried and then dried for 8 hours, and then heat-treated at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace to obtain silica / titania-coated plate-like aluminum powder I2Got.
[0119]
(3rd layer colored film coating)
Silica / titania coated plate-like aluminum powder I2, 18 g was sufficiently dispersed in 160 g of ethanol, 11.8 g of titanium isopropoxide was added and mixed well, and then a prepared mixed solution of 20.1 g of water and 160 g of ethanol was added dropwise for 5 hours. I let you. After the reaction, solid-liquid separation was performed by decantation, and the powder was vacuum dried and then dried for 8 hours, and then heat-treated at 500 ° C. for 30 minutes in a nitrogen atmosphere using a rotary tube furnace.ThreeGot.
This powder had a peak of 785 nm, a reflectance of 68%, and a light red color.
Table 9 shows the refractive indexes and film thicknesses of the first to third layers, the peak wavelength of the spectral reflection curve of the coating powder, and the reflectance at the peak wavelength.
[0120]
[Table 9]
Figure 0003650302
[0121]
(Application)
Prepare 7 pieces of double-sided adhesive tape with a width of 3mm and a length of 57mm on a white vinyl chloride plate with a long side of 80mm, a single side of 57mm, and a thickness of 1.5mm. One piece in the center parallel to the single plate side After pasting, it was pasted in parallel at intervals of 3 mm from the central strip tape. Then IThreeWas lowered evenly on the board on which this tape was applied. Further, this white vinyl chloride plate was placed horizontally on an iron plate having a side of 10 cm and a thickness of 1 cm, and the same plate was placed on top and sandwiched between two sheets. A 1 kg weight was placed on the center of the plate and left for 1 hour.
After 1 hour, the plate was removed, and the powder that did not adhere was removed with a brush.
When the obtained plate was viewed vertically, a light red band was observed, and pleochroism was observed as in Example 8.
[0122]
(Physical properties)
As a result of scanning a search coil equipped with a Wheatstone bridge, a power source and an ammeter perpendicularly to a single side of the plate, the ammeter changed in the coated portion, but no change was observed in the non-coated portion. Detection by electric field is also possible.
This property can be used for polychromatic display media, cosmetics and decorations, or flip-flop methods.
[0123]
As is clear from Tables 1 to 9, the red color material composition of each example of the present invention obtained satisfactory results. In addition, since the titania coating layer having voids by crystallizing titania particles is provided in two layers (second layer and fourth layer) rather than one layer (second layer), a high degree of redness is achieved.
[0124]
【The invention's effect】
As described above, the red color material composition of the present invention can be produced at a lower production cost than the alkoxide method by using water as a solvent in the film-forming reaction in the production of the contained red powder. The effect of forming a film is obtained.
In addition, at least one layer of the coating film on the surface of the base particle is a film composed of crystallized fine particles and an aggregate of crystallized fine particles having voids between the crystallized fine particles (hereinafter simply referred to as crystallized fine particle constituting film). Contains a functional powder of red color tone that increases the refractive index difference between the crystallized particle surface and voids, causes light scattering and reflection, enhances the reflection effect, and has excellent brightness. It has become possible to provide a red color material composition.
[0125]
The red color material composition of the present invention obtained as described above has a function of maintaining the characteristics (for example, magnetic characteristics) of the base particles at a high level when a magnetic material is used as the base of the contained red powder. Powder, for example, a red magnetic toner that can perform an excellent composite function even in a one-component development system, and excellent magnetic properties. Also, multicolored and reflective or transmitted colors are used for decorative items, ceramics, porcelain, glassware, paintings and other crafts and arts, books, automobiles, bicycles, etc. Water-based ink, toner, paint, cosmetics, and titanium oxide film with catalytic action, which has excellent weather resistance and environmental cleanability such as air and water, and has both substrate characteristics and film characteristics. It can be applied to red multifunctional inks, toners and paints. In particular, printing inks as anti-counterfeiting pigment compositions by combining two or more of the above functions with the functions of magnetism, electric field, color, particle shape, fluorescence emission, phosphorescent emission, specific ultraviolet ray reflection absorption and specific infrared reflection absorption In addition, it is possible to provide a red color material composition capable of forming a desired image as a toner on a support medium and visually discriminating and discriminating by an apparatus and an efficient manufacturing method thereof.
In addition to having these excellent functions, if a conductor or dielectric is used as the base of the contained red powder, it reacts due to external factors of the electric field, thereby adding additional forces such as moving force, rotation, motion, heat generation, etc. It is possible to provide a red color material composition that retains the function of producing an action and an efficient production method thereof, which greatly contributes to the industry.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of an example of a red powder contained in a red color material composition of the present invention.
FIG. 2 is an enlarged cross-sectional view of a crystallized fine particle constituting film 2 included in a red powder contained in the red color material composition of FIG.
[Explanation of symbols]
1 Base particles
2 Crystallized fine particle composition film
3 Crystallized fine particles
4 Ultra fine particles

Claims (30)

基体粒子の表面に水系溶媒中での金属塩の反応により金属塩の反応により反応溶液中で固相微粒子を形成させ、該固相微粒子を該被覆膜中に取込ませることによって形成され、空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成された被覆膜を少なくとも1層有し600〜800nmの間にピークを有する反射スペクトルを示す赤色粉体を含有する赤色色材組成物。It is formed by forming solid phase fine particles in the reaction solution by reaction of the metal salt on the surface of the substrate particles by reaction of the metal salt in an aqueous solvent , and incorporating the solid phase fine particles into the coating film, A red color material composition comprising a red powder having a reflection spectrum having at least one coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids and having a peak between 600 and 800 nm. 前記赤色粉体の水系溶媒中での金属塩の反応により形成された前記被覆膜が、下記式の条件を満たすものであることを特徴とする請求項1記載の赤色色材組成物。
Nd=mλ/4
〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す)
n:膜を構成する物質の屈折率
d:膜厚
m:自然数
λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長(但し、λは600〜800nm)
κ:減衰係数〕
The coating film formed by the reaction of a metal salt in an aqueous solvent of the red powder, red colorant composition to that請 Motomeko 1 wherein characterized in that the condition is satisfied of the formula: .
Nd = mλ / 4
[Where N = n + iκ (i represents a complex number)
n: Refractive index of the material constituting the film d: Film thickness m: Natural number λ: Peak wavelength of the reflection spectrum of the powder (where λ is 600 to 800 nm)
(κ: damping coefficient)
前記赤色粉体の基体粒子の表面に有する被覆膜が多層膜であることを特徴とする請求項1記載の赤色色材組成物。  2. The red color material composition according to claim 1, wherein the coating film on the surface of the base particles of the red powder is a multilayer film. 前記赤色粉体の多層膜の各膜が、全て水系溶媒中での金属塩の反応により形成されたものであることを特徴とする請求項3記載の赤色色材組成物。  4. The red color material composition according to claim 3, wherein each film of the red powder multilayer film is formed by a reaction of a metal salt in an aqueous solvent. 前記赤色粉体の多層膜の各膜が、全て下記式の条件を満たすものであることを特徴とする請求項3記載の赤色色材組成物。
Nd=mλ/4
〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す)
n:膜を構成する物質の屈折率
d:膜厚
m:自然数
λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長(但し、λは600〜800nm)
κ:減衰係数〕
4. The red color material composition according to claim 3, wherein each film of the red powder multilayer film satisfies the following formula. 5.
Nd = mλ / 4
[Where N = n + iκ (i represents a complex number)
n: Refractive index of the material constituting the film d: Film thickness m: Natural number λ: Peak wavelength of the reflection spectrum of the powder (where λ is 600 to 800 nm)
(κ: damping coefficient)
空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成された前記被覆膜が、該結晶化微粒子表面と空隙との間で生じる光の散乱反射により明度を付与することができるものであることを特徴とする請求項1記載の赤色色材組成物。The coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids is capable of imparting lightness by scattering and reflecting light generated between the surface of the crystallized fine particles and the voids. The red color material composition according to claim 1. 空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成された前記被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐことができる超微粒子で構成された緻密な被覆膜を有することを特徴とする請求項1記載の赤色色材組成物。2. A dense coating film composed of ultrafine particles capable of closing the voids on the surface of the coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids. The red color material composition according to 1. 空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成された前記被覆膜が高屈折率膜であることを特徴とする請求項1記載の赤色色材組成物。2. The red color material composition according to claim 1, wherein the coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids is a high refractive index film. 前記緻密膜がシリカ膜であることを特徴とする請求項7記載の赤色色材組成物。The red color material composition according to claim 7, wherein the dense film is a silica film. 固相微粒子を該被覆膜中に取込ませた後に焼成することによって形成されたものであることを特徴とする請求項1記載の赤色色材組成物。2. The red color material composition according to claim 1, wherein the red color material composition is formed by firing solid phase fine particles in the coating film. 前記反応溶液が水溶液であることを特徴とする請求項1記載の赤色色材組成物。The red color material composition according to claim 1, wherein the reaction solution is an aqueous solution. 前記焼成を行う前に、前記固相微粒子を取込ませた被覆膜上を、該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ緻密な膜を構成することができる超微粒子で被覆したことを特徴とする請求項10記載の赤色色材組成物。Before the firing, the coating film into which the solid phase fine particles have been incorporated is coated with ultrafine particles that can form a dense film that closes the voids on the surface of the coating film. The red color material composition according to claim 10. 前記赤色粉体が、少なくとも結着用樹脂を含む分散媒中に分散されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の赤色色材組成物。The red color material composition according to claim 1, wherein the red powder is dispersed in a dispersion medium containing at least a binding resin. 前記赤色粉体上に接着樹脂層を有することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の赤色色材組成物。The red color material composition according to claim 1, further comprising an adhesive resin layer on the red powder. 前記接着樹脂層が体質顔料を含有することを特徴とする請求項14記載の赤色色材組成物。The red color material composition according to claim 14, wherein the adhesive resin layer contains an extender pigment. 赤色粉体を含有する赤色色材組成物の製造方法において、該赤色粉体が600〜800nmの間にピークを有する反射スペクトルを示す様に、基体粒子の表面に水系溶媒中での金属塩の反応により反応溶液中で固相微粒子を形成させ、該形成された固相微粒子を取り込ませることにより構成され、空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成された少なくとも1層の被覆膜を形成することを特徴とする赤色色材組成物の製造方法。In the method for producing a red color material composition containing a red powder, a metal salt in an aqueous solvent is formed on the surface of the base particle so that the red powder exhibits a reflection spectrum having a peak between 600 and 800 nm. Formed by forming solid phase fine particles in the reaction solution by reaction and incorporating the formed solid phase fine particles, forming at least one coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids A method for producing a red color material composition. 水系溶媒中での金属塩の反応により形成する前記被覆膜を、下記式の条件を満たすように形成することを特徴とする請求項16記載の赤色色材組成物の製造方法。The method for producing a red color material composition according to claim 16, wherein the coating film formed by the reaction of a metal salt in an aqueous solvent is formed so as to satisfy the following formula.
Nd=mλ/4Nd = mλ / 4
〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す)[Where N = n + iκ (i represents a complex number)
n:膜を構成する物質の屈折率n: Refractive index of the material constituting the film
d:膜厚d: Film thickness
m:自然数m: natural number
λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長(但し、λは600〜800nm)λ: wavelength of the peak of the reflection spectrum of the powder (where λ is 600 to 800 nm)
κ:減衰係数〕(κ: damping coefficient)
基体粒子の表面に形成する前記被覆膜を多層膜とすることを特徴とする請求項16記載の赤色色材組成物の製造方法。The method for producing a red color material composition according to claim 16, wherein the coating film formed on the surface of the base particle is a multilayer film. 前記多層膜の各膜を、全て水系溶媒中での金属塩の反応により形成することを特徴とする請求項18記載の赤色色材組成物の製造方法。19. The method for producing a red color material composition according to claim 18, wherein each film of the multilayer film is formed by a reaction of a metal salt in an aqueous solvent. 前記多層膜の各膜を、全て下記式の条件を満たすように形成することを特徴とする請求項18記載の赤色色材組成物の製造方法。19. The method for producing a red color material composition according to claim 18, wherein all the films of the multilayer film are formed so as to satisfy the condition of the following formula.
Nd=mλ/4Nd = mλ / 4
〔式中、N=n+iκ(iは複素数を表す)[Where N = n + iκ (i represents a complex number)
n:膜を構成する物質の屈折率n: Refractive index of the material constituting the film
d:膜厚d: Film thickness
m:自然数m: natural number
λ:粉体の示す反射スペクトルが有するピークの波長(但し、λは600〜800nm)λ: wavelength of the peak of the reflection spectrum of the powder (where λ is 600 to 800 nm)
κ:減衰係数〕(κ: damping coefficient)
空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成する前記被覆膜を、該結晶化微粒子表面と空隙との間で生じる光の散乱反射により明度を付与できるように形成することを特徴とする請求項16記載の赤色色材組成物の製造方法。The coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids is formed so that brightness can be imparted by light scattering and reflection generated between the surface of the crystallized fine particles and the voids. The manufacturing method of the red color material composition of 16. 空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成する前記被覆膜の表面に、該表面の空隙を塞ぐことができる超微粒子で緻密な膜を形成することを特徴とする請求項16記載の赤色色材組成物の製造方法。17. The red color according to claim 16, wherein a dense film is formed on the surface of the coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids, with ultrafine particles capable of closing the voids on the surface. Manufacturing method of material composition. 空隙を有する結晶化微粒子の集合体として構成する前記被覆膜を高屈折率膜とすることを特徴とする請求項16記載の赤色色材組成物の製造方法。17. The method for producing a red color material composition according to claim 16, wherein the coating film configured as an aggregate of crystallized fine particles having voids is a high refractive index film. 前記緻密膜をシリカ膜とすることを特徴とする請求項22記載の赤色色材組成物の製造方法。The method for producing a red color material composition according to claim 22, wherein the dense film is a silica film. 固相微粒子を該被覆膜中に取込ませた後に焼成することによって形成することを特徴とする請求項16記載の赤色色材組成物の製造方法。The method for producing a red color material composition according to claim 16, wherein the solid phase fine particles are formed by firing after being taken into the coating film. 前記反応溶液を水溶液とすることを特徴とする請求項25記載の赤色色材組成物の製造方法。The method for producing a red color material composition according to claim 25, wherein the reaction solution is an aqueous solution. 前記焼成を行う前に、前記固相微粒子を取込ませた被覆膜上を、該被覆膜の表面の空隙を塞ぐ緻密な膜を構成することができる超微粒子で被覆することを特徴とする請求項25記載の赤色色材組成物の製造方法。Before performing the firing, the coating film into which the solid phase fine particles have been incorporated is coated with ultrafine particles that can form a dense film that closes the voids on the surface of the coating film, The method for producing a red color material composition according to claim 25. 前記赤色粉体が、少なくとも結着用樹脂を含む分散媒中に分散することを特徴とする請求項16〜27のいずれかに記載の赤色色材組成物の製造方法。The method for producing a red color material composition according to any one of claims 16 to 27, wherein the red powder is dispersed in a dispersion medium containing at least a binding resin. 前記赤色粉体上に接着樹脂層を設けることを特徴とする請求項16〜28のいずれかに記載の赤色色材組成物の製造方法。The method for producing a red color material composition according to any one of claims 16 to 28, wherein an adhesive resin layer is provided on the red powder. 前記接着樹脂層が体質顔料を含有させることを特徴とする請求項29記載の赤色色材組成物の製造方法。30. The method for producing a red color material composition according to claim 29, wherein the adhesive resin layer contains an extender pigment.
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