JP3650218B2 - High molecular weight aromatic amine compound and hole transporting material comprising the same - Google Patents

High molecular weight aromatic amine compound and hole transporting material comprising the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機EL素子などのホール輸送性材料として有用な高分子量芳香族アミン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に機能性色素分子は平面的であり結晶性が高い。このような色素分子を薄膜化して機能性デバイスを作製する場合、理想的には単結晶薄膜の作製がベストである。しかし、実際には多結晶の膜が生成しやすく、結晶粒界は電荷トラップや上部電極の作製の際、電気的短絡の原因となる。したがって、簡単な方法でマクロな均一性を得るための別の方策としてアモルファス膜の作製が候補となる。高い熱安定性を有する無機物やポリマーのアモルファスはすでに様々な分野で利用されている。しかし、低分子色素化合物のアモルファスは耐熱性が低いと考えられ、これまで低分子材料は主に熱安定性のポリマーと複合化されて用いられてきた。ところが、1987年に低分子色素のアモルファス蒸着膜を積層した有機EL素子が出現するに至って、低分子色素アモルファス自身にも耐熱性が要求されるようになった。ここから耐熱性のある低分子アモルファス材料という概念が生まれ、これはこれまでにない新しい材料系であることが認識されるようになった。そして、耐熱性低分子アモルファス色素材料は有機ELに留まるだけでなく、記録媒体、表示媒体、太陽電池、カラーフィルター、電子写真用感光体などの機能性有機色素化合物を用いる種々の応用や、新しい応用にも広がる可能性を持つことから、今後の発展が期待できる。現在までに、有機EL用色素を始め、放射状のスターバースト分子やトリカルバゾールなど、種々の耐熱性アモルファス色素材料が合成されている。
【0003】
下記式のトリカルバゾール
【化4】

Figure 0003650218
は1993年に東芝が開発した有機材料で、分子量が約500の低分子でありながらガラス転移温度(Tg)が230℃とエンジニアリングプラスチックス並みの耐熱性を持つ。従来、耐熱性が最も高かった有機低分子よりTgは約30℃も高い。同社は、分子構造とTgの関係をエントロピーやエンタルピーといった熱力学的パラメーターとTgの関係を定量的に明らかにした。その結果、耐熱性を高めるための分子設計の方針として、▲1▼分子量を高める、▲2▼分子の対称性を高める、▲3▼分子鎖を短くして球状に近づける、▲4▼剛直性を持たせる、▲5▼水素結合を導入するなどを挙げた。
【0004】
放射状のスターバースト分子は大阪大学の城田らがトリフェニルアミン骨格を持つスターバーストアミンを合成し、有機EL素子に応用した報告がある。合成された代表的な化合物は下記
【化5】
Figure 0003650218
である。これらのスターバーストアミンのTgは46℃〜180℃で、o−、m−、p−MTDABの透明なアモルファスガラス状態は室温で安定でo−MTDABは3ヶ月以上、m−、p−MTDABについては1年以上、結晶化は観察されなかった。この材料を有機EL素子のホール輸送層に用いたm−MTDATA/TPD/Alqの素子は300cd/cm2の輝度において2.31m/Wとm−MTDATAを用いない素子の発光効率1.71m/Wと比べると高い発光効率を示した。一定電流密度における素子の耐久性についても、輝度(初期値300cd/cm2)半減期はm−MTDATAを用いた素子で300時間であるのに対して用いていない素子では150時間であった。これはスターバーストアミンのエネルギーレベルがTPDのHOMOとITOの中間に位置することから、ITOからのホールの注入が容易に行われるために生じた結果である。また、これはTPD単層の素子は短時間で漏れ電流を発生するのに対してm−MTDATAは漏れ電流を発生しない。このことはm−MTDATAのアモルファスフィルムの安定性に起因している。このようにスターバーストアミンはイオン化ポテンシャル(Ip)が低く、膜のアモルファス安定性に優れた材料である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スターバーストアミン類の豊富化を目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一は、下記一般式〔1〕
【化6】
Figure 0003650218
(式中、 は式
【化7】
Figure 0003650218
で表わされる基であり、Q、Q、QおよびQは低級アルキルおよび低級アル
コキシ基よりなる群から選ばれた置換基を有することもある、アリール基よりなる
群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R、R、R、R、R、R
、R、R、R10、R11、R12およびR13は、水素原子、低級アルキ
ル基および低級アルコキシ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基である)
で表わされる高分子量芳香族アミン化合物に関する。
【0007】
前記化合物としては、とくに下記一般式〔2〕
【化8】
Figure 0003650218
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R1213、R14、R15、R16、R17およびR18は水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基である)
で表わされる高分子量芳香族アミン化合物が好ましい。
【0008】
一般式〔3〕
【化9】
Figure 0003650218
(式中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11
12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は水素原子、低級
アルキル基および低級アルコキシ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基で
あり、Qは、低級アルキルおよび低級アルコキシ基よりなる群から選ばれた置換基
を有することもある、アリール基である)
を製造する方法はつぎのとおりである。
【0009】
下記一般式〔4〕
【化10】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R9は前記と同一である)
で表わされるN,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンに、下記一般式〔5〕
【化11】
Figure 0003650218
(式中、R10〜R13は前記と同一であり、Xはハロゲンである)
で示される1−ハロゲン化−4−ニトロベンゼンを反応させて、
【0010】
下記一般式〔6〕
【化12】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R13は前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−N−(4−ニトロフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンを得る。
【0011】
ついで、これに下記一般式〔7〕
【化13】
Figure 0003650218
(式中、R10〜R13は前記と同一であり、Rは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基および置換基を有することもある、アリール基であり、前記置換基は、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、Xはハロゲンである)
で示されるハロゲン化アリールを反応させ、下記一般式〔8〕
【化14】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R13およびRは前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−N−(4−ニトロフェニル)−N′−(フェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンを得る。
【0012】
さらにこれを還元して下記一般式〔9〕
【化15】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R13およびRは前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−N−(4−アミノフェニル)−N′−(フェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンとする。
【0013】
つづいて、これに下記一般式〔10〕
【化16】
Figure 0003650218
(式中、R14〜R18およびXは前記と同一である)
で示されるハロゲン化ベンゼンを反応させることにより前記一般式〔3〕で示される高分子量芳香族アミン化合物を製造することができる。
【0014】
また、前記一般式〔1〕で示される化合物のうち、一般式〔2〕
【化17】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R18は前記と同一である)
で表わされる化合物を製造する方法はつぎのとおりである。
【0015】
前記一般式〔4〕で示されるN,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンに、前記一般式〔5〕で示される1−ハロゲン化−4−ニトロベンゼンを反応させて、下記一般式〔11〕
【化18】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R13は前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−N,N′−(4−ニトロフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンを得る。
【0016】
ついで、これを還元して、下記一般式〔12〕
【化19】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R13は前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−N,N′−(4−アミノフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンを得た。
【0017】
ついで、これに前記一般式〔10〕で示されるハロゲン化ベンゼンを反応させることにより、前記一般式〔2〕で示される高分子量芳香族アミン化合物を製造することができる。
【0018】
本発明の一般式〔1〕、〔2〕、〔3〕で示される高分子量芳香族アミン化合物は、新しいタイプのスターバースト型アミン化合物であって、ホール輸送性を示すので、この性質を利用して、ホール輸送性材料として各種電子部品に使用することができ、とくに有機EL素子のホール輸送性材料として有用である。
【0019】
前記低級アルキルや低級アルコキシにおける炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜3である。また、前記アリール基は、フェニル基、ジフェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。
【0020】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0021】
実施例における各データーの測定方法はつぎに示すとおりである。
(1)IRスペクトル
IRスペクトルは、島津FTIR−8100M分光計によりKBr錠剤法で測定した。
(2)1H NMRスペクトル
1H NMRは25℃で日本電子(270MHz)JNM−EX270FTNMR型を用いて測定した。
(3)融点測定
融点は融点測定装置(三田村理研工業製 直熱式毛管融点測定装置)を用いて測定した。
(4)元素分析
元素分析はYanagimotoCHNコーダーMT−3型を使用して行った。
(5)純度測定
高速液体クロマトグラフ(HPLC)は、Hitachi C−4000型を用いて行った。
測定条件;カラム TSK−GEL for HPLC;フィルター、0.45μm液体クロマトグラフ用;キャリヤー溶媒、メタノール;流速 1.0ml/min;254nm。
(6)蛍光およびUVスペクトルの測定
蛍光スペクトルおよびUVスペクトルは石英ガラス上に真空蒸着法によって成膜した基板を用いて測定した。UVスペクトルはSHIMADZU UV−2200Aを用いて行った。スキャンスピードはFAST、スリット幅は2.0nm、測定範囲は200〜750nmの範囲で行った。蛍光スペクトルは日立分光光度計F−4010とHAMAHATHU PHOTONIC MULTI−CHANNEL ANALYZER(PMA)を使用して行った。日立分光光度計F−4010ではEXバンドパスおよびEMバンドパスはともに3nmとし、スキャンスピードは蛍光スペクトルでは60nm/secで行った。またサンプルの照射角度は蛍光スペクトルでは45゜で測定した。PMAではF−4010で求めた励起波長を45゜で入射させ、スキャン時間5秒、積算回数5回で測定した。
(7)膜厚の測定
マスクしたITO(陽極)被覆ガラス基板上に真空蒸着にて成膜した。膜厚の測定は膜とITOの断面を3点、DEKTAK3STを使用して測定した。測定条件:測定距離=1000μm、測定速度=Low(50秒)、データ分析能=Hight、測定レンジ=65KA、触針圧=1mmg。
(8)EL素子の輝度−電流密度−電圧特性の測定
EL素子に約2秒間隔で直流電圧を2Vまたは1Vづつステップ状に印加し、その時の電流密度と輝度を約1秒後に測定した。輝度の測定にはTOPCON社製BM−8、直流電源は菊水PBX40−2.5、電流値の測定にはデジタルマルチメーター(アドバンテストTR6846)を使用し、大気中で行った。
【0022】
実施例1
下記の反応式によりN,N′−ジフェニルベンジジン▲1▼より、本発明の化合物の1つである高分子量芳香族アミン1(STBA−1)▲4▼を製造した。各工程毎の製法は次の(1)〜(3)で説明する。
【0023】
【化20】
Figure 0003650218
【0024】
(1)N,N′−ジフェニル−N,N′−(4−ニトロフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(DNTPD)▲2▼の合成
N,N′−ジフェニルベンジジン▲1▼9.02g(26.8mmol)、p−フルオロニトロベンゼン12.6g(89.1mmol)、フッ化セシウム18.1g(119mmol)に溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)100mlを加え、窒素雰囲気下120℃で24時間撹拌した。反応終了後、冷水2500mlにかき混ぜながら注ぎ、粗結晶を得た。その後、60℃で12時間真空乾燥させた。ここで未反応物のN,N′−ジフエニルベンジジン▲1▼と未反応のN,N′−ジフエニル−N,N′−(4−ニトロフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンとの分離は困難なので未反応物と3−ヨードトルエンを反応させN,N′−ジフェニル−N,N′−(3−メチルフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(TPD)とN,N′−ジフェニル−N−(4−ニトロフェニル)−N−(3−メチルフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンとしてから精製した。反応は粗結晶24.2g、3−ヨードトルエン11.7g(53.5mmol)、炭酸カリウム37.0g(268mmol)、活性化銅17.0g(268mmol)を加え、窒素雰囲気下220℃で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を1,2−ジクロロエタンに溶かして濾過により銅を除去した。1,2−ジクロロエタンをエバポレーターにて除去してから、カラムクロマトグラフィー法(展開溶媒、1,2−ジクロロエタン:n−ヘキサン=1:1、Rf=0.23)によって精製を行った。構造確認はIRスエクトル、1H NMRスペクトルと元素分析にて行い、それぞれのスペクトルを図1、図2に示した。
【0025】
収率 43.7%(6.42g)
融点 190.0〜191.8℃
IR(KBr、cm-1):1583(NO2
1H NMR(270MHz,CDCl3,TMS):δ(ppm)=7.0〜8.2(m,26H,Ar)
元素分析値(C362624として):
分析値:C73.08%、H4.55%、N9.39%、
計算値:C74.73%、H4.53%、N9.68%
【0026】
(2)N,N′−ジフェニル−N,N′−(4−アミノフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(DATPD)▲3▼の合成
DNTPD4.42g(7.98mmol)▲2▼と5%パラジウム/カーボン3.20gにジメチルホルムアミド(DMF)100mlを加え、室温、常圧、水素雰囲気でニトロ基の還元反応を行った。反応終了後、パラジウム/カーボンを濾別し、濾液に冷水(500ml)をかき混ぜながら注ぎ、DATPD▲3▼粗結晶を得た。構造確認はIRスペクトル、1H NMRスペクトルと元素分析にて行い、それぞれのスペクトルを図3、図4に示した。
【0027】
収率 82.9%(3.43g)
IR(KBr、cm-1):3460,3360(NH2
1H NMR(270MHz,CDCl3,TMS):δ(ppm)=3.6
(S,2H,NH2)、6.8〜7.5(m,27H,Ar)
元素分析値(C36293として):
分析値:C86.06%、H5.9%、N8.28%、
計算値:C85.85%、H5.80%、N8.34%
【0028】
(3)高分子量芳香族アミン1(STBA−1)▲4▼の合成
DATPD1.90g(3.66mmol)▲3▼、3−ヨードトルエン22g(104mmol)、炭酸カリウム4.81g(34.8mmol)、活性化銅2.21g(34.8mmol)を加え、窒素雰囲気下220℃で36時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をテトラヒドロフラン(THF)に溶かして濾過により銅を除去した。THFをエバポレーターにて除去してから、カラムクロマトグラフィー法(展開溶媒、クロロホルム:n−ヘキサン=1:2、Rf=0.16)によって精製を行った。さらに、トレイン・サブリメーション法(窒素ガス200cc/min、380℃、170℃)により昇華精製し、目的物▲4▼を得た。構造確認はIRスペクトル、1H NMRスペクトルと元素分析にて行い、それぞれのスペクトルを図5、図6に示した。
【0029】
収率 15.0%(0.483g)
融点 121.9〜122.5℃
IR(KBr、cm-1):3032(CH3)、1269、
1290〔(C653N〕
1H NMR(270MHz,CDCl3,TMS):δ(ppm)=2.3
(S,12H,CH3)、6.8〜7.6(m,42H,Ar)
元素分析値(C64544として):
分析値:C87.4%、H6.13%、N6.31%、
計算値:C87.44%、H6.19%、N6.37%
【0030】
実施例2
下記の反応式により、N,N′−ジフェニルベンジジン▲1▼より、本発明の化合物の1つである高分子量芳香族アミン2(STBA−2)を製造した。各工程毎の製法は次の(1)〜(3)で説明する。
【0031】
【化21】
Figure 0003650218
【0032】
(1)N,N′−ジフェニル−N−(4−ニトロフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(NTPD)▲5▼の合成
N,N′−ジフェニルベンジジン10.0g(29.7mmol)▲1▼、p−フルオロニトロベンゼン8.38g(59.4mmol)、フッ化セシウム4.5g(29.7mmol)に溶媒としてDMSO120mlを加え、窒素雰囲気下100℃で24時間撹拌した。反応終了後、冷水2500mlにかき混ぜながら注ぎ、N,N′−ジフェニル−N−(4−ニトロフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(NTPD)▲5▼の粗結晶を得た。その後、60℃で12時間真空乾燥させた。
収量 12.7g
【0033】
(2)N,N′−ジフェニル−N−(4−ニトロフェニル)−N′−(3−メチル−フェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(NPTPD)▲6▼の合成
NTPD12.7g(27.7mmol)▲5▼、3−ヨードトルエン12.1g(55.4mmol)、炭酸カリウム19.1g(138.5mmol)、活性化銅8.80g(138.5mmol)を加え、窒素雰囲気下220℃で36時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を1,2−ジクロロエタンに溶かして濾過により銅を除去した。1,2−ジクロロエタンをエバポレーターにて除去してから、カラムクロマトグラフィー法(展開溶媒、1,2−ジクロロエタン:n−ヘキサン=1:1、Rf=0.52)によって精製を行い、N,N′−ジフェニル−N−(4−ニトロフェニル)−N′−(3−メチル−フェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(NPTPD)▲6▼を得た。
【0034】
収率 31.9%(4.84g)
元素分析値(C372932として):
分析値:C79.83%、H5.28%、N7.55%、
計算値:C81.15%、H5.34%、N7.67%
なお、前記収率は(1)から(2)までのトータルの収率を示す。
【0035】
(3)N,N′−ジフェニル−N−(4−アミノフェニル)−N′−(3−メチル−フェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(APTPD)▲7▼の合成
NPTPD4.84g(8.83mmol)▲6▼と5%パラジウムカーボン1.77gにDMF100mlを加え、室温、常圧、水素雰囲気でニトロ基の還元反応を行った。反応終了後、パラジウム/カーボンを濾別し、濾液を冷水(500ml)にかき混ぜながら注ぎ、N,N′−ジフェニル−N−(4−アミノフェニル)−N′−(3−メチル−フェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(APTPD)▲7▼の粗結晶を得た。
収率89.6%(4.09g)。
【0036】
(4)高分子量芳香族アミン2(STBA−2)▲8▼の合成
APTPD0.65g(1.26mmol)▲7▼、3−ヨードトルエン0.824g(3.78mmol)、炭酸カリウム1.76g(12.6mmol)、活性化銅0.8g(12.6mmol)を加え、窒素雰囲気下220℃で36時間撹拌した。反応終了後、反応混合物をTHFに溶かして濾過により銅を除去した。THFをエバポレーターにて除去してから、カラムクロマトグラフィー法(展開溶媒、クロロホルム:n−ヘキサン=1:2、Rf=0.26)によって精製を行った。さらにトレイン・サブリメーション法(窒素ガス200cc/min、320℃、150℃)により昇華精製して、高分子量芳香族アミン2(STBA−2)▲8▼を得た。構造確認はIRスペクトル1H NMRスペクトルと元素分析にて行い、それぞれのスペクトルを図7、図8に示した。
【0037】
収率 14.6%(0.128g)
融点 104.3〜105.0℃
IR(KBr、cm-1):3032(CH3)、1269、1290
〔(C653N〕
1H NMR(270MHz,CDCl3,TMS):δ(ppm)=2.3(S,9H,CH3)、6.8〜7.5(m,34H,Ar)
元素分析値(C64544として):
分析値:C87.76%、H6.21%、N6.13%、
計算値:C87.77%、H6.21%、N6.02%
【0038】
実施例3
(1)ITO基板のパターン付け
インジウム−スズ酸化物(ITO)をコートしたITOガラス基板(旭硝子製15Ω/□ 1500Å)を25mm×25mmに切り取り、ITO面側の中央にScotch製のクリアテープ(幅12mm)を気泡が入らぬように貼り、これを腐食液に浸漬してパターン形成を行った。
【0039】
(2)基板の洗浄
基板洗浄は、特開平6−49079号公報第24欄、特開平4−233195号公報第17欄など記載の通常の方法にしたがって実施した。
【0040】
(3)素子の作製
ホール輸送層としてのSTBA−1(実施例1のもの)、電子輸送層として下記式のTPDとAlqは、真空蒸着により3×10-5Torr下で2−4Å/sの蒸着速度で積層した。また金属電極である陰極は、Mg:Agを6.0×10-6Torr下で10:1の割合で2000Åの厚さに共蒸着したのち酸化保護膜としてAgを1000Åの厚さに蒸着積層した。電極面積は5mm×5mmとした。なお、真空蒸着機はULVAC SINKU KIKO VPC 260を用いた。
【化22】
Figure 0003650218
【0041】
(4)高分子量芳香族アミン(STBA−1および2)の蛍光特性
図9〜12にSTBA−1とSTBA−2の蒸着膜のそれぞれの励起スペクトルと蛍光スペクトルを示した。図10の蛍光スペクトルからSTBA−1は433nmと509nmにピークを持つ青緑色の発光を示し、図12の蛍光スペクトルからSTBA−2は435nmにピークを持つ青紫色の発光を示すことがわかった。表1にイオン化ポテンシャル(HOMO)測定の結果を示した。
【0042】
【表1】
Figure 0003650218
Riken Kenki AC−1.により測定
【0043】
擬電子親和力(LUMO)(Ea)はUV吸収スペクトルの吸収端(図13〜14)から求めたエネルギーギャップを元に算出した。トリフェニルジアミン誘導体(TPD)と比べるとイオン化ポテンシャル(Ip)は0.3eV、エネルギーギャップ(Eg)は0.1eV小さくなっている。
このことからTPDよりもITO(Ip=5.0eV)からのホールの注入が容易に行えることがわかる。また、蛍光ピーク波長がTPDと比べて深色シフトしたのはエネルギーギャップが小さくなっていることから説明できる。
【0044】
(5)高分子量芳香族アミン−1(STBA−1)のホール輸送層への応用
電子輸送性のAlqを発光層とし、図15に示したITO/STBA−1(500Å)/Alq(500Å)/Mg:Agの構造で素子を作製した。ITOを陽極、Mg:Agを陰電極とし、直流電圧を印加すると素子から緑色発光がガラス基板を通して観察された。図16の(a)に素子のELスペクトルを、図16の(b)にSTBA−1のPLスペクトルを示した。ELスペクトルは520nm付近にピークを有する非常にブロードなものであり、これはSTBA−1膜のPLスペクトルと一致しないことからAlqからの発光であることを確認した。したがってこの素子では、STBA−1がホール輸送層として機能し、電子輸送性のAlq層中でキャリアの再結合が起こりAlq分子が励起されているものと考えられる。
【0045】
素子の輝度−電圧、電流密度−電圧、輝度−電流密度の関係を図17〜19に示した。図17にみられるように、発光は3ボルトから始まり、電圧の上昇とともに輝度も上昇し、10ボルトで5,500cd/m2、12ボルトで最高輝度10,000cd/m2に達した。印加電圧が8ボルトの時、効率がもっとも高く1.7cd/Aであった。ホール輸送性の低分子芳香族アミンをホール輸送層としたAlqとの二層型素子では効率が3.2〜3.5cd/Aであることを考えると低い値である。このように効率が低くなった原因として電流密度−電圧の関係からトリフェニルジアミン誘導体(TPD)をホール輸送層に用いた素子に比べるとSTBA−1を用いた素子の方が低電圧から電流が流れていることが挙げられる。これはSTBA−1のホール移動度が高いため、電子と再結合をしなかった過剰なホールが対極に抜け、電流が流れているものと考えられる。このことからホール移動度の低い材料をSTBA−1上に積層したり、電子移動度の高い材料を用いてキャリアの注入バランスを調整することにより高効率発光素子を作製できるものと考えられる。
【0046】
(6)高分子量芳香族アミン−1(STBA−1)の寿命特性
前項(3)で作製した素子を大気中で10mA/cm2の一定電流、連続駆動で測定した(図20)。測定開始直後の輝度は5.2ボルトで126.7cd/m2であった。12時間後は6.2ボルトで114cd/m2、48時間後は7.1ボルトで105cd/m2、76時間後では7.9ボルトで100cd/m2であった。TPDを用いた二層型素子の寿命特性は初期輝度132cd/m2の輝度半減期が5.5時間であった。このことからSTBA−1を用いた素子の方が輝度の減少と電圧の上昇はかなり低く抑えられていることがわかる。これはSTBA−1のイオン化ポテンシャルがTPDのHOMOとITOの中間に位置することから、ITOからのホールの注入が容易に行われるために生じた結果である。また、TPD単層の素子は短時間で漏れ電流を発生するのに対してSTBA−1は漏れ電流を発生しない。このことはSTBA−1のアモルファスフィルムの安定性に起因している。このようにSTBA−1はイオン化ポテンシャル(Ip)が低く、膜のアモルファス安定性に優れた材料である。
【0047】
以下に本発明の実施態様項を列記する。
1.下記一般式〔1〕
【化23】
Figure 0003650218
(式中、Q1は低級アルキルおよび低級アルコキシ基よりなる群から選ばれた置換基を有することもある、アリール基および式
【化24】
Figure 0003650218
で表わされる基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、
2、Q3、Q4およびQ5は低級アルキルおよび低級アルコキシ基よりなる群から選ばれた置換基を有することもある、アリール基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12およびR13は、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基である)
で表わされる高分子量芳香族アミン化合物。
2.下記一般式〔2〕
【化25】
Figure 0003650218
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基である)
で表わされる高分子量芳香族アミン化合物。
3.下記一般式〔3〕
【化26】
Figure 0003650218
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、水素原子、低級アルキル基および低級アルコキシ基よりなる群からそれぞれ独立して選ばれた基であり、Q6は、低級アルキルおよび低級アルコキシ基よりなる群から選ばれた置換基を有することもある、アリール基である)
で表わされる高分子量芳香族アミン化合物。
4.下記式▲4▼
【化27】
Figure 0003650218
で示される高分子量芳香族アミン化合物。
5.下記式▲8▼
【化28】
Figure 0003650218
で示される高分子量芳香族アミン化合物。
6.前項1、2、3、4または5記載の化合物よりなるホール輸送性材料。
7.前項6のホール輸送性材料を用いた有機EL素子。
8.下記一般式〔4〕
【化29】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R9は、前記と同一である)
で表わされるN,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンに、下記一般式〔5〕
【化30】
Figure 0003650218
(式中、R10〜R13は前記と同一であり、Xはハロゲンである)
で示される1−ハロゲン化−4−ニトロベンゼンを反応させて、下記一般式〔6〕
【化31】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R13は前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−N−(4−ニトロフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンを得、ついで、これに、下記一般式〔7〕
【化32】
Figure 0003650218
(式中、R10〜R13は前記と同一であり、Rは水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基および置換基を有することもある、アリール基であり、前記置換基は、低級アルキル基または低級アルコキシ基であり、Xはハロゲンである)
で示されるハロゲン化アリールを反応させ、下記一般式〔8〕
【化33】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R13およびRは前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−N−(4−ニトロフェニル)−N′−(フェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンを得、ついでこれを還元して下記一般式〔9〕
【化34】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R13およびRは前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−N−(4−アミノフェニル)−N′−(フェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′− ジアミンとし、つぎに、この化合物に下記一般式〔10〕
【化35】
Figure 0003650218
(式中、R14〜R17およびXは前記と同一である)
で示されるハロゲン化ベンゼンを反応させることを特徴とする下記一般式〔3〕
【化36】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R18は前記と同一であり、Q6は低級アルキルおよび低級アルコキシ基よりなる群から選ばれた置換基を有することもあるアリール基である)
で示される高分子量芳香族アミン化合物を製造する方法。
9.下記一般式〔4〕
【化37】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R9は前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンに、下記一般式〔5〕
【化38】
Figure 0003650218
(式中、R10〜R13およびXは前記と同一である)
で示される1−ハロゲン化−4−ニトロベンゼンを反応させて下記一般式〔11〕
【化39】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R13は前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−N,N′−(4−ニトロフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンを得、ついで、これを還元して下記一般式〔12〕
【化40】
Figure 0003650218
(式中、R1〜R13は前記と同一である)
で示されるN,N′−ジフェニル−N,N′−(4−アミノフェニル)−1,
1′−ビフェニル−4,4′−ジアミンとし、ついで、これに下記一般式〔10〕
【化41】
Figure 0003650218
(式中、R14〜R18およびXは前記と同一である)
で示されるハロゲン化ベンゼンを反応させることを特徴とする下記一般式〔2〕で示される高分子量芳香族アミン化合物を製造する方法。
【0048】
【効果】
(1)本発明により、新しい高分子量芳香族アミン化合物を提供することができた。
(2)本発明の化合物は、ホール輸送性材料として各種電子部品材料として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】N,N′−ジフェニル−N,N′−(4−ニトロフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(DNTPD)のIRスペクトル図である。
【図2】N,N′−ジフェニル−N,N′−(4−ニトロフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(DNTPD)のNMRスペクトル図である。
【図3】N,N′−ジフェニル−N,N′−(4−アミノフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(DATPD)のIRスペクトル図である。
【図4】N,N′−ジフェニル−N,N′−(4−アミノフェニル)−1,1′−ビフェニル−4,4′−ジアミン(DATPD)のNMRスペクトル図である。
【図5】実施例1の(3)で得られた本発明の高分子量芳香族アミン1(STBA−1)のIRスペクトル図である。
【図6】実施例1の(3)で得られた本発明の高分子量芳香族アミン1(STBA−1)のNMRスペクトル図である。
【図7】実施例2の(4)で得られた高分子量芳香族アミン2(STBA−2)のIRスペクトル図である。
【図8】実施例2の(4)で得られた高分子量芳香族アミン2(STBA−2)のNMRスペクトル図である。
【図9】実施例1の(3)で得られた高分子量芳香族アミン1(STBA−1)の蒸着膜の励起スペクトル図である。
【図10】実施例1の(3)で得られた高分子量芳香族アミン1(STBA−1)の蒸着膜の蛍光スペクトル図である。
【図11】実施例2の(4)で得られた高分子量芳香族アミン2(STBA−2)の蒸着膜の励起スペクトル図である。
【図12】実施例2の(4)で得られた高分子量芳香族アミン2(STBA−2)の蒸着膜の蛍光スペクトル図である。
【図13】実施例1の(3)で得られた高分子量芳香族アミン1(STBA−1)の蒸着膜のUV吸収スペクトル図である。
【図14】実施例2の(4)で得られた高分子量芳香族アミン2(STBA−2)の蒸着膜のUV吸収スペクトル図である。
【図15】本発明の実施例3の(5)で作製した有機EL素子の積層構造を示す。
【図16】(a)は本発明の実施例3の(5)で作製した有機EL素子のELスペクトルを示し、(b)は実施例1の(3)で得られた高分子量芳香族アミン1(STBA−1)の蒸着膜のPLスペクトルを示す。
【図17】実施例3の(5)で作製した有機EL素子の輝度−電圧特性を示すグラフである。
【図18】実施例3の(5)で作製した有機EL素子の電流密度−電圧特性を示すグラフである。
【図19】実施例3の(5)で作製した有機EL素子の輝度−電流密度特性を示すグラフである。
【図20】白丸印は実施例3の(5)で作製した有機EL素子の輝度−駆動時間特性を示し、黒丸印はその電圧−駆動時間特性を示し、白三角印はITO/TPD(400Å)/Alq(600Å)/Mg:Ag素子構造の有機EL素子の輝度−駆動時間特性を示し、黒三角印はその電圧−駆動時間特性を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a high molecular weight aromatic amine compound useful as a hole transporting material such as an organic EL device.
[0002]
[Prior art]
In general, functional dye molecules are planar and have high crystallinity. When a functional device is produced by thinning such a dye molecule, ideally, production of a single crystal thin film is the best. However, in practice, a polycrystalline film is likely to be formed, and the crystal grain boundary causes an electrical short circuit when forming a charge trap or an upper electrode. Therefore, the production of an amorphous film is a candidate as another measure for obtaining macro uniformity by a simple method. Inorganic and polymer amorphous materials having high thermal stability are already used in various fields. However, the low molecular dye compound amorphous is considered to have low heat resistance, and so far, low molecular materials have been mainly used in combination with heat-stable polymers. However, in 1987, an organic EL element in which an amorphous deposited film of a low molecular dye was laminated appeared, and the low molecular dye amorphous itself was required to have heat resistance. From this, the concept of heat-resistant low molecular weight amorphous material was born, and it was recognized that this was a new material system that had never existed before. The heat-resistant low-molecular amorphous dye material is not limited to organic EL, but various applications using functional organic dye compounds such as recording media, display media, solar cells, color filters, electrophotographic photoreceptors, and new Future development is expected due to the possibility of spreading to applications. To date, various heat-resistant amorphous dye materials such as organic EL dyes, radial starburst molecules, and tricarbazole have been synthesized.
[0003]
Tricarbazole of the following formula
[Formula 4]
Figure 0003650218
Is an organic material developed by Toshiba in 1993. It has a low molecular weight of about 500, but has a glass transition temperature (Tg) of 230 ° C, which is as heat resistant as engineering plastics. Conventionally, Tg is about 30 ° C. higher than the organic small molecule having the highest heat resistance. The company quantitatively clarified the relationship between Tg and thermodynamic parameters such as entropy and enthalpy as to the relationship between molecular structure and Tg. As a result, molecular design policies to improve heat resistance are as follows: (1) increase molecular weight, (2) increase molecular symmetry, (3) shorten molecular chains to make them closer to spheres, (4) rigidity And (5) introducing hydrogen bonds.
[0004]
As for the radial starburst molecule, there is a report that Shirota et al. Of Osaka University synthesized a starburst amine having a triphenylamine skeleton and applied it to an organic EL device. Representative compounds synthesized are as follows:
[Chemical formula 5]
Figure 0003650218
It is. These starburst amines have Tg of 46 ° C. to 180 ° C., the transparent amorphous glass state of o-, m-, and p-MTDAB is stable at room temperature, and o-MTDAB is 3 months or longer. No crystallization was observed for more than 1 year. The element of m-MTDATA / TPD / Alq using this material for the hole transport layer of the organic EL element is 300 cd / cm.2The luminance was 2.31 m / W, which was higher than that of the element not using m-MTDATA, which was 1.71 m / W. As for the durability of the device at a constant current density, the luminance (initial value 300 cd / cm2) The half-life was 300 hours for the element using m-MTDATA, whereas it was 150 hours for the element not used. This is a result of the easy injection of holes from ITO because the energy level of starburst amine is located between HOMO and ITO of TPD. In addition, this is because a TPD single layer element generates a leakage current in a short time, whereas m-MTDATA does not generate a leakage current. This is due to the stability of the amorphous film of m-MTDATA. Thus, starburst amine is a material having a low ionization potential (Ip) and excellent film amorphous stability.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention aims to enrich starburst amines.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
  The first of the present invention is the following general formula [1]
[Chemical 6]
Figure 0003650218
  (WhereQ 1 Is an expression
[Chemical 7]
Figure 0003650218
    Is a group represented by, Q2, Q3, Q4And Q5Is lower alkyl and lower alkyl
    An aryl group which may have a substituent selected from the group consisting of a alkoxy group
    Each independently selected from the group R1, R2, R3, R4, R5, R6,
    R7, R8, R9, R10, R11, R12And R13Is a hydrogen atom, lower alkyl
    A group independently selected from the group consisting of a ru group and a lower alkoxy group)
The high molecular weight aromatic amine compound represented by these.
[0007]
Examples of the compound include the following general formula [2]
[Chemical 8]
Figure 0003650218
(Wherein R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9, RTen, R11, R12R13, R14, R15, R16, R17And R18Are groups independently selected from the group consisting of a hydrogen atom, a lower alkyl group and a lower alkoxy group)
The high molecular weight aromatic amine compound represented by these is preferable.
[0008]
  General formula [3]
[Chemical 9]
Figure 0003650218
  (Wherein R1, R2, R3, R4, R5, R6, R7, R8, R9, R10, R11,
    R12, R13, R14, R15, R16, R17And R18Is a hydrogen atom, lower
    A group independently selected from the group consisting of an alkyl group and a lower alkoxy group;
    Yes, Q6Is a substituent selected from the group consisting of lower alkyl and lower alkoxy groups
    An aryl group)
The method of manufacturing is as follows.
[0009]
The following general formula [4]
[Chemical Formula 10]
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R9Is the same as above)
N, N′-diphenyl-1,1′-biphenyl-4,4′-diamine represented by the following general formula [5]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein RTen~ R13Is the same as above and X is a halogen)
1-halogenated-4-nitrobenzene represented by
[0010]
The following general formula [6]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R13Is the same as above)
N, N'-diphenyl-N- (4-nitrophenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine represented by formula (1) is obtained.
[0011]
Then, the following general formula [7]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein RTen~ R13Is the same as above, R is a hydrogen atom, a lower alkyl group, a lower alkoxy group and an aryl group which may have a substituent, the substituent is a lower alkyl group or a lower alkoxy group, and X is Is halogen)
Is reacted with an aryl halide represented by the following general formula [8]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R13And R are as defined above)
N, N'-diphenyl-N- (4-nitrophenyl) -N '-(phenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine represented by formula (1) is obtained.
[0012]
This is further reduced to the following general formula [9]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R13And R are as defined above)
N, N′-diphenyl-N- (4-aminophenyl) -N ′-(phenyl) -1,1′-biphenyl-4,4′-diamine represented by
[0013]
Next, the following general formula [10]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R14~ R18And X are the same as above)
The high molecular weight aromatic amine compound represented by the general formula [3] can be produced by reacting the halogenated benzene represented by formula (3).
[0014]
Of the compounds represented by the general formula [1], the general formula [2]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R18Is the same as above)
The method for producing the compound represented by the formula is as follows.
[0015]
The N, N′-diphenyl-1,1′-biphenyl-4,4′-diamine represented by the general formula [4] is reacted with 1-halogenated-4-nitrobenzene represented by the general formula [5]. The following general formula [11]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R13Is the same as above)
N, N'-diphenyl-N, N '-(4-nitrophenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine represented by
[0016]
This is then reduced to the following general formula [12]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R13Is the same as above)
N, N′-diphenyl-N, N ′-(4-aminophenyl) -1,1′-biphenyl-4,4′-diamine represented by the following formula was obtained.
[0017]
Next, by reacting this with a halogenated benzene represented by the general formula [10], a high molecular weight aromatic amine compound represented by the general formula [2] can be produced.
[0018]
The high molecular weight aromatic amine compound represented by the general formulas [1], [2] and [3] of the present invention is a new type of starburst type amine compound and exhibits hole transport properties. Thus, it can be used for various electronic parts as a hole transporting material, and is particularly useful as a hole transporting material for organic EL devices.
[0019]
Carbon number in the lower alkyl or lower alkoxy is usually 1-8, preferably 1-3. Examples of the aryl group include a phenyl group, a diphenyl group, and a naphthyl group.
[0020]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples, but the present invention is not limited thereto.
[0021]
The measuring method of each data in the examples is as follows.
(1) IR spectrum
The IR spectrum was measured by the KBr tablet method using a Shimadzu FTIR-8100M spectrometer.
(2)1H NMR spectrum
11 H NMR was measured at 25 ° C. using a JEOL (270 MHz) JNM-EX270FTNMR type.
(3) Melting point measurement
Melting | fusing point was measured using melting | fusing point measuring apparatus (Direct heating type capillary melting | fusing point measuring apparatus by Mitamura Riken Kogyo).
(4) Elemental analysis
Elemental analysis was performed using a Yanagimoto CHN coder MT-3 type.
(5) Purity measurement
High performance liquid chromatograph (HPLC) was performed using Hitachi C-4000 type.
Measurement conditions; column TSK-GEL for HPLC; filter, for 0.45 μm liquid chromatograph; carrier solvent, methanol; flow rate 1.0 ml / min; 254 nm.
(6) Measurement of fluorescence and UV spectrum
The fluorescence spectrum and UV spectrum were measured using a substrate formed on quartz glass by a vacuum deposition method. The UV spectrum was performed using SHIMADZU UV-2200A. The scan speed was FAST, the slit width was 2.0 nm, and the measurement range was 200 to 750 nm. The fluorescence spectrum was performed using Hitachi spectrophotometer F-4010 and HAMAHATHU PHOTONIC MULTI-CHANNEL ANALYZER (PMA). In the Hitachi spectrophotometer F-4010, both the EX band pass and the EM band pass were 3 nm, and the scan speed was 60 nm / sec in the fluorescence spectrum. The irradiation angle of the sample was measured at 45 ° in the fluorescence spectrum. In PMA, the excitation wavelength determined by F-4010 was incident at 45 °, and the measurement was performed with a scan time of 5 seconds and an integration count of 5 times.
(7) Measurement of film thickness
A film was formed by vacuum deposition on a masked ITO (anode) -coated glass substrate. The film thickness is measured at 3 points on the cross section of the film and ITO, DEKTAKThreeMeasured using ST. Measurement conditions: measurement distance = 1000 μm, measurement speed = Low (50 seconds), data analysis ability = High, measurement range = 65 KA, stylus pressure = 1 mmg.
(8) Measurement of luminance-current density-voltage characteristics of EL element
A DC voltage was applied to the EL element in steps of 2V or 1V at intervals of about 2 seconds, and the current density and luminance at that time were measured after about 1 second. The brightness was measured in the atmosphere using TOP-8 manufactured by BM-8, the DC power source was Kikusui PBX40-2.5, and the current value was measured using a digital multimeter (Advantest TR6846).
[0022]
Example 1
High molecular weight aromatic amine 1 (STBA-1) (4), which is one of the compounds of the present invention, was prepared from N, N'-diphenylbenzidine (1) according to the following reaction formula. The manufacturing method for each step will be described in the following (1) to (3).
[0023]
Embedded image
Figure 0003650218
[0024]
(1) Synthesis of N, N'-diphenyl-N, N '-(4-nitrophenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine (DNTPD) (2)
N, N'-diphenylbenzidine (1) 9.02 g (26.8 mmol), p-fluoronitrobenzene 12.6 g (89.1 mmol), cesium fluoride 18.1 g (119 mmol) and dimethyl sulfoxide (DMSO) 100 ml as a solvent And stirred at 120 ° C. for 24 hours under a nitrogen atmosphere. After completion of the reaction, the mixture was poured into 2500 ml of cold water while stirring to obtain crude crystals. Then, it vacuum-dried at 60 degreeC for 12 hours. Here, unreacted N, N'-diphenylbenzidine (1) and unreacted N, N'-diphenyl-N, N '-(4-nitrophenyl) -1,1'-biphenyl-4,4 Since separation from '-diamine is difficult, N, N'-diphenyl-N, N'-(3-methylphenyl) -1,1'-biphenyl-4,4 'is obtained by reacting unreacted material with 3-iodotoluene. -Purification was carried out as diamine (TPD) and N, N'-diphenyl-N- (4-nitrophenyl) -N- (3-methylphenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine. In the reaction, 24.2 g of crude crystals, 11.7 g (53.5 mmol) of 3-iodotoluene, 37.0 g (268 mmol) of potassium carbonate, and 17.0 g (268 mmol) of activated copper were added, and the reaction was performed at 220 ° C. for 24 hours under a nitrogen atmosphere. Stir. After completion of the reaction, the reaction mixture was dissolved in 1,2-dichloroethane and copper was removed by filtration. After removing 1,2-dichloroethane with an evaporator, purification was performed by a column chromatography method (developing solvent, 1,2-dichloroethane: n-hexane = 1: 1, Rf = 0.23). The structure confirmation is IR spectrum,11 H NMR spectrum and elemental analysis were performed and the respective spectra are shown in FIGS.
[0025]
Yield 43.7% (6.42 g)
Melting point 190.0-191.8 ° C
IR (KBr, cm-1): 1583 (NO2)
11 H NMR (270 MHz, CDClThree, TMS): δ (ppm) = 7.0 to 8.2 (m, 26H, Ar)
Elemental analysis value (C36H26N2OFourAs):
Analytical values: C 73.08%, H 4.55%, N 9.39%,
Calculated values: C74.73%, H4.53%, N9.68%
[0026]
(2) Synthesis of N, N'-diphenyl-N, N '-(4-aminophenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine (DATPD) (3)
100 ml of dimethylformamide (DMF) was added to 4.42 g (7.98 mmol) of DNTPD (2) and 3.20 g of 5% palladium / carbon, and the nitro group was reduced at room temperature, normal pressure and hydrogen atmosphere. After completion of the reaction, palladium / carbon was filtered off, and cold water (500 ml) was poured into the filtrate while stirring to obtain DATPD 3 crude crystals. Structure confirmation is IR spectrum,1This was performed by 1 H NMR spectrum and elemental analysis, and the respective spectra are shown in FIGS.
[0027]
Yield 82.9% (3.43 g)
IR (KBr, cm-1): 3460, 3360 (NH2)
11 H NMR (270 MHz, CDClThree, TMS): δ (ppm) = 3.6
(S, 2H, NH2), 6.8-7.5 (m, 27H, Ar)
Elemental analysis value (C36H29NThreeAs):
Analytical values: C86.06%, H5.9%, N8.28%,
Calculated values: C85.85%, H5.80%, N8.34%
[0028]
(3) Synthesis of high molecular weight aromatic amine 1 (STBA-1) (4)
1.90 g (3.66 mmol) of DATPD (3), 22 g (104 mmol) of 3-iodotoluene, 4.81 g (34.8 mmol) of potassium carbonate, 2.21 g (34.8 mmol) of activated copper were added, and 220 under a nitrogen atmosphere. Stir at 36 ° C. for 36 hours. After completion of the reaction, the reaction mixture was dissolved in tetrahydrofuran (THF) and copper was removed by filtration. After THF was removed by an evaporator, purification was performed by a column chromatography method (developing solvent, chloroform: n-hexane = 1: 2, Rf = 0.16). Further, sublimation purification was performed by a train sublimation method (nitrogen gas 200 cc / min, 380 ° C., 170 ° C.) to obtain the target product (4). Structure confirmation is IR spectrum,1This was performed by 1 H NMR spectrum and elemental analysis, and the respective spectra are shown in FIG. 5 and FIG.
[0029]
Yield 15.0% (0.483g)
Melting point 121.9-122.5 ° C
IR (KBr, cm-1): 3032 (CHThree), 1269,
1290 [(C6HFive)ThreeN]
11 H NMR (270 MHz, CDClThree, TMS): δ (ppm) = 2.3
(S, 12H, CHThree), 6.8-7.6 (m, 42H, Ar)
Elemental analysis value (C64H54NFourAs):
Analytical values: C 87.4%, H 6.13%, N 6.31%,
Calculated values: C 87.44%, H 6.19%, N 6.37%
[0030]
Example 2
High molecular weight aromatic amine 2 (STBA-2), one of the compounds of the present invention, was produced from N, N′-diphenylbenzidine (1) according to the following reaction formula. The manufacturing method for each step will be described in the following (1) to (3).
[0031]
Embedded image
Figure 0003650218
[0032]
(1) Synthesis of N, N′-diphenyl-N- (4-nitrophenyl) -1,1′-biphenyl-4,4′-diamine (NTPD) (5)
N, N'-diphenylbenzidine 10.0 g (29.7 mmol) (1), p-fluoronitrobenzene 8.38 g (59.4 mmol) and cesium fluoride 4.5 g (29.7 mmol) were added as solvent with 120 ml of DMSO, The mixture was stirred at 100 ° C. for 24 hours under a nitrogen atmosphere. After completion of the reaction, the mixture was poured into 2500 ml of cold water with stirring, and crude crystals of N, N'-diphenyl-N- (4-nitrophenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine (NTPD) (5) were obtained. Obtained. Then, it vacuum-dried at 60 degreeC for 12 hours.
Yield 12.7g
[0033]
(2) N, N'-diphenyl-N- (4-nitrophenyl) -N '-(3-methyl-phenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine (NPPTD) (6) Composition
NTPD 12.7 g (27.7 mmol) (5), 3-iodotoluene 12.1 g (55.4 mmol), potassium carbonate 19.1 g (138.5 mmol), activated copper 8.80 g (138.5 mmol) were added, The mixture was stirred at 220 ° C. for 36 hours under a nitrogen atmosphere. After completion of the reaction, the reaction mixture was dissolved in 1,2-dichloroethane and copper was removed by filtration. After removing 1,2-dichloroethane with an evaporator, purification is performed by column chromatography (developing solvent, 1,2-dichloroethane: n-hexane = 1: 1, Rf = 0.52). '-Diphenyl-N- (4-nitrophenyl) -N'-(3-methyl-phenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine (NPPTD) (6) was obtained.
[0034]
Yield 31.9% (4.84 g)
Elemental analysis value (C37H29NThreeO2As):
Analytical values: C 79.83%, H 5.28%, N 7.55%,
Calculated values: C81.15%, H5.34%, N7.67%
In addition, the said yield shows the total yield from (1) to (2).
[0035]
(3) N, N'-diphenyl-N- (4-aminophenyl) -N '-(3-methyl-phenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine (APTPD) (7) Composition
100 ml of DMF was added to 4.84 g (8.83 mmol) of NPTPD (6) and 1.77 g of 5% palladium carbon, and the nitro group was reduced at room temperature, normal pressure and hydrogen atmosphere. After completion of the reaction, palladium / carbon was filtered off and the filtrate was poured into cold water (500 ml) with stirring, and N, N′-diphenyl-N- (4-aminophenyl) -N ′-(3-methyl-phenyl)- Crude crystals of 1,1'-biphenyl-4,4'-diamine (APTPD) (7) were obtained.
Yield 89.6% (4.09 g).
[0036]
(4) Synthesis of high molecular weight aromatic amine 2 (STBA-2) (8)
APTPD 0.65 g (1.26 mmol) (7), 3-iodotoluene 0.824 g (3.78 mmol), potassium carbonate 1.76 g (12.6 mmol), activated copper 0.8 g (12.6 mmol) were added, The mixture was stirred at 220 ° C. for 36 hours under a nitrogen atmosphere. After completion of the reaction, the reaction mixture was dissolved in THF and copper was removed by filtration. After THF was removed by an evaporator, purification was performed by a column chromatography method (developing solvent, chloroform: n-hexane = 1: 2, Rf = 0.26). Further, the product was purified by sublimation by a train sublimation method (nitrogen gas 200 cc / min, 320 ° C., 150 ° C.) to obtain high molecular weight aromatic amine 2 (STBA-2) (8). Structure confirmation is IR spectrum1H NMR spectra and elemental analysis were performed, and the respective spectra are shown in FIGS.
[0037]
Yield 14.6% (0.128 g)
Melting point: 104.3-105.0 ° C
IR (KBr, cm-1): 3032 (CHThree), 1269, 1290
[(C6HFive)ThreeN]
11 H NMR (270 MHz, CDClThree, TMS): δ (ppm) = 2.3 (S, 9H, CHThree), 6.8-7.5 (m, 34H, Ar)
Elemental analysis value (C64H54NFourAs):
Analytical values: C 87.76%, H 6.21%, N 6.13%
Calculated values: C 87.77%, H 6.21%, N 6.02%
[0038]
Example 3
(1) ITO substrate patterning
Cut an ITO glass substrate coated with indium-tin oxide (ITO) (Asahi Glass 15Ω / □ 1500mm) to 25mm x 25mm, and put a clear tape (width 12mm) made by Scotch into the center of the ITO side so that no air bubbles enter. Then, this was immersed in a corrosive solution to form a pattern.
[0039]
(2) Cleaning the substrate
Substrate cleaning was carried out according to conventional methods described in JP-A-6-49079, column 24, JP-A-4-233195, column 17, and the like.
[0040]
(3) Device fabrication
STBA-1 (in Example 1) as the hole transport layer and TPD and Alq of the following formula as the electron transport layer are 3 × 10 3 by vacuum deposition.-FiveLamination was performed at a deposition rate of 2-4 Å / s under Torr. Moreover, the cathode which is a metal electrode has Mg: Ag 6.0 × 10.-6After co-evaporation to a thickness of 2000 mm at a ratio of 10: 1 under Torr, Ag was deposited to a thickness of 1000 mm as an oxidation protective film. The electrode area was 5 mm × 5 mm. In addition, ULVAC SINKU KIKO VPC 260 was used for the vacuum evaporation machine.
Embedded image
Figure 0003650218
[0041]
(4) Fluorescence characteristics of high molecular weight aromatic amines (STBA-1 and 2)
FIGS. 9 to 12 show the excitation spectrum and fluorescence spectrum of the deposited films of STBA-1 and STBA-2, respectively. From the fluorescence spectrum of FIG. 10, STBA-1 showed blue-green emission having peaks at 433 nm and 509 nm, and from the fluorescence spectrum of FIG. 12, STBA-2 showed blue-violet emission having a peak at 435 nm. Table 1 shows the results of ionization potential (HOMO) measurement.
[0042]
[Table 1]
Figure 0003650218
Ricken Kenki AC-1. Measured by
[0043]
Pseudo-electron affinity (LUMO) (Ea) was calculated based on the energy gap obtained from the absorption edge (FIGS. 13 to 14) of the UV absorption spectrum. Compared with the triphenyldiamine derivative (TPD), the ionization potential (Ip) is 0.3 eV and the energy gap (Eg) is 0.1 eV smaller.
From this, it can be seen that hole injection from ITO (Ip = 5.0 eV) can be performed more easily than TPD. In addition, the fact that the fluorescence peak wavelength is shifted deeper than TPD can be explained by the fact that the energy gap is small.
[0044]
(5) Application of high molecular weight aromatic amine-1 (STBA-1) to the hole transport layer
An electron transporting Alq was used as a light-emitting layer, and an element was fabricated with a structure of ITO / STBA-1 (500 Å) / Alq (500 Å) / Mg: Ag shown in FIG. When a direct current voltage was applied using ITO as the anode and Mg: Ag as the negative electrode, green light emission from the device was observed through the glass substrate. FIG. 16A shows the EL spectrum of the device, and FIG. 16B shows the PL spectrum of STBA-1. The EL spectrum was very broad having a peak near 520 nm, and this was not coincident with the PL spectrum of the STBA-1 film, so it was confirmed that the emission was from Alq. Therefore, in this element, STBA-1 functions as a hole transport layer, and it is considered that carrier recombination occurs in the electron transporting Alq layer and Alq molecules are excited.
[0045]
The relationship between the luminance-voltage, current density-voltage, and luminance-current density of the element is shown in FIGS. As can be seen in FIG. 17, the light emission starts at 3 volts, the brightness increases with increasing voltage, and 5500 cd / m at 10 volts.2, Maximum luminance of 10,000 cd / m at 12 volts2Reached. When the applied voltage was 8 volts, the highest efficiency was 1.7 cd / A. In consideration of the efficiency of 3.2 to 3.5 cd / A in a two-layer device with Alq using a hole transporting low-molecular aromatic amine as a hole transport layer, the value is low. As a result of the low efficiency, the device using STBA-1 has a lower voltage and current than the device using triphenyldiamine derivative (TPD) in the hole transport layer because of the current density-voltage relationship. It is mentioned that it is flowing. This is presumably because STBA-1 has a high hole mobility, and excess holes that did not recombine with electrons escape to the counter electrode and current flows. From this, it is considered that a highly efficient light-emitting element can be manufactured by stacking a material having a low hole mobility on STBA-1 or adjusting a carrier injection balance using a material having a high electron mobility.
[0046]
(6) Lifetime characteristics of high molecular weight aromatic amine-1 (STBA-1)
The device fabricated in the previous item (3) was 10 mA / cm in the atmosphere.2The measurement was performed at a constant current of continuous driving (FIG. 20). The luminance immediately after the start of measurement is 126.7 cd / m at 5.2 volts.2Met. After 12 hours, it is 114 cd / m at 6.2 volts.248 hours later, 7.1 volt and 105 cd / m2After 76 hours, 100 cd / m at 7.9 volts2Met. The lifetime characteristics of the two-layer type element using TPD is an initial luminance of 132 cd / m.2The luminance half life of was 5.5 hours. From this, it is understood that the decrease in luminance and the increase in voltage are suppressed to be considerably lower in the element using STBA-1. This is because the STBA-1 ionization potential is located between TPD HOMO and ITO, so that holes are easily injected from the ITO. Further, a TPD single layer element generates a leakage current in a short time, whereas STBA-1 does not generate a leakage current. This is due to the stability of the STBA-1 amorphous film. Thus, STBA-1 is a material with a low ionization potential (Ip) and excellent amorphous stability of the film.
[0047]
The embodiments of the present invention are listed below.
1. The following general formula [1]
Embedded image
Figure 0003650218
(Where Q1May have a substituent selected from the group consisting of lower alkyl and lower alkoxy groups, aryl groups and formulas
Embedded image
Figure 0003650218
Each independently selected from the group consisting of groups represented by:
Q2, QThree, QFourAnd QFiveIs a group independently selected from the group consisting of aryl groups, which may have a substituent selected from the group consisting of lower alkyl and lower alkoxy groups, and R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9, RTen, R11, R12And R13Is a group independently selected from the group consisting of a hydrogen atom, a lower alkyl group and a lower alkoxy group)
A high molecular weight aromatic amine compound represented by:
2. The following general formula [2]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9, RTen, R11, R12, R13, R14, R15, R16, R17And R18Are groups independently selected from the group consisting of a hydrogen atom, a lower alkyl group and a lower alkoxy group)
A high molecular weight aromatic amine compound represented by:
3. The following general formula [3]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1, R2, RThree, RFour, RFive, R6, R7, R8, R9, RTen, R11, R12, R13, R14, R15, R16, R17And R18Are groups independently selected from the group consisting of a hydrogen atom, a lower alkyl group and a lower alkoxy group,6Is an aryl group which may have a substituent selected from the group consisting of lower alkyl and lower alkoxy groups)
A high molecular weight aromatic amine compound represented by:
4). Following formula (4)
Embedded image
Figure 0003650218
A high molecular weight aromatic amine compound represented by:
5. Following formula (8)
Embedded image
Figure 0003650218
A high molecular weight aromatic amine compound represented by:
6). 6. A hole transporting material comprising the compound as described in 1, 2, 3, 4 or 5 above.
7). An organic EL device using the hole transporting material according to item 6 above.
8). The following general formula [4]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R9Is the same as above)
N, N′-diphenyl-1,1′-biphenyl-4,4′-diamine represented by the following general formula [5]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein RTen~ R13Is the same as above and X is a halogen)
1-halogenated-4-nitrobenzene represented by the following general formula [6]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R13Is the same as above)
N, N′-diphenyl-N- (4-nitrophenyl) -1,1′-biphenyl-4,4′-diamine represented by the following general formula [7]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein RTen~ R13Is the same as above, R is a hydrogen atom, a lower alkyl group, a lower alkoxy group and an aryl group which may have a substituent, the substituent is a lower alkyl group or a lower alkoxy group, and X is Is halogen)
Is reacted with an aryl halide represented by the following general formula [8]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R13And R are as defined above)
N, N'-diphenyl-N- (4-nitrophenyl) -N '-(phenyl) -1,1'-biphenyl-4,4'-diamine represented by the formula Formula [9]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R13And R are as defined above)
N, N′-diphenyl-N- (4-aminophenyl) -N ′-(phenyl) -1,1′-biphenyl-4,4′-diamine represented by the formula: [10]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R14~ R17And X are the same as above)
The following general formula [3], characterized by reacting a halogenated benzene represented by
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R18Is the same as above and Q6Is an aryl group that may have a substituent selected from the group consisting of lower alkyl and lower alkoxy groups)
A method for producing a high molecular weight aromatic amine compound represented by the formula:
9. The following general formula [4]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R9Is the same as above)
N, N′-diphenyl-1,1′-biphenyl-4,4′-diamine represented by the following general formula [5]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein RTen~ R13And X are the same as above)
1-halogenated-4-nitrobenzene represented by the following general formula [11]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R13Is the same as above)
N, N′-diphenyl-N, N ′-(4-nitrophenyl) -1,1′-biphenyl-4,4′-diamine represented by the following general formula [12 ]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R1~ R13Is the same as above)
N, N′-diphenyl-N, N ′-(4-aminophenyl) -1,
1'-biphenyl-4,4'-diamine, and then to the following general formula [10]
Embedded image
Figure 0003650218
(Wherein R14~ R18And X are the same as above)
A process for producing a high molecular weight aromatic amine compound represented by the following general formula [2], wherein the halogenated benzene represented by the formula (2) is reacted.
[0048]
【effect】
(1) According to the present invention, a new high molecular weight aromatic amine compound could be provided.
(2) The compound of the present invention is useful as various electronic component materials as a hole transporting material.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an IR spectrum diagram of N, N′-diphenyl-N, N ′-(4-nitrophenyl) -1,1′-biphenyl-4,4′-diamine (DNTPD).
FIG. 2 is an NMR spectrum diagram of N, N′-diphenyl-N, N ′-(4-nitrophenyl) -1,1′-biphenyl-4,4′-diamine (DNTPD).
FIG. 3 is an IR spectrum diagram of N, N′-diphenyl-N, N ′-(4-aminophenyl) -1,1′-biphenyl-4,4′-diamine (DATPD).
FIG. 4 is an NMR spectrum diagram of N, N′-diphenyl-N, N ′-(4-aminophenyl) -1,1′-biphenyl-4,4′-diamine (DATPD).
FIG. 5 is an IR spectrum diagram of the high molecular weight aromatic amine 1 (STBA-1) of the present invention obtained in (1) of Example 1.
6 is an NMR spectrum diagram of the high molecular weight aromatic amine 1 (STBA-1) of the present invention obtained in Example 1 (3). FIG.
7 is an IR spectrum diagram of high molecular weight aromatic amine 2 (STBA-2) obtained in (2) of Example 2. FIG.
8 is an NMR spectrum diagram of high molecular weight aromatic amine 2 (STBA-2) obtained in (2) of Example 2. FIG.
9 is an excitation spectrum diagram of a deposited film of high molecular weight aromatic amine 1 (STBA-1) obtained in (1) of Example 1. FIG.
10 is a fluorescence spectrum diagram of a deposited film of high molecular weight aromatic amine 1 (STBA-1) obtained in (1) of Example 1. FIG.
11 is an excitation spectrum diagram of a deposited film of high molecular weight aromatic amine 2 (STBA-2) obtained in (2) of Example 2. FIG.
12 is a fluorescence spectrum diagram of a deposited film of high molecular weight aromatic amine 2 (STBA-2) obtained in (4) of Example 2. FIG.
13 is a UV absorption spectrum diagram of the deposited film of high molecular weight aromatic amine 1 (STBA-1) obtained in (1) of Example 1. FIG.
14 is a UV absorption spectrum diagram of the deposited film of high molecular weight aromatic amine 2 (STBA-2) obtained in (2) of Example 2. FIG.
FIG. 15 shows a laminated structure of an organic EL element produced in (5) of Example 3 of the present invention.
16 (a) shows the EL spectrum of the organic EL device produced in Example 3 (5) of the present invention, and FIG. 16 (b) shows the high molecular weight aromatic amine obtained in Example 1 (3). 1 shows a PL spectrum of a deposited film of 1 (STBA-1).
17 is a graph showing luminance-voltage characteristics of the organic EL element produced in (5) of Example 3. FIG.
18 is a graph showing current density-voltage characteristics of the organic EL device produced in (5) of Example 3. FIG.
FIG. 19 is a graph showing the luminance-current density characteristics of the organic EL element produced in (5) of Example 3.
FIG. 20 shows white circles indicating the luminance-driving time characteristics of the organic EL device produced in Example 3 (5), black circles indicating the voltage-driving time characteristics, and white triangles indicating ITO / TPD (400Å). ) / Alq (600Å) / Mg: Luminance-driving time characteristics of an organic EL element having an Ag element structure.

Claims (4)

下記化学構造式(A
Figure 0003650218
で示される高分子量芳香族アミン化合物
The following chemical structural formula (A )
Figure 0003650218
A high molecular weight aromatic amine compound represented by:
下記化学構造式(A)
Figure 0003650218
で示される高分子量芳香族アミン化合物よりなるホール輸送性材料
The following chemical structural formula (A)
Figure 0003650218
A hole transporting material comprising a high molecular weight aromatic amine compound represented by
下記化学構造式(A)The following chemical structural formula (A)
Figure 0003650218
Figure 0003650218
で示される高分子量芳香族アミン化合物よりなるホール注入性材料。A hole injecting material comprising a high molecular weight aromatic amine compound represented by
前記化学構造式(A)で示される高分子量芳香族アミン化合物よりなるホール輸送性材料またはホール注入性材料を含有する有機EL素子。An organic EL device comprising a hole transporting material or a hole injecting material comprising a high molecular weight aromatic amine compound represented by the chemical structural formula (A).
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