JP3648548B2 - As-1 protein derived from anopheles having blood coagulation inhibitory activity - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸血昆虫であるハマダラカ(Anopheles stephensi )の唾液腺に由来し、血液凝固阻害活性を有するAs-1蛋白質、及び当該As-1蛋白質をコードする遺伝子に関する。
【0002】
【従来の技術】
高齢化社会を迎え、成人病がますます重要な社会問題となってきた。成人病に起因する症状、特に血液関連の疾病、例えば高血圧症、肺高血圧症、心筋梗塞、脳梗塞、肺梗塞、クモ膜下出血後の血管攣縮などのように、血管が細くしかも硬くなることによって起こる疾病を治療したり、予防することは、高年齢層の社会では重要な課題である。これらの疾病は、血管弛緩拡張剤や血液凝固阻害剤によって治療したり予防することができる。その様な目的に使用が可能である抗凝固活性を有するペプチドとしては、ヒルの唾液腺由来のヒルジンがこれまでに知られていた。ヒルジンは吸血するムシの唾液腺から同定された抗凝固活性ペプチドであり、トロンビン阻害活性を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のヒルジンは合成が困難であり、副作用を有するという欠点を有していた。そのために大量に得て安全な医薬として用いるには、これらの問題を解決する必要がある。そこで、合成が容易であり、かつ副作用を有さない抗凝固活性を有する蛋白質を採取することが求められていた。その様な蛋白質は、抗血栓剤のリード化合物として有用であり、創薬の分野において高い有用性を有するものと考えられる。
【0004】
そこで本発明の目的は、吸血昆虫であるハマダラカ(Anopheles stephensi )の唾液腺から単離され、血液凝固阻害活性を有する蛋白質を提供することにある。そして、更にはバキュロウイルスの系を用いてその様な蛋白質の大量供給を可能とすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するために、本出願において以下の発明を提供するものである。本発明は、配列表の配列番号1に示す、アミノ酸番号(-21)-80で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする、ハマダラカ由来の蛋白質である。血液凝固阻害活性を有し、その一部が欠損、置換若しくは付加された蛋白質もまた、本発明の範囲内である。更に当該蛋白質をコードする遺伝子もまた、本発明の範囲内である。
【0006】
更に本発明は、配列表の配列番号1に示す、アミノ酸番号1-80で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする、ハマダラカ由来の蛋白質である。血液凝固阻害活性を有し、その一部が欠損、置換若しくは付加された蛋白質もまた、本発明の範囲内である。
【0007】
更に本発明は、配列表の配列番号2に示す、塩基番号1-456 で示される塩基配列からなることを特徴とする、ハマダラカ由来のAs-1遺伝子である。血液凝固阻害活性を有し、その一部が欠損、置換若しくは付加されたポリペプチドをコードする遺伝子もまた、本発明の範囲内である。
【0008】
更に本発明は、上記の蛋白質を有効成分として含有する血液凝固阻害剤である。
【0009】
【発明の実施の形態】
吸血性昆虫やダニの類の唾液腺には動物の血液や血管に対して特異な活性をもつ物質が含まれている。本発明者らは、唾液腺から抗凝血作用を持つ活性物質を同定し、単離・精製し、それらの有効成分の性状を解析することにより、また、遺伝子cDNAのクローニングを行うことにより、バキュロウイルス発現系によって血管弛緩機能を持つ蛋白質を多量に製造できることを明らかにして本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明者らは吸血昆虫であるハマダラカ(Anopheles stephensi:As)に注目し、ハマダラカ由来の抗凝結活性を有する蛋白質を採取することを試みた。ハマダラカ約50匹から唾液腺を摘出し、全RNA を抽出し、poly(A)+RNA としてリバーストランスクリプターゼによりdsDNA を合成し、トランスファーベクターに組み込んで唾液腺cDNAライブラリーを作製した。As唾液腺cDNAライブラリーからランダムにコロニーをピックアップして、塩基配列の解析を行った。1280個の配列を決め、重複を除いて分泌シグナルを持つもの38個のcDNAを得た。このうち、27個の全塩基配列を決めた。
【0011】
そのうちの15個について、バキュロウイルス(AcNPV ) を用いた蛋白質発現系で発現させるためのトランスファーベクターコンストラクトを作製し、ウイルスにトランスフェクトし、多核体を作らない、即ち挿入蛋白質を発現しているウイルスクローンを分離した。蛋白質の発現をSDS-PAGEにより確認し、HPLCによるゲル濾過・イオン交換クロマトグラフィーにより精製することにより、本発明のAs-1蛋白質を採取した。そして上記の方法により採取した本発明の蛋白質が、血液凝固に及ぼす作用を検討した。
【0012】
ところで、血液が凝固する過程はその開始機序の違いから、内因系凝固反応と外因系凝固反応の2つの経路が知られている。内因系凝固反応は、血液が異物面に接触することにより惹起される反応である。血液凝固のカスケード系を、図1において示す。図1に示されるように、異物面との接触により生成した活性化第XIa 因子は、カルシウム存在下で第IX因子を活性化させてIXa を生じ、それが引き金となってフィブリンが生成して血栓が形成する。一方、外因系凝固反応は、組織因子(TF)が第VIIa因子と複合体を形成することにより開始され、第IX因子、第X 因子をともに活性化することが引き金となって血栓が形成される。
【0013】
目的とする物質をヒトの血漿に加え、凝固するまでの時間を測定することにより血液凝固阻害作用の検討を行うことが、一般的に行われている。しかし、この方法では最終的なフィブリン形成による凝固を観察するため、血液凝固阻害剤の具体的な作用点および作用機構の詳細については判断できない。すなわち、血液凝固反応は複雑な連鎖反応であるので、反応経路の一部が阻害されれば、結果的にそれ以降の反応は進行せず、凝固は完結しないことになるからである。
【0014】
そこで本発明においては、血液凝固能を評価するために、活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:APTT)と、プロトロンビン時間(prothrombin time:PT )の測定を行った。前者は内因系凝固時間を、後者は外因系凝固時間をそれぞれ反映する。その結果、As-1蛋白質は内因系凝固時間及び外因系凝固時間の両者を濃度依存的に延長した。よって本発明のAs-1蛋白質は血液凝固を抑制する作用を有し、血液凝固阻害剤として有効であることが示された。そのために、As-1蛋白質は、心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞等の治療薬や予防薬に有効であると思われる。
【0015】
As-1蛋白質は、配列表の配列番号1に示す、アミノ酸番号(-21)-80で示されるアミノ酸配列により特定される。本願明細書において、配列番号1に示す蛋白質の一部が欠失、置換若しくは付加された蛋白質とは、配列番号1に示すアミノ酸配列において、20個以下、好ましくは10個以下、更に好ましくは5個以下のアミノ酸が置換された蛋白質である。また、その様な蛋白質と配列番号1に示すアミノ酸配列とは、95%以上、好ましくは97%以上、更に好ましくは99%以上の相同性を有する。その様な蛋白質も、血液凝固を阻害するAs-1蛋白質としての機能を有する限り、本発明の範囲内である。なお、配列表の配列番号1において、-21から-1の部分はシグナルペプチドであり、プロセシングを受けた結果、成熟蛋白質はアミノ酸番号1-80で示される80個のアミノ酸からなっている。
【0016】
また、As-1遺伝子は上記のAs-1蛋白質をコードしており、配列表の配列番号2に示す、塩基番号1-456 で示される塩基配列からなることを特徴とする。なお、塩基配列中の塩基番号33-335に相当する部分が読み枠であり、上記の蛋白質をコードしている。遺伝子組み換え技術によれば、基本となるDNA の特定の部位に、当該DNA の基本的な特性を変化させることなく、あるいはその特性を改善する様に、人為的に変異を起こすことができる。本発明により提供される天然の塩基配列を有する遺伝子、あるいは天然のものとは異なる塩基配列を有する遺伝子に関しても、同様に人為的に挿入、欠失、置換を行う事により、天然の遺伝子と同等のあるいは改善された特性を有するものとすることが可能であり、本発明はそのような変異遺伝子を含むものである。
【0017】
即ち、配列表の配列番号2に示す遺伝子の一部が欠失、置換若しくは付加された遺伝子とは、配列番号2に示す塩基配列において、20個以下、好ましくは10個以下、更に好ましくは5個以下の塩基が置換された遺伝子である。また、その様な遺伝子と配列番号2に示す塩基配列とは、95%以上、好ましくは97%以上、更に好ましくは99%以上の相同性を有する。その様な遺伝子も、血液凝固を阻害するAs-1蛋白質としての機能を有する蛋白質をコードする限り、本発明の範囲内である。また、その様な遺伝子はストリンジェントな条件下で、配列表の配列番号2に示す遺伝子とハイブリッドを形成する。
【0018】
本発明におけるAs-1蛋白質は、As-1蛋白質のcDNAを組みこんだバキュロウイルス発現系で多量に製造することができる。それらの一例を次に挙げる。カイコ(Bombyx mori )の核多角体ウイルス(BmNPV )を用い、カイコの培養細胞BmN4又はカイコの幼虫を用いて発現させることができ、それぞれ培養液又はカイコ体液からクロマトグラフィーにより単離できる。また、As-1蛋白質のcDNAをオートグラファカリフォルニカ(Autographa californica)の核多角体ウイルス(AcNPV)に組込み、ヨトウムシ(Spodoptera frugiperda )のSF9 細胞、あるいはイラクサギンウワバ(Trichoplusia ni )のTn5 細胞で発現させ、培養上清から同様にクロマトグラフィーにより精製することができる。
【0019】
また本発明におけるAs-1蛋白質は、As-1蛋白質のcDNAを組みこんだ大腸菌による発現系を用いることによっても多量に製造することができる。その様な目的のために、As-1蛋白質のcDNAを増幅し、pGEX6P-1,pGEX-2T,pGEX-3X等のプラスミドに組み込んだglutathione-S transferase(GST)融合蛋白質発現ベクターを作製することができる。そして、その発現ベクターにより大腸菌を形質転換し、IPTGを含む培地中で培養することにより、大腸菌においてGST 融合As-1蛋白質の発現を誘導することができる。この様な目的のために使用可能な大腸菌株としては、例えばBL21株、DH5α株、NM522 株等を挙げることができる。そして、大腸菌体内において誘導されたGST 融合As-1蛋白質を、大腸菌を破砕することにより回収することができる。その様にして回収されたGST 融合As-1蛋白質を、グルタチオンビーズを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより、精製することができる。
【0020】
本発明のAs-1蛋白質は、吸血性昆虫の唾液腺より血液凝固阻害作用を持つ活性物質を同定し、単離・精製し、その遺伝子cDNAのクローニングを行うことにより、バキュロウイルス発現系により血液凝固阻害作用を持つ蛋白質を多量に製造できるものである。また、蛋白質の血液凝固阻害作用に起因する活性部位を究明し、構造解析が進めば、分子設計手法で活性物質を一般の化学合成手法で製造することも可能である。
【0021】
また、本発明のAs-1蛋白質は血液凝固阻害作用を有する医薬のリード化合物としても高い有用性を有すると思われる。即ちAs-1蛋白質に種々の改変を行うことにより、より血液凝固阻害作用の高い物質を得ることができる可能性がある。本発明のAs-1蛋白質は、その様な検討の基礎となる生理活性物質を与えるものであり、更なる新規な抗凝血物質を得るためのリード化合物としても大きな有用性を有するものである。
【0022】
【実施例】
次に本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0023】
(遺伝子の採取方法)
ハマダラカ(Anopheles stephensi )胸部より唾液腺を摘出した。 これより、MIicroprep mRNA purification(Amersham pharmacia社製)を用いて、唾液腺mRNAを抽出・精製した。次にこのmRNAをテンプレートに用い、Superscript Plasmid system (Life technologies 社製)で唾液腺cDNAライブラリーを構築した。 このライブラリーからランダムにクローン(総数1280クローン)を拾い上げ、QIAPrep miniprep kit(QIAGEN社製)にてプラスミド抽出・精製した。 このプラスミドに組み込まれているcDNAの塩基配列をABI PRISM 310 Genetic analyer (PEbiosystems社製)を用いて解読した。 解読されたcDNAの塩基配列は、Genetyx ver8.5(Software development社製)を用いて解析した。 その結果、同一の塩基配列を有する26個のcDNAクローンが見いだされ、これをAs-1と命名した。この様にして得られたcDNAの塩基配列及び推定アミノ酸配列を図2に示す。
【0024】
(組み換え蛋白質の大量発現と精製)
As-1の予想される分泌シグナル配列部分を除いたcDNAをPCR 法にて増幅した後、プラスミドpGEX6P-1(Amersham pharmacia社製)のクローニングサイトに組み込んだgluathione-S transferase(GST)融合蛋白発現ベクターを作製し、定法に従い組換え蛋白質を大腸菌BL-21 株にて発現させた。 超音波処理した大腸菌破砕物からのGST 融合As-1蛋白質の回収は、glutathione Sepharose 4B(Amersham pharmasia社製)を用いたアフイニティークロマトゲラフィーによりった。回収された蛋白質は、プレシジョンプロテアーゼ(Amersham pharmacia社製)にてGSTとAs-1蛋白質とを切り離した。 これを、再びglutathione Sepharose 4Bに通してGST を除き、さらにRESOURCE Q(Amersham Pharmacia 社製)用いた陰イオン交換クロマトグラフイーを行うことで純化し、以下の実験に供した。
【0025】
(活性化部分トロンボプラスチン時間およびプロトロンビン時間の計測)
ヒト血漿標品(商品名:カリプラズマインデックス100 ,bioMerieux社製)20μl に対し、50mM TrisHCl,pH7.0 ,150mM NaClに溶解した精製As-1を20μl 加え、37℃でインキュベートした。 5 分後、1/10に希釈したアクチン(商品名:データファイ・APTT,CYSMEX社製)あるいはトロンボプラスチン(商品名:オーソブレーントロンポプラスチン、オーソ・クリニカル・ダイアグノスティックス社製)を35μl 加えさらに2 分間インキュべートした。 最後に25mM CaC12を25μl加え、これより凝固が完了するまでの時間をAmelung KC-10A micro (エム・シー・メディカル社製)により計測した。
【0026】
As-1がAPTTに対して及ぼす影響を図3に、As-1がPTに対して及ぼす影響を図4に示す。これらの結果より、As-1は濃度依存的にAPTTおよびPTを延長させる活性を示した。すなわち、ハマダラカ唾液腺由来蛋白質As-1は内因系瀬固反応と外因系凝固反応双方を阻害する蛋白質であることが明らかとなった。
【0027】
【発明の効果】
本発明により、ハマダラカ唾液腺由来の新規な蛋白質であるAs-1蛋白質、及び当該蛋白質をコードするAs-1遺伝子が与えられた。As-1蛋白質は血液凝固阻害活性を有するために、As-1蛋白質を有効成分として含有する医薬は、新規な血液凝固阻害剤として、心筋梗塞、肺梗塞、脳梗塞の治療及び予防に有効である。またAs-1蛋白質は、医薬開発の場における血液凝固阻害剤のリード化合物としてもまた、大きな可能性を有している。
【0028】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、血栓形成へと至る、血液凝固のカスケード系を示す図である。
【図2】図2は、As-1蛋白質及びそれをコードする遺伝子の配列を示す図である。
【図3】図3は、As-1蛋白質が活性化部分トロンポプラスチン時間(APTT)に及ぼす影響を示すグラフである。
【図4】図4は、As-1蛋白質がプロトロンピン時間(PT)に及ぼす影響を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an As-1 protein derived from the salivary gland of Anopheles stephensi, a blood-sucking insect, and a gene encoding the As-1 protein.
[0002]
[Prior art]
With the aging of society, adult disease has become an increasingly important social issue. Symptoms caused by adult diseases, especially blood-related diseases such as hypertension, pulmonary hypertension, myocardial infarction, cerebral infarction, pulmonary infarction, vasospasm after subarachnoid hemorrhage, etc. Treating or preventing diseases caused by aging is an important issue in older societies. These diseases can be treated or prevented with a vasorelaxant or blood coagulation inhibitor. Hirudin derived from leech salivary glands has been known as a peptide having anticoagulant activity that can be used for such purposes. Hirudin is an anticoagulant activity peptide identified from the salivary glands of the insects that suck blood and has thrombin inhibitory activity.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above hirudin is difficult to synthesize and has the disadvantage of having side effects. Therefore, it is necessary to solve these problems in order to obtain a large amount and use it as a safe medicine. Therefore, it has been demanded to collect a protein having an anticoagulant activity that is easy to synthesize and has no side effects. Such a protein is useful as a lead compound for an antithrombotic agent and is considered to have high utility in the field of drug discovery.
[0004]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a protein isolated from the salivary gland of anopheles stephensi, a blood-sucking insect, and having blood coagulation inhibitory activity. Furthermore, it is to enable mass supply of such proteins using a baculovirus system.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present invention provides the following inventions. The present invention is a protein derived from Anopheles, characterized by comprising the amino acid sequence represented by amino acid number (-21) -80 shown in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing. A protein having blood coagulation inhibitory activity, a part of which is deleted, substituted or added is also within the scope of the present invention. Furthermore, the gene encoding the protein is also within the scope of the present invention.
[0006]
Furthermore, the present invention is a protein derived from Anopheles, characterized by comprising the amino acid sequence represented by amino acid numbers 1-80 shown in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing. A protein having blood coagulation inhibitory activity, a part of which is deleted, substituted or added is also within the scope of the present invention.
[0007]
Furthermore, the present invention relates to an As-1 gene derived from Anopheles, which comprises the base sequence represented by base number 1-456 shown in SEQ ID NO: 2 in the sequence listing. A gene encoding a polypeptide having blood coagulation inhibitory activity, a part of which is deleted, substituted or added is also within the scope of the present invention.
[0008]
Furthermore, the present invention is a blood coagulation inhibitor containing the above protein as an active ingredient.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The salivary glands of blood-sucking insects and ticks contain substances that have specific activities on animal blood and blood vessels. The present inventors identified active substances having anticoagulant activity from salivary glands, isolated and purified them, analyzed the properties of their active ingredients, and cloned gene cDNAs to obtain baculo The present invention was completed by clarifying that a large amount of a protein having a vasorelaxant function can be produced by a virus expression system.
[0010]
That is, the present inventors paid attention to Anopheles stephensi (As), which is a blood-sucking insect, and tried to collect a protein having an anticoagulant activity derived from Anopheles stephensi (As). Salivary glands were extracted from about 50 Anopheles moss, total RNA was extracted, dsDNA was synthesized by reverse transcriptase as poly (A) + RNA, and incorporated into a transfer vector to prepare a salivary gland cDNA library. A random colony was picked up from the As salivary gland cDNA library, and the nucleotide sequence was analyzed. 1280 sequences were determined, and 38 cDNAs with secretion signals excluding duplication were obtained. Of these, 27 total nucleotide sequences were determined.
[0011]
About 15 of them, a transfer vector construct for expression in a protein expression system using baculovirus (AcNPV) is prepared, and the virus is transfected into the virus and does not produce a polynuclear body, that is, an insert protein is expressed. Clones were isolated. The As-1 protein of the present invention was collected by confirming the protein expression by SDS-PAGE and purifying it by gel filtration and ion exchange chromatography using HPLC. Then, the effect of the protein of the present invention collected by the above method on blood coagulation was examined.
[0012]
By the way, in the process of blood coagulation, two pathways of an intrinsic coagulation reaction and an extrinsic coagulation reaction are known from the difference in the initiation mechanism. The intrinsic clotting reaction is a reaction caused by blood coming into contact with a foreign substance surface. The cascade system of blood clotting is shown in FIG. As shown in FIG. 1, activated factor XIa produced by contact with a foreign surface activates factor IX in the presence of calcium to produce IXa, which is triggered to produce fibrin. A clot forms. On the other hand, the extrinsic coagulation reaction is initiated when tissue factor (TF) forms a complex with factor VIIa, and activation of both factor IX and factor X triggers the formation of a thrombus. The
[0013]
It is a common practice to examine the blood coagulation inhibitory action by adding a target substance to human plasma and measuring the time until coagulation. However, since this method observes coagulation due to the final fibrin formation, the details of the specific action point and action mechanism of the blood coagulation inhibitor cannot be determined. That is, since the blood coagulation reaction is a complicated chain reaction, if a part of the reaction path is inhibited, the subsequent reaction does not proceed and coagulation is not completed.
[0014]
Therefore, in the present invention, in order to evaluate the blood coagulation ability, activated partial thromboplastin time (APTT) and prothrombin time (PT) were measured. The former reflects intrinsic clotting time and the latter reflects extrinsic clotting time. As a result, As-1 protein prolongs both intrinsic and extrinsic clotting times in a concentration-dependent manner. Therefore, it was shown that the As-1 protein of the present invention has an action of suppressing blood coagulation and is effective as a blood coagulation inhibitor. Therefore, As-1 protein seems to be effective as a therapeutic or prophylactic agent for myocardial infarction, pulmonary infarction, cerebral infarction and the like.
[0015]
The As-1 protein is specified by the amino acid sequence represented by amino acid number (-21) -80 shown in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing. In the present specification, the protein in which a part of the protein shown in SEQ ID NO: 1 is deleted, substituted or added is 20 or less, preferably 10 or less, more preferably 5 in the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 1. A protein in which not more than one amino acid is substituted. Further, such a protein and the amino acid sequence shown in SEQ ID NO: 1 have a homology of 95% or more, preferably 97% or more, more preferably 99% or more. Such a protein is also within the scope of the present invention as long as it has a function as an As-1 protein that inhibits blood coagulation. In SEQ ID NO: 1 in the sequence listing, the portion from -21 to -1 is a signal peptide, and as a result of processing, the mature protein consists of 80 amino acids represented by amino acid numbers 1-80.
[0016]
The As-1 gene encodes the As-1 protein described above, and is characterized by comprising the base sequence represented by base number 1-456 shown in SEQ ID NO: 2 in the sequence listing. The portion corresponding to base numbers 33 to 335 in the base sequence is a reading frame and encodes the above protein. According to genetic recombination technology, it is possible to artificially mutate a specific site of the basic DNA without changing or improving the basic characteristics of the DNA. Similarly, a gene having a natural base sequence provided by the present invention or a gene having a base sequence different from that of the natural one is equivalent to the natural gene by artificially inserting, deleting, or replacing it. Or have improved properties, and the present invention includes such mutant genes.
[0017]
That is, a gene in which a part of the gene shown in SEQ ID NO: 2 in the sequence listing is deleted, substituted or added is 20 or less, preferably 10 or less, more preferably 5 in the base sequence shown in SEQ ID NO: 2. A gene in which not more than one base has been replaced. Further, such a gene and the nucleotide sequence shown in SEQ ID NO: 2 have a homology of 95% or more, preferably 97% or more, more preferably 99% or more. Such a gene is also within the scope of the present invention as long as it encodes a protein having a function as an As-1 protein that inhibits blood coagulation. Further, such a gene forms a hybrid with the gene shown in SEQ ID NO: 2 in the sequence listing under stringent conditions.
[0018]
As-1 protein in the present invention can be produced in a large amount by a baculovirus expression system incorporating cDNA of As-1 protein. Examples of these are given below. It can be expressed using Bombyx mori nucleopolyhedrovirus (BmNPV) using silkworm cultured cells BmN4 or silkworm larvae, and can be isolated by chromatography from the culture solution or silkworm body fluid, respectively. In addition, the As-1 protein cDNA is integrated into Autographa californica's nuclear polyhedrosis virus (AcNPV) and expressed in SF9 cells of Spodoptera frugiperda or Tn5 cells of Trichoplusia ni And can be purified from the culture supernatant by chromatography in the same manner.
[0019]
The As-1 protein in the present invention can also be produced in large quantities by using an expression system using Escherichia coli that incorporates cDNA of As-1 protein. For this purpose, a cDNA for As-1 protein is amplified and a glutathione-S transferase (GST) fusion protein expression vector incorporated into a plasmid such as pGEX6P-1, pGEX-2T, pGEX-3X, etc. Can do. Then, E. coli is transformed with the expression vector and cultured in a medium containing IPTG, whereby the expression of GST-fused As-1 protein can be induced in E. coli. Examples of E. coli strains that can be used for such purposes include BL21 strain, DH5α strain, and NM522 strain. The GST-fused As-1 protein induced in the E. coli body can be recovered by disrupting E. coli. The GST-fused As-1 protein thus recovered can be purified by affinity chromatography using glutathione beads.
[0020]
The As-1 protein of the present invention identifies an active substance having a blood coagulation inhibitory action from the salivary gland of a blood-sucking insect, isolates and purifies it, and clones its gene cDNA, thereby allowing blood coagulation by a baculovirus expression system A protein having an inhibitory action can be produced in a large amount. In addition, if the active site resulting from the blood coagulation inhibitory action of the protein is investigated and the structural analysis proceeds, it is possible to produce the active substance by a general chemical synthesis technique using a molecular design technique.
[0021]
In addition, the As-1 protein of the present invention seems to have high utility as a lead compound of a medicine having a blood coagulation inhibitory action. That is, there is a possibility that a substance having a higher blood coagulation inhibitory effect can be obtained by variously modifying the As-1 protein. The As-1 protein of the present invention provides a physiologically active substance as a basis for such studies, and has great utility as a lead compound for obtaining a further novel anticoagulant. .
[0022]
【Example】
EXAMPLES Next, although an Example is given and this invention is demonstrated concretely, this invention is not limited to these examples.
[0023]
(Gene collection method)
Salivary glands were removed from the chest of Anopheles stephensi. From this, salivary gland mRNA was extracted and purified using MIicroprep mRNA purification (manufactured by Amersham pharmacia). Next, using this mRNA as a template, a salivary gland cDNA library was constructed using the Superscript Plasmid system (manufactured by Life technologies). Clones (total of 1280 clones) were randomly picked from this library and extracted and purified with QIAPrep miniprep kit (manufactured by QIAGEN). The base sequence of cDNA incorporated in this plasmid was decoded using
[0024]
(Mass expression and purification of recombinant protein)
Expression of gluathione-S transferase (GST) fusion protein, which was amplified by PCR method, excluding the expected secretory signal sequence of As-1 and then incorporated into the cloning site of plasmid pGEX6P-1 (Amersham pharmacia) A vector was prepared and the recombinant protein was expressed in Escherichia coli BL-21 according to a conventional method. The GST fusion As-1 protein was recovered from the sonicated Escherichia coli crushed material by affinity chromatography using glutathione Sepharose 4B (manufactured by Amersham pharmasia). The recovered protein was separated from GST and As-1 protein with precision protease (Amersham pharmacia). This was again purified by passing through glutathione Sepharose 4B to remove GST, and further performing anion exchange chromatography using RESOURCE Q (manufactured by Amersham Pharmacia) and subjected to the following experiment.
[0025]
(Measurement of activated partial thromboplastin time and prothrombin time)
20 μl of purified As-1 dissolved in 50 mM TrisHCl, pH 7.0, 150 mM NaCl was added to 20 μl of human plasma preparation (trade name:
[0026]
FIG. 3 shows the effect of As-1 on APTT, and FIG. 4 shows the effect of As-1 on PT. From these results, As-1 showed activity to prolong APTT and PT in a concentration-dependent manner. In other words, it was clarified that the Aspergillus salivary gland-derived protein As-1 is a protein that inhibits both intrinsic sequestration and extrinsic coagulation.
[0027]
【The invention's effect】
According to the present invention, an As-1 protein, which is a novel protein derived from an anopheles salivary gland, and an As-1 gene encoding the protein were provided. Since As-1 protein has blood coagulation inhibitory activity, a drug containing As-1 protein as an active ingredient is effective as a novel blood coagulation inhibitor in the treatment and prevention of myocardial infarction, lung infarction, and cerebral infarction. is there. As-1 protein also has great potential as a lead compound for blood coagulation inhibitors in the field of pharmaceutical development.
[0028]
[Sequence Listing]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a blood coagulation cascade system leading to thrombus formation.
FIG. 2 shows the sequence of As-1 protein and the gene encoding it.
FIG. 3 is a graph showing the effect of As-1 protein on activated partial thromboplastin time (APTT).
FIG. 4 is a graph showing the effect of As-1 protein on prothrompine time (PT).
Claims (5)
(a)配列表の配列番号1に示す、アミノ酸番号(-21)-80で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする蛋白質。
(b)血液凝固阻害活性を有し、(a)のアミノ酸の10個以下が欠損、置換若しくは付加された蛋白質。A protein derived from Anopheles, comprising an amino acid sequence shown in (a) or (b) below:
(A) A protein comprising the amino acid sequence represented by amino acid number (-21) -80 shown in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing.
(B) A protein having blood coagulation inhibitory activity, wherein 10 or less amino acids of (a) are deleted, substituted or added.
(c)配列表の配列番号1に示す、アミノ酸番号1-80で示されるアミノ酸配列からなることを特徴とする蛋白質。
(d)血液凝固阻害活性を有し、(c)のアミノ酸の10個以下が欠損、置換若しくは付加された蛋白質。A protein derived from Anopheles, comprising an amino acid sequence shown in the following (c) or (d):
(C) A protein comprising the amino acid sequence represented by amino acid numbers 1 to 80 shown in SEQ ID NO: 1 in the sequence listing.
(D) A protein having blood coagulation inhibitory activity, wherein 10 or less amino acids of (c) are deleted, substituted or added.
(e)配列表の配列番号2に示す、塩基番号1-456 で示される塩基配列からなることを特徴とする遺伝子。
(f)血液凝固阻害活性を有する蛋白質をコードし、(e)の塩基の10個以下が欠損、置換若しくは付加された遺伝子。A gene that encodes a protein derived from Anopheles and consists of the base sequence shown in (e) or (f) below.
(E) A gene comprising a base sequence represented by base number 1-456 shown in SEQ ID NO: 2 in the sequence listing.
(F) A gene encoding a protein having blood coagulation inhibitory activity , wherein 10 or less bases of (e) are deleted, substituted or added.
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