JP3646072B2 - 粒状ドライアイスの定量取出し装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒状ドライアイスを一定量づつ取出す方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般商店やスーパーマーケットあるいは百貨店で冷凍食品や氷菓、ケーキ等を購入すると、保冷材としてドライアイスを同梱している。従来、この場合、ブロック状のドライアイスを割って使用している。この場合、必要な重量を正確に得ることが難しいという問題がある上、ドライアイスブロックを割る際にドライアイスを手で掴むことから安全性の上でも問題がある。
【0003】
そこで、近年円筒ペレット状に形成した粒状ドライアイスが提供され、簡単に正確な重量を計量できるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、粒状ドライアイスを使用する場合でも、粒状ドライアイスは特定の商品を購入した際にサービスとして配布されるものであることから、各レジ部分に粒状ドライアイスを収容した断熱箱を置き、レジの担当者が粒状ドライアイスを小袋に詰めて渡すようにしている。このため、ドライアイスは小ロットでの保管となり、昇華によるロスが多いという問題がある。また、レジ部分で小分けする場合には、提供量にバラツキが生じ易いうえ、ドライアイスや低温になっているドライアイス掬い具を直接的に取り扱うため、レジでの分配は作業上手間になっていた。
【0005】
本発明は、このような点に着目してなされたもので、粒状ドライアイスを簡単な操作で、所定量に分配することのできる装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載した本発明では、断熱構造に形成した粒状ドライアイス収容室内に攪拌具を回転可能に配置するとともに、粒状ドライアイス収容室の底壁の一部にドライアイス導出口を開口し、粒状ドライアイス収容室の下側に内部に計量空間を形成した枡部材を回転可能に収容した回転式計量装置を配置し、この回転式計量装置の上板に前記ドライアイス導出口と対応する大きさの開口を上下貫通状に形成し、回転式計量装置の下板での前記ドライアイス導出口の形成個所とは異なる位相位置にドライアイス排出口を形成し、このドライアイス排出口に対応して粒状ドライアイス取出し容器を出退可能に配置し、前記攪拌具と枡部材とを同期回転可能に構成し、枡部材に形成した計量空間に嵌込み駒部材を着脱可能に装着して、粒状ドライアイスの取出し量を段階的に調整できるように構成したことを特徴としている。
【0007】
【発明の作用】
本発明では、断熱構造に形成した粒状ドライアイス収容室の底壁に粒状ドライアイス導出口を開口形成し、この粒状ドライアイス収容室の下側に枡部材を回転可能に収容している回転式計量装置を配置しているので、ドライアイス収容室内に粒状ドライアイスを充填収容した状態で、回転式の枡部材に形成した計量空間が粒状ドライアイス導出口と合致した際に、粒状ドライアイスが計量空間に流下して一定量の粒状ドライアイスを収容し、この計量空間のさらなる回転により計量空間とドライアイス排出口とが合致することにより粒状ドライアイスを計量空間容積で計量した状態で一定量づつ取出すことになる。また、枡部材の回転と同期して回転する攪拌具をドライアイス収容室内に配置してあることから、攪拌具がドライアイス収容室内で回転することになり、ドライアイス収容室内でドライアイスが架橋現象を起こすことがあっても、回転する攪拌具でその架橋を破壊することになる。
【0008】
さらに、本発明では枡部材に形成した計量空間に嵌込み駒部材を着脱可能に装着して、計量空間の容積を調整できるように構成してあることから、四季折々の外気温に応じて1回あたりに取り出す粒状ドライアイス量を変更することができることになる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図は本発明を適用した粒状ドライアイスの定量取出し装置を示し、図1はその斜視図、図2は縦断正面図である。
この粒状ドライアイスの定量取出し装置は、ドライアイス収容室(1)を上面開放状に形成したケーシング本体(2)と、ドライアイス収容室(1)の上面開口部を覆う蓋体(3)を有しており、このケーシング本体(2)及び蓋体(3)はそれぞれ断熱構造に形成してある。
【0010】
ドライアイス収容室(1)は下窄まりの頭を切った四角錐状に形成してあり、その底壁(4)での一側寄り部分にドライアイス導出口(5)が開口形成してある。また、このドライアイス収容室(1)の内部にドライアイスの架橋を防止するとともに、架橋した際にはその架橋を破壊する横断面円形の金属ロッドで形成したフォーク状の攪拌具(6)が回転可能に配置してある。
【0011】
ケーシング本体(2)でドライアイス収容室(1)の底壁より下側に回転式の計量装置(7)が配置してある。この計量装置(7)は図3に示すように、ポリアセタール樹脂で形成したハウジング(8)の内部に円板状のポリアセタール樹脂製の枡部材(9)を回転可能に装着して形成してあり、この回転式枡部材(9)の一部に両端部を切除した弓型の計量空間(10)が貫通する状態に形成してある。そして、ハウジング(8)の上面板(11)での一側寄り部分に前記ドライアイス導出口(5)と連通する連通口(12)が開口形成してあり、この連通口(12)及び計量空間(10)の開口形状は、前記ドライアイス導出口(5)の形状に合致させてある。
【0012】
また、ハウジング(8)の下面板(13)にもドライアイス導出口(5)の形状に合致させたドライアイス排出口(14)が形成してある。なお、このドライアイス排出口(14)は上面壁(11)での連通口(12)の形成個所とは枡部材(9)の回転方向での位相を異ならせて形成してある。そして、枡部材(9)の計量空間(10)を形成していない壁面がハウジング(8)の上・下面板に(11)(13)それぞれ形成した連通口(12)及びドライアイス排出口(14)を覆うことにより、計量空間(10)との連通を遮断するようになっている。
【0013】
ケーシング本体(2)の一側壁に、粒状ドライアイスの取出し口(15)が開口形成してあり、この粒状ドライアイス取り出し口(15)に掬い具形状に形成した粒状ドライアイス取出し容器(16)が出退可能な状態に装着してあり、正規の姿勢に挿入したドライアイス取り出し容器(16)の上面開放部分が前記ドライアイス排出口(14)に連通する状態で配置したドライアイス取り出し路(17)に対応して開口している。そして、粒状ドライアイス取出し容器(16)が正規の姿勢に装着されていること検知するリミットスイッチ(18)が、粒状ドライアイスの取出し口(15)での取出し容器挿入領域の奥端部下面に配置してある。
【0014】
ドライアイス収容室(1)の内部に配置したフォーク状の攪拌具(6)と計量装置(7)の枡部材(9)は同一回転軸(19)に固定されており、この回転軸(19)は電動式の駆動モータ(20)に連動連結されている。したがって、攪拌具(6)と枡部材(9)とは同行回転することになる。攪拌具(6)と枡部材(9)とを駆動する駆動モータ(20)の給電回路(21)には、スタートスイッチとしてメダルタイマー(22)が介装してあり、コイン状のメダルを投入することにより、攪拌具(6)及び枡部材(9)が1回転するように駆動モータ(20)を回転作動させるようにしてある。
【0015】
また、この粒状ドライアイスの定量取出し装置では、蓋体(3)が閉塞していることを検知するリミットスイッチ(23)が装着してあり、この前記取出し容器装着検知リミットスイッチ(18)と閉蓋検知リミットスイッチ(23)は駆動モータ(20)の給電回路(21)に直列に挿入されており、蓋体(3)が確実に閉塞され、かつ、ドライアイス取出し容器(16)が正規姿勢に装着されている状態でのみ、駆動モータ(20)が回転作動できるようにしてある。
【0016】
さらに、ケーシング本体(2)には、駆動モータ(20)の作動回数を積算表示する回転積算計(24)が配置してあり、駆動モータ(20)が予め設定した回転数だけ回転した際には、メダルタイマー(22)のメダル投入口を閉じてメダル投入が不能となるようにするとともに、ドライアイス収容室(1)へのドライアイス補充時期であることを報知するランプ等の報知手段(25)を作動させるようにしてある。そして、この回転積算計(24)はドライアイス収容室(1)へ粒状ドライアイスを補充したのちにリセットすることで、継続して粒状ドライアイスを取り出すことができるようにしてある。
【0017】
本発明が対象としている冷凍食品や氷菓、ケーキ等の購入時に同梱する保冷材としてドライアイスの場合、外気温(雰囲気温度)によって昇華速度が変動することになるから、外気温が高い夏季と外気温が低い冬季とでは同じ時間低温状態を維持するのに必要なドライアイス量が変動する。このため、回転式枡部材(9)の計量空間(10)に空間容積調整用の嵌込み駒(26)が着脱可能に装着してある。
【0018】
この嵌込み駒(26)は、図5に示すように、下面を開放した伏碗型に形成してあり、その上面に劣弧型の摘み用突条(27)とその突条(27)の基部に形成した凹部(28)が形成してあり、回転式枡部材(9)に形成されている計量空間(10)の一側に片寄せて装着できるように構成してある。そして、計量空間(10)に装着した状態で嵌込み駒(26)がその位置にとどまれるように、計量空間(10)の側壁部分に係合突条(29)が上下に形成されるととともに、嵌込み駒(26)の弧部分及び弦部分を形成している側壁部分に該係合突条(29)と嵌り合う係合溝(30)が形成してある。なお、この嵌込み駒(26)は、図6に示すように弧部分と弦部分とを連結している側面部分のなす開き角度が異なるものを複数種類用意し、その複数種の嵌込み駒(26)から1つを選択して計量空間(10)に嵌め込むことで取り出すドライアイス量を調整できるようにしてある。
【0019】
図中符号(31)は回転式枡部材(9)に形成されている計量空間(10)の弧状側壁内周面及び弦状側壁の下端周縁に嵌込み駒(26)を受けとめるために形成した受け止め鍔であり、(32)は蓋体(3)が急激に閉じないようにするためにケーシング本体(2)と蓋体(3)との間に位置させたエアダンパーである。
【0020】
上述の構成からなる粒状ドライアイスの定量取出し装置をスーパーマーケットに設置した場合の使用方法を説明する。先ず、必要があれば回転式計量装置(7)の枡部材(9)に形成されている計量空間(10)に選択した嵌込み駒(26)を装着して、計量空間(10)の容積をその季節に適した大きさに調整し、ドライアイス収容室(1)に所定量の粒状ドライアイスを投入した後、蓋体(3)を確りと閉じて、ドライアイス収容室(1)を密閉しておく。そして、ドライアイスを同梱するような商品を購入した人があれば、レジの担当者は、持ちかえり時間や梱包容器の大きさに応じて、必要枚数のメダルをその商品購入者に手渡す。商品購入者はサービスカウンター等の粒状ドライアイスの定量取出し装置を設置している個所で、その場にいる店員にメダルを手渡し、あるいは自らドライアイスの取出し操作をおこなう。その取出し操作は、粒状ドライアイス取出し容器(16)がドライアイス取出し口(15)に正規の姿勢で装着されていることを確認して、メダルをメダルタイマー(22)に投入して駆動モータ(20)を作動させて、必要量の粒状ドライアイスをドライアイス収容室(1)から粒状ドライアイス取出し容器(16)に取出し、この粒状ドライアイス取出し容器(16)内の粒状ドライアイスを備え付けの合成樹脂袋に移しかえる。
【0021】
そして、ドライアイスの取出し作業回数が、予め設定した回数に達するとすると、メダルタイマー(20)へのメダル投入を不能にさせることで、取出し作業を不作動状態にするとともに、報知手段を作動させてドライアイスの補充を要請する。本発明では、枡部材(9)で常時一定量のドライアイスを取り出すようにしていることから、ドライアイス収容室(1)に投入したドライアイス量と枡部材(9)の計量空間(10)の容積との関係で完全に払出されるなるまでの回数が予測できるから、ドライアイス収容室(1)での昇華及び壁面付着による減量を見越した回数を設定しておくことにより、補充時期を確実に知ることができることになる。
【0022】
なお、このドライアイス定量供給装置の前面部分に人体感知センサーを設置し、ドライアイスを必要とする人が装置前面に立った際に、人体感知センサーが作動して、操作手順を音声で案内するようにしてもよい。
【0023】
上記の実施形態では攪拌具(6)として横断面円形の金属ロッドで形成したロッドフォーク状攪拌具を使用しているが、粒状ドライアイスが架橋しないように、又、仮に架橋した際には容易に破壊することができるもので有ればどのような形状でもよいが、回転抵抗等を考慮すれば攪拌具(6)としてはフォーク状であることが望ましい。なお、その際のフォーク部分の断面形状は角型であっても、翼型であってもよい。
【0024】
また、上記の実施形態では、数種類の容積寸法の嵌込み駒(26)を用意しておき、使用時期に応じて嵌込み駒(26)を択一的に計量空間(10)に装着することにより、計量空間(10)の容積を調整するようにしているが、1種類のサイズの嵌め込み駒(26)を複数個用意し、数個の嵌込み駒(26)を連結接続して装着することで計量空間(10)の容積を調整するようにしてもよい。
【0025】
【発明の効果】
本発明では、断熱構造に形成した粒状ドライアイス収容室の下側に枡部材を回転可能に収容している回転式計量装置を配置し、この枡部材の回転と同期して回転する攪拌具をドライアイス収容室内に配置しているので、回転する攪拌具でドライアイスの架橋をなくしながら、ドライアイス収容室内の粒状ドライアイスを回転式の枡部材に形成した計量空間に流下させ、この計量空間のさらなる回転により計量空間内の粒状ドライアイスをドライアイス排出口から取り出し容器に取り出すことができる。これにより、常に一定量の粒状ドライアイスを手軽に得ることができるようになる。
【0026】
そして、この粒状ドライアイスの小分け作業時にドライアイスに触れることがほとんどないことから、作業上の安全性も向上することになる。
【0027】
さらに、サービス品として提供するドライアイスを集中管理することになるから、昇華によるドライアイスのロスを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した粒状ドライアイスの定量取出し装置の斜視図である。
【図2】粒状ドライアイスの定量取出し装置の縦断正面図である。
【図3】回転式の計量装置の要部取出し一部破断分解斜視図である。
【図4】駆動モータの概略給電回路図である。
【図5】嵌込み駒の取出し図で、図5(a)は平面図、図5(b)は図5(a)のB矢視図、図5(c)は図5(a)のC−C縦断図である。
【図6】異なるサイズの嵌込み駒の取出し図で、図6(a)は中サイズの嵌込み駒での平面図、図6(b)は小サイズの嵌込み駒での平面図である。
【符号の説明】
1…粒状ドライアイス収容室、3…蓋体、5…ドライアイス導出口、6…攪拌具、7…回転式計量装置、9…枡部材、10…計量空間、14…ドライアイス排出口、15…粒状ドライアイス取出口、16…粒状ドライアイス取出し容器、17…扉、20…駆動モータ、21…駆動モータへの給電回路、22…メダルタイマー、18・23…検出素子、26…嵌込み駒。
Claims (4)
- 断熱構造に形成した粒状ドライアイス収容室(1)内に攪拌具(6)を回転可能に配置するとともに、粒状ドライアイス収容室(1)の底壁の一部にドライアイス導出口(5)を開口し、粒状ドライアイス収容室(1)の下側に内部に枡部材(9)を回転可能な状態に収容した回転式計量装置(7)を配置し、この回転式計量装置(7)の上面板に前記ドライアイス導出口(5)と対応する大きさの開口を上下貫通状に形成するとともに、回転式計量装置(7)の下面板での前記ドライアイス導出口(5)の形成個所とは異なる位相位置にドライアイス排出口(14)を形成し、このドライアイス排出口(14)に対応して粒状ドライアイス取出し容器(16)を出退可能に配置し、前記攪拌具(6)と枡部材(9)とを同期回転可能に構成し、枡部材(9)に形成した計量空間(10)に嵌込み駒(26)を着脱可能に装着して、粒状ドライアイスの取出し量を段階的に調整できるように構成した粒状ドライアイスの定量取出し装置。
- 攪拌具(6)と枡部材(9)とを同じ駆動モータ(20)で駆動させるようにした請求項1に記載の粒状ドライアイスの定量取出し装置。
- 駆動モータ(20)への給電回路(21)にスタートスイッチとしてメダルタイマー(22)を配置した請求項1又は請求項2に記載の粒状ドライアイスの定量取出し装置。
- 粒状ドライアイス収容室(1)の蓋体(3)が閉じていることを検知する検出素子(23)と、粒状ドライアイス取出し容器(16)が装着されていることを検出する検出素子(18)とを駆動モータ(20)の給電回路(21)に介装した請求項1から請求項3いずれか1項に記載の粒状ドライアイスの定量取出し装置。
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JP2001125181A JP3646072B2 (ja) | 2001-04-24 | 2001-04-24 | 粒状ドライアイスの定量取出し装置 |
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