JP3645282B2 - Heparin neutralizer - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ヘパリン中和剤に関するものである。さらに詳しくは、この発明は特定のアミノ酸配列を有するラクトフェリン由来のペプチド等を有効成分とし、副作用のない新しいヘパリン中和剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
含硫多糖体であるヘパリンは、汎発性血管内血液凝固症候群の治療および血液透析、人口心肺、その他体内循環装置使用時、並びに血管カテーテル挿入時の凝血防止等の目的で広く使用されている。一方、手術時にこのヘパリンを用いた場合には、その強力な血液凝固阻止作用による術部の出血傾向を抑えるため、塩基性ペプチドであるプロタミン等のヘパリン中和剤が手術後等において用いられている[ザ・ファーマコロジカル・ベイシス・オブ・セラピューティクス(The Pharmacological Basis of Therapeutics) 、第7版、1338ページ、マクミラン(Macmilan)社、1985年]。また、プロタミンは、インシュリン投与の効力を持続させるためにも使用され[ザ・ファーマコロジカル・ベイシス・オブ・セラピューティクス(The Pharmacological Basis of Therapeutics) 、第7版、1490ページ、マクミラン(Macmilan)社、1985年]、あるいは抗血栓性医用材料としてヘパリンを固定する場合にも使用されている(特開昭58−180162号公報)。
【0003】
しかしながら、プロタミンは、フィブリノーゲン等のタンパク質および血小板に結合し、それ自体が血液凝固阻止等の副作用を有し、また抗原性も問題となっていた。そこで、これらの欠点がなく、しかも副作用のないヘパリン中和剤が待望されていた。
プロタミンの他に、ヘパリンに結合する物質としては、生体内物質の酸性繊維芽細胞成長因子、塩基性繊維芽細胞成長因子等が知られており、最近では脳から分離した59個のアミノ酸残基からなるペプチドが発見され、細胞増殖剤、創傷治療剤、骨疾患治療剤としての可能性が示唆されている(特開平5−339287号)。また、フィブロネクチン、アンチトロンビンIII も分子内にヘパリン結合部位を有し、それらの部分と他のペプチドを結合させ、そのペプチドの機能を変化させる試みもなされている(特開平2−311498号公報、特開平4−77499号公報)。
【0004】
一方、種々の微生物に対して抗菌作用を有するペプチドについては、多数の発明が開示されている。例えば、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に有効なホスホノトリペプチド(特開昭57−106689号公報)、ホスホノジペプチド誘導体(特開昭58−13594号公報)、環状ペプチド誘導体(特開昭58−213744号公報)、抗菌および抗ウイルス作用を示すペプチド(特開昭59−51247号公報)、酵母に有効なポリペプチド(特開昭60−130599号公報)、グラム陽性菌に有効な糖ペプチド誘導体(特開昭60−172998号公報、特開昭61−251699号公報および特開昭63−44598号公報)、グラム陽性菌に有効なオリゴペプチド(特開昭62−22798号公報)、ペプチド系抗生物質(特開昭62−51697号公報および特開昭63−17897号公報)、その他北米産カブトガニの血球から抽出した抗菌性ペプチド(特開平2−53799号公報)、蜜蜂の血リンパから単離した抗菌性ペプチドド(特表平2−500084号公報)、ロイヤルゼリーから単離した抗菌ペプチド(特開平2−268198号公報)等がある。
【0005】
ラクトフェリンは、乳汁および唾液、涙、粘膜分泌液等のヒトを含む哺乳動物の体液に存在する鉄結合性タンパク質であり、大腸菌、カンジダ菌、クロストリジウム菌等の有害微生物に対して抗菌作用を示すことが知られている[ジャーナル・オブ・ペディアトリクス(Journal of Pediatrics) 、第94巻、第1ページ、1979年]。また、ブドウ球菌および腸球菌に対して、0.5〜30mg/mlの濃度で抗菌作用を有することが知られている[ジャーナル・オブ・デイリー・サイエンス(Journal of Dairy Science)、第67巻、第606ページ、1984年]。さらには、ラクトフェリンがヘパリンに結合する性質を利用して乳からラクトフェリンを分離精製する方法(特開昭63−255299号公報)も開示されている。
【0006】
この発明の発明者らは、ラクトフェリンの抗菌性に着目し、哺乳類のラクトフェリン、アポラクトフェリン、および/または金属飽和ラクトフェリン(以下、これらをラクトフェリン類と記載することがある)を酸または酵素により加水分解した物質が、望ましくない副作用(例えば抗原性)等がなく、しかも未分解のラクトフェリン類よりも強い耐熱性および抗菌性を有することを見い出し、既に特許出願を行った(特開平5−320068号公報)。
【0007】
また、この発明の発明者らは、ラクトフェリンの分解物から強い抗菌活性を有するペプチドを単離、若しくはそれらのペプチドと同一のアミノ酸配列を有するペプチドまたはそれらのペプチドの誘導体を合成し、20個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−92994号公報)、11個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−78392号公報)、6個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−148297号公報)、5個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−1498296号公報)、3〜6個のアミノ酸残基からなる抗菌性ペプチド(特開平5−148295号公報)を、それぞれ既に特許出願した。
【0008】
さらに、乳汁の生理活性ペプチドには、成長ホルモン、細胞分化増殖因子等の他に、カルシウム吸収促進ペプチド(フードケミカル、第11巻、第33ページ、1988年)、オピオイドペプチド[ホッペ・ザイラーズ・ツァイトシュリフト・フュアー・フィジオロギッシェ・ヘミー(Hoppe-Seyler´s Zeitschrift fur Physiologische Chemie)、第360巻、第1211ページ、1979年およびザ・ジャーナル・オブ・バイオロジカルケミストリー(The Journal of Biological Chemistry) 、第254巻、第2446ページ、1979年]、アンジオテンシン転換酵素阻害ペプチド(フードケミカル、第11巻、第39ページ、1988年)、胃酸分泌抑制作用を有するペプチド(特開平5−262793号公報)等が知られている。
【0009】
この発明の発明者らも、ラクトフェリン類を酸または酵素により加水分解した物質と同一のアミノ酸配列を有するペプチドまたはこれらペプチドの誘導体に脳の保護作用(特願平4−327738号公報)、ラクトフェリン加水分解物に上皮細胞増殖因子による繊維芽細胞増殖を促進する作用(特開平6−48955号公報)および神経成長因子産生促進作用(特開平5−23557号公報)があることを見い出し、それぞれ既に特許出願した。
【0010】
しかしながら、これらのラクトフェリン由来のペプチドが、血液中でプロタミンと同等のヘパリン中和作用を有し、しかもプロタミンの様な血液凝固阻止作用を持たないことは知られておらず、文献にも記載されていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術から明らかなように、副作用が少ないヘパリン中和剤が待望されていたが、未だに優れた物質は、知られていないのが現状であった。
この発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、副作用が少なく、少量で有効なヘパリン中和剤を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明の発明者らは、へパリンの血液凝固阻止作用を中和する物質を検索していたが、ラクトフェリンを加水分解して得られるペプチドが、安全かつ副作用も少ないことを見い出し、この発明を完成した。すなわち、この発明は、前記の課題を解決するものとして、配列番号26に記載のアミノ酸配列を有するペプチド、このペプチドのカルボキシル基をアミド化またはアシル化した誘導体、薬学的に許容されるこのペプチドの塩類(以下、これらをまとめてペプチド類と記載することがある)または、これらの2種以上の混合物を有効成分とするヘパリン血液凝固阻止作用に対する中和剤を提供する。
【0013】
以下、この発明の構成および好ましい態様について詳しく説明する。
この発明のヘパリン中和剤の有効成分であるペプチド類をラクトフェリン類から製造する場合、出発物質として使用するラクトフェリン類は、市販のラクトフェリン、哺乳類(例えば、ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ)の初乳、移行乳、常乳、末期乳等、またはこれらの乳の処理物である脱脂乳、ホエー等から常法(例えば、イオン交換クロマトグラフィー)により分離したラクトフェリン、それらを塩酸、クエン酸等により脱鉄したアポラクトフェリン、アポラクトフェリンを鉄、銅、亜鉛、マンガン等の金属でキレートした金属飽和または部分飽和ラクトフェリンであり、市販品または公知の方法により製造した調製品を使用することもできる。
【0014】
この発明において使用するペプチド類は、ラクトフェリン類の分解物から分離手段によって得られるペプチド、このペプチドと同一のアミノ酸配列、相同なアミノ酸配列を有するペプチド、これらのペプチドの誘導体、これらのペプチドの薬学的に許容される塩類またはこれらの任意の混合物であり、公知の方法により化学的に合成することもできる。これらのペプチド類は、例えば、前記特開平5−92994号公報、特開平5−78392号公報、特開平5−148297号公報、特開平5−1498296号公報および特開平5−148295号公報の各発明に記載された方法によって得ることができる。
【0015】
前記の方法によって得られるペプチドは次のアミノ酸配列を有するペプチド、その誘導体または塩類を望ましい態様として例示できる。例えば、配列番号1、2および27のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類またはその誘導体(特開平5−78392号公報)、配列番号3、4、5および6のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類またはその誘導体(特開平5−148297号公報)、配列番号7、8、9および31のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類またはその誘導体(特開平5−1498296号公報)、配列番号10から21のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類またはその誘導体(特開平5−148295号公報)、配列番号22から26、28、29および30のアミノ酸配列を有するペプチド、その塩類またはその誘導体(特開平5−92994号公報)である。
【0016】
前記ペプチドの薬学的に許容される塩類としては、塩酸塩、リン酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩等の酸付加塩を例示でき、誘導体としては、カルボキシル基をアミド化またはアシル化した誘導体を例示することができる。
この発明の治療剤は、公知の方法により注射剤等に加工することができる。
この発明のヘパリン中和剤は、年齢、症状等により異なるが、ヘパリン1000単位当たり少なくとも10〜15mgの割合で非経口的に投与できる。
【0017】
次に試験例を示してこの発明を詳しく説明する。
試験例1
この試験は、ヘパリン血液凝固阻止作用に対するペプチド類の中和効果を調べるために行った。
1)試験動物
体重29〜33gのddY系雄性マウス(日本SLC社から購入)を、無作為に12群(1群10〜12匹)に分けて使用した。
2)試験方法
マウスをクロロホルム(和光純薬工業社製)で麻酔し、胸部を切開し、ヘパリン(最終濃度5U/ml)および参考例1と同一の方法により製造した配列番号26のペプチドを予め充填した注射器(テルモ社製)で心臓から血液を採取し、この血液を試験管(ファルコン社製)に移し、37℃の水浴に静置した。採血時から試験管を傾斜しても流出しなくなるまでの時間(凝固時間)を測定し、凝固時間が60分以下の場合を有効と判定した。また、対照として、ヘパリンおよびプロタミンを充填した注射器で採取した血液についても同様に凝固時間を測定した。なお、配列番号26のペプチド、硫酸プロタミン(和光純薬工業社製)およびヘパリンナトリウム(小玉社製)は、注射用生理食塩液(大塚製薬社製)に溶解または希釈して使用した。
3)試験結果
この試験の結果は、表1に示すとおりである。なお、ED50は、対数確率グラフから読取った数値である。表1から明らかなように、配列番号26のペプチドは、ヘパリンの血液凝固阻止作用を中和し、その効力は硫酸プロタミンとほぼ同等であった。なお、他のペプチド類についても同様の試験を行ったがほぼ同じような結果が得られた。
【0018】
【表1】

Figure 0003645282
【0019】
試験例2
この試験は、クエン酸ナトリウムの血液凝固阻止作用に対するペプチドの中和効果を調べるために行った。
1)試験動物
体重29〜33gのddY系雄性マウス(日本SLC社から購入)を、無作為に3群(1群8匹)に分けて使用した。
2)試験方法
ヘパリンの代わりに最終濃度50μl/mlの10%クエン酸ナトリウム溶液(扶桑薬品社製)を予め充填した注射器を用いたことを除き、試験例1と同一の方法により試験した。
3)試験結果
この試験の結果は、表2に示すとおりである。表2から明らかなように、参考例1と同一の方法により製造した配列番号26のペプチドは、クエン酸ナトリウムの血液凝固阻止作用を中和しないことが認められた。なお、他のペプチド類についても同様の試験を行ったが、ほぼ同じような結果が得られた。
【0020】
【表2】
Figure 0003645282
【0021】
試験例3
この試験は、ペプチドの血液凝固阻止作用を調べるために行った。
1)試験動物
体重29〜33gのddY系雄性マウス(日本SLC社から購入)を、無作為に13群(1群10〜20匹)に分けて使用した。
2)試験方法
予め、参考例1と同一の方法により製造した配列番号26のペプチド、硫酸プロタミン(和光純薬工業社製)またはプロタミン塩基(シグマ社製)を充填した注射器を用いたことおよび凝固時間が60分を超えた場合に有効と判定したことを除き、試験例1と同一の方法により試験した。
3)試験結果
この試験の結果は、表3に示すとおりである。表3から明らかなように、配列番号26のペプチドの血液凝固阻止作用は、硫酸プロタミンおよびプロタミン塩基よりも弱いことが認められた。なお、他のペプチド類についても同様の試験を行ったが、ほぼ同じような結果が得られた。
【0022】
【表3】
Figure 0003645282
【0023】
試験例4
この試験は、ペプチドの急性毒性を調べるために行った。
1)使用動物
6週齢のCD(SD)系のラット(日本SLCから購入)の両性を用い、雄および雌を無作為にそれぞれ4群(1群5匹)に分けて使用した。
2)試験方法
参考例1と同一の方法で製造した配列番号26のペプチドを、体重1kg当り1000、2000または4000mgの割合で注射用水(大塚製薬社製)に溶解し、体重100g当たり4mlの割合で金属製玉付き針を用いて単回強制経口投与し、急性毒性を試験した。
3)試験結果
この試験の結果は、表4に示すとおりである。表4から明らかなように、このペプチドを1000mg/kg体重および2000mg/kg体重の割合で投与した群に死亡例は認められなかった。従って、このペプチドのLD50は、2000mg/kg体重以上であり、毒性は極めて低いことが判明した。なお、他のペプチド類についても同様の試験を行ったが、ほぼ同じような結果が得られた。
【0024】
【表4】
Figure 0003645282
【0025】
参考例1
市販のウシ・ラクトフェリン(シグマ社製)50mgを精製水0.9mlに溶解し、0.1規定の塩酸でpHを2.5に調整し、のち市販のブタペプシン(シグマ社製)1mgを添加し、37℃で6時間加水分解した。次いで0.1規定の水酸化ナトリウムでpHを7.0に調整し、80℃で10分間加熱して酵素を失活させ、室温に冷却し、15,000rpmで30分間遠心分離し、透明な上清を得た。この上清100μlをTSKゲルODS−120T(東ソ−社製)を用いた高速液体クロマトグラフィ−にかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間0.05%TFA(トリフルオロ酢酸)を含む20%アセトニトリルで溶出し、のち30分間0.05%TFAを含む20〜60%のアセトニトリルのグラジエントで溶出し、24〜25分の間に溶出する画分を集め、真空乾燥した。この乾燥物を2%(W/V)の濃度で精製水に溶解し、再度TSKゲルODS−120T(東ソ−社製)を用いた高速液体クロマトグラフィ−にかけ、0.8ml/分の流速で試料注入後10分間0.05%TFAを含む24%アセトニトリルで溶出し、のち30分間0.05%TFAを含む24〜32%のアセトニトリルのグラジエントで溶出し、33.5〜35.5分の間に溶出する画分を集めた。上記の操作を25回反復し、真空乾燥し、ペプチド約1.5mgを得た。
【0026】
上記のペプチドを6N塩酸で加水分解し、アミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析した。同一の試料を気相シ−クェンサ−(アプライド・バイオシステムズ社製)を用いて25回のエドマン分解を行ない、25個のアミノ酸残基の配列を決定した。またDTNB[5,5−ジチオ−ビス(2−ニトロベンゾイック・アシド)]を用いたジスルフィド結合分析法[アナリティカル・バイオケミストリ−(Analytical Biochemistry )、第67巻、第493頁、1975年]によりジスルフィド結合が存在することを確認した。
【0027】
その結果、このペプチドは、25個のアミノ酸残基からなり、3番目と20番目のシステイン残基がジスルフィド結合し、3番目のシステイン残基からN−末端側に2個のアミノ酸残基が、20番目のシステイン残基からC−末端側に5個のアミノ酸がそれぞれ結合した、配列番号26に記載のアミノ酸配列を有していることが確認された。
参考例2
ペプチド自動合成装置(ファルマシアLKBバイオテクノロジ−社製。LKBBiolynx4170)を用い、シェパ−ド等による固相ペプチド合成法[ジャ−ナル・オブ・ケミカル・ソサイエティ−・パ−キンI(Journal of Chemical Society Perkin I)、第538頁、1981年]に基づいてペプチドを次のようにして合成した。
【0028】
アミン官能基を9−フルオレニルメトキシカルボニル基で保護したアミノ酸[以下Fmoc−アミノ酸またはFmoc−固有のアミノ酸の名称(例えば、Fmoc−アスパラギン)と記載することがある]に、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドを添加して所望のアミノ酸の無水物を生成させ、このFmoc−アミノ酸無水物を合成に用いた。ペプチド鎖を製造するためにC−末端のアスパラギン残基に相当するFmoc−アスパラギン無水物を、そのカルボキシル基を介し、ジメチルアミノピリジンを触媒としてウルトロシンA樹脂(ファルマシアLKBバイオテクノロジ−社製)に固定する。次いでこの樹脂をピペリジンを含むジメチルホルムアミドで洗浄し、C−末端アミノ酸のアミン官能基の保護基を除去する。のちアミノ酸配列のC−末端から2番目に相当するFmoc−アルギニン無水物を前記C−末端アミノ酸残基を介して樹脂に固定されたアルギニンの脱保護アミン官能基にカップリングさせた。以下同様にして順次グルタミン、トリプトファン、グルタミン、およびフェニルアラニンを固定した。全部のアミノ酸のカップリングが終了し、所望のアミノ酸配列のペプチド鎖が形成された後、94%TFA、5%フェノ−ル、および1%エタンジオ−ルからなる溶媒でアセトアミドメチル以外の保護基の除去およびペプチドの脱離を行ない、高速液体クロマトグラフイ−によりペプチドを精製し、この溶液を濃縮し、乾燥して、ペプチド粉末を得た。
【0029】
前記のペプチドについてアミノ酸分析計を用いて常法によりアミノ酸組成を分析し、配列番号10に記載のアミノ酸配列を有することを確認した。
【0030】
【実施例】
次に実施例を示してこの発明をさらに詳細かつ具体的に説明するが、この発明は以下の例に限定されるものではない。
実施例1
注射用水(大塚製薬社製)1mlに、参考例1と同一の方法により製造した配列番号26のペプチド粉末1mgおよび塩化ナトリウム(和光純薬工業製)9mgの割合で溶解し、水酸化ナトリウム(和光純薬工業社製)および塩酸(和光純薬工業社製)でpHを約7に調整し、濾過滅菌し、常法により1mlずつアンプルに充填し、注射用のヘパリン中和剤を製造した。
実施例2
注射用水(大塚製薬製)1mlに、参考例2と同一の方法により製造した配列番号10のペプチド粉末10mgおよびD−マンニット(和光純薬工業社製)49.5mgの割合で溶解し、リン酸緩衝剤粉末(和光純薬工業社製)の水溶液でpHを約7に調整し、濾過滅菌し、常法により1mlずつバイアル瓶に充填し、凍結乾燥し、注射用のヘパリン中和剤を製造した。
【0031】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この発明は、ペプチド類を有効成分とするヘパリン中和剤に係るものであり、この発明によって奏せられる効果は次のとおりである。
(1)副作用が少ない。
(2)耐熱性があり、水に可溶性で、水溶液中で安定なため、薬剤として安定である。
(3)ペプチドは抗菌作用を有するので、製剤化に当り防腐剤を使用する必要がない。
【0032】
【配列表】
Figure 0003645282
【0033】
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【0034】
Figure 0003645282
【0035】
Figure 0003645282
【0036】
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【0037】
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【0038】
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【0039】
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【0040】
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【0041】
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【0042】
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【0043】
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【0044】
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【0045】
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【0046】
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【0047】
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【0048】
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【0049】
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【0050】
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【0051】
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【0052】
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【0053】
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【0054】
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【0055】
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【0056】
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【0057】
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【0058】
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【0059】
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【0060】
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【0061】
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【0062】
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【0063】
Figure 0003645282
[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a heparin neutralizing agent. More specifically, the present invention relates to a new heparin neutralizing agent having a side effect of a lactoferrin-derived peptide having a specific amino acid sequence and having no side effects.
[0002]
[Prior art]
Heparin, a sulfur-containing polysaccharide, is widely used for the treatment of generalized intravascular blood coagulation syndrome and hemodialysis, artificial cardiopulmonary, other cardiopulmonary devices, and anticoagulation when inserting a vascular catheter. . On the other hand, when heparin is used during surgery, heparin neutralizing agents such as protamine, which is a basic peptide, are used after surgery in order to suppress the bleeding tendency of the surgical site due to its strong blood coagulation inhibitory action. [The Pharmacological Basis of Therapeutics, 7th Edition, page 1338, Macmilan, 1985]. Protamine is also used to sustain the efficacy of insulin administration [The Pharmacological Basis of Therapeutics, 7th Edition, page 1490, Macmilan Corporation. 1985], or when immobilizing heparin as an antithrombotic medical material (Japanese Patent Laid-Open No. 58-180162).
[0003]
However, protamine binds to proteins such as fibrinogen and platelets, and itself has side effects such as blood coagulation prevention, and antigenicity has also been a problem. Therefore, a heparin neutralizing agent that does not have these drawbacks and has no side effects has been desired.
In addition to protamine, acidic substances such as acidic fibroblast growth factor and basic fibroblast growth factor are known as substances that bind to heparin. Recently, 59 amino acid residues isolated from the brain have been known. Has been discovered, and its potential as a cell proliferating agent, a wound therapeutic agent, or a bone disease therapeutic agent has been suggested (Japanese Patent Laid-Open No. 5-339287). In addition, fibronectin and antithrombin III also have heparin binding sites in the molecule, and attempts have been made to bind these portions to other peptides and change the function of the peptides (Japanese Patent Laid-Open No. 2-311498, JP-A-4-77499).
[0004]
On the other hand, many inventions have been disclosed for peptides having antibacterial action against various microorganisms. For example, phosphonotripeptides (JP-A 57-106869), phosphonodipeptide derivatives (JP-A 58-13594), cyclic peptide derivatives (JP-A 58-58) effective against gram-positive and gram-negative bacteria. 213744), peptides exhibiting antibacterial and antiviral effects (Japanese Patent Laid-Open No. 59-51247), polypeptides effective for yeast (Japanese Patent Laid-Open No. 60-130599), and glycopeptide derivatives effective for Gram-positive bacteria (JP-A-60-172998, JP-A-61-251699, and JP-A-63-44598), an oligopeptide effective against Gram-positive bacteria (JP-A-62-2798), a peptide system Antibiotics (Japanese Patent Laid-Open Nos. 62-51697 and 63-17897) and other North American horseshoe crab blood cells Extracted antibacterial peptide (Japanese Patent Laid-Open No. 2-53799), antibacterial peptide isolated from bee hemolymph (Japanese Patent Publication No. 2-500084), antibacterial peptide isolated from Royal Jelly (Japanese Patent Laid-Open No. 2) -268198).
[0005]
Lactoferrin is an iron-binding protein present in body fluids of mammals including humans such as milk and saliva, tears, mucous membrane secretions, and has antibacterial activity against harmful microorganisms such as Escherichia coli, Candida and Clostridium [Journal of Pediatrics, vol. 94, page 1, 1979]. It is also known to have an antibacterial action against staphylococci and enterococci at a concentration of 0.5 to 30 mg / ml [Journal of Dairy Science, Vol. 67, 606, 1984]. Furthermore, a method for separating and purifying lactoferrin from milk using the property that lactoferrin binds to heparin (Japanese Patent Laid-Open No. 63-255299) is also disclosed.
[0006]
The inventors of the present invention pay attention to the antibacterial properties of lactoferrin and hydrolyze mammalian lactoferrin, apolactoferrin, and / or metal saturated lactoferrin (hereinafter sometimes referred to as lactoferrins) with acid or enzyme. It has been found that the obtained substance has no undesirable side effects (for example, antigenicity) and the like, and has stronger heat resistance and antibacterial properties than undegraded lactoferrins, and a patent application has already been filed (JP-A-5-320068). ).
[0007]
In addition, the inventors of the present invention isolated peptides having strong antibacterial activity from a degradation product of lactoferrin, or synthesized peptides having the same amino acid sequence as those peptides or derivatives of these peptides. Antibacterial peptide consisting of amino acid residues (Japanese Patent Laid-Open No. 5-92994), antibacterial peptide consisting of 11 amino acid residues (Japanese Patent Laid-Open No. 5-78392), antibacterial peptide consisting of 6 amino acid residues (Unexamined-Japanese-Patent No. 5-148297) Antibacterial peptide which consists of 5 amino acid residues (Unexamined-Japanese-Patent No. 5-1498296), Antibacterial peptide which consists of 3-6 amino acid residues (Unexamined-Japanese-Patent No. 5-148295) Have already filed patent applications.
[0008]
Furthermore, in addition to growth hormones, cell differentiation and growth factors, and the like, physiologically active peptides in milk include calcium absorption promoting peptides (Food Chemical, Vol. 11, p. 33, 1988), opioid peptides [Hoppe Zylers Zeit. Hoppe-Seyler´s Zeitschrift fur Physiologische Chemie, 360, 1211, 1979 and The Journal of Biological Chemistry 254, 2446, 1979], angiotensin converting enzyme inhibitory peptide (Food Chemical, Vol. 11, 39, 1988), peptide having gastric acid secretion inhibitory action (Japanese Patent Laid-Open No. 5-262793) Etc. are known.
[0009]
The inventors of the present invention also disclosed that a peptide having the same amino acid sequence as a substance obtained by hydrolyzing lactoferrins with an acid or an enzyme or a derivative of these peptides has a brain protective action (Japanese Patent Application No. 4-327738), lactoferrin hydrolysis. It has been found that the degradation product has an effect of promoting fibroblast proliferation by epidermal growth factor (Japanese Patent Laid-Open No. 6-48955) and an effect of promoting nerve growth factor production (Japanese Patent Laid-Open No. 5-23557), and each has already been patented. I applied.
[0010]
However, it is not known that these lactoferrin-derived peptides have a heparin neutralizing action equivalent to that of protamine in blood and do not have a blood coagulation-inhibiting action like protamine. Not.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
As apparent from the prior art, a heparin neutralizing agent with few side effects has been expected, but no excellent substance has been known yet.
The present invention has been made in view of the circumstances as described above, and an object thereof is to provide an effective heparin neutralizing agent with a small amount of side effects and effective in a small amount.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
The inventors of the present invention have searched for a substance that neutralizes the blood coagulation-inhibiting action of heparin, but found that the peptide obtained by hydrolyzing lactoferrin is safe and has few side effects. completed. That is, the present invention is as to solve the above problems, a peptide having the amino acid sequence set forth in SEQ ID NO: 26, amidated or acylated derivatives the carboxyl group of the peptide, a pharmaceutically acceptable peptide salts (hereinafter, may be described as these are collectively peptides) or the mixtures of two or more thereof as an active ingredient, to provide a neutralizing agent for heparin anticoagulation action.
[0013]
Hereinafter, the configuration and preferred embodiments of the present invention will be described in detail.
When peptides that are active ingredients of the heparin neutralizing agent of the present invention are produced from lactoferrins, the lactoferrins used as starting materials are commercially available lactoferrin, mammals (eg, humans, cows, sheep, goats, horses). Colostrum, transitional milk, normal milk, terminal milk, etc., or lactoferrin separated from these processed milk by skim milk, whey, etc. by conventional methods (eg, ion exchange chromatography), hydrochloric acid, citric acid, etc. It is a metal saturated or partially saturated lactoferrin obtained by chelating apolactoferrin and apolactoferrin with a metal such as iron, copper, zinc, and manganese, and a commercial product or a preparation prepared by a known method can also be used.
[0014]
Peptides used in the present invention are peptides obtained by separation means from degradation products of lactoferrin, peptides having the same amino acid sequence as this peptide, peptides having a homologous amino acid sequence, derivatives of these peptides, pharmaceuticals of these peptides Acceptable salts or any mixture thereof, and can be chemically synthesized by a known method. These peptides include, for example, each of the above-mentioned JP-A-5-92994, JP-A-5-78392, JP-A-5-148297, JP-A-5-1498296, and JP-A-5-148295. It can be obtained by the method described in the invention.
[0015]
Peptides obtained by the above method can be exemplified by peptides having the following amino acid sequences, derivatives or salts thereof as desirable embodiments. For example, peptides having the amino acid sequences of SEQ ID NOs: 1, 2 and 27, salts thereof or derivatives thereof (JP-A-5-78392), peptides having the amino acid sequences of SEQ ID NOs: 3, 4, 5 and 6, salts thereof or Derivatives thereof (JP-A-5-148297), peptides having amino acid sequences of SEQ ID NOs: 7, 8, 9 and 31; salts thereof or derivatives thereof (JP-A-5-1498296); amino acids of SEQ ID NOs: 10 to 21 Peptides having the sequence, salts thereof or derivatives thereof (JP-A-5-148295), peptides having the amino acid sequences of SEQ ID NOs: 22 to 26, 28, 29 and 30; salts thereof or derivatives thereof (JP-A-5-92994) Publication).
[0016]
Examples of the pharmaceutically acceptable salts of the peptide include acid addition salts such as hydrochloride, phosphate, sulfate, citrate, lactate, and tartrate, and derivatives include amidation of the carboxyl group. Alternatively, acylated derivatives can be exemplified.
The therapeutic agent of this invention can be processed into an injection or the like by a known method.
The heparin neutralizing agent of the present invention can be administered parenterally at a rate of at least 10 to 15 mg per 1000 units of heparin, although it varies depending on age, symptoms and the like.
[0017]
Next, the present invention will be described in detail with reference to test examples.
Test example 1
This test was conducted to examine the neutralizing effect of peptides on the heparin blood coagulation inhibitory action.
1) ddY male mice (purchased from Japan SLC Co., Ltd.) having a test animal weight of 29 to 33 g were randomly divided into 12 groups (10 to 12 mice per group).
2) Test method Mice were anesthetized with chloroform (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.), the chest was cut open, heparin (final concentration 5 U / ml) and the peptide of SEQ ID NO: 26 produced by the same method as in Reference Example 1 were previously prepared. Blood was collected from the heart with a filled syringe (manufactured by Terumo), and the blood was transferred to a test tube (manufactured by Falcon) and allowed to stand in a 37 ° C. water bath. The time (coagulation time) from the time of blood collection until the test tube was tilted until it did not flow out was measured, and the case where the coagulation time was 60 minutes or less was determined to be effective. As a control, the clotting time was measured in the same manner for blood collected with a syringe filled with heparin and protamine. The peptide of SEQ ID NO: 26, protamine sulfate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) and heparin sodium (manufactured by Kodama Co., Ltd.) were used after being dissolved or diluted in physiological saline for injection (manufactured by Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.).
3) Test results The results of this test are as shown in Table 1. Note that ED50 is a numerical value read from a logarithmic probability graph. As is clear from Table 1, the peptide of SEQ ID NO: 26 neutralized the anticoagulant action of heparin, and its potency was almost the same as that of protamine sulfate. Similar tests were performed on other peptides, but almost the same results were obtained.
[0018]
[Table 1]
Figure 0003645282
[0019]
Test example 2
This test was conducted to examine the neutralizing effect of the peptide on the blood coagulation inhibitory action of sodium citrate.
1) A ddY male mouse (purchased from Japan SLC) having a test animal weight of 29 to 33 g was randomly divided into 3 groups (8 per group).
2) Test method A test was performed in the same manner as in Test Example 1 except that a syringe pre-filled with a 10% sodium citrate solution (manufactured by Fuso Pharmaceutical Co., Ltd.) having a final concentration of 50 μl / ml was used instead of heparin.
3) Test results The results of this test are shown in Table 2. As apparent from Table 2, it was confirmed that the peptide of SEQ ID NO: 26 produced by the same method as in Reference Example 1 did not neutralize the blood coagulation inhibitory action of sodium citrate. In addition, although the same test was done about other peptides, the substantially same result was obtained.
[0020]
[Table 2]
Figure 0003645282
[0021]
Test example 3
This test was conducted in order to examine the blood coagulation inhibitory effect of peptides.
1) ddY male mice (purchased from Japan SLC Co., Ltd.) having a test animal weight of 29 to 33 g were randomly divided into 13 groups (10 to 20 mice per group).
2) Test method Using a syringe filled with the peptide of SEQ ID NO: 26, protamine sulfate (manufactured by Wako Pure Chemical Industries) or protamine base (manufactured by Sigma) prepared in the same manner as in Reference Example 1 and coagulation The test was performed in the same manner as in Test Example 1 except that it was determined to be effective when the time exceeded 60 minutes.
3) Test results The results of this test are shown in Table 3. As is clear from Table 3, the blood coagulation inhibitory action of the peptide of SEQ ID NO: 26 was observed to be weaker than protamine sulfate and protamine base. In addition, although the same test was done about other peptides, the substantially same result was obtained.
[0022]
[Table 3]
Figure 0003645282
[0023]
Test example 4
This test was conducted to examine the acute toxicity of the peptides.
1) Animals used The male and female were randomly divided into 4 groups (5 animals per group) using 6-week-old CD (SD) rats (purchased from Japan SLC).
2) Test method The peptide of SEQ ID NO: 26 produced by the same method as in Reference Example 1 was dissolved in water for injection (manufactured by Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.) at a rate of 1000, 2000 or 4000 mg per kg of body weight, and a rate of 4 ml per 100 g of body weight A single oral gavage was performed using a metal ball needle to test acute toxicity.
3) Test results The results of this test are shown in Table 4. As is apparent from Table 4, no death was observed in the group administered with this peptide at a ratio of 1000 mg / kg body weight and 2000 mg / kg body weight. Therefore, it was found that the LD 50 of this peptide is 2000 mg / kg body weight or more, and the toxicity is extremely low. In addition, although the same test was done about other peptides, the substantially same result was obtained.
[0024]
[Table 4]
Figure 0003645282
[0025]
Reference example 1
50 mg of commercially available bovine lactoferrin (manufactured by Sigma) is dissolved in 0.9 ml of purified water, the pH is adjusted to 2.5 with 0.1 N hydrochloric acid, and 1 mg of commercially available pig pepsin (manufactured by Sigma) is added. And hydrolyzed at 37 ° C. for 6 hours. The pH is then adjusted to 7.0 with 0.1 normal sodium hydroxide, heated at 80 ° C. for 10 minutes to inactivate the enzyme, cooled to room temperature, centrifuged at 15,000 rpm for 30 minutes, and clear. A supernatant was obtained. 100 μl of this supernatant was subjected to high performance liquid chromatography using TSK gel ODS-120T (manufactured by Tosoh Corporation) and 0.05% TFA (trifluoroacetic acid) was added for 10 minutes after sample injection at a flow rate of 0.8 ml / min. Elution with 20% acetonitrile containing, followed by elution with a gradient of 20-60% acetonitrile containing 0.05% TFA for 30 minutes, fractions eluting between 24-25 minutes were collected and dried in vacuo. This dried product was dissolved in purified water at a concentration of 2% (W / V) and again subjected to high performance liquid chromatography using TSK gel ODS-120T (manufactured by Tosoh Corporation) at a flow rate of 0.8 ml / min. Elution with 24% acetonitrile containing 0.05% TFA for 10 minutes after sample injection, followed by elution with a gradient of 24-32% acetonitrile containing 0.05% TFA for 30 minutes, 33.5-35.5 minutes Fractions eluting in between were collected. The above operation was repeated 25 times and vacuum-dried to obtain about 1.5 mg of peptide.
[0026]
The above peptide was hydrolyzed with 6N hydrochloric acid, and the amino acid composition was analyzed by an ordinary method using an amino acid analyzer. The same sample was subjected to Edman degradation 25 times using a gas phase sequencer (Applied Biosystems), and the sequence of 25 amino acid residues was determined. Also, a disulfide bond analysis method using DTNB [5,5-dithio-bis (2-nitrobenzoic acid)] [Analytical Biochemistry, Vol. 67, p. 493, 1975] Thus, it was confirmed that a disulfide bond was present.
[0027]
As a result, this peptide consists of 25 amino acid residues, the 3rd and 20th cysteine residues are disulfide bonded, and 2 amino acid residues from the 3rd cysteine residue to the N-terminal side, It was confirmed to have the amino acid sequence set forth in SEQ ID NO: 26 in which 5 amino acids were bonded to the C-terminal side from the 20th cysteine residue.
Reference example 2
Using an automatic peptide synthesizer (Pharmacia LKB Biotechnology, Inc., LKBBiolynx 4170), a solid-phase peptide synthesis method by Shepard et al. [Journal of Chemical Society Perkin I), 538, 1981], the peptide was synthesized as follows.
[0028]
N, N-dicyclohexyl is an amino acid in which the amine functional group is protected with a 9-fluorenylmethoxycarbonyl group [hereinafter sometimes referred to as Fmoc-amino acid or Fmoc-specific amino acid name (eg, Fmoc-asparagine)]. Carbodiimide was added to produce the anhydride of the desired amino acid and this Fmoc-amino acid anhydride was used in the synthesis. In order to produce a peptide chain, Fmoc-asparagine anhydride corresponding to the C-terminal asparagine residue was immobilized on Ultrocin A resin (Pharmacia LKB Biotechnology) through carboxyamino group and dimethylaminopyridine as a catalyst. To do. The resin is then washed with dimethylformamide containing piperidine to remove the protecting group on the amine function of the C-terminal amino acid. Thereafter, Fmoc-arginine anhydride corresponding to the second from the C-terminal of the amino acid sequence was coupled to the deprotected amine functional group of arginine fixed to the resin via the C-terminal amino acid residue. Thereafter, glutamine, tryptophan, glutamine, and phenylalanine were sequentially fixed in the same manner. After the coupling of all amino acids is completed and the peptide chain of the desired amino acid sequence is formed, a protecting group other than acetamidomethyl is removed with a solvent consisting of 94% TFA, 5% phenol, and 1% ethanol. Removal and desorption of the peptide were performed, and the peptide was purified by high performance liquid chromatography. The solution was concentrated and dried to obtain peptide powder.
[0029]
About the said peptide, the amino acid composition was analyzed by the conventional method using the amino acid analyzer, and it confirmed having the amino acid sequence of sequence number 10.
[0030]
【Example】
EXAMPLES Next, the present invention will be described in more detail and specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to the following examples.
Example 1
In 1 ml of water for injection (manufactured by Otsuka Pharmaceutical Co., Ltd.), 1 mg of the peptide powder of SEQ ID NO: 26 produced by the same method as in Reference Example 1 and 9 mg of sodium chloride (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) were dissolved. The pH was adjusted to about 7 with hydrochloric acid (manufactured by Kojun Pharmaceutical Co., Ltd.) and hydrochloric acid (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.), sterilized by filtration, and filled into ampoules 1 ml by a conventional method to produce a heparin neutralizing agent for injection.
Example 2
In 1 ml of water for injection (manufactured by Otsuka Pharmaceutical), 10 mg of the peptide powder of SEQ ID NO: 10 produced by the same method as in Reference Example 2 and 49.5 mg of D-mannit (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.) Adjust the pH to about 7 with an aqueous solution of acid buffer powder (manufactured by Wako Pure Chemical Industries, Ltd.), sterilize by filtration, fill into vials 1 ml each in a conventional manner, freeze-dry, and add heparin neutralizer for injection. Manufactured.
[0031]
【The invention's effect】
As described above in detail, the present invention relates to a heparin neutralizing agent containing peptides as active ingredients, and the effects exhibited by the present invention are as follows.
(1) There are few side effects.
(2) Since it is heat resistant, soluble in water and stable in aqueous solution, it is stable as a drug.
(3) Since the peptide has an antibacterial action, it is not necessary to use a preservative for formulation.
[0032]
[Sequence Listing]
Figure 0003645282
[0033]
Figure 0003645282
[0034]
Figure 0003645282
[0035]
Figure 0003645282
[0036]
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[0037]
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[0038]
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[0039]
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[0040]
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[0041]
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[0060]
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[0061]
Figure 0003645282
[0062]
Figure 0003645282
[0063]
Figure 0003645282

Claims (1)

配列番号26に記載のアミノ酸配列を有するペプチド、このペプチドのカルボキシル基をアミド化またはアシル化した誘導体、薬学的に許容されるこのペプチドの塩類、またはこれらの2種類以上の混合物を有効成分とするヘパリン血液凝固阻止作用に対する中和剤。A peptide having the amino acid sequence set forth in SEQ ID NO: 26 , a derivative obtained by amidating or acylating the carboxyl group of this peptide, a pharmaceutically acceptable salt of this peptide, or a mixture of two or more thereof is used as an active ingredient. , A neutralizing agent for heparin anticoagulant action .
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