JP3644498B2 - Ink jet recording method and ink set for ink jet recording used therefor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録方法、並びに、それに用いるインクジェト記録用インクセットに関する。詳しくは普通紙、再生紙、コート紙等のインクジェット記録用専用紙等の記録媒体に対して高品質の印刷画像が得られ、且つ保存安定性に優れるインクジェット記録方法、並びに、それに用いるインクジェト記録用インクセットに関する。
特に、本発明は、普通紙、再生紙、印刷用紙、和紙、画用紙、ケント紙等の多孔質記録媒体のみならず、コート紙等のインクジェット記録用専用紙等の記録媒体に対しても優れた定着性を有する高品質の印刷画像が得られるインクジェット記録方法、並びに、それに用いるインクジェト記録用インクセットに関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、微細なノズルからインクの小液滴を吐出し飛翔させて、紙等の記録媒体表面に付着させて、文字や図形を形成する印刷方法である。
このようなインクジェット記録方式としては、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して被記録体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極近い一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、被記録体表面に文字や記号を記録する方法などが実用化されている。
【0003】
このようなインクジェット記録に用いられるインクには種々の特性が要求される。例えば、被記録体である紙への印字において、にじみがないこと、乾燥性がよいこと、様々な被記録体表面に均一に印字できること、カラー印字等の多色系の印字において隣り合った色が混じり合わないことなどが要求される。
【0004】
インクジェット用記録インクとしては、一般には各種の水溶性染料を水性媒体に溶解させたものが使用されている。また、顔料を水性媒体に分散させたインクが提供されている。顔料を水性媒体に分散させたインクは、水溶性染料を用いたインクに比べて耐水性や耐光性に優れるという特徴を有する。
【0005】
その一方で、顔料は、水性インク組成物に用いる場合、分散性安定性が問題となる。この場合、顔料を水性媒体に安定に分散させるために一般的に高分子分散剤や界面活性剤等が分散剤として用いられる。
さらに、吐出安定性、分散安定性、印刷濃度、発色性等を高めることを目的に、表面に何らかの処理を施した顔料を用いたインクの提案もなされている。例えば特開平8−319444号公報では顔料粒子の表面を酸化処理したものが、特公平7−94634号公報、特開平8−59715号公報では顔料微粒子をカプセル化したものが、特開平5−339516号公報、特開平8−302227号公報、特開平8−302228号公報、特開平8−81647号公報では、顔料粒子の表面に、ポリマーをグラフト重合したものがそれぞれ提案されている。
【0006】
また、上記の提案のほかに、記録媒体における顔料の定着性向上のために、例えば、特開平8−218015号公報では転相乳化法によって室温で皮膜形成性を有する樹脂を被覆した顔料を用いたインクが、特開平9−31360号公報では酸析法によってアニオン性基含有有機高分子化合物で被覆した顔料を用いたインクが、特開平9−286939号公報では転相乳化法によってポリマー微粒子に色材を含浸させてなるポリマーエマルジョンを用いたインクが、それぞれ提案されている。
【0007】
また、従来の顔料を用いたインクの多くは主に浸透性を抑えることで、紙表面近くに色材である顔料を留めて印字品質を確保することが行われてきた。しかしながら、この種のインクは、紙種の違いによるにじみの差が大きく、あらゆる紙種に対しての適応性が低いという課題があった。また、印刷した箇所の乾燥に時間がかかり、特にカラー印刷等の多色系の印刷においては隣り合った色が混色してしまうという問題もあった。
【0008】
このような課題を解決する手段として、インクの紙への浸透性を向上させるために、浸透剤の添加が提案されている。例えば、特開昭56−147861にはトリエチレングリコールモノメチルエーテルを用いた例が、特開平9−111165にはエチレングリコール、ジエチレングリコールあるいはトリエチレングリコールのエーテル類を用いた例が提案されている。また、米国特第5156675号にはジエチレングリコールモノブチルエーテルの添加が、米国特許第5183502号にはアセチレングリコール系の界面活性剤であるサーフィノール465(日信化学製)の添加が、米国特許第5196056号にはジエチレングリコールモノブチルエーテルとサーフィノール465の併用が提案されている。さらに、米国特許第2083372号にはジエチレングリコールのエーテル類をインクに用いることが提案されている。
【0009】
従来から、顔料を用いたインクは、界面活性剤や高分子分散剤等の分散剤を用いて顔料を水性媒体中に分散させることで製造されているが、この場合には、顔料の分散安定性を確保しながら上記のような浸透剤を用いてインクの浸透性を向上させることは容易ではなかった。
【0010】
また、界面活性剤や高分子分散剤等の分散剤を用いて顔料を分散した場合は、顔料表面に分散剤が単に吸着しているだけであるため、前記の浸透剤などを用いて浸透性を向上しようとした場合においては、インクが細いノズルを通って吐出される際の強い剪断力によって顔料に吸着していた分散剤が離脱してしまい、そのため、分散性が劣化して吐出が不安定となることがある。また、このようなインクを長期間保存した場合には顔料の分散性が不安定となる傾向も見受けられることもある。この対策として、分散剤の添加量を増加する方法が考えられるが、この場合には、分散剤は顔料表面に吸着されずにインク中に溶解する確率が高まり、普通紙や再生紙に印字した際の滲みの発生やノズルの周囲へのインクの濡れによって吐出の不安定要因となりやすい。さらに、界面活性剤や高分子分散剤等の分散剤を用いて分散した顔料を用いたインクでは、普通紙や再生紙等に印字した際に、着色成分である顔料が記録媒体表面の紙繊維表面上に残りにくい傾向があるため、印刷濃度が得られず、発色も良くない傾向にある。
また、一般に、初期から顔料表面に吸着されないで液中に溶解している分散剤やその後の環境下で顔料から脱離した分散剤は、インクの粘度を高める傾向にあるため、インクの粘度をインクジェット用に適する範囲(1〜10mPa・sの範囲)に調整するためには顔料の含有量を制限せざるを得ない。そのため、普通紙や再生紙において十分な印刷濃度が得られず、良好な発色も得ることができないために、高品位の印刷画質を実現することが難しい。また、インクをヘッドに充填した状態で長期保存した場合に、分散安定性が劣化して、インクがプリンタのノズルから吐出し難くなる場合も見受けられる場合もある。
【0011】
一方、インクジェット記録方法として、例えば、特開平5−202328号公報等には、多価金属塩溶液を記録媒体に適用した後に、少なくともひとつのカルボキシル基を有する染料を含むインク組成物を適用する方法が提案されている。例えば、特開平6−106735号公報等には、この方法においては、多価金属イオンと染料から不溶性複合体が形成される。この複合体の存在により、耐水性があり、かつ、カラーブリードのない高品位の画像を得ることができるとされている。また、1分子あたり2個以上のカチオン性基を有する有機化合物を含有する液体組成物を記録媒体上に付着させた後、アニオン性染料を含有したインクで記録する方法が特開昭63−299971号公報に開示されている。
【0012】
また、特開平7−145336号公報には、顔料をカチオン性のABブロックポリマーで分散した顔料インクと顔料をアニオン性のABブロックポリマーで分散した顔料インクとを接触させてブリードを低減する提案がされている。特開平8−80665号公報、特開平9−20070号公報、特開平9−25442号公報には、黒色インクとカラーインクに用いられている高分子分散剤に互いに異なる極性のものを用いて黒色インクとカラーインクを接触させる方法が開示され、フェザリングの発生の抑制や隣接する異色間の境界滲みの低減と良好な発色性が得られるとある。特開平10−183046号公報には、カチオン性基をカーボンブラック表面に有する自己分散型の表面処理顔料を用いたブラックインクと、アニオン性染料のようなアニオン性物質を含むカラーインクとを組み合わせる方法が提案され、色間にじみがない良好なカラー画像が実現できるとある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、普通紙や再生紙のみならず、コート紙等の記録媒体に対して、滲みやカラーブリード等がなく高い印刷濃度を有する発色性に優れた、さらには、定着性にも優れた、高品位の画像を得ることができ、しかも分散安定性、吐出安定性、保存安定性に優れるインクジェット記録方法、並びに、それに用いるインクジェット記録用インクセットの提供をその目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる第1のインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる第2のインク組成物とを、記録媒体上で接触させて凝集体を形成する工程を含んでなるインクジェット記録方法によって、普通紙や再生紙等の記録媒体に対して、滲みやカラーブリード等がなく、高い印刷濃度を有する発色性に優れた高品位の画像を得ることができる、との知見を得た。
また、前記第1のインク組成物の着色剤で用いる“アニオン性基を有する重合体”が“さらに架橋構造を有する重合体”であり、および/または、前記第2のインク組成物の着色剤で用いる“カチオン性基を有する重合体”が“さらに架橋構造を有する重合体”であるインクジェット記録方法によっても、普通紙や再生紙等の記録媒体に対して、滲みやカラーブリード等がなく、高い印刷濃度を有する発色性に優れた高品位の画像を得ることができる、との知見を得た。
【0015】
また、本発明者は、前記第1のインク組成物に“アニオン性ポリマー微粒子”を、および/または、前記第2のインク組成物に“カチオン性ポリマー微粒子”を、さらに添加することにより、普通紙や再生紙のみならず、コート紙等の全ての記録媒体に対して、滲みやカラーブリード等がなく、高い印刷濃度を有する発色性に優れた高品位で、定着性および耐擦過性にも優れた画像を得ることができる、との知見を得た。
【0016】
本発明は、これらの知見に基づいてなされたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
<本発明のインクジェット記録方法に係る実施態様>
本発明の第1の実施態様による記録方法は、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる第1のインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる第2のインク組成物とを、記録媒体上で接触させて凝集体を形成する工程を含んでなるものである。
この第1の実施態様による記録方法によれば、普通紙や再生紙等の記録媒体に対して、滲みやカラーブリード等がなく、高い印刷濃度を有する発色性に優れた高品位の画像を得ることができる。
【0018】
本発明の第2の実施態様による記録方法は、前記第1のインク組成物にさらにアニオン性ポリマー微粒子を含んでなるものである。
即ち、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、アニオン性ポリマー微粒子と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる第1のインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる第2のインク組成物とを記録媒体上で接触させて凝集体を形成する工程を含んでなるものである。
この第2の実施態様による記録方法によれば、普通紙や再生紙のみならず、コート紙等の全ての記録媒体に対して、滲みやカラーブリード等がなく、高い印刷濃度を有する発色性に優れた高品位で、定着性および耐擦過性にも優れた画像を得ることができる。
上記本発明の第2の実施態様による記録方法では、第1のインク組成物に“アニオン性ポリマー微粒子”を添加しているが、これにかえて、第2のインク組成物に“カチオン性ポリマー微粒子”を添加することによっても、また、上記第1,第2のインク組成物の両者に“アニオン性ポリマー微粒子,カチオン性ポリマー微粒子”を添加することによっても、同様の効果が得られる。(但し、後者の場合、着色剤と同一のイオン性を有するポリマー微粒子を添加する。)
【0019】
本発明の第3の実施態様による記録方法は、前記第1のインク組成物の着色剤で用いる“アニオン性基を有する重合体”が“さらに架橋構造を有する重合体(アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体)”であり、前記第2のインク組成物の着色剤で用いる“カチオン性基を有する重合体”が“さらに架橋構造を有する重合体(カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体)”であるインクジェット記録方法である。
即ち、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる第1のインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなる第2のインク組成物とを記録媒体上で接触させて凝集体を形成する工程を含んでなるものである。
この第3の実施態様による記録方法によれば、普通紙や再生紙等の記録媒体に対して、滲みやカラーブリード等がなく、高い印刷濃度を有する発色性に優れた高品位の画像を得ることができる。また、着色剤の界面活性剤、グリコールエーテル類等の浸透剤に対する耐性が向上することによって、保存安定性に優れたインク組成物を得ることができるとともに、良好な速乾性を得ることができる。
【0020】
上記本発明の第3の実施形態による記録方法では、両インク組成物とも“架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含むものであるが、別の態様として、一方のインク組成物に“アニオン性重合性界面活性剤ないしカチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基ないしカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含み、他方のインク組成物に“アニオン性重合性界面活性剤ないしカチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基ないしカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含むとすることもでき、これによっても、上記と同様の効果を有する。
【0021】
本発明の第4の実施態様による記録方法は、前記第3の実施態様による記録方法において、第1のインク組成物にさらにアニオン性ポリマー微粒子を含んでなるものである。
即ち、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、アニオン性ポリマー微粒子と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるインク組成物とを、記録媒体上で接触させて凝集体を形成する工程を含んでなるものである。
この第4の実施態様による記録方法によれば、普通紙や再生紙のみならず、コート紙等の全ての記録媒体に対して、滲みやカラーブリード等がなく、高い印刷濃度を有する発色性に優れた高品位で、定着性および耐擦過性にも優れた画像を得ることができる。また、着色剤の界面活性剤、グリコールエーテル類等の浸透剤に対する耐性が向上することによって、保存安定性に優れたインク組成物を得ることができるとともに、良好な速乾性をも得ることができる。
上記本発明の第4の実施態様による記録方法では、第1のインク組成物に“アニオン性ポリマー微粒子”を添加しているが、これにかえて、第2のインク組成物に“カチオン性ポリマー微粒子”を添加することによっても、また、上記第1,第2のインク組成物の両者に“アニオン性ポリマー微粒子,カチオン性ポリマー微粒子”を添加することによっても、同様の効果が得られる。(但し、後者の場合、着色剤と同一のイオン性を有するポリマー微粒子を添加する。)
【0022】
上記本発明の第4の実施態様による記録方法では、両インク組成物とも“架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含むものであるが、別の態様として、一方のインク組成物に“アニオン性重合性界面活性剤ないしカチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基ないしカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含み、他方のインク組成物に“アニオン性重合性界面活性剤ないしカチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基ないしカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含むとすることもでき、これによっても、上記と同様の効果を有する。
【0023】
<本発明のインクジェット記録用インクセットに係る実施態様>
一方、本発明の第1の実施態様によるインクセットは、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなる。
【0024】
本発明の第2の実施態様によるインクセットは、前記カラーインク組成物にさらにアニオン性ポリマー微粒子を含んでなるものである。
即ち、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、アニオン性ポリマー微粒子と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなる。
上記第2の実施態様によるインクセットでは、カラーインク組成物に“アニオン性ポリマー微粒子”を添加しているが、これにかえて、ブラックインク組成物に“カチオン性ポリマー微粒子”を添加することができ、また、上記カラーインク組成物,ブラックインク組成物の両者に“アニオン性ポリマー微粒子,カチオン性ポリマー微粒子”を添加することができる。(但し、後者の場合、着色剤と同一のイオン性を有するポリマー微粒子を添加する。)
【0025】
本発明の第3の実施態様によるインクセットは、前記カラーインク組成物の着色剤で用いる“アニオン性基を有する重合体”が“さらに架橋構造を有する重合体(アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体)”であり、前記ブラックインク組成物の着色剤で用いる“カチオン性基を有する重合体”が“さらに架橋構造を有する重合体(カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体)”であるインクセットである。
即ち、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなるものである。
【0026】
本発明の第4の実施態様によるインクセットは、前記第3の実施態様によるインクセットにおいて、カラーインク組成物にさらにアニオン性ポリマー微粒子を含んでなるものである。
即ち、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、アニオン性ポリマー微粒子と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなる。
このインクセットでは、カラーインク組成物に“アニオン性ポリマー微粒子”を添加しているが、これにかえて、ブラックインク組成物に“カチオン性ポリマー微粒子”を添加することができ、また、上記カラーインク組成物,ブラックインク組成物の両者に“アニオン性ポリマー微粒子,カチオン性ポリマー微粒子”を添加することができる。(但し、後者の場合、着色剤と同一のイオン性を有するポリマー微粒子を添加する。)
【0027】
本発明の第5の実施態様によるインクセットは、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなる。
【0028】
本発明の第6の実施態様によるインクセットは、上記第5の実施態様によるインクセットにおいて、カラーインク組成物にさらにアニオン性ポリマー微粒子を含んでなるものである。
即ち、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、アニオン性ポリマー微粒子と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなる。このインクセットでは、カラーインク組成物に“アニオン性ポリマー微粒子”を添加しているが、これにかえて、ブラックインク組成物に“カチオン性ポリマー微粒子”を添加することができ、また、上記カラーインク組成物,ブラックインク組成物の両者に“アニオン性ポリマー微粒子,カチオン性ポリマー微粒子”を添加することができる。(但し、後者の場合、着色剤と同一のイオン性を有するポリマー微粒子を添加する。)
上記本発明の第6の実施態様によるインクセットでは、カラーインク組成物は“アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含み、ブラックインク組成物は“カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含むものであるが、別の態様として、カラーインク組成物に“アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含み、ブラックインク組成物に“カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含むインクセットとすることもできる。また、このインクセットにおいて、上記したように、“カラーインク組成物および/またはブラックインク組成物”に、“アニオン性ポリマー微粒子および/またはカチオン性ポリマー微粒子”を添加することもできる。
【0029】
本発明の第7の実施態様によるインクセットは、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなる。
【0030】
本発明の第8の実施態様によるインクセットは、上記第7の実施態様によるインクセットにおいて、カラーインク組成物にさらにカチオン性ポリマー微粒子を含んでなるものである。
即ち、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、カチオン性ポリマー微粒子と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなる。このインクセットでは、このインクセットでは、カラーインク組成物に“カチオン性ポリマー微粒子”を添加しているが、これにかえて、ブラックインク組成物に“アニオン性ポリマー微粒子”を添加することができ、また、上記カラーインク組成物,ブラックインク組成物の両者に“カチオン性ポリマー微粒子,アニオン性ポリマー微粒子”を添加することができる。(但し、後者の場合、着色剤と同一のイオン性を有するポリマー微粒子を添加する。)
【0031】
本発明の第9の実施態様によるインクセットは、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなるものである。
【0032】
本発明の第10の実施態様によるインクセットは、上記第9の実施態様によるインクセットにおいて、カラーインク組成物にさらにカチオン性ポリマー微粒子を含んでなるものである。
即ち、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、カチオン性ポリマー微粒子と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなる。
上記本発明の第10の実施態様によるインクセットでは、カラーインク組成物に“カチオン性ポリマー微粒子”を添加しているが、これにかえて、ブラックインク組成物に“アニオン性ポリマー微粒子”を添加することができ、また、上記カラーインク組成物,ブラックインク組成物の両者に“カチオン性ポリマー微粒子,アニオン性ポリマー微粒子”を添加することができる。(但し、後者の場合、着色剤と同一のイオン性を有するポリマー微粒子を添加する。)
【0033】
本発明の第11の実施態様によるインクセットは、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなる。
【0034】
本発明の第12の実施態様によるインクセットは、上記第11の実施態様によるインクセットにおいて、カラーインク組成物にさらにカチオン性ポリマー微粒子を含んでなるものである。
即ち、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、カチオン性ポリマー微粒子と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなるものである。
上記本発明の第12の実施態様によるインクセットでは、カラーインク組成物に“カチオン性ポリマー微粒子”を添加しているが、これにかえて、ブラックインク組成物に“アニオン性ポリマー微粒子”を添加することができ、また、上記カラーインク組成物,ブラックインク組成物の両者に“カチオン性ポリマー微粒子,アニオン性ポリマー微粒子”を添加することができる。(但し、後者の場合、着色剤と同一のイオン性を有するポリマー微粒子を添加する。)
上記本発明の第12の実施態様によるインクセットでは、カラーインク組成物は“カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含み、ブラックインク組成物は“アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含むものであるが、別の態様として、カラーインク組成物に“カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含み、ブラックインク組成物に“アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤”を含むインクセットとすることもできる。また、このインクセットにおいて、上記したように、カラーインク組成物および/またはブラックインク組成物に、“カチオン性ポリマー微粒子および/またはアニオン性ポリマー微粒子”を添加することもできる。
【0035】
以下に、本発明についてさらに詳細に説明する。
【0036】
本発明における“包含”とは、顔料を重合体(ポリマー)で完全に包み込んだ状態をいう。
【0037】
各態様の着色剤において、顔料を包含する重合体のアニオン性基は、スルホン基、スルホン酸基、ホスホ基,カルボキシル基、およびこれらの塩からなる群から選択されるものである。
また、各態様の着色剤において、顔料を包含する重合体のカチオン性基は、第一脂肪アミン塩、第二脂肪アミン塩、第三脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩からなる群から選択されるものである。
【0038】
前記重合体は、ビニル系重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、アミノ系重合体、含珪素ポリマー、含硫黄ポリマー、含フッ素ポリマー、エポキシ系樹脂、あるいはこれらの混合物などが挙げられる。
【0039】
アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤は、アニオン性基および重合性基を有する分散剤で顔料を水に分散させた後に、水中で、少なくとも共重合性モノマーと重合開始剤の存在下で乳化重合を行うことによって得ることができる。乳化重合により上記着色剤を製造することによって、得られた着色剤は、粒子径の揃った球状となるため、インクの粘度を低粘度とすることができ、しかも、ニュートン粘性もしくはそれに近い挙動を比較的簡単に得ることが可能である。
【0040】
アニオン性基および重合性基を有する分散剤は、以下の合成高分子にアニオン性基と重合性基を導入したものが使用できる。
合成高分子の具体例としては、ポリビニルアルコール類;ポリビニルビロリドン類;ポリアクリル酸、アクリル酸−アクリルニトリル共重合体、アクリル駿カリウム−アクリルニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂;スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−(α−メチルスチレン)−アクリル酸共重合体、スチレン−(α−メチルスチレン)−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂;スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体;酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体などの酢酸ビニル系共重合体;とそれらの塩等が挙げられる。これらの中で、特に疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、および疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。
アニオン性基は、スルホン基、スルホン酸基、ホスホ基、カルボキシル基、チオカルボキシル基等、およびこれらの塩が挙げられる。
また、重合性基としては、ラジカル重合、重付加、重縮合等の重合反応を起こす官能基であれば良い。ラジカル重合性基としては、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニリデン基、ビニレン基等の不飽和炭化水素基が挙げられる。重付加反応性基としては、イソシアネート基またはイソチオシアネート基とこれらの基と反応するものとして水酸基、アミノ基、メルカプト基、カルボキシル基等を挙げることができる。重縮合反応性基としては、縮合反応が可能な官能基であって、カルボキシル基、ヒドロキシル基、アミノ基、アルコキシ基を挙げることができる。
本発明の好ましい態様においては、重合性基はラジカル重合性基である不飽和炭化水素基が好ましく、かかる不飽和炭化水素基は、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロペニル基、ビニリデン基、ビニレン基からなる群から選択するのが好ましい。
【0041】
本発明の好ましい態様によれば、重合性基を有する分散剤は、重合性界面活性剤であることが好ましい。重合性界面活性剤は、分子中に疎水性基と親水性基と重合性基を有するものであって、親水性基は、スルホン基、スルホン酸基、ホスホ基、カルボキシル基、カルボニル基、チオカルボキシル基、およびこれらの塩からなる群から選択されるアニオン性基を少なくとも有する。また、重合性基は不飽和炭化水素基であって、さらに詳しくは、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロペニル基、ビニリデン基、ビニレン基からなる群から選択されるものであることが好ましい。かかる重合性界面活性剤の具体的な例としては、特公昭49−46291号公報、特公平1−24142号公報、特開昭62−104802号公報に記載されているようなアニオン性のアリル誘導体;特開昭62−221431号公報に記載されているようなアニオン性のプロペニル誘導体;特開昭62−34947号公報、特開昭55−11525号公報に記載されているようなアニオン性のアクリル酸誘導体;特公昭46−34898号公報、特開昭51−30284号公報に記載されているようなアニオン性のイタコン酸誘導体;特公昭51−4157号公報、特開昭51−30284号公報に記載されているようなアニオン性のマレイン酸誘導体;特開昭62−104802号公報に記載されているようなノニオン性のアリル誘導体;特開昭62−100502号公報に記載されているようなノニオン性のプロペニル誘導体;特開昭56−28208号公報に記載されているようなノニオン性のアクリル酸誘導体;特公昭59−12681号公報に記載されているようなノニオン性のイタコン酸誘導体;特開昭59−74102号公報に記載されているようなノニオン性のマレイン酸誘導体;等が挙げられる。
【0042】
重合性界面活性剤は、顔料粒子の表面に吸着し、その後の重合条件下でも分散安定性(即ち、粒子同士の凝集を防止することができる)に優れているため、カプセル化粒子を形成することが容易である点で有利である。
【0043】
本発明において、重合性界面活性剤としては、下記の式(I)または式(II)で表される化合物が好ましい。
式(I)で表される重合性界面活性剤は、特開平5−320276号公報、特開平10−316909号公報において開示されたものである。
【0044】
【化1】
【0045】
上記式(I)におけるRとnとの値を適宜調整することによって、顔料表面の親水性または疎水性の度合いに対応させることが可能である。式(I)で表される好ましい重合性界面活性剤は、具体的には、下記の式(III)〜(VI)によって表される化合物が挙げられる。これらは、単独または二種以上の混合物として使用されてもよい。
【0046】
【化2】
【0047】
式(I)の重合性界面活性剤は、市販品を用いることもできる。例えば、旭電化株式会社のアデカリアソープSEシリーズのSE−10Nは、RがC9H19,nが10,MがNH4であって、式(III)に該当する。SE−20Nは、SE−10Nのnが20のものである。
【0048】
【化3】
【0049】
本発明の好ましい態様においては、顔料を式(I)または式(II)で表される重合性界面活性剤と、これらの重合性界面活性剤と共重合し得るモノマーとの重合体で包含した、微小かつ安定なカプセル化粒子が用いられる。また、本発明の別の好ましい態様においては、顔料を式(I)または式(II)で表される重合性界面活性剤と、これらの重合性界面活性剤と共重合し得るモノマーと、架橋性モノマーとの重合体で包含した、微小かつ安定なカプセル化粒子が用いられる。
かかる顔料の微小かつ安定なカプセル化粒子は、水性媒体中において特に安定に分散する。式(I)または式(II)で表される重合性界面活性剤は、顔料粒子の表面への吸着性、ならびに、その後の重合条件下での分散安定性(すなわち、粒子同士の凝集を防止することができる)に特に優れていることから、カプセル化粒子を形成することが容易である点で有利である。
【0050】
重合性界面活性剤は、上記の市販品以外にも使用することができる。例えば、第一工業薬品株式会社のアクアロンHSシリーズ(アクアロンHS−05、HS−10、HS−20、HS−1025)、アクアロンRNシリーズ(RN−10、RN−20、RN−30、RN−50、RN−2025)、ニューフロンティアシリーズ(ニューフロンティアN−177E、S−510)、旭電化株式会社のアデカリアソープNEシリーズ(NE−10、NE−20、NE−30、NE−40、NE−50)などが挙げられる。
【0051】
重合性界面活性剤の添加量は、顔料に対して、10〜150重量%程度の範囲が好ましく、より好ましくは20〜100重量%程度の範囲である。10%以上の添加量とすることにより、インク組成物の分散安定性を向上することが可能となる。また、150%以下の添加量とすることにより、顔料との未吸着な重合性界面活性剤の発生を抑制し、そしてカプセル粒子以外にポリマーが発生することを防止できるので、その結果、インク組成物の吐出安定性を良好とすることができる。
【0052】
本発明において用いられる架橋性モノマーとしては、重合牲界面活性剤と共重合性の高いものであれば何れのものも用いることができる。
【0053】
共重合性モノマーとしては、一般的に用いられるラジカル重合性モノマーが使用できる。例えば、スチレンおよびメチルスチレン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、プロムスチレン、P−クロルメチルスチレン、ジヒニルベンゼン等のスチレン誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、ブトキシエチルアクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、フエノキシエチルアクリレート、アクリル酸シクロヘキシル、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、グリシジルアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、2−エチルヘキシルメタクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、フェノキシエチルメタクリレート、メタクリル酸シクロヘキシル、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、カプロラクトンメタクリレート、グリシジルメタクリレート等の単官能メタクリル酸エステル類;アリルベンゼン、アリル−3−シクロヘキサンプロピオネート、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン、アリルフェノキシアセテート、アリルフェニルアセテート、アリルシクロヘキサン、多価カルボン酸アリル等のアリル化合物;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸のエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、N−置換マレイミド、環状オレフィンなどのラジカル重合性基を有するモノマーが挙げられる。
【0054】
式(I)で表される重合性界面活性剤は、電子供与性の高いモノマーであることから、用いるモノマーとしては電子受容性の高いモノマーが好ましい。電子受容性の高いモノマーの具体例としては、アクリロニトリル、フマロニトリル、フマル酸ジブチルエステルのようなフマル酸ジエステル;マレイン酸ジブチルエステルのようなマレイン酸ジエステル;N−フェニルマレイミドのようなマレイミド類;ならびにシアン化ビニリデンなど;が挙げられる。これらは単独または二種以上の混合物として使用されても良い。
【0055】
モノマーの添加量は、重合性界面活性剤に対して、2〜15モル比程度の範囲が好ましく、より好ましくは3〜12モル比程度の範囲が好ましい。2モル比以上の添加量とすることにより、形成されるカブセル顔料粒子は水性媒体中において分散安定性に優れたものとなる。また、15モル比以下の添加量とすることにより、モノマーは重合性界面括性剤によって形成された吸着層に十分溶解することができ、水に不溶性のポリマーの発生や、相対的にイオン性反発基の量が減少するのを抑制することができるので、インク組成物の分散安定性を高めることができる。
【0056】
前記重合体にアニオン性基を導入するために、アニオン性基を有する共重合性モノマーを用いることが好ましい。例えば、カルボキシル基を有するアクリルモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エチルアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。これらの中でもアクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。スルホン酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、スルホエチルメタクリレート、ブチルアクリルアミドスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、等が挙げられる。ホスホ基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、ホスホエチルメタクリレート等が挙げられる。
【0057】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過リン酸カリウム、過ホウ酸ナトリウムなどの無機過酸塩の水溶性重合開始剤が用いられる。
【0058】
さらに、重合体の重合度を調節する目的で、メルカプタン、ジスルフィド、ジアゾチオエーテル等の重合調整剤を使用することもできる。
【0059】
また、本発明の別の態様において、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤は、顔料をアニオン性基および重合性基を有する分散剤で水に分散させた後に、水中で、少なくともこれらの重合性界面活性剤と共重合し得るモノマーと架橋性モノマーとともに重合開始剤の存在下で乳化重合を行うことによって得ることができる。
【0060】
アニオン性基および重合性基を導入した分散剤は、前述のものと同様のものを用いることができる。この態様においても、重合性基を有する分散剤として、重合性界面活性剤を用いることが好ましい。この重合性界面活性剤は、前記のものと同様のものを用いることができる。共重合性モノマーも、前記のものと同様のものが使用できる。
【0061】
架橋性モノマーとしては、架橋反応性基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましく、その例としては、ブロックイソシアネート基を有する重合性モノマー、エポキシ基を有するモノマー、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イル基を有するモノマー等が挙げられる。ブロックイソシアネート基を有する重合性モノマーとしては、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基を有する重合性モノマーに公知のブロック剤を付加反応させることによって容易に得ることができる。
また、水酸基およびカルボキシル基を有するビニル系共重合体に、イソシアネート基とブロックイソシアネート基とを有する化合物を付加反応することによっても製造することが可能である。エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、脂環式エポキシ基を有する(メタ)アクリレートモノマーなどが挙げられる。1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イル基を有するモノマーとしては、例えば、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチル(メタ)アクリレート、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチルビニルエーテルなどが挙げられる。
【0062】
前記重合体の架橋反応性基がグリシジル基である場合は、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、N−メチロール基、N−メチロールエーテル基から選ばれる1種以上の官能基を2個以上有する化合物を用いるのが好ましく、例えば、エチレンアミン族、N−アミノエチルピペラジン、メタキシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ポリアミド等の脂肪族アミン類;パラメンタンジアミン、メソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、2−エチル−4−メチルイミダゾール等の環状脂肪族アミン類;メタフェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ジシアンジアミド等の芳香族アミン類;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ナジック酸無水物等の酸無水物類等が挙げられる。
【0063】
前記重合体の架橋反応性基がイソシアネート基である場合は、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、メルカプト基から選ばれる1種以上の官能基を2個以上有する化合物を用いるのが好ましく、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、アルキレンオキサイド共重合ポリオール、エポキシ樹脂変成ポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、縮合系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートジオール、アクリルポリオール、ポリブタジエンポリオール、含リンポリオール、ハロゲン含有ポリオール等のポリオール類;ポリエーテルポリアミン、ポリテトラメチレンエーテルジアミン、アルキレンオキサイド共重合ポリアミン、エポキシ変成ポリアミン、縮合系ポリエステルポリアミン、ポリカーボネートポリアミン、アクリルポリアミン等のポリアミン類;ポリエーテルポリチオール、ポリテトラメチレンエーテルジチオール、アルキレンオキサイド共重合ポリチオール、エポキシ樹脂変成ポリチオール、ラクトン系ポリエステルポリチオール、縮合系ポリエステルポリチオール、ポリカーボネートジチオール、アクリルポリチオール、ポリブタジエンポリチオール、含リンポリチオール、ハロゲン含有ポリチオール等のポリチオール類等が挙げられる。
【0064】
前記重合体の架橋反応性基が水酸基である場合は、グリシジル基、イソシアネート基から選ばれる1種以上の官能基を2個以上有する化合物を用いるのが好ましい。
【0065】
前記重合体の架橋反応性基が不飽和炭化水素基である場合は、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロペニル基、ビニリデン基、ビニレン基から選ばれる1種以上の不飽和炭化水素基を2個以上有する化合物を用いるのが好ましく、例えば、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルアクリレート、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロビレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、ジシクロペンタニルジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリグリセーロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等が挙げられる。
【0066】
前記架橋性モノマーの添加量は、包含ポリマーの構成比として0.1〜50重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。0.1重量%未満の場合は、グリコールエーテル等の浸透剤と併用した際に、長期での粘度の上昇、ノズルの目詰まり、吐出安定性不良等が起こる場合があるので好ましくない。また、50重量%を超すと、目的の着色剤が得られにくいため好ましくない。
【0067】
カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤は、カチオン性基および重合性基を有する分散剤で顔料を水に分散させた後に、水中で、少なくともこれらの重合性界面活性剤と共重合し得るモノマー(共重合性モノマー)と重合開始剤の存在下で、乳化重合を行うことによって得ることができる。
【0068】
カチオン性基および重合性基を有する分散剤は、以下の合成高分子にカチオン性基と重合性基を導入したものが使用できる。合成高分子の具体例としては、前述のアニオン性基と重合性基を有する合性高分子と同様のものが挙げられる。前述のアニオン性基と重合性基を有する分散剤と同様に、カチオン性基および重合性基を有する分散剤も、疎水性基を持つモノマーと親水性基を持つモノマーとの共重合体、もしくは疎水性基と親水性基を分子構造中に併せ持ったモノマーからなる重合体が好ましい。カチオン性基は、第一脂肪アミン塩、第二脂肪アミン塩、第三脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
また、重合性基としては、ラジカル重合、重付加、重縮合等の重合反応を起こす官能基であれば良い。その具体例は、前述のアニオン性および重合性基を有する分散剤の場合と同様のものが挙げられる。
【0069】
好ましい態様によれば、重合性基を有する分散剤は、重合性界面活性剤が好ましい。用いられる重合性界面活性剤は、分子中に疎水性基と親水性基と重合性基を有するものであって、親水性基に、第一脂肪アミン塩、第二脂肪アミン塩、第三脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩からなる群から選択されるカチオン性基を少なくとも有し、且つ、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロペニル基、ビニリデン基、ビニレン基からなる群から選択される不飽和炭化水素基を有するものであることが好ましい。
このような重合性界面活性剤の具体的な例としては、特公平4−65824公報に記載されているようなカチオン性のアリル酸誘導体の他、2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩、等が挙げられる。
【0070】
前述したように重合性界面活性剤は、顔料粒子の表面に吸着し、その後の重合条件下でも分散安定性(即ち、粒子同士の凝集を防止することができる)に優れているため、カプセル化粒子を形成することが容易である点で有利である。
【0071】
重合性界面活性剤の添加量は、顔料に対して、10〜150重量%程度の範囲が好ましく、より好ましくは20〜100重量%程度の範囲である。10%以上の添加量とすることにより、インク組成物の分散安定性を向上することが可能となる。また、150%以下の添加量とすることにより、顔料との未吸着な重合性界面活性剤の発生を抑制し、そして、カプセル粒子以外にポリマーが発生することを防止できるので、その結果、インク組成物の吐出安定性を良好にすることができる。
【0072】
共重合性モノマーとしては、前述のアニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤の製造において用いたものと同様に、一般的に用いられるラジカル重合性モノマーが使用できる。
【0073】
前記重合体にカチオン性基を導入するために、第一脂肪アミン塩、第二脂肪アミン塩、第三脂肪アミン塩、第4級アンモニウムからなる群から選択されるカチオン性基を有する共重合性モノマーを用いることが好ましい。例えば、N,N’−ジメチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩等が挙げられる。
【0074】
モノマーの添加量は、重合性界面活性剤に対して、2〜15モル比程度の範囲が好ましく、より好ましくは3〜12モル比程度の範囲が好ましい。2モル比以上の添加量とすることにより、形成されるカブセル顔料粒子は水性媒体中において分散安定性に優れたものとなる。また、15モル比以下の添加量とすることにより、モノマーは重合性界面括性剤吸着層に十分溶解することができ、水に不溶性のポリマーの発生や、相対的にイオン性反発基の量が減少するのを抑制することができるので、インク組成物の分散安定性を高めることができる。
【0075】
重合開始剤としては、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、または、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)の水溶性のラジカル重合開始剤の何れも使用することができる。なお、触媒の添加量は、適宜決定される。
【0076】
さらに、重合体の重合度を調節する目的で、メルカプタン、ジスルフィド、ジアゾチオエーテル等の重合調整剤を使用することもできる。
【0077】
また、本発明の別の態様において、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤は、カチオン性基および重合性基を有する分散剤で顔料を水に分散させた後に、水中で、少なくともこれらの重合性界面活性剤と共重合し得るモノマーと架橋性モノマーとともに、重合開始剤の存在下で乳化重合を行うことによって得ることができる。
【0078】
カチオン性基及び重合性基を導入した分散剤は、前記のものと同様のものを用いることができる。この態様においても、重合性基を有する分散剤として、重合性界面活性剤を用いることが好ましい。この重合性界面活性剤は、前記のものと同様に分子中に疎水性基と親水性基と重合性基を有するものであって、親水性基に、第一脂肪アミン塩、第二脂肪アミン塩、第三脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩からなる群から選択されるカチオン性基を少なくとも有し、且つ、ビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、プロペニル基、ビニリデン基、ビニレン基からなる群から選択される不飽和炭化水素基を有するものを用いることができる。共重合性モノマーも前記のものと同様のものが使用できる。
【0079】
架橋性モノマーとしては、架橋反応性基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーが好ましく、架橋反応性基を有する(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、前述のものと同様のものが使用できる。
【0080】
前記架橋性モノマーの添加量は、包含ポリマーの構成比として0.1〜50重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜10重量%の範囲である。0.1重量%未満の場合は、グリコールエーテル等の浸透剤と併用した際に長期での粘度の上昇、ノズルの目詰まり、吐出安定性不良等が起こるなど好ましくない。また、50重量%を超すと、目的の着色剤が得られにくいため好ましくない。
【0083】
本発明において用いられる顔料は、特に限定されず、無機顔料および有機顔料のいずれも使用することができる。
無機顔料としては、酸化チタン、酸化鉄、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック等が使用できる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む。)、多環式顔料(フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラノン顔料など)、染料キレート(塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどが使用できる。
【0084】
更に詳しくは、黒インクとして使用される顔料として、以下のカーボンブラックが例示される。三菱化学製のNo.2300,No.900,MCF 88,No.33,No.40,No.45,No.52,MA 7,MA 8,MA 100,No.2200B等が、コロンビア社製のRaven 5750,Raven 5250,Raven 5000,Raven 3500,Raven 1255,Raven 700等が、キャボット社製のRegal 400R,Regal 330R,Rega l660R,Mogul L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400等が、デグッサ社製のColor Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black FW18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex 35,Printex U,Printex V,Printex 140U,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black 4等が使用できる。
イエローインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1,C.I.Pigment Yellow 2,C.I.Pigment Yellow 3,C.I.Pigment Yellow 12,C.I.Pigment Yellow 13,C.I.Pigment Yellow 14C,C.I.Pigment Yellow 16,C.I.Pigment Yellow 17,C.I.Pigment Yellow 73,C.I.Pigment Yellow 74,C.I.Pigment Yellow 75,C.I.Pigment Yellow 83,C.I.Pigment Yellow 93,C.I.Pigment Yellow 95,C.I.Pigment Yellow 97,C.I.Pigment Yellow 98,C.I.Pigment Yellow 109,C.I.Pigment Yellow 110,C.I.Pigment Yellow 114,C.I.Pigment Yellow128,C.I.Pigment Yellow 129,C.I.Pigment Yellow 138,C.I.Pigment Yellow 151,C.I.Pigment Yellow 154,C.I.Pigment Yellow 155,C.I.Pigment Yellow 180,C.I.Pigment Yellow 185等が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Red 5,C.I.Pigment Red 7,C.I.Pigment Red 12,C.I.Pigment Red 48(Ca),C.I.Pigment Red 48(Mn),C.I.Pigment Red 57(Ca),C.I.Pigment Red 57:1,C.I.Pigment Red 112,C.I.Pigment Red 123,C.I.Pigment Red 168,C.I.Pigment Red 184,C.I.Pigment Red 202等が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料としては、C.I.Pigment Blue 1,C.I.Pigment Blue 2,C.I.Pigment Blue 3,C.I.Pigment Blue 15:3,C.I.Pigment Blue 15:34,C.I.Pigment Blue 16,C.I.Pigment Blue 22,C.I.Pigment Blue 60,C.I.Vat Blue 4,C.I.Vat Blue 60等が挙げられる。
【0085】
ただし、これらに限定されるものではないが、ブラックインクはカーボンブラックを、シアンインクはC.I.Pigment Blue 15:3を、マゼンタインクはC.I.Pigment Red 122を、イェローインクはC.I.Pigment Yellow 73,C.I.Pigment Yellow 109,C.I.Pigment Yellow 110,C.I.Pigment Yellow 128,C.I.Pigment Yellow 129,C.I.Pigment Yellow 138,C.I.Pigment Yellow 150,C.I.Pigment Yellow 151,C.I.Pigment Yellow 154,C.I.Pigment Yellow 155,C.I.Pigment Yellow 180,C.I.Pigment Yellow 185から選択される一種以上が好ましく用いることができる。
【0086】
本発明の重合性界面活性剤とこれらの重合性界面活性剤と共重合し得るモノマーから得られる重合体で顔料を包含した着色剤の製造は、下記のようにして製造することができる。
【0087】
顔料に重合性界面活性剤を固定化すること、即ち顔料のカプセル化は、顔料および重合性界面活性剤を水性有機溶媒および/または水に加えて、超音波、ボールミル、あるいはサンドグラインダー等の分散機により湿式粉砕した後に、必要に応じて粉砕処理を続けながら、その他の共重合性モノマーおよび重合開始剤を加えて、40〜100℃で10〜60時間重合反応させることにより行う。これによって重合体で顔料を包含したカプセル化顔料粒子を得ることができる。重合開始剤の添加量は、モノマーに対して0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。より好ましくは、特開平10−316909号公報に記載されている製造法に準じて製造することができる。
【0088】
本発明の別の態様である重合性界面活性剤と、重合性界面活性剤と共重合し得るモノマー(共重合モノマー)と、架橋性モノマーとから得られる架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤の製造は、下記のようにして製造することができる。
【0089】
顔料に重合性界面活性剤を固定化すること、すなわち顔料のカプセル化は、顔料および重合性界面活性剤を水性有機溶媒および/または水に加えて、超音波、ボールミル、あるいはサンドグラインダー等の分散機により湿式粉砕したのちに、必要に応じて粉砕処理を続けながら架橋性モノマーとその他の共重合性モノマーと重合開始剤を加えて、40〜100℃で10〜60時間重合反応させることにより行う。これによって架橋構造を有する重合体で顔料を包含したカプセル化顔料粒子を得ることができる。重合開始剤の添加量は、モノマーに対して0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは1〜5重量%である。より好ましくは、特開平10−316909号公報に記載されている製造法に準じて製造することができる。
油溶性染料についても、上記と同様の方法によって、架橋構造を有する重合体で油溶性染料を包含したカプセル化色材粒子を得ることができる。
【0090】
また、顔料に重合性基を有する高分子分散剤を固定化すること、すなわち顔料のカプセル化の製造法も上記の製法に準じて行うことができる。
【0091】
本発明の着色剤の添加量は、0.5〜30重量%が好ましく、より好ましくは1.0〜12重量%である。0.5重量%以下の添加量では、印字濃度が確保できなくなり、30重量%以上の添加量では、インクの粘度増加や吐出安定性が悪くなる傾向にあるので適当でない。なお、着色剤の粒子径は400nm以下が好ましく、さらに好ましくは200nm以下が好ましい。
【0092】
本発明に用いられるポリマー微粒子とは、ポリマー成分の微粒子である。ポリマー微粒子は、連続相を水とし、ポリマー微粒子を分散粒子とする水性分散液の形態で用いることが好ましい。このような水性分散液を「ポリマーエマルジョン」,「水系エマルジョン」,「水性エマルジョン」,「ラテックス」,「樹脂エマルジョン」,「マイクロエマルジョン」とも呼ばれることがある。
【0093】
本発明においては、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤とともに使用するポリマー微粒子は、単粒子構造およびコアシェル構造のような複層構造の何れでも良く、その表面にスルホン基、スルホン酸基、カルボキシル基、およびこれらの塩、水酸基等のアニオン性基を有するものである。また、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤とともに使用するポリマー微粒子もまた、単粒子構造およびコアシェル構造のような複層構造の何れでも良く、その表面に第一脂肪アミン塩、第二脂肪アミン塩、第三脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩当のカチオン性基を有するものである。コアシェル構造の場合は、シェル層にこれらの官能基が存在するのが好ましい。これらの基は後記する製造方法において、モノマーの構造中に存在させてもよく、またポリマー微粒子を得た後にその表面にグラフト重合等によって付加させても良い。
【0094】
本発明において、コアシェル構造とは、組成の異なる2種以上のポリマーが粒子中に相分離して存在する形態を意味する。したがって、シェル部がコア部を完全に被覆している形態のみならず、コア部の一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル部ポリマーの一部がコア粒子内にドメインなどを形成しているものであってもよい。さらに、コア部とシェル部の中間に、さらにもう一層以上、組成の異なる層を含む3層以上の多層構造を持つものであってもよい。
【0095】
着色剤とポリマー微粒子のイオン性が異なると、着色剤とポリマー微粒子は凝集してしまうために同一系内では使用できない。カラーインクとブラックインクともに、その同一系内(同一のインク)において、着色剤とイオン性が同じであるポリマー微粒子をさらに含むことは可能である。ポリマー微粒子をさらに含んだイオン性の異なるカラーインクとブラックインクは、記録媒体上で接触した場合に、着色剤のみの場合と比べて凝集体を形成する速度が速まり、滲みやカラーブリードをより生じにくくさせるものと考えられる。
【0096】
本発明において用いられるポリマー微粒子は、造膜性を有するものが好ましく用いられる。「造膜性」とは、ポリマー微粒子を水に分散させてポリマーエマルジョンの形態としたとき、このポリマーエマルジョンの連続相である水成分を蒸発させていくと、ポリマーの皮膜が形成されることを意味する。このポリマー微粒子が添加されたインク組成物は、水または水性有機溶媒がそのポリマー微粒子の周囲より除去された状態となると、ポリマーの皮膜が上記と同様にして形成される性質を有することとなる。このポリマー皮膜は、インク組成物中の着色剤を記録媒体表面に強固に定着させる役割を担う。これによって、定着性、耐擦過性に優れた画像が実現できると考えられる。
【0097】
本発明のポリマー微粒子を構成するポリマーのガラス転移点は30℃以下、好ましくは25℃以下、より好ましくは20℃以下、であることが好ましい。ポリマー微粒子を構成するポリマーのガラス転移点が上記の範囲であるときに室温において造膜が可能である。ポリマー微粒子を構成するポリマーのガラス転移点は、ポリマーエマルジョンの水性媒体を蒸発させてポリマーのみとし、これを試料容器に入れ、示差走査熱量測定装置(DSC)にセットして、−20℃〜40℃を5℃/minの昇温速度で加熱し、示差熱曲線から求める。
また、本発明のポリマー微粒子を含んでなるポリマーエマルジョンの最低成膜温度は、30℃以下、好ましくは室温(約25℃以下)、より好ましくは20℃以下である。ポリマーエマルジョンの成膜形成が30℃以下で行うことができれば、印刷された記録媒体を加熱および乾燥することなく、室温以下において印刷面の成膜化が自動的に進行し、着色剤を強固に記録媒体に定着するので好ましい。最低成膜温度とは、ポリマーエマルジョンをアルミニウム等の金属板の上に薄く流延し、温度を上げていったときに透明な連続フィルムが形成される最低の温度をいう。最低成膜温度以下の温度領域では白色粉末状となる。
【0098】
本発明のポリマー微粒子は、親水性部分と疎水性部分を併せ持つポリマー成分からなるものが好ましい。また、ポリマー微粒子の重量平均分子量は、5000以上であり、好ましくは10000以上である。ポリマー微粒子の重量平均分子量は、ポリマーエマルジョンの水成分を除去した後に得られたポリマーをテトラヒドロフラン等の有機溶媒に溶解し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィ(GPC)で測定する。分子量の校正は単分散ポリスチレンを使用して行う。
ポリマーエマルジョンの平均粒子径は400nm以下が好ましく、より好ましくは100〜200nm、さらに好ましくは10〜100nmである。ポリマー微粒子の平均粒子径は一般的な方法で測定されて良い。特に、レーザー散乱法によって測定された値を好ましく用いる。
【0099】
本発明のポリマー微粒子の主成分としては、アクリル系共重合体、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ポリイソプレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、クロロプレン共重合体、ポリオレフィン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリウレタン、含ケイ素重合体、などが挙げられる。
【0100】
本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子を濃度10重量%で水に分散させたポリマーエマルジョンのテフロン板上での接触角が70゜程度以上、より好ましくは80゜程度以上であることが好ましい。さらに、ポリマー微粒子を濃度が35重量%となるように水に分散させたポリマーエマルジョンの表面張力が35重量%となるように水に分散させたポリマーエマルジョンの表面張力が、40×10-3N/m(20℃)程度、好ましくは50×10-3N/m(20℃)程度以上であることが好ましい。このようなポリマー微粒子を利用することによって、インクジェト記録方法において、より飛行曲がりを防止でき、良好な印刷が可能となる。
【0101】
本発明の好ましい態様によれば、ポリマー微粒子は、カルボキシル基を有する不飽和ビニルモノマーに由来する構造を1〜10重量%含んでなり、かつ、重合可能な二重結合を二つ以上有する架橋性モノマーによって架橋された構造を有し、架橋性モノマーに由来する構造を0.2〜4重量%含有してなるものであることが好ましい。このポリマー微粒子は、成膜性を保持しながら、インクに使用する有機溶媒、特にジエチレングリコールモノブチルエーテルやトリエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル類によるポリマー成分の溶解やポリマーの膨潤等が起こらないことから、優れた耐溶媒性を示し、インク組成物がノズルプレート表面を濡らすという現象が起こり難くなり、飛行曲がりをより防止でき、吐出安定性をより向上させることができる。
ポリマー微粒子の重合の際に重合可能な二重結合を二個以上さらに好ましくは三個以上有する架橋性モノマー類を共重合させて三次元架橋させた架橋性ポリマーの利用により、ノズルプレート表面がインク組成物によりさらに濡れ難くなり、飛行曲がりをより防止でき、吐出安定性をより向上させることができる。
【0102】
本発明のポリマーエマルジョンは、水と、モノマーと、乳化剤と、重合開始剤とを混合して乳化重合を行い、その後にpH調整剤を添加して所望のpHを調整することによって得ることができる。本発明においては、ポリマーエマルジョンの分散相を形成するポリマー微粒子は、上記の方法によって製造される。
【0103】
モノマーとしては、一般的に用いられるラジカル重合性モノマーが使用できる。例えば、スチレンおよびメチルスチレン、ジメチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、プロムスチレン、P−クロルメチルスチレン、ジヒニルベンゼン等のスチレン誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、ブトキシエチルアクリレート、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、フエノキシエチルアクリレート、アクリル酸シクロヘキシル、ジシクロペンタニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、イソボルニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、グリシジルアクリレート等の単官能アクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、2−エチルヘキシルメタクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸フェニル、フェノキシエチルメタクリレート、メタクリル酸シクロヘキシル、ジシクロペンタニルメタクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、メタクリル酸テトラヒドロフルフリル、イソボルニルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、グリセロールメタクリレート、カプロラクトンメタクリレート、グリシジルメタクリレート等の単官能メタクリル酸エステル類;アリルベンゼン、アリル−3−シクロヘキサンプロピオネート、1−アリル−3,4−ジメトキシベンゼン、アリルフェノキシアセテート、アリルフェニルアセテート、アリルシクロヘキサン、多価カルボン酸アリル等のアリル化合物;フマル酸、マレイン酸、イタコン酸のエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、N−置換マレイミド、環状オレフィンなどのラジカル重合性基を有するモノマーが挙げられる。
【0104】
ポリマー微粒子にアニオン性を付与するモノマーとしては、カルボキシル基、スルホン酸基、ホスホ基等を有するモノマー、例えば、カルボキシル基を有するアクリルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エチルアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられ、スルホン酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、スルホエチルメタクリレート、ブチルアクリルアミドスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、等が挙げられ、ホスホ基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、ホスホエチルメタクリレート等が挙げられる。
【0105】
ポリマー微粒子にカチオン性基を付与するモノマーとしては、第一脂肪アミン塩、第二脂肪アミン塩、第三脂肪アミン塩、第4級アンモニウムからなる群から選択されるカチオン性基を有するモノマーが挙げられ、具体的には、N,N’−ジメチルアクリルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩等が挙げられる。
【0106】
架橋性モノマーとしては、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、アリルアクリレート、ビス(アクリロキシエチル)ヒドロキシエチルイソシアヌレート、ビス(アクリロキシネオペンチルグリコール)アジペート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、プロビレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(アクリロキシエトキシ・ポリエトキシ)フェニル〕プロパン、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジシクロペンタニルジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラブロモビスフェノールAジアクリレート、トリグリセロールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシジエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシポリエトキシ)フェニル〕プロパン、テトラブロモビスフェノールAジメタクリレート、ジシクロペンタニルジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、トリグリセーロールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等が挙げられる。
【0107】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過リン酸カリウム、過ホウ酸ナトリウムなどの無機過酸塩、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]または4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)の水溶性のラジカル重合開始剤の何れも使用することができる。なお、触媒の添加量は、適宜決定される。
【0108】
本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインクは水溶性有機溶媒を含むことができる。その具体例としては、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1から4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテルなどのグリコールエーテル類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホランなどが挙げられる。
【0109】
また、本発明の好ましい態様によれば、前記した水溶性有機溶媒の中でも沸点が180℃以上の水溶性有機溶媒の利用が好ましい。沸点が180℃以上の水溶性有機溶媒の使用は、インクの保水と湿潤性をもたらす。その結果、開放状態(室温で空気に触れている状態)で放置しても、流動性と再分散性を長時間維持するインクが実現できる。さらに、印字中もしくは印字中断後の再起動時にノズルの目詰まりが生じることもなく、高い吐出安定性が得られる。
沸点が180℃以上の水溶性有機溶媒の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドン、グリセリン、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルグリコール、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコール、分子量2000以下のポリエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトールが挙げられる。沸点が200℃以上であるものが好ましい。これらは単独または2種以上の混合物として使用されてよい。
【0110】
これら水溶性有機溶媒の含有量は、好ましくは10〜50重量%程度であり、より好ましくは10〜30重量%である。
【0111】
本発明のインク組成物においては糖を含有することもできる。糖類の具体例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グリシトール、ソルビット、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、アルギン酸、α−シクロデキストリン、セルロースなどの自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、例えば、糖アルコール[一般式HOCH2(CHOH)nCH2OH(ここで、n=2〜5の整数を表す。)]のような糖類の還元糖、アルドン酸やウロン酸などの酸化糖、アミノ酸、チオ糖などが挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
【0112】
本発明の好ましい態様によれば、ブラックインクは、(A)カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるもの、もしくは、(B)カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるもので、(A),(B)いずれにおいても、表面張力が45〜60mN/mの範囲にあるのが好ましい。また、カラーインクは、(C)アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるもの、もしくは、(D)アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるもので、表面張力が25〜45mN/mの範囲にあるのが好ましい。
カラーインクの(C),(D)は、上記の表面張力の範囲内に調整するために、アニオン性および/またはノニオン性界面活性剤やグリコールエーテル類等をさらに添加する。具体的には、カラーインク(C)においては、アニオン性および/またはノニオン性界面活性剤を添加して上記の表面張力の範囲内に調整する。一方、カラーインク(D)においては、アニオン性および/またはノニオン性界面活性剤、もしくは、これらの界面活性剤およびグリコールエーテル類を添加して上記の表面張力の範囲内に調整する。
【0113】
本発明の別の好ましい態様によれば、ブラックインクは、(E)アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるもの、もしくは、(F)アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるもので、(E),(F)いずれにおいても、表面張力が45〜60mN/mの範囲にあるのが好ましい。また、カラーインクは、(G)カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるもの、もしくは、(H)カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるもので、表面張力が25〜45mN/mの範囲にあるのが好ましい。
カラーインクの(G),(H)は、上記の表面張力の範囲内に調整するために、カチオン性および/またはノニオン性界面活性剤やグリコールエーテル類等をさらに添加する。具体的には、カラーインク(G)においては、カチオン性および/またはノニオン性界面活性剤を添加して上記の表面張力の範囲内に調整し、カラーインク(H)においては、カチオン性および/またはノニオン性界面活性剤、もしくは、これらの界面活性剤およびグリコールエーテル類を添加して上記の表面張力の範囲内に調整する。
【0114】
本発明の更に別の好ましい態様によれば、前記(A)〜(H)のインク(ブラックインク又はカラーインク)に、アニオン性ポリマー微粒子又はカチオン性ポリマー微粒子を添加する。但し、着色剤とイオン性が同じであるポリマー微粒子を添加する。すなわち、前記(A)〜(H)のインクにおいて、アニオン性ポリマー微粒子は、“アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤、又は、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤”と併用し、一方、カチオン性ポリマー微粒子は、“カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤、又は、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤”と併用するものである。
この場合においても、前記と同様、ブラックインクの表面張力が45〜60mN/mの範囲にあるのが好ましく、また、カラーインクの表面張力が25〜45mN/mの範囲にあるのが好ましい。
【0115】
ブラックインクの表面張力が上記の範囲よりも低いと、顔料インクの記録媒体内部への浸透が速すぎるために、滲みやフェザリング、色濃度の低下が起こりやすい。また、カラーインクの表面張力が上記の範囲より高いと、インクの浸透速度が遅いため、カラーブリードの発生の原因となりやすい。
【0116】
本発明においては、上記のブラックインクとカラーインクのインクセットが好ましく用いられる。
【0117】
また、本発明におけるカラーインクは、イェローインク、マゼンタインク、シアンインクのセットが好ましく用いられる。さらに好ましくは、イェローインク、マゼンタインク、シアンインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインクのセットが用いられる。
【0118】
本発明のインクジェト記録用インク組成物に使用する界面活性剤は、インク組成物との相溶性のよいものが好ましく、かつ浸透性が高く安定なものがよい。
界面活性剤の具体例としては、アニオン性界面活性剤として、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートのアンモニウム塩など;ノニオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレートおよびアセチレングリコール等が挙げられる。これらは単独または二種以上を併用することができる。
また、カチオン性界面活性剤としては、第一脂肪アミン塩、第二脂肪アミン塩、第三脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩が挙げられる。第4級アンモニウム塩としては、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリニウム塩、N,N’−ジアルキルモルホリニウム塩等が挙げられる。
【0119】
界面活性剤の添加によってインク組成物の表面張力を制御することで、記録媒体への浸透性の調整を行い、本発明のインクセットを用いた場合に画質向上と種々の記録媒体へ印刷した際の速乾性を向上することができる。
界面活性剤の添加量は、インク組成物に対して0.01〜10重量%の範囲が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。
【0120】
本発明の好ましい態様によれば、上記した界面活性剤の内で、アセチレングリコール系界面活性剤を含んでなるのが好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤は、添加によるインクの泡立ちが少なく、比較的少量で表面張力を下げる効果を有することから好ましい。また、アセチレングリコール系界面活性剤の添加は、インク組成物の表面張力を制御し、インク溶媒成分の浸透性を向上するため、本発明においては、着色剤とインク溶媒との分離を促進する効果を奏し、あらゆる種類の普通紙や再生紙へ印刷した際の画質向上と速乾性を向上することができる。
【0121】
本発明において用いられるアセチレングリコール系界面活性剤の好ましい具体例としては、下記の式(VII)で表される化合物が挙げられる。
【0122】
【化4】
【0123】
上記の式(VII)で表される化合物の中で特に好ましくは、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−ヘキシン−3−オールなどが挙げられる。上記の式(VII)で表されるアセチレングリコール系界面活性剤として市販品を利用することも可能であり、その具体例としてはサーフィノール104、82、465またはTG(以上、Air Products and Chemicals INC.製)、オルフィンSTG、オルフィンE1010(以上、日信化学製)が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤の添加量は、上記の表面張力の範囲となるように適宜決定されるが、好ましくは、インク組成物に対して0.01〜5重量%の範囲であり、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0124】
本発明のインクジェト記録用インク組成物に使用するグリコールエーテル類は、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。グリコールエーテル類と上記のアセチレングリコール系界面活性剤との併用は、インク溶媒成分の浸透性をさらに向上するため、本発明においては、着色剤とインク溶媒との分離を促進する極だった効果を奏し、あらゆる種類の普通紙や再生紙へ印刷した際の画質向上と速乾性を向上することができる。
グリコールエーテルの添加量は、前記した表面張力の範囲となるように適宜決定されるが、好ましくは、インク組成物に対して0.1〜10重量%の範囲であって、より好ましくは0.1〜5重量%の範囲である。
【0125】
本発明においては、浸透性を制御する目的で、さらに炭素数が4〜10の1,2−アルキレングリコールを15重量%以下の範囲内で含んでも良い。炭素数が3以下のものは、浸透性が得られず、炭素数が10を超えると、水に溶解しにくくなるので好ましくない。添加量が15重量%を超えると、粘度増加の傾向が現れるので適当ではない。
1,2−アルキレングリコールは、具体的には、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオールであって、何れか一方を用いても良いし、併用しても良い。1,2−ペンタンジオールは、3〜15重量%の範囲で添加するのが好ましい。3重量%未満では良好な浸透性が得られない。1,2−ヘキサンジオールは、0.5〜10重量%の範囲で添加するのが好ましい。0.5重量%未満では良好な浸透性が得られない。
【0126】
その他、保存安定性を向上させるために、必要に応じて、インクにpH調整剤、溶解助剤、酸化防止剤、防黴剤、防腐剤、腐食防止剤、金属塩トラップ剤等の添加剤を添加することも可能である。
【0127】
本発明によるインク組成物は、前記成分を適当な方法で分散,混合することによって製造することができる。特に、本発明のインク組成物は、本発明の着色剤と、水と、水溶性有機溶媒と、必要に応じてその他の添加剤とを攪拌混合することで容易に得ることができる。
【0128】
本発明のインク組成物は、分散安定性、吐出安定性に優れ、また、長期にわたってノズルの目詰まりが発生せず、安定した印字が可能である。その理由を以下に示す。
【0129】
顔料を分散する場合には、一般に界面活性剤や高分子分散剤等の分散剤が用いられるが、これらの分散剤は、顔料に吸着しているのみであることから、通常は何らかの環境要因によって分散剤が顔料表面から脱離しやすい傾向にある。
これに対して、本発明においては、顔料を取り巻いているポリマーがより強固に顔料に固着するために、顔料から脱離しにくくなっているものと考えられる。さらに詳しくは、界面活性剤や高分子分散剤等の分散剤を用いて顔料を分散した顔料分散液と、界面活性剤やジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、1,2−アルキレングリコール等の浸透剤とを組み合わせて浸透性を向上したインクでは、細いノズルを通ってインクが吐出される際に強い剪断力がかかると、顔料表面に吸着している分散剤が容易に脱離して分散性の劣化をもたらし、吐出が不安定となる場合がある。これに対して、本発明による着色剤を用いたインク組成物では、これらの現象は全く認められず、安定に吐出される。特に、架橋構造を有する重合体(ポリマー)で顔料を包含した態様においては、顔料を取り巻いているポリマーがより強固に顔料に固着していることと、ポリマーが架橋構造を有することに起因して優れた耐溶剤性を持っていることから、上記の浸透剤等を用いても、顔料を取り巻いている重合体(ポリマー)が顔料から脱離することもなく、また、重合体(ポリマー)自体の膨潤も起こりにくい。したがって、この態様では、長期にわたって、より優れた分散安定性が確保できる。
また、界面活性剤や高分子分散剤等の分散剤を用いて顔料を分散した顔料インクで界面活性剤や浸透剤で浸透性を向上した場合には、一般に、初期から顔料表面に吸着されないで液中に溶解している分散剤やその後の環境下で顔料から脱離した分散剤がインクの粘度を高める傾向にあるため、インクの粘度をインクジェット用に適する範囲(1〜10mPa・sの範囲)に調整するためには、顔料の含有量を制限せざるを得ない。そのため、普通紙や再生紙において十分な印刷濃度が得られず、良好な発色も得ることができないために、高品位の印刷画質を実現することが難しい。これに対して、本発明による着色剤においては、顔料を取り巻いているポリマーの顔料からの脱離が無いため、着色剤の含有量によるインクの粘度変化が非常に少ない。したがって、インクの低粘度化が容易で、着色剤をより多く含有することができるとの利点を有する。これによって、普通紙や再生紙上で十分な印刷濃度を得ることが可能である。なお、上記の理由はあくまでも本発明の内容を説明するために用いたものであって、当該理由のみによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【0130】
本発明によるインクセットは、ブラックインクと複数のカラーインクとからなり、インク液滴を吐出して、記録媒体に付着させて印刷を行うインクジェット記録方法に好ましく用いられる。さらに詳しくは、本発明によるインクセットは、微細なノズルからインクを小滴として吐出し、文字や図形を被記録体表面に記録する方法に好ましく用いられる。
インクジェット記録方式としては、電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して被記録体表面に文字や記号を記録する方式、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極めて近い一部を急速に加熱して泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出して、被記録体表面に文字や記号を記録する方式等があるが、本発明は、これらの方式に限定されるものではない。
【0131】
本発明のインクジェット記録用インクセットは、(a)アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなるものである。
上記インクセットの別の態様として、上記カラーインク組成物にアニオン性ポリマー微粒子をさらに添加し、および/または、上記ブラックインク組成物にカチオン性ポリマー微粒子をさらに添加するものである。
【0132】
また、本発明の別の態様によるインクジェット記録用インクセットは、(b)アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなるものである。
上記インクセットの別の態様として、上記カラーインク組成物にアニオン性ポリマー微粒子をさらに添加し、および/または、上記ブラックインク組成物にカチオン性ポリマー微粒子をさらに添加するものである。
【0133】
また、本発明の別の態様によるインクジェット記録用インクセットは、(c)アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなるものである。
上記インクセットの別の態様として、上記カラーインク組成物にアニオン性ポリマー微粒子をさらに添加し、および/または、上記ブラックインク組成物にカチオン性ポリマー微粒子をさらに添加するものである。
【0134】
また、本発明の別の態様によるインクジェット記録用インクセットは、(d)カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなるものである。
上記インクセットの別の態様として、上記カラーインク組成物にカチオン性ポリマー微粒子をさらに添加し、および/または、上記ブラックインク組成物にアニオン性ポリマー微粒子をさらに添加するものである。
【0135】
また、本発明の別の態様によるインクジェット記録用インクセットは、(e)カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなるものである。
上記インクセットの別の態様として、上記カラーインク組成物にカチオン性ポリマー微粒子をさらに添加し、および/または、上記ブラックインク組成物にアニオン性ポリマー微粒子をさらに添加するものである。
【0136】
また、本発明の別の態様によるインクジェット記録用インクセットは、(f)カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるカラーインク組成物と、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤と、水溶性有機溶媒と、水とを、少なくとも含んでなるブラックインク組成物とからなるものである。
上記インクセットの別の態様として、上記カラーインク組成物にカチオン性ポリマー微粒子をさらに添加し、および/または、上記ブラックインク組成物にアニオン性ポリマー微粒子をさらに添加するものである。
【0137】
本発明のインクセットは、記録媒体上で本発明のインクセットのブラックインクとカラーインクが接触すると、各インクの着色剤の分散状態が瞬時に破壊されて凝集するため、滲みやフェザリングやカラーブリードがなく、OD値の高い、高品位の画像が得られる。
【0138】
上記の記録方法における好ましい画像形成の方法は、表面張力が25〜45mN/mの範囲のカラーインクで画像を形成した直後に、表面張力が45〜60mN/mの範囲のブラックインクを使用することが好ましい。また、普通紙上へのブッラクインクによる文字等の印刷においては、まず、カラーインクの何れかで文字等を印字し、同一場所にブッラクインクを印字するのが好ましい。これによって、両インクが記録媒体上で接触すると、各インクの分散状態が瞬時に破壊されて凝集するため、フェザリング、ブリード、滲み等のない、OD値の高い、高品位の印字が得られる。
【0139】
また、別の方法は、ライトシアンやライトマゼンタ等の淡色系インクに本発明のカチオン性着色剤を用い、最初に淡色系インクで画像を形成した直後に、同一場所にシアンインク、マゼンタインク、イェローインク、ブラックインク等の濃色系インクを印字する態様がある。この場合は、濃色系インクよりも淡色系インクの表面張力が低いことが好ましい。これによって、記録媒体上で濃色系インクと淡色系インクとが接触すると、各インクの着色剤の分散状態が瞬時に破壊されて凝集するため、フェザリング、ブリード、滲み等のない、OD値の高い、高品位の印字が得られる。
【0140】
本発明のインクジェット記録装置は、インク収納容器と記録ヘッドとを、連結管を介して連通する構造を有し、該記録ヘッドが、キャリッジに沿って、モーターで駆動されるタイミングベルトによって移動する機構と、プラテンとガイドが設けられてなる紙送り機構と、さらにクリーニング操作を行うための機構とからなる。本発明のインクジェット記録装置は、各インクをインク収納容器に収納し、各インク組成物が連結管を介して記録ヘッドに供給される構造で、すなわち、インク収納容器と記録ヘッドとは連結管によって連通される。ここで、収納容器は、インク組成物毎に独立した形態であれば、使用するインクの数だけ収納容器を使用してもよいし、収納容器の内部を区切って複数のインクをその区切られた部屋に収納しても構わない。記録ヘッドは、キャリッジに沿って、モーターで駆動されるタイミングベルトによって移動する。一方、記録媒体である紙等の記録媒体は、プラテンとガイドによって記録ヘッドと対面する位置に置かれる。なお、クリーニング機構として、吸引ポンプと連結された吸引キャップが設けられ、いわゆるクリーニング操作を行う。吸引されたインク組成物を溜めおかれる廃インクタンクが具備される。また、インク毎に異なる記録ヘッドを用いても良いし、ひとつの記録ヘッドでノズル列毎にインク組成物を割り当ててもよい。
【0141】
本発明において、好ましくは、ブラックインクとカラーインクとで記録ヘッドを独立で使用するのがよい。これは、同一記録ヘッド上で、アニオン性着色剤とカチオン性着色剤が接触して凝集することで、生成された凝集物が目詰まりの原因となるのを防ぐ目的がある。
【0142】
【実施例】
本発明を以下の実施例によって詳細に説明するが、本発明は、本実施例の内容に限定されるものではない。
【0143】
<着色剤の製造>
(着色剤1)
カーボンブラック(ラーベンC:コロンビアンカーボン株式会社製)10gと重合性界面活性剤2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド6gとを水100g中に加えて超音波を照射し、さらにサンドミル(安川製作所製)で約2時間分散させる。この分散液を、超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に投入する。次いで、予め、ベンジルメタクリレート1g、ブチルメタリレート2g、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート1gと上記重合性界面活性剤0.1gと2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.05gと水10gを混合して乳化物を調製し、これを滴下漏斗で上記の反応容器中に徐々に滴下する。滴下終了後に60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液をクエン酸二ナトリウムでpH6前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤1の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は120nmであった。
【0144】
(着色剤2)
超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に、カーボンブラック(ラーベンC:コロンビアンカーボン株式会社製)50gと重合性界面活性剤メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩30gとを水800g中に加えて超音波を4時間照射して分散を行う。次いで、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド16gとジビニルベンゼン2.4gと2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩1gとをさらに添加して60℃で48時間重合反応を行う。その後、クエン酸二ナトリウムでpH6前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤2の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は110nmであった。
【0145】
(着色剤3)
C.I.ピグメントレッド122を100gと重合性界面活性剤SE−10N(旭電化製)60gとを水800g中に加えて超音波を照射し、さらにサンドミル(安川製作所製)で約2時間分散させる。この分散液を、超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に投入する。次いで、予め、ベンジルメタクリレート10g、ブチルメタリレート20g、ジシクロペンタニルメタクリレート2g、メタクリル酸10gと上記重合性界面活性剤1gと過硫酸カリウム0.5gと水100gを混合して乳化物を調製し、これを滴下漏斗で上記の反応容器中に徐々に滴下する。滴下終了後に60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液を水酸化カリウムでpH8前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤3の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は130nmであった。
【0146】
(着色剤4)
超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に、C.I.ピグメントブルー15:3を50gと重合性界面活性剤SE−10N(旭電化製)30gとを水500g中に加えて超音波を4時間照射して分散を行う。次いで、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸16gとアクリロニトリル3gと過硫酸カリウム0.5gとをさらに添加して60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液を水酸化カリウムでpH8前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去する。これによって目的の着色剤を分散液の形態で得して着色剤4の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は115nmであった。
【0147】
(着色剤5)
C.I.ピグメントレッドイェロー185を100gと重合性界面活性剤SE−10N(旭電化製)60gとを水800g中に加えて超音波を照射し、さらにサンドミル(安川製作所製)で約2時間分散させる。この分散液を、超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に投入する。次いで、予め、ベンジルメタクリレート10g、ブチルメタリレート20g、ジシクロペンタニルジメタクリレート2g、メタクリル酸10gと上記重合性界面活性剤1gと過硫酸カリウム0.5gと水100gを混合して乳化物を調製し、これを滴下漏斗で上記の反応容器中に徐々に滴下する。滴下終了後に60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液を水酸化カリウムでpH8前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤5の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は120nmであった。
【0148】
(着色剤6)
C.I.ピグメントレッド122を100gと重合性界面活性剤SE−10N(旭電化製)60gとを水800g中に加えて超音波を照射し、さらにサンドミル(安川製作所製)で約2時間分散させる。この分散液を、超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に投入する。次いで、予め、ベンジルメタクリレート10g、ブチルメタリレート20g、ジシクロペンタニルジメタクリレート2g、メタクリル酸10gと上記重合性界面活性剤1gと過硫酸カリウム0.5gと水100gを混合して乳化物を調製し、これを滴下漏斗で上記の反応容器中に徐々に滴下する。滴下終了後に60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液を水酸化カリウムでpH8前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤6の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は130nmであった。
【0149】
(着色剤7)
超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に、C.I.ピグメントブルー15:3を50gと重合性界面活性剤SE−10N(旭電化製)30gとを水500g中に加えて超音波を4時間照射して分散を行う。次いで、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸16gとアクリロニトリル3gとジビニルベンゼン5gと過硫酸カリウム0.5重量部とをさらに添加して60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液を水酸化カリウムでpH8前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤7の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は140nmであった。
【0150】
(着色剤8)
C.I.ピグメントレッドイェロー151を100gと重合性界面活性剤SE−10N(旭電化製)60gとを水800g中に加えて超音波を照射し、さらにサンドミル(安川製作所製)で約2時間分散させる。この分散液を、超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に投入する。次いで、予め、ジシクロペンテニルメタクリレート10g、ブチルメタリレート20g、1,6−へキサンジオールジメタクリレート2g、メタクリル酸10gと上記重合性界面活性剤1gと過硫酸カリウム0.5gと水100gを混合して乳化物を調製し、これを滴下漏斗で上記の反応容器中に徐々に滴下する。滴下終了後に60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液を水酸化カリウムでpH8前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤8の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は110nmであった。
【0151】
(着色剤9)
カーボンブラック(ラーベンC:コロンビアンカーボン株式会社製)10gと重合性界面活性剤SE−10N(旭電化製)6gとを水100g中に加えて超音波を照射し、さらにサンドミル(安川製作所製)で約2時間分散させる。この分散液を、超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に投入する。次いで、予め、ベンジルメタクリレート1g、ブチルメタリレート2g、メタクリル酸1gと上記重合性界面活性剤0.1gと過硫酸カリウム0.05gと水10gを混合して乳化物を調製し、これを滴下漏斗で上記の反応容器中に徐々に滴下する。滴下終了後に60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液を水酸化カリウムでpH8前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤9の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は125nmであった。
【0152】
(着色剤10)
超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に、カーボンブラック(ラーベンC:コロンビアンカーボン株式会社製)50gと重合性界面活性剤SE−10N(旭電化製)30gとを水800g中に加えて超音波を4時間照射して分散を行う。次いで、アクリロニトリル16gとジビニルベンゼン2.4gと過硫酸カリウム1gとをさらに添加して60℃で48時間重合反応を行う。その後、水酸化カリウムでpH8前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤10の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は130nmであった。
【0153】
(着色剤11)
C.I.ピグメントレッド122を100gと重合性界面活性剤2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド60gとを水800g中に加えて超音波を照射し、さらにサンドミル(安川製作所製)で約2時間分散させる。この分散液を、超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に投入する。次いで、予め、ベンジルメタクリレート10g、ブチルメタリレート20g、ジシクロペンタニルメタクリレート2g、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート10gと上記重合性界面活性剤1gと2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.5gと水100gを混合して乳化物を調製し、これを滴下漏斗で上記の反応容器中に徐々に滴下する。滴下終了後に60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液をクエン酸二ナトリウムでpH6前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して、濃度が18%である着色剤11の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は140nmであった。
【0154】
(着色剤12)
超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に、C.I.ピグメントブルー15:3を50gと重合性界面活性剤メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩30gとを水500g中に加えて超音波を4時間照射して分散を行う。次いで、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド16gとスチレン3gと2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.5gとをさらに添加して60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液をクエン酸二ナトリウムでpH6前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去する。これによって目的の着色剤を分散液の形態で得して着色剤12の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は110nmであった。
【0155】
(着色剤13)
C.I.ピグメントレッドイェロー185を100gと重合性界面活性剤2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド60gとを水800g中に加えて超音波を照射し、さらにサンドミル(安川製作所製)で約2時間分散させる。この分散液を、超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に投入する。次いで、予め、ベンジルメタクリレート10g、ブチルメタリレート20g、ジシクロペンタニルジメタクリレート2g、メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩10gと上記重合性界面活性剤1gと2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.5gと水100gを混合して乳化物を調製し、これを滴下漏斗で上記の反応容器中に徐々に滴下する。滴下終了後に60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液をクエン酸二ナトリウムでpH6前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤13の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は135nmであった。
【0156】
(着色剤14)
C.I.ピグメントレッド122を100gと重合性界面活性剤メタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩60gとを水800g中に加えて超音波を照射し、さらにサンドミル(安川製作所製)で約2時間分散させる。この分散液を、超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に投入する。次いで、予め、ベンジルメタクリレート10g、ブチルメタリレート20g、ジシクロペンタニルジメタクリレート2g、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート10gと上記重合性界面活性剤1gと2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.5gと水100gを混合して乳化物を調製し、これを滴下漏斗で上記の反応容器中に徐々に滴下する。滴下終了後に60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液をクエン酸二ナトリウムでpH6前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤14の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は130nmであった。
【0157】
(着色剤15)
超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に、C.I.ピグメントブルー15:3を50gと重合性界面活性剤2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド30gとを水500g中に加えて超音波を4時間照射して分散を行う。次いで、N,N’−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド16gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート3gとジビニルベンゼン5gと2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.5重量部とをさらに添加して60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液をクエン酸二ナトリウムでpH6前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤15の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は120nmであった。
【0158】
(着色剤16)
C.I.ピグメントレッドイェロー151を100gと重合性界面活性剤2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド60gとを水800g中に加えて超音波を照射し、さらにサンドミル(安川製作所製)で約2時間分散させる。この分散液を、超音波発生器、攪拌機、温度調整器、還流冷却器、滴下漏斗を備えた反応容器に投入する。次いで、予め、ジシクロペンテニルメタクリレート10g、ブチルメタリレート20g、1,6−へキサンジオールジメタクリレート2g、メタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩10gと上記重合性界面活性剤1gと2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩0.5gと水100gを混合して乳化物を調製し、これを滴下漏斗で上記の反応容器中に徐々に滴下する。滴下終了後に60℃で48時間重合反応を行う。得られた着色剤の分散液をクエン酸二ナトリウムでpH6前後に調整し、0.4μmのフィルターで濾過して粗大粒子を除去して着色剤16の分散液を得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は115nmであった。
【0159】
<ポリマー微粒子の製造>
(アニオン性ポリマー微粒子の製造)
撹拌機、還流冷却器、滴下装置および温度計と窒素導入管を備えた反応容器に、蒸留水200ml、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを仕込み、窒素雰囲気中で、撹拌しながら70℃まで加温し、さらに過硫酸カリウム2gを添加した。一方、ブチルアクリレート40g、スチレン50g、アクリル酸5g、t−ドデシルメルカプタン0.10gとを混合溶解して、これを前記反応容器中に滴下する。さらに、70℃で6時間反応させた後、常温まで冷却し、中和剤としてアンモニア水を添加してPHを調製しフィルターで濾過して、ポリマー微粒子を分散粒子とするポリマーエマルジョンを得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は80nmであった。
【0160】
(カチオン性ポリマー微粒子の製造)
撹拌機、還流冷却器、滴下装置および温度計と窒素導入管を備えた反応容器に、蒸留水200ml、2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド0.6gを仕込み、窒素雰囲気中で、撹拌しながら70℃まで加温し、さらに2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩2gを添加した。一方、ブチルアクリレート20g、ベンジルメタクリレート10g、N,N’−ジメチルアミノエチルメタクリレート5g、2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド3gとを混合溶解して、これを前記反応容器中に滴下する。さらに、70℃で6時間反応させた後、常温まで冷却し、中和剤としてアンモニア水を添加してPHを調製しフィルターで濾過して、ポリマー微粒子を分散粒子とするポリマーエマルジョンを得る。レーザードップラー方式の粒度分布測定器マイクロトラックUPA 150(リーズ&ノースロップ社製)で測定した平均粒子径は90nmであった。
【0161】
以下の表1〜表20の組成を有するインクは、次の操作によって調製する。予め、前記の着色剤を除いた水性媒体を調製し、これを前記の着色剤の分散液に攪拌下に徐々に滴下し、充分に攪拌し分散させて目的のインク組成物を得たものである。さらに具体的に、実施例1のブラックインクを例に説明する。15gのグリセリン、4gの2−ピロリドン、0.5gのオルフィンE1010とイオン交換水26.4gを混合溶解して、水性媒体を調製する。46.7gの着色剤1の分散液にこの水性媒体を、攪拌下に徐々に滴下して、室温(25℃近辺)で充分に攪拌し分散した後に、10wt%水酸化カリウム水溶液でpHを8〜9の範囲に調整して目的のインクを得る。このときに、超音波発生器を併用することが好ましい。得られたインクは、3μmのメンブランフィルターを通過させて使用する。
【0162】
なお、実施例1〜4及び実施例11〜14のブラックインクと実施例5〜10及び実施例15〜20のカラーインクのpH調整は、10wt%クエン酸二ナトリウム水溶液でpHが6〜7の範囲に調整した。また、実施例1〜4及び実施例10〜14のカラーインクと実施例5〜10及び実施例15〜20のブラックインクのpH調整は、10wt%水酸化カリウム水溶液でpHを8〜9の範囲に調整した。
【0163】
本発明に用いるインク組成物とそれらより構成されたインクセット(実施例)を表1〜20に示した。
【0164】
【表1】
【0165】
【表2】
【0166】
<実施例2-2,実施例2-3>
実施例2-2は、前記実施例2-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例2-3は、実施例2-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例2-1と同じである。
【0167】
【表3】
【0168】
<実施例3-2,実施例3-3>
実施例3-2は、前記実施例3-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例3-3は、実施例3-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例3-1と同じである。
【0169】
【表4】
【0170】
<実施例4-2,実施例4-3>
実施例4-2は、前記実施例4-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例4-3は、実施例4-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例4-1と同じである。
【0171】
【表5】
【0172】
【表6】
【0173】
【表7】
【0174】
<実施例7-2,実施例7-3>
実施例7-2は、前記実施例7-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例7-3は、実施例7-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例7-1と同じである。
【0175】
【表8】
【0176】
<実施例8-2,実施例8-3>
実施例8-2は、前記実施例8-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例8-3は、実施例8-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例8-1と同じである。
【0177】
【表9】
【0178】
<実施例9-2,実施例9-3>
実施例9-2は、前記実施例9-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例9-3は、実施例9-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例9-1と同じである。
【0179】
【表10】
【0180】
<実施例10-2,実施例10-3>
実施例10-2は、前記実施例10-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例10-3は、実施例10-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例10-1と同じである。
【0181】
【表11】
【0182】
<実施例11-2>
実施例11-2は、前記実施例11-1に、更に、糖として「マルチトール」を添加した例である(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)。
【0183】
【表12】
【0184】
<実施例12-2,実施例12-3,実施例12-4>
実施例12-2は、前記実施例12-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例12-3は、実施例12-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例12-1と同じである。
また、実施例12-4は、前記実施例12-1に更に、糖として「マルチトール」を添加した例である。(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)
【0185】
【表13】
【0186】
<実施例13-2,実施例13-3,実施例13-4>
実施例13-2は、前記実施例13-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例13-3は、実施例13-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例13-1と同じである。
また、実施例13-4は、前記実施例13-1に更に、糖として「マルチトール」を添加した例である。(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)
【0187】
【表14】
【0188】
<実施例14-2,実施例14-3,実施例14-4>
実施例14-2は、前記実施例14-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例14-3は、実施例14-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例14-1と同じである。
また、実施例14-4は、前記実施例14-1に更に、糖として「マルチトール」を添加した例である。(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)
【0189】
【表15】
【0190】
<実施例15-2>
実施例15-2は、前記実施例15-1に、更に、糖として「マルチトール」を添加した例である(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)。
【0191】
【表16】
【0192】
<実施例16-2>
実施例16-2は、前記実施例16-1に、更に、糖として「マルチトール」を添加した例である(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)。
【0193】
【表17】
【0194】
<実施例17-2,実施例17-3,実施例17-4>
実施例17-2は、前記実施例17-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例17-3は、実施例17-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例17-1と同じである。
また、実施例17-4は、前記実施例17-1に更に、糖として「マルチトール」を添加した例である。(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)
【0195】
【表18】
【0196】
<実施例18-2,実施例18-3,実施例18-4>
実施例18-2は、前記実施例18-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例18-3は、実施例18-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例18-1と同じである。
また、実施例18-4は、前記実施例18-1に更に、糖として「マルチトール」を添加した例である。(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)
【0197】
【表19】
【0198】
<実施例19-2,実施例19-3,実施例19-4>
実施例19-2は、前記実施例19-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例19-3は、実施例19-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例19-1と同じである。
また、実施例19-4は、前記実施例19-1に更に、糖として「マルチトール」を添加した例である。(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)
【0199】
【表20】
【0200】
<実施例20-2,実施例20-3,実施例20-4>
実施例20-2は、前記実施例20-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に代えて「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を用いた例であり、実施例20-3は、実施例20-1の浸透剤「トリエチレングリコールモノブチルエーテル」に更に「1,2−ヘキサンジオール」(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)を添加した例である。いずれの例も、浸透剤以外は前記実施例20-1と同じである。
また、実施例20-4は、前記実施例20-1に更に、糖として「マルチトール」を添加した例である。(添加量:マゼンタ,シアン,イェローの各インクに3重量%)
【0201】
なお、表1〜20中の数値は、いずれも“重量%”を示す。また、各インクの表面張力は、自動表面張力計CBVP−Z型(協和界面科学株式会社製)で測定し、表1〜20中に表示した。
【0202】
<比較例1>
以下のブラックインク、マゼンタインク、シアンインク、イェローインクからなるインクセットを比較例1とする。
【0203】
(ブラックインク)
カーボンブラック(ラーベンC:コロンビアンカーボン株式会社製)7重量%とスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩(分子量7000、ポリマー成分38%)1.4重量%と、イオン交換水15重量%とを、サンドミル中で混合し、2時間分散処理する。予め、グリセリン10重量%とエチレングリコール8重量%とトリエタノールアミン0.9重量%とイオン交換水を残量分加えてインク溶媒を調製しておく。これを、前記の調製した分散液に攪拌下に徐々に滴下し、常温で充分に攪拌する。これを、1μmのメンブランフィルターを通過させて、インク組成物を得る。
【0204】
(マゼンタインク)
C.I.ピグメントレッド122を8重量%とスチレン−アクリル酸共重合体のアンモニウム塩(分子量7000、ポリマー成分38%)1.6重量%と、イオン交換水15重量%とを、サンドミル中で混合し、2時間分散処理する。予め、グリセリン10重量%、エチレングリコール8重量%、2−ピロリドン2重量%、ノニオン性界面活性剤ノイゲンEA160(第一工業製薬製)1重量%、トリエチレングリコールモノブチルエーテル5重量%、水酸化カリウム0.1重量%とイオン交換水を残量分加えてインク溶媒を調製しておく。これを、前記の調製した分散液に攪拌下に徐々に滴下し、常温で充分に攪拌する。これを、1μmのメンブランフィルターを通過させて、インク組成物を得る。
【0205】
(シアンインク,イェローインク)
同様にして、シアンインク(顔料:C.I.ピグメントブルー15:3)及びイェローインク(顔料:C.I.ピグメントイェロー151)を調製する。
【0206】
[インク評価試験]
前記実施例1〜10,比較例1の各インクについて、次の評価試験(評価1〜5)を行った。
インク組成物の液滴を吐出して、該液滴を記録媒体に付着させて記録物を得るインクジェット記録方法によって得られた印刷物の評価を行った。具体的には、インクジェットプリンタPM−760C(セイコーエプソン株式会社製)に実施例1〜10,比較例1のインクセットを装填し、720dpi×720dpiで、以下に示す印刷用紙(普通紙)に印刷を行った。
Xerox P(ゼロックス株式会社)
Ricopy 6200(リコー株式会社)
Xerox 4024(ゼロックス株式会社)
Neenah Bond(キンバリークラーク株式会社)
Xerox R(ゼロックス株式会社:再生紙)
【0207】
<評価1:印字品質(滲み)>
インクジェットプリンタPM−760Cに実施例1〜10,比較例1のインクセットを装填し、上記の印刷用紙(普通紙)にイェローインクを付着させた後、その上にブラックインクを付着させて、文字(英文字24文字)を印刷し、文字の滲みの程度を下記の基準で評価した。マゼンタインクおよびシアンインクについても同様の方法で行った。
A:滲みの発生個数が240個未満である。
B:滲みの発生個数が240以上500個未満である。
C:滲みの発生個数が500個以上である。
その評価結果を表21に示す。
【0208】
<評価2:カラーブリード>
インクジェットプリンタPM−760Cで、前記の印刷用紙に100%dutyで、カラーインク(シアンインク、マゼンタインク、イェローインク)で印刷するのと同時にブラックインクで文字を印刷し、文字の境界部分での不均一な色の混じりの有無を下記の基準で評価した。
A:色の混じりがなく境界が鮮明である。
B:ひげ状に色の混じりが発生。
C:文字の輪郭がわからないほど色の混じりが発生。
その評価結果を表21に示す。
【0209】
<評価3:OD値>
評価1と同様の方法で、前記の印刷用紙(普通紙)にイェローインクを付着させた後、その上にブラックインクを付着させてベタ印字を行い、ベタ部の反射OD値をマクベス濃度計PCM II(マクベス社製)で測定し、下記の基準で評価した。
A:OD値が1.4以上
B:OD値が1.2以上1.4未満
C:OD値が1.2未満
その評価結果を表21に示す。
【0210】
【表21】
【0211】
<評価4:吐出安定性>
実施例1〜10,比較例1の各インクについて、インクジェットプリンタPM−760C(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、Xerox P紙に連続で英数文字の印刷を行い、ドット抜けやインク着弾位置ずれ等の印字の状態を目視で観察し、下記の基準で評価した。
A:1000枚印字後もドット抜けやインク着弾位置ずれ等がない。
B:100枚印字後にドット抜けやインク着弾位置ずれ等がない。
C:100枚印字までにドット抜けやインク着弾位置ずれ等の発生が見られる。
その評価結果を表22,表23に示す。
【0212】
<評価5:分散安定性>
実施例1〜10,比較例1の各インクを、円筒型ガラス管(沈降管)に入れ、密栓をして60℃で2週間放置して、顔料の沈降の発生状況を調べた。また、同時に各インクをガラス製サンプル瓶に入れ、密栓をして上記と同条件で放置して、粘度変化を調べた。得られた結果を下記の基準で評価した。
A:粘度変化がなく、顔料の沈降も見られない。
B:顔料の沈降は見られないが、粘度が上昇している。
C:顔料が沈降している。
その評価結果を表22,表23に示す。
【0213】
【表22】
【0214】
【表23】
【0215】
前記実施例11〜20,比較例1の各インクについて、前記と同じ試験法による“評価1:印字品質(滲み),評価2:カラーブリード,評価3:OD値の評価試験”を行った。また、次に示す耐擦性試験を行った。それらの評価結果を表24に示す。
【0216】
<評価6:耐擦性>
前記評価1の方法で印字した印刷物を24時間自然乾燥させた後、ゼブラ社製イエロー水性蛍光ペン ZEBRA PEN2(商標)を用いて、印刷文字を筆圧4.9×105 N/m2で擦り、イエロー部の汚れの有無を目視で観察し、以下のように評価した。
A:3回擦っても全く汚れが生じない。
B:2回の擦りまでは汚れの発生ないが、3回目では汚れの発生する用紙がある。
C:1回の擦りでは汚れの発生がないが、2回目の擦りで汚れの発生する用紙がある。
D:1回の擦りで汚れの発生する用紙がある。
【0217】
【表24】
【0218】
【発明の効果】
本発明は、以上詳記したとおり、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤(または、アニオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるアニオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤)と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるインク組成物と、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有する重合体で顔料を包含した着色剤(または、カチオン性重合性界面活性剤から誘導されてなるカチオン性基を有し、且つ、架橋構造を有する重合体で顔料を包含した着色剤)と、水溶性有機溶媒と、水とを少なくとも含んでなるインク組成物とからなることを特徴とし、これにより、普通紙や再生紙等の記録媒体に対して、滲みやカラーブリード等がなく、高い印刷濃度を有する発色性に優れた高品位の画像を得ることができる。
【0219】
また、本発明は、前記インク組成物にさらに、ポリマー微粒子(アニオン性ポリマー微粒子,カチオン性微粒子)を添加することを特徴とし、これにより、普通紙や再生紙のみならず、コート紙等の全ての記録媒体に対して、滲みやカラーブリード等がなく、高い印刷濃度を有する発色性に優れた高品位で、定着性および耐擦過性に優れた画像を得ることができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording method and an ink set for ink jet recording used therefor. Specifically, an inkjet recording method capable of obtaining a high-quality printed image on recording media such as plain paper, recycled paper, special paper for inkjet recording such as coated paper, and excellent storage stability, and inkjet recording used therefor It relates to an ink set.
In particular, the present invention provides excellent fixing not only for porous recording media such as plain paper, recycled paper, printing paper, Japanese paper, drawing paper, and kent paper, but also for recording media such as special paper for inkjet recording such as coated paper. The present invention relates to an ink jet recording method capable of obtaining a high quality printed image having a property and an ink set for inkjet recording used therefor.
[0002]
[Prior art]
Inkjet recording is a printing method in which small droplets of ink are ejected and ejected from fine nozzles and attached to the surface of a recording medium such as paper to form characters and figures.
As such an ink jet recording system, an electric signal is converted into a mechanical signal using an electrostrictive element, and ink and ink stored in the nozzle head portion are intermittently ejected to record characters and symbols on the surface of the recording medium. The ink stored in the nozzle head part is heated rapidly at a part very close to the discharge part, generating bubbles, and ejected intermittently by the volume expansion caused by the bubbles, recording characters and symbols on the surface of the recording medium The method of doing is put into practical use.
[0003]
Various characteristics are required for the ink used for such ink jet recording. For example, when printing on paper, which is the recording medium, there is no bleeding, good drying, uniform printing on the surface of various recording media, and adjacent colors in multicolor printing such as color printing Is required to not mix.
[0004]
Ink jet recording inks are generally prepared by dissolving various water-soluble dyes in an aqueous medium. An ink in which a pigment is dispersed in an aqueous medium is also provided. An ink in which a pigment is dispersed in an aqueous medium has a feature of being excellent in water resistance and light resistance as compared with an ink using a water-soluble dye.
[0005]
On the other hand, when the pigment is used in an aqueous ink composition, dispersibility stability becomes a problem. In this case, in order to stably disperse the pigment in the aqueous medium, a polymer dispersant, a surfactant or the like is generally used as the dispersant.
In addition, for the purpose of improving ejection stability, dispersion stability, printing density, color development, and the like, proposals have been made for inks using pigments whose surface has undergone some treatment. For example, in Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-319444, the surface of pigment particles is oxidized, and in Japanese Patent Publication No. 7-94634 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 8-59715, pigment fine particles are encapsulated. JP-A-8-302227, JP-A-8-302228, and JP-A-8-81647 propose a polymer obtained by graft polymerizing the surface of pigment particles.
[0006]
In addition to the above proposal, in order to improve the fixability of the pigment on the recording medium, for example, JP-A-8-218015 uses a pigment coated with a resin having a film-forming property at room temperature by a phase inversion emulsification method. In Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-31360, an ink using a pigment coated with an anionic group-containing organic polymer compound by an acid precipitation method is converted into polymer fine particles by a phase inversion emulsification method in Japanese Patent Application Laid-Open No. 9-286939. Inks using polymer emulsions impregnated with coloring materials have been proposed.
[0007]
In addition, many inks using conventional pigments have mainly been made to suppress the permeability so as to secure the print quality by keeping the pigment as a color material near the paper surface. However, this type of ink has a problem that the difference in bleeding due to the difference in paper type is large, and the adaptability to all paper types is low. In addition, it takes time to dry the printed portion, and there is a problem that adjacent colors are mixed in multicolor printing such as color printing.
[0008]
As means for solving such problems, the addition of a penetrant has been proposed in order to improve the permeability of ink into paper. For example, Japanese Patent Laid-Open No. 56-147861 proposes an example using triethylene glycol monomethyl ether, and Japanese Patent Laid-Open No. 9-111165 proposes an example using ethers of ethylene glycol, diethylene glycol or triethylene glycol. In addition, US Pat. No. 5,156,675 added diethylene glycol monobutyl ether, and US Pat. No. 5,183,502 added Surfynol 465 (manufactured by Nissin Chemical), an acetylene glycol-based surfactant. Has proposed the combined use of diethylene glycol monobutyl ether and Surfynol 465. Further, US Pat. No. 2,083,372 proposes to use ethers of diethylene glycol for the ink.
[0009]
Conventionally, inks using pigments are manufactured by dispersing pigments in an aqueous medium using a dispersing agent such as a surfactant or a polymer dispersing agent. It was not easy to improve the permeability of the ink by using the penetrant as described above while securing the property.
[0010]
In addition, when the pigment is dispersed using a dispersing agent such as a surfactant or a polymer dispersing agent, the dispersing agent is simply adsorbed on the pigment surface. In the case where the ink is to be improved, the dispersant adsorbed on the pigment is released due to the strong shearing force when the ink is ejected through the thin nozzle, so that the dispersibility is deteriorated and the ejection becomes impossible. May be stable. In addition, when such an ink is stored for a long time, the dispersibility of the pigment may tend to become unstable. As a countermeasure, a method of increasing the amount of the dispersant added can be considered, but in this case, the dispersant is not adsorbed on the pigment surface and has a higher probability of dissolving in the ink, and printed on plain paper or recycled paper. Occurrence of bleeding at the time and ink wetting around the nozzles are likely to cause unstable ejection. Furthermore, in the case of ink using a pigment dispersed using a dispersant such as a surfactant or a polymer dispersant, the pigment as a coloring component is printed on the paper fiber on the surface of the recording medium when printed on plain paper or recycled paper. Since there is a tendency not to remain on the surface, the print density cannot be obtained and the color development tends to be poor.
In general, a dispersant that has not been adsorbed on the pigment surface from the beginning and has dissolved in the liquid or a dispersant that has been detached from the pigment in the subsequent environment tends to increase the viscosity of the ink. In order to adjust to a range suitable for inkjet (range of 1 to 10 mPa · s), the pigment content must be limited. For this reason, a sufficient print density cannot be obtained on plain paper or recycled paper, and good color development cannot be obtained, so that it is difficult to realize high-quality print image quality. Further, when the ink is stored in the head for a long time, the dispersion stability may be deteriorated and it may be difficult to eject the ink from the nozzles of the printer.
[0011]
On the other hand, as an ink jet recording method, for example, JP-A-5-202328 discloses a method of applying an ink composition containing a dye having at least one carboxyl group after applying a polyvalent metal salt solution to a recording medium. Has been proposed. For example, in JP-A-6-106735, etc., in this method, an insoluble complex is formed from a polyvalent metal ion and a dye. The presence of this composite is said to be capable of obtaining a high-quality image having water resistance and no color bleed. Japanese Patent Laid-Open No. 63-299971 discloses a method in which a liquid composition containing an organic compound having two or more cationic groups per molecule is deposited on a recording medium and then recorded with an anionic dye-containing ink. It is disclosed in the gazette.
[0012]
Japanese Laid-Open Patent Publication No. 7-145336 proposes reducing the bleed by contacting a pigment ink in which a pigment is dispersed with a cationic AB block polymer and a pigment ink in which the pigment is dispersed in an anionic AB block polymer. Has been. In JP-A-8-80665, JP-A-9-20070, and JP-A-9-25442, polymer dispersants used in black ink and color ink are black with different polarities. A method of bringing ink into contact with color ink is disclosed, and it is said that suppression of feathering, reduction of boundary blur between adjacent different colors, and good color development can be obtained. Japanese Patent Laid-Open No. 10-183046 discloses a method of combining a black ink using a self-dispersing surface-treated pigment having a cationic group on the surface of carbon black and a color ink containing an anionic substance such as an anionic dye. Has been proposed, and a good color image without blur between colors can be realized.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is excellent not only in plain paper and recycled paper, but also in recording media such as coated paper, and has excellent color developability with high printing density without bleeding and color bleeding, and also excellent fixability. An object of the present invention is to provide an ink jet recording method capable of obtaining a high-quality image and having excellent dispersion stability, ejection stability and storage stability, and an ink set for ink jet recording used therefor.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
The inventorDerived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentA first ink composition comprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentBy an ink jet recording method comprising a step of bringing a second ink composition comprising at least a colorant containing a water-soluble organic solvent and water into contact with each other on a recording medium to form an aggregate. In addition, the inventors have found that a high-quality image having high color density and excellent color developability can be obtained with respect to a recording medium such as plain paper or recycled paper without bleeding or color bleeding.
Further, the “polymer having an anionic group” used in the colorant of the first ink composition is “a polymer further having a crosslinked structure” and / or the colorant of the second ink composition. In the ink jet recording method in which the “polymer having a cationic group” used in the above is a “polymer having a cross-linked structure”, there is no bleeding or color bleeding on a recording medium such as plain paper or recycled paper. It was found that a high-quality image having a high printing density and excellent color developability can be obtained.
[0015]
In addition, the present inventor generally adds “anionic polymer fine particles” to the first ink composition and / or “cationic polymer fine particles” to the second ink composition. Not only paper and recycled paper, but also all types of recording media such as coated paper, there is no bleeding, color bleeding, etc., high quality with high color density, excellent fixing properties, and scratch resistance The knowledge that an excellent image can be obtained was obtained.
[0016]
The present invention has been made based on these findings.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
<Embodiment According to Inkjet Recording Method of the Present Invention>
The recording method according to the first embodiment of the present invention comprises:Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentA first ink composition comprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentAnd a second ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water on a recording medium to form an aggregate.
According to the recording method of the first embodiment, a high-quality image having excellent color developability having a high print density and no bleeding or color bleeding on a recording medium such as plain paper or recycled paper is obtained. be able to.
[0018]
In the recording method according to the second embodiment of the present invention, the first ink composition further comprises anionic polymer fine particles.
That is,Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentA first ink composition comprising at least: a colorant comprising anionic polymer fine particles, a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentAnd a second ink composition containing at least a water-soluble organic solvent and water on a recording medium to form an aggregate.
According to the recording method according to the second embodiment, not only plain paper and recycled paper, but also all recording media such as coated paper are free from bleeding and color bleeding and have high color density. An image having excellent high quality and excellent fixability and scratch resistance can be obtained.
In the recording method according to the second embodiment of the present invention, “anionic polymer fine particles” are added to the first ink composition. Instead, “cationic polymer” is added to the second ink composition. The same effect can be obtained by adding “fine particles” or by adding “anionic polymer fine particles, cationic polymer fine particles” to both the first and second ink compositions. (However, in the latter case, polymer fine particles having the same ionicity as the colorant are added.)
[0019]
In the recording method according to the third embodiment of the present invention, the “polymer having an anionic group” used in the colorant of the first ink composition is “a polymer having a crosslinked structure (Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and having a crosslinked structure) ”, and the“ polymer having a cationic group ”used in the colorant of the second ink composition is a“ polymer having a crosslinked structure ”. (Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and having a cross-linked structure) ”.
That is,Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentA first ink composition comprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentAnd a second ink composition containing at least a water-soluble organic solvent and water on a recording medium to form an aggregate.
According to the recording method of the third embodiment, a high-quality image having high color density and excellent printability is obtained with no bleeding or color bleeding on a recording medium such as plain paper or recycled paper. be able to. In addition, by improving the resistance of the colorant to penetrants such as surfactants and glycol ethers, an ink composition having excellent storage stability can be obtained, and good quick-drying properties can be obtained.
[0020]
In the recording method according to the third embodiment of the present invention, both ink compositions are “polymers having a crosslinked structure”.PigmentIn another embodiment, one of the ink compositions contains “a colorant includingDerived from an anionic polymerizable surfactant or a cationic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group or a cationic group and having a crosslinked structure;PigmentAnd the other ink composition contains “a colorant including”.Derived from an anionic polymerizable surfactant or a cationic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group or a cationic group;PigmentIt is also possible to include a “colorant including”, and this also has the same effect as described above.
[0021]
The recording method according to the fourth embodiment of the present invention is the recording method according to the third embodiment, wherein the first ink composition further comprises anionic polymer fine particles.
That is,Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentAn ink composition comprising at least a colorant containing anionic polymer fine particles, a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentAnd a step of bringing an ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water into contact with each other on a recording medium to form an aggregate.
According to the recording method of the fourth embodiment, not only plain paper and recycled paper, but also all recording media such as coated paper are free from bleeding and color bleeding, and have high color density. An image having excellent high quality and excellent fixability and scratch resistance can be obtained. In addition, by improving the resistance of the colorant to penetrants such as surfactants and glycol ethers, an ink composition having excellent storage stability can be obtained, and good quick-drying properties can also be obtained. .
In the recording method according to the fourth embodiment of the present invention, “anionic polymer fine particles” are added to the first ink composition. Instead, “cationic polymer” is added to the second ink composition. The same effect can be obtained by adding “fine particles” or by adding “anionic polymer fine particles, cationic polymer fine particles” to both the first and second ink compositions. (However, in the latter case, polymer fine particles having the same ionicity as the colorant are added.)
[0022]
In the recording method according to the fourth embodiment of the present invention, both ink compositions are “polymers having a crosslinked structure”.PigmentIn another embodiment, one of the ink compositions contains “a colorant includingDerived from an anionic polymerizable surfactant or a cationic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group or a cationic group and having a crosslinked structure;PigmentAnd the other ink composition contains “a colorant including”.Derived from an anionic polymerizable surfactant or a cationic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group or a cationic group;PigmentIt is also possible to include a “colorant including”, and this also has the same effect as described above.
[0023]
<Embodiment According to Inkjet Recording Ink Set of the Present Invention>
On the other hand, the ink set according to the first embodiment of the present invention is:Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentA color ink composition comprising at least a colorant containing water, a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentA black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
[0024]
The ink set according to the second embodiment of the present invention comprises the color ink composition further comprising anionic polymer fine particles.
That is,Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentA color ink composition comprising at least an anionic polymer fine particle, a water-soluble organic solvent, and water,Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentA black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
In the ink set according to the second embodiment, “anionic polymer fine particles” are added to the color ink composition, but “cationic polymer fine particles” may be added to the black ink composition instead. In addition, “anionic polymer particles and cationic polymer particles” can be added to both the color ink composition and the black ink composition. (However, in the latter case, polymer fine particles having the same ionicity as the colorant are added.)
[0025]
In the ink set according to the third embodiment of the present invention, the “polymer having an anionic group” used in the colorant of the color ink composition is a polymer further having a crosslinked structure (Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and having a crosslinked structure) "and a" polymer having a cationic group "used in the colorant of the black ink composition is a polymer having a crosslinked structure (Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structure).
That is,Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentA color ink composition comprising at least a colorant containing water, a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentAnd a black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
[0026]
The ink set according to the fourth embodiment of the present invention is the ink set according to the third embodiment, further comprising anionic polymer fine particles in the color ink composition.
That is,Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentA color ink composition comprising at least an anionic polymer fine particle, a water-soluble organic solvent, and water,Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentA black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
In this ink set, “anionic polymer fine particles” are added to the color ink composition. Instead, “cationic polymer fine particles” can be added to the black ink composition. “Anionic polymer fine particles, cationic polymer fine particles” can be added to both the ink composition and the black ink composition. (However, in the latter case, polymer fine particles having the same ionicity as the colorant are added.)
[0027]
The ink set according to the fifth embodiment of the present invention is:Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentA color ink composition comprising at least a colorant containing water, a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentA black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
[0028]
The ink set according to the sixth embodiment of the present invention is the ink set according to the fifth embodiment, wherein the color ink composition further comprises anionic polymer fine particles.
That is,Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentA color ink composition comprising at least an anionic polymer fine particle, a water-soluble organic solvent, and water,Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentA black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water. In this ink set, “anionic polymer fine particles” are added to the color ink composition. Instead, “cationic polymer fine particles” can be added to the black ink composition. “Anionic polymer fine particles, cationic polymer fine particles” can be added to both the ink composition and the black ink composition. (However, in the latter case, polymer fine particles having the same ionicity as the colorant are added.)
In the ink set according to the sixth embodiment of the present invention, the color ink composition is “Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentA black ink composition comprisingDerived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentIn another embodiment, the color ink composition includes “a colorant that includes a colorant”.Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentA black ink composition containing “a colorant includingDerived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentIn addition, in this ink set, as described above, the “color ink composition and / or black ink composition” includes “anionic polymer fine particles and / or an ink set”. Alternatively, cationic polymer fine particles "can be added.
[0029]
The ink set according to the seventh embodiment of the present invention is:Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentA color ink composition comprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent, and water;Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentAnd a black ink composition comprising at least water-soluble organic solvent and water.
[0030]
The ink set according to the eighth embodiment of the present invention is the ink set according to the seventh embodiment, wherein the color ink composition further comprises cationic polymer fine particles.
That is,Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentA color ink composition comprising at least a colorant including a cationic polymer fine particle, a water-soluble organic solvent, and water;Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentAnd a black ink composition comprising at least water-soluble organic solvent and water. In this ink set, “cationic polymer particles” are added to the color ink composition in this ink set, but “anionic polymer particles” can be added to the black ink composition instead. Further, “cationic polymer fine particles, anionic polymer fine particles” can be added to both the color ink composition and the black ink composition. (However, in the latter case, polymer fine particles having the same ionicity as the colorant are added.)
[0031]
The ink set according to the ninth embodiment of the present invention is:Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentA color ink composition comprising at least a colorant containing water, a water-soluble organic solvent, and water;Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentAnd a black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
[0032]
The ink set according to the tenth embodiment of the present invention is the ink set according to the ninth embodiment described above, further comprising cationic polymer fine particles in the color ink composition.
That is,Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentA color ink composition comprising at least a colorant, a cationic polymer fine particle, a water-soluble organic solvent, and water;Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentA black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
In the ink set according to the tenth embodiment of the present invention, “cationic polymer fine particles” are added to the color ink composition. Instead, “anionic polymer fine particles” are added to the black ink composition. In addition, “cationic polymer particles, anionic polymer particles” can be added to both the color ink composition and the black ink composition. (However, in the latter case, polymer fine particles having the same ionicity as the colorant are added.)
[0033]
The ink set according to the eleventh embodiment of the present invention is:Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentA color ink composition comprising at least a colorant containing water, a water-soluble organic solvent, and water;Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentA black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
[0034]
The ink set according to the twelfth embodiment of the present invention is the ink set according to the eleventh embodiment, wherein the color ink composition further comprises cationic polymer fine particles.
That is,Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentA color ink composition comprising at least a colorant, a cationic polymer fine particle, a water-soluble organic solvent, and water;Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentAnd a black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
In the ink set according to the twelfth embodiment of the present invention, “cationic polymer particles” are added to the color ink composition, but “anionic polymer particles” are added to the black ink composition instead. In addition, “cationic polymer particles, anionic polymer particles” can be added to both the color ink composition and the black ink composition. (However, in the latter case, polymer fine particles having the same ionicity as the colorant are added.)
In the ink set according to the twelfth embodiment of the present invention, the color ink composition is “Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentA black ink composition comprisingDerived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentIn another embodiment, the color ink composition includes “a colorant that includes a colorant”.Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentA black ink composition containing “a colorant includingDerived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentIn addition, in the ink set, as described above, the color ink composition and / or the black ink composition may include “cationic polymer fine particles and / or anions”. ”Can also be added.
[0035]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail.
[0036]
“Including” in the present invention meansPigmentIs completely encased in a polymer.
[0037]
In the colorant of each embodiment,PigmentThe anionic group of the polymer including sulfonic group, sulfonic acid group, phospho group, carboxyl group,And those selected from the group consisting of these salts.
In the colorant of each aspect,PigmentThe cationic group of the polymer containing is selected from the group consisting of primary fatty amine salts, secondary fatty amine salts, tertiary fatty amine salts, and quaternary ammonium salts.
[0038]
The polymer is a vinyl polymer, poly (meth) acrylic acid ester, styrene- (meth) acrylic acid copolymer, polyester, polyamide, polyimide, polyurethane, amino polymer, silicon-containing polymer, sulfur-containing polymer, Examples thereof include fluorine-containing polymers, epoxy resins, and mixtures thereof.
[0039]
Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentThe colorant including the anionic group is a dispersant having an anionic group and a polymerizable group.PigmentIs dispersed in water and then emulsion polymerization is carried out in water in the presence of at least a copolymerizable monomer and a polymerization initiator. By producing the colorant by emulsion polymerization, the resulting colorant has a spherical shape with a uniform particle diameter, so that the viscosity of the ink can be reduced, and the Newtonian viscosity or a behavior close to that is obtained. It can be obtained relatively easily.
[0040]
As the dispersant having an anionic group and a polymerizable group, those obtained by introducing an anionic group and a polymerizable group into the following synthetic polymer can be used.
Specific examples of the synthetic polymer include polyvinyl alcohols; polyvinyl pyrrolidones; polyacrylic acid, acrylic acid-acrylonitrile copolymer, acrylic potassium-acrylonitrile copolymer, vinyl acetate-acrylic ester copolymer Acrylic resins such as styrene-acrylic acid copolymer, styrene-methacrylic acid copolymer, styrene-methacrylic acid-acrylic acid ester copolymer, styrene- (α- Styrene-acrylic resins such as methylstyrene) -acrylic acid copolymer, styrene- (α-methylstyrene) -acrylic acid-acrylic acid ester copolymer; styrene-maleic acid copolymer, styrene-maleic anhydride copolymer Polymer, vinyl naphthalene-acrylic acid copolymer, vinyl naphthalene-male Acid copolymer: vinyl acetate-ethylene copolymer, vinyl acetate-fatty acid vinyl ethylene copolymer, vinyl acetate-maleic acid ester copolymer, vinyl acetate-crotonic acid copolymer, vinyl acetate-acrylic acid copolymer And vinyl acetate copolymers thereof; and their salts. Among these, a copolymer of a monomer having a hydrophobic group and a monomer having a hydrophilic group, and a polymer comprising a monomer having both a hydrophobic group and a hydrophilic group in the molecular structure are particularly preferable.
Anionic groups are sulfone group, sulfonic acid group, phospho group, carboxyl groupTheExamples include an ocarboxyl group and the like, and salts thereof.
The polymerizable group may be a functional group that causes a polymerization reaction such as radical polymerization, polyaddition, polycondensation or the like. Examples of the radical polymerizable group include unsaturated hydrocarbon groups such as vinyl group, allyl group, acryloyl group, methacryloyl group, vinylidene group and vinylene group. Examples of the polyaddition reactive group include a hydroxyl group, an amino group, a mercapto group, a carboxyl group, and the like that react with an isocyanate group or an isothiocyanate group and these groups. The polycondensation reactive group is a functional group capable of a condensation reaction, and examples thereof include a carboxyl group, a hydroxyl group, an amino group, and an alkoxy group.
In a preferred embodiment of the present invention, the polymerizable group is preferably an unsaturated hydrocarbon group which is a radical polymerizable group, and the unsaturated hydrocarbon group includes a vinyl group, an allyl group, an acryloyl group, a methacryloyl group, a propenyl group, and a vinylidene group. The group is preferably selected from the group consisting of vinylene groups.
[0041]
According to a preferred embodiment of the present invention, the dispersant having a polymerizable group is preferably a polymerizable surfactant. The polymerizable surfactant has a hydrophobic group, a hydrophilic group and a polymerizable group in the molecule, and the hydrophilic group includes a sulfone group, a sulfonic acid group, a phospho group, a carboxyl group, a carbonyl group, a thiol group. It has at least an anionic group selected from the group consisting of a carboxyl group and a salt thereof. The polymerizable group is an unsaturated hydrocarbon group, and more specifically, selected from the group consisting of a vinyl group, an allyl group, an acryloyl group, a methacryloyl group, a propenyl group, a vinylidene group, and a vinylene group. Is preferred. Specific examples of such polymerizable surfactants include anionic allyl derivatives as described in JP-B-49-46291, JP-B-1-24142, and JP-A-62-104802. Anionic propenyl derivatives as described in JP-A-62-221431; anionic acrylics as described in JP-A-62-34947 and JP-A-55-11525 Acid derivatives; anionic itaconic acid derivatives as described in JP-B-46-34898 and JP-A-51-30284; JP-B-51-4157, JP-A-51-30284 Anionic maleic acid derivatives as described; Nonionic allyl derivatives as described in JP-A-62-104802 Nonionic propenyl derivatives as described in JP-A-62-100502; Nonionic acrylic acid derivatives as described in JP-A-56-28208; JP-B-59-12681 Nonionic itaconic acid derivatives as described in JP-A No. 59-74102, and nonionic maleic acid derivatives as described in JP-A-59-74102.
[0042]
The polymerizable surfactant isPigmentIt is advantageous in that it is easy to form encapsulated particles because it is adsorbed on the surface of the particles and has excellent dispersion stability (that is, it can prevent aggregation between particles) even under subsequent polymerization conditions. It is.
[0043]
In the present invention, the polymerizable surfactant is preferably a compound represented by the following formula (I) or formula (II).
The polymerizable surfactant represented by the formula (I) is disclosed in JP-A-5-320276 and JP-A-10-316909.
[0044]
[Chemical 1]
[0045]
By appropriately adjusting the values of R and n in the above formula (I),PigmentIt is possible to correspond to the degree of hydrophilicity or hydrophobicity of the surface. Specific examples of preferable polymerizable surfactants represented by the formula (I) include compounds represented by the following formulas (III) to (VI). These may be used alone or as a mixture of two or more.
[0046]
[Chemical 2]
[0047]
A commercial item can also be used for the polymerizable surfactant of the formula (I). For example, SE-10N of Adeka Soap SE series from Asahi Denka Co., Ltd.9H19, N is 10, M is NHFourAnd corresponds to the formula (III). SE-20N is SE-10N with n = 20.
[0048]
[Chemical 3]
[0049]
In a preferred embodiment of the present invention,PigmentA fine and stable encapsulated particle comprising a polymer of a polymerizable surfactant represented by the formula (I) or the formula (II) and a monomer copolymerizable with these polymerizable surfactants. Used. In another preferred embodiment of the present invention,PigmentAnd a polymer comprising a polymerizable surfactant represented by the formula (I) or the formula (II), a monomer copolymerizable with these polymerizable surfactants, and a crosslinkable monomer. Encapsulated particles are used.
TakePigmentThe fine and stable encapsulated particles are particularly stably dispersed in an aqueous medium. The polymerizable surfactant represented by formula (I) or formula (II) is:PigmentForming encapsulated particles because they are particularly excellent in the adsorptivity to the surface of the particles and the dispersion stability under the subsequent polymerization conditions (that is, they can prevent aggregation between particles). It is advantageous in that it is easy.
[0050]
The polymerizable surfactant can be used in addition to the above commercially available products. For example, Aqualon HS series (Aqualon HS-05, HS-10, HS-20, HS-1025), Aqualon RN series (RN-10, RN-20, RN-30, RN-50) from Daiichi Kogyo Seiyaku Co., Ltd. , RN-2025), New Frontier Series (New Frontier N-177E, S-510), Adeka Soap NE Series (NE-10, NE-20, NE-30, NE-40, NE-40) from Asahi Denka Co., Ltd. 50).
[0051]
The amount of polymerizable surfactant added isPigmentThe range of about 10 to 150% by weight is preferable, and the range of about 20 to 100% by weight is more preferable. By setting the addition amount to 10% or more, the dispersion stability of the ink composition can be improved. Moreover, by setting it as the addition amount of 150% or less,PigmentAnd the generation of a polymer other than the capsule particles can be prevented, and as a result, the ejection stability of the ink composition can be improved.
[0052]
As the crosslinkable monomer used in the present invention, any monomer can be used as long as it is highly copolymerizable with the polymerizable surfactant.
[0053]
As the copolymerizable monomer, a commonly used radical polymerizable monomer can be used. For example, styrene derivatives such as styrene and methyl styrene, dimethyl styrene, chloro styrene, dichloro styrene, prom styrene, P-chloromethyl styrene, dihinylbenzene; methyl acrylate, ethyl acrylate, n-butyl acrylate, butoxyethyl acrylate, Benzyl acrylate, phenyl acrylate, phenoxyethyl acrylate, cyclohexyl acrylate, dicyclopentanyl acrylate, dicyclopentenyl acrylate, dicyclopentenyloxyethyl acrylate, tetrahydrofurfuryl acrylate, isobornyl acrylate, 2-hydroxy Monofunctional acrylic esters such as ethyl acrylate, 2-hydroxypropyl acrylate, caprolactone acrylate, glycidyl acrylate Methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n-butyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, butoxymethyl methacrylate, benzyl methacrylate, phenyl methacrylate, phenoxyethyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, dicyclopentanyl methacrylate, dicyclopentenyl methacrylate Monofunctional methacrylic acid such as dicyclopentenyloxyethyl methacrylate, tetrahydrofurfuryl methacrylate, isobornyl methacrylate, 2-hydroxyethyl methacrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, 2-hydroxybutyl methacrylate, glycerol methacrylate, caprolactone methacrylate, glycidyl methacrylate Acid esters; allylbenzene, allyl-3 Allyl compounds such as cyclohexanepropionate, 1-allyl-3,4-dimethoxybenzene, allylphenoxyacetate, allylphenylacetate, allylcyclohexane, allyl polycarboxylic acid; esters of fumaric acid, maleic acid, itaconic acid; acrylonitrile , A monomer having a radical polymerizable group such as methacrylonitrile, N-substituted maleimide, and cyclic olefin.
[0054]
Since the polymerizable surfactant represented by the formula (I) is a monomer having a high electron donating property, the monomer to be used is preferably a monomer having a high electron accepting property. Specific examples of highly electron-accepting monomers include acrylonitrile, fumaronitrile, fumaric acid diesters such as dibutyl fumarate; maleic acid diesters such as dibutyl maleate; maleimides such as N-phenylmaleimide; and cyanide Vinylidene chloride and the like. These may be used alone or as a mixture of two or more.
[0055]
The addition amount of the monomer is preferably in the range of about 2 to 15 molar ratio, more preferably in the range of about 3 to 12 molar ratio with respect to the polymerizable surfactant. Capsules formed by adding more than 2 molar ratioPigmentThe particles have excellent dispersion stability in an aqueous medium. Moreover, by setting the addition amount to 15 mol ratio or less, the monomer can be sufficiently dissolved in the adsorption layer formed by the polymerizable interfacial binder, and the generation of water-insoluble polymer and the relatively ionic property can be achieved. Since it is possible to suppress a decrease in the amount of repulsive groups, the dispersion stability of the ink composition can be improved.
[0056]
In order to introduce an anionic group into the polymer, it is preferable to use a copolymerizable monomer having an anionic group. For example, examples of the acrylic monomer having a carboxyl group include acrylic acid, methacrylic acid, crotonic acid, ethylacrylic acid, propylacrylic acid, isopropylacrylic acid, itaconic acid, and fumaric acid. Among these, acrylic acid and methacrylic acid are preferable. Examples of the (meth) acrylic monomer having a sulfonic acid group include sulfoethyl methacrylate, butylacrylamidesulfonic acid, 2-acrylamido-2-methylpropanesulfonic acid, and the like. Examples of the (meth) acrylic monomer having a phospho group include phosphoethyl methacrylate.
[0057]
As the polymerization initiator, a water-soluble polymerization initiator of an inorganic peracid salt such as potassium persulfate, ammonium persulfate, sodium persulfate, potassium perphosphate, or sodium perborate is used.
[0058]
Furthermore, for the purpose of adjusting the degree of polymerization of the polymer, a polymerization regulator such as mercaptan, disulfide, or diazothioether can be used.
[0059]
In another embodiment of the present invention,Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentThe colorant includingPigmentIs dispersed in water with a dispersant having an anionic group and a polymerizable group and then emulsified in water in the presence of a polymerization initiator together with a monomer capable of copolymerizing with at least these polymerizable surfactants and a crosslinkable monomer. It can be obtained by carrying out polymerization.
[0060]
As the dispersant into which the anionic group and the polymerizable group are introduced, the same ones as described above can be used. Also in this embodiment, it is preferable to use a polymerizable surfactant as a dispersant having a polymerizable group. As the polymerizable surfactant, the same ones as described above can be used. As the copolymerizable monomer, the same monomers as described above can be used.
[0061]
As the crosslinkable monomer, a (meth) acrylic acid ester monomer having a crosslinkable reactive group is preferable, and examples thereof include a polymerizable monomer having a blocked isocyanate group, a monomer having an epoxy group, 1,3-dioxolane-2- And monomers having an on-4-yl group. The polymerizable monomer having a blocked isocyanate group can be easily obtained by, for example, subjecting a polymerizable monomer having an isocyanate group such as 2-methacryloyloxyethyl isocyanate to an addition reaction with a known blocking agent.
It can also be produced by subjecting a vinyl copolymer having a hydroxyl group and a carboxyl group to an addition reaction of a compound having an isocyanate group and a blocked isocyanate group. Examples of the monomer having an epoxy group include glycidyl (meth) acrylate and (meth) acrylate monomer having an alicyclic epoxy group. Examples of the monomer having a 1,3-dioxolan-2-one-4-yl group include 1,3-dioxolan-2-one-4-ylmethyl (meth) acrylate, 1,3-dioxolan-2-one- 4-ylmethyl vinyl ether and the like can be mentioned.
[0062]
When the crosslinking reactive group of the polymer is a glycidyl group, a compound having two or more functional groups of at least one selected from an amino group, a carboxyl group, a hydroxyl group, an N-methylol group, and an N-methylol ether group. It is preferable to use, for example, aliphatic amines such as ethyleneamine group, N-aminoethylpiperazine, metaxylenediamine, 1,3-bis (aminomethyl) cyclohexane, polyamide; paramenthanediamine, mesophoronediamine, bis ( Cycloaliphatic amines such as 4-amino-3-methylcyclohexyl) methane and 2-ethyl-4-methylimidazole; metaphenylenediamine, 4,4′-diaminodiphenylamine, 4,4′-diaminodiphenylsulfone, dicyandiamide, etc. Aromatic amines: phthalic anhydride, pyromellitic anhydride, na And acid anhydrides such as dic acid anhydride.
[0063]
When the cross-linking reactive group of the polymer is an isocyanate group, it is preferable to use a compound having two or more functional groups selected from a carboxyl group, a hydroxyl group, an amino group, and a mercapto group. Polyols such as ether polyol, polytetramethylene ether glycol, alkylene oxide copolymer polyol, epoxy resin modified polyol, lactone polyester polyol, condensation polyester polyol, polycarbonate diol, acrylic polyol, polybutadiene polyol, phosphorus-containing polyol, halogen-containing polyol Polyether polyamine, polytetramethylene ether diamine, alkylene oxide copolymer polyamine, epoxy-modified polyamine, condensation polyester polyamine, polycarbo Polyamines such as polyamines and acrylic polyamines; polyether polythiols, polytetramethylene ether dithiols, alkylene oxide copolymerized polythiols, epoxy resin modified polythiols, lactone polyester polythiols, condensed polyester polythiols, polycarbonate dithiols, acrylic polythiols, polybutadiene polythiols, And polythiols such as phosphorus polythiol and halogen-containing polythiol.
[0064]
When the crosslinking reactive group of the polymer is a hydroxyl group, it is preferable to use a compound having two or more functional groups of at least one selected from a glycidyl group and an isocyanate group.
[0065]
When the cross-linking reactive group of the polymer is an unsaturated hydrocarbon group, one or more unsaturated hydrocarbons selected from a vinyl group, an allyl group, an acryloyl group, a methacryloyl group, a propenyl group, a vinylidene group, and a vinylene group It is preferable to use a compound having two or more groups, for example, ethylene glycol diacrylate, diethylene glycol diacrylate, triethylene glycol diacrylate, tetraethylene glycol diacrylate, polyethylene glycol diacrylate, allyl acrylate, bis (acryloxyethyl) Hydroxyethyl isocyanurate, bis (acryloxy neopentyl glycol) adipate, 1,3-butylene glycol diacrylate, 1,6-hexanediol diacrylate, neopentyl glycol diacrylate , Propylene glycol diacrylate, polypropylene glycol diacrylate, 2-hydroxy-1,3-diacryloxypropane, 2,2-bis [4- (acryloxy) phenyl] propane, 2,2-bis [4- (Acryloxyethoxy) phenyl] propane, 2,2-bis [4- (acryloxyethoxy diethoxy) phenyl] propane, 2,2-bis [4- (acryloxyethoxy polyethoxy) phenyl] propane, hydroxybivalin Acid neopentyl glycol diacrylate, 1,4-butanediol diacrylate, dicyclopentanyl diacrylate, dipentaerythritol hexaacrylate, dipentaerythritol monohydroxypentaacrylate, ditrimethylolpropane tetraacrylate, pentae Thritol triacrylate, tetrabromobisphenol A diacrylate, triglycerol diacrylate, trimethylolpropane triacrylate, tris (acryloxyethyl) isocyanurate, ethylene glycol dimethacrylate, diethylene glycol dimethacrylate, triethylene glycol dimethacrylate, tetraethylene glycol Dimethacrylate, polyethylene glycol dimethacrylate, propylene glycol dimethacrylate, polypropylene glycol dimethacrylate, 1,3-butylene glycol dimethacrylate, 1,4-butanediol dimethacrylate, 1,6-hexanediol dimethacrylate, neopentyl glycol dimethacrylate 2-hydroxy-1,3-dimethacrylo Cypropane, 2,2-bis [4- (methacryloxy) phenyl] propane, 2,2-bis [4- (methacryloxyethoxy) phenyl] propane, 2,2-bis [4- (methacryloxyethoxydiethoxy) phenyl ] Propane, 2,2-bis [4- (methacryloxyethoxypolyethoxy) phenyl] propane, tetrabromobisphenol A dimethacrylate, dicyclopentanyl dimethacrylate, dipentaerythritol hexamethacrylate, glycerol dimethacrylate, hydroxybivalic acid Neopentyl glycol dimethacrylate, dipentaerythritol monohydroxypentamethacrylate, ditrimethylolpropane tetramethacrylate, pentaerythritol trimethacrylate, pentaerythritol tetramethacrylate Examples thereof include rate, triglycerol dimethacrylate, trimethylolpropane trimethacrylate, tris (methacryloxyethyl) isocyanurate, allyl methacrylate, divinylbenzene, diallyl phthalate, diallyl terephthalate, diallyl isophthalate, and diethylene glycol bisallyl carbonate.
[0066]
The addition amount of the crosslinkable monomer is preferably in the range of 0.1 to 50% by weight, more preferably in the range of 0.1 to 10% by weight as the constituent ratio of the inclusion polymer. When it is less than 0.1% by weight, when used in combination with a penetrant such as glycol ether, an increase in viscosity over a long period of time, nozzle clogging, and poor discharge stability may occur, which is not preferable. On the other hand, if it exceeds 50% by weight, the desired colorant is hardly obtained, which is not preferable.
[0067]
Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentThe colorant including the above is a dispersant having a cationic group and a polymerizable group.PigmentCan be obtained by carrying out emulsion polymerization in water in the presence of at least a monomer (copolymerizable monomer) that can be copolymerized with these polymerizable surfactants and a polymerization initiator in water. .
[0068]
As the dispersant having a cationic group and a polymerizable group, those obtained by introducing a cationic group and a polymerizable group into the following synthetic polymer can be used. Specific examples of the synthetic polymer include those similar to the above-described synthetic polymer having an anionic group and a polymerizable group. Similar to the dispersant having an anionic group and a polymerizable group, the dispersant having a cationic group and a polymerizable group may be a copolymer of a monomer having a hydrophobic group and a monomer having a hydrophilic group, or A polymer comprising a monomer having both a hydrophobic group and a hydrophilic group in the molecular structure is preferred. Examples of the cationic group include primary fatty amine salts, secondary fatty amine salts, tertiary fatty amine salts, and quaternary ammonium salts.
The polymerizable group may be a functional group that causes a polymerization reaction such as radical polymerization, polyaddition, polycondensation or the like. Specific examples thereof are the same as those of the dispersant having an anionic and polymerizable group described above.
[0069]
According to a preferred embodiment, the dispersant having a polymerizable group is preferably a polymerizable surfactant. The polymerizable surfactant used has a hydrophobic group, a hydrophilic group, and a polymerizable group in the molecule, and the hydrophilic group includes a primary fatty amine salt, a secondary fatty amine salt, and a tertiary fat. At least a cationic group selected from the group consisting of amine salts and quaternary ammonium salts, and selected from the group consisting of vinyl groups, allyl groups, acryloyl groups, methacryloyl groups, propenyl groups, vinylidene groups and vinylene groups It is preferable to have an unsaturated hydrocarbon group.
Specific examples of such a polymerizable surfactant include 2-hydroxy-3-methacryloxypropyltrimethylammonium chloride in addition to a cationic allylic acid derivative as described in JP-B-4-65824. Methacrylic acid dimethylaminoethyl methyl chloride salt, methacrylic acid dimethylaminoethyl benzyl chloride salt, and the like.
[0070]
As described above, the polymerizable surfactant isPigmentIt is advantageous in that it is easy to form encapsulated particles because it is adsorbed on the surface of the particles and is excellent in dispersion stability (that is, it can prevent aggregation between particles) even under subsequent polymerization conditions. It is.
[0071]
The amount of polymerizable surfactant added isPigmentThe range of about 10 to 150% by weight is preferable, and the range of about 20 to 100% by weight is more preferable. By setting the addition amount to 10% or more, the dispersion stability of the ink composition can be improved. Moreover, by setting it as the addition amount of 150% or less,PigmentAnd the generation of a polymer other than the capsule particles can be prevented, and as a result, the ejection stability of the ink composition can be improved.
[0072]
As the copolymerizable monomer, the aforementionedDerived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentCommonly used radical polymerizable monomers can be used in the same manner as those used in the production of a colorant including
[0073]
A copolymer having a cationic group selected from the group consisting of a primary fatty amine salt, a secondary fatty amine salt, a tertiary fatty amine salt, and a quaternary ammonium in order to introduce a cationic group into the polymer. It is preferable to use a monomer. For example, N, N′-dimethylacrylamide, N, N′-dimethylaminoethyl acrylate, N, N′-dimethylaminoethyl methacrylate, N, N′-diethylaminoethyl methacrylate, N, N′-dimethylaminopropyl acrylamide, methacryl Examples thereof include dimethylaminoethyl methyl chloride salt and dimethylaminoethyl benzyl chloride methacrylate salt.
[0074]
The addition amount of the monomer is preferably in the range of about 2 to 15 molar ratio, more preferably in the range of about 3 to 12 molar ratio with respect to the polymerizable surfactant. Capsules formed by adding more than 2 molar ratioPigmentThe particles have excellent dispersion stability in an aqueous medium. Further, by setting the addition amount to 15 mol ratio or less, the monomer can be sufficiently dissolved in the polymerizable interfacial binder adsorbing layer, generating water-insoluble polymer, and the amount of relatively ionic repulsion groups. Can be suppressed, so that the dispersion stability of the ink composition can be improved.
[0075]
As the polymerization initiator, 2,2′-azobis (2-methylpropionamidine) dihydrochloride, 2,2′-azobis (2-amidinopropane) dihydrochloride, 2,2′-azobis [2- (5 -Methyl-2-imidazolin-2-yl) propane] dihydrochloride, 2,2'-azobis [2- (2-imidazolin-2-yl) propane] dihydrochloride, 2,2'-azobis [2- Methyl-N- [1,1-bis (hydroxymethyl) -2-hydroxyethyl] propionamide], 2,2′-azobis [2-methyl-N- (2-hydroxyethyl) propionamide], or 4 Any of the water-soluble radical polymerization initiators of 4'-azobis (4-cyanovaleric acid) can be used. In addition, the addition amount of a catalyst is determined suitably.
[0076]
Furthermore, for the purpose of adjusting the degree of polymerization of the polymer, a polymerization regulator such as mercaptan, disulfide, or diazothioether can be used.
[0077]
In another embodiment of the present invention,Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentThe colorant including the above is a dispersant having a cationic group and a polymerizable group.PigmentIs dispersed in water and then subjected to emulsion polymerization in water in the presence of a polymerization initiator together with at least a monomer that can be copolymerized with these polymerizable surfactants and a crosslinkable monomer.
[0078]
As the dispersant into which the cationic group and the polymerizable group are introduced, the same ones as described above can be used. Also in this embodiment, it is preferable to use a polymerizable surfactant as a dispersant having a polymerizable group. This polymerizable surfactant has a hydrophobic group, a hydrophilic group, and a polymerizable group in the molecule in the same manner as described above, and includes a primary fatty amine salt, a secondary fatty amine in the hydrophilic group. At least a cationic group selected from the group consisting of a salt, a tertiary fatty amine salt, and a quaternary ammonium salt, and a vinyl group, an allyl group, an acryloyl group, a methacryloyl group, a propenyl group, a vinylidene group, and a vinylene group Those having an unsaturated hydrocarbon group selected from the group consisting of can be used. As the copolymerizable monomer, the same monomers as described above can be used.
[0079]
As the crosslinkable monomer, a (meth) acrylic acid ester monomer having a crosslinkable reactive group is preferable, and as the (meth) acrylic acid ester monomer having a crosslinkable reactive group, the same ones as described above can be used.
[0080]
The addition amount of the crosslinkable monomer is preferably in the range of 0.1 to 50% by weight, more preferably in the range of 0.1 to 10% by weight as the constituent ratio of the inclusion polymer. When the amount is less than 0.1% by weight, it is not preferable because, when used in combination with a penetrant such as glycol ether, a long-term increase in viscosity, nozzle clogging, poor discharge stability, and the like occur. On the other hand, if it exceeds 50% by weight, the desired colorant is hardly obtained, which is not preferable.
[0083]
The pigment used in the present invention is not particularly limited, and both inorganic pigments and organic pigments can be used.
As the inorganic pigment, carbon black such as titanium oxide, iron oxide, furnace black, lamp black, acetylene black and channel black can be used. Organic pigments include azo pigments (including azo lakes, insoluble azo pigments, condensed azo pigments, chelate azo pigments), polycyclic pigments (phthalocyanine pigments, perylene pigments, perinone pigments, anthraquinone pigments, quinacridone pigments, dioxane pigments. Thioindigo pigments, isoindolinone pigments, quinofuranone pigments, etc.), dye chelates (basic dye type chelates, acidic dye type chelates, etc.), nitro pigments, nitroso pigments, aniline black, and the like.
[0084]
More specifically, the following carbon black is exemplified as the pigment used as the black ink. Mitsubishi Chemical No.2300, No.900, MCF88, No.33, No.40, No.45, No.52, MA7, MA8, MA100, No.2200B, etc. are manufactured by Columbia. Raven 5750, Raven 5250, Raven 5000, Raven 3500, Raven 1255, Raven 700 etc. are Cabot's Regal 400R, Regal 330R, Regal 660R, Mogul L, Monarch 700, Monarch 800, Monarch 880, Monarch 900, Monarch 1000 , Monarch 1100, Monarch 1300, Monarch 1400, etc. are Degussa Color Black FW1, Color Black FW2, Color Black FW2V, Color Black FW18, Color Black FW200, Color Black S150, Color Black S160, Color Black S170, Printex 35 , Printex U, Printex V, Printex 140U, Special Black 6, Special Black 5, Special Black 4A, Special Black 4, etc. can be used.
As pigments used in yellow ink, CIPigment Yellow 1, CIPigment Yellow 2, CIPigment Yellow 3, CIPigment Yellow 12, CIPigment Yellow 13, CIPigment Yellow 14C, CIPigment Yellow 16, CIPigment Yellow 17, CIPigment Yellow 73, CIPigment Yellow 74, CIPigment Yellow 75, CIPigment Yellow 83, CIPigment Yellow 93, CIPigment Yellow 95, CIPigment Yellow 97, CIPigment Yellow 98, CIPigment Yellow 109, CIPigment Yellow 110, CIPigment Yellow 114, CIPigment Yellow 128, CIPigment Yellow 129, CIPigment Yellow 138, CIPigment Yellow 151, CIPigment Yellow 154, CIPigment Yellow 155, CIPigment Yellow 180, CIPigment Yellow 185 and the like.
The pigments used in magenta ink include CIPigment Red 5, CIPigment Red 7, CIPigment Red 12, CIPigment Red 48 (Ca), CIPigment Red 48 (Mn), CIPigment Red 57 (Ca), CI Pigment Red 57: 1, CIPigment Red 112, CIPigment Red 123, CIPigment Red 168, CIPigment Red 184, CIPigment Red 202, and the like.
Pigments used in cyan ink include CIPigment Blue 1, CIPigment Blue 2, CIPigment Blue 3, CIPigment Blue 15: 3, CIPigment Blue 15:34, CIPigment Blue 16, CIPigment Blue 22, CI Pigment Blue 60, CIVat Blue 4, CIVat Blue 60, etc. are mentioned.
[0085]
However, the black ink is carbon black, the cyan ink is CIPigment Blue 15: 3, the magenta ink is CIPigment Red 122, the yellow ink is CIPigment Yellow 73, and CIPigment Yellow. 109, CIPigment Yellow 110, CIPigment Yellow 128, CIPigment Yellow 129, CIPigment Yellow 138, CIPigment Yellow 150, CIPigment Yellow 151, CIPigment Yellow 154, CIPigment Yellow 155, CIPigment Yellow 180, CIPigment Yellow 180 One or more selected from 185 can be preferably used.
[0086]
A colorant including a pigment in a polymer obtained from the polymerizable surfactant of the present invention and a monomer copolymerizable with these polymerizable surfactants can be manufactured as follows.
[0087]
Immobilization of a polymerizable surfactant on a pigment, that is, encapsulation of a pigment, is performed by adding the pigment and the polymerizable surfactant to an aqueous organic solvent and / or water, and dispersing the ultrasonic wave, ball mill, sand grinder or the like. After wet pulverization by a machine, another copolymerizable monomer and a polymerization initiator are added while continuing the pulverization treatment as necessary, and a polymerization reaction is performed at 40 to 100 ° C. for 10 to 60 hours. This makes it possible to obtain encapsulated pigment particles including a pigment with a polymer. The addition amount of the polymerization initiator is preferably 0.1 to 10% by weight, more preferably 1 to 5% by weight with respect to the monomer. More preferably, it can be produced according to the production method described in JP-A-10-316909.The
[0088]
In another aspect of the present invention, a pigment is included in a polymer having a crosslinked structure obtained from a polymerizable surfactant, a monomer (copolymerizable monomer) that can be copolymerized with the polymerizable surfactant, and a crosslinkable monomer. The colorant produced can be produced as follows.
[0089]
Immobilization of a polymerizable surfactant on the pigment, that is, encapsulation of the pigment is achieved by adding the pigment and the polymerizable surfactant to an aqueous organic solvent and / or water, and dispersing the ultrasonic wave, ball mill, sand grinder or the like. After wet pulverization by a machine, a crosslinkable monomer, another copolymerizable monomer and a polymerization initiator are added while continuing the pulverization treatment as necessary, and a polymerization reaction is performed at 40 to 100 ° C. for 10 to 60 hours. . As a result, encapsulated pigment particles including a pigment with a polymer having a crosslinked structure can be obtained. The addition amount of the polymerization initiator is preferably 0.1 to 10% by weight, more preferably 1 to 5% by weight with respect to the monomer. More preferably, it can be produced according to the production method described in JP-A-10-316909.
Also for oil-soluble dyes, encapsulated colorant particles containing oil-soluble dyes with a polymer having a crosslinked structure can be obtained by the same method as described above.
[0090]
In addition, a method for immobilizing a polymer dispersant having a polymerizable group on a pigment, that is, a method for encapsulating a pigment, can also be performed in accordance with the above-described method.
[0091]
The addition amount of the colorant of the present invention is preferably 0.5 to 30% by weight, more preferably 1.0 to 12% by weight. If the addition amount is 0.5% by weight or less, the print density cannot be secured, and if the addition amount is 30% by weight or more, the viscosity of the ink tends to increase and the ejection stability tends to deteriorate, which is not appropriate. The particle size of the colorant is preferably 400 nm or less, more preferably 200 nm or less.
[0092]
The polymer fine particles used in the present invention are polymer component fine particles. The polymer fine particles are preferably used in the form of an aqueous dispersion in which the continuous phase is water and the polymer fine particles are dispersed particles. Such an aqueous dispersion may also be referred to as “polymer emulsion”, “aqueous emulsion”, “aqueous emulsion”, “latex”, “resin emulsion”, or “microemulsion”.
[0093]
In the present invention,Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentThe fine polymer particles used together with the colorant including a mono-particle structure and a multi-layer structure such as a core-shell structure may have a sulfonic group, a sulfonic acid group, a carboxyl group on the surface thereof.,And an anionic group such as a salt or a hydroxyl group thereof. Also,Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentThe fine polymer particles used together with the colorant including the above may also have a single particle structure or a multi-layer structure such as a core-shell structure, and a primary fatty amine salt, a secondary fatty amine salt, a tertiary fatty amine salt on the surface thereof. And having a cationic group equivalent to a quaternary ammonium salt. In the case of the core-shell structure, these functional groups are preferably present in the shell layer. These groups may be present in the monomer structure in the production method described later, or may be added to the surface of the polymer fine particles by graft polymerization or the like.
[0094]
In the present invention, the core-shell structure means a form in which two or more kinds of polymers having different compositions are present in phase separation in the particles. Therefore, the shell portion may not only cover the core portion completely, but may cover a portion of the core portion. Further, a part of the shell polymer may form a domain or the like in the core particle. Furthermore, it may have a multilayer structure of three or more layers including layers having different compositions in the middle between the core portion and the shell portion.
[0095]
When the ionicity of the colorant and the polymer fine particle is different, the colorant and the polymer fine particle are aggregated and cannot be used in the same system. Both the color ink and the black ink can further include polymer fine particles having the same ionicity as the colorant in the same system (the same ink). Color inks and black inks with different ionic properties that further contain fine polymer particles are faster to form aggregates when contacted on the recording medium than with the colorant alone, and more likely to cause bleeding and color bleeding. This is thought to be difficult to occur.
[0096]
As the fine polymer particles used in the present invention, those having film-forming properties are preferably used. “Film-forming” means that when polymer particles are dispersed in water to form a polymer emulsion, a polymer film is formed when the water component, which is the continuous phase of the polymer emulsion, is evaporated. means. The ink composition to which the polymer fine particles are added has a property that a polymer film is formed in the same manner as described above when water or an aqueous organic solvent is removed from the periphery of the polymer fine particles. This polymer film plays a role of firmly fixing the colorant in the ink composition to the surface of the recording medium. As a result, it is considered that an image having excellent fixability and scratch resistance can be realized.
[0097]
The glass transition point of the polymer constituting the polymer fine particles of the present invention is preferably 30 ° C. or lower, preferably 25 ° C. or lower, more preferably 20 ° C. or lower. Film formation is possible at room temperature when the glass transition point of the polymer constituting the polymer fine particle is in the above range. The glass transition point of the polymer constituting the polymer fine particle is determined by evaporating the aqueous medium of the polymer emulsion to make only the polymer, placing it in a sample container, setting it in a differential scanning calorimeter (DSC), and -20 ° C to 40 ° C. C. is heated at a rate of temperature increase of 5.degree. C./min and determined from a differential heat curve.
Further, the minimum film forming temperature of the polymer emulsion comprising the polymer fine particles of the present invention is 30 ° C. or less, preferably room temperature (about 25 ° C. or less), more preferably 20 ° C. or less. If the film formation of the polymer emulsion can be performed at 30 ° C. or less, the film formation on the printing surface automatically proceeds at room temperature or lower without heating and drying the printed recording medium, thereby strengthening the colorant. This is preferable because it is fixed on a recording medium. The minimum film formation temperature refers to the lowest temperature at which a transparent continuous film is formed when the polymer emulsion is cast thinly on a metal plate such as aluminum and the temperature is raised. A white powder is formed in the temperature range below the minimum film formation temperature.
[0098]
The polymer fine particles of the present invention are preferably composed of a polymer component having both a hydrophilic portion and a hydrophobic portion. The weight average molecular weight of the polymer fine particles is 5000 or more, preferably 10,000 or more. The weight average molecular weight of the polymer fine particles is measured by gel permeation chromatography (GPC) by dissolving the polymer obtained after removing the water component of the polymer emulsion in an organic solvent such as tetrahydrofuran. The molecular weight calibration is performed using monodisperse polystyrene.
The average particle size of the polymer emulsion is preferably 400 nm or less, more preferably 100 to 200 nm, and still more preferably 10 to 100 nm. The average particle size of the polymer fine particles may be measured by a general method. In particular, a value measured by a laser scattering method is preferably used.
[0099]
As the main component of the polymer fine particles of the present invention, acrylic copolymer, styrene-acrylic copolymer, styrene-butadiene copolymer, polybutadiene, polyisoprene, acrylonitrile-butadiene copolymer, chloroprene copolymer, polyolefin, Examples thereof include polystyrene, ethylene-vinyl acetate copolymer, polyamide, polyurethane, and silicon-containing polymer.
[0100]
According to a preferred embodiment of the present invention, the contact angle on the Teflon plate of a polymer emulsion in which polymer fine particles are dispersed in water at a concentration of 10% by weight is about 70 ° or more, more preferably about 80 ° or more. . Furthermore, the surface tension of the polymer emulsion in which the polymer emulsion in which the polymer fine particles are dispersed in water so that the concentration is 35% by weight is 35% by weight is 40 × 10-3N / m (20 ° C.), preferably 50 × 10-3N / m (20 ° C.) or more is preferable. By using such polymer fine particles, it is possible to prevent the flight bending in the ink jet recording method and to perform good printing.
[0101]
According to a preferred embodiment of the present invention, the polymer fine particle comprises 1 to 10% by weight of a structure derived from an unsaturated vinyl monomer having a carboxyl group, and has a crosslinkability having two or more polymerizable double bonds. It preferably has a structure crosslinked with a monomer and contains 0.2 to 4% by weight of a structure derived from a crosslinkable monomer. This polymer fine particle retains the film formability and does not cause dissolution of the polymer component or swelling of the polymer by an organic solvent used in the ink, particularly glycol ethers such as diethylene glycol monobutyl ether and triethylene glycol monobutyl ether. It exhibits excellent solvent resistance, and the phenomenon that the ink composition wets the surface of the nozzle plate is less likely to occur, flight bending can be further prevented, and ejection stability can be further improved.
By using a crosslinkable polymer obtained by copolymerizing three or more crosslinkable monomers having two or more polymerizable double bonds, more preferably three or more, when polymer fine particles are polymerized, the surface of the nozzle plate becomes ink. The composition makes it harder to get wet, prevents flight bending more, and improves discharge stability.
[0102]
The polymer emulsion of the present invention can be obtained by mixing a water, a monomer, an emulsifier, and a polymerization initiator to perform emulsion polymerization, and then adding a pH adjuster to adjust a desired pH. . In the present invention, the polymer fine particles forming the dispersed phase of the polymer emulsion are produced by the above method.
[0103]
As the monomer, a generally used radical polymerizable monomer can be used. For example, styrene derivatives such as styrene and methyl styrene, dimethyl styrene, chloro styrene, dichloro styrene, prom styrene, P-chloromethyl styrene, dihinylbenzene; methyl acrylate, ethyl acrylate, n-butyl acrylate, butoxyethyl acrylate, Benzyl acrylate, phenyl acrylate, phenoxyethyl acrylate, cyclohexyl acrylate, dicyclopentanyl acrylate, dicyclopentenyl acrylate, dicyclopentenyloxyethyl acrylate, tetrahydrofurfuryl acrylate, isobornyl acrylate, 2-hydroxy Monofunctional acrylic esters such as ethyl acrylate, 2-hydroxypropyl acrylate, caprolactone acrylate, glycidyl acrylate Methyl methacrylate, ethyl methacrylate, n-butyl methacrylate, 2-ethylhexyl methacrylate, butoxymethyl methacrylate, benzyl methacrylate, phenyl methacrylate, phenoxyethyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, dicyclopentanyl methacrylate, dicyclopentenyl methacrylate Monofunctional methacrylic acid such as dicyclopentenyloxyethyl methacrylate, tetrahydrofurfuryl methacrylate, isobornyl methacrylate, 2-hydroxyethyl methacrylate, 2-hydroxypropyl methacrylate, 2-hydroxybutyl methacrylate, glycerol methacrylate, caprolactone methacrylate, glycidyl methacrylate Acid esters; allylbenzene, allyl-3 Allyl compounds such as cyclohexanepropionate, 1-allyl-3,4-dimethoxybenzene, allylphenoxyacetate, allylphenylacetate, allylcyclohexane, allyl polycarboxylic acid; esters of fumaric acid, maleic acid, itaconic acid; acrylonitrile , A monomer having a radical polymerizable group such as methacrylonitrile, N-substituted maleimide, and cyclic olefin.
[0104]
As monomers that impart anionic properties to the polymer fine particles, monomers having a carboxyl group, sulfonic acid group, phospho group, etc., for example, acrylic monomers having a carboxyl group include acrylic acid, methacrylic acid, crotonic acid, ethylacrylic acid, Examples thereof include propylacrylic acid, isopropylacrylic acid, itaconic acid, and fumaric acid. Examples of the (meth) acrylic monomer having a sulfonic acid group include sulfoethyl methacrylate, butylacrylamidesulfonic acid, and 2-acrylamido-2-methylpropanesulfonic acid. Examples of the (meth) acrylic monomer having a phospho group include phosphoethyl methacrylate.
[0105]
Examples of the monomer that imparts a cationic group to the polymer fine particle include a monomer having a cationic group selected from the group consisting of a primary fatty amine salt, a secondary fatty amine salt, a tertiary fatty amine salt, and a quaternary ammonium. Specifically, N, N′-dimethylacrylamide, N, N′-dimethylaminoethyl acrylate, N, N′-dimethylaminoethyl methacrylate, N, N′-diethylaminoethyl methacrylate, N, N′-dimethyl Examples include aminopropylacrylamide, dimethylaminoethyl methyl chloride salt, and dimethylaminoethyl benzyl methacrylate salt.
[0106]
Crosslinkable monomers include ethylene glycol diacrylate, diethylene glycol diacrylate, triethylene glycol diacrylate, tetraethylene glycol diacrylate, polyethylene glycol diacrylate, allyl acrylate, bis (acryloxyethyl) hydroxyethyl isocyanurate, bis (acryloxy). Neopentyl glycol) adipate, 1,3-butylene glycol diacrylate, 1,6-hexanediol diacrylate, neopentyl glycol diacrylate, propylene glycol diacrylate, polypropylene glycol diacrylate, 2-hydroxy-1,3-dia Acryloxypropane, 2,2-bis [4- (acryloxy) phenyl] propane, 2,2-bis [4- (acryloxye) Toxi) phenyl] propane, 2,2-bis [4- (acryloxyethoxy diethoxy) phenyl] propane, 2,2-bis [4- (acryloxyethoxy polyethoxy) phenyl] propane, neopentyl hydroxybivalate Glycol diacrylate, 1,4-butanediol diacrylate, dicyclopentanyl diacrylate, dipentaerythritol hexaacrylate, dipentaerythritol monohydroxypentaacrylate, ditrimethylolpropane tetraacrylate, pentaerythritol triacrylate, tetrabromobisphenol A di Acrylate, triglycerol diacrylate, trimethylolpropane triacrylate, tris (acryloxyethyl) isocyanurate, ethylene glycol dimethacrylate Relate, diethylene glycol dimethacrylate, triethylene glycol dimethacrylate, tetraethylene glycol dimethacrylate, polyethylene glycol dimethacrylate, propylene glycol dimethacrylate, polypropylene glycol dimethacrylate, 1,3-butylene glycol dimethacrylate, 1,4-butanediol dimethacrylate 1,6-hexanediol dimethacrylate, neopentyl glycol dimethacrylate, 2-hydroxy-1,3-dimethacryloxypropane, 2,2-bis [4- (methacryloxy) phenyl] propane, 2,2-bis [ 4- (methacryloxyethoxy) phenyl] propane, 2,2-bis [4- (methacryloxyethoxydiethoxy) phenyl] propane, 2,2-bis [ -(Methacryloxyethoxypolyethoxy) phenyl] propane, tetrabromobisphenol A dimethacrylate, dicyclopentanyl dimethacrylate, dipentaerythritol hexamethacrylate, glycerol dimethacrylate, hydroxybivalate neopentyl glycol dimethacrylate, dipentaerythritol mono Hydroxypentamethacrylate, ditrimethylolpropane tetramethacrylate, pentaerythritol trimethacrylate, pentaerythritol tetramethacrylate, triglycerol dimethacrylate, trimethylolpropane trimethacrylate, tris (methacryloxyethyl) isocyanurate, allyl methacrylate, divinylbenzene, diallyl phthalate, Diallyl terephthalate Diallyl isophthalate, diethylene glycol bis allyl carbonate.
[0107]
As the polymerization initiator, inorganic peracid salts such as potassium persulfate, ammonium persulfate, sodium persulfate, potassium perphosphate, sodium perborate, 2,2′-azobis (2-methylpropionamidine) dihydrochloride, 2,2′-azobis (2-amidinopropane) dihydrochloride, 2,2′-azobis [2- (5-methyl-2-imidazolin-2-yl) propane] dihydrochloride, 2,2′-azobis [2- (2-Imidazolin-2-yl) propane] dihydrochloride, 2,2′-azobis [2-methyl-N- [1,1-bis (hydroxymethyl) -2-hydroxyethyl] propionamide] 2,2′-azobis [2-methyl-N- (2-hydroxyethyl) propionamide] or 4,4′-azobis (4-cyanovaleric acid) Both initiators can be used. In addition, the addition amount of a catalyst is determined suitably.
[0108]
According to a preferred embodiment of the present invention, the ink according to the present invention can contain a water-soluble organic solvent. Specific examples thereof include alkyl alcohols having 1 to 4 carbon atoms such as ethanol, methanol, butanol, propanol, isopropanol, ethylene glycol monomethyl ether, ethylene glycol monoethyl ether, ethylene glycol monobutyl ether, ethylene glycol monomethyl ether acetate, diethylene glycol. Monomethyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol mono-n-propyl ether, ethylene glycol mono-iso-propyl ether, diethylene glycol mono-iso-propyl ether, ethylene glycol mono-n-butyl ether, diethylene glycol mono-n-butyl ether, triethylene Glycol mono-n-butyl ether, ethyl Glycol mono-t-butyl ether, diethylene glycol mono-t-butyl ether, 1-methyl-1-methoxybutanol, propylene glycol monomethyl ether, propylene glycol monoethyl ether, propylene glycol mono-t-butyl ether, propylene glycol mono-n-propyl ether , Propylene glycol mono-iso-propyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, dipropylene glycol monoethyl ether, dipropylene glycol mono-n-propyl ether, dipropylene glycol mono-iso-propyl ether, propylene glycol mono-n-butyl ether , Glycol ethers such as dipropylene glycol mono-n-butyl ether, formamide Acetamide, dimethyl sulfoxide, sorbitol, sorbitan, acetin, diacetin, triacetin, and sulfolane.
[0109]
Moreover, according to the preferable aspect of this invention, utilization of the water-soluble organic solvent whose boiling point is 180 degreeC or more among the above-mentioned water-soluble organic solvents is preferable. Use of a water-soluble organic solvent having a boiling point of 180 ° C. or higher results in water retention and wettability of the ink. As a result, it is possible to realize an ink that maintains fluidity and redispersibility for a long time even when left in an open state (a state where it is exposed to air at room temperature). Further, nozzle clogging does not occur at the time of restarting during printing or after interruption of printing, and high ejection stability can be obtained.
Specific examples of the water-soluble organic solvent having a boiling point of 180 ° C. or higher include ethylene glycol, propylene glycol, diethylene glycol, pentamethylene glycol, trimethylene glycol, 2-butene-1,4-diol, 2-ethyl-1,3- Hexanediol, 2-methyl-2,4-pentanediol, 1-methyl-2-pyrrolidone, 1,3-dimethyl-2-imidazolidinone, 2-pyrrolidone, glycerin, tripropylene glycol monomethyl ether, dipropylene glycol mono Ethyl glycol, dipropylene glycol monoethyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, dipropylene glycol, triethylene glycol monomethyl ether, tetraethylene glycol, triethylene glycol, diethylene Recall monobutyl ether, diethylene glycol monoethyl ether, diethylene glycol monomethyl ether, tripropylene glycol, polyethylene glycol having a molecular weight of 2000 or less, 1,3-propylene glycol, isopropylene glycol, isobutylene glycol, 1,4-butanediol, 1,3-butane Examples include diol, 1,5-pentanediol, 1,6-hexanediol, glycerin, mesoerythritol, and pentaerythritol. Those having a boiling point of 200 ° C. or higher are preferred. These may be used alone or as a mixture of two or more.
[0110]
The content of these water-soluble organic solvents is preferably about 10 to 50% by weight, more preferably 10 to 30% by weight.
[0111]
The ink composition of the present invention can also contain sugar. Specific examples of saccharides include monosaccharides, disaccharides, oligosaccharides (including trisaccharides and tetrasaccharides) and polysaccharides, preferably glucose, mannose, fructose, ribose, xylose, arabinose, galactose, aldonic acid, Examples include glycitol, sorbitol, maltose, cellobiose, lactose, sucrose, trehalose, maltotriose, and the like. Here, the polysaccharide means a saccharide in a broad sense, and is used to include a substance that exists widely in nature, such as alginic acid, α-cyclodextrin, and cellulose. Examples of derivatives of these saccharides include sugar alcohols [general formula HOCH2(CHOH)nCH2OH (wherein n represents an integer of 2 to 5)], reducing sugars of sugars, oxidized sugars such as aldonic acid and uronic acid, amino acids, and thiosaccharides. Sugar alcohol is particularly preferable, and specific examples include maltitol and sorbit.
[0112]
According to a preferred aspect of the present invention, the black ink comprises (A)Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentComprising at least a colorant containing water, a water-soluble organic solvent, and water, or (B)Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentIn any of (A) and (B), the surface tension is preferably in the range of 45 to 60 mN / m. The color ink is (C)Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentComprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent and water, or (D)Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentPreferably, the surface tension is in the range of 25 to 45 mN / m.
In order to adjust the color inks (C) and (D) within the above-described surface tension range, an anionic and / or nonionic surfactant, glycol ethers and the like are further added. Specifically, in the color ink (C), an anionic and / or nonionic surfactant is added to adjust the surface tension within the above range. On the other hand, in the color ink (D), anionic and / or nonionic surfactants or these surfactants and glycol ethers are added to adjust the surface tension within the above range.
[0113]
According to another preferred embodiment of the present invention, the black ink comprises (E)Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentComprising at least a colorant containing water, a water-soluble organic solvent, and water, or (F)Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentIn any of (E) and (F), the surface tension is preferably in the range of 45 to 60 mN / m. The color ink is (G)Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentComprising at least a colorant containing water, a water-soluble organic solvent, and water, or (H)Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentPreferably, the surface tension is in the range of 25 to 45 mN / m.
In order to adjust the color inks (G) and (H) within the range of the above surface tension, a cationic and / or nonionic surfactant, glycol ethers and the like are further added. Specifically, in the color ink (G), a cationic and / or nonionic surfactant is added to adjust the surface tension within the above range, and in the color ink (H), the cationic and / or Alternatively, nonionic surfactants or these surfactants and glycol ethers are added to adjust the surface tension within the above range.
[0114]
According to still another preferred embodiment of the present invention, anionic polymer fine particles or cationic polymer fine particles are added to the inks (A) to (H) (black ink or color ink). However, polymer fine particles having the same ionicity as the colorant are added. That is, in the inks (A) to (H), the anionic polymer fine particles are “Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentOr a colorant containingDerived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentIn combination with a “colorant including”, while cationic polymer fine particles are “Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentOr a colorant containingDerived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentIn combination with a coloring agent including
In this case as well, as described above, the surface tension of the black ink is preferably in the range of 45 to 60 mN / m, and the surface tension of the color ink is preferably in the range of 25 to 45 mN / m.
[0115]
When the surface tension of the black ink is lower than the above range, since the penetration of the pigment ink into the recording medium is too fast, bleeding, feathering, and color density are liable to occur. In addition, when the surface tension of the color ink is higher than the above range, the ink penetration rate is slow, so that color bleeding is likely to occur.
[0116]
In the present invention, the above ink set of black ink and color ink is preferably used.
[0117]
The color ink in the present invention is preferably a set of yellow ink, magenta ink, and cyan ink. More preferably, a set of yellow ink, magenta ink, cyan ink, light cyan ink, and light magenta ink is used.
[0118]
The surfactant used in the ink composition for ink jet recording of the present invention is preferably one having good compatibility with the ink composition, and one having high permeability and stability.
Specific examples of surfactants include anionic surfactants such as sodium dodecylbenzene sulfonate, sodium laurate, ammonium salts of polyoxyethylene alkyl ether sulfate, and the like. Specific examples of nonionic surfactants include polyoxy Ethylene alkyl phenyl ether, polyoxyethylene nonyl phenyl ether, polyoxyethylene octyl phenyl ether, polyoxyethylene dodecyl phenyl ether, polyoxyethylene alkyl allyl ether, polyoxyethylene oleyl ether, polyoxyethylene lauryl ether, polyoxyethylene alkyl ether , Polyoxyalkylene alkyl ether, polyoxyethylene alkyl ester, polyoxyethylene alkylamine, polyoxyethylene Lenalkylamide, polyoxyethylene sorbitan fatty acid ester, polyoxyethylene oleic acid, polyoxyethylene oleic acid ester, polyoxyethylene distearic acid ester, sorbitan laurate, sorbitan monostearate, sorbitan monooleate, sorbitan sesquioleate, poly Examples thereof include oxyethylene monooleate, polyoxyethylene stearate and acetylene glycol. These can be used alone or in combination of two or more.
In addition, examples of the cationic surfactant include primary fatty amine salts, secondary fatty amine salts, tertiary fatty amine salts, and quaternary ammonium salts. As the quaternary ammonium salt, tetraalkylammonium salt, trialkylbenzylammonium salt, alkylpyridinium salt, 2-alkyl-1-alkyl-1-hydroxyethylimidazolinium salt, N, N′-dialkylmorpholinium salt Etc.
[0119]
When the surface tension of the ink composition is controlled by adding a surfactant to adjust the permeability to the recording medium, and when the ink set of the present invention is used, the image quality is improved and printing is performed on various recording media. The quick-drying property can be improved.
The addition amount of the surfactant is preferably in the range of 0.01 to 10% by weight, more preferably 0.1 to 5% by weight with respect to the ink composition.
[0120]
According to a preferred embodiment of the present invention, it is preferable that an acetylene glycol surfactant is included among the above-described surfactants. An acetylene glycol-based surfactant is preferable because it causes less ink bubbling due to addition and has an effect of lowering the surface tension with a relatively small amount. Further, the addition of the acetylene glycol surfactant controls the surface tension of the ink composition and improves the permeability of the ink solvent component. Therefore, in the present invention, the effect of promoting the separation of the colorant and the ink solvent is achieved. Thus, it is possible to improve image quality and quick drying when printing on all types of plain paper and recycled paper.
[0121]
Preferable specific examples of the acetylene glycol surfactant used in the present invention include compounds represented by the following formula (VII).
[0122]
[Formula 4]
[0123]
Among the compounds represented by the above formula (VII), 2,4,7,9-tetramethyl-5-decyne-4,7-diol, 3,6-dimethyl-4-octyne-3 is particularly preferable. , 6-diol, 3,5-dimethyl-hexyn-3-ol, and the like. Commercially available products may be used as the acetylene glycol surfactant represented by the above formula (VII), and specific examples thereof include Surfynol 104, 82, 465 or TG (above, Air Products and Chemicals INC). ), Olfin STG, Olfin E1010 (manufactured by Nissin Chemical).
The addition amount of the acetylene glycol surfactant is appropriately determined so as to be in the above-described surface tension range, but is preferably in the range of 0.01 to 5% by weight with respect to the ink composition, and more preferably. Is in the range of 0.1 to 5% by weight.
[0124]
Examples of the glycol ether used in the ink composition for ink jet recording of the present invention include diethylene glycol monobutyl ether, triethylene glycol monobutyl ether, propylene glycol monobutyl ether, dipropylene glycol monobutyl ether and the like. The combined use of glycol ethers and the above-mentioned acetylene glycol surfactant further improves the permeability of the ink solvent component. Therefore, in the present invention, the extreme effect of promoting separation of the colorant and the ink solvent is achieved. It is possible to improve the image quality and quick drying when printing on all kinds of plain paper and recycled paper.
The amount of glycol ether added is appropriately determined so as to be in the range of the above-described surface tension, but is preferably in the range of 0.1 to 10% by weight, more preferably in the range of 0.1% by weight. It is in the range of 1 to 5% by weight.
[0125]
In the present invention, for the purpose of controlling permeability, 1,2-alkylene glycol having 4 to 10 carbon atoms may be further contained within a range of 15% by weight or less. When the number of carbon atoms is 3 or less, permeability is not obtained, and when the number of carbon atoms exceeds 10, it is difficult to dissolve in water. If the addition amount exceeds 15% by weight, a tendency to increase viscosity appears, which is not suitable.
The 1,2-alkylene glycol is specifically 1,2-pentanediol or 1,2-hexanediol, and either one of them may be used, or they may be used in combination. 1,2-pentanediol is preferably added in the range of 3 to 15% by weight. If it is less than 3% by weight, good permeability cannot be obtained. 1,2-hexanediol is preferably added in the range of 0.5 to 10% by weight. If it is less than 0.5% by weight, good permeability cannot be obtained.
[0126]
In addition, in order to improve storage stability, additives such as pH adjusters, dissolution aids, antioxidants, antifungal agents, antiseptics, corrosion inhibitors, metal salt trapping agents, etc. are added to the ink as necessary. It is also possible to add.
[0127]
The ink composition according to the present invention can be produced by dispersing and mixing the above components by an appropriate method. In particular, the ink composition of the present invention can be easily obtained by stirring and mixing the colorant of the present invention, water, a water-soluble organic solvent, and other additives as necessary.
[0128]
The ink composition of the present invention is excellent in dispersion stability and ejection stability, and does not cause nozzle clogging over a long period of time, and enables stable printing. The reason is as follows.
[0129]
In the case of dispersing the pigment, generally, a dispersant such as a surfactant or a polymer dispersant is used.PigmentSince the adsorbent is only adsorbed on thePigmentIt tends to be detached from the surface.
In contrast, in the present invention,PigmentThe polymer surroundingPigmentTo stick toPigmentIt is thought that it is difficult to detach from the surface. More specifically, a pigment dispersion obtained by dispersing a pigment using a dispersant such as a surfactant or a polymer dispersant, a surfactant, diethylene glycol monobutyl ether, triethylene glycol monobutyl ether, propylene glycol monobutyl ether, dipropylene glycol. For inks that have improved permeability by combining penetrants such as monobutyl ether and 1,2-alkylene glycol, if the ink is ejected through a thin nozzle and a strong shearing force is applied, it adsorbs to the pigment surface. In some cases, the dispersing agent that has been detached easily causes deterioration of dispersibility, resulting in unstable ejection. On the other hand, in the ink composition using the colorant according to the present invention, these phenomena are not recognized at all and are stably ejected. In particular, a polymer having a crosslinked structure (polymer)PigmentIn embodiments that includePigmentThe polymer surroundingPigmentAnd because the polymer has excellent solvent resistance due to having a cross-linked structure, even if the above penetrants are used,PigmentThe polymer (polymer) surroundingPigmentIn addition, the polymer (polymer) itself does not easily swell. Therefore, in this aspect, better dispersion stability can be ensured over a long period of time.
In addition, in the case of improving the permeability with a surfactant or penetrant with a pigment ink in which a pigment is dispersed using a dispersant such as a surfactant or a polymer dispersant, it is generally not adsorbed on the pigment surface from the beginning. Since the dispersant dissolved in the liquid and the dispersant removed from the pigment in the subsequent environment tend to increase the viscosity of the ink, the viscosity of the ink is suitable for inkjet (range of 1 to 10 mPa · s) In order to adjust to (2), the pigment content must be limited. For this reason, a sufficient print density cannot be obtained on plain paper or recycled paper, and good color development cannot be obtained, so that it is difficult to realize high-quality print image quality. In contrast, in the colorant according to the present invention,PigmentOf the polymer surroundingPigmentSince there is no detachment from the ink, the change in the viscosity of the ink due to the content of the colorant is very small. Therefore, there is an advantage that the viscosity of the ink can be easily reduced and a larger amount of colorant can be contained. Thereby, it is possible to obtain a sufficient printing density on plain paper or recycled paper. In addition, said reason was used in order to demonstrate the content of this invention to the last, Comprising: The range of this invention is not limited only by the said reason.
[0130]
The ink set according to the present invention is preferably used in an ink jet recording method comprising a black ink and a plurality of color inks, and ejecting ink droplets to adhere to a recording medium for printing. More specifically, the ink set according to the present invention is preferably used in a method of ejecting ink as small droplets from a fine nozzle and recording characters and figures on the surface of a recording medium.
As an ink jet recording method, an electric signal is converted into a mechanical signal using an electrostrictive element, and ink and ink stored in the nozzle head portion are intermittently ejected to record characters and symbols on the surface of the recording medium. A method of recording characters and symbols on the surface of the recording medium, etc. by rapidly heating a part of the ink stored in the part, which is very close to the ejection part, to generate bubbles, and ejecting it intermittently by the volume expansion caused by the bubbles However, the present invention is not limited to these methods.
[0131]
Inkjet of the present inventionTsuThe recording ink set is (a)Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentA color ink composition comprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentIs a black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
As another embodiment of the ink set, anionic polymer fine particles are further added to the color ink composition and / or cationic polymer fine particles are further added to the black ink composition.
[0132]
An ink jet according to another aspect of the present invention is also provided.Tsu(B)Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentA color ink composition comprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentIs a black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
As another embodiment of the ink set, anionic polymer fine particles are further added to the color ink composition and / or cationic polymer fine particles are further added to the black ink composition.
[0133]
An ink jet according to another aspect of the present invention is also provided.Tsu(C)Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentA color ink composition comprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent, and water;Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentIs a black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
As another embodiment of the ink set, anionic polymer fine particles are further added to the color ink composition and / or cationic polymer fine particles are further added to the black ink composition.
[0134]
An ink jet according to another aspect of the present invention is also provided.Tsu(D)Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentA color ink composition comprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent, and water;Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentIs a black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
As another embodiment of the ink set, cationic polymer fine particles are further added to the color ink composition and / or anionic polymer fine particles are further added to the black ink composition.
[0135]
An ink jet according to another aspect of the present invention is also provided.Tsu(E)Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentA color ink composition comprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent, and water;Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentIs a black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
As another embodiment of the ink set, cationic polymer fine particles are further added to the color ink composition and / or anionic polymer fine particles are further added to the black ink composition.
[0136]
An ink jet according to another aspect of the present invention is also provided.TsuThe ink set for recording is (f)Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentA color ink composition comprising at least a colorant including a water-soluble organic solvent, and water;Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentIs a black ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water.
As another embodiment of the ink set, cationic polymer fine particles are further added to the color ink composition and / or anionic polymer fine particles are further added to the black ink composition.
[0137]
In the ink set of the present invention, when the black ink and the color ink of the ink set of the present invention come into contact with each other on the recording medium, the dispersion state of the colorant of each ink is instantaneously destroyed and aggregates. A high-quality image with no bleed and high OD value can be obtained.
[0138]
A preferable image forming method in the above recording method uses a black ink having a surface tension in the range of 45-60 mN / m immediately after forming an image with the color ink having a surface tension in the range of 25-45 mN / m. Is preferred. In printing characters or the like with black ink on plain paper, it is preferable to first print the characters or the like with any of the color inks and print the black ink at the same location. As a result, when both inks come into contact with each other on the recording medium, the dispersed state of each ink is instantaneously destroyed and agglomerates, so that high-quality printing with a high OD value without feathering, bleeding, bleeding, etc. can be obtained. .
[0139]
Another method is to use the cationic colorant of the present invention for light-colored inks such as light cyan and light magenta, and immediately after forming an image with the light-colored ink for the first time, cyan ink, magenta ink, yellow There is a mode in which dark color ink such as ink or black ink is printed. In this case, it is preferable that the surface tension of the light-colored ink is lower than that of the dark-colored ink. As a result, when the dark color ink and the light color ink come into contact with each other on the recording medium, the dispersion state of the colorant of each ink is instantaneously destroyed and aggregates, so there is no feathering, bleeding, bleeding, etc. High-quality printing with high quality.
[0140]
The ink jet recording apparatus of the present invention has a structure in which an ink storage container and a recording head are communicated with each other via a connecting pipe, and the recording head moves along a carriage by a timing belt driven by a motor. And a paper feed mechanism provided with a platen and a guide, and a mechanism for performing a cleaning operation. The ink jet recording apparatus of the present invention has a structure in which each ink is stored in an ink storage container, and each ink composition is supplied to the recording head via a connecting pipe. Communicated. Here, as long as the storage container is in an independent form for each ink composition, the storage container may be used as many as the number of inks to be used, or a plurality of inks are partitioned by dividing the interior of the storage container. You can store it in the room. The recording head moves along the carriage by a timing belt driven by a motor. On the other hand, a recording medium such as paper as a recording medium is placed at a position facing the recording head by a platen and a guide. Note that a suction cap connected to a suction pump is provided as a cleaning mechanism, and performs a so-called cleaning operation. A waste ink tank for storing the sucked ink composition is provided. In addition, a different recording head may be used for each ink, or an ink composition may be assigned to each nozzle row with one recording head.
[0141]
In the present invention, it is preferable to use the recording head independently for the black ink and the color ink. The purpose of this is to prevent the agglomerates produced from becoming clogged by contact and aggregation of the anionic colorant and the cationic colorant on the same recording head.
[0142]
【Example】
The present invention will be described in detail by the following examples, but the present invention is not limited to the contents of the examples.
[0143]
<Manufacture of colorants>
(Colorant 1)
Carbon black (Raven C: manufactured by Colombian Carbon Co., Ltd.) 10 g and polymerizable surfactant 2-hydroxy-3-methacryloxypropyltrimethylammonium chloride 6 g were added to 100 g of water and irradiated with ultrasonic waves. For about 2 hours. This dispersion is put into a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel. Subsequently, 1 g of benzyl methacrylate, 2 g of butyl methacrylate, 1 g of N, N′-dimethylaminoethyl methacrylate, 0.1 g of the polymerizable surfactant and 2,2′-azobis (2-methylpropionamidine) dihydrochloride An emulsion is prepared by mixing 0.05 g and 10 g of water, and this is gradually dropped into the above reaction vessel with a dropping funnel. After completion of the dropping, a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained colorant dispersion is adjusted to about pH 6 with disodium citrate and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles to obtain a colorant 1 dispersion. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 120 nm.
[0144]
(Colorant 2)
In a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel, 50 g of carbon black (Raven C: manufactured by Columbian Carbon Co., Ltd.) and a polymerizable surfactant, dimethylaminoethyl methyl methacrylate Dispersion is performed by adding 30 g of a chloride salt to 800 g of water and irradiating with ultrasonic waves for 4 hours. Next, 16 g of N, N′-dimethylaminopropylacrylamide, 2.4 g of divinylbenzene and 1 g of 2,2′-azobis (2-methylpropionamidine) dihydrochloride were further added, and the polymerization reaction was carried out at 60 ° C. for 48 hours. Do. Thereafter, the pH is adjusted to about 6 with disodium citrate, and the mixture is filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles, whereby a dispersion of colorant 2 is obtained. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 110 nm.
[0145]
(Colorant 3)
C. I. 100 g of Pigment Red 122 and 60 g of polymerizable surfactant SE-10N (Asahi Denka) are added to 800 g of water, irradiated with ultrasonic waves, and further dispersed for about 2 hours by a sand mill (manufactured by Yasukawa Seisakusho). This dispersion is put into a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel. Next, 10 g of benzyl methacrylate, 20 g of butyl metallate, 2 g of dicyclopentanyl methacrylate, 10 g of methacrylic acid, 1 g of the above-mentioned polymerizable surfactant, 0.5 g of potassium persulfate and 100 g of water were prepared to prepare an emulsion. This is gradually dropped into the above reaction vessel with a dropping funnel. After completion of the dropping, a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained dispersion of the colorant is adjusted to about pH 8 with potassium hydroxide, and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles to obtain a dispersion of colorant 3. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 130 nm.
[0146]
(Colorant 4)
In a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel, C.I. I. 50 g of CI Pigment Blue 15: 3 and 30 g of a polymerizable surfactant SE-10N (Asahi Denka) are added to 500 g of water, and ultrasonic waves are applied for 4 hours for dispersion. Next, 16 g of 2-acrylamido-2-methylpropanesulfonic acid, 3 g of acrylonitrile, and 0.5 g of potassium persulfate are further added, and a polymerization reaction is performed at 60 ° C. for 48 hours. The obtained colorant dispersion is adjusted to about pH 8 with potassium hydroxide and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles. As a result, the target colorant is obtained in the form of a dispersion to obtain a dispersion of colorant 4. The average particle diameter measured by a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 115 nm.
[0147]
(Colorant 5)
C. I. 100 g of Pigment Red Yellow 185 and 60 g of polymerizable surfactant SE-10N (Asahi Denka) are added to 800 g of water, irradiated with ultrasonic waves, and further dispersed with a sand mill (Yaskawa Seisakusho) for about 2 hours. This dispersion is put into a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel. Next, 10 g of benzyl methacrylate, 20 g of butyl metallate, 2 g of dicyclopentanyl dimethacrylate, 10 g of methacrylic acid, 1 g of the above-mentioned polymerizable surfactant, 0.5 g of potassium persulfate and 100 g of water are prepared in advance. Then, this is gradually dropped into the above reaction vessel with a dropping funnel. After completion of the dropping, a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained dispersion of the colorant is adjusted to about pH 8 with potassium hydroxide, and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles to obtain a dispersion of colorant 5. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA150 (Leeds & Northrop) was 120 nm.
[0148]
(Colorant 6)
C. I. 100 g of Pigment Red 122 and 60 g of polymerizable surfactant SE-10N (Asahi Denka) are added to 800 g of water, irradiated with ultrasonic waves, and further dispersed for about 2 hours by a sand mill (manufactured by Yasukawa Seisakusho). This dispersion is put into a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel. Next, 10 g of benzyl methacrylate, 20 g of butyl metallate, 2 g of dicyclopentanyl dimethacrylate, 10 g of methacrylic acid, 1 g of the above-mentioned polymerizable surfactant, 0.5 g of potassium persulfate and 100 g of water are prepared in advance. Then, this is gradually dropped into the above reaction vessel with a dropping funnel. After completion of the dropping, a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The resulting dispersion of the colorant is adjusted to about pH 8 with potassium hydroxide, and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles to obtain a dispersion of colorant 6. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 130 nm.
[0149]
(Colorant 7)
In a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel, C.I. I. 50 g of CI Pigment Blue 15: 3 and 30 g of a polymerizable surfactant SE-10N (Asahi Denka) are added to 500 g of water, and ultrasonic waves are applied for 4 hours for dispersion. Next, 16 g of 2-acrylamido-2-methylpropanesulfonic acid, 3 g of acrylonitrile, 5 g of divinylbenzene and 0.5 part by weight of potassium persulfate are further added, and a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained dispersion of the colorant is adjusted to about pH 8 with potassium hydroxide, and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles to obtain a dispersion of colorant 7. The average particle size measured with a laser Doppler particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 140 nm.
[0150]
(Colorant 8)
C. I. 100 g of Pigment Red Yellow 151 and 60 g of polymerizable surfactant SE-10N (Asahi Denka) are added to 800 g of water, irradiated with ultrasonic waves, and further dispersed in a sand mill (Yaskawa Seisakusho) for about 2 hours. This dispersion is put into a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel. Next, 10 g of dicyclopentenyl methacrylate, 20 g of butyl metallate, 2 g of 1,6-hexanediol dimethacrylate, 10 g of methacrylic acid, 1 g of the above polymerizable surfactant, 0.5 g of potassium persulfate and 100 g of water are mixed in advance. An emulsion is prepared, and this is gradually dropped into the above reaction vessel with a dropping funnel. After completion of the dropping, a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained colorant dispersion is adjusted to about pH 8 with potassium hydroxide and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles to obtain a colorant 8 dispersion. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 110 nm.
[0151]
(Colorant 9)
Carbon black (Raven C: Colombian Carbon Co., Ltd.) 10 g and polymerizable surfactant SE-10N (Asahi Denka Co.) 6 g are added to 100 g of water and irradiated with ultrasonic waves, and further a sand mill (Yaskawa Seisakusho). For about 2 hours. This dispersion is put into a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel. Next, 1 g of benzyl methacrylate, 2 g of butyl metallate, 1 g of methacrylic acid, 0.1 g of the above-mentioned polymerizable surfactant, 0.05 g of potassium persulfate and 10 g of water were prepared in advance to prepare an emulsion. In the above reaction vessel. After completion of the dropping, a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained dispersion of the colorant is adjusted to about pH 8 with potassium hydroxide and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles to obtain a dispersion of colorant 9. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 125 nm.
[0152]
(Colorant 10)
In a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel, 50 g of carbon black (Raven C: manufactured by Columbian Carbon Co., Ltd.) and a polymerizable surfactant SE-10N (Asahi Denka) 30 g) is added to 800 g of water, and ultrasonic waves are applied for 4 hours for dispersion. Next, 16 g of acrylonitrile, 2.4 g of divinylbenzene and 1 g of potassium persulfate are further added, and a polymerization reaction is performed at 60 ° C. for 48 hours. Thereafter, the pH is adjusted to around 8 with potassium hydroxide, and the coarse particles are removed by filtration through a 0.4 μm filter to obtain a dispersion of the colorant 10. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 130 nm.
[0153]
(Colorant 11)
C. I. Pigment Red 122 (100 g) and polymerizable surfactant 2-hydroxy-3-methacryloxypropyltrimethylammonium chloride (60 g) were added to 800 g of water, irradiated with ultrasonic waves, and further dispersed in a sand mill (manufactured by Yaskawa Seisakusho) for about 2 hours Let This dispersion is put into a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel. Subsequently, 10 g of benzyl methacrylate, 20 g of butyl metallate, 2 g of dicyclopentanyl methacrylate, 10 g of N, N′-dimethylaminoethyl methacrylate, 1 g of the polymerizable surfactant and 2,2′-azobis (2-methylpropion) An amidine) dihydrochloride (0.5 g) and water (100 g) are mixed to prepare an emulsion, which is gradually dropped into the reaction vessel with a dropping funnel. After completion of the dropping, a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained colorant dispersion is adjusted to about pH 6 with disodium citrate, filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles, and a dispersion of colorant 11 having a concentration of 18% is obtained. . The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA150 (Leeds & Northrop) was 140 nm.
[0154]
(Colorant 12)
In a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel, C.I. I. 50 g of CI Pigment Blue 15: 3 and 30 g of a polymerizable surfactant dimethylaminoethylbenzyl chloride methacrylate are added to 500 g of water and dispersed by irradiating with ultrasonic waves for 4 hours. Next, 16 g of N, N′-dimethylaminopropylacrylamide, 3 g of styrene, and 0.5 g of 2,2′-azobis (2-methylpropionamidine) dihydrochloride are further added, and a polymerization reaction is performed at 60 ° C. for 48 hours. . The resulting colorant dispersion is adjusted to about pH 6 with disodium citrate and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles. As a result, the target colorant is obtained in the form of a dispersion to obtain a dispersion of the colorant 12. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 110 nm.
[0155]
(Colorant 13)
C. I. Pigment Red Yellow 185 (100 g) and polymerizable surfactant 2-hydroxy-3-methacryloxypropyltrimethylammonium chloride (60 g) were added to 800 g of water and irradiated with ultrasonic waves. Disperse. This dispersion is put into a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel. Subsequently, 10 g of benzyl methacrylate, 20 g of butyl metallate, 2 g of dicyclopentanyl dimethacrylate, 10 g of dimethylaminoethyl methyl chloride salt, 1 g of the polymerizable surfactant and 2,2′-azobis (2-methylpropion) An amidine) dihydrochloride (0.5 g) and water (100 g) are mixed to prepare an emulsion, which is gradually dropped into the reaction vessel with a dropping funnel. After completion of the dropping, a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained dispersion of the colorant is adjusted to about pH 6 with disodium citrate, filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles, and a dispersion of colorant 13 is obtained. The average particle diameter measured with a laser Doppler particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 135 nm.
[0156]
(Colorant 14)
C. I. 100 g of Pigment Red 122 and 60 g of a polymerizable surfactant dimethylaminoethylmethyl chloride methacrylate are added to 800 g of water, irradiated with ultrasonic waves, and further dispersed with a sand mill (manufactured by Yaskawa Seisakusho) for about 2 hours. This dispersion is put into a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel. Subsequently, 10 g of benzyl methacrylate, 20 g of butyl metallate, 2 g of dicyclopentanyl dimethacrylate, 10 g of N, N′-dimethylaminoethyl methacrylate, 1 g of the above-mentioned polymerizable surfactant and 2,2′-azobis (2-methyl) Propionamidine) dihydrochloride (0.5 g) and water (100 g) are mixed to prepare an emulsion, which is gradually dropped into the above reaction vessel with a dropping funnel. After completion of the dropping, a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained dispersion of the colorant is adjusted to about pH 6 with disodium citrate and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles to obtain a dispersion of colorant 14. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 130 nm.
[0157]
(Colorant 15)
In a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel, C.I. I. 50 g of Pigment Blue 15: 3 and 30 g of the polymerizable surfactant 2-hydroxy-3-methacryloxypropyltrimethylammonium chloride are added to 500 g of water, and dispersion is performed by irradiating with ultrasonic waves for 4 hours. Next, 16 g of N, N′-dimethylaminopropylacrylamide, 3 g of 2-hydroxyethyl methacrylate, 5 g of divinylbenzene, and 0.5 part by weight of 2,2′-azobis (2-methylpropionamidine) dihydrochloride were further added. The polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained dispersion of the colorant is adjusted to about pH 6 with disodium citrate, and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles to obtain a dispersion of colorant 15. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 120 nm.
[0158]
(Colorant 16)
C. I. 100 g of Pigment Red Yellow 151 and 60 g of the polymerizable surfactant 2-hydroxy-3-methacryloxypropyltrimethylammonium chloride were added to 800 g of water, irradiated with ultrasonic waves, and further subjected to sand mill (manufactured by Yaskawa Seisakusho) for about 2 hours. Disperse. This dispersion is put into a reaction vessel equipped with an ultrasonic generator, a stirrer, a temperature controller, a reflux condenser, and a dropping funnel. Subsequently, 10 g of dicyclopentenyl methacrylate, 20 g of butyl metallate, 2 g of 1,6-hexanediol dimethacrylate, 10 g of dimethylaminoethylbenzyl chloride salt of methacrylate, 1 g of the above polymerizable surfactant and 2,2′-azobis An emulsion is prepared by mixing 0.5 g of (2-methylpropionamidine) dihydrochloride and 100 g of water, and this is gradually dropped into the above reaction vessel with a dropping funnel. After completion of the dropping, a polymerization reaction is carried out at 60 ° C. for 48 hours. The obtained dispersion of the colorant is adjusted to about pH 6 with disodium citrate and filtered through a 0.4 μm filter to remove coarse particles to obtain a dispersion of the colorant 16. The average particle diameter measured by a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 115 nm.
[0159]
<Manufacture of polymer particles>
(Manufacture of anionic polymer fine particles)
A reaction vessel equipped with a stirrer, reflux condenser, dripping device, thermometer and nitrogen inlet tube was charged with 200 ml of distilled water and 0.6 g of sodium dodecylbenzenesulfonate and heated to 70 ° C. with stirring in a nitrogen atmosphere. Warm, and then add 2 g of potassium persulfate. On the other hand, 40 g of butyl acrylate, 50 g of styrene, 5 g of acrylic acid and 0.10 g of t-dodecyl mercaptan are mixed and dissolved, and this is dropped into the reaction vessel. Furthermore, after reacting at 70 ° C. for 6 hours, cooling to room temperature, adding aqueous ammonia as a neutralizing agent to prepare PH and filtering through a filter, a polymer emulsion having polymer fine particles as dispersed particles is obtained. The average particle size measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 80 nm.
[0160]
(Manufacture of cationic polymer fine particles)
In a reaction vessel equipped with a stirrer, reflux condenser, dripping device, thermometer and nitrogen introduction tube, 200 ml of distilled water and 0.6 g of 2-hydroxy-3-methacryloxypropyltrimethylammonium chloride were charged, and in a nitrogen atmosphere, The mixture was heated to 70 ° C. with stirring, and 2 g of 2,2′-azobis (2-methylpropionamidine) dihydrochloride was added. Meanwhile, 20 g of butyl acrylate, 10 g of benzyl methacrylate, 5 g of N, N′-dimethylaminoethyl methacrylate, and 3 g of 2-hydroxy-3-methacryloxypropyltrimethylammonium chloride are mixed and dissolved, and this is dropped into the reaction vessel. . Furthermore, after reacting at 70 ° C. for 6 hours, cooling to room temperature, adding aqueous ammonia as a neutralizing agent to prepare PH and filtering through a filter, a polymer emulsion having polymer fine particles as dispersed particles is obtained. The average particle diameter measured with a laser Doppler type particle size distribution analyzer Microtrac UPA 150 (Leeds & Northrop) was 90 nm.
[0161]
Inks having the compositions shown in Tables 1 to 20 below are prepared by the following operation. An aqueous medium excluding the colorant was prepared in advance, and this was gradually added dropwise to the dispersion of the colorant with stirring, and sufficiently stirred and dispersed to obtain the desired ink composition. is there. More specifically, the black ink of Example 1 will be described as an example. An aqueous medium is prepared by mixing and dissolving 15 g of glycerin, 4 g of 2-pyrrolidone, 0.5 g of orphine E1010 and 26.4 g of ion-exchanged water. The aqueous medium is gradually added dropwise to 46.7 g of the colorant 1 dispersion with stirring, and the mixture is sufficiently stirred and dispersed at room temperature (around 25 ° C.), and then the pH is adjusted to 8 with a 10 wt% aqueous potassium hydroxide solution. The target ink is obtained by adjusting to the range of ~ 9. At this time, it is preferable to use an ultrasonic generator in combination. The obtained ink is used after passing through a 3 μm membrane filter.
[0162]
In addition, pH adjustment of the black ink of Examples 1-4 and Examples 11-14 and the color ink of Examples 5-10 and Examples 15-20 is 10 wt% disodium citrate aqueous solution, and pH is 6-7. Adjusted to range. Moreover, pH adjustment of the color inks of Examples 1 to 4 and Examples 10 to 14 and the black inks of Examples 5 to 10 and Examples 15 to 20 is performed in a range of 8 to 9 with 10 wt% potassium hydroxide aqueous solution. Adjusted.
[0163]
Ink compositions used in the present invention and ink sets (Examples) composed of them are shown in Tables 1-20.
[0164]
[Table 1]
[0165]
[Table 2]
[0166]
<Example 2-2, Example 2-3>
In Example 2-2, instead of the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” in Example 2-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan, and yellow) In Example 2-3, the penetrant “Triethylene glycol monobutyl ether” in Example 2-1 was further added with “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow). This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 2-1 except for the penetrant.
[0167]
[Table 3]
[0168]
<Example 3-2, Example 3-3>
In Example 3-2, instead of the penetrant “Triethylene glycol monobutyl ether” in Example 3-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each of magenta, cyan, and yellow inks) In Example 3-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) of the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 3-1 was further added. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 3-1 except for the penetrant.
[0169]
[Table 4]
[0170]
<Example 4-2, Example 4-3>
In Example 4-2, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan, and yellow) was used instead of the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” in Example 4-1. In Example 4-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) was added to the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 4-1. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 4-1 except for the penetrant.
[0171]
[Table 5]
[0172]
[Table 6]
[0173]
[Table 7]
[0174]
<Example 7-2, Example 7-3>
In Example 7-2, instead of the penetrant “Triethylene glycol monobutyl ether” in Example 7-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan, and yellow) In Example 7-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) was added to the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 7-1. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 7-1 except for the penetrant.
[0175]
[Table 8]
[0176]
<Example 8-2, Example 8-3>
In Example 8-2, instead of the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” in Example 8-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan and yellow) In Example 8-3, the penetrant “Triethylene glycol monobutyl ether” in Example 8-1 was further added with “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow). This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 8-1 except for the penetrant.
[0177]
[Table 9]
[0178]
<Example 9-2, Example 9-3>
In Example 9-2, instead of the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 9-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan, and yellow) In Example 9-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) was added to the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 9-1. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 9-1 except for the penetrant.
[0179]
[Table 10]
[0180]
<Example 10-2, Example 10-3>
In Example 10-2, instead of the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 10-1, “1,2-hexanediol” (added amount: 3% by weight in each of magenta, cyan, and yellow inks) In Example 10-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) was added to the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 10-1. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 10-1 except for the penetrant.
[0181]
[Table 11]
[0182]
<Example 11-2>
Example 11-2 is an example in which “maltitol” was further added as a sugar to Example 11-1 (addition amount: 3% by weight for each ink of magenta, cyan, and yellow).
[0183]
[Table 12]
[0184]
<Example 12-2, Example 12-3, Example 12-4>
In Example 12-2, instead of the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 12-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan, and yellow) In Example 12-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) was added to the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 12-1. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 12-1 except for the penetrant.
In addition, Example 12-4 is an example in which “maltitol” was added as a sugar to Example 12-1. (Addition amount: 3% by weight for each ink of magenta, cyan, and yellow)
[0185]
[Table 13]
[0186]
<Example 13-2, Example 13-3, Example 13-4>
In Example 13-2, instead of the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” in Example 13-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan, and yellow) In Example 13-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) was added to the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 13-1. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 13-1 except for the penetrant.
Example 13-4 is an example in which “maltitol” was added as a sugar to Example 13-1. (Addition amount: 3% by weight for each ink of magenta, cyan, and yellow)
[0187]
[Table 14]
[0188]
<Example 14-2, Example 14-3, Example 14-4>
In Example 14-2, instead of the penetrant “Triethylene glycol monobutyl ether” in Example 14-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan, and yellow) In Example 14-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) was further added to the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 14-1. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 14-1 except for the penetrant.
In addition, Example 14-4 is an example in which “maltitol” was added as a sugar to Example 14-1. (Addition amount: 3% by weight for each ink of magenta, cyan, and yellow)
[0189]
[Table 15]
[0190]
<Example 15-2>
Example 15-2 is an example in which “maltitol” was further added as a sugar to Example 15-1 (addition amount: 3% by weight for each ink of magenta, cyan, and yellow).
[0191]
[Table 16]
[0192]
<Example 16-2>
Example 16-2 is an example in which “maltitol” was further added as a sugar to Example 16-1 (addition amount: 3% by weight for each ink of magenta, cyan, and yellow).
[0193]
[Table 17]
[0194]
<Example 17-2, Example 17-3, Example 17-4>
In Example 17-2, instead of the penetrant “Triethylene glycol monobutyl ether” in Example 17-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan, and yellow) In Example 17-3, the penetrant “Triethylene glycol monobutyl ether” in Example 17-1 was further added with “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow). This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 17-1 except for the penetrant.
Example 17-4 is an example in which “maltitol” was added as a sugar to Example 17-1. (Addition amount: 3% by weight for each ink of magenta, cyan, and yellow)
[0195]
[Table 18]
[0196]
<Example 18-2, Example 18-3, Example 18-4>
In Example 18-2, instead of the penetrant “Triethylene glycol monobutyl ether” in Example 18-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan, and yellow) In Example 18-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) was added to the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 18-1. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 18-1 except for the penetrant.
In addition, Example 18-4 is an example in which “maltitol” was added as a sugar to Example 18-1. (Addition amount: 3% by weight for each ink of magenta, cyan, and yellow)
[0197]
[Table 19]
[0198]
<Example 19-2, Example 19-3, Example 19-4>
In Example 19-2, instead of the penetrant “Triethylene glycol monobutyl ether” in Example 19-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each ink of magenta, cyan, and yellow) In Example 19-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) was added to the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 19-1. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 19-1 except for the penetrant.
In addition, Example 19-4 is an example in which “maltitol” was added as a sugar to Example 19-1. (Addition amount: 3% by weight for each ink of magenta, cyan, and yellow)
[0199]
[Table 20]
[0200]
<Example 20-2, Example 20-3, Example 20-4>
In Example 20-2, instead of the penetrant “Triethylene glycol monobutyl ether” of Example 20-1, “1,2-hexanediol” (addition amount: 3% by weight in each of magenta, cyan, and yellow inks) In Example 20-3, “1,2-hexanediol” (addition amount: magenta, cyan, yellow) was further added to the penetrant “triethylene glycol monobutyl ether” of Example 20-1. This is an example in which 3% by weight) is added to each ink. Each example is the same as Example 20-1 except for the penetrant.
Example 20-4 is an example in which “maltitol” was added as a sugar to Example 20-1. (Addition amount: 3% by weight for each ink of magenta, cyan, and yellow)
[0201]
In addition, all the numerical values in Tables 1 to 20 indicate “% by weight”. The surface tension of each ink was measured with an automatic surface tension meter CBVP-Z type (manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd.) and displayed in Tables 1-20.
[0202]
<Comparative Example 1>
An ink set composed of the following black ink, magenta ink, cyan ink, and yellow ink is referred to as Comparative Example 1.
[0203]
(Black ink)
7% by weight of carbon black (Raven C: manufactured by Columbian Carbon Co., Ltd.), 1.4% by weight of ammonium salt of styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 7000, polymer component 38%), 15% by weight of ion-exchanged water, Are mixed in a sand mill and dispersed for 2 hours. An ink solvent is prepared in advance by adding 10% by weight of glycerin, 8% by weight of ethylene glycol, 0.9% by weight of triethanolamine and the remaining amount of ion-exchanged water. This is gradually added dropwise to the prepared dispersion with stirring, and the mixture is sufficiently stirred at room temperature. This is passed through a 1 μm membrane filter to obtain an ink composition.
[0204]
(Magenta ink)
C. I. 8% by weight of Pigment Red 122, 1.6% by weight of an ammonium salt of styrene-acrylic acid copolymer (molecular weight 7000, polymer component 38%) and 15% by weight of ion-exchanged water were mixed in a sand mill, Time distributed processing. In advance, glycerin 10% by weight, ethylene glycol 8% by weight, 2-pyrrolidone 2% by weight, nonionic surfactant Neugen EA160 (Daiichi Kogyo Seiyaku) 1% by weight, triethylene glycol monobutyl ether 5% by weight, potassium hydroxide An ink solvent is prepared by adding 0.1% by weight and ion exchange water for the remaining amount. This is gradually added dropwise to the prepared dispersion with stirring, and the mixture is sufficiently stirred at room temperature. This is passed through a 1 μm membrane filter to obtain an ink composition.
[0205]
(Cyan ink, yellow ink)
Similarly, cyan ink (pigment: CI pigment blue 15: 3) and yellow ink (pigment: CI pigment yellow 151) are prepared.
[0206]
[Ink evaluation test]
The following evaluation tests (Evaluations 1 to 5) were performed on the inks of Examples 1 to 10 and Comparative Example 1.
The printed matter obtained by the ink jet recording method in which the droplets of the ink composition were ejected and adhered to the recording medium to obtain a recorded matter was evaluated. Specifically, the ink sets of Examples 1 to 10 and Comparative Example 1 are loaded into an inkjet printer PM-760C (manufactured by Seiko Epson Corporation), and printing is performed on printing paper (plain paper) shown below at 720 dpi × 720 dpi. Went.
Xerox P (Xerox Corporation)
Riccopy 6200 (Ricoh Corporation)
Xerox 4024 (Xerox Corporation)
Neenah Bond (Kimberly Clark Corporation)
Xerox R (Xerox Corporation: recycled paper)
[0207]
<Evaluation 1: Print quality (bleed)>
The ink sets of Examples 1 to 10 and Comparative Example 1 were loaded into the ink jet printer PM-760C, and after the yellow ink was adhered to the printing paper (plain paper), the black ink was adhered thereon, and the characters were (24 English characters) were printed, and the degree of bleeding of the characters was evaluated according to the following criteria. The same method was used for magenta ink and cyan ink.
A: The number of occurrences of bleeding is less than 240.
B: The number of occurrences of bleeding is 240 or more and less than 500.
C: The number of occurrences of bleeding is 500 or more.
The evaluation results are shown in Table 21.
[0208]
<Evaluation 2: Color bleed>
With the ink jet printer PM-760C, at the same time as printing with color ink (cyan ink, magenta ink, yellow ink) at 100% duty on the above-mentioned printing paper, the characters are printed with black ink. The following criteria evaluated the presence or absence of uniform color mixing.
A: The color is not mixed and the boundary is clear.
B: Color mixing occurs in a whisker shape.
C: Color mixing occurs so that the outline of the character is not known.
The evaluation results are shown in Table 21.
[0209]
<Evaluation 3: OD value>
In the same manner as in Evaluation 1, after yellow ink was adhered to the printing paper (plain paper), black ink was adhered thereon to perform solid printing, and the reflection OD value of the solid portion was measured using the Macbeth densitometer PCM. It was measured with II (manufactured by Macbeth) and evaluated according to the following criteria.
A: OD value is 1.4 or more
B: OD value is 1.2 or more and less than 1.4
C: OD value is less than 1.2
The evaluation results are shown in Table 21.
[0210]
[Table 21]
[0211]
<Evaluation 4: Discharge stability>
For each of the inks of Examples 1 to 10 and Comparative Example 1, alphanumeric characters were continuously printed on Xerox P paper using an ink jet printer PM-760C (manufactured by Seiko Epson Corporation), and missing dots and ink landing positions were detected. The state of printing such as misalignment was visually observed and evaluated according to the following criteria.
A: There is no missing dot or ink landing position deviation after printing 1000 sheets.
B: No dot missing or ink landing position deviation after printing 100 sheets.
C: Occurrence of missing dots, ink landing position deviation, etc. is observed before printing 100 sheets.
The evaluation results are shown in Tables 22 and 23.
[0212]
<Evaluation 5: Dispersion stability>
The inks of Examples 1 to 10 and Comparative Example 1 were put into a cylindrical glass tube (sedimentation tube), sealed, and allowed to stand at 60 ° C. for 2 weeks to examine the occurrence of pigment sedimentation. At the same time, each ink was put in a glass sample bottle, sealed, and allowed to stand under the same conditions as above to examine the change in viscosity. The obtained results were evaluated according to the following criteria.
A: There is no change in viscosity, and no precipitation of pigment is observed.
B: Sedimentation of the pigment is not observed, but the viscosity is increased.
C: The pigment has settled.
The evaluation results are shown in Tables 22 and 23.
[0213]
[Table 22]
[0214]
[Table 23]
[0215]
For each of the inks of Examples 11 to 20 and Comparative Example 1, “Evaluation 1: Print quality (bleeding), Evaluation 2: Color bleeding, Evaluation 3: Evaluation test of OD value” was performed by the same test method as described above. Moreover, the following abrasion resistance test was done. The evaluation results are shown in Table 24.
[0216]
<Evaluation 6: Abrasion resistance>
After the printed matter printed by the method of Evaluation 1 was naturally dried for 24 hours, the printed characters were written at a writing pressure of 4.9 × 10 using a yellow aqueous fluorescent pen ZEBRA PEN2 (trademark) manufactured by Zebra.FiveN / m2And the presence or absence of dirt on the yellow part was visually observed and evaluated as follows.
A: No dirt is produced even after rubbing three times.
B: There is a sheet that does not stain until the second rubbing, but a stain occurs in the third time.
C: There is a paper sheet that does not cause smearing by rubbing once, but is smeared by second rubbing.
D: There is a sheet that is smudged by rubbing once.
[0217]
[Table 24]
[0218]
【The invention's effect】
The present invention, as detailed above,Derived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic groupPigmentContaining a colorant (orDerived from an anionic polymerizable surfactantA polymer having an anionic group and a crosslinked structure.PigmentAn ink composition comprising at least a water-soluble organic solvent and water,Derived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic groupPigmentContaining a colorant (orDerived from a cationic polymerizable surfactantA polymer having a cationic group and a crosslinked structurePigmentAnd a water-soluble organic solvent, and an ink composition containing at least water. There is no color bleed or the like, and a high-quality image having a high printing density and excellent color developability can be obtained.
[0219]
Further, the present invention is characterized in that polymer fine particles (anionic polymer fine particles, cationic fine particles) are further added to the ink composition, whereby not only plain paper and recycled paper, but also all coated papers, etc. With this recording medium, it is possible to obtain an image excellent in fixability and scratch resistance without bleeding or color bleeding, having a high printing density and excellent color developability.
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