JP3643075B2 - 改良された流体分別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の背景】
本願は、1989年11月20日に出願され、既に放棄された米国特許出願第07/438,786号の継続出願である1991年2月25日にチャールズ C.ヒルが出願した米国特許出願第07/660,177号を基礎とした、35U. S. C. §120および365による優先権を主張した一部継続出願である。
【0002】
【発明の分野】
本発明は、単一の流体源から流体混合物の特定の成分または汚染物を除去することによって流体製品を精製するための改善された装置および方法に関する。本発明は、ガスおよび液体の分離に有効であるため、場合にもよるが、できるだけ流体という用語を使用する。この用語はガスおよび液体を含むものと理解されたい。実施例では、呼吸の補助といった医療的な利用をねらっているが、本発明は、例えば精油プロセスのような、ゼオライトおよび篩材料が使用される他の場合においても有用である。
【0003】
【関連技術の説明】
孔径が均等な選択的吸着材分子篩材料を流体成分の分離に使用することは、ユニオンカーバイド社で行われた工業的研究の成果を初めとして、1948年ごろから行われている。バラーが1945年に行った天然産出のゼオライト上へのガスの吸着およびこのゼオライトの分子篩としての挙動の最初の実験的観察(J. Soc. Chem. Ind.,64:130)に基づいて、ミルトンおよびユニオンカーバイドの協力者が1948年に最初の工業ゼオライト分子篩を合成し(R.M. Milton, Molecular Sieves, Soc. Chem. Ind., London, 1968, p.199 )、これらは1954年に試験的に販売された。
【0004】
吸着による流体混合物の分離の多くは、吸着質で飽和した吸着材を再生することを必要とする。たいていの分離は、固定床カラムで行われているので、再生を容易にするために、相互に連結され、かつ、相互に関連して作動する弁およびスイッチの複雑なネットワークを必要とする、吸着および脱着サイクルを実施するための複雑な機構が案出されている。
【0005】
上述した装置のような高価で精巧な装置は、有能な技術者が装置を常に監視する大規模な商業的活動に適したものとなっている。しかしながら、比較的少量の酸素を患者に、特に家庭において、供給する問題に対処する上では、大きさ、作動の容易さ、さらに重要なことには信頼性が主要な関心事となる。
医療および産業の用途で酸素を空気から分離するための二床式圧力スイング吸着器に合成分子篩を使用することは、1970年代初頭に商業的に引き合うようになり、現在では、多くの製造者がこのような装置を製造している。
【0006】
現在入手できる代表的な二カラムシステムの構成要素はつぎの通りである。
熱交換器、
空気だめ、またはサージタンク、
二つの分子篩チャンバ、
二つの圧力降下オリフィス、
製品タンク(酸素だめ)、
二方向ソレノイドで作動される四つまたは五つの流れ方向制御弁(または一つの四方弁および一つの二方弁)、
弁用の電気式または電子式のシーケンスタイマー制御装置、
酸素製品流用の減圧調整器、
吸気消音器および排気消音器、
吸気フィルタおよび製品フィルタ、
酸素製品流用の調節自在の流量制御弁、および
構成要素に流入するまたは構成要素から流出する流体流れを導くための連結配管および継手。
【0007】
以上の構成要素のリストは、代表的な医療用酸素濃縮器(すなわち、呼吸補助システム)が複雑であり、協働して作用する相互連結された部品からなるネットワークを必要とするということを明瞭に示している。この複雑さは、信頼性の低下、構成要素の故障、または、連結漏れの発生の原因となり、装置全体として生命維持機能を実行できなくする。
【0008】
二カラムシステムにおけるコンプレッサーの出力を時間に対してプロットすると、「鋸歯状」のパターンが明らかになる。このパターンは、コンプレッサーの弁およびベアリングの寿命を短くする原因となるので、そのような変動を制限するために、空気だめまたはサージタンクが必要とされる。また、二カラム吸着器におけるこの周期的な流れにより、製品ガスの圧力変動が大きくなるので、小分け導管に減圧調整器を使用することが必要とされる。急な、大きな圧力変化が生じるということは、大規模な消音を行うことが必要とされることにもなる。
【0009】
さらに、通院患者に移動の自由および良好な生活水準を提供するため、補助酸素供給システムは、信頼性が高く、経済性に優れ、コンパクトで、持ち運びができ、かつ、軽量でなければならない。本発明は、これらの要求に応えるシステムを提供する。
【0010】
【発明の概要】
本発明は、圧力スイング分子吸着で流体混合物を分別するための改善された装置が含む。これらの装置は、複数の吸着器カラムと、精製済製品保持タンクとして機能するチャンバとを有する。
【0011】
これらの装置の心臓部は、各カラムを順次加圧し排気するための独特の回転分配器弁組立体である。この組立体によって、カラムのうちの一つを加圧しているときに、これと同時にこのようなカラムのうちの別のカラム内の吸着材をパージすることができる。
【0012】
さらに、本発明は、流体混合物の流れから特定の流体を選択的に吸着することによって、または単一の流れから汚染流体成分を選択的に吸着することによって、流体成分を除去するための改善されたプロセスを含む。
【0013】
加圧された流体混合物の来入流を、本明細書中に開示した、もう一方の実施例の回転分配器弁の回転部材で、除去されるべき流体または汚染流体について選択的な吸着材が詰め込まれた複数のカラムに順次分配する。汚染物は吸着材によって保持され、所望の製品流体が通る。これと同時に、低圧の製品流体を加圧されているカラム以外のカラムに還流し、汚染物を脱着し、システムから出す。
【0014】
新規で、より小型の、より滑らかに作動する、より簡単で、かつ、信頼性のより高い、患者に補助酸素を提供するための装置を、本発明の実施例として以下に説明する。また、記述した装置を賢明に使用することによって実施される、改善された流体混合物分別方法の説明をも行う。
【0015】
【好適な実施例の説明】
図1に、商業的に入手できる、患者用の代表的な二カラム式小型酸素濃縮器の概略を示す。代表的な医療用酸素濃縮器は、相互連結され、かつ、相互作用する多数の部品でできた複雑な機械であるということがこの概略図から理解されよう。このマニホールドの複雑さに伴って、信頼性が低下し、すなわち、いずれかの構成要素が故障する機会が増え、装置全体の生命維持機能を不能にしてしまうおそれがある。
【0016】
極めて少ない部品しか必要としない独特の設計を持つ本発明の一実施例を、混合流体(この場合には空気)の分別手順による移動に即して説明する。図2において、周囲の空気は一対のフィルタ、すなわち、直列に接続された一つの塵埃フィルタ1および一つの高効率粒子アレスタ(HEPA)フィルタ2、を通して、コンプレッサー3によって吸い込まれる。空気は、導管4内で圧縮され、熱交換器5に供給される(図1および図2において、フィルタはコンプレッサーの前でなく、コンプレッサーの後に置いてもよいということは理解されるべきである。)熱交換器は、空気が流体分別器のポート6に供給される前に、圧縮熱の大部分を除去する。熱交換器の冷却空気は、コンプレッサーに取り付けられたファンによって与えられており、これにより、別のモータおよびエネルギ源を不要なものとしている。分別器の吸着器カラムで窒素の大部分を除去した後、酸素が濃厚な成分は出口ポート7を通して小分け導管に取り出され、同時に、脱着した窒素は、酸素が濃厚な製品の残りでパージされ、排気ポート8から出ていく。
【0017】
流体分別器は、図3に示したように、吸着器カラムからなるクラスタまたはアレイがそのハウジング内に入っている製品保持タンク9、回転弁分配器10、および歯車モータ11を有する。
【0018】
図3の4−4線に沿った図である図4に、クランプバンド12で保持タンクに取り付けられる回転分配器弁組立体の入口ポート6、出口ポート7、および排気ポート8に対する、保持タンク内のカラム22のアレイの配置を示す。この場合には、12個のカラムが示してあるが、カラムの数は、二以上の任意の数であってもよい。
【0019】
図4の5−5線での拡大断面図である図5に示してあるように、回転分配器弁は、ポートおよびチャンネルを備えた二部品マニホールド14と、ポートを備えたロータシュー18およびカバープレート46を持つロータ16とを有し、このロータ16は、歯車モータ11(図3)によっておよそ毎分2回転の速度で駆動される。ロータ16は、周辺を取り巻いているボールベアリングユニット17内で回転する。円錐ディスクばねあるいはベルビルばね35は、カバープレート46およびロータシュー18を押し下げてこれらを所定位置に固定している。ロータ16およびその関連構成要素は、マニホールド14に取り付けられたカバー21によって囲まれている。
【0020】
流体流れ方向を示す矢印を辿ると、二部品マニホールド14は、入口ポート6を通して流体流れを取り入れ、これを空気供給通路33を通して、ロータシュー18の中央に配置された入口ポート19に流し、つぎに、ロータシュー内の流体混合物を、ポートプレート20に配置された入口ポートの円形のアレイから、マニホールドの中央の周りに配置されたカラムのアレイの各カラム22に向かって、流すようにポートおよびチャンネルが設けられたトップセクション15を含む。これらのカラムのそれぞれは、流体または汚染物の特定の種類の分子について選択的な吸着材24(この場合にはゼオライト)からなる吸着床を含む。充填層は、底部にあるプレート26と、頂部並びに底部の有孔プレート27とによって所定位置に保持される。頂部のプレートには、ばね28が設けられており、底部のプレートは、直径が経験的に決定される小さなオリフィス60のような圧力降下手段を各カラムの中央に有する。
【0021】
上カラムヘッダプレート30でもある、クランプバンド12でマニホールドの上半部に取り付けられたマニホールドの下半部は、流路用のカバーとして機能し、その下面にカラムのアレイが取り付けられている。マニホールドのチャンネルは、ガスケットまたは封止用コンパウンドでシールされている。
【0022】
マニホールドの上面の凹部には、空気供給チャンネル33の出口ポートに対して同軸状に、等間隔の、円形のパターンをなしたいくつもの孔であって、マニホールドの個々のカラムへのチャンネルの入口ポートの円形の分布と整合した、同数の孔を有するポートプレート20が、スロットおよびキーによって、シールおよび固定されている。マニホールドの上面のポートプレートの直ぐ内側には、溝が機械加工されており、この溝には空気入口回転シール32が収容されている。ポートプレートは、適当な硬化材料で作られている。
【0023】
回転分配器弁の他の主要構成要素は、ポートを備えたロータシュー18を含み、ロータプレート上を滑る、歯車モータで駆動されるロータ16である(図5、図6、図7および図8に、ロータ/シューの種々の様相を示してある)。ロータシューは、ポートプレートを構成する適当な硬化材料とともに使用するのに適していることが当該技術分野で周知の材料で作られており、ばね負荷された手段または圧力補償手段でロータプレート上の所定位置に保持される。添付図面には、加えられた圧力に対して反作用を加える円錐形圧力補償ばねまたはベルビル圧力補償ばねが示してある。この目的で小さなコイルばねからなる構成を使用してもよい。
【0024】
ロータシューには三つのチャンネルが設けられている。一つのチャンネルは、中央流体入口ポート19で始端し、放射状に円弧状スロット36まで延びる、ポートプレートに円形に配置されたポートのうちの幾つかに繋がる導管として役立つ加圧チャンネル、すなわち、空気供給通路34である。ロータシューが回転するとき、スロット内に新たに現れた各ポートが加圧され、そのポートはスロットの他端でスロットから外れ、減圧される。全システム圧力は全ての中間ポートで維持される。図5の6−6線での断面図である図6に、ロータシュー18の円弧状空気供給ポート、すなわち、スロット36とポートプレートの受け入れポート38との関係、並びに空気供給チャンネル31のカラム22のそれぞれに対する関係を示す。
【0025】
別のチャンネルでは、幅広の排気ポート40が、カラムから脱着して出てきた還流流体不純物を収集し、それらを排気出口8(図5)、「消音器」を通して大気中に放出する。
【0026】
図7は、一部を切り取ったロータシューの上部平面図である。この図には幾つかの他の特徴が示されている。脱着されたカラムは、上方の排気スロット40、ロータシューのカバープレート46の通気部42、ロータ空隙空間、排気ポート8(図5)を通ってベントされる。
【0027】
第3チャンネルは、サイクルの加圧フェーズと脱着フェーズとの間の移行期にある二つのカラム間の導管として役立つ横ポートチャンネル44である。このチャンネルの目的は、吸着サイクルと脱着サイクルとの間を移行中のカラムの圧力を迅速に等しくすることである。この特徴により、製品の流量が大きい場合における製品の濃度が高められている。
【0028】
パージ流量は、カラムの再生中に吸着とは逆方向に流れるパージ流体の流量である。再生中に窒素を最大限に除去するための最適のパージ流量が存在する。パージ流量が非常に大きい場合には、吸着床内の圧力が大気圧以上になり、その結果、脱着効率が低下する。ロータシューの横ポートチャンネルにより、カラムが脱着サイクルに入る前にカラムの吸着床で圧力降下を生ぜしめる。これによって、減圧が非常に迅速に起こること並びにその結果として初期パージ流が過度に高くなることを回避することができる。この効果は簡単な機器で容易に計測できるが、分子レベルでのその基礎は解明されていない。
【0029】
図8は、図7の8−8線での断面図であり、ロータシュー18の加圧チャンネル34、横ポートチャンネル44、および排気チャンネル40の経路を示している。
図9は、アレイをなしたカラムのそれぞれに続くチャンネルのポートの円形配置を示すポートプレートの上部平面図であり、図10は、図9の10−10線での断面図となっている。
【0030】
図11に、本発明にかかる装置の別の実施例を示し、その12−12線での断面を図12に示す。図12は、図4に示すカラム22と同様の吸着器カラムからなるアレイを示す。図4の実施例と同様に、図12の実施例に示してある12個のカラムが好ましい数であるが、二つまたはそれ以上の任意の数とすることができる。しかしながら、吸着器カラムについて長さの直径に対する比は6:1以上であるのが好ましく、これが実際に長さに加えられる唯一の制限であるということに着目されたい。この比では、吸着材を圧縮してこれをカラム内に保持するためのばねを使用せずに吸着材をカラム内に保持できる。しかしながら、吸着材が入口オリフィスおよび出口オリフィスを通ってカラムから出ていかないようにするため、少なくとも一つの濾材層をカラムの各端に設けなければならない。出口オリフィス(図示せず)が製品タンク130(図13)まで延びたキャップ165が前記カラムのそれぞれの先端に機械的に着座される。
【0031】
図12の13−13線での拡大断面図である図13に示す回転分配器弁は、1層またはそれ以上のアルミニウム層から形成されたマニホールド70を有する。マニホールドの層は、穿孔され、および/またはダイ成形またはエンボス加工が施され、複数の層を使用する場合には、積み重ねられた形体でシール(積層化またはこれと等価の手段によって)されて流体チャンネルを形成する。図13には四つのアルミニウム層(74、75、76、および77)が示してあるが、軽量で剛性で密度の低い任意の材料(ABS樹脂プラスチック)からなる一つまたはそれ以上の層を使用してもよいということは理解されよう。
【0032】
回転弁は、ベアリングハウジング81内およびロータシュー85内に回転自在に保持されたロータシャフト80をさらに有する。ロータシャフト80の回転は、その周囲にO−リング92が存在することによって可能となっている。ロータシャフト80は、モータシャフト135を介して歯車モータ90によって毎分1回転で駆動される。図13に示すように、前記ロータシャフト80は、線91の上側では同心に形成されており、線91の下側では偏心して形成されている。偏心形状は、ロータシャフト80の側壁80Aの横方向厚さを側壁80Bに関して拡大することによって形成される。
【0033】
ロータシュー85は、ロータシャフト80が着座する円形のチャンバを構成する盛り上がった側壁86および87を持つ、ポートを備えたディスク(図7に示すロータシュー18と構造および構成が同様のものである)からなる。ロータシュー85は、歯車モータ90によってロータシャフト80が駆動されたときに、ロータシャフト80によって及ぼされるトルクにより駆動される。圧縮ばね93は、シャフトおよびシューのシールを助け、かくして装置の不作動時にもシールを維持し、シャフトおよびシューに加わる摩耗を補償する。圧力バランス式シールの形成にこの構成を使用すると、ロータを回転させるのに必要なトルク、およびかくしてシステムを作動させるのに必要なエネルギが、従来技術のシステムまたは図3ないし図10の実施例で必要とされるよりも小さくなる。
【0034】
ロータシャフトとシューの間の圧力バランス式シールは、ロータシューの表面上にロータシューとロータシャフトとの間で装置の作動中に及ぼされる全圧力、およびロータシャフトの直径の関数である。作動中、吸着の開始時の流体入口ポート109での流体圧力と、ロータシャフトの直径(線91の下側)の二乗とπ/4の積が、シャフトとシューの間にシールを形成するために及ぼされる力に等しい。シャフトおよびシューは、この関係により、流体入口ポート109での流体圧力が変化しても互いに関してシールされ、かつ、バランスのとれた状態にある。ロータシャフト80とロータシュー85との間の界面を加圧して圧力バランス式シールを維持するのを助けるのに役立つ通路(図示せず)がポート109から前記界面まで延びているということに着目されたい。
【0035】
さらに、この装置は低騒音設計になっている。図13に示すように、前記低騒音設計は、内面および外面を有する好ましくは可撓性プラスチックで形成されたマフラーハウジング100からなり、このマフラーハウジングは、マニホールド70上にスナップ嵌めしてマニホールドおよび回転弁分配器のカバーを形成する。低騒音設計は、装置内に配置された音響フォームまたはこれと等価の音響減衰材料製の部品を以下の通りにさらに有する。参照番号101では、前記フォームが、一つまたはそれ以上の部品をなして、マフラーハウジング100の内面とその形態を一致させている。参照番号102では、音響フォームがベアリングハウジング81とマニホールド70との間で垂直に配置してある。前記フォーム102は、フォーム102とポートプレート105との間にストップ103を構成するように形成されたマニホールド70の層74の一部によって所定位置に保持されるのがよい。
【0036】
作動時には、回転弁分配器の動作により放出された音波がロータシューの排気ポート113および114からシュー音響フォーム102との間の環状空気空間150内に漏れる。フォーム101および102に当たることによって散逸されなかったこれらの音波は、最終的には、マフラーハウジング100の壁のスロット107から漏れる。従って、低騒音設計は、当該技術分野では、リアクティブ型マフラーであると考えられる。
【0037】
マニホールド70の層74の凹部にはポートプレート105が嵌まっている。ポートプレート105は、図5に示した実施例のポートプレート20と構造が似通っているものであるが、その、吸着器カラムへの入口ポート(ポートはカラム毎に一つずつ設けられている)は任意の形状とすることができ、これらのポートは、好ましくは楔形形状であり、最も好ましくは、空気供給チャンネル116(図14参照)を介してカラム115に到るオリフィス160を取り囲むアーチの要石形状であるという点で、図5に示す実施例のポートプレート20と異なっている。楔形形状入口ポートは、図13の14−14線での断面図である図14の参照番号106に最もよく示してある。
【0038】
図3ないし図10に示す装置の実施例と同様に、流体は、吸着器カラムに通すため、ロータシューのチャンネルを介して、ポートプレート105の入口ポート106に差し向けられる。図15に最もよく示してあるように、ロータシュー85は、三組のチャンネルを有する。チャンネルの第1の組は、中央の流体入口ポート109から対称的な空気供給ポート111および112(二つの空気供給ポートが図示してあるが、これらのポートが入口ポート109を中心として軸線方向に対称に配置されている限り、二つまたはそれ以上の任意の数を使用してもよいということは理解されよう)まで、それぞれ、放射状に延びた加圧チャンネル110Aおよび110Bからなる。流れの方向に関しては、流体は、流体入口ポート109を通って空気供給ポート111および112まで移動し、ポートプレート105のポート106を通り、各ポート106から吸着器カラム(図14の断面図に、115で示されている)まで延びる空気供給チャンネル116(図14)まで移動する。
【0039】
チャンネルの第2の組は、空気供給ポート111および112と同数の、また、入口ポート109に関して軸線方向に対称に配置される、少なくとも二つの排気ポート(図15の113および114)からなる。脱着したカラムは、排気ポート113および114を通して環状空気空間150へおよび最終的にはマフラーハウジング100(図13)のスロット107を介して大気にベントされる。
【0040】
チャンネルの第3の組は、少なくとも一対の対称な横ポートチャンネル118および119(空気供給ポート111および112と同数である)である。これらのチャンネルは、吸着フェーズと脱着フェーズとの間の移行中に図7に示す単一の横ポートチャンネル44で行われたのとほぼ同じ方法でカラム間の圧力を急速に等しくするのに役立つ。
【0041】
数、形状の対称性および大きさがチャンネルの各組に共通であるため、非対称なポートを使用する場合に必要な予負荷ばねがなく、この場合には、空気供給ポートに存在する流体圧力と排気ポートに存在する流体圧力との間の変化により、作動中、ロータシューがポートプレートに押し付けられる。
【0042】
上述の相違点を除き、図11ないし図17の装置は、図3ないし図10の装置と実質的に同じである。
酸素が濃厚な供給空気を患者に提供するための好ましい空気分別方法を以下に説明する。
【0043】
分別方法
ここで、以下では空気分別について述べるが、この方法は他の流体の分別においも有効であるということを繰り返しておく。
図3ないし図10に示してある装置の実施例では、分別方法は、以下の通りである。すなわち、圧縮空気がマニホールド(図6)の入口ポート6に入り、ロータシュー18に通じたマニホールドの空気通路33を通ってから、円弧状の加圧スロット36に導かれ、これに続き、ロータシュー18の回転中にポートプレートの幾つかのポート38に入る。これらのポートを加圧すると、装置に取り付けられたカラム22にガス混合物が進入し、カラムを加圧し、およびカラムを通って流れ、このカラムで分離が起こる。
【0044】
つぎに図5を参照すると、所望のガス、この場合には酸素、はゼオライト吸着材床24を通って自由に移動する(例えばUOPの分子篩分配部によって提供されるのと同様である)が、望ましくないガスおよび蒸気(CO2 、CO、H2Oを加えた窒素)は、それらの分子の大きさおよび比較的高い圧力、および低い温度のため、吸着材床の母材に保持される。
【0045】
精製された所望のガス製品(酸素)は、小さなオリフィス60またはカラムの底に設けられた、流体に対する多孔質の栓のような圧力降下手段を通ってカラムの外に移動し、カラムを取り囲んでいる製品タンク9に入る。製品タンクからは、出口ポート7(図6)の分配システム導管によって、酸素の比較的小さな部分が患者による使用のために取り出され、別の比較的大きな部分は、ほぼ大気圧にある、反対側のバンクのカラムに、カラムの底に設けられた対応する小さな圧力降下/流体制限オリフィスを通って進入し、加圧中、カラムの床を通ってガス流と反対方向に還流する。パージに使用される製品の量と、分配システムによって送出された製品の量との比は、製品の所望の純度に応じて変化する。吸着サイクルよりも低い圧力での製品ガスのこの逆洗は、ゼオライト母材に捕捉された汚染物、この場合には窒素、を除去し、各カラムの頂部を通して流し出し、マニホールド14、ポートプレート20内に送り、およびロータシュー18および排気出口8を通して消音器、すなわち、マフラーを介して大気中に放出する。
【0046】
図2を再び参照すると、取り出された、酸素が濃厚な製品ガスは、小分け導管46内を、流量計を備えた手動制御弁50と、最終フィルタ(HEPA)52とを通って、分配端に至る。
【0047】
図11ないし図17に示す実施例では、分別方法はつぎの通りである。すなわち、圧縮空気が入口導管120から入口ポート121(図14および図17参照)を通ってマニホールドに進入し、中央流体入口ポート109を介してロータシュー85と連通したチャンネル71を通って導かれる。つぎに、空気は、半径方向チャンネル110Aおよび110Bを通って入口ポート111および112に通る。ロータシューがポートプレート105上で回転するとき、入口ポート111および112がそれぞれ同数の複数の楔形形状ポート106と整合し、かくして入口ポート111および112によって空気が供給される複数のポート106のそれぞれと夫々対応する空気供給チャンネル116を介して空気をカラム115に進入させることができる。吸着は、カラム内で上述のように行われる。
【0048】
精製済の製品は、図5に示すオリフィス60のような圧力降下手段を介してカラムを出た後、製品タンク130内に保持される。製品タンク130(図11参照)は、製品タンク9(図5)と、タンク130の方が容積が小さいという点と、カラム115をそれらの先端、すなわち、マニホールド70の反対側、を除いて取り囲んでいないという点とにおいて異なっている。この小さな製品タンク(製品タンク130(図11)に関して)は、システムの全体としての重量を低減する。当業者には理解されようが、実際には、製品タンク130の大きさの減少には限度がある。これは、原理的には、貯蔵の必要および圧力調整器に対する必要を小さくするのに十分にシステムの出力圧力を調整するのに必要な容積によって定められる。
【0049】
オペレータまたは患者が使用するため、製品を出口導管125を介して取り出す。つぎに、図3ないし図10に示す装置について使用した方法に関して上文中に説明したのと同様にシステムをパージする。
【0050】
上文中に説明した両実施例および方法では、モータを特定の速度(図11ないし図17の実施例では毎分1回転であり、図3ないし図10の実施例では毎分2回転である)で作動させ、ロータシューの入口ポートおよび排気ポートの大きさが同じである場合には、サイクルは、各カラムを約12.5秒間に亘って加圧し、2.5秒間に亘って均衡させ、12.5秒間に亘って脱着し、再び均衡させるというように行われる。このようなサイクルは、ロータシューの吸気スロットおよび排気スロットの大きさが同じであり、同数のカラムを作動させる場合にだけ得ることができる。サイクルは、入口ポートおよび排気ポートの夫々の大きさを変化させることによって所望の通りに変更できる。これは、従来技術の機構では実現できなかった望ましい特徴である。
【0051】
ロータがロータプレート上で回転するとき、このサイクルは各カラムについて順次連続的に行われる。この作動モードは、製品の流れを比較的一定にし、多数のカラムについて改善し、減圧調整器の必要をなくす。製品の平均出口圧力はほぼ一定であり、従来技術の分別器の調整済送出圧力の約二倍である。
【0052】
本発明の幾つかの他の利点を以下に概述する。多数の比較的小径のカラムを使用するため、効果的な吸着分離について重要な、長さ:直径比が大きい場合でも、カラムの長さを短くできる。多数のカラムおよび回転分配器弁のため、コンプレッサーおよび他の構成要素を通る準定常状態のガス流が得られ、これによって、多くの利点が得られ、システムが簡略化される。本発明は、サイクルの吸着フェーズに要する時間と脱着フェーズに要する時間が等しくなくてもよくすることによって、吸着サイクルを最適化することができるようにしている。従来技術の二チャンバシステムは本質的に二つの時間に分けられる。
【0053】
本発明の別の大きな利点は、従来技術では必要であった多くの構成要素をなくすことによって小型軽量化し、かつ、保守の回数を少なくし、これに伴って外来患者にとっての信頼性および操作性を高めるということである。なくされた構成要素には、
空気だめ、すなわち、サージタンク、
4個ないし5個のソレノイド弁(あるいは四方弁および一つの二方ソレノイド弁)、
ソレノイド弁用の電気式または電子式のシーケンス制御装置、
減圧調整器、および
ほぼ全ての連結配管および継手、が含まれる。
ほぼ全ての「配管」を無くすことによって小型軽量化し、システムで漏れが起こる危険を小さくし、製造費用を低くする。
【0054】
この実施例で使用した吸着材は合成ゼオライトであるが、利用できる有用な吸着材は他にも沢山ある。従って、本発明はその使用に限定されるものと解釈されるべきではない。回転分配器の概念を使用したけれども、本発明の精神および範囲内の多くの他の形体が可能であるということは当業者には理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】商業的に入手できる従来技術の代表的な二カラム吸着材分別システムの概略図である。
【図2】本発明の流体分別器呼吸補助システム全体の一実施例の概略図である。
【図3】図2に示した装置の側面図である。
【図4】図3の4−4線での平面図である。
【図5】図4の5−5線での拡大断面図である。
【図6】図5の6−6線での断面図である。
【図7】図2に示した実施例のロータシューの、一部を切り取った上部平面図である。
【図8】図7の8−8線での断面図である。
【図9】図2に示す実施例のポートプレートの上部平面図である。
【図10】図9の10−10線での断面図である。
【図11】別の実施例のユニットの立面図である。
【図12】図11の12−12線での断面図である。
【図13】図12の13−13線での拡大断面図である。
【図14】図13の14−14線での断面図である。
【図15】図13の15−15線でのロータシューの下側の図である。
【図16】図15の16−16線での断面図である。
【図17】図12の17−17線での拡大断面図である。
【符号の説明】
6 ポート
8 排気ポート
9 製品保持タンク
10 回転弁分配器
12 クランプバンド
14 二部品マニホールド
15 トップセクション
16 ロータ
17 ボールベアリングユニット
18 ロータシュー
19 入口ポート
20 ポートプレート
21 カバー
22 カラム
24 吸着材
26 プレート
27 有孔プレート
28 ばね
30 上カラムヘッダプレート
31 空気供給チャンネル
32 空気入口回転シール
33 空気供給チャンネル・空気供給通路
34 空気供給通路
35 ベルビルばね
36 円弧状スロット
38 受け入れポート
40 排気ポート
42 通気部
44 横ポートチャンネル
46 カバープレート
60 オリフィス

Claims (19)

  1. 加圧空気を提供するための提供手段と、
    円筒形形体のカラムと、
    加圧空気をカラムに差し向けるための分配手段と、
    加圧空気中の酸素以外の特定の成分を吸着し、空気中の酸素濃厚部分を通すための、カラム内に配置された吸着手段と、
    カラム内の吸着手段を通過した酸素濃厚部分を収集するための収集手段とを有し、且つ、
    .先端および基端をそれぞれ備え、内部に通された流体混合物を分別するための分子吸着剤を収容した第1のカラム群、第2のカラム群、および第3のカラム群であって、前記第1のカラム群、前記第2のカラム群、および前記第3のカラム群のうちの一つを通過して加圧フェーズ中にこの複数の吸着器カラムから精製済み部分として出る酸素濃厚部分と、前記吸着剤によって保持された部分として保持され脱着フェーズ中に吸着剤に保持された成分を脱着される部分とに分離することによって行われる、カラムと、
    b.前記精製済み部分を受け入れてこれを貯蔵するための手段および前記精製済み部分の第一部分を取り出すための流体出口ポートを有するチャンバ手段とを含み、
    前記分配手段は、
    c.分配器弁組立体と、
    d.回転自在の分配器手段を回転させるための手段を有し、
    該分配器弁組立体は、
    i.前記流体混合物を受け入れ、前記吸着剤によって保持された部分をパージするための流体チャンネルを持つ流体マニホールドと、
    ii.前記カラムと流体連通した第1の開口部群、第2の開口部群、および第3の開口部群を持ち、流体を実質的に連続的に流すための一体の入口チャンネルを有する不動のポートプレートと、
    iii.前記マニホールドと流体連通した回転自在の分配器手段とを有し、
    該分配器手段は、前記一体の入口チャンネルと流体連通し、かつ、前記一体の入口チャンネルを中心として入口ポートを持つロータシューであって、前記入口ポートは、前記ロータシューが前記入口ポートを前記ポートプレートの前記第1の開口部上で回転させたときに前記第1のカラム群を順次加圧し、前記ロータシューは、前記一体の入口チャンネルを中心とする排気ポートを有し、前記排気ポートは、前記ロータシューが前記排気ポートを前記ポートプレートの前記第2の開口部上で回転させたとき、前記吸着剤によって保持された部分を含む前記第2のカラム群のそれぞれから出る還流流体を順次もしくは同時に排気し、前記ロータシューは、さらに、加圧フェーズと脱着フェーズとの間に移行期にある前記第3のカラム群の二つまたはそれ以上のカラムを連結し、圧力を迅速に均衡させるためのポートを揃えたロータシューを有することを特徴とする装置。
  2. 前記分配器手段は、
    1.同心部分および偏心部分を持つロータシャフトと、
    2.前記ロータシャフトにより駆動されると共に、前記一体の入口チャンネルと流体連通し、かつ、前記チャンネルを中心として軸線方向に対称な入口ポートを持つロータシューであって、前記入口ポートは、前記ロータシューが前記対をなした入口ポートを前記ポートプレートの前記第1の開口部上で回転させたときに前記第1のカラム群を順次加圧し、前記ロータシューは、前記一体の入口チャンネルを中心とする排気ポートを有し、前記排気ポートは、前記ロータシューが前記排気ポートを前記ポートプレートの前記第2の開口部上で回転させたとき、前記吸着剤によって保持された部分を含む前記第2の複数のカラムのそれぞれから出る還流流体を順次もしくは同時に排気し、前記ロータシューは、さらに、加圧フェーズと脱着フェーズとの間に移行期にある前記第3のカラム群の二つまたはそれ以上のカラムを連結し、圧力を迅速に均衡させるためのポートを揃えたロータシューとを有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 前記分配手段は、第1の特定の時間に空気をカラム内に差し向けるように作動し、
    酸素濃厚部分を吸着手段に通した後、カラム内の脱着ガスを第1の特定の時間とは異なる第2の特定の時間に大気中に通すためのパージ手段と、
    収集手段内に収集された酸素濃厚部分を収集手段から選択的に放出するための放出手段と、
    カラムの出力端に、酸素以外の特定の成分をカラム内に吸着しているときおよび酸素濃厚部分をカラムに通しているときにカラムから吸着手段がなくならないようにするための濾材を提供するためのフィルター手段とを有し、
    カラムには前記吸着手段およびフィルター手段だけが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 収集手段内に収集された酸素濃厚部分を収集手段から選択的に放出するための放出手段と、
    カラムの両端に、酸素以外の特定の成分をカラム内に吸着しているときおよび酸素濃厚部分をカラムに通しているときにカラムから吸着手段がなくならないようにするための濾材を提供するためのフィルター手段とを有し、
    カラムには前記吸着手段およびフィルター手段だけが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 前記カラムの長さ対直径の比が少なくとも6:1であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. 前記ロータシューが、前記加圧フェーズと前記脱着フェーズとの間の移行期にある前記第3のカラム群の二つまたはそれ以上の複数のカラムを前記ポートを介して連結し、閉ループをなして圧力を迅速に均衡させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  7. 前記複数のカラムは円筒形であり、前記分配手段は、前記ロータシューの入口ポートに連通して流体を複数のカラムのうちの第1のカラム群に差し向けるための互いに対称に配置された第1チャンネルと、前記ロータシューの排気ポートに連通して複数のカラムのうちの第2のカラム群から流体を流すための互いに対称に配置された第2チャンネルとを有し、カラムのうちの第1のカラム群の開口は閉ループ内で互いに対称に配置され、複数のカラムのうちの第2のカラム群の開口は閉ループ内で互いに対称に配置され、前記分配手段は、前記ロータシューのポートに連通して複数のカラムのうちの第3のカラム群内の流体の圧力を等しくするための互いに対称に配置された第3チャンネルを有し、複数のカラムのうちの第3のカラム群の開口は閉ループ内で互いに対称に配置され、かつ、前記複数のカラムのうちの第3のカラム群の開口は前記複数のカラムのうちの第1のカラム群の開口と複数のカラムのうちの第2のカラム群の開口との間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
  8. カラムの出力端に、流体の第1成分がカラムを通過し、流体の他の特定の成分がカラム内で吸着されているときにカラムから前記吸着手段がなくならないようにするための濾材を提供するためのフィルター手段をさらに有し、カラムには前記吸着手段およびフィルター手段だけが設けられていることを特徴とする請求項6に記載の装置。
  9. 複数のカラムと、
    第1成分および他の成分を含む加圧流体を複数のカラムのうちの順次切替えカラムに提供するための提供手段と、
    流体のいくつかの他の成分を複数のカラム内で吸着し、流体の少なくとも第1成分をカラムを通過させるための、前記複数のカラム内に配置された吸着手段と、
    複数のカラムのうちの第1の順次切替えカラム内への加圧流体を通し、複数のカラムのうちの第2の順次切替えカラムからの流体を通すための分配手段と、
    複数のカラムのうちの第1の順次切替えカラム内を通過する流体の少なくとも第1成分を収集するための収集手段と、
    前記分配手段をカバーするハウジングと、
    前記分配手段が発生する騒音を減衰させるための、ハウジング内に配置された騒音抑制手段とを含み、かつ、前記分配手段が、
    i.前記加圧流体を受け入れ、吸着剤によって保持された部分をパージするための流体チャンネルを持つ流体マニホールドと、
    ii.前記カラムと流体連通した第1の開口部群、第2の開口部群、および第3の開口部群を持ち、流体を実質的に連続的に流すための一体の入口チャンネルを有する不動のポートプレートと、
    iii.前記マニホールドと流体連通した回転自在の分配器手段とを有し、
    該分配器手段は、前記一体の入口チャンネルと流体連通し、かつ、前記チャンネルを中心として入口ポートを持つロータシューであって、前記入口ポートは、前記ロータシューが前記入口ポートを前記ポートプレートの前記第1の開口部上で回転させたときに前記第1のカラム群を順次加圧し、前記ロータシューは、前記一体の入口チャンネルを中心とする排気ポートを有し、前記排気ポートは、前記ロータシューが前記排気ポートを前記ポートプレートの前記第2の開口部上で回転させたとき、前記吸着剤によって保持された部分を含む前記第2の複数のカラムのそれぞれから出る還流流体を順次もしくは同時に排気し、前記ロータシューは、さらに、加圧フェーズと脱着フェーズとの間に移行期にある前記第3のカラム群の二つまたはそれ以上のカラムを連結し、圧力を迅速に均衡させるためのポートを揃えたロータシューとを有することを特徴とする装置。
  10. 前記ハウジングは、騒音を消す性質を持つ材料からつくられており、前記分配手段は回転分配器弁およびマニホールドを含み、前記ハウジングは前記マニホールド上に配置され、前記騒音抑制手段は、前記分配手段が発生する騒音を減衰させるための、前記マニホールドと前記ハウジングとの間に配置された第1騒音減衰手段を有し、前記マニホールドは、前記第1騒音減衰手段を前記ハウジング内で固定位置に保持するための保持手段を含み、前記ハウジングは内壁を有し、前記騒音抑制手段は、前記分配手段が発生する騒音をさらに減衰させるための、前記ハウジング内に前記ハウジングの前記内壁にあてて配置された第2騒音減衰手段を含むことを特徴とする請求項9に記載の装置。
  11. 環状形体で配置されている開口に流体連通された複数のカラムと、
    第1成分および他の成分を含む加圧流体を提供するための提供手段と、
    流体のいくつかの他の成分を複数のカラム内に吸着し、流体の少なくとも第1成分をこのようなカラムを通過させるための、複数のカラム内に配置された吸着手段と、
    マニホールドと、
    回転弁と、
    加圧流体を複数のカラムのうちの第1の順次切替えカラム内に導入し、流体の少なくとも第1成分をこのようなカラムに通過させ、流体のいくつかの他の成分をこのようなカラム内で吸着し、複数のカラムのうちの第2の順次切替えカラムから流体を通過させるための、前記回転弁および前記マニホールドと協働する分配器と、
    前記回転弁および前記分配器が発生する騒音を減衰させるための、前記マニホールド上に配置された騒音を消す性質を持つ材料からつくられたハウジングとを含み、かつ、前記分配器が、
    i.前記加圧流体を受け入れ、吸着剤によって保持された部分をパージするための流体チャンネルを持つ流体マニホールドと、
    ii.前記カラムと流体連通した第1の開口部群、第2の開口部群、および第3の開口部群を持ち、流体を実質的に連続的に流すための一体の入口チャンネルを有する不動のポートプレートと、
    iii.前記マニホールドと流体連通した回転自在の分配器手段とを有し、
    該分配器手段は、前記一体の入口チャンネルと流体連通し、かつ、前記チャンネルを中心として入口ポートを持つロータシューであって、前記入口ポートは、前記ロータシューが前記入口ポートを前記ポートプレートの前記第1の開口部上で回転させたときに前記第1のカラム群を順次加圧し、前記ロータシューは、前記一体の入口チャンネルを中心とする排気ポートを有し、前記排気ポートは、前記ロータシューが前記排気ポートを前記ポートプレートの前記第2の開口部上で回転させたとき、前記吸着剤によって保持された部分を含む前記第2の複数のカラムのそれぞれから出る還流流体を順次もしくは同時に排気し、前記ロータシューは、さらに、加圧フェーズと脱着フェーズとの間に移行期にある前記第3のカラム群の二つまたはそれ以上のカラムを連結し、圧力を迅速に均衡させるためのポートを揃えたロータシューとを有することを特徴とする装置。
  12. 前記ハウジング内に配置され、ハウジングの輪郭と一致するように形成され、ロータシューおよび前記分配器が発生する騒音を減衰させる性質を持つ材料からつくられた騒音抑制手段をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の装置。
  13. 前記ハウジングと前記マニホールドとの間に配置された、ロータシューおよび前記分配器が発生する騒音を減衰させる性質を持つ材料から作られている騒音抑制手段と、前記騒音抑制手段をハウジング内の所定位置に保持するための、前記マニホールド内に配置された保持手段とをさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の装置。
  14. 前記ロータシューは、加圧流体を複数のカラムのうちの第1の順次切替えカラム内に導くための互いに対称に配置された第1チャンネルと、複数のカラムのうちの第1の順次切替えカラムからの流体を通すための互いに対称に配置された第2チャンネルとを有し、前記複数のカラムは円筒形であり、これらのカラムのそれぞれの長さ対直径の比は少なくとも6:1であり、前記複数のカラムには前記吸着手段だけが設けられていることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一つに記載の装置。
  15. 加圧フェーズおよび脱着フェーズを持つ圧力スイング分子吸着により流体混合物を分別するための装置において、
    a.先端および基端をそれぞれ備え、内部に通された流体混合物を分別するための分子吸着剤を収容した第1のカラム群、第2のカラム群、および第3のカラム群であって、前記第1のカラム群、前記第2のカラム群、および前記第3のカラム群のうちの一つを通過して前記加圧フェーズ中にこの複数の吸着器カラムから精製済み部分として出る酸素濃厚部分と、前記吸着剤によって保持された部分として保持され前記脱着フェーズ中に吸着剤に保持された成分を脱着される部分とに分離することによって行われる、吸着器カラムと、
    b.前記精製済み部分を受け入れてこれを貯蔵するための手段および前記精製済み部分の第一部分を取り出すための流体出口ポートを有するチャンバ手段と、
    c.分配器弁組立体と、
    d.回転自在の分配器手段を回転させるための手段を有し、
    該分配器弁組立体は、
    i.前記流体混合物を受け入れ、前記吸着剤によって保持された部分をパージするための流体チャンネルを持つ流体マニホールドと、
    ii.前記カラムと流体連通した第1の開口部群、第2の開口部群、および第3の開口部群を持ち、流体を実質的に連続的に流すための一体の入口チャンネルを有する不動のポートプレートと、
    iii.前記マニホールドと流体連通した回転自在の分配器手段とを有し、
    該分配器手段は、
    1.ロータシャフトと、
    2.前記ロータシャフトにより駆動されると共に、前記一体の入口チャンネルと流体連通し、かつ、前記チャンネルを中心として入口ポートを持つロータシューであって、前記入口ポートは、前記ロータシューが前記入口ポートを前記ポートプレートの前記第1の開口部上で回転させたときに前記第1のカラム群を順次加圧し、前記ロータシューは排気ポートを有し、前記排気ポートは、前記ロータシューが前記排気ポートを前記ポートプレートの前記第2の開口部上で回転させたとき、前記吸着剤によって保持された部分を含む前記第2のカラム群のそれぞれから出る還流流体を順次もしくは同時に排気し、前記ロータシューは、さらに、加圧フェーズと脱着フェーズとの間に移行期にある前記第3のカラム群の二つまたはそれ以上のカラムを連結し、圧力を迅速に均衡させるためのポートを揃えたロータシューを有し、
    更に、前記精製済み部分を受け入れてこれを貯蔵するための手段が、前記精製済み部分の第1部分を取り出すための流体出口ポートの近くから所定位置に延び、複数のカラムの前記ポート手段近くの端を包囲する製品タンクであることを特徴とする装置。
  16. 前記マニホールド上に配置され、前記マニホールドから前記製品タンクが配置された方向とは反対方向に延びるハウジングと、複数のカラムのうちの第2の順次切替えカラムからの流体流れにより生じる騒音を減衰させるための、前記ハウジングに配置された騒音抑制手段とを有し、前記カラムは円筒形であり、長さ対直径の比が少なくとも6:1であることを特徴とする請求項15に記載の装置。
  17. 前記ハウジング内に、複数のカラムのうちの第1の順次切替えカラム内への流体流れおよび複数のカラムのうちの第2の順次切替えカラムからの流体流れにより生じる騒音を減衰させるための騒音抑制手段を有することを特徴とする請求項16に記載の装置。
  18. 加圧フェーズおよび脱着フェーズを持つ圧力スイング分子吸着により流体混合物を分別するための装置において、
    a.先端および基端をそれぞれ備え、内部に通された流体混合物を分別するための分子吸着剤を収容した第1のカラム群、第2のカラム群、および第3のカラム群であって、前記第1のカラム群、前記第2のカラム群、および前記第3のカラム群のうちの一つを通過して前記加圧フェーズ中にこの複数の吸着器カラムから精製済み部分として出る酸素濃厚部分と、前記吸着剤によって保持された部分として保持され前記脱着フェーズ中に吸着剤に保持された成分を脱着される部分とに分離することによって行われる、吸着器カラムと、
    b.前記精製済み部分を受け入れてこれを貯蔵するための手段および前記精製済み部分の第一部分を取り出すための流体出口ポートを有するチャンバ手段と、
    c.分配器弁組立体と、
    d.回転自在の分配器手段を回転させるための手段を有し、
    該分配器弁組立体は、
    i.前記流体混合物を受け入れ、前記吸着剤によって保持された部分をパージするための流体チャンネルを持つ流体マニホールドと、
    ii.前記カラムと流体連通した第1の開口部群、第2の開口部群、および第3の開口部群を持ち、流体を実質的に連続的に流すための一体の入口チャンネルを有する不動のポートプレートと、
    iii.前記マニホールドと流体連通した回転自在の分配器手段とを有し、
    該分配器手段は、
    1.ロータシャフトと、
    2.前記ロータシャフトにより駆動されると共に、前記一体の入口チャンネルと流体連通し、かつ、前記チャンネルを中心として入口ポートを持つロータシューであって、前記入口ポートは、前記ロータシューが前記入口ポートを前記ポートプレートの前記第1の開口部上で回転させたときに前記第1のカラム群を順次加圧し、前記ロータシューは排気ポートを有し、前記排気ポートは、前記ロータシューが前記排気ポートを前記ポートプレートの前記第2の開口部上で回転させたとき、前記吸着剤によって保持された部分を含む前記第2のカラム群のそれぞれから出る還流流体を順次もしくは同時に排気し、前記ロータシューは、さらに、加圧フェーズと脱着フェーズとの間に移行期にある前記第3のカラム群の二つまたはそれ以上のカラムを連結し、圧力を迅速に均衡させるためのポートを揃えたロータシューを有し、
    さらに、ロータシャフトおよびロータシューを均衡させるための、ロータシャフトとロータシューの間に配置された圧力均衡手段として、圧縮バネを含むことを特徴とする装置。
  19. 前記カラムと流体連通された開口は環状形体で配置され、ロータシャフトはロータシュー内に配置され、ロータシャフトおよびロータシューをシールするための、ロータシャフトとロータシューの間に配置されたシール手段を有し、前記圧力均衡手段は、ロータシャフトおよびロータシューのシール、およびロータシューの圧力均衡を助けるために、ロータシャフトとロータシューの間に配置されていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
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