JP3643023B2 - ダイオード付きコプレーナ線路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオードおよびその製造方法ならびにコプレーナ線路に関し、特に、高アイソレーションが要求されるダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】
次世代通信システムとしてミリ波帯(27GHz〜32GHz)を用いる大容量高速通信システムが考えられている。この通信システム分野では、送受信の切り替えなどの用途に高アイソレーションのRFスイッチが要望されている。その一つの候補として、GaAsを主材料とするPINダイオードスイッチが挙げられる。PINダイオードスイッチは、今日、縦型のPINダイオードによって実施化されているのが実情であるが、横型のPINダイオードによっても実施化することができる。横型のPINダイオードは、イオン注入法を用いて作製することができるため、縦型のPINダイオードと比べて、低コスト化を図ることができ、そして集積化を行うことも容易となる。
【0003】
図8は、従来の横型のPINダイオードの断面構造を示している。図8に示した横型のPINダイオードは、GaAsからなる半導体基板101に形成されたn型半導体領域102およびp型半導体領域103と、n型半導体領域102にオーミック接触するn型オーミック電極104と、p型半導体領域103にオーミック接触するp型オーミック電極105が形成されている。n型半導体領域102およびp型半導体領域103は、互いに約1μm離間して形成されており、n型半導体領域102は、半導体基板(GaAs基板)101に不純物としてSiが注入されることによって形成され、一方、p型半導体領域103は、半導体基板101に不純物としてZnが注入されることによって形成されている。n型オーミック電極104は、AuGe等の蒸着によってn型半導体領域102上に形成されており、そして、p型オーミック電極105は、Ti/Pt/Au等の蒸着によってp型半導体領域103上に形成されている。
【0004】
図8に示した横型のPINダイオードは、ON時の電流の立ち上がりが良く、そして抵抗が極めて小さいので、低損失特性を実現することができる。特に、ダイオードの幅を広げて電流量を増やすと、損失が低くなることが分かっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の横型のPINダイオードは、n型オーミック電極104とp型オーミック電極105とが対向しているため、n型オーミック電極104とp型オーミック電極105との間に電極間容量が存在し、アイソレーションが悪くなるという問題がある。p型半導体領域103とn型半導体領域102との間隔が1μmの場合、オーミック電極の間隔は、プロセス上の諸条件により、通常4μm前後と狭く、この狭い電極間隔は、容量増大の一因となっている。また、ダイオードの幅を広げて電流量を増やして損失を抑えようとすればするほど電極間容量は大きくなるため、低損失と高アイソレーションとを同時に実現することは困難となっている。
【0006】
本発明は上記諸点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、アイソレーションを向上させたダイオードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるダイオードは、半導体基板上に互いに離間して配置されたカソード電極およびアノード電極と、前記カソード電極と前記アノード電極との間に設けられた遮蔽用金属構造体とを有する。
【0008】
ある実施形態では、前記半導体基板に形成されたn型半導体領域およびp型半導体領域をさらに有し、前記カソード電極は、前記n型半導体領域上に形成されたn型オーミック電極であり、前記アノード電極は、前記p型半導体領域上に形成されたp型オーミック電極であり、前記n型オーミック電極と前記p型オーミック電極との間に前記遮蔽用金属構造体が設けられている。
【0009】
ある実施形態では、前記半導体基板に形成されたn型半導体領域および高濃度のn型半導体領域をさらに有し、前記カソード電極は、前記n型半導体領域上に形成されたショットキー電極であり、前記アノード電極は、前記高濃度のn型半導体領域上に形成されたn型オーミック電極であり、前記ショットキー電極と前記n型オーミック電極との間に前記遮蔽用金属構造体が設けられている。
【0010】
前記遮蔽用金属構造体と前記半導体基板との間に形成された絶縁膜をさらに有することが好ましい。
【0011】
前記遮蔽用金属構造体の最上部は、前記カソード電極および前記アノード電極の最上部よりも高いことが好ましい。
【0012】
前記遮蔽用金属構造体は、前記カソード電極の側面に対向する第1側面と、前記アノード電極の側面に対向する第2側面とを有する金属壁であり、前記金属壁の前記第1側面の面積は、前記カソード電極の前記側面の面積よりも大きいことが好ましい。
【0013】
前記遮蔽用金属構造体は、前記カソード電極の側面に対向する第1側面と、前記アノード電極の側面に対向する第2側面とを有する金属壁であり、前記金属壁の前記第2側面の面積は、前記アノード電極の前記側面の面積よりも大きいことが好ましい。
【0014】
本発明によるダイオードの製造方法は、半導体基板にp型半導体領域およびn型半導体領域を形成する工程と、前記p型半導体領域上にp型オーミック電極を形成する工程と、前記n型半導体領域上にn型オーミック電極を形成する工程と、前記半導体基板上における前記p型半導体領域と前記n型半導体領域との間に絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層上に遮蔽用金属構造体を形成する工程とを包含する。
【0015】
ある実施形態では、前記p型半導体領域およびn型半導体領域を形成する工程は、高抵抗の半導体基板(半絶縁性半導体基板)を用意する工程と、前記半導体基板に、p型注入領域とn型注入領域とを形成する工程と、前記p型注入領域と前記n型注入領域を活性化する工程とを包含する。
【0016】
前記p型オーミック電極または前記n型オーミック電極の形成は、前記遮蔽用金属構造体を構成する材料と同一の材料を用いて、前記遮蔽用金属構造体を形成する工程とともに実行されることが好ましい。
【0017】
本発明によるコプレーナ線路は、半導体基板上に互いに離間して配置されたカソード電極およびアノード電極と、前記カソード電極と前記アノード電極との間に設けられた遮蔽用金属構造体とを有する、ダイオードと、前記ダイオードの前記カソード電極に接続された第1の信号線と、前記ダイオードの前記アノード電極に接続された第2の信号線と、第1の信号線および第2の信号線のそれぞれの近傍に設けられ、前記遮蔽用金属構造体に接続された前記接地導体とを備えている。
【0018】
前記遮蔽用金属構造体と前記接地導体とは一体形成されていることが好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のダイオードは、互いに離間して配置されたカソード電極とアノード電極との間に設けられた遮蔽用金属構造体(例えば、金属壁)を有しているので、両電極間の電界を遮断することができ、その結果、電極間容量を低減し、アイソレーションを向上させることができる。以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。以下の図面においては、説明の簡潔さのため、実質的に同一の機能を有する構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
(実施形態1)
図1は、本発明による実施形態1にかかるダイオードの構成を模式的に示している。図1に示したダイオードは、横型のPINダイオードであり、半導体基板1に形成されたn型半導体領域2およびp型半導体領域3と、n型半導体領域2上に形成されたn型オーミック電極(カソード電極)4と、p型半導体領域3上に形成されたp型オーミック電極(アノード電極)5と、n型オーミック電極4とp型オーミック電極5との間に設けられた遮蔽用金属構造体(遮蔽用金属壁)7とを有している。
【0020】
半導体基板1は、例えば、高抵抗材料であるGaAsからなる半絶縁性半導体基板(GaAs基板)であり、半導体基板1の表面には、不純物としてSiが注入されることによって形成されたn型半導体領域2と、不純物としてZnが注入されることによって形成されたp型半導体領域3とが互いに約1μm離間して設けられている。n型半導体領域2にオーミック接触するn型オーミック電極4(厚さ:0.6μm)は、p型半導体領域3にオーミック接触するp型オーミック電極5(厚さ:0.6μm)とは、互いに約5μm離間して配置されている。 n型オーミック電極4は、AuGe等の蒸着によってn型半導体領域2上に形成されており、一方、p型オーミック電極5は、Ti/Pt/Au等の蒸着によってp型半導体領域3上に形成されている。なお、本実施形態において、ダイオードの幅を規定するn型半導体領域2およびp型半導体領域3の幅(図1中の矢印Bの方向に沿った長さ)は、例えば50μmであり、n型オーミック電極4およびp型オーミック電極5の幅(図1中の矢印Bの方向に沿った長さ)は、例えば42μmである。
【0021】
n型オーミック電極4とp型オーミック電極5との間には、オーミック電極間の対向容量を低減させる遮蔽用金属構造体(遮蔽用金属体)7が設けられており、本実施形態では、遮蔽用金属構造体7として、Ti/Pt/Au等の蒸着法によって形成された金属壁7が設けられている。なお、遮蔽用金属構造体7が電磁シールドとして機能して電極間容量を低減させることができればよいので、遮蔽用金属構造体7は金属壁の構造に限定されず、他の構造であってもよい。
【0022】
n型オーミック電極4とp型オーミック電極5との間の電界をより確実に遮断するために、金属壁7の最上部の高さは、電極4および5の最上部の高さよりも高い方が好ましい。また、互いに対向して配置されている電極4の側面(端面)4aおよび電極5の側面(端面)5aのそれぞれの面の面積よりも、金属壁7の側面7aの面積の方が大きいことが好ましい。換言すると、金属壁7の側面7aの面積が対向する各オーミック電極の側面4aまたは5aの面積よりも大きい方がより確実に各オーミック電極間の電界を遮蔽することができ、アイソレーションの効果を大きくすることができるため好適である。本実施形態では、金属壁7の高さは、例えば2.8μmであり、長さ(図1中の寸法A)は、例えば1μmであり、そして幅(図1中の矢印Bの方向に沿った長さ)は、例えば120μmである。なお、本実施形態では、金属壁7の高さを2.8μmとしたが、これに限らず、電極4または5の高さ(厚さ)とほぼ同じ高さ(0.6μm程度)にしてもよい。このような高さの金属壁7の場合でも、電極4、5間の電界を十分に遮蔽できることを本願発明者は実験によって確認した。
【0023】
金属壁7が半導体基板1に直接接触すると、PINダイオードの正常動作を妨げるので、金属壁7と半導体基板1との間には、絶縁膜6が設けられている。本実施形態では、n型オーミック電極4またはp型オーミック電極5の厚さよりも極めて薄い厚さの酸化膜6(例えば、SiO2膜、厚さ:約0.1μm)が金属壁7と半導体基板1との間に形成されている。なお、酸化膜6を形成することなく、例えば高架形状のエアブリッジにして、金属壁7と半導体基板1とが直接接触しないような構成にしてもよい。
【0024】
金属壁7は、例えば、グランド金属体(グランドプレーン)8に接続されており、金属壁7は接地電位となるように構成されている。本実施形態では、高周波電力を供給する伝送線路がコプレーナ線路である場合におけるグランド金属体8と金属壁7とが一体形成されており、グランド金属体8と一体形成された金属壁7がn型オーミック電極4とp型オーミック電極5との間に設けられている。n型オーミック電極4およびp型オーミック電極5には、それぞれ配線9が接続されている。配線9は、n型オーミック電極4またはp型オーミック電極5のそれぞれの端部から、金属壁7から離れる方向へ10μmだけセットバックして形成されている。配線9の厚さは、例えば2.2μmであり、本実施形態では、配線9の最上部よりも、金属壁7の最上部の方が高くなるような構成にしている。
【0025】
本実施形態のPINダイオードでは、互いに離間して配置されたn型オーミック電極4とp型オーミック電極5との間に遮蔽用金属構造体(金属壁)7が設けられているので、両オーミック電極(4、5)間の電界を遮断することができ、その結果、従来技術と比較して、電極間容量を低減して、アイソレーションを向上させることができる。
【0026】
本実施形態のPINダイオードにおけるアイソレーションは−19dBであり、一方、金属壁7が設けられていない構成のPINダイオードのアイソレーションは−13dBであった。したがって、6dBの改善がみられた。この結果より、本実施形態におけるPINダイオードは、金属壁7が設けられていない構成のPINダイオードに比べて、アイソレーション特性が飛躍的に改善されたことが確認された。なお、ここで「アイソレーション」とは、p型オーミック電極5側をポート1、n型オーミック電極4側をポート2としたとき、PINダイオードのスイッチがOFF時のポート1からポート2へ透過する電力の大きさの度合いを表す所謂Sパラメータのことである。
【0027】
なお、本実施形態では、コプレーナ線路のグランド金属体8を用いて、金属壁7の電位をグランドにした構成にしたが、コプレーナ線路を用いなくても良く、また、金属壁7は任意の定電位に設定しても良い。さらに、本実施形態では、金属壁7とグランド金属体8とを一体形成した構成にしたが、これに限らず、金属壁7とグランド金属体8とを別々に形成して両者を接続した構成にしてもよい。
【0028】
次に、図2から図4を参照しながら、本実施形態におけるPINダイオードの製造方法を説明する。図2から図4は、本実施形態のPINダイオードの製造方法を説明するための工程断面図である。
【0029】
まず、GaAsからなる半導体基板1を用意した後、図2(a)に示すように、n型半導体領域を形成するための領域が開口された第1のレジストパターン31を半導体基板1上に形成し、次いで、第1のレジストパターン31をマスクとして、n型のドーパントとなるSiを半導体基板1の表面に注入してn型注入領域21Aを形成する。その後、レジストパターン31を除去する。
【0030】
次に、図2(b)に示すように、p型半導体領域を形成するための領域が開口された第2のレジストパターン32を半導体基板1上に形成し、次いで、第2のレジストパターン32をマスクとして、p型のドーパントとなるZnを半導体基板1の表面に注入してp型注入領域22Aを形成する。このとき、n型注入領域21Aとp型注入領域22Aとの間には1μmの間隔をあけるようにする。その後、レジストパターン32を除去する。
【0031】
次に、図2(c)に示すように、アニールを施して、各注入領域のドーパントを活性化することによって、n型半導体領域21とp型半導体領域22とをそれぞれ形成する。
【0032】
次に、図3(a)に示すように、半導体基板1上にSiO2から構成された絶縁膜23を0.1μm堆積した後、絶縁膜23上に第3のレジストパターン33を形成する。次いで、n型オーミック電極24のパターンを規定する第3のレジストパターン33をマスクとして絶縁膜23を開口した後、第3のレジストパターン33をマスクとしてAuGe等の金属膜24Aを0.6μm蒸着する。その後、第3のレジストパターン33をリフトオフし、次いで、熱処理を施すことによって、n型オーミック電極24を形成する。
【0033】
次に、図3(b)に示すように、半導体基板1上に、p型オーミック電極25のパターンを規定する第4のレジストパターン34を形成し、第4のレジストパターン34をマスクとして絶縁膜23を開口する。次いで、第4のレジストパターン34をマスクとして、Ti/Pt/Au/Ti等の金属膜25Aを0.6μm蒸着する。その後、第4のレジストパターン34をリフトオフし、p型オーミック電極25を形成する。
【0034】
次に、図3(c)に示すように、半導体基板1上に、金属壁26のパターンを規定する第5のレジストパターン35を形成し、次いで、第5のレジストパターン35をマスクとして金属膜26Aを2.6μm蒸着し、その後、第5のレジストパターン35をリフトオフして、金属壁26を形成する。
【0035】
次に、図4(a)に示すように、半導体基板1上に、配線27のパターンを規定する第6のレジストパターン36を形成した後、第6のレジストパターン36をマスクとして、金属膜27Aを2.0μmメッキする。その後、第6のレジストパターン36をリフトオフして、配線27を形成すると、図4(b)に示すように、n型オーミック電極24とp型オーミック電極25との間に金属壁26が設けられたPINダイオードが得られる。
【0036】
本実施形態の製造方法によれば、アイソレーションを向上させる機能を有する金属壁26を備えた低損失のPINダイオードを容易なプロセスで確実に製造することができる。
【0037】
なお、本実施形態において、p型オーミック電極25と金属壁26とを同一の材料を用いて同一工程にて形成すれば、工程数を削減することができる。また、n型オーミック電極24と金属壁26とを同一の材料を用いて同一工程にて形成するようにしてもよい。さらに、金属壁26の高さを、オーミック電極24または25の高さ(厚さ)と同様の高さ(0.6μm程度)にしてもよい。このようにすれば、金属壁26とオーミック電極24または25とを同一工程にて形成することが容易となる利点が得られる。また、このような高さを有する金属壁26でも、オーミック電極24、25間の電界を十分遮蔽できることを本願発明者は実験によって確認した。
【0038】
また、本実施形態においては、ダイオードのうち、PINダイオードを例に説明したが、図5に示すように、n型半導体領域2とp型半導体領域3と離間させずに接するようにしたPNダイオードについても同様に実施することができる。また、PINダイオードおよびPNダイオードの以外の、ショットキーダイオード、MISダイオード、ヘテロ接合ダイオードについても同様に実施することができる。
【0039】
図6は、本実施形態にかかるダイオードがショットキーダイオードの場合の構成を模式的に示している。
【0040】
図6に示したショットキーダイオードは、高抵抗材料であるGaAsからなる半導体基板1に不純物としてSiが注入された高濃度のn+型半導体領域10と、同じく不純物としてSiが注入され、前記n+型半導体領域よりも低濃度のn型半導体領域11と、n+型半導体領域10にオーミック接触するオーミック電極12(アノード電極)と、n型半導体領域11にショットキー接触するショットキー電極(カソード電極)13とを有している。オーミック電極12は、AuGe等の蒸着によってn+型半導体領域10上に形成されており、オーミック電極12の厚さは例えば0.6μmである。ショットキー電極13は、Ti/Pt/Au等の蒸着によってn型半導体領域11上に形成されており、ショットキー電極13の厚さは例えば0.6μmである。ショットキー電極13は、オーミック電極12から、5μm離間して形成されている。
【0041】
また、半導体基板1上におけるオーミック電極12とショットキー電極13との間には、オーミック電極12やショットキー電極13よりも極めて薄い厚さ(厚さ:約0.1μm)の酸化膜6が形成されている。酸化膜6上には、Ti/Pt/Au等の蒸着法によって形成された金属壁7が形成されている。本実施形態における金属壁7の高さは2.8μmであり、長さ(図6中の寸法A)は1μmであり、そして幅は(図6中の矢印Bの方向に沿った長さ)120μmである。この金属壁7は、オーミック電極12とショットキー電極13との遮蔽用金属構造体であり、両電極間の対向容量を低減させる働きをもつ。金属壁7は、高周波電力を供給する伝送線路がコプレーナ線路である場合のグランド金属体8に接続されており、本実施形態において金属壁7とグランド金属体8とは一体形成されている。なお、金属壁7が半導体基板1に接触するとショットキーダイオードの正常動作を妨げるため、金属壁7と半導体基板1との間に酸化膜6を形成しているが、酸化膜6を形成せずに、例えば高架形状のエアブリッジの構成にしてもよい。
【0042】
また、オーミック電極12およびショットキー電極13は、それぞれ配線9に接続されており、配線9の厚さは、例えば2.2μmである。配線9は、図5に示すように、オーミック電極12またはショットキー電極13の端部からそれぞれ金属壁7から離れる方向へ10μmだけセットバックして形成されている。配線9は、グランド金属体8とともにメッキ法等によって形成することができる。
(実施形態2)
図7(a)および(b)を参照しながら、本発明による実施形態2にかかるコプレーナ線路を説明する。図7(a)は、本実施形態における横型のPINダイオードを含むコプレーナ線路の上面図であり、図7(b)は、図7(a)のX−X’線における断面図である。
【0043】
本実施形態のコプレーナ線路は、上記実施形態1にかかるPINダイオードを含むコプレーナ線路であり、金属壁7を有するPINダイオードと、当該PINダイオードのn型オーミック電極(カソード電極)4に接続された第1の信号線9Aと、当該PINダイオードのp型オーミック電極(アノード電極)5に接続された第2の信号線9Bと、第1の信号線9Aおよび第2の信号線9Bのそれぞれの近傍に設けられ、金属壁7に接続されたグランド金属体8とを有している。本実施形態では、第1の信号線9Aおよび第2の信号線9Bのそれぞれの両側に設けられたグランド金属体8に金属壁7が接続された構成にしているが、片側だけにグランド金属体8が設けられているような伝送線路のグランド金属体8に金属壁7が接続された構成でも、電極間容量を低減して、アイソレーションを向上させることができる。
【0044】
なお、本実施形態のコプレーナ線路中のPINダイオードの構成は、上記実施形態1のPINダイオードの構成と同様であり、高抵抗材料であるGaAsよりなる半導体基板1の表面において互いに離間して形成されたn型半導体領域2およびp型半導体領域3と、n型半導体領域2にオーミック接触するn型オーミック電極4(厚さ:0.6μm)と、p型半導体領域3にオーミック接触するp型オーミック電極5(厚さ:0.6μm)とを有している。p型オーミック電極5は、n型オーミック電極4から5μm離間して形成されており、n型オーミック電極4およびp型オーミック電極5は、それぞれ第1の信号線である配線9Aおよび第2の信号線である配線9Bに接続されている。配線9Aおよび配線9Bの厚さは、例えば2.2μmであり、図7(a)および(b)に示すように、配線9Aおよび配線9Bのそれぞれは、n型オーミック電極4またはp型オーミック電極5の端部から、金属壁7から離れる方向へ10μmだけセットバックして形成されている。配線9Aおよび配線9Bは、グランド金属体8とともに、コプレーナ伝送線路を形成し、高周波電力を伝送する。
【0045】
また、半導体基板1上におけるn型オーミック電極4とp型オーミック電極5との間には、n型オーミック電極4やp型オーミック電極5よりも極めて薄い厚さの酸化膜6(厚さ:約0.1μm)が形成されている。酸化膜6上には、Ti/Pt/Au等の蒸着法によって形成された金属壁7(高さ:2.8μm、配線長手方向に沿った長さ:1μm、配線幅方向に沿った長さ:120μm)が形成されている。なお、金属壁7の配線幅方向の長さ(120μm)は、グランド金属体8の間隔(120μm)と同じである。また、金属壁7の配線幅方向の長さ(グランド金属体8の間隔)は、本実施形態の長さ(間隔)に限定されず、コプレーナ線路を設計する際に、所望の値を適宜設定すればよい。
【0046】
この金属壁7は、n型オーミック電極4とp型オーミック電極5との遮蔽用金属構造体であり、オーミック電極間の対向容量を低減させる働きをもつ。金属壁7は、高周波電力を伝送するコプレーナ線路のグランド金属体8に接続されている。金属壁7が半導体基板1に接触するとPINダイオードの正常動作を妨げるので、金属壁7と半導体基板1との間に酸化膜6を形成しているが、例えば高架形状のエアブリッジでもよい点も上記実施形態1と同様である。
【0047】
本実施形態のコプレーナ線路は、第1の信号線9Aがダイオードのn型オーミック電極(カソード電極)4に接続され、第2の信号線9Bがダイオードのp型オーミック電極(アノード電極)5に接続され、そして、ダイオードの遮蔽用金属構造体(金属壁)7が、第1および第2の信号線9A、9Bの両側に配置されたグランド金属体(接地導体)8に接続された構成を有している。このため、本実施形態のコプレーナ線路によると、アイソレーション特性が飛躍的に改善することができるPINダイオードを無駄のない簡素なレイアウトで実現することができる。なお、本実施形態において、PINダイオードを例に説明したが、PNダイオード、ショットキーダイオード、MISダイオード、ヘテロ接合ダイオードでも同様に実施することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明のダイオードによると、カソード電極とアノード電極の間に遮蔽用金属構造体が設けられているため、電極間容量を低減することができ、アイソレーション特性を改善することができる。また、本発明のコプレーナ線路によると、ダイオードのカソード電極とアノード電極の間に設けられた遮蔽用金属構造体が、コプレーナ線路の信号線の両側に配置されたグランド金属体に接続されているので、無駄のないレイアウトでアイソレーション特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態1にかかるPINダイオードを模式的に示す斜視図である。
【図2】(a)〜(c)は、実施形態1にかかるPINダイオードの製造方法を説明するための工程断面図である。
【図3】(a)〜(c)は、実施形態1にかかるPINダイオードの製造方法を説明するための工程断面図である。
【図4】(a)および(b)は、実施形態1にかかるPINダイオードの製造方法を説明するための工程断面図である。
【図5】実施形態1にかかるPNダイオードを模式的に示す断面図である。
【図6】実施形態1にかかるショットキーダイオードを模式的に示す斜視図である。
【図7】(a)は、実施形態2にかかるコプレーナ線路の上面図であり、(b)は、(a)のX−X’線における断面図である。
【図8】従来の横型のPINダイオードを模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体基板
2 n型半導体領域
3 p型半導体領域
4 n型オーミック電極
5 p型オーミック電極
6 酸化膜
7 遮蔽用金属構造体(遮蔽用金属壁)
8 グランド金属体(接地導体)
9 配線
9A 第1の信号線である配線
9B 第2の信号線である配線
10 n+型半導体領域
11 n型半導体領域
12 オーミック電極
13 ショットキー電極
21 n型半導体領域
21A n型注入領域
22 p型半導体領域
22A p型注入領域
23 絶縁膜
24 n型オーミック電極
24A 金属膜
25 p型オーミック電極
25A 金属膜
26 金属壁
26A 金属膜
27 配線
27A 金属膜
31 第1のレジストパターン
32 第2のレジストパターン
33 第3のレジストパターン
34 第4のレジストパターン
35 第5のレジストパターン
36 第6のレジストパターン
Claims (2)
- 半導体基板上に互いに離間して配置されたカソード電極、アノード電極、および前記カソード電極と前記アノード電極との間に設けられた遮蔽用金属構造体を有するダイオードと、
前記ダイオードの前記カソード電極の上に形成され、かつ前記カソード電極に接続された第1の信号線、
前記ダイオードの前記アノード電極の上に形成され、前記アノード電極に接続され、かつ前記第1の信号線とで前記遮蔽用金属構造体を挟む第2の信号線、および
前記第1の信号線と第2の信号線とのそれぞれの近傍に設けられ、前記遮蔽用金属構造体に接続された接地導体を有するコプレーナ線路と、
を備えたダイオード付きコプレーナ線路。 - 前記遮蔽用金属構造体と前記接地導体とは一体形成されている、請求項1に記載のダイオード付きコプレーナ線路。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000304472A JP3643023B2 (ja) | 1999-10-12 | 2000-10-04 | ダイオード付きコプレーナ線路 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP28956599 | 1999-10-12 | ||
JP11-289565 | 1999-10-12 | ||
JP2000304472A JP3643023B2 (ja) | 1999-10-12 | 2000-10-04 | ダイオード付きコプレーナ線路 |
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JP2001185739A JP2001185739A (ja) | 2001-07-06 |
JP3643023B2 true JP3643023B2 (ja) | 2005-04-27 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP3643023B2 (ja) |
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