JP3642247B2 - 静電誘導型ビーム位置検出装置及び該装置の調整方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、荷電粒子加速器又は蓄積リング等の荷電粒子が通過するダクトを有する装置において、荷電粒子の通過位置を検出する静電誘導型ビーム位置検出装置及び該装置の調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
静電誘導型ビーム位置検出装置は、荷電粒子加速器や蓄積リング等において、荷電粒子ビームを閉軌道上で周回させる場合に、荷電粒子ビームの通過位置を測定する。この測定結果は、荷電粒子ビームの軌道修正に用いられ、もっとも効率の良い軌道を周回させることを可能としている。
【0003】
図9は、1986年8月25日から28日にかけて開催されたOHO’86高エネルギー加速セミナーにおいて頒布された資料「ビーム・モニタとビーム不安定性」(第II−26頁乃至II−27頁)に示された静電誘導型ビーム位置検出装置としての静電誘導型ビーム位置モニターを示す斜視図、図10は該静電誘導型ビーム位置モニターを示す平面図である。
図において101、102は、箱型の電極板であり対角線上に入れたスリットで左右に2分した形状を持ち、荷電粒子ビームが通過する領域を囲うように設置される。この時、図10に示す如くビーム軌道が中心からXmm変位した位置を通過すると、左右それぞれの電極に誘起する電圧に差が生じる。
左側電極 VL=Q/CL×(X/W+1/2)
右側電極 VR=Q/CR×(−X/W+1/2)
ここで、Qはビームの電荷量、CL、CRはそれぞれ左右電極の静電容量で、Wは電極の幅である。この左右の電極に発生する電圧の違いを利用して、ビームの位置を検出する事ができる。
【0004】
静電誘導型ビーム位置モニターにおいて、高精度の位置測定を行うための条件のひとつは、左右の電極の静電容量が一致している事である。左右の電極の静電容量に違いがあれば、例えば、ビームが中心を通過していても、左右の電極に誘起する電圧に違いが生じるために、ビームの位置が変位していると検出される。
【0005】
図11は1999年2月に発表された「重イオンクーラーシンクロトロンTARNIIにおけるビーム軌道に関する研究とその補正のための高感度位置モニターの開発」(KEK REPORT 98−15 第37頁)で示された従来の静電誘導型ビーム位置モニターを示す平面図、図12は該静電誘導型ビーム位置モニターを示す断面図である。図において電極板103は上下に設置されており、それぞれ斜めにスリットが入って、左右に略三角形の形状の電極として分割されている。これらの電極板103は電極板外側に設置されたアース板104から絶縁されて支持されている。電極板103とアース板104の間隔は、電極板の支持構造に間隔調整機構を持たせることで、微調整することができる。電極板103とアース板104の間隔を各々調整することによって、各々の電極板103の静電容量が変化する。この静電容量を調整して、上下左右の4枚の電極板の静電容量を同じ値に調整することによって、位置測定精度を向上させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来の静電誘導型位置モニターでは、電極板をアース板から絶縁して支持し、なおかつ、電極板とアース板の間隔を調整するための構造を持たせる必要がある。このような調整機構は、構造が複雑であり、加速器全体が小型化するに伴い、設置が困難になってくる。
また、アース板と電極板の間隔と、電極の静電容量は反比例の関係にあるために、静電容量を1%変化させるためには、間隔を約1%調整することになり、例えば間隔が10mmである場合は、調整距離は0.1mmと非常に小さくなり、調整が難しい。
【0007】
また、電極板の付近に金属や誘電体が接近すると、これらの影響によって電極の静電容量が変化し、静電容量の微調整を困難にする。このような変動を避けるために、電極板の周囲に電気的なシールドを施す必要があった。
【0008】
この発明は上述のような課題を解決するためになされたものであって、電極の静電容量の微調整を容易に可能とする静電誘導型ビーム位置検出装置を提供するものである。
【0009】
また、この発明は、簡略な構成の静電誘導型ビーム位置検出装置を提供するものである。
【0010】
また、この発明は、静電容量の調整範囲が広い静電誘導型ビーム位置検出装置を提供するものである。
【0011】
また、この発明は、より精密な静電容量の調整が可能な静電誘導型ビーム位置検出装置を提供するものである。
【0012】
また、この発明は、静電容量の調整に際し、装置を分解する必要のない静電誘導型ビーム位置検出装置を提供するものである。
【0013】
また、この発明は、静電容量の調整に際し、機械的な調整が不要である静電誘導型ビーム位置検出装置を提供するものである。
【0014】
また、この発明は、静電容量の調整のバリエーションが多い静電誘導型ビーム位置検出装置を提供するものである。
【0015】
また、この発明は、電極の静電容量の微調整を容易に可能とする静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法を提供するものである。
【0016】
また、この発明は、機械的な調整が不要である静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法を提供するものである。
【0017】
また、この発明は、機械的な調整が不要で、かつ、精密な静電容量の調整ができる静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置は、荷電粒子が通過するダクト中に設けられた一対の電極と、この電極と電気的に絶縁して設けられ該電極と対向して設けられたアースと、荷電粒子の通過位置に応じて一対の電極に発生する各々の電圧を検出する電圧検出手段とにより構成される静電誘導型ビーム位置検出装置であって、電極に対しビーム軸方向に設けられ、電極と所定の間隔を有して配設された金属片を備えたものである。
【0019】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置は、荷電粒子が通過するダクトをアースとしたものである。
【0020】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置は、一対の電極に対して金属片を各々設けたものである。
【0021】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置は、1つの電極に対して金属片を複数個設けたものである。
【0022】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置は、金属片と電極とのビーム軸方向の間隔を調整する調整手段を備えたものである。
【0023】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置は、金属片に電圧を印加する電源を備えたものである。
【0024】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置は、電源を複数備えたものである。
【0025】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法は、荷電粒子が通過するダクト中に設けられた一対の電極と、この電極と電気的に絶縁して設けられ該電極と対向して設けられたアースと、荷電粒子の通過位置に応じて一対の電極に発生する各々の電圧を検出する電圧検出手段とにより構成される静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法であって、電極に対しビーム軸方向に設けられ、電極と所定の間隔を有して配設された金属片を備え、金属片をビーム軸方向に移動させることにより電極の静電容量を調整するものである。
【0026】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法は、荷電粒子が通過するダクト中に設けられた一対の電極と、この電極と電気的に絶縁して設けられ該電極と対向して設けられたアースと、荷電粒子の通過位置に応じて一対の電極に発生する各々の電圧を検出する電圧検出手段とにより構成される静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法であって、電極に対しビーム軸方向に設けられ、電極と所定の間隔を有して配設された金属片を備え、金属片に電圧を印加することにより電極の静電容量を調整するものである。
【0027】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法は、複数の金属片と、これらの金属片に対応して設けられた複数の電源とを備えた静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法であって、比較的に大きな電圧を印加する電源により電極の静電容量を大きく変化させる段階と、比較的に小さな電圧を印加する電源により電極の静電容量を小さく変化させる段階とからなるものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1の構成を示す斜視図、図2は実施の形態1の構成を示す断面図、図3は実施の形態1の構成を示す底面図である。図において、1は斜めにスリットが入れられ略三角形状を有する箱型の電極板、2は絶縁支持部材3を介して電極板1を支持するアース板で、電極板1とアース板3との間隔は一定に保たれる。4は荷電粒子ビーム5が通過する中空状の真空ダクト、6は電極板1の静電容量を調整するための金属片としての金属板で、電極板1と所定の間隔を有し電極板1に対してビーム軸方向に各々設けられている。7は信号取り出し端子で荷電粒子の通過位置に応じた電圧信号を出力する。
なお、アース板2及び金属板6は、真空ダクト4から支持されており、真空ダクトを通じて接地されるものであるが、真空ダクト4から絶縁して支持し、独立に接地しても良い。静電容量調整用の金属板6は、電極板1とのビーム軸方向距離を調整可能となるように構成され、例えば図示しないねじ等によって固定される。
【0029】
次に静電誘導型ビーム位置モニターの調整について説明する。電極板1とアース板2の間隔は絶縁支持部材3によって決められており、これによって電極板1の静電容量が決まる。静電容量調整用の金属板6と電極板1の間隔は調整可能に構成されており、この間隔を微調整しながら信号取り出し端子7を通じて、電極板1の静電容量を測定する。そして左右の電極板1の静電容量が一致した状態で、静電容量調整用の金属板6の位置を固定する。
【0030】
ここで電極板1と静電容量調整用の金属板6の相い対する面積は、電極板1とアース板2の相い対する面積に比べて小さいために、静電容量調整用の金属板6と電極板1の間隔の調整に対して、電極板1の静電容量の変化割合は小さくなり、微調整を行う事が容易になる。
図4は、電磁界解析プログラムを用いて金属板による静電容量調整効果をシミュレーション計算した結果である。図中の横軸は電極板1と金属板6の間隔であり、縦軸は電極板1の静電容量である。これから、電極板の静電容量を1%程度調整するためには、電極板1と金属板6の間隔を1mm程度動かせば良いことが分かる。
【0031】
従って実施の形態1によれば、電極板1とアース板2との距離を変更するための構成を要しないので静電誘導型ビーム位置モニターの構造が単純となり、部品点数も減少させることが出来るために、静電誘導型ビーム位置モニターの製作コストを低減することができる。
また、簡単な構成で電極板1の静電容量を微調整することができ、これにより高精度で荷電粒子の通過位置を検出することができる。
なお実施の形態1では電極を箱型の電極板としたが、これに限らず上下で分離した電極板にすることもできる。
【0032】
また、上記実施の形態1では、静電容量調整用の金属板6は、電極板1の前後に2つ設置されているため電極板1の静電容量の調整範囲を広く取ることができるが、これに拘らずどちらか一方設けるようにしても良い。
【0033】
また、アース板2と真空ダクト4とを一体として構成し、アース板2が無い構成としても良い。
これにより静電誘導型ビーム位置モニタの構成を簡略化することができる。
【0034】
また上記実施の形態1によれば、電極板1のビーム軸方向に金属板6が設置されているために、金属板6が電極板1に対して、外部の電気的変動をシールドするシールド効果を持つ。
【0035】
また上記実施の形態1によれば、電極板1の軸方向に金属板6が設置されているために、荷電粒子ビームの軌道が大きく変動した場合おいて、電極板1に荷電粒子ビームが直接衝突することを防ぐことができる。
【0036】
実施の形態2.
図5は、実施の形態2の構成を示す断面図である。実施の形態1において静電容量調整用の金属板6は電極板1に対して一体に構成されていたが、実施の形態2によれば静電容量調整用の金属板8は電極1に対応して上下に分割されている。
よって実施の形態2によれば上下の金属板8を独立に電極板1との間隔を調整することができる。
即ち実施の形態1の場合では電極板1との間隔を1mm移動させると金属板6は全体的に電極板1に対して1mm移動することになり、その分だけ電極板1の静電容量が変化する。これに対し実施の形態2によれば上下の金属板8のいずれか一方だけを1mm移動させることができ、電極板1の静電容量は実施の形態1に比しその変化量が小さい。
従って実施の形態2によれば更に精密に電極板1の静電容量を調整することができる。
【0037】
実施の形態3.
図6は実施の形態3の構成を示す断面図、図7は実施の形態3の構成を示す一部拡大断面図である。図において9は調整ねじ10が螺合するねじ穴を有する静電容量調整用の金属板、10aは調整つまみ、10bは回転軸受けである。
静電容量調整用の金属板9は、調整つまみ10aを回転させることにより、ビーム軸方向にスライドし、電極板1との間隔が変化する。
これにより、静電誘導型ビーム位置モニターの電極板1あるいはアース板2等の構成要素を真空ダクト4から取り外す事なく、電極板1の静電容量の調整を行うことが可能になる。
【0038】
実施の形態4.
図8は実施の形態4の構成を示す断面図である。図において11は電源としての直流電源、12は電圧導入端子である。静電容量調整用の金属板13は、電極板1、アース板2及び真空ダクト4から絶縁されて支持されており、電圧導入端子12を介して、真空ダクト4の外部の直流電源11に接続されている。
直流電源11は、所定の電圧を静電容量調整用の金属板13に印加することにより、電極板1の静電容量を変化させる。これにより、静電容量調整用の金属板13の位置を機械的に調整することなく、電極板1の静電容量を調整することが可能となる。
【0039】
また実施の形態4では、独立の2個の直流電源11をそれぞれ電極板1の前後の静電容量調整用の金属板13に接続している。これにより電極板1の静電容量の調整のバリエーションを多くすることができる。
例えば電極1の前後に設けられた金属板13にそれぞれ直流電源11として出力電圧範囲が同じ物を用意した場合には、直流電源11が片方しか用意されていない場合に比し直流電圧の出力範囲を2倍に広げることができ、電極1の静電容量の調整幅を大きくすることができる。
【0040】
また例えば、電極1の前後に設けられた金属板13にそれぞれ直流電源11を用意し、一方の直流電源の出力電圧範囲を大きなものとし、他方の直流電源の出力電圧範囲を一方の直流電源の出力電圧範囲よりも小さなものとした場合について考える。
この場合には出力電圧範囲の大きい一方の直流電源11により電極板1の静電容量を大まかに調整すると共に、出力電圧範囲の小さい他方の直流電源により電極板1の静電容量を精密に調整することにより、電極板1の静電容量を速やかにかつ精密に調整することができる。
【0041】
なお実施の形態4では直流電源11を2個用意したが、直流電源11を1個のみとして、一方の静電容量調整用の金属板13に接続しても良い。
【0042】
上述では好ましい実施の形態について種々のものを説明したが本発明はこれに限られるものではなく、本発明の精神の中で様々な変形が可能である。
【0043】
【発明の効果】
この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置によれば、荷電粒子が通過するダクト中に設けられた一対の電極と、この電極と電気的に絶縁して設けられ該電極と対向して設けられたアースと、荷電粒子の通過位置に応じて一対の電極に発生する各々の電圧を検出する電圧検出手段とにより構成される静電誘導型ビーム位置検出装置であって、電極に対しビーム軸方向に設けられ、電極と所定の間隔を有して配設された金属片を備えたので、電極の静電容量の微調整を容易に可能とすることができる。
【0044】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置によれば、荷電粒子が通過するダクトをアースとしたので、簡略な構成の静電誘導型ビーム位置検出装置を得ることができる。
【0045】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置によれば、一対の電極に対して金属片を各々設けたので、静電容量の調整範囲が広い静電誘導型ビーム位置検出装置を得ることができる。
【0046】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置によれば、1つの電極に対して金属片を複数個設けたので、より精密な静電容量の調整が可能な静電誘導型ビーム位置検出装置を得ることができる。
【0047】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置によれば、金属片と電極とのビーム軸方向の間隔を調整する調整手段を備えたので、静電容量の調整に際し装置を分解する必要のない静電誘導型ビーム位置検出装置を得ることができる。
【0048】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置によれば、金属片に電圧を印加する電源を備えたので、静電容量の調整に際し、機械的な調整が不要である静電誘導型ビーム位置検出装置を得ることができる。
【0049】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置によれば、電源を複数備えたので、静電容量の調整のバリエーションが多い静電誘導型ビーム位置検出装置を得ることができる。
【0050】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法によれば、荷電粒子が通過するダクト中に設けられた一対の電極と、この電極と電気的に絶縁して設けられ該電極と対向して設けられたアースと、荷電粒子の通過位置に応じて一対の電極に発生する各々の電圧を検出する電圧検出手段とにより構成される静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法であって、電極に対しビーム軸方向に設けられ、電極と所定の間隔を有して配設された金属片を備え、金属片をビーム軸方向に移動させることにより電極の静電容量を調整するようにしたので、電極の静電容量の微調整を容易に可能とすることができる。
【0051】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法によれば、荷電粒子が通過するダクト中に設けられた一対の電極と、この電極と電気的に絶縁して設けられ該電極と対向して設けられたアースと、荷電粒子の通過位置に応じて一対の電極に発生する各々の電圧を検出する電圧検出手段とにより構成される静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法であって、電極に対しビーム軸方向に設けられ、電極と所定の間隔を有して配設された金属片を備え、金属片に電圧を印加することにより電極の静電容量を調整するようにしたので、静電容量の調整に際し機械的な調整を不要とすることができる。
【0052】
また、この発明に係る静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法によれば、複数の金属片と、これらの金属片に対応して設けられた複数の電源とを備えた静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法であって、比較的に大きな電圧を印加する電源により電極の静電容量を大きく変化させる段階と、比較的に小さな電圧を印加する電源により電極の静電容量を小さく変化させる段階とを備えているので、機械的な調整が不要で、かつ、精密な静電容量の調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1の構成を示す斜視図である。
【図2】 実施の形態1の構成を示す断面図である。
【図3】 実施の形態1の構成を示す底面図である。
【図4】 金属板による静電容量調整効果をシミュレーション計算した結果を示すグラフである。
【図5】 実施の形態2の構成を示す断面図である。
【図6】 実施の形態3の構成を示す断面図である。
【図7】 実施の形態3の構成を示す一部拡大断面図である。
【図8】 実施の形態4の構成を示す断面図である。
【図9】 一般的な静電誘導型ビーム位置モニターを示す斜視図である。
【図10】 一般的な静電誘導型ビーム位置モニターを示す平面図である。
【図11】 従来の静電誘導型ビーム位置モニターを示す平面図である。
【図12】 従来の静電誘導型ビーム位置モニターを示す断面図である。
【符号の説明】
1 電極板、2 アース板、3 絶縁支持部材、4 真空ダクト、5 荷電粒子ビーム、6 金属板、7 信号取り出し端子、8 金属板、9 金属板、10 調整ねじ、10a 調整つまみ、10b 回転軸受け、11 直流電源、12 電圧導入端子、101 電極板、102 電極板、103 電極板、104 アース板
Claims (10)
- 荷電粒子が通過するダクト中に設けられた一対の電極と、この電極と電気的に絶縁して設けられ該電極と対向して設けられたアースと、荷電粒子の通過位置に応じて上記一対の電極に発生する各々の電圧を検出する電圧検出手段とにより構成される静電誘導型ビーム位置検出装置であって、上記電極に対しビーム軸方向に設けられ、上記電極と所定の間隔を有して配設された金属片を備えたことを特徴とする静電誘導型ビーム位置検出装置。
- アースは、荷電粒子が通過するダクトであることを特徴とする請求項1記載の静電誘導型ビーム位置検出装置。
- 金属片は、一対の電極に対して各々設けられたことを特徴とする請求項1記載の静電誘導型ビーム位置検出装置。
- 金属片は、1つの電極に対して複数個設けられたことを特徴とする請求項1記載の静電誘導型ビーム位置検出装置。
- 金属片と電極とのビーム軸方向の間隔を調整する調整手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の静電誘導型ビーム位置検出装置。
- 金属片に電圧を印加する電源を備えたことを特徴とする請求項1記載の静電誘導型ビーム位置検出装置。
- 電源を複数備えたことを特徴とする請求項6記載の静電誘導型ビーム位置検出装置。
- 荷電粒子が通過するダクト中に設けられた一対の電極と、この電極と電気的に絶縁して設けられ該電極と対向して設けられたアースと、荷電粒子の通過位置に応じて上記一対の電極に発生する各々の電圧を検出する電圧検出手段とにより構成される静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法であって、上記電極に対しビーム軸方向に設けられ、上記電極と所定の間隔を有して配設された金属片を備え、上記金属片をビーム軸方向に移動させることにより上記電極の静電容量を調整することを特徴とする静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法。
- 荷電粒子が通過するダクト中に設けられた一対の電極と、この電極と電気的に絶縁して設けられ該電極と対向して設けられたアースと、荷電粒子の通過位置に応じて上記一対の電極に発生する各々の電圧を検出する電圧検出手段とにより構成される静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法であって、上記電極に対しビーム軸方向に設けられ、上記電極と所定の間隔を有して配設された金属片を備え、上記金属片に電圧を印加することにより上記電極の静電容量を調整することを特徴とする静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法。
- 複数の金属片と、これらの金属片に対応して設けられた複数の電源とを備えた静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法であって、比較的に大きな電圧を印加する電源により電極の静電容量を大きく変化させる段階と、比較的に小さな電圧を印加する電源により電極の静電容量を小さく変化させる段階とからなることを特徴とする請求項9記載の静電誘導型ビーム位置検出装置の調整方法。
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