JP3641284B2

JP3641284B2 - Glucose tolerance disorder improving agent

Info

Publication number: JP3641284B2
Application number: JP13797294A
Authority: JP
Inventors: 洋行花井; 政保竹内; 敏博鈴木
Original assignee: Shizuoka Prefecture; Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Current assignee: Shizuoka Prefecture; Nihon Shokuhin Kako Co Ltd
Priority date: 1994-05-27
Filing date: 1994-05-27
Publication date: 2005-04-20
Anticipated expiration: 2020-04-20
Also published as: JPH07324036A

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、トウモロコシ外皮を原料とする耐糖能障害改善剤に関する。
【０００２】
【従来の技術】
近年、食生活の変化、運動不足、ストレス社会の進展等に伴ない、いわゆる成人病が増加し、また、その若年化傾向が問題となっている。特に、糖尿病患者数は、全国で約 600万人といわれ、我が国総人口の約５％が相当すると推定されている。糖尿病は、初期には無症状であることが多いが、重症になると、口渇、全身倦怠、疲労感などの症状を伴うだけでなく、腎不全、脳卒中、虚血性心疾患など動脈硬化症を基盤とする致命的な病態を呈し、また、種々の感染症などの合併症を併発する原因となるため、その早期診断法及び治療法が注目されている。
【０００３】
一般に、血糖値が上昇しても、よほど高値にならないと自覚症状や苦痛を伴わないことや、臨床診断に用いられる75ｇブドウ糖経口負荷試験（以下、oGTTと記載する）の特異性、感度、再現性等に問題があるとされることなどから、従来、糖尿病の早期診断は容易ではないといわれてきた。そこで、近年、ＷＨＯの糖尿病専門家会議は、グルコース負荷試験における血中インスリン反応の低下が糖尿病の基本異常と考える立場から、空腹時の血糖値（毛細管血）が120mg/dL以上であるか、oGTTの２時間値が200mg/dLの者を糖尿病と診断し、一方、空腹時の血糖値が120mg/dL以下で、oGTTの２時間値が140 〜200mg/dLの者を耐糖能障害者として、糖尿病や動脈硬化性血管障害への進行を警戒するよう提案している。
【０００４】
更に、最近、血中のヘモグロビンＡ量に対するヘモグロビンＡ₁ 量の比率（以下、ヘモグロビンＡ₁ 値と記載する）を測定することで、耐糖能の良否が判定できることが報告され（「糖尿病の治療マニュアル」、医歯薬出版株式会社参照）、糖尿病の診断に非常に有効な方法として臨床的に採用されるようになってきている。
【０００５】
また、糖尿病や耐糖能障害の治療には、食事（カロリー）制限や運動療法が一般に採用されており、必要に応じて、血糖値上昇抑制剤等を併用することも行われている。糖尿病や耐糖能障害の治療は長期間にわたることが多いため、このような血糖値上昇抑制剤等の物質は、副作用がなく、長期間にわたって継続的に安心して摂取できる物質であることが要求されている。
【０００６】
一方、近年、米糠、小麦ふすま、トウモロコシ外皮などから調製された食物繊維の生理活性が注目されており、例えば、コレステロールの上昇抑制作用（特公昭62-6691 号、特開昭63-218822 号等参照）や、脂肪肝抑制作用（特開平1-242530号等参照）、血圧降下及び上昇抑制作用（特開平5-194241号参照）などが報告されている。
【０００７】
更に、本発明者らは、特開昭62-201821 号において、穀類もしくは豆類の外皮、又は穀類もしくは豆類の外皮から澱粉質、蛋白質、脂質、無機質等を除去した残部より、アルカリ抽出してなるヘミセルロースを主成分とした、食べやすく、少量で効果があり、取り扱いも容易な血糖値上昇抑制物質を提案している。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開昭62-201821 号には、穀類もしくは豆類の外皮から調製したヘミセルロースをグルコース水溶液中に溶解させてマウスに投与したとき、血糖値の一時的な上昇が抑制されるという効果が記載されているだけで、糖尿病患者や耐糖能障害者に対する本質的な治療効果、すなわち低下している耐糖能自体を改善する効果があるかないかは明らかでなかった。
【０００９】
また、特開昭62-201821 号に記載されたヘミセルロースは、水等に溶けたときに粘度が極めて高くなるので、飲食品等の食感や風味、特に飲料におけるのど越し（飲み込みやすさ）が悪くなるという問題点があった。このため、本発明者らは、特開平2-303459号において、植物繊維質原料をアルカリ抽出し、抽出物をキシラナーゼで処理することにより、ヘミセルロースの部分分解物からなる水溶性食物繊維を得る方法を既に提案している。しかしながら、そのように部分分解したヘミセルロースが、特開昭62-201821 号に記載された血糖値上昇抑制作用を有するかどうかは不明であった。
【００１０】
したがって、本発明の目的は、人体に対して全く安全で、耐糖能障害改善に有効な作用を有し、飲食品に添加しても食感や風味に悪影響を与えない耐糖能障害改善剤を提供することにある。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑みて更に鋭意研究した結果、トウモロコシ外皮から調製されたヘミセルロースの部分分解物が耐糖能障害改善に有効なことを見出し、本発明を完成するに至った。
【００１２】
すなわち、本発明による耐糖能障害改善剤は、トウモロコシ外皮より澱粉質、蛋白質等を除去し、この残部をアルカリ抽出して得られたヘミセルロースを、更にキシラナーゼで処理して得られたヘミセルロースの部分分解物を有効成分とするものである。
【００１３】
以下、本発明について好ましい態様を挙げて詳細に説明する。
【００１４】
本発明の耐糖能障害改善剤は、トウモロコシ外皮から得られたヘミセルロースの部分分解物を有効成分とするものであるが、ヘミセルロースの抽出方法及びその分解方法は、例えば、抽出方法は、アルカリ又は酸による抽出、エクストルーダやオートクレーブによる加圧、熱水抽出、セルラーゼ等の酵素剤を用いた抽出等、あるいはこれらを適宜組み合わせた方法が挙げられる。
【００１５】
しかし、本発明の好ましい態様においては、トウモロコシ外皮より澱粉質、蛋白質等を除去し、この残部をアルカリ抽出して得られたヘミセルロースを、更にキシラナーゼで処理したものが採用される。
【００１６】
本発明に用いるヘミセルロースの部分分解物の好ましい製造方法を挙げると次の通りである。
【００１７】
すなわち、ヘミセルロースを得る場合、トウモロコシ外皮をそのままアルカリ抽出してヘミセルロースに富んだ成分を得ることもできるが、ヘミセルロースをより高純度に得るためには、トウモロコシ外皮から澱粉質、蛋白質、更に必要に応じて脂質、無機質等を除去した後、アルカリ抽出することが好ましい。
【００１８】
トウモロコシ外皮から澱粉質、蛋白質、更に必要に応じて脂質、無機質等を除去する方法としては、酵素処理、化学的処理、物理的処理のいずれを採用してもよく、あるいはこれらを適宜組合せてもよい。酵素処理は、例えばα−アミラーゼ、グルコアミラーゼ等の澱粉分解酵素、プロテアーゼ等の蛋白分解酵素、リパーゼ等の脂質分解酵素、セルラーゼ等の繊維素分解酵素を、ｐＨ３〜９、温度３０〜１００℃の条件下に添加作用させて処理することにより行われる。また、化学的処理は、例えばトウモロコシ外皮に鉱酸、有機酸の水溶液を添加し、ｐＨ２〜５の条件下で加熱するか、又は食品用界面活性剤を添加し、ｐＨ３〜８の条件下で熱処理することにより行われる。更に、物理的処理は、例えばトウモロコシ外皮をホモジナイザー、ハンマーミル等の粉砕機で粉砕した後、篩別することにより行われる。
【００１９】
こうしてトウモロコシ外皮を処理した後、アルカリ抽出を行う。アルカリ抽出は、例えば水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ水溶液を添加して混合し、非セルロース性多糖類の区分を溶出させることによって行われる。本発明に用いるヘミセルロースは、このアルカリ抽出液を中和して未精製のまま用いることもできるが、この中和物を更に以下のような操作で精製して用いることもできる。すなわち、中和によって沈殿した蛋白質を遠心分離などの手段で分離除去し、更に必要に応じてその上澄液を透析、イオン交換樹脂処理、イオン交換膜処理、限外濾過膜処理、アルコール精製、濾材処理等の単独又は適宜組合せで処理することにより、任意の純度のヘミセルロースを得ることができる。
【００２０】
また、本発明に用いるヘミセルロースの部分分解物は、前記のようにしてトウモロコシ外皮からアルカリ抽出して得たヘミセルロースを、更に、キシラナーゼで処理することにより得られる。なお、キシラナーゼとしては、糖化型のものより液化型のものが好ましく、カビ起源のものでも、バクテリア起源のものでも使用できるが、バクテリア起源のキシラナーゼの方が純度が高いので好ましい。特に好ましい例としては、特公昭50-13357号に記載された、アルカリ側に至適pHを有するアルカリキシラナーゼが挙げられる。
【００２１】
酵素反応は、トウモロコシ外皮からアルカリ抽出して得たヘミセルロースを含有する溶液を、必要に応じて硫酸、塩酸等でpH調整し、50〜60℃の温度下に、キシラナーゼを添加して反応させる。キシラナーゼの添加量は、抽出物の固形分１ｇ当たりに対して0.001 〜10単位程度が好ましく、反応時間は、3 〜96時間程度が好ましい。なお、キシラナーゼの力価の測定は、トウモロコシ外皮からアルカリ抽出して得たヘミセルロースを基質として、pH7 、60℃の反応条件下で、１分間に１μmol のキシロースに相当する還元糖を生成する酵素量を１単位とすることにより行なった。
【００２２】
上記のようにキシナラーゼを反応させて得られた反応液は、例えば加熱して酵素を失活させた後、遠心分離等により固液分離し、必要に応じて清澄濾過し、更に、脱色、脱塩処理し、濃縮、乾燥して、ヘミセルロースの部分分解物を得ることができる。
【００２３】
また、トウモロコシ外皮をアルカリ処理して得られたヘミセルロースを主成分とする溶液を固液分離し、清澄濾過した後、pH調整してキシラナーゼで処理し、酵素失活、脱色、脱塩処理し、濃縮、乾燥することもできる。
【００２４】
なお、上記のような方法でトウモロコシ外皮から調製されたヘミセルロースの部分分解物は、「セルエース」（商品名、日本食品化工株式会社製）として市販されており、これをそのまま使用することもできる。
【００２５】
本発明において、ヘミセルロースの部分分解物は、その５％水溶液の粘度が、Ｂ型粘度計、60rpm 、25℃で測定した場合、３〜20cps となるような分子量に調整されていることが好ましい。これ以上分子量が大きい場合には、飲食品の原料等に添加したとき、粘度が高くなりすぎる欠点があり、これ以上分子量を小さくした場合には、食物繊維としての生理活性効果が失われる虞れがある。
【００２６】
本発明の耐糖能障害改善剤は、上記ヘミセルロースの部分分解物を主成分とするものからなっている。ただし、上記ヘミセルロースの部分分解物の他に、除去しきれなかった澱粉質、蛋白質等や、若干のリグニン、セルロース、灰分等が含有されていてもよい。
【００２７】
本発明の耐糖能障害改善剤は、上記ヘミセルロースの部分分解物を含む水溶液、濃縮液あるいは乾燥粉末などとして製品化することができる。乾燥粉末とした場合でも、非常に水に溶けやすく、均質な溶液となりやすいので、調製が容易である。したがって、本発明の耐糖能障害改善剤は、そのまま健康飲食品、医薬品として利用可能であり、また、飲食品に少量添加することにより、飲食品の風味、食感を害することなく耐糖能障害改善効果を付与することができる。
【００２８】
なお、本発明の耐糖能障害改善剤を飲食品に添加する場合、飲食品の食感を害することなく、耐糖能障害改善作用を期待できる添加量としては、0.1 〜10重量％とすることが好ましい。また、本発明の耐糖能障害改善剤の１日の摂取量は、耐糖能障害改善作用を得るためには、５〜20ｇとすることが好ましく、５〜10ｇとすることが更に好ましい。
【００２９】
【作用】
本発明者らは、耐糖能障害を有する４人のボランティアに、意識的な食事療法や運動療法を行うことなく、トウモロコシ外皮より澱粉質、蛋白質等を除去し、この残部をアルカリ抽出して得られたヘミセルロースを、更にキシラナーゼで処理して得られたヘミセルロースの部分分解物を、１日１０ｇ、３〜１２ケ月間摂取させると、上記ヘミセルロースの部分分解物を摂取しなかったときよりも、空腹時血糖値及びｏＧＴＴの２時間値、更には、ヘモグロビンＡ1値がそれぞれ顕著に低下し、耐糖能障害が改善されることを見出した。
【００３０】
前述したように、特開昭62-201821 号には、穀類もしくは豆類の外皮から調製したヘミセルロースと、グルコースとを同時にマウスに摂取させると、血糖値の上昇が抑制されるということが記載されているが、これは耐糖能自体を本質的に改善する効果を直ちに示すものではない。
【００３１】
本発明の耐糖能障害改善剤は、糖類を食べたときの血糖値の一時的な上昇を抑制するだけではなく、長期投与することによって耐糖能障害そのものを改善する効果を発揮するものである。したがって、本発明の耐糖能障害改善剤は、糖尿病患者や耐糖能障害者に、糖尿病の治療剤として、あるいは耐糖能障害に起因する動脈硬化性血管障害にならないための予防剤として用いることができる。
【００３２】
更に、トウモロコシ外皮から得られたヘミセルロースの部分分解物は、人体に全く安全な物質であり、医薬、食品添加物あるいは飲食品として安心して摂取することができる。また、ヘミセルロースの部分分解物は、飲食品等の原料に添加したとき低粘度であるため、飲食品等の食感や風味を良好に保つことができるという利点が得られる。
【００３３】
【実施例】
前述した方法により、トウモロコシ外皮からアルカリ抽出したヘミセルロースを、キシラナーゼにより部分分解して得たヘミセルロースの部分分解物「セルエース」（商品名、日本食品化工株式会社製）を、耐糖能障害を有する４人のボランティア（通院患者）に服用してもらい、その効果をみた。
【００３４】
実施例１（63才の男性Ｓ．Ｔ）
血中コレステロール（以下、TCと記載する）値が高めで、尿糖がある、やや肥満ぎみの男性（いわゆるシンドロームＸにあたる）で、図１の□−□に示されるように、空腹時の血糖値が174 mg/dL 、oGTTの２時間値が370 mg/dL と高く、ヘモグロビンＡ₁ 値も8.7 ％で高い状態であった。そこで、「セルエース」５ｇを水に溶かして毎朝晩飲用を続け、６ケ月後に血糖値及びヘモグロビンＡ₁ 値を測定したところ、図１の○−○に示されるように、空腹時の血糖値が123 mg/dL に、oGTTの２時間値が223 mg/dL にそれぞれ低下し、ヘモグロビンＡ₁ 値も7.9 ％に低下していた。また、尿糖もなくなっており、糖尿病の改善効果が認められた。なお、期間中の体重変化はなく、TC値も低下し、血中コレステロールの改善効果も認められた。
【００３５】
実施例２（57才の男性Ｓ．Ｉ）
TC値が274mg/dLと高い、高脂質症の人で、図２の□−□に示されるように、空腹時の血糖値が110mg/dL、oGTTの２時間値が235mg/dLであり、ヘモグロビンＡ₁ 値は7.4 ％であった。「セルエース」５ｇを水に溶かして毎朝晩飲用を続け、６ケ月後に血糖値及びヘモグロビンＡ₁ 値を測定したところ、図２の○−○に示されるように、空腹時の血糖値が100mg/dLに、oGTTの２時間値が180mg/dLにそれぞれ低下し、ヘモグロビンＡ₁ 値も6.7 ％と正常レベルに低下して、耐糖能障害の改善効果が認められた。なお、TC値も235mg/dLに低下し、高脂質症の改善効果も認められた。また、摂取前後の体重変化は認められなかった。
【００３６】
実施例３（49才の女性Ｏ．Ｋ）
肥満ぎみの女性で、図３の□−□に示されるように、空腹時の血糖値が119mg/dL、oGTTの２時間値が196mg/dLであり、ヘモグロビンＡ₁ 値は7.7 ％であった。「セルエース」５ｇを水に溶かして毎朝晩飲用を続け、６ケ月後に血糖値及びヘモグロビンＡ₁ 値を測定したところ、図３の○−○に示されるように、空腹時の血糖値が94mg/dL に、oGTTの２時間値が132 mg/dL にそれぞれ低下し、ヘモグロビンＡ₁ 値も7.2 ％に低下して、耐糖能障害の改善効果が認められた。なお、摂取前後の体重の変化は認められなかった。
【００３７】
実施例４（63才の女性Ｋ．Ｔ）
当初の血糖値は、図４の□−□に示されるように、空腹時が120mg/dL、oGTTの２時間値が195mg/dLであった。「セルエース」５ｇを水に溶かして毎朝晩飲用を続けたところ、６ケ月後の血糖値は、図４の○−○に示されるように、空腹時が90mg/dL 、oGTTの２時間値が115mg/dLにそれぞれ低下し、耐糖能障害の改善効果が認められた。なお、この女性の血中インシュリン値には、大きな変化は認められなかった。また、摂取前後の体重の変化は認められなかった。
【００３８】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の耐糖能障害改善剤は、運動療法、食事療法の段階の軽症糖尿病患者などの耐糖能に障害を有する人に摂取させることにより、その人の耐糖能自体を改善することができ、糖尿病の治療剤として、あるいは耐糖能障害に起因する動脈硬化性血管障害にならないための予防剤として用いることができる。また、トウモロコシ外皮から得られたヘミセルロースの部分分解物からなるので、人体に全く安全であり、医薬品、飲食品、あるいはそれらへの添加物として、安心して長期に亙り継続して摂取することができる。更に、ヘミセルロースの部分分解物は、飲食品等の原料に添加したとき低粘度であるため、飲食品等の食感や風味を良好に保つことができるという利点も有している。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の耐糖能改善剤を患者に投与した場合の耐糖能障害改善効果を示す図表である。
【図２】本発明の耐糖能改善剤を他の患者に投与した場合の耐糖能障害改善効果を示す図表である。
【図３】本発明の耐糖能改善剤を更に他の患者に投与した場合の耐糖能障害改善効果を示す図表である。
【図４】本発明の耐糖能改善剤を更にまた他の患者に投与した場合の耐糖能障害改善効果を示す図表である。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a glucose tolerance disorder improving agent using corn hulls as a raw material.
[0002]
[Prior art]
In recent years, so-called adult diseases have increased due to changes in dietary habits, lack of exercise, and the development of stressed societies, and the tendency toward younger age has become a problem. In particular, the number of diabetic patients is said to be about 6 million nationwide, and it is estimated that about 5% of Japan's total population is equivalent. Diabetes is often asymptomatic in the early stages, but when it becomes severe, not only does it cause symptoms such as dry mouth, general malaise, and fatigue, but it also causes arteriosclerosis such as renal failure, stroke, and ischemic heart disease. Since it exhibits a fatal pathological condition as a base and causes complications such as various infectious diseases, its early diagnosis and treatment methods are attracting attention.
[0003]
In general, even if the blood sugar level rises, it does not accompany subjective symptoms and pain unless it becomes very high, and the specificity, sensitivity, and reproduction of the 75 g glucose oral challenge test (hereinafter referred to as oGTT) used for clinical diagnosis It has been said that early diagnosis of diabetes is not easy because it is considered that there is a problem with sex. Therefore, in recent years, the WHO Diabetes Experts Conference has confirmed that the fasting blood glucose level (capillary blood) is 120 mg / dL or more from the standpoint that a decrease in blood insulin response in the glucose tolerance test is a basic abnormality of diabetes. Diagnose a person with a 2-hour value of oGTT of 200 mg / dL as diabetes, while a person with a fasting blood glucose level of 120 mg / dL or less and a 2-hour value of oGTT of 140-200 mg / dL as a person with impaired glucose tolerance Proposes to be wary of progression to diabetes and arteriosclerotic vascular disorders.
[0004]
Furthermore, recently, it has been reported that the quality of glucose tolerance can be determined by measuring the ratio of hemoglobin A ₁ amount to hemoglobin A amount in blood (hereinafter referred to as hemoglobin A ₁ value) (“Diabetic Treatment Manual”). "See Medical and Dental Publishing Co., Ltd.), and it has been clinically adopted as a very effective method for the diagnosis of diabetes.
[0005]
In addition, diet (calorie) restriction and exercise therapy are generally employed for the treatment of diabetes and impaired glucose tolerance, and a blood sugar level increase inhibitor or the like is also used in combination as necessary. Since the treatment of diabetes and impaired glucose tolerance often lasts for a long period of time, such substances as an inhibitor of blood sugar level increase are required to be substances that have no side effects and can be taken safely for a long period of time. ing.
[0006]
On the other hand, in recent years, the physiological activity of dietary fiber prepared from rice bran, wheat bran, corn hulls, etc. has attracted attention. For example, the cholesterol elevation-inhibiting action (Japanese Patent Publication No. 62-6691 and Japanese Patent Publication No. 63-218822) Have been reported to inhibit fatty liver (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-242530, etc.), suppress blood pressure lowering and elevation (see Japanese Patent Application Laid-Open No. 5-194241), and the like.
[0007]
Furthermore, the present inventors, in JP-A-62-201821, are obtained by alkali extraction from the cereal or bean hull, or the remainder obtained by removing starch, proteins, lipids, minerals, etc. from the cereal or bean hull. It proposes a substance that suppresses blood sugar elevation, which is composed of hemicellulose as a main ingredient, is easy to eat, is effective in a small amount, and is easy to handle.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
However, JP-A-62-201821 describes the effect that a temporary increase in blood glucose level is suppressed when hemicellulose prepared from cereal or bean hulls is dissolved in an aqueous glucose solution and administered to mice. However, it was not clear whether there was an essential therapeutic effect on diabetics or impaired glucose tolerance, ie, an effect of improving the decreased glucose tolerance itself.
[0009]
In addition, the hemicellulose described in JP-A-62-201821 has a very high viscosity when dissolved in water, etc., so that the texture and flavor of foods and drinks, especially the throat (ease of swallowing) in beverages, etc. There was a problem of getting worse. For this reason, the present inventors disclosed in JP-A-2-303459, a method for obtaining water-soluble dietary fiber comprising a partially decomposed product of hemicellulose by alkali-extracting a plant fiber raw material and treating the extract with xylanase. Has already proposed. However, it is unclear whether such partially decomposed hemicellulose has an inhibitory effect on the increase in blood glucose level described in JP-A-62-201821.
[0010]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a glucose tolerance ameliorating agent that is completely safe for the human body, has an effective action for improving impaired glucose tolerance, and does not adversely affect the texture and flavor even when added to food and drink. It is to provide.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of further diligent research in view of the above-mentioned problems of the prior art, the present inventors have found that a partial degradation product of hemicellulose prepared from corn hulls is effective in improving impaired glucose tolerance, and completing the present invention. It came.
[0012]
That is, the glucose tolerance ameliorating agent according to the present invention removes starch, proteins and the like from corn hulls , and the remaining hemicellulose obtained by alkali extraction is further partially decomposed into hemicellulose obtained by treatment with xylanase. The thing which uses a thing as an active ingredient.
[0013]
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in detail.
[0014]
The glucose tolerance ameliorating agent of the present invention comprises a partial degradation product of hemicellulose obtained from corn hulls as an active ingredient. For example, the extraction method of hemicellulose and the degradation method thereof may be alkali or acid. Extraction using an extruder or autoclave, hot water extraction, extraction using an enzyme agent such as cellulase, or a combination of these methods .
[0015]
However, in a preferred embodiment of the present invention, a hemicellulose obtained by removing starch and proteins from corn hulls and alkali-extracting the remainder is further treated with xylanase.
[0016]
A preferred method for producing a partially decomposed product of hemicellulose used in the present invention is as follows.
[0017]
That is, when obtaining hemicellulose, corn hulls can be alkali-extracted to obtain components rich in hemicellulose. However, in order to obtain hemicellulose with higher purity, starch, protein, and further as needed It is preferable to perform alkali extraction after removing lipids, inorganic substances and the like.
[0018]
As a method for removing starch, protein and, if necessary, lipids, minerals, etc. from corn hulls, any of enzyme treatment, chemical treatment and physical treatment may be adopted, or these may be combined appropriately. Good. Enzymatic treatment includes, for example, starch-degrading enzymes such as α-amylase and glucoamylase, proteolytic enzymes such as protease, lipolytic enzymes such as lipase, and fibrinolytic enzymes such as cellulase at pH 3 to 9 and temperature 30 to 100 ° C. It is carried out by adding and treating under conditions. In addition, for example, chemical treatment may be performed by adding an aqueous solution of a mineral acid or an organic acid to corn hulls and heating under conditions of pH 2 to 5 or adding a surfactant for food and under conditions of pH 3 to 8. This is done by heat treatment. Further, the physical treatment is performed, for example, by pulverizing corn hulls with a pulverizer such as a homogenizer or a hammer mill and then sieving.
[0019]
After treating the corn hull in this way, alkali extraction is performed. Alkali extraction is performed by, for example, adding and mixing an alkaline aqueous solution such as an aqueous sodium hydroxide solution and eluting the non-cellulosic polysaccharide segment. The hemicellulose used in the present invention can be used by neutralizing the alkaline extract and leaving it unpurified, but the neutralized product can be further purified by the following operation. That is, the protein precipitated by neutralization is separated and removed by means such as centrifugation, and the supernatant is dialyzed, ion exchange resin treatment, ion exchange membrane treatment, ultrafiltration membrane treatment, alcohol purification, if necessary. Hemicellulose of arbitrary purity can be obtained by processing alone or in combination as appropriate, such as filter media processing.
[0020]
The partially decomposed product of hemicellulose used in the present invention can be obtained by further treating the hemicellulose obtained by alkali extraction from corn hull as described above with xylanase. The xylanase is preferably a liquefied type rather than a saccharified type, and can be either a fungal or bacterial source, but a bacterial xylanase is preferred because of its higher purity. A particularly preferred example is an alkaline xylanase described in Japanese Patent Publication No. 50-13357 and having an optimum pH on the alkali side.
[0021]
In the enzymatic reaction, a solution containing hemicellulose obtained by alkali extraction from corn hulls is adjusted with sulfuric acid, hydrochloric acid or the like as necessary, and xylanase is added and reacted at a temperature of 50 to 60 ° C. The amount of xylanase added is preferably about 0.001 to 10 units per gram of the solid content of the extract, and the reaction time is preferably about 3 to 96 hours. The titer of xylanase was determined by measuring the amount of enzyme that produces reducing sugar corresponding to 1 μmol of xylose per minute under the reaction conditions of pH 7 and 60 ° C. using hemicellulose obtained by alkali extraction from corn hulls as a substrate. Was made 1 unit.
[0022]
The reaction solution obtained by reacting xylanase as described above is heated to inactivate the enzyme, then separated into solid and liquid by centrifugation or the like, clarified and filtered as necessary, and further decolorized and dehydrated. It can be salt-treated, concentrated and dried to obtain a partially decomposed product of hemicellulose.
[0023]
In addition, a solution mainly composed of hemicellulose obtained by alkali treatment of corn hulls is solid-liquid separated, clarified and filtered, adjusted to pH, treated with xylanase, enzyme inactivated, decolorized, desalted, It can also be concentrated and dried.
[0024]
In addition, the partial degradation product of hemicellulose prepared from corn hulls by the method as described above is commercially available as “Cell Ace” (trade name, manufactured by Nippon Shokuhin Kako Co., Ltd.), and can be used as it is.
[0025]
In the present invention, the partially decomposed product of hemicellulose is preferably adjusted to a molecular weight such that the viscosity of a 5% aqueous solution is 3 to 20 cps when measured at a B-type viscometer, 60 rpm, 25 ° C. When the molecular weight is higher than this, there is a drawback that the viscosity becomes too high when added to food and drink ingredients, and when the molecular weight is further reduced, the physiologically active effect as dietary fiber may be lost. There is.
[0026]
The glucose tolerance disorder-improving agent of the present invention comprises the above-mentioned hemicellulose partially decomposed product as a main component. However, in addition to the partially decomposed product of hemicellulose, starch, protein, etc. that could not be removed, and some lignin, cellulose, ash, etc. may be contained.
[0027]
The glucose tolerance ameliorating agent of the present invention can be commercialized as an aqueous solution, a concentrated solution, a dry powder or the like containing the partial decomposition product of hemicellulose. Even in the case of a dry powder, it is very easy to dissolve in water and to be a homogeneous solution, so that preparation is easy. Therefore, the glucose tolerance disorder-improving agent of the present invention can be used as it is as healthy foods and beverages and pharmaceuticals, and by adding a small amount to the foods and beverages, the glucose tolerance disorder is improved without harming the flavor and texture of the foods and beverages. An effect can be imparted.
[0028]
In addition, when adding the glucose tolerance disorder improving agent of this invention to food-drinks, as an addition amount which can anticipate the glucose tolerance disorder | damage improvement effect, without impairing the food texture of food-drinks, it is 0.1-10 weight% preferable. In addition, the daily intake of the glucose tolerance disorder improving agent of the present invention is preferably 5 to 20 g, and more preferably 5 to 10 g, in order to obtain the glucose tolerance disorder improving action.
[0029]
[Action]
The present inventors obtained four volunteers with impaired glucose tolerance by removing starch and proteins from corn hulls without subjecting them to conscious diet and exercise, and extracting the remainder with alkali. When the hemicellulose partial decomposition product obtained by further treating the obtained hemicellulose with xylanase was ingested for 10 to 3 to 12 months per day, it was more hungry than when the partial decomposition product of hemicellulose was not ingested. It was found that the blood glucose level and the oGTT 2-hour value, as well as the hemoglobin A1 value, markedly decreased, and impaired glucose tolerance was improved.
[0030]
As described above, Japanese Patent Application Laid-Open No. 62-201821 describes that when a mouse is simultaneously ingested with hemicellulose prepared from a cereal or bean hull and glucose, an increase in blood glucose level is suppressed. However, this does not immediately show the effect of essentially improving glucose tolerance itself.
[0031]
The glucose tolerance disorder-improving agent of the present invention not only suppresses a temporary increase in blood glucose level when a saccharide is eaten, but also exhibits an effect of improving the glucose tolerance disorder itself by long-term administration. Therefore, the glucose tolerance disorder-improving agent of the present invention can be used as a therapeutic agent for diabetes or a prophylactic agent for preventing arteriosclerotic vascular disorders resulting from impaired glucose tolerance in diabetic patients and impaired glucose tolerance. .
[0032]
Furthermore, the partially decomposed product of hemicellulose obtained from corn hulls is a completely safe substance for the human body and can be safely taken as a medicine, food additive or food or drink. Moreover, since the partially decomposed product of hemicellulose has a low viscosity when added to a raw material such as a food or drink, there is an advantage that the texture and flavor of the food or drink can be kept good.
[0033]
【Example】
Four people who have impaired glucose tolerance using the “cell ace” (trade name, manufactured by Nippon Shokuhin Kako Co., Ltd.), a partially decomposed product of hemicellulose obtained by partially decomposing hemicellulose alkali extracted from corn hulls by xylanase by the above-mentioned method. Volunteers (patients) took it and saw the effect.
[0034]
Example 1 (63-year-old male ST)
As shown in □-□ in Fig. 1, fasting blood glucose in a slightly obese man (corresponding to syndrome X) with high blood cholesterol (hereinafter referred to as TC) value and urine sugar. The value was 174 mg / dL, the 2-hour value of oGTT was as high as 370 mg / dL, and the hemoglobin A ₁ value was also high at 8.7%. Thus, 5 g of “Celace” was dissolved in water and continued to be taken every morning and night. After 6 months, blood glucose level and hemoglobin A ₁ level were measured. As shown in FIG. The 2-hour oGTT value decreased to 223 mg / dL at 123 mg / dL, and the hemoglobin A ₁ value also decreased to 7.9%. In addition, urine sugar was lost, and an effect of improving diabetes was observed. There was no change in body weight during the period, the TC value also decreased, and the blood cholesterol improvement effect was also observed.
[0035]
Example 2 (57 year old male SI)
A person with hyperlipidemia who has a high TC value of 274 mg / dL, as shown in □-□ in FIG. 2, the fasting blood glucose level is 110 mg / dL, and the oGTT 2-hour value is 235 mg / dL. The hemoglobin A ₁ value was 7.4%. 5 g of “Celace” was dissolved in water and continued to be taken every morning and after 6 months, the blood glucose level and hemoglobin A ₁ level were measured. As shown in FIG. In dL, the 2-hour value of oGTT decreased to 180 mg / dL, and the hemoglobin A ₁ value also decreased to 6.7% to a normal level, confirming the effect of improving impaired glucose tolerance. The TC value also decreased to 235 mg / dL, and an improvement effect on hyperlipidemia was also observed. In addition, there was no change in body weight before and after ingestion.
[0036]
Example 3 (49-year-old female OK)
In an obese woman, as shown in □-□ in FIG. 3, the fasting blood glucose level was 119 mg / dL, the oGTT 2-hour value was 196 mg / dL, and the hemoglobin A ₁ value was 7.7% . 5 g of “Cel Ace” was dissolved in water and continued to be taken every morning and after 6 months, the blood glucose level and hemoglobin A ₁ level were measured. As shown by ○-○ in FIG. 3, the fasting blood glucose level was 94 mg / In dL, the 2-hour value of oGTT decreased to 132 mg / dL, and the hemoglobin A ₁ value also decreased to 7.2%, confirming the effect of improving impaired glucose tolerance. No change in body weight was observed before and after ingestion.
[0037]
Example 4 (63-year-old female KT)
As shown in □-□ in FIG. 4, the initial blood glucose level was 120 mg / dL at fasting and the 2-hour value of oGTT was 195 mg / dL. When 5 g of “Cel Ace” was dissolved in water and continued to be taken every evening, the blood glucose level after 6 months was 90 mg / dL on an empty stomach and 2 hours of oGTT as shown by ○-○ in FIG. Each decreased to 115 mg / dL, and an improvement effect on impaired glucose tolerance was observed. There was no significant change in the blood insulin level of this woman. In addition, there was no change in body weight before and after ingestion.
[0038]
【The invention's effect】
As described above, the glucose tolerance ameliorating agent of the present invention improves the glucose tolerance itself of a person having impaired glucose tolerance, such as patients with mild diabetes at the stage of exercise therapy or diet therapy. It can be used as a therapeutic agent for diabetes or as a prophylactic agent for preventing arteriosclerotic vascular disorder resulting from impaired glucose tolerance. In addition, since it consists of a partially decomposed product of hemicellulose obtained from corn hulls, it is completely safe for the human body and can be ingested continuously for a long period of time as a medicine, food or drink, or additive to them. . Furthermore, since the partially decomposed product of hemicellulose has a low viscosity when added to a raw material such as food or drink, it also has an advantage that the texture and flavor of the food and drink can be kept good.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a chart showing the effect of improving glucose tolerance disorder when a glucose tolerance improving agent of the present invention is administered to a patient.
FIG. 2 is a chart showing the effect of improving glucose tolerance when the glucose tolerance improving agent of the present invention is administered to other patients.
FIG. 3 is a table showing the effect of improving impaired glucose tolerance when the glucose tolerance improving agent of the present invention is further administered to other patients.
FIG. 4 is a chart showing the effect of improving impaired glucose tolerance when the glucose tolerance improving agent of the present invention is administered to other patients.

Claims

A glucose tolerance ameliorating agent comprising, as an active ingredient, a partial degradation product of hemicellulose obtained by removing starch and proteins from corn hulls and subjecting the remainder to alkali extraction to further treatment with xylanase .

The partial degradation product of the hemicellulose is adjusted to a molecular weight such that the viscosity of a 5% aqueous solution is 3 to 20 CPS when measured at a B-type viscometer, 60 rpm and 25 ° C. Glucose tolerance disorder improving agent.