JP3639322B2 - 高速回転体の制振支持装置とその製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、転がり軸受を有する高速回転体を制振良く支持する装置及びその製造方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来例えば、内燃機関のターボチャージャは、排気エネルギを利用してタービンロータを高速回転させ、該タービンロータにシャフトを介してコンプレッサインペラを連結し、コンプレッサインペラの過給作用により大量の吸気を機関に供給するものである。
【0003】
かかるターボチャージャ等において、高速回転体を転がり軸受と共にスクイズ油膜層を介して支持する制振支持装置が提案されている(実開昭63−36630号公報等参照)。
これを図7に基づいて説明すると、排気が導かれるタービンロータ1には、シャフト2が同軸上に一体的に形成され、シャフト2は2つの転がり軸受4C,4Tを介して2つの筒状カラー部材3C,3Tに回転自在に支持される。各カラー部材3C,3Tはベアリングハウジング5にスクイズ油膜層Aを介して浮遊支持され、このスクイズ油膜層Aにより高速回転に伴い発生する転がり軸受の特有の振動を減衰するようになっている。
【0004】
また、潤滑油が油道15からノズル14を介して転がり軸受4C,4Tの玉11軸受部分へジェット潤滑される。
シャフト2には各転がり軸受4C,4Tの内輪6がスラストスペーサ7を介して嵌挿されるとともに、図示しないシャフト端部にはスラストスペーサ8を介してコンプレッサインペラが連結される。
【0005】
アンギュラ型転がり軸受4C,4Tは、各内輪6の転動面13が互いに対向して傾斜する曲面に形成される一方、各外輪9の座に軌道溝10が形成され、玉11を介してラジアル荷重とスラスト荷重が共に支持される。各外輪9の間には各カラー部材3C,3Tを介してスプリング15が介装され、このスプリング15の付勢力により玉11は常に転動面13に押し付けられる一方、カラー部材3C,3Tにはベアリングハウジング5に係合するつば部12が夫々形成され、このつば部12を介してスラスト荷重が支持されるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる従来の高速回転体の制振支持装置にあっては、ノズル14から噴出されるジェットがスクイズ油膜Aの余りの潤滑油を使用するようになっているので、高速で回転する転がり軸受4C,4Tの冷却に十分な潤滑油量を得ることができず、軸受寿命が短くなるといった問題点があった。
【0007】
また、スクイズ油膜Aを形成するダンパが円周上対称となるような構造を有するので、自重により軸心が偏心することにより、スクイズ油膜Aの剛性が上がり、高速回転では十分な制振ができず振動や騒音が発生するといった問題点があった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みなされたものであり、軸受寿命を向上させると共に、振動、騒音を防止した高速回転体の制振支持装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、請求項1の発明は、鉛直以外の方向の軸回りに回転する回転体とその外周に位置して前記回転体を支持する支持部材とを有し、前記回転体と支持部材との間に転がり軸受を介装すると共に、該転がり軸受の外輪外周面と支持部材内周面との間に環状部材を介装し、該環状部材の上部位置にその外周面に開口する細孔を形成し、前記環状部材の内周面には、前記細孔と連通する環状溝を、その溝幅又は深さの少なくとも一方が上部側よりも下部側が小さくなるように形成し、前記支持部材内には、前記細孔を介して環状溝に潤滑油を供給する潤滑油供給通路を設け、前記環状部材の内周面と前記転がり軸受の外輪外周面との間に油膜層を介在させた構成とする。
【0009】
また、前記環状部材と転がり軸受との間に環状制振部材を介装し、前記環状部材の内周面と環状制振部材の外周面との間に前記油膜層を介在させると共に、前記環状制振部材の内周面に前記環状部材の環状溝と連通する第2の環状溝を形成し、該環状制振部材の内周面と転がり軸受の外周面との間に第2の油膜層を介在させるようにすることもできる。
【0010】
また、前記潤滑油供給通路から分岐して転がり軸受の軸受部に潤滑油を導く分岐通路を備えるようにすることもできる。
また、前記環状部材の内周面に設けられた環状溝は、環の中心を上方向へ偏心させて溝深さが下側に行くに従って徐々に浅くなるように形成することもできる。
【0011】
また、請求項5の発明は、高速回転体の制振支持装置の製造方法であって、前記環状部材の内周面に環状溝を形成した後、環状部材の上部位置に潤滑油供給用の細孔を形成すると共に、その後環状部材を支持部材へ圧入して、油膜層が形成される環状部材の内周面を仕上げた後、転がり軸受を環状部材内に介装する。
また、請求項6の発明は、高速回転体の制振支持装置の製造方法であって、前記環状部材の内周面に環状溝を形成した後、環状部材の上部位置に潤滑油供給用の細孔を形成すると共に、その後環状部材を支持部材へ圧入して、油膜層が形成される環状部材の内周面を仕上げた後、環状制振部材及び転がり軸受を環状部材内に介装する。
【0012】
【作用】
かかる構成によれば、請求項1に記載の発明では、回転体の高速回転時には、細孔を介して環状溝に潤滑油を供給することにより、環状部材の内周面と転がり軸受の外輪外周面との間に油膜層が形成され、この油膜層により前記転がり軸受と回転体とが一体となり環状部材を介して支持部材に支持される。
【0013】
この場合、前記油膜層のスクイズ油膜ダンパとして高速回転における軸受の振動を減衰する機能により回転体の振動を制振することができるのであるが、回転体は自重及び細孔からの潤滑油の噴射力により重力方向に偏心して回転しており、この偏心が大きくなる程スクイズ油膜ダンパの剛性は大きくなり、制振作用も小さくなる傾向がある。
【0014】
そこで、環状溝を、溝幅又は深さの少なくとも一方が上部側よりも下部側が小さくなるように環状部材の内周面に形成することにより、負荷が大きい重力方向下側のスクイズ油膜ダンパの表面積を増大させて支持能力を増大させることができるので、回転体の偏心量が減少して制振効果を向上させることができ、以て、振動や騒音が発生するのを防止することができる。
【0015】
また、前記環状部材と転がり軸受との間に環状制振部材を介装し、前記環状部材の内周面と環状制振部材の外周面との間に前記油膜層を介在させると共に、前記環状制振部材の内周面に前記環状部材の環状溝と連通する第2の環状溝を形成し、該環状制振部材の内周面と転がり軸受の外周面との間に第2の油膜層を介在させるように構成した場合には、弾性と内部減衰を有する高い制振性を持つ環状制振部材とスクイズ油膜ダンパとしての油膜層及び第2の油膜層により制振効果を向上させることができる。
【0016】
また、前記細孔を介して環状溝に潤滑油を供給する潤滑油供給通路から分岐して転がり軸受の軸受部に潤滑油を導く分岐通路を備えるように構成した場合には、細孔により油膜層へ供給される潤滑油量が制限され、転がり軸受の軸受部に流速の速い潤滑油量を充分に供給できる。したがって、軸受寿命を大幅に向上させることができ、以て、オイルポンプの小型・軽量化を図ることができる。
【0017】
また、前記環状部材の内周面に設けられた環状溝が、環の中心を上方向へ偏心させて溝深さが下側に行くに従って徐々に浅くなるように形成した場合には、負荷が大きい重力方向下側のスクイズ油膜ダンパの支持能力を、更に増大させることができる。したがって、自重等による回転体の偏心量が減少して制振効果を向上させることができ、以て、振動や騒音が発生するのを防止することができる。
【0018】
また、請求項5に記載の発明では、環状部材の内周面に環状溝を形成した後、環状部材の上部位置に潤滑油供給用の細孔を形成すると共に、その後環状部材を支持部材へ圧入して、油膜層が形成される環状部材の内周面を仕上げた後、転がり軸受を環状部材内に介装することにより高速回転体の制振支持装置を製造することができる。
【0019】
また、請求項6に記載の発明では、環状部材の内周面に環状溝を形成した後、環状部材の上部位置に潤滑油供給用の細孔を形成すると共に、その後環状部材を支持部材へ圧入して、油膜層が形成される環状部材の内周面を仕上げた後、環状制振部材及び転がり軸受を環状部材内に介装することにより高速回転体の制振支持装置を製造することができる。
【0020】
これら請求項5及び6の発明によると、軸受周辺部分及び細孔部分への衝撃が防止されるので、寸法変化が生ぜず軸受の精度及び潤滑油の安定供給が保証される。
【0021】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
先ず、図1及び図2により、本発明の一実施例に係る高速回転体の制振支持装置を説明する。
即ち、図に示すものは、制振支持装置を高速発電機に応用したものであり、軸23に発電子ロータ21及びカラー22を介装して成る回転体の該軸23の外周には、転がり軸受24が介装され前記軸23を軸支し、一体となって高速回転するようになっている。
【0022】
この転がり軸受24は、内輪24a、外輪24b及び玉24cからなり、外輪24bの外周には環状制振部材としての弾性及び内部減衰作用を有する円筒状のダンパ25が介装され、更にダンパ25の外周には環状部材26が介装されており、該環状部材26は、支持部材としてのハウジング27内に圧入されている。また、図示しないオイルポンプにて圧送された潤滑油がハウジング27内に形成された潤滑油供給通路としての油道27aより分岐通路27bを通ってリテーナ28へ供給されジェットノズル28aより転がり軸受24に噴射される。このジェットノズル28aは、直径0.5mm程度の細孔で形成することにより、油道27aの油圧を高く設定し、噴出される潤滑油の噴射速度を上げることで、転がり軸受24内部へ確実に潤滑油を供給することができるようになっている。
【0023】
更に、潤滑油は油道27aから環状部材26の上方位置に形成された直径0.5mm程度の細孔26aを通って環状部材26内に供給される。
また、環状部材26の内周部には、前記細孔26aと連通する環状溝29が形成されている。上半部の環状溝29aは細孔26aが位置する側の上半円周に、下半部の環状溝29bは下半円周に、夫々形成され、環状溝29aは溝幅が環状溝29bよりも大きく形成されている。また、ダンパ25の内周部には、前記環状溝29a,29bと連通する環状溝25aが形成されている。
【0024】
環状部材26はハウジング27内に圧入され、該環状部材26と転がり軸受24との間にはダンパ25が介装されているので、潤滑油が細孔26aより環状部材26内に供給されることにより、環状溝29a,29b,25aを介して環状部材内周面26bとダンパ25外周面との間には油膜層としての外側ダンパ油膜30が、ダンパ25内周面と転がり軸受外輪24bとの間には、同じく油膜層としての内側ダンパ油膜31が形成される。
【0025】
これらは、何れもスクイズ油膜ダンパとして高速回転における軸受の振動を効果的に減衰する機能を果たす。
尚、かかる制振支持装置を形成するにあたっては、先ず、環状部材26の内周面に環状溝29を加工形成した後、環状部材26の上部位置に潤滑油供給用の細孔26aを形成し、その後環状部材26をハウジング27内へ圧入して、油膜層が形成される環状部材26の内周面を仕上げた後、ダンパ25及び転がり軸受24を環状部材26内に介装することにより行われる。
【0026】
次に、図1及び図2により本発明の作用を説明する。
一般に高速で回転する軸を軸支するDN値〔転がり軸受の内径D(mm)と軸回転数N(rpm)との積〕が1×106 を越える転がり軸受には、例えば、軸受寿命を3000Hr程度保証するためには、通常軸受内輪外周速の20%の流速の潤滑油を供給する必要があるため、ジェットノズルの径を細くし油道の油圧を上昇させる必要がある。
【0027】
そこで、軸23の高速回転時には、潤滑油をジェットノズル28aより噴出させ転がり軸受24部に潤滑油を供給する一方、環状部材内周面26bとダンパ25外周面との間及び外輪24b外周面とダンパ25内周面との間に細孔26aを介して潤滑油を供給することによりスクイズ油膜層30,31を形成するようにする。したがって、細孔26aによりスクイズ油膜層30,31へ供給される潤滑油量が制限され、転がり軸受24部に流速の速い潤滑油量を充分に供給することができるので、軸受寿命を大幅に向上させることができ、オイルポンプの小型・軽量化を図ることができる。
【0028】
尚、かかる潤滑油量を絞る他の方法として、オリフィスを油道内部へ打ち込む方法があるが、軸受周辺の精度のよい加工部へ打ち込みによる衝撃で寸法変化が生じ、供給油量が安定しない等の不都合が生じることになり好ましくない。
そこで、本実施例では、環状部材26の内周面に環状溝29を加工形成した後、環状部材26の上部位置に潤滑油供給用の細孔26aを形成し、その後環状部材26をハウジング27内へ圧入して、油膜層が形成される環状部材26の内周面を仕上げた後、ダンパ25及び転がり軸受24を環状部材26内に介装することにより、転がり軸受24周辺部分及び細孔26a部分への衝撃が防止されるので、オリフィスを油道内部へ打ち込んだものに比し寸法変化が生ぜず軸受の精度及び潤滑油の安定供給が保証される。
【0029】
また、軸23が振動すると、内側ダンパ油膜31により減衰された後、ダンパ25に伝わって減衰される。そして、更に外側ダンパ油膜30により減衰されてから環状部材26を介してハウジング27へ伝わるため、ハウジング27から見た振動特性値は小さな値となり、高速発電機としては静粛な高速発電機を実現できるのであるが、軸23は自重等により重力方向に偏心して回転しており、この偏心が大きくなる程スクイズ油膜ダンパの剛性は大きくなり、制振作用も小さくなる傾向がある。そこで、環状溝29を、溝幅が細孔26a側の上部よりも下部側が小さくなるように環状部材26内周面に形成することにより、重力方向下側のスクイズ油膜ダンパ表面積を増大させて支持能力を増大させることができる。したがって、軸23の偏心量が減少して制振効果を向上させることができ、以て、振動や騒音が発生するのを防止することができる。
【0030】
次に、図3及び図4により他の実施例について説明する。
即ち、このものは、前記図1に示す実施例と基本的には同じものであるが、環状溝29の溝幅を上半円周と下半円周で同じにすると共に、該環状溝29の中心を細孔26a方向へ偏心させた点で相違する。即ち、図4に示すように、環状溝29の深さは、上部から下部に行くに従って徐々に浅くなり、下部位置では、スクイズ油膜層と環状溝29とが面一になっている。したがって、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0031】
これによると、環状溝29を、該環状溝29の中心を細孔26a側の上部方向へ偏心させて下部側のスクイズ油膜層Aの表面積を増加させるように形成することにより、負荷の大きい重力方向下側のスクイズ油膜層Aの支持能力を増大させることができる。したがって、軸23の偏心量が減少して制振効果を向上させることができ、以て、振動や騒音が発生するのを防止することができる。
【0032】
また、環状溝29の溝幅が同じであるため、前記図1のものに比し加工段取りが削減され、加工工数が低減される。
次に、図5及び図6により他の実施例について説明する。
即ち、このものは、前記図1に示す実施例と基本的には同じものであるが、環状溝29の中心を細孔26a方向へ偏心させた点で相違する。したがって、同じ構成には同一符号を付して説明を省略する。
【0033】
これによると、環状溝29を、該環状溝29の中心を細孔26a側の上部方向へ偏心させて下部側のスクイズ油膜層Aの表面積を増加させるように形成したので、前記図1に示す実施例の効果に加えて更に重力下側の支持能力を増大させることができる。したがって、軸23の偏心量が減少して制振効果を更に向上させることができ、以て、振動や騒音が発生するのを一層防止することができる。
【0034】
なお、以上の実施例では、本発明に係る高速回転体の制振支持装置について、高速発電機に応用したものについて説明してきたが、これに限定されるものではなく、ターボチャージャーやタービンエンジン等に適用することができることは当然である。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、環状溝を、溝幅又は深さの少なくとも一方が上部側よりも下部側が小さくなるように環状部材の内周面に形成することにより、負荷が大きい重力方向下側のスクイズ油膜ダンパの表面積を増大させて支持能力を増大させることができるので、回転体の偏心量が減少して制振効果を向上させることができ、以て、振動や騒音が発生するのを防止することができる。
【0036】
また、請求項2に記載の発明によれば、環状部材と転がり軸受との間に環状制振部材を介装し、前記環状部材の内周面と環状制振部材の外周面との間に前記油膜層を介在させると共に、前記環状制振部材の内周面に前記環状部材の環状溝と連通する第2の環状溝を形成し、該環状制振部材の内周面と転がり軸受の外周面との間に第2の油膜層を介在させるように構成したので、弾性と内部減衰を有する高い制振性を持つ環状制振部材とスクイズ油膜ダンパとしての油膜層及び第2の油膜層により制振効果を更に向上させることができる。
【0037】
また、請求項3に記載の発明によれば、細孔を介して環状溝に潤滑油を供給する潤滑油供給通路から分岐して転がり軸受の軸受部に潤滑油を導く分岐通路を備えるように構成したので、細孔により油膜層へ供給される潤滑油量が制限され、転がり軸受の軸受部に流速の速い潤滑油量を充分に供給して軸受寿命を大幅に向上させることができ、以て、オイルポンプの小型・軽量化を図ることができる。
【0038】
また、請求項4に記載の発明によれば、環状部材の内周面に設けられた環状溝は、環の中心を上方向へ偏心させて溝深さが下側に行くに従って徐々に浅くなるように形成したので、負荷が大きい重力方向下側のスクイズ油膜ダンパの支持能力を、更に増大させることができ、自重等による回転体の偏心量が減少して制振効果を更に向上させることができる。
【0039】
また、請求項5又は6に記載の発明によると、環状部材の内周面に環状溝を形成した後、環状部材の上部位置に潤滑油供給用の細孔を形成すると共に、その後環状部材を支持部材へ圧入して、油膜層が形成される環状部材の内周面を仕上げた後、環状制振部材(介在させる場合)、転がり軸受を環状部材内に介装することにより高速回転体の制振支持装置を製造するように構成したので、軸受周辺部分及び細孔部分への衝撃が防止され、寸法変化が生ぜず軸受の精度及び潤滑油の安定供給が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る高速回転体の制振支持装置を示す断面図。
【図2】 (a)は図1の環状部材部分を示す断面図、(b)は(a)のA−A線断面図。
【図3】 他の実施例に係る高速回転体の制振支持装置を示す断面図。
【図4】 (a)は図3の環状部材部分を示す断面図、(b)は(a)のB−B線断面図。
【図5】 他の実施例に係る高速回転体の制振支持装置を示す断面図。
【図6】 (a)は図5の環状部材部分を示す断面図、(b)は(a)のC−C線断面図。
【図7】 従来の高速回転体の制振支持装置を示す断面図。
【符号の説明】
21 発電子ロータ
22 カラー
23 軸
24 転がり軸受
24a 内輪
24b 外輪
24c 玉
25 ダンパ
26 環状部材
26a 細孔
26b 環状部材内周面
27 ハウジング(支持部材)
27a 油道(潤滑油供給通路)
27b 分岐通路
28 リテーナ
28a ジェットノズル
29 環状溝
30 外側ダンパ油膜
31 内側ダンパ油膜
Claims (6)
- 鉛直以外の方向の軸回りに回転する回転体とその外周に位置して前記回転体を支持する支持部材とを有し、
前記回転体と支持部材との間に転がり軸受を介装すると共に、該転がり軸受の外輪外周面と支持部材内周面との間に環状部材を介装し、
該環状部材の上部位置にその外周面に開口する細孔を形成し、
前記環状部材の内周面には、前記細孔と連通する環状溝を、その溝幅又は深さの少なくとも一方が上部側よりも下部側が小さくなるように形成し、
前記支持部材内には、前記細孔を介して環状溝に潤滑油を供給する潤滑油供給通路を設け、
前記環状部材の内周面と前記転がり軸受の外輪外周面との間に油膜層を介在させた、
ことを特徴とする高速回転体の制振支持装置。 - 前記環状部材と転がり軸受との間に環状制振部材を介装し、前記環状部材の内周面と環状制振部材の外周面との間に前記油膜層を介在させると共に、前記環状制振部材の内周面に前記環状部材の環状溝と連通する第2の環状溝を形成し、該環状制振部材の内周面と転がり軸受の外周面との間に第2の油膜層を介在させたことを特徴とする請求項1記載の高速回転体の制振支持装置。
- 前記潤滑油供給通路から分岐して転がり軸受の軸受部に潤滑油を導く分岐通路を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の高速回転体の制振支持装置。
- 前記環状部材の内周面に設けられた環状溝は、環の中心を上方向へ偏心させて溝深さが下側に行くに従って徐々に浅くなるように形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の高速回転体の制振支持装置。
- 請求項1に記載の高速回転体の制振支持装置の製造方法であって、
前記環状部材の内周面に環状溝を形成した後、環状部材の上部位置に潤滑油供給用の細孔を形成すると共に、その後環状部材を支持部材へ圧入して、油膜層が形成される環状部材の内周面を仕上げた後、転がり軸受を環状部材内に介装することを特徴とする高速回転体の制振支持装置の製造方法。 - 請求項2〜4のいずれか一つに記載の高速回転体の制振支持装置の製造方法であって、
前記環状部材の内周面に環状溝を形成した後、環状部材の上部位置に潤滑油供給用の細孔を形成すると共に、その後環状部材を支持部材へ圧入して、油膜層が形成される環状部材の内周面を仕上げた後、環状制振部材及び転がり軸受を環状部材内に介装することを特徴とする高速回転体の制振支持装置の製造方法。
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1994
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