JP3638264B2 - Cold cathode device manufacturing method, cold cathode device, and display device using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷陰極装置及び冷陰極装置の作製方法に関し、特に、六方晶系に属する板状結晶であるグラファイト(黒鉛)を主成分材料とする炭素系材料を冷陰極(電界放出冷陰極)とする冷陰極装置に適用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の典型的な冷陰極は、先端が尖鋭なコーン形状をもつ陰極と、それを取り囲むゲート電極との間に電圧を印加して、電界で陰極先端から電子を放出させるスピント型と称される構造が一般的であった。スピント型の冷陰極装置の電子放出効率は、陰極表面に形成される電界集中と、陰極材料の仕事関数φや表面物性などの諸特性とによって大きく左右されていた。
【0003】
スピント型の冷陰極装置の電界集中は、陰極の尖鋭度、陰極/ゲート電極間距離で決まるので、効率の大幅な改善はリソグラフィーを中心とする微細加工技術の精度の向上およびさらなる微細化技術の進展に依存していた。
【0004】
こうした微細加工を必要としない冷陰極としては、MIM型(Metal/lnsulator/Metal)、MIS型(Metal/Insulator/Semiconductor)などの面放出型があった。面放出型の冷陰極装置では、材料の組み合わせや、電子放出効率の改善が課題となっていた。
【0005】
一方、冷陰極材料には主としてモリブデン(Mo)やニッケル(Ni)などの高融点金属や、シリコンなどの半導体が用いられてきたが、これらの材料では仕事関数φ=4〜5eV程度であるので、さらに低仕事関数の材料が求められてきた。これに対して、ダイアモンドやダイアモンド状炭素(DLC:Diamond−Like Carbon)あるいは、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ボロン(BN)は、負性電子親和力(NEA:Negative Electron Affinity)特性をもつとも言われており、その高硬度性能、化学的安定性と合わせて、冷陰極材料として有望であると考えられている。
【0006】
これらに対して、近年、カーボンナノチューブあるいはカーボンナノファイバーが良好な電子放出特性を示すと言われている。しかし、これらの材料を用いた冷陰極について、明瞭なNEA特性あるいは高効率電子放出特性はまだ見い出されておらず、実用化が阻まれている。
【0007】
電子放出特性改善技術として、材料表面に不純物原子を吸着させる方法が知られている。たとえば、タングステン単結晶表面に、Cs(セシウム),Ba(バリウム),U(ウラン),I2(ヨウ素),Br2(臭素),Cl2(塩素)などを吸着させると仕事関数φを大幅に低減できることがわかっている。これは、吸着種とW単結晶基板との間での電子の移動によるものである。しかしながら、この方法では、表面に吸着した不純物が不安定で、ディスプレイや撮像素子のような真空デバイスに用いるのは困難と考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、前記従来技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
冷陰極材料として最もその性能が期待されるダイアモンド結晶は、通常、CH4(メタン)、C2H2(アセチレン)などの水素炭化物や一酸化炭素COなどを原料として、化学気相法(CVD:Chemical Vapor Deposition)などで作製される。しかしながら、この方法では、基板をおよそ800℃以上の高温に保持して、上記原料を分解し、基板上にダイアモンドの結晶成長を行うので、大面積での処理は困難であった。特に、ダイアモンドでは、原子の拡散係数が非常に小さく、一般に成長速度が0.1μm/時間のオーダーで小さいという問題があった。
【0009】
これに対して、ダイアモンド状炭素は、非晶質炭素でありながら、ダイアモンドに類似した特性を示すので、大面積の処理に有利であった。堆積したDLC膜をそのまま薄膜の冷陰極としても良いが、あらかじめMo(モリブデン)やシリコンなどで尖鋭な先端を有する陰極と、絶縁物を介して、その陰極を取り囲むゲート電極とから成る冷陰極コーンを作製しておき、その陰極の上方から、上記のCVD法などでDLC膜(あるいは多結晶ダイアモンド膜)を陰極先端に堆積してその表面をコーティングする方法が試みられている。また、シリコンなどの基板に、あらかじめピラミッド型の凹みを作製しておいて、これにCVD法でDLCや多結晶ダイアモンドを堆積し、その後に基板を除去する方法も試みられている。しかしながら、このようなコーティング法を用いた場合であっても、上述するように、基板冷陰極を800℃以上の高温に保持する必要があると共に、表面層は多量の欠陥を含んだ状態か、非晶質層になっているという問題があった。すなわち、冷陰極の特性は表面層の状態に大きく左右されるので、このような表面層の構造は不安定で好ましくないものである。
【0010】
一方、これらの材料の低温作製法として、グラファイトターゲットに強力なレーザー光を照射して、炭素原子や分子、イオン、クラスターなどを蒸発させ基板に堆積させるレーザーアブレーション法も試みられている。照射するレーザー光にはArF(波長:193nm),KrF(波長:256nm)などのエキシマレーザーのパルス光が用いられる。しかしながら、この方法で作製できるダイアモンド結晶のサイズは非常に小さく、DLCになっているとの報告もある。このようなDLC膜は、sp2結合とsp3結合とから成っている。DLCが冷陰極としてまだ十分な性能を発揮していないのは、それら結合の比やその他の材料の構造や性質と電子放出特性との関係がまだはっきりわかっていないことによるものである。最近の研究では、DLCの電子放出特性にsp2結合が重要な役割を担っていることが明らかになった。従って、このsp2結合相(領域)の制御技術が求められるが、ダイアモンドやDLCともに、低温で高効率な電子放出効率を実現する方法はまだ見い出されていない。しかしながら、これら炭素系材料は電子放出環境に対して安定であり、安定動作のために高真空度を必要としないメリットがあるので、炭素系材料の冷陰極を低温で形成可能であると共に、高効率の電子放出効率を達成することが可能な技術の開発が要望されている。
【0011】
また、Cs,Ba,U,I2,Br2,Cl2などを金属冷陰極表面に堆積して電子放出特性を改善する方法においても、前述のように、不安定でデバイス化が困難であるばかりでなく、仕事関数φの低減効果の最大をもたらす最適濃度があり、それ以上に金属冷陰極表面層にこれら元素を堆積しても効果の向上は望めず、仕事関数低減効果に限界がある。
【0012】
本発明の目的は、電子放出における炭素の化学的安定性を生かしつつ、その電子放出効率を改善することが可能な冷陰極装置を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかになるであろう。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
【0014】
(1)基板上に形成された陰極母線と、前記陰極母線に電気的に接続される炭素系材料からなる電界放出冷陰極とを有する冷陰極装置の作製方法において、前記基板上に前記陰極母線を形成する工程と、前記グラファイトを主成分材料とし前記陰極母線に電気的に接続される炭素系材料層を形成する工程と、前記グラファイトよりも仕事関数の小さい不純物原子もしくは分子を前記炭素系材料層の板状結晶間に導入し電界放出冷陰極を形成する工程とを備える。
【0015】
(2)基板上に形成された陰極母線と、前記陰極母線に電気的に接続される炭素系材料からなる電界放出冷陰極とを有する冷陰極装置において、前記陰極母線に電気的に接続されるように炭素系材料からなる炭素系材料層が形成されると共に、前記炭素系材料層の板状結晶間に不純物原子もしくは分子が導入された領域が形成され、前記不純物の導入領域が電界放出冷陰極を形成する。
【0016】
(3)電界放出冷陰極が複数形成された冷陰極装置と、蛍光体陽極とが対向配置され、前記電界放出冷陰極と前記蛍光体陽極との間に印加する電圧を制御して、画像信号に応じた画像表示を行う表示装置において、前記冷陰極装置は、基板上に形成された陰極母線に電気的に接続されるように炭素系材料からなる炭素系材料層が形成されると共に、前記炭素系材料層の板状結晶間に不純物原子もしくは分子が導入された領域が複数形成され、前記不純物の導入領域が電界放出冷陰極を形成する。
【0017】
前述した(1)の手段によれば、基板上に陰極母線を形成する工程と、グラファイトを主成分材料とし陰極母線に電気的に接続される炭素系材料層を形成する工程と、グラファイトよりも仕事関数の小さい不純物原子もしくは分子を炭素系材料層の板状結晶間に導入し電界放出冷陰極を形成する工程とによって、下記の原理の項に示すように、炭素系材料層を形成するグラファイトの仕事関数(〜5eV程度)を、このグラファイトの仕事関数よりも小さい不純物原子もしくは分子の仕事関数に近づけることができるので、炭素系材料層を電界放出冷陰極として用いることが可能となる。
【0018】
このとき、不純物原子もしくは分子をグラファイトに導入(インターカレーション)する構成となっているので、電子放出における炭素の化学的安定性を生かしつつ、高効率で選択的な電子放出特性を得ることができる。
【0019】
(原理)
本発明による冷陰極装置の構造を図1に従って説明する。ただし、図1において、101は炭素原子、102はインターカレーション原子、103は放出電子を示す。
【0020】
図1に示すように、本発明の冷陰極装置の冷陰極は、同一平面内で環状に結合した炭素原子101が連なってつくる層状構造の結晶(以下、「グラファイト層状結晶」と記す)を形成し、それぞれの炭素原子101の間に、不純物となる原子や分子が導入(インターカレーション)される構成となっている。すなわち、本願発明の冷陰極装置の冷陰極は、グラファイト層状結晶の層間に仕事関数の小さい不純物原子や分子を導入(インターカレーション)することにより、電子放出における炭素の化学的安定性を生かしつつ、高効率で選択的な電子放出特性を得る構造となっている。
【0021】
一般的に、グラファイトの仕事関数は〜5eV程度であるので、冷陰極材料としては、用いられていない。一方、炭素がCs,Baなどと化合物を形成すると、その化合物はむしろCs,Baの仕事関数に近い仕事関数を示す。従って、これらのアルカリ金属を表面に吸着させるのではなく、本願発明では、複数個の炭素原子101が形成するグラファイト層状結晶の層間に、インターカレーション原子102として不純物原子あるいは分子を導入することにより、グラファイト層状結晶から放出電子103を電子放出させる際の炭素表面の化学的安定性と、インターカレーションによる仕事関数低減とを両立させた冷陰極を形成するものである。
【0022】
すなわち、図1に示す左右方向に隣接する炭素原子101の間隔に比較して非常に大きい間隔(周期間隔)を有する炭素原子101の上下方向の積み重なりを有するグラファイトの層構造に、異なる原子(分子層でもよい)として低抵抗化をもたらすCsあるいはBaを挿入することによって、インターカレーションを電子放出の高効率化、面内の選択的電子放出領域形成に応用し、放出電子103を電子放出させる際の炭素表面の化学的安定性と、インターカレーションによる仕事関数低減とを両立させた冷陰極を形成するものである。ただし、インターカレーションの次数は、炭素原子101からなる炭素原子層何枚毎に1枚のインターカレーション層102が形成されているかという、いわば炭素原子層とインターカレーション層との層数比であり、この次数の制御により抵抗等の特性を制御できることが知られている。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、発明の実施の形態(実施例)とともに図面を参照して詳細に説明する。
なお、発明の実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。
【0024】
(実施の形態1)
図2は本発明による実施の形態1の冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図であり、以下、図2に基づいて、実施の形態1の冷陰極装置の構造と作製方法とを説明する。ただし、図2の(a)〜(c)は実施の形態1の冷陰極装置の断面図を示すものである。
【0025】
まず、図2の(a)に示すように、基板となるガラス基板201に例えば陰極母線202となる感光性ペーストを堆積した後に、リソグラフィー法などにより列方向(図2の紙面鉛直方向)のラインに加工する。この陰極母線202は、図2(a)に示すように、ガラス基板201の上面に形成され、5本の陰極母線202がそれぞれ独立されている。
【0026】
次に、周知のリフロー技術によって数ミクロン以下の厚さのフォト埋め込み用ガラスペーストとしてPSG(phosphosilicate glass)等を堆積し、このフォト埋め込み用ガラスペーストの層を形成する。この後に、図2の(a)に示すように、前述までの工程によって作製した基板に対して、リソグラフィー法などにより、セル領域210を上面側から陰極母線202及びガラス基板201が露出する深さまで形成する。このようにして、まず、ガラス基板201の上面側に障壁203で分離されたセル構造を形成する。なお、ガラス基板201の上面側に陰極母線202とセル構造とを形成する工程は従来と同様である。
【0027】
この後に、陰極母線202とセル構造とを形成したガラス基板201に対して、低温でCH4などの炭化水素系やCOなどを原料として、化学気相法(CVD:ChemicaI Vapor Deposition)などにより、ダイアモンド状炭素205(DLC:Diamond−Like Carbon)を堆積し、DLC層204を形成する。
【0028】
次に、図2の(b)に示すように、堆積されたDLC層204の上面側からレーザービーム206を走査して照射することにより、DLC層204をアニールしてDLCのグラファイト化を行い、炭素系材料層であるグラファイト層207を形成する。ただし、上記原料を用いて化学気相法によって作製するDLC相204は、通常600℃程度の温度で10分程度加熱することによりグラファイト化するので、レーザー照射では、このような加熱効果をもたらすように、波長、ビームパワー、照射時間を選択することによってグラファイト層207を形成する。また、グラファイト層(グラファイト膜)207の形成については、周知のアーク放電やレーザーアブレーション法など他の方法を用いることによって、セル領域210に直接堆積しても良い。
【0029】
次に、図2の(c)に示すように、グラファイト層(グラファイト膜)207に対して、インターカレーション原子208となるCs,Baなどの不純物を周知のイオン注入や熱拡散法などで添加しインターカレーションを行う。このインターカレーションによって、前述する図1に示すように、複数個の炭素原子101からなるグラファイト層状結晶の層間に、不純物となるCs,Baなどが導入(インターカレーション)されたインターカレーション層209が形成される。すなわち、実施の形態1の冷陰極装置では、グラファイト層状結晶の層間にグラファイトよりも仕事関数の小さい不純物となるCs,Baなどが導入(インターカレーション)された構造となるので、電子放出における炭素の化学的安定性を生かしつつ、高効率で選択的な電子放出特性を得ることが可能な構造となる。
【0030】
また、前述する方法では、1)DLCが室温〜300℃程度の温度で堆積できる、2)レーザーアニールは表面のみの加熱である、3)Cs,Baなどのインターカレーションが低温でできる、等の全プロセスが低温でできるという効果を得ることができる。その結果、ガラス基板201に耐熱性に優れる高価なクリスタルガラス等を用いることなく、安価なガラスやプラスチック基板を使用することが可能となると共に、後述するように、実施の形態1の冷陰極装置を表示デバイスとして用いた場合に、軽量化することができる。
【0031】
一方、実施の形態1の冷陰極装置を真空気密容器内に配置すると共に、この真空気密容器内で冷陰極装置と対向する位置に陽極となる電極を配置した2極構造とし、この陽極の冷陰極装置側に周知の蛍光体を配置することによって、文字やグラフィックス等を表示する蛍光発光型の表示装置を形成することができる。従って、陰極母線202及び陽極間に所定電圧の駆動信号を供給することによって、冷陰極装置のインターカレーション層209から放出された電子により蛍光体が発光し、各電極の形成パターンや駆動信号に応じた文字やグラフィックス等の発光表示あるいは発光素子としての発光表示を行うことができる。このとき、実施の形態1の冷陰極装置では、インターカレーション層209からの電子放出における炭素の化学的安定性を生かしつつ、高効率で選択的な電子放出特性を得ることができるので、大面積の表示装置であっても表示むらを大幅に低減した高効率及び高品位の発光表示を得ることができる。
【0032】
(実施の形態2)
図3は本発明である実施の形態2の冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図であり、以下、図3に基づいて、実施の形態2の冷陰極装置の構造と作製方法とを説明する。ただし、図3に示す実施の形態2の冷陰極装置は、高密度な冷陰極アレイとするため、セル構造あるいはセル障壁をもたないガラス基板上での作製例である。
【0033】
まず、図3の(a)に示すように、ガラス基板301に高融点金属などから成る陰極母線302を形成する。このとき、後述するように、この陰極母線302の上面にDLCを堆積し、さらにこのDLCを加熱してグラファイト化するので、陰極母線302の材料には、これらの熱処理に対して安定な、例えばタンタル、モリブデン、あるいはタングステン等の高融点金属が望ましい。
【0034】
次に、図3の(b)に示すように、陰極母線302を形成したガラス基板301の上面側、すなわちガラス基板301の陰極母線302を形成した側にDLC層303を形成する。ただし、このDLC層303は、例えば、実施の形態1と同様に、陰極母線302を形成したガラス基板301に対して、低温でCH4などの炭化水素系やCOなどを原料として、化学気相法などにより、ダイアモンド状炭素304(DLC:Diamond−Like Carbon)を堆積することによって形成される。
【0035】
次に、図3の(c)に示すように、レーザー光305などのエネルギービームを絞り、陰極母線302上の電子放出領域とする領域に対してのみレーザー光305を照射することによって、照射領域308内をアニールする。このアニール処理によって、レーザー光305の照射領域308内のDLC層303のみを局所的にグラファイト化して、グラファイト領域すなわちグラファイト層306を形成する。このとき、電子放出領域となるグラファイト層306は、照射するレーザー光305のビーム径でほぼ決まる。従って、レーザー光305の照射領域308の移動と照射とを繰り返すことによって、電子放出領域となるグラファイト層306のアレイを容易に形成することが可能となる。
【0036】
次に、図3の(d)に示すように、レーザー光305の照射領域(グラファイト層306)に対して、前述した実施の形態1と同様に、インターカレーション原子307としてCsやBaなどの不純物をイオン注入や熱拡散法などで添加し、インターカレーションを行うことによって、インターカレーション層309が形成される。ただし、インターカレーション原子のCaやBaはグラファイトの層間に侵入してインターカレーション層を形成するのに対して、ほぼ非晶質状態にあるDLC層303ではインターカレーション層は形成されないので、グラファイト化領域のみ、選択的にインターカレーション層を形成できる。
【0037】
すなわち、実施の形態2の冷陰極装置は、グラファイト層状結晶の層間に仕事関数の小さい不純物となるCs,Baなどが導入(インターカレーション)された構造となるので、電子放出における炭素の化学的安定性を生かしつつ、高効率で選択的な電子放出特性を得ることが可能な構造となる。このとき、インターカレーション層309は、レーザー光305の照射制御とCsやBaなどの不純物の添加の制御とによって形成することができるので、高密度な冷陰極アレイ構造を形成することができる。その結果、表示装置として、実施の形態2の冷陰極装置を用いた場合には、表示解像度が高く、高精細な表示装置を作製することができる。
【0038】
ただし、実施の形態2の冷陰極装置を表示装置として用いる場合には、実施の形態1と同様に、実施の形態2の冷陰極装置と対向して陽極を配置した2極構造で電子放出を行う。
【0039】
(実施の形態3)
図4は本発明である実施の形態3の冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図であり、以下、図4に基づいて、実施の形態3の冷陰極装置の構造と作製方法とを説明する。ただし、図4の(a)及び図4の(c)は実施の形態3の冷陰極装置の平面図であり、図4の(b)は図4の(a)に示すA−A’線での断面図であり、図4の(d)は図4の(c)に示すC−C’線での断面図である
まず、ガラス基板401の上面側にDLC層402を一様に形成する。ただし、このDLC層402は、例えば、実施の形態2と同様に、ガラス基板401に対して、低温でCH4などの炭化水素系やCOなどを原料として、化学気相法などにより、ダイアモンド状炭素(DLC:Diamond−Like Carbon)を堆積することによって形成する。
【0040】
次に、図4の(a)に示すように、レーザー光などのエネルギービームを絞り、このレーザー光をガラス基板401の横方向に移動させることによって、所定の幅でDLC層402をアニールする。このとき、アニール処理を行う領域を順次下方(上方)に移動させて複数回行うことによって、図4の(a)に示すように、アニール処理により形成されるグラファイト層403とアニール処理を行っていない領域であるDLC層402とを交互に筋状(線状)に配列させる。ただし、図4の(b)に示すように、DLC層402の下面側すなわちDLC層402とガラス基板401とが接する側にまで、アニール処理が達するように加熱することによって、ガラス基板401の上面側にグラファイト層403を形成する。また、実施の形態3の冷陰極装置では、グラファイト層403が陰極母線に対応する領域となる。
【0041】
次に、このグラファイト層403にCsやBaなどの不純物をイオン注入や熱拡散法などで添加し、インターカレーションを行うことによって、グラファイト層403の一部もしくは全部に図示しないインターカレーション層を形成する。このインターカレーション層は、本来、低抵抗特性を有するので、そのまま陰極母線として使用することができる。
【0042】
次に、図4の(c),(d)に示すように、グラファイト層403及びインターカレーション層の上面側に、絶縁膜405として、例えば、周知のリフロー技術によって数ミクロン以下の厚さのフォト埋め込み用ガラスペーストとしてPSG(phosphosilicate glass)等を堆積し、このフォト埋め込み用ガラスペーストを絶縁層(絶縁膜)405とする。
【0043】
次に、図4の(c)に示すように、この絶縁膜の上面側に、DLC層402やグラファイト層403と並行しない方向(例えば、直交方向)に延在するゲート電極母線404を形成する。ただし、実施の形態3のゲート電極母線404は、DLC層402やグラファイト層403と直交する方向が延在方向となる5ライン分となる。このとき、インターカレーション層と各ゲート電極母線404とは、数ミクロン以下の厚さすなわち厚膜の絶縁膜により離間された構造となる。
【0044】
この後に、図4の(c),(d)に示すように、前述までの工程によって作製した基板に対して、リソグラフィー法などにより、電子放出領域としての電子放出孔406をゲート電極母線404の側からインターカレーション層が露出する深さまで形成する。このときの電子放出孔406は、例えば、図4の(d)に示すように、絶縁膜405を介してインターカレーション層とゲート電極母線404とが交差する領域のそれぞれに1個ずつが形成される構造となっているが、この交差領域の電子放出孔406の数は、2個以上でもよいことはいうまでもない。
【0045】
このように形成された実施の形態3の冷陰極装置では、ゲート電極母線404とインターカレーション層との間に電界を印加して電子を放出させることとなる。
【0046】
この場合であっても、実施の形態3の冷陰極装置は、グラファイト層状結晶の層間に仕事関数の小さい不純物となるCs,Baなどが導入(インターカレーション)された構造となるので、電子放出における炭素の化学的安定性を生かしつつ、高効率で選択的な電子放出特性を得ることが可能な構造となる。
【0047】
一方、実施の形態3の冷陰極装置を真空気密容器内に配置すると共に、この真空気密容器内で冷陰極装置と対向する位置にアノードとなる電極を配置し、このアノード電極の冷陰極装置側に周知の蛍光体を配置することによって、文字やグラフィックス等を表示する蛍光発光型の表示装置を形成することができる。従って、陰極母線となるグラファイト層403及びゲート電極母線404並びにアノード電極間に所定電圧の駆動信号を供給することによって、冷陰極装置の図示しないインターカレーション層から放出された電子により蛍光体が発光し、各電極の形成パターンや駆動信号に応じた文字やグラフィックス等の発光表示あるいは発光素子としての発光表示を行うことができる。このとき、実施の形態3の冷陰極装置では、インターカレーション層からの電子放出における炭素の化学的安定性を生かしつつ、高効率で選択的な電子放出特性を得ることができるので、大面積の表示装置であっても表示むらを大幅に低減した高効率及び高品位の発光表示を得ることができる。
【0048】
なお、実施の形態1〜3では、不純物としてCsやBaを用いる場合について説明したが、これに限定されることはなく、K(カリウム),Rb(ルビジウム),Sr(ストロンチウム)等のグラファイトよりも仕事関数の小さいアルカリ金属を用いてもよいことはいうまでもない。さらには、U,I2,Br2,Cl2などの金属を用いてもよいことはいうまでもない。
【0049】
また、実施の形態1〜3では、冷陰極装置の電界放出冷陰極をアレイ状に配列して表示装置を構成する場合について説明したが、この冷陰極装置と光電変換膜とを対向配置することによって、撮像装置を構成できることはいうまでもない。特に、実施の形態2では、高密度な冷陰極アレイ構造を形成することができるので、高精細な撮像装置を作製することができる。
【0050】
また、実施の形態1〜3では、不純物の導入にあたりステージ(次数)については特に限定していないが、不純物の導入ステージを組合せることによって、電界放出冷陰極から放出される電子を制御する構成としてもよいことはいうまでもない。
【0051】
以上、本発明者によってなされた発明を、前記発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、前記発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは勿論である。
【0052】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。
【0053】
(1)安定で高効率な冷陰極あるいはそのアレイを低温で作製することができる。
【0054】
(2)レーザーなどのエネルギービームを絞ることにより、そのビームサイズに応じたサイズの電子放出領域およびそのアレイを形成することができるので、蛍光体と組み合わせた表示装置、あるいは光電変換膜と組み合わせた撮像素子の高精細化ができる。
【0055】
(3)陰極母線も同じ母体材料で形成することもできるので、冷陰極アレイの構造と工程を簡素化できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による冷陰極装置の構造の原理を説明するための図である。
【図2】本発明による実施の形態1の冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図である。
【図3】本発明である実施の形態2の冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図である。
【図4】本発明である実施の形態3の冷陰極装置の構造と作製方法とを説明するための図である。
【符号の説明】
101…炭素原子 102…インターカレーション原子
103…放出電子
201…ガラス基板 202…陰極母線
203…障壁 204…DLC層
205…ダイアモンド状炭素 206…レーザービーム
207…グラファイト層 208…インターカレーション原子
209…インターカレーション層 210…セル領域
301…ガラス基板 302…陰極母線
303…DLC層 304…ダイアモンド状炭素
305…レーザー光 306…グラファイト層
307…インターカレーション原子 308…レーザー光の照射領域
309…インターカレーション層
401…ガラス基板 402…DLC層
403…グラファイト層 404…ゲート電極母線
405…絶縁膜 406…電子放出孔[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cold cathode device and a method for manufacturing the cold cathode device, and in particular, a carbon-based material containing graphite (graphite), which is a plate-like crystal belonging to a hexagonal system, as a main material is a cold cathode (field emission cold cathode). The present invention relates to a technique effective when applied to a cold cathode device.
[0002]
[Prior art]
A conventional cold cathode is called a Spindt type in which a voltage is applied between a cathode having a cone shape with a sharp tip and a gate electrode surrounding the cathode to emit electrons from the cathode tip by an electric field. The structure was common. The electron emission efficiency of the Spindt-type cold cathode device is greatly influenced by the electric field concentration formed on the cathode surface and various characteristics such as work function φ and surface physical properties of the cathode material.
[0003]
The electric field concentration of the Spindt-type cold cathode device is determined by the sharpness of the cathode and the distance between the cathode and the gate electrode, so that a significant improvement in efficiency is achieved by improving the precision of microfabrication technology centered on lithography and further miniaturization technology. Relying on progress.
[0004]
As cold cathodes that do not require such fine processing, there are surface emission types such as MIM type (Metal / Insulator / Metal) and MIS type (Metal / Insulator / Semiconductor). In the surface emission type cold cathode device, there are problems in combination of materials and improvement in electron emission efficiency.
[0005]
On the other hand, refractory metals such as molybdenum (Mo) and nickel (Ni) and semiconductors such as silicon have been mainly used as cold cathode materials, but these materials have a work function φ of about 4 to 5 eV. In addition, materials having a lower work function have been demanded. On the other hand, diamond, diamond-like carbon (DLC), aluminum nitride (AlN), and boron nitride (BN) are also said to have negative electron affinity (NEA) characteristics. In combination with its high hardness performance and chemical stability, it is considered promising as a cold cathode material.
[0006]
In contrast, in recent years, carbon nanotubes or carbon nanofibers are said to exhibit good electron emission characteristics. However, clear NEA characteristics or high-efficiency electron emission characteristics have not yet been found for cold cathodes using these materials, which impedes practical application.
[0007]
As a technique for improving electron emission characteristics, a method of adsorbing impurity atoms on the material surface is known. For example, Cs (cesium), Ba (barium), U (uranium), I 2 (Iodine), Br 2 (Bromine), Cl 2 It is known that the work function φ can be greatly reduced by adsorbing (chlorine) or the like. This is due to the movement of electrons between the adsorbed species and the W single crystal substrate. However, with this method, impurities adsorbed on the surface are unstable, and it is considered difficult to use in vacuum devices such as displays and image sensors.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
As a result of examining the prior art, the present inventor has found the following problems.
The diamond crystal that is expected to have the most performance as a cold cathode material is usually CH. 4 (Methane), C 2 H 2 It is produced by chemical vapor deposition (CVD) using hydrogen carbide such as (acetylene) or carbon monoxide CO as a raw material. However, in this method, since the substrate is kept at a high temperature of about 800 ° C. or more, the raw material is decomposed, and diamond crystal growth is performed on the substrate, it is difficult to process a large area. In particular, diamond has a problem that the diffusion coefficient of atoms is very small and the growth rate is generally small on the order of 0.1 μm / hour.
[0009]
On the other hand, diamond-like carbon is an amorphous carbon, but exhibits characteristics similar to diamond, which is advantageous for processing a large area. Although the deposited DLC film may be used as a thin-film cold cathode as it is, a cold-cathode cone comprising a cathode having a sharp tip made of Mo (molybdenum) or silicon in advance and a gate electrode surrounding the cathode via an insulator. An attempt is made to deposit a DLC film (or polycrystalline diamond film) on the tip of the cathode from above the cathode by the above-mentioned CVD method or the like from above the cathode. In addition, a method has also been attempted in which a pyramid-shaped depression is formed in advance on a substrate such as silicon, DLC or polycrystalline diamond is deposited thereon by CVD, and then the substrate is removed. However, even when such a coating method is used, as described above, the substrate cold cathode needs to be maintained at a high temperature of 800 ° C. or higher, and the surface layer contains a large amount of defects. There was a problem of being an amorphous layer. That is, since the characteristics of the cold cathode are greatly affected by the state of the surface layer, the structure of such a surface layer is unstable and undesirable.
[0010]
On the other hand, as a low-temperature manufacturing method for these materials, a laser ablation method in which a graphite target is irradiated with powerful laser light to evaporate carbon atoms, molecules, ions, clusters and the like and deposit them on a substrate has been tried. Excimer laser pulse light such as ArF (wavelength: 193 nm), KrF (wavelength: 256 nm), or the like is used as the laser light to be irradiated. However, there is a report that the size of the diamond crystal that can be produced by this method is very small and is DLC. Such a DLC film is sp. 2 Bond and sp 3 Consists of a bond. The reason why DLC has not yet exhibited sufficient performance as a cold cathode is that the relationship between the bonding ratio and the structure and properties of other materials and the electron emission characteristics are not yet clearly understood. Recent research has shown that the electron emission characteristics of DLC are sp 2 It became clear that union plays an important role. Therefore, this sp 2 Although a control technique for the binder phase (region) is required, a method for realizing high-efficiency electron emission efficiency at low temperatures has not yet been found for both diamond and DLC. However, since these carbon-based materials are stable to an electron emission environment and have a merit that a high degree of vacuum is not required for stable operation, it is possible to form a cold cathode of a carbon-based material at a low temperature and There is a need for the development of technology that can achieve efficient electron emission efficiency.
[0011]
Also, Cs, Ba, U, I 2 , Br 2 , Cl 2 In the method of improving the electron emission characteristics by depositing, etc. on the surface of the metal cold cathode, as described above, not only is it unstable and difficult to make a device, but also the optimum concentration that maximizes the work function φ reduction effect. Further, even if these elements are deposited on the surface layer of the metal cold cathode, the effect cannot be improved and the work function reducing effect is limited.
[0012]
An object of the present invention is to provide a cold cathode device capable of improving the electron emission efficiency while taking advantage of the chemical stability of carbon in electron emission.
The above and other objects and novel features of the present invention will be apparent from the description of this specification and the accompanying drawings.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
Of the inventions disclosed in this application, the outline of typical ones will be briefly described as follows.
[0014]
(1) In a method of manufacturing a cold cathode device having a cathode bus formed on a substrate and a field emission cold cathode made of a carbon-based material electrically connected to the cathode bus, the cathode bus is formed on the substrate. A step of forming a carbon-based material layer having graphite as a main component material and electrically connected to the cathode bus, and an impurity atom or molecule having a work function smaller than that of the graphite. layer Between plate crystals And a step of forming a field emission cold cathode.
[0015]
(2) In a cold cathode device having a cathode bus formed on a substrate and a field emission cold cathode made of a carbon-based material electrically connected to the cathode bus, the cathode bus is electrically connected to the cathode bus. Thus, a carbon-based material layer made of a carbon-based material is formed, and regions where impurity atoms or molecules are introduced are formed between the plate-like crystals of the carbon-based material layer. A cathode is formed.
[0016]
(3) A cold cathode device in which a plurality of field emission cold cathodes are formed and a phosphor anode are arranged opposite to each other, and an image signal is controlled by controlling a voltage applied between the field emission cold cathode and the phosphor anode. In the display device that performs image display according to the above, the cold cathode device includes a carbon-based material layer formed of a carbon-based material so as to be electrically connected to a cathode bus formed on a substrate, and A plurality of regions into which impurity atoms or molecules are introduced are formed between the plate-like crystals of the carbon-based material layer, and the impurity-introduced region forms a field emission cold cathode.
[0017]
According to the means (1) described above, a step of forming a cathode bus on the substrate, a step of forming a carbon-based material layer electrically connected to the cathode bus using graphite as a main component material, and Impurity atoms or molecules with a low work function can be used as a carbon-based material layer. Between plate crystals As shown in the following principle section, the work function (about 5 eV) of the graphite forming the carbon-based material layer is smaller than the work function of this graphite. Since the work function of impurity atoms or molecules can be approximated, the carbon-based material layer can be used as a field emission cold cathode.
[0018]
At this time, since it is configured to introduce impurity atoms or molecules into the graphite (intercalation), it is possible to obtain highly efficient and selective electron emission characteristics while taking advantage of the chemical stability of carbon in electron emission. it can.
[0019]
(principle)
The structure of the cold cathode device according to the present invention will be described with reference to FIG. In FIG. 1, 101 represents a carbon atom, 102 represents an intercalation atom, and 103 represents an emitted electron.
[0020]
As shown in FIG. 1, the cold cathode of the cold cathode device of the present invention forms a layered structure crystal (hereinafter referred to as a “graphite layered crystal”) formed by
[0021]
In general, the work function of graphite is about ˜5 eV, so it is not used as a cold cathode material. On the other hand, when carbon forms a compound with Cs, Ba, etc., the compound shows a work function that is rather close to the work function of Cs, Ba. Therefore, instead of adsorbing these alkali metals on the surface, in the present invention, impurity atoms or molecules are introduced as
[0022]
That is, different atoms (molecules) are formed in the graphite layer structure in which the vertical stacking of the
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the drawings together with embodiments (examples) of the invention.
Note that components having the same function are denoted by the same reference symbols throughout the drawings for describing the embodiment of the invention, and the repetitive description thereof is omitted.
[0024]
(Embodiment 1)
FIG. 2 is a diagram for explaining the structure and manufacturing method of the cold cathode device according to the first embodiment of the present invention. Hereinafter, the structure and manufacturing method of the cold cathode device according to the first embodiment will be described with reference to FIG. Will be explained. 2A to 2C are cross-sectional views of the cold cathode device according to the first embodiment.
[0025]
First, as shown in FIG. 2A, after depositing, for example, a photosensitive paste serving as a
[0026]
Next, PSG (phosphosilicate glass) or the like is deposited as a glass paste for photo embedding having a thickness of several microns or less by a known reflow technique, and a layer of this photo embedding glass paste is formed. Thereafter, as shown in FIG. 2A, the
[0027]
Thereafter, the
[0028]
Next, as shown in FIG. 2 (b), the
[0029]
Next, as shown in FIG. 2C, impurities such as Cs and Ba that become
[0030]
In the above-described method, 1) DLC can be deposited at a temperature of room temperature to about 300 ° C., 2) Laser annealing is heating of the surface only, 3) Intercalation of Cs, Ba, etc. can be performed at a low temperature, etc. It is possible to obtain the effect that the whole process can be performed at a low temperature. As a result, it is possible to use an inexpensive glass or plastic substrate without using an expensive crystal glass or the like excellent in heat resistance for the
[0031]
On the other hand, the cold cathode device according to the first embodiment is arranged in a vacuum hermetic container, and an electrode serving as an anode is arranged in a position facing the cold cathode device in the vacuum hermetic container. By disposing a known phosphor on the cathode device side, a fluorescent light emitting display device that displays characters, graphics, and the like can be formed. Therefore, by supplying a drive signal of a predetermined voltage between the
[0032]
(Embodiment 2)
FIG. 3 is a diagram for explaining the structure and manufacturing method of the cold cathode device according to the second embodiment of the present invention. Hereinafter, the structure and manufacturing of the cold cathode device according to the second embodiment will be described with reference to FIG. The method will be described. However, the cold cathode device of the second embodiment shown in FIG. 3 is a manufacturing example on a glass substrate having no cell structure or cell barrier in order to obtain a high-density cold cathode array.
[0033]
First, as shown in FIG. 3A, a
[0034]
Next, as shown in FIG. 3B, the
[0035]
Next, as shown in FIG. 3 (c), an energy beam such as a
[0036]
Next, as shown in FIG. 3D, the
[0037]
That is, the cold cathode device of the second embodiment has a structure in which Cs, Ba, etc., which are impurities having a low work function, are introduced (intercalated) between the layers of the graphite layered crystal. A structure capable of obtaining highly efficient and selective electron emission characteristics while utilizing stability. At this time, since the
[0038]
However, when the cold cathode device of the second embodiment is used as a display device, as in the first embodiment, electron emission is performed with a bipolar structure in which an anode is disposed opposite to the cold cathode device of the second embodiment. Do.
[0039]
(Embodiment 3)
FIG. 4 is a diagram for explaining the structure and manufacturing method of the cold cathode device according to the third embodiment of the present invention. Hereinafter, the structure and manufacturing of the cold cathode device according to the third embodiment will be described with reference to FIG. The method will be described. 4 (a) and 4 (c) are plan views of the cold cathode device of the third embodiment, and FIG. 4 (b) is an AA ′ line shown in FIG. 4 (a). 4D is a cross-sectional view taken along line CC ′ shown in FIG. 4C.
First, the
[0040]
Next, as shown in FIG. 4A, the
[0041]
Next, an impurity such as Cs or Ba is added to the
[0042]
Next, as shown in FIGS. 4C and 4D, an insulating
[0043]
Next, as shown in FIG. 4C, a
[0044]
Thereafter, as shown in FIGS. 4C and 4D, an
[0045]
In the cold cathode device of the third embodiment formed as described above, an electric field is applied between the
[0046]
Even in this case, the cold cathode device of the third embodiment has a structure in which Cs, Ba or the like, which is an impurity having a small work function, is introduced (intercalated) between the layers of the graphite layered crystal. It is possible to obtain a highly efficient and selective electron emission characteristic while taking advantage of the chemical stability of carbon.
[0047]
On the other hand, the cold cathode device according to the third embodiment is disposed in a vacuum hermetic container, and an electrode serving as an anode is disposed in the vacuum hermetic container at a position facing the cold cathode device. By arranging a well-known phosphor, a fluorescent light-emitting display device that displays characters, graphics and the like can be formed. Accordingly, the phosphor emits light by electrons emitted from the intercalation layer (not shown) of the cold cathode device by supplying a drive signal of a predetermined voltage between the
[0048]
In the first to third embodiments, the case where Cs or Ba is used as the impurity has been described. However, the present invention is not limited to this, and graphite such as K (potassium), Rb (rubidium), and Sr (strontium) is used. Needless to say, an alkali metal having a small work function may be used. Furthermore, U, I 2 , Br 2 , Cl 2 It goes without saying that metals such as these may be used.
[0049]
In the first to third embodiments, the case where the field emission cold cathodes of the cold cathode devices are arranged in an array to configure the display device has been described. However, the cold cathode devices and the photoelectric conversion films are disposed to face each other. Needless to say, the imaging apparatus can be configured as described above. In particular, in Embodiment 2, since a high-density cold cathode array structure can be formed, a high-definition imaging device can be manufactured.
[0050]
In the first to third embodiments, the stage (order) for introducing the impurity is not particularly limited. However, the structure in which electrons emitted from the field emission cold cathode are controlled by combining the impurity introduction stage. Needless to say.
[0051]
The invention made by the present inventor has been specifically described based on the embodiment of the invention, but the invention is not limited to the embodiment of the invention and does not depart from the gist of the invention. Of course, various changes can be made.
[0052]
【The invention's effect】
The effects obtained by the representative ones of the inventions disclosed in the present application will be briefly described as follows.
[0053]
(1) A stable and highly efficient cold cathode or an array thereof can be produced at a low temperature.
[0054]
(2) By narrowing the energy beam such as a laser, it is possible to form an electron emission region and an array corresponding to the beam size. High-definition imaging device can be achieved.
[0055]
(3) Since the cathode bus can be formed of the same base material, there is an effect that the structure and process of the cold cathode array can be simplified.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram for explaining the principle of the structure of a cold cathode device according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram for explaining the structure and manufacturing method of the cold cathode device according to the first embodiment of the present invention;
FIG. 3 is a diagram for explaining the structure and manufacturing method of a cold cathode device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a diagram for explaining the structure and manufacturing method of a cold cathode device according to a third embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
101 ...
103 ... emitted electrons
201 ...
203 ...
205 ... Diamond-
207 ...
209 ...
301 ...
303 ...
305 ...
307 ...
309 ... Intercalation layer
401 ...
403 ...
405 ... Insulating
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