JP3636987B2 - データ記録方法,書き換え可能領域のデータの消去方法,書き換え可能型コンパクトディスクの書き換え可能領域のデータ消去方法及び再生専用データの消去方法 - Google Patents

データ記録方法,書き換え可能領域のデータの消去方法,書き換え可能型コンパクトディスクの書き換え可能領域のデータ消去方法及び再生専用データの消去方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、部分的にROM領域を設けたような書き換え可能相変化型光ディスク、及び、該ディスクにおいてROMデータを誤って上書きすることなく、RAM部の書き換えを行なうシステムに関する。特に、ROM/RAM混載の書き換え型コンパクトディスクにかかわる。
【0002】
【従来の技術】
近年、大容量のデータの配布、複製、保存に適する記録媒体として光ディスクが普及している。なかでもCDフォ−マットの再生専用ディスク(CD−ROM)、追記可能型ディスク(CD−R)、書き換え可能型ディスク(CD−RW)は、もっとも普及した光ディスクファミリーである。CDファミリーである、CD−ROM、CD−R、CD−RWの特徴はそのデータの属性にあり、データの属性に応じて使い分けられている。
【0003】
CD−ROMディスクは同一の内容のデータを凹状のピットを基板に転写し、大量に複製して配布するのに適している。一方、CD−RやCD−RWは任意に追記もしくは書き換え可能なデータの記録が可能であり、個人レベルのデータ保存等に適している。なかでもCD−RWは、フロッピーディスクやMOディスクに代わる安価で大容量なバックアップ用記憶媒体として期待されている。
【0004】
CD−RWにおける記録済みデータ信号と従来のCD−ROM(反射率約60%以上)のデータ信号との主要な違いは反射率が15から25%程度と低いことだけであり、既存のドライブの設計を低反射率に対応できるようにすることで、幅広い互換性が達成でき、すでに、多数のCD−ROMドライブが対応している。
【0005】
また、特開平11−250522号公報(以下、公知文献ということがある)には、再記録不能なアルミ反射領域と再記録可能な相変化反射領域とを設けたハイブリッド構造とした技術が開示されている。この公知文献に開示された技術は、CD−RW媒体には、専用フォーマットにより書き換え並びに消去を禁止した再記録不能な情報記録領域が設けられ、残りを再記録可能な情報記録領域とし、再記録不能な情報記録領域専用フォーマットにより書き込み・読み出しを制限することのできる専用のCD−RWドライブを使用して読み書きを行なうものである。
【0006】
また、CD−RWに先行して開発されたCD−Rドライブをベースに、CD−R及びRW媒体の双方に記録可能(CD−RWに対しては書き換え可能)なドライブも多数発売されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
記録領域の一部に再生専用(ROM)領域を有する書き換え型ディスク(Partial ROM、P−ROM)は、データ配布とユーザーデータの記録の両方を可能とする点で好ましいものであり、CDファミリーでもその実現が望まれている。
従来は、ライトワンス型のコンパクトディスク(CD−R)もしくは書き換え型のコンパクトディスク(CD−RW)において、マルチセッションフォーマットを適用した場合の、第1セッションだけをROMデータとし、第2セッション以降を追記可能とした部分的ROM領域を有するディスク(hybridディスク)が提案されている。
【0008】
しかし、マルチセッション以外のフォーマットで、固定長パケットでデータを記録する場合にも、特定パケットをROM領域として用いる場合の規定もない。しかも、hybridディスクは、もともとCD−Rの場合に規定されたマルチセッションフォーマットをそのままCD−RWに対して規定されているために、書き換え可能(RAM)領域である第2セッション以降に対しても、追記機能しか考慮されていない。
【0009】
そこで、CD−RWを利用して、プレピット列からなるROM領域を有し、一方で、自由に書き換え可能なRAM領域を有するROM/RAM混載ディスク(Partial ROM,P−ROMディスク)が求められている。
このようなROM/RAM混載ディスクでは、再生回路を別々に設けることなく、ROM領域およびRAM領域のデータを再生する必要があり、再生システム側からは実質的に区別することができないようにする必要がある。
【0010】
一方、記録時には、ROM領域は書き込み不可能であるのに対し、RAM領域の記録済みデータは上書きによって書き換えられるという違いがあり、両者のデータを、少なくとも記録システムでは区別して扱う必要がある。
従来、光磁気ディスクで、部分的にプレピット列からなるROM領域を有するディスクの例がある。ROM領域は反射層としてRAM領域と同じ記録媒体で被覆されている。しかし、光磁気媒体では、本来プレピット列からなるデータを再生する場合には反射率強度の変化を検出し、光磁気信号を検出する場合は、複雑な偏光光学系を通して、偏光の変化を検出するという違いがある。すなわち、再生光学系で容易に区別がつくため、たとえ、プレピット列に光磁気信号を誤って記録しても信号再生系には全く影響せず、ROMデータは破壊されないという性質がある。
【0011】
一方、相変化媒体においても、ROM/RAM領域を同じ層構成とすることが製造上好ましい。しかし、プレピット列からなるROM領域の再生信号とRAM領域の再生信号とは、同一の光学系で再生できるため、逆に、プレピット列の上に相変化記録信号(相変化記録層における周辺領域との光学的性質の差異によって形成されるマーク列によって得られる物理的には書き換え可能な信号)を上書きしてしまって、プレピットデータ上にRAM記録信号が重畳されてしまうと、ROMデータを破壊してしまう恐れがある。
【0012】
現在、オペレーティングシステム上で、ファイル単位で書き込み禁止とし、再生専用ファイルを定義した例はあるが、容易に変更・改竄可能で信頼性に乏しいものであった。ファイル属性より下位の、ディジタルデータのビット単位あるいはブロック単位の論理フォーマットレベルでは、書き込み禁止やROMデータ属性の規定がないのが現状である。
【0013】
相変化媒体を利用したP−ROMディスクでは記録システムが、オペレーティングシステムに依存せず、ROM領域を認識し、あるいは、記録済み領域を再書き込み禁止として、以後はROM領域として認識できるようなシステムが必要であり、特に、本来再生専用コンパクトディスクとデータフォーマット・再生信号の物理特性が同じであるように規定されている相変化型のCD−RWディスクにおいて、記録システムからはROM領域とRAM領域とを認識できるようにする工夫が求められる。
【0014】
なお、相変化媒体を利用したP−ROMの具体的なアプリケーションとしては、語学や音楽の反復練習に使用する教本をCD化したものがあげられる。このようなアプリケーションでは、まず、手本(デモンストレーション)となる外国語のセンテンスや音楽の小節がアプリケーションのデータとして再生され、ユーザーはその反復を促され、ユーザーがただちに、反復復唱した内容を録音して新たな入力情報とし、ユーザーデータ領域に記録するのである。
【0015】
従来は、かかる応用は、カセットテープで行なわれていたが、デモンストレーションすなわち再生後、反復復唱の記録のために、テープの頭出しや、再生/記録モードに切り換え等煩雑な作業を要していた。一部、個体メモリー素子に置き換えられているケースもあるが、記録容量に制限があるため、長時間あるいは大量のデモンストレーションデータを扱うことができない。また、データ量を少なくするため高度の圧縮技術が採用されており、語学や音楽の学習に必要とされる微妙なニュアンスがデータから欠落する恐れがある。CD―RWのように650〜700MBの容量があれば、圧縮をほとんど施さなくてもCDと同等の品質の音声データが蓄積できるし、MP3などの音声圧縮技術を用いてさらに音声データ量を増やすこともできる。
【0016】
JPEGやMPEG1などの画像圧縮技術を採用すれば、静止及び動画像のデモンストレーション、録画も可能となる。
さて、通常、デモンストレーションは、反復復唱が容易なように、数秒から数十秒の単位に分割されており、デモンストレーションとユーザーデータとの記録は、それぞれ、かかる時間範囲で繰り返し行なわれる必要があり、デモンストレーションとユーザーデータとの記録の切り換えに要する時間はできるだけ短いことが必要である。
【0017】
そこで、一枚のCD−RWディスクに、アプリケーションプログラムを格納し、該プログラムを再生し、デモンストレーションデータを再生してデモンストレーションを実行した後、反復復唱されたユーザーデータを同じCD−RWディスクに記録できれば同じ記録再生装置で記録再生ができ非常に便利である。
さらに、このようなアプリケーションは、通常、実行プログラムからならメインルーティンと複数の内容からなるデモンストレーションデータ集との2種類のデータをROMデータとして収録しておく。例えば、メインルーティンは、ユーザーインターフェースとしてメニュー画面が起動され、ユーザーの選択によって各種処理が実行されるようなプログラムである。ユーザーがメニュー画面にしたがって、特定のデモストレーションの実行を選択した場合は、デモンストレーションデータ集から、選択されたデータが取得されて、メインルーティンのプログラムによって、デモンストレーションが実行される。
【0018】
ここで、メインルーティンはそのままで、ユーザーは、デモンストレーションデータ集さえ更新すれば、少量多品種のアプリケーション配布のためのディスクが効率よく作成できる。電子出版の実情を鑑みて、単なるCD−ROMではなく、一部は更新可能なROMデータとして、少量多品種のアプリケーションディスクを作成することは極めて緊急かつ重要な要請である。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、製造が容易で、ROMデータの破壊又は改竄(改ざん)の恐れの少ない、P−ROM、並びにデータ記録方法、再生方法及び消去方法であって、データ記録方法,書き換え可能領域のデータ消去方法,書き換え可能型コンパクトディスクの書き換え可能領域のデータ消去方法及び再生専用データの消去方法を提供することである。
【0020】
より具体的には、再生専用領域と書き換え可能領域との両方を有する、書き換え型コンパクトディスクに関する。
上記目的を達成するため、本発明の第1の要旨は、基板上に相変化型記録層を設けてなり、情報記録領域に第1再生専用領域と書き換え可能領域とを有する光学的情報記録媒体の前記書き換え可能領域にデータを記録する、データ記録方法であって、(1)前記光学的情報記録媒体は、前記第1再生専用領域及び前記書き換え可能領域とが、同一の層構成を有してなり、前記第1再生専用領域及び前記書き換え可能領域のデータ及びアドレス情報が、互いに同一の論理構造を有する基本データ単位からなり、それぞれ再生専用又は書き換え可能なデータであることを識別できる付加データを単位若しくは単位を複数個含むデータ単位ごとに有してなり、前記書き換え可能領域に、その中心線が記録再生用光ビームの走査方向に対して所定の振幅の蛇行を有する溝が設けられていると共に、前記第1再生専用領域におけるデータが、基板上に設けられた複数のプレピット列によって得られ、前記プレピット列の中心線が前記光ビームの走査方向に対して前記溝の振幅と略同一の振幅の蛇行を有しており、且つ、前記溝の蛇行と前記プレピット列の中心線の蛇行とによって連続したアドレス情報が付与されてなり、 前記溝の蛇行と前記プレピット列の中心線の蛇行による搬送周波数が、デジタル情報によって周波数変調又は位相変調されており、それによって前記付加データが付与されてなり、前記光学的情報記録媒体が前記第1再生専用領域を有する書き換え型媒体であることを認識するための識別情報が、前記記録媒体の特定領域の基板上に予めプレピット若しくは溝変形として記載されており、前記識別情報とともに、少なくとも前記第1再生専用領域の開始アドレスが、前記特定領域の基板上に予めプレピット若しくは溝変形として記載されており、前記第1再生専用領域及び前記書き換え可能領域に含まれるファイルのファイル管理情報が前記書き換え可能領域に記載されてなり、前記第1再生専用領域は、所定のアプリケーションプログラムのデータが格納されたアプリケーションプログラム領域を有し、前記書き換え可能領域は、少なくとも前記アプリケーションプログラムに関連するユーザーデータを記録できるユーザーデータ記録領域を有してなり、(2)前記 データ記録方法においては、前記光学的情報記録媒体を装填して前記識別情報を取得することにより、部分的に前記第1再生専用領域を有する書き換え可能型相変化型光ディスクであることを認識しうる認識ステップと、前記認識ステップにて認識された前記第1再生専用領域にアクセスして、前記アプリケーションプログラムのデータを取得しそのプログラム内容を実行しうるプログラム実行ステップと、前記プログラム実行ステップにより実行されたアプリケーションプログラムに従って、所要の情報を入力することのできる情報入力ステップと、前記情報入力ステップにより入力された情報をユーザーデータとして記録することのできる記録ステップと、をそなえてなり、前記記録ステップにおいては、記録を行うべき領域の前記付加データを認識して、前記領域が前記書き換え可能領域である場合には記録を行い、前記領域が前記第1再生専用領域である場合には記録を行わずにエラーメッセージを送出して他の領域へ移動することを特徴とする、データ記録方法
【0023】
そして、本発明の第5の要旨は、前記第4の要旨の光学的情報記録媒体において、前記溝の蛇行と前記プレピット列の中心線の蛇行による搬送周波数が、デジタル情報によって周波数変調又は位相変調されており、それによって付加データが付与されてなる構成を採用する。
また、本発明の第6の要旨は、前記第1の要旨の光学的情報記録媒体において、前記再生専用領域における情報が、相変化記録層における周辺領域との光学的性質の差異によって形成されるマーク列によって得られ、且つ該マーク列に対して書き込み禁止処理がなされている構成を採用する。
【0024】
加えて、本発明の第の要旨は、前記第の要旨の光学的情報記録媒体において、付加データを有する基本データ単位として、固定長のデータを使用する構成を採用する。
さらに、本発明の第の要旨は、前記第1又はの要旨の光学的情報記録媒体において、記録領域のデータが、コンパクトディスク互換であるEFM変調信号である構成を採用する。
【0025】
そして、本発明の第の要旨は、前記第の要旨の光学的情報記録媒体において、ATIPフレームに、書き換え可能か又は再生専用かのどちらの属性に属するかが規定されている構成を採用する。
また、本発明の第の要旨は、前記第の要旨の光学的情報記録媒体において、ATIP情報は、分、秒及びフレーム単位でそれぞれ2桁のBCDコードの絶対時間で記載されており、前記分、秒及びフレームを表記する8ビットの最上位桁をそれぞれM1、S1及びF1とするとき、プログラム領域における(M1,S1,F1)の(0,0,0)、(0,0,1)、(0,1,0)及び(0,1,1)のいずれかに対応させて、前記属性が規定されている構成を採用する。
【0026】
さらに、本発明の第の要旨は、前記第の要旨の光学的情報記録媒体において、EFMフレームに、書き換え可能か又は再生専用かのどちらの属性に属するかが規定されている構成を採用する。
加えて、本発明の第の要旨は、前記第の要旨の光学的情報記録媒体において、サブコードのQチャネルのうちの特定の2ビットに対応させて、該サブコードの指定するフレームの前記属性が規定されている構成を採用する。
【0027】
また、本発明の第の要旨は、前記第の要旨の光学的情報記録媒体において、ブロックに、書き換え可能か又は再生専用かのどちらの属性に属するかが規定されている構成を採用する。
そして、本発明の第の要旨は、前記第の要旨の光学的情報記録媒体において、ブロックのヘッダーに含まれるモード情報を記載する複数ビットのうちの特定の2ビットに対応させて、該ブロックの前記属性が規定されている構成を採用する。
【0028】
さらに、本発明の第10の要旨は、前記第1乃至第の要旨の光学的情報記録媒体において、書き換え可能か否かの属性が、さらに、初回のみ書き換え可能か否かの属性と、繰り返し書き込みが可能か否かの属性とを有する構成を採用する。
加えて、本発明の第11の要旨は、前記第乃至第10の要旨の光学的情報記録媒体において、マルチセッションフォーマットの規定に従って、プログラム領域を複数のセッションに分割し、分割された一部のセッションを再生専用とし、分割された他のセッションを書き換え可能とした構成を採用する。
【0029】
また、本発明の第12の要旨は、前記第の要旨の光学的情報記録媒体において、プログラム領域を、ISO9660ファイル構造の再生専用データからなる第1セッションと書き換え型領域からなる第2セッションとに分割し、前記第1セッションのユーザーデータおよびリードアウトを再生専用データとし、リードイン領域、PMA領域及びPCA領域を書き換え可能とした構成を採用する。
【0030】
そして、本発明の第13の要旨は、前記第又は第の要旨の光学的情報記録媒体において、マルチセッションフォーマットの各セッションのリードイン領域に、該セッションが、書き換え可能又は再生専用のどちらの属性に属するかを示す情報が含まれている構成を採用する。
加えて、本発明の第14の要旨は、前記第乃至第13の要旨の光学的情報記録媒体において、リードイン領域又はマルチセッションフォーマットの最初のセッションのリードイン領域のATIPで記載された特別情報に、再生専用領域と書き換え可能領域とを有する光学的情報記録媒体であることを示す情報が含まれている構成を採用する。
【0031】
また、本発明の第15の要旨は、前記第乃至第13の要旨の光学的情報記録媒体において、リードイン領域又はマルチセッションフォーマットの最初のセッションのリードイン領域のEFMデータに、再生専用領域と書き換え可能領域とを有する光学的情報記録媒体であることを示す情報が含まれている構成を採用する。
【0034】
さらに、本発明の第19の要旨は、書き換え可能型相変化記録媒体のデータ消去方法であって、基板上に相変化型記録層を設けてなり、情報記録領域に再生専用領域と書き換え可能領域とを有する記録媒体において、予め基板上にプレピット若しくは溝変形として記載され、記録媒体が部分的にプレピット列若しくは溝変形からなる再生専用領域を含む書き換え型であることを示す識別情報を認識する認識ステップと、再生専用領域のアドレス情報を取得してそのアドレス情報を記憶装置に転送するメモリ転送ステップと、記録媒体のファイル管理領域に記載されたファイル管理情報を消去する消去ステップと、ファイル管理領域に、記憶装置に転送された再生専用領域のアドレス情報を記録する再記録ステップとをそなえて構成を採用する。
【0035】
そして、本発明の第20の要旨は、リードイン領域を有するセッション領域を複数有するマルチセッションフォーマットのコンパクトディスクにおいて先頭のセッション領域のリードイン領域に記録された情報に基づき該コンパクトディスクが再生専用領域を有する書き換え型であることを識別する識別ステップと、該複数のセッション領域における該リードイン領域のそれぞれから書き換え可能、一回(初回)だけ記録可能又は書き込み禁止(再生専用)に関する属性を抽出する抽出ステップと、該抽出ステップにて抽出された該属性が該書き込み禁止(再生専用)である場合には、その書き込み禁止(再生専用)セッション領域のファイル構造を記憶装置に転送するメモリ転送ステップと、該先頭のセッション領域における該リードイン領域に記録された情報を消去する消去ステップと、該先頭のセッション領域に、該ディスク識別情報と、該記憶装置に転送された該書き込み禁止セッション領域の該ファイル構造と、書き換え可能な領域の先頭のアドレスとを記録する再記録ステップとをそなえた構成を採用する。
【0036】
加えて、本発明の第16の要旨は、前記第1乃至第15の要旨の光学的情報記録媒体において、前記再生専用領域が、プレピット列によりデータを記録した第1再生専用領域と、データを記録した後に再書き込みを禁止することにより形成した第2再生専用領域とを有するとともに、前記書き換え可能領域とを有する、部分的に再生専用の領域を設けた構成を採用する。
【0037】
そして、また、本発明の第17の要旨は、前記第16の要旨の光学的情報記録媒体において、前記第1再生専用領域に所定の更新不要なアプリケーションプログラムが格納されるとともに、前記第2再生専用領域に更新可能又はカスタマイズされたアプリケーションプログラムが格納され、前記書き換え可能領域に少なくとも前記アプリケーションプログラムに関連するユーザーデータを記録可能なユーザーデータ記録領域を設けてなる構成を採用する。
【0040】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
本発明の記録媒体は、基板上に相変化型の書き換え型記録層を設けてなる。従来、ユーザーデータを書き込み可能な情報記録領域以外に、記録再生システムのみがアクセス可能な再生専用情報を記載した例があるが、本発明においては、本来、ユーザーデータを記録可能な情報記録領域内に、再生専用領域を設けるようにする。
【0041】
本発明の媒体の情報記録領域(プログラム領域)には再生専用領域と、書き換え可能領域との両方が含まれるが、その属性の違いにかかわらず、同一の層構成の媒体を設ける。このような媒体は、通常、相変化型記録層、該相変化型記録層の少なくとも一方を被覆する保護層、該記録層の記録再生光入射側とは反対側に設けた反射層等からなる。いずれの層も、通常スパッタ法で成膜される。成膜法の如何にかかわらず、情報記録領域は、同一の層構成を、同一の手法で設けることが製造プロセスを簡便にし、製造コストを下げる上で望ましい。したがって、ROM領域といえども、物理的には書き換え可能な相変化型記録層によって被覆される。
【0042】
本発明では、ROM領域における再生専用の情報の付与の仕方で2種類に分類される。一つはあらかじめ基板表面の変形、すなわち、凹凸などによるプレピット列若しくは溝変形によりユーザーデータが記載され、その上に上記相変化型記録層でもって被覆したものである。他方は、一部領域にデータを相変化記録(初回記録)した後、記録システムが該領域に再び書き込みすることを禁止する処置(書き込み禁止処置)を行なったものである。本発明では以後、プレピット列で記録された再生専用(ROM)データをマスターROMデータと呼び、記録後、書き込み禁止処置により書き換え不可能となり再生専用となったデータをポストROMデータと呼ぶことにする。本発明においては、通常ポストROMデータは、相変化記録信号として、即ち、相変化記録層における周辺領域との光学的性質の差異によって形成されるマーク列によって得られる物理的には書き換え可能な信号として与えられる。なお、本発明においては、プログラム領域の特定の領域(実質的に連続した記録トラックおよびアドレスで形成される)がROMデータで満たされている場合に、その領域をROM領域と呼ぶ。
【0043】
なお、本発明において、ポストROMを作成する場合は、あらかじめ未記録の書き換え可能領域に、書き込み禁止属性(再生専用)属性を与えておくが、工場もしくはソフト作成者側においては特殊記録ドライブにより該再生専用領域にユーザーに配布して、ユーザー側ではこれを再生専用領域として確認させる場合がある。
【0044】
あるいは、未記録状態では書き換え可能な書き換え可能領域として属性を定義し、工場もしくはソフト作成者側が編集目的で1回もしくは複数回のデータの書き換えを行なった後や、編集終了後に該編集済みデータに新たに書き込み禁止属性(再生専用属性)を与えて、ユーザーに配布する場合がありうる。
一方、一回(初回)だけ記録可能属性を与えた書き換え可能領域を未記録状態のままユーザーに配布し、ユーザーにおいて一回(初回)だけ記録可能として擬似的なライトワンス媒体として配布することもできる。この場合、ユーザー側において一回だけ記録(初回記録)を行なった後は、書き換えが不可能となる。つまり、たとえ書き換え可能領域が、物理的に書き換え可能であっても、ユーザーにおいては未記録のライトワンス媒体として機能する。そして、工場もしくはソフト作成者側が、この一回だけ記録可能な領域に記録して、ユーザーに配布すれば、やはり、ユーザー側では書き込み不可能であるから、再生専用領域として利用できる。
【0045】
これに対して、書き換え可能なデータをRAMデータと呼び、RAMデータで満たされた情報記録領域の一部を、RAM領域と呼ぶ。RAM領域は、必ずしも最初からRAMデータを記録してあるわけではなく、データの書き込みが可能な領域であって、書き込み禁止処置をとられていない領域である。
さて、本発明ではデータに再生専用と書き換え可能とに応じた属性を付与して、少なくとも記録システムから該属性を識別可能とする方法を提案するとともに、該属性によってROMもしくはRAMと規定されたそれぞれのデータ領域の両方を設けてなる媒体を提案する。本発明においては、該データの属性は、データの基本単位ごとに設定する。ここで、データの基本単位とは、記録再生ドライブ装置のデータ処理において、一まとまりで処理される単位であって、例えばCDフォーマットでは下記で詳細に述べるような、ATIPの1/75秒単位のATIPフレーム、EFMデータでサブコートが付与される98EFMフレーム、CD−ROMフォーマットで2352バイトのデータからなるブロックといった単位である。複数のブロック(通常は16もしくは32ブロック)からなるパケットも基本単位とみなせる。これらは、個々のデータ単位の容量が、一定の固定長のデータ単位の例である。また、ROM乃至はRAM領域そのものを一括りとして、CDのフォーマットにおけるトラックとみなすこともできるし、CDのマルチセッションフォーマットの規定にのっとってセッションを形成する場合も、該セッションをひとつの単位とみなせる。あるいは、必ずしも一定数でない固定長のブロックのまとまりであるパケットも一つのデータ単位とみなせる。これらは、個々のデータ単位の容量が一定でない可変長のデータ単位の例である。
【0046】
より一般的には、ユーザーデータを2nバイト(512,1024,2k,4k,16k,32k,64k,…,バイト等)単位に区切り、エラーのためのパリティビット等の冗長データを付加して、論理的な最小の基本データ単位とする。この基本データ単位は、さらに、複数個まとめたデータ単位(固定長とは限らない)も、やはり、基本データ単位の一種である。そして、これらの基本データ単位ごとにアドレスや、データ属性の付加データを付与する。
【0047】
本発明では、好ましくは、基本データ単位として、固定長データ、特にアドレス付与の最小単位であるものを使用する。その結果、記録再生ドライブ装置のより下位(ハードウェアに近く、ユーザーの操作が及びにくくなる)のレベルにおいて、確実に、書き換え可能か再生専用かを示すデータ属性を付与することができる。固定長データ単位を複数個まとめた可変長データ単位にデータ属性を付与することもできるが、この場合にも、下位の固定長データ単位ごとに同一のデータ属性を付与することが望ましい。
【0048】
アドレスを含む付加データは、上記ユーザーデータの基本単位と同様のビット情報として一連のビット列を構成するように付加されても良いし、上記ユーザーデータの基本単位に隣接しつつ、別種の信号によって空間的に分離して付加しても良い。
前者の例は、後述のCDフォーマットにおけるEFM信号中のサブコードと呼ばれる、付加的なビット列であり、また、後者の例は、やはりCD−RやCD−RWに用いられる溝変形(wobble)による付加データ(ATIP情報)である。あるいは、付加データによる付加は、溝間やプレビット列間に配置されたピット列であっても良いし、基本データ単位のユーザーデータ列の前後に配置されたピット列であっても良い。
【0049】
いずれにせよ、アドレス情報とともに、再生専用,一回(初回)だけ記録可能、(繰り返し)書き換え可能であるかの基本データ単位の属性情報が、予め基板上に書き換え不可能な情報として、記載されていることが望ましい。つまり、各基本データ単位に割り振られたアドレスが、基板上に予め記載され、そのアドレスごとに、そのアドレスに記録されるべきデータの属性を予め記載しておくが、その記載方法が書き換え不可能な信号で記載されていることが望ましい。記録ドライブ側が、このデータ属性情報に従って、所定のアドレスに所定の属性を有するデータを記録するように設計されれば、ユーザー側でのデータ属性変更を簡単に行なうことはできないので、再生専用領域のデータが相変化記録による重ね書きにより破壊されたりする危険性が低減されるからである。
【0050】
ここでいう書き換え不可能な信号とは、溝変形のような物理的変形を基板上に射出成形によって形成することでも達成されるが、「ユーザー側で書き換え不可能」であれば、相変化記録による記録信号であっても構わない。「ユーザー側で書き換え不可能」な記録信号とは、ユーザー側からは、暗号等の特殊処理によって、書き換え不能とされた信号である。
【0051】
従って、基本データ単位に付加されるアドレス及び付加データが、書き換え可能領域及び再生専用領域において、予め基板上に記載されていることになる。
ここで、ROM領域とRAM領域とのデータ、データ属性及びアドレス情報は、それぞれ、互いに同一の論理構造を有する。つまり、同一の基本データ単位を有し、該基本単位ごとに、ユーザーデータが区切られて、データ属性及びアドレス情報が付加されている。その結果、同一の再生(論理)回路で再生(解読)可能となる。
【0052】
RAM領域においては、未記録でも光ビームの案内が可能なように、同心円もしくは螺旋状の案内溝が形成されているのが通常である。また、この際、光ビームの走査方向に対して所定の振幅を有するように、前記溝を蛇行させるのが好ましい。該蛇行による情報の付与によって、書き換え不可能領域と書き換え可能領域とを識別することができる。ディスク(円板)状媒体では、通常、同心円ないしは螺旋状に案内溝が形成されるので、光ビームは、概ね円周方向に走査して案内溝に追従し、溝蛇行は半径方向の振幅をもって形成される。
【0053】
ポストROM領域においても、最初に記録を行なうために、上記同様の案内溝を有するのが好ましい。
また、マスターROM領域においてはプレピット列が設けられているが、この場合、該プレピット列の中心線が、記録再生用光ビームの走査方向に対して前記案内溝の振幅と略同一の振幅の蛇行を有するようにプレピットを設けるのが好ましい。その結果、マスターROM領域と書き換え可能領域とで連続したアドレス情報を付与することができる。本発明では、プレピット列の中心線も含めて広義の案内溝と呼ぶこととする。
【0054】
本発明においては、溝変形によって基板上にあらかじめアドレスを付与するのが特に好ましい。未記録のRAM領域では特に、所定の位置にアクセスするのに図1(a)に示すような溝蛇行(ウォブル)によるアドレスを参照することがすでに広く実施されている。図1(a)において、書き換え領域51において案内溝50は、溝壁面50a及び50cに囲まれる凹状の部分であって、通常は、基板上に原板(スタンパ)の凸形状を転写して得られる。そしてこの案内溝50の蛇行によってアドレス情報が付与され、レーザー光がこの溝の形状を読み取ることにより、アドレス情報が得られるのである。
【0055】
溝蛇行によるアドレスは、周波数一定の波(搬送波)を、0及び1のデジタルデータによって周波数変調(FM変調)したり、位相変調したりすることで付与することができる。
アドレス情報を付加された溝変形のうち、特に溝蛇行(ウォブル)で案内溝に沿って割り振られたアドレスは、上記した広義の案内溝の概念にも適用でき、図1(b)のごとく、ピット列(プレピット)52の実際の中心線50bをRAM部の溝50と同じ周波数で蛇行させれば、マスターROM、ポストROM、RAM領域の如何にかかわらず、連続的な搬送波による溝蛇行でアドレス付与が可能となる。また、アドレスのみならず、他の付加情報を付与することも可能となる。
【0056】
再生システムからはROM領域と、RAM領域とが区別なくアクセスでき再生できることが望ましいことから、ROM領域およびRAM領域は連続的な通し番号を有するアドレス情報をもつことが望ましい。該アドレス情報は、上記のように溝変形として付与される場合と、記録データの一部として含まれる場合とがある。記録データの一部として含まれる場合は、RAM領域とROM領域のデータとが同じフォーマットとして、同一の論理構造を有するアドレス情報を付与できる。また、図1(b)で示すような広義の溝蛇行を利用する場合には、RAM領域の溝蛇行50の振幅と、マスターROM領域のピット列52の実際の中心線50bの蛇行の振幅とがほぼ同じであれば、一つの溝蛇行再生回路で全領域のアドレス情報を切れ目なく再生できる。ここで、ほぼ同一とは、ウォブル信号再生回路において、ほぼ同等の信号振幅が得られる程度を意味し、通常、一方の振幅の大きさが他方の振幅の大きさの2倍以内の大きさになるようにする。
【0057】
通常、溝蛇行の再生は、プッシュプル信号再生回路を用いるが、図1(a)及び(b)のいずれの場合にも該再生回路は適用可能である。なお、プッシュプル信号回路とは、溝または凹状ピットから反射された光の回折光を、溝の左右に分割された2分割ディテクタで検出して、その差分を取るもので、当業者において周知の技術である。
【0058】
プレピット列からなるROM信号と相変化記録によるRAM領域の記録済み信号とは、もちろん、同一の変調方式を用いて、同じ論理回路でデコードできることが望ましい。さらに、同じ再生装置で再生するためには、両方の領域の記録信号が、実質的に同じ反射率、変調度を有することが必要である。例えば、通常、CD−ROMにおける凹状のプレピットによる信号は、反射光の位相差により、ピット位置で反射率が低下するから、RAM領域においても未記録状態の反射率が高く、記録状態で反射率が低いことが望ましい。相変化型記録層においては、通常、未記録状態を結晶状態に対応させ、記録状態を非晶質状態に対応させる。ただし、その逆であってもよく、また、異なる結晶状態同士をそれぞれに対応させてもよい。
【0059】
本発明においては、マスターROM領域も、RAM領域と同じ層構成であるので、再生システムからはROM領域とRAM領域との区別はつきがたい。また、ポストROM領域はもちろん、マスターROM領域でさえも、相変化記録層自体にデータの上書きをすることは物理的には可能であるから、ROMデータとして改竄不能、消去、破壊不能であるためには、少なくとも記録用ドライブにROM領域であることを認識させる必要がある。
【0060】
このため、記録システムに、該相変化型記録媒体が部分的に再生専用領域を有する書き換え型媒体(P−ROM)であることを認識させるため、該記録媒体の特定領域にP−ROMであることを示す識別情報を記載することが望ましく、また、その識別情報がプレピットや溝変形などのマスタROMデータとして、予め、基板上に記載されていることがより望ましい。
【0061】
従って、部分的再生専用領域を含む書き換え型であることを示す識別情報が、予め基板上にプレピット若しくは溝変形として記載されていることになる。
さらに、本発明においては、ROM領域あるいはRAM領域にかかわらず、各領域に記録されたユーザーデータのファイル管理情報は、一括してRAM領域に記載することが望ましい。この場合、RAMデータであるファイル管理情報の消去又は上書きによって、誤ってROM領域のファイル管理情報をも失うことを防止する必要がある。このため、該ROM領域にアクセスするためのアドレス情報をも上記特定領域に予めマスターROM領域として記載(登録)しておくことが望ましい。
【0062】
本発明においては、さらに、連続したアドレスからなる一まとまりのROM領域ないしはRAM領域を、それぞれ、可変長のデータ単位とみなし、該可変長データ単位ごとに、ROMないしはRAMであることのデータ属性を付与することができる。また、少なくとも、ROM領域に関しては、該連続したアドレスからなる可変長のデータ単位からなる個々のROM領域のアドレス情報を、好ましくは該データ属性とともに、ディスク上の特定領域に一括して登録することが望ましい。この登録すべきアドレス情報としては、各領域の開始アドレスのみならず、その長さ(容量)若しくは終了アドレスも併せて登録することが望ましい。
【0063】
さらに、好ましくは、ディスクが、再生専用領域のみを有する再生専用型か、部分的に再生専用領域を有する書き換え型(P−ROM)か、あるいは、書き換え可能領域のみを有する書き換え型かのいずれかを識別できるディスク識別情報が、上記ディスク上の特定領域に記載されていることが望ましい。
従って、前記再生専用領域のデータがプレピット列からなり、識別情報とともに、再生専用領域のアドレス情報が、予め基板上にプレピット若しくは溝変形として記載されており、再生専用領域及び書き換え可能領域に含まれるファイルのファイル管理情報が書き換え可能領域に記載されていることになる。
【0064】
このようにすれば、記録用ドライブにディスクが挿入されたときに、P−ROMディスクであることの認識が可能となり、ROM領域に関するファイル管理情報を取得してシステム上のメモリに待避させることができる。かかる手段は、ファイル管理情報のみを消去ないしは、オーバーライトしてディスクを誤って初期化し、ROM領域にアクセスできなくなったり、ROM領域の存在を認識せずにオーバーライトしてROMデータを破壊することを防止するために有効である。
【0065】
なお、再生専用領域、特にマスターROM領域の開始アドレス、容量、終了アドレス等のファイル管理情報が、ファイル管理領域においても、プレピットや溝変形等のマスターROMデータとして記載されていれば、上記の初期化操作によって誤って消去される可能性が低くなる。該ファイル管理領域を未記録状態にした場合は勿論、オーバーライトしてしまった場合でも、未記録状態に復帰させれば、マスターROMデータは、再度、再生可能である。
【0066】
逆に、マスターROMデータ、特に、プレピット列からなるROMデータを有する再生専用領域の相変化型記録層に、該ROMデータとは異なるデータを上書き(オーバーライト)することによって、ROMデータを消去することもできる。この場合、例えば工場もしくはソフト作成者側は、ユーザー側に見られたくないデータを、より確実に隠すことが可能となる。
【0067】
すなわち、マスターROM領域とポストROM領域との両方を有する媒体に対して、マスターROM領域に含まれるアプリケーションソフトのデータの一部を更新してポストROM領域に記録し直すような使用方法(この使用方法については後述する。)において、例えば工場もしくはソフト作成者側は、マスターROM領域における更新されるべき一部のデータを上記消去方法を用いて消去することができる。
【0068】
従って、本発明の再生専用データの消去方法は、基板上に相変化型記録層を設けてなり、基板上に設けられた複数のプレピット列によって再生専用データが形成された光学的情報記録媒体の再生専用データの消去方法であって、相変化型記録層に再生専用データとは異なるデータを上書きすることにより、再生専用データの読み出しができないようにするように構成されたことになる。
【0069】
本発明では、特に、アドレス付与の最小単位である基本データ単位に付加される付加データに、所定のデータ属性情報を含ませるのが好ましい。
本発明の光学的情報記録媒体における一つの有用な実施形態においては、記録領域のデータを、コンパクトディスク互換であるEFM変調信号とする。従って、以下では、CDおよびCD−RWのフォーマットおよび用語を用いて本発明の詳細を記載するが、同様の趣旨であれば、CDフォーマットそのものに限定されるものではない。
【0070】
なお、以下に述べるCDフォーマットに関する一般的情報は、「CDファミリー」、中島平太郎・井橋孝夫・小川博司共著、オーム社、「コンパクトディスク読本」、中島平太郎・小川博司共著、オーム社、「CD−R/RWオフィシャル・ガイドブック」、オレンジフォーラム著、エクシードプレス社及び特開平11−250522号公報等において開示されている。
【0071】
(A)本発明の一実施形態の説明
CDの論理データ構造は、レッドブックの規定によって規定された主として音楽データに適した論理フォーマットと、イエローブックによって規定され、国際規格ISO9660となった汎用のブロック単位でのデータ記録に適したフォーマットとの2種類がある。以下では、主としてデータ記録用のCD−ROMフォーマットのうちモード(mode)1と呼ばれるフォーマットを想定して説明を進めるが、モードの差異はユーザーデータの構成やユーザーデータに付加される誤り訂正情報の内容の違い等に関連しており、本発明の本質に影響するものではない。
【0072】
一方、CD−RWはオレンジブック・パート3によって規定されている。その記録された論理データ構造は、基本的にCD−ROMに準じており、CD−ROMの再生回路を使用して再生可能となっている。記録されたEFMランダム信号は、図2における再生信号波形で、Itopを反射率に換算した場合に15〜25%であり、11Tマークの振幅I11とItopの比I11/Itopが0.55〜0.7であり、3Tから11Tの各マークのマーク長及びマーク間長のジッタが、CD線速(1.2〜1.4m/s)において、35nsec以下であること等が満足されれば、書き換え型コンパクトディスク対応のドライブでCD互換信号として再生可能である。
【0073】
図3(a)は本発明を適用されるCD−RWディスク10の層構造を示す模式図である。この図3(a)に示すCD−RWディスク10の層構造は、多層となっており、表面に案内溝及び/又はプレピットとなる凹部49を形成しうる基板(ポリカーボネート基板)110fと、相変化型記録層(記録層)110dにおけるレーザ光の吸収量を制御し、多重干渉効果によって反射率を調整するとともに、記録層からの放熱を制御し、記録層や基板の熱変形を抑止する保護層110e,110cと、基板110fを被覆して基板110fに形成された凹部49の形状とほぼ同一再生信号得られる非晶質マークを形成しうる相変化型媒体の記録層110dと、レーザ光を反射し、記録層からの放熱を促進するために、記録層110dの記録再生光入射側とは反対側に設けられた反射部材からなる反射膜110bとからなる。なお、保護コート110aは、光ディスクの表面が傷つけられることから保護するものである。また、保護コート110aを、後述する図3(b)のように凹部49の表面形状に沿って被覆するのではなく、凹部49を埋め立てるように被覆しても良い。
【0074】
また、記録再生用の集束光は、基板110fを介して、記録層110dに集光される。ここで、CD−RWの記録再生は、波長約780nm、集束レンズの開口数NA(Numeric Aperture)が約0.5の光学系が用いられる。
図3(b)はCD−RWディスク10の凹部49の模式図である。この図3(b)に示す凹部49は、基板層110fの形状を再現するようになっている。また、いずれの層も、スパッタ法で成膜されることが多い。さらに、成膜法の如何にかかわらず、情報記録領域として、同一の層構成が形成され得るので、製造プロセスが簡便になり、製造コストを低減させることができる。
【0075】
図4(a)は本発明を適用されるCD−RWディスクの領域を説明するための図であり、図4(b)は本発明を適用されるCD−RWディスクの斜視図である。
図4(a),(b)に示すCD−RWディスク10は、ディスク最内周から順にPCA(Power Calibration Area),PMA(Program Memory Area),リードイン領域、プログラム領域、リードアウト領域からなるデータ構造を有する。このうち、PCAは最適記録パワー決定のための試し書き領域、PMAは、CD−RやCD−RWに特有の一時的なファイル管理情報記録領域、リードイン領域は本来CD−ROMフォーマットで用いられるTOC(Table of Contents)と呼ばれるファイル管理情報やディスク管理情報を記載する領域、リードアウト領域は、EFMデータの終わりを示すための領域であり、プログラム領域はユーザーデータを記録すべき領域であり、本発明においては、このプログラム領域は、再生専用領域と書き換え可能な領域との両方を有する。従来のCD−ROMとの再生互換を維持するためには、リードインおよびリードアウト領域に所定情報を記録することが必要である。
【0076】
本発明においては、少なくともPCA領域の始端Bからリードアウト領域の終端Dまでの領域(図4(b)で斜線の領域)は、同一の相変化媒体で被覆されている。より具体的には、図3(a)で説明した層構成を有している。
従って、この光学的情報記録媒体は、相変化型媒体で覆われた領域であって6層を有し読み出し可能な再生専用領域と、相変化型媒体で覆われた領域であってその6層と同一の層構造を有し情報の書き換え可能な書き換え領域とをそなえてなり、また、この書き換え領域は、図1(a)のごとくレーザ光を誘導すべく設けられた蛇行した案内溝50が設けられている。
【0077】
プログラム領域において部分的なROM機能を実現する領域は、2種類あって、一つは、予め基板110fに形成された凹部49によるプレピット列(予め先に形成されたピットの列)を用いてデータを記録し、基板110fの上に記録層110eを設けた領域(マスターROM領域)である。他方は、記録層110d中のマークとしてデータを記録した後、記録ドライブ装置がその一部の領域に再び書き込みすることを禁止された領域(ポストROM領域)である。
【0078】
書き換え領域のみが存在して、ROM領域としてポストROM領域のみが存在する場合には、PCA領域の始端Bからからリードアウト領域の終端Dにかけてプレピットは存在せず、案内溝50のみが存在する。一方、マスターROMデータによるマスターROM領域を有する場合には、ピット列52と案内溝50とが存在するが、この場合、図1(b)のごとくピット列52の実際の中心線50bが案内溝50と同程度の振幅の蛇行を有するように、広義の案内溝が連続的に構成されることが望ましい。
【0079】
いずれにせよ、PCA領域の始端Bからリードアウト領域の終端Dにかけて、広義の案内溝にそってアドレス情報を付与するために、案内溝により絶対時間で表されたアドレス情報及び同期信号が与えられている(ATIP情報,absolute time in pregroove)ことが望ましい。絶対時間アドレスは、1/75秒を最小単位(フレーム)とし、分、秒、フレーム単位で表記される。図4(a)においてプログラム領域の始点AにおいてATIPは0分0秒0フレーム(以後00:00:00のように記載)から始まり、最大79:59:74フレームまで続く。データ容量に応じて、プログラム領域の最大ATIPアドレスは変化しうる。さて、プログラム領域は図4(a)のC点において、リードアウト領域に移行する。リードアウト領域のATIPアドレスは、プログラム領域の最終ATIPアドレスを引き継いで連続して増加する。通常、リードアウト領域の長さは1−2分程度である。一方、PCA,PMA,リードイン領域は、図4(a)のB点からA点にかけて配置される。そのATIPアドレスはA点で00:00:00としてリセットされたのち、A点からB点(PCAの最初のアドレス)に向かって、99:59:74から順次減少していく。PCA,PMA,リードインにおけるATIPアドレスは80あるいは90分台しか使用できないことになっている。
【0080】
本発明では、CDフォーマットにおいて、ATIPフレーム、EFMフレーム、約2kバイトのブロック単位のデータという3階層のうち少なくとも1つの階層で、書き換え可能か又は再生専用かの属性が規定されているのが好ましい。これは、CD−ROMシステムにおいてデータを操作できる最小の単位に関連しており、下位のレベルでのデータ属性の定義が可能となるからである。
【0081】
また、上記書き換え可能との属性は、さらに書き換え不可能(一回だけあるいは初回のみ書き換え可能)か否かの属性と、繰り返し書き換えが否かの属性とを有するのが好ましい。即ち、最も好ましい態様においては、上記3階層のうち少なくとも1つの階層で、書き込み禁止(再生専用)、一回だけ(初回だけ)記録可能(記録後はポストROM領域として機能)、書き換え可能(繰り返し書き換え可能)の少なくとも3種類の属性を付与する。
【0082】
ここで、書き込み禁止(再生専用)属性は、マスターROMやポストROMデータへの上書きを禁止し、再生専用データとして扱うことを宣言するものである。一回だけ書き換え可能な属性は、該属性を与えられたアドレスには、後述のフォーマッティング時の記録は別として、一回だけユーザーデータ記録が行なえるようになり、擬似的なCD−Rディスクを実現するもので、CD−RWディスクにおけるデータ改竄を防止するのに有効である。
【0083】
また、属性の種類はこれら3種類に限定されるものではなく、用途によっては条件付再生可能や、条件付書き換え可能といった設定も可能である。ここで、条件付再生可能とは、例えば、あらかじめ決められた暗号等を入力しない限り、再生できないようなデータである。同様に条件付書き換え可能とは、例えばあらかじめ決められた暗号を入力しない限り、記録ができないことである。
【0084】
さて、CD−RWでは少なくともアドレスデータの付加方法として3つの階層がある。これは、CDフォーマットにおいてデータのひとまとまりを規定する基本データ単位と関連している。つまり、データの基本単位ごとにアドレスが付加されるから、データ属性情報もまた、アドレスデータの基本単位ごとに付加されるのが自然であり、アドレス情報データビットの冗長度を利用するのが好ましい。さて、アドレス付与の階層としては
(1)蛇行(ウォブル)によるATIPフレーム
(2)EFM信号において、ユーザーデータに付加されたサブコード(98EFMフレーム毎)
(3)CD−ROMフォーマットにおける約2kB長のブロックのヘッダー
の3階層があげられる。いずれも、ATIPの最小単位である、1フレーム1/75秒に対応しており、基本的にディスクに物理的に固定されたアドレスであるATIPアドレスに同期しており、ATIPと同じ分、秒、フレーム単位で記載される。ユーザーデータからみると、まず、CD−ROMフォーマットのブロック単位(2352バイト)に区切られ、それがEFM変調される過程でサブコードアドレスが付加され、該アドレスとATIPアドレスとが位置的に対応するように、所定ATIPアドレスにEFM信号が記録されるのである。
【0085】
以下に、まず、前述のウォブルのATIP信号、EFM信号のサブコード、CD−ROMフォーマットのブロック構造3つの階層でのデータ属性付与方法を、それぞれ(A1),(A2),(A3)にて具体的に述べる。以下の説明ではCD及びCD−RWについてのフォーマット及び用語を用いる。
(A1)ウォブルによるATIPフレームを用いた方法
この方法は、最も下位階層にて付与される方法であって、基板にあらかじめ形成される形状によって、再生専用領域あるいは、一度だけ書き換え可能な領域を規定することであり、具体的にはウォブルに記載されたATIP情報を利用するものである。
【0086】
ATIP情報はアドレスの最小単位(フレーム)が1/75秒であり、また、溝蛇行の空間周波数が22.05kHzであるから、1フレームには294周期の蛇行が含まれる。また、1フレームには42ビットの情報が含まれるので、7周期ごとに1ビットが対応する。つまり、データが0であるか1であるかに従って、7周期ごとに±1kHzの周波数変調(FM変調)を行なう。ATIP情報42ビットには絶対時間情報及びそれに付随する誤り訂正情報とともに、該データを復号するための同期ビットも含まれる。
【0087】
図5は、ATIPのデータ構造を示す図である。この図5に示す3種類のバイト22a,22b,22cは、それぞれ、FM変調されたウォブルをデコードして得られたものである。そして、バイト22aは、分の情報を表し、バイト22bは、秒の情報を表し、また、バイト22cは、フレームの情報を表すものである。さらに、分、秒、フレーム(1/75秒)の各単位は、2桁のBCD(Binary Coded Decimal)で表されているので、ATIP情報は、各桁4ビットの合計8ビット(1バイト)で表現されるようになっている。そして、各バイト22a,22b,22cの最上位桁ビットである(M1,S1,F1)がそれぞれ、利用されるのである。
【0088】
以下、これらの(M1,S1,F1)が利用される態様について説明する。
コンパクトディスクの規定としてプログラム領域におけるATIP情報の値は00分00秒00フレームから、最大でも79分59秒74フレームまでと規定されているので、本来プログラム領域では、BCDで80分もしくは90分台に相当するデータは現れない。つまり、図5において、各単位のMSB(MostSignificant Bit,最上位桁ビット)であるM1,S1,F1のいずれかのビットに“1”がたつことはない。CD−RWディスクのリードイン領域ではあえて、S1乃至はF1に“1”がたつ場合には下位ビットを利用して、ディスクの記録条件等の特別情報が記載されるようになっている。
【0089】
特に、分単位のMSBであるM1ビットに“1”がたつと、80もしくは90分以上のデータで、リードイン、PCA,PMAもしくはリードアウト領域と間違われるが、近年はプログラム領域を79分59秒74フレームぎりぎりまで割り当て、80分以上をリードアウトに割り当てることが多いので、リードアウト領域のATIPアドレスをデータ領域のATIPアドレスと特に区別しないようになっている。一方、80分以上のアドレスはPCA,PMA,およびリードイン領域に割り当てられるとされていた。つまり、M1=1となった場合のみは、プログラム領域およびリードアウト領域以外のアドレスと判別することが可能である。また、リードイン領域に記載されるファイル管理情報の一部に、リードアウトの開始アドレスが絶対時間で記載されるから、この情報に基づき、プログラム領域とリードアウト領域とを識別できる。
【0090】
一方、プログラム領域は明らかに(M1,S1,F1)=(0,0,0)しかありえない。なぜなら、秒単位では59秒までであるから、BCDの十の桁で8,9に相当する、1000、1001は現れないし、フレーム単位では74フレームまでであるから、やはり十の桁のBCDで8,9に相当する1000,1001は現れないからである。狭義には(M1,S1,F1)=(0,0,0)の場合に限って、プログラム領域とみなすということもできる。
【0091】
このように、プログラム領域においてM1,S1,F1ビットの組み合わせ(M1,S1,F1)=(0,0,1)、(0,1,0)、(0,1,1)を該当するATIPフレームの属性情報として利用し、かつ、下位のビットで該ATIPフレームの絶対時間を記載することが可能になるのである。
従来(M1,S1,F1)=(0,0,1)、(0,1,0)、(0,1,1)の組み合わせはリードイン領域にのみ存在する特別情報に割り当てられていた。つまり、絶対時間としてM1=1しかとりえないリードイン領域にM1=0で始まるATIP情報があれば、残りのビットには絶対時間ではなく、特別情報(推奨記録条件等)が記載されていると解釈されるのである。
【0092】
本発明では、プログラム領域では従来、未定義であった、特殊な(M1,S1,F1)の組み合わせを、ATIPフレームの属性情報に割り当てることを提案するものであり、従来機種との互換性を大きく損ねることなく実装可能な手法として優れている。
まず、M1=0及びリードイン領域に記載されるリードアウト開始時間情報によってプログラム領域であることを判別し、MSB=(M1,S1,F1)=(0,0,0)なら、そのATIPフレームに対応するデータは、従来どおりの書き換え可能データと判別する。(0,0,1)、(0,1,0)、(0,1,1)ならば、該ATIPフレームの属性を定義することができる。なお、MSBのM1,S1、F1の如何にかかわらず、BCDの十の桁の下位3ビットおよび一の桁の4ビットから、00:00:00から79:59:74までの任意のATIPアドレスを表現できるから、アドレス付与になんら支障はない。
【0093】
本発明では(M1,S1,F1)=(0,0,1)、(0,1,0)、(0,1,1)のいずれに対応させるかは別として、プレピットによる書き込み禁止(再生専用)、一回(初回)だけ記録可能(記録後はポストROM領域として機能)、書き換え可能(繰り返し書き換え可能)の少なくとも3種類の属性を割り当てる。
【0094】
なお、プレピットに上記ATIP情報を付加するには、図1(b)のように、プレピット列52の中心線50bを書き換え可能領域とほぼ同じ振幅で蛇行させればよい。プレピットのプッシュプル信号から、溝蛇行によるウォブル信号と全く同様に容易にウォブル信号およびATIP情報を再生でき、特別な回路を必要としない。
【0095】
図6は、ATIPを利用したファイル書き込みのフローチャートである。まず、光ヘッドが所定アドレスへ移動され(ステップA1)、ATIPのデコードが行なわれる(ステップA2)。そして、ステップA3において、特定アドレスに到達したか否かが判定され、特定アドレスに到達していない場合は、Noルートが取られ、ステップA1からの処理が繰り返される。一方、特定アドレスに到達した場合には、Yesルートが取られ、ステップA5において、(M1,S1,F1)の判定が行なわれる。
【0096】
さらに、ステップA5において、(M1,S1,F1)によるATIPフレームの属性判定が行なわれる。ここで、この属性が、書き込み禁止の場合は、書き込み禁止ルートが取られ、ステップA6において、再生専用属性と判定され、ステップA7において、エラーメッセージが送出され、ステップA8において、他のアドレスに光ヘッドが移動し、ステップA1からの処理が繰り返される。
【0097】
また、ステップA5において、書き換え可能の場合は、書き換え可能ルートが取られ、ステップA9において、書き換え可能属性と判定され、ステップA10において、書き込みが開始されて、ステップA11において、書き込みルーチンは終了する。
なお、上記の図6のフローチャートにおいては、エラーメッセージを送出するステップA7の後に、光ヘッドが他のアドレスに移動するステップA9が設けられたが、エラーメッセージを送出したステップA7にて終了させることもできる。
【0098】
このように、ATIP信号に、書き込み禁止属性が記録されているので、記録ドライブ装置は所定アドレスにアクセスする際に、常にATIPアドレスをデコードし、記録ドライブ装置は、上記のMSBの組み合わせを検出すると、直ちに、記録用レーザ光のパワーを止める等の処置をし、異常処理のルーティンに移行できる。さらに、記録ドライブ装置は、書き込み禁止属性のROM領域にアクセスしたときは、その書き込み時に、エラーメッセージが発せられるので、たとえ、記録ドライブ装置が誤って、その禁止領域のアドレスを指定したとしても、誤記によるROMデータの破壊が防止される。
【0099】
プログラム領域におけるATIPフレームの属性が上記のように規定したいずれの属性であろうとも、対応するEFM信号には、従来どおりの絶対時間情報をサブコードで記録することとすれば、EFM信号再生系には上記変則的なM1ビットの使用方法は反映されない。つまり、プログラム領域のM1=0とし、絶対時間情報のみに従ってBCDデータを生成し、それをEFM信号のサブコードに含まれる絶対時間情報とする。
【0100】
こうすれば、通常CD−ROMドライブを始めとする再生システム側は、EFM信号で記録されたサブコードからしかアドレス情報を取得しないから、再生システムからは、上記の変則的なATIP情報の割り当ての影響はうけない。また、既存のCD−ROMドライブでの再生に影響を与えない。記録システム側にのみ、ファームウエア(ドライブ制御用の内部プログラム)上の変更が必要であるが、このような変更は、記録装置側のデバイスドライバのバージョンアップとして、プログラムを書き換えるだけで済み、記録用ドライブのハードウエアの変更は必要ないので好ましい。
【0101】
このようにして、相変化型媒体を利用したP−ROMディスクにおいて、混載されたROM領域とRAM領域とを、(M1,S1,F1)のビットの値を利用することによって、論理的にシームレスなファイル管理を行なえる。
また、このようにして、同一の再生回路を用いてアクセスできるので、効率的に、データ配布機能とユーザーデータの記録機能とを実現できるようになり、CD−RWディスクの利用が促進されるのである。
【0102】
ATIPによって書き込み禁止(再生専用)属性を付加したプレピット列によりマスターROM領域が作成でき、確実に書き込み禁止処置がとれる。一方、未記録の書き換え可能領域の一部に、ATIPでは書き込み禁止(再生専用)属性を与えておき、工場もしくはソフト作成者においてのみ、該書き込み禁止処理を無視できる特殊記録ドライブ装置によって、データの記録、編集を行なうものとすれば、一般ユーザーの記録ドライブ装置では、ROMデータとして機能するポストROM領域を作成できる。そして、残りの書き換え可能領域にのみ書き換え可能属性を与えて、ユーザー側でRAM領域として利用可能としておく。
【0103】
ATIPによる属性付与は基板にあらかじめ形成された、広義の溝蛇行に付与されるので、属性自体の書き換えが不可能であり、最も信頼性の高いROMデータの改竄防止方法となる。
このようにして、マスターROM,ポストROM及びRAMの3種のデータ領域を同一のディスク上に混載できる。
【0104】
さらに、このようにして、ATIPにより、一回(初回)だけ記録可能属性を与えられた書き換え可能領域は、ユーザー側において、擬似的なライトワンス媒体として使用でき、ユーザー側でマスターROM領域を作成できる。
(A2)EFM変調された信号においてユーザーデータに付加されたサブコード(98EFMフレーム毎)を利用する方法
図7は、98個のフレーム(セクタ)を並べたブロックを示す図である。この図7に示すブロック23は、ブロックの先頭を示す同期信号(12バイト)と、アドレス等の書き込み可/不可情報を含むヘッダー(4バイト)とを有する。さらに、記録ドライブ装置は、ユーザーデータにエラー訂正用の付加データ(288バイト)を元のデータに加え、そして、これらのデータにスクランブルをかけた後、24バイト×98行に分割し、各行毎にエラー訂正用のパリティービット、サブコード等を付加して、EFM変調を行なうようになっている。この各行をEFMフレームと称する。
【0105】
ATIPの最小単位であるフレーム単位(1/75秒長)には、レッドブックで規定されるオーディオフォーマット(CD−DA)では2352バイト長のユーザーデータが含まれる。2352バイト長からなるユーザーデータは、メインチャネルと称され、一行24バイト×98行のマトリックスに分割される。各行が12バイトごとに分割させたとき、ステレオ音楽データの左右のチャネルに相当するデータとなる。各行にエラー訂正用の付加ビットがさらに添付されたのち、サブコードと呼ばれる8ビットのデータが付加される。つまり、8ビット×98個の付加データによって、2352バイト単位のブロックにアドレスや、データ属性情報が付加される。上記のブロックのヘッダー情報とは下位のレベルのICレベルでデータ処理されるので、CD−ROMドライブに限らず、音楽用CDドライブでも認識可能なデータ属性を付与できる。
【0106】
サブコードの8ビットを1行として、98行のマトリックスが形成されるが、各列ごとを一まとまりとした98ビット(12バイト)のデータ列をチャネルといい、P,Q,R,S,T,U,V,Wチャネルと名づけられている。特に、その一つをQチャネルといい、アドレス情報は該Qチャネルの98ビットに記載される。
【0107】
サブコードには8×98ビットが含まれるから、未使用のビットも多く、該未使用ビットを使用して新たなデータ属性を付加することができる。以下Qチャネルを利用してこの制御用ビットを使用する例を説明する。
図8はQチャネルのデータ構造を示す図である。この図8に示すQチャネルのデータ24は、同期用ビット(S0,S1)と、制御用ビット(CONTROL)と、その他のデータビットとを有する。また、制御用ビット(CONTROL)は、書き込み属性を表すものであって、上位ビットから(SC3,SC2,SC1,SC0)を有する。
【0108】
より具体的には、図8に示すサブコードQチャネルのCONTROLフィールドの4ビット(SC3,SC2,SC1,SC0)を以下のように用いる。すなわち、CONTROLビットの4ビットは特開平11−250522号公報に記載された内容によると、レッドブック/イエローブックでは、表1のように指定されている。ここで×は0、1いずれであっても良い。また、項目番号1から6にかかわる規定は、すでに現行規格で利用されている。
【0109】
【表1】
Figure 0003636987
ここで、項目番号1,2は、それぞれ、オーディオ信号の属性にかかわるものである。さらに、項目番号5及び6からわかるように、データの他の属性にかかわらず、SC1ビットはデジタルコピーの禁止/許可の指定に割り当てられているので、これを使用することはできない。
【0110】
結局、現状では、項目7,8,9,10にあるようなSC3=1のときに限って、SC2乃至はSC0が0もしくは1である場合が、予備(未定義)となっているので、この組み合わせを利用してデータトラックの書き込み禁止(再生専用)属性を定義する。
つまり、この方法ではSC3=1のときは、CD−ROMフォーマットのデータトラックとみなされ、その場合に対してのみ、SC2及びSC0の組み合わせによって書き込み禁止(再生専用)属性を定義できる。
【0111】
そこで、SC3=1である場合に、(SC2,SC0)の可能な組み合わせ(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)を、書き込み禁止(再生専用)、一回(初回)だけ記録可能(記録後はポストROM領域として機能)、書き換え可能(繰り返し書き換え可能)の少なくとも3種類の属性を割り当てるようにするのである。また、どの属性をいずれの(SC2,SC0)に対応させるかは、自由に選択できる。さらに、(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)のうち3種類の属性を割り当てて残りの一つについては、例えば条件付再生、書き込み可の属性を付与することができる。
【0112】
サブコードについては、この他のチャネルも含め、すべての未使用なビットアサインが新規なデータ属性の割り当ての対象となりうるが、チャネルRからWは、最大64通りのアプリケーションの規定(CD−GやCD−TEXTなど)に利用されているので、好ましくは(A1)で示したATIPもしくは、(A3)で示す、CD−ROMフォーマットに限定したブロック属性を利用する方法が好ましい。
【0113】
図9は、EFM変調信号を利用したファイル書き込みのフローチャートである。
まず、光ヘッドが所定アドレスへ移動され(ステップB1)、ATIPのデコードが行なわれる(ステップB2)。そして、ステップB3において、特定アドレスに到達したか否かが判定され、特定アドレスに到達していない場合は、Noルートが取られ、ステップB1からの処理が繰り返される。一方、特定アドレスに到達した場合には、Yesルートが取られ、ステップB4において、EFM信号のデコードが行なわれる。
【0114】
さらに、ステップB5において、デコードされたQチャネルのデータから属性判定が行なわれる。ここで、この属性が、書き込み禁止の場合は、書き込み禁止ルートが取られ、ステップB6において、再生専用属性と判定され、ステップB7において、エラーメッセージが送出され、ステップB8において、他のアドレスに光ヘッドが移動し、ステップB1からの処理が繰り返される。
【0115】
また、ステップB5において、書き換え可能の場合は、書き換え可能ルートが取られ、ステップB9において、書き換え可能属性と判定され、ステップB10において、書き込みが開始されて、ステップB11において、書き込みルーチンは終了する。
なお、上記の図9のフローチャートにおいては、エラーメッセージを送出するステップB7の後に、光ヘッドが他のアドレスに移動するステップB8が設けられたが、エラーメッセージを送出したステップB7にて終了させることもできる。
【0116】
このように、後述するブロックのヘッダー情報とは異なり、下位のレベルのICレベルでデータ処理されるので、CD−ROMドライブに限らず、音楽用CDドライブでも認識可能なデータ属性を付与できる。
また、このように、記録ドライブ装置側が、ファームウエアに組み込まれるデバイスドライバをバージョンアップして、プログラムを書き換えるだけで対応できるので、記録ドライブ装置のハードウエアの変更が不要となり、既存の装置を利用した状態で、取り扱いが可能となる。なお、再生側においても、従来未定義で、通常、(0,0)データが入っている(SC2,SC0)ビットに他のビットが入ることによりエラーを生じる場合には、ファームウェアを書き換えることが必要となる場合がある。
【0117】
そして、このように、Qチャネルの制御用ビット(SC2,SC0)を利用して、論理的にシームレスなファイル管理を行なえて、ROM領域とRAM領域とを、同一の相変化型媒体上に混載できるようになる
また、このようにして、同一の再生回路を用いてアクセスできるので、効率的に、データ配布機能とユーザーデータの記録機能とを実現できるようになり、CD−RWディスクの利用が促進される。
【0118】
なお、書き換え可能領域の一部において、工場またはソフト作成者側で所定のデータの編集記録を行なった後、該データに付随するサブコードを用いて、該データを書き込み禁止(再生専用)と定義すれば、事実上のマスターROM領域が作成できる。書き換え可能領域におけるデータの書き込み禁止属性は、ユーザー側では変更不能としておけば、ポストROMデータの作成者の意図に反して、改竄されることを防止できる。
【0119】
もちろん、プレピット列からなるマスターROM領域に対しては、プレピット列データを作成する際に、サブコードに書き込み禁止(再生専用)属性を与えておく。そして、残りの書き換え可能領域にのみ書き換え可能属性を与えて、ユーザー側でRAM領域として利用可能としておく。
このようにして、マスターROM,ポストROM及びRAMの3種のデータ領域を同一のディスク上に混載できる。
【0120】
(A3)CD−ROMフォーマットにおける約2kB長のブロックのヘッダーを利用する方法
本実施態様は、CD−ROMフォーマットで規定されるブロック単位で、再生専用、記録禁止等のデータ属性を付与するものである。上述のとおり、CD−ROMフォーマットでは、ユーザーデータは、2048バイト毎に区切られて、この2048バイトのデータに付加データが付加されて、1ブロック(2352バイト)相当のデータが形成される。
【0121】
すなわち、ブロック23(図7参照)は、ブロックの先頭を示す同期(sync)信号(12バイト)と、アドレス等の書き込み可/不可情報を含むヘッダー(4バイト)とからなり、さらに、エラー訂正用の付加データ(288バイト)が加えられる。同期信号を除くこれらのデータはスクランブルをかけられる。そして、この同期信号とスクランブルデータとからなるデータは、24バイト×98行に分割され、各行毎にエラー訂正用のパリティービットと(A2)にて説明したサブコード等が付加されて、EFM変調されるのである。
【0122】
また、各ブロックはそれぞれヘッダーを有し、これらの各ヘッダーには、各ブロックのアドレス及びデータ属性等を示す付加データが付加されている。このヘッダーデータは、4バイトからなり、このうち3バイトを利用して各ブロックのアドレスが、ATIP(図5参照)と同一の分、秒及びフレーム単位にて24ビットで記録されている。
【0123】
さらに、各ヘッダーには、残りの1バイト(8ビット)を利用して、各ブロックのモードを表す属性データが付加される。オレンジブック・パート3は、後述のパケット記録に利用するために、ブロックの属性を規定しており、特定の3ビットに記録される。また、他の2ビットはイエローブックで規定された特定の情報が付加される。さらに、残りの3ビットは、特に規定のない空きビットである。
【0124】
すなわち、これら空きの3ビットに対して、少なくとも、そのブロックが、書き換え可能、書き込み禁止(再生専用)、一回(初回)だけ記録可能の少なくとも3種類の属性が付与されるのである。また、付与に際して、3種類の状態を割り当てればよいので、実質的には2ビットあればよく、3ビットのうちどれを選択するかは自由である。
【0125】
例えば、その3ビットを(b2,b1,b0)とするとき、そのうちの(b1,b0)が(0,0)、(0,1)、(1,0)、(1,1)のいずれであるかに応じて、書き換え可能、書き込み禁止(再生専用)、一回(初回)だけ記録可能という3種類の属性のいずれかを割り当てるようにする。この割り当ては、自由に選択できる。加えて、これら3ビットをすべて利用することにより、8種類の属性を付与することができるので、条件付再生可能という属性や、条件付書き換え可能という属性を与えることもできる。
【0126】
このようにして、CD−ROMフォーマットのユーザーデータに対してブロック単位で書き込み可/不可にかかわる属性を付与できる。
さて、CD−RWでは、任意のアドレスにおけるデータの書き換えを可能とするため、固定長パケット記録と呼ばれる方法が用いられる。
図10は、固定長パケット記録におけるパケット構造を示す図である。この図10に示すパケット25は、CD−RWの固定長パケット記録モードにおけるデータ記録単位であって、このパケット25は、リンク(Link)ブロック25aと、ランイン(Run−in)ブロック25b,…,25cと、ユーザーデータブロック26a,…,26bと、ランアウト(Run−out)ブロック27a,27bとから構成されている。ここで、リンクブロック25aは上書きデータの位置ずれにより発生する既存の隣接パケットのデータ破壊を防止するための緩衝用の領域である。また、ランインブロック25b,…,25c,ランアウトブロック27aは、それぞれ、ユーザーデータに付加する付加情報を格納する領域である。なお、パケットとは、セクターあるいはクラスターとも言われるデータの最小のまとまりを意味する。
【0127】
ここで、これら複数のブロックが一まとまり(1パケット)として、このパケット毎に上書きが行なわれるようになっている。また、この図10に示すユーザーデータは、64kバイト(32ブロック)単位のパケットで記録されるのである。なお、これらのブロックについては、オレンジブック・パート3に記載されているので、その説明を省略する。さらに、固定長パケット記録におけるファイル管理方法は、後述のUDFバージョン1.5で規定されている。
【0128】
そして、工場出荷時に、全面フォーマッティングと呼ばれる操作により、ディスクの全面に、図10に示すパケット構造が記録される。この際、固定長パケット記録に対応できるように、ユーザーデータとしては何を記録してもよいが、実用上は、"0"データが記録されている。また、フォーマッティング済みのディスク(工場にてフォーマットされたディスク)に対しては、図10に示すユーザーデータブロック26a,…,26bには、意味のないデータが記録されているので、ユーザーがユーザーデータを記録して使用する時は、隣接する2個のパケット内のリンクブロック25aをそれぞれ、始点及び終点として、固定長のパケットが重ね書きされる。
【0129】
そして、各ブロックが、リンクブロック、ランインブロック、ユーザーデータブロック、ランアウトブロックのいずれかに属するかは、前述のヘッダー中の1バイトのうち、特定の3ビットに記録されている。
なお、該フォーマット済みディスクにおいて、フォーマット時にダミーの"0"データを記録する代わりに、意味のあるデータを記録し、該データのブロックごとの属性を、書き込み禁止(再生専用)として、ポストROM領域を作成できる。
【0130】
また、該固定長パケット記録フォーマットにしたがって、プレピット列によりデータを記録してマスターROM領域を作成する場合にも、該データのブロックごとの属性を書き込み禁止(再生専用)とすることで、マスターROM領域への上書きを防止できる。
このようにして、マスターROM,ポストROM及びRAMの3種のデータ領域を同一のディスク上に混載できる
さらに、フォーマット済みディスクでブロックごとの属性付与により、一回(初回)だけ記録可能属性を与えられた書き換え可能領域は、以後、擬似的なライトワンス媒体として使用でき、従って、ユーザー側でマスターROM領域を作成できる。
【0131】
このようにCD−ROMフォーマットのデータの基本単位であるブロックごとにデータに属性を与えておけば、CD−RWディスク10の記録ドライブ装置は以下のような動作から、正しく書き込み禁止等の判断ができる。すなわち、CD−RWディスク10の記録ドライブ装置では、まず、記録すべきパケットのデータを読み出し、ドライブのメモリー内で、該パケットの所定ブロックのデータを書き換えてパケット内のデータを再編成したのち、実際に記録媒体上のパケットの書き換えを行なう。
【0132】
ここで、記録すべきパケットのデータを読み出すときに、ブロックの属性をデコードし、該パケットに書き込み禁止(専用属性)のブロックがあれば、その旨のエラーメッセージを発行するようにしている。
図11は、ブロック属性を利用したファイル書き込みのフローチャートである。まず、光ヘッドが所定アドレスへ移動され(ステップC1)、ATIPのデコードが行なわれる(ステップC2)。そして、ステップC3において、特定アドレスに到達したか否かが判定され、特定アドレスに到達していない場合は、Noルートが取られ、ステップC1からの処理が繰り返される。一方、特定アドレスに到達した場合には、Yesルートが取られ、ステップC4において、EFM信号のデコードが行なわれる。
【0133】
さらに、ステップC5において、ブロック単位に信号がデコードされ、ステップC6において、ブロック属性の判定が行なわれる。
ここで、ブロック属性が、書き込み禁止の場合は、書き込み禁止ルートが取られ、ステップC7において、再生専用属性と判定され、ステップC8において、エラーメッセージが送出され、ステップC9において、他のアドレスに光ヘッドが移動し、ステップC1からの処理が繰り返されるのである。
【0134】
また、ステップC6において、書き換え可能の場合は、書き換え可能ルートが取られ、ステップC10において、書き換え可能属性と判定され、ステップC11において、書き込みが開始されて、ステップC12において、書き込みルーチンは終了する。
なお、上記の図11のフローチャートにおいては、エラーメッセージを送出するステップC8の後に、光ヘッドが他のアドレスに移動するステップC9が設けられたが、エラーメッセージを送出したステップC8にて終了させることもできる。
【0135】
このように、CDフォーマットのデータの基本単位であるブロック毎にデータ属性が付与されて、書き込み禁止等の判断が正しく行なえる。また、記録ドライブ装置は、全面消去する場合を除いて、パケット単位でリンクブロック25aを始点及び終点としてデータの上書きを行なえるようになる。
なお、その使用目的を鑑みると、リンクブロック、特にROM領域とRAM領域とのつなぎめのリンクブロックの属性は、書き換え可能とすることが望ましい。
【0136】
また、記録ドライブ装置側は、そのハードウエアの変更が不要で、ファームウエアに組み込まれるデバイスドライバを書き換えるだけで、RAM領域とROM領域との混載した相変化型媒体のCD−RWディスク10を得られるようになる。
そして、このようにして、同一の再生回路を用いてアクセスできるので、効率的に、データ配布機能とユーザーデータの記録機能とを実現できるようになり、CD−RWディスクの利用が促進される。
【0137】
以上の3種類の実施態様では、アドレス付与の階層ごとに区別して、該アドレスの基本単位ごとのデータに新たな属性を付加する方法が示されており、また、アドレス単位でデ−タ属性を付加する方法自体は、CDフォーマットと互換性を保ちうる方法を利用している。
ここで、二つ以上の階層において、同一のアドレスの基本単位にデータの属性を付与する場合には、上位の階層において付与されるデータは、下位の階層において付与されるデータの属性と同一であるのが好ましい。
【0138】
次に、可変長の基本データ単位にデータ属性を付与する例について簡単に述べる。
CDフォーマットにおける可変長のデータ単位の例としては、トラック及びマルチセッションフォーマットにおけるセッションがあげられる。また、UDF1.5にて規定されるような固定長パケット記録フォーマットにおいて、複数個の固定長パケットを連続して使用するデータ単位も、可変長データ単位の一例である。
【0139】
トラックは、CD−ROMフォーマットにおいては、実質上、図10に示すユーザーデータブロック群26a,…,26bにおいて、ブロック数が一定でない場合に相当する。従って、固定長パケットの場合と同様に、トラックに属するブロックごとに書き込み禁止等のデータの属性を付与することは可能である。
一方、トラックの先頭のランインブロックのヘッダーには、そのトラックそのもののデータ属性を、ヘッダーにおいて付与される。その空きビットを利用して、トラック単位で書き込み禁止(再生専用)、一回(初回)だけ記録可能、あるいは、書き換え可能の属性を付与できる。
【0140】
さらに、トラックの開始及び終了アドレス、データ長等は、リードイン領域に、TOCとしてEFM信号のサブコードQチャネルに記載されるが、その際に、各トラックの属性をも記載することが望ましい。また、必要であれば、サブコードQチャネルが付与されるユーザーデータ(メインチャネル)に、その各トラックの属性を記入すれば良い。通常は、リードイン領域のEFM信号のメインチャネル(図7に示すブロック構造におけるユーザーデータ部分)は、通常は”ゼロ”であるダミーデータが記載されているだけなので、そのメインチャネルに、付加データを記載しても支障はなく、記録ドライブ装置が、リードイン領域においても、サブコードのみならず、メインチャネルを読み取るようにすれば良い。
【0141】
特に、トラックのアドレス情報(開始・終了アドレス.データ長等)は、プレピット列からなるマスターROMデータにより表された再生専用領域属性を有するものなので、やはり、プレピット列からなるマスターROMデータとして、リードイン領域の一部のアドレスのメインチャネルに記載(登録)しておくことも可能である。
【0142】
あるいは、固定長パケット記録フォーマットにおいて、一連の複数のパケットからなる可変長データが、プレピット列からなるマスターROMデータである場合に、一連のパケットのアドレス情報をリードイン領域のメインチャネルにマスターROMデータとして記載(登録)する。
具体的には、開始アドレスとして、先頭パケットの最初のランインブロックのアドレス又は先頭パケットの最初のユーザーデータブロックのアドレスが用いられている。そして、終了アドレスとしては、後端のランアウトブロックのアドレス又は後端のユーザデータブロックのアドレスが用いられる。また、固定長パケット記録フォーマットにおいては、ランイン,ランアウト,リンクブロックの各アドレスが飛ばされて(各アドレスが使用されずに)、新たに、ユーザーデータブロックだけが、順番にアドレスを割り振られるようにする。
【0143】
加えて、上位の論理アドレスを用いることもできる。この論理アドレスに注目して、先頭のユーザーデータブロックの論理アドレスが、そのROM領域の開始アドレスとして用いられ、また、最後端のブロックの論理アドレスが、そのROM領域の終了アドレスとして用いられるようにもできる。
さらに、マルチセッションフォーマットの規定に従って、プログラム領域を複数のセッションに分割し、分割された一部のセッションを再生専用とし、分割された他のセッションを書き換え可能とする方法について述べる。具体的には、マルチセッションディスクで、特定のセッションを書き込み禁止(再生専用)とするP−ROMとする場合には、各セッションのリードインに、該セッションが書き込み禁止(再生専用)であるか、書き換え可能であるかの属性を記載することが好ましい。この目的にも、やはりサブコードのQチャネルが利用できる。
【0144】
すなわち、マルチセッションフォーマットにおいては、図4(a)に示したリードイン領域/プログラム領域/リードアウト領域からなる一枚のCDを分割して、同一CD上に、擬似的に複数のCDを構成するものである。
図13は、3つのセッションに区切られたマルチセッションフォーマットがなされたCDの領域構成例の説明図である。各セッションごとに、その先頭のリードイン領域が終端にリードアウト領域が付加される。この図13の右方にある斜めの直線上に示す第1セッションのリードイン領域L1Aは、図4(a)におけるリードイン領域と一致する。AL2は第1セッションのプログラム領域、L22は第1セッションのリードアウト領域である。A23、L34及びL43は、それぞれ、第2セッションのリードアウト領域、プログラム領域、リードアウト領域であり、A35、L5C及びCDは、それぞれ、第3セッションのリードイン領域、プログラム領域、リードアウト領域である。PCA領域及びPMA領域は、図4(a)と同じく、ディスク全体の最内周部BL1に設けられている。
【0145】
また、それぞれの、リードイン領域でのデータ構造は、プログラム領域と同じであって、サブコードも同様に付加される。リードイン領域では、ユーザーデータはダミーデータであり、サブコード情報のみがシステムの制御目的で利用される。また、固定パケット記録の場合は、プログラム領域のみならず、リードイン領域及びリードアウト領域もすべて図10に示すパケット構造でフォーマットされる。
【0146】
サブコードQチャネルの構造は、図8に示す構造と全く同等であるが、下位の92ビットにも各セッションのファイル管理情報やセッションの属性情報等が記載される。
以下に、サブコードQチャネルを利用した属性の付与方法であって、セッションごとの再生専用、初回だけ書き換え可能、任意に書き換え可能等の属性付与方法▲1▼,▲2▼を述べるが、この方法は、一つのセッション内に含まれるデータでは、定義された属性はすべて同一であることが必要である。
【0147】
▲1▼方法MS1について
リードイン領域のサブコードQチャネルには図8に示すものと同様のCONTROLビット4ビットが存在する。上記の(A2)で述べた方法はそのまま適用できる。すなわち、同一セッション内ではCONTROLで定義されるデータの属性は原則として一定でなければならないと規定されているので、(A2)の方法と同様に、SC3=1であるデータトラックに対しては、(SC2,SC1)の組み合わせに応じて書き換え可能、又は、書き込み禁止(再生専用)属性を定義する。
【0148】
▲2▼方法MS2について
図8の下位92ビットの指定には、複数の未使用のビットアサインがあり、いずれかを利用して新たにセッションの属性を付与できる。例としては、POINTと呼ばれる2バイトのデータがA0(BCD)の場合には、PSECと呼ばれる1バイトにセッションのフォーマット属性が記載されるので、ここの予備のビットアサインを利用する。現行オレンジブックで規定されているセッションのフォーマット属性とは、CDのデータの応用に関するもので、次のもののみである。
【0149】
00(16進) : CD−DA もしくは CD−ROM(イエローブック)
10:(16進): CD−i
20:(16進): CD−ROM−XA
各フォーマットの詳細な説明は省略するが、本発明では例えば16進2桁のデータの下位データを用いて、次のように定義することが可能である。ここで、×は16進の上位桁を表す。
【0150】
×0: 書き換え可能セッション
×1: 書き込み禁止(再生専用)セッション
×2: 一回(初回)だけ記録可能セッション
このようにして、セッションごとに書き換え可能、書き込み禁止(再生専用)、1回(初回)だけ記録可能の属性を定義できる。セッションは前述のように分割された擬似的なCDとみなせるので、一枚のCDのうえにデータ属性の異なる複数の仮想的CDを実現できることになる。
【0151】
なお、セッション毎に、書き込み可/不可の属性を付与する場合には、必ずしも(A1),(A2),(A3)で説明したような、より小さなデータの単位での属性付与を行なわなくてもよいが、併せ用いた方がより信頼性が高まる。
以下に、ROM/RAM混載のP−ROMディスクの論理フォーマットについて述べる。
【0152】
まず、CD−RWディスクは、部分的にしろRAM領域を有し、ユーザーデータ領域の内容が書き換え可能であるので、リードイン領域は書き換え可能であることが望ましい。PMA領域も一時的にリードインと同じく、ファイル管理情報を保管するのであるから、RAMデータであることが望ましい。さらに、試し書き領域PCAもその性質上RAM領域になければならない。
【0153】
CD−RWがP−ROMであることを示す情報が、ドライブが最初にアクセスしてディスクに関する情報を取得する、リードイン領域に含まれていることが望ましい。本発明では、ファイル管理情報がRAMデータで記載されている場合、後述の簡易消去操作で、ROM領域のファイル管理情報まで消去され、ROM領域の存在自体が認識されなくなることを防ぐためである。通常、リードイン領域は図4(a)のABで示すような、プログラム領域ACより内周側に存在する。マルチセッション・フォーマットのディスクではプログラム領域AC内にもリードインが存在しうるが、第1セッションのリードインはやはりプログラム領域ACより内周側に存在し、ディスク全体にかかわる情報は、この第1セッションのリードインに記載される。以下の説明では、シングルセッションの場合を含めて、特に断りのない限り、第1セッションのリードイン領域を単にリードイン領域と呼ぶことにする。
【0154】
未記録のCD−RWディスクでは、リードイン領域に図5で示したデータ構造を有するATIPにより、ディスクの属性や記録条件等を含む特別情報(Special Information)が記載されており、まず、ここにCD−RWディスクがP−ROMであることを示す情報を記載するのが好ましい。現行のオレンジブック・パート3からは複数の可能性が考えられるが、一つの具体的な方法は、ATIPにおいてSpecial information(特別情報)1と呼ばれるデータのディスク・サブタイプ情報において規定することである。Special information(特別情報)1は図5において、リードイン領域で(M1,S1,F1)=(1,0,1)が現れたとき、残りのビットに記載される情報である。
【0155】
このうち、ディスクのサブタイプは、フレーム情報を記載する1バイト(図5のバイト22c)のうち、BCDで上位の桁を表す4ビットの中でF1を除いた残りの3ビット(図5のXXXで示すもの)で規定する。8通りの規定が可能であるが、現時点では未定であり、今後P−ROMディスクというCD−RWディスクのサブタイプを割り当てることも可能である。
【0156】
さて、記録済みのCD−RWでは、通常、リードイン領域に、このような特別情報及び閉じられたセッションのファイル管理情報がEFMデータによっても記録される。従って、上記P−ROMである旨の情報も上記リードイン領域のEFMデータに記録されるのが好ましい。具体的には、サブコードのQチャネルに記載される。サブコードQチャネルは、リードイン領域においても図8のデータ構造を有するが、リードイン領域では、記載されるデータの内容が若干異なる。特に、上記ATIPのSpecial Information(特別情報)1を利用した場合は、必ず、図8に示すサブコードQチャネルの残りの92ビットのうち、特定のビットにその内容が記録されることになっている。このような、リードイン領域のATIPの特別情報をEFM信号のサブコードに複写するような記録自体はすでに、市販のCD−RW記録再生ドライブ装置で行なわれている。
【0157】
そして、P−ROMタイプのCD−RWディスクを用いた場合は、記録ドライブ装置がP−ROMであることを認識してROMデータのファイル管理情報を破壊しないようにするため、プレピットによるマスターROM領域が存在する場合には、ATIPの特別情報によってディスクに記載しておくようにするのが好ましい。
【0158】
一方、RAM領域のデータに前述のように、ATIP、EFMサブコード、ブロック属性により一回だけ記録可能属性を与えて、記録後再生専用とする場合や、複数回の書き換え後、書き込み禁止して再生専用属性を与えてポストROM領域を作成してP−ROMとした場合には、EFMデータのみによって、リードイン領域にP−ROMである旨の情報を記載するのが好ましい。具体的には、上記サブコードのQチャネルのディスクのサブタイプ情報をP−ROMという属性として記録すればよい。
【0159】
プログラム領域では、サブコードを本発明目的のデータ属性の規定に利用することは、ドライブの設計上一定の制限が存在するが、最内周のリードイン領域において、ディスクがP−ROMであることのサブタイプの規定や、マルチセッションフォーマットにおける各セッションのリードイン領域において、マルチセッションの各セッションごとの属性の規定に用いることはむしろ好ましいことであり、積極的に用いることができる。
【0160】
図14はマルチセッションの場合におけるセッションごとの属性判定のフローチャートであり、かかる、P−ROMであるという属性情報をリードインに記載し、マルチセッションである場合に、セッションごとの書き込み属性を規定したディスクを使用して、セッションごとのファイル管理を行なう際のフローチャートの一例を説明したものである。
【0161】
ステップM0から処理が開始され、まず、ステップM1においてディスクは記録再生装置に装填され、所定の回転数に達した後、記録再生用光ヘッドのフォーカス及びトラッキングサーボが達成され、ディスクの再生が可能な状態となる。通常はこの段階で、反射率等の情報に基づき、該ディスクがCD,CD−ROM,CD−Rのいずれでもなく、CD−RWディスクであることが認識される。そして、ステップM2において、光学ヘッドはリードイン領域にアクセスする。さらに、ステップM3において、リードイン領域にATIP情報もしくはEFM信号のサブコードで記録された特別情報が解読され、ディスクタイプや、推奨記録条件等のディスク管理情報の取得を開始する。
【0162】
次に、ステップM4において、ディスクタイプ情報が取得される。そして、特別情報の一部、より具体的には、例えば上記(図5を用いた説明参照)の特別情報1から該ディスクがP−ROMタイプで、再生専用領域を有することが認識される。こうして、ステップM5において、該ディスクがマルチセッションであるかどうかの判定が行なわれる。
【0163】
ここで、取得された情報が、P−ROMかつマルチセッションであれば、Yesルートを通り、ステップM6において、各セッションのリードインが順次アクセスされ、ステップM7において、リードインに記載されたセッションごとのデータ属性情報が取得され、ステップM8において、各セッションのプログラム領域の開始及び終了アドレス(リードアウトの開始アドレス)、セッションのサイズ、また、セッションが再生専用や記録済みであれば、ファイル管理情報が取得される。通常は内周側に配置されたセッションから順に、該情報の取得が行なわれ、ステップM9において、最終セッションであることが確認されるまで、Noルートを通り、ステップM6からステップM8の処理が繰り返される。
【0164】
また、シングルセッションである場合には、ステップM5にてNoルートを通り、ステップM10にて、プログラムエリアのファイル管理情報が取得される。なお、本フローチャートではディスクタイプやマルチセッションの各セッションごとの属性情報が取得された後、記録再生装置内の一時記憶メモリに格納するステップを明示していないが、この他のディスク管理情報やセッションごとの属性情報等も同様に、その都度、一時記憶メモリに格納され、以後の記録再生装置の動作において、毎回、ディスクから情報の再読み出しをしなくても済むようにされているのが普通である。また、該管理情報の一部、特に、ディスクタイプや、セッションごとの属性、サイズ、アドレス等の情報は、記録再生装置内の一時記憶メモリばかりでなく、記録再生装置に接続されたホストコンピュータにも転送されて該ホストコンピュータ内のメモリにも格納される。ホストコンピュータ側にインストールされた、記録再生装置を利用するアプリケーションプログラムでの利用に供される。
【0165】
さらに、最低限セッションごとの属性及び開始/終了アドレス情報を各セッションのリードイン領域から取得すれば、後述の簡易消去において支障はない。各セッションごとのプログラム領域のファイル管理情報は取得される必要はなく、後で、具体的なデータを記録再生する際に、初めて具体的なファイル管理情報を読み出しても良い。
【0166】
続いて、ステップM9からYesルートを通り、ステップM11において、光ヘッドはPCA領域にアクセスし、ステップM12では、ステップM3にて取得されたディスク管理情報を基に、試し書きを行なって最適記録パワーが決定され、ステップM13において、具体的な記録再生の指令があるまで待機状態に入る。
【0167】
なお、ステップM11及びステップM12は、それぞれ、ステップM3の直後に引き続いて行なわれても良いし、具体的に書き込み開始の指示があり、待機状態ステップM13を抜け出して記録に移行する直前に行なっても良い。
さて、CD−RWでは、簡易消去操作と呼ばれるRAMデータの消去方法がある。これは、リードイン領域やPMA領域にあるRAMデータであるファイル管理情報を消去したり、意味のないデータ(ゼロの繰り返し)に書き換えることにより、見かけ上再生ドライブ装置から、ファイルの存在を見えなくする消去方法である。毎回、ファイルの中身を消去しなくても、所定のファイルの存在を消去できる。該操作はファイルごと、セッションごとに行なわれる場合もあるが、ディスクにおいて最内周のリードイン領域の情報を消去もしくは書き換えてしまえば、見かけ上、該ディスクは、全く未記録の新品のディスクとして利用できる利便性がある。
【0168】
一方で、本発明のごとく部分的に再生専用領域を有し、再生専用領域のファイルのファイル管理情報までもが書き換え可能データとして記録されている場合、上記簡易消去操作で、誤ってROMデータファイルの存在自体を消去してしまい、2度とアクセスできなくなる可能性がある。特にマスターROMでファイルの中身は存在するにもかかわらず、ファイルにアクセスできなくなる可能性があり、マスターROM領域を設けた意義すらなくなってしまう。あるいは、マスターROM領域をROM領域と認識せずにデータを上書きしてしまう可能性がある。
【0169】
従って、本発明においては、ROMデータを直接上書きで消去することのないように、書き込み禁止のデータ属性を付与するとともに、かかる簡易消去操作での誤動作による、ROMデータの消去防止方策をも施すのが好ましい。
その具体的方法は、図15に示すフローチャートのようになる。図15はP−ROMにおける簡易消去方法の一例を示すフローチャートである。まず、ステップN0において簡易消去命令が発行されると、ステップN1において、先頭のセッション領域のリードイン領域に記録された特別情報が解読され、ステップN2においてコンパクトディスクが再生専用領域を有する書き換え型であることが識別,判定される(識別ステップ)。
【0170】
すなわち、最初にアクセスされる先頭のセッションにおけるリードイン領域の情報から、そのディスクが再生専用領域を有する書き換え型コンパクトディスクであることが認識される。
さらに詳述すると、予め基板上にプレピット若しくは溝変形として記載され、記録媒体が部分的にプレピット列若しくは溝変形からなる再生専用領域を含む書き換え型であることを示す識別情報が認識される(認識ステップ)。
【0171】
そして、ステップN3において、複数のセッションにおけるリードイン領域のそれぞれから属性情報が抽出,取得され(抽出ステップ)、ステップN4において、該属性情報から書き換え可能、あるいは書き込み(書込み)禁止に関する属性が判定される。
さらに、ステップN4にて判定された属性が書き込み禁止(再生専用)である場合には、Yesルートを通り、ステップN5において、その書き込み禁止セッションのファイル管理情報(ファイル構造)が抽出,取得され、一時記憶メモリに転送される(メモリ転送ステップ)。該ファイル管理情報とは、該ROMセッションの開始及び終了アドレス、該セッション内のプログラム領域に記載されたファイルのアドレス等の情報をすべて含む。そして、該ステップを最終セッションまで繰り返され、再生専用セッションが複数ある場合は、各セッションごとに、ステップN5でファイル管理情報が取得されて一時記憶メモリに格納される。なお、ステップN4にて判定された属性が書き込み禁止(再生専用)でなければ、Noルートを通って、ステップN6に進む。
【0172】
ステップN6において、最終セッションまで属性の確認が終了したことが確認されれば、Yesルートを通り、ステップN7において先頭の(最初の)セッションにおけるリードイン領域及びPMA領域にアクセスし、該領域に記録されたファイル管理情報がすべて消去される(消去ステップ)。これにより、見かけ上、プログラム領域に再生専用であれ、書き換え可能であれ一切のファイルが存在せず全プログラム領域が未記録であると認識される状態となる。なお、最終セッションではない場合は、ステップN6のNoルートを通って、ステップN3からの処理が繰り返される。
【0173】
また、ステップN8において、先頭の(最初の)セッションにおけるリードイン領域及びPMA領域に、前記一時記憶装置に転送された書き込み禁止セッションのファイル管理情報(開始/終了アドレス等)が再登録され、ステップN10において書き換え可能な領域の先頭のアドレス及び記録可能な容量とが更新されて(再記録ステップ)、処理が終了する(ステップN11)。
【0174】
なお、該ディスクが書き換え可能領域のみからなる通常のCD−RWの場合には、ステップN2からNoルートを通り、ステップN9において、ステップN7と同様に、リードイン及びPMA領域におけるすべてのファイル管理情報が消去され、ステップN10において、全記録可能領域が新規に書き換え可能として再登録される。
【0175】
ここで、ステップN1からステップN6までのステップは、図14に示すように、記録再生装置にディスクが装填された最初の段階(ステップM1参照)において実行されて、あらかじめ必要な情報を取得して一時記録メモリに格納しておき、また、簡易消去の際には、ステップN0で簡易消去命令が出されたときに、ステップN1、N3及びN5で取得されるべき情報を、該一時記憶メモリから取得しても良い。
【0176】
従って、本発明の書き換え可能型相変化記録媒体のデータ消去方法は、基板上に相変化型記録層を設けてなり、情報記録領域に再生専用領域と書き換え可能領域とを有する記録媒体におけるものである。
予め基板上にプレピット若しくは溝変形として記載され、記録媒体が部分的にプレピット列若しくは溝変形からなる再生専用領域を含む書き換え型であることを示す識別情報を認識する認識ステップと、再生専用領域のアドレス情報を取得してそのアドレス情報を記憶装置に転送するメモリ転送ステップと、記録媒体のファイル管理領域に記載されたファイル管理情報を消去する消去ステップと、そして、ファイル管理領域に、記憶装置に転送された再生専用領域のアドレス情報を記録する再記録ステップとをそなえて構成されたことになる。
【0177】
ついで、ROMとRAM領域とのそれぞれのデータフォーマットについて説明する。
まず、プログラム領域に記録されるべきデータ構造は、大別すると、ISO9660フォーマットおよびUDF(ユニバーサル・ディスク・フォーマット)バージョン1.5で規定された固定長パケット記録フォーマットの2種類に分けられる。
【0178】
ISO9660フォーマットは本来再生専用のCD−ROM(イエローブック)の、ファイル管理情報に関する手続きを定めたものであり、書き換え型のファイル管理にはそれほど適していない。つまり、特定のファイルがディスク上の固定され、かつ一続きの連続したアドレスに存在することが前提であり、ハードディスクのようなランダムアクセス可能で、パケット(セクターあるいはクラスターとも言われるデータの最小のまとまり)ごとに記録されるデータ構造には不向きである。しかし、広く普及したフォーマットでありCD−ROMドライブから再生できる。
【0179】
一方、UDFバージョン1.5及びマルチリードフォーマット(以下では単にUDFフォーマットと呼ぶ)は、ISO13340と呼ばれるファイル構造に関する国際規格のサブセットとして米国の業界団体OSTA(Optical Storage Technology Association)によって定められたものであり、また、固定長パケット記録の構造としては、通常は、図10に示すパケット構造が用いられている。
【0180】
このフォーマットは、特にランダムアクセス可能なCD−RW及び同等の仮想的論理デバイスとしてのディスク上におけるファイル管理情報のあり方を定め、ホストコンピュータからのファイル管理を容易ならしめ、かつ、互換性を確保するために規定されたものである。
以下では、既存ドライブのハードウェアおよびファームウエア、ホストコンピュータのCD−ROM,CD−R/RW用ドライブのデバイスドライバ、および上記UDFのバージョン1.5のファイルフォーマットと親和性のよい、パーシャルROMの論理構造を詳細に説明する。
【0181】
すなわち、プログラム領域をマルチセッションフォーマットの規定に従って2つのセッションに分割し、第1セッションをROM領域、第2セッションをRAM領域とするか、もしくは、第1セッションをRAM、第2セッションをROM領域とした論理的な構造を有する媒体である。
このように、マルチセッションフォーマットで複数のセッションからなるディスクにおいて、特定のセッションを再生専用とするP−ROMの場合、原則的には、各セッション内のファイル管理方式はすべて同一であることが望ましい。すなわち、現行のオレンジブックでは、各セッション内でファイル管理方法がISO9660フォーマットや、UDFフォーマットで統一されていれば、セッション間で異なってもよいことになっている。異なるセッションは、仮想的に別個のディスクとみなすことができるからである。しかし、P−ROM媒体では、後述のようにROMであるセッションからアプリケーションプログラムのデータを再生し、該プログラムに基づいて所定の処理を実行して、その結果を直ちにRAMであるセッションに記録するようなインタラクティブな用途が想定され、ROMであるセッションとRAMであるセッションとの間で頻繁にデータの再生/記録のためのアクセスが行なわれうる。一般的には、各セッション間の切り換えごとに、ファイル管理方法を切り換えしないで済む方法を用いるほうが、デバイスドライバが簡便になるので好ましい。
【0182】
そして、書き換え可能領域においては、UDFの固定長パケット記録であることが望ましいから、全セッションにおいてUDFフォーマットでファイル管理することが望ましい。
しかし、セッション間で異なるファイル管理方法を用いるのが、むしろ有利であると考えられる場合もある。その一つの方法は、UDFでのファイル管理を可能とするデバイスドライバ・プログラムをISO9660フォーマットで第1セッションにROMデータとして記載し、ディスクを記録再生装置に装填したときに、該デバイスドライバを読み出してUDFフォーマットのデータの読み書きを可能とするものであって、このような使用方法には適している。
【0183】
より具体的には第1セッションがROM領域、第2セッションがRAM領域をなすようにし、図12(a)の構造を有し、ROM領域をISO9660フォーマットとし、RAM領域をUDFフォーマットに従った、固定長パケット記録領域として用いる。
図12(a)のように、最初のセッションをISO9660としたほうが、よりISO9660フォーマットのファイル管理方法を踏襲しやすい。なぜなら、ISO9660では、まず、プログラム領域の最初の方にある論理アドレス16の情報が取得されるからである。なお、通常、論理アドレスの一番地は、CD−ROMフォーマットの1ブロック長に対応している。
【0184】
図12(a)に示す配置は、第1セッションがROM領域であり、第2セッションがRAM領域となっており、第1セッションはISO9660フォーマットによって書き込まれ、第2セッションはUDFフォーマット(バージョン1.5)によって書き込まれている。そして、マルチセッション方式を用いた書き込み方式の規定に従い、各セッション毎にリードイン領域とリードアウト領域とが設けられている。また、PMAにRAM領域である第2セッション以降の未記録領域の開始アドレスが記録されるようにしておく。
【0185】
このような処置をされた第1セッションは閉ざされたセッションと認識され、マルチセッションの規定により、再書き込みはできない再生専用領域と認識される。したがって、第1セッションのデータに前述のATIPフレーム、サブコード又はブロック単位でのROMデータ属性を付与するとともに、第1セッションを閉じておけば、システム上2重に再書き込み禁止処置がなされたことになり、ROMデータ破壊防止の信頼性が高まる。
【0186】
このような処理をすることにより、下記のようなデータ記録方法が可能となる。即ち、通常、再生専用領域のデータ属性情報にアクセスした後、再生専用領域に実行可能形式で記録されたプログラムデータを外部のコンピュータに転送する転送ステップと、該外部のコンピュータにて自動的に該プログラムデータを実行して、書き換え可能領域にデータを記録する実行ステップとが行なわれる。
【0187】
図16はROMデータの自動実行操作の一例を示すフローチャートであり、オペレーティングシステムがWindows(マイクロソフト社製商品名)であるホストコンピュータに記録再生装置が接続されている場合の、かかる自動実行操作の説明のためのフローチャートである。
まず、図14のステップM12までのフローが実行された後の待機状態ステップM13を、図16のステップP0とし、ステップP1にて再生専用領域である第1セッションのファイル管理情報がISO9660の手順に従って取得される。Windowsでは、ステップP2においてルートディレクトリが検索され、autorun.infという名前のファイルがあれば、Yesルートを通り、ステップP3において該ファイルがホストコンピュータに転送され、ステップP4において該ファイルにて規定された内容のプログラムが自動的に起動して実行する(実行ステップ)。ここでautorun.infが他の実行形式プログラムファイルを指し示して、流用している場合は、順次指示されたファイルをホストコンピュータに転送し、実行する。ステップP5において一連のプログラムの実行が終了し、ステップP0に戻る。もし、ルートディレクトリに、autorun.infという名前のファイルが存在しなければ、図14のステップM13に戻って待機状態となる。なお、ステップP2にてautorun.infという名前のファイルがなければ、Noルートを通り、ステップP0からの処理が繰り返される。
【0188】
現在、もっとも広く普及し、コンピュータにほぼ100%内蔵されて出荷される光ディスクシステムであるCD−ROMとの互換性を維持する上で、ISO9660フォーマットは重要である。特に、ROM領域のデータが自動的にホストコンピュータに読み込まれ、実行されるようなブータブル・プログラムである場合は既存フォーマットとの完全な互換性が求められる。さらに、必ずしも普及の進んでいないUDFフォーマットを扱うデバイスドライバ(及びそれをインストールするプログラム)を、通常のCD−ROMデバイスドライバからアクセス可能なISO9660フォーマットでROMデータとして記録しておき、該プログラムをホストコンピュータ上に読み込んで、UDFデバイスドライバをインストールするような使用方法も想定される。
【0189】
図12(b)に示す配置は、第1セッションがUDFフォーマットのRAM領域,第2セッションがISO9660フォーマットのROM領域である。この図12(b)においては、第2セッションのデータに条件付再生可能属性を与える使用方法が特に有用である。すなわち、記録ドライブ装置は、第1セッションのRAM領域にのみユーザーデータを書き込む一方、ユーザーは、第2セッションにアクセスできないようにされており、そして、特定の暗号情報等をユーザーが入力することにより第2セッションのROM情報を読み出すように使用するのである。従って、所望のユーザーのみが、書き換えできる領域が、設けられるので、取り扱いが容易となる。
【0190】
いずれの場合も、ISO9660フォーマットのセッションの場合には、リードイン/リードアウト及びプログラム領域のすべてのブロックはユーザーデータブロックである。また、UDFフォーマットのセッションの場合には、リードイン/リードアウト及びプログラム領域に、図10に示すような、リンクブロック、ランインブロック、ユーザーデータブロック、ランアウトブロックが形成される。
【0191】
また、図12(a)、(b)のようにして、プログラム領域がマルチセッションフォーマットの規定に従って、2つのセッションに分割され、RAM領域となるセッションをひとまとめにして、UDFフォーマットに従った、固定長パケット記録領域として用いることができ、利便性が向上する。
一方、ISO9660とUDFとのそれぞれに対応したデバイスドライバを切り換える必要がない方が好ましい場合もある。UDF対応のデバイスドライバの普及が進めば、CD−RWでは、全プログラム領域をUDFフォーマットで管理できることが望ましい。その場合には図12(c)又は(d)のレイアウトが適している。図12(c)のレイアウトは、シングルセッションで、UDFの固定長パケット記録を行なうようにフォーマットされており、ROM領域とRAM領域とは、図10に示すようなリンクブロックを介して切り換わっている。また、図12(d)のレイアウトは、2セッションからなるマルチセッションフォーマットで、一方をROM領域とし、他方をRAM領域とし、共に、UDFの固定長パケット記録を行なうよう、図10のようにフォーマットされている。
【0192】
図12(c)及び図12(d)のレイアウトの場合、ROM領域は、一連の連続的なアドレス上にまとまって配置されることが望ましい。具体的には、ROM領域は、例えば、UDFで規定されるAVDP(Anchor Volume Descriptor Pointer、論理アドレスの257番地目に置かれる。)を基準として記載される一群のファイル管理情報データをRAMデータで記載した後に、まとめて配置することが望ましい。
【0193】
これにより、他のRAMデータの書き換えや、交代セクタ処理によって、RAMデータのサイズが増加したときに、RAMデータのアドレスが分断されないようになり、システム上、アクセス時間を節減しファイル管理情報を簡便化する上で望ましい。
図12(a)〜(d)のいずれの場合においても部分的にしろRAM型領域を有し、ユーザーデータ領域の内容が書き換わるならば、リードイン領域は書き換え可能であることが望ましい。PMA領域も一時的にリードインと同じく、ファイル管理情報を保管するのであるから、RAMデータであることが望ましい。
【0194】
しかし、リードアウト領域、特に図12(a)における第1セッションのROMデータがプレピット列からなる場合は、第1セッションのリードアウトはプレピットで形成しておくことが望ましい。リードアウトのデータは書き換えられることはないから、アドレスが固定しているのなら、プレピットで形成しても支障がないし、記録によってリードアウトを形成する時間を省略できる。また、PMAに記載するファイル管理情報において、第1セッションにかかわる情報のみをプレピット列からなるマスターROMデータで記載することも可能である。
【0195】
以上の、リードイン、PMAの記録処置(必要ならリードアウトの記録)は、工場での製造段階で行ない、ユーザーサイドでは前処理なしに、直ちにROMデータを再生し、あるいは、RAM領域への書き込みが行なえることが望ましい。なお、本CD−RWディスク10ではROM領域も、RAM領域もEFM変調信号で記録されており、サブコードによる絶対時間情報も切れ目なく連続していることが必要である。通常、ROM領域とRAM可能領域の切れ目は、コンパクトディスクにおけるデータの単位である、トラックもしくはセッションの切れ目に対応している必要がある。このデータの切れ目では、CD−RWの規格(オレンジブック・パート3)で規定されるデータの追記部でのlinking規則を適用することが必要である。特にプレピット列52からなるEFM信号データによって形成されたROM領域と、RAM領域とのつなぎ目では、上書きされるEFMデータ信号とプレピット列52のEFMデータ信号との間に未記録領域ができないよう、およそ2EFMフレーム以内の範囲のプレピットEFMデータ信号上に上書きするように上書きすべきEFMデータの記録を開始することが望ましい。上書きされた部分では、プレピット列52のデータは消去できないから、2種類のデータが混信してEFM信号は部分的に破壊されるが、この程度の範囲内であれば、CD再生システムのエラー訂正能力により訂正可能であり、再生ドライブ装置から出力されるデータに、エラーは伝播しない。
【0196】
このようにして、CD−RWディスク10において、論理的なROM、及び、ライトワンスタイプのディスクを実現できるとともに、部分的にROMデータを有するP−ROMディスクにおいて、ROMデータのRAMデータの識別を容易にし、実用的なファイル管理方法を構築することが可能となる。
(B)その他の態様
本発明は上述した実施態様及びその変形例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施することができる。
【0197】
上記の説明では、モード1フォーマットを使用した場合を想定したが、これ以外のモードでも可能であり、モードの差異は本発明の趣旨に影響するものではない。また、層構造の6層は一例であって、6層に限定されるものではない。
さらに、上記の説明は、CDフォーマットに限定されるものではなく、例えば、ATIPと同様の趣旨で設けられたADIP(address-in-pregroove)にも適用することもできる。このADIPとは、時間ではなく単に連続的な整数値でアドレスを表現したものである。また、記録ドライブ装置は、これを用いて、同一内容のデータを付加することが可能となる。
【0198】
そして、また、ウォブルは、溝の両側の壁が蛇行していても良いし、片側だけが蛇行していても良い。ここで、両側の壁が蛇行している場合に、それぞれの蛇行の周波数や変調方法が異なったものであっても良い。
さらに、ウォブルが、他の周期的な溝変形で実現されていてもよい。例えば、溝の深さの変動である。溝ピッチがCDフォーマットの如く約1.6μmで形成されていない、より高密度なトラックピッチを有する媒体にも当然適用可能である。
【0199】
プレピット列や相変化による記録データ列で記載される基本データ単位には、前述のCD−RWフォーマットのサブコードQチャネルやCD−ROMフォーマットのヘッダ情報のように、ユーザーデータと同様のビット情報としてアドレス情報等の付加データを付加する場合と、予め溝蛇行や、溝間あるいはプレピット列間の平坦部にアドレス情報等の付加データ情報を記載する場合とがある。溝蛇行による付加データの付与は、前述のCDフォーマットのATIPフレームの場合がその例である。一方、隣り合う溝の間の溝間部や隣接するプレピット列の間の平坦部に、凹凸ピット等の変形部や記録マークを設ける場合もありうる。図20は、プレピット列間及び溝間にピット列を設けてアドレスを含む付加データを付与した場合である。通常は、溝間をランドと称するが、プレピット列間の平坦部も広義のランドとみなすことができ、その広義のランド部に、ユーザーデータの基本単位のデータ列に沿って、ピット等の変形部を設けて、アドレスや付加データを付与するのである。その場合にも、図20(a)のように、再生専用領域プレピット列の列間の平坦部のピットによるアドレスを含む付加データ情報と、図20(b)に示す記録可能領域の溝間のピット乃至は記録マークによるアドレスを含む付加データ情報とは同一の論理構造を有し、アドレスは再生専用領域と記録可能領域とで連続していることが望ましい。また、ユーザーデータのみならず、これらの付加データも、再生専用領域と記録可能領域で同等の物理信号特性を有することがより望ましい。
【0200】
さらに、上述した内容においては、ディスクあるいはP−ROMであることの識別情報や、トラックないしはセッション単位でのROM領域のアドレス情報をリードインのサブコードQチャネルに記載しておく例をあげたが、リードイン領域のメインチャネルに記載しても良い。
ここで、ROM領域のアドレス情報とは、個々のROM領域の開始アドレス,終了アドレス,容量(データ長)のうちの少なくとも一つの情報(アドレス又は容量)である。さらに、個々のROM領域が、複数のユーザーデータファイルを含む場合に、それらのファイル構造(ディレクトリ構造や各ファイルの開始・終了アドレス等)を管理するファイル管理情報がつけ加えられたものは、広義のROM領域のアドレス情報とみなすことができる。
【0201】
その場合、リードイン領域における一部のアドレスのメインチャネルを、上記ROM領域のアドレス情報の記載に割り当てるようにして、プレピットによって、リードイン領域のメインチャネルに該ROM領域のアドレス情報を記入することもできる。例えば、固定長パケットを記録するときは、リードインにも図10に示すように、固定長パケットが多数形成されるので、その一部のパケットのユーザーデータブロックのメインチャネルに、上記アドレス情報をプレピットにより記載することが好ましい。
【0202】
なお、ROM領域のアドレス情報を、リードイン領域に、マスターROMデータとして記録する場合は、そのROMデータが、プレピットでなく、高周波数で変調されている溝変形等であっても良い。
(C)応用例
以下に本発明の再生専用領域を有する書き換え可能相変化媒体を有効に用いるための応用例と、その実行手段について述べる。
【0203】
本発明のP−ROM媒体の好ましい実施形態は、再生専用領域が、プレピット列によりデータを記録した第1再生専用領域とデータを書き込み再書き込み禁止をすることにより形成した第2再生専用領域とを有し、さらに、書き換え可能な領域を有する媒体である。この場合、第1再生専用領域は、マスターROM領域であり、第2再生専用領域はポストROM領域である。すなわち、上記好ましい形態の媒体は、マスターROM領域とポストROM領域とRAM領域との3種類の領域を全て同一のディスク上に設けてなる。
【0204】
以下に説明する内容は、このような3種類の領域を有する媒体の具体的な応用例である。
実行プログラムからならメインルーティンと複数の内容からなるカスタマイズされたデモンストレーションデータ集との2種類のデータをROMデータとして収録しておく。例えば、メインルーティンは、ユーザーインターフェースとしてメニュー画面を起動し、ユーザーの選択によって各種処理が実行されるようなプログラムである。ユーザーがメニュー画面にしたがって、特定のデモストレーションの実行を選択した場合、デモンストレーションデータ集から、選択されたデータを取得して、メインルーティンのプログラムによって、デモンストレーションが実行される。その後、該デモンストレーションに基づいてユーザーが復唱するなどしたユーザーデータが、RAM領域に記録される。
【0205】
そして、メインルーティンのプログラムをマスターROM領域に格納し、デモンストレーションデータ集は、個々のユーザーごとに異なった内容とすることができるようにカスタマイズ可能とするため、ポストROM領域に格納し、ユーザーデータをRAM領域に記録する。
さらに、具体的に説明するため、書き換え型コンパクトディスクの場合を考える。
【0206】
このような媒体においては、該アプリケーションプログラム及びユーザーデータが同一のファイル管理構造を有する固定長パケット単位で記録されることが望ましく、UDFフォーマットに従ったファイル管理方法を採用することが望ましい。
すなわち、例えば、図17に示すように記憶媒体上のデータを配置する。
【0207】
図17はP−ROMデータ配置の一例を示す図であるが、この図17に示すP−ROM媒体は、図4(a)に示すプログラム領域ACの最内周の連続した領域に所定のアプリケーションプログラムのデータが格納されたアプリケーションプログラム領域がROM属性を有する第1セッションとして形成され、残りの領域に少なくとも上記アプリケーションプログラムに関連するユーザーデータを記録可能なユーザーデータ記録領域が別のRAM属性を有する第2セッションとして設定されている。
【0208】
ここで、アプリケーションプログラムを含むROM属性のセッション(第1セッションのプログラム領域150)は、マスターROM領域152とポストROM領域153との両方から構成されるようにする。このROM属性のセッション(マスターROM領域152及びポストROM領域153)は、第1セッションリードイン領域141と第1セッションリードアウト領域160とでクローズされ、RAM属性のセッション(RAMセッション)は第2セッションリードイン領域142と第2セッションリードアウト領域161とでクローズされる。また、第1セッション,第2セッションはともに、UDFの規定により図10のパケット構造を有し、RAM領域154を含む第2セッションはUDFの規定に従って、あらかじめ図10のブロック構造がRAMデータにより記録されフォーマットされている。
【0209】
また、アプリケーションプログラムを含む第1セッション全体の属性としては、書き込み禁止(再生専用)属性としておき、第1セッションプログラム領域150に、プレピット列からなるマスターROM領域と、未記録の記録領域(案内溝のみが存在する)からなるポストROM領域とが連続して形成される。マスターROM領域152の終端とポストROM領域153の始端とは、図10に示すリンクブロック25aを介してつながっている。
【0210】
そして、セッション単位で再生専用もしくは書き換え可能の属性を付与するとともに、ATIPフレーム、EFMフレームあるいはブロック単位でデータ属性を規定することを併せ用いるのが好ましい。つまり、プレピット列からなるマスターROM領域152には、書き込み禁止(再生専用)属性を付与し、書き換え可能な未記録領域には、1回だけ(初回だけ)書き換え可能属性を付与する。最も好ましいのは、前述のように、マスターROM領域152のプレピット列もポストROM領域153の溝も蛇行させてATIPによって、データ属性を付与することである。
【0211】
そして、マスターROMデータ及びポストROMデータのそれぞれの記録は工場もしくは、ソフト作成者側でのみ実施するものとし、ユーザーに配布されて後は、ユーザー側では、第1セッションの属性規定に基づいて、書き込み禁止(再生専用)セッションとして、認識される。
また、マスターROM領域152及びポストROM領域153の境界では、蛇行した中心線を有するプレピット列から、溝蛇行に切り換わっていて、ATIP情報によるアドレスは連続的に付与されている。
【0212】
特に後者の具体的な応用例として、言語学習のためのアプリケーションを想定すると、図17においてユーザーインターフェースのためのメニュー画面や、該メニュー画面からの選択に基づいて、デモンストレーションデータを実行するための基本ルーティン(実行プログラム)155がマスターROM領域152に格納される。かかる基本ルーティンは、習得すべき外国語の種類によらない、すなわち、対象とするユーザーによらないのでマスターROMとして形成しておく。メインルーティンの表示は学習者の母国語、例えば、日本語とする。
【0213】
ここでデモンストレーションデータとは、手本となる、フレーズの発音に相当し、デモンストレーションのデータ集156として、ポストROM領域153に格納される。デモンストレーションデータは異なる言語ごとに異なる内容となるが、それは、工場またはソフト作成者側において、ポストROM領域153に記録される。内容は複数のフレーズからなり、それぞれ、別々のデモ1のデータ1,デモ2のデータ2、・・・、デモnのデータnとして、メニュー画面の選択に応じて、どのデモ番号のデータにでも直接アクセスできるように配置される。デモンストレーションのフレーズをユーザーが復唱したデータはAD変換でデジタル化されて、それぞれ、デモ1の復唱データ1、デモ2の復唱データ2、・・・・、デモnの復唱データnとなり、ユーザーデータ集のテーブル(デモンストレーションの復唱データ集)157として、RAM領域154に格納される。
【0214】
かかる媒体を用いた実行手段として、本発明の記録再生装置は、プログラム領域の内周もしくは外周側の連続した領域に所定のアプリケーションプログラムのデータが格納されたアプリケーションプログラム領域をROM属性(再生専用属性)を有するセッション(再生専用領域)として形成し、その連続した領域の残りの領域に少なくとも上記アプリケーションプログラムに関連するユーザーデータが記録可能なユーザーデータ記録領域をRAM属性(書き換え可能属性)を有する別のセッション(書き換え可能領域)として設定し、該アプリケーションの再生と該アプリケーションに関連するユーザーデータの記録再生とを行なう記録再生装置である。そして、提案する本発明の記録再生装置は、上記ディスク状媒体を装填して、P―ROM(部分的に再生専用領域を有する書き換え可能型相変化型光ディスク)であることを認識する認識手段と、この認識手段にて認識されたROMセッションにアクセスして、アプリケーションプログラムのデータを取得しそのプログラム内容を実行しうるプログラム実行手段と、このプログラム実行手段により実行されたアプリケーションプログラムに従って、所要の情報を入力することのできる情報入力手段と、このユーザーデータ記録領域にアクセスして、上記情報入力手段により入力された情報をユーザーデータとして記録することのできる記録手段とをそなえて構成されている。
【0215】
図18はP−ROMの記録再生方法を説明するフローチャートであり、本フローチャートは、例えば、図19に示す記録再生システムを用いて実現される。図19は本発明の一実施形態に係る記録再生システムの構成図であるが、この図19に示す記録再生システムは、本発明の部分的に再生専用領域を有するCD−RWディスク(P−ROMディスク)210と、該媒体を記録再生するための記録再生装置220、及び、該記録再生装置220に接続されたホストコンピュータ(ホストPC)230を少なくとも含む。このホストコンピュータ230には、ユーザーとの入出力のやりとりをするインターフェースも含まれている。ここで、記録再生装置220とホストコンピュータ230とは、相互にデータ転送が可能なように、データ転送路240で接続されている。ホストコンピュータ230のCPU250によって、アプリケーションプログラムが解読実行される。また、一時記憶メモリ260は、固体メモリもしくはハードディスクであり、プログラム実行中のワークスペースとして利用される。
【0216】
また、図18に示すステップS0から処理が開始され、ステップS1において本発明のP−ROMディスクが装着される。ここで、通常、ディスクの回転開始、フォーカス及びトラッキングサーボ等が確立される。続いて、ステップS2において、リードイン領域、PMA領域、PCA領域のそれぞれにおいてディスクの管理情報が読み込まれる。このディスクの管理情報は、記録時の最適記録パワーや線速度に関する情報とともに、ディスクのタイプがCD−RWであることや、さらには、P−ROMタイプのディスクであることが判定される。
【0217】
引き続きステップS3により、リードイン領域、PMA領域において該ディスクがマルチセッションであることが判定される。そして、ROMセッションである第1セッションのプログラム領域のファイル情報が取得される。
なお、ステップS1からステップS3は、CD−RWの記録再生装置220内において実行される。また、ステップS1、S2、S3では、それぞれ、より詳細には、図15のフローチャートに示すようなフローが実行される。
【0218】
また、図18のステップS4において、CD−RWディスク210においてマスターROM領域152のアプリケーションプログラムのメインルーティンのデータがホストコンピュータ230に読み込まれ、以後のステップはホストコンピュータ230のCPU250により、記録再生装置220とデータとのやりとりをしながら実行される。
【0219】
通常は、ステップS5にあるように、まず、ユーザーインターフェースであるメニュー画面が起動され、ユーザーに以後の実行プログラムの動作を選択させる。ここで、ステップS6において、デモンストレーションの実行と、実行すべきデモンストレーションの内容とが選択され、デモンストレーションの実行開始が指示される。ここで、最初に選択されたデモンストレーションをデモ1と称することにする。
【0220】
また、ステップS7において、デモンストレーションの具体的内容が記載されたCD−RWディスク210のポストROM領域153の所定アドレスがアクセスされ、デモ1のデータが取得される。通常は、このデータは、一旦ホストコンピュータ内の固体バッファメモリもしくはハードディスク等の一時記憶メモリに一時記憶され、該一時記憶メモリ260より読み出されて、ステップS8において、音声や画像に変換されてデモンストレーションとして実行される。
【0221】
ここで、上記アプリケーションプログラムを実行する過程は、例えば、言語学習のようなアプリケーションを想定すれば、所定のセンテンスを発語させるデモンストレーションの再生が行なわれ、該デモンストレーションに従ってユーザーからの情報入力を促す。
さらに、ステップS9においてユーザーからの割り込み1があり、ユーザーからのデータ入力に移行しない場合には、ルートR1により繰り返しデモンストレーションが行なわれ、そして、ユーザーからのデータ入力に移行する旨の割り込み1が実行された場合には、ステップS10において、CD−RWディスク210のRAM領域がアクセスされて待機となり、ステップS11においてユーザーからのデータ入力がなされるが、これは、言語学習を例にとると、ユーザーがデモ1の内容を復唱することに相当する。該音声データは、ホストコンピュータ230においてAD変換されて、ホストコンピュータ230内の一時記憶メモリ260に一時記憶される。また、ユーザーデータとデモ1のデータとは、それぞれ、左右のチャネルに割り当てられて合成され、ステレオ録音としてもよい。これにより、デモ1の内容とユーザーの復唱内容との比較が容易になる。
【0222】
次に、ステップS12において、記録再生装置220にデータが転送され、CD−RWディスク210のRAM領域に該ユーザーデータが記録され、ステップS13において、必要に応じてユーザーの入力データが即時再生される。ここで、ステップS14のユーザー割り込み2において、ユーザーデータを再入力するルートR2もしくはデモ1の繰り返し実行まで戻るルートR3が選択できるが、その必要がなければ、ステップS15において次のデモンストレーション(デモ2)に移行するか、デモンストレーションを終了するかの選択がなされる。次のデモンストレーションに移行するならば、ルートR4(Yesルート)を経由して、ステップS6に復帰し、デモ選択操作がなされる。
【0223】
終了する場合には、Noルートを通り、ステップS16において、RAM領域に新たに記録されたユーザーデータに基づき、ファイル管理情報が更新され、ステップS17において、デモンストレーションが終了し、ルートR5によりメニュー画面に復帰する。
本発明のマスターROM,ポストROM,RAMの3種類の領域を有するCD−RWは、上記言語学習のような具体例のほかに、マスターROM領域に初回バージョンのアプリケーションプログラムを格納し、その部分的なバージョンアップ(更新)が必要なときに、プログラムの補正に必要な部分だけを、ポストROM領域に格納していくような使用方法も可能である。初回バージョンのアプリケーションプログラムは、後からポストROMとして追加される全てのアプリケーションに共通する更新不要な基本プログラムとすることもできる。
【0224】
また、図17において、マスターROM,ポストROM及びRAMはそれぞれ、内周から順に配置されたが、必ずしもこのような順番でなくても良い。さらに、図12(c)のように、セッションに区切らないUDFフォーマットで、マスターROM,ポストROM及びRAM領域を配置しても良い。
【0225】
【発明の効果】
以上、詳述したように、本発明によれば、書き換え可能相変化ディスク、特に、CD−RWにおいて、書き込み禁止(再生専用)、一度だけ書き換え可能、任意に書き換え可能の3種のデータ属性をCDフォーマットのデータの基本単位である、1/75秒単位のフレームごと、あるいはユーザーデータの1ブロックごとに規定できる。これにより、本来書き換え型のデータを、論理的なROMデータとして扱うことができる。また、CD−RWを見かけ上ライトワンス型媒体として利用できる。
【0226】
さらに、プレピットからなる物理的なROM領域、あるいは、上記論理的なROM領域と、RAM領域を混載し、いずれの領域も同じ相変化媒体で被覆されたP−ROMディスクにおいて、ROMデータへの上書きを禁止でき、ROMデータの破壊、改竄を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はデータが未記録の書き換え領域における案内溝の模式図であり、(b)はプレピット列からなる再生専用領域の案内溝の模式図である。
【図2】EFM変調信号のアナログ信号の波形図である。
【図3】(a)は本発明を適用されるCD−RWディスクの層構造を示す模式図であり、(b)はCD−RWディスクの凹部の模式図である。
【図4】(a)は本発明を適用されるCD−RWディスクの領域を説明するための図であり、(b)は本発明を適用されるCD−RWディスクの斜視図である。
【図5】ATIPのデータ構造を示す図である。
【図6】ATIPを利用したファイル書き込みのフローチャートである。
【図7】98個のフレームを並べたブロックを示す図である。
【図8】Qチャネルのデータ構造を示す図である。
【図9】EFM変調信号を利用したファイル書き込みのフローチャートである。
【図10】固定長パケット記録におけるパケット構造を示す図である。
【図11】ブロック属性を利用したファイル書き込みのフローチャートである。
【図12】(a)〜(d)は、それぞれ、P−ROMのフォーマットに対応した領域構成図である。
【図13】3つのセッションに区切られたマルチセッションフォーマットがなされたCDの領域構成例の説明図である。
【図14】マルチセッションの場合におけるセッションごとの属性判定のフローチャートである。
【図15】P−ROMにおける簡易消去方法の一例を示すフローチャートである。
【図16】ROMデータの自動実行操作の一例を示すフローチャートである。
【図17】P−ROMデータ配置の一例を示す図である。
【図18】P−ROMの記録再生方法を説明するフローチャートである。
【図19】本発明の一実施形態に係る記録再生システムの構成図である。
【図20】(a),(b)は、それぞれ、溝間又はプレピット列間の平坦部に付加データ情報を記載したP−ROMを模式的に示す、上面からの部分拡大図である。
【符号の説明】
22 ATIPにおけるBCDデータ構造
22a,22b,22c それぞれATIPにおける分、秒、フレーム単位のデータ
23 ブロック
24 Qチャネルのデータ
25 パケット
25a リンクブロック
25b,…,25c ランインブロック
26a,…,26b ユーザーデータブロック
27a,27b ランアウトブロック
49 凹部
50 案内溝
50a,50c 溝壁
50b ピット列の中心線
51 書き換え領域
52 プレピット(プレピット列,ピット列)
110a 保護コート
110b 反射膜
110c,110e 保護層
110d 相変化型記録層(記録層)
110f ポリカーボネート基板
140 PCA/PMA領域
141 第1セッションリードイン領域
142 第2セッションリードイン領域
150 第1セッションプログラム領域
151 第2セッションプログラム領域
152 マスターROM領域
153 ポストROM領域
154 RAM領域
155 実行プログラム
156 デモンストレーションのデータ集
157 デモンストレーションの復唱データ集
160 第1セッションリードアウト領域
161 第2セッションリードアウト領域
210 CD−RWディスク
220 記録再生装置
230 ホストコンピュータ(ホストPC)
240 データ転送路
250 CPU
260 一時記憶メモリ

Claims (20)

  1. 基板上に相変化型記録層を設けてなり、情報記録領域に第1再生専用領域と書き換え可能領域とを有する光学的情報記録媒体の前記書き換え可能領域にデータを記録する、データ記録方法であって、
    (1)前記光学的情報記録媒体は、
    前記第1再生専用領域及び前記書き換え可能領域とが、同一の層構成を有してなり、
    前記第1再生専用領域及び前記書き換え可能領域のデータ及びアドレス情報が、互いに同一の論理構造を有する基本データ単位からなり、それぞれ再生専用又は書き換え可能なデータであることを識別できる付加データを該単位若しくは該単位を複数個含むデータ単位ごとに有してなり、
    前記書き換え可能領域に、その中心線が記録再生用光ビームの走査方向に対して所定の振幅の蛇行を有する溝が設けられていると共に、
    前記第1再生専用領域におけるデータが、基板上に設けられた複数のプレピット列によって得られ、
    前記プレピット列の中心線が前記光ビームの走査方向に対して前記溝の振幅と略同一の振幅の蛇行を有しており、且つ、前記溝の蛇行と前記プレピット列の中心線の蛇行とによって連続したアドレス情報が付与されてなり、
    前記溝の蛇行と前記プレピット列の中心線の蛇行による搬送周波数が、デジタル情報によって周波数変調又は位相変調されており、それによって前記付加データが付与されてなり、
    前記光学的情報記録媒体が前記第1再生専用領域を有する書き換え型媒体であることを認識するための識別情報が、前記記録媒体の特定領域の基板上に予めプレピット若しくは溝変形として記載されており、
    前記識別情報とともに、少なくとも前記第1再生専用領域の開始アドレスが、前記特定領域の基板上に予めプレピット若しくは溝変形として記載されており、
    前記第1再生専用領域及び前記書き換え可能領域に含まれるファイルのファイル管理情報が前記書き換え可能領域に記載されてなり、
    前記第1再生専用領域は、所定のアプリケーションプログラムのデータが格納されたアプリケーションプログラム領域を有し、
    前記書き換え可能領域は、少なくとも前記アプリケーションプログラムに関連するユーザーデータを記録できるユーザーデータ記録領域を有してなり、
    (2)前記データ記録方法においては、
    前記光学的情報記録媒体を装填して前記識別情報を取得することにより、部分的に前記第1再生専用領域を有する書き換え可能型相変化型光ディスクであることを認識しうる認識ステップと、
    前記認識ステップにて認識された前記第1再生専用領域にアクセスして、前記アプリケーションプログラムのデータを取得しそのプログラム内容を実行しうるプログラム実行ステップと、
    前記プログラム実行ステップにより実行されたアプリケーションプログラムに従って、所要の情報を入力することのできる情報入力ステップと、
    前記情報入力ステップにより入力された情報をユーザーデータとして記録することのできる記録ステップと、
    をそなえてなり、
    前記記録ステップにおいては、記録を行うべき領域の前記付加データを認識して、前記領域が前記書き換え可能領域である場合には記録を行い、前記領域が前記第1再生専用領域である場合には記録を行わずにエラーメッセージを送出して他の領域へ移動する
    ことを特徴とする、データ記録方法。
  2. 前記光学的情報記録媒体が、付加データを有する基本データ単位として、固定長のデータを使用する媒体である、請求項1に記載のデータ記録方法。
  3. 前記光学的情報記録媒体の情報記録領域のデータが、コンパクトディスク互換であるEFM変調信号である、請求項1又は請求項2に記載のデータ記録方法。
  4. 前記光学的情報記録媒体のATIPフレームに、書き換え可能か又は再生専用かのどちらの属性に属するかが規定されている、請求項3に記載のデータ記録方法。
  5. 前記ATIP情報は、分、秒及びフレーム単位でそれぞれ2桁のBCDコードの絶対時間で記載されており、前記分、秒及びフレームを表記する8ビットの最上位桁をそれぞれM1、S1及びF1とするとき、プログラム領域における(M1,S1,F1)の(0,0,0)、(0,0,1)、(0,1,0)及び(0,1,1)のいずれかに対応させて、前記属性が規定されていることを特徴とする、請求項4に記載のデータ記録方法。
  6. 前記光学的情報記録媒体のEFMフレームに、書き換え可能か又は再生専用かのどちらの属性に属するかが規定されていることを特徴とする、請求項3に記載のデータ記録方法。
  7. 前記光学的情報記録媒体におけるサブコードのQチャネルのうちの特定の2ビットに対応させて、該サブコードの指定するフレームの前記属性が規定されていることを特徴とする、請求項6に記載のデータ記録方法。
  8. 前記光学的情報記録媒体のブロックに、書き換え可能か又は再生専用かのどちらの属性に属するかが規定されていることを特徴とする、請求項3に記載のデータ記録方法。
  9. 前記ブロックのヘッダーに含まれるモード情報を記載する複数ビットのうちの特定の2ビットに対応させて、該ブロックの前記属性が規定されていることを特徴とする、請求項8に記載のデータ記録方法。
  10. 前記光学的情報記録媒体の書き換え可能か否かの属性が、さらに、初回のみ書き換え可能か否かの属性と、繰り返し書き込みが可能か否かの属性とを有することを特徴とする、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載のデータ記録方法。
  11. 前記光学的情報記録媒体において、マルチセッションフォーマットの規定に従って、プログラム領域を複数のセッションに分割し、分割された一部のセッションを再生専用とし、分割された他のセッションを書き換え可能としたことを特徴とする、請求項3乃至請求項10のいずれか1項に記載のデータ記録方法。
  12. 前記光学的情報記録媒体のプログラム領域を、ISO9660ファイル構造の再生専用データからなる第1セッションと書き換え型領域からなる第2セッションとに分割し、前記第1セッションのユーザーデータおよびリードアウトを再生専用データとし、リードイン領域、PMA領域及びPCA領域を書き換え可能としたことを特徴とする、請求項11に記載のデータ記録方法。
  13. 前記光学的情報記録媒体におけるマルチセッションフォーマットの各セッションのリードイン領域に、該セッションが、書き換え可能又は再生専用のどちらの属性に属するかを示す情報が含まれていることを特徴とする、請求項11又は請求項12に記載のデータ記録方法。
  14. 前記光学的情報記録媒体において、リードイン領域又はマルチセッションフォーマットの最初のセッションのリードイン領域のATIPで記載された特別情報に、第1再生専用領域と書き換え可能領域とを有する光学的情報記録媒体であることを示す情報が含まれていることを特徴とする、請求項3乃至請求項13のいずれか1項に記載のデータ記録方法。
  15. 前記光学的情報記録媒体において、リードイン領域又はマルチセッションフォーマットの最初のセッションのリードイン領域のEFMデータに、第1再生専用領域と書き換え可能領域とを有する光学的情報記録媒体であることを示す情報が含まれていることを特徴とする、請求項3乃至請求項13のいずれか1項に記載のデータ記録方法。
  16. 前記光学的情報記録媒体が、前記第1再生専用領域に加えて、書き換え可能領域にデータを記録した後に再書き込みを禁止することにより形成した第2再生専用領域を有するように構成されたことを特徴とする、請求項1乃至請求項15のいずれか1項に記載のデータ記録方法。
  17. 前記光学的情報記録媒体において、前記第1再生専用領域に所定の更新不要なアプリケーションプログラムが格納されるとともに、前記第2再生専用領域に更新可能又はカスタマイズされたアプリケーションプログラムが格納され、前記書き換え可能領域に少なくとも前記アプリケーションプログラムに関連するユーザーデータを記録可能なユーザーデータ記録領域を設けてなることを特徴とする、請求項16に記載のデータ記録方法。
  18. 前記光学的情報記録媒体のデータフォーマットがCD−RWフォーマットであって、ファイル管理情報が前記光学的情報記録媒体の書き換え可能であるリードイン領域、PMA領域に保管されることを特徴とする、請求項1に記載のデータ記録方法。
  19. 基板上に相変化型記録層を設けてなり、情報記録領域に第1再生専用領域と書き換え可能領域とを有する光学的情報記録媒体の書き換え可能領域のデータの消去方法であって、
    (1)前記光学的情報記録媒体は、
    前記第1再生専用領域及び前記書き換え可能領域とが、同一の層構成を有してなり、
    前記第1再生専用領域及び前記書き換え可能領域のデータ及びアドレス情報が、互いに同一の論理構造を有する基本データ単位からなり、それぞれ再生専用又は書き換え可能なデータであることを識別できる付加データを該単位若しくは該単位を複数個含むデータ単位ごとに有してなり、
    前記書き換え可能領域に、その中心線が記録再生用光ビームの走査方向に対して所定の振幅の蛇行を有する溝が設けられていると共に、
    前記第1再生専用領域におけるデータが、基板上に設けられた複数のプレピット列によって得られ、
    前記プレピット列の中心線が前記光ビームの走査方向に対して前記溝の振幅と略同一の振幅の蛇行を有しており、且つ、前記溝の蛇行と前記プレピット列の中心線の蛇行とによって連続したアドレス情報が付与されてなり、
    前記溝の蛇行と前記プレピット列の中心線の蛇行による搬送周波数が、デジタル情報によって周波数変調又は位相変調されており、それによって前記付加データが付与されてなり、
    前記光学的情報記録媒体が前記第1再生専用領域を有する書き換え型媒体であることを認識するための識別情報が、前記記録媒体の特定領域の基板上に予めプレピット若しくは溝変形として記載されており、
    前記識別情報とともに、少なくとも前記第1再生専用領域の開始アドレスが、前記特定領域の基板上に予めプレピット若しくは溝変形として記載されており、
    前記第1再生専用領域及び前記書き換え可能領域に含まれるファイルのファイル管理情報が前記書き換え可能領域に記載されてなり、
    前記第1再生専用領域は、所定のアプリケーションプログラムのデータが格納されたアプリケーションプログラム領域を有し、
    前記書き換え可能領域は、少なくとも前記アプリケーションプログラムに関連するユーザーデータを記録できるユーザーデータ記録領域を有してなり、
    (2)前記データ消去方法においては、
    前記光学的情報記録媒体が前記第1再生専用領域を含む書き換え型であることを示す識別情報を認識する認識ステップと、
    前記第1再生専用領域のファイル管理情報を取得してそのファイル管理情報を記憶装置に転送するメモリ転送ステップと、
    該記録媒体の書き換え可能領域に記載された前記第1再生専用領域及び前記書き換え可能領域のファイル管理情報を消去する消去ステップと、
    該書き換え可能領域に、該記憶装置に転送された前記第1再生専用領域のファイル管理情報を記録する再記録ステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、データ消去方法。
  20. リードイン領域を有するセッション領域を複数有するマルチセッションフォーマットのコンパクトディスクにおいて先頭のセッション領域のリードイン領域に記録された特別情報に基づき該コンパクトディスクが前記第1再生専用領域を有する書き換え型であることを識別する識別ステップと、
    該複数のセッション領域における該リードイン領域のそれぞれから書き換え可能、一回だけ記録可能又は書き込み禁止に関する属性を抽出する抽出ステップと、
    該抽出ステップにて抽出された該属性が該書き込み禁止である場合には、その書き込み禁止セッション領域のファイル管理情報を記憶装置に転送するメモリ転送ステップと、
    該先頭のセッション領域における該リードイン領域に記録されたファイル管理情報を消去する消去ステップと、
    該先頭のセッション領域に、該記憶装置に転送された該書き込み禁止セッション領域のファイル管理情報が再登録されるステップとをそなえて構成されたことを特徴とする、書き換え可能型コンパクトディスクの書き換え可能領域のデータ消去方法
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