JP3636783B2 - 顔領域判断方法、複写方法及び露光量決定方法 - Google Patents

顔領域判断方法、複写方法及び露光量決定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は顔領域判断方法、複写方法及び露光量決定方法に係り、特に、原画像中の人物の顔に相当する領域を判断する顔領域判断方法、原画像中の人物の顔をに相当する領域が適正となるように複写する複写方法及び原画像中の人物の顔を含む主要部に相当する領域が適正に焼付けされるように露光量を決定する露光量決定方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
写真の観賞においては、例えば人物写真では人物の顔が最も注目される等のように、画像中の特定の部分(以下、主要部という)が注目されることが殆どであり、フィルム等に記録された原画像を印画紙等に焼付ける場合には、人物の顔等の主要部が適正に焼付けされるように露光量を決定する必要がある。
【0003】
このため、主要部は画像の略中央部に位置している確率が高いとの経験則に基づいて、フィルム画像を予め固定的に定められた複数の領域に分割すると共に、画像の略中央部に位置している領域の重みが重くなるように各領域を重み付けし、各領域の3色の透過濃度の加重平均値を求め、該加重平均値に基づいて露光量を決定することが従来より行われている。
【0004】
しかし、上記では主要部が実際に画像の略中央部付近に位置していれば、主要部が適正に焼付される露光量を得ることができるが、主要部が画像の中央部から大きく外れた位置に位置している場合には適正な露光量を得ることができないという問題があった。また上記では、ストロボを使用して撮影した画像や逆光のシーンを撮影した画像等のように、濃度フェリアやカラーフェリアが発生し易い画像についても、適正な露光量を得ることが難しいという問題があった。
【0005】
また、フィルムに画像を撮影するカメラとしては、現在「写るんです」(富士写真フイルム社製、商品名)等の固定露出のレンズ付きフィルムから、露出を自動的に決定するAE機能や自動的に合焦させるAF機能を備えた高級カメラ迄、多数種類のカメラが流通している。特にAE機能を備えたカメラは固定露出のレンズ付きフィルムと比較して露出精度が高く、各種シーン毎の露出のばらつきが小さいので、このようなカメラによってフィルムに撮影された画像からは、適正プリントを高い得率で得られることが期待される。しかし、上記技術では単に画像の各部分の透過濃度から露光量を決定しているので、AE機能を備えたカメラによって撮影された画像であっても適正プリントの得率の向上の程度は僅かであり、画像を撮影したカメラの機能が十分には活かされていない、という問題もあった。
【0006】
また画像中の主要部としての人物の顔に相当する領域を抽出する技術として、本出願人は、特開平4-346332号公報において、カラー原画像を多数画素に分割し各画素毎に3色に分解して測光し、測光により得られたデータに基づいて色相値(及び彩度値)についてのヒストグラムを求め、求めたヒストグラムを山毎に分割し、各画素が分割した山の何れに属するかを判断して各画素を分割した山に対応する群に分け、各群毎にカラー原画像を複数の領域に分割し、該複数の領域のうち人物の顔に相当する領域を推定し、推定した領域の測光データに基づいて露光量を決定することを提案している。
【0007】
また、特開平6-160993号公報には、人物の顔に相当する領域を抽出する確度を向上させるために、画像の外縁に接している領域を背景領域と判断して除去したり、抽出した領域を線図形化し、抽出した領域の周辺に位置している近傍領域の形状及び抽出した領域の形状に基づいて、抽出した領域が人物の顔に相当する領域であるか否かを判断することも提案されている。
【0008】
しかしながら、上記では、原画像に例えば地面や木の幹等の肌色領域が存在しており、該肌色領域の色相及び彩度が原画像中の人物の顔に相当する領域の色相及び彩度と近似していた場合、この領域を人物の顔に相当する領域と誤判定する可能性がある。また、この肌色領域が人物の顔に相当する領域と隣接していた場合、肌色領域と人物の顔に相当する領域とを分離できず、人物の顔に相当する領域を適正に抽出することができない。そして、人物の顔に相当する領域を適正に抽出できなかった場合、人物の顔が適正に焼付けできる露光量を得ることができない、という問題があった。
【0009】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、人物の顔に相当する領域の抽出精度を向上させることができる顔領域判断方法を得ることが目的である。
【0010】
また本発明は、原画像中の人物の顔に相当する領域が適正となるように複写できる複写方法を得ることが目的である。
【0011】
また本発明は、原画像中の人物の顔に相当する領域の抽出精度を向上させ、人物の顔を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることができる露光量決定方法を得ることが目的である。
【0012】
また本発明は、露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像を自動的に識別し、該画像の主要部に相当する領域を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることができる露光量決定方法を得ることが目的である。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る顔領域判断方法は、原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出し、抽出した所定領域のデータを記憶することを複数の原画像に対して各々行い、前記記憶した各原画像の前記所定領域のデータに基づいて各原画像の前記所定領域の類似度を相互に演算し、類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定数以上存在している所定領域、又は類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定値以上の頻度で存在している所定領域を人物の顔に相当する領域である確度が高い領域と判断する。
【0014】
請求項1の発明では、複数の原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域の類似度を相互に演算し、類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定数以上存在している所定領域、又は類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定値以上の頻度で存在している所定領域を人物の顔に相当する領域である確度が高い領域と判断するので、前記所定領域として、人物の顔に相当する領域でない領域が誤って抽出された場合にも、該領域を人物の顔に相当する領域である確度の高い領域と誤判断する可能性は非常に低く、人物の顔に相当する領域の抽出精度を向上させることができる。
【0015】
請求項2記載の発明に係る複写方法は、原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出し、抽出した所定領域のデータを記憶することを複数の原画像に対して各々行い、前記記憶した各原画像の前記所定領域のデータに基づいて各原画像の前記所定領域の類似度を相互に演算し、類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定数以上存在している所定領域、又は類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定値以上の頻度で存在している所定領域を人物の顔に相当する領域である確度が高い領域と判断し、人物 の顔に相当する領域である確度が高いと判断した所定領域が存在している原画像については、前記所定領域の色又は濃度の少なくとも一方に基づいて複写材料へ複写する。
【0016】
請求項2の発明では、請求項1の発明と同様にして、人物の顔に相当する領域である確度が高い所定領域を判断するので、人物の顔に相当する領域の高精度に抽出することができ、人物の顔に相当する領域である確度が高いと判断した所定領域が存在している原画像については、所定領域の色又は濃度の少なくとも一方に基づいて複写材料へ複写するので、原画像中の人物の顔に相当する領域が適正となるように複写できる。
【0017】
ところで、本願発明者は画像の撮影に用いたカメラの機能と、撮影された画像の内容との関係について実験を行った。その結果、露出を自動的に決定する機能(AE機能)を備えたカメラにより前記機能を用いて撮影された画像は、画像中の人物の顔に相当する領域が適正露出で撮影されている確率が高いことから、画像中の人物の顔に相当する領域の濃度のばらつきが小さく、前記領域の濃度が所定範囲内に収まっていることが明らかとなった。
【0018】
上記に基づき請求項3記載の発明に係る露光量決定方法は、原画像を測光し、測光によって得られたデータに基づいて原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出することを、複数の原画像に対して各々行い、前記複数の原画像中の前記所定領域の濃度のばらつきを求め、前記求めた濃度のばらつきが所定値以下の場合には、前記原画像が、露出を自動的に決定する機能を備えたカメラにより前記機能を用いて撮影された画像であると判断し、原画像から得られたデータを用い、予め定められた、前記カメラの露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像用の露光量演算方法に従って、前記複数の原画像の露光量を各々決定する。
【0019】
上記のように、複数の原画像人物の顔に相当すると推定される所定領域の濃度のばらつきに基づいて、前記複数の原画像が、露出を自動的に決定する機能を備えたカメラにより前記機能を用いて撮影された画像であるか否かを高い確度で自動的に識別することができる。そして、請求項3の発明において、露出を自動的に決定する機能を備えたカメラにより前記機能を用いて撮影された画像であると判断した場合は、原画像から得られたデータを用い、予め定められた、カメラの露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像用の露光量演算方法に従って、複数の原画像の露光量を各々決定するので、露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像の主要部に相当する領域を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることができる。
【0020】
請求項記載の発明に係る露光量決定方法は、原画像を測光し、測光によって得られたデータに基づいて原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出し、抽出した所定領域のデータを記憶することを同一の写真フィルムに記録された複数の原画像に対して各々行い、前記記憶した各原画像の前記所定領域のデータに基づいて各原画像の前記所定領域の類似度を相互に演算し、類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定数以上存在している所定領域、又は類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定値以上の頻度で存在している所定領域を人物の顔に相当する領域である確度が高い領域と判断し、人物の顔に相当する領域である確度が高いと判断した所定領域が存在している原画像については、前記所定領域の色又は濃度の少なくとも一方に基づいて複写材料への露光量を決定する。
【0021】
本願発明者は、同一の写真フィルムに記録されている複数の画像の内容の統計的性質について検討した。その結果、同一の写真フィルムに記録されている画像には、同一人物が登場するシーンを撮影した画像が多数存在(又は連続)している可能性が高いのに対し、同一の背景のシーンを撮影した画像が1本の写真フィルムに多数コマ連続している可能性は低いことに想到した。従って、原画像からの人物の顔に相当すると推定される領域の抽出に際し、人物の顔に相当する領域でない領域(例えば背景に相当する領域)が誤って抽出された場合にも、この領域が他の原画像から抽出された所定領域と類似している可能性は低い。
【0022】
請求項の発明では、同一の写真フィルムに記録された複数の原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域の類似度を相互に演算し、類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定数以上存在している所定領域、又は類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定値以上の頻度で存在している所定領域を人物の顔に相当する領域である確度が高い領域と判断するので、前記所定領域として、人物の顔に相当する領域でない領域が誤って抽出された場合にも、該領域を人物の顔に相当する領域である確度の高い領域と誤判断する可能性は非常に低く、人物の顔に相当する領域の抽出精度を向上させることができる。そして、顔領域である確度が高いと判断した所定領域が存在する原画像については、前記所定領域の色又は濃度の少なくとも一方に基づいて複写材料への露光量を決定するので、人物の顔に相当する領域を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることができる。
【0023】
なお、類似度は、例えば各原画像から抽出した所定領域の大きさ及び所定領域内の濃度を各々正規化した後に、各原画像の所定領域の間で2次元マッチングをとることにより求めることができる。また、各画像から抽出した所定領域のデータから濃度ヒストグラムを求め、各画像の所定領域の濃度ヒストグラムを比較することによっても求めることができる。
【0024】
ところで、上記前記複写材料への露光量の決定に際し、人物の顔に相当する領域である確度が高いと判断した所定領域が原画像中に複数存在している場合、複数の所定領域の各々の色又は濃度の少なくとも一方に基づいて各々求めた複数の露光量が近似していれば、何れの領域の色や濃度に基づいて露光量を決定してもよい。しかし、複数の所定領域の各々の色又は濃度の少なくとも一方に基づいて各々求めた複数の露光量のうちの少なくとも1つが他の露光量と所定量以上異なっているときには、前記複数の所定領域に人物の顔に相当する領域でない領域が混在している可能性がある。この場合、人物の顔に相当する領域を明確には特定できないので、前記複数の露光量のうちの何れを複写材料への露光量として採用するかを自動的に決定することは困難である。
【0025】
このため、請求項に記載したように、人物の顔に相当する領域である確度が高いと判断した所定領域が原画像中に複数存在している場合には、複数の所定領域の各々の色又は濃度の少なくとも一方に基づいて複数の露光量を各々求め、求めた複数の露光量の少なくとも1つが他の露光量と所定量以上異なっているときには、複数の露光量を各々用いて原画像の焼付けを行った結果を推定して複数のシミュレーション画像を求め、求めた複数のシミュレーション画像を表示手段に各々表示し、表示した複数のシミュレーション画像の中から選択されたシミュレーション画像に対応する露光量を複写材料への露光量とすることが好ましい。
【0026】
なお、シミュレーション画像の選択を容易にするためには、シミュレーション画像としてポジ画像を表示することが好ましく、写真フィルムがネガフィルムである場合にはネガ−ポジ変換を行って表示することが好ましい。これにより、オペレータは複数の露光量のうち何れの露光量が適正かを、表示された複数のシミュレーション画像を参照することによって容易に判断し選択することができる。そして選択されたシミュレーション画像に対応する露光量が複写材料への露光量として採用されるので、人物の顔に相当する領域を明確に特定できない場合にも、人物の顔に相当する領域を適正に焼付けできるように露光量を決定することができる。
【0027】
また、前述のように、露出を自動的に決定する機能(AE機能)を備えたカメラにより前記機能を用いて撮影された画像は、画像中の人物の顔に相当する領域が適正露出で撮影されている確率が高いため、画像中の人物の顔に相当する領域の濃度のばらつきが小さく、前記領域の濃度が所定範囲内に収まっていることに基づき、請求項6記載の発明に係る露光量決定方法は、同一の写真フィルムに記録された複数の原画像を各々測光し、測光によって得られたデータに基づいて原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出することを、前記複数の原画像に対して各々行い、前記複数の原画像中の前記所定領域の濃度のばらつきを求め、前記求めた濃度のばらつきが所定値以下の場合には、前記写真フィルムに記録された原画像が、露出を自動的に決定する機能を備えたカメラにより前記機能を用いて写真フィルムに撮影された画像であると判断し、原画像を測光することによって得られたデータを用い、予め定められた、前記カメラの露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像用の露光量演算方法に従って、前記複数の原画像の露光量を各々決定する。
【0028】
同一の写真フィルムに複数の画像が記録されている場合、一般に各画像は同一のカメラによって撮影された画像であり、複数の画像の何れかが、露出を自動的に決定する機能(AE機能)を備えたカメラにより前記機能を用いて撮影された画像であれば、他の画像も前記機能を用いて撮影された可能性が高い。このため、上記のように、同一の写真フィルムに記録された複数の原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域の濃度のばらつきに基づいて、前記複数の原画像が、露出を自動的に決定する機能を備えたカメラにより前記機能を用いて撮影された画像であるか否かを高い確度で自動的に識別することができる。
【0029】
そして、請求項の発明において、露出を自動的に決定する機能を備えたカメラにより前記機能を用いて写真フィルムに撮影された画像であると判断した場合は、原画像を測光することによって得られたデータを用い、予め定められた、カメラの露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像用の露光量演算方法に従って、複数の原画像の露光量を各々決定するので、露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像の主要部に相当する領域を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることができる。
【0030】
なお、露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された多数の画像から成る画像群と、上記機能を用いずに撮影された多数の画像から成る画像群との統計的性質が異なっていることは、本願発明者によって確認されている。このため、例えば露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された多数の画像から成る画像群より、重回帰分析等の公知の統計的手法に基づいて前記画像群の統計的性質が反映された露光量演算式を予め求めておき、この露光量演算方法を、上述のカメラの露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像用の露光量演算方法として用いることができる。
【0031】
また、主要部に相当する領域としては、例えば請求項に記載した、原画像の全画面又は中央部を適用することができる。また、主要被写体の合焦時に露出を決定して露出をロックするカメラによって撮影された画像は、該画像の内容が人物写真であれば、主要被写体として人物の顔に合焦した際に露出が決定されてロックされることにより、画像中の人物の顔に相当する部分の濃度のばらつきが小さくなっている。
【0032】
従って、写真フィルムに記録された原画像が上記のような画像であれば、主要部に相当する領域として、請求項に記載したように、原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出し、抽出した所定領域を前記主要部に相当する領域とするか、又は、原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出し、抽出した所定領域のデータを記憶することを前記複数の原画像に対して各々行い、前記記憶した各原画像の前記所定領域のデータに基づいて各原画像の前記所定領域の類似度を相互に演算し、類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定数以上存在している所定領域、又は類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定値以上の頻度で存在している所定領域を人物の顔に相当する領域である確度が高い領域と判断して前記主要部に相当する領域とすれば、露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像か否かの判断の精度が向上するので好ましい。
【0033】
なお、請求項及び請求項の発明における所定領域の抽出にあたっては、請求項に記載したように、原画像中に存在する、人物の顔及び頭部及び胴体に特有の所定の形状パターンを探索し、検出した所定の形状パターンの大きさ、向き及び人物の顔と前記所定の形状パターンが存在する位置との位置関係に応じて行うことができる。これにより、人物の顔に相当する領域及びその周辺の領域の色等の影響を受けることなく、人物の顔に相当すると推定される領域を適正に抽出することができる。なお、請求項に係る所定領域の抽出は、所定の形状パターンとして単一の形状パターンを用いて行っても、所定の形状パターンとして複数の形状パターンを用いて行ってもよいが、複数の形状パターンを用いた方が、所定領域として抽出された領域が人物の顔に相当する領域である確率が高くなるので好ましい。
【0034】
また、一般に、人物の顔に相当する領域と人物の胴体に相当する領域との位置関係は略一定であることが多く、前記所定領域に対し前記位置関係に対応する所定位置に人物の胴体に特有の形状パターン(例えば胴体の輪郭を表す形状パターン等)又は人物の胴体部分に相当する画像パターン(例えば人物の服装の絵柄を表す画像パターン等)が存在していれば、該所定領域は人物の顔に相当する領域である可能性が高い。なお、胴体部分に相当する画像パターンは人物の服装によって変化するが、同一の日に同一人物が登場するシーンを撮影した画像では、画像中の人物の服装が同一である可能性が高いので、ある画像パターンが複数の原画像中に存在していた場合には、前記画像パターンは人物の胴体部分に相当すると推定される画像パターンであると判断できる。
【0035】
このため、請求項及び請求項の発明における、人物の顔に相当する領域である確度が高い領域の判断にあたっては、請求項に記載したように、原画像中に存在する人物の胴体に特有の形状パターンを探索するか、又は原画像中に存在する人物の胴体部分に相当すると推定される画像パターンを複数の原画像に亘って探索し、前記形状パターン又は前記画像パターンの有無、及び前記形状パターン又は前記画像パターンを検出した場合には、検出した前記形状パターン又は前記画像パターンと前記所定領域との位置関係も考慮して行うことが好ましい。これにより、人物の顔に相当する領域である確度が高い領域をより正確に判断することができる。
【0036】
なお、胴体の輪郭を表す形状パターンについても、人物の服装によって変化するので、胴体に特有の形状パターンとして胴体の輪郭を表す形状パターンを探索する場合についても、胴体部分に相当すると推定される画像パターンの探索と同様に、複数の原画像に亘って同一の形状パターンを探索するようにすれば、実際の人物の胴体の輪郭を表す形状パターンが検出される確率が向上する。
【0037】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0038】
〔第1実施形態〕
図1には本発明を適用可能な写真焼付装置10が示されている。写真焼付装置10は、ネガフィルム12に記録された画像を焼付けるための露光光を射出する光源16を備えている。光源16の光射出側には、調光フィルタ等の色補正フィルタ18、拡散ボックス20、分配用プリズム22が順に配列されている。
【0039】
写真フィルムとしてのネガフィルム12の搬送路は拡散ボックス20と分配用プリズム22との間に形成されており、分配用プリズム22はネガフィルム12を透過した光を2方向に分配する。光源16の光軸を挟んで両側には、ネガフィルム12の搬送路に沿って搬送ローラ対14A、14Bが設けられている。搬送ローラ対14A、14Bは各々モータ52A、52Bの駆動軸に連結されており、モータ52A、52Bの駆動力が伝達されることにより回転し、ネガフィルム12を搬送する。
【0040】
分配用プリズム22によって2方向に分配された光の一方の光路上には、投影光学系24、ブラックシャッタ26、及び複写材料としてのカラーペーパ(印画紙)28が順に配置されており、他方の光路上には投影光学系30、CCDイメージセンサ32が順に配置されている。CCDイメージセンサ32はネガフィルム12に記録された画像(1コマ)全体を多数の画素(例えば256×256画素)に分割し、各画素をR(赤)、G(緑)、B(青)の3色に分解して測光する。
【0041】
CCDイメージセンサ32の信号出力端には、CCDイメージセンサ32から出力された信号を増幅する増幅器34、アナログ−デジタル(A/D)変換器36、CCDイメージセンサ32の感度補正用の3×3マトリクス回路38が順に接続されている。3×3マトリクス回路38は、マイクロコンピュータ及びその周辺機器で構成された制御部40の入出力ポート40Dに接続されている。制御部40は、CPU40A、ROM40B、RAM40C及び入出力ポート40Dを備えており、これらがバスを介して互いに接続されている。
【0042】
制御部40の入出力ポート40Dには、色補正フィルタ18を駆動するドライバ46を介して色補正フィルタ18が接続されており、ドライバ50A、50Bを介してモータ52A、52Bが各々接続されている。また入出力ポート40Dには、LCD又はCRTから成る表示手段としてのディスプレイ42と、オペレータが各種情報を入力するためのテンキー等のキーボード44と、光源16の光軸を挟んで両側に配置されネガフィルム12の透過光量を検出する画面検出センサ48が接続されている。
【0043】
次に本実施形態の作用として、図2のフローチャートを参照し、第1実施形態における焼付処理について説明する。なお、図2のフローチャートは、写真焼付装置10に現像等の処理が行われたネガフィルム12がセットされると実行される。ステップ300では、ネガフィルム12を所定方向(図1の矢印A方向)に搬送する。ステップ302では、画面検出センサ48から出力される信号を監視することによりネガフィルム12に記録された画像の位置を判断し、ネガフィルム12に記録された画像が露光位置(画像の中心が光源16の光軸に一致する位置)に到達したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ300に戻り、ネガフィルム12の搬送を継続する。
【0044】
ステップ302の判定が肯定されるとステップ304でネガフィルム12の搬送を停止させる。これにより、露光位置に到達した画像が露光位置に位置決めされる。次のステップ306では露光位置に位置決めした画像をCCDイメージセンサ32によって測光し、CCDイメージセンサ32から増幅器34、A/D変換器36、3×3マトリクス回路38を介して出力されるR、G、B毎の画像データを取込み、更に取込んだ画像データをRAM40C等のメモリに一旦記憶する。次のステップ308では、前記画像データに基づいて画像の画面平均濃度Dj (j=R、G、Bの何れか)を演算し、演算結果をメモリに記憶する。
【0045】
次のステップ310では顔領域抽出処理を行う。この顔領域抽出処理の詳細については後述するが、この処理により画像中の人物の顔に相当すると推定される領域(以下、顔候補領域という)として、1個以上の領域(本発明の所定領域に相当)が抽出される(処理結果の一例を図3(A)に示す)と共に、抽出された顔候補領域が表す人物の顔の向き(人物の顔の上下方向が画像の長手方向か幅方向か)が判断される。ステップ310の顔領域抽出処理が終了するとステップ312へ移行する。
【0046】
後述するように、顔領域抽出処理はネガフィルム12に記録された各画像に対して各々行われると共に、顔領域抽出処理によって各画像から抽出された顔候補領域に対し2次元マッチングが行われて類似度が演算される。しかし、同一の人物を撮影した画像であっても、撮影時のカメラと人物との距離、撮影倍率、ストロボを用いたか否か、逆光か否か等の撮影条件は不定であるので、画像中の顔領域の大きさ及び濃度は一定ではない。このため、同一の人物の顔に相当する顔候補領域間で類似度を演算したとしても、マッチング評価値V(後述)が小(類似度が高)となる保証はない。
【0047】
このため、ステップ312では顔領域抽出処理によって抽出された顔候補領域内の各画素のデータ及び顔領域抽出処理によって判断された顔候補領域が表す人物の顔の向きに基づいて、顔候補領域のサイズを求め、該サイズが予め定められた基準値に一致するように正規化すると共に、顔候補領域内の各画素の濃度を正規化する。
【0048】
なお、顔候補領域として複数の領域が抽出された場合には、各領域に対して各々上記処理を行う。顔候補領域のサイズの大小は、例えば顔候補領域が表す人物の顔の向きに従って必要に応じて顔候補領域を+90°又は−90°回転させ、顔候補領域が表す人物の顔の向きを一定方向に揃えた後に、顔候補領域に外接する矩形領域の各辺の長さを基準値と比較することにより判断することができ、サイズを正規化するための倍率(拡大率又は縮小率)は、矩形領域のx方向(顔候補領域が表す人物の顔の幅方向)に沿った辺の長さ及びy方向(顔候補領域が表す人物の顔の上下方向)に沿った辺の長さ及び面積の各パラメータの何れかが予め定められた基準値に一致するように、前記各パラメータの何れかと基準値との比を演算することで求めることができる。
【0049】
また、顔候補領域のサイズの正規化は、具体的には、例えば基準値に比して顔候補領域のサイズが大きい場合には顔候補領域内の各画素のデータに対し前記縮小率に応じた所定間隔で間引きするか、各々m×n個の画素から成る画素のブロック毎に、各ブロックを構成する全画素の各々の濃度又は色の平均を各ブロックの代表値とすることで実現でき、基準値に比して顔候補領域のサイズが小さい場合にはR、G、B毎に濃度の補間等を行って、前記拡大率に応じて元データの画素の間に位置している画素のデータを新たに生成することにより実現できる。また、デジタル画像データにおける拡大、縮小、回転等は、一般にアフィン変換等の公知の手法により行うことができる。
【0050】
一例として、図4(A)に示す2つの画像から、顔領域抽出処理によって各々図4(A)及び(B)に破線で破線で囲んで示す顔候補領域が抽出され、双方の顔候補領域に対し、外接する矩形領域のx方向に沿った辺の長さが基準値wxに一致するように正規化したとすると、各顔候補領域は図4(C)に破線で示すサイズに拡大されることになる。
【0051】
また顔候補領域内の濃度の正規化は、例えば顔候補領域M内の各画素の平均濃度をdmeanとすると、顔候補領域M内の各画素の濃度値d(x,y) を次の(1)式に従って変換することにより実現できる。
【0052】
d'(x,y)=d(x,y) −dmean …(1)
但し、d'(x,y)は濃度分布正規化後の顔候補領域の各画素の画素値である。上記により、顔候補領域内の濃度は平均濃度が一定となるように正規化される。また顔候補領域Mの各画素の濃度の最小値をDmin 、最大値をDmax とすると、顔候補領域Mの各画素の濃度値をd(x,y) を次の(2)式に従って変換することによっても、顔候補領域内の濃度の正規化を実現できる。
【0053】
d'(x,y)=A×(d(x,y) −Dmin ) ÷(Dmax −Dmin ) …(2)
但し、Aは一定値である。上記では、顔候補領域内の濃度の範囲(最小値及び最大値)が一定となるように正規化される。
【0054】
次のステップ314では、上記で正規化した顔候補領域のデータをメモリに記憶する。ステップ318ではネガフィルムを末尾まで搬送したか否か、すなわちネガフィルム12に記録された全ての画像に対してステップ306〜314の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ300へ戻り、上記判定が肯定される迄ステップ300〜314を繰り返し、判定が肯定されるとステップ318でネガフィルム12の搬送を停止する。
【0055】
次のステップ320では、記憶されている全ての顔候補領域について、互いの顔候補領域内の画像の2次元パターンとしての類似性を判断するために、正規化した顔候補領域のデータを用い他の顔候補領域との2次元パターンマッチングを行うことにより他の顔候補領域との類似度を各々判定する。なお、類似度の判定は、次の(3)式又は(4)式に従ってマッチング評価値Vを演算し、このマッチング評価値Vの値の大きさに基づいて行うことができる。
【0056】
【数1】
Figure 0003636783
但し、図4(C)及び(D)に示すように、マッチングを行う対象としての正規化済顔候補領域をM及びNとすると、m(x,y) は正規化済顔候補領域M内の各画素の画素値(濃度値又は輝度値)、n(x,y)は正規化済顔候補領域N内の各画素の画素値、Sは演算対象となる画素の総数であり、(x,y) は正規化済顔候補領域内における各画素の位置を表す座標値である。そして、上記の演算式により求めたマッチング評価値Vの値が小である程、類似度は高いと判断することができる。上記では、先のステップ312で正規化した顔候補領域のデータを用いているので、マッチングを行う対象としての顔候補領域の対が同一の人物の顔に相当する顔候補領域であった場合には、マッチング評価値Vは高い確度で小さな値となる。
【0057】
なお、(3)式では正規化済顔候補領域M及びN内の重複する画素の画素値の差分2乗値の累積値を画素の総数Sで除すことによりマッチング評価値Vを求めており、(4)式では正規化済顔候補領域M及びN内の重複する画素の画素値の差分の絶対値の累積値を画素の総数Sで除すことによりマッチング評価値Vを求めているが、上記演算は類似度の高い顔候補領域の対を検出することを目的としているので、前述の累積値が所定値に達した場合にはマッチング評価値Vの値が大きい、すなわち類似度が低いと判断して演算を中止するようにすれば、類似度の演算を高速化できる。また、上記では類似度(マッチング評価値)の演算に各画素の画素値(濃度値又は輝度値)を用いていたが、これに代えて、2値化データ、画像データを微分することにより得られたデータ等を用いて類似度を演算してもよい。
【0058】
次のステップ322では、上記演算により類似度が所定値以上(マッチング評価値Vが所定値以下)となった他の顔候補領域の数を各顔候補領域毎に各々求め、類似度が所定値以上となった他の顔候補領域の数が所定数以上であった顔候補領域を、人物の顔に相当する領域である確度が高い領域(顔領域)であると判断する。また、類似度が所定値以上となった他の顔候補領域の数が所定数未満であった顔候補領域を、人物の顔に相当する領域である確度が低い領域であると判断し、該確度が低い領域であると判断した顔候補領域のデータを消去する。なお、類似度が所定値以上であった顔候補領域の数に代えて、類似度が所定値以上であった顔候補領域の出現頻度に基づいて人物の顔に相当する領域である確度を判断するようにしてもよい。
【0059】
上記により、ネガフィルム12に記録されている各画像の顔候補領域として、図3(A)に示すように人物の顔に相当する領域以外の領域が誤抽出されていた場合(図3(A)は、一例として3番目の画像では設置物の底辺部分、4番目の画像では空、5番目の画像では山の山頂部分が各々顔候補領域として誤抽出された場合を示している)であっても、図3(B)に示すように前記誤抽出された顔候補領域を顔領域であると誤判断する可能性は非常に低く、実際に人物の顔に相当する領域を、顔領域として高い精度で抽出することができる。
【0060】
次のステップ324では、ネガフィルム12を所定方向と逆方向に搬送する。ステップ326では、画面検出センサ48から出力される信号を監視することによりネガフィルム12に記録された画像の位置を判断し、ネガフィルム12の画像が露光位置に到達したか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ324に戻り、ネガフィルム12の搬送を継続する。ステップ326の判定が肯定されるとステップ328でネガフィルム12の搬送を停止させ、次のステップ330では露光位置に位置決めした画像に対応して記憶されている顔領域のデータの数を判定する。
【0061】
記憶されている顔領域のデータの数が1であればステップ332へ移行し、前記顔領域のデータと、先のステップ308で演算した画面平均濃度Dj とに基づいて露光量Ej を演算し、ステップ348へ移行する。なお、露光量Ej は以下の(5)式で求めることができる。
【0062】
Figure 0003636783
但し、各記号の意味は次の通りである。
【0063】
LM:倍率スロープ係数。ネガフィルムの種類とプリントサイズとで定まる引き伸ばし倍率に応じて予め設定されている。
【0064】
CS:カラースロープ係数。ネガフィルムの種類毎に用意されており、アンダ露光用とオーバ露光用とがある。プリントすべき画像コマの平均濃度が標準ネガ濃度値に対してアンダかオーバかを判定してアンダ露光用とオーバ露光用の何れかを選択する。
【0065】
DN:標準ネガ濃度値。
【0066】
D :プリントすべき画像コマの濃度値。
【0067】
PB:標準カラーペーパに対する補正バランス値。カラーペーパの種類に応じて決定される。
【0068】
LB:標準焼付レンズに対する補正バランス値。焼付けに用いるレンズの種類に応じて決定される。
【0069】
MB:光源光量の変動やペーパ現像性能の変化に対する補正値(マスタバランス値)。
【0070】
NB:ネガフィルムの特性によって定まるネガバランス(カラーバランス)値。
【0071】
K2 :カラー補正量。
【0072】
K1 :以下の式で表される濃度補正量。
【0073】
【数2】
Figure 0003636783
ここで、Ka、Kbは定数であり、FDは顔領域平均濃度である。
【0074】
また、上記(5)式の濃度補正量K1 をフィルム検定装置によって求められた補正値とし、カラー補正量K2 を次のように顔領域平均濃度を用いて表してもよい。
【0075】
【数3】
Figure 0003636783
但し、Kcは定数である。
【0076】
更に、上記(5)式の濃度補正量K1 、カラー補正量K2 をフィルム検定装置によって求められた補正量とし、(5)式のプリントコマの平均濃度Dj を顔領域の平均濃度FDj に置き換えて露光量を求めてもよい。
【0077】
一方、ステップ330において、記憶されている顔領域のデータの数が2以上であると判断した場合にはステップ334へ移行し、メモリに記憶されている複数の顔領域データの何れか1つと、先のステップ308で演算した画面平均濃度Dj と、を用い、先の(5)式に従って、複数の顔領域データに対応する複数の露光量Ej を各々演算する。ステップ336では上記で演算した複数の露光量を互いに比較し、少なくともR、G、Bのうちの1色について、他の露光量と所定量以上異なっている露光量が有るか否か判定する。この判定が否定された場合には、ステップ338で画像の焼付けに用いる露光量として、先に演算した複数の露光量のうちの何れかを選択し、ステップ348へ移行する。
【0078】
一方、ステップ336の判定が肯定された場合にはステップ340へ移行し、先に演算した複数の露光量Ej で各々印画紙28に画像を焼付け、現像等の処理を行って得られる複数のプリント画像を推定し、推定した複数のプリント画像を表す複数のシミュレーション画像を求め、ディスプレイ42に同時に表示する。これにより、オペレータはディスプレイ42に複数表示されたシミュレーション画像のうち、所望の仕上りのプリント画像に対応するシミュレーション画像を、キーボード44を介して選択することができる。
【0079】
ステップ342では、ディスプレイ42に同時に表示した複数のシミュレーション画像のうちの何れか1つがオペレータによって選択されたか否か判定し、判定が肯定される迄待機する。判定が肯定されるとステップ340へ移行し、露光位置に位置決めしている画像の露光量として、オペレータによって選択されたシミュレーション画像に対応する露光量を採用し、ステップ348へ移行する。
【0080】
また、ステップ330において、露光位置に位置決めした画像に対応する顔領域データが記憶されていないと判断した場合にはステップ346へ移行し、ステップ308で演算した画面平均濃度を用いて露光量を演算し、ステップ348へ移行する。なお、このときの露光量の演算は、先の(5)式における濃度補正量K1 の値を0に設定した露光量演算式を用いて行うことができる。
【0081】
上記のようにして露光量Ej を演算すると、ステップ348では上記で演算した露光量Ej をドライバ46へ出力する。これにより、ドライバ46では入力された露光量Ej に基づいて、露光量Ej に対応する位置に色補正フィルタ18を移動させる。また、制御部40はブラックシャッタ26を上記の露光量Ej によって定まる所定時間だけ開放する。これにより、露光位置に位置決めされた画像が、上記の露光量Ej で印画紙28に焼付けされる。
【0082】
次のステップ350では、全ての画像の焼付けを終了するか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ324へ戻り、上記処理を繰り返す。ステップ350が肯定されると、処理を終了する。
【0083】
次に、図2のステップ310で行われる顔領域抽出処理の詳細について、図5のフローチャートを参照して説明する。なお、以下では図2のステップ306で取り込んだ画像データをネガ−ポジ変換することにより得られたポジ画像データに対して処理を行うものとして説明する。
【0084】
ステップ102では、画像データを所定のしきい値で2値化することにより、ネガフィルム12の画像(原画像)を複数の領域に分割する。この2値化により、原画像は、しきい値よりも高い濃度の画素で各々構成される領域(以下、この領域を「黒領域」と称する)と、しきい値以下の濃度の画素で各々構成される領域(以下、この領域を「白領域」と称する)とに分割される。これにより、一例として図11(A)に示す原画像では、図11(B)に示すように原画像中の人物の頭髪部に相当する黒領域50を含む多数の黒領域が抽出されることになる。更にステップ102では、分割された複数の黒領域及び白領域の各々を識別するために、各領域に対してナンバリングを行う。
【0085】
ところで、以下で説明する処理では、後に詳述するように、人物の各部に特有の形状パターンに基づいて人物の顔領域に相当する領域である確度が高い領域を抽出するが、ネガフィルム12には通常と略90°異なる向きで人物が撮影された画像(人物の上下方向が画像の長手方向に略一致している画像)が記録されていることもあるので、以下で説明する処理では画像中の人物の向きに対して制限を設けずに処理を行う。
【0086】
ステップ104では頭部抽出による顔候補領域設定処理を行う。この処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。ステップ172では先に説明した2値化によって抽出された複数の黒領域のうちの1つを取り出し、ステップ174では取り出した黒領域の輪郭をトレースし、輪郭の曲率を演算する。例えば図11(A)に示す原画像に対して2値化を行うことによって黒領域が多数抽出され、このうち図11(B)に示すような黒領域50を取り出したとすると、輪郭のトレースは図11(B)に示すように時計回りに行うことができる。また曲率の演算は、図11(C)に示すように、所定長さで前記トレース方向に略沿った向きでかつ始点及び終点が黒領域の輪郭に接しているベクトルを順に設定し(図11(C)ではベクトルP1P0とベクトルP0P2)、隣合うベクトルの内積により、曲率としてのθを演算することができる。また、θの向き(符号の正負)はベクトルの外積より求めることができる。
【0087】
このとき、トレースの進行方向に対し、黒領域の輪郭が右にカーブしているときには負の値、左にカーブしているときには正の値となるように、角度演算式を設定するものとする。例えば図11(C)には黒領域の輪郭のうち、トレースの進行方向に対して右にカーブしている部分を示しており、θは負の値となる。
【0088】
なお、ベクトルの長さは固定としてもよいし、黒領域の輪郭の周囲長に応じて変更するようにしてもよい。また、曲率の演算を複数回行うと共に、各回において長さを段階的に変更するようにしてもよい。
【0089】
次のステップ176では、上記で演算された黒領域の輪郭の曲率に基づいて、人物の頭部の輪郭を表す形状パターンとして、輪郭に、人物の頭部と顔との境界に相当すると推定される凹部、及び人物の頭頂部に相当すると推定される凸部を備えた黒領域を抽出する。この凹部及び凸部は、トレース方向と先に求めたθの向き(符号の正負)に基づいて判断することができる。すなわち、θの符号が反転している箇所が凹部と凸部との境界であり、時計回りにトレースしたときにθの符号が正であれば凹部、負であれば凸部であると判断できる。これにより、一例として図11(D)に示すように、黒領域の輪郭における凹部及び凸部を抽出できる。
【0090】
ステップ178では上記で抽出した凹部及び凸部に対し、各々の特徴量を演算する。本実施例では凹部及び凸部の特徴量として、以下のように演算した円曲度を用いる。すなわち、図12(A)に示すように、凹部又は凸部を構成する曲線の長さをL、凹部又は凸部の両端点Q1、Q2間の距離をM、両端点Q1、Q2を結ぶ直線に対する凹部又は凸部の高さをhとし、円曲度としてL÷M及びh÷Mを演算する。また、凹部及び凸部の開いた方向へ向かうベクトルとして、方向ベクトルVを求める。
【0091】
ステップ180では上記で演算した特徴量を用いて、黒領域を人物の頭部(頭髪部)と判断できるか、すなわち人物の頭部である確度が高いか否か判定する。この判定は、黒領域の輪郭から各々所定範囲内の円曲度をもつ凹部及び凸部が各々抽出され、黒領域の輪郭の周囲長に対する凹部及び凸部の長さの比率が各々所定範囲内にあり、更に位置及び方向より人物の頭部として整合性評価が高い場合に肯定される。この整合性評価は、一例として次のように行うことができる。まず凹部、凸部の単位での整合性を以下の手順で評価する。
【0092】
▲1▼ 凹部又は凸部の曲線上の任意の3点(例えば両端点と曲線の中央の点、但し同一直線上にない3点)を選択し、選択した3点を各々通る円を仮定し、該円の中心点を求める。
【0093】
▲2▼ 凹部又は凸部の曲線を構成する全画素と、前記円の中心点と、の距離を各々求め、距離のばらつきが所定値以下の曲線を整合性があると評価する。なお、ばらつきが所定値よりも大きい場合には評価対象から除外するか、曲率が大きくなっている部分で前記曲線を更に分割して再度処理を行う。
【0094】
次に凹部と凸部とを含めての整合性を以下のように評価する。
【0095】
▲1▼ 凹部及び凸部の各曲線毎に求めた前記円の中心点の重心を用い、総合的な中心点及び総合的な中心エリア(各曲線の長さの平均に応じて定めた半径の円形のエリア、図12(B)に破線で示すエリア)を設定する。そして各曲線毎に求めた前記中心点が総合的な中心エリア内に収まっているか、又は各曲線の中心軸(方向ベクトルV又はその延長線)が前記中心エリア内に収束している場合に、人物の頭部としての整合性が高いと評価する。
【0096】
また、上記▲1▼の評価に代えて、先の▲2▼と同様にして、凹部及び凸部の曲線を構成する全画素と、前記円の中心点と、の距離のばらつきが各々所定値以下の場合に、人物の頭部としての整合性が高いと評価する。
【0097】
そして、ステップ180の判定が肯定された場合には、人物の頭髪部と顔との境界部分では、頭髪部が凹の形状となっている人物が殆どであることから、黒領域の輪郭の凹部の大きさ、及びその中心位置を基準とし、凹部に内接する楕円形状の領域を顔候補領域(人物の顔に相当すると推定される領域)として設定する。ステップ184では、上記で設定した顔候補領域に対し符号が正の重み係数を付与する。この重み係数は、先に説明した黒領域に対する人物の頭部としての評価結果に応じて、評価が高くなるに従って重みが重くなるように値を設定することができる。
【0098】
ステップ184を実行した後はステップ186に移行する。また、ステップ180の判定が否定された場合には、何ら処理を行うことなくステップ186へ移行する。ステップ186では、2値化によって抽出された全ての黒領域について上記処理を行ったか否か判定する。ステップ186の判定が否定された場合にはステップ172に戻り、ステップ172〜186を繰り返す。ステップ186の判定が肯定されると頭部抽出による顔候補領域設定処理を終了し、図5のフローチャートのステップ106に移行する。
【0099】
ステップ106では顔輪郭による顔候補領域設定処理を行う。この処理について図7のフローチャートを参照して説明する。ステップ189では、図5のフローチャートのステップ102において2値化により原画像を分割することによって得られた複数の黒領域及び白領域の各々に対し、先に説明した図6のフローチャートのステップ174、176と同様にして、各々の領域の輪郭をトレースし、輪郭の曲率を演算して凹部及び凸部を抽出する。これにより、一例として図13(A)に示す原画像について、図13(B)に示すような凹部及び凸部が抽出される。
【0100】
また凹部及び凸部を抽出した後に、凹部又は凸部として抽出した曲線のうち長さの長い曲線に優先的に着目し、曲率(角度θ)が所定範囲内に収まるように、或いは円曲度が所定値以下となるように、或いは曲線の法線方向の角度の大まかな分類により、前記曲線を更に分割するようにしてもよい。例えば図13(B)において曲線▲2▼と曲線▲3▼とが連続した曲線として抽出された場合、これらの円曲度が大であることから2本の曲線に分割する。図13(B)では曲線▲1▼も分割の対象となる。なお、以下では上記のようにして抽出された各領域の輪郭を分割して得られた曲線を総称して「ライン」という。
【0101】
ステップ190では、人物の顔の輪郭を表す形状パターンとして、人物の顔の側部に対応すると推定されるラインの対を抽出する。具体的には、上記で抽出されたラインのうち、互いの方向ベクトルVが向きあっており、互いの方向ベクトルV(又はその延長線)の交差角度の大きさが所定値以内であり、かつ長さ及び円曲度の類似度が所定値以上のラインの対を、顔輪郭の候補となり得るラインの対として全て抽出する。例えば、図13(B)に示す▲1▼〜▲7▼のラインが抽出された場合には、顔輪郭の候補となり得るライン対として、ライン▲2▼とライン▲4▼の対、及びライン▲5▼とライン▲7▼の対が抽出される。なお、V2、V4、V5、V7は各ラインの方向ベクトルである。
【0102】
次のステップ192では、上記で抽出したライン対の中から特定のライン対を取り出す。ステップ194では図13(D)に示すようにライン対の間に線対称軸を設定し、次のステップ196でライン対の線対称性類似度を判定する。この線対称性類似度の判定は、まず図13(D)に示すように、線対称軸に平行な方向に沿った両ラインの長さをv、線対称軸に直交する方向に沿った両ラインの間隔をhとし、縦横比v/hが人物の顔の縦横比に対応する所定範囲内の値であるか判定する。次に図14(A)に示すように、各ラインにマッチング用拡張エリアを設定し(ラインを中心に膨張させる処理等)、ライン対の一方に対し、線対称軸に関して対称な曲線エリアパターンを求め(図ではライン▲2▼と対称なライン▲2▼’)、求めた曲線エリアパターンと他方のライン拡張エリアパターンとの類似度を判定する。
【0103】
類似度の判定方法としては、例えば、マッチングを行うエリアパターン同士の対応する位置に存在する画素データ間の差分絶対値又は差分2乗値の累積値を演算し、この累積値が小であるほどエリア間類似度を大と判定することができる。また各画素のデータとしては、画像データそのもの、2値化データ、画像データを微分することにより得られたデータ等を用いることができる。
【0104】
ステップ198では、前記ライン対を人物の顔の両側部に対応するラインであると仮定したときに、頭部との境界に対応する位置に、方向ベクトルが垂直に近いラインが存在しているか探索する。例えば先に説明したライン▲2▼とライン▲4▼の対に対しては、頭部との境界に対応する位置として図14(B)に示す範囲52Aを探索し、この範囲52A内に存在する方向ベクトルが垂直に近いラインとしてライン▲3▼が抽出されることになる。また、ライン▲5▼と▲7▼の対に対しては、頭部との境界に対応する位置として図14(B)に示す範囲52Bを探索するので、頭部との境界に対応するラインは抽出されない。
【0105】
次のステップ200では前述の線対称性類似度の判定結果に基づいて、ステップ192で取り出したライン対を顔輪郭に対応するライン対と判断できるか否か判定する。ステップ200の判定が肯定された場合には、ライン対を人物の顔の両側部に対応するラインであるとみなし、図14(C)にも示すように、ライン対によって挟まれた領域に、ラインの長さv、両ラインの間隔hに応じた大きさの楕円形状の顔候補領域を設定する。
【0106】
ステップ202では上記で設定した顔候補領域に対し符号が正の重み係数を付与する。この重み係数は、線対称性類似度が高くなるに従って値が高くなり、頭部との境界に対応するラインが抽出された場合に値が高くなるように設定することができる。ステップ202の処理を実行するとステップ206に移行する。また、ステップ200の判定が否定された場合には、何ら処理を行うことなくステップ206に移行する。
【0107】
ステップ206では、ステップ190で抽出した全てのライン対に対して上記処理を行ったか否か判定する。ステップ206の判定が否定された場合にはステップ192に戻り、ステップ192〜206を繰り返す。ステップ206の判定が肯定されると、顔輪郭による顔候補領域設定処理を終了し、図5のフローチャートのステップ108に移行する。
【0108】
ステップ108では顔内部構造による顔候補領域設定処理を行う。この処理について図8のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施例では、人物の顔の内部構造を表す形状パターンとして、顔の眼部対に対応すると推定される黒領域の対を抽出する。すなわち、ステップ210では先に説明した2値化によって得られた黒領域のうち、眼部対候補となり得る黒領域対を抽出する。この黒領域対の抽出は、まず各黒領域の中から、図15(A)に示すように、長手方向(長軸方向)と幅方向(短軸方向)の寸法比(長軸短軸比)が所定範囲内の楕円形状の黒領域を複数探索する。次に探索した黒領域の各々の1次慣性モーメントに基づいて長軸方向の角度を求め、長軸方向の角度の差異が所定範囲内の黒領域の対を、眼部対の候補となり得る黒領域対として抽出する。
【0109】
ステップ212では上記で抽出した黒領域対の中から特定の黒領域対を取り出し、次のステップ214では、図15(B)に示すように、双方の黒領域の重心を結ぶ線に垂直な線対称軸を設定し、各黒領域を中心にマッチング用拡張エリアを設定し、ステップ216で黒領域対の線対称性類似度を判定する。ステップ218では、上記で判定した黒領域対の線対称性類似度の判定結果に基づいて、ステップ212で取り出した黒領域対を眼部対と判断できるか否か判定する。
【0110】
ステップ218の判定が肯定された場合にはステップ220へ移行し、黒領域の位置、各々の大きさ及び線対称軸の方向に基づいて、図15(C)に示すように楕円形状の顔候補領域を設定する。次のステップ222では、上記で設定した顔候補領域に対し符号が正の重み係数を付与する。この重み係数は、線対称性類似度が高くなるに従って値が大きくなるように設定することができる。ステップ222の処理を実行するとステップ224に移行する。またステップ218の判定が否定された場合は、何ら処理を行うことなくステップ224に移行する。
【0111】
ステップ224では、ステップ210で抽出した全ての黒領域対に対して上記処理を行ったか否か判定する。ステップ224の判定が否定された場合にはステップ212に戻り、ステップ212〜224を繰り返す。ステップ224の判定が肯定されると、顔内部構造による顔候補領域設定処理を終了し、図5のフローチャートのステップ110へ移行する。
【0112】
ステップ110では胴体輪郭による顔候補領域設定処理を行う。この処理について図9のフローチャートを参照して説明する。なお、本実施例では、胴体の輪郭を表す形状パターンとして、人物の首から肩、肩から腕部分又は胴体下部にかけて連続する輪郭に相当すると推定されるラインの対を抽出する。すなわち、ステップ230では先に説明した顔輪郭による顔候補領域設定処理によって抽出されたラインから、胴体輪郭の片側候補となり得るラインの組を抽出する。具体的には、双方のラインの端点の距離が近く、かつ双方のラインの交差する角度が所定範囲内のラインの対を、胴体輪郭の片側候補となり得るラインの組として抽出することができる。例えば図16(A)に示すようなラインが抽出されていた場合、図16(B)に示すように、交差する角度が各々所定範囲内(θ1及びθ2)のライン▲5▼と▲7▼の組、ライン▲6▼と▲8▼の組が各々抽出されることになる。
【0113】
次のステップ232では、上記で抽出されたラインの組の各々に対して双方のラインを延長して連結し、胴体輪郭の片側候補を生成する。更にステップ234では、上記で生成した胴体輪郭の片側候補に対し、胴体輪郭の候補となり得る全ての胴体輪郭の片側候補の対(例えば双方の胴体輪郭の片側候補の凹部が互いに向き合っている対)を抽出する。
【0114】
ステップ236では上記で抽出した胴体輪郭の片側候補の対の中から特定の対を取り出し、ステップ238では取り出した胴体輪郭の片側候補の対に対し、図16(B)に示すように線対称軸を設定し、次のステップ240で胴体輪郭の片側候補の対の線対称性類似度を判定する。また、人物の首から肩にかけての輪郭に相当すると推定されるライン(例えば図16(B)のライン▲5▼、▲6▼)について、線対称軸となす角度(例えば図16(B)のライン▲5▼の場合のψ1)が所定範囲内か否か判定する。ステップ242では上記で判定した線対称性類似度に基づいて、胴体輪郭の片側候補の対を胴体輪郭と判断できるか否か判定する。
【0115】
ステップ242の判定が肯定された場合には、ステップ244で胴体輪郭候補を構成する双方の片側候補の位置、大きさ、間隔及び線対称軸の方向に基づいて、図16(C)に示すように楕円形状の顔候補領域を設定する。また、ステップ250では上記で設定した顔候補領域に符号が正の重み係数を付与する。この重み係数は、ステップ240で判定した線対称性類似度が高くなるに従って値が大きくなるように設定することができる。ステップ240の処理が終了するとステップ248へ移行する。またステップ242の判定が否定された場合には、何ら処理を行うことなくステップ248に移行する。
【0116】
ステップ248では、ステップ234で抽出した全ての胴体輪郭の片側候補の対に対して上記処理を行ったか否か判定する。ステップ248の判定が否定された場合にはステップ236に戻り、ステップ236〜248を繰り返す。ステップ248の判定が肯定されると胴体輪郭による顔候補領域設定処理を終了し、図5のフローチャートのステップ112へ移行する。
【0117】
図5のフローチャートのステップ112では非人物領域判定処理を行う。この非人物領域判定処理について図10のフローチャートを参照して説明する。ステップ130では、図5のフローチャートのステップ102で分割された各領域に対し、輪郭の直線部分を各々検出し、ステップ132では、輪郭に占める直線部分の比率を各領域毎に演算する。ステップ134では前記比率が所定値以上の領域が有るか否か判定する。輪郭に占める直線部分の比率が所定値以上の領域は、人工物を表している領域である確率が高く、人物に相当する領域である確率は低いと判断できる。このため、ステップ134の判定が肯定された場合には、ステップ136で直線部分の比率が所定値以上の領域に対して符号が負の重み係数を付与し、ステップ138へ移行する。
【0118】
ステップ138では、各領域に対し、各領域における画像左右方向中心部付近に、画像の上下方向に沿って延びる線対称軸を設定し、ステップ140では上記で設定した線対称軸に関する線対称度を各領域毎に演算する。ステップ142では線対称度が所定値以下の領域が有るか否か判定する。一般に人体は、人体の左右を分割する仮想線に関して略線対称であり、線対称度が所定値以下の領域は人物に相当する領域である確率は低いと判断できる。このため、ステップ142の判定が肯定された場合には、ステップ144で線対称度が所定値以下の領域に対して符号が負の重み係数を付与し、ステップ146へ移行する。
【0119】
ステップ146では輪郭に占める画像外縁との接触率を各領域毎に演算し、ステップ148では接触率が所定値以上の領域が有るか否か判定する。前記接触率が所定値以上の領域は画像の周縁部に位置していると判断できるが、一般に人物は画像の略中央部に位置している確率が高いので、接触率が所定値以上の領域が人物に相当する領域である確率は低いと判断できる。このため、ステップ148の判定が肯定された場合には、ステップ150で画像外縁との接触率が所定値以上の領域に対して符号が負の重み係数を付与し、ステップ152へ移行する。
【0120】
ステップ152では各領域の内部の濃度のコントラスト(最大濃度値と最小濃度値との差)を演算し、ステップ154で濃度コントラストが所定値以下の領域が有るか否か判定する。領域内の濃度のコントラストが所定値以下の場合には、表面が平滑、或いは凹凸の少ない物体を表している領域である可能性が高く、人物に相当する領域である確率は低い。このため、ステップ154の判定が肯定された場合には、ステップ156で内部の濃度コントラストが所定値以下の領域に対して符号が負の重み係数を付与し、ステップ158へ移行する。
【0121】
ステップ158では、各領域の各画素毎の濃度値を各々異なる複数の方向(例えば画像の左右方向、上下方向、及び左右方向に対して±45°傾斜した方向)に沿って微分し、ステップ160で複数の方向に沿った微分値の少なくとも何れかが規則的に変化している領域が有るか否か判定する。上記判定は、濃度が所定のパターンで変化している領域や、濃度が所定の変化パターンを繰り返している領域に対して肯定される。このような領域は人物に相当する領域である確率は低いと判断できるので、ステップ160の判定が肯定された場合には、ステップ162で微分値が規則的に変化している領域に対し符号が負の重み係数を付与する。以上で非人物領域判定処理を終了し、図5のフローチャートのステップ118へ移行する。
【0122】
ステップ118では顔領域の総合判定を行う。すなわち、ステップ104〜110で各々顔候補領域として設定された範囲、各顔候補領域に対して付与された正の重み係数を用い、更にステップ112で負の重み係数が付与された領域があれば、該領域の範囲と付与された負の重み係数に基づいて、画像中の各部分の総合的な重み係数を演算する。詳しくは、画像中に複数の処理で重み係数が付与された部分があれば、該部分範囲及び総合的な重み係数(各処理で付与された重み係数を加算或いは乗算することにより求める)を求め、画像を総合的な重み係数が同一の領域毎に分割する。そして、総合的な重み係数が基準値以上である領域を、人物の顔領域に相当する領域である確度が高い領域として判定する。
【0123】
次のステップ120では、ステップ102〜118の処理を所定回実行したか否か判定する。ステップ120の判定が否定された場合には、ステップ122において、ステップ102の画像分割の粗密度を変更するために各種制御パラメータを更新し、或いはステップ102における2値化用のしきい値を更新し、ステップ102以降の処理を再度実行する。ステップ102〜118を所定回実行するとステップ120の判定が肯定され、ステップ124へ移行する。
【0124】
なお、上述したように画像分割の粗密度を変更して処理を繰り返す理由は、原画像中に存在する人物の顔に相当する領域の面積の大小(原画像中に存在する1人の人物に相当する領域の面積の大小)により、原画像を複数の領域に分割する際の各領域の適正な大きさが異なるためである。
【0125】
すなわち、原画像中に存在する人物の顔に相当する領域の面積が大きい場合には、原画像を密に分割(各領域の大きさを小さく)すると、本来の顔に相当する領域が細かく分割され過ぎ、人物の各部に対応する領域も細かく分割され過ぎるので、人物の各部に対応する領域が全体的に適正に分離されないが、原画像を粗く分割(各領域の大きさを大きく)すると、前記顔に相当する領域に対して一致度の高い分割領域を得ることができ、人物の各部に対応する領域を適正に分離することができる。
【0126】
一方、原画像中に存在する人物の顔に相当する領域の面積が小さい場合には、原画像を粗く分割すると、本来の顔に相当する領域が背景に相当する領域に紛れてしまい、人物の顔や各部に相当する領域を各々適正に分離することができないが、原画像を密に分割すると、人物の顔や各部に相当する領域を各々適正に分離できる。従って、画像分割の粗密度を段階的に変更しながら顔領域の抽出処理を複数回繰り返すことにより、原画像中に存在する人物の顔に相当する領域の大きさに拘わらず、人物の顔に相当する領域を高い確度で抽出することができる。
【0127】
なお、画像分割制御パラメータの変更は、例えば原画像の分割を、1次元又は2次元のヒストグラムを用いたクラスタリングにより行う場合は、ヒストグラム作成時にデータを量子化する際のしきい値のステップ幅を粗く(大きく)すると該ヒストグラムを用いて原画像を分割した結果も粗く(分割された領域の大きさが大きく)なり、前記しきい値のステップ幅を細かく(小さく)すると該ヒストグラムを用いて原画像を分割した結果も細かく(分割された領域の大きさが小さく)なることから、画像分割制御パラメータとして量子化する際のしきい値のステップ幅を用い、該しきい値のステップ幅を変更することで画像分割の粗密度を変更することができる。
【0128】
また、原画像の分割を、原画像を構成する各画素のうち隣接する画素との濃度差或いは色差の大きな画素を領域の境界とすることにより行う場合には、濃度差或いは色差が大きいと判定するためのしきい値を大きくすると原画像を分割した結果が粗く(分割領域の大きさが大きく)なり、前記しきい値を小さくすると原画像を分割した結果が細かく(分割領域の大きさが小さく)なることから、画像分割制御パラメータとして前記しきい値を用いることができる。
【0129】
また、原画像の分割では、その分割のしかたに拘わらず、原画像の解像度を粗くすれば原画像を分割した結果が粗くなり、解像度を細かくすれば原画像を分割した結果が粗くなることから、画像分割制御パラメータとして画像解像度を用いてもよい。画像解像度の変更の一例として、画像解像度を低下させる場合には、各々m×n個の画素から成る画素のブロック毎に、各ブロックを構成する全画素の各々の濃度又は色の平均を各ブロックの代表値とすることができる。なお、上記のように画像解像度を変更することにより画像分割の粗密度を変更する方式では、特に画像解像度を低下させると処理対象データの数が少なくなるため、処理時間を短縮できるというメリットもある。また、画像解像度の変更に代えて平滑化処理を行っても同様の効果が得られる。平滑化処理では、平滑化の程度を大きくするほど周辺画素との濃度、色の平均化が進み、解像度を低下させた場合と同様に原画像を分割した結果が粗くなる。
【0130】
ところで、ステップ124では所定回の処理で各々判定された顔領域及びそれらに各々付与されている重み係数に基づいて、最終的に人物の顔領域に相当する領域である確度が高い領域(顔候補領域)を先のステップ118と同様にして最終的に判定すると共に、最終的に判定した顔候補領域と、先に説明した顔候補領域設定処理で抽出された人物の頭部、顔、胴体の輪郭や顔の内部構造(眼部対)との位置関係等に基づいて、顔候補領域が表す人物の顔の向きを判断する。以上により顔領域抽出処理が完了する。
【0131】
上述した顔領域抽出処理では、人物の顔に相当すると推定される顔候補領域を、該領域の濃度や色に基づいて判断するものではない。従って、ネガフィルム12のフィルム種、光源の種類や逆光か否かの撮影条件等に応じて前記領域の色バランスが変化したとしても、顔領域抽出処理の結果がこの影響を受けて変化することはない。また、上述した顔領域抽出処理は原画像がモノクロ画像であっても適用可能である。
【0132】
なお、上記ではネガフィルム12に記録された全ての画像を対象として、顔候補領域の抽出、抽出した顔候補領域の類似度の演算等を行うようにしていたが、これに限定されるものではなく、連続するnコマ(但しn<N:Nは1本のネガフィルム12に記録された画像の総数)を対象として顔候補領域の抽出、抽出した顔候補領域の類似度の演算等を行うようにしてもよい。この場合、ネガフィルム12の先頭からnコマの画像から抽出した顔領域を用いて、残りの画像コマから抽出した顔候補領域と類似度を演算し、顔領域を抽出するようにすれば、処理時間を短縮することができるので好ましい。
【0133】
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、本第2実施形態に係る写真焼付装置は、第1実施形態で説明した写真焼付装置10と同一の構成であるので、同一部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、以下、本第2実施形態の作用について図17のフローチャートを参照し、第1実施形態で説明した図2のフローチャートと異なる部分についてのみ説明する。
【0134】
本第2実施形態では、ステップ314において正規化した顔候補領域のデータをメモリに記憶した後に、次のステップ352において胴体輪郭候補抽出処理を行う。この胴体輪郭候補抽出処理としては、第1実施形態で説明した胴体輪郭による顔候補領域設定処理(図9のフローチャート参照)から、ステップ244及びステップ246の処理を除いたものを適用することができ、図9のステップ242の判定が肯定された胴体輪郭の片側候補の対を胴体輪郭候補とすることができる。なお、第1実施形態で説明したように、図5のステップ122と同様に画像分割制御パラメータを変更しながら胴体輪郭候補抽出処理を繰り返し実行するようにしてもよい。そして、次のステップ354では、ステップ352で抽出した胴体輪郭候補をメモリに記憶する。
【0135】
ステップ352、354はステップ316の判定が肯定される迄繰り返し実行されるので、上記により、ネガフィルム12に記録されている各画像から抽出された胴体輪郭候補が全てメモリに記憶されることになる。
【0136】
なお、第2実施形態では、ステップ352の胴体輪郭候補抽出処理に先立って行われるステップ310の顔候補領域抽出処理において、胴体輪郭による顔候補領域設定処理を行っても行わなくてもよいが、胴体輪郭による顔候補領域設定処理を行う場合には、該設定処理においてステップ242の判定が肯定された胴体輪郭の片側候補の対をメモリに記憶するようにすれば、上述のステップ352、354の処理を省略することも可能である。
【0137】
また、本第2実施形態では、ステップ320で顔候補領域の類似度を演算した後に、ステップ356において、各画像から抽出した胴体輪郭候補の類似度を相互に演算し、演算結果に基づいて、胴体輪郭候補の中から人物の胴体の輪郭である確度が高いと判断できる候補以外を除去する。
【0138】
なお、胴体輪郭候補の類似度は、胴体輪郭候補同士がどの程度相似しているかを数値化したものであり、例えば胴体輪郭の片側候補を構成するラインの組の交差角度、胴体輪郭の片側候補の対の間の距離と胴体輪郭の片側候補のうち人物の首から肩にかけての輪郭に相当すると推定されるラインとの比等の各評価項目に対し、各々の近似度合いに応じて評価値を与え、各項目の評価値を集計することによって求めることができる。また、各画像から抽出した胴体輪郭候補のサイズを正規化し、図14(A)と同様にマッチング用拡張エリアを各々設定してエリア間の類似度を演算するようにしてもよい。そして、類似度が所定値以上となった他の胴体輪郭候補の数が所定数以上であった胴体輪郭候補、又は類似度が所定値以上となった他の胴体輪郭候補の出現頻度が所定値以上であった胴体輪郭候補を、人物の胴体の輪郭である確度が高いと判断することができる。
【0139】
次のステップ358では、各顔候補領域毎に、ステップ320の演算により類似度が所定値以上となった他の顔候補領域の数を各々求めると共に、人物の顔と胴体との位置関係に対応する位置に、ステップ356において人物の胴体の輪郭である確度が高いと判断した胴体輪郭候補が、顔候補領域に対応する大きさ及び向きで存在しているか否かを判断する。そして類似度が所定値以上となった他の顔候補領域の数及び上述した胴体輪郭候補の有無に基づいて、人物の顔に相当する領域である確度が高い領域(顔領域)か否かを各顔候補領域毎に判断する。
【0140】
具体的には、人物の胴体の輪郭である確度が高いと判断した胴体輪郭候補の有無に応じて、人物の顔に相当する領域である確度の高低の判断のしきい値を変更する。またステップ358では、人物の顔に相当する領域である確度が低い領域であると判断した顔候補領域のデータを消去する。
【0141】
上記では、類似度が所定値以上となった他の顔候補領域の数に加え、人物の顔と胴体との位置関係に対応する位置に、人物の胴体の輪郭である確度が高いと判断した胴体輪郭候補が、顔候補領域に対応する大きさ及び向きで存在しているか否かを考慮して、人物の顔に相当する確度が高い領域を判断するので、人物の顔に相当する領域である確度が高い領域をより正確に判断することができる。また各画像から抽出した胴体輪郭候補同士の類似度を求めて人物の胴体の輪郭である確度が高い胴体輪郭候補を判断しているので、例えば同一の服装をした同一人物の胴体の輪郭に相当するラインが、人物の胴体の輪郭である確度が高い胴体輪郭候補と判断される可能性が高くなり、胴体輪郭の抽出精度が向上する。
【0142】
なお、上記では胴体輪郭候補同士の類似度を演算し、人物の胴体の輪郭である確度が高いと判断した胴体輪郭候補のみを用いて顔領域を判断していたが、胴体輪郭候補抽出処理によって抽出された胴体輪郭候補を全て用いて顔領域の判断を行うようにしてもよい。この場合、顔領域の抽出精度は若干低下するが、処理速度を高速化できる。
【0143】
また、上記で説明した胴体輪郭候補に代えて、人物の胴体部分に相当する画像パターンを用いてもよい。人物の胴体部分に相当する画像パターンの抽出は、例えば、ステップ310の顔候補領域抽出処理によって抽出された顔候補領域の位置、大きさ、向き及び人物の顔と胴体との位置関係に基づき、各画像の各顔候補領域に対応して画像パターン比較エリアを設定し、第1実施形態で説明した顔候補領域同士のパターンマッチングと同様に、各画像パターン比較エリアの正規化、正規化した比較エリア内の画像パターン同士で2次元パターンマッチングを行って類似度を求め、類似度が所定値以上となった他の画像パターンの数が所定数以上であった画像パターン、又は類似度が所定値以上となった他の画像パターンの出現頻度が所定値以上であった画像パターンを、人物の胴体部分に相当すると推定される画像パターンであると判断することにより行うことができる。
【0144】
そして、人物の胴体部分に相当すると推定される画像パターンであると判断した画像パターンを用いて、先に説明したステップ358と同様にして、人物の顔に相当する領域である確度が高い領域(顔領域)か否かを各顔候補領域毎に判断するようにしてもよい。
【0145】
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態について説明する。なお、本第3実施形態に係る写真焼付装置も、第1実施形態で説明した写真焼付装置10と同一の構成であるので、同一部分に同一の符号を付して構成の説明を省略し、以下、本第3実施形態の作用について、図18のフローチャートを参照して説明する。
【0146】
ステップ400〜408では、第1実施形態で説明した図2のフローチャートのステップ300〜310と同様に、ネガフィルム12の画像が露光位置に到達する迄ネガフィルム12を所定方向に搬送し、位置決めした画像の測光、画像データの取込みを行い、取込んだ画像データをメモリに記憶した後に、顔領域抽出処理を行う。ステップ410では顔領域抽出処理によって抽出された顔候補領域を表すデータを記憶し、次のステップ412ではネガフィルム12を末尾迄搬送したか否か、すなわちネガフィルム12に記録された全ての画像に対しステップ406〜410の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ400へ戻り、判定が肯定される迄ステップ400〜412を繰り返す。
【0147】
なお、顔候補領域の抽出にあたっては、第2実施形態でも説明したように、人物の胴体輪郭を表す形状パターン(胴体輪郭候補)又は胴体部分に相当すると推定される画像パターンを探索し、前記パターンの探索結果に基づいて人物の顔に相当する領域である確度の高い領域(顔領域)を判断し、顔領域であると判断したデータの領域のみをステップ410で記憶するようにしてもよい。
【0148】
ステップ412の判定が肯定されるとステップ414でネガフィルム12の搬送を停止し、ステップ416ではメモリに記憶されている各画像の画像データ及び顔候補領域を表すデータに基づいて、各画像の画像データから顔候補領域に対応するデータを抽出し、各画像の顔候補領域内の平均濃度を演算する。次のステップ418では、各画像の顔候補領域内の平均濃度が所定範囲内に収まっているか否か判定する。
【0149】
この判定が肯定された場合、ネガフィルム12の各画像は、露出を自動的に決定する機能、所謂AE機能を備えたカメラにより、AE機能を利用して撮影された画像である可能性が高いので、ステップ420へ移行し、予め定められてROM40B等にプログラムとして記憶されているAEカメラ用露光量演算アルゴリズムを取り込む。またステップ418の判定が否定された場合には、ネガフィルムの各画像は、AE機能を備えていないカメラ、例えば固定露出のレンズ付きフィルム等によって撮影された画像である可能性が高いので、ステップ422へ移行し、予め定められてROM40B等にプログラムとして記憶されている非AEカメラ用露光量演算アルゴリズムを取り込む。なお、AEカメラ用露光量演算アルゴリズム及び非AEカメラ用露光量演算アルゴリズムについては後述する。
【0150】
次のステップ424〜428では、第1実施形態で説明した図2のフローチャートのステップ324〜328と同様に、ネガフィルム12の画像が露光位置に到達する迄所定方向と逆方向に搬送する。ステップ430では、露光位置に位置決めした画像の画像データをメモリから取り込む。ステップ432では、取り込んだ画像データを用い、先のステップ420又はステップ422で取り込んだ露光量演算アルゴリズムに従って露光量Ej を演算する。この露光量演算アルゴリズム(露光量演算方法)としては種々の方法が考えられるが、図19のフローチャートを参照し、以下に一例を説明する。
【0151】
ステップ450では、予め記憶されているネガフィルム12のR、G、B毎の平均マスク濃度と、図18のフローチャートのステップ430で取込んだ画像データとを用い、以下のように3色の低濃度部画像データMIN(R)、MIN(G)、MIN(B)を演算し、記憶する。すなわち、平均マスク濃度は各種フィルムのマスク濃度又は各種フィルムの最低濃度を平均して求めたものであり、平均マスク濃度より所定値α(例えば0〜0.6の値)大きい値と3色画像データの最低濃度又は3色画像データの平均値とを比較し、(平均マスク濃度+α)>(3色画像データの最低濃度又は3色画像データの平均値)のときは3色画像データの最低濃度又は3色画像データの平均値を低濃度部画像データとする。また(平均マスク濃度+α)<(3色画像データの最低濃度値又は3色画像データの平均値)のときは、平均マスク濃度より所定値α大きい値を低濃度部画像データとする。
【0152】
ところで、本第3実施形態では制御部40が不揮発性の記憶手段(図示省略)を備えており、多数の画像コマの画像データが、AE機能を用いて撮影された画像コマの画像データと、AE機能を用いずに撮影された画像コマの画像データとに予めグループ分けされ、更に、各画像コマの画像データから後述するステップ454の処理によって選択されたデータが濃度別にクラス分けされ、各クラスに属するデータのR、G、B毎の平均値を前記各グループ毎に演算した結果が前記記憶手段に記憶されている。なお、不揮発性の記憶手段としては、ハードディスク、フレキシブルディスク等の磁気ディスク、光磁気ディスク、メモリカード等が挙げられる。
【0153】
上記平均値は多数コマの平均値であるので、各クラスのG濃度、R濃度、B濃度の各平均値を規格化した値を積算したときの色相はグレイまたグレイに近い一定の色相となる。また、AE機能を用いて撮影された画像コマとAE機能を用いずに撮影された画像コマとにグループ分けされているので、各グループの統計的性質を反映したものとなっている。
【0154】
ステップ452では予め記憶されている多数の画像コマの画像データに基づいて、後述するようにして画像データの規格化を行うが、AEカメラ用露光量演算アルゴリズムではAE機能を用いて撮影された画像コマのグループのデータを用いて規格化が行われ、非AEカメラ用露光量演算アルゴリズムではAE機能を用いずに撮影された画像コマのグループのデータを用いて規格化が行われる。
【0155】
ステップ452における規格化は、まず対応するグループの多数の3色画像データの各々から低濃度部画像データMIN(R)、MIN(G)、MIN(B)を減算することにより3色修正画像データR、G、Bを演算する。次に、修正画像データR、Bを図20に示す規格化テーブルを用いてGの濃度に変換することによって規格化(正規化)し、R、G、B毎の規格化画像データを求める。ネガフィルムはフィルム種や現像処理によってフィルム濃度や階調バランスが異なり、同一被写体を撮影してもフィルム種や現像処理によって画像濃度や色が異なることになるが、規格化ではこれを補正し、同一被写体についてフィルム種や現像処理に拘わらず一定の濃度や色となるように画像データを変換する。
【0156】
なお規格化テーブルは、AE機能を用いて撮影された画像コマのグループのデータに基づいて作成された第1の規格化テーブルと、AE機能を用いずに撮影された多数の画像コマのグループのデータに基づいて作成された第2の規格化テーブルの2種類が用意されており、AEカメラ用露光量演算アルゴリズムでは第1の規格化テーブルが用いられ、非AEカメラ用露光量演算アルゴリズムでは第2の規格化テーブルが用いられる。規格化テーブルは、各クラス毎の平均値を、例として図20に示すように横軸をG濃度、縦軸をR濃度及びB濃度とする平面座標上にプロットし、プロットした点を結ぶことによって作成され、画像データGの平均値と画像データRの平均値との関係を示す曲線および画像データGの平均値と画像データBの平均値との関係を示す曲線で構成される。
【0157】
ステップ452では上述の規格化テーブルを用いて修正画像データR、BをGの濃度に変換する。例えば図20では、Rの修正画像データの平均値R’がGR'に変換され、Bの修正画像データの平均値B’が同様にGB'に変換される。このとき修正画像データGは変換することなくそのまま使用する。この規格化方法としては上記の他、特開昭 56-1039号公報、特開昭 62-144158号公報に記載された方法を使用することができる。このような修正画像データの規格化によりフィルム種等が異なっても同一の色座標を使用することができる。
【0158】
次のステップ454では、図21に示すように、規格化データR、Gの差R−Gを横軸とし、規格化データG、Bの差G−Bを縦軸とする色座標上に定められた、原点を含む色領域Aa 、色領域Aa 以外の色領域Ab のいずれの色領域に3色規格化データが属するかを判断することによって3色規格化データを分類し、前述したように画像データの選択を行う。3色規格化データは色領域Aa と色領域Ab との境界を境にして分類されることになり、これにより3色規格化データは基準値(原点)からの色差の小さい領域に属するデータと基準値からの色差の大きい領域に属するデータとに分類されることになる。
ステップ454では後の処理で用いる画像データとして、規格化データが基準値からの色差の小さい色領域Aa に属している画像データを選択する。ステップ456では、上記で選択した画像データのR、G、B毎の平均値MD1R 、MD1G 、MD1B を求める。
【0159】
ステップ458では選択画像データの平均値に基づいて、対応するグループの多数の画像コマのデータから、同濃度におけるR、G、B毎の画像データMD2j を求める。この画像データMD2j は、前記同濃度に対応するクラスのG濃度の平均値MD1G をMD'(G)とし、このMD'(G)を規格化テーブルを用い内挿または外挿(補間)によって逆変換し、R濃度MD'(R)、B濃度MD'(B)を求め(図22参照)、R、G、B濃度MD'(R)、MD'(G)、MD'(B)の各々に低濃度部画像データMIN(R)、MIN(G)、MIN(B)を加算することにより求められる。
【0160】
ステップ460では、選択画像データの平均値MD1j 、ステップ458で演算した画像データMD2j を各々重み付けするための重み係数K1、K2を決定し、露光制御量Dj を算出する。本実施例では露光制御量Dj を次の(6)式を用いて算出する。
【0161】
Dj =K1・MD1j +K2・MD2j …(6)
重み係数K1、K2はAEカメラ用露光量演算アルゴリズムと非AEカメラ用露光量演算アルゴリズムとで同じ値を用いてもよいし、異なる値を用いてもよい。また、例えば色バランスが特定の色に偏倚しており、かつ画像コマの所定面積以上の領域が一定の色相となっている場合には、カラーフェリアの生じ易い画像コマであると判断できるので重み係数K1の値を小さくする、等のように、種々の条件に応じて、重み係数K1、K2の合計が一定値となるように変更するようにしてもよい。また、上記以外に、例えば多数の画像コマの画像データとして記憶されているデータ量、画像データから予測される被写体の色分布、撮影したシーンの特徴等に応じて重み係数K1、K2の値を変更するようにしてもよい。そして、決定した重み係数が(6)式に代入されることにより、露光制御量Dj が算出される。
【0162】
ステップ462では、ステップ460で決定された露光制御量Dj を、先に説明した(5)式におけるプリントすべき画像コマの濃度値Dj として用いることにより、露光量Ej を演算する。以上により露光量演算アルゴリズムによる露光量の演算を終了し、図18のフローチャートのステップ434へ移行する。
【0163】
ステップ434では、上記で演算した露光量Ej をドライバ46へ出力する。これにより、ドライバ46では入力された露光量Ej に基づいて、露光量Ej に対応する位置に色補正フィルタ18を移動させる。また、制御部40はブラックシャッタ26を上記の露光量Ej によって定まる所定時間だけ開放する。これにより、露光位置に位置決めされた画像が、上記の露光量Ej で印画紙28に焼付けされる。
【0164】
ステップ436では、ネガフィルム12に記録された全ての画像の焼付けを行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ424に戻り、ステップ424以降の処理を繰り返す。全ての画像の焼付けを行うと、ステップ436の判定が肯定されて処理を終了する。
【0165】
上記では、ネガフィルム12に記録された画像がAE機能を利用して撮影された画像であるか否かを判定し、AE機能を利用して撮影された画像であると判断した場合には、ネガフィルム12に記録された画像に対する露光量をAEカメラ用露光量演算アルゴリズムによって決定するので、AE機能を用いて撮影された画像の主要部に相当する領域を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることができる。
【0166】
なお、第3実施形態では、画像の顔候補領域の濃度のばらつき度合いに基づいて、ネガフィルム12に記録された画像を、AE機能を用いて撮影された画像、又はAE機能を用いずに撮影された画像の2つのグループに分類していたが、これに限定されるものではない。例えば、顔候補領域の濃度のばらつき度合いが小さくなる程、カメラのAE機能の精度が高い、或いは1本のフィルムに記録された複数の画像のうち類似したシーンを撮影した画像の占める割合が高いと判断できるので、AE機能を用いて撮影されたと判断できる画像を前記濃度のばらつき度合いに応じて更に複数のグループに分け、前記濃度のばらつき度合いが小さいグループ程、各画像の露光量が平均化される露光量演算方法(例えば(6)式における重み係数K2の値を大きくすることにより実現できる)を適用して露光量を演算するようにしてもよい。
【0168】
更に、AEカメラ用露光量演算アルゴリズム及び非AEカメラ用露光量演算アルゴリズムとしては、第3実施形態に記載したアルゴリズムに限定されるものではなく、多数の画像コマの画像データの統計的性質を表す特徴量(平均濃度、最大濃度、最小濃度等)を用いて露光量を演算する従来より公知の種々の方法を適用可能であることは言うまでもない。
【0169】
また、上記の実施形態に記載した顔候補領域抽出処理では、頭部抽出による顔候補領域設定処理において、人物の頭部に特有の形状パターンとして、人物の頭頂部に対応する凸部及び人物の頭部と顔との境界に対応する凹部を用いていたが、これに限定されるものではない。例えば、頭髪のない頭部、頭髪の濃度の低い頭部を抽出するためには、2値化以外の方法による領域分割、或いは画像のエッジの検出を行い、頭部に特有の形状パターンとして凸部のみを用いて頭部を抽出するようにしてもよい。
【0170】
更に、上記では画像を複数の領域に分割する方法の一例として2値化を例に説明したが、これに限定されるものではなく、特開平4-346332号公報に記載されているようにヒストグラムを用いて分割してもよい。また、画像の各画素毎の濃度値を各々異なる複数の方向(例えば画像の左右方向(0°)、上下方向(90°)、及び左右方向に対して±45°傾斜した方向)に沿って微分することにより画像のエッジを検出し、上記実施例で説明したラインに代えて、このエッジに対して周知の細線化処理を行って得られたエッジの中心線を用いて処理を行うようにしてもよい。
【0171】
また、上記では顔の内部構造を表す形状パターンとして眼部対を用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、鼻、口、眉毛の対等を用いたり、これらを組み合わせて総合的に顔候補領域を設定するようにしてもよい。
【0172】
更に、上記では胴体輪郭を表す形状パターンとして、人物の首から肩、肩から腕部分又は胴体下部にかけて連続する輪郭に相当するラインの対を抽出する例を説明したが、これに限定されるものではなく、人物の首から肩にかけての輪郭に相当するラインの対、及び人物の肩から腕部分にかけての輪郭に相当するラインの対を各々別個に検出するようにしてもよい。
【0173】
また、上記では人物の各部に特有の形状パターンに基づく顔候補領域の設定処理及び非人物領域判定処理(図5のフローチャートのステップ104〜112)を順次実行するようにしていたが、これらの処理は、各々他の処理による処理結果の影響を受けないので、上記各処理を行う処理部を別個に設け、前処理として複数領域への画像の分割又は画像のエッジの検出と、凹部、凸部の抽出と、を行った後に、各処理部で並列に処理するようにしてもよい。これにより、処理時間を大幅に短縮することができる。
【0174】
更に、図2、図17のステップ310、図18のステップ408の顔候補領域抽出処理に代えて、特開平4-346332号公報に記載されているように、原画像を多数画素に分割し各画素毎に3色に分解して測光し、測光により得られたデータに基づいて色相値(及び彩度値)についてのヒストグラムを求め、求めたヒストグラムを山毎に分割し、各画素が分割した山の何れに属するかを判断して各画素を分割した山に対応する群に分け、各群毎にカラー原画像を複数の領域に分割し、該複数の領域のうち人物の顔に相当する領域を推定するようにしてもよい。
【0175】
また、上記では原画像の記録媒体としてネガフィルム12を例に説明したが、ポジフィルム等の他のフィルムや、紙等の各種記録媒体に記録された画像を原画像として用いることが可能である。また、複写材料としてカラーペーパを例に説明したが、紙等の他の材料を適用してもよい。
【0176】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明は、人物の顔に相当する領域の抽出精度を向上させることができる、という優れた効果を有する。
【0177】
請求項2記載の発明は、原画像中の人物の顔に相当する領域が適正となるよう に複写できる、という優れた効果を有する。
【0178】
請求項3記載の発明は、露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像を自動的に識別し、該画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることができる、という優れた効果を有する。
【0179】
請求項記載の発明は、原画像中の人物の顔を含む主要部に相当する領域を適正に焼付けできるように露光量を決定することができる、という優れた効果を有する。
【0180】
請求項記載の発明は、上記効果に加え、人物の顔に相当する領域を明確に特定できない場合にも、人物の顔に相当する領域を適正に焼付けできるように露光量を決定することができる、という効果を有する。
【0181】
請求項6記載の発明は、露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像を自動的に識別し、該画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を適正に焼付けできる露光量を高い得率で得ることができる、という優れた効果を有する。
【0182】
請求項記載の発明は、上記効果に加え、人物の顔に相当する領域及びその周辺の領域の色等の影響を受けることなく、人物の顔に相当すると推定される領域を適正に抽出することができる、という効果を有する。
【0183】
請求項記載の発明は、上記効果に加え、人物の顔に相当する領域である確度が高い領域をより正確に判断することができる、という効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態に係る写真焼付装置の概略構成図である。
【図2】 第1実施形態に係る写真焼付処理を説明するフローチャートである。
【図3】 (A)は顔領域抽出処理によって抽出された顔候補領域の一例、(B)は類似度に基づいて判断された顔領域の一例を各々示すイメージ図である。
【図4】 (A)乃至(D)は顔候補領域の抽出、抽出した顔候補領域のサイズ及び濃度の正規化、及びマッチング評価値の演算を説明するためのイメージ図である。
【図5】 顔領域抽出処理のメインルーチンを説明するフローチャートである。
【図6】 頭部抽出による顔候補領域設定処理を説明するフローチャートである。
【図7】 顔輪郭による顔候補領域設定処理を説明するフローチャートである。
【図8】 顔内部構造による顔候補領域設定処理を説明するフローチャートである。
【図9】 胴体輪郭による顔候補領域設定処理を説明するフローチャートである。
【図10】 非人物領域判定処理を説明するフローチャートである。
【図11】 頭部抽出による顔候補領域設定処理の詳細として、(A)は原画像、(B)は2値化により抽出された黒領域の輪郭のトレース、(C)は輪郭の曲率の演算、(D)は凹部及び凸部の抽出を各々説明するためのイメージ図である。
【図12】 頭部抽出による顔候補領域設定処理の詳細として、(A)は凹部及び凸部の特徴量の演算、(B)は頭部の判定、(C)は顔候補領域の設定を各々説明するためのイメージ図である。
【図13】 顔輪郭による顔候補領域設定処理の詳細として、(A)は原画像、(B)は凹部及び凸部の抽出・分割、(C)は顔輪郭の候補となり得る対の抽出、(D)は線対称性類似度の判定を各々説明するためのイメージ図である。
【図14】 顔輪郭による顔候補領域設定処理の詳細として、(A)は線対称性類似度の判定、(B)は頭部との境界の探索、(C)は顔候補領域の設定を各々説明するためのイメージ図である。
【図15】 顔構造による顔候補領域設定処理の詳細として、(A)は眼部の候補となり得る黒領域の抽出、(B)は黒領域対の線対称類似度の判定、(C)は顔候補領域の設定を各々説明するためのイメージ図である。
【図16】 胴体輪郭による顔候補領域設定処理の詳細として、(A)は前処理で抽出されたライン、(B)は線対称性類似度の判定、(C)は顔候補領域の設定を各々説明するためのイメージ図である。
【図17】 第2実施形態に係る写真焼付処理を説明するフローチャートである。
【図18】 第3実施形態に係る写真焼付処理を説明するフローチャートである。
【図19】 第3実施形態の露光量演算アルゴリズムを説明するフローチャートである。
【図20】 規格化曲線を示す線図である。
【図21】 3色規格化データを分類するための色座標を示す線図である。
【図22】 規格化曲線を用いて画像データを求める処理を説明するための線図である。
【符号の説明】
10 写真焼付装置
12 ネガフィルム
18 色補正フィルタ
28 印画紙
32 CCDイメージセンサ
40 制御部
42 ディスプレイ

Claims (9)

  1. 原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出し、抽出した所定領域のデータを記憶することを複数の原画像に対して各々行い、
    前記記憶した各原画像の前記所定領域のデータに基づいて各原画像の前記所定領域の類似度を相互に演算し、
    類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定数以上存在している所定領域、又は類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定値以上の頻度で存在している所定領域を人物の顔に相当する領域である確度が高い領域と判断する
    顔領域判断方法。
  2. 原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出し、抽出した所定領域のデータを記憶することを複数の原画像に対して各々行い、
    前記記憶した各原画像の前記所定領域のデータに基づいて各原画像の前記所定領域の類似度を相互に演算し、
    類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定数以上存在している所定領域、又は類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定値以上の頻度で存在している所定領域を人物の顔に相当する領域である確度が高い領域と判断し、
    人物の顔に相当する領域である確度が高いと判断した所定領域が存在している原画像については、前記所定領域の色又は濃度の少なくとも一方に基づいて複写材料へ複写する
    複写方法。
  3. 原画像を測光し、測光によって得られたデータに基づいて原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出することを、複数の原画像に対して各々行い、
    前記複数の原画像中の前記所定領域の濃度のばらつきを求め、
    前記求めた濃度のばらつきが所定値以下の場合には、前記原画像が、露出を自動的に決定する機能を備えたカメラにより前記機能を用いて撮影された画像であると判断し、
    原画像から得られたデータを用い、予め定められた、前記カメラの露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像用の露光量演算方法に従って、前記複数の原画像の露光量を各々決定する
    露光量決定方法。
  4. 原画像を測光し、測光によって得られたデータに基づいて原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出し、抽出した所定領域のデータを記憶することを同一の写真フィルムに記録された複数の原画像に対して各々行い、
    前記記憶した各原画像の前記所定領域のデータに基づいて各原画像の前記所定領域の類似度を相互に演算し、
    類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定数以上存在している所定領域、又は類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定値以上の頻度で存在している所定領域を人物の顔に相当する領域である確度が高い領域と判断し、
    人物の顔に相当する領域である確度が高いと判断した所定領域が存在している原画像については、前記所定領域の色又は濃度の少なくとも一方に基づいて複写材料への露光量を決定する
    露光量決定方法。
  5. 前記複写材料への露光量の決定に際し、人物の顔に相当する領域である確度が高いと判断した所定領域が原画像中に複数存在している場合には、
    前記複数の所定領域の各々の色又は濃度の少なくとも一方に基づいて複数の露光量を各々求め、
    前記求めた複数の露光量のうちの少なくとも1つが他の露光量と所定量以上異なっているときには、
    前記複数の露光量を各々用いて前記原画像の焼付けを行った結果を推定して複数のシミュレーション画像を求め、
    求めた複数のシミュレーション画像を表示手段に各々表示し、
    前記表示した複数のシミュレーション画像の中から選択されたシミュレーション画像に対応する露光量を複写材料への露光量とする
    ことを特徴とする請求項4記載の露光量決定方法。
  6. 同一の写真フィルムに記録された複数の原画像を各々測光し、
    測光によって得られたデータに基づいて原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出することを、前記複数の原画像に対して各々行い、前記複数の原画像中の前記所定領域の濃度のばらつきを求め、
    前記求めた濃度のばらつきが所定値以下の場合には、前記写真フィルムに記録された原画像が、露出を自動的に決定する機能を備えたカメラにより前記機能を用いて写真フィルムに撮影された画像であると判断し、
    原画像を測光することによって得られたデータを用い、予め定められた、前記カメラの露出を自動的に決定する機能を用いて撮影された画像用の露光量演算方法に従って、前記複数の原画像の露光量を各々決定する
    露光量決定方法。
  7. 原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出し、抽出した所定領域を前記主要部に相当する領域とするか、
    又は、原画像中の人物の顔に相当すると推定される所定領域を抽出し、抽出した所定領域のデータを記憶することを前記複数の原画像に対して各々行い、前記記憶した各原画像の前記所定領域のデータに基づいて各原画像の前記所定領域の類似度を相互に演算し、類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定数以上存在している所定領域、又は類似度が所定値以上となった他の所定領域が他の原画像中に所定値以上の頻度で存在している所定領域を人物の顔に相当する領域である確度が高い領域と判断して前記主要部に相当する領域とするか、
    又は、原画像の全画面又は中央部を前記主要部に相当する領域とする
    ことを特徴とする請求項6記載の露光量決定方法。
  8. 前記所定領域の抽出は、
    原画像中に存在する、人物の顔及び頭部及び胴体の少なくとも何れかに特有の所定の形状パターンを探索し、
    検出した所定の形状パターンの大きさ、向き及び人物の顔と前記所定の形状パターンが存在する位置との位置関係に応じて前記所定領域を抽出する
    ことを特徴とする請求項4又は請求項7記載の露光量決定方法。
  9. 人物の顔に相当する領域である確度が高い領域の判断は、
    原画像中に存在する人物の胴体に特有の形状パターンを探索するか、
    又は原画像中に存在する人物の胴体部分に相当すると推定される画像パターンを複数の原画像に亘って探索し、
    前記形状パターン又は前記画像パターンの有無、及び前記形状パターン又は前記画像パターンを検出した場合には、検出した前記形状パターン又は前記画像パターンと前記所定領域との位置関係も考慮して行う
    ことを特徴とする請求項4又は請求項7記載の露光量決定方法。
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