JP3636679B2 - コンテンツ配信方法および端末管理サーバ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンテンツ配信方法および端末管理サーバ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やFTTH(Fiber To The Home)などの広帯域ネットワークを実現するためのアクセス回線が広く普及し始めている。これに伴い、動画像などのコンテンツをネットワーク経由で配信するサービスも本格的な普及期を迎えようとしている。
【0003】
ネットワークを介して動画像を配信する場合、コンテンツ容量が従来のWeb、メールなどのアプリケーションに比べて格段に大きく、かつ、許容される伝送遅延時間が小さい。これらのことから、(1)コンテンツ配信のためのネットワーク資源(特に帯域)を事前に確保することと、(2)ネットワーク資源を有効に使用し効率よく配信することが必要となる。
【0004】
前者(1)については、特開平10−243018号公報に開示されているように、トラヒックフロー(ここでは1つの映像コンテンツに相当)毎に必要となる帯域を予約し、当該フローを優先的に伝送しようとするアプローチや、特開平11−298482号公報に開示されているように、パケット送信終了フラグにより帯域の変更を行うことで、パケット単位で伝送制御を行おうとするものがある。
【0005】
一方、後者(2)については、特許公報第2946193号に、ネットワーク資源を効率よく利用でき、かつ伝播遅延が少ないマルチキャスト接続経路を選択することができるマルチキャスト接続経路選択方法が提案されている。
【0006】
ところで、FTTHのような光ファイバを利用したアクセス回線はコストの高さが難点と言われていたが、光アクセス回線を複数のユーザで共用する帯域共用システムにより難点が解消されつつある。
【0007】
図6に、従来の光アクセス回線網の帯域共用システムの構成を示す。図6中のONU(光網終端装置:Optical Network Unit)61は、光アクセス回線62のUNI(User-Network Interface)を提供する装置である。また、OSU(光加入者サービス装置:Optical Subscriber Unit)63は、局側の光アクセス回線62を終端する装置である。また、OLT(光伝送路終端装置:Optical Line Terminal)64は、OSU63を複数収容し、プロバイダの網65へ接続する装置である。また、光スプリッタ(光分岐装置)66は、1本の光アクセス回線62を複数の回線に分岐する光分岐回路である。
【0008】
このような構成からなる従来の帯域共用システム60では、OSU63から引き出される光アクセス回線62の帯域は、複数のONU61によって共用する。例えば、光アクセス回線62の帯域が10Mbps、ONU61の数が32個だとすると、1つのONU61あたり最低保証帯域として約320kbpsが確保される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の図6に示す帯域共用システム60では、次の点が問題になる。
【0010】
1つ目は、複数のユーザで光アクセス回線62の帯域を共用するため、1人あたりの最低保証帯域が動画像を受信するには十分でないという問題である。上述の例では、1人のユーザ当りの最低保証帯域が約320kbpsであるが、これでは、高品質なコンテンツ(例えばMPEG2形式の動画像)を受信することはできない。1人のユーザ当りの最低保証帯域をそれ以上確保しようとすれば、光アクセス回線62の帯域自体を大きくするか、回線を共有する人数を減らす必要があり、コスト高を招いてしまう。
【0011】
2つ目は、上述の帯域共用システム60では、ユーザ毎の最低保証帯域を確保することができるものの、確保した帯域をユーザ間で互いに利用し合うということができない。このため、同じコンテンツをダウンロードするユーザが複数存在する場合であっても、光アクセス回線62には、1ユーザ分の最低保証帯域しか確保できないという問題がある。
【0012】
この問題を図7(a)、(b)を参照してより詳細に説明する。図7(a)に示すように、コンテンツがユニキャストで配信される場合、複数のユーザが使用する端末#1〜#32のうち、同じコンテンツを視聴しようとするユーザの端末#1、#3、#4〜#32がそれぞれの最低保証帯域を使用して同じ映像Aのパケットを受信する。一方、図7(b)に示すように、コンテンツがマルチキャストで配信される場合は、いずれか1つの端末(この例では#1)の最低保証帯域を使用して映像Aのパケットを受信するが、このとき、他の端末(#3、#4〜#32)の最低保証帯域は使用されない。このため、光アクセス回線62の帯域を効率良く利用することができない。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、映像などの大容量のコンテンツ配信を行う際に、ネットワーク資源を効率良く利用しかつコンテンツ配信をより高品質で行うことができるコンテンツ配信方法および端末管理サーバ装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明のコンテンツ配信方法は、ネットワーク伝送路を介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ装置と、前記コンテンツ配信サーバ装置までの前記ネットワーク伝送路の少なくとも一部を共用しかつ前記ネットワーク伝送路が提供するネットワーク資源の一部がそれぞれに利用が保証される最低保証分として個別に割り当てられている複数の端末と、前記コンテンツ配信サーバ装置からのコンテンツ配信に前記ネットワーク資源の一部を確保するネットワーク資源制御装置と、を具備するコンテンツ配信システムにおいて、
前記複数の端末が前記コンテンツ配信サーバ装置に対してコンテンツの配信を要求するコンテンツ情報を収集するステップと、前記複数の端末のうち同一時刻に同一コンテンツの配信を要求する参加端末を検知するステップと、前記参加端末に割り当てられた前記最低保証分の少なくとも一部を当該コンテンツ配信に利用する共用資源に割り当てることを決定するステップと、前記共用資源を確保するように前記ネットワーク資源制御装置に通知するステップと、を具備する。
【0015】
この方法により、同一コンテンツの配信を要求する参加端末を検知し、これらに割り当てられたネットワーク資源の最低保証分の少なくとも一部をコンテンツの配信のために確保するようにネットワーク資源制御装置に通知し、参加端末の最低保証分を共用することでコンテンツ配信のために使用できるネットワーク資源が増加するので、ネットワーク資源を効率良く利用でき、かつ、高品質な番組配信が可能になる。
【0016】
また、本発明において、複数の端末は2以上の群に分かれており、前記群の各々において別個にコンテンツ情報を収集しかつ参加端末を検知すると共に、前記群での前記参加端末の検知結果を1つにまとめ、1つにまとめた前記検知結果から共用資源を決定することができる。
【0017】
この方法により、複数の端末を2以上の群に分けて、管理の負担を低減すると共に、各群での参加端末の検知結果を1つにまとめ、これに基づいてコンテンツの配信のために確保するネットワーク資源を決定しているので、より多くの端末の中から参加端末を検知し、これらが保持する最低保証分を共用することが可能になる。
【0018】
また、本発明において、コンテンツ配信に利用可能な共用資源をコンテンツ配信サーバ装置に通知し、前記コンテンツ配信サーバ装置からその応答を受信することができる。
【0019】
この方法により、エンド・ツー・エンドでコンテンツ配信にネットワーク資源を確保できるので、ネットワーク資源をより効率良く利用できると共に、より高品質なコンテンツ配信が可能になる。
【0020】
また、本発明において、コンテンツ配信サーバ装置に、通知した共用資源の範囲内で配信可能な最も高い品質によりコンテンツを配信させることができる。
【0021】
この方法により、仮に複数の参加端末があっても最も高品質のコンテンツを配信するのに適したネットワーク資源を確保できない場合であっても、確保できたネットワーク資源の範囲内で最も品質の良いコンテンツ配信が保証される。
【0022】
また、本発明において、参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出するステップと、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分よりも不足しているならば、前記参加端末以外の端末にコンテンツ配信を要求するよう催促するステップと、をさらに具備しても良い。
【0023】
この方法により、参加端末の最低保証分の合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分よりも不足しているならば、未参加端末に参加を促すので、コンテンツ配信に使用可能なネットワーク資源を増やす可能性を積極的に高めることができる。
【0024】
また、本発明において、参加端末の最低保証分の合計ががコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分を超過しているならば、この超過分を未参加端末に追加として割り当てるように前記ネットワーク資源制御装置に通知するステップと、をさらに具備しても良い。
【0025】
この方法により、参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出するステップと、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分を超過しているならば、この超過分を未参加端末に追加として割り当てるので、ネットワーク資源をより効率良く利用することができる。
【0026】
また、本発明において、コンテンツ配信サーバ装置から配信されたコンテンツを一時的に蓄積するステップと、蓄積した前記コンテンツを端末からの要求に応じて送信するステップと、をさらに具備しても良い。
【0027】
この方法により、コンテンツをキャッシュするので、未参加端末がコンテンツを受信する時刻をずらしたり、コンテンツ受信を一時停止するなど、きめ細かなサービスを実現することができる。
【0028】
また、本発明において、コンテンツ配信サーバ装置との間で暗号鍵の交渉を行い前記暗号鍵を取得するステップと、取得した前記暗号鍵を前記参加端末に通知するステップと、をさらに具備しても良い。
【0029】
この方法により、暗号鍵を参加端末に選択的に通知するので、コンテンツ配信を要求した端末のみに、効率的に暗号鍵を配信することが可能となる。
【0030】
本発明の端末管理サーバ装置は、ネットワーク伝送路を介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ装置と、前記コンテンツ配信サーバ装置までの前記ネットワーク伝送路の少なくとも一部を共用しかつ前記ネットワーク伝送路が提供するネットワーク資源の一部がそれぞれに利用が保証される最低保証分として個別に割り当てられている複数の端末と、前記コンテンツ配信サーバ装置からのコンテンツ配信に前記ネットワーク資源の一部を確保するネットワーク資源制御装置と、を具備するコンテンツ配信システムに設けられ、前記複数の端末を管理する端末管理サーバ装置であって、前記複数の端末が前記コンテンツ配信サーバ装置に対してコンテンツの配信を要求するコンテンツ情報を収集する収集手段と、前記複数の端末のうち同一時刻に同一コンテンツの配信を要求する参加端末を検知する検知手段と、前記参加端末に割り当てられた前記最低保証分の少なくとも一部を当該コンテンツ配信に利用する共用資源に割り当てることを決定する決定手段と、前記共用資源を確保するように前記ネットワーク資源制御装置に通知する通知手段と、を具備する構成を採る。
【0031】
この構成により、同一コンテンツの配信を要求する参加端末を検知し、これらに割り当てられたネットワーク資源の最低保証分の少なくとも一部をコンテンツの配信のために確保するようにネットワーク資源制御装置に通知し、参加端末の最低保証分を共用することでコンテンツ配信のために使用できるネットワーク資源が増加するので、ネットワーク資源を効率良く利用でき、かつ、高品質な番組配信が可能になる。
【0032】
また、本発明において、複数の端末を2以上の群に分けて管理し、前記群毎に別個にコンテンツ情報を収集し参加端末を検知する複数の端末管理サーバ装置の1つであって、他の端末管理サーバ装置からこれが管理する群での前記参加端末の検知結果を受信する受信手段をさらに具備し、決定手段は、自らが管理する群での前記検知結果および前記受信手段が受信した前記他の端末管理サーバが管理する群での前記検知結果の両方から共用資源を決定することができる。
【0033】
この構成により、複数の端末を2以上の群に分けてそれぞれに端末管理サーバ装置を設け、各装置の管理負担を低減すると共に、他の端末管理サーバ装置からこれが管理する群での参加端末の検知結果を受信し、自らが管理する群での検知結果および他の端末管理サーバが管理する群での検知結果の両方から共用資源を決定するので、より多くの端末の中から参加端末を検知し、これらが保持する最低保証分を共用することが可能になる。
【0034】
また、本発明において、コンテンツ配信に利用可能な共用資源をコンテンツ配信サーバ装置に通知する他の通知手段と、前記コンテンツ配信サーバ装置からその応答を受信する応答受信手段と、をさらに具備しても良い。
【0035】
この構成により、エンド・ツー・エンドでコンテンツ配信にネットワーク資源を確保できるので、ネットワーク資源をより効率良く利用できると共に、より高品質なコンテンツ配信が可能になる。
【0036】
また、本発明において、他の通知手段は、共用資源をコンテンツ配信サーバ装置に通知して、前記コンテンツ配信サーバ装置に、前記共用資源の範囲内で配信可能な最も高い品質によりコンテンツを配信させることができる。
【0037】
この構成により、仮に複数の参加端末があっても最も高品質のコンテンツを配信するのに適したネットワーク資源を確保できない場合であっても、確保できたネットワーク資源の範囲内で最も品質の良いコンテンツ配信が保証される。
【0038】
また、本発明において、参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出する算出手段と、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分よりも不足しているならば、前記参加端末以外の端末にコンテンツ配信を要求するよう催促する催促手段と、をさらに具備しても良い。
【0039】
この構成により、参加端末の最低保証分の合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分よりも不足しているならば、未参加端末に参加を促すので、コンテンツ配信に使用可能なネットワーク資源を増やす可能性を積極的に高めることができる。
【0040】
また、本発明において、参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出する算出手段と、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分を超過しているならば、この超過分を前記参加端末以外の端末に追加として割り当てるように前記ネットワーク資源制御装置に通知する超過分通知手段と、をさらに具備しても良い。
【0041】
この構成により、参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出するステップと、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分を超過しているならば、この超過分を未参加端末に追加として割り当てるので、ネットワーク資源をより効率良く利用することができる。
【0042】
また、本発明において、コンテンツ配信サーバ装置から配信されたコンテンツを一時的に蓄積する蓄積手段と、蓄積した前記コンテンツを端末からの要求に応じて送信するコンテンツ送信手段と、をさらに具備しても良い。
【0043】
この構成により、コンテンツをキャッシュするので、未参加端末がコンテンツを受信する時刻をずらしたり、コンテンツ受信を一時停止するなど、きめ細かなサービスを実現することができる。
【0044】
また、本発明において、コンテンツ配信サーバ装置との間で暗号鍵の交渉を行い前記暗号鍵を取得する暗号鍵取得手段と、取得した前記暗号鍵を前記参加端末に通知する暗号鍵通知手段と、をさらに具備しても良い。
【0045】
この構成により、暗号鍵を参加端末に選択的に通知するので、コンテンツ配信を要求した端末のみに、効率的に暗号鍵を配信することが可能となる。
【0046】
本発明の端末管理サーバプログラムは、コンピュータを、ネットワーク伝送路を介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ装置と、前記コンテンツ配信サーバ装置までの前記ネットワーク伝送路の少なくとも一部を共用しかつ前記ネットワーク伝送路が提供するネットワーク資源の一部がそれぞれに利用が保証される最低保証分として個別に割り当てられている複数の端末と、前記コンテンツ配信サーバ装置からのコンテンツ配信に前記ネットワーク資源の一部を確保するネットワーク資源制御装置と、を具備するコンテンツ配信システムに設けられ、前記複数の端末を管理する端末管理サーバ装置として機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、前記複数の端末が前記コンテンツ配信サーバ装置に対してコンテンツの配信を要求するコンテンツ情報を収集する収集手段と、前記複数の端末のうち同一時刻に同一コンテンツの配信を要求する参加端末を検知する検知手段と、前記参加端末に割り当てられた前記最低保証分の少なくとも一部を当該コンテンツ配信に利用する共用資源に割り当てることを決定する決定手段と、前記共用資源を確保するように前記ネットワーク資源制御装置に通知する通知手段と、として機能させる構成を採る。
【0047】
このプログラムにより、コンピュータは、同一コンテンツの配信を要求する参加端末を検知し、これらに割り当てられたネットワーク資源の最低保証分の少なくとも一部をコンテンツの配信のために確保するようにネットワーク資源制御装置に通知し、参加端末の最低保証分を共用することでコンテンツ配信のために使用できるネットワーク資源が増加するので、ネットワーク資源を効率良く利用でき、かつ、高品質な番組配信が可能になる。
【0048】
また、本発明において、コンピュータを、複数の端末を2以上の群に分けて管理し、前記群毎に別個にコンテンツ情報を収集し参加端末を検知する複数の端末管理サーバ装置の1つとして機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、他の端末管理サーバ装置からこれが管理する群での前記参加端末の検知結果を受信する受信手段としてさらに機能させ、かつ、決定手段は、自らが管理する群での前記検知結果および前記受信手段が受信した前記他の端末管理サーバが管理する群での前記検知結果の両方から共用資源を決定することができる。
【0049】
このプログラムにより、複数の端末を2以上の群に分けて、コンピュータの管理負担を低減すると共に、他の端末管理サーバ装置からこれが管理する群での参加端末の検知結果を受信し、自らが管理する群での検知結果および他の端末管理サーバが管理する群での検知結果の両方から共用資源を決定するので、より多くの端末の中から参加端末を検知し、これらが保持する最低保証分を共用することが可能になる。
【0050】
また、本発明において、コンピュータを、コンテンツ配信に利用可能な共用資源をコンテンツ配信サーバ装置に通知する他の通知手段と、前記コンテンツ配信サーバ装置からその応答を受信する応答受信手段と、してさらに機能させても良い。
【0051】
このプログラムにより、エンド・ツー・エンドでコンテンツ配信にネットワーク資源を確保できるので、ネットワーク資源をより効率良く利用できると共に、より高品質なコンテンツ配信が可能になる。
【0052】
また、本発明において、他の通知手段は、共用資源をコンテンツ配信サーバ装置に通知して、前記コンテンツ配信サーバ装置に、前記共用資源の範囲内で配信可能な最も高い品質によりコンテンツを配信させることができる。
【0053】
このプログラムにより、仮に複数の参加端末があっても最も高品質のコンテンツを配信するのに適したネットワーク資源を確保できない場合であっても、確保できたネットワーク資源の範囲内で最も品質の良いコンテンツ配信が保証される。
【0054】
また、本発明において、コンピュータを、参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出する算出手段と、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分よりも不足しているならば、前記参加端末以外の端末にコンテンツ配信を要求するよう催促する催促手段と、してさらに機能させても良い。
【0055】
このプログラムにより、参加端末の最低保証分の合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分よりも不足しているならば、未参加端末に参加を促すので、コンテンツ配信に使用可能なネットワーク資源を増やす可能性を積極的に高めることができる。
【0056】
また、本発明において、コンピュータを、参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出する算出手段と、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分を超過しているならば、この超過分を前記参加端末以外の端末に追加として割り当てるように前記ネットワーク資源制御装置に通知する超過分通知手段と、してさらに機能させても良い。
【0057】
このプログラムにより、参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出するステップと、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分を超過しているならば、この超過分を未参加端末に追加として割り当てるので、ネットワーク資源をより効率良く利用することができる。
【0058】
また、本発明において、コンピュータを、コンテンツ配信サーバ装置から配信されたコンテンツを一時的に蓄積する蓄積手段と、蓄積した前記コンテンツを端末からの要求に応じて送信するコンテンツ送信手段と、してさらに機能させても良い。
【0059】
このプログラムにより、コンテンツをキャッシュするので、未参加端末がコンテンツを受信する時刻をずらしたり、コンテンツ受信を一時停止するなど、きめ細かなサービスを実現することができる。
【0060】
また、本発明において、コンテンツ配信サーバ装置との間で暗号鍵の交渉を行い前記暗号鍵を取得する暗号鍵取得手段と、取得した前記暗号鍵を前記参加端末に通知する暗号鍵通知手段と、してさらに機能させても良い。
【0061】
このプログラムにより、暗号鍵を参加端末に選択的に通知するので、コンテンツ配信を要求した端末のみに、効率的に暗号鍵を配信することが可能となる。
【0062】
本発明は、上記端末管理サーバプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を包含する。
【0063】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態1、2について、図面を参照して詳細に説明する。
【0064】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るコンテンツ配信システムを示す概略図である。図1において、コンテンツ配信サーバ装置1は、プロバイダが提供するインターネット基幹網2に接続されている。インターネット基幹網2には、OLT装置3が接続されている。OLT装置3は、複数のOSU4を備えている。各OSU4には、光アクセス回線5の一端部が接続されている。光アクセス回線5の他端部には、光スプリッタ6が設けられている。この光スプリッタ6は、1本の光アクセス回線5を複数のユーザ回線7に分岐する。各ユーザ回線7は、複数のONU1〜32を介して複数のPC1〜PC32に接続されている。
【0065】
さらに、光スプリッタ6には、PC1〜PC32およびONU1〜32を管理する2つの管理サーバA8、B9が接続されている。一の管理サーバA8は、PC1〜PC16とそれが接続するONU1〜16を管理し、他の管理サーバB9は、PC17〜PC32とそれが接続するONU17〜32を管理する。
【0066】
本実施の形態では、各ONU−光スプリッタ−OLTの光アクセス区間の総帯域幅は10Mbpsであり、これを32個のONU1〜32で共用するケースを想定し、1つのONUあたりの最低保証帯域幅は約320kbpsであるものとする。
【0067】
図2は、上記実施の形態1に係る管理サーバを示すブロック図である。
管理サーバA8、B9において、管理サーバメイン部11は、管理サーバ機能の諸機能を中心となって実行する。後述のデータベース(EPG情報、端末群情報)を参照して映像配信に必要な帯域の算出を行う。さらに、下位のネットワーク機能を利用して、コンテンツ配信サーバ装置1、OLT装置3、PC1〜32、管理サーバA8、B9、および他の管理サーバとのメッセージ交換を行う。
【0068】
Webサーバ機能部12は、PC1〜32に対してWebベースでEPG情報を提供するとともに、PC1〜32のWebブラウザから入力された映像視聴に関する情報を受信して端末群情報に格納する。
【0069】
映像情報処理部13は、コンテンツ配信サーバ装置1からネットワーク機能を経由して受信した映像情報を、キャッシュとして利用するために映像格納部に保存する。
【0070】
暗号化部14は、コンテンツ配信サーバ装置1、PC1〜32または他の管理サーバと暗号化鍵の交換を行う。例えば、SSL(Secure Socket Layer)などの一般的な暗号化プロトコルを利用可能である。
【0071】
さらに、管理サーバA8、B9は、ネットワーク上での通信を実行するために、TCP層15、UDP層16、IP層17およびEthernet(R)機能部18を備えている。
【0072】
管理サーバA8、B9は、次のようなデータベースを備えている。EPG情報19は、コンテンツ配信サーバ装置1から受信するEPG(Electronic Program Guide:電子番組表)情報(具体的には番組種類、開始時刻および時間、送信レート、送信フォーマット、料金情報など)を格納する。DRAMなどのメモリ上に格納するとともに、バックアップのためにハードディスクドライブ(HDD)にも保存し随時更新する。
【0073】
また、端末群情報20は、管理サーバA8、B9が管理する端末群(PC1〜PC32)の情報を格納する。具体的には、端末群情報20は、各PC1〜PC32に割り当てられたネットワーク資源(帯域)情報、視聴を予定している番組情報などである。メモリ上に格納するとともに、バックアップのためにHDDにも保存し随時更新する。
さらに、映像格納部21は、HDD上に確保された、1映像情報を格納するためのエリアである。
【0074】
図3は、上記実施の形態1に係るコンテンツ配信システムでのデータのやり取りを示すシーケンス図である。
【0075】
この図3では、管理サーバA8がPC1〜PC16からの番組受信を受け付ける場合について例示している。
【0076】
予め管理サーバA8は、コンテンツ配信サーバ装置1が配信したEPGデータを受信する(ST301)。1つのEPGデータは、番組名、配信時刻、配信レート、配信時アドレスなどで構成される。下記にその一例を示す。
【0077】
EPGデータ<番組名=ライブA:時刻=19:00〜20:00:送信レート=800kbps:配信時アドレス=224.30.3.5>
次に、例えばPC1から管理サーバA8にアクセスし、番組選択が行なわれる(ST302)。より具体的には、PC1上で動作するWebブラウザは、管理サーバA8の番組選択用コンテンツのURLにアクセスし、このコンテンツデータ(HTMLファイルなど)をダウンロードし、PC1のディスプレイに番組選択用ホームページを表示する。この番組選択用ホームページは、EPGデータに基づいて作成されている。
【0078】
PC1を操作するユーザはこの番組選択用ホームページから視聴したい番組を選択する。番組選択は、例えば、番組のアイコンをクリックすることで行うことができる。Webブラウザは、この番組選択を認識し、番組選択メッセージを管理サーバA8に送信する。
【0079】
管理サーバA8は、PC1からの番組選択を受け付けると、選択された番組と同一のコンテンツ配信を要求する端末(以下、参加端末という)の数(以下、参加端末数という)をカウントする(ST303)。また、PC1に接続したONU1の番号(以下、対象ONU番号という)“1”を記憶する(ST304)。次に、管理サーバA8は、EPGデータに基づいて番組配信時のマルチキャストIPアドレス(上記の例では224.30.3.5)を含む受付通知メッセージを作成し、PC1に送信する(ST305)。PC1は、この受付通知メッセージに含まれるマルチキャストIPアドレスを用いて、後で行われる番組映像配信時のマルチキャストのIPパケットを受信することができる。
【0080】
同様に、他のPC、例えばPC16から同一の番組についての番組選択が行われると(ST306)、管理サーバA8は参加端末数をカウントし(ST307)、また、対象ONU番号“16”を記憶する(ST308)。次いで、受信通知メッセージを作成し、PC16に送信する(ST309)。
【0081】
その後、番組選択受付の終了条件が成立したならば、管理サーバA8、B9は、それまでにカウントした同一の番組(「ライブA」)の参加端末数(この例では2)から当該番組のコンテンツ配信に割当可能な帯域幅(以下、割当可能帯域幅という)を算出する(ST310)。具体的には、下式(1)で算出する。
【0082】
割当可能帯域幅(kbps)=(各PC1〜PC32の最低保証帯域幅)×参加端末数・・・(1)
上述のように、本実施の形態では、PC1〜PC32にそれぞれ320kbpsの最低保証帯域幅が割り当てられ、かつ、この例では参加端末数が2であるので、割当可能帯域幅は640kbpsとなる。
【0083】
次に、管理サーバA8は、帯域変更通知をOLT装置3に送信する(ST311)。帯域変更通知は、変更対象ONU、変更時刻、送信元IPアドレスを含む。帯域変更通知は、例えば、以下の通りである。
【0084】
<変更対象ONU=1,16:時刻=19:00〜20:00:送信元IP=xxx.xx.x.x(コンテンツ配信サーバ装置1のIPアドレス)>
OLT装置3は、帯域変更通知を受信し、これに従って帯域幅を変更する。すなわち、OLT装置3は、帯域変更通知で指定された時刻(19:00〜20:00)における指定された発信元IP(コンテンツ配信サーバ装置1のIPアドレス)から送信されたIPパケットに対して、指定されたONU(ONU61、xx)に元来割り当てられていた帯域幅を確保する。これにより、同一の番組(「ライブA」)のコンテンツ・ダウンロードのためのOLT装置3からPC1、16への下り方向の最低保証帯域は、元来2つのONU1、16に個別に割り当てられていた最低保証帯域を合算した640kbpsに変更される。
【0085】
また、管理サーバA8は、コンテンツ配信サーバ装置1に対して映像配信要求メッセージを送信する(ST312)。この映像配信要求メッセージには、ST310で算出した割当可能帯域幅(この例では640kbps)が含まれている。コンテンツ配信サーバ装置1は、映像配信要求メッセージを受信したならば、映像配信応答メッセージを管理サーバA8に送信する(ST313)。この映像配信応答メッセージ中には、送信可能最大レートおよび暗号化されたコンテンツを復元するための暗号鍵が含まれている。送信可能最大レートは、コンテンツ配信サーバ装置1からの送信可能な最大のレート(例えば、600kbps)をいう。
【0086】
管理サーバA8は、同一の番組(「ライブA」)を視聴するPC1およびPC16に対し、SSL(Secure Sockets Layer)などの暗号化通信可能なセッションを確立し、そのセッション上でコンテンツ配信サーバ装置1から渡された暗号化鍵を通知する(ST314、ST315)。
【0087】
ここまでのやり取りにより、PC1およびPC16で番組を受信する準備が整ったので、配信開始時刻(19:00)になるとコンテンツ配信サーバ装置1は、映像データをマルチキャストIPアドレスに対して送信する(ST316)。PC1およびPC16は、映像データを受信し、暗号を解読することにより、番組の視聴を行う(ST317、ST318)。
【0088】
一方、管理サーバA8、B9は、キャッシュサーバの役割を兼ねている。すなわち、管理サーバA8は、受信したコンテンツをHDDに蓄積しておく(ST319)。そして、例えばPC2が配信開始後に番組を視聴しようとした場合(ST320、ST321)に、管理サーバA8から暗号鍵を通知した後(ST322)、HDDに蓄積した映像データを始めからPC2に配信する(ST323)。
【0089】
このように、本実施の形態1に係るコンテンツ配信システムによれば、管理サーバA8,B9は、同一の番組を視聴しようとするPCを検出し、これらのPCに割り当てられた全ての最低保証帯域を、コンテンツ配信サーバ装置1からの当該番組の映像データ配信のために確保するようにOLT装置3に指示するようになっている。これにより、参加端末が多くなるほど番組配信のために使用できる帯域を増加するので、光アクセス回線5の帯域を効率良く使用でき、かつ、高品質な番組配信が可能になる。このとき、番組視聴に未参加の端末に割り当てられた最低保証帯域は使用していないので、番組の視聴に参加しない端末に対する公平性を保つことができる。
【0090】
また、管理サーバA8、B9は、参加端末数および各端末の最低保証帯域に基づいて番組配信に割り当てられる割当可能帯域幅を算出し、OLT装置3への帯域変更通知(ST311)とは別に、これを映像配信要求に含めてコンテンツ配信サーバ装置1に送信している(ST312)。これに対し、コンテンツ配信サーバ装置1は、送信可能最大レートを含む応答メッセージを送信する(ST313)。これにより、エンド・ツー・エンドでコンテンツ配信のための帯域を確保できるので、帯域をより有効に利用することができると共に、より高品質な番組配信が可能になる。
【0091】
上記実施の形態1では、管理サーバA8、B9が割当可能帯域幅をコンテンツ配信サーバ装置1に通知し、これに対してコンテンツ配信サーバ装置1が送信可能最大レートを応答することを説明した。このネゴシエーションを用いてより効率の良いコンテンツ配信を実現することが可能である。すなわち、コンテンツ配信サーバ装置1は、最も高品質な映像データ(800kbpsのレートでエンコードされたもの)だけでなく、低速なネットワーク環境に置かれたユーザ用に、レートを落としたいくつかの品質の映像データ(例えば、128kbps,256kbpsおよび600kbpsなど)を予め保持しておく。そして、管理サーバA8、B9から割当可能帯域が指定されたならば、コンテンツ配信サーバ装置1は、それを超えない範囲で最も高品質な映像データを選択し配信する。これにより、仮に複数の参加端末があっても最も高品質な映像データの配信に適した帯域(800kbp)を確保できない場合にも、確保できた帯域で最も品質の良いコンテンツ配信が保証される。
【0092】
また、管理サーバA8、B9は、キャッシュサーバ機能を兼ね備えているので、上述のように一部の端末がコンテンツを受信する時刻をずらすことができる他、コンテンツ受信を一時停止するなど、きめ細かなサービスを実現することができる。
【0093】
また、管理サーバA8,B9は、コンテンツ配信サーバ装置1との間で暗号鍵の交渉を行い(ST312、ST313)、取得した暗号鍵を端末に選択的に通知する(ST314、ST315)ので、番組の視聴を希望する端末のみに、効率的に暗号鍵を配信することが可能となり、映像配信のセキュリティを向上することができる。
【0094】
(実施の形態2)
次に、一部の端末から最初に番組視聴の参加があった場合に、管理サーバが他の端末に対して参加勧誘を行う場合などについて説明する。
図4、図5は、本発明の実施の形態2に係るコンテンツ配信システムでのデータのやり取りを示すシーケンス図である。
【0095】
管理サーバA8、B9は、予めコンテンツ配信サーバ装置1からEPGデータの配信を受ける(ST401、ST402)。
EPGデータの内容は、以下の通りである。
EPGデータ<番組名=ドラマA:時刻=21:00〜22:00:送信レート=800kbps:配信時アドレス=224.50.2.8>
番組を視聴しようとするPC1およびPC17は、それぞれを担当する管理サーバA8、B9にアクセスして番組選択を行い(ST403、ST404)、それぞれ受付通知を受信する(ST405、ST406)。これらの受付通知には、番組配信時のマルチキャストIPアドレス(224.50.2.8)が含まれている。
【0096】
所定の条件が成立したならば、管理サーバA8は、管理サーバB9に対して参加者問合せを送信する(ST407)。この参加者問合せに対して、管理サーバB9は、その時点での番組「ドラマA」の参加端末数および対象ONU番号を通知する応答メッセージを管理サーバA8に送信する(ST408)。
【0097】
管理サーバA8は、応答メッセージを受信した後、管理サーバA8に対して参加した端末数と、管理サーバB9が通知した端末数とを合計して、現時点で番組「ドラマA」の視聴参加した参加端末総数を算出する(ST409)。次いで、参加端末総数から当該番組の割当可能帯域幅を算出する(ST410)。この例では、参加端末総数は「2」であるので、割当可能帯域は、下式(2)のように640kbpとなる。
【0098】
320kbps×2=640kbps・・・・・・(2)
管理サーバA8は、ST410で算出した割当可能帯域(680kbps)と、EPGデータ中の送信レート(800kbps)に基づいて帯域の過不足を判定する(ST411)。この例では、このままでは番組「ドラマA」の受信に必要な帯域(800kbps)を確保できないことから、管理サーバA8は参加勧誘を行うと判定する。
【0099】
管理サーバA8は、ST411での判定に従って、配下の不参加のPC2〜16に対して参加勧誘通知を送信する(ST412)。また、管理サーバA8は、管理サーバB9に対しても参加勧誘通知を送信し(ST413)、管理サーバB9に配下の不参加のPC18〜32に対して参加勧誘通知を送信させる(ST414)。ここで参加勧誘通知の送信形態にはいろいろな手段が考えられるが、例えば電子メールによる。
【0100】
これらの参加勧誘通知に対して、PC16およびPC32が番組選択を行ったとする(ST415、ST416)。これに対して、管理サーバA8、B9は、受付通知を行う(ST417、ST418)。
【0101】
所定の条件が成立したならば、再び、参加者問合せ(ST419)、応答(ST420)、参加端末総数算出(ST421)、割当可能帯域算出(ST422)および帯域の過不足の判定(ST423)が順次行なわれる。
【0102】
この結果、番組「ドラマA」の参加端末総数は4となり、割当可能帯域幅は、1,280kbpsとなり、帯域は必要な帯域幅(800kbps)を超えている。
【0103】
そこで、管理サーバA8は、剰余帯域を算出する(ST424)。この例では、3端末分、すなわち320kbps×3=960kbpsの帯域を確保できれば十分であるから、残り1端末分の最低保証帯域320kbpsが剰余帯域となる。
【0104】
次に、管理サーバA8は、配下の不参加のPC2等、および、管理サーバB9を経由して不参加のPCに剰余帯域通知を送信し(ST425、ST426)、現在320kbpsの帯域が余っていることを通知する。
【0105】
これに対し、未だ「ドラマA」の視聴に参加していないPC2が、管理サーバA8に対して当該剰余帯域を使用する旨を通知する(ST427)。
【0106】
剰余帯域分(1端末)の参加があったならば、管理サーバA8は、OLT装置3に帯域変更通知を送信する(ST428、ST429)。
【0107】
帯域変更通知は、例えば、以下の通りである。
【0108】
<変更対象ONU=1,16,17:時刻=21:00〜22:00:送信元IP=xxx.xx.x.x(コンテンツ配信サーバ装置1のIPアドレス),変更対象ONU=2,32:時刻=21:00〜22:00:送信元IPアドレス=任意、送信先IPアドレス=PC2のIPアドレス>
OLT装置3は、帯域変更通知を受信し、これに従って帯域幅を変更する。すなわち、OLT装置3は、帯域変更通知で指定された時刻(21:00〜22:00)における指定された発信元IP(コンテンツ配信サーバ装置1のIPアドレス)から送信されたIPパケットに対して、指定されたONU(ONU1、16、17)に元来割り当てられていた帯域幅を確保する。これにより、同一の番組(「ドラマA」)のコンテンツ・ダウンロードのためのOLT装置3からPC1、16、17への下り方向の最低保証帯域は、元来3つのONC1、16、17に個別に割り当てられていた最低保証帯域を合算した960kbpsに変更される。
【0109】
また、OLT装置3は、PC2のIPアドレスに宛てて送信するIPパケットに対して、PC2に割り当てられた最低保証帯域に元来ONU32に割り当てられていた最低保証帯域を合わせた640kbpsを確保する。これにより、PC2は、640kpsの最低保証帯域を自分自身宛ての任意の送信元からのダウンロードストリーム用に確保することが可能となる。
【0110】
この後、上記実施の形態1のST312〜ST318と同様に、映像配信要求(ST429)、映像配信応答(ST430)、暗号鍵通知(ST431〜ST435)、映像配信(ST436)および番組視聴(ST437〜ST439)が順次行われる。
【0111】
このように、本実施の形態2によれば、管理サーバA8は、参加者問合せ(ST407)により、他の管理サーバB9配下の参加端末数および対象ONU番号を取得し、これを自分の配下の参加端末数および対象ONU番号と合わせて検討し、映像データに利用する帯域幅を決定している。このように、管理サーバA8は、他の管理サーバB9が管理する端末群で同一の番組を視聴しようとする参加端末の情報(参加端末数および対象ONU)(以下、参加端末情報という)を取得するので、より多くの端末の中から参加端末を検知し、これらが保持する最低保証帯域を共用することが可能になる。
【0112】
この例では、管理サーバA8が主となって、管理サーバB9が管理する端末群へのコンテンツ配信をも一括して管理している。しかし、管理サーバA8、B9がそれぞれの管理する端末群へのコンテンツ配信を単独で管理する場合(帯域変更通知、映像配信要求を別々に行うなど)、管理サーバA8は、自らが管理する端末群での参加端末情報を管理サーバBへ送信する必要がある。このように管理サーバA8、B9は、参加端末情報の互いにやり取りすることで、より多くの端末の中から参加端末を検知し、これらの端末が保持する最低保証帯域を互いに共用することが可能になる。
【0113】
また、本実施の形態2では、管理サーバA8は、参加端末の最低保証帯域の合計がコンテンツ配信に必要な帯域よりも少ない(すなわち、割当可能帯域幅が不足する)場合、未参加端末に対して参加を促すので、コンテンツ配信に使用可能な帯域を増やす可能性を積極的に高めることができる。
【0114】
一方、管理サーバA8は、参加端末の最低保証帯域の合計がコンテンツ配信に必要な帯域よりも多い(すなわち、割当可能帯域幅が余剰になる)場合、映像データ配信に参加端末の一部に割り当てられた最低保証帯域を使用し、未参加端末に対して剰余分を割り当てて、当該端末への下り方向のデータ送信(発信元はコンテンツ配信サーバ装置1に限定されない)に割り当てる帯域幅を増やすことができるので、光アクセス回線5の帯域をより効率良く利用することができる。
【0115】
上記実施の形態1、2では、ネットワークの帯域を複数の端末で共用してコンテンツ配信を改善する場合を例に挙げて説明した。しかし、ネットワーク資源としては、帯域の他に、最大遅延および遅延変動などがある。最大遅延は、コンテンツ配信サーバ装置1から配信された映像が端末に届くまで最大でどのくらいの遅延が発生するかを示す指標であり、コンテンツ配信サーバ装置端末間で複数の経路があれば、遅延が最小の経路を選択することができる。また、遅延変動は。一連の映像データが仮にコンテンツ配信サーバ装置1から等間隔で送信されても、ネットワーク経路の途中で映像データに生じる遅延の幅にムラができてしまい、結果として端末が受信する映像データが等間隔でなくなってしまうことを示す。これらのネットワーク資源を映像の視聴に必要な分だけ確保する場合にも本発明を適用することができる。
【0116】
コンテンツは、映像に限定されない。例えば、インターネットラジオによる音楽配信、所定の時刻に配信される電子新聞・雑誌等が含まれる。
【0117】
また、本実施の形態では、光アクセス回線5の帯域を共用する場合について説明したが、ADSL、FWA(Fixed Wireless Access:加入者系無線)などのブロードバンド回線のネットワーク資源の共用に本発明を適用することができる。
【0118】
本発明は、当業者に明らかなように、上記実施の形態に記載した技術に従ってプログラムされた一般的な市販のデジタルコンピュータおよびマイクロプロセッサを使って実施することができる。また、当業者に明らかなように、本発明は、上記実施の形態に記載した技術に基づいて当業者により作成されるコンピュータプログラムを包含する。
【0119】
また、本発明を実施するコンピュータをプログラムするために使用できる命令を含む記憶媒体であるコンピュータプログラム製品が本発明の範囲に含まれる。この記憶媒体は、フロッピー(R)ディスク、光ディスク、CDROMおよび磁気ディスク等のディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気光カード、メモリカードまたはDVD等であるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、複数の端末からコンテンツ配信サーバへのコンテンツ配信要求から同一コンテンツの配信を要求する参加端末を検知し、これらに割り当てられた最低保証分を共用することとしたので、映像などの大容量のコンテンツ配信を行う際に、ネットワーク資源を効率良く利用しかつコンテンツ配信をより高品質で行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るコンテンツ配信システムを示す概略図
【図2】上記実施の形態1に係る管理サーバを示すブロック図
【図3】上記実施の形態1に係るコンテンツ配信システムでのデータのやり取りを示すシーケンス図
【図4】本発明の実施の形態2に係るコンテンツ配信システムでのデータのやり取りを示すシーケンス図
【図5】上記実施の形態2に係るコンテンツ配信システムでのデータのやり取りを示すシーケンス図
【図6】従来の光アクセス回線網の帯域共用システムの構成を示すブロック図
【図7】従来の光アクセス回線網の帯域共用システムにおけるコンテンツ配信の様子を示す図
【符号の説明】
1 コンテンツ配信サーバ装置
2 インターネット基幹網
3 OLT装置
4 OSU
5 光アクセス回線
6 光スプリッタ
7 ユーザ回線
8 管理サーバA
9 管理サーバB
11 管理サーバメイン部
12 Webサーバ機能部
13 映像情報処理部
14 暗号化部
15 TCP層
16 UDP層
17 IP層
18 Ethernet(R)機能部
19 EPG情報
20 端末群情報
21 映像格納部
Claims (25)
- ネットワーク伝送路を介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ装置と、前記コンテンツ配信サーバ装置までの前記ネットワーク伝送路の少なくとも一部を共用しかつ前記ネットワーク伝送路が提供するネットワーク資源の一部がそれぞれに利用が保証される最低保証分として個別に割り当てられている複数の端末と、前記コンテンツ配信サーバ装置からのコンテンツ配信に前記ネットワーク資源の一部を確保するネットワーク資源制御装置と、を具備するコンテンツ配信システムにおいて、
前記複数の端末が前記コンテンツ配信サーバ装置に対してコンテンツの配信を要求するコンテンツ情報を収集するステップと、前記複数の端末のうち同一時刻に同一コンテンツの配信を要求する参加端末を検知するステップと、前記参加端末に割り当てられた前記最低保証分の少なくとも一部を当該コンテンツ配信に利用する共用資源に割り当てることを決定するステップと、前記共用資源を確保するように前記ネットワーク資源制御装置に通知するステップと、を具備することを特徴とするコンテンツ配信方法。 - 複数の端末は2以上の群に分かれており、前記群の各々において別個にコンテンツ情報を収集しかつ参加端末を検知すると共に、前記群での前記参加端末の検知結果を1つにまとめ、1つにまとめた前記検知結果から共用資源を決定することを特徴とする請求項1記載のコンテンツ配信方法。
- コンテンツ配信に利用可能な共用資源をコンテンツ配信サーバ装置に通知し、前記コンテンツ配信サーバ装置からその応答を受信することを特徴とする請求項1または請求項2記載のコンテンツ配信方法。
- コンテンツ配信サーバ装置に、通知した共用資源の範囲内で配信可能な最も高い品質によりコンテンツを配信させることを特徴とする請求項3記載のコンテンツ配信方法。
- 参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出するステップと、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分よりも不足しているならば、前記参加端末以外の端末にコンテンツ配信を要求するよう催促するステップと、をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のコンテンツ配信方法。
- 参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出するステップと、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分を超過しているならば、この超過分を前記参加端末以外の端末に追加として割り当てるように前記ネットワーク資源制御装置に通知する前記ステップと、をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載のコンテンツ配信方法。
- コンテンツ配信サーバ装置から配信されたコンテンツを一時的に蓄積するステップと、蓄積した前記コンテンツを端末からの要求に応じて送信するステップと、をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のコンテンツ配信方法。
- コンテンツ配信サーバ装置との間で暗号鍵の交渉を行い前記暗号鍵を取得するステップと、取得した前記暗号鍵を前記参加端末に通知するステップと、をさらに具備することを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載のコンテンツ配信方法。
- ネットワーク伝送路を介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ装置と、前記コンテンツ配信サーバ装置までの前記ネットワーク伝送路の少なくとも一部を共用しかつ前記ネットワーク伝送路が提供するネットワーク資源の一部がそれぞれに利用が保証される最低保証分として個別に割り当てられている複数の端末と、前記コンテンツ配信サーバ装置からのコンテンツ配信に前記ネットワーク資源の一部を確保するネットワーク資源制御装置と、を具備するコンテンツ配信システムに設けられ、前記複数の端末を管理する端末管理サーバ装置であって、
前記複数の端末が前記コンテンツ配信サーバ装置に対してコンテンツの配信を要求するコンテンツ情報を収集する収集手段と、前記複数の端末のうち同一時刻に同一コンテンツの配信を要求する参加端末を検知する検知手段と、前記参加端末に割り当てられた前記最低保証分の少なくとも一部を当該コンテンツ配信に利用する共用資源に割り当てることを決定する決定手段と、前記共用資源を確保するように前記ネットワーク資源制御装置に通知する通知手段と、を具備することを特徴とする端末管理サーバ装置。 - 複数の端末を2以上の群に分けて管理し、前記群毎に別個にコンテンツ情報を収集し参加端末を検知する複数の端末管理サーバ装置の1つであって、他の端末管理サーバ装置からこれが管理する群での前記参加端末の検知結果を受信する受信手段をさらに具備し、決定手段は、自らが管理する群での前記検知結果および前記受信手段が受信した前記他の端末管理サーバが管理する群での前記検知結果の両方から共用資源を決定することを特徴とする請求項9記載の端末管理サーバ装置。
- コンテンツ配信に利用可能な共用資源をコンテンツ配信サーバ装置に通知する他の通知手段と、前記コンテンツ配信サーバ装置からその応答を受信する応答受信手段と、をさらに具備することを特徴とする請求項9または請求項10記載の端末管理サーバ装置。
- 他の通知手段は、共用資源をコンテンツ配信サーバ装置に通知して、前記コンテンツ配信サーバ装置に、前記共用資源の範囲内で配信可能な最も高い品質によりコンテンツを配信させることを特徴とする請求項10記載の端末管理サーバ装置。
- 参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出する算出手段と、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分よりも不足しているならば、前記参加端末以外の端末にコンテンツ配信を要求するよう催促する催促手段と、をさらに具備することを特徴とする請求項9から請求項12のいずれかに記載の端末管理サーバ装置。
- 参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出する算出手段と、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分を超過しているならば、この超過分を前記参加端末以外の端末に追加として割り当てるように前記ネットワーク資源制御装置に通知する超過分通知手段と、をさらに具備することを特徴とする請求項9から請求項13のいずれかに記載の端末管理サーバ装置。
- コンテンツ配信サーバ装置から配信されたコンテンツを一時的に蓄積する蓄積手段と、蓄積した前記コンテンツを端末からの要求に応じて送信するコンテンツ送信手段と、をさらに具備することを特徴とする請求項9から請求項14のいずれかに記載の端末管理サーバ装置。
- コンテンツ配信サーバ装置との間で暗号鍵の交渉を行い前記暗号鍵を取得する暗号鍵取得手段と、取得した前記暗号鍵を前記参加端末に通知する暗号鍵通知手段と、をさらに具備することを特徴とする請求項9から請求項15のいずれかに記載の端末管理サーバ装置。
- コンピュータを、ネットワーク伝送路を介してコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバ装置と、前記コンテンツ配信サーバ装置までの前記ネットワーク伝送路の少なくとも一部を共用しかつ前記ネットワーク伝送路が提供するネットワーク資源の一部がそれぞれに利用が保証される最低保証分として個別に割り当てられている複数の端末と、前記コンテンツ配信サーバ装置からのコンテンツ配信に前記ネットワーク資源の一部を確保するネットワーク資源制御装置と、を具備するコンテンツ配信システムに設けられ、前記複数の端末を管理する端末管理サーバ装置として機能させるプログラムであって、
前記コンピュータを、前記複数の端末が前記コンテンツ配信サーバ装置に対してコンテンツの配信を要求するコンテンツ情報を収集する収集手段と、前記複数の端末のうち同一時刻に同一コンテンツの配信を要求する参加端末を検知する検知手段と、前記参加端末に割り当てられた前記最低保証分の少なくとも一部を当該コンテンツ配信に利用する共用資源に割り当てることを決定する決定手段と、前記共用資源を確保するように前記ネットワーク資源制御装置に通知する通知手段と、として機能させることを特徴とする端末管理サーバプログラム。 - コンピュータを、複数の端末を2以上の群に分けて管理し、前記群毎に別個にコンテンツ情報を収集し参加端末を検知する複数の端末管理サーバ装置の1つとして機能させるプログラムであって、前記コンピュータを、他の端末管理サーバ装置からこれが管理する群での前記参加端末の検知結果を受信する受信手段としてさらに機能させ、かつ、決定手段は、自らが管理する群での前記検知結果および前記受信手段が受信した前記他の端末管理サーバが管理する群での前記検知結果の両方から共用資源を決定することを特徴とする請求項17記載の端末管理サーバプログラム。
- コンピュータを、コンテンツ配信に利用可能な共用資源をコンテンツ配信サーバ装置に通知する他の通知手段と、前記コンテンツ配信サーバ装置からその応答を受信する応答受信手段と、してさらに機能させることを特徴とする請求項17または請求項18記載の端末管理サーバプログラム。
- 他の通知手段は、共用資源をコンテンツ配信サーバ装置に通知して、前記コンテンツ配信サーバ装置に、前記共用資源の範囲内で配信可能な最も高い品質によりコンテンツを配信させることを特徴とする請求項19記載の端末管理サーバプログラム。
- コンピュータを、参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出する算出手段と、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分よりも不足しているならば、前記参加端末以外の端末にコンテンツ配信を要求するよう催促する催促手段と、してさらに機能させることを特徴とする請求項17から請求項20のいずれかに記載の端末管理サーバプログラム。
- コンピュータを、参加端末に割り当てられた最低保証分の合計を算出する算出手段と、前記合計がコンテンツ配信に必要なネットワーク資源分を超過しているならば、この超過分を前記参加端末以外の端末に追加として割り当てるように前記ネットワーク資源制御装置に通知する超過分通知手段と、してさらに機能させることを特徴とする請求項17から請求項21のいずれかに記載の端末管理サーバプログラム。
- コンピュータを、コンテンツ配信サーバ装置から配信されたコンテンツを一時的に蓄積する蓄積手段と、蓄積した前記コンテンツを端末からの要求に応じて送信するコンテンツ送信手段と、してさらに機能させることを特徴とする請求項17から請求項22のいずれかに記載の端末管理サーバプログラム。
- コンテンツ配信サーバ装置との間で暗号鍵の交渉を行い前記暗号鍵を取得する暗号鍵取得手段と、取得した前記暗号鍵を前記参加端末に通知する暗号鍵通知手段と、してさらに機能させることを特徴とする請求項17から請求項23のいずれかに記載の端末管理サーバプログラム。
- 請求項20から請求項24のいずれかに記載の端末管理サーバプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
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