JP3636620B2 - 無線通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、無線データ通信を行う無線通信装置に関し、特に無線回線の状態に応じて送信処理を制御可能にした無線通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の無線通信においては、遮蔽やフェージング等により無線回線の状態が劣化し伝送データの品質が劣化することがあるため、伝送データを補償する必要がある。
図5は例えば、特開昭63−268326号公報に示されている従来の無線通信装置の回路構成を示すブロック図である。図5において、11はCPU、12は回線チェック手段、13は回線状態判定手段、14は伝送モード決定手段、15はモード指定手段、16は送受信部である。また、図6は従来の無線通信装置による呼局と被呼局の間で通信される制御信号とデータ信号の概念図である。
【0003】
次に、従来の無線通信装置の動作について説明する。呼局は送受信部16を制御し、回線チェック手段12において定期的に被呼局に回線チェック信号S1を送出する。被呼局は回線状態判定手段13を用いて回線状態を判定し、回線状態判定結果を示す返送信号S2を呼局に送出する。呼局では上記返送信号S2により伝送モード決定手段14にて伝送モードを決定し、伝送モード指定手段15により被呼局に対して伝送モード指定信号S3を通知する。
【0004】
例えば、被呼局が定期的に呼局から受信する回線チェック信号S1を回線チェック手段12でチェックし、回線状態判定手段13により回線状態が良好と判定された場合は比較的伝送品質の低い誤り訂正符号を用い、また上記判定結果が良好でない場合は比較的伝送品質の高い誤り訂正符号を用いて被呼局にデータを伝送する。
【0005】
しかし、この無線通信装置では、複数の誤り訂正符号回路および制御回路を持つ必要があり、回路的な負荷が大きくなってしまう。また、伝送品質の高い誤り訂正符号を用いても誤り訂正できないような回線劣化が発生した場合、呼局で行なったデータ送信処理に対し被呼局では正常データを受信することが出来ず、データは再送されることになり使用帯域の増加につながる。
【0006】
また、特開昭61−95626号公報に示された「送信出力制御方式」においては、送信局で通話路の使用状況を監視し、空き通話路に回線品質点検用符号を挿入して送出し、受信局で誤りを検出した結果を制御信号回線にて対向局に返送することにより回線状況を監視し、回線状況に応じて送信機出力を制御するものである。
【0007】
この無線通信装置では、回線状況が悪い場合、送信機出力は増加し、それでもデータが誤った場合は再送を行うため使用帯域の増加につながる。また、回線が輻輳し空き通話路がない状態では、回線品質点検用符号を挿入して送出する回線状況監視手段は適用することが出来ない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の無線通信装置は以上のように構成されていたので、前者の無線通信装置では、回線品質が劣化した状態ではデータの再送処理が行われることになり、使用帯域が増加し、また後者の無線通信装置では送信機出力が増加し、回線が輻輳し空き通話路がない状態では、回線状況を監視するための回線品質点検用符号が挿入できず、回線状況監視手段が機能しなくなる恐れが生じる課題があった。
【0009】
この発明は以上のような課題を解決するためになされたものであり、無線データ通信において回線状況が良好な状態で通信を行うことにより無駄なデータ送信処理を抑止し、データ誤りを低減し通信品質の向上を図れる無線通信装置を得ることを目的とする。
また、監視手順を簡略化してユーザデータの処理能力を高め、また送信バッファを効率的に使用できる無線通信装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る無線通信装置は、一方の局側から無線回線品質判定パターンを他方の局側へ送信し、前記他方の局側は受信した前記無線回線品質判定パターンをもとに無線回線の状態を判定し、該判定結果を前記一方の局側へ返送し、前記一方の局側が前記返送された前記判定結果に応じて前記他方の局側へのデータの送信について制御を行う送信制御手段を備え、前記一方の局側は、返送された無線回線の状態の判定結果に応じて前記無線回線品質判定パターンの送出間隔を伸長し、前記他方の局側へ前記無線回線品質判定パターンの送出間隔についての情報を通知するようにしたものである。
【0011】
この発明に係る無線通信装置は、無線回線に送出するデータをバッファリングする送信バッファ部や前記無線回線から受信したデータをバッファリングする受信バッファ部と、一方の局から他方の局へ無線回線品質判定パターンを送るための判定パターン付加部と、受信した前記無線回線品質判定パターンをもとに前記無線回線の状態を判定する判定部と、該判定部で判定した前記判定結果を前記無線回線品質判定パターンを挿入した側へ返送する判定結果通知部と、該判定結果通知部により返送された前記判定結果に応じて前記送信バッファ部へのデータの入出力を制御し送信を制御する送信バッファ制御回路とを備えるようにしたものである。
【0012】
この発明に係る無線通信装置は、他方の局側から返送された判定結果をもとに無線回線の状態が良好であると判定した場合に限り、他方の局側へデータの送信を行う送信制御手段を備えるようにしたものである。
【0014】
この発明に係る無線通信装置は、無線回線に送出するデータが、劣化を許容するデータであるか劣化を許容しないデータであるかに応じ、劣化を許容するデータについて間引きを行い、該間引いた分に相当する送信バッファを前記劣化を許容しないデータに割り当てるようにしたものである。
【0015】
この発明に係る無線通信装置は、無線回線に送出するデータが、劣化を許容するデータであるか劣化を許容しないデータであるかに応じ、劣化を許容するデータであれば所定の条件をもとに廃棄し、劣化を許容しないデータのみを送信バッファに蓄積するようにしたものである。
【0016】
この発明に係る無線通信装置は、受信側となる他方の局から無線回線品質判定パターンを送信側となる一方の局側へ送信し、前記送信側が受信した前記無線回線品質判定パターンをもとに当該送信側で前記無線回線の状態を判定し、該判定結果に応じて前記送信側から前記受信側へのデータの送信についての制御を行う送信制御手段を備え、前記受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンから判定した無線回線の状態に応じて前記送信側から前記受信側へ前記無線回線品質判定パターンの送出間隔の伸長を指示し、前記受信側は、前記送出間隔の伸長についての指示により前記無線回線品質判定パターンの送出間隔を伸長するようにしたものである。
【0017】
この発明に係る無線通信装置は、無線回線に送出するデータをバッファリングする送信バッファ部や前記無線回線から受信したデータをバッファリングする受信バッファ部と、無線回線品質判定パターンを受信側から送信側へ送るための判定パターン付加部と、前記無線回線品質判定パターンを送信側で受信して無線回線の状態を判定する判定部と、該判定部による判定結果に応じて前記送信バッファ部へのデータの入出力を制御し、前記送信側から前記受信側へのデータの送出を当該送信側で制御する送信バッファ制御回路とを備えるようにしたものである。
【0018】
この発明に係る無線通信装置は、受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンをもとに送信側が無線回線の状態が良好であると判定した場合に限り、前記受信側へデータの送信を行うようにしたものである。
【0020】
この発明に係る無線通信装置は、受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンから判定した無線回線の状態と、送信側から前記受信側へ送出するデータが、劣化を許容するデータであるか劣化を許容しないデータであるかに応じ、劣化を許容するデータについて前記送信側で間引きを行い、該間引いた分に相当する送信バッファを前記劣化を許容しないデータに割り当てるようにしたものである。
【0021】
この発明に係る無線通信装置は、受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンから判定した無線回線の状態と、送信側から前記受信側へ送出するデータが劣化を許容するデータであるか劣化を許容しないデータであるかに応じ、劣化を許容するデータであれば所定の条件をもとに前記送信側において廃棄し、劣化を許容しないデータのみを送信バッファに蓄積するようにしたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、この実施の形態1の無線通信装置の構成を示すブロック図であり、送信側で判定パターンを挿入して送出し、受信側で前記判定パターンを受信してこれをもとに無線回線品質を判定し、その判定結果を受信側から送信側に返送し、その結果により送信側でデータの送出を制御するものである。
【0023】
図1において、1は送信バッファ部(バッファリング制御手段)、3aはバッファメモリ、4はバッファメモリ3aへの送信データの入出力を制御する送信バッファ制御回路(送信制御手段,バッファリング制御手段)、6は送信データに無線回線品質判定パターンを挿入し、送信データの送信側から受信側へ前記無線回線品質判定パターンを送るための判定パターン付加部(送信制御手段)、ANT1は送信側のアンテナである。
2は受信バッファ部、3bはバッファメモリ、5は受信バッファ制御回路、7は受信した信号に挿入されている前記無線回線品質判定パターンから無線回線品質を判定する判定部(送信制御手段)、8は判定結果を対向の送信側に返送する判定結果通知部(送信制御手段)、ANT2は受信側のアンテナである。9および10は送受信部である。
【0024】
次に、動作について説明する。
この無線通信装置は、バッファメモリ3aと、バッファメモリ3aへの送信データの入出力を制御する送信バッファ制御回路4とで構成される送信バッファ部1で送信データをバッファリングし、判定パターン付加部6で無線回線品質判定パターンを挿入する送信側のデータ送信処理と、無線回線から受信した信号に挿入されている前記無線回線品質判定パターンから判定部7で無線回線品質を判定し、判定結果通知部8が前記判定結果を対向の送信側に返送し、受信バッファ制御回路5がバッファメモリ3bへの受信データの入出力を制御する受信側のデータ受信処理により、無線データ通信を行うものである。
【0025】
先ず、送信バッファ部1では、送信バッファ制御回路4が判定パターン付加部6からの判定パターン付加タイミング情報を認識しバッファメモリ3aからデータを読み出す。上記タイミング情報とは判定パターン付加開始タイミングなどを指すが、判定パターンは可変でも良く、複数種類のパターン長の使用を可能とする構成では付加パターン長などの情報も含まれる。
【0026】
次に、判定パターン付加部6にて判定パターンを付加する。前記判定パターンを受信する対向受信側と予め合意を取るべき情報には、パターンの内容、パターン長、付加位置、付加間隔などがある。
【0027】
受信側では、前記判定パターンを受信し判定部7で無線回線品質を判定する。なお、送信側と受信側でパターンの付加位置情報の合意をとらない場合は、パターンの検索を行う機能も有する。
【0028】
受信側の判定部7による無線回線品質判定結果により、受信バッファ制御回路5でバッファメモリ3bへの書き込みを制御するとともに、判定結果通知部8は前記無線回線品質判定結果を送信側に返送する。
【0029】
送信側では、対向受信側から無線回線品質判定結果を受信し、判定結果が良好の場合はバッファメモリ3aからデータを読み出し送出する。判定結果が良好でない場合はバッファメモリ3aからのデータの読み出しを停止し送信バッファ部において待機する。
【0030】
送信側は、回線状態が良好でない間、ユーザデータを送出せず判定パターンのみを送出する。受信側から返送される無線回線品質判定結果が良好になったところで送信バッファ部1からのデータ読み出しを再開し、通常のデータ送信処理を行う。
【0031】
図3は、このような無線通信装置における送信側と受信側との間における通信処理動作を示すシーケンス図である。
【0032】
なお、判定パターンの送出は受信側から行なっても良く、この場合には判定結果通知部8は不要となり、受信側に判定パターン付加部6、送信側に判定部7を有する構成となる。図2は、このような判定パターンの送出を受信側から行う場合の無線通信装置の一例を示すブロック図である。図2においては、図1と同一または相当の部分については同一の符号を付し説明を省略する。
このような構成では、受信側から送信側への無線回線品質判定パターンの送信により無線回線の監視手順が簡略化でき、ユーザデータの処理能力が高められ、回線状況の良、不良に応じたデータ送信処理実行の可否の決定が可能になり、前記回線状況の不良時にデータ送信処理が行われないようにして通信品質の向上が図れる。
【0033】
また、送信側あるいは受信側で判定パターンを付加する間隔を可変とし、例えば無線回線品質が良好な状態が比較的長く継続している場合には、パターン送出間隔を伸長する構成も考えられる。
【0034】
なお、以上の構成においては、送信側および受信側がそれぞれ固有の処理を備えるものであったが、無線通信装置としては送信部、受信部ともに有するので、データの通信方向は双方向で可能である。
【0035】
以上のように、この実施の形態1によれば、無線回線品質が良好な状態のときにデータの送受信が行われるため、無駄なデータ送信処理が抑制でき、データ誤りの少ない通信品質の高いデータ通信が実現できる無線通信装置が得られる効果がある。
また、受信側から送信側へ送信される判定パターンにより通信回線の状態の良、不良を判定し、この判定結果をもとにデータの送受信を行うことも可能であり、監視手順が簡略化できる分、ユーザデータの処理能力を高めることが出来る無線通信装置が得られる効果がある。
また、受信側から返送される無線回線品質判定結果が良好になると送信バッファ部1からのデータ読み出しを再開し、次の無線回線品質判定タイミングまで通常のデータ送信処理を連続して行い、さらに無線回線の品質が良好なときには無線回線品質判定を行う間隔を長く出来るため、送信バッファを効率よく使用できる無線通信装置が得られる効果がある。
【0036】
実施の形態2.
図4は、この実施の形態2の無線通信装置におけるバッファメモリに関わる処理動作を示す説明図であり、この無線通信装置の構成は前記実施の形態1の図1に示した無線通信装置と同様である。
【0037】
この無線通信装置ではユーザデータに提供されるサービスの差異により送信バッファ部でのデータの取り扱いを変える。
例えば、送信側のバッファメモリ3aの輻輳が予測され、通信回線の帯域の余裕がなくなることが予測されるような場合、送信側に入力される多少の劣化が許容される低品質データを送信側のバッファメモリ3aに格納する前に間引くことにより、低品質データ廃棄分のメモリ領域を高品質データに割り当てることが出来る。
【0038】
また、ベストエフォート型のデータなどは、送信側のバッファメモリ3aへは格納せず全て廃棄し、高品質データにメモリ領域を割り当てることも考えられる。
【0039】
前記低品質データの間引きあるいは全廃棄といった処理は、例えば無線回線品質が良好な場合は適用せず、無線回線品質が良好でない場合にデータのバッファリングのために適用するというように、無線回線品質により使い分け、切り替えてもよい。
【0040】
以上のように、この実施の形態2によれば、送信側のバッファメモリ3aにおける輻輳状態の予測結果や通信回線の品質の良、不良に応じて、ユーザデータに提供されるサービスの差異により送信バッファ部でのデータの取り扱いを制御可能にし、送信側のバッファメモリ3aにおけるバッファリングの際に低品質データを間引くことにより、低品質データ廃棄分のメモリ領域を高品質データに割り当てたり、ベストエフォート型のデータなどについては、送信側のバッファメモリ3aへは格納せず全て廃棄し、高品質データにメモリ領域を割り当てることにより、送信バッファを効率的に使用できる無線通信装置が得られる効果がある。
【0041】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、一方の局側から無線回線品質判定パターンを他方の局側へ送信し、前記他方の局側は受信した前記無線回線品質判定パターンをもとに前記無線回線の状態を判定し、該判定結果を前記一方の局側へ返送し、前記一方の局側が前記返送された前記判定結果に応じて前記他方の局側へのデータの送信について制御を行う送信制御手段を備えるように構成したので、回線状況の良、不良に応じてデータ送信処理実行の可否を決めることが可能であり、前記回線状況の不良時にデータ送信処理が行われないようにして通信品質の向上が図れる効果がある。
【0042】
この発明によれば、受信した無線回線品質判定パターンをもとに無線回線の状態を判定し、該判定結果を前記無線回線品質判定パターンを送ってきた側へ返送し、前記無線回線品質判定パターンを送ってきた側は前記返送された前記判定結果に応じて送信バッファ部へのデータの入出力を制御し送信を制御するように構成したので、回線状況が良好な状態において通信を行い、不良な状態では通信を行わないようにすることが可能になり、無駄なデータ送信処理を抑止し、データ誤りを低減し通信品質の向上を図れる効果がある。
【0043】
この発明によれば、他方の局側から返送された判定結果をもとに無線回線の状態が良好であると判定した場合に限り、他方の局側へデータの送信を行うように構成したので、回線状況が良好な状態で通信を行うことにより無駄なデータ送信処理を抑止し、データ誤りを低減し通信品質の向上を図れる効果がある。
【0044】
この発明によれば、一方の局側が、他方の局側から返送された無線回線の状態の判定結果に応じて無線回線品質判定パターンの送出間隔を伸長し、前記他方の局側へ前記無線回線品質判定パターンの送出間隔についての情報を通知するように構成したので、前記無線回線の状態が良好であるときには、前記無線回線品質判定パターンの送出間隔を延ばしユーザデータの処理能力を高められる効果がある。
【0045】
この発明によれば、無線回線に送出するデータが、劣化を許容するデータであるか劣化を許容しないデータであるかに応じ、劣化を許容するデータについて間引きを行い、該間引いた分に相当する送信バッファを前記劣化を許容しないデータに割り当てるように構成したので、送信バッファを効率的に使用できる効果がある。
【0046】
この発明によれば、無線回線に送出するデータが、劣化を許容するデータであるか劣化を許容しないデータであるかに応じ、劣化を許容するデータであれば所定の条件をもとに廃棄し、劣化を許容しないデータのみを送信バッファに蓄積するように構成したので、例えば前記所定の条件を前記送信バッファにおける輻輳が予想される場合に設定すれば、前記輻輳が予想される状況下において低品質データ廃棄分のメモリ領域を高品質データに割り当てるなど、通信状況とユーザに提供されるサービスに応じた柔軟かつ効率的な送信バッファの使用が可能になる効果がある。
【0047】
この発明によれば、受信側となる他方の局から無線回線品質判定パターンを送信側となる一方の局側へ送信し、前記送信側が受信した前記無線回線品質判定パターンをもとに当該送信側で前記無線回線の状態を判定し、該判定結果に応じて前記送信側から前記受信側へのデータの送信についての制御を行うように構成したので、受信側から送信側へ無線回線品質判定パターンを送信すればよく、無線回線の監視手順が簡略化でき、ユーザデータの処理能力が高められ、回線状況の良、不良に応じたデータ送信処理実行の可否の決定が可能になり、前記回線状況の不良時にデータ送信処理が行われないようにして通信品質の向上が図れる効果がある。
【0048】
この発明によれば、無線回線品質判定パターンを受信側から送信側へ送るための判定パターン付加部と、前記無線回線品質判定パターンを送信側で受信して無線回線の状態を判定する判定部と、該判定部による判定結果に応じて前記送信バッファ部へのデータの入出力を制御し、前記送信側から前記受信側へのデータの送出を当該送信側で制御する送信バッファ制御回路とを備えるように構成したので、受信側で判定パターン付加部により無線回線品質判定パターンを送信データへ挿入し、受信側から送信側へ無線回線品質判定パターンを送信すればよく、無線回線の監視手順が簡略化でき、ユーザデータの処理能力が高められ、回線状況の良、不良に応じたデータ送信処理実行の可否の決定が可能になり、前記回線状況の不良時にデータ送信処理が行われないようにして通信品質の向上が図れる効果がある。
【0049】
この発明によれば、受信側から送信された無線回線品質判定パターンをもとに送信側が無線回線の状態が良好であると判定した場合に限り、前記送信側が前記受信側へデータの送信を行うように構成したので、無線回線の監視手順が簡略化できるとともに、回線状況が良好な状態で通信を行うことにより無駄なデータ送信処理を抑止し、データ誤りを低減し通信品質の向上を図れる効果がある。
【0050】
この発明によれば、受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンから判定した無線回線の状態に応じて送信側から前記受信側へ無線回線品質判定パターンの送出間隔の伸長を指示し、前記受信側は、前記送出間隔の伸長についての指示により前記無線回線品質判定パターンの送出間隔を伸長するように構成したので、無線回線の監視手順が簡略化できるとともに、前記無線回線の状態が良好であるときには、前記無線回線品質判定パターンの送出間隔を延ばしユーザデータの処理能力を高められる効果がある。
【0051】
この発明によれば、受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンから判定した無線回線の状態が良好でないと判定した場合に、送信側から前記受信側へ送出する劣化を許容するデータについて前記送信側で間引きを行い、該間引いた分に相当する送信バッファを劣化を許容しないデータに割り当てるように構成したので、前記送信バッファを効率的に使用できる効果がある。
【0052】
この発明によれば、受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンから判定した無線回線の状態が良好でないと判定した場合に、送信側から前記受信側へ送出するデータが劣化を許容するデータであれば所定の条件をもとに前記送信側において廃棄し、劣化を許容しないデータのみを送信バッファに蓄積するように構成したので、例えば前記所定の条件を前記送信バッファにおける輻輳が予想される場合に設定すれば、前記輻輳が予想される状況下において低品質データ廃棄分のメモリ領域を高品質データに割り当てるなど、通信状況とユーザに提供されるサービスに応じた柔軟かつ効率的な送信バッファの使用が可能になる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1における判定パターンの送出を受信側から行う場合の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態1の無線通信装置における送信側と受信側との間における通信処理動作を示すシーケンス図である。
【図4】 この発明の実施の形態2の無線通信装置におけるバッファメモリに関わる処理動作を示す説明図である。
【図5】 従来の無線通信装置の構成を示すブロック図である。
【図6】 従来の無線通信装置における呼局と被呼局の間で通信される制御信号とデータ信号の概念図である。
【符号の説明】
1 送信バッファ部(バッファリング制御手段)、2 受信バッファ部、4 送信バッファ制御回路(送信制御手段,バッファリング制御手段)、6 判定パターン付加部(送信制御手段)、7 判定部(送信制御手段)、8 判定結果通知部(送信制御手段)。
Claims (10)
- 無線回線を介して局間でデータを送受する無線通信装置において、一方の局側から無線回線品質判定パターンを他方の局側へ送信し、前記他方の局側は受信した前記無線回線品質判定パターンをもとに前記無線回線の状態を判定し、該判定結果を前記一方の局側へ返送し、前記一方の局側が前記返送された前記判定結果に応じて前記他方の局側へのデータの送信について制御を行う送信制御手段を備え、前記一方の局側は、返送された前記無線回線の状態の判定結果に応じて前記無線回線品質判定パターンの送出間隔を伸長し、前記他方の局側へ前記無線回線品質判定パターンの送出間隔についての情報を通知することを特徴とする無線通信装置。
- 無線回線に送出するデータをバッファリングする送信バッファ部や前記無線回線から受信したデータをバッファリングする受信バッファ部を有し、送信制御手段は、一方の局から他方の局へ無線回線品質判定パターンを送るための判定パターン付加部と、受信した前記無線回線品質判定パターンをもとに前記無線回線の状態を判定する判定部と、該判定部で判定した前記判定結果を前記無線回線品質判定パターンを挿入した側へ返送する判定結果通知部と、該判定結果通知部により返送された前記判定結果に応じて前記送信バッファ部へのデータの入出力を制御し送信を制御する送信バッファ制御回路と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の無線通信装置。
- 送信制御手段は、他方の局側から返送された判定結果をもとに無線回線の状態が良好であると判定した場合に限り、他方の局側へデータの送信を行うことを特徴とする請求項1または請求項2記載の無線通信装置。
- 無線回線に送出するデータをバッファリングする送信バッファ部や前記無線回線から受信したデータをバッファリングする受信バッファ部を有し、送信制御手段は、一方の局から他方の局へ無線回線品質判定パターンを送るための判定パターン付加部と、受信した前記無線回線品質判定パターンをもとに前記無線回線の状態を判定する判定部と、該判定部で判定した前記判定結果を前記無線回線品質判定パターンを挿入した側へ返送する判定結果通知部と、該判定結果通知部により返送された前記判定結果に応じて前記送信バッファ部へのデータの入出力を制御し送信を制御する送信バッファ制御回路とを備え、前記無線回線に送出するデータが、劣化を許容するデータであるか劣化を許容しないデータであるかに応じ、劣化を許容するデータについて間引きを行い、該間引いた分に相当する送信バッファを前記劣化を許容しないデータに割り当てるバッファリング制御手段を備えたことを特徴とする無線通信装置。
- 無線回線に送出するデータをバッファリングする送信バッファ部や前記無線回線から受信したデータをバッファリングする受信バッファ部を有し、送信制御手段は、一方の局から他方の局へ無線回線品質判定パターンを送るための判定パターン付加部と、受信した前記無線回線品質判定パターンをもとに前記無線回線の状態を判定する判定部と、該判定部で判定した前記判定結果を前記無線回線品質判定パターンを挿入した側へ返送する判定結果通知部と、該判定結果通知部により返送された前記判定結果に応じて前記送信バッファ部へのデータの入出力を制御し送信を制御する送信バッファ制御回路とを備え、前記無線回線に送出するデータが、劣化を許容するデータであるか劣化を許容しないデータであるかに応じ、劣化を許容するデータであれば所定の条件をもとに廃棄し、劣化を許容しないデータのみを送信バッファに蓄積するバッファリング制御手段を備えたことを特徴とする無線通信装置。
- 無線回線を介して局間でデータを送受する無線通信装置において、受信側となる他方の局から無線回線品質判定パターンを送信側となる一方の局側へ送信し、前記送信側が受信した前記無線回線品質判定パターンをもとに前記送信側で前記無線回線の状態を判定し、該判定結果に応じて前記送信側から前記受信側へのデータの送信についての制御を行う送信制御手段を備え、前記受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンから判定した前記無線回線の状態に応じて前記送信側から前記受信側へ前記無線回線品質判定パターンの送出間隔の伸長を指示し、前記受信側は、前記送出間隔の伸長についての指示により前記無線回線品質判定パターンの送出間隔を伸長することを特徴とする無線通信装置。
- 無線回線に送出するデータをバッファリングする送信バッファ部や前記無線回線から受信したデータをバッファリングする受信バッファ部を有し、送信制御手段は、無線回線品質判定パターンを受信側から送信側へ送るための判定パターン付加部と、前記無線回線品質判定パターンを前記送信側で受信して前記無線回線の状態を判定する判定部と、該判定部による判定結果に応じて前記送信バッファ部へのデータの入出力を制御し、前記送信側から前記受信側へのデータの送出を当該送信側で制御する送信バッファ制御回路と、を備えたことを特徴とする請求項6記載の無線通信装置。
- 送信制御手段は、受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンをもとに送信側が無線回線の状態が良好であると判定した場合に限り、前記受信側へデータの送信を行うことを特徴とする請求項6または請求項7記載の無線通信装置。
- 無線回線に送出するデータをバッファリングする送信バッファ部や前記無線回線から受信したデータをバッファリングする受信バッファ部を有し、送信制御手段は、無線回線品質判定パターンを受信側から送信側へ送るための判定パターン付加部と、前記無線回線品質判定パターンを前記送信側で受信して前記無線回線の状態を判定する判定部と、該判定部による判定結果に応じて前記送信バッファ部へのデータの入出力を制御し、前記送信側から前記受信側へのデータの送出を当該送信側で制御する送信バッファ制御回路と、を備え、前記受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンをもとに前記送信側が前記無線回線の状態が良好でないと判定した場合の前記送信側から前記受信側へ送出するデータが、劣化を許容するデータであるか劣化を許容しないデータであるかに応じ、劣化を許容するデータについて前記送信側で間引きを行い、該間引いた分に相当する送信バッファを前記劣化を許容しないデータに割り当てるバッファリング制御手段を備えたことを特徴とする無線通信装置。
- 無線回線に送出するデータをバッファリングする送信バッファ部や前記無線回線から受信したデータをバッファリングする受信バッファ部を有し、送信制御手段は、無線回線品質判定パターンを受信側から送信側へ送るための判定パターン付加部と、前記無線回線品質判定パターンを前記送信側で受信して前記無線回線の状態を判定する判定部と、該判定部による判定結果に応じて前記送信バッファ部へのデータの入出力を制御し、前記送信側から前記受信側へのデータの送出を当該送信側で制御する送信バッファ制御回路と、を備え、前記受信側から送られてきた無線回線品質判定パターンをもとに前記送信側が前記無線回線の状態が良好でないと判定した場合の前記送信側から前記受信側へ送出するデータが、劣化を許容するデータであるか劣化を許容しないデータであるかに応じ、劣化を許容するデータであれば前記送信側において所定の条件をもとに廃棄し、劣化を許容しないデータのみを送信バッファに蓄積するバッファリング制御手段を備えたことを特徴とする無線通信装置。
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