JP3636134B2 - コンクリート及びコンクリートを得る方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリート及びコンクリートを得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
コンクリートは構造物の構築に広く採用されていることは周知である。このコンクリートは、基本的にはセメント、水、細骨材である砂、粗骨材である砂利を混合して硬化させるものである。その他に必要に応じ、コンクリート用化学混和剤(AE剤、AE減水剤、高性能減水剤など)が練り混ぜ水の一部として使用されている。AE剤とは空気連行剤であり、AE減水剤はAE剤と練り混ぜ水を少なく済ませるためのセメント分散作用を有する剤である。
【0003】
コンクリートの品質は、特に構造物構築のための構造用コンクリートにとってきわめて重要である。かかるコンクリートの品質は殆ど練り混ぜ水の量で決定されると言ってよい。
【0004】
何故なら、コンクリートは製造時のコンクリート練り混ぜ水の影響等で内部に大小様々な空隙と毛細管部分を有することが避けられないところ、これら空隙や毛細管部分からなるネットワークを通って水、酸素がコンクリート外表面から内部へと浸透し、コンクリートのアルカリ性を中性化していき、ひいては内部鉄筋の腐食を招く。この水、酸素の浸透速度が早いほど、内部鉄筋の腐食が早くすすみ、コンクリート構造物の強度、耐久性が早期に損なわれてしまう。
【0005】
従って、耐久性を改善する根本的な方法はコンクリート内の連続した空隙、毛細管ネットワークを少なくすること、換言すれば,密実なコンクリートとすることである。
【0006】
よって構造用コンクリートとして最も大切な強度及び耐久性を得るには、水セメント比(水量/セメント量)をできるだけ小さくし、しかもコンクリート全体における水量をできるだけ少なくしなければならない。
【0007】
従来の研究によると、水セメント比を40%、或いはこれより小さくすると、コンクリート中の連続した毛細管の量が著しく減り,耐久性が飛躍的に向上する。また、圧縮強度も水セメント比を小さくすることにより大きくできる。
【0008】
一方、例えばコンクリートを型枠等に打設する場合、コンクリートの流動性、換言すればそのコンクリートによる作業性の指標としてスランプ値がある。これはスランプ試験方法(JIS A 1101)を行うことで測定される数値である。前記スランプ値が大きいほどコンクリートは流動性に富んでおり作業性が優れていることになる。スランプ値を上げるには練り混ぜ水を増やせばよい、換言すると、水セメント比を大きくすればよいが、上記の理由により練り混ぜ水を増やす、すなわち、水セメント比を大きくすると強度及び耐久性が低下する。
【0009】
そこで本発明は、強度及び耐久性に優れ、作業性良好に得られる高品質のコンクリートを提供することを課題とする。
【0010】
また本発明は、作業性良好に、所望の強度及び耐久性を示す高品質のコンクリートを得る方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題を解決すべく研究、実験を重ね次のことを見いだし本発明を完成した。
【0012】
すなわち、従来は、採用する骨材の寸法に関して、日本工業規格(レディーミクストコンクリートJIS A 5308)の言う連続粒度を示す骨材、さらに言えば所定粒径範囲の骨材群であって、その範囲で粒径が小さいものから大きいものへ連続的な変化を示す骨材群からなる骨材を採用していた。この点については、大小粒混合状態の骨材をふるい目サイズの異なる複数のふるいを用いてふるい分け試験を行い、各ふるいに止まるものを質量百分率で表わす粒度でもって、コンクリート示方書、JASS5(建築工事標準仕様書、同解説、鉄筋コンクリート工事)に標準粒度が示されている。このように連続粒度を示す骨材が採用されている。
【0013】
しかし、本発明者は、連続粒度を示す骨材群の中には省いても差し支えない骨材も含まれていると考え、実験を重ねた結果、従来よりもコンクリートにおける骨材の実積率を増大させる(換言すれば従来よりコンクリートの空隙率を減少させる)ことができ、それに伴ってセメント量及び練り混ぜ水量を少量化できる不連続粒度或いはギャップ粒度とも言える粒度、さらに言えば中間粒径の骨材が省略された粒度を示す骨材群であって、コンクリートを型枠等に打設等する作業に支障を来すことがない骨材群を見いだし本発明を完成した。
【0014】
ここでコンクリートにおける骨材の実積率とは、単位コンクリート体積に占める骨材体積総量の割合であり、以下のように表されるものである。
実積率(%)
=(絶対乾燥状態での単位容積質量)÷骨材の絶対乾燥密度×100
ここで単位容積質量とは次のものである。
単位容積質量
=(試料容器中の試料の質量/試料容器容積)
×(含水率測定用試料の乾燥後質量/含水率測定用試料の乾燥前質量)
空隙率は(100−実積率)%で表される。
【0015】
本発明は、骨材として所定粒径範囲の粗骨材と所定粒径範囲の細骨材との混合骨材であって全体として不連続粒度を示す混合骨材(例えば少なくとも粗骨材と細骨材との間で不連続粒度を示す混合骨材)が含まれ、該混合骨材の実積率が最大化されているコンクリートを提供する。
【0016】
ここで、「実積率が最大化されている」とは、従来のように前記日本工業規格で定める粗骨材から細骨材にいたるまで全体的に連続粒度を示す骨材を用いる場合よりも実積率が支障のない範囲で大きくなる、という意味である。さらに言えば、用いる粗骨材の最大サイズのものから用いる細骨材の最小サイズのものに至るまで全体的に連続粒度を示す粗骨材及び細骨材の組み合わせ骨材を用いる場合よりも実積率が大きくなる、という意味である。
【0017】
粗骨材サイズ及び細骨材サイズの好ましい組み合わせの代表例として、粗骨材1510サイズ、細骨材2.5mm以下の組み合わせを挙げることができる。
【0018】
すなわち、骨材として1510サイズの粗骨材と2.5mm以下の細骨材との混合骨材が採用されており、該混合骨材は、全体的に連続粒度を示す粗骨材と細骨材との組み合わせ骨材を用いる場合より実積率が大きいコンクリートである。
【0019】
この場合、粗骨材として1505(15mm〜5mm)サイズの連続粒度を示すもの及び細骨材として5mm以下の連続粒度を示すものの組み合わせ骨材を用いる場合よりも、実積率が大きくなる。
【0020】
また本発明は、骨材として所定粒径範囲の粗骨材と所定粒径範囲の細骨材との混合骨材であって全体として不連続粒度を示す混合骨材(例えば少なくとも粗骨材と細骨材との間で不連続粒度を示す混合骨材)を採用し、該混合骨材の実積率を最大化することでセメント量及びコンクリート練り混ぜ水量を共に少量化してコンクリートを得る方法を提供する。ここで「実積率を最大化する」とは前記と同様のことを意味している。
【0021】
この場合も、粗骨材サイズ及び細骨材サイズの好ましい組み合わせの代表例として、粗骨材1510サイズ、細骨材2.5mm以下の組み合わせを挙げることができる。
【0022】
すなわち、骨材として1510サイズの粗骨材と2.5mm以下の細骨材との混合骨材を採用し、該混合骨材は、全体的に連続粒度を示す粗骨材と細骨材との組み合わせ骨材を用いる場合より実積率が大きいものとすることで、セメント量及びコンクリート練り混ぜ水量を共に少量化してコンクリートを得る方法である。
【0023】
サイズ1510の粗骨材とは、粒径15mmから10mmの範囲で連続粒度を示す粗骨材である。
【0024】
また、2.5mm以下の細骨材とは、粒径2.5mm以下で連続粒度又は不連続粒度を示す細骨材である。
【0025】
また、さらに好ましい組み合わせ例として、細骨材として中間の粒度を除いたもの、すなわち、粒径0.3mm以下及び粒径1.2mm〜2.5mmの細骨材を混合した細骨材を採用することを挙げることができる。
【0026】
本発明に係るコンクリートによると、粗骨材及び細骨材の混合骨材の実積率が大きくされている。この骨材実積率は、所定粒径範囲の粗骨材と所定粒径範囲の細骨材との混合骨材であって不連続粒度を示す混合骨材を採用しての実積率である。
【0027】
代表例を挙げれば、粗骨材として1510サイズのものを、細骨材として2.5mm以下のものを採用しての実積率である。
【0028】
そしてかかる不連続粒度を示す混合骨材による実積率は、従来のように連続粒度を示す骨材を採用したときの実積率と比べて大幅に大きい値をとる。しかも同一練り混ぜ水量であれば、換言すれば同一水セメント比であれば流動性を示す指標であるスランプ値も連続粒度を示す骨材を採用するときと比べ、大幅に大きい値をとる。
【0029】
前記細骨材としては海砂等の天然材料からなるもの、高炉スラグ等の人工材料からなるもの及び天然材料と人工材料を混合したもののうちいずれをも用いることができる。前記粗骨材についても砕石等の天然材料からなるもの、破砕コンクリート等の人工材料からなるもの及び天然材料と人工材料を混合したもののうちいずれをも用いることができる。前記混合骨材としては細骨材、粗骨材ともに天然材料のもの、ともに人工材料のもの、一方が天然材料で、他方が人工材料のもの、細骨材と粗骨材の両方が天然材料と人工材料の混合材であるもの、いずれも採用できる。
【0030】
本発明に係るコンクリートは、この骨材実積率の増大に伴って、使用するセメント量及び練り混ぜ水量は当然少量化され、そのためコンクリートにおける空隙や毛細管部分も少なくなり、乾燥収縮率もそれだけ低減し、密実、水密で、全体として強度及び耐久性が優れている。
【0031】
しかも少量の練り混ぜ水量でも所望のスランプ値を得てコンクリート打設等の作業性良好に得ることができるコンクリートである。
【0032】
本発明に係るコンクリートを得る方法によると、同様の理由で強度及び耐久性の点で優れた高品質のコンクリートを作業性良好に得ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0034】
図1は本発明に係るコンクリート1の概略断面図である。
【0035】
このコンクリート1はセメント、練り混ぜ水、細骨材と粗骨材からなる混合骨材、混和剤を練り合わせて得たものである。図1中、11は細骨材、12は粗骨材、13は骨材の間を埋めているセメントと水の水和生成物等である。また14は鉄筋である。
Figure 0003636134
ここで、JISによる粒径判定実積率とは粒度20mm〜10mmの粒と、粒度10mm〜5mmの粒を6:4の割合で混合したものの実積率である。
【0036】
かかる材料のうち粗骨材、細骨材を、本発明では採用しない他の骨材の幾つかとともに表1にまとめて示す。
【0037】
表1において粗骨材はいずれも兵庫県家島産砕石であり、細骨材はいずれも佐賀県唐津産海砂である。
【0038】
粗骨材の2005(粒径が20mm〜5mmの範囲に分布)は、2015(粒径が20mm〜15mmの範囲に分布)サイズのものと1505(粒径が15mm〜5mmの範囲に分布)サイズのものを6:4の割合で混合したものである。
【0039】
1510についてはふるい網でふるって取り出したものである。1505は生産者から納入されたものを採用した。
【0040】
細骨材の5.0mmについては5.0mmより大きいものを取り出し、2.5mmについてはふるい目サイズ2.5mmを通過するものだけを採用した。
【0041】
なお、現在の建築用JISコンクリートの調合では、砕石は2005サイズ或いは2505サイズのもの、細骨材は5mm以下と規定されている。
【0042】
【表1】
Figure 0003636134
【0043】
コンクリートの調合:
表2の第2欄(s/a値39.1の欄)に示すように調合した。表2にはこのほか比較例として第1欄、第3欄の調合も併せて示す。これらの調合は細粗骨材混合の骨材の実積率(以下「細粗骨材混合実積率」という。)の変動によるコンシステンシーの変化を知るために、次に説明するs/aを3%ずつ変動させてある。
【0044】
表2においてs/aは〔100×細骨材体積/(細骨材体積+粗骨材体積)〕%で、細骨材率を表している。細骨材率(s/a)が1%大きく(小さく)なるごとに練り混ぜ水の単位水量〔kg/m3 〕を1.5kg/m3 だけ大きく(小さく)している。
【0045】
W/Cは〔練り混ぜ水量(kg〕/セメント量(kg)〕×100%であり、水セメント比を表している。
【0046】
水、セメント、粗骨材、細骨材の各量の単位は〔kg/m3 〕である。
【0047】
高性能減水剤欄のCはセメント量を表している。
【0048】
各調合は建築工事用に必要なコンシステンシーを得るためにスランプ値は18cmを目標とした。空気量(空気混入量)についてはコンシステンシーに与える影響を考慮して3%以下になるように調整した。
【0049】
なお、「コンシステンシー」とは、「堅さ」或いは「粘稠度」という意味合いのもので、フレッシュコンクリートでは変形或いは流動に対する抵抗性の程度を表す。また、空気量が1%増加すると、スランプ値は約2.5cm増し、空気量1%の増減は単位水量3%の増減に相当する。
【0050】
【表2】
Figure 0003636134
【0051】
次に表3に、表2に示す材料調合における細粗骨材混合実積率を示す。表3には、比較のため、本発明では採用しない数例の細粗骨材混合の骨材を用い、各々に付きs/aを表2と同様に3%ずつ変動させ、W/C値、減水剤量は表2と同様とした調合による実積率も併せて示す。
【0052】
【表3】
Figure 0003636134
【0053】
表3を図に表すと図2のようになる。
【0054】
表3においてはNo.7、No.8及びNo.9が、図2においては黒く塗った三角印が本発明に係るコンクリートである。
【0055】
表1に示すように粗骨材についてみると、個別実積率では2005が最もよい結果を示すが、表3及び図2からわかるように、5mm以下の細骨材を組み合わせ、20mm以下の連続粒度の骨材にした場合、粗骨材1510と細骨材2.5mm以下の組み合わせに比べると大差で劣る結果となっている。これは粗骨材中の5〜10mmまでの寸法と細骨材中の2.5mm〜5.0mmまでの寸法の骨材が空隙を充填するのに適さない要因となっているためである。その要因を取り除き,粗骨材を1510サイズに、細骨材を2.5mm以下のサイズとすることによって、細粗骨材混合実積率は飛躍的に向上している。「参」は参考的に示したものである。
【0056】
次に表4にフレッシュコンクリート試験実測値を示す。
【0057】
【表4】
Figure 0003636134
【0058】
表4においてスランプ欄はコンシステンシーを測定する試験として最も一般的なスランプ試験の結果を示している。また空気量は空気混入量であり、CT℃欄は実験雰囲気中での試料コンクリートの温度を示している。No.7、No.8及びNo.9が本発明に係るコンクリートである。
【0059】
表4の実験値から明かなように、本発明に係る細粗骨材混合の骨材の実積率が最大のところで良好なコンシステンシーが得られており、細粗骨材混合実積率が最高になるs/aを選ぶことにより、最少の練り混ぜ水の単位水量で良好なコンシステンシーが得られることがわかる。
【0060】
また、細粗骨材混合実積率を最高にするためには、粗骨材サイズを1510とし、細骨材サイズを2.5mm以下とした不連続粒度(ギャップ粒度)を使用することで可能となり、これにより単位水量を最少にできることがわかる。
【0061】
本発明に係るNo.8コンクリートのコンシステンシーをJIS規定の調合で得ようとすると、一般には180kg/cm3 程度の水量が必要とされている。
【0062】
かくして得られる図1のコンクリートは、粗骨材及び細骨材の混合骨材の実積率が最大化されている。この最大化された骨材実積率は、粗骨材として1510サイズのものを、細骨材として2.5mm以下のものを採用しての実積率であり、それは従来のように連続粒度を示す骨材を採用して最大化したときの実積率と比べて大幅に大きい値をとる。この骨材実積率の増大に伴って、使用するセメント量及び練り混ぜ水量は少量化されており、そのため空隙や毛細管部分も少なくなり、乾燥収縮率もそれだけ低減し、密実、水密で、全体として強度及び耐久性が優れている。しかもセメント量は少なく済むからそれだけ安価な高品質コンクリートとなっている。
【0063】
また、不連続粒度(ギャップ粒度)を用いることで連続粒度又は単粒より実積率を高め、良好なコンステンシーが得られるという本発明の効果をさらに確認するため、セメント、水及び細骨材(一部粗骨材)からなるモルタルで同様の実験を行った。
【0064】
それぞれの実験は各粒度の細骨材(一部粗骨材)を単独で或いは複数の粒度の骨材を混合して得られた骨材を用いて、平均体積比表面積(cm2 /cm3 )(以下比表面積という)を算出し、実積率(%)及びフロー値(mm)を測定したものである。
【0065】
ここでフロー値とは、モルタルの物理試験方法(JIS R 5201)に規定されているフロー試験を行うことで得られる数値であり、モルタルの流動性を示す指標の一つであり、コンクリートの評価におけるスランプ値と同様のものである。
【0066】
平均体積比表面積については後述の式により求めた。
【0067】
実験は表5、表6及び表7に示すように種々の粒径の骨材を用い合計4群の実験(実験群1〜4)を行った。
【0068】
【表5】
Figure 0003636134
【0069】
【表6】
Figure 0003636134
【0070】
【表7】
Figure 0003636134
【0071】
各実験群において得られた骨材の比表面積、実積率及びその骨材に水、セメントを加えたモルタルのフロー値を表5、表6及び表7に併せて示す。
【0072】
各実験でモルタルを得るのに用いた水、セメント、骨材の量はそれぞれ165kg/m3 、433kg/m3 、680kg/m3 である。
【0073】
かかる実験で求めた実積率−比表面積の関係を示すグラフを図3に示す。
【0074】
図3は横軸に比表面積(cm2 /cm3 )、縦軸に実積率(%)をとり、各実験条件での実積率と比表面積の関係を示すものである。図3中に示す「JIS中心」とは、JISで規定されている粒度範囲の中間値を用いて形成した細骨材である。この値を基準に各実験の値を検討する。
【0075】
なお、図3中「実験群3」とは表6に示す実験群3中の(1)〜(7)の骨材による実験である。また、「(2)〜(4)実験群4」とは実験群4中の(2)〜(4)の骨材による実験である。これらについては略同じ結果が出たのでまとめて示してある。「(5)〜(7)実験群4」等においても同様である。また、これらの点は後述する図4〜図6においても同様である。
【0076】
図3から分かるように、実験群2の5mm以下の連続粒度を示す細骨材及び2.5mm以下の連続粒度を示す細骨材の場合、いずれも比表面積はJIS中心よりも少し小さく、実積率も小さくなっている。
【0077】
実験群3は、比表面積が小さいうちは比表面積が大きくなるにつれて、実積率も大きくなっているが、比表面積が一定の値を過ぎると、実積率が低下する傾向を示している。
【0078】
実験群4の実験中、表7に示す骨材(2)〜(13)による実験は、連続粒度を示す細骨材は比表面積及び実積率ともにJIS中心よりも小さい値で分布していることを示す。一方、表7中の0.15_0.3及び1.2_2.5の各粒度を示す細骨材を混合比を変えて混合した不連続粒度(ギャップ粒度)を示す骨材(14)〜(18)の場合、比表面積が増加するとともに実積率が増加し、JIS中心と同等の実積率を有するものが存在したことを示す。
【0079】
また、実験群2、3は粒度分布の各粒度の骨材のみの場合、比表面積が小さいとき、換言すれば粒度が大きいときは、比表面積が増加すると実積率は急激に増加するが、比表面積が一定値を越えると、実積率の増加はほぼ横ばい状態になることを示している。
【0080】
これらのことより、実積率と比表面積の間には密接な関係があることが分かる。すなわち、各実験群(実験群2〜4)における細骨材は比表面積が増加すると実積率も増加するが、比表面積がある大きさより大きくなると比表面積が増加しても実積率が増加しなくなる或いは減少する傾向を示している。
【0081】
不連続粒度を示す細骨材の実積率は比表面積が140cm2 /cm3 程度の値を取るとき最大値を取っている。
【0082】
図4はフロー値(mm)−比表面積(cm2 /cm3 )の関係を示すグラフである。
【0083】
横軸に比表面積、縦軸にフロー値をとってある。
【0084】
比表面積が大きくなってもフロー値が大きいものが流動性にすぐれた粒度分布と言える。
【0085】
しかし、表5、表6及び図4から分かるように、各粒度の骨材を単独で用いた場合、比表面積が増加すると、フロー値は減少している。
【0086】
骨材の粒度分布を0.15mmから2.5mmの間で任意に変動させ連続粒度とした場合、比表面積が小さい骨材(粒度)混合比の場合は比表面積が増加するにつれてフロー値も急激に増加するが、比表面積が大きい骨材混合比になるとフロー値が急激に減少する傾向を示している。中でもJIS粒度にちかい(8)〜(13)においては特異な傾向を示し、比表面積が小さなときでも、フロー値は減少し連続粒度における限界を示している。
【0087】
また、不連続粒度(ギャップ粒度)を示す骨材を混入した場合は、比表面積が増加するにつれて、フロー値は増加し一定の比表面積に達するとフロー値は減少する。しかし、連続粒度の場合と異なり、減少の度合いが緩やかである。
【0088】
また、不連続粒度(ギャップ粒度)の骨材を混入した場合は、JIS中心と略同じかそれよりも大きいフロー値を示している。
【0089】
よって大きいフロー値を達成できる不連続粒度骨材が優れていることが分かる。
【0090】
図5はフロー値(mm)−実積率(%)の関係を示すグラフである。
【0091】
横軸は実積率、縦軸はフロー値である。
【0092】
各粒度の骨材を単独で用いた場合、実積率、フロー値ともにJIS中心よりも大幅に低い。
【0093】
連続粒度を示す骨材を混入している場合、実積率が増加するとフロー値も増加しているが、それ以上に、不連続粒度(ギャップ粒度)を示す骨材を混入している場合には、実積率が増加するにつれてフロー値も増加している。すなわち、不連続粒度の骨材は実積率、フロー値共に十分な大きさとなることが分かる。
【0094】
図6はフロー値(mm)−ペースト膜厚(cm)の関係を示すグラフである。
【0095】
ここで、ペースト膜厚とは、以下の式で導き出される数値であり、骨材と骨材の間に存在するペースト(セメント+練り混ぜ水)の膜の厚さである。
【0096】
ペースト膜厚=[(練り混ぜ水体積+セメント体積)−骨材体積×(100−実積率/100)]/(骨材体積×比表面積)
各粒度単独或いは連続粒度よりも、不連続粒度(ギャップ粒度)を示す骨材を混入しているときの方が、全体的にペースト膜厚が小さくてもフロー値が大きくなる傾向を示している。このことは、水、セメントが少なく済むことを示している。
【0097】
以上の結果を整理すると、セメントと細骨材を混ぜ合わせたモルタルでも既述の実験1でのコンクリートと不連続粒度(ギャップ粒度)の関係と同様の結果が現れたことがわかる。即ち、連続粒度を示す骨材を用いるよりも、不連続粒度(ギャップ粒度)を用いたほうが、実積率が大きく、なおかつ流動性に富んだモルタルが得られる。このことは不連続粒度の骨材を用いて、練り混ぜ水量を、さらにはセメント量を減らすことができることを表している。
【0098】
最後にここでの実験群1〜4において骨材群の平均体積比表面積σを求める式を示す。
【0099】
骨材群の粒子の形状を球とみなして考える。
【0100】
骨材群の平均直径をDとすると該球の体積V及び表面積Fは以下の式で表される。
【0101】
V=πD3 /6
F=πD2
ここで体積比表面積をbとすると、体積比表面積bは単位体積当たりの表面積なので、
b=F/V=6/D
で表される。
【0102】
ここでDは、例えば、1510サイズの骨材群ならば、最大サイズの骨材の直径15mmと最小サイズの骨材の直径10mmの平均、即ち12.5mmとなる。このDの値の単位をcmに変換して前記式に代入すると体積比表面積が求められる。この場合、体積比表面積bは4.8(cm2 /cm3 )となる。
【0103】
また、つまり、n種類の粒度の骨材からなる骨材群の体積比表面積σの一般式は、骨材iの混合割合をPi、体積比表面積をbiとすると、
σ=ΣPi・bi/100 i=1,2,...,n
の式で導き出せる。
【0104】
例えば、2種類の粒度の骨材(骨材1、骨材2)を含む骨材群での骨材1の混合割合をP1、体積比表面積をb1、また、骨材2の混合割合をP2、体積比表面積をb2とすると、全体の骨材群の平均体積比表面積σは、
σ=(P1×b1+P2×b2)/100
となる。
【0105】
以上説明した実施例では細骨材として海砂を採用しているがこれに限られるものではなく、川砂等の他の天然材料、高炉スラグ等の人工材料、これら両方の材料を混合したものを採用することもできる。
【0106】
また、粗骨材として砕石を採用しているがこれに限定されるものではなく、川砂利等の他の天然材料、破砕コンクリート等の人工材料、これら両方の材料を混合したものを採用することもできる。
【0107】
また、混合骨材については、以上説明した実施例のように細骨材及び粗骨材ともに天然材料であるもののほか、ともに人工材料であるもの、一方が天然材料で他方が人工材料であるもの、細骨材と粗骨材両方が天然材料と人工材料の混合材料であるもの等も採用できる。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、強度及び耐久性に優れ、作業性良好に得られる高品質のコンクリートを提供することができる。
【0109】
また本発明によると、作業性良好に、所望の強度及び耐久性を示す高品質のコンクリートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るコンクリートの1例の概略断面図である。
【図2】表3に示す細粗骨材混合実積率を表した図である。
【図3】実験群2、3及び4の実積率−比表面積の関係を示す図である。
【図4】実験群2、3及び4のフロー値−比表面積の関係を示す図である。
【図5】実験群2、3及び4のフロー値−実積率の関係を示す図である。
【図6】実験群2、3及び4のフロー値−ペースト膜厚の関係を示す図である。
【符号の説明】
1 コンクリート
11 細骨材
12 粗骨材
13 骨材の間を埋めているセメントと水の水和生成物等
14 鉄筋

Claims (6)

  1. 骨材として1510サイズの粗骨材と2.5mm以下の細骨材との混合骨材が採用されており、該混合骨材は、全体的に連続粒度を示す粗骨材と細骨材との組み合わせ骨材を用いる場合より実積率が大きいことを特徴とするコンクリート。
  2. 前記細骨材は0.3mm以下及び1.2mm〜2.5mmの細骨材を混合した細骨材である請求項1記載のコンクリート。
  3. 前記細骨材は天然材料又は人工材料又は天然材料及び人工材料の混合材料のいずれかからなり、前記粗骨材は天然材料又は人工材料又は天然材料及び人工材料の混合材料のいずれかからなる請求項1又は2記載のコンクリート。
  4. 骨材として1510サイズの粗骨材と2.5mm以下の細骨材との混合骨材を採用し、該混合骨材は、全体的に連続粒度を示す粗骨材と細骨材との組み合わせ骨材を用いる場合より実積率が大きいものとすることで、セメント量及びコンクリート練り混ぜ水量を共に少量化してコンクリートを得ることを特徴とするコンクリートを得る方法。
  5. 前記細骨材として0.3mm以下及び1.2mm〜2.5mmの細骨材を混合した細骨材を採用する請求項4記載のコンクリートを得る方法。
  6. 前記細骨材として天然材料又は人工材料又は天然材料及び人工材料の混合材料のいずれかを用い、前記粗骨材として天然材料又は人工材料又は天然材料及び人工材料の混合材料のいずれかを用いる請求項4又は5記載のコンクリートを得る方法。
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