JP3635761B2 - 画像処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル化された画像を処理する画像処理装置に関するものであり、特に限定階調処理された画像から元の階調情報を推定して画像を復元する画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタル中間調画像を蓄積/伝送する際に、記憶装置の容量や伝送時間を削減するため、256値などの多階調で表現された画像を、例えば、ディザ法や誤差拡散法などの擬似中間調処理で2値や4値などの少ない階調数に変換する場合がある。しかし、このような擬似中間調画像は、拡大や縮小処理を行なうとモアレと呼ばれる原画に無いパターンを生じることがある。また、出力時に多値記録可能な出力装置を用いる場合、その出力装置の性能を生かせないなどの問題もある。そこで、これらの問題を解決する手段の1つとして、擬似中間調画像から元の階調情報を復元する方法が研究されている。
【0003】
従来、限定階調処理された画像から原画像を復元する方法としては、例えば、特公平5−11465号公報などに記載されているように、固定サイズの開口を用いて画像を平滑化するのが最も一般的である。しかし、このような方法では、開口が大きいとエッジなどの濃度変化のある部分までもが一様に平滑化されて、画像がぼけてしまう。また、開口を小さくすると擬似中間調パターンが残ったり、復元後の階調数が不十分となる。例えば、2値画像を3x3の大きさの開口で処理しても、たかだか10値にしか復元できない。
【0004】
そこで、特公平6−24006号公報、特公平4−31466号公報、特開平2−76370号公報等に記載されているように、複数の開口を用意してさまざまな条件で開口を選択する方法や、電子情報通信学会技術研究報告,IE93−13,「擬似中間調画像からの中間調画像推定」等に記載されているように、近傍領域の平均値から回帰直線を求めて復元する方法などが提案されている。
【0005】
しかしながら、複数の開口を選択する方法では、エッジや擬似中間調パターンの揺らぎなどで小さな開口が選択されて擬似中間調パターンが除去されなかったり、複数開口の切り替わり部分で画質が急激に変化することにより、画像が不自然になる場合がある。さらに、基本的には開口による平滑化であるため、復元後の階調数が十分に取れないという問題もある。また、回帰直線を用いる方法は、直線による推定であるため急激な濃度変化に追従しにくく、また注目画素の周囲8または4方向の回帰直線から別々に復元値を求めて平均を取るため、その平均化によりぼけを生じてしまう場合があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述した既存方式の問題に鑑みてなされたもので、限定階調化された画像データから元の階調情報を推定する際に、擬似中間調パターンを十分に除去することができ、かつ画像のぼけを抑えた良好な階調の復元が可能な画像処理装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、画像処理装置において、入力画像中の各画素について前記入力画像の2次微分値ないしは2次微分値を平滑化した値を特徴量として求める特徴量演算手段と、各近傍画素と注目画素との相対位置に応じて予め定められた閾値に基づいて前記特徴量演算手段で求められた注目画素と近傍画素の特徴量の差と該閾値との比較結果に基づき注目画素とその近傍画素に対する加重値を設定する加重値設定手段と、前記注目画素ならびにその近傍画素に対応した画素値と加重値とから加重平均値を求める平均値計算手段を備え、与えられた画像中の各画素を注目画素として前記特徴量演算手段、前記加重値設定手段および前記平均値計算手段により階調復元処理を行なうことを特徴とするものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、画像処理装置において、入力画像中の各画素について前記入力画像の1次微分値ないしは1次微分値を平滑化した値を特徴量として求める特徴量演算手段と、各近傍画素と注目画素との相対位置に応じて予め定められた閾値に基づいて前記特徴量演算手段で求められた注目画素と近傍画素の特徴量の差と該閾値との比較結果に基づき注目画素とその近傍画素に対する加重値を設定する加重値設定手段と、前記注目画素ならびにその近傍画素に対応した画素値と加重値とから加重平均値を求める平均値計算手段を備え、与えられた画像中の各画素を注目画素として前記特徴量演算手段、前記加重値設定手段および前記平均値計算手段により階調復元処理を行なうことを特徴とするものである。
【0009】
請求項3に記載の発明は、画像処理装置において、入力画像中の各画素について前記入力画像の2次微分値ないしは2次微分値を平滑化した値を特徴量として求める特徴量演算手段と、各近傍画素と注目画素との相対位置に応じて予め定められた値と前記特徴量演算手段により求められた各近傍画素の特徴量とを用いた演算を行ない注目画素と各近傍画素に対する加重値を設定する加重値設定手段と、前記注目画素ならびにその近傍画素に対応した画素値と加重値とから加重平均値を求める平均値計算手段を備え、与えられた画像中の各画素を注目画素として前記特徴量演算手段、前記加重値設定手段および前記平均値計算手段により階調復元処理を行なうことを特徴とするものである。
【0010】
請求項4に記載の発明は、画像処理装置において、入力画像中の各画素について前記入力画像の1次微分値ないしは1次微分値を平滑化した値を特徴量として求める特徴量演算手段と、各近傍画素と注目画素との相対位置に応じて予め定められた値と前記特徴量演算手段により求められた各近傍画素の特徴量とを用いた演算を行ない注目画素と各近傍画素に対する加重値を設定する加重値設定手段と、前記注目画素ならびにその近傍画素に対応した画素値と加重値とから加重平均値を求める平均値計算手段を備え、与えられた画像中の各画素を注目画素として前記特徴量演算手段、前記加重値設定手段および前記平均値計算手段により階調復元処理を行なうことを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の画像処理装置の実施の一形態を示すブロック図である。図中、1は画像入力部、2は画像記憶部、3は画像出力部、4は階調復元処理部、5は制御部、11は特徴量演算部、12は加重値設定部、13は平均値計算部である。画像入力部1は、伝送または蓄積された画像データを入力する。入力される画像データは、限定階調により表現された画像である。画像記憶部2は、画像入力部1から入力された画像データを記憶する。画像出力部3は、処理結果を出力する。階調復元処理部4は、階調復元処理を行なう。制御部5は、各部を制御する。
【0013】
階調復元処理部4は、特徴量演算部11と加重値設定部12と平均値計算部13を有する。特徴量演算部11は、注目画素とその近傍画素の特徴量を計算する。加重値設定部12は、特徴量演算部11で計算された画素ごとの特徴量に基づき、注目画素と各近傍画素の加重値を設定する。平均値計算部13は、注目画素と近傍画素の画素値と、加重値設定部12で設定された各画素に対応する加重値に基づき、加重平均化処理を行なって注目画素の復元値を求める。
【0014】
図1において、限定階調により表現された画像データは、画像入力部1から入力されて画像記憶部2に格納され、階調復元処理部4へ読み出される。階調復元処理部4では、読み出した画像データを特徴量演算部11に入力し、各画素を順に注目画素として、注目画素とその周辺の近傍画素の特徴量を計算する。この特徴量は加重値設定部12に送られ、その値をもとに注目画素ならびに各近傍画素の加重値が計算される。注目画素ならびに各近傍画素の画素値と加重値は平均値計算部13に送られる。平均値計算部13は、これら複数の画素値と加重値とから加重平均値を求め、この加重平均値を注目画素の復元値として出力する。階調復元処理部4で得られた復元値は、処理された順に画像出力部3へ送られて出力される。
【0015】
図2は、本発明の画像処理装置の実施の一形態における階調復元処理部4の処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、図2では、画像の幅と高さをW画素×Hラインとし、画像の左上を(0,0)、右下を(W−1,H−1)とする。S21において、注目画素を入力画像の左上の画素に設定し、階調復元処理を開始する。
【0016】
S22において、画像記憶部2から特徴量演算部11に注目画素を中心としたp×q画素分の画像データを読み込む。読み込みを行なうp×q画素分の画像データの領域は、注目画素とその周囲の近傍画素を含む領域を近傍領域とするとき、その近傍領域中の各画素の特徴量を計算するのに必要な画素を含む十分な大きさである必要がある。例えば、近傍領域として注目画素を中心とした5×5画素を用い、特徴量として後述する図4(A)に示す9×9画素の開口による2次微分値を使用する場合には、p=q=13となる。特徴量演算部11では、近傍領域中の各画素について特徴量を計算して出力する。
【0017】
S23において、S22で求めた複数個の特徴量を加重値設定部12に転送し、加重値設定部12で各画素ごとの加重値を求める。加重値の設定方法については、後述する。
【0018】
S24において、S23で求めた各画素ごとの加重値を平均値計算部13に転送し、各画素値と加重値とから加重平均化演算を行ない、注目画素の復元値を計算する。そして、S25において、S24で求めた注目画素の復元値を画像出力部3に送り、多値プリンタなどに順次出力する。
【0019】
S26において、1ラインの画素についての処理が終了したか否かを判定し、当該ラインの処理中である場合には、S27において注目画素を現在の画素の右の画素に変更し、S22に戻る。もし当該ラインの処理が終了、すなわち現在の注目画素が最右端ならば、S28において最終ラインまで処理を行なったか否かを判定する。最終ラインでない場合には、S29において1ライン下の最左端の画素を注目画素とし、S22へ戻る。最終ラインの処理が終了した場合には、階調復元処理部4の処理を終了する。
【0020】
以下、具体例をもとに本発明の画像処理装置の実施の一形態における動作の一例を説明する。以下の説明では2値データを256値に復元する場合を例に説明を行なうが、入力として3値以上のデータが入力される場合でも、また、出力データの階調が256値以外の場合でも同様に処理可能である。
【0021】
図3は、近傍領域の一例の説明図である。図3において、中心の太枠で示されている画素が注目画素である。ここでは、図3に示す5×5画素領域を近傍領域として設定する。ここで、5×5画素の近傍領域中の各画素の画素値をp00〜p44と称することにする。
【0022】
図4は、特徴量演算の一例の説明図である。図中、太線で囲んだ画素が特徴量を演算する画素である。また、係数値はハッチングを異ならせて示している。特徴量演算部11は、図3に示す5×5画素領域中の各画素について、その周囲の9×9画素の画素値を用いて、図4(A)や(B)に示す係数マトリクスを用いた演算を行なう。図4(A)に示す係数マトリクスを用いた演算では、注目画素からの距離に従った2次微分処理を行なうことができる。係数としては、例えば、白抜きの画素については8、右下がりのハッチングを施した画素については−1とすることができる。また、図4(B)に示す係数マトリクスを用いた演算では、縦方向、横方向の方向別の微分処理を行なうことができる。係数としては、例えば、右下がりのハッチングを施した画素を−1、クロスハッチングの画素を2とすることができる。ここでは、図4(A)に示すような係数マトリクスを用いて2次微分処理を行い、その絶対値をそれぞれの画素の特徴量として出力するものとする。ここで、5×5画素の近傍領域中の各画素の特徴量をk00〜k44と称することにする。
【0023】
図5は、加重値設定部12で使用される閾値マトリクスならびに加重値マトリクスの一例の説明図である。特徴量演算部11で求めた25個の特徴量k00〜k44は、加重値設定部12に転送される。加重値設定部12には、例えば、図5(A)に示すような閾値マトリクスが定義されている。注目画素の特徴量k22と各近傍画素の特徴量kij(i=0〜4,j=0〜4)の差の絶対値が図5(A)の閾値以下の場合には、図5(B)に示すマトリクスの当該位置(i,j)の値が加重値となり、閾値よりも大きい場合には加重値として0が設定される。ここで、各画素の加重値をw00〜w44と称することにする。
【0024】
加重値設定部12で求められた25個の加重値w00〜w44は、平均値計算部13に転送される。平均値計算部12では、画素値p00〜p44と加重値w00〜w44から次に示す(1)式により加重平均値を求め、その結果を注目画素の復元値として画像出力部3に出力する。
(復元値)=(w00×p00+w01×p01+…+w43×p43+w44×p44)/(w00+w01+…+w43+w44)×(255/25) −(1)
【0025】
このようにして注目画素の画素値を復元することによって、注目画素と近傍画素との間で特徴量の差が少ない場合には、2つの画素は同じ濃度変化領域に属している可能性が高いと考えられるので、平滑化を行なうことで滑らかな多値復元ができる。また、特徴量の差が大きい場合には、2つの画素は異なる濃度変化領域に属している可能性が高いと考えられるので、その近傍画素を平滑化に用いないようにすることでエッジが保存される。このように、各画素の特徴量に応じて近傍の1画素単位に加重値を制御した平滑化を行なうことで、良好な復元が実現できる。
【0026】
なお、この例では図3に示す5×5の近傍領域を用いて、図4(A)に示す係数マトリクスにより特徴量を求め、図5(A)に示す閾値と図5(B)に示す加重値マトリクスを用いて処理を行っているが、同様の結果をもたらす範囲でこれらを変形した構成を用いることもできる。例えば、特徴量を求めるために用いた図4(A)のフィルタの代わりに図4(B)に示すように方向別に複数のフィルタを用意し、各フィルタ出力のうちから絶対値が最大のものを出力とすることで、図4(A)のフィルタよりもより細かい特徴量を得ることができる。また、2次微分フィルタは雑音に対しての反応が鋭いため、これを抑えるための平滑化を行って出力とするなどの変形も考えられる。
【0027】
また、その他の変形として、この例では特徴量の差の絶対値が閾値よりも大きい場合には加重値として0を設定したが、加重値マトリクスの当該位置の値の1/2を設定する、または特徴量の差の絶対値に逆比例した値を加重値マトリクスの当該位置の値に乗じるなど、種々の加重値を設定する構成も考えられる。
【0028】
以下、別の具体例をもとに本発明の画像処理装置の実施の一形態における動作の一例を説明する。上述の具体例では、注目画素と各近傍画素との特徴量の差の絶対値を閾値と比較して、加重値を設定した。ここでは、各近傍画素の特徴量と加重値マトリクスとの演算により加重値を変更する方法を説明する。
【0029】
図6は、特徴量を求めるための1次微分フィルタの係数マトリクスの一例の説明図である。図中、太線で囲んだ画素が特徴量を求める画素である。特徴量演算部11では、図6(A),(B)に示す各係数マトリクスを用いて横方向および縦方向の1次微分値を求める。係数としては、例えば、右下がりのハッチングを施した画素を1、白抜きの画素を0、クロスハッチングを施した画素を−1とすることができる。
【0030】
図7は、1次微分フィルタの出力の絶対値を変換する変換テーブルの一例の説明図である。特徴量演算部11は、図6に示すような係数マトリクスを用いて得られた1次微分値の絶対値のうちから最大のものを求め、その値で図7に示すような関数関係を有する変換テーブルを引く。そして、得られた変換結果を出力とする。限定階調化された画像のフィルタリング結果は、原画の濃度変化に加えて限定階調化の影響によるゆらぎが生じる場合が多いため、図7に示すような変換テーブルを用いた処理によって、出力の最大値/最小値付近の細かいゆらぎを抑えることができる。図中のTh1ならびにTh2は、このような細かい揺らぎを抑えることができるように、予め適当に定められる。また、大小関係を反転させているのは、平坦な領域ほど出力値が大きくなるように特徴量を変換し、次に述べる加重値設定部12での処理を行なうためである。もちろん図7に示すような変換テーブルを用いずに構成することも可能である。
【0031】
この具体例でも図3に示す近傍領域を用いるとすると、特徴量演算部11では25個の特徴量k00〜k44が計算され、加重値設定部12に出力される。尚、この例では後述のように注目画素の特徴量は加重値の設定に用いないので、特徴量演算部11では必要に応じて注目画素の特徴量k22の計算を省略してもよい。
【0032】
図8は、加重値マトリクスの別の例の説明図である。加重値設定部12では、図8(A)に示すように予め設定された加重値マトリクスと、対応する特徴量とを乗算し、図8(B)に示すように、各近傍画素に対する加重値w00〜w44を求める。なお、注目画素の加重値は、ここでは128に固定されている。
【0033】
加重値設定部12で求められた加重値w00〜w44は、平均値計算部13に転送される。平均値計算部12では、注目画素を含む近傍領域の画素値p00〜p44と加重値w00〜w44から、前述の(1)式により加重平均値を求め、その結果を注目画素の復元値として画像出力部3に出力する。
【0034】
平均値計算部13では、上述の(1)式を用いて加重平均値を求めるほか、同様の結果をもたらす範囲でこれらを変形した構成を用いることもできる。例えば、上述の各具体例では、平均値計算部13で加重値の総和による正規化や、出力値の範囲を0〜255にするための乗算を行なっているが、この部分を加重値設定部12で行なうこともできる。具体的には、加重値設定部12では加重値w00〜w44を求めた後に
wij' =wij/(w00+w01+…+w43+w44)×(255/25)(i, j=0〜4) −(2)
の演算を行なって各加重値wijに変換し、平均値計算部13では、
(復元値)=w00’×p00+w01’×p01+…+w43’×p43+w44’×p44 −(3)
により復元値を求めるように構成しても、(1)式と同じ結果を得ることができる。
【0035】
図9は、1次微分フィルタの係数マトリクスの別の例の説明図である。上述の具体例では、図6に示すような縦方向、横方向の濃度境界を検出する1次微分フィルタを用いたが、例えば、図9に示すような斜め方向に対応したフィルタや、あるいはサイズの異なるフィルタなどを付加することもできる。このようなフィルタを用いることによって、さらに細かい特徴量の検出を行ない、加重値を制御することにより、さらに良好な復元画像を得ることが可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、注目画素とその近傍画素の特徴量に応じた加重値を用いて平均化処理を行なって階調値の復元を行なうので、従来の単純な平均化と比べてエッジ部のぼけを抑えた良好な階調復元が可能となる。また、加重平均化処理であるため、単純平均化による復元と比べて十分な階調再現が可能な画像処理装置を実現することができるという効果がある。
【0037】
また、請求項2に記載の発明のように、各近傍画素と注目画素との相対位置に応じて予め定められた閾値に基づいて、前記特徴量演算手段により求められた注目画素と近傍画素の特徴量の差と該閾値との比較結果に基づいて加重値を設定することにより、注目画素と特徴の類似した近傍画素のみを用いた階調復元処理が行なわれ、ぼけの少ない良好な階調復元処理を行なうことができる。
【0038】
あるいは、請求項3に記載の発明のように、各近傍画素と注目画素との相対位置に応じて予め定められた値と、前記特徴量演算手段により求められた各近傍画素の特徴量とを演算して各画素の加重値を求めることにより、画像中の複雑な特徴変化に対応した階調復元処理を行なうことができる。
【0039】
これらの処理に用いられる特徴量は、請求項4または5に記載の発明のように、画像の1次微分値または2次微分値を元に計算することで、画像中のエッジの存在やその度合いを反映した良好な階調復元処理を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像処理装置の実施の一形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明の画像処理装置の実施の一形態における階調復元処理部4の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【図3】 近傍領域の一例の説明図である。
【図4】 特徴量演算の一例の説明図である。
【図5】 加重値設定部12で使用される閾値マトリクスならびに加重値マトリクスの一例の説明図である。
【図6】 特徴量を求めるための1次微分フィルタの係数マトリクスの一例の説明図である。
【図7】 1次微分フィルタの出力の絶対値を変換する変換テーブルの一例の説明図である。
【図8】 加重値マトリクスの別の例の説明図である。
【図9】 1次微分フィルタの係数マトリクスの別の例の説明図である。
【符号の説明】
1…画像入力部、2…画像記憶部、3…画像出力部、4…階調復元処理部、5…制御部、11…特徴量演算部、12…加重値設定部、13…平均値計算部。
Claims (4)
- 入力画像中の各画素について前記入力画像の2次微分値ないしは2次微分値を平滑化した値を特徴量として求める特徴量演算手段と、各近傍画素と注目画素との相対位置に応じて予め定められた閾値に基づいて前記特徴量演算手段で求められた注目画素と近傍画素の特徴量の差と該閾値との比較結果に基づき注目画素とその近傍画素に対する加重値を設定する加重値設定手段と、前記注目画素ならびにその近傍画素に対応した画素値と加重値とから加重平均値を求める平均値計算手段を備え、与えられた画像中の各画素を注目画素として前記特徴量演算手段、前記加重値設定手段および前記平均値計算手段により階調復元処理を行なうことを特徴とする画像処理装置。
- 入力画像中の各画素について前記入力画像の1次微分値ないしは1次微分値を平滑化した値を特徴量として求める特徴量演算手段と、各近傍画素と注目画素との相対位置に応じて予め定められた閾値に基づいて前記特徴量演算手段で求められた注目画素と近傍画素の特徴量の差と該閾値との比較結果に基づき注目画素とその近傍画素に対する加重値を設定する加重値設定手段と、前記注目画素ならびにその近傍画素に対応した画素値と加重値とから加重平均値を求める平均値計算手段を備え、与えられた画像中の各画素を注目画素として前記特徴量演算手段、前記加重値設定手段および前記平均値計算手段により階調復元処理を行なうことを特徴とする画像処理装置。
- 入力画像中の各画素について前記入力画像の2次微分値ないしは2次微分値を平滑化した値を特徴量として求める特徴量演算手段と、各近傍画素と注目画素との相対位置に応じて予め定められた値と前記特徴量演算手段により求められた各近傍画素の特徴量とを用いた演算を行ない注目画素と各近傍画素に対する加重値を設定する加重値設定手段と、前記注目画素ならびにその近傍画素に対応した画素値と加重値とから加重平均値を求める平均値計算手段を備え、与えられた画像中の各画素を注目画素として前記特徴量演算手段、前記加重値設定手段および前記平均値計算手段により階調復元処理を行なうことを特徴とする画像処理装置。
- 入力画像中の各画素について前記入力画像の1次微分値ないしは1次微分値を平滑化した値を特徴量として求める特徴量演算手段と、各近傍画素と注目画素との相対位置に応じて予め定められた値と前記特徴量演算手段により求められた各近傍画素の特徴量とを用いた演算を行ない注目画素と各近傍画素に対する加重値を設定する加重値設定手段と、前記注目画素ならびにその近傍画素に対応した画素値と加重値とから加重平均値を求める平均値計算手段を備え、与えられた画像中の各画素を注目画素として前記特徴量演算手段、前記加重値設定手段および前記平均値計算手段により階調復元処理を行なうことを特徴とする画像処理装置。
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