JP3635281B2 - 電磁誘導駆動方法と装置 - Google Patents
電磁誘導駆動方法と装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3635281B2 JP3635281B2 JP32007995A JP32007995A JP3635281B2 JP 3635281 B2 JP3635281 B2 JP 3635281B2 JP 32007995 A JP32007995 A JP 32007995A JP 32007995 A JP32007995 A JP 32007995A JP 3635281 B2 JP3635281 B2 JP 3635281B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- driving
- coil
- driving body
- circuit
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Induction Machinery (AREA)
- Linear Motors (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、交流電源によって、電磁誘導による駆動力を発生させる「電磁誘導駆動方法と装置」に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電磁誘導駆動装置の例として、三相誘導電動機及び単相誘導電動機を挙げることが出来る。これらは、固定された外側のステ−タに所定相数×極数のコイルを配備し、ロ−タにかご形回転子を配備し、各界磁コイルに互いに位相のずれた交流電流を加えて、回転磁界又は移動磁界を生じさせている。単相誘導電動機の場合は、コイルの中に容量を接続することによって、交流電流の位相をずらしている。かご形回転子内に、前記回転磁界と回転子の相対移動速度の差による誘導電流を発生させ、該誘導電流と前記回転磁界との間にフレミング左手の法則によって定まる向きの電磁力を作用してロ−タを回転駆動している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これらの誘導電動機には、次の問題があることが知られている。
[1].界磁コイルは、ステ−タの鉄芯内面に形成された溝へ、相数×極数の数だけ、所定巻数のコイルを配備する構造であるから、コイルの配備に手間が掛かり、又、所望回転数、地域によって異なる電源の周波数、電源電圧の違いの組合せの数だけ多種類のモ−タを在庫しておかなければならなかった。又、
[2].回転駆動力に電源の周波数の2倍の振動成分が含まれ、低駆動になると、騒音発生がある。又、
[3].ロ−タの回転数をベルト、ブ−リ、歯車等の伝達手段を介して、他の装置に動力伝達しているから、伝達効率の低下と、動力損失、騒音発生がある。更に、
[4].三相誘導電動機では、電源の3相のうち、2相を入替えると、回転磁界の発生方向が逆転するため、駆動軸を逆回転させることが容易に行なえるが、単相誘導電動機は、駆動軸の逆回転は出来なかった。従って、単相電動機から得る回転駆動力を逆回転させるには、駆動軸の回転を動力伝達装置等で逆向きに変換しなければならず、装置が大型、複雑化していた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁誘導駆動装置は、従来の三相又は単相誘導電動機とは異なった原理によって、駆動体を回転又は直線移動させるものである。
本発明装置は、誘導性の非磁性材料によって形成され、回転又は直線移動可能に支持された駆動体(4)に対して、その移動方向に直交して、外側及び内側に、夫々外磁体(2)と内磁体(3)を配備している。
外、内磁体(2)(3)の間で、駆動体(4)を3箇所以上で貫通する磁束の通る閉磁気回路を形成する。駆動体(4)は、移動方向に直交して両側に磁極(22)(32)とは対向しない、すなわち磁束の貫通しない縁部(41)(41)を具える。前記閉磁気回路を通る磁束は、位相差を有している。磁束のこの相位差が駆動体(4)を外、内磁体(2)(3)の一方又は両方に対して、相対移動せしめるものである。
【0005】
本発明装置は、磁束が外磁体(2)から駆動体(4)を貫通して内磁体(3)を通り、再び、駆動体(4)を貫通して外磁体(2)に戻る閉磁気回路を構成しているのに対して、従来のステ−タとロ−タとからなる誘導電動機は、かご形回転子の導電部を貫通する閉磁気回路を構成していない点で、本発明とは相異する。
本発明は、対向配置した外磁体(2)と内磁体(3)とによって形成した閉磁気回路のギャップ中に、駆動体(4)を配備しており、駆動体(4)を貫通する3つ以上の磁束の間に、互いに位相差を与える。図2dに示す如く、駆動体(4)を貫通する各磁束は、駆動体(4)の両面にて誘導電流を発生させる。例えば、磁束Ф2は、一方の縁部(41)を駆動体(4)の移動方向に流れ、駆動体(4)を貫通している隣の磁気回路の磁束Ф1を横切って、他方の縁部(41)を逆方向に流れ、再び駆動体(4)を貫通している他方の磁気回路の磁束Ф3を横切って一周する誘導電流I32を発生し、駆動体(4)に対して、磁束Ф3と誘導電流I32との間に電磁力F21,F23を作用して、駆動体(4)を回転又は直接移動するものである。
【0006】
本発明は、内磁体(3)及び駆動体(4)を円筒体に形成して一体化させ、外磁体(2)に磁極(22)を形成して、内磁体(3)及び駆動体(4)を回転する方法及び装置を提供することを目的とする(図5a、図5b)。
本発明は、外磁体(2)及び駆動体(4)を円筒体に形成して一体化し、内磁体(3)に磁極(32)を形成して、外磁体(2)及び駆動体(4)が回転する方法及び装置を提供することを目的とする(図7a、図7b)。
本発明は、駆動体(4)を円筒体に形成し、外、内磁体(2)(3)は、駆動体(4)の外側及び内側に夫々対向して磁極(22)(32)を具え、駆動体(4)を回転駆動する方法及び装置を提供することを目的とする(図11a、図11b、図14)。
本発明は、外、内磁体(2)(3)の少なくとも一方は3つ以上の磁極(22)又は磁極(32)を具えて、該磁極の中の少なくとも1つには、正逆駆動共用コイル(51)、他の磁極には、正駆動用コイル(61)と逆駆動用コイル(71)を夫々具え、正逆駆動共用コイル(51)を交流電源(52)と電気的に直列接続して閉磁気回路(5)を構成し、正駆動用コイル(61)と逆駆動用コイル(71)の一方を切替可能にし、容量又は抵抗、或はそれらの合体の電気素子(63)を電気的に直列接続して閉電気回路(6)(7)を構成して、駆動体(4)を貫通する磁束の間に正又は逆の位相差を発生する方法及び装置を提供することを目的とする(図1a、図1b)。
【0007】
本発明は、外、内磁体(2)(3)の少なくとも一方は3つ以上の磁極(22)又は磁極(32)を具えて、その中で少なくとも1つの磁極に正逆転用コイル(51)を具え、交流電源(52)と電気的に直列接続して閉磁気回路(5)を構成し、少なくとも1つの磁極にコイル(61)を具え、容量又は抵抗、或はそれらの合体の電気素子(63)と各コイルを電気的に直列接続して閉電気回路(6)を構成し、駆動体(4)を貫通する磁束の間に位相差を発生する方法及び装置を提供することを目的とする(図9a、図9b、図11a、図11b)。
本発明は、外、内磁体(2)(3)の少なくとも一方は、3つの磁極(22)又は磁極(32)を具えて、各磁極にコイル(51)を具え、各コイルに三相交流電源(53)(54)(55)を導通して、駆動体(4)を貫通する磁束の間に位相差を発生する方法及び装置を提供することを目的とする(図10)。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の電磁誘導駆動装置は、駆動体(4)を貫通する磁束の間に、位相差を、正逆両方向、又は正方向のみに発生する方式の違いにより、基本構造1及び基本構造2がある。各々の方式の作用と、各々の方式を応用した実施例を、図面に沿って詳述する。
〔基本構造1〕
図1aは、本発明の基本構造1を示すものであって、これを変形した実施例は後述する通り多数ある。外磁体(2)は、継鉄(21)から3本の鉄芯(231)(232)(233)を突設して、鉄芯先端を拡大し、内周面が円弧の磁極(22)を形成している。
第1、第2鉄芯(231)(232)には、界磁コイル(51)(61)を、第3鉄芯(233)には、界磁コイル(71)を具える。
第1鉄芯(231)のコイル(51)は、閉電気回路(5)によって、例えば60ヘルツの交流電源(52)に接続して通電される。
内磁体(3)は、磁極(22)内周面の円弧と同心の同筒状に形成され、磁極(22)と内磁体(3)とのギャップ中に導電性の非磁性材料によって形成された円筒状の駆動体(4)を回転自由に配備している。
駆動体(4)は、均一厚さの円筒体であって、その幅即ち回転移動方向に直交する方向の長さは、磁極(22)の幅よりも大きく形成されている。磁極(22)は駆動体(4)の幅のほぼ中央部に対向して配備されており、従って、駆動体(4)の両端縁には、磁極(22)に対向しない縁部(41)(41)を具えている。
第2及び第3鉄芯(232)(233)の各コイル(61)(71)は、夫々の一端を互いに接続し、他端はスイッチ(64)の切替えによって何れか一方は回路を開き、他方は容量又は抵抗、或いはそれらの合体の電気素子(63)と電気的に直列接続して閉回路を形成する。スイッチ(64)によりコイル(61)が電気素子(63)に接続された場合、該コイル(61)を具え、第2鉄芯(232)を経て、駆動体(4)を通過する磁気回路の磁束は、内磁体(3)を通り、再び駆動体(4)を貫通して、コイル(51)(71)を具える第1鉄芯(231)、第3鉄芯(233)を経て外磁体(2)に戻る。この様に、コイル夫々の磁気回路が形成される。従って、各磁極(22)に、位相差のある正方向磁束が発生する。
スイッチ(64)が切替えられて、コイル(71)が電気素子(63)に接続された場合、該コイル(71)を具える磁気回路は、コイル(71)の位置がコイル(61)に対して別であるから、各磁極(22)に、位相差のある逆方向磁束を発生する。
図1bは、図1aの構成を説明の便宜上、平面に展開したものである。図1aのB−B線に沿って装置を切断して展開すると図1bに一致する。図1aと同じ符号は、同じ部分を示している。
【0009】
[基本構造1の駆動原理]
次に駆動体(4)の駆動原理を説明する。
図2aに示す如く、導電性の非磁性材料の駆動体(4)に1個の磁極(22)が対向している場合、その磁極の鉄芯に設けたコイルに交流電流を通じると、外、内磁体(2)(3)を含む閉磁気回路に流れる磁束Фが、該磁極(22)に集中し、駆動体(4)を貫通する。駆動体(4)の両面には、磁束Фの時間的変化量に比例して、磁極(22)の外側を一周する誘導電流I3が流れる。
誘導電流I3が生じる理由は、次の様に説明できる。巻数nのコイルを通る磁束Фが時間的に変化すると、コイルの両端には、時間tにおいて、誘導起電力
【数1】
が生じることは知られている。
図2aに於いて、駆動体(4)の両面において、磁極(22)との対向領域Aの外側の領域を、巻数n=1のコイルとみなすことが出来、キルヒホッフの第2法則の関係で決まる電流が流れる。即ち、領域Aの外側領域の等価低坑をr3とすると、磁束変化によって、誘導電流I3
【数2】
が生じるのである。
誘導電流I3の流れる方向と大きさは、磁束Фの方向と、磁束Фの大きさの時間的変化とによって、刻々と変わる。例えば図2aに於いて、磁束Фが紙面に対して上向きに流れており、磁束Фが強まる方向に変化している場合、ファラデ−の法則によって、右ネジの進む方向に誘導電流I3が流れる。
誘導電流I3の大きさは、駆動体(4)の内面を流れる電流路の等価抵抗r3に逆比例するから、図2a、図2bに於いて磁極(22)の近くの電流I3nは大きく、磁極(22)から離れた電流I3fは小さい(I3n>I3f)。
又、図2cの如く、磁極(22)が駆動体(4)の縁に重なって配置されると、誘導電流は磁極(22)を一周して流れることは出来ないから、誘導電流は発生しない。誘導電流I3は、駆動体(4)が磁極(22)の幅より大きく、且つ磁極(22)に対向しない縁部(41)(41)を磁極(22)の両側に具えることによって、発生する。
図2bに於いて、第1、第2、第3鉄芯(231)(232)(233)の磁極(22)が夫々駆動体(4)上に占める領域をA1、A2、A3とする。第2鉄芯(232)のコイル(61)にのみ通電した場合を考えると、駆動体(4)には、領域A2の外側を一周し、領域A1或は領域A3を横切る誘導電流I32が発生する。磁極(22)の真下の領域A2内では、隣り合う磁束によって生じる誘導電流が互いに打ち消し合うから、結局該領域内では誘導電流は発生しない。
【0010】
図2dは、図1bにおける駆動体(4)と3個の磁極(22)だけを描いて単純化したものである。2つのコイル(51)(61)に交流電流が流れることにより、時間的に変化する磁束Ф1、Ф2が領域A1、A2を貫通する。
第1鉄芯(231)は、内磁体(3)及び、外磁体(2)の第2、第3鉄芯(232)(233)、継鉄(21)を通る閉磁気回路に繋っているから、第1鉄芯(231)のコイル(51)によって発生した磁束Ф1は、磁極(22)を経由して、領域A1にて駆動体(4)を貫通して内磁体(3)に流れ、領域A2、A3にて2つに分岐して駆動体(4)を貫通し、夫々の磁束は鉄芯(232)(233)を通り、継鉄(21)に戻る。
同様に、第2鉄芯(232)のコイル(61)によって発生した磁束Ф2は、磁極(22)を経由して、領域A2にて、駆動体(4)を貫通して内磁体(3)に流れ、領域A1、A3にて2つに分岐して駆動体(4)を貫通し、夫々の磁束は鉄芯(231)(233)を通り、継鉄(21)で合流して元の第2鉄芯(232)に戻る。
領域A3に対向する磁極(22)の第3鉄芯(233)には、コイル(71)が巻かれているが通電がないから、コイル(71)による磁束の発生はない。しかし、第1、第2鉄芯(231)(232)のコイル(51)(61)によって発生した磁束Ф1、Ф2は内磁体(3)から外磁体(2)へ戻るから、その中で分岐して第3鉄芯(233)を通る分を合計した磁束Ф3が、磁極(22)を経由して、領域A3の駆動体(4)を貫通する。
【0011】
第1鉄芯(231)のコイル(51)に交流電流を通電し、閉電気回路(6)中に接続した電気素子(63)によって、磁束Ф1、Ф2の位相が120°ずれ、また大きさが同一になるように電気及び磁気回路諸量間の条件を適当に設定すると、磁束Ф1、Ф2は、次の通りである。
【数3】
第3鉄芯(233)を通る磁束Ф3は、磁気回路の条件を適当に設定することにより、
【数4】
とすることが出来る。
駆動体(4)の領域A1、A2、A3の各周囲の等価低坑をr30とすると、磁束Ф1、Ф2、Ф3によって発生する誘導電流I31、I32、I33は、以下の通りである。
【数5】
磁束Фに対して誘導電流I3は、図3a乃至図3cに示す如く、位相が90°遅れた波形であり、任意の時間t0に於いて、Ф1+Ф2+Ф3=0の関係がある。
図2dに於いて、第2鉄芯(232)を通る磁束Ф2によって、駆動体(4)には領域A2の外側を一周し、且つ領域A1、A3を通過する誘導電流I32が誘起される。3つの磁極(22)は、実際には接近して配備され、駆動体(4)の長さを略覆う大きさに形成されるから、領域間の隙間を流れる電流は少なく、殆ど無視できる。
領域A1を横切る誘導電流I32に対して磁束Ф1が作用し、フレミング左手法則によって決まる方向に電磁力F21が加わる。同様に、領域A3では、誘導電流I32に対して磁束Ф3が作用し、電磁力F23が加わる。2つの電磁力F21、F23が合力F2となって、駆動体(4)を回転又は直線移動させる。
【0012】
駆動体(4)は、実際には図1aに示す如く、円筒体であるから、図4aに於いて、領域A1を貫通する磁束Ф1によって、領域A3、A1の磁束を横切る誘導電流I31を誘起し、同様に領域A3を貫通する磁束Ф3によって、領域A2、A1の磁束を横切る誘導電流I33を誘起する。
各領域A1、A2、A3を貫通する磁束Ф1、Ф2、Ф3が駆動体(4)の面内に誘起する誘導電流I31、I32、I33は重畳出来るから、駆動体(4)に作用する電磁力F1、F2、F3も重畳することが出来る。
3つの磁極(22)を通る磁束Ф1、Ф2、Ф3は、前述の通り、120°の位相差で、且つ同じ大きさに設定されており、また、領域A1、A2、A3周囲の等価低坑をr3が同一に設定されているから、駆動体(4)面内の誘導電流I31、I32、I33は、前記の通り、磁束Ф1、Ф2、Ф3に対して90°遅れの位相差で、且つ同じ大きさで時間tと共に変化する。従って、電磁力F1、F2、F3を重畳して合成した電磁力Fは、
【数6】
となり、時間tに関係なく大きさ及び方向が常に一定で無振動の力であることが分かる。駆動体(4)が円筒形である場合には、電磁力Fは円周方向に働く回転力となって、駆動体(4)を回転移動させる。
【0013】
外磁体(2)、内磁体(3)、駆動体(4)を図1bの如く、展開して同一平面に平行して配備して、駆動体(4)を図4bの如く、両側の縁部(41)(41)と、中央の駆動部(42)を分離し、各縁部(41)の両端部を電線で形成した電気回路部(43)と電気的に接続して駆動部(42)が両側の縁部(41)(41)と摺動するようにしてもよい。この様に、駆動体(4)が平面板形である場合には、電磁力Fは直線方向へ働く直線力となって、駆動体(4)を直線移動させることが出来る。図4cは、図4bに示す縁部(41)と電気回路部(43)を一体にした例である。
磁極(22)の数は、3に限定する必要はなく、3の倍数の磁極を配備して、磁極毎に配備されるコイルに閉電気回路(5)(6)(7)を接続すれば、駆動体(4)に倍数の回転力又は直線力を作用できる。
外、内磁体(2)(3)を入替えて、外磁体(2)は継鉄(41)だけを具える円筒体とし、内磁体(3)に鉄芯、磁極、コイルを配備しても、駆動体(4)を回転又は直線移動させる原理は同じである。
【0014】
〔基本構造2〕
図9aは、本発明の基本構造2を示すものであって、
図9bは、図9aの構成を説明の便宜上、平面に展開したものである。図9aのC−C線に沿って装置を切断して展開すると図9bに一致する。図9aと同じ符号は、同じ部分を示している。これらを変形した実施例は後述する通り多数ある。外磁体(2)は、継鉄(21)から3本の鉄芯(231)(232)(233)を120°間隔で内向きに突設して、鉄芯の先端を拡大し、内周面が円弧の磁極(22)を形成している。外磁体(2)の磁極(22)は、夫々接近して配備され、駆動体(4)の長さを略覆う大きさに形成される。又、内磁体(3)は、前記外磁体(2)の磁極(22)の内弧と同心に配備された同筒状の継鉄(31)で構成される。磁極(22)と内磁体(3)との間には、後述する駆動体(4)が配備されている。
外磁体(2)の各鉄芯(231)(232)(233)には、図9bに示すごとく同じ方向に上下に2つの独立したコイルが巻回される。各鉄芯の一方のコイルの巻終わり端を隣の鉄芯の巻始め端に繋ぎ、全部の鉄芯(231)(232)(233)について順に接続して、第1コイル(51)を構成している。又、他方のコイルを同様に順に接続して、第2コイル(61)を構成している。
閉電気回路(5)において、コイル(51)は例えば60ヘルツの交流電源(52)と、又、閉電気回路(6)においては、コイル(61)は容量又は抵抗或いはそれらの合体の電気素子(63)と直列接続されている。閉電気回路(5)が交流電源(52)に接続されて通電されると、各鉄芯に巻回されたコイル(51)によって各鉄芯に磁束が発生し、駆動体(4)を介して、鉄芯(231)(232)(233)と継鉄(31)とで形成するギャップG1、G2、G3の間で夫々磁束Ф1、Ф2、Ф3が駆動体(4)を貫通する。コイル(61)の巻数、等価抵抗r2と、駆動体(4)の等価抵抗r31、r32、r33と、磁気回路のギャップG1、G2、G3における等価磁気抵抗と、電気素子(63)のインピ−ダンスとの間に、磁束Ф1、Ф2、Ф3の位相を120°ずらし、又同じ大きさとなるように電気及び磁気回路条件を設定する。
駆動体(4)の形状は、前記基本構造1と同じであって、外磁体(2)の磁極(22)と内磁体(3)の継鉄(31)の間に回動自由に配備され、磁極(22)と継鉄(31)との対向領域から外れて、両側に縁部(41)(41)を具えている。
【0015】
[基本構造2の駆動原理]
駆動体(4)の駆動原理を説明する。尚、駆動体(4)が外、内磁体(2)(3)の磁極間のギャップG1、G2、G3の中にある領域をA1、A2、A3とする。
閉電気回路(5)に交流電源(52)を通じると、各コイルに磁束が発生する。コイル(51)(61)の夫々の等価抵抗をr1、r2とする。
閉電気回路(5)には、交流電源(52)を通じることにより、鉄芯を通り磁束Фによって各コイル(51)に誘起する誘起電力と、等価抵抗r1による電圧降下との和が、常に電源電圧と平衡を保つように、電流I1が流れる。閉電気回路(6)には、等価抵抗r2及び容量又は抵抗或いはそれらの合体の電気素子(63)のインピ−ダンスによる電圧降下との和が常に零を保つように、電流I2が流れる。
電流I1及びI2によって、各鉄芯(231)(232)(233)に巻回された第1コイル(51)及び第2コイル(61)に発生する磁束は、巻回された鉄芯を源とする閉磁気回路を構成する。例えば、第2鉄芯(232)に巻回されたコイル(51)によって発生する磁束は、磁極(22)からギャップG2、領域A2の駆動体(4)を貫通して、内磁体(3)の継鉄(31)に達し、継鉄(31)を通り、2つに分岐し、夫々がギャップG1、G2における領域A1、領域A2の駆動体(4)を貫通して、外磁体(2)の継鉄(21)に達し、鉄芯(231)(233)を通り、継鉄(21)で合流して、鉄芯(232)に戻る閉磁気回路、又は逆向きの閉磁気回路を構成する。同様に、各鉄芯(231)(232)(233)に巻回されたコイル(51)(61)も閉磁気回路を形成する。夫々の閉磁気回路の磁束は合成され、各鉄芯(231)(232)(233)の磁極(22)からギャップG1、G2、G3及び領域A1、A2、A3を貫通して継鉄(31)に至る磁束を夫々Ф1、Ф2、Ф3とする。ここで、各コイル(51)(61)の巻数及び等価抵抗r1、r2と、駆動体(4)の等価抵抗r31、r32、r33と、閉磁気回路のギャップG1、G2、G3における等価磁気抵抗と、電気素子(63)のインピ−ダンスとの間にキルヒホッフの第1法則及びキルヒホッフの第2法則を適用し、位相を120°ずらすように電気及び磁気回路の条件を設定すると、磁束Ф1、Ф2、Ф3は前記数3、4の通りとなる。
又、領域A1、A2、A3夫々の外周部に対向する駆動体(4)の等価抵抗をr30とすると、磁束Ф1、Ф2、Ф3によって、発生する誘導電流I31、I32、I33は、前記数5の通りである。
つまり、磁束Фに対して誘導電流I3は、基本構造1で用いた図3a乃至図3cに示す如く、位相が90°遅れた波形であって、任意の時刻t0において、Ф1+Ф2+Ф3=0の関係がある。従って、基本構造1と同様に、駆動体(4)の領域A1を貫通する磁束Ф1と、該領域A1を横切る誘導電流I32、I33、又領域A2を貫通する磁束Ф2と、該領域A2を横切る誘導電流I31、I33、更に領域A3を貫通する磁束Ф3と、領域A3を横切る誘導電流I31、I32によって、夫々電磁力F1、F2、F3が発生し、基本構造1の場合と同様に、駆動体(4)に作用する。
駆動体(4)に発生する電磁力F1、F2、F3を重畳して合成した電磁力Fは、前記数6となり、時間tに関係なく大きさ及び方向が常に一定で、無振動の力であり、駆動体(4)を円周方向に働く回転力又は後述の通り平行に移動させる直線力となって、駆動体(4)を回転又は直線移動させる。
又、外磁体(2)、内磁体(3)、駆動体(4)を図9bの如く、展開して同一平面に沿って配置し、駆動体(4)を基本構造1の場合の図4b、図4cの如く、両側の縁部(41)(41)と、中央の駆動部(42)を分離し、各縁部(41)の両側を電気回路部(43)で電気的に接続し、駆動部(42)を両側の縁部(41)(41)に対して摺動可能に配備することにより、駆動体(4)を直線移動させることが出来る。
磁極(22)の数は、3つに限定されることなく、3の倍数の磁極を配備して、磁極毎に配備されるコイルに閉電気回路(5)(6)を接続すれば、駆動体(4)に倍数の回転力又は直線力を作用できる。
【0016】
【実施例】
〔基本行動1の実施例〕
図5a、図5bは、図1aの基本構造1の配備に従って、具体的に各部構造を図示したものである。
ケ−シング(1)の内面に、炭素鋼板、珪素鋼板等の磁気抵抗が小さい鉄系磁性材料の板を外磁体(2)の形状に打抜いた板片を多数束ね配備して、外磁体(2)を形成する。外磁体(2)はケ−シング(1)の内面に沿って一周する円筒状の継鉄(21)、該継鉄(21)から120°の間隔で内方へ突出した第1、第2、第3鉄芯(231)(232)(233)、各鉄芯の先端に形成された円弧状の磁極(22)を有し、第1、第2鉄芯(231)(232)には、正逆駆動共用のコイル(51)と正駆動用のコイル(61)を、第3鉄芯(233)には逆駆動用のコイル(71)を具えている。
ケ−シング(1)中の適当な空所に容量又は抵抗或いはそれらの合体の電気素子(63)を配備し、閉電気回路(5)(6)(7)の端子(図示せず)をケ−シング(1)の側面に配備して、交流電源の導線(11)を適当な端子へ接続することによって、駆動体(4)を正又は逆方向に回転移動させる。
駆動体(4)は、導電体であるが、磁気抵抗が大きい材料、例えばアルミニゥム、ステンレス鋼、銅、黄銅、真鍮等の鉄系以外の非鉄金属、非磁性材料によって作られる。
駆動体(4)は、磁極(22)の円弧と同心に配備された均一厚さの円筒体であって、両端はケ−シング(1)の両側方へ夫々突出し、ケ−シング(1)の側面に形成した軸受面(12)に回転自由に支持されている。
内磁体(3)は、外磁体(2)と同じ磁性材料によって作られており、磁極(22)と同一幅の短い円筒体である。内磁体(3)は、図面では磁極(22)との対向位置によって、駆動体(4)の内面に取付けて、内磁体(3)と駆動体(4)が一体回転する構成である。
コイル(51)(61)又は(71)の巻数及び等価抵抗r1、r2と、駆動体(4)の等価抵抗r31、r32、r33と、閉磁気回路のギャップG1、G2、G3における等価磁気抵抗と、電気素子(63)のインピ−ダンスとの間にキルヒホッフの第1法則及びキルヒホッフの第2法則を適用し、位相を120°ずらすように電気及び磁気回路の条件を設定すると、駆動体(4)に発生する誘導電流I3と、駆動体(4)を貫通する磁束Фとによって、駆動体(4)に正方向又は逆方向の電磁力Fが発生し、駆動体(4)が正方向又は逆方向に回転移動する。
尚、内磁体(3)を駆動体(4)から分離し、適当な支持構造によって、ケ−シング(1)に固定すれば、駆動体(4)だけを回転させることが出来る。
この実施例では、駆動体(4)の回転方向の切替えは、導線(11)とケ−シング(1)の側面の端子との接続を変更させるだけでよく、従来の単相誘導電動機のように駆動軸の回転を動力伝達装置で逆向きに変換する切替装置は不用である。
又、交流電源の周波数、電圧の違いに対処するため、各コイルに所定巻数のタップを引出しておけば、適当なタップを選んで導線(11)に接続するだけで、駆動体(4)の回転力又はトルクを一定に維持でき、電源周波数、電圧の違いに合わせた多種類の電動機を準備する必要はない。
【0017】
図6a、図6bは、外磁体(2)はケ−シング(1)の内面に取付けた円筒状の継鉄(21)によって構成し、内磁体(3)はケ−シング(1)の中央に設けた固定軸(13)のキ−溝(14)に、中央の継鉄(31)を嵌めて、固定軸(13)へ一体に取付けており、120°の間隔で3本の鉄芯(331)(332)(333)を継鉄(31)から突設し、各鉄芯に磁極(32)、コイル(51)(61)(71)を具えている。
外磁体(2)の継鉄(21)内面と内磁体(3)の磁極(32)外面との間の狭い円筒状空間に、円筒状の駆動体(4)が回転自由に嵌まっている。駆動体(4)の右側の端部は、固定軸(13)の先端へ軸支された円盤の周辺へ一体に取付けられ、円盤(17)の中央に突設した駆動軸(18)を駆動することが出来る。
【0018】
図7a、図7bは、固定軸(13)上に、継鉄(31)、鉄芯(331)(332)(333)、磁極(32)、コイル(51)(61)(71)を有する内磁体(3)を一体に取付け、外磁体(2)は、固定軸(13)に軸受されたケ−シング(1)と一体化し、駆動体(4)は円筒状に形成して、外磁体(2)の内側へ取付けたものである。
固定軸(13)の両側に開設した貫通孔(15)(15)を通って導線(11)が引込まれ、コイル(51)(61)(71)の端子に接続している。導線(11)に通電すると、ケ−シング(1)、外磁体(2)、駆動体(4)は、一体となって回転する。
ケ−シング(1)及び外磁体(2)の外周面に、例えば、ファン翼、歯車等の付属品を取付けると、直接駆動でき、伝達装置を設ける必要がないから、電気機器は小形化され、運転音が低下し、機械損失も少ない。
【0019】
図8は、図1aに示す基本構造1の外磁体(2)の外周形状を矩形とした例である。この装置は、外磁体(2)の継鉄(21)の一端から2本の鉄芯(231)(232)を突設し、継鉄(21)の他端面から1本の鉄芯(231)を突設している。鉄芯(231)(232)(232)には、夫々コイル(51)(61)(71)が配備され、コイル(51)は、閉電気回路(5)の一部を形成する交流電源(52)と接続され、又、夫々コイル(61)(71)は、容量又は抵抗、或いはそれらの合体の電気素子(63)と直列接続されて閉電気回路(6)(7)を形成する。各鉄芯(231)(232)(233)には磁極(22)が配備され、該磁極(22)の内周面は、駆動体(4)の外周に接近するような円筒形に形成される。駆動体(4)は円筒形に形成され、駆動体(4)の内周面と一体に内磁体(3)の継鉄(31)が形成される。この装置は、基本原理1の外磁体(2)の形状を変形したものであって、上記原理に基づいて、一体に形成された内磁体(3)及び駆動体(4)が回転する。この実施例の如く、外磁体(2)の外周形状を必要に応じて変形することも出来る。
【0020】
〔基本構造2の実施例〕
図12は、内磁体(3)中央の継鉄(31)を固定軸(13)のキ−溝(14)に嵌めて固定し、又、外磁体(2)を円筒状の継鉄(21)によって構成し、ケ−シング(1)の内面に取付けて固定し、駆動体(4)を外磁体(2)の継鉄(21)と内磁体(3)の磁極(32)との間に形成された狭い円筒状空間に回転自由に配備した実施例である。
図13aは、内磁体(3)の各鉄芯に第1、第2コイル(51)(61)を配備し、外磁体(2)は、継鉄(21)によって構成し、駆動体(4)を継鉄(21)へ一体に取付けたものである。又、図13bは、図13aの装置を回転軸に直交する平面にて切断した断面図である。具体的な各部構造を以下に示す。
ケ−シング(1)(1)の中央に、炭素鋼板、珪素鋼板等の磁気抵抗が小さい鉄系磁性材料の板を円筒形に打抜いた板片を多数束ね配備して、外磁体(2)を形成する。
駆動体(4)は、外磁体(2)よりも長い円筒体であって、中央部を外磁体(2)の内面に密接し、両縁部(41)(41)をケ−シング(1)の内面に固定している。
内磁体(3)は、外磁体(2)と同じ磁性材料によって作られており、円筒体の継鉄(31)、該継鉄(31)から120°の間隔で外方へ突出した鉄芯(331)(332)(333)、各鉄芯の先端に形成された円弧状の磁極(32)を有し、各鉄芯には、同一巻方向に独立したコイルが巻回されて、第1コイル(51)及び第2コイル(61)が形成される。内磁体(3)は、固定軸(13)に固定し、駆動体(4)を円筒形の外磁体(2)の内面に取付け、一体となったケ−シング(1)(1)、外磁体(2)及び駆動体(4)を固定軸(13)上へ回転自由に配備している。
ケ−シング(1)(1)中の適当な空所に容量又は抵抗或いはそれらの合体の電気素子(63)を配備し、閉電気回路(5)(6)の端子(図示せず)をケ−シング(1)の側面に配備して、交流電源の導線(11)を適当な端子へ接続することによって、駆動体(4)と一体に形成された外磁体(2)を回転させる。駆動体(4)の構成材料、形状は、基本構造1と同様である。
固定軸(13)は、ケ−シング(1)の内外に連通する貫通孔(15)を具えており、導線(11)を貫通孔(15)に通じて、ケ−シング(1)の内部に引込み、コイル(51)(61)の端子に導線(11)を接続している。
上記2つの実施例について、交流電源(52)(62)を閉電気回路(5)(6)に通じると、前記駆動原理に基づいて、各磁極(32)を含む閉磁気回路が形成され、駆動体(4)又は駆動体(4)と一体に形成された外磁体(2)が回転する。基本構造1と同様に、各コイルに所定巻数のタップを引出しておけば、適当なタツプを選んで導線(11)を接続するだけで、駆動体(4)の回転力又はトルクを一定に維持でき、電源周波数、電圧の違いに合わせた多種類の電動機を準備する必要はない。
ケ−シング(1)及び外磁体(2)が一体となって回転する構成とした場合には、それらの外周面に、基本構造1と同様に、ファン翼、歯車等の付属品を取付けて直接駆動することが出来る。
【0021】
更に異なる実施例として、図14に示す形状とすることも出来る。この装置は、外磁体(2)の鉄芯(231)にコイル(51)を、内磁体(3)の鉄芯(333)にはコイル(61)を具える。又、内磁体(3)には、継鉄(31)を具えず、1つの鉄芯(333)のみを配備し、駆動体(4)の内周を略覆う磁極(321)(322)(323)を、鉄芯(333)の一方に1つ、他方に2つ配備する。そして、外磁体(2)には、継鉄(21)を具えず、1つの鉄芯(231)のみを配備し、駆動体(4)の外周を略覆う磁極(221)(222)(223)を、鉄芯の一端に1つ、他端に2つ配備する。コイル(51)は、図示省略する交流電源(52)と接続されて、閉電気回路(5)を形成し、コイル(61)は、図示省略する電気素子(63)と直列接続されて閉電気回路(6)を形成する。
【0022】
図15a、図15bは、外磁体(2)及び駆動体(4)を一体化して、ケ−シング(1)に固定し、内磁体(3)は、ケ−シング(1)に回転自由に支持された回転軸(16)に、円筒形の継鉄(31)を固定し、該継鉄(31)から3つの鉄芯(331)(332)(333)を外向きに突設し、磁極(32)の外周面が駆動体(4)の内周面と接近するように形成している。内磁体(3)に配備されたコイル(51)は、スリップリング(56)とブラシ(57)を経由して交流電源(52)に接続されて閉電気回路(5)を構成し、コイル(61)は、スリップリング(66)とブラシ(67)を経由して、電気素子(63)を介して交流電源(62)に接続されて閉電気回路(6)を構成する。
この装置は、外磁体(2)及び駆動体(4)が固定されているため、コイル(51)(61)に交流電源(52)(62)を通じると、内磁体(3)が回転軸(16)と一体となって回転駆動し、回転軸(16)から駆動力を得ることが出来る。前記構造は、基本原理1にも同様に適用することが出来、又、外磁体(2)にコイル(51)(61)を配備して回転自由に支持し、内磁体(3)を固定することによって、外磁体(2)を回転駆動させることも出来る。
【0023】
図16a乃至図16fは、基本構造1又は基本構造2を用いた本発明の使用例であって、全て基本構造1、基本構造2の何れの原理を用いても駆動する。
図16aは、ベルトコンベアの駆動源に本発明を適用した例である。本装置は、外磁体(2)にコイル(図示せず)を具え、内磁体(3)は、回転可能に軸支された円筒形の継鉄(31)から構成され、駆動体(4)は、弾性に富んだ導電性の非磁性材料を無端状に加工している。駆動体(4)と内磁体(3)との接触面は、摩擦抵抗を大きくして、すべりが生じない構成としている。外磁体(2)は、半円状であって、一部を開いて駆動体(4)の侵入、進出を許しているが、駆動体(4)と内磁体(3)との間には、閉磁気回路が形成されるから、基本構造1及び基本構造2は、実現している。この装置に交流電源を通じると、内磁体(3)及び駆動体(4)が回転し、駆動体(4)が直接ベルトコンベアのベルトとなる。
【0024】
図16bは、外磁体(2)及び駆動体(4)を一体化して回転自由に支持し、外磁体(2)の外周面にファン翼(81)を具えた例である。又、図16cは、内磁体(3)及び駆動体(4)を一体化して回転自由に支持し、駆動体(4)の一端にファン翼(81)を具えた例である。これらの装置に交流電源を通じると、ファン翼(81)は回転駆動される。
図16dは、外磁体(2)を固定し、内磁体(3)及び駆動体(4)を一体化して回転自由に支持し、内磁体(3)の内周面に切刃(82)を具えた粉砕装置の例である。この装置に交流電源を通じると、駆動体(4)と一体化した内磁体(3)が回転し、切刃(82)が回転駆動され、披粉砕材料が切刃(82)によって、粉砕される。
図16e及び図16fは、外磁体(2)と駆動体(4)を一体化して回転自由に支持し、内磁体(3)を固定して、外磁体(2)の外周面に歯車(83)、砥石(84)を夫々具えた例である。これら装置に交流電源を通じると、歯車(83)、砥石(84)が回転駆動される。
【0025】
図17a及び図17bは、駆動体(4)の他の実施例である。図17aにおいては、駆動体(4)は、均一厚さの円筒体であって、回転移動方向に直交する方向の長さを、磁極(22)の幅よりも大きく形成し、又、移動方向と直交する方向に磁極(22)又は磁極(32)の幅と略同一又は幅より食みでるスリット(44)を開設している。図17bにおいては、駆動体(4)は均一厚さの板状体であって、直線移動方向に直交する方向の長さを、磁極(22)の幅より大きく、又、駆動部(42)の幅を磁極(22)又は磁極(32)の幅と同一又は小さく形成し、その幅内、幅方向にスリット(44)を開設している。本実施例によれば、駆動体(4)を流れる誘導電流がスリット(44)に沿うため、各磁束から受ける電磁力の方向が一定となり、効率的に電磁力を駆動力に変換することが出来る。尚、駆動体(4)は、少なくとも磁極(22)(32)と対向する部分が非磁性の導電材料であればよく、例えば、幅方向の両縁部(41)(41)は、鉄等の導電性のある部材とすることも出来る。
【0026】
【発明の効果】
本発明に係る「電磁誘導駆動方法と装置」を使用するときは、以下のような効果がある。
[1].交流電源の周波数、電圧の違いに対処するため、各コイルに所定巻数のタップを引出しておけば、適当なタップを選んで導線(11)に接続するだけで、駆動体(4)の回転力又はトルクを一定に維持でき、電源周波数、電圧の違いに合わせた多種類の電動機を準備する必要はない。又、
[2].3つの磁極(22)又は磁極(32)を通る磁束Ф1、Ф2、Ф3は、120°の位相差で、且つ同じ大きさに設定すると、合成した電磁力Fは前記数6となり、時間tに関係なく大きさ及び方向が常に一定で無振動の力であり、低駆動になっても、騒音発生はない。又、
[3].ケ−シング(1)及び外磁体(2)が一体となって回転する構成とした場合には、それらの外周面に、例えば、ファン翼、歯車等の付属品を取付けると、直接駆動でき、又、駆動体(4)は弾性に富んだ導電性の非磁性材料を無端状に加工している場合には、駆動体(4)が直接ベルトコンベアのベルトとなり、伝達装置を設ける必要がないから、電気機器は小形化され、運転音が低下し、機械損失も少ない。更に又、
[4].駆動体(4)の回転方向の切替えは、導線(11)とケ−シング(1)の側面の端子との接続を変更させるだけでよく、従来の単相誘導電動機のように駆動軸の回転を動力伝達装置で逆向きに変換する切替装置は不用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは、本発明に係る電磁誘導駆動装置の概略図であって、基本構造1を示し、図1bは、図1aのB−B線に沿って装置を断面し、展開した斜面図である。
【図2】駆動体(4)と磁極(22)の配備により、誘導電流と電磁力が発生する原理を示す説明図である。
【図3】第1、第2、第3鉄芯(231)(232)(233)の磁極に於ける磁束と誘導電流の時間的変化を示すグラフである。
【図4】図4aは、基本構造1の駆動原理を示す説明図、図4bは、駆動体(4)を直線移動する実施例の斜面図、図4cは、他の実施例の斜面図である。
【図5】図5aは、基本構造1に基づく電磁誘導駆動装置の縦断面図、図5bは、図5aの装置を回転軸と直交する平面によって切断した断面図である。
【図6】図6aは、他の実施例の縦断面図、図6bは、図6aの装置を回転軸と直交する平面によって切断した断面図である。
【図7】図7aは、他の実施例の断面図、図7bは、図7aの装置を回転軸と直交する平面によって切断した断面図である。
【図8】更に他の実施例の断面図である。
【図9】図9aは、本発明に係る電磁誘導駆動装置の基本構造2を示す装置を回転軸と直交する平面によって切断した断面図、図9bは、図9aのC−C線に沿って装置を断面し、展開した斜面図である。
【図10】装置を三相交流電源に接続した斜面図である。
【図11】図11aは、本発明に係る電磁誘導駆動装置の基本原理2の他の実施例を示す装置であって、回転軸と直交する平面によって切断した断面図、図11bは、図11aのD−D線に沿って装置を断面し、展開した斜面図である。
【図12】基本構造2の更に他の実施例の縦断面図である。
【図13】図13aは、基本構造2の更に他の実施例の縦断面図、図13bは、図13aの装置を回転軸に沿う平面によって切断した断面図である。
【図14】基本構造2の更に他の実施例の縦断面図である。
【図15】図15aは、基本構造2の更に他の実施例の縦断面図、図15bは、図15aの装置を回転軸に沿う平面によって切断した断面図である。
【図16】本発明の使用例を示す斜面図である。
【図17】駆動体の他の実施例の斜面図である。
【符号の説明】
1 ケ−シング
2 外磁体
3 内磁体
22,32 磁極
21,31 継鉄
231,232,233,331,332,333 鉄芯
4 駆動体
41 縁部
42 駆動部
43 電気回路部
5,6,7 閉電気回路
51,61,71 コイル
52,62 交流電源
63 電気素子
64 切替スイッチ
G1,G2,G3 ギャップ
Φ1,Φ2,Φ3 磁束
I1,I2 電流
I31,I32,I33 誘導電流
r1,r2,r31,r32,r33 等価抵抗
Claims (2)
- 対向配置した外磁体(2)と内磁体(3)とによって、3つのギャップを有する単一の閉磁気回路を形成し、閉磁気回路のギャップ中に、導電性の非磁性材料によって形成され、閉磁気回路に対向しない縁部(41)を両側に具える駆動体(4)を配備し、駆動体を貫通する各磁束Φの間に互いに位相差を発生したとき、磁束が駆動体を貫通する各位置では、駆動体の内面において、一方の縁部を駆動体の移動方向に流れ、駆動体を貫通している一方の隣の磁気回路を横切って、他方の縁部を一方の縁部に対して逆方向に流れ、再び、駆動体を貫通している他方の隣の磁気回路を横切って一周する誘導電流I3を発生し、駆動体に対して誘導電流との間に電磁力Fを作用して、駆動体を回転又は直線移動させる電磁誘導駆動方法。
- ギャップを形成して対向配置した外、内磁体(2)(3)の一方はそれぞれが単一で同位相の磁気回路を形成する3つの磁極(22)(32)を具えて、1つの磁極にコイル(51)を具え、該コイルを交流電源(52)と電気的に接続して第1の閉電気回路(5)を構成し、もう1つの磁極にコイル(61)を具え、該コイルを容量又は抵抗或はそれらの合体の電気素子(63)と電気的に直列接続して第2の閉電気回路(6)を構成し、外磁体と内磁体とによって形成した単一の閉磁気回路のギャップ中に、導電性の非磁性材料によって形成され、閉磁気回路に対向しない縁部(41)を両側に有する駆動体(4)を配備することを特徴とする電磁誘導駆動装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32007995A JP3635281B2 (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | 電磁誘導駆動方法と装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32007995A JP3635281B2 (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | 電磁誘導駆動方法と装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09163696A JPH09163696A (ja) | 1997-06-20 |
JP3635281B2 true JP3635281B2 (ja) | 2005-04-06 |
Family
ID=18117490
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32007995A Expired - Fee Related JP3635281B2 (ja) | 1995-12-08 | 1995-12-08 | 電磁誘導駆動方法と装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3635281B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015213382A (ja) * | 2014-05-01 | 2015-11-26 | 有本 智美 | 電磁誘導駆動方法と装置 |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014003875A (ja) * | 2012-06-18 | 2014-01-09 | Takahashi Setsubi:Kk | 磁気回転運動装置 |
CN105048762A (zh) * | 2015-08-24 | 2015-11-11 | 中国科学院电工研究所 | 一种7相多级直线感应电磁推进器 |
CN108922503A (zh) * | 2016-12-18 | 2018-11-30 | 常州爱上学教育科技有限公司 | 可伴奏的环保节能led台灯装置 |
-
1995
- 1995-12-08 JP JP32007995A patent/JP3635281B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015213382A (ja) * | 2014-05-01 | 2015-11-26 | 有本 智美 | 電磁誘導駆動方法と装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH09163696A (ja) | 1997-06-20 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7876019B2 (en) | Electrical devices with reduced flux leakage using permanent magnet components | |
KR100730762B1 (ko) | 인덕턴스가 낮은 전기 기계 | |
JP4471538B2 (ja) | 複合ブレード構造を用いた電気機械 | |
JP5922023B2 (ja) | 機械的に可変な永久磁場を有する、電気モータおよび/または発電機 | |
KR960704383A (ko) | 영구자석을 갖는 전자기장치(electromagnetic machine with permanent magnet rotor) | |
JP3120083B2 (ja) | 電気機械装置用ロータおよび電気機械装置 | |
US3433987A (en) | Rotor without sticking moment | |
US6891301B1 (en) | Simplified hybrid-secondary uncluttered machine and method | |
US5696417A (en) | Electromagnetic induction driving method and device | |
JP3635281B2 (ja) | 電磁誘導駆動方法と装置 | |
JPH11206085A (ja) | 永久磁石電動機 | |
EP0755110B1 (en) | Electromagnetic induction driving method and device | |
WO2003003546A1 (en) | A permanent magnet electrical machine | |
US3401284A (en) | Variable reluctance dynamoelectric machines | |
KR100383348B1 (ko) | 전자유도구동방법및장치 | |
US2713128A (en) | Dynamoelectric machine | |
AU711107B2 (en) | Electromagnetic induction driving method and device | |
US3275861A (en) | Electric motor with arcuate pole pieces | |
US1983091A (en) | Electrodynamic machine | |
US3052806A (en) | Electric motors and stators therefor | |
CA2164575A1 (en) | Electromagnetic induction driving method and device | |
US1913208A (en) | Reversible motor | |
US5751087A (en) | Armature winding offset angle excited and speed controlled rectifier type electric machine | |
KR101847349B1 (ko) | 가변 자속 유니버셜 모터 | |
US1423959A (en) | Frequency changer |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040629 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040818 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040928 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20041004 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R154 | Certificate of patent or utility model (reissue) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100114 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |