JP3634007B2 - Side thruster device - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、主推進機及び舵によっては行い得ない操船作業(例えば、狭い航路における旋回操作や離接岸操作等)を行う場合に使用されるサイドスラスタ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種サイドスラスタ装置としては、水平軸線回りで回転駆動されるプロペラを備えたサイドスラスタを、ロープ巻き上げ手段により、船底に開設したスラスタ格納室内に格納する待機位置とスラスタ格納室外に突出する操船可能位置とに亘って昇降させるように構成されたもの(以下「第1従来装置」という)や、船体に形成した横方向に貫通状のトンネル内にプロペラを設けたもの(以下「第2従来装置」という)がよく知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの第1及び第2従来装置では、プロペラの回転軸線が一定であるため、つまりサイドスラスタの向きが一定であるため、操船形態が限定され、複雑な操船形態を必要とする小型船舶(例えば、海苔の養殖作業に使用する漁労船等)には適用し難い。
【0004】
また、第1従来装置では、ロープ巻き上げ手段によりサイドスラスタを昇降させるようにしているため、どうしてもサイドスラスタの昇降姿勢を一定に保持するためのガイド機構や操船可能位置に選択に固定保持するためのロック手段が必要となり、装置構造が徒に複雑化するといった問題がある。
【0005】
また、第2従来装置では、トンネルから噴出された水流が船首又は船尾を回流してトンネル内に吸引循環されないように、装置をかかる循環流の発生領域外に設置しておく必要があるため、つまり装置を船首又は船尾から或る程度以上隔たった箇所に設置しておく必要があるために、トンネルからの噴出流による船体の旋回モーメントが小さくなり、回頭能力が低いといった問題がある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、従来装置における上記した問題を解決して、設置箇所を限定されることなく小型船舶にも充分に設置することができ、複雑且つ精密な操船作業を良好に行いうるサイドスラスタ装置を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水平軸線4b回りでモータ4aにより回転駆動されるプロペラ4cを備えたサイドスラスタ4を、船底に開設したスラスタ格納室8内に格納する待機位置とスラスタ格納室8外に突出する操船可能位置とに亘って昇降させるように構成されたサイドスラスタ装置1であって、スラスタ格納室8の上壁8aに取付けした下フレーム9bと上フレーム9aと両フレーム9b、9a間を連結する一対の支柱10、10からなる装置フレーム2と、サイドスラスタ4を取付けた下端部をスラスタ格納室内8に臨ませた状態で、前記下フレーム9bの中央に設けた円筒状支持部9cをグランドパッキン11を介設して挿通させることにより、装置フレーム2に上下摺動自在且つ回転自在に支持された円筒状のスラスタ操作軸3と、前記スラスタ操作軸3の上方部に挿入固定したピニオンギヤ25と、前記両支柱10、10に上下動自在に挿着した一対の円筒体14c、14cと、スライダ操作軸3を挿通せしめて前記ピニオオンギア25の上面側及び下面側に配設され、両端部を前記円筒体14c、14cへ固定した上下一対のスライダプレート14a、14bより形成され、前記支柱10、10に上下動自在に支持されると共にスラスタ操作軸3の上端部を相対的に回転自在且つ軸線方向へ移動不能に支持するスライダ14と、前記スライダ14の上・下プレート14a、14b間に固定した雌ネジ体15と、当該雌ネジ体に上下方向に相対螺送自在に嵌挿された状態で装置フレーム2に回転自在に支持されたネジ軸1bと、装置フレーム2に設けられて前記ネジ軸1bを正逆転駆動させるモータ17とから成るスラスタ昇降手段5と、前記スラスタ操作軸3に固着したピニオンギヤ25に噛合させた状態でスライダ14に水平進退自在に支持されたラック26と、スライダ14に設けられてスラスタ操作軸3を所定角に亘って回転させるべくラック26を進退操作する水平伸縮自在なシリンダ27とから成るスラスタ旋回手段6と、を具備することを発明の基本構成とするものである。
【0008】
【作用】
ネジ軸を正転駆動又は逆転駆動させることにより、操作軸が昇降されて、サイドスラスタを操船可能位置と待機位置とに亘って昇降させることができる。そして、サイドスラスタを操船可能位置に位置させた状態で駆動させることにより、サイドスラスタによる操船を行うことができる。このとき、シリンダによりラックを進退させることにより、サイドスラスタの向きを変更することができるから、サイドスラスタの向きが一定である場合と異なって、サイドスラスタによる操作形態を自由に選択することができ、海苔の養殖作業等における如き複雑な操船形態を必要とする場合にもこれに充分対処することができる。
【0009】
また、サイドスラスタを待機位置に位置させて船底のスラスタ格納室内に格納しておくことにより、主推進機及び舵による本来の操船を、サイドスラスタの存在が邪魔になることなく、円滑且つ良好に行いうる。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の構成を図1〜図7に示す実施例に基づいて具体的に説明する。
【0011】
この実施例のサイドスラスタ装置1は、図1〜図7に示す如く、装置フレーム2とスラスタ操作軸3とサイドスラスタ4とスラスタ昇降手段5とスラスタ旋回手段6とを具備してなる一体構造物に構成されており、養殖作業船等の小型船舶7における船首側の船底7aに開設したスラスタ格納室8の上壁8aに取付けられている。なお、以下の説明においては、便宜上、前後とは図1〜図4における左右を、左右とは図3〜図5及び図7における上下を、夫々意味するものとする。
【0012】
装置フレーム2は、図2〜図6に示す如く、円板状の上下フレーム9a,9bと両フレーム9a,9b間を連結する前後一対の円柱たる支柱10,10とからなる金属製のもので、下フレーム9bをスラスタ格納室8の上壁8aに取付けることによって、スラスタ格納室8上に固定される。
【0013】
スラスタ操作軸3は、図2〜図6に示す如く、上下方向に延びる金属製の円筒軸であって、下端部をスラスタ格納室8内に臨ませた状態で、下フレーム9bの中心部に設けた円筒状の支持部9cに上下摺動自在且つ回転自在に嵌挿支持されている。なお、支持部9cの内周面に形成したスタフィンボックスにはポリテトラフルオロエチレン材等からなるグランドパッキン11…が充填されていて、スラスタ操作軸3と支持部9cとの間をシールしている。
【0014】
サイドスラスタ4は、図2及び図6に示す如く、スラスタ操作軸3の下端部に取付けられた油圧モータ4aと、その駆動軸4bに取着されたプロペラ4cとからなり、スラスタ操作軸3を上下動させることによりスラスタ格納室8内に格納される待機位置(図2及び図6に示す実線位置)とスラスタ格納室8から下方に突出する操船可能位置(同図鎖線位置)とに亘って昇降され、且つ操船可能位置に位置させた状態でスラスタ操作軸3を回転させることにより、プロペラ4cが船舶7の右舷方向に向く右旋回位置(図2〜図4及び図7(A)に示す位置)と左舷方向に向く左旋回位置(図5(A)及び図7(B)に示す位置)とに亘って180°の範囲で水平旋回されるようになっている。また、油圧モータ4aは、その給排口をスラスタ操作軸3内に挿通させた給排管12a,12b及びスラスタ操作軸3の上端に設けたスイベルジョイント13a,13bを介して油圧ポンプ装置(図示せず)の油圧回路に接続してあって、油圧ポンプ装置を駆動,制御することによって正逆転駆動され且つ回転速度を制御されるようになっている。なお、油圧ポンプ装置は、船舶7の適当場所に設置されており、当該船舶7において必然的に設けられる駆動源(例えば、主推進機7cの駆動源等)により駆動されるようになっている。また、スラスタ格納室8は、サイドスラスタ4を右旋回位置に位置させた状態において、待機位置と操船位置とに亘って昇降させ得るに必要最小限の大きさとされている(図2,図6参照)。ところで、この実施例では、図2及び図6に示す如く、油圧モータ4aにプロペラ4cの下方をカバーする整流板4dを垂下状に取付けてあって、この整流板4dにより、サイドスラスタ4を操船可能位置に位置させて操船させる場合において整流機能を発揮させると共に、サイドスラスタ4を待機位置に位置させた場合においてスラスタ格納室8の下面開口部を閉塞しうるように工夫してある。なお、この整流板4dの形状は任意である。
【0015】
スラスタ昇降手段5は、図2〜図6に示す如く、スライダ14と、スライダ14に設けられた雌ネジ体15と、雌ネジ体15に上下方向に相対螺送自在に嵌挿されたネジ軸16と、ネジ軸16を正逆転駆動させる正逆転モータ17とを具備する。
【0016】
スライダ14は、図2〜図6に示す如く、上下一対の金属製のスライダプレート14a,14bと、両プレート14a,14b間に固着された前後一対の合成樹脂製円筒体であるスライダ筒14c,14cとからなり、各スラスダ筒14cを各支柱10に嵌挿させることによって、支柱10,10に上下摺動自在に支持されている。また、スライダ14は、両スライダプレート14a,14bに形成した円筒部14d,14eを支持軸3の上端部に回転自在に嵌挿させると共に、両円筒部14d,14eを支持軸3に固着したピニオンギヤ25の上下面に当接係止させることによって、スラスタ操作軸3の上端部を相対的に回転自在に且つ軸線方向移動不能に支持している。
【0017】
雌ネジ体15は、図4〜図6に示す如く、内周部に雌ネジを刻設した円筒状のもので、両スライダプレート14a,14b間に固着されている。
【0018】
ネジ軸16は、図4〜図6に示す如く、雌ネジ体15に上下方向に螺送自在に嵌挿させたもので、上下端部を上下フレーム9a,9bに軸受18a,18bを介して回転自在に支持させてある。
【0019】
正逆転モータ17は、図6に示す如く、上フレーム9aに取付けたブラケット19に支持されており、適宜の回転力伝達機構20,21を介してネジ軸16を正逆転駆動させるようになっている。すなわち、モータ17の駆動軸に嵌着した小径平歯車20とネジ軸16の上端部に固着した大径平歯車21とを噛合させてある。
【0020】
かかるスラスタ昇降手段5によれば、モータ17によりネジ軸16を正逆転させると、ネジ軸16上を雌ネジ体15が上下方向に螺送されることによって、スライダ14を介してスラスタ操作軸3が上下動される。すなわち、スラスタ操作軸3は、サイドスラスタ4を待機位置に位置させる最上昇位置(図2及び図6に示す実線位置)と操船可能位置に位置させる最下降位置(同図鎖線位置)とに亘って昇降操作される。なお、各支柱10の上下端部には、スラスタ操作軸3を最上昇位置及び最下降位置に位置させたときにおいて、スライダ筒14cを衝合係止するポリエチレン等の合成樹脂製の衝撃吸収体22a,22bが嵌着されている。また、装置フレーム2とスライダ14との間には近接スイッチ機構(図示せず)が介装されていて、スラスタ操作軸3が最上昇位置又は最下降位置に位置されたときにおいて、モータ17を自動停止するようになっている。また、ネジ軸16の上端部には、図6に示す如く、操作ハンドル23が着脱自在に取付けうるようになっていて、モータ17が故障する等の非常時において、ネジ軸16を人為的に回転操作しうるように工夫されている。
【0021】
スラスタ旋回手段6は、図5及び図6に示す如く、スラスタ操作軸3の上端部に嵌着されたピニオンギヤ25と、このピニオンギヤ25に噛合させたラック26と、ラック26を進退操作させる一対の油圧シリンダ27,27とを具備してなる。
【0022】
ピニオンギヤ25は、図2及び図6に示す如く、スライダプレート14a,14bの支持部14d,14dに上下面を相対回転自在に衝合させた状態で、スラスタ操作軸3に嵌着されている。
【0023】
ラック26は、図4〜図6に示す如く、ピニオンギヤ25に直対向せしめてスライダプレート14a,14bに回転自在に軸支させた回転体(ベアリング)28により、ピニオンギヤ25に噛合された状態で前後方向に進退自在に支持されていて、前後方向に一定ストロークの範囲で進退させることにより、ピニオンギヤ25を介してスラスタ操作軸3を回転させ、サイドスラスタ4を右旋回位置と左旋回位置との間に亘って180°の範囲で水平旋回させるようになっている。
【0024】
両油圧シリンダ27,27は、ピストン部27a,27aをラック26の両端部に連結した単動型のものであり、ピニオンギヤ25とラック26との噛合部分を挟んで前後に対向する状態で、スライダプレート14a,14bに取付けられている。両油圧シリンダ27,27の作動圧室27b,27bには、作動油が交互に給排されるようになっている。すなわち、両油圧シリンダ27,27は、全体として複動型の油圧シリンダに構成されていて、両作動圧室27b,27bに作動油を給排させることによって、ラック26を前後方向に進退動作させるようになっている。例えば、両ピストン部27a,27aを最前方位置にもたらすと、サイドスラスタ4を右旋回位置に位置させることができ(図4)、両ピストン部27a,27aを最後方位置にもたらすと、サイドスラスタ4を右旋回位置から180°水平旋回した左旋回位置に位置させることができ(図5(A))、両ピストン部27a,27aをシリンダストロークの中間位置にもたらすと、サイドスラスタ4を、プロペラ4cが船尾方向を向く中間旋回位置(図5(B)及び図7(C)に示す位置)に位置させることができるのである(図5(B))。なお、図示していないが、サイドスラスタ4の旋回位置は、ピニオンギヤ25の回転角を直接的に検出する又はピニオンギヤ25に噛合する検知用ギヤの回転角により間接的に検出するポテンショメータにより、正確に検知,制御しうるように工夫されている。また、ピニオンギヤ25の大きさ(ギヤ数等)は、これがラック26の進退により円滑に回転されることを条件として、サイドスラスタ4に何らかの旋回力が作用した場合にも、ピニオンギヤ25からラック26への動力伝達が行われない、つまりピニオンギヤ25を回転させてもラック26を進退させ得ない範囲で、適宜に設定されている。
【0025】
以上のように構成されたサイドスラスタ装置1によれば、モータ17を駆動させてサイドスラスタ4を操船可能位置に下降させた上、シリンダ27,27を作動させて、サイドスラスタ4を右旋回位置と左旋回位置とに亘る適当位置に水平旋回させた後、プロペラ4cを正転又は逆転駆動させることにより、船舶7を如何なる方向にも自由に操船させることができる。例えば、サイドスラスタ4を右旋回位置又は左旋回位置に位置させた状態で、プロペラ4cを正転又は逆転駆動させると、船舶7を右旋回又は左旋回させることができる(図7(A)(B)参照)。かかる船舶7の旋回角度は、サイドスラスタ4の旋回角度を変更することにより、自由に調節することができる。勿論、旋回方向の変更は、サイドスラスタ4を水平旋回させること又はプロペラ4cの回転方向を変更することの何れによっても行うことが可能である。また、サイドスラスタ4を中間旋回位置に位置させた状態で、プロペラ4cを正転又は逆転駆動させると、船舶7を前進又は後退させることができる(図7(C)参照)。
【0026】
このように、サイドスラスタ4の向きを180°の範囲で自由に変更することができるから、プロペラ4cを正逆転駆動させることとも相俟って、あらゆる方向に操船させることができる。つまり、サイドスラスタ4の向きを実質的に360°の範囲に亘って変更することができことになる。したがって、海苔の養殖作業等における如き複雑且つ精密な操船を必要とする場合にも充分に対処することができる。しかも、スラスタ昇降手段5及びスラスタ旋回手段6が、何れも、サイドスラスタ側部分15,25から装置フレーム側部分16,26への逆向きの動力伝達が行われないネジ機構15,16及びラック・ピニオン機構25,26で構成されているから、格別のロック装置等を設けずとも、サイドスラスタ4の昇降位置及び旋回位置が操船時に不測に変動するようなことがなく、確実な操船を行いうる。
【0027】
また、船舶7を主推進機7cにより航行させる場合には、サイドスラスタ4を格納位置まで上昇させて、スラスタ格納室8に格納させておくことにより、サイドスラスタ4が航行の邪魔にならず、主推進機7c及び舵による本来の操船性能が阻害される虞れはない。但し、高速航行させる場合は、このようにサイドスラスタ4をスラスタ格納室8に格納させておくことが好ましいが、低速航行させる場合には、サイドスラスタ4を操船可能位置に位置させておいてもよい。
【0028】
ところで、スラスタ旋回手段6はピニオン・ラック機構25,26とラック26を水平方向に進退させるシリンダ27,27とからなるため、サイドスラスタ装置1の水平方向における設置スペースはかなり大きくなる。しかし、漁労船等の小型船舶では、船体構造上、上下方向には極く限られたスペースしかないが、水平方向のスペースは充分に大きい。したがって、スラスタ旋回手段6を設けることによって、水平方向における設置スペースが大きくなっても、サイドスラスタ装置1の設置場所は何ら制限されず、当該装置1を、サイドスラスタ4による操船機能が有効に発揮できる最適箇所(通常、船首又は船尾の近傍箇所)に設置することができる。しかも、サイドスラスタ装置1は、装置フレーム2にスラスタ操作軸3、サイドスラスタ4、スラスタ昇降手段5及びスラスタ旋回手段6を取り付けてなる一体構造物に構成されているため、船体への脱着が容易であり、保守管理も極めて容易に行いうる。。
【0029】
なお、本発明の構成は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の基本原理を逸脱しない範囲において、適宜に変更,改良することができる。
【0030】
例えば、サイドスラスタ4の回転駆動手段として、油圧モータ4aに代えて電動モータを使用することもできる。この場合、給電用配線はスラスタ操作軸3内を通過させるようにする。また、電動モータの電源としては、格別なものでなく、当該船舶7に必然的に設けられる電源を使用することが好ましい。
【0031】
また、ラック26の進退駆動手段として、一対の単動型油圧シリンダ27,27を使用せず、一の複動型油圧シリンダを使用するようにしてもよい。この場合、装置1の水平方向設置スペースが大きくなるが、大型船舶においては勿論、小型船舶においても装置1を設置する上で格別の弊害はない。けだし、船舶にあっては、それが小型のものであっても、上下方向にはスペースが制限されるが、水平方向には充分なスペースを確保することができるからである。
【0032】
また、上記実施例では、サイドスラスタ4の旋回範囲を180°としたが、必要に応じて任意に設定することができる。例えば、プロペラ4cを正逆転できるようにおく場合、旋回範囲を90°としても、上記実施例と同様の操船を行うことができる。さらに、上記した如く、船舶の設置スペース上、スラスタ旋回手段5の水平方向における大型化が可能であるため、ラック26を更に長尺のものとして、操作軸3つまりサイドスラスタ4の旋回角度を最大360°にまで拡大することも可能である。かかる場合、サイドスラスタ4の回転駆動手段として、正逆転可能なモータ4aを使用せず、一方向にのみ駆動されるモータで構成しても、サイドスラスタ4による操船形態は上記実施例におけると同一とできる。勿論、スラスタ旋回手段6によるサイドスラスタ4の旋回角度に拘わらず、正逆転可能なモータ4aを使用しておくことも有効である。
【0033】
また、上記実施例では、サイドスラスタ装置1を船首側にのみ設けたが、その配置箇所及び配置数は任意である。例えば、一対のサイドスラスタ装置1,1を船首側と船尾側とに設けるようにしてもよい。
【0034】
また、装置フレーム2及びスライダ14の構成も任意である。例えば、装置フレーム2にガイドレールを設けて、スライダ14をローラ等を介してガイドレールに上下摺動自在にガイドさせるようにすることも可能である。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明のサイドスラスタ装置は、サイドスラスタを昇降且つ水平旋回できるようにしたものであるから、複雑且つ精密な操船作業を良好に行うことができる。しかも、装置全体が構造簡単にしてコンパクトな一体構造物に構成されているから、設置スペースの小さな小型船舶にも、設置場所を限定されることなく、容易に設置することができる。したがって、海苔の養殖作業等の如き微妙な操船を必要とする小型船舶にも好適に使用することができ、その実用的価値極めて大なるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るサイドスラスタ装置を装備した船舶の一例を示す一部切欠の側面図である。
【図2】図1の要部を拡大して示す縦断面図である。
【図3】図1のIII−III線に沿う横断面図である。
【図4】図1のIV−IV線に沿う横断面図である。
【図5】図4と異なる状態を示す図4相当の横断面図である。
【図6】図4のVI−VI線に沿う縦断面図である。
【図7】サイドスラスタ装置による操船状態を示す平面図図である。
【符号の説明】
1…サイドスラスタ装置、2…装置フレーム、3…スラスタ操作軸、4…サイドスラスタ、4c…プロペラ、7a…船底、8…スラスタ格納室、14…スライダ、15…雌ネジ体、16…ネジ軸、17…モータ、25…ピニオンギヤ、26…ラック、27…シリンダ。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a side thruster device used when performing a ship maneuvering operation (for example, a turning operation or a berthing operation on a narrow channel) that cannot be performed by a main propulsion device and a rudder.
[0002]
[Prior art]
In this type of conventional side thruster device, a side thruster equipped with a propeller that is driven to rotate about a horizontal axis is projected by a rope hoisting device to a stand-by position for storing it in a thruster storage chamber established on the ship bottom and out of the thruster storage chamber. One configured to move up and down over the maneuverable position (hereinafter referred to as “first conventional device”), or one provided with a propeller in a laterally penetrating tunnel formed in the hull (hereinafter referred to as “second” Conventional devices ”) are well known.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
However, in these first and second conventional devices, since the rotation axis of the propeller is constant, that is, the direction of the side thruster is constant, the ship maneuvering form is limited, and a small ship requiring a complicated maneuvering form. It is difficult to apply to (for example, a fishing boat used for aquaculture work).
[0004]
Further, in the first conventional apparatus, the side thruster is moved up and down by the rope hoisting means, so that the guide mechanism for holding the lifting position of the side thruster constant and the position to select and hold at the maneuverable position are fixed. There is a problem that the locking means is required and the structure of the apparatus is complicated.
[0005]
Further, in the second conventional device, it is necessary to install the device outside the region where the circulating flow is generated so that the water flow ejected from the tunnel does not circulate around the bow or stern and is sucked and circulated in the tunnel. In other words, since it is necessary to install the device at a position separated from the bow or stern to some extent, there is a problem that the turning moment of the hull due to the jet flow from the tunnel becomes small and the turning ability is low.
[0006]
The present invention has been made in view of the above points, and solves the above-described problems in the conventional apparatus, and can be sufficiently installed in a small vessel without limiting the installation location. It is an object of the present invention to provide a side thruster device that can perform a good maneuvering operation.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a standby position for storing a
[0008]
[Action]
By driving the screw shaft forward or backward, the operation shaft is raised and lowered, and the side thruster can be raised and lowered between the ship maneuverable position and the standby position. And it can drive by a side thruster by driving in the state where the side thruster was located in the maneuverable position. At this time, the direction of the side thruster can be changed by advancing and retracting the rack with the cylinder. Therefore, unlike the case where the direction of the side thruster is constant, the operation mode by the side thruster can be freely selected. Even when a complicated ship maneuvering form is required, such as in laver culture work, this can be dealt with sufficiently.
[0009]
In addition, by positioning the side thruster at the standby position and storing it in the thruster storage room at the bottom of the ship, the original maneuvering by the main propulsion unit and rudder can be carried out smoothly and satisfactorily without the presence of the side thruster interfering. Yes.
[0010]
【Example】
Hereinafter, the configuration of the present invention will be described in detail based on the embodiments shown in FIGS.
[0011]
As shown in FIGS. 1 to 7, the
[0012]
As shown in FIGS. 2 to 6, the
[0013]
As shown in FIGS. 2 to 6, the
[0014]
As shown in FIGS. 2 and 6, the
[0015]
As shown in FIGS. 2 to 6, the
[0016]
2 to 6, the
[0017]
As shown in FIGS. 4 to 6, the
[0018]
As shown in FIGS. 4 to 6, the
[0019]
As shown in FIG. 6, the forward /
[0020]
According to the thruster raising / lowering means 5, when the
[0021]
As shown in FIGS. 5 and 6, the thruster turning means 6 includes a
[0022]
As shown in FIGS. 2 and 6, the
[0023]
As shown in FIGS. 4 to 6, the
[0024]
Both
[0025]
According to the
[0026]
Thus, since the direction of the
[0027]
Further, when the
[0028]
By the way, since the thruster turning means 6 includes
[0029]
The configuration of the present invention is not limited to the above-described embodiments, and can be appropriately changed and improved without departing from the basic principle of the present invention.
[0030]
For example, an electric motor can be used as the rotational drive means of the
[0031]
Further, as the advancing / retreating drive means of the
[0032]
Moreover, in the said Example, although the turning range of the
[0033]
Moreover, in the said Example, although the
[0034]
Moreover, the structure of the
[0035]
【The invention's effect】
As is apparent from the above description, the side thruster of the present invention is configured such that the side thruster can be raised and lowered and horizontally swiveled, so that a complicated and precise ship maneuvering operation can be performed satisfactorily. In addition, since the entire apparatus is configured in a simple and compact integrated structure, it can be easily installed on a small vessel having a small installation space without being limited in installation location. Therefore, it can be suitably used for a small ship that requires delicate maneuvering such as aquaculture work, and its practical value is extremely large.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partially cutaway side view showing an example of a ship equipped with a side thruster according to the present invention.
2 is an enlarged longitudinal sectional view showing a main part of FIG.
FIG. 3 is a transverse sectional view taken along line III-III in FIG.
4 is a transverse sectional view taken along line IV-IV in FIG.
5 is a cross-sectional view corresponding to FIG. 4 and showing a state different from FIG.
6 is a longitudinal sectional view taken along line VI-VI in FIG.
FIG. 7 is a plan view showing a state of maneuvering by the side thruster device.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1995
- 1995-06-12 JP JP14451095A patent/JP3634007B2/en not_active Expired - Fee Related
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