JP3633763B2 - Vaporizer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば液体を原料とする薄膜気相成長装置に用いる気化装置に係り、特に、チタン酸バリウム/ストロンチウム等の高誘電体あるいは強誘電体薄膜材料を気化させるのに好適な気化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体産業における集積回路の集積度の向上はめざましく、現状のメガビットオーダから、将来のギガビットオーダを睨んだDRAMの研究開発が行われている。かかるDRAMの製造のために必要な大容量素子の製造に用いる誘電体薄膜として、誘電率が10以下であるシリコン酸化膜やシリコン窒化膜、誘電率が20程度である五酸化タンタル(Ta2O5)薄膜に替わって、誘電率が300程度であるチタン酸バリウム(BaTiO3)、あるいはチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)又はこれらの混合物であるチタン酸バリウムストロンチウム等の金属酸化物薄膜材料が有望視されている。また、更に誘電率が高いPZT、PLZT、Y1等の強誘電体の薄膜材料も有望視されている。
【0003】
このような素材の成膜を行なう方法として、化学気相成長(CVD)が有望とされており、この場合、成膜反応槽内において原料ガスを被成膜基板に安定的に供給する必要がある。原料ガスは、常温で固体のBa(DPM)2 ,Sr(DPM)2 などを有機溶剤(例えば、THFなど)を溶解させ液状化したものを加熱して気化するようにしている。
【0004】
このような液体原料は、熱を必要以上に長時間受けていると変質してしまう、あるいは主に溶媒である有機溶剤のみが先に気化し、有機金属自体の濃度が濃くなって重合し、気化困難になってしまうことがある。例えば、Ba(DPM)2,Sr(DPM)2を有機溶媒であるTHF中に溶解した液体原料では、溶剤の液相範囲は図10の(a)の領域であり、原料の固相・液相範囲は(a+c)である。従って、領域(a)の原料を気化させるために領域(c)を通過する際に、溶剤のみが気化して原料が析出し、通路を塞いだり、濃度変化による品質悪化を招くので、気化の際は液体原料を一気に高温領域に持っていく必要があると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、液体原料の気化にはできるだけ短時間に必要な熱の供給を行わないと、特に液体原料の供給量の変動に温度が敏感に反応して変動し、原料が上記の領域(c)に留まって組成が変化したり、気化した後に温度が低下して凝縮したりする可能性がある。また、気化装置においては状況に応じて微小流量を制御する必要性があるが、気化状態が不安定であると流量の制御も困難となる。
【0006】
この発明は、高誘電体あるいは強誘電体の素材となる複雑な気化特性を持つような液体原料を、安定にかつ効率良く気化することができる気化装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、供給源からの液体を液体状態で維持する第1の領域と、前記第1の領域の下流側に隣接して設けられて前記液体を気化させる第2の領域と、前記第1の領域の圧力を前記第2の領域より高く保持する圧力保持手段と、前記第1の領域の液体を前記第1の領域の圧力における気化温度より低く、前記第2の領域の圧力における気化温度より高い温度に加熱する第1の加熱手段と、前記第2の領域において液体の気化熱を補う第2の加熱手段とを有し、前記第1又は第2の加熱手段が流動性を有する加熱媒体であることを特徴とする気化装置である。
【0008】
これにより、第1の領域における液体の温度をその原料が変質・劣化等をしない最大温度まで上昇させ、かつ液体状態を保持するような温度、圧力条件にしておくことにより、第2の領域による蒸発に必要な熱量を第1の領域において最大限蓄積させることができる。
【0009】
第1の領域において予め充分な熱量が供給されており、液体は第2の領域の圧力条件下では気相線より上の過熱(スーパーヒート)状態になっているいるのでその顕熱によって気化潜熱を得る。従って、熱量不足による温度低下により気化が不安定になることが防止される。また、第1の領域から第2の領域に移る時に、瞬時に気化が行われるとともに、その前の第1の領域は充分高圧に維持されているので、溶剤の部分的な気化が起きることが防止される。
加熱媒体としては、例えば、所定の化学的に合成されたオイルを用いることにより、充分な熱容量により効率的で安定な加熱が行われる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、前記第1の領域の圧力を前記第2の領域の温度における液体の蒸気圧より高く保持する圧力保持手段を有したことを特徴とする請求項1に記載の気化装置である。
【0012】
請求項3に記載の発明は、前記圧力保持手段が逆止弁であることを特徴とする請求項1に記載の気化装置である。例えば、前記弁体と前記弁座の接触線を周方向に延びて形成することにより、大きな圧力勾配を形成しつつつ、所定の気化通路を構成して一定の気化効率を確保することができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、前記第1の領域又は第2の領域に気化したガスを搬送するキャリアガス、溶媒、クリーニング用のガス又は溶剤を導入する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の気化装置である。これにより、気化効率の増大、気化の安定性向上という作用を得る。
【0014】
前記第2の加熱手段が流動性を有する加熱媒体であり、前記第2の領域への熱の移動経路が前記逆止弁の弁体を主体とし、該弁体がシート状の部位を有するようにしてもよい。
【0015】
前記シート上の部位が液体を重力により受ける方向に設置されていてもよい。
【0016】
請求項5に記載の発明は、前記第2の領域と第1の領域との境界部の前後で前記液体が急激に体積膨張する構造と、前記液体が前記第2の領域に流入した直後、あるいは第2の領域に流入して一度急激に膨張した直後はゆるやかに通路断面積が増大していく構造を有することを特徴とする請求項1に記載の気化装置である。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明の一実施の形態の気化装置を示すもので、図1(a)は全体の断面図、同図(b)はそのA−A矢視図、図2は、要部を拡大して示す図である。なお、図1は、弁が全開の状態を示し、図2は、弁が閉じた状態を示す。気化は、通常、図2に近い状態で行われる。
【0019】
この気化装置は、上側ケーシング10と下側ケーシング12が間にダイアフラム(弁体)14を挟んで結合されて構成されている。上側ケーシング10には、中央に第1の加熱媒体空間16に囲まれた液体原料供給流路18が形成され、これは上側ケーシング10の下面に開口している。上側ケーシング10の下面には、図1(b)に示すように、周方向に延びる突条(ダイアフラム押え部)20とダイアフラム14で囲まれた扁平な円形の凹所22が形成されている。ダイアフラム14は、例えば、Co合金のように、薄くしても破れるようなことがなく、シール性のよい材質であることが好ましい。液体原料供給流路18には、液体原料が液体原料供給部からマスフローコントローラーや定量ポンプ等を使って定量で供給される構造となっている。液体原料供給流路18は、液体原料がここを通る時間が必要以上に長くならないように十分細く設計されている。
【0020】
図1(b)に示すように、上側ケーシング10の下面の凹所22には、さらに内側に同心状に第2の突条(弁座)24が形成されており、その内側が液体原料供給流路18が開口する液体空間26、外側が気化空間28となっている。気化空間28は環状の空間であり、一方側に、上側ケーシング10に形成された排気流路30の排気ポート32が開口し、他方側にAr等のキャリアガスを供給するキャリアガス流路34のキャリアガスポート36が開口している。又このキャリアガスポート36は、クリーニング用のガスあるいは溶剤を供給することもある。液体原料供給流路18と液体空間26が第1の領域を構成し、気化空間28及び排気流路30が第2の領域を構成している。
【0021】
下側ケーシング12には弁装置Vが組み込まれている。すなわち、下側ケーシング12の中央には弁孔40が形成され、これには、頂部に弁支持体42を取り付けたシャフト44が上下動可能に収容されている。この弁支持体42は、その頂面が弁座24と同じ程度の径を有する平坦面あるいは曲率の大きい曲面となっており、縁部はなだらかに傾斜するテーパ面46となっている。この弁支持体42の周囲を取り囲むように第2の加熱媒体空間48が形成され、これには熱媒体流入流路50と流出流路52が連絡しており、これらの流路には外部の熱媒体循環配管が接続されている。
【0022】
この弁装置Vは、弁支持体42を押圧手段によって所定の圧力で上方に付勢し、液体原料側の圧力がこれより大きくなった場合に液体原料を気化空間28へ滲み出させるようにするものであり、この実施の形態では、ばね装置54とエアシリンダ装置56の2つの押圧手段を備えている。すなわち、下側ケーシング12の高さ方向中央部にシャフト44を囲むばね空間58が形成され、これには、ばね押え60を介してシャフト44を上方に付勢するコイルばね62が収容されている。また、下部には、上下に空気ポート64,66を有するエアシリンダ空間68が形成され、これにはシャフト44に取り付けたピストン板70が摺動自在に収容され、必要箇所にはシール部材が配置されている。
【0023】
なお、弁装置Vの作動圧力を設定し、その設定圧力通りに弁が作動するように制御する弁制御部、第1の加熱媒体空間16や第2の加熱媒体空間48内の熱媒体の温度を制御する温度制御部等が設けられているが、その詳細は省略する。第1の加熱媒体空間16の熱媒体温度は、気体空間28の圧力における気化温度より高い温度に設定されている。また、第2の加熱媒体空間48の熱媒体温度は、弁支持体42及びダイアフラム14を液体原料の気体空間28の圧力における気化温度より高い温度に加熱するようになっている。
【0024】
以下、このように構成された気化装置の作用を説明する。予め、各部の温度や圧力等を所定値に設定し、排気ポートには下流の成膜装置等を接続しておく。液体原料は、図示しない原料供給部より細管状の原料供給流路18を介して液体空間26に流入する。原料供給部の圧送ポンプにおいては、その供給圧力が、押圧手段54,56による弁支持体42の付勢力よりやや大きくなるように調整される。これにより、液体原料は、弁支持体42により支持された弁体14と弁座24の接触線に沿って、供給圧力と弁体押圧力の微小な差によって形成された微小な隙間から微量づつ気化空間28に供給される。
【0025】
この第1の領域と第2の領域の境界部の2次側において、圧力が瞬時に開放されて低圧領域に入る。この過程で原料の一部は瞬時に気化するが、このときの不足分の気化熱は、シート状の弁体14の裏側から加熱媒体によって供給される。弁体14は薄いシート状であるため、熱の供給速度は充分速く、またこの実施の形態ではシート面が下側にあるため、流入直後に気化できなかった材料も加熱シート面上に乗って充分に熱が供給されることになる。キャリアガスは、上述した未気化分の存在部分を必ず経由して排出される構造となっているため、その部位の原料蒸気圧を下げ、これによっても気化効率が向上する。
【0026】
なお、この発明では、上述したように、弁体14と弁座24の接触線の前後における圧力勾配(圧力差)を大きくすることが、原料により多くの熱量を液体の状態で保有させることができるので好ましいが、発明が上述したような作用を発揮するためには、15kgf/cm2であることが好ましい。また、第2の領域を経由した後の気体に対しては、急激な圧力変動があると気化熱の供給が不充分となって温度が低下し、気化が不安定となる。従って、第2の領域から排気経路30へ向かう通路の断面積を漸次増大するように形成して急激な体積膨張を抑制し、温度降下を防ぐ構造が望ましい。
【0027】
図3は、この発明の第2の実施の形態を示すもので、キャリアガス供給流路72をミキサ74を介して液体原料供給流路76と合流させ、キャリアガスを液体原料に事前に混合するようにしている。これにより、キャリアガスが第1の領域と第2の領域の境界部を通過するため、キャリアガスによる原料蒸気の置換が十分行われるため、液体原料の気化が一層効率的に行われる。
【0028】
図4は、この発明の第3の実施の形態を示すもので、キャリアガス流路78と液体原料供給流路80を二重管構造としてそれぞれ液体空間26に開口させ、キャリアガスと液体原料を同時に液体空間26に供給するようにしている。これによっても、図3の場合と同様に、液体原料の蒸気の置換効率が上がるため気化が効率的に行われる。
【0029】
図5は、この発明の第4の実施の形態を示すもので、これまでの実施の形態では、原料が流通する空間と弁装置側の空間を弁体であるダイアフラム14自体で区画していたが、この実施の形態ではベローズ82を用いている。すなわち、シャフト44の先端に、先の弁支持体と同様の形状を有する弁体84が取り付けられ、これの下縁部にベローズ82の上端が取り付けられ、ベローズ82の下端はケーシング86の弁収容孔88の内面に突出する環状板90の内端に取り付けられている。
【0030】
ベローズ82の内側の空間は第2の加熱媒体空間92となっており、流路94,96を介して供給される熱媒体がシャフト44及び弁体84を加熱して気化熱を補給するようにしている。なお、この実施の形態では、気化空間28は弁体84及びベローズ82を取り囲む筒状の空間として構成され、ベローズ自体の外面も加熱面として作用するようになっている。
【0031】
図6は、この発明の第5の実施の形態を示すもので、第4の実施の形態において、キャリアガス流路72をミキサ74を介して液体原料供給流路76と合流させる構成としたものである。また、図7は、この発明の第6の実施の形態を示すもので、第4の実施の形態において、キャリアガス流路78と液体原料供給流路80を二重管構造としたものである。
【0032】
図8及び図9は、この発明のさらに他の実施の形態を示すものである。これらの実施の形態は、第1の領域における温度と第2の領域の圧力における原料の気化温度との差、すなわち過熱(スーパーヒート)の程度(=ΔT)に対応して第1の領域から第2の領域に向かう境界領域の部分の流路の拡大の程度を変えているものである。
【0033】
図8の第7の実施の形態は、ΔTを比較的小さく設定した場合に好適なもので、弁座24と弁体14の間の角度θ1を小さく設定している。この場合は、液体原料が顕熱として持っている熱量があまり大きくないので、上記のような構成とすることにより、急激な流路拡大による体積膨張を防止して、気体の温度低下による気化の不安定化を防止する。
【0034】
一方、図9の第8の実施の形態は、ΔTを比較的大きく設定した場合に好適なもので、弁座24と弁体14の間の角度θ2も大きく設定している。この場合は、液体原料が顕熱として持っている熱量が大きいので、急激な堆積膨張を行わせて気化効率を上昇することができる。なお、ΔTをどの程度に設定することができるかは、対象とする原料によって異なり、気化温度と反応温度の幅が小さい原料は、ΔTを大きく設定することはできない。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、第1の領域を高圧に保持して液体の劣化を防止しつつ、第1の領域からより低圧の第2の領域に移る時に瞬時に気化を行うので、高誘電体あるいは強誘電体の素材となる複雑な気化特性を持つような液体原料の変質や部分的気化を防止して安定かつ効率良く気化することができる。また、液体に気化の前段階で気化熱を予め充分与えているので、気化領域での熱不足による温度不安定により、気化装置内や配管内の詰まりを生じることが防止され、安定な気化動作を微小流量を精度良く制御しながら行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の気化装置の(a)全体の構成を示す断面図、(b)そのA−A矢視図である。
【図2】図1(a)の装置の要部を拡大して示す図である。
【図3】この発明の第2の実施の形態の気化装置の断面図である。
【図4】この発明の第3の実施の形態の気化装置の断面図である。
【図5】この発明の第4の実施の形態の気化装置の断面図である。
【図6】この発明の第5の実施の形態の気化装置の断面図である。
【図7】この発明の第6の実施の形態の気化装置の断面図である。
【図8】この発明の第7の実施の形態の気化装置の断面図である。
【図9】この発明の第8の実施の形態の気化装置の断面図である。
【図10】液体原料の特性を示す状態図である。
【符号の説明】
10 上側ケーシング
12 下側ケーシング
14 ダイアフラム(弁体)
16 第1の加熱媒体空間
18,76,80 液体原料供給流路
20 ダイアフラム押え部
22 凹所
24 弁座
26 液体空間(第1の領域)
28 気化空間(第2の領域)
30 排気流路
32 排気ポート
34,72,78 キャリアガス流路
42 弁体
48,92 第2の加熱媒体空間
54 ばね装置
56 エアシリンダ装置
V 弁装置[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vaporizer used in, for example, a thin film vapor phase growth apparatus using a liquid as a raw material, and more particularly to a vaporizer suitable for vaporizing a high dielectric material such as barium titanate / strontium or a ferroelectric thin film material. .
[0002]
[Prior art]
In recent years, the degree of integration of integrated circuits in the semiconductor industry has been remarkably improved, and research and development of DRAMs with a gigabit order in the future from the current megabit order has been conducted. As a dielectric thin film used for manufacturing a large capacity element necessary for manufacturing such a DRAM, a silicon oxide film or a silicon nitride film having a dielectric constant of 10 or less, tantalum pentoxide (Ta 2 O having a dielectric constant of about 20). 5 ) Instead of thin films, metal oxide thin film materials such as barium titanate (BaTiO 3 ) having a dielectric constant of about 300, strontium titanate (SrTiO 3 ), or a mixture thereof, such as barium strontium titanate, are promising. Has been. In addition, ferroelectric thin film materials such as PZT, PLZT, and Y1, which have a higher dielectric constant, are also promising.
[0003]
Chemical vapor deposition (CVD) is a promising method for depositing such a material, and in this case, it is necessary to stably supply a source gas to the deposition target substrate in the deposition reaction tank. is there. As the source gas, Ba (DPM) 2 , Sr (DPM) 2, etc., which are solid at room temperature, are dissolved in an organic solvent (for example, THF) and liquefied to heat and vaporize.
[0004]
Such a liquid raw material changes in quality when it receives heat for a longer time than necessary, or only the organic solvent that is mainly the solvent is vaporized first, and the concentration of the organic metal itself is increased and polymerized. It may become difficult to vaporize. For example, in a liquid raw material in which Ba (DPM) 2 and Sr (DPM) 2 are dissolved in THF as an organic solvent, the liquid phase range of the solvent is the region shown in FIG. The phase range is (a + c). Therefore, when passing through the region (c) in order to vaporize the raw material in the region (a), only the solvent is vaporized and the raw material is deposited, which blocks the passage and causes quality deterioration due to concentration change. At that time, it is considered necessary to bring the liquid raw material to the high temperature region at once.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, unless the heat necessary for vaporizing the liquid raw material is supplied in the shortest possible time, the temperature reacts and fluctuates particularly sensitively to fluctuations in the supply amount of the liquid raw material, and the raw material enters the region (c). It may stay and change the composition, or may vaporize and condense after the vaporization. In addition, in the vaporizer, it is necessary to control a minute flow rate depending on the situation, but if the vaporized state is unstable, it is difficult to control the flow rate.
[0006]
An object of the present invention is to provide a vaporizer capable of stably and efficiently vaporizing a liquid material having a complex vaporization characteristic as a high dielectric material or a ferroelectric material.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The invention according to claim 1 is a first region for maintaining the liquid from the supply source in a liquid state, and a second region that is provided adjacent to the downstream side of the first region and vaporizes the liquid. Pressure holding means for holding the pressure in the first region higher than that in the second region; and the liquid in the first region is lower than the vaporization temperature at the pressure in the first region, and the second region a first heating means for heating a temperature higher than the vaporization temperature at a pressure of, have a second heating means to compensate for the heat of vaporization of the liquid in said second region, said first or second heating means a vaporizer, wherein the heating medium der Rukoto having fluidity.
[0008]
Thereby, the temperature of the liquid in the first region is raised to the maximum temperature at which the raw material does not deteriorate or deteriorate, and the temperature and pressure conditions are maintained so that the liquid state is maintained. The amount of heat necessary for evaporation can be accumulated to the maximum in the first region.
[0009]
A sufficient amount of heat is supplied in advance in the first region, and the liquid is in a superheated state above the gas phase line under the pressure condition in the second region. Get. Accordingly, it is possible to prevent vaporization from becoming unstable due to a temperature drop due to a shortage of heat. In addition, when moving from the first region to the second region, vaporization is instantaneously performed, and the previous first region is maintained at a sufficiently high pressure, so that partial vaporization of the solvent may occur. Is prevented.
As the heating medium, for example, by using a predetermined chemically synthesized oil, efficient and stable heating is performed with a sufficient heat capacity.
[0010]
The invention according to claim 2 has pressure holding means for holding the pressure of the first region higher than the vapor pressure of the liquid at the temperature of the second region. It is a vaporizer.
[0012]
A third aspect of the present invention is the vaporizer according to the first aspect, wherein the pressure holding means is a check valve. For example, by forming a contact line between the valve body and the valve seat extending in the circumferential direction, a predetermined vaporization passage can be formed and a certain vaporization efficiency can be ensured while forming a large pressure gradient. .
[0013]
According to a fourth aspect of the present invention, there is provided means for introducing a carrier gas, a solvent, a cleaning gas or a solvent for conveying the vaporized gas to the first region or the second region. 1. The vaporizer according to 1. Thereby, the effect | action of the increase in vaporization efficiency and the stability improvement of vaporization is acquired.
[0014]
A heating medium before Symbol second heating means has a fluidity, the heat transfer path to the second region is mainly the valve body of the check valve, the valve body has a portion of the sheet You may do it .
[0015]
Before SL sites on the sheet of liquid may be disposed in a direction to receive by gravity.
[0016]
The invention according to claim 5 is a structure in which the liquid suddenly expands in volume before and after the boundary between the second region and the first region, and immediately after the liquid flows into the second region, or immediately inflated once abruptly flows into the second region is a vaporization apparatus according to claim 1, characterized in Rukoto to have a go slowly passage cross-sectional area increases structures.
[0018]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1 and 2 show a vaporizer according to an embodiment of the present invention. FIG. 1 (a) is a sectional view of the whole, FIG. 1 (b) is an AA arrow view, and FIG. It is a figure which expands and shows the principal part. 1 shows a state in which the valve is fully opened, and FIG. 2 shows a state in which the valve is closed. Vaporization is normally performed in a state close to FIG.
[0019]
This vaporizer is configured by connecting an
[0020]
As shown in FIG. 1B, the recess 22 on the lower surface of the
[0021]
A valve device V is incorporated in the
[0022]
This valve device V urges the
[0023]
It should be noted that the operating pressure of the valve device V is set, and the temperature of the heat medium in the valve controller, the first
[0024]
Hereinafter, an operation of the vaporizer configured as described above will be described. The temperature and pressure of each part are set to predetermined values in advance, and a downstream film forming apparatus or the like is connected to the exhaust port. The liquid raw material flows into the
[0025]
On the secondary side of the boundary between the first region and the second region, the pressure is instantaneously released and enters the low pressure region. In this process, a part of the raw material is instantly vaporized, but the insufficient vaporization heat at this time is supplied by the heating medium from the back side of the sheet-
[0026]
In the present invention, as described above, increasing the pressure gradient (pressure difference) before and after the contact line between the
[0027]
FIG. 3 shows a second embodiment of the present invention, in which the carrier
[0028]
FIG. 4 shows a third embodiment of the present invention, in which a
[0029]
FIG. 5 shows a fourth embodiment of the present invention. In the previous embodiments, the space where the raw material circulates and the space on the valve device side are partitioned by the
[0030]
The space inside the
[0031]
FIG. 6 shows a fifth embodiment of the present invention. In the fourth embodiment, the carrier
[0032]
8 and 9 show still another embodiment of the present invention. In these embodiments, the difference between the temperature in the first region and the vaporization temperature of the raw material at the pressure in the second region, that is, the degree of superheating (= ΔT), corresponds to the first region. The degree of expansion of the flow path in the portion of the boundary area toward the second area is changed.
[0033]
The seventh embodiment of FIG. 8 is suitable when ΔT is set relatively small, and the angle θ 1 between the
[0034]
On the other hand, the eighth embodiment of FIG. 9 is suitable when ΔT is set relatively large, and the angle θ 2 between the
[0035]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, vaporization is instantaneously performed when moving from the first region to the second region having a lower pressure while maintaining the first region at a high pressure to prevent deterioration of the liquid. Therefore, it is possible to prevent vaporization and partial vaporization of the liquid raw material having complicated vaporization characteristics as a high dielectric material or a ferroelectric material, and to vaporize stably and efficiently. In addition, since sufficient heat of vaporization is given to the liquid prior to vaporization, it is possible to prevent clogging in the vaporizer and piping due to temperature instability due to insufficient heat in the vaporization region, and stable vaporization operation. Can be performed while accurately controlling the minute flow rate.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1A is a cross-sectional view showing the overall configuration of a vaporizer according to a first embodiment of the present invention, and FIG.
FIG. 2 is an enlarged view showing a main part of the apparatus shown in FIG.
FIG. 3 is a sectional view of a vaporizer according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a sectional view of a vaporizer according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a sectional view of a vaporizer according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a sectional view of a vaporizer according to a fifth embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a sectional view of a vaporizer according to a sixth embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a sectional view of a vaporizer according to a seventh embodiment of the present invention.
FIG. 9 is a sectional view of a vaporizer according to an eighth embodiment of the present invention.
FIG. 10 is a state diagram showing characteristics of a liquid raw material.
[Explanation of symbols]
10
16 1st heating-
28 Vaporization space (second area)
30
Claims (5)
前記第1の領域の下流側に隣接して設けられて前記液体を気化させる第2の領域と、
前記第1の領域の圧力を前記第2の領域より高く保持する圧力保持手段と、
前記第1の領域の液体を前記第1の領域の圧力における気化温度より低く、前記第2の領域の圧力における気化温度より高い温度に加熱する第1の加熱手段と、
前記第2の領域において液体の気化熱を補う第2の加熱手段とを有し、
前記第1又は第2の加熱手段が流動性を有する加熱媒体であることを特徴とする気化装置。A first region for maintaining liquid from a source in a liquid state;
A second region that is provided adjacent to the downstream side of the first region and vaporizes the liquid;
Pressure holding means for holding the pressure in the first region higher than that in the second region;
First heating means for heating the liquid in the first region to a temperature lower than the vaporization temperature at the pressure in the first region and higher than the vaporization temperature at the pressure in the second region;
Have a second heating means to compensate for the heat of vaporization of the liquid in said second region,
Vaporizing device said first or second heating means and said heating medium der Rukoto having fluidity.
前記液体が前記第2の領域に流入した直後、あるいは第2の領域に流入して一度急激に膨張した直後はゆるやかに通路断面積が増大していく構造を有することを特徴とする請求項1に記載の気化装置。A structure in which the liquid suddenly expands in volume before and after the boundary between the second region and the first region ;
Wherein said liquid, characterized in Rukoto to have a said immediately flowed into the second region, or immediately after once expands rapidly flows into the second region will slowly passage cross-sectional area increases structural Item 2. The vaporizer according to Item 1.
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