JP3633481B2 - 遮蔽壁の吊り金具 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は遮蔽壁の吊り金具に係り、特に放射線被曝を防止するための遮蔽壁の吊り金具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
原子力発電所では、作業者が被曝しないように、建設時や点検時に遮蔽壁を形成する必要がある。図１０や図１１に示す遮蔽壁は、矩形状の遮蔽部材１、１、…を複数枚並べることによって形成される。この遮蔽部材１は、厚手の布によって袋状に形成され、内部には鉛（不図示）が充填される。遮蔽部材１の上端部には、取付穴２、２が形成されており、この取付穴２を吊り金具３に係合させて梁４に吊設する。吊設した遮蔽部材１は、鉛部分同士の間に隙間ができないように、左右端部を重ねて配置する。
【０００３】
ところで、図１０に示した遮蔽壁は、各遮蔽部材１を二つの吊り金具３、３によって個別に吊設している。したがって、各遮蔽部材１が個別に動くため、遮蔽部材１の横方向の継ぎ目が安定せず、放射線ストリーミングの原因となるおそれがあった。これに対し、図１１に示す遮蔽壁は、一つの吊り金具３に、隣接する二つの遮蔽部材１、１の端部を重ねて係合させている。したがって、遮蔽部材１が横方向にずれることがないので、ストリーミングを確実に防止できる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図１１に示した遮蔽壁は、遮蔽部材１、１の重なり面積が大きいため、遮蔽部材１の枚数が増えるという欠点があった。また、奥側の遮蔽部材１を取り外す際には、手前側の遮蔽部材１を外さなくてはならないという欠点もあった。遮蔽部材１は、一枚が約２０ｋｇと重量物であるため、遮蔽部材１の着脱する枚数が増えると、遮蔽部材１の着脱作業に時間がかかるという問題が発生する。
【０００５】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、遮蔽部材を簡単に着脱することができ、且つ、放射線の漏れを確実に防止できる遮蔽壁の吊り金具を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、遮蔽材を内包した複数の遮蔽部材を横方向に端部を重ねながら並べて配置するとともに、該遮蔽部材の上端コーナー部を吊り金具で吊るして、遮蔽壁を形成する遮蔽壁において、前記吊り金具は、所定の間隔で並設された二つの係合部を備え、該二つの係合部に、隣り合う遮蔽部材を係合し、前記二つの係合部は、Ｖ字状に形成されていることを特徴としている。
【０００７】
本発明によれば、所定の間隔で設けた二つの係合部に、隣り合う遮蔽部材を係合したので、遮蔽部材の重ね面積を安定して確保することができ、ストリーミングを確実に防止することができる。また、二つの遮蔽部材を二つの係合部に別々に係合したので、遮蔽部材を個別に着脱することができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って、本発明に係る遮蔽壁の吊り金具の好ましい実施の形態について詳説する。
【０００９】
図１は、本発明に係るダブル型吊り金具１４を用いて形成した遮蔽壁１０を示す斜視図である。
【００１０】
同図に示すように、遮蔽壁１０は、複数枚の遮蔽部材１２、１２、…をダブル型吊り金具１４、或いはシングル型吊り金具１６を介して梁１８に吊設することによって構成される。
【００１１】
遮蔽部材１２は、図２に示す如く、矩形の薄い袋状に形成され、内部には、ガンマ線の遮蔽に有効な鉛（不図示）が充填される。この遮蔽部材１２は、例えば、幅が約３００ｍｍ、高さが約９００ｍｍ、厚さが約１０ｍｍで形成されるとともに、鉛の入っていない上端部及び下端部の幅Ｗ１が約５０ｍｍ、左端部及び右端部の幅Ｗ２が約２０ｍｍで形成される。
【００１２】
遮蔽部材１２の上端部及び下端部には、それぞれ三個の金属リング２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃが等間隔で配置されている。このうち、両外側の金属リング２０Ａ、２０Ｃは、鉛の入っている部分（以下、鉛部分）の端から距離Ｄ（約２５ｍｍ）の位置に配置される。
【００１３】
上記の如く構成された遮蔽部材１２は、図１に示したように、横方向に並べて配置され、ダブル型吊り金具１４、又はシングル型吊り金具１６によって管形状の梁１８に吊設される。
【００１４】
図３及び図４は、ダブル型吊り金具１４を示す正面図及び側面図である。
【００１５】
ダブル型吊り金具１４は、図４に示すように、略Ｓ字状に形成されている。ダブル型吊り金具１４の上端部１４Ａには、雄ねじが形成されており、この雄ねじに一対のナット２２、２２が螺合されている。一対のナット２２、２２間には、止め板２４が挟持されている。止め板２４は、ナット２２を緩めることによってダブル型吊り金具１４に対して回転できるようになっている。また、止め板２４には、Ｕ字状の溝２４Ａが設けられており、止め板２４を回転させることによって、この溝２４Ａにダブル型吊り金具１４に係合させることができる。このように構成されたダブル型吊り金具１４を梁１８に固定する場合、まず、湾曲部分１４Ｂを梁１８に係合させる。そして、止め板２４を回転させて溝２４Ａを吊り金具２４に係合させた後、ナット２２、２２を締めることによって梁１８に固定する。
【００１６】
ダブル型吊り金具１４の下端部は、図３に示すように、分岐して二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄを形成している。この係合部１４Ｃ、１４Ｄには、前記遮蔽部材１２の金属リング２０Ａ、２０Ｃが係合する。係合部１４Ｃ、１４Ｄはそれぞれ、図４に示すように、略Ｖ字状に形成されており、金属リング２０Ａ、２０Ｃを最も下方位置で係合支持するようになっている。ここで、二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄの間隔Ｓは、図２に示したＤの二倍か、或いは二倍よりも若干小さい値に設定される。
【００１７】
図５は、シングル型吊り金具１６を示す正面図である。
【００１８】
シングル型吊り金具１６は、略Ｓ字状に形成される。このシングル型吊り金具１６の上端部は、ダブル型吊り金具１４と同様に構成され、一対のナット２２、２２が螺合されるとともに、このナット２２、２２に止め板２４が挟持される。シングル型吊り金具１６の下端部は、分岐せず、一つの係合部１６Ａを形成している。係合部１６Ａは、金属リング２０Ａ、又は２０Ｃに係合するように形成される。
【００１９】
次に上記の如く構成されたダブル型吊り金具１４の作用について図６、図７に基づいて説明する。
【００２０】
図６は、遮蔽壁１０の一部を示す正面図であり、図７は、図６の８−８線に沿う断面図である。
【００２１】
ダブル型吊り金具１４で遮蔽部材１２、１２を吊るす場合、図６に示すように、係合部１４Ｃに右側の遮蔽部材１２の金属リング２０Ａを係合させ、係合部１４Ｄに左側の遮蔽部材１２の金属リング２０Ｃを係合させる。二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄの間隔Ｓは、Ｄの二倍、或いは二倍よりも若干小さい値に設定されているので、遮蔽部材１２を正面方向から見た際に鉛部分同士の間に隙間が形成されない。また、二つの遮蔽部材１２、１２の端部を一つのダブル型吊り金具１４に係合させているので、遮蔽部材１２、１２の位置が横方向に相対的にずれることがなく、遮蔽部材１２、１２の重なり面積が安定している。さらに、係合部１４Ｃ、１４Ｄは、略Ｖ字状に形成されているので、遮蔽部材１２は図６の奥行き方向において係合部１４Ｃ、１４Ｄの中央位置で係合される。したがって、図７に示すように、係合部１４Ｃに係合した遮蔽部材１２と、係合部１４Ｄに係合した遮蔽部材１２とが確実に当接する。以上のことから、遮蔽壁１０は、遮蔽部材１２、１２の重ね部分からの放射線ストリーミングを防止することができる。なお、最も左側に位置する遮蔽部材１２の金属リング２０Ａと、最も右側に位置する遮蔽部材１２の金属リング２０Ｃは、シングル型吊り金具１６によって懸吊される。
【００２２】
このように本実施の形態のダブル型吊り金具１４によれば、二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄを所定の間隔で形成し、この係合部１４Ｃ、１４Ｄにそれぞれ、隣り合う遮蔽部材１２、１２を係合するようにしたので、遮蔽部材１２、１２の重なり面積を安定して確保することができ、放射線ストリーミングを確実に防止することができる。
【００２３】
また、ダブル型吊り金具１４の二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄには、二つの遮蔽部材１２、１２を別々に着脱することができるので、着脱作業を容易に行うことができる。
【００２４】
なお、ダブル型吊り金具１４の形状は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、所定の間隔で形成された二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄを備えていればよい。例えば、図８に示すダブル型吊り金具２６は、下端部が斜め方向に枝分して二つの係合部２６Ａ、２６Ｂを形成している。この場合にも、係合部２６Ａ、２６Ｂの間隔ＳをＤの二倍、或いは二倍より若干小さい値に設定することによって、放射線ストリーミングを確実に防止することができる。
【００２５】
また、上述した実施の形態において、金属リング２０Ｂにシングル型吊り金具１６に係合させて支持するようにしてもよい。
【００２６】
さらに、上述した実施の形態は、遮蔽部材１２を横方向に並べて配置する例であるが、図９に示すように、縦方向に並べて配置してもよい。この場合、上側の遮蔽部材１２の下端側の金属リング２０Ａ〜２０Ｃと、下側の遮蔽部材１２の上端側の金属リング２０Ａ〜２０Ｃとを重ね合わせた後、この重ね合わせ部分を専用の連結具２８で連結する。連結具２８は、鉛等の遮蔽材で形成されるとともに、重ね合わせた金属リング２０Ａ〜２０Ｃにシャフト（不図示）を貫通させて連結する。このように、本発明は、遮蔽部材１２を縦方向にも並べることができるので、任意の大きさの遮蔽壁１０を形成することができる。
【００２７】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る遮蔽壁の吊り金具によれば、所定の間隔で設けた二つの係合部にそれぞれ、隣り合う遮蔽部材を係合させたので、遮蔽部材の重ね面積を安定して確保することができる。また、二つの係合部に別々に遮蔽部材を係合したので、遮蔽部材を個別に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る吊り金具を用いて形成した遮蔽壁を示す斜視図
【図２】図１に示した遮蔽部材を示す正面図
【図３】ダブル型吊り金具を示す正面図
【図４】ダブル型吊り金具を示す側面図
【図５】シングル型吊り金具を示す正面図
【図６】遮蔽壁の一部を示す正面図
【図７】図６の８−８線に沿う断面図
【図８】図３と異なる形状のダブル型吊り金具を示す正面図
【図９】遮蔽部材を縦方向に並べて配置した遮蔽壁を示す正面図
【図１０】従来の遮蔽壁構造の一例を示す斜視図
【図１１】従来の遮蔽壁構造の一例を示す斜視図
【符号の説明】
１０…遮蔽壁、１２…遮蔽部材、１４…ダブル型吊り金具、１６…シングル型吊り金具、１８…梁、２０Ａ〜２０Ｃ…金属リング
【発明の属する技術分野】
本発明は遮蔽壁の吊り金具に係り、特に放射線被曝を防止するための遮蔽壁の吊り金具に関する。
【０００２】
【従来の技術】
原子力発電所では、作業者が被曝しないように、建設時や点検時に遮蔽壁を形成する必要がある。図１０や図１１に示す遮蔽壁は、矩形状の遮蔽部材１、１、…を複数枚並べることによって形成される。この遮蔽部材１は、厚手の布によって袋状に形成され、内部には鉛（不図示）が充填される。遮蔽部材１の上端部には、取付穴２、２が形成されており、この取付穴２を吊り金具３に係合させて梁４に吊設する。吊設した遮蔽部材１は、鉛部分同士の間に隙間ができないように、左右端部を重ねて配置する。
【０００３】
ところで、図１０に示した遮蔽壁は、各遮蔽部材１を二つの吊り金具３、３によって個別に吊設している。したがって、各遮蔽部材１が個別に動くため、遮蔽部材１の横方向の継ぎ目が安定せず、放射線ストリーミングの原因となるおそれがあった。これに対し、図１１に示す遮蔽壁は、一つの吊り金具３に、隣接する二つの遮蔽部材１、１の端部を重ねて係合させている。したがって、遮蔽部材１が横方向にずれることがないので、ストリーミングを確実に防止できる。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図１１に示した遮蔽壁は、遮蔽部材１、１の重なり面積が大きいため、遮蔽部材１の枚数が増えるという欠点があった。また、奥側の遮蔽部材１を取り外す際には、手前側の遮蔽部材１を外さなくてはならないという欠点もあった。遮蔽部材１は、一枚が約２０ｋｇと重量物であるため、遮蔽部材１の着脱する枚数が増えると、遮蔽部材１の着脱作業に時間がかかるという問題が発生する。
【０００５】
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、遮蔽部材を簡単に着脱することができ、且つ、放射線の漏れを確実に防止できる遮蔽壁の吊り金具を提供することを目的とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するために、遮蔽材を内包した複数の遮蔽部材を横方向に端部を重ねながら並べて配置するとともに、該遮蔽部材の上端コーナー部を吊り金具で吊るして、遮蔽壁を形成する遮蔽壁において、前記吊り金具は、所定の間隔で並設された二つの係合部を備え、該二つの係合部に、隣り合う遮蔽部材を係合し、前記二つの係合部は、Ｖ字状に形成されていることを特徴としている。
【０００７】
本発明によれば、所定の間隔で設けた二つの係合部に、隣り合う遮蔽部材を係合したので、遮蔽部材の重ね面積を安定して確保することができ、ストリーミングを確実に防止することができる。また、二つの遮蔽部材を二つの係合部に別々に係合したので、遮蔽部材を個別に着脱することができる。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下添付図面に従って、本発明に係る遮蔽壁の吊り金具の好ましい実施の形態について詳説する。
【０００９】
図１は、本発明に係るダブル型吊り金具１４を用いて形成した遮蔽壁１０を示す斜視図である。
【００１０】
同図に示すように、遮蔽壁１０は、複数枚の遮蔽部材１２、１２、…をダブル型吊り金具１４、或いはシングル型吊り金具１６を介して梁１８に吊設することによって構成される。
【００１１】
遮蔽部材１２は、図２に示す如く、矩形の薄い袋状に形成され、内部には、ガンマ線の遮蔽に有効な鉛（不図示）が充填される。この遮蔽部材１２は、例えば、幅が約３００ｍｍ、高さが約９００ｍｍ、厚さが約１０ｍｍで形成されるとともに、鉛の入っていない上端部及び下端部の幅Ｗ１が約５０ｍｍ、左端部及び右端部の幅Ｗ２が約２０ｍｍで形成される。
【００１２】
遮蔽部材１２の上端部及び下端部には、それぞれ三個の金属リング２０Ａ、２０Ｂ、２０Ｃが等間隔で配置されている。このうち、両外側の金属リング２０Ａ、２０Ｃは、鉛の入っている部分（以下、鉛部分）の端から距離Ｄ（約２５ｍｍ）の位置に配置される。
【００１３】
上記の如く構成された遮蔽部材１２は、図１に示したように、横方向に並べて配置され、ダブル型吊り金具１４、又はシングル型吊り金具１６によって管形状の梁１８に吊設される。
【００１４】
図３及び図４は、ダブル型吊り金具１４を示す正面図及び側面図である。
【００１５】
ダブル型吊り金具１４は、図４に示すように、略Ｓ字状に形成されている。ダブル型吊り金具１４の上端部１４Ａには、雄ねじが形成されており、この雄ねじに一対のナット２２、２２が螺合されている。一対のナット２２、２２間には、止め板２４が挟持されている。止め板２４は、ナット２２を緩めることによってダブル型吊り金具１４に対して回転できるようになっている。また、止め板２４には、Ｕ字状の溝２４Ａが設けられており、止め板２４を回転させることによって、この溝２４Ａにダブル型吊り金具１４に係合させることができる。このように構成されたダブル型吊り金具１４を梁１８に固定する場合、まず、湾曲部分１４Ｂを梁１８に係合させる。そして、止め板２４を回転させて溝２４Ａを吊り金具２４に係合させた後、ナット２２、２２を締めることによって梁１８に固定する。
【００１６】
ダブル型吊り金具１４の下端部は、図３に示すように、分岐して二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄを形成している。この係合部１４Ｃ、１４Ｄには、前記遮蔽部材１２の金属リング２０Ａ、２０Ｃが係合する。係合部１４Ｃ、１４Ｄはそれぞれ、図４に示すように、略Ｖ字状に形成されており、金属リング２０Ａ、２０Ｃを最も下方位置で係合支持するようになっている。ここで、二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄの間隔Ｓは、図２に示したＤの二倍か、或いは二倍よりも若干小さい値に設定される。
【００１７】
図５は、シングル型吊り金具１６を示す正面図である。
【００１８】
シングル型吊り金具１６は、略Ｓ字状に形成される。このシングル型吊り金具１６の上端部は、ダブル型吊り金具１４と同様に構成され、一対のナット２２、２２が螺合されるとともに、このナット２２、２２に止め板２４が挟持される。シングル型吊り金具１６の下端部は、分岐せず、一つの係合部１６Ａを形成している。係合部１６Ａは、金属リング２０Ａ、又は２０Ｃに係合するように形成される。
【００１９】
次に上記の如く構成されたダブル型吊り金具１４の作用について図６、図７に基づいて説明する。
【００２０】
図６は、遮蔽壁１０の一部を示す正面図であり、図７は、図６の８−８線に沿う断面図である。
【００２１】
ダブル型吊り金具１４で遮蔽部材１２、１２を吊るす場合、図６に示すように、係合部１４Ｃに右側の遮蔽部材１２の金属リング２０Ａを係合させ、係合部１４Ｄに左側の遮蔽部材１２の金属リング２０Ｃを係合させる。二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄの間隔Ｓは、Ｄの二倍、或いは二倍よりも若干小さい値に設定されているので、遮蔽部材１２を正面方向から見た際に鉛部分同士の間に隙間が形成されない。また、二つの遮蔽部材１２、１２の端部を一つのダブル型吊り金具１４に係合させているので、遮蔽部材１２、１２の位置が横方向に相対的にずれることがなく、遮蔽部材１２、１２の重なり面積が安定している。さらに、係合部１４Ｃ、１４Ｄは、略Ｖ字状に形成されているので、遮蔽部材１２は図６の奥行き方向において係合部１４Ｃ、１４Ｄの中央位置で係合される。したがって、図７に示すように、係合部１４Ｃに係合した遮蔽部材１２と、係合部１４Ｄに係合した遮蔽部材１２とが確実に当接する。以上のことから、遮蔽壁１０は、遮蔽部材１２、１２の重ね部分からの放射線ストリーミングを防止することができる。なお、最も左側に位置する遮蔽部材１２の金属リング２０Ａと、最も右側に位置する遮蔽部材１２の金属リング２０Ｃは、シングル型吊り金具１６によって懸吊される。
【００２２】
このように本実施の形態のダブル型吊り金具１４によれば、二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄを所定の間隔で形成し、この係合部１４Ｃ、１４Ｄにそれぞれ、隣り合う遮蔽部材１２、１２を係合するようにしたので、遮蔽部材１２、１２の重なり面積を安定して確保することができ、放射線ストリーミングを確実に防止することができる。
【００２３】
また、ダブル型吊り金具１４の二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄには、二つの遮蔽部材１２、１２を別々に着脱することができるので、着脱作業を容易に行うことができる。
【００２４】
なお、ダブル型吊り金具１４の形状は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、所定の間隔で形成された二つの係合部１４Ｃ、１４Ｄを備えていればよい。例えば、図８に示すダブル型吊り金具２６は、下端部が斜め方向に枝分して二つの係合部２６Ａ、２６Ｂを形成している。この場合にも、係合部２６Ａ、２６Ｂの間隔ＳをＤの二倍、或いは二倍より若干小さい値に設定することによって、放射線ストリーミングを確実に防止することができる。
【００２５】
また、上述した実施の形態において、金属リング２０Ｂにシングル型吊り金具１６に係合させて支持するようにしてもよい。
【００２６】
さらに、上述した実施の形態は、遮蔽部材１２を横方向に並べて配置する例であるが、図９に示すように、縦方向に並べて配置してもよい。この場合、上側の遮蔽部材１２の下端側の金属リング２０Ａ〜２０Ｃと、下側の遮蔽部材１２の上端側の金属リング２０Ａ〜２０Ｃとを重ね合わせた後、この重ね合わせ部分を専用の連結具２８で連結する。連結具２８は、鉛等の遮蔽材で形成されるとともに、重ね合わせた金属リング２０Ａ〜２０Ｃにシャフト（不図示）を貫通させて連結する。このように、本発明は、遮蔽部材１２を縦方向にも並べることができるので、任意の大きさの遮蔽壁１０を形成することができる。
【００２７】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る遮蔽壁の吊り金具によれば、所定の間隔で設けた二つの係合部にそれぞれ、隣り合う遮蔽部材を係合させたので、遮蔽部材の重ね面積を安定して確保することができる。また、二つの係合部に別々に遮蔽部材を係合したので、遮蔽部材を個別に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る吊り金具を用いて形成した遮蔽壁を示す斜視図
【図２】図１に示した遮蔽部材を示す正面図
【図３】ダブル型吊り金具を示す正面図
【図４】ダブル型吊り金具を示す側面図
【図５】シングル型吊り金具を示す正面図
【図６】遮蔽壁の一部を示す正面図
【図７】図６の８−８線に沿う断面図
【図８】図３と異なる形状のダブル型吊り金具を示す正面図
【図９】遮蔽部材を縦方向に並べて配置した遮蔽壁を示す正面図
【図１０】従来の遮蔽壁構造の一例を示す斜視図
【図１１】従来の遮蔽壁構造の一例を示す斜視図
【符号の説明】
１０…遮蔽壁、１２…遮蔽部材、１４…ダブル型吊り金具、１６…シングル型吊り金具、１８…梁、２０Ａ〜２０Ｃ…金属リング
Claims (1)
- 遮蔽材を内包した複数の遮蔽部材を横方向に端部を重ねながら並べて配置するとともに、該遮蔽部材の上端コーナー部を吊り金具で吊るして、遮蔽壁を形成する遮蔽壁において、前記吊り金具は、所定の間隔で並設された二つの係合部を備え、該二つの係合部に、隣り合う遮蔽部材を係合し、前記二つの係合部は、Ｖ字状に形成されていることを特徴とする遮蔽壁の吊り金具。
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2001
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