JP3631518B2 - 釣り糸の張力付与装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、釣り糸を釣り用リールに巻き取るときに釣り糸に張力を付与する張力付与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、リールには釣り糸が所定の張力をかけた状態で固く巻き付けられている。これは獲物の引き寄せ時などにリールから引き出された釣り糸に大きな張力がかかるから、リール回りの釣り糸が固く巻き付いていないと、リールから引き出された釣り糸がリール回りの釣り糸の間に食い込んでしまうからである。このため、新規に購入した釣り糸をリールに巻き取るときなどは、釣り糸に所定の張力を付与しながら巻き取らせる必要がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この糸巻きから所定の張力で釣り糸を引き出してそのままリールに巻き取っていくことが考えられるが、釣具店等で購入した釣り糸は普通、糸巻きに軽く巻き付けただけの状態で販売されているから、張力のかかった釣り糸が糸巻き側において釣り糸の間に食い込むという問題が生じる。従って、従来は糸巻きから釣り糸を繰り出しつつ、これを手にとりリールとの間に張力が作用するように引っ張って張力を付与しながらリールに巻き取らせることが行われている。しかし、この場合、釣り糸を手で引っ張って張力を付与するから、労力がかかると共に、張力を一定に制御することは至難の技である。
【0004】
本発明は、このような点に着目してなされたものであり、その目的とするところは、摩擦力等を利用して、釣り糸を繰り出しつつ張力をかけ得るようにして、糸巻きへの食い込み等を防止しながら釣り糸に一定の張力を付与してリールへの巻き取り作業を簡単化することにある。その場合、巻き取る釣り糸の長さ設定を自動化する構成も提案する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の釣り糸の張力付与装置は、リールに巻き取られる釣り糸に張力を付与するための釣り糸の張力付与装置を対象とする。そして、これに対し、基台と、この基台に対して回転自在に取り付けられたローラーとを備え、上記ローラーの表面付近を釣り糸との摩擦力が確保されるような材質又は形状にすると共に、上記ローラーに対して回転抵抗を付与するブレーキ機構を設け、釣り糸を上記ローラーにほぼ1周巻き付けてからリールへと導くように構成したものである。
【0006】
又、請求項2の釣り糸の張力付与装置は、リールに巻き取られる釣り糸に張力を付与するための釣り糸の張力付与装置を対象とする。そして、これに対し、基台と、この基台に対して回転自在に且つ回転軸が互いに並列になるように取り付けられた一対のローラーとを備え、上記ローラーに、これを周回する糸溝を平行に複数本刻設し、ローラー間では糸溝が軸方向にずれるように設定すると共に、上記ローラーに対して回転抵抗を付与するブレーキ機構を設け、釣り糸を、上記一対のローラーの糸溝に交互に且つ軸方向の一端から他端に向かうように掛けてからリールへと導くように構成したものである。
【0007】
さらに、請求項3の釣り糸の張力付与装置は、上記構成において、釣り糸の通過長さを検出する検出機構と、ローラーをロックするロック機構とを備え、上記検出機構により通過長さが所定値を超えたことが検出されたときに上記ロック機構を作動させるように構成したものである。
【0008】
また、請求項4の釣り糸の張力付与装置は、請求項3の構成において、ロック機構に代えて釣り糸を切断する切断機構を備え、上記検出機構により通過長さが所定値を超えたことが検出されたときに上記切断機構を作動させるように構成したものである。
【0009】
【作用】
請求項1では、例えば糸巻きに巻き付いた釣り糸のように張力がかかっていない釣り糸をローラーにほぼ1周巻き付けてからリールに連結し、リールで釣り糸を巻き取っていくと、釣り糸がローラーにほぼ1周巻き付いているから釣り糸とローラーとの間に摩擦力等が作用し、そのためにブレーキ機構によりローラーに付与された回転抵抗に応じてローラーとリールとの間の釣り糸に張力が発生し、これが一定に維持されながらローラーが回転して釣り糸をリールに送っていく。その場合、釣り糸とローラーとの間の摩擦力等のために糸巻きとローラーとの間の釣り糸には張力が作用しないままである。
【0010】
請求項2では、張力がかかっていない釣り糸を、上記一対のローラーの糸溝に交互に且つ軸方向の一端から他端に向かうように掛けてからリールに連結し、リールで釣り糸を巻き取っていくと、釣り糸が一対のローラーの糸溝に複数回巻き付いていること、及び釣り糸が一方のローラーの糸溝から角度をつけて他方のローラーへと向かい更に角度をつけて他方のローラーの糸溝へ入るので釣り糸の糸溝側壁への接触力が増すこと、などから、釣り糸とローラーとの間に摩擦力等が作用し、そのためにブレーキ機構によりローラーに付与された回転抵抗に応じてローラーとリールとの間の釣り糸に張力が発生し、これが一定に維持されながらローラーが回転して釣り糸をリールに送っていく。その場合、釣り糸とローラーとの間の摩擦力等のために糸巻きとローラーとの間の釣り糸には張力が作用しないままである。
【0011】
請求項3では、通過長さが所定値を超えると、検出機構の検出を受けてロック機構によりローラーがロックされるから、リールが巻き取る釣り糸の長さが所定値を超えることがない。
【0012】
請求項4では、通過長さが所定値を超えると、検出機構の検出を受けて切断機構により釣り糸が切断されるから、リールが巻き取る釣り糸の長さを所定値に設定できる。
【0013】
【実施例】
以下、実施例を説明する。図1ないし図3は第1実施例の釣り糸の張力付与装置を示し、これらの図において1は基台、2は基台1に対して回転自在に取り付けられたローラーであって、このローラー2はウレタンにより成型された本体2aと、その両端に固定された金属製のスプール2b,2bとからなり、中心に貫通孔2cを有しており、基台1に立設された一対の支柱3a,3bの間に固定されたシャフト4に貫通孔2cを通すことによりシャフト4まわりに回転自在に支持されている。
【0014】
図4に示すように、上記支柱3aとローラー2との間には第1ワッシャ5がシャフト4に貫通されて配置されていると共に、ローラー2と支柱3bとの間には両側に摩擦面が形成されたライニング6と、第2ワッシャ7と、軸方向に作用する圧縮力に対抗して反発力を生じる公知のウェーブスプリング8と、外周がローレット加工された操作リング9とがシャフト4に貫通されて配置されている。このうち第1ワッシャ5及びライニング6はシャフト4に対して回転可能に嵌まり、また第2ワッシャ7及びウェーブスプリング8はシャフト4に対して回転できないように嵌まり、さらに操作リング9はシャフト4に螺合している。すなわち、シャフト4の支柱3b側の端部には雄ネジ4aが切られ、ここに中心孔に雌ネジが切られた操作リング9がその中心孔において螺合しており、またシャフト端部が一部切欠かれて平面部4bが形成され、第2ワッシャ7及びウェーブスプリング8の中心孔がこの部分に合う形状に形成されている。従ってローラー2が回転しようとすると、ウェーブスプリング8の反発力を受けてローラー2のスプール2b、ライニング6及び第2ワッシャ7の間に摩擦力が生じるようになっており、これら各部材によりローラー2に対して回転抵抗を付与するブレーキ機構10を構成している。そして操作リング9を回動操作して第2ワッシャ7との間の間隔を変えればウェーブスプリング8の反発力が変わり、これによって回転抵抗を自在に調整することができる。
【0015】
上記基台1においてローラー2の両側にはV溝を有するサイドローラー11,12がローラー2のシャフト4と平行なシャフト回りに回転自在に設けられている。また基台1においてローラー2と各サイドローラー11,12との間には貫通孔を有する糸ガイド13,14が固定されている。さらに一方の糸ガイド14の側方にはアーム16がアームシャフト17により基台1に対して揺動可能に設けられ、その先端にはウレタン製の補助ローラー18が補助シャフト19により回転自在に設けられ、この補助ローラー18が上記ローラー2に接するようになっている。また上記アーム16の中途部と基台1との間には2本のコイルスプリング20が掛けられており、その復元力によって補助ローラー18を一定の力でローラー2に押しつけるようにしている。さらに15は貫通孔を有する糸ガイドである。また基台1には基台1を竿に取り付けるためのホルダー21が取り付けられている。このホルダー21は基台1の一端において下方に向けて固定された2本のボルト21a,21aと、中央に湾曲部を有し且つ両端に上記ボルト21aに嵌まるボルト孔を有する一対のクランプ部材21b,21cと、上記ボルト21a,21aに螺合された蝶形ナット21d,21dとを備え、上記クランプ部材21b,21cの湾曲部間で釣り竿を挟み、蝶形ナット21d,21dを締め付けると基台1が釣り竿Xに固定される。
【0016】
上記実施例の作用を説明する。図5に示すように釣り竿Xに実施例の張力付与装置及びリールZを取り付けておき、これらの一側において釣り糸Aが巻かれた糸巻きYを回転自在に支持する。そして、糸巻きYから引き出した釣り糸Aを張力付与装置に通してからリールZに巻き取らせる。この場合、糸巻きYからの釣り糸Aを上記ローラー2にほぼ1周巻き付けてからリールZへと導く。すなわち、図1ないし図3に示すように糸巻きYからの釣り糸Aを、まず糸ガイド15に通し、サイドローラー12の下側を通し、糸ガイド14に通し、ローラー本体2aの上面に導いてからほぼ1周巻き付けて再びローラー本体2aの上面に導き、ここから糸ガイド13に通し、サイドローラー11の下側を通し、リールZへと送る。そしてリールZで釣り糸Aを巻き取っていくと、釣り糸Aがローラー本体2aにほぼ1周巻き付いているから釣り糸Aとローラー本体2aとの間に摩擦力等が作用し、そのためにブレーキ機構10によりローラー2に付与された回転抵抗に応じてローラー2とリールZとの間の釣り糸Aに張力が発生し、これが一定に維持されながらローラー2が回転して釣り糸AをリールZに送っていく。その場合、釣り糸Aとローラー本体2aとの間の摩擦力等のために糸巻きYとローラー2との間の釣り糸Aには張力が作用しないままである。従って釣り糸Aとローラー本体2aとの間に作用する摩擦力等及びローラー2の回転抵抗によって糸巻きYから繰り出された釣り糸Aに一定の張力をかけてリールZへ巻き取ることができ、その際に糸巻きYへの食い込み等を防止することができると共にリールZへの巻き取り作業を簡単化して楽に行うことができる。また糸ガイド13,14によってローラー本体2a上の釣り糸Aの軸方向への移動を防止することができる。さらに釣り糸Aが補助ローラー18によりローラー本体2aへ押し付けられるから、釣り糸Aとローラー本体2aとの間の摩擦力等を大きくでき、釣り糸Aにかける張力を大きくすることができる。
【0017】
次に、図6により第2実施例を説明する。この実施例では第1実施例のようにサイドローラーを設けていない。またローラーの形状が異なる。すなわち、1’は基台、2’はローラーであって、このローラー2’は中程に向かって直径が小さくなる鼓形をしている。また3’a,3’bは支柱、9’は操作リング、13’,14’及び15’は糸ガイド、16’はアーム、18’は補助ローラー、20’はスプリングであり、それぞれ第1実施例の各部材と同じ作用を発揮する。従って糸巻きYからの釣り糸Aを、まず糸ガイド14’に通し、ローラー2’の上面に導いてからほぼ1周巻き付けて再びローラー2の上面に導き、ここから糸ガイド13’及び15’に通し、リールZへと送る。第2実施例の作用及び効果は第1実施例のものと同様であるが、ローラー2’が中程に向かって直径が小さくなる鼓形をしているから、ローラー2’上の釣り糸Aの軸方向への移動を防止することができる。
【0018】
さらに第3実施例を説明する。この実施例は、例えば釣具店で釣り糸を測り売りする場合等に好適である。まずローラー等を通過した釣り糸Aの長さを検出する検出機構を設ける。これは例えばローラー或いは補助ローラー或いはサイドローラーの回転数を検出し、この回転数に応じた信号を出力する公知の回転センサである。さらにローラーをロックするロック機構を設ける。これは例えばローラーの外周面に歯を切ると共に、この歯に噛み合える爪を公知のアクチュエータ等により上記ローラーの歯に対して前進又は後退できるように設け、アクチュエータ等がオン信号を受けると爪を前進させてローラーの歯に噛み合わせてローラーをロックするようにしたものである。そして検出機構により釣り糸の通過長さが所定値を超えたことが検出されたときにロック機構を作動させるように構成する。これは例えば比較回路等を用いて回転センサ等からの信号が所定レベルを超えたときにアクチュエータ等へオン信号を出すようにするものである。その場合、所定値を可変に設定できるようにすれば更に便利である。
【0019】
また第4実施例としては、上記第3実施例におけるロック機構に代えて釣り糸を切断する切断機構を設けたものがある。これは例えばローラー周辺に張られた釣り糸を跨ぐように設けた電動カッターである。そして検出機構により通過長さが所定値を超えたことが検出されたときに切断機構を作動させるように構成する。これは例えば比較回路等を用いて回転センサ等からの信号が所定レベルを超えたときに電動カッター等へオン信号を出すようにするものである。その場合、所定値を可変に設定できるようにすれば更に便利である。
【0020】
なお、実施例ではローラーの主たる部分(ローラー本体)をウレタン製としたが、例えば樹脂や木、或いはアルミニウム等の金属などの他の材質でもよい。要は釣り糸との摩擦力が確保されるものであればよい。この場合、釣り糸の材質は例えばナイロンである。またローラーの表面は実施例のように滑らかに形成してもよいが、凹凸を形成して釣り糸との摩擦力を確保するようにしてもよい。
【0021】
さらに、図7〜図9により第5実施例を説明する。この実施例は、ローラーを2つ設けている。すなわち、1’’は基台であって、この基台1’’に一対のステンレス製のローラー2’’A及び2’’Bが回転自在に且つ回転軸が互いに並列になるように取り付けられている。上記各ローラー2’’A,2’’Bには、これを周回する糸溝(V溝)2’’Ad,2’’Bdを平行に且つほぼ等間隔でもって複数本(図では4本ずつ)刻設されている。そして、ローラー2’’Aと2’’Bとの間では、糸溝2’’Adと2’’Bdとが軸方向にずれるように、すなわち一連にならないように設定している。3’’aは基台1’’に立設する支柱、4’’,4’’は支柱3’’aを貫通する2本のシャフトであって、この各シャフト4’’にローラー2’’A,2’’Bがそれぞれ貫通され、さらに2連のライニング6’’、ウェーブスプリング8’’及び第1ワッシャ5’’が挿通されている。さらに、9’’は操作リングであって、この操作リング9’’のシャフト9’’aは支柱3’’a、ライニング6’’、ウェーブスプリング8’’及び第1ワッシャ5’’を貫通してダブルナット9’’bに螺合しており、操作リング9’’を回転操作すると、支柱3’’aと第1ワッシャ5’’との間隔が調整され、ローラー2’’A,2’’Bに作用する回転抵抗が自在に調整される。これら各部材により、ローラー2’’A,2’’Bに対して回転抵抗を与えるブレーキ機構10’’を構成している。また、11’’,12’’は支柱3’’aに回転自在に取り付けられ且つV溝を有するサイドローラーである。13’’はテンションローラーであって、基台1’’に対して揺動自在に設けられたアーム13’’aと、アーム13’’aの先端に枢支された算盤珠形のローラー13’’bと、アーム13’’aを立ち上がる方向に付勢するねじりスプリング13’’cとを備え、ローラー13’’bがサイドローラー11’’のV溝に押圧するようになっている。14’’はガイドローラーであって、基台1’’に対して揺動自在に設けられたアーム14’’aと、アーム14’’aの先端に枢支された算盤珠形のローラー14’’bと、アーム14’’aを立ち上がる方向に付勢するコイルスプリング14’’cとを備え、ローラー14’’bがサイドローラー12’’のV溝に押圧するようになっている。そして、糸巻きYからの釣り糸Aを、サイドローラー11’’のV溝に通してから、上記一対のローラー2’’A、2’’Bの糸溝2’’Ad,2’’Bdに交互に且つ軸方向の一端から他端に向かうように掛けてから、サイドローラー12’’のV溝に通して、リールZへと導くようにしている。上記基台は、通常、釣り竿Xに固定される。
【0022】
この第5実施例の使用方法は、第1実施例と同様である。すなわち、釣り竿Xに実施例の張力付与装置及びリールZを取り付けておき、これらの一側において釣り糸Aが巻かれた糸巻きYを回転自在に支持する。そして、糸巻きYから引き出した釣り糸Aを張力付与装置に通してからリールZに巻き取らせる。この場合、釣り糸Aが一対のローラー2’’A,2’’Bの糸溝2’’Ad,2’’Bdに複数回巻き付いていること、及び図7から分かるように釣り糸Aが一方のローラーの糸溝から角度をつけて他方のローラーへと向かい更に角度をつけて他方のローラーの糸溝へ入るので釣り糸Aの糸溝側壁への接触力が増すこと、などから、釣り糸Aとローラー2’’A,2’’Bとの間に摩擦力等が作用し、そのためにブレーキ機構10’’によりローラー2’’A,2’’Bに付与された回転抵抗に応じてローラー2’’A,2’’BとリールZとの間の釣り糸Aに張力が発生し、これが一定に維持されながらローラー2’’A,2’’Bが回転して釣り糸AをリールZに送っていく。その場合、釣り糸Aとローラー2’’A,2’’Bとの間の摩擦力等のために糸巻きYとローラー2’’A,2’’Bとの間の釣り糸Aには張力が作用しないままである。従って、上記第1実施例と同様の効果を得ることができる。なお、第5実施例ではローラー2’’A及び2’’Bをステンレス製としたので、潮水が付着した釣り糸Xが付いても錆が発生し難いという利点がある。しかし、本実施例の構成上、糸溝が複数あること、ローラー間で糸溝がずれていることなどから摩擦力等がかせげるので、係数ローラー2’’A及び2’’Bの材質は第1実施例のように特に摩擦係数の高い材質を選ぶ必要がなく、それだけ自由度が高い。
【0023】
上記第1実施例及び第5実施例ではブレーキ機構としてウェーブスプリングを介してライニングをローラー側面に押しつける構成としたが、スプリングはコイルスプリングでもよく、さらにブレーキ機構はローラーに対して回転抵抗を付与する公知の機構であればその構造は限定されない。さらに第1実施例及び第5実施例では操作リングをシャフトに螺合してブレーキ機構による回転抵抗を可変としたが、スプリングの装着長さを一定にして回転抵抗を固定的にしてもよい。
【0024】
加えて、第1実施例では所定の力でローラー2に接触する補助ローラー18を設けたが、これは必ずしも設ける必要はない。さらにサイドローラー11,12及び糸ガイド13,14,15についても必ずしも設ける必要はない。また第5実施例で設けたテンションローラー13’’及びガイドローラー14’’も必須ではない。
【0025】
上記第3実施例及び第4実施例の構成は、第5実施例においても適用できることは勿論である。
【0026】
又、第1実施例ではホルダー21を設けた基台1を釣り竿Xに固定したが、釣り竿Xではなく机、船縁、その他任意の部材に固定するようにしてもよい。従って必ずしもホルダー21を設ける必要はなく、例えば木ネジ等による固定など公知の方法で基台1を任意の部材に固定すればよい。特に上記第3実施例及び第4実施例においては例えば釣具店で机に据え付け固定して使用するケースが多くなろう。更に釣り糸は実施例のように糸巻きYから繰り出すもののみを対象にするものではなく、要は張力のかかっていない釣り糸を対象とする意図である。又リールZは手巻き式に限らず、電動式のものも対象になるのは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の釣り糸の張力付与装置は、基台にローラーを回転自在に取り付け、ローラーの表面付近を釣り糸との摩擦力が確保されるような材質又は形状にし、ローラーに対して回転抵抗を付与するブレーキ機構を設け、釣り糸をローラーにほぼ1周巻き付けてからリールへと導くように構成したので、釣り糸とローラーとの間に作用する摩擦力等及びローラーの回転抵抗によって例えば糸巻きから繰り出された釣り糸等に一定の張力をかけてリールへ巻き取ることができ、その際に糸巻きへの食い込み等を防止することができると共にリールへの巻き取り作業を簡単化して楽に行うことができる。
【0028】
また、請求項2の釣り糸の張力付与装置は、基台に一対のローラーを回転自在に取り付け、ローラーに糸溝を平行に複数本刻設し、ローラー間では糸溝が軸方向にずれるように設定し、ローラーに対して回転抵抗を付与するブレーキ機構を設け、釣り糸を、一対のローラーの糸溝に交互に且つ軸方向の一端から他端に向かうように掛けてからリールへと導くように構成したので、釣り糸とローラーの糸溝との間に作用する摩擦力等及びローラーの回転抵抗によって例えば糸巻きから繰り出された釣り糸等に一定の張力をかけてリールへ巻き取ることができ、その際に糸巻きへの食い込み等を防止することができると共にリールへの巻き取り作業を簡単化して楽に行うことができる。
【0029】
さらに、請求項3の釣り糸の張力付与装置は、釣り糸の通過長さを検出する検出機構と、ローラーをロックするロック機構とを備え、検出機構により通過長さが所定値を超えたことが検出されたときにロック機構を作動させるように構成したので、リールが巻き取る釣り糸の長さが所定値を超えることを防止でき、例えば釣り糸の測り売り等に好適である。その場合、所定値を可変に設定できるようにすれば更に便利である。
【0030】
さらに請求項4の釣り糸の張力付与装置は、請求項3の発明においてロック機構に代えて釣り糸を切断する切断機構を備え、検出機構により通過長さが所定値を超えたことが検出されたときに切断機構を作動させるように構成したので、リールが巻き取る釣り糸の長さを所定値に設定できて切断の手間が省け、例えば釣り糸の測り売り等に好適である。その場合、所定値を可変に設定できるようにすれば更に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の平面図、
【図2】同じく正面図、
【図3】同じく側面図、
【図4】要部の横断拡大平面図、
【図5】使用状態を示す説明図、
【図6】第2実施例の斜視図、
【図7】第5実施例の平面図、
【図8】同じく一部を縦断面して示した正面図、
【図9】同じく一部を縦断面して示した側面図である。
【符号の説明】
A 釣り糸
Z リール
1 基台
2 ローラ−
10 ブレーキ機構
1’ 基台
2’ ローラ−
1’’ 基台
2’’A ローラ−
2’’B ローラ−
2’’Ad 糸溝
2’’Bd 糸溝
10’’ ブレーキ機構
Claims (4)
- リールに巻き取られる釣り糸に張力を付与するための釣り糸の張力付与装置であって、基台と、この基台に対して回転自在に取り付けられたローラーとを備え、上記ローラーの表面付近を釣り糸との摩擦力が確保されるような材質又は形状にすると共に、上記ローラーに対して回転抵抗を付与するブレーキ機構を設け、釣り糸を上記ローラーにほぼ1周巻き付けてからリールへと導くように構成したことを特徴とする釣り糸の張力付与装置。
- リールに巻き取られる釣り糸に張力を付与するための釣り糸の張力付与装置であって、基台と、この基台に対して回転自在に且つ回転軸が互いに並列になるように取り付けられた一対のローラーとを備え、上記ローラーに、これを周回する糸溝を平行に複数本刻設し、ローラー間では糸溝が軸方向にずれるように設定すると共に、上記ローラーに対して回転抵抗を付与するブレーキ機構を設け、釣り糸を、上記一対のローラーの糸溝に交互に且つ軸方向の一端から他端に向かうように掛けてからリールへと導くように構成したことを特徴とする釣り糸の張力付与装置。
- 釣り糸の通過長さを検出する検出機構と、ローラーをロックするロック機構とを備え、上記検出機構により通過長さが所定値を超えたことが検出されたときに上記ロック機構を作動させるように構成した請求項1又は請求項2記載の釣り糸の張力付与装置。
- 請求項3記載の釣り糸の張力付与装置において、ロック機構に代えて釣り糸を切断する切断機構を備え、上記検出機構により通過長さが所定値を超えたことが検出されたときに上記切断機構を作動させるように構成した釣り糸の張力付与装置。
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