JP3631438B2 - 鳥類初期胚に外来遺伝子を導入する方法及びそれに用いる電極 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鳥類初期胚に外来遺伝子を導入する方法及びそれに用いる電極に関し、詳しくはエレクトロポレーション法により鳥類初期胚に外来遺伝子を導入するにあたり、DNAを注入した当該鳥類初期胚に対し、垂直方向に電気パルスをかける方法並びにこの方法に使用するためのエレクトロポレーション用電極に関する。
【0002】
【従来の技術】
受精卵などの動物細胞への外来遺伝子の導入方法としては、マイクロインジェクション法、リン酸カルシウム法、エレクトロポレーション法、パーティクルガン等の方法が用いられている。
これらのうち、エレクトロポレーション法は、高圧の電気パルスを与えることによって、細胞膜にプラスミドDNAが通過できるほどの小孔を一過性に作ってDNAを取り込ませる方法である。この方法は、血球系細胞や初代培養細胞、ES細胞、植物細胞等においては、リン酸カルシウム法等に比べて、一般的に高い効率で遺伝子導入を達成できる方法として知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来、鳥類の受精卵(胚)の胚盤あるいは胚盤葉へエレクトロポレーション法を応用して外来遺伝子を導入するためには、受精卵から卵殻と卵白を除去して卵黄のみとし、胚盤あるいは胚盤葉にDNAを注入した後、卵黄膜の上から胚盤葉の両側に平行型電極あるいは針状電極を設置し、エレクトロポレーション処理を行っていた。
しかし、この方法では、円盤状の胚盤葉に対し水平方向に電気パルスがかかるため、電極を設置する位置と胚盤葉の押さえ方の違いにより、胚盤葉への電気のかかり方が異なり、外来遺伝子の導入に関し安定した成績を得ることが困難であった。
【0004】
また、発生過程の胚において、卵子や精子に分化する始原生殖細胞又はその前駆細胞は、胚盤葉の下面に位置している。そのため、従来の平行型電極あるいは針状電極では、胚盤葉下面付近の細胞膜に直接電気パルスを与えることができず、始原生殖細胞に対して効率的に外来遺伝子を導入することが困難であった。 さらに、針状電極は電極部分が鋭端となっているため、エレクトロポレーション処理を行なう際に、剥き出しとなった受精卵の卵黄膜を損傷しやすく、処理胚の発生を妨げる場合が多かった。
【0005】
したがって、本発明の目的は、上記の課題を解決し、しかも卵黄膜に損傷を与えることなく、鳥類初期胚に効率良く外来遺伝子を導入する方法並びにこの方法に使用するためのエレクトロポレーション用電極を提供することである。
本発明者らは、係る課題を解決すべく鋭意検討した結果、エレクトロポレーション処理を行う際に、鳥類初期胚に対して垂直方向に電気パルスをかけることにより、上記の目的を達成できることを知見すると共に、この方法に好適なエレクトロポレーション用電極の開発に成功し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、エレクトロポレーション法により鳥類初期胚に外来遺伝子を導入するにあたり、DNAを注入した当該鳥類初期胚の胚盤あるいは胚盤葉を卵黄の真上に位置するように調整し、該胚盤あるいは胚盤葉を両電極によって上下間に挟んだ状態にて電気パルスをかけることを特徴とする鳥類初期胚に外来遺伝子を導入する方法である。
請求項2記載の本発明は、鳥類が、ニワトリ、ウズラ、七面鳥及びアヒルの中のいずれかである請求項記載の方法である。
請求項3記載の本発明は、底面に電極が設置された容器型電極と、該容器型電極の上に鳥類初期胚の胚盤あるいは胚盤葉を卵黄の真上に位置するように調整して載置された卵黄上の該胚盤あるいは胚盤葉の卵黄膜に接するように設置して用いられる、移動可能な電極とより構成されていることを特徴とするエレクトロポレーション用電極である。
【0007】
【発明の実施の形態】
第1に、本発明は、エレクトロポレーション法により鳥類初期胚に外来遺伝子を導入するにあたり、該鳥類初期胚に対し、垂直方向に電気パルスをかける方法に関する。
本発明の方法は、鳥類の受精卵(胚)、特に初期胚に適用される。鳥類としてはニワトリ、ウズラ、七面鳥、アヒル等の家禽類が特に好ましい。
エレクトロポレーション法により外来遺伝子を導入するにあたり、鳥類初期胚のステージは特に制限されるものはないが、受精後0〜4日後、好ましくは0〜1日後の胚盤あるいは胚盤葉が好ましい。
本発明の方法を実施するにあたり、まず受精卵(胚)から卵殻、卵殻膜、卵白を除去して卵黄のみとする。この後、胚盤あるいは胚盤葉にDNAを導入する。
【0008】
第2に、本発明は、エレクトロポレーション用電極に関する。この電極は、底面に電極が設置された容器型電極と、移動可能な電極とより構成されている。
エレクトロポレーション処理を行う際に、この1対の電極は容器型電極を下側に配置し、移動可能な電極を上側に配置して、鳥類初期胚に対し、垂直方向に電気パルスをかけられるようにする。すなわち、容器型電極の上に鳥類初期胚の胚盤あるいは胚盤葉を卵黄の真上に位置するように調整して載置された卵黄上の該胚盤あるいは胚盤葉を両電極によって上下間に挟んだ状態にて電気パルスをかけられるようにする。
【0009】
容器型電極(以下、下部電極と称することがある。)は、鳥類初期胚を収容できる形状であり、底部に電極が設置されている。図1は、下部電極の1態様を示したものである。図中、Aは容器、Bは電極、Cはエレクトロポレーターへの接続線をそれぞれ示している。なお、電極の形状は任意であり、図示した円形電極に制限されない。
次に、移動可能な電極(以下、上部電極と称することがある。)は、上記の容器型電極上に載置した鳥類初期胚に接触させて垂直方向に電気パルスをかけるために用いられ、図2はその1態様を示している。図中のDは電極、Eは持ち手部分、Cはエレクトロポレーターへの接続線である。
上部電極は移動が容易で、しかも様々な胚の大きさや形状に対応できるものであればよい。しかし、鳥類初期胚の卵黄膜に損傷を与えないように、胚との接触部位を面状とすべきである。また、この電極の形状は、円柱状や棒状などが好ましく、特に円柱状で先端部が折れ曲がってL字型となっているものが好ましい。先端部をL字型とすることにより、電極を胚盤あるいは胚盤葉の中央部に設置することが容易となる。
【0010】
電極の材質については通常の電極に使用される材質であれば特に制限されることはなく、例えばステンレススチール、白金、カーボン、タングステンなどが挙げられる。
【0011】
次に、本発明のエレクトロポレーション法による外来遺伝子の導入方法について説明する。
まず、鳥類の受精卵(胚)を割り、卵内容物をガラス容器等の適当な容器に移す。続いて、卵黄を包んでいる濃厚卵白を除去して卵黄のみとする。次に、胚盤あるいは胚盤葉が卵黄の真上となるように卵黄を回転させ、胚盤あるいは胚盤葉に導入したい外来遺伝子を含むDNA溶液を受精卵1個あたりDNAとして0.01〜10μg、好ましくは0.1〜1μgとなるようにマイクロピペット等で注入する。該DNA溶液は、HBS(20mM Hepes,150mM NaCl)等により適当な濃度に調整したものを用いることができる。
【0012】
DNA溶液の注入に用いるマイクロピペットは、例えば内壁をシリコン処理されたマイクロキャピラリーを引伸して外径を30μm程度とし、さらに先端を斜めに切り取ったものが好適である。なお、DNA溶液を注入する際には、DNA溶液を満たしたマイクロピペット等を胚盤あるいは胚盤葉に挿入し、マイクロピペット等の先端部が胚盤あるいは胚盤葉の中央部に位置するように調整する。
【0013】
鳥類初期胚をエレクトロポレーション処理する際には、下部電極の上に該初期胚の胚盤あるいは胚盤葉が卵黄の真上に位置するように調整して載置し、上部電極を該初期胚の卵黄膜に接するように設置する。すなわち、図3に示したように1対の電極を設置することにより、鳥類初期胚の胚盤あるいは胚盤葉に垂直方向に電気パルスを与えることができる。
【0014】
エレクトロポレーション処理は、上部電極と下部電極を接続したエレクトロポレーターを用いて行う。この場合、上部と下部の電極のどちらを陽極あるいは陰極にしてもよい。また、1回のエレクトロポレーション処理において、途中で陽極と陰極を変えて行うことも可能である。
1対の電極をエレクトロポレーターに接続し、胚盤あるいは胚盤葉を両電極によって上下間に挟んだ状態にて電気パルスを与える。すなわち、胚盤あるいは胚盤葉に対して垂直方向に電気パルスをかける。
【0015】
エレクトロポレーション処理の条件は、電気パルスの与える時間、間隔や回数、電圧等のパラメータを、鳥類初期胚の状態に応じて適宜選択して行うことができる。例えば、ニワトリについて1例を挙げると、電気パルスの波形は矩形波あるいは減衰波、1回の電気パルスを与える時間は0.001〜100m秒、好ましくは50m秒、電圧は1〜50V、好ましくは5〜25V、電気パルスを与える回数は1〜10回、好ましくは5回、電気パルスの間隔は0.1〜5秒、好ましくは1秒である。
電気パルスを与える条件が上記の範囲の上限を超えた場合、胚の生存率が低下するために好ましくない。また、下限を下回った場合は、外来遺伝子の導入効率が低下するため、好ましくない。
【0016】
エレクトロポレーション処理後の鳥類の受精卵(胚)は、体外培養法等の常法を用いて発生を進めることができる。以下に、エレクトロポレーション処理後の鳥類の受精卵(胚)の発生について、ニワトリ受精卵(胚)の体外培養法を用いた1例を示す。
まず、本発明の方法によってエレクトロポレーション処理された卵黄を、通常の大きさの卵の鋭端部を直径2.5〜3cmに切除した卵殻に入れ、これに水溶性卵白を満たす。卵殻の切り口をラップ等で覆った後、プラスチックリングと輪ゴムで固定する。次いで、これを温度37〜39℃、好ましくは38℃、相対湿度10〜90%、好ましくは50〜60%で3日間転卵しながら培養する。
【0017】
なお、鳥類初期胚に外来遺伝子を導入する際に、遺伝子発現マーカーとして、オワンクラゲ由来の緑蛍光タンパク遺伝子(以下、GFP遺伝子と略記することもある。)を併せて導入し、体外培養法によって発生を維持した場合、卵殻の切り口から、胚盤、胚盤葉あるいは胚体を蛍光実体顕微鏡でGFP遺伝子の発現を経時的に観察することにより、外来遺伝子の発現状態を把握することができる。
【0018】
また、体外培養法により胚の発生を維持することにより、胚盤あるいは胚盤葉にエレクトロポレーション処理を行った胚由来の個体を得ることができる。例えば、前記した方法で体外培養した卵内容物を、卵重80g程度の卵の鈍端部を直径約3cmに切除した卵殻に移し、卵殻の切り口をラップ等で覆う。これを温度37〜39℃、好ましくは38℃、相対湿度10〜90%、好ましくは50〜60%で14日間転卵しながら培養する。続いて、さらに4日間静置して、温度37〜38℃、好ましくは37.6℃で孵化まで培養する。
【0019】
【実施例】
以下に、実施例を用いて本発明を詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例1
農林水産省畜産試験場が保有するニワトリ系統から人工授精によりホワイトレグホン種ニワトリの受精卵を得た。放卵直後で孵卵されていない受精卵を割り、卵内容物をガラス容器に移した。続いて、卵黄を包んでいる卵白を除去して卵黄部分のみとし、胚盤葉が卵黄の真上となるように卵黄を回転させた。
【0020】
ニワトリの初期胚に導入する外来遺伝子は、遺伝子発現マーカーであるGFP遺伝子とし、初期胚に注入するDNA溶液としては該遺伝子をコードする塩基配列を含み、かつサイトメガロウイルスのプロモーターを有する発現ベクターである環状プラスミドpEGFP−N1(クローンテック社製)を用いた。
【0021】
DNA溶液は、HBS(20mM Hepes,150mM NaCl)で濃度が0.25μg/μLとなるように希釈し、これを卵1個あたり1μL(DNAとして0.25μg)を胚盤葉にマイクロピペットで注入した。
注入に際し、DNA溶液を満たしたマイクロピペットを胚盤葉に挿入し、マイクロピペットの先端部が胚盤葉の中央部に位置するように調整した。
【0022】
エレクトロポレーション処理は、エレクトロポレーター(CUY−21、TRTech社製)を用いて行った。上記した方法によって、すでにDNA溶液を注入した受精卵(胚)を、底面にステンレススチール製の直径2cmの円形電極(陰極)が設置された容器(図1)に移し、胚盤葉が卵黄の真上に位置するように調節した。そして、ステンレススチール製の直径2mmのL字型の円形電極(陽極)(図2)を胚盤葉の中央部に卵黄膜に接するように設置し、エレクトロポレーション処理を行った。エレクトロポレーション処理の条件は、以下の通りである。
電極:下(陰極)、上(陽極)
波形:矩形波
電気パルスの時間:50m秒
電圧:10〜20V
回数:5回
電気パルスの間隔:1秒
【0023】
なお、対照として、平行型電極を胚盤葉の両側に設置してエレクトロポレーションを行う従来法(Naito M, et al., Animal Science Journal, 71(4):377−385(2000))についても、同様に実験を行った。従来法では、1対の電極として直径0.5mmのステンレススチール製のL字ピンセット型の電極を用い、胚盤葉の両側に間隔4mmで平行に設置した。
【0024】
続いて、エレクトロポレーション処理した胚について、体外培養法を用いて処理胚の発生を進めさせた。該処理胚は、通常の大きさの卵の鋭端部を直径2.5〜3cmに切除して得た卵殻の中に入れ、水溶性卵白を満たした。この卵殻の切り口をラップで覆った後、プラスチックリングと輪ゴムで固定し、温度38℃、相対湿度50〜60%で、3日間転卵しながら培養した。
培養1日目、2日目、3日目に、蛍光実体顕微鏡下でGFP遺伝子の発現を観察した。結果を第1表に示す。
【0025】
【表1】
Figure 0003631438
【0026】
本発明の方法により外来遺伝子を導入した胚の体外培養による胚の生存率は、従来法により処理したものと比べ、ほとんど差が認められなかった。
これに対して、GFP遺伝子を発現している胚の割合は、電圧にかかわらず培養1日目、2日目、3日目のすべてにおいて従来法を上回っており、具体的な発現した胚の割合は19.7〜43.3%増加した。特に、培養3日目のステージ18に達した胚の胚体においては、従来法では胚体でのGFP遺伝子の発現がほとんど認められなかったのに対して、本発明の方法では50%以上の胚体でGFP遺伝子を発現させることができた。
【0027】
【発明の効果】
本発明の方法による、鳥類初期胚の胚盤あるいは胚盤葉に対し、垂直方向に電気パルスをかけるエレクトロポレーション法によれば、従来法のように該初期胚に対して平行方向に電気パルスを与える場合と異なり、胚発生に影響を及ぼすことなく、胚盤あるいは胚盤葉全体、さらには胚盤葉の下面に位置する卵子や精子に分化する始原生殖細胞あるいはその前駆細胞に対して直接電気パルスを与えることができる。このため、効率的に外来遺伝子を導入することが可能である。
【0028】
しかも、本発明の方法に使用する電極は、卵黄膜を破損することなく、胚盤あるいは胚盤葉に垂直方向に電気パルスをかけることができる。そのため、この電極を使用する本発明の方法は、鳥類胚への外来遺伝子導入による遺伝子機能の解析や形質転換鳥類(例えばニワトリ)の作出等に応用することができる。特に、胚盤あるいは胚盤葉の下面に存在している始原生殖細胞あるいはその前駆細胞に対して効率的な遺伝子導入が可能であるため、後代への導入遺伝子の伝達が可能である。
また、電極の形状や電圧を適宜選択することによって、胚盤、胚盤葉あるいは胚盤葉細胞の多分化能などを調べることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】底面に電極が設置された容器型電極(下部電極)の1態様を示す図である。
【図2】移動可能な電極(上部電極)の1態様を示す図である。
【図3】上部電極と下部電極を用いて、エレクトロポレーション処理をする際の1態様を示した図である。
【符号の説明】
A 容器
B 電極
C エレクトロポレーターへの接続線
D 電極
E 持ち手部分
F 上部電極
G 下部電極
鳥類初期胚
I 胚盤あるいは胚盤葉

Claims (3)

  1. エレクトロポレーション法により鳥類初期胚に外来遺伝子を導入するにあたり、DNAを注入した当該鳥類初期胚の胚盤あるいは胚盤葉を卵黄の真上に位置するように調整し、該胚盤あるいは胚盤葉を両電極によって上下間に挟んだ状態にて電気パルスをかけることを特徴とする鳥類初期胚に外来遺伝子を導入する方法。
  2. 鳥類が、ニワトリ、ウズラ、七面鳥及びアヒルの中のいずれかである請求項記載の方法。
  3. 底面に電極が設置された容器型電極と、該容器型電極の上に鳥類初期胚の胚盤あるいは胚盤葉を卵黄の真上に位置するように調整して載置された卵黄上の該胚盤あるいは胚盤葉の卵黄膜に接するように設置して用いられる、移動可能な電極とより構成されていることを特徴とするエレクトロポレーション用電極。
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