JP3631162B2 - 移動体通信機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアンテナ素子と、これら複数のアンテナ素子から通信に用いるアンテナ素子を切り替えるアンテナ素子切替手段とを備え、ダイバーシティ制御により前記複数のアンテナ素子を切り替えつつ基地局と通信する移動体通信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、PHS(Personal Handy phone System)やPDC(Personal Digital Cellular)などの移動体通信機においては、一般に、筐体より引き出して使用するメインアンテナと、筐体に内蔵されたサブアンテナが備えられており、フェージングによる通信状態の悪化を防止するため、これらのアンテナの内から通信状態の良いアンテナを随時選択して切り替えながら通信するダイバーシティ制御が行われている。
【0003】
また、移動体通信機においては、複数の無線ゾーン間を移動する際、通信を行う基地局を切り替えるハンドオーバが行われており、このハンドオーバに、近年、通話品質向上のため、既に通信を行っている基地局(以下、「旧基地局」ともいう。)との通信と並行して、新たに基地局を探索し同期確立した後、これとの通信に切り替える方式のハンドオーバ(以下、「高速ハンドオーバ」ともいう。)が採用されつつある。
【0004】
このような移動体通信機においては、高速ハンドオーバ実行の際、新たに通信を開始しようとする基地局(以下、「新基地局」ともいう。)との通信状態を正確に判断することが出来ないため、ダイバーシティ制御を中断するようにしている。
そして、ダイバーシティ制御を中断する際には、通信に用いるアンテナを予め設定されている方のアンテナ、例えばメインアンテナに固定するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の移動体通信機においては、ダイバーシティ制御を中断する際に、旧基地局との通信状態に関わらず、予め設定されている方のアンテナに固定するので、高速ハンドオーバ実行中の通話品質が低下することがあるという問題がある。
【0006】
これは、すなわち、ダイバーシティ制御を中断する際に固定するアンテナとしてメインアンテナが設定されていると、メインアンテナよりもサブアンテナで通信を行う方が旧基地局との通信状態が良い場合であっても、高速ハンドオーバが実行されると、これに際して通信に用いられるアンテナがメインアンテナに固定されるので、旧基地局との通信状態が悪化するためである。
【0007】
本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、既に通信を行っている基地局との通信と並行して行われるハンドオーバの実行に際して、予め設定されたアンテナに固定することに起因する通話品質の低下を防止する移動体通信機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明に係る移動体通信機は、複数のアンテナ素子と、これら複数のアンテナ素子から通信に用いるアンテナ素子を切り替えるアンテナ素子切替手段とを備え、ダイバーシティ制御により前記複数のアンテナ素子を切り替えつつ基地局と通信する移動体通信機であって、前記複数のアンテナ素子の内、既に通信を行っている第1の基地局との通信状態が最も優れているアンテナ素子を判定する第1のアンテナ素子判定手段と、第1の基地局との通信と並行して、新たな第2の基地局を探索し同期確立した後、当該第2の基地局との通信に切り替えるハンドオーバを実行するハンドオーバ実行手段と、前記ハンドオーバの実行に際して、ダイバーシティ制御を中断し、第1のアンテナ素子判定手段により判定されたアンテナ素子に固定するようにアンテナ素子切替手段を制御するアンテナ素子切替制御手段とを備えることを特徴としている。
【0009】
ここで、前記第1のアンテナ素子判定手段は、第1の基地局との通信における直前の期間内に、ダイバーシティ制御により選択された回数が最も多いアンテナ素子を第1の基地局との通信状態が最も優れていると判定することを特徴としている。
また、前記アンテナ素子切替制御手段は、第2の基地局との通信に切り替える際に、アンテナ素子切替手段に対してダイバーシティ制御を再開することを特徴としている。
【0010】
さらに、前記移動体通信機は、前記ハンドオーバ実行中に、第1の基地局から送信されてくる信号の通信フレームと、第2の基地局から送信されてくる信号の通信フレームとのタイミングのずれ量が閾値以下であるか否かを判断するタイミング判断手段を備え、前記アンテナ素子切替制御手段が、前記タイミングのずれ量が閾値以下であると判断されると、前記ハンドオーバ実行中に、アンテナ素子切替手段に対してダイバーシティ制御を再開することを特徴としている。
【0011】
また、さらに、前記移動体通信機は、前記複数のアンテナ素子の内、第2の基地局との通信状態が最も優れているアンテナ素子を判定する第2のアンテナ素子判定手段を備え、前記アンテナ素子切替制御手段が、前記タイミングのずれ量が閾値を超えると判断されると、第2の基地局と同期確立した段階で、第2のアンテナ素子判定手段により判定されたアンテナ素子に切り替えるようにアンテナ素子切替手段を制御すること特徴としている。
【0012】
ここで、前記第2のアンテナ素子判定手段は、前記ハンドオーバ実行中に、第2の基地局より送信されてくる同期信号を前記複数のアンテナ素子のそれぞれに受信させると共に、各アンテナ素子において受信した同期信号の電界強度の値に基づいて、第2の基地局との通信状態が最も優れているアンテナ素子を判定することを特徴としている。
【0013】
また、前記アンテナ素子切替制御手段は、前記タイミングのずれ量が閾値を超えると判断されると、第2の基地局との通信に切り替える際に、アンテナ素子切替手段に対してダイバーシティ制御を再開することを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る移動体通信機の実施の形態を、PHSにおける端末機(以下、「PHS端末」という。)を例にして、図面を参照しながら説明する。
<PHS端末の構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るPHS端末1の概略構成を示すブロック図である。
【0015】
同図に示すように、PHS端末1は、メインアンテナ10a、サブアンテナ10b、アンテナ切り替え部20、送受信切り替え部30、無線部40、モデム部50、TDMA/TDD(Time Division Multiple Access/Time Division Duplex;時分割多重/時分割双方向)部60、音声処理部70、マイク80、スピーカ90、および制御部100からなり、通信チャネル(traffic channel:以下、「TCH」という。)と制御チャネル(control channel:以下、「CCH」という。)を用いて基地局とTDMA/TDD方式の無線通信を行うように構成されている。
【0016】
ここで、TCHは、基地局を介して他の移動体通信機及び電話機との通話に用いられるチャネルであり、CCHは、待ち受け状態における発着呼時やハンドオーバ実行時にTCHへの移行を制御するために用いられるチャネルである。
メインアンテナ10aには、ホイップアンテナが、サブアンテナ10bには、パターンアンテナやチップアンテナなどの内蔵アンテナがそれぞれ用いられている。
【0017】
アンテナ切り替え部20は、基地局との通信において、制御部100からの指示に従い、これらのアンテナを随時切り替える。
送受信切り替え部30、無線部40、モデム部50、TDMA/TDD部60、音声処理部70、マイク80、スピーカ90を含む回路部分は、TDMA/TDD方式の移動体通信機の一般的な構成であり、例えばPHSの標準規格「RCR STD−28」で規定されているTDMA/TDD方式の無線通信を行う周知の回路であるので、詳細な説明を省略する。
【0018】
制御部100は、CPU101及びメモリ102からなり、CPU101がメモリ102に格納されたプログラムを実行することによりPHS端末1全般の制御を行う。
次に、TDMA/TDD方式について簡単に説明する。
図2は、PHSにおけるTDMA/TDD方式のフレーム構成を示す図である。
【0019】
同図に示すように、本実施の形態におけるTDMA/TDD方式では、5ミリ秒を1TDMA/TDDフレームとしている。1TDMA/TDDフレームは、8タイムスロットに分割されており、第1スロット〜第4スロットが下り(基地局→PHS端末)通信用のスロット(以下、「下りスロット」という。)、第5〜第8スロットが上り(PHS端末→基地局)通信用のスロット(以下、「上りスロット」という。)として割り当てられている。
【0020】
TCHは、下りスロットとその2.5ミリ秒後の上りスロットとの組で構成されており、例えば、第1スロットと第5スロットの組、第2スロットと第6スロットの組で一つのTCHが構成される。
CCHは、TCHと同様に、下りスロットと上りスロットの組で構成される。当該CCH上では、制御信号が、100ミリ秒(20フレーム)に一度の割合で間欠的かつ周期的に送受信されており、最大80(20フレーム×4分割)の基地局と制御信号の送受信が可能である。
【0021】
<高速ハンドオーバ実行時の制御シーケンス>
図3は、本実施の形態における高速ハンドオーバ実行時の制御シーケンスを示す図である。
同図に示すように、PHS端末1(図中では、「PS(Personal Station)」と表記する。)は、旧基地局(図中では、「旧CS(Cell Station)」と表記する。)との通信を開始してから高速ハンドオーバの実行を開始するまでの間、メインアンテナ10aとサブアンテナ10bの内、旧基地局との通信状態がより優れているアンテナを判定する旧CS通信アンテナ判定処理を行う(S1)。
【0022】
当該旧CS通信アンテナ判定処理は、PHS端末1の制御部100において実行される。制御部100は、旧基地局との通信におけるダイバーシティ制御の実行に際して、メインアンテナ10aとサブアンテナ10bのそれぞれについて、選択した回数をカウントしており、例えば、過去240TDMA/TDDフレーム中に選択した回数で判定を行う。
【0023】
PHS端末1は、旧基地局との通信においてTCH上の信号の受信レベルや受信品質が劣化すると、高速ハンドオーバの実行を開始する(S2)。高速ハンドオーバの実行を開始すると、まず、ダイバーシティ制御を中断し、旧CS通信アンテナ判定処理において旧基地局との通信状態がより優れていると判定した方のアンテナに固定するアンテナ固定処理を行う(S3)。
【0024】
このようにPHS端末1においては、当該PHS端末1が備えるアンテナの内、旧基地局との通信状態がより優れているアンテナを判定しておき、高速ハンドオーバの実行を開始してダイバーシティ制御を中断する際に、当該アンテナに固定して通信を継続するので、高速ハンドオーバ実行の際に、予め設定されたアンテナに固定することに起因する通話品質の低下を防止することができる。
【0025】
次に、PHS端末1は、複数の基地局から発信されているのCCH上の信号をモニタして(S4)、リンクチャネル確立シーケンス(S5〜S13)の実行を開始する。リンクチャネル確立シーケンスにおいては、新基地局(図中では、「新CS」と表記する。)より同期バーストの受信を開始すると(S9)、新CS通信アンテナ判定処理を実行する(S10)。新CS通信アンテナ判定処理において、PHS端末1は、新旧基地局のTDMA/TDDフレームのずれ量が所定の閾値以下であると、ダイバーシティ制御を再開し、当該ずれ量が閾値を超えると、メインアンテナ10aとサブアンテナ10bのどちらが新基地局との通信状態が優れているかを判定する。そして、新基地局との同期確立後(S13)、アンテナ切り替え処理において(S14)、新基地局との通信状態が優れている方のアンテナに切り替える。その後、新基地局と呼接続のための各種メッセージの送受信を行い、旧基地局との通信切断後(S15)、ダイバーシティ制御を再開していないならば(S16でNO)、これを再開して(S17)、新基地局との通信に移行する。
【0026】
次に、高速ハンドオーバ実行時のPHS端末1における制御部100の処理内容について説明する。
<高速ハンドオーバ実行時の制御部100の処理内容>
図4は、高速ハンドオーバ実行時のPHS端末1における制御部100の処理内容を示すフローチャートである。
【0027】
同図に示すように、制御部100は、高速ハンドオーバの実行を開始すると、まず、ダイバーシティ制御を中断すると共に、旧CS通信アンテナ判定処理(図3のS1)により旧基地局との通信状態がより優れていると判定されたアンテナに固定するアンテナ固定処理を行う(ステップS110)。
次に、制御部100は、CCH上で複数の基地局より発信されている信号の受信を開始すると共に、受信した信号の受信電界強度(Received Signal Strength Indicator:以下、「RSSI」という。)をモニタして、新基地局を探索する(ステップS120)。そして、受信した信号のRSSIの値が最も高い基地局を新基地局とし、当該新基地局に対してCCH上でTCHの割当を要求する為のリンクチャネル確立要求を送信して(ステップS130)、その応答として新基地局から送信されてくる、リンクチャネル割当を受信する(ステップS140)。当該リンクチャネル割当は、新基地局と通信を行うTCHを特定する為のものであり、搬送波周波数(キャリア番号)とスロット番号とを含んでいる。
【0028】
制御部100は、ステップS140において、リンクチャネル割当を受信すると、新基地局より割り当てられたTCHで信号を受信するよう無線部40を制御すると共に、新基地局が信号を送信していない状態のTCH上の信号、即ちU波(妨害波)のRSSIの値を測定し、現在使用中のTCHが近隣の他の基地局に使用されているか否かを判定するU波判定処理を実行する(ステップS150)。なお、このようなU波判定処理における処理内容は、周知である。
【0029】
そして、U波判定処理において「OK」と判定、つまり、現在使用中のTCHが近隣の他の基地局に使用されていないと判定したと判断すると(ステップS160でYES)、新基地局に対して同期バーストを連続送信する(ステップS170)。
制御部100は、同期バーストの連続送信後、新基地局から同期バーストを連続送信されてくると、これの受信を開始すると共に(ステップS180でYES)、新CS通信アンテナ判定処理を実行する(ステップS190)。
【0030】
図5は、ステップS190における新CS通信アンテナ判定処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
同図に示す処理においては、まず、新基地局と旧基地局間のTDMA/TDDフレームのタイミングのずれ量ΔTを検出し(ステップS1901)、検出したずれ量ΔTが閾値Aを超えるか否かを判断する(ステップS1902)。当該閾値Aの値としては、例えば、0.5シンボルに設定しておけばよい。
【0031】
ステップS1902において、上記ずれ量ΔTが閾値Aを超えると判断すると、メインアンテナ10aで通信を行うようにアンテナ切り替え部20を制御する(ステップS1903)。そして、メインアンテナ10aで受信した同期バーストのRSSIの値を無線部40より逐次取得して、所定の受信回数分(例えば、10回程度)だけ積算する(ステップS1904、S1905)。当該積算が終了すると、次に、サブアンテナ10bで通信を行うようにアンテナ切り替え部20を制御すると共に(ステップS1906)、メインアンテナ10aの場合と同様に、受信した同期バーストのRSSIの値を所定の受信回数分(メインアンテナ10aの場合と同じ回数分)だけ積算する(ステップS1907、S1908)。
【0032】
そして、メインアンテナ10a及びサブアンテナ10bにおけるRSSIの値の積算値を比較して(ステップS1909)、積算値の大きい方のアンテナを新基地局との通信状態がより優れていると判定する(ステップS1910〜S1912)。当該判定が終了すると、その判定結果をメモリ102に記憶して(ステップS1913)、同期バーストの受信が終了した後(ステップS1915でYES)、メインルーチンにリターンする。
【0033】
一方、ステップS1902において、ずれ量ΔTが閾値Aを超えない、つまり閾値A以下であると判断すると、直ちにダイバーシティ制御を再開して(ステップS1914)、ステップS1915にリターンする。
このように、新CS通信アンテナ判定処理においては、新基地局と旧基地局間のTDMA/TDDフレームのずれ量を検出して、当該ずれ量が所定の閾値以下であると直ちにダイバーシティ制御を再開するので、高速ダイバーシティ実行中に、旧基地局との通信状況が変化しても、旧基地局との通信状態の悪化を防止することができる。
【0034】
ここで、図4に戻って、説明を続ける。制御部100は、ステップS190において、新CS通信アンテナ判定処理が終了すると、次に、新基地局に対してTCHアイドルバーストを連続送信すると共に(ステップS200)、その後、新基地局よりTCHアイドルバーストが連続送信されてくるとこれを受信して(ステップS210でYES)、同期確立する。
【0035】
一方、ステップS140でリンクチャネル割当を受信しなかった場合、ステップS180で同期バーストを受信しなかった場合、ステップS210でTCHアイドルバーストを受信しなかった場合には、ステップS130にリターンして、新たな別の基地局に対してリンクチャネル確立要求を送信する。そして、何れかの基地局と同期確立するか、何れの基地局とも通信不能になるまで、ステップS130からステップS210の処理を繰り返す。
【0036】
ステップS210において、新基地局からのTCHアイドルバーストを受信し、新基地局と同期確立すると、次に、制御部100は、アンテナ切り替え処理を実行する(ステップS220)。
図6は、ステップS220におけるアンテナ切り替え処理のサブルーチンを示すフローチャートである。
【0037】
同図に示す処理においては、まず、上記新CS通信アンテナ判定処理においてダイバーシティ制御を再開したか否かを判断する(ステップS2201)。ここで、再開しなかったと判断すると(ステップS2201でNO)、次に、通信を継続するアンテナを切り替えるか否か判断する(ステップS2202)。当該判断は、新CS通信アンテナ判定処理の判定結果をメモリ102より読み出すと共に、新基地局との通信状態がより優れていると判定された方のアンテナが現在通信を行っているアンテナと同じであるか否かで行われる。
【0038】
そして、通信を継続するアンテナを切り替ると判断すると(ステップS2202でYES)、新CS通信アンテナ判定処理において新基地局との通信状態がより優れていると判定された方のアンテナに切り替えるようにアンテナ切り替え部20を制御して(ステップS2203)、メインルーチンにリターンする。
上述のように、PHS端末1が新基地局との同期確立後、アンテナ切り替え処理を行って、ダイバーシティ制御を再開していない場合に、新基地局との通信状態がより優れているアンテナで通信を継続するようにするのは、一度同期確立すると、当該新基地局との通信に移行するまで、その他の基地局に通信を切り替えることができないためである。
【0039】
これにより、高速ハンドオーバ実行中においては、PHS端末1が、新基地局との同期確立後に、この新基地局への通信の移行に失敗すると、通話が切断するという問題が発生する。従って、新基地局との同期確立後においては、旧基地局よりも新基地局との通信を優先する必要がある。
なお、上記アンテナ切り替え処理において、通信を継続するアンテナを切り替えると、PHS端末1における通話品質は、低下する場合がある。しかし、アンテナ切り替え処理の実行から新基地局への通信移行までの時間が僅かであるため、実際の通話への影響は、ほとんど無視できる。
【0040】
このようにアンテナ切り替え処理においては、新CS通信アンテナ判定処理において、ダイバーシティ制御を再開しなかった場合に、新基地局との通信状態がより優れていると判定されたアンテナで通信を継続するようにアンテナ切り替え部20を制御するので、新旧基地局とのTDMA/TDDフレームのタイミングのずれ量が所定の閾値を超える場合であっても、新基地局との通信状態をより良くして、PHS端末1における新基地局との接続性を向上させることができる。
【0041】
ここで、再び図4に戻り、説明を続ける。ステップS220において、アンテナ切り替え処理が終了すると、新基地局と呼接続のための各種メッセージを送受信するメッセージ交換処理を実行して(ステップS230)、当該処理の実行後、旧基地局との通信を切断する(ステップS240)。そして、ステップS190の新CS通信アンテナ判定処理において、ダイバーシティ制御を再開していなければ(ステップS250でNO)、これを再開し(ステップS260)、新基地局との通信に移行して(ステップS270)、高速ハンドオーバの実行を終了する。
【0042】
(変形例)
以上、本発明に係る移動体通信機を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することもできる。
(1)上記実施の形態において、新CS通信アンテナ判定処理(図4のステップS190)は、新基地局からの同期バーストの受信開始後に実行するようにしているが、新基地局からのTCHアイドルバーストの受信開始後に実行するようにしてもよい。これは、新CS通信アンテナ判定処理における新基地局と旧基地局間のTDMA/TDDフレームのタイミングのずれ量を検出する際に、新基地局のTDMA/TDDフレームのタイミングを当該新基地局からのTCHアイドルバーストでも検出することができるからである。
【0043】
(2)上記実施の形態において、ダイバーシティ制御の中断のタイミングは、高速ハンドオーバの実行開始直後であるが、これを高速ハンドオーバの実行開始直前としてもよい。また、新CS通信アンテナ判定処理においてダイバーシティ制御を再開しなかった場合のダイバーシティ制御再開のタイミングは、新基地局への通信移行直前であるが、これを新基地局への通信移行直後としてもよい。
【0044】
(3)上記実施の形態において、PHS端末は、ホイップアンテナと内蔵アンテナの2種類のアンテナを備えているが、これ以外の種類や組み合わせのアンテナを備えるようにしてもよい。また、PHS端末が備えるアンテナの数は、2以上であればよい。そして、この場合には、ダイバーシティ制御の中断の際に、PHS端末が備えるアンテナの内、旧基地局との通信状態が最も優れているアンテナに固定するよう制御すればよい。
【0045】
(4)以上の実施の形態では、PHS端末について説明してきたが、本発明は、例えば、PDCにおける携帯電話機など、ダイバーシティ制御と高速ハンドオーバとを実行することが可能な、およそ全ての移動体通信機に適用可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る移動体通信機は、複数のアンテナ素子と、これら複数のアンテナ素子から通信に使用するアンテナ素子を切り替えるアンテナ素子切替手段とを備え、ダイバーシティ制御により前記複数のアンテナ素子を切り替えつつ基地局と通信する移動体通信機であって、前記アンテナ素子の内、既に通信を行っている第1の基地局との通信状態が最も優れているアンテナ素子を判定し、第1の基地局との通信と並行して、新たな第2の基地局を探索し同期確立した後、当該第2の基地局との通信に切り替えるハンドオーバの実行に際して、ダイバーシティ制御を中断し、第1の基地局との通信状態が最も優れていると判定したアンテナ素子に固定するようにしたので、前記ハンドオーバの実行の際に、予め設定されているアンテナに固定することに起因する通話品質の低下を防止することができる。
【0047】
また、前記ハンドオーバ実行中に第1の基地局から送信されてくる信号の通信フレームと、第2の基地局から送信されてくる信号の通信フレームとのタイミングのずれ量が閾値以下であるか否かを判断して、前記タイミングのずれ量が閾値以下であると判断すると、前記ハンドオーバ実行中に、ダイバーシティ制御を再開するので、前記ハンドオーバ実行中に、第1の基地局との通信状況が変化しても、当該第1の基地局との通信状態の悪化を防止することができる。
【0048】
さらに、前記複数のアンテナ素子の内、第2の基地局との通信状態が最も優れているアンテナ素子を判定して、前記タイミングのずれ量が閾値を超えると判断すると、第2の基地局と同期確立した段階で、当該アンテナに切り替えるので、前記タイミングのずれ量が閾値を超える場合であっても、移動体通信機における第2の基地局との接続性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係るPHS端末1の概略構成を示すブロック図である。
【図2】PHSにおけるTDMA/TDD方式のフレーム構成を示す図である。
【図3】本実施の形態における高速ハンドオーバ実行時の制御シーケンスを示す図である。
【図4】高速ハンドオーバ実行時のPHS端末1における制御部100の処理内容を示すフローチャートである。
【図5】新CS通信アンテナ判定処理(図4のステップS190)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】アンテナ切り替え処理(図4のステップS220)のサブルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 PHS端末
10a メインアンテナ
10b サブアンテナ
20 アンテナ切り替え部
100 制御部
101 CPU
102 メモリ
Claims (7)
- 複数のアンテナ素子と、これら複数のアンテナ素子から通信に用いるアンテナ素子を切り替えるアンテナ素子切替手段とを備え、ダイバーシティ制御により前記複数のアンテナ素子を切り替えつつ基地局と通信する移動体通信機であって、
前記複数のアンテナ素子の内、既に通信を行っている第1の基地局との通信状態が最も優れているアンテナ素子を判定する第1のアンテナ素子判定手段と、
第1の基地局との通信と並行して、新たな第2の基地局を探索し同期確立した後、当該第2の基地局との通信に切り替えるハンドオーバを実行するハンドオーバ実行手段と、
前記ハンドオーバの実行に際して、ダイバーシティ制御を中断し、第1のアンテナ素子判定手段により判定されたアンテナ素子に固定するようにアンテナ素子切替手段を制御するアンテナ素子切替制御手段と
を備えることを特徴とする移動体通信機。 - 前記第1のアンテナ素子判定手段は、
第1の基地局との通信における直前の期間内に、ダイバーシティ制御により選択された回数が最も多いアンテナ素子を第1の基地局との通信状態が最も優れていると判定することを特徴とする請求項1に記載の移動体通信機。 - 前記アンテナ素子切替制御手段は、
第2の基地局との通信に切り替える際に、アンテナ素子切替手段に対してダイバーシティ制御を再開することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体通信機。 - 前記移動体通信機は、
前記ハンドオーバ実行中に、第1の基地局から送信されてくる信号の通信フレームと、第2の基地局から送信されてくる信号の通信フレームとのタイミングのずれ量が閾値以下であるか否かを判断するタイミング判断手段を備え、
前記アンテナ素子切替制御手段は、
前記タイミングのずれ量が閾値以下であると判断されると、前記ハンドオーバ実行中に、アンテナ素子切替手段に対してダイバーシティ制御を再開することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体通信機。 - 前記移動体通信機は、
前記複数のアンテナ素子の内、第2の基地局との通信状態が最も優れているアンテナ素子を判定する第2のアンテナ素子判定手段を備え、
前記アンテナ素子切替制御手段は、
前記タイミングのずれ量が閾値を超えると判断されると、第2の基地局と同期確立した段階で、第2のアンテナ素子判定手段により判定されたアンテナ素子に切り替えるようにアンテナ素子切替手段を制御すること特徴とする請求項4に記載の移動体通信機。 - 前記第2のアンテナ素子判定手段は、
前記ハンドオーバ実行中に、第2の基地局より送信されてくる同期信号を前記複数のアンテナ素子のそれぞれに受信させると共に、各アンテナ素子において受信した同期信号の電界強度の値に基づいて、第2の基地局との通信状態が最も優れているアンテナ素子を判定することを特徴とする請求項5に記載の移動体通信機。 - 前記アンテナ素子切替制御手段は、
前記タイミングのずれ量が閾値を超えると判断されると、第2の基地局との通信に切り替える際に、アンテナ素子切替手段に対してダイバーシティ制御を再開することを特徴とする請求項4から6の何れかに記載の移動体通信機。
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