JP3629101B2 - 系統安定化制御方法およびその制御装置並びに発電機制御量の制御パターン作成方法 - Google Patents

系統安定化制御方法およびその制御装置並びに発電機制御量の制御パターン作成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電力系統に事故が発生した場合に認められる発電機の加速(動揺)現象を対象発電機のリアルタイム値を基にして、脱調状態に至る前に安定化制御を行う系統安定化制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図16は「電力中央研究所報告委員会報告:178001事故波及防止方式(昭和54年7月)電力中央研究所電力技術研究所」に示された従来方法による系統安定化制御装置の構成図である。
【0003】
図において、1A〜1Cは発電機、2A〜2Fは系統内の母線、3A〜3Gは送電線5A〜5Gを流れる電流を検出する変流器(CT)、4A〜4Gは遮断器、6A〜6Bは母線2A〜2Bに印加される電圧を検出する変成器(PT)、7Aは遮断器4A〜4Cにトリップ信号を出すコントロールケーブル、7B〜7Eは遮断器4D〜4Gの開閉状態を計測装置9に取り込む信号ケーブル、8は計測制御装置、9は計測装置、10は計測装置9から計測制御装置8へ遮断器4D〜4Gに開閉状態、および送電線5A〜5Dの潮流値を送信する情報伝送路である。
【0004】
次に動作について説明する。
送電線5A〜5Dを流れる有効電力潮流は、変流器3D〜3Gおよび変成器6Bを通して得られる電流、電圧データにより計測装置9で常時算出され、例えば送電線5Bで事故が発生した場合、遮断器4D〜4Gがトリップ(事故種別によりトリップの仕方は異なり、その方式については、別途送電線保護リレーによって決められている。)したことをキックとして、計測装置9は、送電線5A〜5Dの事故直前潮流値と遮断器4D〜4Gの開閉状態を情報伝送路10を通して、計測制御装置8に送る。
【0005】
計測制御装置8は、この情報を基に予め設定しておいた制御パターンに従って、発電機制御量(遮断量)を決定し、コントロールケーブル7Aを通して遮断器4A〜4Cに対して最適な組み合わせのトリップ信号を出し、安定化制御を実施する。
尚、発電機1A〜1Cの稼働状態は、変流器3A〜3Cおよび変成器6Aを通して得られる電流、電圧データにより、計測制御装置8で常時算出される出力によって把握される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電源安定化方法は以上のように構成されるので、事故点潮流および事故種別が同一であっても、系統の運用状態(発電機の稼働状態や負荷の分布状態)によって安定度が異なる場合があり、この場合にも同一の制御量しか算出できず、系統状態の運用状態に対応した最適な安定化制御ができないという問題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、電力系統の事故時に、事故種別と系統状態に対応した安定化制御方法と、その安定化制御装置を提供することを目的とする。
【0008】
また、安定化制御するための発電機制御量を決定する発電機制御量の制御パターンを作成する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明に係る系統安定化制御方法は、保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量(発電供給量の制御量)をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、所定の発電機端での電圧・電流・電力等のリアルタイム要素に対応した発電機制御量の、事故種別毎の制御量特性図を予め作成すると共に、上記事故種別毎の制御量特性図に安定領域、不安定領域を予め決めておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの所定の発電機端でのリアルタイム要素の実測値を導出し、この導出したリアルタイム要素の値と、事故種別情報とにもとづいて、上記事故種別毎の制御量特性図から事故種別に対応した発電機制御量を求め、上記リアルタイム要素の値が上記安定領域にあれば安定と判断し、安定領域以外であれば、上記求めた発電機制御量で発電供給量を制御する方法である。
【0010】
(2)また、保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、発電機の運動エネルギーに対応した発電機制御量の、事故種別毎の制御量特性図を予め作成すると共に、上記事故種別毎の制御量特性図に安定領域、不安定領域を予め決めておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの発電機の運動エネルギーの実測値を導出し、この導出した運動エネルギーの値と、事故種別情報とにもとづいて、上記事故種別毎の制御量特性図から事故種別に対応した発電機制御量を求め、上記運動エネルギーの値が上記安定領域にあれば安定と判断し、安定領域以外であれば、上記求めた発電機制御量で発電供給量を制御する方法である。
【0011】
(3)また、保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、発電機の位相角偏差に対応した発電機制御量の、事故種別毎の制御量特性図を予め作成すると共に、上記事故種別毎の制御量特性図に安定領域、不安定領域を予め決めておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの発電機の位相角偏差の実測値を導出し、この導出した位相角偏差の値と、事故種別情報とにもとづいて、上記事故種別毎の制御量特性図から事故種別に対応した発電機制御量を求め、上記位相角偏差の値が上記安定領域にあれば安定と判断し、安定領域以外であれば、上記求めた発電機制御量で発電供給量を制御する方法である。
【0012】
(4)また、保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、発電機の周波数偏差に対応した発電機制御量の、事故種別毎の制御量特性図を予め作成すると共に、上記事故種別毎の制御量特性図に安定領域、不安定領域を予め決めておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの発電機の周波数偏差の実測値を導出し、この導出した周波数偏差の値と、事故種別情報とにもとづいて、上記事故種別毎の制御量特性図から事故種別に対応した発電機制御量を求め、上記周波数偏差の値が上記安定領域にあれば安定と判断し、安定領域以外であれば、上記求めた発電機制御量で発電供給量を制御する方法である。
【0013】
(5)また、保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、発電機の正規化運動エネルギーに対応した発電機制御量の、事故種別毎の制御量特性図を予め作成すると共に、上記事故種別毎の制御量特性図に安定領域、不安定領域を予め決めておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの発電機の正規化運動エネルギーの実測値を導出し、この導出した正規化運動エネルギーの値と、事故種別情報とにもとづいて、上記事故種別毎の制御量特性図から事故種別に対応した発電機制御量を求め、上記正規化運動エネルギーの値が上記安定領域にあれば安定と判断し、安定領域以外であれば、上記求めた発電機制御量で発電供給量を制御する方法である。
【0014】
(6)また、保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、発電機の位相角偏差に対応した発電機制御量の制御量特性図、及び、位相角偏差と周波数偏差に対応した安定判別特性図を事故種別毎に予め作成しておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの発電機の位相角偏差及び周波数偏差の実測値を導出し、この導出した位相角偏差及び周波数偏差の値と、事故種別情報とにもとづいて、事故種別に対応した上記安定判別特性図を選択して、安定領域か否かを判別すると共に、安定領域以外の場合には、事故種別に対応した上記制御量特性図から発電機制御量を求め、この求めた発電機制御量で発電供給量を制御する方法である。
【0015】
(7)この発明の系統安定化制御装置は、上記(1)〜(6)のいずれか1項の系統安定化制御方法を用いた系統安定化制御装置としたものである。
【0016】
(8)この発明の上記(1)〜(6)の系統安定化制御方法における発電機制御量の制御パターン作成方法は、
対象となる系統の潮流計算を行い、この潮流計算の結果に基づいて想定する事故点、事故種別の系統の安定度を計算し、この計算結果に応じて発電機制御量の制御パターンを作成する作成方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1の図に基づいて説明する。
図1は本発明の系統安定化制御方法に基づいた安定化装置の構成例である。
図1において、従来のものと同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
【0018】
図2は発電機端でのリアルタイム要素と発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
図3は系統安定化制御方法を示すフローチャートである。
【0019】
次に動作について説明する。
送電線5E〜5Gの有効電力潮流(発電機1Aから1Cの電気的出力)は、変流器3A〜3Cおよび変成器6を通して得られる電流、電圧データにより計測制御装置8で常時算出され、例えば送電線5Bで事故が発生した場合、母線2Aの電圧がある一定値以下になったことをキックとして、計測制御装置8は常時モードから監視モードに移行し、図3に示したフローチャートに従って安定化制御を行う。
【0020】
即ち、図3において、
(1)最初はステップST1で、発電機1A〜1Cの電気的出力を計測制御装置8により常時計測する常時モードとする。
(2)ステップST2で、母線2Aの電圧がVfより小さくなった時点で計測制御装置8は監視モードに移行する。
【0021】
(3)ステップST3で、監視モードに移行した時点を時間基準とするための時刻(T)をリセットする。
(4)ステップST4で、発電機端リアルタイム要素を計測する。 ここでリアルタイム要素とは、時系列に計測可能な電力系統における電圧・電流・電力(有効電力)等である。また、周波数・位相・無効電力などもリアルタイム要素である。
【0022】
(5)ステップST5で、計測装置9からの情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)より事故種別を判定し、その種別に対応した図2の制御量特性図を選択し、ステップST4で算出した発電機リアルタイム要素の値が図2に示した制御量特性図の安定領域にあるかどうかを判断する。
判定結果が安定領域にあれば、ステップST9へ進み、その他の場合にはステップST6へ進む。
ただし、図2に示した制御量特性図の発電機制御量は事前のシミュレーションにより設定しておく。
【0023】
(6)ステップST6で、発電機端リアルタイム要素に対応する必要制御量を図2に従って算出する。
(7)ステップST7で、ステップST6で算出した制御量を上回る最小の組み合わせ(最適制御量)を選択して、遮断器4A〜4Cにトリップ信号を送信して電源制限(制御)を行って自系統内を安定化する。
(8)ステップST8で、計測制御装置8の処理動作を停止させる。
【0024】
(9)ステップST5で判定結果が安定領域であれば、ステップST9で、計測制御装置8の監視モード責務時間内(Te)であるか判断する。
責務時間内(t≦Te)であればステップST4へ進み、再度ステップST4から処理動作を行う。
それ以外(t>Teの場合)は、ステップST1へ進んで計測制御装置8は常時モードへ戻る。
【0025】
(10)ステップST10は、遮断器4D〜4Gの開閉状態をケーブル7B〜7Eを通して取り込み、また変流器3D〜3Gを通して送電線5A〜5Dの潮流値を取り込んで、情報伝送路10を通して、計測制御装置8に送信する処理を行う処理ブロックで、上記ステップST5の情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)を与えるものである。
【0026】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、事故種別と発電機端のリアルタイム要素とを組み合わせた制御量算出をして電源制限を行うので、従来方式よりも精度の高い安定化制御が実施できる。
しかも発電機端(自端)のみのリアルタイム要素を用いるため、相手端(本系統)との同期をとる必要性が無いため、シンプルな装置構成となる。
【0027】
実施の形態2.
以下、この発明の実施の形態2を図に基づいて説明する。
安定化装置の構成図は図1と同様であるので図1を共用する。
図4は発電機の運動エネルギーと発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
図5は発電機の運動エネルギーの概念を示すP−Δδ曲線の特性図である。
図6は系統安定化制御方法を示すフローチャートである。
【0028】
次に動作について説明する。
送電線5E〜5Gの有効電力潮流(発電機1Aから1Cの電気的出力)は、変流器3A〜3Cおよび変成器6を通して得られる電流、電圧データにより計測制御装置8で常時算出され、例えば送電線5Bで事故が発生した場合、母線2Aの電圧がある一定値以下になったことをキックとして、計測制御装置8は常時モードから監視モードに移行し、図6に示したフローチャートに従って安定化制御を行う。
【0029】
即ち、図6において、
(1)最初にステップST1で、発電機1A〜1Cの電気的出力を計測制御装置8により常時計測する常時モードとする。
(2)ステップST2で、母線2Aの電圧がVfより小さくなった時点で計測制御装置8は監視モードに移行する。
(3)ステップST3で、監視モードに移行した時点を時間基準とするための時刻(T)をリセットする。
【0030】
(4)ステップST4で、次の式(1)より発電機の運動エネルギーVk(発電機1A〜1Cの運動エネルギーの和:図5のハッチング部分)を算出する。
【0031】
【数1】
Figure 0003629101
【0032】
M:各稼働発電機慣性定数(系統容量ベース)の和
Pe:各発電機の電気的出力の和
Pm:各発電機の機械的入力の和
ωo:基準角周波数
Δω:発電機の角周波数偏差(周波数偏差)
tf:事故発生時刻
te:事故除去後の一定時刻(サンプリング終了時刻)
【0033】
(5)ステップST5で、計測装置9からの情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)より事故種別を判定し、その種別に対応した図4の制御量特性図を選択し、ステップST4で算出したVkの値が図4に示した制御量特性図の安定領域にあるかどうかを判断する。
判定結果が安定領域にあれば、ステップST9へ進み、その他の場合にはステップST6へ進む。
ただし、図4に示した制御量特性図の発電機制御量は事前のシミュレーションにより設定しておく。
【0034】
(6)ステップST6で、Vk値に対応する必要制御量を図4に従って算出する。
(7)ステップST7で、ステップST6で算出した制御量を上回る最小の組み合わせ(最適制御量)を選択して、遮断器4A〜4Cにトリップ信号を送信して電源制限(制御)を行って自系統内を安定化する。
【0035】
(8)ステップST8で、計測制御装置8を停止させる。
(9)ステップST5で判定結果が安定領域であれば、ステップST9で、計測制御装置8の監視モード責務時間内(Te)であるか判断する。
責務時間内であれば(t≦Te)ステップST4へ進み、再度ステップST4から処理動作を行う。
それ以外(t>Teの場合)は、ステップST1へ進んで計測制御装置8は常時モードへ戻る。
【0036】
(10)ステップST10は、遮断器4D〜4Gの開閉状態をケーブル7B〜7Eを通して取り込み、また変流器3D〜3Gを通して送電線5A〜5Dの潮流値を取り込んで、情報伝送路10を通して、計測制御装置8に送信する処理を行う処理ブロックで、上記ステップST5の情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)を与えるものである。
【0037】
なお、図4の制御量特性図は実施の形態1の図2の制御量特性図と横軸の単位が異なるのみで安定・不安定の分布は同じになっているが、必ずしも同一になるものでなく、通常は異なる分布状態になる。
【0038】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、事故種別と発電機端で計測可能な運動エネルギーVkとを組み合わせた制御量算出をして電源制限を行うので、従来方式よりも精度の高い安定化制御が実施できる。
【0039】
実施の形態3.
実施の形態2では運動エネルギーVkを基に安定判別、および安定化制御量の算出を行ったが、Vkの代わりに次の式(4)の発電機の位相角偏差を用いても同様の安定化制御が実施できる。(ただし、(3)式は発電機の運動方程式)
【0040】
【数2】
Figure 0003629101
【0041】
M:各稼働発電機慣性定数(系統容量ベース)の和
Pe:各発電機の電気的出力の和
Pm:各発電機の機械的入力の和
ωo:基準角周波数
Δδ:発電機の位相角偏差
tf:事故発生時刻
te:事故除去後の一定時刻(サンプリング終了時刻)
【0042】
以下、この発明の実施の形態3を図に基づいて説明する。
系統安定化制御装置の構成図は図1と同様であるので図1を共用する。
図7は発電機位相角偏差と発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
図8は系統安定化制御方法を示すフローチャートである。
【0043】
次に動作について説明する。
送電線5E〜5Gの有効電力潮流(発電機1Aから1Cの電気的出力)は、変流器3A〜3Cおよび変成器6を通して得られる電流、電圧データにより計測制御装置8で常時算出され、例えば送電線5Bで事故が発生した場合、母線2Aの電圧がある一定値以下になったことをキックとして、計測制御装置8は常時モードから監視モードに移行し、図8に示したフローチャートに従って安定化制御を行う。
【0044】
即ち、図8において、
(1)最初にステップST1で、発電機1A〜1Cの電気的出力を計測制御装置8により常時計測する常時モードとする。
(2)ステップST2は母線2Aの電圧がVfより小さくなった時点で計測制御装置8は監視モードに移行する。
【0045】
(3)ステップST3で、監視モードに移行した時点を時間基準とするための時刻(T)をリセットする。
(4)ステップST4で、式(4)より発電機の位相角偏差Δδを算出する。
【0046】
(5)ステップST5で、計測装置9からの情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)より事故種別を判定し、その種別に対応した図7の制御量特性図を選択し、ステップST4で算出したΔδの値が図7に示した制御量特性図の安定領域にあるかどうかを判断する。
判定結果が安定領域であれば、ステップST9へ進み、その他の場合にはステップST6へ進む。
ただし、図7に示した制御量特性図の発電機制御量は事前のシミュレーションにより設定しておく。
【0047】
(6)ステップST6で、Δδ値に対応する必要制御量を図7に従って算出する。
(7)ステップST7で、ステップST6で算出した制御量を上回る最小の組み合わせ(最適制御量)を選択して、遮断器4A〜4Cにトリップ信号を送信して電源制限(制御)を行って自系統内を安定化する。
(8)ステップST8で、計測制御装置8の処理動作を停止させる。
【0048】
(9)ステップST5で判定結果が安定領域であれば、ステップST9で、計測制御装置8の監視モード責務時間内(Te)であるか判断する。
責務時間内(t≦Te)であればステップST4へ進み、再度ステップST4から処理動作を行う。
それ以外(t>Teの場合)は、ステップST1へ進んで計測制御装置8は常時モードへ戻る。
【0049】
(10)ステップST10は、遮断器4D〜4Gの開閉状態をケーブル7B〜7Eを通して取り込み、また変流器3D〜3Gを通して送電線5A〜5Dの潮流値を取り込んで、情報伝送路10を通して、計測制御装置8に送信する処理ブロックで、上記ステップST5の情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)を与えるものである。
【0050】
なお、図7の制御量特性図は、実施の形態1の図2の制御量特性図と横軸の単位が異なるのみで安定・不安定の分布は同じになっているが、必ずしも同一になるものでなく、通常は異なる分布状態になる。
【0051】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、事故種別と発電機端で計測可能な発電機位相角偏差とを組み合わせた制御量算出をして電源制限を行うので、従来方式よりも精度の高い安定化制御が実施できる。
なお、発電機の運動エネルギー値は稼働発電機の状態(稼働台数)によって大きく変化するが、位相角偏差値は稼働発電機台数に影響を受け難い。
【0052】
実施の形態4.
実施の形態2では運動エネルギーVkを基に安定判別、および安定化制御量の算出を行ったが、Vkの代わりに実施の形態2の式(2)の発電機の角周波数偏差を用いても同様の安定化制御が実施できる。
【0053】
以下、この発明の実施の形態4を図に基づいて説明する。
系統安定化制御装置の構成図は図1と同様であるので図1を共用する。
図9は発電機周波数偏差と発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
図10は系統安定化制御方法のフローチャートである。
【0054】
次に動作について説明する。
送電線5E〜5Gの有効電力潮流(発電機1Aから1Cの電気的出力)は、変流器3A〜3Cおよび変成器6を通して得られる電流、電圧データにより計測制御装置8で常時算出され、例えば送電線5Bで事故が発生した場合、母線2Aの電圧がある一定値以下になったことをキックとして、計測制御装置8は常時モードから監視モードに移行し、図10に示したフローチャートに従って安定化制御を行う。
【0055】
即ち、図10において、
(1)最初にステップST1で、発電機1A〜1Cの電気的出力を計測制御装置8により常時計測する常時モードとする。
(2)ステップST2は母線2Aの電圧がVfより小さくなった時点で計測制御装置8は監視モードに移行する。
【0056】
(3)ステップST3で、監視モードに移行した時点を時間基準とするための時刻(T)をリセットする。
(4)ステップST4で、式(2)より発電機の角周波数偏差Δωを算出する。
【0057】
(5)ステップST5で、計測装置9からの情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)より事故種別を判定し、その種別に対応した図9の制御量特性図を選択し、ステップST4で算出したΔωの値が図9に示した制御量特性図の安定領域にあるかどうかを判断する。
判定結果が安定領域であれば、ステップST9へ進み、その他の場合にはステップST6へ進む。
ただし、図9に示した制御量特性図の発電機制御量は事前のシミュレーションにより設定しておく。
【0058】
(6)ステップST6で、Δω値に対応する必要制御量を図9に従って算出する。
(7)ステップST7で、ステップST6で算出した制御量を上回る最小の組み合わせ(最適制御量)を選択して、遮断器4A〜4Cにトリップ信号を送信して電源制限(制御)を行って自系統内を安定化する。
(8)ステップST8で、計測制御装置8の処理動作を停止させる。
【0059】
(9)ステップST5で判定結果が安定領域であれば、ステップST9で、計測制御装置8の監視モード責務時間内(Te)であるか判断する。
責務時間内(t≦Te)であればステップST4へ進み、再度ステップST4から処理動作を行う。
それ以外(t>Teの場合)は、ステップST1へ進んで計測制御装置8は常時モードへ戻る。
【0060】
(10)ステップST10は、遮断器4D〜4Gの開閉状態をケーブル7B〜7Eを通して取り込み、また変流器3D〜3Gを通して送電線5A〜5Dの潮流値を取り込んで、情報伝送路10を通して、計測制御装置8に送信する処理ブロックで、上記ステップST5の情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)を与えるものである。
【0061】
なお、図9の制御量特性図は、実施の形態1の図2の制御量特性図と横軸の単位が異なるのみで安定・不安定の分布は同じになっているが、必ずしも同一になるものでなく、通常は異なる分布状態になる。
【0062】
以上のように、この発明の実施の形態4によれば、事故種別と発電機端で計測可能な角周波数偏差とを組み合わせた制御量算出をして電源制限を行うので、従来方式よりも精度の高い安定化制御が実施できる。
【0063】
なお、発電機の周波数偏差値は、安定判別に対して発電機の稼働状態にあまり影響を受けず、また位相角偏差よりも高速に演算できる(実施の形態3の位相角偏差は運動方程式の2回積分、この実施の形態4の周波数偏差は|回積分)。しかし、周波数偏差は発電機プラント固有の安定領域があるため、一般性にやや欠ける点がある。
【0064】
実施の形態5.
実施の形態2では運動エネルギーVkを基に安定判別、および安定化制御量の算出を行ったが、Vkの代わりに式(5)の正規化運動エネルギーを用いても同様の安定化制御が実施できる。
【0065】
【数3】
Figure 0003629101
【0066】
M:各稼働発電機慣性定数(系統容量ベース)の和
Pe:各発電機の電気的出力の和
Pm:各発電機の機械的入力の和
ωo:基準角周波数
Δω:発電機の角周波数偏差
tf:事故発生時刻
te:事故除去後の一定時刻(サンプリング終了時刻)
P :各発電機の初期出力(事故直前)の和
【0067】
以下、この発明の実施の形態5を図に基づいて説明する。
系統安定化制御装置の構成図は図1と同様であるので図1を共用する。
図11は正規化運動エネルギーと発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
図12は系統安定方法のフローチャートである。
【0068】
次に動作について説明する。
送電線5E〜5Gの有効電力潮流(発電機1Aから1Cの電気的出力)は、変流器3A〜3Cおよび変成器6を通して得られる電流、電圧データにより計測制御装置8で常時算出され、例えば送電線5Bで事故が発生した場合、母線2Aの電圧がある一定値以下になったことをキックとして、計測制御装置8は常時モードから監視モードに移行し、図12に示したフローチャートに従って安定化制御を行う。
【0069】
即ち、図12において、
(1)最初にステップST1で、発電機1A〜1Cの電気的出力を計測制御装置8により常時計測する常時モードとする。
(2)ステップST2は母線2Aの電圧がVfより小さくなった時点で計測制御装置8は監視モードに移行する。
【0070】
(3)ステップST3で、監視モードに移行した時点を時間基準とするための時刻(T)をリセットする。
(4)ステップST4で、式(5)より正規化運動エネルギーVk/Pを算出する。
【0071】
(5)ステップST5は計測装置9からの情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)より事故種別を判定し、その種別に対応した図11の制御量特性図を選択し、ステップST4で算出したVk/Pの値が図11に示した制御量特性図の安定領域にあるかどうかを判断する。
判定結果が安定領域であれば、ステップST9へ進み、その他の場合にはステップST6へ進む。
ただし、安定領域にあれば、図11に示した制御量特性図の発電機制御量は事前のシミュレーションにより設定しておく。
【0072】
(6)ステップST6で、Vk/P値に対応する必要制御量を図11に従って算出する。
(7)ステップST7で、ステップST6で算出した制御量を上回る最小の組み合わせ(最適制御量)を選択して、遮断器4A〜4Cにトリップ信号を送信して電源制限(制御)を行って自系統内を安定化する。
(8)ステップST8で、計測制御装置8を停止させる。
【0073】
(9)ステップST5で判定結果が安定領域であれば、ステップST9で、計測制御装置8の監視モード責務時間内(Te)であるか判断する。
責務時間内(t≦Te)であればステップST4へ進み、再度ステップST4から処理動作を行う。
それ以外(t>Teの場合)は、ステップST1へ進んで計測制御装置8は常時モードへ戻る。
【0074】
(10)ステップST10は、遮断器4D〜4Gの開閉状態をケーブル7B〜7Eを通して取り込み、また変流器3D〜3Gを通して送電線5A〜5Dの潮流値を取り込んで、情報伝送路10を通して、計測制御装置8に送信する処理を行う処理ブロックで、上記ステップST5の情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)を与えるものである。
【0075】
なお、図11の制御量特性図は、実施の形態1の図2の制御量特性図と横軸の単位が異なるのみで安定・不安定の分布は同じになっているが、必ずしも同一になるものでなく、通常は異なる分布状態になる。
【0076】
以上のように、この発明の実施の形態5によれば、事故種別と発電機端で計測可能な正規化運動エネルギーとを組み合わせた制御量算出をして電源制限を行うので、発電機の初期出力が運用により変化する場合においても、精度の高い安定化制御が実施できる。
なお、初期出力が運用により変化することを前提にすれば、ケースによってVkも変化するためVkのみでは安定判別が困難になる場合もあるため、正規化が必要である。
【0077】
実施の形態6.
上記実施の形態3、4では位相角偏差、周波数偏差を用いて安定判別および安定化制御量の算出を行ったが、両者を用いても同様の安定化制御が実施できる。
【0078】
以下、この発明の実施の形態6を図に基づいて説明する。
安定化装置の構成図は図1と同様であるので図1を共用する。
図13は位相角偏差と角周波数偏差と用いた安定判別特性図、および、位相角偏差と発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
図14は系統安定化制御方法のフローチャートである。
【0079】
次に動作について説明する。
送電線5E〜5Gの有効電力潮流(発電機1Aから1Cの電気的出力)は、変流器3A〜3Cおよび変成器6を通して得られる電流、電圧データにより計測制御装置8で常時算出され、例えば送電線5Bで事故が発生した場合、母線2Aの電圧がある一定値以下になったことをキックとして、計測制御装置8は常時モードから監視モードに移行し、図14に示したフローチャートに従って安定化制御を行う。
【0080】
即ち、図14において、
(1)最初にステップST1で、発電機1A〜1Cの電気的出力を計測制御装置8により常時計測する常時モードとする。
(2)ステップST2は母線2Aの電圧がVfより小さくなった時点で計測制御装置8は監視モードに移行する。
【0081】
(3)ステップST3で、監視モードに移行した時点を時間基準とするための時刻(T)をリセットする。
(4)ステップST4で、前述の式(2)、(4)より発電機の位相角偏差Δδと角周波数偏差Δωを算出する。
【0082】
(5)ステップST5は計測装置9からの情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)より事故種別を判定し、その種別に対応した図13(B)の安定判別特性図を選択し、ステップST4で算出したΔδ、Δωの値が図13(B)に示した安定判別特性図に安定領域にあるかどうかを判断する。
安定領域にあれば、ステップST9へ進み、その他の場合にはステップST6へ進む。
ただし、図13に示した発電機制御量、および安定判別領域は事前のシミュレーションにより設定しておく。
【0083】
(6)ステップST6で、Δδ値に対応する必要制御量を図13(A)に従って算出する。
(7)ステップST7で、ステップST6で算出した制御量を上回る最小の組み合わせ(最適制御量)を選択して、遮断器4A〜4Cにトリップ信号を送信して電源制限(制御)を行って自系統内を安定化する。
(8)ステップST8で、計測制御装置8を停止させる。
【0084】
(9)ステップST5で判定結果が安定領域であれば、ステップST9で、計測制御装置8の監視モード責務時間内(Te)であるか判断する。
責務時間内(t≦Te)であればステップST4へ進み、再度ステップST4から処理動作を行う。
それ以外(t>Teの場合)は、ステップST1へ進んで計測制御装置8は常時モードへ戻る。
【0085】
(10)ステップST10は、遮断器4D〜4Gの開閉状態をケーブル7B〜7Eを通して取り込み、また変流器3D〜3Gを通して送電線5A〜5Dの潮流値を取り込んで、情報伝送路10を通して、計測制御装置8に送信する処理を行う処理ブロックで、上記ステップST5の情報(遮断器開閉情報と潮流値情報)を与えるものである。
【0086】
以上のように、この発明の実施の形態6によれば、事故種別と発電機端で計測可能な発電機位相角偏差および発電機周波数偏差とを組み合わせた制御量算出をして電源制限を行うので、従来方式よりも精度の高い安定化制御が実施できる。
【0087】
実施の形態3の位相角偏差のみを用いた安定度判別方式では、発電機の初期位相角の影響によって、安定判別が不正確になる場合がある。即ち、事故直前の発電機初期位相角が本系統側に対して相当量開いている場合には、事故後の発電機位相角偏差が小さい場合でも発電機が不安定となる場合があるが、この実施の形態6ではその恐れがない。
【0088】
実施の形態7.
上記実施の形態では、図3,図6,図8,図10,図12,図14のフローチャート、ステップST2のように「母線2Aの電圧が予め設定したVfより小さくなった時点で、監視モードに移行する」としたが、電圧Vf以外に「保護リレーの指令信号」「有効電力(発電機出力)の変化率」等に基づいて監視モードに移行するようにしてもよい。
【0089】
実施の形態8.
上記実施の形態では、系統を安定化する制御方法について述べたが、この制御方法を用いた系統安定化制御装置としてもよい。
【0090】
実施の形態9.
この実施の形態は、上記実施の形態1〜6までの制御量特性図を自動で作成する作成手法に関するものである。
図15のフローチャートに基づいて説明する。
【0091】
即ち、図15において、
(1)ステップST1は、予め選定しておいた事故点、事故種別で、まだ、シミュレーションが終了していないものがあるか否かを判定する。
終了していればステップST11へ進み、それ以外はステップST2へ進む。
【0092】
(2)ステップST1で判定結果が未終了であれば、ステップST2で、事故点、事故種別の選定(更新)を行う。
(3)ステップST3で、予め作成しておいた潮流断面データで、まだシミュレーションが終了していないものがあるか否かを判定する。
終了していればステップST1へ進み、その他の場合はステップST4へ進む。
【0093】
(4)ステップST3で判定結果が未終了であれば、ステップST4で、電力系統安定度解析プログラムの検討用潮流データ(このプログラムに用いるためのステップST3での潮流断面データ)を選定(更新)する。
(5)ステップST5で、ステップST2とステップST4で選定した系統データ(ステップST4の検討用潮流データ)、及び、事故パターン(ステップST2で選定された事故点、事故種別)に従って安定度計算を起動し計算する。
【0094】
(6)ステップST6で、ステップST5で起動させた安定度計算結果を用いて、脱調している発電機が存在するか、不安定となっている発電プラントが存在するかを判別する安定判別を行う。
安定ならばステップST3へ進み、その他の場合にはステップST7に進む。
【0095】
なお、安定判別を行う基本機能は、電力系統安定度解析プログラムに具備されているものとする。この電力系統安定度解析プログラムは公知であって、例えば、オーム社発行「電力系統過渡解析論」(関根泰次著)の8章に安定度解析プログラムに必要なアルゴリズムが掲載されており、電力関連の技術者であれば、この文献から容易にプログラムを作成できる。
【0096】
(7)ステップST7で、予め作成しておいた制御パターン(制御量)を選定(更新)する。
この制御パターンは、図2に示すようなパターンで、各事故種別(2φ3LG等)に対応した制御量が算出できる制御量特性図である。
(8)ステップST8で、ステップST7で選定したパターンに従って、ステップST5と同様の安定度計算を再度起動し計算する。
【0097】
(9)ステップST9で、ステップST8で起動させた安定度計算結果を用いて、脱調している発電機が存在するか、不安定となっている発電プラントが存在するかを判別する安定判別を行う。
(10)ステップST9で判定結果が不安定であれば、ステップST7に進みステップST7からの処理動作を行う。
【0098】
(11)ステップST9で判定結果が安定であれば、ステップST10で、ステップST2で選定された事故パターンとステップST7で選定された制御パターンを(ステップST4で選定された系統データも含めて)整理する。
(12)ステップST1で判定結果が終了であれば、ステップST11で、ステップST10の結果を用いて整定テーブル(制御量特性図)を作成して、自動制御量特性図作成プログラムを終了させる。
【0099】
以上のように、この発明の実施の形態9によれば、膨大な整定作業(制御量特性図作成作業)が、事前の僅かな設定事項によって自動で行えるようになる。
【0100】
【発明の効果】
(1)以上のように、この発明の系統安定化制御方法によれば、事故種別と事故直前から事故除去後所定時間経過までの発電機端のリアルタイム要素に応じた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたので、系統状態に対応した精度の高い安定化制御が実施できる。
【0101】
(2)また、事故種別と発電機端で計測可能な運動エネルギーVkとに応じた発電供給量を制御するようにしたので、系統状態に対応した精度の高い安定化制御が実施できる。
【0102】
(3)また、事故種別と事故直前から事故除去後所定時間経過までの発電機位相角偏差に応じた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたので、系統状態に対応した精度の高い安定化制御が実施できる。
【0103】
(4)また、事故種別と事故直前から事故除去後所定時間経過までの発電機の周波数偏差に応じた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたので、系統状態に対応した精度の高い安定化制御が実施できる。
【0104】
(5)また、事故種別と事故直前から事故除去後所定時間経過までの発電機の正規化運動エネルギーとに応じた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたので、系統状態に対応した精度の高い安定化制御が実施できる。
【0105】
(6)また、事故種別と事故直前から事故除去後所定時間経過までの発電機位相角偏差および発電機周波数偏差とに応じた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたので、系統状態に対応した精度の高い安定化制御が実施できる。
【0106】
(7)この発明の系統安定制御装置によれば、上記(1)〜(6)のいづれか1項の系統安定化制御方法を用いたので、上記(1)〜(6)に対応する効果が得られる。
【0107】
(8)この発明の発電機制御量の制御パターン作成方法によれば、制御量特性図を自動で作成するようにしたので、膨大な制御量特性図作成作業が、事前の僅かな設定事項によって自動で行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1による系統安定化制御装置の構成図である。
【図2】この発明の実施の形態1による発電機端リアルタイム要素と発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
【図3】この発明の実施の形態1による系統安定化制御方法のフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態2による発電機の運動エネルギーと発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
【図5】この発明の実施の形態2による運動エネルギーの概念を示すP−Δδ曲線の特性図である。
【図6】この発明の実施の形態2による系統安定化制御方法のフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態3による発電機位相角偏差と発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
【図8】この発明の実施の形態3による系統安定化制御方法のフローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態4による発電機周波数偏差と発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
【図10】この発明の実施の形態4による系統安定化制御方法のフローチャートである。
【図11】この発明の実施の形態5による正規化運動エネルギーと発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
【図12】この発明の実施の形態5による系統安定方法のフローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態6による位相角偏差と角周波数偏差と用いた安定判別特性図、および、位相角偏差と発電機制御量の関係を示す事故種別毎の制御量特性図である。
【図14】この発明の実施の形態6による系統安定化制御方法のフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態9による自動制御量算出方法のフローチャートである。
【図16】従来の系統安定化制御装置の構成図である。
【符号の説明】
1A〜1C 発電機、2A〜2F 母線、3A〜3G 変流器、
4A〜4G 遮断器、5A〜5G 送電線、6A〜6B 変成器、
7A コントロールケーブル、7B〜7E 信号ケーブル、
8 計測制御装置、9 計測装置、10 情報伝送路。

Claims (8)

  1. 保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
    上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量(発電供給量の制御量)をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、所定の発電機端での電圧・電流・電力等のリアルタイム要素に対応した発電機制御量の、事故種別毎の制御量特性図を予め作成すると共に、上記事故種別毎の制御量特性図に安定領域、不安定領域を予め決めておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの所定の発電機端でのリアルタイム要素の実測値を導出し、この導出したリアルタイム要素の値と、事故種別情報とにもとづいて、上記事故種別毎の制御量特性図から事故種別に対応した発電機制御量を求め、上記リアルタイム要素の値が上記安定領域にあれば安定と判定し、安定領域以外であれば、上記求めた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたことを特徴とする系統安定化制御方法。
  2. 保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
    上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、発電機の運動エネルギーに対応した発電機制御量の、事故種別毎の制御量特性図を予め作成すると共に、上記事故種別毎の制御量特性図に安定領域、不安定領域を予め決めておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの発電機の運動エネルギーの実測値を導出し、この導出した運動エネルギーの値と、事故種別情報とにもとづいて、上記事故種別毎の制御量特性図から事故種別に対応した発電機制御量を求め、上記運動エネルギーの値が上記安定領域にあれば安定と判定し、安定領域以外であれば、上記求めた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたことを特徴とする系統安定化制御方法。
  3. 保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
    上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、発電機の位相角偏差に対応した発電機制御量の、事故種別毎の制御量特性図を予め作成すると共に、上記事故種別毎の制御量特性図に安定領域、不安定領域を予め決めておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの発電機の位相角偏差の実測値を導出し、この導出した位相角偏差の値と、事故種別情報とにもとづいて、上記事故種別毎の制御量特性図から事故種別に対応した発電機制御量を求め、上記位相角偏差の値が上記安定領域にあれば安定と判定し、安定領域以外であれば、上記求めた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたことを特徴とする系統安定化制御方法。
  4. 保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
    上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、発電機の周波数偏差に対応した発電機制御量の、事故種別毎の制御量特性図を予め作成すると共に、上記事故種別毎の制御量特性図に安定領域、不安定領域を予め決めておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの発電機の周波数偏差の実測値を導出し、この導出した周波数偏差の値と、事故種別情報とにもとづいて、上記事故種別毎の制御量特性図から事故種別に対応した発電機制御量を求め、上記周波数偏差の値が上記安定領域にあれば安定と判定し、安定領域以外であれば、上記求めた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたことを特徴とする系統安定化制御方法。
  5. 保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
    上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、発電機の正規化運動エネルギーに対応した発電機制御量の、事故種別毎の制御量特性図を予め作成すると共に、上記事故種別毎の制御量特性図に安定領域、不安定領域を予め決めておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの発電機の正規化運動エネルギーの実測値を導出し、この導出した正規化運動エネルギーの値と、事故種別情報とにもとづいて、上記事故種別毎の制御量特性図から事故種別に対応した発電機制御量を求め、上記正規化運動エネルギーの値が上記安定領域にあれば安定と判定し、安定領域以外であれば、上記求めた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたことを特徴とする系統安定化制御方法。
  6. 保護対象の電力系統に事故が発生すると、その電力系統の発電供給量を制御し系統を安定化する系統安定化制御方法において、
    上記保護対象の電力系統の、事故種別毎の発電機制御量をシミュレーションするための系統情報を入力して、シミュレーションすることにより、発電機の位相角偏差に対応した発電機制御量の制御量特性図、及び、位相角偏差と周波数偏差に対応した安定判別特性図を事故種別毎に予め作成しておき、事故が発生すると、事故直前から事故除去後所定時間経過するまでの発電機の位相角偏差及び周波数偏差の実測値を導出し、この導出した位相角偏差及び周波数偏差の値と、事故種別情報とにもとづいて、事故種別に対応した上記安定判別特性図を選択して、安定領域か否かを判定すると共に、安定領域以外の場合には、事故種別に対応した上記制御量特性図から発電機制御量を求め、この求めた発電機制御量で発電供給量を制御するようにしたことを特徴とする系統安定化制御方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項の系統安定化制御方法を用いた系統安定化制御装置。
  8. 請求項1〜請求項6の系統安定化制御方法における発電機制御量の制御パターン作成方法は、
    対象となる系統の潮流計算を行い、この潮流計算の結果に基づいて想定する事故点、事故種別の系統の安定度を計算し、この計算結果に応じて発電機制御量の制御パターンを作成する作成方法としたことを特徴とする発電機制御量の制御パターン作成方法。
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