JP3628995B2 - 光通信網およびノードおよびプログラムおよび記録媒体 - Google Patents
光通信網およびノードおよびプログラムおよび記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信に利用する。本発明は光波長を通信メディアとしてバーストデータ転送に使用する通信網における光バーストデータの転送技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
光通信における通常のＩＰ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）データ転送では、出発点から終点までの間、複数のルータが配置されており、データはこのルータを経由しながら転送される。このときに、各ルータは、パケットに付与されたＩＰアドレスを参照しながら次に転送すべきルータを決めて転送を行う。
【０００３】
このような光通信網では、パケットのヘッダ情報を読み取る際には、光信号をいったん電気信号に変換してから読み取る。ルータは、このようにして読み取ったＩＰアドレスにしたがって次に転送すべきルータを決定する。
【０００４】
また、データをバースト的に転送する場合には、パケットの一つ一つについてＩＰアドレスを読み取っていたのでは転送効率が良くないので、あらかじめ出発点と終点との間にカットスルーパスを設定しておき、このカットスルーパスの区間ではＩＰヘッダを読み取る必要がないため、光信号をそのまま高速で転送することができる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の光通信では、カットスルーパスを用いてバーストデータを転送する際には、あらかじめカットスルーパスを設定しておく必要がある。カットスルーパスをあらかじめ設定するためには、出発点から終点までに経由する各ルータにカットスルーパスを設定したい旨の要求を行い、各ルータがこの要求に応えることにより、はじめてカットスルーパスの事前設定が完了する。
【０００６】
この際に、各ルータにおけるカットスルーパスの設定手順をみてみると、まず、到着した光ＩＰパケットのヘッダ情報を電気信号に変換し、その中に、カットスルーパスの設定要求に相当する情報が含まれているか否かを読み取り、設定要求が含まれている場合には、カットスルーパス設定のための波長を選択し、波長が選択できたら実際にカットスルーパス設定を行う。そして、カットスルーパスが設定された波長については、もはやＩＰパケットのヘッダ情報を読み取る必要がないため、ＩＰパケットを光信号のまま転送すべく、他の波長と区別して取り扱うための設定変更を行う。
【０００７】
しかし、このような設定手順にはかなりの時間を要する。例えば、カットスルーパス設定のために２ｔ秒を要したとする。そして、このカットスルーパスを用いたバーストデータの転送に３ｔ秒を要したとすると、カットスルーパスを設定してバーストデータを転送し終わるまでに５ｔ秒を要することになる。この例では、バーストデータ転送に要した５ｔ秒間の内のおよそ半分近くの時間をカットスルーパスの設定に用いたことになる。このような事前のカットスルーパスに要する時間をデータ転送に充当できれば、さらなる転送効率の向上を期待することができる。
【０００８】
本発明は、このような背景に行われたものであって、バーストデータ転送を効率良く行うことができ、さらに、波長資源を有効に利用することができる光通信網およびプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カットスルーパスの設定または解放または方路切替の要求をノードが効率良く取得するために、あらかじめプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報をデータ中に挿入することを約束しておき、ノードは、プリアンブルを監視することによりこのプリアンブルに続く制御情報を取り出すことにより、カットスルーパスの設定または解放または方路切替の要求を取得することができることを特徴とする。
【００１０】
このように、プリアンブルに制御情報が続くことがあらかじめわかっていれば、ＣＰＵの処理としては、カットスルーパスの設定または解放または方路切替の要求が到来するデータに含まれているか否かを識別する処理手順を短縮することができる。また、カットスルーパス設定後には、そのカットスルーパスだけを監視することにより、そのカットスルーパスの方路切替または解放の要求を取得することができるため、複数波長にわたる監視を行う必要がなく、監視手順を簡単化することができる。したがって、従来と比較するとカットスルーパスの設定または解放または方路切替に要する手順および時間を短縮することができる。また、カットスルーパスの制御用波長とカットスルーパスの設定用波長とが同一波長であるため、波長資源を有効に利用することができる。
【００１１】
すなわち、本発明の第一の観点は、データ転送元を収容する送信側エッジノードと、データ転送先を収容する受信側エッジノードと、前記送信側エッジノードと前記受信側エッジノードとの間に配置された中継ノードとを備え、前記送信側エッジノードと前記受信側エッジノードとの間に前記中継ノードを経由するカットスルーパスを設定および解放する手段を備え、前記送信側エッジノードと前記中継ノードと前記受信側エッジノードとの間にはそれぞれ異なる複数のデータ転送用波長が設定された光通信網である。
【００１２】
ここで、本発明の特徴とするところは、前記データ転送用波長にはプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報が挿入され、前記カットスルーパスを設定および解放する手段は、複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第一監視手段と、この第一監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定する手段と、この設定する手段によりカットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第二監視手段と、この第二監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行する手段と、前記第二監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放する手段とを備えたところにある。
【００１３】
このように、バーストデータの区切りをプリアンブルによって識別可能とし、さらに、このプリアンブルの後に制御情報を挿入して当該バーストデータの扱いを指示することができるため、１つのカットスルーパスに方路の異なる複数のバーストデータをシリアルに転送することが可能となる。これにより、バーストデータ転送を効率良く行うことができるとともに、波長資源を有効に利用することができる。
【００１４】
本発明の第二の観点はプログラムであって、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、光通信網における送信側エッジノードおよび中継ノードおよび受信側エッジノードを経由するカットスルーパスを設定および解放する機能として、前記データ転送用波長にはプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報が挿入され、複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第一監視機能と、この第一監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定する機能と、この設定する機能によりカットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第二監視機能と、この第二監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行する機能と、前記第二監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放する機能とを実現させることを特徴とするプログラムである。
【００１５】
本発明の第三の観点は、本発明のプログラムが記録された前記情報処理装置読取可能な記録媒体である。本発明のプログラムは本発明の記録媒体に記録されることにより、前記情報処理装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記情報処理装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
【００１６】
これにより、コンピュータ装置等の情報処理装置により、バーストデータ転送を効率良く行うことができ、波長資源を有効に利用することができる光通信網を実現することができる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の光通信網を図１ないし図６を参照して説明する。図１は本発明実施例の光通信網の概念図である。図２はデータに挿入されるプリアンブルおよび制御パケットを示す図である。図３はバーストデータに挿入されるプリアンブルおよび制御情報を示す図である。図４〜図６は本発明実施例の監視機能の構成を示す図である。
【００１８】
なお、本発明実施例では、説明をわかりやすくするために、送信側エッジノードＳと受信側エッジノードＲとを区別して説明するが、実際には、エッジノードには送信側の機能および受信側の機能の双方が設けられており、双方向に通信を行うことができる。
【００１９】
本発明は、図１に示すように、データ転送元を収容する送信側エッジノードＳと、データ転送先を収容する受信側エッジノードＲと、送信側エッジノードＳと受信側エッジノードＲとの間に配置された中継ノードＬ１〜Ｌ４とを備え、送信側エッジノードＳと受信側エッジノードＲとの間に中継ノードＬ１〜Ｌ４を経由するカットスルーパスを設定および解放する機能を備え、送信側エッジノードＳと中継ノードＬ１〜Ｌ４と受信側エッジノードＲとの間にはそれぞれ異なる複数のデータ転送用波長が設定された光通信網である。前記カットスルーパスを設定または解放する機能は、送信側エッジノードＳ、中継ノードＬ１〜Ｌ４、受信側エッジノードＲにそれぞれ備えてもよいし、あるいは、カットスルーパスの設定および解放を一括管理する装置としてノード外の光通信網に一つあるいは複数分散配置してもよい。また、当該機能は、周知の技術であり、図示および説明は省略する。
【００２０】
ここで、本発明の特徴とするところは、図２に示すように、前記データ転送用波長にはプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報を含む制御用パケットが挿入され、複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する監視部２を備え、前記カットスルーパスを設定または解放する機能は、この監視部２の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定し、図３に示すように、監視部２は、カットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視し、前記カットスルーパスを設定または解放する機能は、監視部２の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行し、監視部２の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放するところにある。
【００２１】
次に、本発明実施例の光通信網の動作を説明する。図４に示すように、光伝送路７には、図２に示すようなデータが転送されている。光切替器１は、通常は、光伝送路７を光クロスコネクト３に接続している。
【００２２】
光切替器１は、転送されるデータに挿入されたプリアンブルを検出すると光伝送路７を監視部２に接続する。これにより、プリアンブルに続く制御情報は監視部２に導入される。光切替器１は、制御情報の通過を検出すると光伝送路７を再び光クロスコネクト３に接続する。
【００２３】
監視部２は、受け取った制御情報を解析し、その結果、その制御情報がカットスルーパス設定要求であることを認識すると、その監視結果を前記カットスルーパスを設定または解放する機能に出力する。この監視結果を受け取った前記カットスルーパスを設定または解放する機能は所定のカットスルーパスの設定を実施する。以上の手順にしたがってカットスルーパスの設定が行われる。
【００２４】
カットスルーパスが設定された後は、図３に示すように、このカットスルーパスを使ってバーストデータが転送される。光切替器１は、転送されるバーストデータに挿入されたプリアンブルを検出すると光伝送路７を監視部２に接続する。これにより、プリアンブルに続く制御情報は監視部２に導入される。光切替器１は、制御情報の通過を検出すると光伝送路７を再び光クロスコネクト３に接続する。
【００２５】
監視部２は、受け取った制御情報を解析し、その結果、その制御情報がカットスルーパス方路切替要求（＃３、＃１）であることを認識すると、その監視結果を光クロスコネクト３に出力する。この監視結果を受け取った光クロスコネクト３は所定のカットスルーパスの方路切替を実施する。図３の例では、方路＃３→方路＃１と切替えが実施される。以上の手順にしたがってカットスルーパスの方路切替が行われる。
【００２６】
また、監視部２は、受け取った制御情報を解析し、その結果、その制御情報がカットスルーパス解放要求（Ｒ）であることを認識すると、その監視結果を前記カットスルーパスを設定または解放する機能に出力する。この監視結果を受け取った前記カットスルーパスを設定または解放する機能は所定のカットスルーパスの解放を実施する。以上の手順にしたがってカットスルーパスの解放が行われる。
【００２７】
次に、図５を参照して監視部２が制御情報を監視するための図４とは異なる構成について説明する。光伝送路７から出力された光信号は光カプラ４により分岐され、その一部が監視部２に入力される。監視部２では、プリアンブルを検出することにより制御情報の到来を認識し、プリアンブルに続く制御情報を受け取ることができる。
【００２８】
次に、図６を参照して監視部２が制御情報を監視するための図４および図５とは異なる構成について説明する。図６の構成では、一つの監視部２が複数の光伝送路７−１〜７−ｎを監視することができる。
【００２９】
本発明の光通信網は、情報処理装置としてのコンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、光通信網における送信側エッジノードＳおよび中継ノードＬ１〜Ｌ４および受信側エッジノードＲを経由するカットスルーパスを設定および解放する機能として、前記データ転送用波長にはプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報が挿入され、複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第一監視機能と、この第一監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定する機能と、この設定する機能によりカットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第二監視機能と、この第二監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行する機能と、前記第二監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放する機能とを実現させるプログラムを前記コンピュータ装置にインストールすることにより、前記コンピュータ装置を用いて実現することができる。なお、前記第一および第二監視機能は、図４〜図６に示す監視部２に相応する機能である。
【００３０】
本発明のプログラムは、本発明の記録媒体に記録されることにより、前記コンピュータ装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記コンピュータ装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
【００３１】
これにより、コンピュータ装置により、カットスルーパスを事前に設定する必要がなく、バーストデータ転送を効率良く行うことができるとともに波長資源を有効に利用することができる光通信網を実現することができる。
【００３２】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バーストデータ転送を効率良く行うことができるとともに波長資源を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明実施例の光通信網の概念図。
【図２】データに挿入されるプリアンブルおよび制御パケットを示す図。
【図３】バーストデータに挿入されるプリアンブルおよび制御情報を示す図。
【図４】本発明実施例の監視機能の構成を示す図。
【図５】本発明実施例の監視機能の構成を示す図。
【図６】本発明実施例の監視機能の構成を示す図。
【符号の説明】
１ 光切替器
２ 監視部
３ 光クロスコネクト
４、４−１〜４−ｎ 光カプラ
７、７−１〜７−ｎ 光伝送路
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信に利用する。本発明は光波長を通信メディアとしてバーストデータ転送に使用する通信網における光バーストデータの転送技術に関する。
【０００２】
【従来の技術】
光通信における通常のＩＰ（Ｉｎｔｅｒｎｅｔ Ｐｒｏｔｏｃｏｌ）データ転送では、出発点から終点までの間、複数のルータが配置されており、データはこのルータを経由しながら転送される。このときに、各ルータは、パケットに付与されたＩＰアドレスを参照しながら次に転送すべきルータを決めて転送を行う。
【０００３】
このような光通信網では、パケットのヘッダ情報を読み取る際には、光信号をいったん電気信号に変換してから読み取る。ルータは、このようにして読み取ったＩＰアドレスにしたがって次に転送すべきルータを決定する。
【０００４】
また、データをバースト的に転送する場合には、パケットの一つ一つについてＩＰアドレスを読み取っていたのでは転送効率が良くないので、あらかじめ出発点と終点との間にカットスルーパスを設定しておき、このカットスルーパスの区間ではＩＰヘッダを読み取る必要がないため、光信号をそのまま高速で転送することができる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の光通信では、カットスルーパスを用いてバーストデータを転送する際には、あらかじめカットスルーパスを設定しておく必要がある。カットスルーパスをあらかじめ設定するためには、出発点から終点までに経由する各ルータにカットスルーパスを設定したい旨の要求を行い、各ルータがこの要求に応えることにより、はじめてカットスルーパスの事前設定が完了する。
【０００６】
この際に、各ルータにおけるカットスルーパスの設定手順をみてみると、まず、到着した光ＩＰパケットのヘッダ情報を電気信号に変換し、その中に、カットスルーパスの設定要求に相当する情報が含まれているか否かを読み取り、設定要求が含まれている場合には、カットスルーパス設定のための波長を選択し、波長が選択できたら実際にカットスルーパス設定を行う。そして、カットスルーパスが設定された波長については、もはやＩＰパケットのヘッダ情報を読み取る必要がないため、ＩＰパケットを光信号のまま転送すべく、他の波長と区別して取り扱うための設定変更を行う。
【０００７】
しかし、このような設定手順にはかなりの時間を要する。例えば、カットスルーパス設定のために２ｔ秒を要したとする。そして、このカットスルーパスを用いたバーストデータの転送に３ｔ秒を要したとすると、カットスルーパスを設定してバーストデータを転送し終わるまでに５ｔ秒を要することになる。この例では、バーストデータ転送に要した５ｔ秒間の内のおよそ半分近くの時間をカットスルーパスの設定に用いたことになる。このような事前のカットスルーパスに要する時間をデータ転送に充当できれば、さらなる転送効率の向上を期待することができる。
【０００８】
本発明は、このような背景に行われたものであって、バーストデータ転送を効率良く行うことができ、さらに、波長資源を有効に利用することができる光通信網およびプログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、カットスルーパスの設定または解放または方路切替の要求をノードが効率良く取得するために、あらかじめプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報をデータ中に挿入することを約束しておき、ノードは、プリアンブルを監視することによりこのプリアンブルに続く制御情報を取り出すことにより、カットスルーパスの設定または解放または方路切替の要求を取得することができることを特徴とする。
【００１０】
このように、プリアンブルに制御情報が続くことがあらかじめわかっていれば、ＣＰＵの処理としては、カットスルーパスの設定または解放または方路切替の要求が到来するデータに含まれているか否かを識別する処理手順を短縮することができる。また、カットスルーパス設定後には、そのカットスルーパスだけを監視することにより、そのカットスルーパスの方路切替または解放の要求を取得することができるため、複数波長にわたる監視を行う必要がなく、監視手順を簡単化することができる。したがって、従来と比較するとカットスルーパスの設定または解放または方路切替に要する手順および時間を短縮することができる。また、カットスルーパスの制御用波長とカットスルーパスの設定用波長とが同一波長であるため、波長資源を有効に利用することができる。
【００１１】
すなわち、本発明の第一の観点は、データ転送元を収容する送信側エッジノードと、データ転送先を収容する受信側エッジノードと、前記送信側エッジノードと前記受信側エッジノードとの間に配置された中継ノードとを備え、前記送信側エッジノードと前記受信側エッジノードとの間に前記中継ノードを経由するカットスルーパスを設定および解放する手段を備え、前記送信側エッジノードと前記中継ノードと前記受信側エッジノードとの間にはそれぞれ異なる複数のデータ転送用波長が設定された光通信網である。
【００１２】
ここで、本発明の特徴とするところは、前記データ転送用波長にはプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報が挿入され、前記カットスルーパスを設定および解放する手段は、複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第一監視手段と、この第一監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定する手段と、この設定する手段によりカットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第二監視手段と、この第二監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行する手段と、前記第二監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放する手段とを備えたところにある。
【００１３】
このように、バーストデータの区切りをプリアンブルによって識別可能とし、さらに、このプリアンブルの後に制御情報を挿入して当該バーストデータの扱いを指示することができるため、１つのカットスルーパスに方路の異なる複数のバーストデータをシリアルに転送することが可能となる。これにより、バーストデータ転送を効率良く行うことができるとともに、波長資源を有効に利用することができる。
【００１４】
本発明の第二の観点はプログラムであって、情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、光通信網における送信側エッジノードおよび中継ノードおよび受信側エッジノードを経由するカットスルーパスを設定および解放する機能として、前記データ転送用波長にはプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報が挿入され、複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第一監視機能と、この第一監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定する機能と、この設定する機能によりカットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第二監視機能と、この第二監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行する機能と、前記第二監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放する機能とを実現させることを特徴とするプログラムである。
【００１５】
本発明の第三の観点は、本発明のプログラムが記録された前記情報処理装置読取可能な記録媒体である。本発明のプログラムは本発明の記録媒体に記録されることにより、前記情報処理装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記情報処理装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
【００１６】
これにより、コンピュータ装置等の情報処理装置により、バーストデータ転送を効率良く行うことができ、波長資源を有効に利用することができる光通信網を実現することができる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
本発明実施例の光通信網を図１ないし図６を参照して説明する。図１は本発明実施例の光通信網の概念図である。図２はデータに挿入されるプリアンブルおよび制御パケットを示す図である。図３はバーストデータに挿入されるプリアンブルおよび制御情報を示す図である。図４〜図６は本発明実施例の監視機能の構成を示す図である。
【００１８】
なお、本発明実施例では、説明をわかりやすくするために、送信側エッジノードＳと受信側エッジノードＲとを区別して説明するが、実際には、エッジノードには送信側の機能および受信側の機能の双方が設けられており、双方向に通信を行うことができる。
【００１９】
本発明は、図１に示すように、データ転送元を収容する送信側エッジノードＳと、データ転送先を収容する受信側エッジノードＲと、送信側エッジノードＳと受信側エッジノードＲとの間に配置された中継ノードＬ１〜Ｌ４とを備え、送信側エッジノードＳと受信側エッジノードＲとの間に中継ノードＬ１〜Ｌ４を経由するカットスルーパスを設定および解放する機能を備え、送信側エッジノードＳと中継ノードＬ１〜Ｌ４と受信側エッジノードＲとの間にはそれぞれ異なる複数のデータ転送用波長が設定された光通信網である。前記カットスルーパスを設定または解放する機能は、送信側エッジノードＳ、中継ノードＬ１〜Ｌ４、受信側エッジノードＲにそれぞれ備えてもよいし、あるいは、カットスルーパスの設定および解放を一括管理する装置としてノード外の光通信網に一つあるいは複数分散配置してもよい。また、当該機能は、周知の技術であり、図示および説明は省略する。
【００２０】
ここで、本発明の特徴とするところは、図２に示すように、前記データ転送用波長にはプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報を含む制御用パケットが挿入され、複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する監視部２を備え、前記カットスルーパスを設定または解放する機能は、この監視部２の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定し、図３に示すように、監視部２は、カットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視し、前記カットスルーパスを設定または解放する機能は、監視部２の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行し、監視部２の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放するところにある。
【００２１】
次に、本発明実施例の光通信網の動作を説明する。図４に示すように、光伝送路７には、図２に示すようなデータが転送されている。光切替器１は、通常は、光伝送路７を光クロスコネクト３に接続している。
【００２２】
光切替器１は、転送されるデータに挿入されたプリアンブルを検出すると光伝送路７を監視部２に接続する。これにより、プリアンブルに続く制御情報は監視部２に導入される。光切替器１は、制御情報の通過を検出すると光伝送路７を再び光クロスコネクト３に接続する。
【００２３】
監視部２は、受け取った制御情報を解析し、その結果、その制御情報がカットスルーパス設定要求であることを認識すると、その監視結果を前記カットスルーパスを設定または解放する機能に出力する。この監視結果を受け取った前記カットスルーパスを設定または解放する機能は所定のカットスルーパスの設定を実施する。以上の手順にしたがってカットスルーパスの設定が行われる。
【００２４】
カットスルーパスが設定された後は、図３に示すように、このカットスルーパスを使ってバーストデータが転送される。光切替器１は、転送されるバーストデータに挿入されたプリアンブルを検出すると光伝送路７を監視部２に接続する。これにより、プリアンブルに続く制御情報は監視部２に導入される。光切替器１は、制御情報の通過を検出すると光伝送路７を再び光クロスコネクト３に接続する。
【００２５】
監視部２は、受け取った制御情報を解析し、その結果、その制御情報がカットスルーパス方路切替要求（＃３、＃１）であることを認識すると、その監視結果を光クロスコネクト３に出力する。この監視結果を受け取った光クロスコネクト３は所定のカットスルーパスの方路切替を実施する。図３の例では、方路＃３→方路＃１と切替えが実施される。以上の手順にしたがってカットスルーパスの方路切替が行われる。
【００２６】
また、監視部２は、受け取った制御情報を解析し、その結果、その制御情報がカットスルーパス解放要求（Ｒ）であることを認識すると、その監視結果を前記カットスルーパスを設定または解放する機能に出力する。この監視結果を受け取った前記カットスルーパスを設定または解放する機能は所定のカットスルーパスの解放を実施する。以上の手順にしたがってカットスルーパスの解放が行われる。
【００２７】
次に、図５を参照して監視部２が制御情報を監視するための図４とは異なる構成について説明する。光伝送路７から出力された光信号は光カプラ４により分岐され、その一部が監視部２に入力される。監視部２では、プリアンブルを検出することにより制御情報の到来を認識し、プリアンブルに続く制御情報を受け取ることができる。
【００２８】
次に、図６を参照して監視部２が制御情報を監視するための図４および図５とは異なる構成について説明する。図６の構成では、一つの監視部２が複数の光伝送路７−１〜７−ｎを監視することができる。
【００２９】
本発明の光通信網は、情報処理装置としてのコンピュータ装置にインストールすることにより、そのコンピュータ装置に、光通信網における送信側エッジノードＳおよび中継ノードＬ１〜Ｌ４および受信側エッジノードＲを経由するカットスルーパスを設定および解放する機能として、前記データ転送用波長にはプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報が挿入され、複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第一監視機能と、この第一監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定する機能と、この設定する機能によりカットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第二監視機能と、この第二監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行する機能と、前記第二監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放する機能とを実現させるプログラムを前記コンピュータ装置にインストールすることにより、前記コンピュータ装置を用いて実現することができる。なお、前記第一および第二監視機能は、図４〜図６に示す監視部２に相応する機能である。
【００３０】
本発明のプログラムは、本発明の記録媒体に記録されることにより、前記コンピュータ装置は、この記録媒体を用いて本発明のプログラムをインストールすることができる。あるいは、本発明のプログラムを保持するサーバからネットワークを介して直接前記コンピュータ装置に本発明のプログラムをインストールすることもできる。
【００３１】
これにより、コンピュータ装置により、カットスルーパスを事前に設定する必要がなく、バーストデータ転送を効率良く行うことができるとともに波長資源を有効に利用することができる光通信網を実現することができる。
【００３２】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、バーストデータ転送を効率良く行うことができるとともに波長資源を有効に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明実施例の光通信網の概念図。
【図２】データに挿入されるプリアンブルおよび制御パケットを示す図。
【図３】バーストデータに挿入されるプリアンブルおよび制御情報を示す図。
【図４】本発明実施例の監視機能の構成を示す図。
【図５】本発明実施例の監視機能の構成を示す図。
【図６】本発明実施例の監視機能の構成を示す図。
【符号の説明】
１ 光切替器
２ 監視部
３ 光クロスコネクト
４、４−１〜４−ｎ 光カプラ
７、７−１〜７−ｎ 光伝送路
Claims (4)
- データ転送元を収容する送信側エッジノードと、データ転送先を収容する受信側エッジノードと、前記送信側エッジノードと前記受信側エッジノードとの間に配置された中継ノードとを備え、
前記送信側エッジノードと前記受信側エッジノードとの間に前記中継ノードを経由するカットスルーパスを設定および解放する手段を備え、
前記送信側エッジノードと前記中継ノードと前記受信側エッジノードとの間にはそれぞれ異なる複数のデータ転送用波長が設定された光通信網において、
前記データ転送用波長には周期的に現れるプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報が挿入され、
前記カットスルーパスを設定および解放する手段は、
複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第一監視手段と、
この第一監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定する手段と、
この設定する手段によりカットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第二監視手段と、
この第二監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行する手段と、前記第二監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放する手段と
を備えたことを特徴とする光通信網。 - 情報処理装置にインストールすることにより、その情報処理装置に、光通信網における送信側エッジノードおよび中継ノードおよび受信側エッジノードを経由するカットスルーパスを設定および解放する機能として、
前記データ転送用波長には周期的に現れるプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報が挿入され、
複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第一監視機能と、
この第一監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定する機能と、
この設定する機能によりカットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第二監視機能と、
この第二監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行する機能と、
前記第二監視機能の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放する機能と
を実現させることを特徴とするプログラム。 - 請求項２記載のプログラムが記録された前記情報処理装置読取可能な記録媒体。
- データ転送元を収容する送信側ノードと、データ転送先を収容する受信側ノードと、前記送信側ノードと前記受信側ノードとの間に配置された中継ノードとを備えた光通信網に設けられたノードにおいて、
前記送信側ノードと前記中継ノードと前記受信側ノードとの間にはそれぞれ異なる複数のデータ転送用波長が設定され、
前記データ転送用波長には周期的に現れるプリアンブルおよびこのプリアンブルに続くカットスルーパスの設定または解放または方路切替を要求する制御情報が挿入され、
前記受信側ノードとの間に前記中継ノードを経由するカットスルーパスを設定および解放する手段を備え、
前記カットスルーパスを設定および解放する手段は、
複数の前記データ転送用波長のそれぞれについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第一監視手段と、
この第一監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスを設定する手段と、
この設定する手段によりカットスルーパスが設定された後には当該カットスルーパスを転送されるバーストデータについてプリアンブルおよびこのプリアンブルに続く制御情報を監視する第二監視手段と、
この第二監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの方路切替を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの方路切替を実行する手段と、前記第二監視手段の監視結果にしたがってプリアンブルに続く制御情報がカットスルーパスの設定の解放を要求するときにはその要求に沿ってカットスルーパスの設定を解放する手段と
を備えたことを特徴とするノード。
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